JP6634742B2 - 撮像レンズおよび撮像システム - Google Patents

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Description

本発明は、撮像レンズおよび撮像システムに関する。
近年、より小型化を図った撮像レンズが種々考案されている(例えば、特許文献1を参照)。このような撮像レンズは、Fナンバーが大きくて暗い。そのため、単純な構成でありながらFナンバーの小さい(明るい)撮像レンズが求められている。
特開2000−292688号公報
第1の本発明に係る撮像レンズは、物体側に凹面を向ける球面状に像面が湾曲した撮像レンズであって、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ成分と、負の屈折力を有する第2レンズ成分と、正の屈折力を有する第3レンズ成分とを有し、以下の条件式を満足している。
0.88<(N1+N3)/(2×N2)<1.00
1.79<Nm<2.30
但し、
N1:前記第1レンズ成分の平均屈折率、
N2:前記第2レンズ成分の平均屈折率、
N3:前記第3レンズ成分の平均屈折率、
Nm:前記第1レンズ成分の平均屈折率と、前記第2レンズ成分の平均屈折率と、前記第3レンズ成分の平均屈折率との平均値。
第2の本発明に係る撮像レンズは、物体側に凹面を向ける球面状に像面が湾曲した撮像レンズであって、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ成分と、負の屈折力を有する第2レンズ成分と、正の屈折力を有する第3レンズ成分とを有し、以下の条件式を満足している。
0.88<(N1+N3)/(2×N2)<1.00
0.050<d2/d3<0.440
但し、
N1:前記第1レンズ成分の平均屈折率、
N2:前記第2レンズ成分の平均屈折率、
N3:前記第3レンズ成分の平均屈折率
d2:前記第2レンズ成分の中心厚、
d3:前記第3レンズ成分の中心厚。
第3の本発明に係る撮像レンズは、物体側に凹面を向ける球面状に像面が湾曲した撮像レンズであって、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ成分と、負の屈折力を有する第2レンズ成分と、正の屈折力を有する第3レンズ成分とを有し、前記第1レンズ成分、前記第2レンズ成分、および前記第3レンズ成分における全てのレンズ面が球面であり、以下の条件式を満足している。
0.88<(N1+N3)/(2×N2)<1.00
但し、
N1:前記第1レンズ成分の平均屈折率、
N2:前記第2レンズ成分の平均屈折率、
N3:前記第3レンズ成分の平均屈折率。
また、本発明に係る撮像システムは、物体の像を撮像面上に結像させる撮像レンズと、前記撮像面上に結像した前記物体の像を撮像する撮像素子とを備え、前記撮像レンズが本発明に係る撮像レンズであり、以下の条件式を満足している。
0.3<{f×(N2―N1―N3)}/R<1.0
但し、
f:前記撮像レンズの焦点距離、
R:前記撮像面の曲率半径。
第1実施例に係る撮像レンズのレンズ構成図である。 (a)は第1実施例に係る撮像レンズの無限遠合焦状態における諸収差図であり、(b)は近距離合焦状態における諸収差図である。 第2実施例に係る撮像レンズのレンズ構成図である。 (a)は第2実施例に係る撮像レンズの無限遠合焦状態における諸収差図であり、(b)は近距離合焦状態における諸収差図である。 第3実施例に係る撮像レンズのレンズ構成図である。 (a)は第3実施例に係る撮像レンズの無限遠合焦状態における諸収差図であり、(b)は近距離合焦状態における諸収差図である。 第4実施例に係る撮像レンズのレンズ構成図である。 (a)は第4実施例に係る撮像レンズの無限遠合焦状態における諸収差図であり、(b)は近距離合焦状態における諸収差図である。 第5実施例に係る撮像レンズのレンズ構成図である。 (a)は第5実施例に係る撮像レンズの無限遠合焦状態における諸収差図であり、(b)は近距離合焦状態における諸収差図である。 デジタルスチルカメラの断面図である。
以下、本願の好ましい実施形態について図を参照しながら説明する。本願に係る撮像レンズPLを備えた撮像システムとしてデジタルスチルカメラCAMが図11に示されている。なお、図11はデジタルスチルカメラCAMの断面図を示す。
デジタルスチルカメラCAMは、不図示の電源釦を押すと、撮像レンズPLの不図示のシャッタが開放されて、撮像レンズPLで被写体(物体)からの光が集光され、像面Iに配置された撮像素子Cに結像される。撮像素子Cに結像された被写体像は、撮像レンズPLの背後に配置された液晶モニターMに表示される。撮影者は、液晶モニターMを見ながら被写体像の構図を決めた後、レリーズ釦B1を押し下げて被写体像を撮像素子Cで撮影し、不図示のメモリーに記録保存する。
撮像素子Cは、例えばCCDやCMOS等のイメージセンサーを用いて構成される。撮像素子Cの表面には、画素(光電変換器)が二次元的に配置された撮像面Ciが形成される。撮像面Ciは、物体側に凹面を向けるように(例えば、球面状に)湾曲しており、撮像レンズPLの像面Iが撮像面Ciに沿って湾曲して形成される。なお、詳細な図示を省略するが、デジタルスチルカメラCAMには、被写体が暗い場合に補助光を発光する補助光発光部(図示せず)、デジタルスチルカメラCAMの種々の条件設定等に使用するファンクション釦(図示せず)等が配置されている。
撮像レンズPLは、例えば図1に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ成分L1と、負の屈折力を有する第2レンズ成分L2と、正の屈折力を有する第3レンズ成分L3とを有して構成される。
収差補正において、ザイデルの5収差を補正可能な最小構成のレンズは、トリプレットタイプのレンズである。また、像面の平坦性を確保することを目的にペッツバール和を小さくするため、トリプレットタイプのレンズに凹レンズを1枚加えたテッサータイプのレンズが実用化されている。
本実施形態において、撮像レンズPLの像面Iは物体側に凹面を向けるように湾曲していることが好ましい。物体側に凹面を向けるように湾曲した撮像素子Cの撮像面Ciに被写体像を形成するようにすれば、撮像レンズPLとしてトリプレットタイプのレンズを用いたとしても、メリジオナル像面のマイナス方向(像側から物体側に向かう方向)の像面湾曲よりも非点隔差を優先して補正することが可能であるため、良好な結像性能を得ることができる。但し、像側に凹面を向けるように湾曲したサジタル像面の像面湾曲を補正する場合は、テッサータイプのレンズを用いることが好ましい。
このように、メリジオナル像面のマイナス方向の像面湾曲を補正する優先度が低くなるため、ペッツバール和を小さくする必要がなくなる。そのため、トリプレットタイプまたはテッサータイプのレンズに含まれる負の屈折力を有するレンズ成分、すなわち本実施形態の撮像レンズPLにおける第2レンズ成分L2に、高屈折率の光学材料を用いることが可能となる。第2レンズ成分L2の高屈折率化の程度は、次の条件式(1)で規定される。
0.88<(N1+N3)/(2×N2)<1.00 …(1)
但し、
N1:第1レンズ成分L1の平均屈折率、
N2:第2レンズ成分L2の平均屈折率、
N3:第3レンズ成分L3の平均屈折率。
条件式(1)で表される条件を満足することにより、Fナンバーの小さい(明るい)撮像レンズPLを得ることができる。条件式(1)の下限値を下回る条件である場合、第2レンズ成分L2の光学材料としてアッベ数の小さい光学材料を選択する必要があり、軸上色収差の補正が困難になるため好ましくない。一方、条件式(1)の上限値を上回る条件である場合、撮像レンズPLのFナンバーが小さい状態で球面収差を補正することが困難になるため好ましくない。
本実施形態の効果を良好に発揮するために、条件式(1)の下限値を0.90にすることが望ましい。一方、本実施形態の効果を良好に発揮するために、条件式(1)の上限値を0.99にすることが望ましい。
本実施形態において、次の条件式(2)で表される条件を満足することが好ましい。
1.79<Nm<2.30 …(2)
但し、
Nm:第1レンズ成分L1と第2レンズ成分L2と第3レンズ成分L3との平均屈折率。
条件式(2)で表される条件を満足することにより、撮像レンズPLの各レンズ面で発生する高次の球面収差を小さくすることができ、球面収差をより良好に補正することが可能になる。条件式(2)の下限値を下回る条件である場合、撮像レンズPLの各レンズ面で発生する高次の球面収差が大きくなり、球面収差の補正が困難になるため好ましくない。一方、条件式(2)の上限値を上回る条件である場合、現状の光学材料において屈折率の上限を示す範囲となる。そのため、正の屈折力を有するレンズ成分と負の屈折力を有するレンズ成分との間に屈折率の差を設けることができず、球面収差の補正が困難になるため好ましくない。
本実施形態の効果を良好に発揮するために、条件式(2)の下限値を1.82にすることが望ましい。一方、本実施形態の効果を良好に発揮するために、条件式(2)の上限値を1.95にすることが望ましい。
本実施形態において、次の条件式(3)で表される条件を満足することが好ましい。
0.050<d2/d3<0.440 …(3)
但し、
d2:第2レンズ成分L2の中心厚、
d3:第3レンズ成分L3の中心厚。
条件式(3)で表される条件を満足することにより、レンズ枚数を増やさずに、非点隔差を良好な範囲に抑えることができる、条件式(3)の下限値を下回る条件である場合、第3レンズ成分L3の中心厚d3が大きくなりすぎて、撮像レンズPLの全長が大きくなるため好ましくない。一方、条件式(3)の上限値を上回る条件である場合、非点隔差の補正が困難になるため好ましくない。
本実施形態の効果を良好に発揮するために、条件式(3)の下限値を0.070にすることが望ましい。一方、本実施形態の効果を良好に発揮するために、条件式(3)の上限値を0.438にすることが望ましい。
本実施形態において、第1レンズ成分L1、第2レンズ成分L2、および第3レンズ成分L3における全てのレンズ面が球面であってもよい。このような構成にすれば、第1レンズ成分L1、第2レンズ成分L2、および第3レンズ成分L3の作製が容易になるため、撮像レンズPLの製造コストを低減させることができる。また、本構成としても撮像レンズPLのFナンバーを2.8程度に小さく(明るく)することができる。
本実施形態において、第1レンズ成分L1における少なくともいずれかのレンズ面が非球面であり、第3レンズ成分L3における少なくともいずれかのレンズ面が非球面であってもよい。このような構成にすれば、撮像レンズPLの像面Iの平坦化を図ることができる。また、撮像レンズPLの広角化に寄与することができる。
本実施形態において、第2レンズ成分L2における少なくともいずれかのレンズ面が非球面であってもよい。このような構成にすれば、球面収差を良好に補正して撮像レンズPLのFナンバーを2.8よりも小さく(明るく)することができる。
本実施形態において、第3レンズ成分L3よりも像側に開口絞りS1が配置されることが好ましい。このような構成にすれば、各レンズ成分が組み付けられる鏡筒部分と、開口絞りS1の機構部分とが分離されるため、鏡筒の構造を簡略化することができる。
本実施形態において、開口絞りS1よりも像側に視野絞りが配置されることが好ましい。撮像レンズPLの最も像側に開口絞りS1を配置して上側光線束の一部がフレア成分となった場合、開口絞りS1よりも像側に視野絞りを配置することで、視野絞りにより当該フレア成分を遮ることができる。
本実施形態において、第1レンズ成分L1は、1枚の正レンズからなり、第2レンズ成分L2は、1枚の負レンズからなり、第3レンズ成分L3は、1枚の正レンズからなるように構成されてもよい。このように、撮像レンズPLをトリプレットタイプのレンズにすることで、撮像レンズPLの構成を簡略化することができる。
本実施形態において、第1レンズ成分L1は、1枚の正レンズからなり、第2レンズ成分L2は、1枚の負レンズからなり、第3レンズ成分L3は、1枚の正レンズと1枚の負レンズとからなるように構成してもよい。このように、撮像レンズPLをテッサータイプのレンズにすることで、サジタル像面の像面湾曲を良好に補正することができる。
本実施形態において、次の条件式(4)で表される条件を満足することが好ましい。
0.3<{f×(N2―N1―N3)}/Rc<1.0 …(4)
但し、
f:撮像レンズPLの焦点距離、
Rc:撮像面Ciの曲率半径。
ここで、物体側に凹面を向けるように湾曲した撮像素子Cの撮像面Ciの曲率半径Rcは、撮像面Ciにおける回転対称の原点である頂点位置と、撮像面Ciにおいて頂点位置から所定の等距離だけ離れた2点の位置とを通る球面の曲率半径と定義される。なお、撮像面Ciの形状が球面状である場合、撮像面Ciの曲率半径Rcは撮像面Ciに沿った球面の曲率半径となる。
条件式(4)で表される条件を満足することにより、撮像素子Cの撮像面Ciの形状と、撮像レンズPLの像面Iの形状(像面湾曲)とを揃えることができる。条件式(4)の
下限値を下回る条件である場合、像面湾曲の補正が不足するため好ましくない。一方、条件式(4)の上限値を上回る条件である場合、像面湾曲の補正が過剰になるため好ましくない。
本実施形態の効果を良好に発揮するために、条件式(4)の下限値を0.4にすることが望ましい。一方、本実施形態の効果を良好に発揮するために、条件式(4)の上限値を0.8にすることが望ましい。
本実施形態において、撮像レンズPLと撮像素子Cとの間に、モアレまたは偽色を低減させるための光学ローパスフィルター(OLPF;Optical Low Pass Filter)が配置されないように構成する。物体側に凹面を向けるように撮像面Ciが湾曲した撮像素子Cの物体側に光学ローパスフィルターを配置する場合、光学ローパスフィルターの形状を撮像面Ciの形状に合わせて凹形状に湾曲させる必要がある。しかしながら、光学ローパスフィルターは、水晶等の結晶材料を用いて形成されるため、撮像面Ciの形状に合わせて変形させることが難しく、凹形状に湾曲させた光学ローパスフィルターを作製することは非常に困難である。また、CG機(カーブジェネレータ)を用いたレンズ加工等により、光学ローパスフィルターの形状を凹形状にすることはできるが、所望の光学特性が得られない。
本実施形態において、撮像レンズPLと撮像素子Cとが一体的に構成されることが好ましい。物体側に凹面を向けるように撮像面Ciが湾曲した撮像素子Cの回転対称軸に対し撮像レンズPLの光軸がずれると、撮像素子Cにより撮像取得される画像の対角方向において画質が不均一になる。従って、撮像レンズPLと撮像素子Cとが一体的に構成され、撮像レンズPLと撮像素子Cとを組み立てる際、撮像素子Cの回転対称軸と撮像レンズPLの光軸とが一致するように軸調整を行うことで、画質が均一な画像を得ることができる。
本実施形態において、フォーカシング(合焦)の際、第1レンズ成分L1、第2レンズ成分L2、第3レンズ成分L3、および開口絞りS1が光軸に沿って一体的に移動するように構成してもよい。このような構成にすれば、近距離合焦時における周辺光量の変動を少なくすることができる。
本実施形態において、フォーカシング(合焦)の際、第1レンズ成分L1、第2レンズ成分L2、および第3レンズ成分L3が光軸に沿って一体的に移動し、開口絞りS1が固定されるように構成してもよい。このような構成にすれば、近距離合焦時におけるレンズの駆動負荷を少なくすることができる。
このように、本実施形態によれば、単純な構成でありながらFナンバーの小さい(明るい)撮像レンズPLおよび、これを備えたデジタルスチルカメラCAM(撮像システム)を得ることが可能になる。
(第1実施例)
以下、本願の各実施例を添付図面に基づいて説明する。まず、本願の第1実施例について図1〜図2および表1を用いて説明する。図1は第1実施例に係る撮像レンズPL(PL1)の無限遠合焦状態におけるレンズ構成図である。第1実施例に係る撮像レンズPL1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ成分L1と、負の屈折力を有する第2レンズ成分L2と、正の屈折力を有する第3レンズ成分L3と、開口絞りS1とから構成される。
なお、第1実施例に係る撮像レンズPL1は単焦点レンズである。この撮像レンズPL1に対応する撮像素子Cの中心から対角への対角長IHは20.7mmである。また、物体側に凹面を向けるように球面状に湾曲した撮像素子Cの撮像面Ciの曲率半径Rcは、像面I側に凹面を向ける方向の値を正の値として−135mmである。
第1レンズ成分L1は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の1枚の正レンズから構成される。第2レンズ成分L2は、両凹形状の1枚の負レンズから構成される。第3レンズ成分L3は、両凸形状の1枚の正レンズから構成される。第1レンズ成分L1、第2レンズ成分L2、および第3レンズ成分L3における全てのレンズ面が球面となっている。開口絞りS1は、第3レンズ成分L3の像側近傍に配置され、視野絞りとしての機能も有している。
なお、無限遠物体から至近距離物体(有限距離物体)へのフォーカシングは、第1レンズ成分L1、第2レンズ成分L2、および第3レンズ成分L3を、光軸に沿って一体的に物体側へ移動させることにより行う。なお、フォーカシングの際、開口絞りS1は固定される。また、撮像レンズPL1の像面Iは、撮像素子Cの撮像面Ciに合わせて、物体側に凹面を向けるように湾曲している。
以下に、表1〜表5を示すが、これらは第1〜第5実施例に係る撮像レンズPLの諸元の値をそれぞれ掲げた表である。各表の[諸元データ]において、fは撮像レンズPLの焦点距離を、FnоはFナンバーを、ωは最大撮影半画角(単位は「°」)を、φ1は開口絞りS1の内径を、φ2は視野絞りS2の内径をそれぞれ示す。[レンズデータ]において、面番号は物体側から数えた各レンズ面の番号を、Rは各レンズ面の曲率半径を、Dは各レンズ面の間隔を、νdはd線(波長λ=587.6nm)に対するアッベ数を、ndはd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率をそれぞれ示す。また、[レンズデータ]において、D6は可変面間隔を、Bfはバックフォーカスをそれぞれ示す。なお、第1カラム(面番号)の右に付した*は、そのレンズ面が非球面であることを示す。また
、曲率半径「∞」は平面を示し、空気の屈折率nd=1.000000はその記載を省略している。
[非球面データ]において示す非球面係数は、光軸に垂直な方向の高さ(輪帯位置)をyとし、光軸方向のサグ量をX(y)とし、基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)をrとし、円錐定数をκとし、n次(n=2,4,6,8)の非球面係数をAnとしたとき、次
式(A)で表される。また、[非球面データ]において、「E-n」は「×10-n」を示す
。例えば、「1.234E-05」は「1.234×10-5」を示す。
X(y)=(y2/r)/{1+(1−κ×y2/r21/2
+A2×y2+A4×y4+A6×y6+A8×y8 …(A)
[可変間隔データ]において、fは撮像レンズPLの焦点距離を、βは撮影倍率をそれぞれ示す。また、[可変間隔データ]には、各焦点距離および撮影倍率に対応する、物体から第1レンズ面までの距離D0の値と、可変面間隔D6の値と、バックフォーカスBfの値と、全長TLの値とを示す。[条件式対応値]には、各条件式の対応値をそれぞれ示す。
なお、以下の全ての諸元値において掲載されている焦点距離f、曲率半径R、その他の長さの単位は一般に「mm」が使われるが、光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、後述の第2〜第5実施例の諸元値においても、本実施例と同様の符号を用いる。
下の表1に、第1実施例における各諸元を示す。なお、表1における第1面〜第7面の曲率半径Rは、図1における第1面〜第7面に付した符号R1〜R7に対応している。
(表1)
[諸元データ]
f=51.6
Fnо=2.9
ω=22.8°
φ1=13.62
[レンズデータ]
面番号 R D νd nd
1 22.2581 6.5000 37.35 1.834000
2 50.3436 4.3000
3 -82.0899 1.0000 23.96 1.921190
4 20.2270 1.4000
5 30.3360 11.8000 37.35 1.834000
6 -36.3951 D6
7 ∞ Bf (開口絞り)
[可変間隔データ]
無限遠合焦状態 近距離合焦状態
f=51.6 β=-0.1000
D0 ∞ 558.0204
D6 1.50000 6.66000
Bf 38.67685 38.67685
TL 65.17685 70.33684
[条件式対応値]
条件式(1) (N1+N3)/(2×N2)=0.955
条件式(2) Nm=1.86306
条件式(3) d2/d3=0.085
条件式(4) {f×(N2―N1―N3)}/Rc=0.668
このように本実施例では、上記条件式(1)〜(4)が全て満たされていることが分かる。
図2は、第1実施例に係る撮像レンズPL1の諸収差図である。ここで、図2(a)は第1実施例に係る撮像レンズPL1の無限遠合焦状態における諸収差図であり、図2(b)は撮像レンズPL1の近距離合焦状態(至近撮影距離L=628mm)における諸収差図である。各収差図において、FNOはFナンバーを、Aは最大撮影半画角を、NAは開口数を、H0は物体高をそれぞれ示す。また、各収差図において、dはd線(λ=587.6nm)、gはg線(λ=435.8nm)、CはC線(波長λ=656.3nm)、FはF線(波長λ=486.1nm)における収差をそれぞれ示す。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリジオナル像面を示している。また、倍率色収差を示す収差図は、d線を基準として示されている。以上、収差図の説明は他の実施例においても同様である。
そして、各収差図より、第1実施例では、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。その結果、第1実施例の撮像レンズPL1を搭載することにより、デジタルスチルカメラCAMにおいても、優れた光学性能を確保することができる。
(第2実施例)
以下、本願の第2実施例について図3〜図4および表2を用いて説明する。図3は第2実施例に係る撮像レンズPL(PL2)の無限遠合焦状態におけるレンズ構成図である。第2実施例に係る撮像レンズPL2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ成分L1と、負の屈折力を有する第2レンズ成分L2と、正の屈折力を有する第3レンズ成分L3と、開口絞りS1と、視野絞りS2とから構成される。
なお、第2実施例に係る撮像レンズPL2は単焦点レンズである。この撮像レンズPL2に対応する撮像素子Cの中心から対角への対角長IHは13.7mmである。また、物体側に凹面を向けるように球面状に湾曲した撮像素子Cの撮像面Ciの曲率半径Rcは、像面I側に凹面を向ける方向の値を正の値として−100mmである。
第1レンズ成分L1は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の1枚の正レンズから構成される。第2レンズ成分L2は、両凹形状の1枚の負レンズから構成される。第3レンズ成分L3は、両凸形状の1枚の正レンズから構成される。第2レンズ成分L2における全ての(両側の)レンズ面が非球面となっている。開口絞りS1は、第3レンズ成分L3の像側近傍に配置される。視野絞りS2は、開口絞りS1の像側近傍に配置される。
なお、無限遠物体から至近距離物体(有限距離物体)へのフォーカシングは、第1レンズ成分L1、第2レンズ成分L2、第3レンズ成分L3、開口絞りS1、および視野絞りS2を、光軸に沿って一体的に物体側へ移動させることにより行う。また、撮像レンズPL2の像面Iは、撮像素子Cの撮像面Ciに合わせて、物体側に凹面を向けるように湾曲している。
下の表2に、第2実施例における各諸元を示す。なお、表2における第1面〜第8面の曲率半径Rは、図3における第1面〜第8面に付した符号R1〜R8に対応している。また、第2実施例において、第3面、および第4面の各レンズ面は非球面形状に形成されている。
(表2)
[諸元データ]
f=35.0
Fnо=2.0
ω=21.9°
φ1=12.86
φ2=11.56
[レンズデータ]
面番号 R D νd nd
1 14.7951 4.5000 31.31 1.903660
2 49.5342 1.7000
3* -167.6565 1.0000 19.32 2.001780
4* 15.6740 1.6000
5 49.5887 7.8000 31.31 1.903660
6 -30.3329 1.2000
7 ∞ 2.5000 (開口絞り)
8 ∞ Bf (視野絞り)
[非球面データ]
第3面
κ=40.8289,A2=0.00000E+00,A4=-8.05370E-06,A6=3.96410E-08,A8=0.00000E+00
第4面
κ=0.4770,A2=0.00000E+00,A4=2.32630E-05,A6=-3.37950E-08,A8=0.00000E+00
[可変間隔データ]
無限遠合焦状態 近距離合焦状態
f=35.0 β=-0.1000
D0 ∞ 380.9963
Bf 22.33511 25.83511
TL 42.63511 46.13511
[条件式対応値]
条件式(1) (N1+N3)/(2×N2)=0.951
条件式(2) Nm=1.93637
条件式(3) d2/d3=0.128
条件式(4) {f×(N2―N1―N3)}/Rc=0.632
このように本実施例では、上記条件式(1)〜(4)が全て満たされていることが分かる。
図4は、第2実施例に係る撮像レンズPL2の諸収差図である。ここで、図4(a)は第2実施例に係る撮像レンズPL2の無限遠合焦状態における諸収差図であり、図4(b)は撮像レンズPL2の近距離合焦状態(至近撮影距離L=427mm)における諸収差図である。そして、各収差図より、第2実施例では、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。その結果、第2実施例の撮像レンズPL2を搭載することにより、デジタルスチルカメラCAMにおいても、優れた光学性能を確保することができる。
(第3実施例)
以下、本願の第3実施例について図5〜図6および表3を用いて説明する。図5は第3実施例に係る撮像レンズPL(PL3)の無限遠合焦状態におけるレンズ構成図である。第3実施例に係る撮像レンズPL3は、非球面となるレンズ面を除いて、第2実施例に係る撮像レンズPL2と同様の構成である。そこで、第3実施例においては、第2実施例に係る撮像レンズPL2と同一の部材に同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。第3実施例に係る撮像レンズPL3では、第1レンズ成分L1における物体側のレンズ面と、第3レンズ成分L3における像面I側のレンズ面とが非球面となっている。
なお、第3実施例に係る撮像レンズPL3は単焦点レンズである。この撮像レンズPL3に対応する撮像素子Cの中心から対角への対角長IHは7.7mmである。また、物体側に凹面を向けるように球面状に湾曲した撮像素子Cの撮像面Ciの曲率半径Rcは、像面I側に凹面を向ける方向の値を正の値として−45mmである。
下の表3に、第3実施例における各諸元を示す。なお、表3における第1面〜第8面の曲率半径Rは、図5における第1面〜第8面に付した符号R1〜R8に対応している。また、第3実施例において、第1面、および第6面の各レンズ面は非球面形状に形成されている。
(表3)
[諸元データ]
f=20.0
Fnо=2.9
ω=21.5°
φ1=5.68
φ2=5.60
[レンズデータ]
面番号 R D νd nd
1* 8.0915 1.4000 42.71 1.820800
2 34.0711 1.6000
3 -12.6882 0.4000 25.46 2.000690
4 24.0806 1.7000
5 26.0695 2.1000 40.10 1.851350
6* -17.3600 0.7000
7 ∞ 1.0000 (開口絞り)
8 ∞ Bf (視野絞り)
[非球面データ]
第1面
κ=2.1946,A2=0.00000E+00,A4=-1.07890E-04,A6=-1.72950E-06,A8=0.00000E+00
第6面
κ=-15.3673,A2=0.00000E+00,A4=-1.15350E-04,A6=1.41900E-05,A8=0.00000E+00
[可変間隔データ]
無限遠合焦状態 近距離合焦状態
f=20.0 β=-0.1000
D0 ∞ 617.1110
Bf 14.46107 16.46089
TL 23.36107 25.36089
[条件式対応値]
条件式(1) (N1+N3)/(2×N2)=0.918
条件式(2) Nm=1.89095
条件式(3) d2/d3=0.190
条件式(4) {f×(N2―N1―N3)}/Rc=0.743
このように本実施例では、上記条件式(1)〜(4)が全て満たされていることが分かる。
図6は、第3実施例に係る撮像レンズPL3の諸収差図である。ここで、図6(a)は第3実施例に係る撮像レンズPL3の無限遠合焦状態における諸収差図であり、図6(b)は撮像レンズPL3の近距離合焦状態(至近撮影距離L=242mm)における諸収差図である。そして、各収差図より、第3実施例では、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。その結果、第3実施例の撮像レンズPL3を搭載することにより、デジタルスチルカメラCAMにおいても、優れた光学性能を確保することができる。
(第4実施例)
以下、本願の第4実施例について図7〜図8および表4を用いて説明する。図7は第4実施例に係る撮像レンズPL(PL4)の無限遠合焦状態におけるレンズ構成図である。第4実施例に係る撮像レンズPL4は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ成分L1と、負の屈折力を有する第2レンズ成分L2と、正の屈折力を有する第3レンズ成分L3と、開口絞りS1とから構成される。
なお、第4実施例に係る撮像レンズPL4は単焦点レンズである。この撮像レンズPL4に対応する撮像素子Cの中心から対角への対角長IHは3.92mmである。また、物体側に凹面を向けるように球面状に湾曲した撮像素子Cの撮像面Ciの曲率半径Rcは、像面I側に凹面を向ける方向の値を正の値として−33mmである。
第1レンズ成分L1は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の1枚の正レンズから構
成される。第2レンズ成分L2は、両凹形状の1枚の負レンズから構成される。第3レンズ成分L3は、両凸形状の1枚の正レンズから構成される。開口絞りS1は、第3レンズ成分L3の像側近傍に配置され、視野絞りとしての機能も有している。
なお、無限遠物体から至近距離物体(有限距離物体)へのフォーカシングは、第1レンズ成分L1、第2レンズ成分L2、第3レンズ成分L3、および開口絞りS1を、光軸に沿って一体的に物体側へ移動させることにより行う。また、撮像レンズPL4の像面Iは、撮像素子Cの撮像面Ciに合わせて、物体側に凹面を向けるように湾曲している。
下の表4に、第4実施例における各諸元を示す。なお、表4における第1面〜第7面の曲率半径Rは、図7における第1面〜第7面に付した符号R1〜R7に対応している。また、第4実施例において、第1面、および第6面の各レンズ面は非球面形状に形成されている。
(表4)
[諸元データ]
f=9.7
Fnо=3.5
ω=22.8°
φ1=2.18
[レンズデータ]
面番号 R D νd nd
1* 4.3963 1.3000 37.38 1.900430
2 9.2451 0.4000
3 -12.6706 0.7000 23.96 1.921190
4 4.5676 0.3000
5 7.7896 1.6000 37.38 1.900430
6* -6.9946 0.4000
7 ∞ Bf (開口絞り)
[可変間隔データ]
無限遠合焦状態 近距離合焦状態
f=9.7 β=-0.1000
D0 ∞ 299.1737
Bf 7.55440 8.52440
TL 12.25440 13.22440
[条件式対応値]
条件式(1) (N1+N3)/(2×N2)=0.989
条件式(2) Nm=1.90735
条件式(3) d2/d3=0.438
条件式(4) {f×(N2―N1―N3)}/Rc=0.553
このように本実施例では、上記条件式(1)〜(4)が全て満たされていることが分かる。
図8は、第4実施例に係る撮像レンズPL4の諸収差図である。ここで、図8(a)は第4実施例に係る撮像レンズPL4の無限遠合焦状態における諸収差図であり、図8(b)は撮像レンズPL4の近距離合焦状態(至近撮影距離L=299mm)における諸収差図である。そして、各収差図より、第4実施例では、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。その結果、第4実施例の撮像レンズPL4を搭載することにより、デジタルスチルカメラCAMにおいても、優れた光学性能を確保することが
できる。
(第5実施例)
以下、本願の第5実施例について図9〜図10および表5を用いて説明する。図9は第5実施例に係る撮像レンズPL(PL5)の無限遠合焦状態におけるレンズ構成図である。第5実施例に係る撮像レンズPL5は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ成分L1と、負の屈折力を有する第2レンズ成分L2と、正の屈折力を有する第3レンズ成分L3と、開口絞りS1とから構成される。
なお、第5実施例に係る撮像レンズPL5は単焦点レンズである。この撮像レンズPL5に対応する撮像素子Cの中心から対角への対角長IHは20.7mmである。また、物体側に凹面を向けるように球面状に湾曲した撮像素子Cの撮像面Ciの曲率半径Rcは、像面I側に凹面を向ける方向の値を正の値として−172mmである。
第1レンズ成分L1は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の1枚の正レンズから構成される。第2レンズ成分L2は、両凹形状の1枚の負レンズから構成される。第3レンズ成分L3は、両凸形状の正レンズと物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズとが接合された接合レンズから構成される。開口絞りS1は、第3レンズ成分L3の像側近傍に配置され、視野絞りとしての機能も有している。
なお、無限遠物体から至近距離物体(有限距離物体)へのフォーカシングは、第1レンズ成分L1、第2レンズ成分L2、および第3レンズ成分L3を、光軸に沿って一体的に物体側へ移動させることにより行う。なお、フォーカシングの際、開口絞りS1は固定される。また、撮像レンズPL5の像面Iは、撮像素子Cの撮像面Ciに合わせて、物体側に凹面を向けるように湾曲している。
下の表5に、第5実施例における各諸元を示す。なお、表5における第1面〜第8面の曲率半径Rは、図9における第1面〜第8面に付した符号R1〜R8に対応している。また、第5実施例において、第1面のレンズ面は非球面形状に形成されている。
(表5)
[諸元データ]
f=51.6
Fnо=2.9
ω=22.4°
φ1=13.92
[レンズデータ]
面番号 R D νd nd
1* 22.3152 6.5000 37.35 1.834000
2 53.0680 4.3000
3 -57.4174 1.0000 23.96 1.921190
4 22.7372 1.4000
5 38.7463 8.0000 37.38 1.900430
6 -32.0000 1.0000 17.02 2.104200
7 -34.4398 D6
8 ∞ Bf (開口絞り)
[可変間隔データ]
無限遠合焦状態 近距離合焦状態
f=51.6 β=-0.1000
D0 ∞ 559.6854
D6 1.50000 6.66002
Bf 39.45875 39.45875
TL 63.15875 68.31877
[条件式対応値]
条件式(1) (N1+N3)/(2×N2)=0.990
条件式(2) Nm=1.90810
条件式(3) d2/d3=0.111
条件式(4) {f×(N2―N1―N3)}/Rc=0.565
このように本実施例では、上記条件式(1)〜(4)が全て満たされていることが分かる。
図10は、第5実施例に係る撮像レンズPL5の諸収差図である。ここで、図10(a)は第5実施例に係る撮像レンズPL5の無限遠合焦状態における諸収差図であり、図10(b)は撮像レンズPL5の近距離合焦状態(至近撮影距離L=628mm)における諸収差図である。そして、各収差図より、第5実施例では、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。その結果、第5実施例の撮像レンズPL5を搭載することにより、デジタルスチルカメラCAMにおいても、優れた光学性能を確保することができる。
以上、各実施例によれば、単純な構成でありながらFナンバーの小さい(明るい)撮像レンズおよび、これを備えたデジタルスチルカメラ(撮像システム)を実現することができる。
なお、上述の実施形態において、以下に記載の内容は、光学性能を損なわない範囲で適宜採用可能である。
上述の各実施例において、撮像レンズとして3つのレンズ成分からなる構成を示したが、4つのレンズ成分からなる構成等の他の構成にも適用可能である。例えば、最も物体側に弱いパワーのレンズ(例えば、負レンズ)を追加した構成や、最も像側に弱いパワーのレンズを追加した構成でも構わない。
上述の各実施例において、第1レンズ成分L1は単レンズとなっているが、これに限られるものではなく、接合レンズであってもよい。また、上述の各実施例において、第2レンズ成分L2も単レンズとなっているが、これに限られるものではなく、接合レンズであってもよい。
上述の各実施例において、撮像レンズPLにおける開口絞りS1もしくは視野絞りS2の像側に、光学ローパスフィルター等のフィルター群が配置されていないが、これに限られるものではない。例えば、光学ローパスフィルターを除いたフィルター群として、赤外カットフィルタが配置されてもよい。
上述の各実施例において、撮像レンズPLに対応する撮像素子として、物体側に凹面を向けるように球面状に湾曲した撮像面Ciを有する撮像素子Cを例示したが、これに限られるものではない。例えば、撮像素子Cの撮像面Ciは、物体側に凹面を向けるように非球面状や楕円状に湾曲して形成されてもよい。
また、各レンズは、ガラス素材で形成されていてもよく、樹脂素材で形成されていてもよく、またはガラス素材と樹脂素材との複合であっても構わない。
また、レンズ面は、球面または平面で形成されても、非球面で形成されても構わない。レンズ面が球面または平面の場合、レンズ加工および組立調整が容易になり、加工および組立調整の誤差による光学性能の劣化を防げるので好ましい。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないので好ましい。レンズ面が非球面の場合、非球面は、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれの非球面でも構わない。また、レンズ面は回折面としてもよく、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)あるいはプラスチックレンズとしてもよい。
また、開口絞りS1は第3レンズ成分L3よりも像側に配置されるのが好ましいが、開口絞りとしての部材を設けずに、レンズの枠でその役割を代用してもよい。また、視野絞りS2は開口絞りS1よりも像側に配置されるのが好ましいが、視野絞りとしての部材を設けずに、開口絞りもしくはレンズの枠でその役割を代用してもよい。
また、各レンズ面には、フレアやゴーストを軽減し高い光学性能を達成するために、反射防止膜を施してもよい。反射防止膜は、適宜選択可能であり、多層膜コーティングや、微細な結晶粒子からなる超低屈折率層を有する反射防止膜でもよい。また、反射防止膜を施すレンズ面の数も特に限定されるものではない。
また、上述の実施形態において、撮像レンズPLを備えた撮像システムとして、撮像レンズPLとカメラボディ(撮像素子C)とが一体的に構成されたデジタルスチルカメラCAMを用いているが、これに限られるものではない。例えば、撮像レンズPLを備えた撮像システムとして、撮像レンズPLとカメラボディとが別体に着脱可能に構成されたデジタル一眼レフカメラを用いてもよい。また例えば、撮像レンズPLを備えた撮像システムとして、携帯端末等に搭載されたカメラを用いてもよい。また例えば、撮像レンズPLを備えた撮像システムとして、液晶モニターMや操作部材などを備えずに、少なくとも撮像レンズPLと撮像素子Cとを備える撮像装置を用いてもよい。
CAM デジタルスチルカメラ(撮像システム)
C 撮像素子(Ci 撮像面)
PL 撮像レンズ
L1 第1レンズ成分 L2 第2レンズ成分
L3 第3レンズ成分
S1 開口絞り S2 視野絞り
I 像面

Claims (14)

  1. 物体側に凹面を向ける球面状に像面が湾曲した撮像レンズであって、
    光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ成分と、負の屈折力を有する第2レンズ成分と、正の屈折力を有する第3レンズ成分とを有し、
    以下の条件式を満足することを特徴とする撮像レンズ。
    0.88<(N1+N3)/(2×N2)<1.00
    1.79<Nm<2.30
    但し、
    N1:前記第1レンズ成分の平均屈折率、
    N2:前記第2レンズ成分の平均屈折率、
    N3:前記第3レンズ成分の平均屈折率、
    Nm:前記第1レンズ成分の平均屈折率と、前記第2レンズ成分の平均屈折率と、前記第3レンズ成分の平均屈折率との平均値。
  2. 物体側に凹面を向ける球面状に像面が湾曲した撮像レンズであって、
    光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ成分と、負の屈折力を有する第2レンズ成分と、正の屈折力を有する第3レンズ成分とを有し、
    以下の条件式を満足することを特徴とする撮像レンズ。
    0.88<(N1+N3)/(2×N2)<1.00
    0.050<d2/d3<0.440
    但し、
    N1:前記第1レンズ成分の平均屈折率、
    N2:前記第2レンズ成分の平均屈折率、
    N3:前記第3レンズ成分の平均屈折率、
    d2:前記第2レンズ成分の中心厚、
    d3:前記第3レンズ成分の中心厚。
  3. 物体側に凹面を向ける球面状に像面が湾曲した撮像レンズであって、
    光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ成分と、負の屈折力を有する第2レンズ成分と、正の屈折力を有する第3レンズ成分とを有し、
    前記第1レンズ成分、前記第2レンズ成分、および前記第3レンズ成分における全てのレンズ面が球面であり、
    以下の条件式を満足することを特徴とする撮像レンズ。
    0.88<(N1+N3)/(2×N2)<1.00
    但し、
    N1:前記第1レンズ成分の平均屈折率、
    N2:前記第2レンズ成分の平均屈折率、
    N3:前記第3レンズ成分の平均屈折率。
  4. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    0.050<d2/d3<0.440
    但し、
    d2:前記第2レンズ成分の中心厚、
    d3:前記第3レンズ成分の中心厚。
  5. 前記第1レンズ成分、前記第2レンズ成分、および前記第3レンズ成分における全てのレンズ面が球面であることを特徴とする請求項1、請求項2、および請求項4のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
  6. 前記第1レンズ成分における少なくともいずれかのレンズ面が非球面であり、
    前記第3レンズ成分における少なくともいずれかのレンズ面が非球面であることを特徴とする請求項1、請求項2、および請求項4のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
  7. 前記第2レンズ成分における少なくともいずれかのレンズ面が非球面であることを特徴とする請求項1、請求項2、および請求項4のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
  8. 前記第3レンズ成分よりも像側に開口絞りが配置されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
  9. 前記開口絞りよりも像側に視野絞りが配置されることを特徴とする請求項8に記載の撮像レンズ。
  10. 前記第1レンズ成分は、1枚の正レンズからなり、
    前記第2レンズ成分は、1枚の負レンズからなり、
    前記第3レンズ成分は、1枚の正レンズからなることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
  11. 前記第1レンズ成分は、1枚の正レンズからなり、
    前記第2レンズ成分は、1枚の負レンズからなり、
    前記第3レンズ成分は、1枚の正レンズと1枚の負レンズとからなることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
  12. 物体の像を撮像面上に結像させる撮像レンズと、
    前記撮像面上に結像した前記物体の像を撮像する撮像素子とを備え、
    前記撮像レンズが請求項1から11のいずれか一項に記載の撮像レンズであり、
    以下の条件式を満足することを特徴とする撮像システム。
    0.3<{f×(N2―N1―N3)}/Rc<1.0
    但し、
    f:前記撮像レンズの焦点距離、
    Rc:前記撮像面の曲率半径。
  13. 前記撮像レンズと前記撮像素子との間に、モアレまたは偽色を低減させるための光学ローパスフィルターが配置されていないことを特徴とする請求項12に記載の撮像システム。
  14. 前記撮像レンズと前記撮像素子とが一体的に構成されることを特徴とする請求項12または13に記載の撮像システム。
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