JP6638661B2 - 有機物質の熱分解方法及び熱分解設備 - Google Patents

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Description

本発明は、廃プラスチックなどの有機物質を熱分解してガス状物質などに転換するための有機物質の熱分解技術に関する。
廃プラスチック、含油スラッジ、廃油などの多くは焼却処理されているのが現状である。しかし、焼却処理ではCO発生などの環境負荷が高く、また、焼却炉の熱的損傷の問題もあり、ケミカルリサイクル技術の確立が求められている。
ケミカルリサイクル技術のなかでも、有機物質を気体燃料や液体燃料に転換するための技術は、廃プラスチックを中心に従来から種々検討がなされ、例えば、以下のような提案がなされている。
特許文献1には、水素濃度60vol%以上、好ましくは80vol%以上、温度600℃以上のコークス炉ガス(COG)を廃プラスチックなどの有機物質と反応させることにより、有機物質を高効率で水素化分解・ガス化し、COGを増熱化する方法が開示されている。
また、特許文献2には、ガス化溶融炉で発生した一酸化炭素と水素を含有する排ガスを利用し、この排ガスに過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせ、このシフト反応生成ガスを有機物質に接触させることで、有機物質を改質して低分子化(熱分解)する方法が開示されている。
また、特許文献3には、冶金炉で発生した一酸化炭素を含有する排ガスを利用し、この排ガスに過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせ、このシフト反応生成ガスを有機物質に接触させることで、有機物質を改質して低分子化(熱分解)するとともに、改質反応器から出た低分子化生成物(熱分解生成物)のうち、液体生成物を改質反応器に還流させて再熱分解し、ガス化率を向上させるようにした方法が開示されている。
特開2007−224206号公報 特許第5679088号公報 特開2013−173884号公報
しかしながら、上記従来技術には、以下のような問題がある。
まず、特許文献1に関しては、有機物質のガス化率がきわめて高くなることが特徴であるが、COG中の水素濃度が60vol%以上となるのは石炭乾留工程のうちでも乾留末期に限られるので、特許文献1の方法では、乾留末期のタイミングでガス流路を切替え、多量のダストを含む600℃以上のCOGを廃プラスッチクの水素化分解反応器に供給する必要がある。しかし、このような過酷な条件で、流路切替弁を長期間安定して作動させ続けることは困難であり、この意味で実現性に乏しい技術であると言える。さらに、廃プラスチックの効率的なガス化のためには、60vol%以上の水素を含有するCOGを連続的に水素化分解反応器に供給することが必要であるが、このためには炭化室毎に水素濃度計と流路切替弁を設置する必要があり、設備コストが増大する。
また、特許文献2の方法は、設備的には比較的温和な条件で反応がなされるため、実施が容易であることや設備コストを低減できる利点を有するものの、得られる熱分解生成物は油状物質の割合が多くなり、ガス状物質の収率が低いという課題がある。油状物質は、使用場所までの輸送を考慮した場合、粘性を保つために保温が必要であるなどハンドリング性が悪い。このため有機物質の熱分解では、可能な限りガス状物質の収率を高めることが望まれる。
そのような課題に対して、特許文献3の方法では、気体生成物の収率を高めるために、改質反応器から出た熱分解生成物のうち、液体生成物を改質反応器に還流させて再熱分解させているが、本発明者らが検証実験を実施したところ、特許文献3の方法のように液体生成物を改質反応器に還流させても、その大部分が揮発するのみで熱分解が進まず、再び常温で液状となる物質として回収されてしまうことが判った。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、廃プラスチックなどの有機物質を熱分解して熱分解生成物を得る際に、気体生成物(常温で気体である熱分解生成物)の収率を高めることができる有機物質の熱分解方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、そのような有機物質の熱分解方法の実施に好適な設備を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため検討を重ねた結果、反応器から出た熱分解生成物のうち液体生成物を反応器に還流させて再熱分解を行う際に、液体生成物を多孔質等の固形物からなる油分吸着剤に含浸させることにより吸着させ、液体生成物を油分吸着剤に吸着させた状態で反応器に還流させることにより、気体生成物(常温で気体である熱分解生成物)の収率を飛躍的に高めることができることを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]反応器(A)において、有機物質を少なくとも水素及び二酸化炭素を含む混合ガス(g)と接触させることにより熱分解させる方法であって、
反応器(A)から取り出された有機物質の熱分解生成物のうち、常温で液体である熱分解生成物の少なくとも一部を、固形物からなる油分吸着剤に含浸させることにより吸着させ、該熱分解生成物を油分吸着剤に吸着させた状態で、再度、反応器(A)に導入して熱分解させることを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[2]上記[1]の熱分解方法において、反応器(A)から排出された、有機物質の熱分解生成物を含むガス(g)を常温又は常温近傍まで冷却して、ガス(g)に含まれる有機物質の熱分解生成物の一部を液化させ、この液状の熱分解生成物を油分吸着剤に吸着させることを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[3]上記[1]又は[2]の熱分解方法において、有機物質が廃プラスチック、含油スラッジ、廃油、バイオマスの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの熱分解方法において、油分吸着剤が、多孔質化処理された廃プラスチックであることを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[5]上記[4]の熱分解方法において、多孔質化処理では、廃プラスチックを溶融させて混練した後、冷却して固化させ、該固化体を加熱処理してその一部を揮発させることにより、固化体を多孔質化することを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[6]上記[5]の熱分解方法において、加熱処理前又は/及び加熱処理後に固化体を破砕処理することを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[7]上記[4]の熱分解方法において、多孔質化処理では、廃プラスチックを溶融させて混練した後、該混練物を加熱処理してその一部を揮発させ、次いで冷却して固化させることにより、多孔質化した固化体を得ることを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[8]上記[7]の熱分解方法において、固化体を破砕処理することを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[9]上記[1]〜[8]のいずれかの熱分解方法において、反応器(A)が流動層式反応器であることを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[10]上記[1]〜[9]のいずれかの熱分解方法において、混合ガス(g)は、さらに水蒸気を含むことを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[11]上記[10]の熱分解方法において、混合ガス(g)は、水蒸気濃度が20〜70vol%、水素濃度が10〜40vol%、二酸化炭素濃度が10〜40vol%であることを特徴とする有機物質の熱分解方法。
[12]上記[1]〜[11]のいずれかの熱分解方法において生成した、常温で気体である熱分解生成物を有用ガス状物質として回収することを特徴とするガス状物質の製造方法。
[13]有機物質を少なくとも水素及び二酸化炭素を含む混合ガス(g)と接触させることにより熱分解させる反応器(A)と、
該反応器(A)から排出された、有機物質の熱分解生成物を含むガス(g)を常温又は常温近傍まで冷却し、ガス(g)に含まれる有機物質の熱分解生成物の一部を液化させてガス(g)から分離する分離装置(B)と、
該分離装置(B)で分離された液状の熱分解生成物を、固形物からなる油分吸着剤に含浸させることにより吸着させる吸着処理装置(C)と、
該吸着処理装置(C)で液状の熱分解生成物を吸着させた油分吸着剤を反応器(A)に供給する供給手段(D)を備えることを特徴とする有機物質の熱分解設備。
[14]上記[13]の熱分解設備において、反応器(A)が流動層式反応器であることを特徴とする有機物質の熱分解設備。
本発明によれば、廃プラスチックなどの有機物質を熱分解して熱分解生成物を得る際に、気体生成物(常温で気体である熱分解生成物)の収率を飛躍的に高めることができる。また、実施設備に関しても、特別な計測器や流路切替弁などが必要なく、しかも比較的低い反応温度でも有機物質の熱分解を行うことができるので、比較的簡易な設備で実施することができる。また、熱分解に使用するガスは製鉄所やごみ処理場などで安定的に供給可能なガスを用いればよく、このようなガスを用いて有機物質を効率的に熱分解し、気体生成物(常温で気体である熱分解生成物)の割合が高い熱分解生成物を得ることができる。
本発明による有機物質の熱分解方法のフロー及び熱分解設備の一実施形態を模式的に示す全体構成図 図1の熱分解設備において、有機物質の熱分解生成物を含むガス(g)を常温又は常温近傍まで冷却し、ガス(g)に含まれる有機物質の熱分解生成物の一部を液化させてガス(g)から分離する分離装置Bを模式的に示す構成図 図1の熱分解設備において、液状の熱分解生成物を多孔質等の固形物からなる油分吸着剤に吸着させるための吸着処理装置Cを模式的に示す構成図
本発明法は、反応器Aにおいて有機物質を少なくとも水素及び二酸化炭素を含む混合ガス(g)と接触させることにより熱分解させる方法であって、反応器Aから取り出された有機物質の熱分解生成物のうち、常温で液体である熱分解生成物の少なくとも一部を、多孔質等の固形物からなる油分吸着剤に含浸させることにより吸着させ、その熱分解生成物を油分吸着剤に吸着させた状態で、再度、反応器(A)に導入して熱分解させるものである。なお、以下の説明では、有機物質の熱分解生成物のうち、常温で液体である熱分解生成物を「油状物質」、常温で気体である熱分解生成物を「ガス状物質」という。
上記のように、反応器Aから取り出された熱分解生成物のうち、油状物質を反応器Aに還流させて再熱分解を行う際に、油状物質を多孔質等の固形物からなる油分吸着剤に吸着させた状態で反応器Aに還流させることにより、ガス状物質の収率を飛躍的に高めることができる。
本発明において有機物質の熱分解に用いる、少なくとも水素及び二酸化炭素を含む混合ガス(g)としては、例えば、ガス化溶融炉や製鉄プロセスで発生するガス、或いはこれらのガスを改質したものを用いることができる。すなわち、ガス化溶融炉や製鉄プロセスで発生するガスが所定のガス組成を満足する場合は、そのまま使用すればよいが、例えば、転炉ガスのように一酸化炭素リッチで水素が少ないガスを使用する場合には、過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせればよい。これにより、もともと含まれていた水素と、シフト反応で生成した二酸化炭素および水素と、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガスが生成され、有機物質の熱分解に適したガス組成とすることができる。
ここで、ガス化溶融炉とは、ごみを低酸素状態で加熱することで熱分解させ、この熱分解で発生したガスを燃焼又は回収するとともに、灰分及び不燃物を高温で溶融する炉設備であり、熱分解と溶融を一体で行う方式と、分離して行う方式とがある。具体的には、ガス化改質方式(例えば、サーモセレクト方式など)、シャフト炉方式(例えば、コークスベッド式、酸素式、プラズマ式など)、キルン炉方式、流動床方式、半乾留・負圧燃焼方式などがある。本発明では、いずれの方式のガス化溶融炉で発生した排ガスを用いてもよく、また、2種以上の排ガスが混合されたものを用いてもよい。ガス化溶融炉で発生する排ガスとしては、例えば、二酸化炭素濃度が20〜60vol%、水素濃度が60〜20vol%である二酸化炭素と水素を含有する排ガス、一酸化炭素濃度が10〜50vol%、水素濃度が50〜10vol%である一酸化炭素と水素を含有する排ガスが挙げられ、これらの排ガスをそのまま或いは所定のガス組成に改質した上で、有機物質の熱分解用の混合ガス(g)として用いることができる。
また、製鉄プロセスにおける転炉ガスや高炉ガスなども利用可能なガスであり、上述のように水素が不足するガスの場合には、いわゆるシフト反応によって水素が生成するため、水素濃度が10vol%程度であっても本発明の混合ガス(g)として好適な組成となる。
一般に廃プラスチックなどの高分子量有機物質は300〜400℃以上で加熱すると熱分解が始まることが知られているが、この時、軽質化とともに重質化も進行してしまう。熱分解時に水素を共存させると、炭化水素種への水素付加反応と水素化分解反応が進行するため、重質化抑制と低分子化に有効である。しかしながら、水素化分解には高温が必要であり、且つ水素消費量が多くなることが問題である。
一方、水蒸気改質や炭酸ガス改質は、HOやCO分子中の酸素による炭化水素の酸化と看做すことができ、少ない水素添加量で低分子化と炭素質生成抑制が達成できる。さらに、水蒸気改質や炭酸ガス改質は、改質される有機分子の炭素鎖が長くなるにつれて反応温度が低下するという特徴を有する。これら水素化、水素化分解、水蒸気改質、および炭酸ガス改質を組み合わせることにより、比較的低い反応温度でも効率的に有機物質の低分子化を促進することが可能になる。
したがって、本発明で用いる混合ガス(g)は、水素及び二酸化炭素に加えて、水蒸気を含有することが好ましい。
本発明で用いられる有機物質を炭化水素(C)で示すと、上述の反応は、以下に示す反応式で表すことができる。
水素化:C+H→Cn+2
水素化分解:C+H→C+C(m=p+r、n+2=q+s)
水蒸気改質:C+HO→Cm−1n−2+CO+2H
炭酸ガス改質:C+CO→Cm−1n−2+2CO+H
ただし、水素化には下記のCO、COのメタネーション反応も含まれる。
CO+3H→CH+HO、CO+4H→CH+2H
なお、水蒸気改質や炭酸ガス改質で生成したHによっても、上記の水素化や水素化分解が進行する。
また、一酸化炭素を含有するガスに水蒸気を添加して、下記(1)のシフト反応を行えば、COをHとCOに変換できるので、本発明で用いる混合ガス(g)として好適なものとなる。
CO+HO→H+CO …(1)
ガス化溶融炉で発生する排ガスや製鉄所で発生するガスには一酸化炭素を多く含むものがあるため、この方法によれば、一酸化炭素と水蒸気のシフト反応を制御することで、熱分解用として好適な混合ガスを得ることができる。
特に、一酸化炭素を含有する排ガスに水蒸気を過剰に添加すると、生成ガス中に水蒸気が残留するため水蒸気改質反応を利用することができるようになる。つまりシフト反応の反応率を適宜制御することによって、ガス中の水蒸気、水素、炭酸ガスの各濃度を制御し、有機物質熱分解用として好適なガス組成の混合ガス(g)とすることができる。
シフト反応の反応率は、シフト反応器内での滞留時間を調整することで制御することができる。例えば、滞留時間を短くするには、シフト反応器長さを小さくしたり、或いは触媒充填量を少なくする方法が一般的であり、その場合、シフト反応器長さや触媒充填量は、ほぼ平衡まで反応を進行させる場合の1/2〜1/4程度とすればよい。
サーモセレクト方式のガス化溶融炉から発生する排ガスには、通常、COが20〜40vol%、COが40〜20vol%、Hが20〜40vol%程度含有されている。したがって、このような二酸化炭素と水素を含有する排ガスに適量の水蒸気を混合するだけで、CO:15〜20vol%、CO:10〜35vol%、H:15〜20vol%、HO:20〜50vol%程度の組成となり、有機物質熱分解用の混合ガス(g)として好適なものとなる。
また、製鉄所で発生する高炉ガスや転炉ガスについても、同様のシフト反応を利用することで、有機物質熱分解用として好適なガス組成に改質することができる。
なお、混合ガス(g)として、上述したようなシフト反応で生成したガスを用いる場合において、反応器Aに投入する有機物質が水を含んでいる場合には、反応器A内で水蒸気が発生するので、その分を考慮してシフト反応で添加する水蒸気の過剰割合を調整することが好ましい。
本発明において、熱分解の対象となる有機物質に特別な制限はないが、高分子量の有機物質が好適であり、例えば、廃プラスチック、含油スラッジ、廃油、バイオマスなどが挙げられ、これらの1種以上を対象とすることができる。
対象とする廃プラスチックの種類に特別な制限はないが、例えば、産業廃棄物系、容器包装リサイクル法の対象プラスチックなどを挙げることができる。より具体的には、PEやPPなどのポリオレフィン類、PAやPETなどの熱可塑性ポリエステル類、PSなどのエラストマー類、熱硬化性樹脂類、合成ゴム類や発砲スチロールなどを挙げることができる。なお、多くのプラスチック類にはフィラーなどの無機物が添加されているが、本発明では、このような無機物は反応に関与しないので、固体状残渣として反応器Aから排出される。また、廃プラスチックは、必要に応じて適当なサイズに事前裁断された後、反応器Aに投入される。
また、廃プラスチックがポリ塩化ビニルなどの塩素含有樹脂を含んでいると、反応器A内で塩素が発生し、この塩素がガス状物質や油状物質中に含有されてしまう恐れがある。したがって、廃プラスチックが塩素含有樹脂を含む恐れがある場合には、反応器A内にCaOなどのような塩素吸収剤を投入し、塩素分が生成するガス状物質や油状物質中に含有されないようにすることが好ましい。
含油スラッジとは、含油廃液処理工程で発生する汚泥状の混合物のことであり、一般に30〜70質量%程度の水分を含んでいる。スラッジ中の油分としては、例えば、各種鉱物油、天然及び/又は合成油脂類、各種脂肪酸エステル類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、反応器Aに含油スラッジを供給する際などのハンドリング性を向上させるために、遠心分離などの手法により、スラッジ中の水分を30〜50質量%程度まで低減させてもよい。
廃油としては、例えば、使用済みの各種鉱物油、天然及び/又は合成油脂類、各種脂肪酸エステル類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これら2種以上の廃油の混合物であってもよい。また、製鉄所の圧延工程で発生する廃油の場合、一般に多量(通常、80質量%超程度)の水分を含有しているが、この水分についても、比重分離などの手法によって事前に低減させておくことが、ハンドリング性の面で有利である。
バイオマスとしては、例えば、下水汚泥、紙、木材(建設廃材、間伐材など)、農作物由来の廃棄物(例えば、籾殻、茶殻、コーヒー殻(滓)など)などの他、ゴミ固形燃料(RDF)などの加工されたバイオマスなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。バイオマスには、通常、多量の水分が含有されているので、事前に乾燥させておくことがエネルギー効率の点から好ましい。また、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属を比較的高濃度に含むバイオマスの場合、反応器A内でアルカリ金属が析出する可能性があるので、水洗などの方法によって事前にアルカリ金属を溶出させておくことが好ましい。なお、建設廃材などの大型のバイオマスは、事前に裁断して反応器Aに投入される。
反応器A内での反応温度は400〜800℃程度が望ましく、600〜700℃程度がより望ましい。反応温度が400℃未満では有機物質の熱分解が進みにくく、ガス状物質の収率が低くなる。一方、反応温度が800℃を超えると熱分解生成物のガス状物質のうちC1〜C4化合物の熱分解が進んでCOやCOが生成され、ガス状物質の発熱量が低下し、気体燃料としての価値が低下する。
なお、反応温度が高いとガス状物質の生成量が増加し、油状物質の生成量が減少する傾向があるが、反応温度が低い方がエネルギーコストは小さくなるため、できるだけ低温での反応が有利である。圧力の影響はほとんど認められないので、常圧〜数kg/cm程度の微加圧で反応器Aを運転することが経済的である。
反応器Aの種類は特に限定されないが、一般に流動層式反応器は熱伝導に優れていることが知られており、本発明で流動層式反応器を採用した場合、熱伝導に優れるために有機物質の熱分解速度が高くなるなどの利点があり、特に好ましい。
また、反応器A内で廃プラスチックなどの有機物質が円滑に移動し、且つ有機物質熱分解用の混合ガス(g)と効率的に接触できるという点から、ロータリーキルンのような横型の移動床式反応器も好ましい。
また、本発明では有機物質の熱分解に特に触媒を必要としないが、触媒を充填して反応を行ってもよい。触媒としては、水蒸気改質活性、炭酸ガス改質活性、水素化活性、水素化分解活性をそれぞれ有する1種又は2種以上の触媒を用いることができる。具体例としては、Ni系改質触媒、Ni系水素化触媒、Pt/ゼオライト系石油精製触媒などを挙げることができる。また、微細なFe粒子からなることが知られている転炉発生ダストも、改質触媒や水素化分解触媒として用いることができる。
本発明では、ガス状物質の収率を高めるため、反応器Aから取り出された有機物質の熱分解生成物のうち、油状物質の少なくとも一部を多孔質等の固形物からなる油分吸着剤に含浸させることにより吸着させ、その油状物質を油分吸着剤に吸着させた状態で反応器Aに還流させて再度熱分解させる。なお、反応器Aに還流させる油状物質は、反応器Aから取り出された油状物質の一部でもよいし、全部でもよい。
反応器Aから取り出される油状物質は、通常、C10〜C12を主成分として、C5〜C24の炭化水素からなり、ナフサ(C5〜C8)、灯油(C9〜C12)、軽油(C13〜C24)の混合物であり、重油相当(C25以上)をほとんど含まない良質の軽質油である。したがって、そのまま回収して液体燃料などとして使用することが可能であるが、輸送の利便性や燃焼性などを観点からすると、ガス状物質の収率を高めることが望ましい。
上述したような混合ガス(g)を用い、反応温度を400〜800℃として、有機物質の熱分解実験を実施したところ、ガス状物質の収率は概ね3〜4割程度であり、油状物質の収率が6〜7割程度であった。油状物質を分析すると、C10〜C12を主成分とした炭化水素であった。高分子である有機物質は反応器内で熱分解が進み、C10〜C12程度に分解されると揮発して反応器外に排出され、常温に冷却されると油状物質になるものと推定された。この油状物質を反応器に還流させてもほとんど熱分解されず揮発してしまい、ふたたび常温で油状物質となるため、還流量が少量ではガス状物質の収率向上にはつながらず、収率向上のためには大量の油状物質を還流(循環)させることが必要なことが判った。
そこで、反応器から回収した油状物質を多孔質等の固形物からなる油分吸着剤、例えば、廃プラスチックを多孔質化処理したものに吸着(含浸)させた上で反応器に還流させたところ、油状物質が熱分解され、ガス状物質の収率を向上させることができた。これは、C10〜C12程度の油状物質をそのまま反応器に還流させると、炭素の鎖状構造が切断されて低分子化する前に揮発してしまうのに対して、多孔質等の固形物からなる油分吸着剤に吸着(含浸)させたことで反応炉内での滞留時間が長くなり、揮発前に炭素の鎖状構造が切断されてガス状物質となり、その結果、C1〜C4のガス状物質の収率が向上するものと考えられる。
すなわち、(i)油状物質が油分吸着剤に吸着(含浸)された状態で加熱される場合、油分吸着剤自体が加熱されないと油状物質は揮発しないので、揮発にそれだけ時間がかかり、揮発する前に熱分解が進行する、(ii)油状物質は油分吸着剤の毛細管や微小隙間の内方に吸着(含浸)されているため、揮発するにはそれだけの熱エネルギーが必要であり、その分揮発しにくいため揮発するまでに時間がかかり、揮発する前に熱分解が進行する、という理由により油状物質の熱分解が促進され、ガス状物質の収率が向上するものと考えられる。
油分吸着剤は、油状物質を吸着(含浸)させることができる多孔質等の固形物(通常、粒状若しくは小片状の固形物)であれば種類を問わないが、できるだけ安価にかつ大量に得られるものであることが好ましい。このような観点から、本発明者らは廃プラスチックを用いることを考えた。油分吸着剤として廃プラスチックを用いることができれば、油分吸着剤自体も反応器内でガス化原料になるため、油分吸着剤を回収する必要もなくなる。ただし、廃プラスチックは無処理の状態では多孔質状の若しくは微細気孔を有するものではないため、何らかの方法で多孔質化若しくは微細気孔を有する状態にする必要がある。そこで、油分吸着剤として好適な多孔質化された廃プラスチックを得る方法について検討した結果、廃プラスチックを以下のように処理(多孔質化処理)することにより、多孔質の油分吸着剤が得られることを見出した。
すなわち、その多孔質化処理は、廃プラスチックを溶融させて混練した後、その混練物又はこれを固化させた固化体を加熱処理してその一部を揮発させることにより、廃プラスチックを多孔質化するものである。
一般に、リサイクルのために集められる廃プラスチックには複数種類のプラスチックが含まれており、また、プラスチック以外の有機物質(例えば、紙、木材)が含まれることも多い。廃プラスチックに含まれるこれらの樹脂成分や非樹脂成分は、加熱処理した場合の熱分解温度(揮発温度)に差がある。
上記の多孔質化処理では、まず、廃プラスチックを溶融させて混練することで、熱分解などによる揮発温度が相対的に低い成分(y)を、揮発温度が相対的に高い成分(x)に対して均一に分散させる。この混練物をそのまま若しくは冷却して固化させた後、比較的低い温度で加熱処理することにより、成分(y)の一部又は全部のみを熱分解などにより揮発させ、これにより廃プラスチックを多孔質化する。
多くの廃プラスチックは、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)などを主体(主成分)とし、これにポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニルなどの樹脂成分や、紙・木材などが混入した混合物である。このような廃プラスチックの組成では、主体をなすPE、PS、PPなどは、熱分解による揮発温度が比較的高く(一般に450℃を超える)、上記成分(x)に該当する。一方、PET、ポリ塩化ビニルなどの樹脂成分や紙、木材は、熱分解など(例えばポリ塩化ビニルの脱塩化水素反応なども含まれる)による揮発温度が比較的低く(一般に450℃以下)、上記成分(y)に該当する。すなわち、成分(y)はPET・ポリ塩化ビニルなどの樹脂成分(y1)又は/及び紙・木材などの非樹脂成分(y2)からなる。
ここで、上記加熱処理により成分(y)の全部が揮発して空孔(気孔)となると仮定した場合、成分(y)の割合が少なすぎると形成される空孔が少なくなり、油状物質を十分に吸着(含浸)できなくなる。一方、成分(y)の割合が多すぎるとポーラスになりすぎ、十分な強度が得られなくなる。このため成分(x)と成分(y)の質量比(x)/(y)は97/3〜75/25程度が好ましい。
したがって、廃プラスチックの成分構成によっては、成分(x)又は成分(y)を適宜加えるなどして、成分(x)と成分(y)の割合を適宜調整してもよい。この場合、非樹脂成分(y2)として、例えば、さきに熱分解対象の有機物質として挙げたような各種バイオマスを加えることができる。
多孔質化処理において、廃プラスチックを溶融させて混練する際の加熱温度(溶融・混練温度)は、成分(y)が熱分解などで揮発しない温度とする必要があり、160〜270℃程度が好ましい。溶融・混錬温度が160℃未満では、廃プラスチックの成分構成によっては溶融が不十分になって成分(x)と成分(y)の均一分散性が低下し、多孔質組織の均質性が低下するおそれがある。一方、溶融・混錬温度が270℃を超えると、成分(y)の熱分解などによる揮発が生じはじめるので、多孔質化する上であまり好ましくない。
廃プラスチックを溶融・混練するのは、成分(x)に対して成分(y)を均一に分散させ、後の加熱処理による成分(y)の揮発により均質な多孔質組織を得るためである。このため十分に混練することが好ましく、例えば100(1/秒)以上の剪断速度で混練することが好ましい。
廃プラスチックを溶融・混練する手段に特別な制限はなく、任意の手段を用いることができる。廃プラスチックの溶融・混練は1つの装置内で行ってもよく、例えば、二軸押し出し機などの押し出し機を用いてもよい。
廃プラスチックを溶融・混練した後の混練物又はその固化体の加熱処理は、成分(y)の一部又は全部が熱分解などにより揮発する温度で行う。通常、この加熱処理では、混練物又はその固化体を300℃〜450℃程度に加熱することが好ましい。加熱温度が300℃未満では成分(y)の揮発が不十分になりやすく、多孔質化には不利となる、一方、加熱温度が450℃を超えると、成分(x)も揮発するので、廃プラスチックの歩留りが低下する。
この多孔質化処理では、必要に応じて、適宜な段階で混練物の固化体を破砕処理し、粒状の固形物とする。なお、固化体が押し出し機で粒状に成形されるような場合には、破砕処理は必要でない場合がある。
したがって、廃プラスチックの多孔質化処理は、下記(i)又は(ii)のようにして行うことができる。
(i)廃プラスチックを溶融させて混練した後、冷却して固化させ、この固化体を加熱処理してその一部を揮発させることにより、固化体を多孔質化する。また、必要に応じて、加熱処理前又は/及び加熱処理後に固化体を破砕処理する。
(ii)廃プラスチックを溶融させて混練した後、この混練物を加熱処理してその一部を揮発させ、次いで冷却して固化させることにより、多孔質化した固化体を得る。また、必要に応じて、固化体を破砕処理する。
本発明で使用する油分吸着剤は、油状物質を含浸することにより吸着できる固形物(通常、粒状若しくは小片状の固形物)であればよい。この油分吸着剤は、通常、多孔質状、繊維状若しくは微細気孔を有する固形物などからなり、上述したような廃プラスチックからなるもの以外に種々の材料を用いることができる。例えば、紙、布などの繊維状物質、活性炭、バーミキュライト、鉄鉱石などの天然の鉱物などが挙げられるが、これらに限定されない。なお、微細気孔を有する固形物とは、多孔質とまではいえないが、相当数の微細気孔(細孔)を有し、比表面積が大きい(例えば5m/g以上)固形物を指す。
紙、布などの繊維状物質は、これらを構成する繊維間に油状物質を浸潤させることにより油状物質を吸着することができる。反応器Aが流動層式反応器である場合には、流動層に至るまでのハンドリングや流動層内での滞留時間の確保のために、必要に応じて粒状(塊状)に加工して用いてもよい。
活性炭やバーミキュライトは多孔質であるため、油状物質を吸着することができる。これらは粒度分布を揃えるために、必要に応じて粉砕・分級して用いてもよい。
鉄鉱石をはじめする天然の鉱物のなかにも多孔質若しくは微細気孔を有するものが存在し、これらも油分吸着剤として使用することができる。なかでも、JIS Z8830で規定する測定法で測定される比表面積が5m/g以上のものが好ましい。
上述した油分吸着剤のうち、紙、布などの繊維状物質や活性炭については、廃プラスチックと同様、供給された反応器A内で熱分解する。一方、バーミキュライトや鉄鉱石などの鉱物については、反応器A内で熱分解しないため、適宜なタイミング・方法で反応器A内から回収される。反応器Aが流動層式反応器である場合には、それら油分吸着剤は流動媒体と混合する。安定した流動層を形成するためには流動媒体の粒度、密度の均一性が重要であるから、粒径や密度が油分吸着剤と流動媒体で大幅に異なる場合には、一時的に反応器Aの運転を停止するなどして流動媒体と油分吸着剤の混合物を一部または全量取り出し、交換・補充をする必要がある。
油分吸着剤の粒径は特に制限はないが、ハンドリング性などの面で0.01〜50mm程度が望ましく、1〜10mm程度がより望ましい。
図1〜図3は、本発明による有機物質の熱分解方法のフロー及び熱分解設備の一実施形態を模式的に示すものであり、図1は全体構成図、図2は図1中の分離装置Bを模式的に示す構成図、図3は図1中の吸着処理装置Cを模式的に示す構成図である。
この実施形態の熱分解設備は、有機物質を少なくとも水素及び二酸化炭素を含む混合ガス(g)と接触させることにより熱分解させる反応器Aと、この反応器Aから排出された、有機物質の熱分解生成物を含むガス(g)を常温又は常温近傍まで冷却して、ガス(g)に含まれる有機物質の熱分解生成物の一部を液化させてガスから分離する分離装置Bと、この分離装置Bで分離された液状の熱分解生成物(油状物質)を、固形物からなる油分吸着剤に含浸させることにより吸着させる吸着処理装置Cと、この吸着処理装置Cで油状物質を吸着させた油分吸着剤を反応器Aに供給する(吸着処理された油状物質を反応器Aに還流する)供給手段Dを備える。
本実施形態の反応器A(熱分解炉)は流動層式反応器で構成されている。この流動層式反応器内の分散板1上には、流動層を構成する流動媒体3が充填されている。分散板1の下方の風箱2には、流動化ガスとして混合ガス(g)が導入され、この混合ガス(g)が分散板1から吹き出すことにより、流動媒体3による流動層が形成される。また、反応器Aの上部には有機物質の供給管4が接続され、貯留槽5から定量切出装置6によって切り出された有機物質が、この供給管4を通じて反応器A内に定量供給される。なお、供給管4には、反応器A内のガスが貯留槽5に流出しないようするための弁機構などが設けられる。
反応器Aは、反応温度までの昇温やガス化に伴う吸熱反応の熱補償のため、ヒーター7で加熱される。なお、反応器Aの加熱手段の形式は任意であり、例えば、流動媒体3の一部を反応器Aの外部に取り出してキルンなどの加熱炉で加熱し、この加熱された流動媒体3を再び反応器A内に戻す循環式加熱システムを用いてもよい。
所定温度に昇温され且つ流動層が形成された反応器A内に供給管4を通じて有機物質が定量供給され、有機物質の熱分解が開始される。反応器A内で生成した有機物質の熱分解生成物(ガス状物質及びガス化した油状物質)を含むガス(g)は、ガス取出管8で反応器Aから取り出され、分離装置Bに送られる。なお、反応器Aから取り出されるガス(g)には、通常、混合ガス(g)の未反応ガス成分が含まれる。
分離装置Bでは油状物質がガスから分離されるが、分離装置Bとしては、例えば、図2に示すような散水式のものを用いることができる。この分離装置Bでは、高温のガス(g)に水供給管12により供給される水をノズル13から散水することにより、ガス(g)の温度は常温付近まで冷却され、有機物質の熱分解生成物のうち常温で液体である熱分解生成物が液化し(油状物質となる)、ガス(g)から油状物質が分離される。分離装置Bで油状物質が分離されたガス(ガス状物質)は、製品ガスとしてガス輸送管9により系外に輸送され、種々の用途に利用される。
一方、油状物質は油分輸送管10により吸着処理装置Cに送られ、ここで油分吸着剤と接触して吸着(含浸)された後、供給手段Dである油分還流管11により、油分吸着剤に吸着された状態で再度反応器Aに導入される。
図3に示す本実施形態の吸着処理装置Cは、分離装置Bにおいて散水に用いた水と油状物質を分離するための比重分離槽14を備えており、この比重分離槽14に油分輸送管10を通じて油状物質が水とともに供給される。比重分離槽14内では、比重の大きい水が沈み、比重の小さい油状物質が浮上することにより油水分離を行う。さらに、浮上した油状物質中に吸着剤投入管16から油分吸着剤が供給され、この油分吸着剤に油状物質が吸着(含浸)される。油状物質と油分吸着剤との十分な接触を図るために撹拌翼15を設置し、この撹拌翼15で油状物質層を撹拌してもよい。
油状物質を吸着した油分吸着剤は、比重分離槽14からオーバーフローさせて回収し、油分還流管11を通じて反応器Aに導入する。なお、オーバーフローには、油分吸着剤で吸着しきれなかった余剰の油状物質が混入していてもよい。比重分離槽14内の水は水回収バルブ17により抜き出され、水回収管18を通じて水処理装置(図示しない)等へ輸送され、必要に応じて分離装置Bにて再利用される。
本発明法で得られるガス状物質は、可燃成分が一酸化炭素とC1〜C4程度の炭化水素からなり、そのLHVは約4〜8Mcal/Nmで高い発熱量を有する。このため、本発明法で得られるガス状物質は気体燃料として好適であり、また、天然ガス代替として高炉の還元剤や焼結鉱製造プロセスの凝結剤などとしても使用できる。
・発明例1
精製サーモセレクト方式のガス化溶融炉(Thermoselect Waste Gasification and Reforming Process)から発生し、塩化水素などの不純物を除去した後の排ガス(以下、サーモガス(Purified synthesis gas)という。)に水蒸気を添加したガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用いた。このためサーモガスの払出し配管に分岐管を設け、この分岐管を通じてサーモガスの一部を抜き出すことができるようにするとともに、この分岐管の下流側には流量調節弁、スチーム混合器、ガス予熱器を配置した。
サーモガスの平均組成は、H:31vol%、CO:33vol%、CO:30vol%、HO:<1vol%、N:6vol%であった。スチーム混合器に対してサーモガスを108Nm/h、水蒸気として圧力10kg/cmGのスチームを64Nm/h供給し、予熱器で430℃まで昇温した。水蒸気混合後のガス組成は、H:20vol%、CO:21vol%、CO:19vol%、HO:37vol%、N:4vol%であり、流量は172Nm/h(質量流量では171kg/h)であった。このガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用い、図1〜図3に示す設備構成において廃プラスチックの熱分解処理を実施した。
油分吸着剤には、以下のようなものを用いた。発電用等で流通している産業廃棄物系の廃プラスチックであって、排出元が異なる廃プラスチックを混合したものを原料とし、これを多孔質化処理して油分吸着剤とした。原料の廃プラスチックは、ポリエチレン/ポリプロピレンが主成分であり、それぞれの割合が43mass%、28mass%であった。その他の成分のうち、加熱処理により揮発しやすい塩ビ(ポリ塩化ビニル)が約5mass%含有され、紙や木くずなどの不純物も目視で若干量観察された。この廃プラスチックを窒素雰囲気中において200℃で混錬機により十分に混錬し、その後、混錬機から取り出し、冷却して固化させた。次に、この固化体を窒素雰囲気の炉において350℃で加熱処理した。この加熱処理による重量減少は約6mass%であり、塩ビや紙、木くず等が揮発したものと推定される。加熱処理したものを冷却後、粉砕機で粉砕して粒径1mm以上2mm未満の粉砕物とし、この粉砕物を油分吸着剤として使用した。
流動層式の反応器Aはヒーター7により予め600℃に予熱されており、反応器A内に混合ガス(g)を導入するとともに、廃プラスチックのモデル物質として粒状に破砕処理した廃プラスチックを880kg/hで供給し、計画反応温度である620℃まで昇温した。620℃に到達後、10日間、廃プラスチックの熱分解処理を継続した。この際、分離装置Bで分離された油状物質を吸着処理装置Cで油分吸着剤に吸着させた後、反応器Aに還流させた。反応状態は廃プラスチックの供給開始から約27時間後、定常状態に達した。
ガス輸送管9を通過するガス状物質の成分分析を行うとともに、LHVを求めた。また、油分還流管11から油状物質を吸着した油分吸着剤を一定時間抜き出して油状物質の還流量を定量した。この発明例における原料供給条件を表1に、ガス状物質の生成量、組成及びLHVを表2に、定常状態における油状物質の循環量及び油分吸着剤の添加量を表3に、それぞれ示す。
この発明例では、反応器Aから取り出された油状物質を油分吸着剤に吸着させた状態で反応器Aに還流させたので、ほぼ熱分解生成物の全量をガス状物質として回収することができた。定常状態において原料として供給したサーモガス、水蒸気、廃プラスチック及び油分吸着剤の合計量は1051kg/hであった。油状物質の還流量は580kg/hと比較的少ない量に抑えることができた。生成したガス状物質のLHVは7.2Mcal/Nmであり、サーモガス(1.8Mcal/Nm)の4.0倍に増熱していた。
Figure 0006638661
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・発明例2
製鉄所の転炉から発生したガスに水蒸気を添加してシフト反応を行わせ、これにより得られたガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用いた。このため転炉ガスの払出し配管に分岐管を設け、この分岐管を通じて転炉ガスの一部を抜き出すことができるようにするとともに、この分岐管の下流側には流量調節弁、スチーム混合器、ガス予熱器、Fe−Cr系高温シフト触媒を充填したシフト反応器(円筒竪型)を配置した。
転炉ガスの平均組成は、H:1vol%、CO:65vol%、CO:15vol%、HO:1vol%、N:18vol%であった。スチーム混合器に対して転炉ガスを70Nm/h、水蒸気として圧力10kg/cmGのスチームを101Nm/h供給した後、ガス予熱器にて320℃まで予熱し、シフト反応器に導入した。シフト反応は発熱反応であり、シフト反応器温度は430℃まで上昇した。シフト反応後のガス組成は、H:26vol%、CO:0vol%、CO:30vol%、HO:35vol%、N:9vol%であり、流量は171Nm/h(質量流量では171kg/h)であった。このガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用い、図1〜図3に示す設備構成において廃プラスチックの熱分解処理を実施した。
油分吸着剤には、以下のようなものを用いた。市中で収集された一般廃棄物系の廃プラスチックを原料として用いた。廃プラスチックの構成は不明であるが、これを窒素雰囲気中において220℃で混練機により十分に混錬し、その後、混錬機から取り出し、そのまま窒素雰囲気の炉において350℃で加熱処理した。この加熱処理による重量減少は約8mass%であり、塩ビや紙、木くず等が揮発したものと推定される。加熱処理したものを冷却後、粉砕機で粉砕して粒径1mm以上2mm未満の粉砕物とし、この粉砕物を油分吸着剤として使用した。
流動層式の反応器Aはヒーター7により予め600℃に予熱されており、反応器A内に混合ガス(g)を導入するとともに、廃プラスチックのモデル物質として粒状に破砕処理した廃プラスチックを880kg/hで供給し、計画反応温度である620℃まで昇温した。620℃に到達後、10日間、廃プラスチックの熱分解処理を継続した。この際、分離装置Bで分離された油状物質を吸着処理装置Cで油分吸着剤に吸着させた後、反応器Aに還流させた。反応状態は廃プラスチックの供給開始から約27時間後、定常状態に達した。
ガス輸送管9を通過するガス状物質の成分分析を行うとともに、LHVを求めた。また、油分還流管11から油状物質を吸着した油分吸着剤を一定時間抜き出して油状物質の還流量を定量した。この発明例における原料供給条件を表4に、ガス状物質の生成量、組成及びLHVを表5に、定常状態における油状物質の循環量及び油分吸着剤の添加量を表6に、それぞれ示す。
この発明例では、反応器Aから取り出された油状物質を油分吸着剤に吸着させた状態で反応器Aに還流させたので、ほぼ熱分解生成物の全量をガス状物質として回収することができた。定常状態において原料として供給したサーモガス、水蒸気、廃プラスチック及び油分吸着剤の合計量は1051kg/hであった。油状物質の還流量は581kg/hと比較的少ない量に抑えることができた。生成したガス状物質のLHVは5.7Mcal/Nmであり、転炉ガス(2.0Mcal/Nm)の2.9倍に増熱していた。
Figure 0006638661
Figure 0006638661
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・比較例1
発明例1と同様に、サーモガスに水蒸気を添加したガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用いた。すなわち、使用したサーモガスの平均組成は、H:31vol%、CO:33vol%、CO:30vol%、HO:<1vol%、N:6vol%であり、このサーモガスをスチーム混合器に108Nm/h導入し、水蒸気として圧力10kg/cmGのスチームを64Nm/h供給し、予熱器で430℃まで昇温した。水蒸気混合後のガス組成は、H:20vol%、CO:21vol%、CO:19vol%、HO:37vol%、N:4vol%であり、流量は172Nm/h(質量流量では171kg/h)であった。このガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用い、図1に示す設備構成において、油状物質を反応器Aに還流させることなく、廃プラスチックの熱分解処理を実施した。
流動層式の反応器Aはヒーター7により予め600℃に予熱されており、反応器Aに混合ガス(g)を導入するとともに、廃プラスチックのモデル物質として粒状に破砕処理した廃プラスチックを880kg/hで供給し、計画反応温度である620℃まで昇温した。620℃に到達後、10日間、廃プラスチックの熱分解処理を継続した。この際、油状物質は反応器Aに還流させなかった。反応状態は廃プラスチックの供給開始から約22時間後、定常状態に達した。
発明例1と同様の方法で、得られたガス状物質と油状物質の生成量と組成を求めるとともに、ガス状物質についてはLHVを求めた。この比較例における原料供給条件を表7に、ガス状物質の生成量、組成及びLHVを表8に、油状物質の組成を表9に、それぞれ示す。
この比較例では、供給原料総量に対する熱分解生成物の生成率は、ガス状物質が33%、油状物質が59%であり、油状物質がガス状物質よりも多く生成された。生成したガス状物質のLHVは7.2Mcal/Nmであり、サーモガスの4.0倍に増熱していた。
以上のように、この比較例では油状物質を反応器Aに還流させて再熱分解させなかったため、ガス状物質の生成量が大幅に減少する結果となった。
Figure 0006638661
Figure 0006638661
Figure 0006638661
・比較例2
発明例1と同様に、サーモガスに水蒸気を添加したガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用いた。すなわち、使用したサーモガスの平均組成は、H:31vol%、CO:33vol%、CO:30vol%、HO:<1vol%、N:6vol%であり、このサーモガスをスチーム混合器に108Nm/h導入し、水蒸気として圧力10kg/cmGのスチームを64Nm/h供給し、予熱器で430℃まで昇温した。水蒸気混合後のガス組成は、H:20vol%、CO:21vol%、CO:19vol%、HO:37vol%、N:4vol%であり、流量が172Nm/h(質量流量では171kg/h)であった。このガスを有機物質熱分解用の混合ガス(g)として用い、図1に示す設備構成において、油状物質を油分吸着剤に吸着させることなくそのまま反応器Aに還流させ、廃プラスチックの熱分解処理を実施した。
流動層式の反応器Aはヒーター7により予め600℃に予熱されており、この反応器Aに混合ガス(g)を導入するとともに、廃プラスチックを880kg/hで供給し、計画反応温度である620℃まで昇温した。620℃に到達後、10日間、廃プラスチックの熱分解処理を継続した。この際、分離装置Bで分離された油状物質を吸着処理装置Cで油分吸着剤に吸着させることなく、そのまま反応器Aに還流させた。反応状態は廃プラスチックの供給開始から約25時間後、定常状態に達した。
発明例1と同様の方法で、得られたガス状物質と油状物質の生成量と組成を求めるとともに、ガス状物質についてはLHVを求めた。この比較例における原料供給条件を表10に、ガス状物質の生成量、組成及びLHVを表11に、油状物質の組成と反応器Aへの還流量を表12に、それぞれ示す。
この比較例では、油状物質を油分吸着剤に吸着させることなく反応器Aに還流させているため、ほぼ全量をガス状物質として回収できたものの、油状物質の還流量は3500kg/hと非常に多く、油状物質の還流に大きな設備的負担(費用)が必要となった。生成したガス状物質のLHVは7.2Mcal/Nmであり、サーモガス(1.8Mcal/Nm)の4.0倍に増熱していた。
Figure 0006638661
Figure 0006638661
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A 反応器
B 分離装置
C 吸着処理装置
D 供給手段
1 分散板
2 風箱
3 流動媒体
4 供給管
5 貯留槽
6 定量切出装置
7 ヒーター
8 ガス取出管
9 ガス輸送管
10 油分輸送管
11 油分還流管
12 水供給管
13 ノズル
14 比重分離槽
15 撹拌翼
16 吸着剤投入管
17 水回収バルブ
18 水回収管

Claims (10)

  1. 反応器(A)において、有機物質を少なくとも水素及び二酸化炭素を含む混合ガス(g)と接触させることにより熱分解させる方法であって、
    反応器(A)から取り出された有機物質の熱分解生成物のうち、常温で液体である熱分解生成物の少なくとも一部を、固形物からなる油分吸着剤に含浸させることにより吸着させ、該熱分解生成物を油分吸着剤に吸着させた状態で、再度、反応器(A)に導入して熱分解させる有機物質の熱分解方法であり、
    前記油分吸着剤は、多孔質化処理された廃プラスチックであり、該多孔質化処理は、廃プラスチックを溶融させて混練した後、冷却して固化させ、該固化体を加熱処理してその一部を揮発させることにより、固化体を多孔質化するものであることを特徴とする有機物質の熱分解方法。
  2. 加熱処理前又は/及び加熱処理後に固化体を破砕処理することを特徴とする請求項に記載の有機物質の熱分解方法。
  3. 反応器(A)において、有機物質を少なくとも水素及び二酸化炭素を含む混合ガス(g)と接触させることにより熱分解させる方法であって、
    反応器(A)から取り出された有機物質の熱分解生成物のうち、常温で液体である熱分解生成物の少なくとも一部を、固形物からなる油分吸着剤に含浸させることにより吸着させ、該熱分解生成物を油分吸着剤に吸着させた状態で、再度、反応器(A)に導入して熱分解させる有機物質の熱分解方法であり、
    前記油分吸着剤は、多孔質化処理された廃プラスチックであり、該多孔質化処理は、廃プラスチックを溶融させて混練した後、該混練物を加熱処理してその一部を揮発させ、次いで冷却して固化させることにより、多孔質化した固化体を得るものであることを特徴とする有機物質の熱分解方法。
  4. 固化体を破砕処理することを特徴とする請求項に記載の有機物質の熱分解方法。
  5. 反応器(A)から排出された、有機物質の熱分解生成物を含むガス(g)を常温又は常温近傍まで冷却して、ガス(g)に含まれる有機物質の熱分解生成物の一部を液化させ、この液状の熱分解生成物を油分吸着剤に吸着させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機物質の熱分解方法。
  6. 有機物質が廃プラスチック、含油スラッジ、廃油、バイオマスの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機物質の熱分解方法。
  7. 反応器(A)が流動層式反応器であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の有機物質の熱分解方法。
  8. 混合ガス(g)は、さらに水蒸気を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の有機物質の熱分解方法。
  9. 混合ガス(g)は、水蒸気濃度が20〜70vol%、水素濃度が10〜40vol%、二酸化炭素濃度が10〜40vol%であることを特徴とする請求項に記載の有機物質の熱分解方法。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の熱分解方法において生成した、常温で気体である熱分解生成物を有用ガス状物質として回収することを特徴とするガス状物質の製造方法。
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