JP6629087B2 - 水栓 - Google Patents
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Description
このように従来の水栓には、浄水機能を有しない水栓から浄水機能付きの水栓に交換する作業を容易にするとともに、その交換費用を抑える観点から改善する余地があった。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに各図を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
水栓本体部112は、突出管部20、接続継手82、吐水ハンドル102、回転部104、支柱部108および支柱キャップ114を含む。水栓本体部112は固定面から柱状に立設する。突出管部20は本体側面である回転部104から径方向、好ましくは斜め上方に突出する。以下、突出管部20の中心軸Mに沿った方向を軸方向と、中心軸Mに直交する方向を半径方向という。
突出管部20は、図2に示すように、継手管118と筒状部材172とを含む。継手管118は回転部104から連なって突出する管状の部分である。筒状部材172は継手管118の内側に差し込まれ、通水口124を介して接続継手82と接続される。接続継手82は弁を介して通水管と接続される。吐水ヘッド106は突出管部20を収容した状態で、回転部104に着脱自在に装着される。図1に示すように、吐水ヘッド106の端部は回転部104の側面部(外周面)と対向する。すなわち、回転部104から継手管118が分岐する箇所である継手管118の根元において、吐水ヘッド106と回転部104(水栓本体部112)が対向する。
図3は、吐水ヘッド106の分解斜視図である。吐水ヘッド106は、外殻126、内管128、吐水口部材130および整流部材132を含む。
内管128は、略軸方向に延伸する管状の部材で、上流側の端部に収容部10が設けられる。収容部10は筒状部材172と継手管118を含む突出管部20を収容する。内管128は内部に水の通り道である通水部184を有しており、水道水は、通水管110から筒状部材172と内管128の通水部184を経由して、吐水口部材130に至り、整流部材132を通ってシンク(図示せず)に吐水される。
次に、水栓100の着脱機構について説明する。本実施形態においては、回転部104から突出する突出管部20を吐水ヘッド106の収容部10に収容することで吐水ヘッド106を水栓本体部112に接続している。収容部10は後述する第1収容部186と第2収容部188とを含む。吐水ヘッド106と回転部104の接続部分である境界部は、突出管部20の継手管118の根元に形成される。水栓100では、本体側面から突出する突出管部20の継手管118および筒状部材172を吐水ヘッド106が覆う。このため、吐水ヘッド106の外殻126は、その外径を比較的自由に設計することができる。また、吐水ヘッドを突出管部の途中で接続する構造にすると、吐水ヘッドの外径が異なる別の吐水ヘッドに交換する際に、接続部に段差を生じる。また、吐水ヘッドの外径や突出管部の外径には製造バラツキによる偏差があるから、これらの接続部に外径の差による段差を生じることがある。このような段差を有する状態は見映えが良いとはいえない。そこで、実施の形態の水栓100では、吐水ヘッド106は、突出管部20の根元部分まで突出管部20を収容した状態で水栓本体部112に装着される。このように構成することによって、吐水ヘッド106は突出管部20の根元部分で接続されるから、外径差や外径の製造誤差による段差を解消することができる。また、接続部の外径の差を考慮する必要が無いため、外殻126はその外径を比較的自由に設計することができる。
図4に示すように、水栓100では、継手管118の円筒部に係合溝部190が設けられている。係合溝部190には、筒状部材172の外面に設けられた半径方向に突出する突起である係合凸部(不図示)が係合する。筒状部材172は係合凸部が係合溝部190に係合することによって継手管118に接続される。
図1に示すように、内管128の内側面には、通水部184と、第1収容部186と、第2収容部188とが設けられる。通水部184は第1収容部186の下流側に設けられる水の通り道である。第1収容部186は、第2収容部188の下流側に設けられ、主に筒状部材172を収容する。第2収容部188は、第1収容部186の上流側に設けられ、主に継手管118を収容する。第2収容部188の上流側の端面188aは吐水ヘッド端面180を構成する。第1収容部186は通水部184より大きな内径を有し、第2収容部188は第1収容部186より大きな内径を有する。収容部10が小径の第1収容部186と大径の第2収容部188の二段構造になるから、第1収容部186と筒状部材172の間にてシールを形成して水漏れを抑制し、第2収容部188と継手管118の間にて半径方向のガタを抑制することができる。
次に付勢機構60について説明する。図5は付勢機構60の周辺を示す説明図である。付勢機構60は、水栓本体部112と吐水ヘッド106の間に設けられる。付勢機構60は、吐水ヘッド106が水栓本体部112に装着された状態で、吐水ヘッド106を水栓本体部112側に付勢するように構成される。付勢機構60は継手管118の付勢機構装着部70に組み込まれる(図4も参照)。付勢機構60は、図5に示すように、弾性体66と、摺動部材64と、留具120と、第1差込口122aと、を含む。弾性体66と、摺動部材64と、留具120と、は付勢機構装着部70に装着される。
付勢機構装着部70について説明する。図4に示すように、水栓100では、継手管118に付勢機構60を組み込むための部分である付勢機構装着部70が設けられる。付勢機構装着部70は、外周部118eから半径方向に窪んだ略円筒状の小径部77を有する。小径部77は外周部118eより直径が小さく形成された部分である。小径部77には、下流側から弾性部材装着部71と、摺動部材装着部72と、留具装着部73と、が設けられる。弾性部材装着部71には円環状の弾性体66が嵌め込まれる。摺動部材装着部72には摺動部材64が嵌め込まれる。留具装着部73には留具120が装着される。
次に、弾性体66について説明する。図6は弾性体66の説明図であり、図6(a)に側面図を示し、図6(b)に正面図を示す。図6(a)は一部を断面で示している。弾性体66は、例えば円環状のゴム製部材であるOリングであってもよい。弾性体66は小径部77の弾性部材装着部71に嵌め込まれる。弾性体66の下流側の端面は下流壁部76に当接する。
次に、摺動部材64について説明する。図7は摺動部材64の説明図であり、図7(a)に側面図を示し、図7(b)に正面図を示す。摺動部材64は、一例として、中空円盤形状を有し、一部が切り欠かれた略C文字形状を有する。摺動部材64には、下流側の第1面64aと、上流側の第2面64bと、傾斜面64cと、切り欠き部64dとが設けられる。第2面64bは第1面64aより小径に形成される。傾斜面64cは、第2面64bの外周部から外側ほど第1面64aに接近するような傾斜を有する。切り欠き部64dは、隙間を介して制限凸部74を挟持するように、摺動部材64の上部に設けられる。制限凸部74を挟持することによって、摺動部材64は制限凸部74をガイドに軸方向に摺動容易に形成される。摺動部材64は、例えばポリアセタールなどの良好な摺動性を有する樹脂材料から、モールド成型により形成されてもよい。
次に、留具120について説明する。図8は留具120の説明図であり、図8(a)に正面図を示し、図8(b)に側面図を示し、図8(c)に下面図を示す。留具120は、一例として、左右方向に延在する基部120aの両端から上方に延伸する一対の脚部120bを含み、いわゆるクリップ形状を有する。留具120は、基部120aと一対の脚部120bとが樹脂材料から一体に形成される。基部120aの下部には指の爪または工具で挟むための掛部120fが設けられる。掛部120fは、厚み方向に凹む形状を有することにより、留具120を差込口122に装着した状態で掛部120fと差込口122との間に爪や工具を差し込める程度の隙間を形成する。基部120aの脚部120bの根元の内側には、脚部120bの柔軟性を向上するために、凹部120eが形成される。
差込口122は、図5に示すように、外殻126に形成される第1差込口122aと、内管128に形成される第2差込口122bとを含む。第1差込口122aと第2差込口122bは半径方向に繋がっている。第1差込口122aと第2差込口122bとは下方視で横長な略矩形状または長円形状の開口である。留具120は第1差込口122aと第2差込口122bとを半径方向に貫いて継手管118を把持する。第1差込口122aには留具120を介して付勢力Hが入力される。このとき、外観上外殻126と水栓本体部112との隙間をできるだけ小さくすることが望ましい。そこで、水栓100では、内管128の第2差込口122bは、外殻126の第1差込口122aより軸方向に広く形成されている。このように構成することで、第2差込口122bと留具120の間には隙間が形成され、外殻126の第1差込口122aに付勢力Hを優先的に与えることができる。その結果、外殻126と水栓本体部112との隙間をできるだけ小さくすることができる。第1差込口122aと留具120とは軸方向の幅がほぼ一致するように形成するのが好ましい。
次に、浄水カートリッジ158を内蔵する別の吐水ヘッド148について説明する。図10は浄水機能を有する別の吐水ヘッド148の断面図である。別の吐水ヘッド148は、内管170、外殻164、吐水部材160、浄水ハンドル162、Oリング166、弁168、カートリッジ保持部156および浄水カートリッジ158を含む。特に、別の吐水ヘッド148は、水栓本体部112からの通水を受け入れる内管170を含んでおり、内管170には浄水カートリッジ158を保持するためのカートリッジ保持部156が設けられる。内管170は外周を外殻164によってカバーされる。別の吐水ヘッド148は、内管170と外殻164の二重構造を有する。内管170には継手管118が挿入される。吐水部材160は内管170の下流側の先端に取り付けられる。浄水ハンドル162は、原水と浄水を切り替えるための操作部材であり、外殻164の下流側に寄った側面に設けられる。
次に、逆止弁50について説明する。図12は水栓100の正面図である。水栓100は、通水管110に、非加熱の水道水を導入するための通水管110aと、加熱された温水を導入するための別の通水管110bと、を含んでいる。通水管110aには逆止弁50aが設けられ、別の通水管110bには逆止弁50bが設けられる。
水栓100では、水栓本体部112が、浄水機能非搭載の吐水ヘッド106から浄水機能を有する別の吐水ヘッド148に交換可能に構成される。このため、水栓全体を交換する場合と比較して、浄水機能を有しない水栓から浄水機能付きの水栓に交換する作業が容易になり、ユーザが家庭で手軽に交換することも可能になり、交換費用も低く抑えることができる。また、浄水カートリッジを吐水ヘッド148に内蔵することができるため、水栓の蛇口の下方に突出する浄水器を後付けする場合と比較して、外観上の違和感が小さくなり見栄えがよくなる。また、浄水カートリッジを吐水ヘッド148に内蔵するから、吐水口の下側への突出を抑えシンクとの間の空間を損なわず使い勝手が良い。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る水栓200について説明する。図14は水栓200の側面図、図15は水栓200のA−A線に沿った部分断面図である。水栓200は、逆止弁50の代わりに逆止弁250が水栓本体部212内に設けられ、吐水ヘッド106と水栓本体部212の間に緩衝部材134が設けられる点で、水栓100と相違し、他の構成は水栓100と同様である。したがって、相違する点について重点的に説明し、重複する説明は省く。第2実施形態の水栓200も、実施形態の水栓100と同様に、浄水機能非搭載の吐水ヘッド106から浄水機能を有する別の吐水ヘッド148に交換可能に構成される。水栓本体部212は、水栓本体部112に対応して同様の構成を備え、逆止弁250が設けられている点で相違する。水栓本体部212は、支柱部208と、回転部104と、継手管118とを含む。
次に、逆止弁250について説明する。逆止弁250は、水栓本体部212の支柱部208の中程に設けられる逆止弁250a、250bと、を含む。逆止弁250aは、通水管110aに連通している水路260の途中で、上流側の水路260aと下流側の水路260bの間に設けられる。逆止弁250bは、通水管110bに連通している水路261の途中で、上流側の水路261aと下流側の水路261bの間に設けられる。逆止弁250a、250bは、弁部材251と、弁座部材252と、ガイド254と、スプリング255と、Oリング256と、Oリング257と、を含む。弁部材251は弁部材51に、弁座部材252は弁座部材52に、ガイド254はガイド54に、スプリング255はスプリング55に、Oリング256はOリング56に、Oリング257はOリング57に、それぞれ対応して同様の構成を備えるとともに同様の動作を行う。この結果、水栓200は、浄水機能非搭載の吐水ヘッド106から浄水機能を有する別の吐水ヘッド148に交換した場合でも、水の上流側への逆流を抑制することができる。
次に、緩衝部材134について説明する。図16は水栓200の緩衝部材134の斜視図である。図16(a)は側方から視た緩衝部材134の斜視図であり、図16(b)は後方から視た緩衝部材134の斜視図である。緩衝部材134は水栓本体部212と吐水ヘッド106の間に設けられるゴム製のスペーサである。緩衝部材134は、筒状部134bと、張出部134cとを含む。筒状部134bは内管128の上流側に結合される筒状の部分である。張出部134cは筒状部134bの上流側から半径方向に張出す部分である。張出部134cには当接面136と、湾曲する外縁である湾曲縁部134aと、が設けられる。当接面136は張出部134cの上流側の端面において水栓本体部212と当接する部分である。湾曲縁部134aは張出部134cの外縁に設けられる部分である。水栓200においては、吐水ヘッド106の外殻126は水栓本体部212と直接接触することはなく、緩衝部材134を介して水栓本体部212と当接する。
Claims (4)
- 側面に吐水ヘッドが着脱自在に装着される水栓本体部を備え、
前記水栓本体部は、浄水機能を有しない吐水ヘッドから浄水機能を有する別の吐水ヘッドに交換可能に構成されることを特徴とする水栓。 - 前記水栓本体部内または前記水栓本体部の上流側に逆止弁が設けられることを特徴とする請求項1に記載の水栓。
- 前記水栓本体部に水を導入するための通水管を有し、
前記逆止弁は前記通水管に設けられる逆止弁を含むことを特徴とする請求項2に記載の水栓。 - 前記水栓本体部は、前記水栓本体部の側面から突出して、吐水ヘッドに収容される継手管を有しており、
前記別の吐水ヘッドは、内蔵された浄水カートリッジを交換するために取外すことができる吐水部材を有することを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の水栓。
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