JP6638514B2 - 脆性基板の切断方法 - Google Patents

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Description

ガラス層を備えた脆性基板の切断方法に関する。
ガラス層を備えた脆性基板としては、ガラス層とポリマー層とを接着剤層を介して積層一体化したものが挙げられる。この種の脆性基板は、ガラス層に由来する高硬度、高耐久性、高気密性、ガスバリヤ性および高級感などといった諸特性と、ポリマー層に由来する軽量性や高耐衝撃性などといった諸特性とを兼ね備える。そのため、例えば、フラットパネルディスプレイ、携帯用電子デバイス、太陽電池などの電気・電子機器のパネル用材料や、建築構造物や各種車両の窓パネル用材料など、さまざまな分野での使用が期待されている。
上記の脆性基板は、通常、用途に応じた形状・寸法に切断した上で使用される。具体的な切断方法としては、例えば特許文献1には、レーザー溶断やウォータージェット切断により脆性基板を切断する粗加工を行った後に、脆性基板の切断面の端面強度を低下させる原因となる脆性基板の切断面の微小欠陥(クラックやチッピング等)を除去するために仕上げ加工を行うことが開示されている。
仕上げ加工は、加工効率を高めるために、研削加工によりガラス層(ガラス板)の切断面を加工し、かつ、ポリマー層(樹脂板)の切断面の少なくとも一部を未加工の状態で残す第1段階と、切削加工により未加工の状態で残したポリマー層の切断面のみを加工する第2段階とに分けることが開示されている。
特開2013−107245号公報
しかしながら、特許文献1に開示の切断方法では、ガラス層の端面の微小欠陥を除去する際にガラス層の端面に研削工具を直接接触させる必要があるため、ガラス層が破損するおそれがある。特に脆性基板が薄い場合、研削工具とガラス層の接触状態が不安定となりやすく、ガラス層が容易に破損し得る。
なお、このようなガラス層の破損の問題は、脆性基板がガラス層のみからなる場合も同様に生じ得る。
本願発明は、脆性基板に含まれるガラス層に破損を生じさせることなく、ガラス層の切断端面の微小欠陥を確実に低減することが可能な脆性基板の切断方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明は、ガラス層を備えた脆性基板を切断する切断方法であって、脆性基板に第1のレーザー光を照射して脆性基板を溶断する溶断工程と、溶断工程で形成されたガラス層の溶断端面又は溶断端面に隣接する少なくとも一方のガラス層の主表面に第2のレーザー光を照射して溶断端面の表層部を剥離(ピーリング)する剥離工程とを含むことを特徴とする。ここで、「脆性基板」にはガラス層のみからなるものも含まれる。また、「溶断」には、トリミング等の目的で脆性基板を分割する場合のみならず、脆性基板の平面内に開口部(例えば、内孔)を形成する場合も含まれる。開口部を形成する場合、開口部の内周面が溶断端面となる。
このような構成によれば、まず、溶断工程で、ガラス層を含む脆性基板が第1のレーザー光によってレーザー溶断により切断される。このとき、ガラス層の切断端面、すなわち溶断端面の表層部には、クラックやチッピング等の微小欠陥が形成される場合が多い。その後、剥離工程で、ガラス層の溶断端面かその近傍(溶断端面又はそれに隣接するガラス層の主表面)に第2のレーザー光を照射すると、ガラス層の溶断端面の表層部が剥離するという現象が生じる。すなわち、レーザー光を照射するだけで、ガラス層の溶断端面に含まれる微小欠陥を簡単に除去することができる。また、この切断方法はレーザー光を用いたものであり、脆性基板に含まれるガラス層に加工工具が直接接触するものではない。そのため、ガラス層に対する加工工具の接触不良もそもそも生じ得ないので、ガラス層の破損も生じにくい。なお、上記のガラス層の溶断端面における表層部の剥離現象は、第2のレーザー光の照射に伴ってガラス層に溶断端面に沿って生じるひずみによって、溶断端面に形成された微小欠陥を起点とした亀裂が進展して生じるものと考えられる。
上記の構成において、脆性基板が、ガラス層に接着剤層を介してポリマー層を積層一体化した多層構造を有するものであってもよい。このような多層構造を有する脆性基板であっても問題なく切断することができる。
上記の構成において、溶断工程で、脆性基板を第1のレーザー光で溶断することによって、溶断端面において、接着剤層及びポリマー層が除去されてガラス層の主表面が露出した露出部を形成してもよい。このようにすれば、剥離工程において、第2のレーザー光をガラス層に直接作用させやすくなる。
上記の構成において、第2のレーザー光の照射前に、脆性基板のポリマー層側に第1の保護フィルムを配置してもよい。このようにすれば、第1の保護フィルムによってポリマー層が保護されるので、第2のレーザー光の照射熱によって、ポリマー層が熱変形しにくくなる。その結果、熱変形に起因して生じ得る***部がポリマー層に形成されるのを抑えることができる。
上記の構成において、第2のレーザー光の照射前に、脆性基板のガラス層側に第2の保護フィルムを配置してもよい。このようにすれば、第2の保護フィルムによってガラス層が他部材と直接接触するのを防止できるので、ガラス層に傷が付きにくくなる。
上記の構成において、脆性基板のガラス層側からのみ、第2のレーザー光をガラス層の一方の主表面に照射するようにしてもよい。このようにすれば、第2のレーザー光による照射熱がガラス層に主として作用し、ガラス層とは反対側のポリマー層に直接影響しにくくなる。そのため、ポリマー層が熱変形するのを抑えることができる。
上記の構成において、脆性基板のポリマー層側とガラス層側の両側から、第2のレーザー光をガラス層の両方の主表面に照射するようにしてもよい。すなわち、第2のレーザー光を、ガラス層の一方の主表面側からのみ照射すると、ガラス層の他方の主表面との間に温度差が生じる。この温度差によって、ガラス層の溶断端面の表層部が斜めに剥離し、剥離後のガラス層の端面が傾斜する場合がある。そこで、上記の構成では、ガラス層の両主表面に両側から第2のレーザー光を照射することで、温度差が生じるのを防止している。これにより、剥離後のガラス層の溶断端面の傾斜角を小さくすることが可能となる。すなわち、剥離後のガラス層の溶断端面とガラス層の主表面とのなす角が約90°となる。
上記の構成において、第2のレーザー光の走査経路が閉じた経路で構成されていてもよい。このようにすれば、脆性基板の全周囲や平面内に形成された開口部などの閉じた領域において、ガラス層の溶断端面の表層部を連続的に剥離することができる。
上記の構成において、走査経路が直線部と凸状部の少なくとも一方を有し、第2のレーザー光の走査が直線部又は凸状部から開始されるようにしてもよい。このようにすれば、ガラス層の溶断端面の表層部の剥離を進展させるための剥離起点が形成されやすくなる。
上記の構成において、第2のレーザー光をガラス層の主表面に照射するとともに、ガラス層の主表面における第2のレーザー光のスポットの直径をa、ガラス層の主表面における第2のレーザー光のスポットの中心から溶断端面までのガラス層の厚み方向に直交する方向に沿った距離をbとした場合に、0.5≦b/a≦2なる関係が成立するようにしてもよい。このようにすれば、ガラス層の溶断端面の表層部の剥離を確実に進展させることができる。
以上のように本発明によれば、ガラス層を備えた脆性基板を切断する際に、ガラス層に破損を生じさせることなく、ガラス層の切断端面の微小欠陥を可及的に低減させることができる。
(a)〜(d)は本開示の一実施形態に係る多層構造体の切断方法に含まれる各工程を示す斜視図である。 (a)は多層構造体を示す側面図であって、(b)は多層構造体の部品分解配列側面図であって、(c)は(b)と異なる向きから見た場合の多層構造体の部品分解配列側面図である。 (a)は多層構造体を切断するステップS1の実施形態を示す図であって、(b)はその変形例を示す図である。 接着剤層及びポリマー層を選択的に除去するステップS2の実施形態を示す図である。 ガラス層の切断端面を修正するステップS3の実施形態を示す図である。 第2のレーザー光の走査経路の一例を示す図である。 第2のレーザー光の走査経路の一例を示す図である。 ポリマー層に形成される***部を説明するための図である。 ガラス層の切断端面を修正するステップS3の実施形態を示す図である。 (a)及び(b)はガラス層の端面の修正時における第2のレーザーの照射態様を示す図であって、(c)はガラス層の端面の修正後の状態を示す図である。 (a)及び(b)はガラス層の端面の修正時における第2のレーザーの照射態様を示す図であって、(c)はガラス層の端面の修正後の状態を示す図である。 実際の結果を示す図であって、修正後のガラス層の端面を含む多層構造体の端面の状態を示す。 実際の結果を示す図であって、修正後のガラス層の端面の傾きを示す。(上面剥離(トップピーリング)処理の場合) ガラス層の切断端面を修正するステップS3の実施形態の変形例を示す図である。(上面剥離(トップピーリング)処理及び底面剥離(ボトムピーリング)処理の場合) (a)はガラス層の切断端面を修正するステップS3の実施形態の変形例を示す図であり、(b)は(a)のXX領域の拡大図であり、(c)は(a)のYY領域の拡大図である。 (a)〜(c)は、多層構造体を切断するステップS1及びガラス層の切断端面を修正するステップS3の実施形態の変形例を示す図である。 実験結果を示すグラフであって、(a)は曲げ強度、(b)は***部高さをそれぞれ示す。 (a)〜(c)は、多層構造体を切断するステップS1の実施形態の変形例を示す図である。
本開示の一実施形態に係る脆性基板の切断方法は、脆性基板としての多層構造体の切断方法を提供する。図1(a)〜(d)に示すように、本実施形態に係る多層構造体の切断方法は、次の工程を含む。
まず、図1(a)に示すように、切断端面E1を形成するために、多層構造体1を切断するステップS1が実行される。この実施形態では、多層構造体1は、脆性層としてのガラス層12、接着剤層14及びポリマー層16を含む。接着剤層14は、ガラス層12とポリマー層16との間に配置される。ガラス層12の切断端面E1には、クラックやチッピングなどの微小欠陥が形成される。
次に、図1(b)に示すように、切断端面E1に沿ってガラス層12以外の多層構造体1の材料を除去するステップS2が実行される。この実施形態において、切断端面E1に沿ってガラス層12以外の多層構造体1の材料を除去することには、切断端面E1に沿って接着剤層14の材料およびポリマー層16の材料を除去することが含まれる。すなわち、ステップS2では、接着剤層14及びポリマー層16が選択的に除去される。
その後、図1(c)に示すように、ガラス層12以外の多層構造体1の材質を除去した後に残されたガラス層12の切断端面E1を、レーザー光(第2のレーザー光)L2によって修正するステップS3が実行される。この実施形態では、レーザー光L2によってガラス層12の切断端面E1を修正することには、ガラス層12の切断端面E1に含まれる微小欠陥の層(表層部)を剥離するために、切断端面E1に隣接するガラス層12の切断端面E1又はその近傍(ガラス層12の切断端部)にレーザー光L2を照射することが含まれる。レーザー光L2は、ガラス層12の上面(主表面)、底面(主表面)および切断端面E1の少なくとも一つに照射される。ここで、ガラス層12の上面および底面は、ガラス層12の厚み方向において互いに対向する面である。図1(c)では、レーザー光L2がガラス層12の上面に照射されている。
ステップS3が完了すると、図1(d)に示すように、多層構造体1によって形成された製品が完成する。
ステップS1では、レーザー加工法の一種であるレーザー溶断により多層構造体1を切断する。すなわち、ステップS1は溶断工程である。レーザー溶断は、多層構造体1の切断予定線に沿ってレーザー光を照射するとともに、レーザー光による加熱で溶融した部位をガス噴射などにより除去することで、多層構造体1を溶断(切断)する方法である。多層構造体1は、例えば、多角形、円、不規則形状などの所望の形状に切断することができる。ステップS1で形成された多層構造体1の切断端面(溶断端面)には、微小欠陥が形成される。そのため、多層構造体1の端面強度は相対的に低くなる。換言すれば、多層構造体1の曲げ強度は低く、耐折り曲げ性を有さない。多層構造体1の曲げ強度は、例えば200MPa未満であり、曲げられると容易に破壊するおそれがある。
接着剤層14及びポリマー層16を選択的に除去するステップS2では、ナイフ、はさみ、ダイシングブレードなどの機械加工法、レーザー加工法、エッチング加工法などを使って接着剤層14及びポリマー層16を除去する。
ガラス層12の切断端面を修正するステップS3は、ステップS1の後に行われる。ステップS3では、レーザー加工法を使ってガラス層12の切断端面の表層部に含まれる微小欠陥を除去する。この除去方法は、微小欠陥を含む切断端面の表層部を剥離(レーザーピーリング)することによって行う。すなわち、ステップS3は剥離工程である。
ステップS3の後で、種々の要求に応じた形状と、例えば500MPa以上の曲げ強度とを備えた多層構造体1を得ることができる。本開示の切断方法は、ステップS1及びS3を含めてもよいし、ステップS1、S2及びS3を含めてもよい。すなわち、ステップS2は選択的なステップであり、省略してもよい。
図2(a)〜(c)に示すように、ガラス層12は、例えば、ガラスフィルムからなる。ガラス層12は、第1の表面121、第2の表面122、第3の表面123、第4の表面124、第5の表面125及び第6の表面126を含む。このうち、第1の表面121と第2の表面122が厚み方向で互いに対向する主表面となり、第3の表面123、第4の表面124、第5の表面125及び第6の表面126が側面となる。ガラス層12の厚み(第1の表面121から第2の表面122までの距離)は、例えば、1μm〜1mmであり、好ましくは10μm〜700μmであり、より好ましくは10μm〜500μmであり、さらに好ましくは10μm〜300μmであり、最も好ましくは10μm〜200μmである。
図2(a)〜(c)に示すように、接着剤層14は、例えば、光学透明接着剤(OCA)からなる。接着剤層14は、第1の表面141、第2の表面142、第3の表面143、第4の表面144、第5の表面145及び第6の表面146を含む。このうち、第1の表面141と第2の表面142が厚み方向で互いに対向する主表面となり、第3の表面143、第4の表面144、第5の表面145及び第6の表面146が側面となる。例えば、接着剤層14が光学透明接着剤(OCA)である場合、接着剤層14の厚み(第1の表面141から第2の表面142までの距離)は、1μm〜50μmであってもよい。
図2(a)〜(c)に示すように、ポリマー層16は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂フィルムからなる。ポリマー層16は、第1の表面161、第2の表面162、第3の表面163、第4の表面164、第5の表面165及び第6の表面166を含む。このうち、第1の表面161と第2の表面162が厚み方向で互いに対向する主表面となり、第3の表面163、第4の表面164、第5の表面165及び第6の表面166が側面となる。例えば、ポリマー層16がポリエチレンテレフタレート(PET)層である場合、ポリマー層16の厚み(すなわち、第1の表面161から第2の表面162までの距離)は、2μm〜300μmであってもよい。
なお、図2(a)〜(c)において、z軸は、ガラス層12、接着剤層14及びポリマー層16の厚み方向である。また、図2(a)〜(c)以外の図面においても、z軸は厚み方向を意味するものとする。
以下、多層構造体1を切断するステップS1、接着剤層14及びポリマー層16を選択的に除去するステップS2、ガラス層の切断端面を修正するステップS3の各ステップについて詳細に説明する。
[多層構造体を切断するステップS1の実施形態]
図3(a)及び(b)に示すように、ステップS1は、レーザー溶断を使って多層構造体1を切断するサブステップS11を含む。レーザー源282は、レーザー溶断に用いるレーザー光(第1のレーザー光)L1を出射するものであって、例えば、ダイオード励起固体レーザー(DPSS)やCOガスレーザーが用いられる。レーザー源282は、図3(a)に示すように、多層構造体1の上方に配置してもよいし、図3(b)に示すように、多層構造体1の下方に配置してもよい。
DPSSを用いる場合、レーザー源282は、例えば、1W〜100Wの平均出力、ナノ秒またはピコ秒のパルス幅、1mm/s〜1000mm/sの走査速度を有するものが利用できる。また、COガスレーザーを用いる場合、レーザー源282は、例えば、1W〜300Wの平均出力、マイクロ秒のパルス幅、1mm/s〜1000mm/sの走査速度を有するものが利用できる。
DPSSが使用される場合、焦点深度は浅いので、レーザー光L1の焦点284をz軸方向に沿って前後に動かしてもよい。すなわち、多層構造体(3層多層構造体)1を切断するために、多層構造体1の範囲(すなわち、ガラス層12の第2の表面122からポリマー層16の第1の表面161までの範囲)内または多層構造体1の範囲外に焦点284を配置してもよい。必要に応じて、焦点284を処理径路286に沿って前後に動かしてもよい。
COガスレーザーが使用される場合は、焦点深度は深いので、焦点284をz軸方向に沿って前後に動かすことなく、処理径路286に沿って1回だけ動かしてもよい。すなわち、多層構造体1を切断するために、焦点284を多層構造体1の範囲(すなわち、ガラス層12の第2の表面122からポリマー層16の第1の表面161の範囲)内または多層構造体1の範囲外に配置することができ、焦点284を処理径路286に沿って1回だけ動かせばよい。
ここで、本実施形態では、ステップS1(サブステップS11)で多層構造体1を切断して形成されるガラス層12の切断端面の微小欠陥の層の幅(ガラス層12の主表面に沿う方向における微小欠陥の層の厚み)が1μm〜2mmになるように、ガラス層12の切断端面における微小欠陥の大きさが制御される。また、ステップS1で多層構造体1を切断して形成されるガラス層12の切断端面の微小欠陥の幅は、ガラス層12の厚みの2倍よりも小さくなるように制御される。
[接着剤層及びポリマー層を選択的に除去するステップS2の実施形態]
図4に示すように、ステップS2は、レーザー加工法を使って多層構造体1の接着剤層14及びポリマー層16を選択的に除去するサブステップS21を含む。レーザー源322は、レーザー加工法に用いるレーザー光Lsを出射するものであって、例えば、ダイオード励起固体レーザー(DPSS)やCOガスレーザーが用いられる。レーザー光Lsの焦点324は、多層構造体1の範囲内またはデフォーカス法による距離だけ多層構造体1の範囲外にある。
この実施形態では、レーザー源322はCOガスレーザーであり、レーザー光Lsの焦点324は多層構造体1の上方に配置される。焦点スポットは円形になる。デフォーカスにより、レーザー加工法による熱処理の範囲は広げられる。この方式では、接着剤層14及びポリマー層16を1回の処理で選択的に除去することができる。すなわち、この処理では、レーザー光Lsにより提供される熱は、接着剤層14及びポリマー層16を切断できる熱より大きいが、ガラス層12を変形可能な熱よりは小さい。その結果、多層構造体1の切断端面において、接着剤層14及びポリマー層16が選択的に除去され、ガラス層12が残る。これにより、ガラス層12が、接着剤層14及びポリマー層16よりも外方に突出し、ガラス層12の主表面121の一部が露出した状態となる。すなわち、多層構造体1の切断端面において、z軸方向から見た場合にガラス層12のみが存在する露出部(図中の斜線領域)が形成される。以下、この露出部をオフセット領域127という。さらに、デフォーカスにより、ガラス層12への高すぎる熱伝達に起因してガラス層12に予期しない高温割れが生じるという事態を低減できる。
サブステップS21におけるレーザー源322は、例えば次のような条件を満たす。すなわち、平均出力は1W〜500Wであり、走査速度は10mm/s〜1000mm/sである。処理径路は例えば図中の326である。生成されるオフセット領域127の幅は、200μm〜2000μmである。
この実施形態では、ステップS2(サブステップS21)において、ガラス層12以外の多層構造体1の除去される材料は、1μm〜2mmの幅を有する。すなわち、接着剤層14の除去される材料と、ポリマー層16の除去される材料のそれぞれは、1μm〜2mmの幅を有する。
なお、多層構造体1をレーザー溶断する場合、接着剤層14及びポリマー層16は、ガラス層12よりもレーザー溶断時の熱の影響を受けやすい。そのため、多層構造体1の切断端面(溶断端面)において、接着剤層14及びポリマー層16がガラス層12よりも優先的に溶融除去された状態となりやすい。その結果、ガラス層12が接着剤層14及びポリマー層16よりも突出し、ガラス層12の主表面121の一部が露出した状態になる場合がある。すなわち、図1を再び参照すると、図1(a)に示すようにステップS1で多層構造体1をレーザー溶断すると、図1(b)の状態を経ることなく、図1(c)の状態になる場合がある。したがって、ステップS1で多層構造体1をレーザー溶断する場合、ステップS2を省略しても、露出部としてのオフセット領域127を形成することができる。
[ガラス層の切断端面を修正するステップS3の実施形態]
図5に示すように、ステップS3は、レーザー加工法を使って多層構造体1の切断端面の表層部を剥離するサブステップS31を含む。このサブステップS31では、レーザー加工法に用いるレーザー光L2が、ガラス層12の切断端面に隣接する主表面(第1の表面121又は第2の表面122)、すなわちオフセット領域127におけるガラス層12の主表面に照射される。以下では、レーザー光L2が照射される側のガラス層12の主表面を処理表面ということもある。
レーザー光L2の波長は、例えば3μm〜12μmである。また、レーザー光L2の処理表面上における走査速度は、例えば10mm/s〜1000mm/s(好ましくは、10mm/s〜100mm/s)である。さらに、レーザー光L2の処理表面上における平均出力は、例えば1W〜50Wである。また、レーザー光L2の処理表面上におけるスポットの直径は、例えば50μm〜1000μmである。
ここで、ガラス層12の切断端面の表層部の剥離は、次のような理由で生じるものと考えられる。まず、レーザー光L2の照射によって、ガラス層12の切断端面に沿って、ガラス層12上にひずみ領域が形成される。次に、ひずみ領域に生じたひずみによって、ガラス層12の切断端面の表層部に形成された微小欠陥を起点とする亀裂がガラス層12の切断端面に沿って進展する。この亀裂の進展により切断端面の表層部が剥離するに至る。
この実施形態では、レーザー光L2を出射するレーザー源462は、例えばCOガスレーザーが利用される。レーザー光L2の焦点464は、オフセット領域127におけるガラス層12の上面(すなわち第1の表面121)もしくはその上方、又は底面(すなわち第2の表面122)もしくはその下方に配置される。焦点スポットは円形になる。
レーザー源462の処理径路は、例えば、466、468及び470の3つのタイプを含む。これら3つのタイプの径路の中から選択された1又は複数の経路に沿って処理を行うことができる。
具体的には、一つの実施形態では、図6に示すように、第3の表面123、第4の表面124、第5の表面125及び第6の表面126を含むガラス層12の切断端面の表層部が剥離するように、レーザー光L2を、466、468及び470を組み合わせた径路469に沿ってガラス層12のオフセット領域127上で蛇行走査する。また別の実施形態では、図7に示すように、レーザー光L2を、径路467に沿ってガラス層12のオフセット領域127上で直進走査する。これら2つの実施形態では、レーザー光L2の走査経路の始点と終点は互いに一致している。すなわち、走査経路は閉じた経路で構成されている。
サブステップS31におけるレーザー源462は、例えば次のような条件を満たす。すなわち、平均出力は10W〜100Wであり、周波数は1kHz〜100kHzであり、走査速度は10mm/s〜1000mm/sであり、走査ピッチは10μm〜100μmである。ガラス層12の処理表面におけるレーザー光L2のスポットの直径は50μm〜500μmである。さらに、焦点464からガラス層12の処理表面(上面又は底面)までの距離(z軸方向)は0mm〜20mmである。径路468または470の長さは100μm〜10mmである。
この実施形態では、ステップS3(サブステップS31)において、ガラス層12の処理表面におけるレーザー光L2のスポットの直径をa、ガラス層12の処理表面におけるレーザー光L2のスポットの中心から切断端面までのガラス層12の厚み方向に直交する方向に沿った距離をbとした場合に、0.5≦b/a≦2なる関係が成立する。
この実施形態では、ステップS3(サブステップS31)において、剥離されるガラス層12の表層部の幅(剥離される微小欠陥の層の厚み)が、1μm〜2mmになるように制御される。
[ガラス層の切断端面を修正するステップS3の実施形態の変形例]
上述のポリマー層16/接着剤層14/ガラス層12からなる多層構造体1のガラス層12の切断端面を修正するステップS3では、2つの問題が発生しやすい。すなわち、第1の問題は、ポリマー層16及び接着剤層14が、レーザー光によって加熱されると熱的に変形することであり、第2の問題は、ガラス層12の表面が処理中に損傷を受けやすく、ガラス層12の表面強度が低下することである。したがって、この実施形態では、多層構造体1はこれらの2つの問題を克服するように設計され、この多層構造体1の切断端面を修正する方法も以降で記載する。
図8に示すように、***部Xは、ポリマー層16の切断端面の近傍に形成される。このような***部Xの高さ(Δh)が大きいと、多層構造体1を別の基板に組み付ける場合に、多層構造体1と別の基板との間に***部Xに起因する隙間が発生することがある。そこで、図9に示すように、***部Xの発生を防ぐために、保護フィルム(第1の保護フィルム)P1をポリマー層16上(第1の表面161側)に配置する。保護フィルムP1は、レーザー光L2を照射する前(ガラス層12の切断端面を修正するステップS3の前)にポリマー層16上に配置する。好ましくは、保護フィルムP1は、ガラス層12以外の接着剤層14及びポリマー層16を除去するステップS2の前、又はレーザー光L1を照射する前(多層構造体1を切断するステップS1の前)に、ポリマー層16上に配置する。このように保護フィルムP1を配置することで、熱変形領域を保護フィルムP1にとどめることができる。保護フィルムP1は消耗材料である。保護フィルムP1は、ポリマー層16と同じ材質であってもよいし、異なっていてもよい。具体的には、保護フィルムP1の材質は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、又はこれらの組み合わせであってもよい。保護フィルムP1は微粘着層を有し、ポリマー層16に剥離可能に貼着される。処理後、保護フィルムP1はポリマー層16から引き剥がすことができる。
また、擦ったり剛性物体に接触したりすることにより、薄いガラス表面の表面強度が容易に低下する。そこで、図9に示すように、ガラス層12が傷付くのを防止するために、保護フィルム(第2の保護フィルム)P2をガラス層12上(第2の表面122)に配置する。保護フィルムP2は、レーザー光L2を照射する前(ガラス層12の切断端面を修正するステップS3の前)にガラス層12上に配置する。好ましくは、保護フィルムP2は、ガラス層12以外の接着剤層14及びポリマー層16を除去するステップS2の前、又はレーザー光L1を照射する前(多層構造体1を切断するステップS1の前)に、ガラス層12上に配置する。このようにガラス層12上に保護フィルムP2を配置することで、ガラス層12の表面強度は低下しにくくなる。保護フィルムP2は消耗材料である。保護フィルムP2は、ポリマー層16と同じ材質であってもよいし、異なっていてもよい。具体的には、保護フィルムP2の材質は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、又はこれらの組み合わせであってもよい。保護フィルムP2は微粘着層を有し、ガラス層12に剥離可能に貼着される。処理後、保護フィルムP2はガラス層12から引き剥がすことができる。
ここで、レーザー光L1を照射する前に保護フィルムP1及びP2を配置した場合には、レーザー光L1によって、保護フィルムP1及びP2も多層構造体1と一緒にレーザー溶断してもよい。
この実施形態における切断端面の修正は、上述の実施形態のものと同じである。この実施形態では、保護フィルムP1及びP2の有無やレーザー光L2の照射方向の違いによる切断端面の修正結果の差異を示す。詳細には、以下の4つの切断端面の修正態様による結果の差異を示す。
(1)保護フィルムP1及びP2を配置せずに、レーザー光L2をガラス層12側から照射した場合の切断端面の修正(図10(a)を参照)
(2)保護フィルムP1及びP2を配置し、レーザー光L2をガラス層12側から照射した場合の切断端面の修正(図10(b)を参照)
(3)保護フィルムP1及びP2を配置せずに、レーザー光L2をポリマー層16側から照射した場合の切断端面の修正(図11(a)を参照)
(4)保護フィルムP1及びP2を配置し、レーザー光L2をポリマー層16側から照射した場合の切断端面の修正(図11(b)を参照)
レーザー光L2の照射態様の概念図は図10(a)〜(c)及び図11(a)〜(c)に示し、それぞれの照射態様に対応する切断端面の修正結果は図12に示す。
レーザー光L2をガラス層12側から照射しても、ポリマー層16側から照射しても、ガラス層12の切断端面の表層部を剥離除去することは可能である。この実施形態では、図10(a)及び(b)に示すように、ポリマー層16側から切断端面の修正を行う場合、ポリマー層16側を上に向けて配置した状態でレーザー光L2を上方から照射し、図11(a)及び(b)に示すように、ガラス層12側から切断端面の修正を行う場合、ガラス層12側を上に向けて配置した状態でレーザー光L2を上方から照射する。なお、ポリマー層16やガラス層12側を下に向けて配置した状態でレーザー光L2を下方から照射するようにしてもよい。
図10(a)及び(b)に示すように、ガラス層12側から切断端面の修正が行われる場合(レーザー光L2がガラス層12の表面に当たる場合)、レーザー光L2がガラス層12に当たってガラス層12が主に加熱されるので、レーザー光L2の熱がガラス層12の裏側に位置するポリマー層16及び接着剤層14に伝わりにくい。その結果、ポリマー層16及び接着剤層14を完全に蒸発させることはない。したがって、図10(c)に示すように、切断端面の修正後、ガラス層12の幅はポリマー層16の幅よりも小さい。
保護フィルムP1及びP2を備えていない場合のガラス層12側からの切断端面の修正では、***部Xの高さは約59μm〜69μmであり(図12の上段左図を参照)、その後の組み付け工程(すなわち、多層構造体を別の基板に組み付ける工程)は悪影響を受けるおそれがある。
保護フィルムP1及びP2を備えている場合のガラス層12側からの切断端面の修正では、***部Xの高さはほぼ零であり(図12の下段左図を参照)、その後の組み付け工程は悪影響を受けない。
一方、図11(a)及び(b)に示すように、切断端面の修正がポリマー層16から行われる場合(レーザー光L2がポリマー層16の表面に当たる)、ポリマー層16及び接着剤層14がレーザー光L2からの熱を最初に受けるので、熱収縮はより明白である。したがって、図11(c)に示すように、切断端面の処理後、ガラス層12の幅はポリマー層16の幅よりも大きい。
保護フィルムP1及びP2を備えていない場合のポリマー層16側からの切断端面の修正では、***部Xの高さは約28μm〜38μmであり(図12の上段右図を参照)、その後の組み付け工程は悪影響を受けるおそれがある。
保護フィルムP1及びP2を備えている場合のポリマー層16側からの切断端面の修正では、***部Xの高さは約19μm〜29μmである(図12の下段右図を参照)。
ここで、保護フィルムP1及びP2を備えていない場合において、ガラス層12側からの切断端面の修正の方が、ポリマー層16側からの切断端面の修正よりも***部Xの高さが大きくなる理由は、次のように考えられる。すなわち、この実施形態では、ガラス層12側からの切断端面の修正の場合には、ガラス層12が上、ポリマー層16が下を向くように配置されるので、加熱されたポリマー層16が重力によって垂れ下がったためと考えられる。一方、保護フィルムP1及びP2を備え、ガラス層12側から切断端面の修正を行った場合が、***部Xの高さが最も小さくなった理由は、ガラス層12側からの加熱であるので、ポリマー層16に熱的な影響が生じにくいことに加え、保護フィルムP1による支持によってポリマー層16の垂れ下がりが阻止されたためと考えられる。
[ガラス層の切断端面を修正するステップS3の実施形態の変形例]
図13に示すように、ポリマー層16を上、ガラス層12を下に向けた状態で、ポリマー層16側から切断端面を修正すると(上面剥離処理)、レーザー光L2はガラス層12の底面よりも先にガラス層12の上面に当たる。そのため、ガラス層12の上面と底面の温度分布が異なる。この温度分布の差異が、修正後のガラス層12の切断端面に傾斜角を持たせる。傾斜角は、視覚的認識および位置決め(例えば、CCD位置決め)による基板の整列に悪影響を与える。
そこで、この実施形態では、図14に示すように、レーザー光L2を、多層構造体1のポリマー層16側(上面側)およびガラス層12側(底面側)の両側から照射する(上面および底面剥離処理)。すなわち、切断端面の修正が、多層構造体1の上面および底面の両方から行われる。これにより、ガラス層12の上面および底面の温度分布の差異が低減される。その結果、切断端面の修正後、ガラス層12の切断端面は、ガラス層12の上面および底面に対して約90度になる。
[ガラス層の切断端面を修正するステップS3の実施形態の変形例]
ステップS3におけるガラス層12の切断端面の表層部の剥離は、図15(a)に示すように、凹状角部、特に小さい曲率半径(例えば、5mm以下の曲率半径)の内孔H1に対して実施するのが難しい。これは、図15(b)に示すように、内孔H1の切断端面に存在する複数の微小欠陥Cには、微小欠陥Cを開くような力を作用させにくいためである。そこで、小さい曲率半径の内孔H2に対しては、内孔H2の切断端面の修正経路中に直線部H21を設けることが好ましい。図15(c)に示すように、直線部H21の切断端面に存在する微小欠陥Cには、微小欠陥Cを開くような力を作用させやすくなる。そのため、直線部H21に沿ってレーザー光L2を走査すると、直線部H21の微小欠陥Cが剥離起点となり、内孔H2の凹状角部H22の微小欠陥Cの剥離を進展させやすくなる。直線部H21の長さは、例えば5〜10mmである。
直線部H21の他、凸状部を設けた場合でも、ガラス層12の切断端面の修正が容易となる。すなわち、レーザー光L2の走査領域において、切断端面に直線部と凸状部の少なくとも一方を設けることにより、切断端面の修正が容易になる。その結果、レーザー走査径路が内孔又は外縁(直線端面、凹状端面、凸状端面、またはこれらの組み合わせであってよい)に沿う場合であっても、直線部または凸状部から切断端面の修正を開始することができる。
[多層構造体を切断するステップS1及びガラス層の切断端面を修正するステップS3の実施形態の変形例]
切断及び端面の修正は2つの処理であるが、これらは共通のレーザー(例えば、COレーザー)により実施することができる。そのため、図16(a)〜(c)に示すように、多層構造体1を切断するステップS1及びガラス層12の切断端面を修正するステップS3を一つの工程で行うことができる。詳細には、1つの工程で、レーザー光L1によりある形状の多層構造体1を切断しながら、同時に別の切断された多層構造体1’の端面をレーザー光L2で修正することができる。レーザー光L1,L2のそれぞれのレーザーヘッドの比率を調整することで、切断時間と端面修正時間を一致させることができる。
ポリマー層16、接着剤層14及びガラス層12の3層からなる多層構造体1を実際に作製した。次に、作製した多層構造体1にレーザー光L1を照射し、多層構造体1をレーザー溶断した(切断ステップS1)。このレーザー溶断によって、多層構造体1の切断端面(溶断端面)においてガラス層12の主表面の一部が露出した状態とした。すなわち、ガラス層12の主表面にオフセット領域127を形成した。その後、多層構造体1の切断端面に隣接するガラス層12の主表面(オフセット領域127)にレーザー光L2を照射し、ガラス層12の溶断端面の表層部を剥離除去した(切断端面の修正ステップS3)。
切断端面の修正を行う前では、多層構造体1の曲げ強度(すなわち、端面強度)は、約50MPaまたはそれ未満であった。したがって、多層構造体1は折り曲げると容易に破壊する状態であった。これに対し、切断端面の修正を行った後では、多層構造体1の曲げ強度は、500MPa超まで改善できる場合があった。
次に、多層構造体1のポリマー層16側に保護フィルムP1を配置し、ガラス層12側に保護フィルムP2を配置した場合と、保護フィルムP1,P2を配置しなかった場合とで、切断端面の修正後の多層構造体1にどのような性能の相違が生じるかを実験により評価した。切断端面の修正に際し、レーザー光L2はガラス層12側から照射した。その実験結果を図17(a)及び(b)に示す。図17(a)は保護フィルムP2の有無による曲げ強度(すなわち、端面強度)の変化を示し、図17(b)は保護フィルムP1の有無によるポリマー層の***部Xの高さの変化を示す。図17(a)に示す多層構造体1の曲げ強度は、多層構造体1を、2枚の板状体で挟み且つU字状に曲げが生じるように押し曲げていく所謂2点曲げにより強度を評価した。
図17(a)に示すように、保護フィルムP2が配置されていない場合は、切断端面修正後の多層構造体1の曲げ強度は最大で約400MPaであった。一方、保護フィルムP2が配置された場合は、切断端面修正後の多層構造体1の強度は最大で約900MPaであった。すなわち、保護フィルムP2が採用されると、多層構造体1の曲げ強度が向上することが分かる。これは、保護フィルムP2によって、ガラス層12の表面強度を低下させる要因となる、ガラス層12の主表面の損傷が減少したためと考えられる。
図17(b)に示すように、保護フィルムP1が配置されると、***部Xの高さが低減することが分かる。また、図12を再び参照すると、保護フィルムP1及びP2を配置せずに、ガラス層12側からレーザー光L2を照射して切断端面の修正を行った一実施形態では、***部Xの高さは約69μmであった。また、保護フィルムP1及びP2を配置した状態で、ガラス層12側からレーザー光L2を照射して切断端面の修正を行った一実施形態では、***部Xの高さはほぼ零であった。また、保護フィルムP1及びP2を配置せず、ポリマー層16側からレーザー光L2を照射して切断端面の修正を行った一実施形態では、***部Xの高さは約38μmであった。また、保護フィルムP1及びP2を配置した状態で、ポリマー層16側からレーザー光L2を照射して切断端面の修正を行った一実施形態では、***部Xの高さは約29μmであった。
なお、本開示は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、上記の実施形態において、次のような装置(図示省略)を使って、ガラス層12の切断端面の修正するステップS3を行ってもよい。具体的には、装置は、ステージと、レーザー源と、制御ユニットとを備えている。ステージは多層構造体1を保持するように構成されている。レーザー源はレーザー光L2を出力するように構成されている。制御ユニットは、レーザー源に電気的に接続され、例えば、電荷結合素子(CCD)によって、ガラス層12の切断端面の位置を探し、ガラス層12に当たるレーザー光L2の走査径路と速度を制御する。装置は、ガラス層12の切断端面の表層部を剥離させるように、制御ユニットからの情報に基づいてガラス層12の切断端面に隣接するガラス層12の主表面にレーザー光L2を当て、ガラス層12の切断端面を修正するように構成される。このような装置によっても、切断端面の修正後において、高い端面直線性、強い曲げ強度または***部が小さいなどの端面品質を高めることができる。
例えば、上記の実施形態では、ステップS1において、脆性基板としての多層構造体1をレーザー溶断により切断する場合を説明したが、多層構造体1は、ナイフ、はさみ、ダイシングブレードなどより切断してもよい。
レーザー溶断以外で、多層構造体を切断するステップS1の実施形態を説明する。図18に示すように、この実施形態では、ステップS1は、サブステップS101、S102及びS103を含む。サブステップS101は、ナイフ222、例えば、タングステンカーバイドナイフ、一般的な金属のナイフなどを使って、ポリマー層16及び接着剤層14を切断する。この実施形態の厚みに対し、ナイフ222の切断深さは、積層されたポリマー層16と接着剤層14の合計厚み以下となるように制御することができる。合計厚みは、例えば3μm〜350μmである。サブステップS101の後で、ポリマー層16及び接着剤層14は所望の形状の通りに切断され、ガラス層12が残される。処理径路は224で、ガラス層12は斜線領域で表される。サブステップS102は、ナイフ242、例えば、ダイヤモンドナイフを使用し、ガラス層12の第1の表面121にノッチを入れる。ノッチの径路は244であり、ノッチの深さはガラス層12の約10分の1である。サブステップS103は、手動割断262または自動機構割断264により、多層構造体1を割断する。なお、この実施形態では、多層構造体1を切断して形成されるガラス層12の切断端面の微小欠陥の幅は、ガラス層12の厚みの2倍よりも小さくなるように制御される。
また、上記の実施形態では、脆性基板として、ガラス層/接着剤層/ポリマー層からなるものを例示して説明したが、脆性基板は、例えば、第1のポリマー層/第1の接着剤層/ガラス層/第2の接着剤層/第2のポリマー層からなるものであってもよい。もちろん、脆性基板は、ガラス層単体であってもよい。
ここで、本開示は以下の実施形態を含む。
すなわち、第一の方法は、脆性層を含む多層構造体の切断方法であって、切断端部(エッジ)を形成するために前記多層構造体を切断する工程と、前記切断端部に沿って前記脆性層以外の前記多層構造体の材料を1μm〜2mmの幅で除去する工程と、レーザー光によって前記脆性層以外の前記多層構造体の材料を除去した後に残った前記脆性層の端部を修正する工程とを含むことを特徴とする。
第二の方法は、第一の方法に係る多層構造体の切断方法において、前記レーザー光によって前記脆性層の前記端部を修正する工程が、前記脆性層の微小欠陥層の剥離除去のために、前記切断端面に隣接する前記脆性層の前記端部に前記レーザー光を照射することを含むことを特徴とする。
第三の方法は、第二の方法に係る多層構造体の切断方法において、前記レーザー光が、前記脆性層の厚み方向で対向する第1の主表面及び第2の主表面の少なくともいずれか一方に照射されることを特徴とする。
第四の方法は、第二の方法に係る多層構造体の切断方法において、前記脆性層上での前記レーザー光のスポットが、0.5≦b/a≦2なる関係を満たすことを特徴とする。ここで、aは、前記脆性層の表面における前記レーザー光の前記スポットの直径、bは前記脆性層の表面における前記レーザー光の前記スポットの中心から前記脆性層の前記端部までの前記脆性層の厚み方向と直交する方向に沿った距離である。
第五の方法は、第二の方法に係る多層構造体の切断方法が、前記脆性層に照射する前記レーザー光の走査経路及び走査速度を制御することと、前記レーザー光の前記走査経路を閉じた経路とすることをさらに含むことを特徴とする。
第六の方法は、第五の方法に係る多層構造体の切断方法において、前記レーザー光の走査が、前記走査経路の直線部又は凸状部から開始されることを特徴とする。
第七の方法は、第五の方法に係る多層構造体の切断方法において、前記脆性層の表面における前記レーザー光の走査速度が10mm/s〜100mm/sであることを特徴とする。
第八の方法は、第二の方法に係る多層構造体の切断方法において、前記脆性層の表面における前記レーザー光の平均出力が、1W〜50Wであることを特徴とする。
第九の方法は、第二の方法に係る多層構造体の切断方法において、前記脆性層の表面における前記レーザー光のスポットの直径が、50μm〜1000μmであることを特徴とする。
第十の方法は、第一の方法に係る多層構造体の切断方法において、前記レーザー光が、前記脆性層の前記端部に沿って前記脆性層上にひずみ領域を形成し、ひずみが、前記脆性層の前記端部で微小欠陥の層が剥離除去されるように、前記脆性層の前記端部に沿って前記脆性層の前記端部で前記微小欠陥を進展させ、これによって前記脆性層の前記端部を修正することを特徴とする。
第十一の方法は、第一の方法に係る多層構造体の切断方法において、前記脆性層が、ガラス層であることを特徴とする。
第十二の方法は、第一の方法に係る多層構造体の切断方法において、前記多層構造体が、ポリマー層と、前記脆性層と前記ポリマー層との間に配置された接着剤層とをさらに含み、前記切断端部に沿って前記脆性層以外の前記多層構造体の材料を除去する工程が、前記ポリマー層の材料と前記接着剤層の材料とを除去することを含むことを特徴とする。
第十三の方法は、第一の方法に係る多層構造体の切断方法が、前記レーザー光によって前記脆性層の前記端部を修正する前に、前記多層構造体の少なくとも一方の側に少なくとも一つの保護フィルムを配置することをさらに含むことを特徴とする。
第十四の方法は、第一三の方法に係る多層構造体の切断方法において、前記保護フィルムが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、又はこれらの組み合わせであることを特徴とする。
第十五の方法は、第一の方法に係る多層構造体の切断方法において、前記レーザー光の波長が、3μm〜12μmであることを特徴とする。
第十六の方法は、第一の方法に係る多層構造体の切断方法において、前記脆性層の厚みが、1μm〜1mmであることを特徴とする。
第十七の方法は、第一の方法に係る多層構造体の切断方法において、前記微小欠陥の層の幅が1μm〜2mmになるように、前記多層構造体を切断した後に形成される前記脆性層の前記端部における微小欠陥の大きさが制御されていることを特徴とする。
第十八の方法は、第一の方法に係る多層構造体の切断方法において、前記多層構造体を切断した後に形成される前記脆性層の前記端部における微小欠陥の幅が、前記脆性層の厚みの2倍よりも小さくなるように制御されていることを特徴とする。
第十九の方法は、脆性層を含む多層構造体の切断方法であって、切断端部を形成するために前記多層構造体を切断する工程と、前記切断端面に隣接する前記脆性層の端部で微小欠陥の層が剥離除去されるように、前記脆性層の前記端部にレーザー光を照射する工程とを含み、前記脆性層上での前記レーザー光のスポットが、0.5≦b/a≦2なる関係を満たすことを特徴とする。ここで、aは、前記脆性層の表面における前記レーザー光の前記スポットの直径、bは前記脆性層の表面における前記レーザー光の前記スポットの中心から前記脆性層の前記端部までの前記脆性層の厚み方向と直交する方向に沿った距離である。
第二十の方法は、第十九の方法に係る多層構造体の切断方法において、前記レーザー光が、前記脆性層の前記端部に沿って前記脆性層上にひずみ領域を形成し、ひずみが、前記脆性層の前記端部で微小欠陥の層が剥離除去されるように、前記脆性層の前記端部に沿って前記脆性層の前記端部で前記微小欠陥を進展させ、これによって前記脆性層の前記端部を修正することを特徴とする。
第二十一の方法は、第十九の方法に係る多層構造体の切断方法において、前記脆性層が、ガラス層であることを特徴とする。
第二十二の方法は、第十九の方法に係る多層構造体の切断方法が、前記切断端部に隣接する前記脆性層の前記端部に前記レーザー光を照射する前に、前記多層構造体の少なくとも一方の側に少なくとも一つの保護フィルムを配置することをさらに含むことを特徴とする。
1 多層構造体(脆性基板)
12 ガラス層(脆性層)
14 接着剤層
16 ポリマー層
127 オフセット領域(露出部)
E1 切断端面(溶断端面)
L1 第1のレーザー光
L2 第2のレーザー光
P1 第1の保護フィルム
P2 第2の保護フィルム

Claims (10)

  1. ガラス層を備えた脆性基板を切断する切断方法であって、
    前記脆性基板に第1のレーザー光を照射して前記脆性基板を溶断する溶断工程と、
    前記溶断工程で形成された前記ガラス層の溶断端面又は前記溶断端面に隣接する少なくとも一方の前記ガラス層の主表面に第2のレーザー光を照射して前記溶断端面の表層部を剥離する剥離工程とを含むことを特徴とする脆性基板の切断方法。
  2. 前記脆性基板が、前記ガラス層に接着剤層を介してポリマー層を積層一体化した多層構造を有することを特徴とする請求項1に記載の脆性基板の切断方法。
  3. 前記溶断工程で、前記脆性基板を前記第1のレーザー光で溶断することによって、前記溶断端面において、前記接着剤層及び前記ポリマー層が除去されて前記ガラス層の前記主表面が露出した露出部を形成することを特徴とする請求項2に記載の脆性基板の切断方法。
  4. 前記第2のレーザー光の照射前に、前記脆性基板の前記ポリマー層側に第1の保護フィルムを配置することを特徴とする請求項2又は3に記載の脆性基板の切断方法。
  5. 前記第2のレーザー光の照射前に、前記脆性基板の前記ガラス層側に第2の保護フィルムを配置することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の脆性基板の切断方法。
  6. 前記脆性基板の前記ガラス層側からのみ、前記第2のレーザー光を前記ガラス層の一方の前記主表面に照射することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の脆性基板の切断方法。
  7. 前記脆性基板の前記ポリマー層側と前記ガラス層側の両側から、前記第2のレーザー光を前記ガラス層の両方の前記主表面に照射することを特徴とする請求項2〜のいずれか1項に記載の脆性基板の切断方法。
  8. 前記第2のレーザー光の走査経路が閉じた経路で構成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の脆性基板の切断方法。
  9. 前記走査経路が直線部と凸状部の少なくとも一方を有し、前記第2のレーザー光の走査が前記直線部又は前記凸状部から開始されることを特徴とする請求項8に記載の脆性基板の切断方法。
  10. 前記第2のレーザー光を前記ガラス層の前記主表面に照射するとともに、
    前記ガラス層の前記主表面における前記第2のレーザー光のスポットの直径をa、前記第2のレーザー光の前記ガラス層の前記主表面における前記第2のレーザー光のスポットの中心から前記溶断端面までの前記ガラス層の厚み方向に直交する方向に沿った距離をbとした場合に、0.5≦b/a≦2なる関係が成立することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の脆性基板の切断方法。
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