JP6630893B1 - 吊り作業支援システム - Google Patents

吊り作業支援システム Download PDF

Info

Publication number
JP6630893B1
JP6630893B1 JP2019065156A JP2019065156A JP6630893B1 JP 6630893 B1 JP6630893 B1 JP 6630893B1 JP 2019065156 A JP2019065156 A JP 2019065156A JP 2019065156 A JP2019065156 A JP 2019065156A JP 6630893 B1 JP6630893 B1 JP 6630893B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotary wing
wing device
target point
support system
hanging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019065156A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020163953A (ja
Inventor
賢士 小島
賢士 小島
Original Assignee
光司商会株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 光司商会株式会社 filed Critical 光司商会株式会社
Priority to JP2019065156A priority Critical patent/JP6630893B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6630893B1 publication Critical patent/JP6630893B1/ja
Publication of JP2020163953A publication Critical patent/JP2020163953A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Load-Engaging Elements For Cranes (AREA)

Abstract

【課題】吊り具の動きを制御する手段を講じることにより、吊り作業を効率よく又は安全に支援する技術を提供すること。【解決手段】吊り作業支援システム10は、吊り具12に取り付けられる回転翼装置100を備える。回転翼装置100に水平方向の推力を発生させて、吊り具12を目標地点(例えば遭難者V)に向けて移動させる制御を行う。これにより、比較的高い位置からの吊り作業を支援し、作業の効率性や安全性を高めることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、例えばヘリコプターを使った被災者や遭難者の救助といった、比較的高い位置からの吊り作業を効率よく又は安全に支援するための技術に関する。
自然災害や山岳遭難等によって取り残された被災者や遭難者を救助する際に、ヘリコプターから吊り下ろしたワイヤーロープを介して救助及び搬送することが行われている。しかし、ヘリコプターによる救助作業は、メインローターからの強い風圧(ダウンウォッシュ)の影響を受け、またヘリコプターが斜面に接触し、墜落の危険もある。そのため、空中からの救助を安全に行うには、十分な高度(少なくとも高さ20m以上)の確保が要求される。しかし、そのような比較的高い上空から吊り下げられたワイヤーロープを要救助者の手が届くところに渡したり、又はたぐり寄せたりする作業は非常に難しく熟練を要する。
また、高層ビル等の建設現場においては、クライミングクレーンを使って鋼材やパネル等の吊り荷を上空に荷揚げし、所定の場所に搬送する作業が多く行われている。そのような吊り作業は大変危険を伴うものであり、例えば風などで吊り荷が回転し始めると一般的には止める術がなく、ワイヤー破断や荷崩れ、接触等を誘発する場合がある。
従来、クレーンのフックの回転を抑制するための各種の技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に開示の技術では、フックを回転自在に支持する受け座とフックに止着される受け座への取付手段との間に、設定された力以下ではフックが回転せず、設定した力を超える力が加えられるとフックが回転されるようにした摩擦部材を配置している。この構成によって、移送時にクレーンフックが回転することを防止して、被吊下げ部材の回転による他物との接触により破損されたり、破損したりすることを防止している。
特開2007−1754号公報
本発明は、このような比較的高い位置からの吊り作業における危険性や困難性といった課題に鑑み、空中の吊り具の動きを制御する手段を講じることにより、吊り作業を効率よく又は安全に支援することができる技術を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明の吊り作業支援システムは、吊り具に取り付けられ、当該吊り具をその吊り下げられた鉛直下の地点からみてそれよりも水平方向にある目標地点に向けて移動させることが可能な回転翼装置を含む。
吊り作業支援システムは、前記回転翼装置が少なくとも2軸以上のジンバル機構を介して前記吊り具に取り付けられていることが好ましい。
また、吊り作業支援システムは、前記回転翼装置が非作動時においてその水平姿勢を維持するためのバランサーを備えていることが好ましい。
また、吊り作業支援システムは、前記回転翼装置が、当該回転翼装置の位置情報を測定する測位部と、前記目標地点の位置情報を記憶した記憶部と、回転翼を駆動制御する制御部とを備え、前記制御部が前記測位部により測定される当該回転翼装置の位置と前記目標地点の位置との間の距離が縮小するように前記回転翼を駆動制御することが好ましい。
また、吊り作業支援システムは、前記回転翼装置が前記測位部により測定される当該回転翼装置の高さ位置と前記目標地点の高さ位置との間の差分情報を外部に送信する送信部を備えていることが好ましい。
また、吊り作業支援システムは、前記目標地点にあって前記回転翼装置と無線通信が可能な端末装置を更に含み、前記端末装置が当該端末装置の位置情報を測定する測位部を備え、前記回転翼装置が、前記端末装置の測位部により測定される当該端末装置の位置情報を受信する受信部を備えていることが好ましい。
また、吊り作業支援システムは、前記回転翼装置が、前記目標地点との相対的な位置関係を認識可能な目標地点認識部と、回転翼を駆動制御する制御部とを備え、前記制御部が、前記目標地点認識部により認識される目標地点に向けて前記回転翼装置が移動するように前記回転翼を駆動制御することが好ましい。
また、吊り作業支援システムは、前記目標地点にある端末装置を更に含み、該端末装置が前記回転翼装置の前記目標地点認識部にその存在を認識させるよう構成されていることが好ましい。
また、本発明の吊り作業支援システムは、吊り具に取り付けられ、当該吊り具の意図しない振動を抑制するよう構成されている回転翼装置を含む。
また、本発明の吊り作業支援システムは、吊り具に取り付けられ、当該吊り具にモーメントを生じさせるよう動作する回転翼装置を含む。
また、吊り作業支援システムは、前記回転翼装置が前記吊り具の意図しない回転を抑制するように構成されていることが好ましい。
また、吊り作業支援システムは、前記回転翼装置が、前記吊り具に回転のモーメントを作用させて、吊り荷を目標地点に搬送するよう構成されていることが好ましい。
本発明によれば、回転翼装置に水平方向の推力を発生させることにより、吊り具を目標地点に向けて移動させる制御を行うことができる。これにより、比較的高い位置からの吊り作業を支援し、作業の効率性や安全性を高めることができる。
本発明の第1の実施形態による吊り作業支援システムの概念図である。 吊り具に取り付けられた回転翼装置の一例を示す斜視図である。 回転翼装置の制御及び動作を説明するための図である。 回転翼装置のシステム構成を説明するためのブロック図である。 回転翼装置における制御モデルの概念図である。 吊り具に取り付けられた回転翼装置の他の例を示す斜視図である。 吊り作業支援システムによる他の支援作業の例を説明するための図である。 吊り作業支援システムによる更に他の支援作業の例を説明するための図である。 吊り荷の搬送作業における支援の例を説明するための図である。 吊り具に取り付けられた回転翼装置の更に他の例を示す斜視図である。 吊り作業支援システムによる更に他の支援作業の例を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態による吊り作業支援システムの概念図である。 吊り具に取り付けられた回転翼装置の更に他の例を示す斜視図である。 吊り作業支援システムによる更に他の支援作業の例を説明するための図である。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による吊り作業支援システム10の概念図である。本システム10による支援作業は、図1から容易にわかるように、上空でホバリングするヘリコプター11から吊り下ろされたワイヤーロープ12を使って、遭難者Vを救助する作業を想定している。そのために、ワイヤーロープ12の先端部付近には、胴衣ハーネスやカラビナフック等の救助用具13が取り付けられている。
吊り作業支援システム10は、回転翼装置100が吊り具に取り付けられている。なお、ここで「吊り具」は、上空の巻上装置から吊り下ろされたフック等の連結用具や救助用具等の他に、これら用具を繋ぐワイヤー、ロープ及びそれに付随するシーブ等を含むものとして解釈される。
本実施形態の回転翼装置100は、吊り具や吊り荷(以下「吊り具等」という。)をその吊り下げられた鉛直下の地点からみてそれよりも水平方向に移動させる機能を有している。
図2に回転翼装置100の例を示す。同図に示されるように、回転翼装置100は、マルチコプター型の無人航空機、いわゆるドローンの機体をそのまま採用することができる。図2には、ローター101が6発の、いわゆるヘキサ型の回転翼装置100が例示されている。ただし、本発明の実施において、ローターの数に特に制限はない。また、図2には、回転翼装置100が、ジャイロスコープのフレーム構造として知られている3軸のジンバル機構80に搭載された例が示されている。
このジンバル機構80は、第1リングフレーム81と、第1リングフレーム81に対し垂直の第1軸(81a、81b)を中心に回転自在な第2リングフレーム82と、第2リングフレーム82に対し水平の第2軸(82a、82b)を中心に回転自在な第3リングフレーム83と、第3リングフレーム83の中心を通るようにかけ渡され、前記第2軸(82a、82b)とは直交する第3軸(83a、83b)周りに回転自在なロッドフレーム84を備えて構成されている。回転翼装置100は、ジンバル機構80の中心を貫くロッドフレーム84の略中央に据え付けられている。
このようなジンバル機構80に取り付けられる回転翼装置100は、後述する自律姿勢制御が作動していなければ、そのままでは機体の重心が最も下にくる姿勢で転倒してしまう。そのため、姿勢制御が非作動時においても、回転翼装置100が水平姿勢(「水平姿勢」とは全てのローター101の回転平面が水平である姿勢のこと。)を維持できるようにするためのバランサー(図示せず)を備えていることが好ましい。
ここで、本実施形態による回転翼装置100の制御及び動作について若干説明する。回転翼装置100は、自律的に機体の姿勢を制御しながら、同時に、水平方向(前後左右)に推力を発生させて移動できる併進動作機能、及びその場で回転できる回転動作機能を有している。これらの動作に必要な動力電源は、回転翼装置100の本体に別置きの大型バッテリーから供給される。また、サブケーブルを介して上空のヘリコプター11(又は後述するクレーン21)から供給されてもよい。したがって、吊り作業中、回転翼装置100を連続して稼働することができる。
一般にドローンとして知られている回転翼装置は、ローターの個数に応じて、クワッド型(4発)、ヘキサ型(6発)、オクト型(8発)などがあるが、基本的な制御動作原理は同じである。そのため、ここでは図3を参照して最も単純なクワッド型の例で制御と動作の関係を説明する。
回転翼装置は、角数が偶数の正多角形(図3の例では正方形)の各頂点に回転の中心軸が来るようにローターが配置される。対角線状の各フレームの先端にモーターが設けられ、モーターの回転軸とローターのプロペラ(羽根)との回転軸が直結している。図3の例では4個のモーターで4個のローターのプロペラを回転させている。
対角線上にある2つのローターの回転方向は同じであり、互いに隣接する2つのローターの回転方向は逆である。すなわち、y軸対角線上の2つのローターR1、R3の回転方向が時計回りとすると、x軸対角線上の2つのローターR2、R4の回転方向は反時計回りとなる。ただし、いずれのローターR1、R2、R3、R4も、上記所定方向に回転したときに機体に揚力を生じさせる方向に、それぞれのプロペラの傾きが設定されている。
全てのローターR1、R2、R3、R4を同じ回転数で所定方向に回転させると、回転により生じる反トルクが互いに打ち消し合い、機体の水平姿勢が維持される。その静止状態から例えばローターR1の回転数を下げ、ローターR3の回転数を上げると、機首(ローターR1側)を下げて機体が傾く。機体がそのように傾くと、ローターR1、R2、R3、R4の回転による揚力に水平方向成分が生じ、その力が機体を前方向(図3ではy軸方向)に進める推力となる。このとき、機体の回転を防ぐために、ローターR2、R4の回転数も調整される。
また、ある対角線上の一対のローターの回転数と、それに隣接する他の対角線上の一対のローターの回転数に差を設けることで、機体を回転動作させることができる。例えば、時計回りに回転するローターR1、R3の回転数を、反時計回りに回転するローターR2、R4の回転数よりも高くすると、リアクションホイール効果により生じる反トルクのバランスにおいて反時計回りのトルクが勝り、その結果、機体が反時計回りの方向に回転動作する。
図4は、回転翼装置100のシステム構成を説明するためのブロック図である。本実施形態による回転翼装置100は、回転翼であるローターシステム120を駆動制御するよう構成された制御部110を備えている。ローターシステム120は、具体的には6個のステッピングモーター(以下単に「モーター」という。)と、各モーターに直結する複数枚のプロペラ(羽根)から構成される。ローターシステム120の各モーターは、ESC(Electric Speed Controller)121により回転数が制御される。
制御部110は、オートパイロット機能を実現するために、フライトコントロールシステム111、ガイダンスシステム112及びナビゲーションシステム113を備えている。すなわち、回転翼装置100は、ガイダンスシステム112が決定した航路及び速度に従ってナビゲーションシステム113がフライトコントロールシステム111に対し操縦指令を行うことで自律的な動作制御がなされる。
制御部110には、IMU(Inertial Measurement Unit)130、3軸方位センサー(電子コンパス)141、GPS(Global Positioning System)142、高度(気圧)センサー143が接続されている。IMU130は、3軸周りにおける角速度を検知可能なジャイロセンサー131と、3軸方向の加速度を検知可能な加速度センサー132を搭載している。すなわち、IMU130と3軸方位センサー141とによって、回転翼装置100の姿勢方位基準装置(AHRS; Attitude Heading Reference)が構成されている。
フライトコントロールシステム111による回転翼装置100の自律姿勢制御及び併進制御について更に説明する。図5に、ローターシステム120を制御対象とした制御モデルの概念図を示す。同図に示す制御プラントへは、N個(例えば6個)の各モーターの回転数ΩをPWM制御するデューティー比Dの信号が入力される。各ローターからは入力Dに応じた推力Tや反トルクτaが生じ、ローターの配置、回転方向等の様々な要素によって生じるトルクτやそれらを合力した推力Uに応じて、機体がダイナミックに動作する。
回転翼装置100の実際のロール、ピッチ、ヨーの角速度ω=[p,q,r]は、IMU130により測定され、制御システムにフィードバックされる。ジャイロフィードバック制御器には、ナビゲーションシステム113からの目標値r(移動させる方向及びその速度)が入力され、実角速度ωと比較することにより制御入力uが決定される。ミキサーは、上述した制御動作原理のアルゴリズムモデルに従って、ローターシステム120の各モーターの回転数配分を決定し、ESC121を駆動するPWM制御信号Dに反映させる。
図6は、ワイヤーロープ12に取り付けた回転翼装置100の一例を示す斜視図である。この例で、回転翼装置100は、ワイヤーロープ12にジンバル機構80の第1リングフレーム81を接続して取り付けられる。なお、回転翼装置100は、障害物や人などに接触して損傷を与えるのを防ぐために、同図に示すようなメッシュ状の球殻90の中に収容されて保護することが好ましい。
本実施形態の吊り作業支援システム10によれば、回転翼装置100に水平方向の推力を生じさせ、それによりワイヤーロープ12や救助用具13を遭難者Vに向けて移動させることができる。また、図7に示すように、ワイヤーロープ12で吊り下げた救助員Hを、遭難者Vが居る場所に容易に誘導することもできる。
そのような目標地点に吊り具等を届ける支援作業を、リモートコントロールシステム170を使って遠隔で制御してもよい。例えばヘリコプター11の搭乗員が、目視又は回転翼装置100に搭載したカメラ150の画像を見ながら、当該回転翼装置100を遠隔操縦してもよい。また、ワイヤーロープ12で吊り下げた救助員Hが自ら操縦コントローラを操作して目標地点を目指して移動してもよい。
更に、制御部110のガイダンスシステム112及びナビゲーションシステム113の連携により、上述の支援作業を自動で行うこともできる。そのために、回転翼装置100は、当該回転翼装置100の位置情報を測定する測位部(例えばGPS142及び/又は高度(気圧)センサー143)を利用し、巻上装置連携部180を介して、ヘリコプター11の巻上装置30と連携制御を行ってもよい。
一例として、ガイダンスシステム112の記憶部には、遭難者Vが居る目標地点の位置情報が予め記憶される。ナビゲーションシステム113は、GPS142により測定される回転翼装置100の位置と目標地点の位置との間の距離が縮小するように、ローターシステム120を制御する。
すなわち、ヘリコプター11が救助現場の上空に到着し、安全な高さを保ちホバリングした後、回転翼装置100のガイダンスシステム112は、ヘリコプター11のホバリング位置と目標地点の位置とを結ぶ斜めの航路を演算する。そして、巻上装置30を作動して、救助員H及び回転翼装置100の吊り下ろしを開始する。
ナビゲーションシステム113は、高度(気圧)センサー143によって回転翼装置100の高さを測定しながら、演算された航路から逸脱しないように、回転翼装置100の向きと推力の制御を行う。このとき、無線通信制御部160は、高度(気圧)センサー143によって測定される回転翼装置100の高度情報を、上空の巻上装置30に送信する。ドラム駆動制御部32は、その測定高度をフィードバックしながらドラム31を回転駆動することで、ワイヤーロープ12の繰り出し長さを自動制御する。これにより、救助用具13や救助員Hを、設定された航路に沿って、遭難者Vが待つ目標地点に迅速に誘導することができる。
なお、目標地点の位置情報は、遭難者Vが持つスマートフォンなどから救助本部に位置情報を連絡して、救助本部からの遠隔操作で回転翼装置100の記憶部に設定されてもよい。
図8には、吊り作業支援システム10の更に別の応用例が示される。この応用例では、例えば目標地点に到着した救助隊員が持つ救助用の端末装置70を使って、回転翼装置100との間で無線通信が行われる。端末装置70は、自己の現在位置を測定する測位部を有しており、その位置情報を回転翼装置100の無線通信制御部160に送信する。これにより、目標地点の位置情報をガイダンスシステム112の記憶部に設定することができる。
更に、回転翼装置100は、自機と目標地点との相対的な位置関係を認識可能な目標地点認識部を備えてもよい。例えば、ガイダンスシステム112は、カメラ150の画像から目標地点の遭難者Vを画像認識し、その方向を測定することができる。そして、ナビゲーションシステム113は、その遭難者Vに向けて回転翼装置100が移動するように、ローターシステム120を制御する。それにより、安全かつ効率的に、救助用具13を遭難者Vに届けることができる。
また、回転翼装置100のガイダンスシステム112は、上述した端末装置70からの信号を受けてその存在を認識してもよい。例えば、端末装置70のディスプレイに特定のSOS画像を表示して、ガイダンスシステム112がそれを画像認識してもよい。その他、端末装置70が救難信号を出力し、回転翼装置100にその位置を知らせてもよい。そのような救難信号を、例えば光、音、電波(マイクロ波)等に位置情報(例えば経緯度)を変調させた信号として出力することもできる。
更に、無線通信制御部160は、高度(気圧)センサー143によって測定される回転翼装置100の高度と目標地点の高度との間の差分情報を、上空の巻上装置30に送信してもよい。ドラム駆動制御部32は、その差分情報が示す高度差がゼロ(又は適宜オフセットを与えてもよい。)となるようにドラム31を回転駆動する。これにより、救助用具13の高さと目標地点の高さとが同じになるまで、ワイヤーロープ12の繰り出し長さを制御することができる。
更に、空中のワイヤーロープ12を中継するテンション吸収装置40(図8参照)を設けてもよい。テンション吸収装置40は、上空側のワイヤーロープ12の張力を常時感知し、その張力に急激な変化を検知した場合、内部ドラム41を回転制御して下側のワイヤーロープ12aに張力変化が伝わらないようにする。内部ドラム41を高速で回転制御することにより、例えばヘリコプター11の機体が風などで上下左右に揺れた場合でも、内部ドラム41の制御によってその変化が緩和・吸収され、よって救助用具13の高さを一定に維持することができる。
なお、回転翼装置100が水平に移動する際の最終的な高さの微調整は、テンション吸収装置40の内部ドラム41からのワイヤーロープ12aの繰り出し量を高速に制御することにより行うことができる。このシステムの応用により、例えば、輸送ヘリコプターから、ホバリングしている救助ヘリコプターへ給油パイプを届け、空中での給油も行うことも可能となる。
本発明に係る吊り作業支援システムは、ヘリコプターやクレーンを使った荷物の搬送にも応用することができる。
図9を参照し、荷重Wの吊り荷14を水平方向に搬送するために必要な最小の推力Thは、吊り下げ距離h(又は距離hをワイヤー長さで近似してもよい。)が巻上装置30の鉛直下からの搬送距離dよりも十分大きい場合には、下記の数式(1)によって近似できる。
Th≒(d/h)×W ・・・(1)
例えば300mの上空直下から30m水平方向に移動した位置に荷重Wの吊り荷14を留めるには、回転翼装置100が、荷重Wに対して少なくとも1/10程度の推力を有していればよい。
また、他の態様として回転翼装置100が、図10に示すようにアームブラケット15U、15Lを介して吊り具(ワイヤーロープ12)に取り付けられてもよい。これによれば、吊り荷14を水平に搬送させることができるとともに、ワイヤーロープ12を中心に吊り荷14を回転させる力のモーメント(トルク)を生じさせることもできる。
更に、吊り作業システムの他の態様として、図11に示すように回転翼装置100が上下左右自由に飛行できる作業空域を設けてもよい。図11の例では、地上における直径200mのエリア、及び、高度100mにおける直径180mの水平エリアで画される空域が自由作業空域として設定される。そのような自由作業空域内で回転翼装置100の機動性を増すことにより、吊り作業支援の効率性を更に高めることができる。
(第2の実施形態)
一般にヘリコプターやクレーンを使った吊り作業においては、上空で舞う風やクレーンの旋回やふらつき等を外乱要因として、吊り荷に振動が生じる。そのような振動は、吊り荷が左右に振れる、いわゆる振り子振動モードと、ワイヤーを中心に荷が回転する回転振動モードが混在した複雑な動きとなる。しかも、一旦振動が生じると、ワイヤーと吊り荷の系の固有振動数に共振して振れ幅が増幅し、その慣性により振動を止めることが難しくなる。上述し吊り作業支援システム10そして次に説明するクレーン21を使った吊り作業支援システム20によれば、回転翼装置100の位置を保つようにフィードバック制御をすることで、こうした複雑で意図しない振動を簡単に抑制することができる。
図12は、本発明の第2の実施形態による、吊り作業支援システム20の概念図である。吊り作業を行うクレーン21として、ここではクライミング式ジブクレーンを例に説明する。クレーン21から吊り下げられるフック23には、回転翼装置100が設けられている。
クライミング式ジブクレーン21は、一般的な構造として、ジブ(ブーム)211、巻上装置212、起伏装置213、バランスウェイトなどを備えた旋回体と、ジブ工事の進行に伴い、必要に応じてマストを継ぎ足し、旋回体をせり上げる装置を備える。クレーン21は、旋回体上部の運転室214のオペレータの操作によって巻上げ、起伏、旋回の運動を行う。
ジブ12の先端部分には、ワイヤー22によりフック23が吊り下げられている。フック23には例えばH形鋼である吊り荷24が玉掛けされており、巻上装置212によってワイヤー22を巻き上げ及び巻き下げすることで、フック23の昇降が行われる。
また図13に拡大して示すように、フック23(又はブロック若しくはシーブベース25でもよい。)には、横方向に延びるアーム台26が設けられ、その先端部に取り付けた2軸のジンバル機構60に回転翼装置100が搭載されている。ジンバル機構60は、代替としてユニバーサルジョイントであってもよい。
本実施形態によれば、アーム台26が延びる方向と直交する方向に回転翼装置100に推力を発生させれば、フック23及び吊り荷24に回転のモーメントを生じさせることができる。そして、アーム台26を搬送先である目標地点(荷上げ場及び荷下ろし場)に向けた位置で、アーム台26が延びる方向に回転翼装置100に推力を発生させることで、フック23及び吊り荷24を目標地点に水平に搬送することができる。更に、ジブ211の旋回によって吊り荷24が意図せず回転したとしても、回転翼装置100がその動きを打ち消す方向に動作することで、早期にその回転を抑制することができる。
更に、本発明の変形例として、例えば図14に示すようにリーチバランサー300に回転翼装置100を取り付けてもよい。リーチバランサー300は、ワイヤー311が固定されるアイボルト301を中心に、互いに反対方向に延びるバランスアーム302、303を有している。一方のバランスアーム302の先端部にはウエイト304が固定され、他方のバランスアーム303の先端部に吊り荷305が吊り下げられる。この実施形態の場合、ウエイト304の上部に、リーチバランサー300全体の回転を抑制し、及び意図する向きに吊り荷305を位置決めするよう動作する回転翼装置100を設けている。本実施例によれば、回転翼装置100が、リーチバランサー300の意図しない回転を抑制しつつ、リーチバランサー300に回転のモーメントを作用させて、建造中の建物の外から内部に吊り荷305を安全に搬送することができる。
10 吊り作業支援システム(第1の実施形態)
11 ヘリコプター
12 ワイヤーロープ
13 救助用具
14 吊り荷(荷物)
15U、15L アームブラケット
20 吊り作業支援システム(第2の実施形態)
21 クレーン
22 ワイヤー
23 フック
24 吊り荷
26 アーム台
30 巻上装置
31 ドラム
32 ドラム駆動制御部
40 テンション吸収装置
41 内部ドラム
60 ジンバル機構(2軸)
70 端末装置
80 ジンバル機構(3軸)
81 第1リングフレーム
84 ロッドフレーム
100 回転翼装置
101 ローター
110 制御部
111 フライトコントロールシステム
112 ガイダンスシステム
113 ナビゲーションシステム
120 ローターシステム
121 ESC
130 IMU
142 GPS
150 カメラ
160 無線通信制御部
170 リモートコントロールシステム
300 リーチバランサー
301 アイボルト
302、303 バランスアーム
304 ウエイト
305 吊り荷
311 ワイヤー
H レスキュー隊員
V 遭難者(要救助者)
Th 水平方向の推力
h 吊り下げ距離(高度)
d 搬送距離
r 目標値(併進方向、速度)
u 制御入力(角速度)
D 各モーターへの回転数指令信号(デューティー比)
N ローター数
T 各ローターの推力
U 全推力
Ω 各モーターの回転数
τa 各モーターの反トルク
τ 全トルク
ω ロール、ピッチ、ヨーの角速度行列

Claims (3)

  1. ヘリコプター又はクレーンである吊り作業機と、前記吊り作業機から吊り下ろされたワイヤーロープと、前記ワイヤーロープに接続した吊り荷に取り付けられ、当該吊り荷をその吊り下げられた鉛直下の地点からみてそれよりも水平方向にある目標地点に向けて移動させることが可能な回転翼装置を含む吊り作業支援システムであって、
    前記ワイヤーロープに前記吊り荷及び前記回転翼装置の自重に基づく張力が生じている状態で吊り作業が行われ
    前記回転翼装置が少なくとも2軸以上のジンバル機構を介して前記ワイヤーロープに取り付けられ、
    前記回転翼装置が、当該回転翼装置の位置情報を測定する測位部と、前記目標地点との相対的な位置関係を認識可能な目標地点認識部と、前記目標地点の位置情報を記憶した記憶部と、回転翼を駆動制御する制御部とを備え、
    前記制御部が、前記目標地点認識部により認識される目標地点に向けて前記回転翼装置が近づくように前記回転翼を駆動制御する、吊り作業支援システム。
  2. 前記目標地点にある端末装置を更に含み、該端末装置が前記回転翼装置の前記目標地点認識部に該端末装置の存在を認識させるよう構成されている、請求項に記載の吊り作業支援システム。
  3. 前記回転翼装置の回転翼の回転動作が停止している非作動時においてその水平姿勢を維持するためのバランサーを備えている、請求項1又は2に記載の吊り作業支援システム。
JP2019065156A 2019-03-28 2019-03-28 吊り作業支援システム Active JP6630893B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019065156A JP6630893B1 (ja) 2019-03-28 2019-03-28 吊り作業支援システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019065156A JP6630893B1 (ja) 2019-03-28 2019-03-28 吊り作業支援システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6630893B1 true JP6630893B1 (ja) 2020-01-15
JP2020163953A JP2020163953A (ja) 2020-10-08

Family

ID=69146539

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019065156A Active JP6630893B1 (ja) 2019-03-28 2019-03-28 吊り作業支援システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6630893B1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021125860A (ja) * 2020-02-10 2021-08-30 日本製鉄株式会社 推力付きポールカメラ
CN113335407A (zh) * 2021-07-15 2021-09-03 北京航空航天大学云南创新研究院 一种基于六旋翼的球形机器人
CN114954945A (zh) * 2021-02-26 2022-08-30 盐城辉空科技有限公司 具备具有移动单元的搭载部的飞行体和搭载部

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7295829B2 (ja) * 2020-06-27 2023-06-21 淳史 岩崎 無人航空機用回転球体フレームの振動防止かつ衝撃緩衝装置その2
JP6902308B1 (ja) * 2021-03-02 2021-07-14 株式会社エアロネクスト ポート、移動体、複数ポート設置方法
WO2023286146A1 (ja) * 2021-07-13 2023-01-19 株式会社エアロネクスト 飛行体

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003182972A (ja) * 2001-12-20 2003-07-03 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 吊具の姿勢安定化装置
US20100224723A1 (en) * 2009-03-03 2010-09-09 Jacob Apkarian Aerial vehicle
EP2813428B1 (en) * 2013-06-11 2017-04-19 Ecole Polytechnique Fédérale de Lausanne (EPFL) A vertical take-off and landing aerial vehicle
US9718543B2 (en) * 2014-10-03 2017-08-01 The Boeing Company Guided lift system
CN104875889B (zh) * 2015-06-11 2016-10-26 中国人民解放军第二军医大学东方肝胆外科医院 导航式落海人员救捞直升机
KR101752671B1 (ko) * 2015-09-25 2017-07-03 주식회사 아이티스테이션 무인 비행체를 이용한 긴급 대응 시스템 및 방법
JP2018052429A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 株式会社エンルートM’s 無人作業装置、その方法及びプログラム
JP6803213B2 (ja) * 2016-12-12 2020-12-23 株式会社自律制御システム研究所 作業システム
JP2019016197A (ja) * 2017-07-07 2019-01-31 株式会社日立製作所 移動体誘導システム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021125860A (ja) * 2020-02-10 2021-08-30 日本製鉄株式会社 推力付きポールカメラ
JP7436807B2 (ja) 2020-02-10 2024-02-22 日本製鉄株式会社 推力付きポールカメラ
CN114954945A (zh) * 2021-02-26 2022-08-30 盐城辉空科技有限公司 具备具有移动单元的搭载部的飞行体和搭载部
CN113335407A (zh) * 2021-07-15 2021-09-03 北京航空航天大学云南创新研究院 一种基于六旋翼的球形机器人

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020163953A (ja) 2020-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6630893B1 (ja) 吊り作業支援システム
JP7478474B2 (ja) 吊荷安定システム及び方法
EP3541736B1 (en) Apparatus for controlling orientation of suspended loads
US11110305B2 (en) UAV—or personal flying device-delivered deployable descent device
US11834174B2 (en) Control of drone-load system method, system, and apparatus
JP7278671B2 (ja) 吊荷のための継手、制御装置、制御システム、及び制御方法
JP6393888B2 (ja) 運搬装置
JP2013079034A (ja) 空撮用回転翼機
JP2016199144A (ja) 無人機システム及び地上無人機及び無人飛行体
WO2021194628A2 (en) Control of drone-load system method, system, and apparatus
KR102548185B1 (ko) 스러스터 안정화를 갖는 현수식 항공기 시스템
WO2016163482A1 (ja) 移動体
JP2014227016A (ja) 遠隔操縦式無人飛行体
JP2021530390A (ja) 重い荷物の輸送のための無人同軸ロータ航空機
EP3778393B1 (en) A load carrying assembly
WO2021124573A1 (ja) 離着陸システム
CN117715853A (zh) 长线徘徊装置、***和方法
JP6583900B1 (ja) 回転抑制装置及びクレーン作業システム
JP6721191B2 (ja) 回転翼航空機
JP2019077207A (ja) 回転翼航空機
JP2020147055A (ja) 回転翼航空機
US11873099B2 (en) Load carrying assembly
CN114590408B (zh) 负载运载组件
CN116215868A (zh) 缆索悬挂式空中机械臂***及其工作方法
JP2024091745A (ja) 吊荷安定システム及び方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190331

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190619

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190701

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190709

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190917

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191004

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191023

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191023

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6630893

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250