JP6626513B2 - ギアレス式風力発電装置の同期発電機の制御方法 - Google Patents

ギアレス式風力発電装置の同期発電機の制御方法

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Description

本発明は、ギアレス式風力発電装置の同期発電機の制御方法に関する。更に、本発明は、ギアレス式風力発電装置の同期発電機を有する発電機ユニット及びこれに接続された整流器に関する。更に、本発明は、風力発電装置に関する。
風力発電装置は既知である。風力発電装置は風から電気エネルギを生成する。このため、現代の風力発電装置の多くは、風によって駆動されて交流電流を生成する同期発電機を使用する。この交流電流は整流され、インバータを介して電気供給ネットに供給される。
この場合、ギアレス式風力発電装置は、同期発電機を駆動する、より正確に言えば、同義的に回転子と称することも可能なそのロータを、ロータブレードを有しかつ風によって駆動される空気力学的ロータによって直接的に駆動する。これに応じて、発電機の回転子ないしロータは空気力学的ロータと同じ回転数で、従って比較的ゆっくりと回転する。この場合、回転数は凡そ5〜15rpmの範囲であり得る。これに応じて、極めて多極の発電機が設けられる。この発電機は有利にはリングジェネレータとして構成され、従って、電気的かつ電磁的に作用する(有効な)領域(複数)をリング状の部分にのみ有する。なお、このリング状部分はエアギャップも含む。
US 2003/0085627 A1 WO 2013/175050 A1
ギアレス式風力発電装置のそのような発電機は、通常、5mの範囲の直径を有する。それどころか、例えばエネルコン ゲーエムベーハー(ENERCON GmbH)のE126型の風力発電装置のような少なからぬ例では、凡そ10mのリングギャップ径を有する。そのような発電機は、しばしば、少なくとも風力発電機のナセル(ゴンドラ)の凡その構造寸法を規定する。このような発電機は騒音を発生し得る。この騒音は、発電機の寸法に基づき相応に環境(外界)に放出され得、更には、しばしばより大きな部分を占め得るが、ナセルハウジングないしスピナ及びロータブレードのような発電機に結合された要素を介して環境(外界)に放出され得る。そのような騒音発生は基本的に望ましくない。この騒音は地面から比較的高いところから放出されるものであるが、それにも拘らず、風力発電装置の付近の地面においてもはっきりと知覚可能である。これに応じて、風力発電装置を住宅地や人間によって使用されるその他の地域から可及的に遠くに設置することについての要求がある。(住宅地等からの)距離を大きくするというこの要求によって、風力発電装置を建設するための土地は少なくなり、そのため、風力発電装置の建設は益々困難になっている。
(本願の)優先権主張の基礎出願であるドイツ特許出願において、ドイツ特許商標庁は以下の文献を調査した:US 2003/0085627 A1及びWO 2013/175050 A1。
それゆえ、本発明の課題は、上述の問題(複数)の少なくとも1つに取り組むことである。とりわけ、風力発電装置からの音響放出を減少するための解決策が望まれる。少なくとも、既知の方策に対して、代替的な方策の提案が望まれる。
本発明に応じ、請求項1に記載のギアレス式風力発電装置の同期発電機の制御方法が提案される。同期発電機は、電気的出力(電力)を生成するために、空気力学的ロータに連結される電磁的ロータ又は単にロータないし回転子とステータ(固定子)を有する。(電力の)生成は、ロータないし回転子がステータに対し相対的に回転されることによって実行される。以下においては、発電機の回転子ないしロータを表す(特定する)ために、ロータという用語(概念)を使用する。
まず、ステータにおいて多相出力電流が生成され、この出力電流は整流器に供給される。ここで、出力電流が、発電機のトルクリップル(ないしトルク脈動:Drehmomentwelligkeit)が減少されるよう、整流器によって制御されることが提案される。即ち、整流器は、ステータにおける出力電流を制御し、従って、その結果として、ステータ電流を制御する。そのために、整流器は、ステータの出力電流が制御されることができるよう、制御型ダイオード又は制御型半導体スイッチを有し、この制御は発電機のトルクリップルが減少されるよう実行される。
トルクリップルは、(1つの)ロータポールがロータの回転時に或るステータポール(ティース)からその隣のステータポールへの移行部分を通過する際に生じるコギングトルク(Rastmoment)も含む。コギングトルクの他に、ステータ座標における非正弦波状のロータフラックス(磁束)による更なる効果も存在する。
このトルクリップルは関連する実際のステータ電流にも依存する。そこで、これに応じて、高調波成分(Oberwelligkeit)が打ち消されるよう、ステータ電流を制御することが提案される。理想的には、高調波成分はゼロに減少される。具体的にかつ単純化していえば、ステータ電流は、当該ステータ電流に逆の(reziprok)高調波成分が重ね合わされるよう、制御される。更に、コギングトルクも、認知(検出)されれば、目標を定めて(適切に)補償されることができる。それにも拘らず、把握されるべきかつ考慮されるべきトルク変動が残っている。
ステータ電流の従ってステータにおける磁界のそのような影響は、整流器を相応に制御することによって影響を及ぼされる(制御される)ことができる。このことは、ステータ電流の相応の重ね合わせはほぼ平均化される(sich herausmitteln)ことが望まれるため、エネルギ収支(バランス)に対し影響を及ぼしてはならないか又は重大な影響を及ぼしてはならないであろう。
従って、有利には、出力電流に対し、即ちステータの出力電流に対し、整流器によるこの制御によって、(或る)電流波形が印加(適用)される。とりわけ、出力電流には、高調波成分が印加される。理想的には、ステータ電流は正弦波状である。一様な(gleichfoermig)トルクのための電流波形は、発電機の構造型式(Bauform)に依存し、及び動作点に依存する。ステータポール間の移行が理想的でないことによって、ステータ電流が理想的な正弦波状の場合、既述の高調波成分が生成する。ここで、ステータ電流に、単純化していえば逆の高調波成分が印加されると、この逆の高調波成分は、或る1つのステータポールからその隣のステータポールへの移行に基づく高調波成分を補償することができる。尤も、この理想的な補償が達成できない場合であっても、それによって、少なくともトルク高調波成分の減少が達成できるであろう。
一実施形態に応じ、同期発電機は6相発電機として構成され、整流器は6相制御整流器として構成される。かくして、6相システムを制御することができる。有利には、この6相システムは、互いに対し30°だけ位相がシフトされている2つの3相システムとして構成される。この場合、2つの3相システムは、とりわけステータにおいて直流電気的に(galvanisch)分離(絶縁)されるように案内(構成)されることができる。尤も、これらは、同じステータに配されており、とりわけ巻き付けられており、整流器の同じ直流電流中間回路に給電することができる。尤も、とりわけ、2つの3相システム、従って6相システムは、有利には、制御の際に全体システムとして考慮されることができる。これに応じて、ここでは、6相制御整流器が構成されている。とりわけ、これは、相応に制御される整流によって、ステータの出力電流に、即ち6相出力電流に、相応の電流波形を印加することができる。その限りにおいて、6相電流とは、まさにそれらの正弦波状の基底波に関し互いに対し相応の関係にある、即ち30°の倍数だけ互いに対しシフトされている6つの個別電流からなる1つのシステムとして理解することができる。
一実施形態に応じ、ロータフラックスとも称されるロータが有する磁束を前提とするが、場合によっては、単純化してステータフラックスとも称されるステータないし装置が全体として有する磁束も前提とする。この場合、出力電流即ちステータの出力電流がロータの磁束即ちロータフラックスに依存して制御されることが提案される。ロータの磁束ないしロータフラックスは、従って、少なくともトルクリップルを減少するためのこの制御のための入力変数である。ロータフラックスは、この場合、とりわけ6相同期発電機ないし6相整流器の出力電流の制御のためにも使用される。とりわけ、提案に係る方法によって、特にロータフラックスの使用によっても、出力電流の制御は、トルクリップルを減少するための6相システムに対しても達成できる。
この場合、一実施形態により、出力電流の制御のために、状態観測装置の使用によってロータフラックスを観測することが提案される。出力電流即ちステータ電流は、この場合、観測されたロータフラックスに依存して(基づいて)制御される。
ロータフラックスを使用する場合に問題になるのは、ロータフラックスは簡単には測定できないことである。そして、ロータフラックスが測定できるか又は測定されるとしても、精度の問題が生じ得るが、とりわけ、この場合、時間精度が重要である。測定の物理的作用(効果)及び測定の評価は、必要であり得る装置のコストを度外視しても、制御(Regelung)に使用する際に問題を引き起こし得る。これに応じて、状態観測装置が提案される。この状態観測装置は、相応の状態即ちとりわけこの場合ロータフラックスを観測することができる。これは、状態観測装置は、システムの知識(システムに関する情報)及び更なる複数の入力変数、場合によってはただ1つの入力変数からロータフラックスを求める(決定する)ことができることを意味する。
状態観測装置の少なくとも1つの原理を具体的に説明することができる1つの可能性は、状態観測装置が観測されるべきシステムにパラレルな(類似する)モデルであって当該システムを記述するモデルを動作させるよう、状態観測装置が構成されているという点にある。システムの少なくとも1つの出力変数とモデルの対応する出力変数を比較することにより、システムの観測された状態(複数)であるモデルの状態(複数)を可及的にシステムの実際の状態(複数)に適合させることが試みられる。かくして、とりわけ、この手法で観測された状態(複数)即ちとりわけ観測されたロータフラックスの成分(複数)が、実際の状態(複数)即ち実際のロータフラックスの成分(複数)に生起されないことが達成される。これに応じて、制御も時間的に正確に実行可能である。
この場合、ステータの出力電流は、単純化していえば、トルクの高調波成分が可及的に補償されるよう、とりわけ相応の電流波形を相応に逆に(逆相にないし反転して)適用すること(Aufschalten)によって補償されるよう、制御されることが望ましいことを思い起こすべきである。相応に脈動する電流信号のそのような適用が十分に時間的に正確でないとすれば、補償されるどころか、トルクリップルが逆に一層大きくなり得るという危険が生じるであろう。これは、状態観測装置の使用によって回避される。
好ましい一実施形態によれば、発電機は6相に構成される、即ち、スターポイント(星形結線中性点)同士が接続されていないダブルスター(2重星形)結線を有する(1つの)ステータを備えて構成される。即ち、夫々それ自体が星形に接続されている2つの3相システムが(1つの)ステータに構成されている。この2つのスターポイントは接続されていないが、とりわけ、これらは、共通の零導体(Nullleiter)を介した間接的な接続もされていない。従って、これらの2つの3相システムもそれら自体−必然的に−対称的である。
このため、発電機は、運転時、電流(複数)とフラックス(複数)の相互作用によって引き起こされる(1つの)トルクを有するが、これらの変数は座標変換によって4つの(座標)軸を有するダブル(二重)D/Qシステムに変換される。この場合、4つの軸の各々には、夫々1つの電流成分と夫々1つのロータフラックス成分が割り当てられる。
従って、このアプローチ(Ansatz)は、(1つの)3相システムが2つの直交成分即ちD成分とQ成分を有する(1つの)システムに変換される単純なD/Qシステムに基づいている。
この6相システムを把握(理解)する(Erfassung)ために、相応に、2つの相応のD/Qシステムへの変換が提案されるが、これは、ここでは、ダブルD/QシステムないしダブルD/Q変換と称するが、以下においても更に演算規則(計算式)を用いて例示的に詳細に説明する。
この場合、このダブルD/Qシステムに現れる4つの軸の各々には、夫々1つのステータ電流成分及び夫々1つのロータフラックス成分が割り当てられる。即ち、ステータ電流に対しても、ロータフラックスに対しても、(1つの)第1D成分、(1つの)第1Q成分、(1つの)第2D成分及び(1つの)第2Q成分が存在する。ステータ電流は、ここでは単純化して、単に電流と称する。原理的にステータに関係している電流成分及び目標電流についても意味上同様である(ステータを省略して称する)。
次いで、このシステムにおいて、理想的には達成されることが望まれる即ち高調波のない一定の目標トルクを(予め)設定するために、4つの軸の各々に対し夫々1つの目標電流を有する(1つの)目標電流ベクトルが(予め)設定される。即ち、目標電流ベクトルは、4つの電流成分即ち第1D/Qシステムに対し夫々2つの電流成分及び第2D/Qシステムに対し夫々2つの電流成分を有する。
かくして、簡単な手法で、(1つの)目標電流ベクトル、従って、出力電流を制御するための目標値(複数)を(予め)設定することができる。最後に、変換のために、更に(1つの)逆変換(Ruecktransformation)ないし制御整流器のための相応のスイッチング命令ないし制御命令への変換も備えられる。
一実施形態に応じ、出力電流を制御するために、ロータフラックス成分の可観測性を可能にする状態空間表現(Zustandsraumdarstellung)を使用することが提案される。これは、まず、そもそも1つの表現(Darstellung)が状態空間表現の形で選択されることを意味する。なお、当業者には、状態空間表現ないし状態空間記述(Zustandsraumbeschreibung)という概念は周知である。しかしながら、ここでは、とりわけ入力/出力の記述とは異なり、個別の更には内部の状態変数(複数)がそれらの相互関係(Zusammenwirken)で記述されることであると説明されるものとする。これは、通常、行列形式にまとめることも可能な相応の方程式によって実行される。状態変数としては、ロータフラックス成分が選択可能である。
付加的に、システム記述は、ステータフラックス成分も一緒に取り込むことが可能であり、ロータフラックス成分と同様に処理することができる。かくして、選択された状態変数は、これはこの場合ロータフラックス成分とステータフラックス成分を含み得るが、選択されたシステム記述において相応のシステム状態として存在し、及び、このシステム状態を含むモデルによって呼び出されることができる。
システムの可観測性は、原理的に(1つの)システム特性であるが、当該システムを適切に記述することによって、とりわけ入力及び/又は出力変数を適切に選択することによって影響を及ばされることができる。とりわけ観測されるべきシステム変数に直接かつ一義的に依存する出力変数が選択される場合、可観測性が与えられることができる。従って、この意味で、状態空間表現は、ロータフラックス成分(複数)がシステム状態(複数)を形成しかつ観測可能であるよう選択される。
有利には、更に、すべての磁気的ステータフラックス成分(ステータ磁束成分)の(1つの)可観測性が与えられることが提案される。この場合、とりわけ、すべてのロータフラックス成分及びすべてのステータフラックス成分が状態空間表現においてシステム状態として使用されることが提案される。システム状態ないしシステム状態変数は、この場合、制御技術的に単純化すれば、単に状態と称することも可能である。
ここで、表現は、専ら状態としてのロータフラックス成分の使用にないし専らロータフラックス成分及びステータフラックス成分の使用に限定されてはならない。更なるシステム状態も存在し得る。
更なる一実施形態により、ロータフラックス成分及び場合により更にステータフラックス成分は、4つの軸を有する変換されたダブルD/Qシステムにおける表現に基づいてカルマンフィルタ(Kalmanfilter)によって観測可能であることが提案される。従って、これに応じ、ロータフラックス成分が、場合によっては付加的にステータフラックス成分も、状態として選択される。そして、両方の場合において、このシステムの表現は、変換されたダブルD/Qシステムにおいて実行することができる。そして、これに基づいて、カルマンフィルタによる観測が実行される。従って、状態観測が、即ち、観測されるべきシステムのモデルに基づく、相応の状態変数の即ちロータフラックス成分及び場合により更にステータフラックス成分の決定(求めること)が実行される。
カルマンフィルタは、このモデルを考慮して、入力及び出力変数を考慮して、とりわけシステムとモデルの間の出力システム又は出力信号の1又は複数のずれ(偏差)を考慮して、及び、擾乱変数(Stoergroessen)に関する確率論的考察を考慮して、その都度観測されるべきシステム状態のための値(複数)を供給する。これに基づいて、ステータ電流のための目標値(複数)を決定する(求める)ことができ、そして、整流器の相応の制御を介して変換することができる。
カルマンフィルタの使用は、とりわけ相応に上述した実施形態(複数)に対して提案されるが、ここでは、とりわけ擾乱変数を考慮するために、状態観測装置を設計するための原理的な解決アプローチとしても提案される。ここで注意すべきことは、回避されるべきトルク変動は、系統的な(ないしシステム上の)周期的な問題であるということである。それにも拘らず、良好な解決策をとりわけ確率論的擾乱を考慮することで創出することができ、カルマンフィルタの使用がその場合の解決策として提案されることが、本発明により判明しかつ認識された。
更に、本発明に応じ、請求項10に記載の発電機ユニットが提案される。そのような発電機ユニットは、ギアレス式風力発電装置の同期発電機と、該同期発電機に接続された整流器を有する。同期発電機ユニットは、上述の実施形態の少なくとも1つに応じた方法によって同期発電機を制御するよう構成されている。その限りにおいて、発電機ユニットは同期発電機と整流器を必要とし、この場合、これら2つの構成要素は協働する(連携して動作する)。なぜなら、生成電流従ってとりわけステータ電流は同期発電機によって生成されるが、該同期発電機に接続された整流器によって影響を受けるからである。
この総合体及びこの総合体の制御によって、まず、生成電流を制御することができ、そして、これによって、騒音を、とりわけトルク変動によって発生し得る騒音を低減することが可能になる。このトルク変動はとりわけステータ電流に依存するが、これ(ステータ電流)を用いて、この(トルク変動への)影響(作用)を実行することができる。
更に、本発明に応じ、少なくとも1つの実施形態に応じた発電機ユニットを有する風力発電装置が提案される。上記の実施形態(複数)に関連して記載した利点は、結局のところ、発電機の運転時のトルク変動を低減するために役立つ。かくして、場合によって発生する振動(Vibration)も低減することができる。振動もまた、その結果として騒音発生をもたらし得る。そのような騒音発生はないしは直接的には振動も、とりわけ風力発電装置の大面積の構成要素(複数)に伝達され、該構成要素から音響として放出される。そのような構成要素には、ナセルハウジングが、更にはロータブレードも属し得る。その限りにおいて、発電機のトルクのこの変動の減少は、風力発電装置全体従って発電機ユニットを備えた即ち発電機とこれに接続されたインバータを備えたものにとって重要である。かくして、風力発電装置全体をより低音で作動させることができる。
以下に、本発明の好ましい形態を示す。
(形態1)本発明の一視点により、ギアレス式風力発電装置の同期発電機の制御方法が提供される。該方法において、同期発電機は電気力学的ロータとステータを有し、ステータに対する相対的なロータの回転によって電力を生成するものであり、
該方法は、以下のステップ
・ステータにおいて多相出力電流を生成すること、
・出力電流を制御整流器に供給すること、
・発電機のトルクリップルが減少されるよう、制御整流器によって出力電流を制御すること
を含
制御整流器によって出力電流に電流波形が印加され、
ロータはロータ磁束を有し、及び、出力電流はロータ磁束に依存して制御され、
出力電流を制御するために、ロータ磁束は状態観測装置によって観測され、及び、出力電流は観測されたロータ磁束に依存して制御される
(形態)形態1の方法において、同期発電機は6相発電機として構成され、及び、制御整流器としては6相制御整流器が使用されることが好ましい。
(形態)形態1又は2の方法において、
・発電機は、スターポイント同士が接続されていないダブルスター結線を有するステータを有する6相に構成されることが好ましい。
(形態4)形態1〜3の何れかの方法において、
・発電機は、運転時、電流と磁束による相互作用によって生成される電気的トルクを有し、該電流と磁束の変数は、座標変換によって、4つの軸を有するダブルD/Qシステムに変換され、該4つの軸の各々は夫々1つのステータ電流成分と夫々1つのロータ磁束成分を有し、及び、
・一定の目標トルクを予め設定するために、該4つの軸の各々に対し夫々1つの目標電流を有する目標電流ベクトルが予め設定されることが好ましい。
(形態)形態の方法において、出力電流を制御するために、すべてのロータ磁束成分の可観測性を可能にする状態空間表現が使用されることが好ましい。
(形態)形態に記載の方法において、ステータの出力電流を制御するために、すべてのロータ磁束成分の可観測性を可能にする状態空間表現が使用されることが好ましい。
(形態)形態又はの方法において、ステータの出力電流を制御するために、すべてのステータ磁束成分の可観測性を可能にする状態空間表現が使用されることが好ましい。
(形態)形態の何れかの方法において、ロータ磁束成分又はロータ磁束成分及びステータ磁束成分は、4つの軸を有する変換されたダブルD/Qシステムにおける表現に基づき、カルマンフィルタによって観測されることが好ましい。
(形態)ギアレス式風力発電装置の同期発電機と該同期発電機に接続された制御整流器を有する発電機ユニットであって、形態1〜の何れかの方法によって同期発電機を制御するよう構成されている発電機ユニットも好ましい。
(形態10)形態の発電機ユニットを有する風力発電装置も好ましい。
以下において、本発明は実施例に基づき添付の図面を参照して詳細に説明される。
風力発電装置の一例の模式的斜視図。 同期発電機とこれに接続された整流器及び更なる回路要素によって給電するための装置の一例の構造例の模式図。 発電機ユニット即ち同期発電機とこれに接続された整流器の一例の更なる構造例の模式図。 観測装置の使用を含む同期発電機の制御方法の一例の模式的説明図。
図1は、タワー102とナセル104を有する風力発電装置100の一例を示す。ナセル104には、3つのロータブレード108とスピナ110を有するロータ106が配設されている。ロータ106は、運転時、風によって回転運動させられ、それによって、ナセル104内の発電機を駆動する。
図2は、同期発電機(SG)201から電気ネットワーク202に電流(電気)を供給するための装置200の一例を示す。このために、同期発電機201は電流を生成するために設けられており、この電流は整流器ユニット204に供給され、そこで整流される。その際生じる直流電圧を大きくする(昇圧する)ために、昇圧コンバータ206を設けてもよい。交流電流を生成するために、インバータ208が設けられている。
図示の同期発電機201は2つの3相システムを有し、その結果、全体として6つの電流ライン、即ち、夫々3つのラインの組が2つ設けられている。この場合、この2つの3相システムは、分離されて(別々に)夫々1つの整流器204又は204’に導かれ、同様に分離されて(別々に)夫々1つのインバータ208又は208’によって交流(電流)に変換される。尤も、有利には、この2つの3相システムは整流後(合流して)一緒に導かれ、唯一の直流電圧中間回路に導かれることが提案される。
この意味で、図3は、同様に2つの3相システム、即ち第1の3相システム1211及び第2の3相システム1212を有する同期発電機301を示している。この2つの3相システム1211及び1212は、その限りにおいて、同期発電機301のステータに関係する。これらのシステムは、ここでは、模式的にかつ単に説明のために分離された回路として図示されているが、構造的には1つのステータ支持体、とりわけステータリングに配される。ロータは、ここでは、より良好な視認性の観点から図示されていないが、直流電流励磁を有する多極(マルチポール)ロータとして構成されることができる。ステータの2つの3相システム1211及び1212も、ここでは説明のために、夫々、第1、第2及び第3相1213、1214及び1215又は1216、1217及び1218によって図示されている。尤も、これらの相の各々は、とりわけ直列に接続された多数の巻線によって形成されることができる。その都度誘導される3相電圧ないしその結果として生じる3相電流は、次いで、整流器141において整流され、直流電圧中間回路において直流電圧として更に処理される。
かくして、ここで、(1つの)直流電圧が、詳しくは直流電圧中間回路において2つの3相システムから生成される。
図4は、同期発電機を制御するための本発明の方法の一形態を模式的に示す。
本方法は、まず、空気力学的ロータ412によって駆動される同期発電機(SG)401から出発する。同期発電機401は2つの3相システムを有し、その結果、6つの出力ライン414が該同期発電機401から延出し、制御整流器404に至る。2つの3相システムは、同期発電機401において、例えば図3にも示されているように、星形に接続(結線)されることができる。整流器404も、2つの3相システムが共通の直流電圧416に整流されるという限りにおいて図3の整流器141に対応する。
整流器404を制御するために、2つの制御ユニット418が模式的に図示されている。これらの制御ユニット418は、以下に更に説明する方法の一部を実行することが可能であり、また、ただ1つの制御ユニットでも、複数の異なる分散型の個別制御ユニットでも実現されることができる。制御ユニット418は、例えば後に(その後段ないし下流側で)直流電圧416の逆変換のために必要とされる他の制御ユニットと統合されることも可能である。
本方法は、まず、同期発電機401のロータの実際の回転位置を示す回転角θが記録されるよう動作する。同時に、同期発電機401の出力電流(複数)及び出力電圧(複数)が記録される。このために、測定ブロック420が設けられている。測定ブロック420では、単純化して、記録された出力電流(複数)はの記号で示され、夫々導体・スターポイント電圧として記録可能な記録されるべき出力電圧(複数)はの記号で示されている(なお、本願において、ベクトル又は行列を表す記号は太字又は下線付きで表されている)。
かくして、測定ブロック420において、2つの3相システムのための電流及び電圧は測定値として利用可能であり、また、回転角θも利用可能である。
次に、これらの値(信号)は変換ブロック422に伝送され、そこで、この両相の各々に対しいわゆるd/q変換が実行される。その結果、両3相システムの各々のための電流及び電圧に対し夫々1つのd成分及びq成分が得られる。従って、各変換時点について、全部で8つの成分が存在する。
同時に又は予め、モデルブロック424において、接続された同期発電機の基本モデルが状態空間表現で与えられる。完全な古典的な状態モデルとは異なり、このモデルはD要素(D-Anteil)を含まず、従って、直接的に即ちダイナミクス(Dynamik)なしに出力yに影響を及ぼす操作変数も含まない。あくまで念のために指摘すれば、状態空間モデル及びこの段落において、文字uは電圧u、とりわけ同期発電機401において測定ブロック420によって測定された電圧を意味しているのではなく、一般的に操作変数(Stellgroesse)を意味しており、また、上記D要素はd/qシステムへの変換のd成分を意味しているのではない。
観測装置ブロック426は、モデルブロック424のモデルを使用し、もって、該ブロック426が変換ブロック422から受け取るd成分及びq成分を考慮して、ロータフラックス(ロータ磁束)
を可及的に精密にかつ時間的に正確に観測する。更に、入力変数及びモデル記述に加えて、フィルタ行列及びが必要になる。これらの行列は、所望のダイナミクス−とりわけこれによって観測エラーが補正されることが望まれている−を予め設定し、予期され得る擾乱挙動ないし予期され得る擾乱を考慮する。かくして、観測装置ブロック426においてカルマンフィルタ(Kalman-Filter)が実現される。このフィルタは、ロータフラックス
を観測又は決定するが、更に、モデルブロック424における相応のモデル拡張によって、更なる変数、とりわけステータフラックス
も一緒に観測することができる。
次いで、これに基づいて、カルマンフィルタの、とりわけフィルタ行列Q及びRのパラメータ設定が既知の方法で、とりわけ相応の行列リカッチ方程式(Matrix-Riccati-Gleichung)を解くことによって行われる。
出力行列Cには、以下に詳細に説明するように、インダクタンスLDQが組み込まれる。インダクタンスLDQは可変であること及びこれは次いで観測装置ブロック426の更なる入力変数を形成し得ることは、有意義であり得、かつ、一実施形態により提案される。
次に、そのように観測されたロータフラックス
を用いて、参照ブロック428において参照電流 refが決定される(求められる)。この参照電流は、この場合、4つの成分を有するベクトルであり、所望の即ちとりわけ高調波を含まないか又は少なくとも高調波が少ない発電機トルクを得るために、設定(調整)可能な電流値(複数)を有する。この参照電流 refは、観測されたロータフラックス
と所望のトルクt refに依存して規定され(求められ)、従って、参照ブロック428において、
として記載されている。
可変のインダクタンスLDQを出発点と(想定)すると、これもまた参照ブロック428に、従って参照電流の計算に組み込まれる。
次に、そのようにして決定された(求められた)この参照電流は、逆変換ブロック(Ruecktransformationsblock)430に伝送される。参照ブロック428から逆変換ブロック430への伝送矢印には、参照電流の(複数の)構成(要素)も付記されている。
更に留意すべきことは、参照電流 refの決定(求め)は、検出されかつ変換ブロック422において変換された出力電流にも依存し得ることである。これに応じて、この電流も入力変数として参照ブロック428に示されている。
次に、逆変換ブロック430において、参照電流 refが2つのD/Q逆変換によって逆変換され、その結果、両3相システムの各々につき3つの電流成分が、即ち各相及び各3相システムにつき1つの電流成分が得られる。かくして、逆変換ブロック430の結果、第1の3相システムに対し3つの電流成分i11、i12、i13が得られ、第2の3相システムに対し3つの電流成分i21、i22、i23が得られる。これらの電流値は目標値であり、その意味で制御ユニット(μ)418に与えられ、その結果、これらは、整流器404において、可及的に相応の電流(複数)が設定(調整)されるよう、相応に制御されるダイオード(複数)432を制御する。
このために、例えば制御ユニット(複数)418に例えば具体的な電流値のような具体的な値を与える計算ユニット(Comp)434を設けることないし前置することが可能であり、この場合、関連する半導体スイッチ432の具体的制御は、制御ユニット(複数)418に割り当てるのが妥当であろう。この場合、具体的には他のトポロジー(ないし形態)も可能であろう。
かくして、本発明は、少なくとも1つの具体的実施形態に応じ、電気的に又は永久磁石により励磁される6相の同期機との関連において制御される(geregelt)整流器によって装置技術的に実行可能な電流制御法(ないし電流フィードバック制御法:Stromregelverfahren)に関する。この電流制御法は、同期機の装置特性及び動的状態を考慮して可及的に一定の電気的トルク出力を生成するべく同期機のステータへの電流波形の印加を目標としている。
スターポイント(中性点)が(相互に)接続されていないダブルスター(2重星形)結線を有する6相発電機の電気的トルクは、位相座標系(システム)から適切な4軸ダブルD/Q系(システム)への所定の座標変換を用いて表すことができる。可能な座標変換の一例は、
から得られる。ここで、
はD/Q座標変数(電流又は電圧)のベクトルを表し、
はそれに属するベクトルを位相座標変数で表し、
は変換行列を表す。更に、
もまた3相パーク(Park)又はD/Q変換行列
を表し、αは2つのステータシステムの間の位相差の半分、即ちこの場合15°である。
この変換を用いることにより、発電機の電気的トルクは以下の方程式によって記述することができる。これは、[1]S.Kallio, M. Andriollo, A.Tortella und J.Karttunen, "Decoupled d-q model of double-star interior permanent-magnet synchronaus machines," IEEE Transactions on lndustrial Electronics, 2486-2494頁,2013年6月に次のごとく記載されている。
但し、nは発電機の極対(ポールペア)数を表し、i(*=D、D、Q又はQ)はダブルDQシステムの対応する座標軸におけるステータ電流を表し、Ψr*は発電機のロータによって(永久磁石又は励磁巻線によって)誘起される対応するDQ座標軸における磁束を表す、
及び、
但し、同様にL(*=D、D、Q又はQ)は夫々の軸における、対応する座標系において一定のステータ固有インダクタンスを表す。インダクタンスは、同期機のすべての関連する動作点について予め設定されることができる。
一定の目標トルク
を得るために、ダブルDQ座標系の4つの軸において、以下の電流目標値ベクトル
を(予め)設定することができる。これは、[2]X. Kestelyn und E. Semail,"A vectorial approach for generation of optimal current references for multiphase permanent-magnet synchronaus machines in real time," IEEE Transoctions on lndustrial Electronics, 5057-5065頁,2011年11月に次のごとく記載されている。
但し、

はユークリッドノルムを表し、
及び、
である。
目標値を達成するための整流器によるステータ電流の実際の制御(Regelung)は、例えばヒステリシス制御装置(Hystereseregler)(トレランスバンド法:Toleranzbandverfahren)によって実行できる。
尤も、そのような電流目標値の(予)設定は、ベクトル
が既知であることを前提とする。磁束は多大な手間をかけてようやく測定できるものであるが、状態観測装置によって推定することが可能である。これについては、原理的に、例えば[3]X.Xi,C.Changming und Z.Meng,"Dynamic Permanent Magnet Flux Estimation of Permanent Magnet Synchronaus Machines," IEEE Transactions an Applied Superconductivity, 1085-1088頁, 2010年6月、ないし[4]V.Anno und S.Seung-Ki "Design of flux observer robust to interior permanent-magnetsynchronaus motor flux variations," IEEE Transactions on lndustry Applications, 1670-1677頁, 2009年9月において説明されている。
本発明の特別な点の1つは、今までに発表された方法とは異なる状態観測装置の方程式形態(Gleichungsform)に、及び、6相電気装置の磁束の評価(推定)のための状態観測装置の使用にある。
上掲文献[3]に記載されているように、状態観測装置は拡張カルマンフィルタとして構成される。カルマンフィルタの構成(Synthese)のためには、観測されるシステム(系)の状態を記述する微分方程式システムが必要になる。更にその上、測定ノイズ及びプロセスノイズによってフィルタの挙動に影響を及ぼす2つの行列Q及びRが選択される。状態空間モデルの選択される定式化(Formulierung)は、上掲文献[3]において選択される定式化と比べると、2つの本質的な相違を有する:
1.3相同期機の代わりに、6相同期機が考察される。
2.状態空間記述の基本的原則は、ここに記載したアプローチにおいては、上掲文献[3]とは異なり、すべての状態の可観測性が保証されるよう選択されている。可観測性が欠如している場合、評価(推定)された状態が時間推移において実際の(現実的な)物理的値に収束することは保証されない。従って、カルマンフィルタの構成のために必要な方程式(複数)の解(法)は、もはや行列Q及びRの適切な選択にのみ依存する。
以下の状態空間記述が使用される:

但し、
及び
である。
上式中、ωは測定毎に検出される角度から計算される電気的角速度を表し、Rはステータ巻線抵抗を表す。また、

である。
この可観測性の状態空間モデル及び行列Q及びRの適切な選択を基礎として、磁束状態の評価(推定)のために閉じたフィルタ回路(カルマンフィルタ標準構成)において使用されるフィルタ行列Kが自動的に得られる。行列Qは、その要素(複数)が状態変数の予期されるノイズの共分散(Kovarianzen)(複数)を表す(表現する)よう選択されるべきであろう。他方、行列Rは、その要素(複数)が測定される出力変数の予期される測定ノイズの共分散(複数)を表すよう選択されるべきであろう。これについては、例えば、以下に示す文献[5]に記載されている。かくして、(本発明に応じた)電流制御法は、上述の導出(Herleitung)によって、同期機の一定の電気的トルク出力に資する。
制御コンピュータにおいて処理(変換:Umsetzung)するために、得られたフィルタは時間的に離散した形式で実現(具現化)される。時間的に連続した形態を時間的に離散した形式に変換するためには、多くの方法が知られている。例えば、
[5]M.S. Grewal, A. P. Andrews: Kalman Filtering, 4. Ausgabe, New York: John Wiley & Sons, 2014年を参照されたい。
6相装置への使用に加えて、電流制御法の3相装置への使用も可能である。この場合、添え字DQを有する上記の変数はすべて、3相システムのための古典的なDQ変数に関係し、添え字D又はQを有する変数は最早考慮されない(省かれる)。
以下に、本発明の好ましい態様を付記する。
(態様1)ギアレス式風力発電装置の同期発電機の制御方法において、
同期発電機は電気力学的ロータとステータを有し、ステータに対する相対的なロータの回転によって電力を生成するものであり、
該方法は、以下のステップ
・ステータにおいて多相出力電流を生成すること、
・出力電流を整流器に供給すること、
・発電機のトルクリップルが減少されるよう、整流器によって出力電流を制御すること
を含む。
(態様2)上記の方法において、制御された整流器によって出力電流に電流波形が印加される。
(態様3)上記の方法において、同期発電機は6相発電機として構成され、及び、整流器としては6相制御整流器が使用される。
(態様4)上記の方法において、ロータはロータ磁束を有し、及び、出力電流はロータ磁束に依存して制御される。
(態様5)上記の方法において、出力電流を制御するために、ロータ磁束は状態観測装置によって観測され、及び、出力電流は観測されたロータ磁束に依存して制御される。
(態様6)上記の方法において、
・発電機は、スターポイント同士が接続されていないダブルスター結線を有するステータを有する6相に構成され、
・発電機は、運転時、電流と磁束による相互作用によって生成される電気的トルクを有し、これらの変数は、座標変換によって、4つの軸を有するダブルD/Qシステムに変換され、該4つの軸の各々は夫々1つのステータ電流成分と夫々1つのロータ磁束成分を有し、及び、
・一定の目標トルクを予め設定するために、該4つの軸の各々に対し夫々1つの目標電流を有する目標電流ベクトルが予め設定される。
(態様7)上記の方法において、出力電流を制御するために、すべてのロータ磁束成分の可観測性を可能にする状態空間表現が使用される。
(態様8)上記の方法において、ステータの出力電流を制御するために、すべてのロータ磁束成分の可観測性及び任意的にすべてのステータ磁束成分の可観測性を可能にする状態空間表現が使用される。
(態様9)上記の方法において、ロータ磁束成分及び場合により更にはステータ磁束成分は、4つの軸を有する変換されたダブルD/Qシステムにおける表現に基づき、カルマンフィルタによって観測される。
(態様10)ギアレス式風力発電装置の同期発電機と該同期発電機に接続された整流器を有する発電機ユニットは、上記の方法によって同期発電機を制御するよう構成されている。
(態様11)上記の発電機ユニットを有する風力発電装置。

Claims (10)

  1. ギアレス式風力発電装置の同期発電機の制御方法であって、
    同期発電機は電気力学的ロータとステータを有し、ステータに対する相対的なロータの回転によって電力を生成するものであり、
    該方法は、以下のステップ
    ・ステータにおいて多相出力電流を生成すること、
    ・出力電流を制御整流器に供給すること、
    ・発電機のトルクリップルが減少されるよう、制御整流器によって出力電流を制御すること
    を含
    制御整流器によって出力電流に電流波形が印加され、
    ロータはロータ磁束を有し、及び、出力電流はロータ磁束に依存して制御され、
    出力電流を制御するために、ロータ磁束は状態観測装置によって観測され、及び、出力電流は観測されたロータ磁束に依存して制御される、
    方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    同期発電機は6相発電機として構成され、及び、制御整流器としては6相制御整流器が使用される、
    方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法において、
    ・発電機は、スターポイント同士が接続されていないダブルスター結線を有するステータを有する6相に構成される、
    法。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の方法において、
    ・発電機は、運転時、電流と磁束による相互作用によって生成される電気的トルクを有し、該電流と磁束の変数は、座標変換によって、4つの軸を有するダブルD/Qシステムに変換され、該4つの軸の各々は夫々1つのステータ電流成分と夫々1つのロータ磁束成分を有し、及び、
    ・一定の目標トルクを予め設定するために、該4つの軸の各々に対し夫々1つの目標電流を有する目標電流ベクトルが予め設定される、
    方法。
  5. 請求項に記載の方法において、
    出力電流を制御するために、すべてのロータ磁束成分の可観測性を可能にする状態空間表現が使用される、
    方法。
  6. 請求項に記載の方法において、
    ステータの出力電流を制御するために、すべてのロータ磁束成分の可観測性を可能にする状態空間表現が使用される、
    方法。
  7. 請求項又はに記載の方法において、
    ステータの出力電流を制御するために、すべてのステータ磁束成分の可観測性を可能にする状態空間表現が使用される、
    方法。
  8. 請求項の何れかに記載の方法において、
    ロータ磁束成分又はロータ磁束成分及びステータ磁束成分は、4つの軸を有する変換されたダブルD/Qシステムにおける表現に基づき、カルマンフィルタによって観測される、
    方法。
  9. ギアレス式風力発電装置の同期発電機と該同期発電機に接続された制御整流器を有する発電機ユニットであって、
    発電機ユニットは、請求項1〜の何れかに記載の方法によって同期発電機を制御するよう構成されている、
    発電機ユニット。
  10. 請求項に記載の発電機ユニットを有する風力発電装置。
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