JP6625885B2 - 成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、成形体に関する。更に詳しくは、表面硬度に優れた成形体に関する。
従来から、家電製品や情報電子機器の筐体等、及び自動車のインスツルメントパネル等の成形体には、表面硬度、耐擦傷性、耐久性、耐汚染性、及び意匠性などの機能を付与するために、物品の基体の表面に、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、イソシアネート系樹脂、及びウレタン系樹脂などの硬化性樹脂塗料を塗工し、塗膜を形成することが、しばしば行われている。硬化性樹脂塗料の塗膜を形成して耐擦傷性を向上させる技術については、多くの提案がある(例えば、特許文献1及び2)。しかし、これらの表面硬度や耐擦傷性はまだ不十分であり、雑巾などで繰返し拭かれたとしても、表面特性を維持できる成形体が求められている。
特開2014−043101号公報 特開2014−040017号公報
本発明の課題は、表面硬度に優れた成形体を提供することにある。本発明の更なる課題は、表面硬度、及び耐擦傷性に優れた三次元形状を有する成形体を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究した結果、特定の2種類のハードコートを形成することより、上記課題を達成できることを見出した。
すなわち、本発明は、成形体であって、樹脂製の基体を有し;
上記基体は、その表面の一部又は全部がハードコートで被覆されており;
上記ハードコートは、表面側から順に第1ハードコートの層、及び第2ハードコートの層を有し;
上記第1ハードコートは、
(A)多官能(メタ)アクリレート 100質量部;
(B)撥水剤 0.01〜7質量部;及び
(C)シランカップリング剤 0.01〜10質量部;
を含み、かつ無機粒子を含まない塗料からなり;
上記第2ハードコートは、
(A)多官能(メタ)アクリレート 100質量部;及び
(D)平均粒子径 1〜300nmの無機微粒子 50〜300質量部;
を含む塗料からなる成形体である。
第2の発明は、上記(C)シランカップリング剤が、アミノ基を有するシランカップリング剤、及びメルカプト基を有するシランカップリング剤からなる群から選択される1種以上を含む、第1の発明に記載の成形体である。
第3の発明は、上記(B)撥水剤が、(メタ)アクリロイル基含有フルオロポリエーテル系撥水剤を含む、第1の発明又は第2の発明に記載の成形体である。
第4の発明は、上記第2ハードコートを形成する塗料が、更に(E)レベリング剤 0.01〜1質量部;を含む、第1〜3の発明の何れか1に記載の成形体である。
第5の発明は、上記第1ハードコートを形成する塗料が、更に(F)平均粒子径 0.5〜10μmの樹脂微粒子 0.1〜5質量部;を含む、第1〜4の発明の何れか1に記載の成形体である。
第6の発明は、上記第1ハードコートの厚みが、0.5〜5μmである、第1〜5の発明の何れか1に記載の成形体である。
第7の発明は、上記第2ハードコートの厚みが、5〜30μmである、第1〜6の発明の何れか1に記載の成形体である。
第8の発明は、成形体であって、樹脂製の基体を有し;
上記基体は、その表面の一部又は全部がハードコートで被覆されており;
上記ハードコートは、表面側から順に第1ハードコートの層、及び第2ハードコートの層を有し;
上記第1ハードコートは無機粒子を含まない塗料からなり;
上記第2ハードコートは無機粒子を含む塗料からなり;
下記、(イ)及び(ロ)を満たす成形体である。
(イ)全光線透過率が85%以上。
(ロ)上記第1ハードコート表面の鉛筆硬度が5H以上。
第9の発明は、成形体であって、樹脂製の基体を有し;
上記基体は、その表面の一部又は全部がハードコートで被覆されており;
上記ハードコートは、表面側から順に第1ハードコートの層、及び第2ハードコートの層を有し;
上記第1ハードコートは無機粒子を含まない塗料からなり;
上記第2ハードコートは無機粒子を含む塗料からなり;
下記、(ハ)及び(ニ)を満たす成形体である。
(ハ)上記第1ハードコート表面の水接触角が100度以上。
(ニ)上記第1ハードコート表面の往復2万回綿拭後の水接触角が100度以上。
第10の発明は、上記基体が三次元形状を有する第1〜9の発明の何れか1に記載の成形体である。
第11の発明は、端部が面取りされた形状を有する第1〜10の発明の何れか1に記載の成形体である。
第12の発明は、第1〜11の発明の何れか1に記載の成形体を含む物品である。
第13の発明は、第1〜11の発明の何れか1に記載の成形体を生産する方法であって、(1a)樹脂シートを三次元成形し、上記基体を生産する工程;(2)上記工程(1a)で得た上記基体の表面の一部又は全部に、上記第2ハードコートを形成する工程;及び、(3)上記工程(2)で形成された上記第2ハードコートの面の上に、上記第1ハードコートを形成する工程;を含む方法である。
第14の発明は、第1〜11の発明の何れか1に記載の成形体を生産する方法であって、(1b)熱可塑性樹脂を成形し、上記基体を生産する工程;(2)上記工程(1b)で得た上記基体の表面の一部又は全部に、上記第2ハードコートを形成する工程;及び、(3)上記工程(2)で形成された上記第2ハードコートの面の上に、上記第1ハードコートを形成する工程;を含む方法である。
第15の発明は、第1〜11の発明の何れか1に記載の成形体を生産する方法であって、(1c)硬化性樹脂を成型し、上記基体を生産する工程;(2)上記工程(1c)で得た上記基体の表面の一部又は全部に、上記第2ハードコートを形成する工程;及び、(3)上記工程(2)で形成された上記第2ハードコートの面の上に、上記第1ハードコートを形成する工程;を含む方法である。
第16の発明は、第12の発明に記載の物品を生産する方法であって、第13〜15の発明の何れか1に記載の方法により成形体を生産する工程;及び(4)上記工程で得た成形体を使用して物品を生産する工程;を含む方法である。
本発明の成形体は、表面硬度に優れる。本発明の好ましい成形体は、任意の三次元形状を有し、表面硬度、及び耐擦傷性に優れる。そのためテレビ、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、電子レンジ、及びエアコンなどの家電製品の筐体等として好適に用いることができる。そのためスマートフォン、タブレット端末、カーナビ、デジタルカメラ、及びパソコンなどの情報電子機器の筐体、及び曲面状ディスプレイ面板等として好適に用いることができる。そのため自動車のインスツルメントパネル、ウィンドウ、及びシフトノブ等として好適に用いることができる。
本明細書において、「樹脂」の用語は、2以上の樹脂を含む樹脂混合物や、樹脂以外の成分を含む樹脂組成物をも含む用語として使用する。「シート」の用語は、フィルムや板をも含む用語として使用する。
1.基体:
本発明の成形体は、樹脂製の基体を有する。上記基体は、本発明の成形体に所望の形状を付与する働きをする。上記基体は、本発明の成形体に耐衝撃性、強度、及び剛性等の機械的物性を付与する働きをする。
上記基体の形状は、特に制限されず、所望の形状であってよい。上記基体の形状は、平面的なものであってもよいが、本発明の成形体が家電製品の筐体等、及び自動車のインスツルメントパネル等に用いられる場合には、通常は三次元形状である。
上記基体を生産する方法は、特に制限されず、任意の方法で任意の樹脂を成形することにより生産することができる。
1−1.樹脂シートを三次元成形してなる基体:
上記基体を生産する好ましい方法としては、樹脂シートを、メンブレンプレス成形、圧空プレス成形、真空成形、及び真空圧空成形などの所謂三次元成形する方法をあげることができる。
上記樹脂シートの厚みは、特に制限されないが、成形体の基体として必要な強度及び剛性を保持する観点から、通常0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは0.8mm以上、最も好ましくは1mm以上であってよい。一方、物品の軽量化の要求に応える観点、及び三次元成形性の観点から、通常10mm以下、好ましくは6mm以下、より好ましくは3mm以下であってよい。
上記樹脂シートの引張弾性率は、特に制限されないが、成形体の基体として必要な強度及び剛性を保持する観点から、好ましくは1500MPa以上、より好ましくは1800MPa以上であってよい。引張弾性率の上限は特にないが、樹脂シートであるから、通常入手可能な範囲ではせいぜい10000MPa程度である。引張弾性率は、JIS K7127:1999に従い、試験片タイプ1B、引張速度50mm/分の条件で測定した。
上記樹脂シートを構成する樹脂のガラス転移温度は、特に制限されないが、耐熱性(成形体の製造時に必要とされる耐熱性、及び成形体の使用時に必要とされる耐熱性の両方を含む。)を保持する観点から、好ましくは90℃以上、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは110℃以上であってよい。なお上記樹脂シートが、構成樹脂として2種類以上の樹脂を含むときは、これらの中で最もガラス転移温度の低い樹脂が、上記範囲を満たすことが好ましい。
上記樹脂シートを構成する樹脂のガラス転移温度は、上記基体を得るために三次元成形する際の加工性の観点から、好ましくは160℃以下、より好ましくは150℃以下、更に好ましくは140℃以下である。なお上記樹脂シートが、構成樹脂として2種類以上の樹脂を含むときは、これらの中で最もガラス転移温度の高い樹脂が、上記範囲を満たすことが好ましい。
本明細書において、ガラス転移温度は、株式会社パーキンエルマージャパンのDiamond DSC型示差走査熱量計を使用し、試料を50℃/分の昇温速度で200℃まで昇温し、200℃で10分間保持した後、20℃/分の降温速度で50℃まで冷却し、50℃で10分間保持した後、20℃/分の昇温速度で200℃まで加熱するという温度プログラムにおける最後の昇温過程において測定される曲線に現れるガラス転移について、ASTM D3418の図2に従い作図して算出した中間点ガラス転移温度である。
上記樹脂シートとしては、例えば、芳香族ポリエステル、及び脂肪族ポリエステルなどのポリエステル系樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、及びビニルシクロヘキサン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体などのアクリル系樹脂;ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂;芳香族ポリカーボネート、及び脂肪族ポリカーボネートなどのポリカーボネート系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、及びポリ4−メチル−ペンテン−1などのポリオレフィン系樹脂;セロファン、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、及びアセチルセルロースブチレートなどのセルロース系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、及びスチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体などのスチレン系樹脂;エチレンノルボルネン共重合体などの環状炭化水素系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、及びナイロン11などのポリアミド系樹脂;ポリ塩化ビニル、及び塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体などのポリ塩化ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン系樹脂;ポリフッ化ビニリデンなどの含弗素系樹脂;その他、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォンポリアリレート系樹脂、及びポリマー型ウレタンアクリレート系樹脂;などの樹脂シートをあげることができる。これらのシートは無延伸シート、一軸延伸シート、及び二軸延伸シートを包含する。またこれらの1種以上を2層以上積層した積層シートを包含する。更にこれらの樹脂シートは透明であってもよく、任意の着色剤により着色されていてもよい。
上記樹脂シートが積層シートである場合、積層方法は制限されず、任意の方法で積層することができる。例えば、各々の樹脂シートを任意の方法により得た後、ドライラミネート又は熱ラミネートする方法;各々の構成材料を押出機にて溶融させ、フィードブロック法又はマルチマニホールド法若しくはスタックプレート法によるTダイ共押出により得る方法;少なくとも1の樹脂シートを任意の方法により得た後、該樹脂シート上に他の樹脂シートを溶融押出する押出ラミネート方法;任意のフィルム基材上に溶融押出、又は構成材料と溶剤とを含む塗料を塗布乾燥し、形成された樹脂シートを、上記フィルム基材から剥離し、他の樹脂シートの上に転写する方法、及びこれらの2以上を組み合わせる方法;などをあげることができる。
これらの中で上記樹脂シートとしては、機械的物性、及び表面硬度の観点から、
(a1)アクリル系樹脂シート;
(a2)芳香族ポリカーボネート系樹脂シート;
(a3)ポリエステル系樹脂シート;
(a4)上記樹脂シート(a1)〜(a3)の何れか1種又は2種以上の積層シート;
が好ましい。
上記(a1)アクリル系樹脂シートは、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル系樹脂を主として(通常60質量%以上、好ましくは70質量%以上。)含む樹脂からなるシートである。
上記アクリル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体、(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体、及びこれらの変性体などをあげることができる。なお、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルの意味である。また(共)重合体とは、重合体又は共重合体の意味である。
上記(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル・(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル・(メタ)アクリル酸ブチル共重合体などをあげることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体としては、例えば、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、ビニルシクロヘキサン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、無水マレイン酸・(メタ)アクリル酸メチル共重合、及びN−置換マレイミド・(メタ)アクリル酸メチル共重合などをあげることができる。
上記変性体としては、例えば、分子内環化反応によりラクトン環構造が導入された重合体;分子内環化反応によりグルタル酸無水物が導入された重合体;及び、イミド化剤(例えば、メチルアミン、シクロヘキシルアミン、及びアンモニアなどをあげることができる。)と反応させることによりイミド構造が導入された重合体(以下、ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂ということがある。);などをあげることができる。
上記アクリル系樹脂としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記アクリル系樹脂に含み得る好ましい任意成分としては、コアシェルゴムをあげることができる。上記アクリル系樹脂と上記コアシェルゴムとの合計を100質量部としたとき、上記コアシェルゴムを0〜40質量部(上記アクリル系樹脂100〜60質量部)、好ましくは0〜30質量部(上記アクリル系樹脂100〜70質量部)の量で用いることにより、上記(a1)アクリル系樹脂シートの耐切削加工性や耐衝撃性を高めることができる。
上記コアシェルゴムとしては、例えば、メタクリル酸エステル・スチレン/ブタジエンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/ブタジエンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/エチレン・プロピレンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/アクリル酸エステルグラフト共重合体、メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体、メタクリル酸エステル・アクリロニトリル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体などをあげることができる。上記コアシェルゴムとしては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
また上記アクリル系樹脂組成物に含み得るその他の任意成分としては、上記アクリル系樹脂や上記コアシェルゴム以外の熱可塑性樹脂;顔料、無機フィラー、有機フィラー、樹脂フィラー;滑剤、酸化防止剤、耐候性安定剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、核剤、及び、界面活性剤等の添加剤;などをあげることができる。これらの任意成分の配合量は、通常、上記アクリル系樹脂と上記コアシェルゴムとの合計を100質量部としたとき、通常25質量部以下、好ましくは0.01〜10質量部程度である。
上記(a2)芳香族ポリカーボネート系樹脂シートは、芳香族ポリカーボネート系樹脂を主として(通常70質量%以上、好ましくは90質量%以上。)含む樹脂からなるシートである。
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとの界面重合法によって得られる重合体;ビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸ジエステルとのエステル交換反応により得られる重合体;などをあげることができる。上記芳香族ポリカーボネート系樹脂としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂に含み得る好ましい任意成分としては、コアシェルゴムをあげることができる。上記芳香族ポリカーボネート系樹脂と上記コアシェルゴムとの合計を100質量部としたとき、上記コアシェルゴムを0〜30質量部(上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100〜70質量部)、好ましくは0〜10質量部(上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100〜90質量部)の量で用いることにより、上記(a2)芳香族ポリカーボネート系樹脂シートの耐切削加工性や耐衝撃性を高めることができる。
上記コアシェルゴムとしては、例えば、メタクリル酸エステル・スチレン/ブタジエンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/ブタジエンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/エチレン・プロピレンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/アクリル酸エステルグラフト共重合体、メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体、メタクリル酸エステル・アクリロニトリル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体などのコアシェルゴムをあげることができる。上記コアシェルゴムとしては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
また上記芳香族ポリカーボネート系樹脂には、本発明の目的に反しない限度において、所望により、芳香族ポリカーボネート系樹脂やコアシェルゴム以外の熱可塑性樹脂;顔料、無機フィラー、有機フィラー、樹脂フィラー;滑剤、酸化防止剤、耐候性安定剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、及び界面活性剤等の添加剤;などを更に含ませることができる。これらの任意成分の配合量は、通常、芳香族ポリカーボネート系樹脂とコアシェルゴムとの合計を100質量部としたとき、0.01〜10質量部程度である。
上記(a3)ポリエステル系樹脂シートは、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂を主として(通常80質量%以上、好ましくは90質量%以上。)含む樹脂からなるシートであり、無延伸シート、一軸延伸シート、及び二軸延伸シートを包含する。またこれらの1種又は2種以上の積層シートを包含する。
上記(a3)ポリエステル系樹脂シートは、好ましくは、非晶性又は低結晶性芳香族ポリエステル系樹脂を主として(通常80質量%以上、好ましくは90質量%以上。)含む樹脂からなるシートである。
上記非晶性又は低結晶性芳香族ポリエステル系樹脂としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸成分とエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの多価アルコール成分とのポリエステル系共重合体をあげることができる。
上記非晶性又は低結晶性芳香族ポリエステル系樹脂としては、例えば、モノマーの総和を100モル%として、テレフタル酸50モル%及びエチレングリコール30〜40モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール10〜20モル%を含むグリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG);テレフタル酸50モル%、エチレングリコール16〜21モル%及び1,4−シクロヘキサンジメタノール29〜34モル%を含むグリコール変性ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCTG);テレフタル酸25〜49.5モル%、イソフタル酸0.5〜25モル%及び1,4−シクロヘキサンジメタノール50モル%を含む酸変性ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCTA);テレフタル酸30〜45モル%、イソフタル酸5〜20モル%、エチレングリコール35〜48モル%、ネオペンチルグリコール2〜15モル%、ジエチレングリコール1モル%未満、ビスフェノールA1モル%未満を含む酸変性及びグリコール変性ポリエチレンテレフタレート;及び、テレフタル酸45〜50モル%、イソフタル酸5〜0モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール25〜45モル%、及び2,2,4,4,−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール25〜5モル%を含む酸変性及びグリコール変性ポリエチレンテレフタレート;などの1種又は2種以上の混合物をあげることができる。
本明細書では、株式会社パーキンエルマージャパンのDiamond DSC型示差走査熱量計を使用し、試料を320℃で5分間保持した後、20℃/分の降温速度で−50℃まで冷却し、−50℃で5分間保持した後、20℃/分の昇温速度で320℃まで加熱するという温度プログラムで測定されるセカンド融解曲線(最後の昇温過程において測定される融解曲線)の融解熱量が、10J/g以下のポリエステルを非結晶性、10J/gを超えて60J/g以下のポリエステルを低結晶性と定義した。
上記ポリエステル系樹脂には、本発明の目的に反しない限度において、所望により、その他の成分を含ませることができる。含む得る任意成分としては、ポリエステル系樹脂以外の熱可塑性樹脂;顔料、無機フィラー、有機フィラー、樹脂フィラー;滑剤、酸化防止剤、耐候性安定剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、及び界面活性剤等の添加剤;などをあげることができる。これらの任意成分の配合量は、上記ポリエステル系樹脂を100質量部としたとき、通常25質量部以下、好ましくは0.01〜10質量部程度である。
上記ポリエステル系樹脂に含み得る好ましい任意成分としては、コアシェルゴムをあげることができる。コアシェルゴムを用いることで、上記(a3)ポリエステル系樹脂シートの耐衝撃性を向上させることができる。
上記コアシェルゴムとしては、例えば、メタクリル酸エステル・スチレン/ブタジエンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/ブタジエンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/エチレン・プロピレンゴムグラフト共重合体、アクリロニトリル・スチレン/アクリル酸エステルグラフト共重合体、メタクリル酸エステル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体、メタクリル酸エステル・アクリロニトリル/アクリル酸エステルゴムグラフト共重合体などのコアシェルゴムの1種又は2種以上の混合物をあげることができる。上記コアシェルゴムとしては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記コアシェルゴムの配合量は、ポリエステル系樹脂を100質量部としたとき、耐衝撃性を向上させるため、好ましくは0.5質量部以上である。また透明な基体を生産しようとする場合には、透明性を保持するため、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下であってよい。
上記(a4)上記透明樹脂シート(a1)〜(a3)の何れか1種又は2種以上の積層シートは、例えば、フィードブロック方式、マルチマニホールド方式、及びスタックプレート方式などの任意の共押出装置を使用し、所望の層構成になるように共押出製膜することにより;任意の製膜装置を使用して上記透明樹脂シート(a1)〜(a3)の何れか1種又は2種以上を得た後、これらを所望の層構成になるように熱ラミネート又はドライラミネートすることにより;任意の製膜装置を使用して上記透明樹脂シート(a1)〜(a3)の何れか1種を得た後、該シートを基材として所望の層構成になるように押出ラミネートすることにより;得ることができる。
上記樹脂シートには、所望により、意匠感を高めるため、第2ハードコート形成面の上に印刷層を設けてもよい。上記樹脂シートが透明樹脂シートである場合には、上記印刷層は、第2ハードコート形成面とは反対側の面の上に設けてもよい。上記印刷層は、本発明の成形体に高い意匠性を付与するために設けるものであり、任意の模様を任意のインキと任意の印刷機を使用して印刷することにより形成することができる。
上記印刷層は、上記樹脂シートの所望の面の上に、直接又はアンカーコートを介して、全面的に又は部分的に、施すことができる。上記印刷層は、任意の樹脂フィルムの面の上に形成し、これを上記樹脂シートの所望の面の上に、直接又はアンカーコートを介して、積層してもよい。この場合、上記任意の樹脂フィルムはそのまま積層してもよく、除去してもよい。模様としては、ヘアライン等の金属調模様、木目模様、大理石等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、寄木模様、及びパッチワークなどをあげることができる。印刷インキとしては、バインダーに顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、及び硬化剤等を適宜混合したものを使用することができる。上記バインダーとしては、例えば、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル・アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、及び酢酸セルロース系樹脂などの樹脂、及びこれらの樹脂組成物を使用することができる。また金属調の意匠を施すため、上記樹脂シートの所望の面の上に、直接又はアンカーコートを介して、全面的に又は部分的に、アルミニウム、錫、チタン、インジウム及びこれらの酸化物などを、公知の方法により蒸着してもよい。
上記樹脂シートを用いて、真空成形法により基体を生産する方法を説明する。真空成形法により生産された基体の一例を図1(図1(a)は平面図、図1(b)は側面図。)に示す。真空成形法の一例を図2に示す。先ず、上記樹脂シート6を、赤外線ヒーター7等を使用して加熱し、軟化させる(図2(a))。次に、軟化した上記樹脂シート6を上記赤外線ヒーター7から外し、速やかに成形型8の上に被覆させる(図2(b))。続いて、上記樹脂シート6と上記成形型8との間の空間9を減圧し、上記樹脂シート6を上記成形型8に密着させて、基体10を得る(図2(c))。上記空間9の圧力は、上記樹脂シート6と上記成形型8とを、その間に空気を残留させることなく十分密着させる観点から、好ましく10KPa以下、より好ましくは1KPa以下である。上記空間9の圧力は、密着力の観点からは、小さいほど密着力が大きくなるため好ましい。一方、上記空間9の圧力を小さくするためには加速度的にコストがかかること、及び上記樹脂シート6の機械的強度を考慮すれば、実用的には、上記空間9の圧力の下限は10−5KPa程度であってよい。
1−2.熱可塑性樹脂を成形してなる基体:
上記基体を生産する好ましい方法としては、熱可塑性樹脂を射出成形、ブロー成形、及び押出成形する方法をあげることができる。これらの中で、形状の自由度の観点から、射出成形が好ましい。なお本明細書において、上記射出成形にはインサート成形も含む。成形型にインサートする樹脂シートとしては、上述したものを用いることができる。
上記基体を構成するための熱可塑性樹脂としては、特に制限されず;好ましくは射出成形、ブロー成形、及び押出成形の少なくとも何れか1に適用できるものであること以外は制限されず;より好ましくは射出成形に適用できるものであること以外は制限されず;任意の熱可塑性樹脂を用いることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステルなどのポリエステル系樹脂;アクリル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂;セロファン、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、及びアセチルセルロースブチレートなどのセルロース系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体、及びスチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体などのスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン系樹脂;ポリフッ化ビニリデンなどの含弗素系樹脂;その他、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリエーテルエーテルケトン、ナイロン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン;などをあげることができる。上記熱可塑性樹脂としては、これらの1種以上を用いることができる。
これらの中で、本発明の成形体を、家電製品や情報電子機器の筐体等、及び自動車のインスツルメントパネル等に用いる場合には、耐衝撃性、強度、及び剛性等の機械的物性に優れた樹脂が好ましい。このような上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、及びビニルシクロヘキサン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体などのアクリル系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、及びアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)などのスチレン系樹脂;芳香族ポリエステル系樹脂;芳香族ポリカーボネート系樹脂;ポリエチレン、及びポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;などをあげることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、これらの1種以上を用いることができる。
上記熱可塑性樹脂には、本発明の目的に反しない限度において、所望により、熱可塑性樹脂以外の成分、例えば、リン系、フェノール系、及び硫黄系などの酸化防止剤;老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの耐候剤;銅害防止剤;変性シリコンオイル、シリコンオイル、ワックス、酸アミド、脂肪酸、及び脂肪酸金属塩などの滑剤;芳香族リン酸金属塩系、及びゲルオール系などの造核剤;グリセリン脂肪酸エステルなどの帯電防止剤;炭酸カルシウム、タルク、水酸化マグネシウム、マイカ、クレー、硫酸バリウム、天然珪酸、合成珪酸(ホワイトカーボン)、酸化チタン、セルロース繊維、ガラス繊維、及びカーボンブラックなどの充填材;有機系難燃剤;及び無機系難燃剤;などを含ませることができる。
1−3.硬化性樹脂を成型してなる基体:
上記基体を生産する好ましい方法としては、硬化性樹脂を、所望の形状の型に注入し、硬化させる方法をあげることができる。
上記基体を構成するための上記硬化性樹脂は、熱硬化あるいは活性エネルギー線硬化させることのできる樹脂である。上記硬化性樹脂としては、特に制限されず、任意の硬化性樹脂を用いることができる。上記硬化性樹脂としては、例えば、1分子中に2以上の反応性官能基を有する樹脂;該樹脂とイソシアネート系硬化剤(1分子中に2以上のイソシアネート基(−N=C=O)を有する化合物)、光重合開始剤、及び有機過酸化物等の少なくとも1種以上との樹脂組成物などをあげることができる。上記反応性官能基としては、例えば、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、イソシアネート基、アルコキシ基、アシルオキシ基、及びハロゲン基などをあげることができる。
上記硬化性樹脂としては、例えば、活性エネルギー線硬化性樹脂;該樹脂をイソシアネート系硬化剤(1分子中に2以上のイソシアネート基(−N=C=O)を有する化合物)及び/又は光重合開始剤と共に含む組成物をあげることができる。上記活性エネルギー線硬化性樹脂は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線により重合・硬化させることのできる樹脂である。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリアクリル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート、及び、ポリエーテル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有プレポリマー又はオリゴマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルセロソルブ(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、及び、トリメチルシロキシエチルメタクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有単官能反応性モノマー;N−ビニルピロリドン、スチレン等の単官能反応性モノマー;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2‘−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエチレンオキシフェニル)プロパン、及び、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレンオキシフェニル)プロパン等の(メタ)アクリロイル基含有2官能反応性モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有3官能反応性モノマー;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有4官能反応性モノマー;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有6官能反応性モノマー;トリペンタエリスリトールアクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有8官能反応性モノマー;及びこれらの1種以上を構成モノマーとする重合体(オリゴマーやプレポリマー)をあげることができる。上記活性エネルギー線硬化性樹脂としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。なお本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの意味である。
上記イソシアネート系硬化剤としては、例えば、メチレンビス−4−シクロヘキシルイソシアネート;トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体等のポリイソシアネート;及び、上記ポリイソシアネートのブロック型イソシアネート等のウレタン架橋剤などをあげることができる。これらをそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、架橋の際には、必要に応じてジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジエチルヘキソエートなどの触媒を添加してもよい。
上記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、4−メチルベンゾフェノン、4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタール等のベンゾイン系化合物;アセトフェノン、2、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン系化合物;メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン系化合物;チオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2、4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;アセトフェノンジメチルケタール等のアルキルフェノン系化合物;トリアジン系化合物;ビイミダゾール化合物;アシルフォスフィンオキサイド系化合物;チタノセン系化合物;オキシムエステル系化合物;オキシムフェニル酢酸エステル系化合物;ヒドロキシケトン系化合物;及び、アミノベンゾエート系化合物などをあげることができる。これらをそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、所望に応じて、帯電防止剤、界面活性剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、汚染防止剤、印刷性改良剤、酸化防止剤、耐候性安定剤、耐光性安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、着色剤、及びフィラーなどの添加剤を1種、又は2種以上含ませることができる。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、成型し易い濃度に希釈するため、所望に応じて溶剤を含んでいてもよい。上記溶剤は硬化性樹脂組成物の成分、及び、その他の任意成分と反応したり、これらの成分の自己反応(劣化反応を含む)を触媒(促進)したりしないものであれば、特に制限されない。上記溶剤としては、例えば、1−メトキシ−2−プロパノール、酢酸エチル、酢酸nブチル、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ダイアセトンアルコール、及びアセトンなどをあげることができる。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、これらの成分を混合、攪拌することにより得られる。
2.ハードコート:
本発明の成形体は、上記基体の表面の一部又は全部がハードコートで被覆されている。上記ハードコートは、本発明の成形体の表面硬度、及び耐擦傷性を良好にする働きをする。上記ハードコートは、意匠性の観点から、高い透明性を有するものであってよい。上記ハードコートは、意匠性の観点から、所望の色に着色することが容易になるように、それ自体は着色のないものであることが好ましい。上記ハードコートは、本発明の成形体の形状、用途、及び使用態様に応じて、上記基体の表面の一部を被覆するものであってもよく、全部を被覆するものであってもよい。
上記ハードコートは、表面側から順に第1ハードコートの層、及び第2ハードコートの層を有する。
2−1.第1ハードコート:
上記第1ハードコートは、(A)多官能(メタ)アクリレート 100質量部;(B)撥水剤 0.01〜7質量部;及び
(C)シランカップリング剤 0.01〜10質量部;を含み、かつ無機粒子を含まない塗料からなる。
上記第1ハードコートは、本発明の成形体の表面を形成する。上記第1ハードコートは、本発明の成形体を用いて物品を生産したとき、物品の表面を形成する。上記第1ハードコートは、良好な耐擦傷性を発現し、ハンカチなどで繰返し拭かれたとしても撥水性などの表面特性を維持する働きをする。
無機粒子(例えば、シリカ(二酸化珪素);酸化アルミニウム、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物、酸化アンチモン、及び酸化セリウム等の金属酸化物粒子;弗化マグネシウム、及び弗化ナトリウム等の金属弗化物粒子;金属硫化物粒子;金属窒化物粒子;及び金属粒子;など。)は、ハードコートの硬度を高めるのに効果が大きい。一方、上記成分(A)などの樹脂成分との相互作用は弱く、耐擦傷性を不十分なものにする原因となっていた。そこで本発明においては、最表面を形成する第1ハードコートには無機粒子を含まないようにして耐擦傷性を保持し、一方、第2ハードコートには多量の特定の無機微粒子を含ませて硬度を高めることにより、この問題を解決したものである。
ここで無機粒子を「含まない」とは、有意な量の無機粒子を含んではいないという意味である。ハードコート形成用塗料の分野において、無機粒子の有意な量は、上記成分(A)100質量部に対して、通常1質量部程度以上である。従って、無機粒子を「含まない」とは、上記成分(A)100質量部に対して、無機粒子の量が通常1質量部未満、好ましくは0.1質量部以下、より好ましくは0.01質量部以下と言い換えることもできる。
(A)多官能(メタ)アクリレート:
上記成分(A)は、1分子中に2以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートであり、1分子中に2以上の(メタ)アクリロイル基を有するため、紫外線や電子線等の活性エネルギー線により重合・硬化して、ハードコートを形成する働きをする。
上記多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2‘−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエチレンオキシフェニル)プロパン、及び、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレンオキシフェニル)プロパン等の(メタ)アクリロイル基含有2官能反応性モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有3官能反応性モノマー;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有4官能反応性モノマー;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有6官能反応性モノマー;トリペンタエリスリトールアクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有8官能反応性モノマー及びこれらの1種以上を構成モノマーとする重合体(オリゴマーやプレポリマー)をあげることができる。上記成分(A)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。なお本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの意味である。
(B)撥水剤:
上記成分(B)は、撥水性を高める働きをする。
上記撥水剤としては、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、及びアクリル・エチレン共重合体ワックス等のワックス系撥水剤;シリコンオイル、シリコン樹脂、ポリジメチルシロキサン、アルキルアルコキシシラン等のシリコン系撥水剤;フルオロポリエーテル系撥水剤、フルオロポリアルキル系撥水剤等の含弗素系撥水剤;などをあげることができる。上記成分(B)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
これらの中で、上記成分(B)としては、撥水性能の観点から、フルオロポリエーテル系撥水剤が好ましい。上記成分(A)と上記成分(B)とが化学結合ないしは強く相互作用し、上記成分(B)がブリードアウトするなどのトラブルを防止する観点から、上記成分(B)としては、分子内に(メタ)アクリロイル基とフルオロポリエーテル基とを含有する化合物を含む撥水剤(以下、(メタ)アクリロイル基含有フルオロポリエーテル系撥水剤と略す。)がより好ましい。上記成分(B)として更に好ましいのは、上記成分(A)と上記成分(B)との化学結合ないしは相互作用を適宜調節し、透明性を高く保ちつつ良好な撥水性を発現させる観点から、アクリロイル基含有フルオロポリエーテル系撥水剤とメタアクリロイル基含有フルオロポリエーテル系撥水剤との混和物である。
(メタ)アクリロイル基含有フルオロポリエーテル系撥水剤は、分子内にフルオロポリエーテル基を含有する点で上記成分(A)とは明確に区別される。1分子中に2以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつフルオロポリエーテル基を有する化合物は、(メタ)アクリロイル基含有フルオロポリエーテル系撥水剤であって、上記成分(B)である。
上記成分(B)の配合量は、上記成分(A)100質量部に対して、上記成分(B)がブリードアウトするなどのトラブルを防止する観点から、通常7質量部以下、好ましくは4質量部以下、より好ましくは2質量部以下である。一方、成分(B)の使用効果を得るという観点から、通常0.01質量部以上、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上である。
(C)シランカップリング剤:
上記成分(C)は、上記第1ハードコートと上記第2ハードコートとの密着性を向上させる働きをする。
シランカップリング剤は、加水分解性基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;アセトキシ基等のアシルオキシ基;クロロ基等のハロゲン基;など)、及び有機官能基(例えば、アミノ基、メルカプト基、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、及びイソシアネート基など)の少なくとも2種類の異なる反応性基を有するシラン化合物である。これらの中で上記成分(C)としては、密着性の観点から、アミノ基を有するシランカップリング剤(アミノ基と加水分解性基を有するシラン化合物)、及びメルカプト基を有するシランカップリング剤(メルカプト基と加水分解性基を有するシラン化合物)が好ましい。密着性及び臭気の観点から、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどをあげることができる。
メルカプト基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、及び3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどをあげることができる。
上記成分(C)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記成分(C)の配合量は、上記成分(A)100質量部に対して、密着性向上効果を確実に得る観点から、通常0.01質量部以上、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上である。一方、塗料のポットライフの観点から、通常10質量部以下、好ましくは5質量部以下、より好ましくは1質量部以下であってよい。
(F)平均粒子径 0.5〜10μmの樹脂微粒子:
本発明の成形体に防眩性を付与しようとする場合は、上記第1ハードコートを形成する塗料に、更に(F)平均粒子径 0.5〜10μmの樹脂微粒子を含ませることができる。上記成分(F)は、上記成分(A)などの樹脂成分と強く相互作用することができる。
樹脂微粒子としては、例えば、シリコン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、弗素系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エチレン系樹脂、及びアミノ系化合物とホルムアルデヒドとの硬化樹脂などの樹脂微粒子をあげることができる。これらの中で、低比重、潤滑性、分散性、及び耐溶剤性の観点から、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、及び弗素系樹脂の微粒子が好ましい。また光拡散性を良好にする観点から、真球状のものが好ましい。樹脂微粒子としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記成分(F)の平均粒子径は、防眩性を確実に得る観点から、通常0.5μm以上、好ましくは1μm以上であってよい。一方、ハードコートの透明性を保持しようとする場合は、通常10μm以下、好ましくは6μm以下であってよい。
なお本明細書において、樹脂微粒子の平均粒子径は、日機装株式会社のレーザー回折・散乱式粒度分析計「MT3200II(商品名)」を使用して測定した粒子径分布曲線において、粒子の小さい方からの累積が50質量%となる粒子径である。
上記成分(F)の配合量は、上記成分(A)100質量部に対して、付与しようとする防眩性のレベルにもよるが、通常0.01〜15質量部、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.2〜5質量部、更に好ましくは0.3〜3質量部であってよい。また耐擦傷性の観点から、好ましくは0.5〜3質量部であってよい。
上記第1ハードコート形成用塗料には、活性エネルギー線による硬化性を良好にする観点から、1分子中に2以上のイソシアネート基(−N=C=O)を有する化合物及び/又は光重合開始剤を更に含ませることが好ましい。
上記1分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物としては、例えば、メチレンビス−4−シクロヘキシルイソシアネート;トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体等のポリイソシアネート;及び、上記ポリイソシアネートのブロック型イソシアネート等のウレタン架橋剤などをあげることができる。上記1分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。また、架橋の際には、必要に応じてジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジエチルヘキソエートなどの触媒を添加してもよい。
上記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、4−メチルベンゾフェノン、4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタール等のベンゾイン系化合物;アセトフェノン、2、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン系化合物;メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン系化合物;チオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2、4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;アセトフェノンジメチルケタール等のアルキルフェノン系化合物;トリアジン系化合物;ビイミダゾール化合物;アシルフォスフィンオキサイド系化合物;チタノセン系化合物;オキシムエステル系化合物;オキシムフェニル酢酸エステル系化合物;ヒドロキシケトン系化合物;及び、アミノベンゾエート系化合物などをあげることができる。上記光重合開始剤としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記第1ハードコート形成用塗料には、所望に応じて、帯電防止剤、界面活性剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、汚染防止剤、印刷性改良剤、酸化防止剤、耐候性安定剤、耐光性安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、及び有機着色剤などの添加剤を1種又は2種以上含ませることができる。
上記第1ハードコート形成用塗料は、塗工し易い濃度に希釈するため、所望に応じて溶剤を含んでいてもよい。上記溶剤は上記成分(A)〜(C)、及びその他の任意成分と反応したり、これらの成分の自己反応(劣化反応を含む)を触媒(促進)したりしないものであれば、特に制限されない。上記溶剤としては、1−メトキシ−2−プロパノール、酢酸エチル、酢酸nブチル、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ダイアセトンアルコール、及びアセトンなどをあげることができる。上記溶剤としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記第1ハードコート形成用塗料は、これらの成分を混合、攪拌することにより得ることができる。
上記第1ハードコート形成用塗料を用いて上記第1ハードコートを形成する方法は特に制限されず、公知の塗布方法を使用することができる。上記方法としては、例えば、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、及びエアナイフコートなどの方法をあげることができる。また塗工は1回に限らず、2回以上繰り返してもよい。更に本発明の成形体のハードコート形成箇所が平面的なものである場合には、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、及びダイコートなどの方法を適用してもよい。
上記第1ハードコートの厚みは、耐擦傷性及び硬度の観点から、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上である。一方、硬度及び第2ハードコートとの密着性の観点から、好ましくは5μm以下、より好ましくは4μm以下、更に好ましくは3μm以下である。
2−2.第2ハードコート:
上記第2ハードコートは、(A)多官能(メタ)アクリレート 100質量部;及び(D)平均粒子径 1〜300nmの無機微粒子 50〜300質量部;を含む塗料からなる。
上記(A)多官能(メタ)アクリレートについては、第1ハードコート形成用塗料の説明において上述した。上記成分(A)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
(D)平均粒子径 1〜300nmの無機微粒子:
上記成分(D)は、本発明の成形体の表面硬度を飛躍的に高める働きをする。
無機微粒子としては、例えば、シリカ(二酸化珪素);酸化アルミニウム、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物、酸化アンチモン、及び酸化セリウム等の金属酸化物微粒子;弗化マグネシウム、及び弗化ナトリウム等の金属弗化物微粒子;金属硫化物微粒子;金属窒化物微粒子;及び金属微粒子;などをあげることができる。
これらの中でより表面硬度の高いハードコートを得るためにシリカや酸化アルミニウムの微粒子が好ましく、シリカの微粒子がより好ましい。シリカ微粒子の市販品としては、日産化学工業株式会社のスノーテックス(商品名)、扶桑化学工業株式会社のクォートロン(商品名)などをあげることができる。
無機微粒子の塗料中での分散性を高めたり、得られるハードコートの表面硬度を高めたりする目的で、当該無機微粒子の表面をビニルシラン、及びアミノシラン等のシラン系カップリング剤;チタネート系カップリング剤;アルミネート系カップリング剤;(メタ)アクリロイル基、ビニル基、及びアリル基等のエチレン性不飽和結合基やエポキシ基などの反応性官能基を有する有機化合物;及び脂肪酸、脂肪酸金属塩等の表面処理剤などにより処理したものを用いることは好ましい。
上記成分(D)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記成分(D)の平均粒子径は、ハードコートの硬度改良効果を確実に得る観点から、300nm以下、好ましくは200nm以下、より好ましくは120nm以下である。一方、平均粒子径の下限は特にないが、通常入手可能な無機微粒子は細かくてもせいぜい1nm程度である。
なお本明細書において、無機微粒子の平均粒子径は、日機装株式会社のレーザー回折・散乱式粒度分析計「MT3200II(商品名)」を使用して測定した粒子径分布曲線において、粒子の小さい方からの累積が50質量%となる粒子径である。
上記成分(D)の配合量は、上記成分(A)100質量部に対して、表面硬度の観点から、50質量部以上、好ましくは80質量部以上である。一方、透明性の観点から、通常、300質量部以下、好ましくは200質量部以下、より好ましくは160質量部以下であってよい。
(E)レベリング剤:
上記第2ハードコート形成用塗料には、上記第2ハードコートの表面を良好なものにし、上記第1ハードコートを形成し易くする観点から、更に(E)レベリング剤を含ませることが好ましい。
上記レベリング剤としては、例えば、アクリル系レベリング剤、シリコン系レベリング剤、弗素系レベリング剤、シリコン・アクリル共重合体系レベリング剤、弗素変性アクリル系レベリング剤、弗素変性シリコン系レベリング剤、及びこれらに官能基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン基、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、及びイソシアネート基など。)を導入したレベリング剤などをあげることができる。これらの中で、上記成分(E)としては、シリコン・アクリル共重合体系レベリング剤が好ましい。上記成分(E)としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記成分(E)の配合量は、上記成分(A)100質量部に対して、上記第2ハードコートの表面を良好なものにし、上記第1ハードコートを形成し易くする観点から、通常0.01質量部以上、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上である。一方、上記第2ハードコートの上に、上記第1ハードコート形成用塗料が弾かれることなく良好に塗工できるようにする観点から、通常1質量部以下、好ましくは0.6質量部以下、より好ましくは0.4質量部以下であってよい。
上記第2ハードコート形成用塗料には、活性エネルギー線による硬化性を良好にする観点から、1分子中に2以上のイソシアネート基(−N=C=O)を有する化合物及び/又は光重合開始剤を更に含ませることが好ましい。
上記1分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物については、第1ハードコート形成用塗料の説明において上述した。上記1分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記光重合開始剤については、第1ハードコート形成用塗料の説明において上述した。上記光重合開始剤としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記第2ハードコート形成用塗料には、所望に応じて、帯電防止剤、界面活性剤、チクソ性付与剤、汚染防止剤、印刷性改良剤、酸化防止剤、耐候性安定剤、耐光性安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、着色剤、及び有機微粒子などの添加剤を1種又は2種以上含ませることができる。
上記第2ハードコート形成用塗料は、塗工し易い濃度に希釈するため、所望に応じて溶剤を含んでいてもよい。上記溶剤は上記成分(A)、上記成分(D)、及びその他の任意成分と反応したり、これらの成分の自己反応(劣化反応を含む)を触媒(促進)したりしないものであれば、特に制限されない。上記溶剤としては、1−メトキシ−2−プロパノール、酢酸エチル、酢酸nブチル、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ダイアセトンアルコール、及びアセトンなどをあげることができる。これらの中で、1−メトキシ−2−プロパノールが好ましい。上記溶剤としては、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
上記第2ハードコート形成用塗料は、これらの成分を混合、攪拌することにより得ることができる。
上記第2ハードコート形成用塗料を用いて上記第2ハードコートを形成する方法は特に制限されず、公知の塗布方法を使用することができる。上記方法としては、例えば、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、及びエアナイフコートなどの方法をあげることができる。また塗工は1回に限らず、2回以上繰り返してもよい。更に本発明の成形体のハードコート形成箇所が平面的なものである場合には、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、及びダイコートなどの方法を適用してもよい。
上記第2ハードコートの厚みは、表面硬度の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上、更に好ましくは18μm以上である。一方、耐衝撃性の観点から、好ましくは30μm以下、より好ましくは27μm以下、更に好ましくは25μm以下であってよい。
3.端面切削加工:
本発明の成形体は、その端面に切削加工、例えば、所謂R面切削加工(図3(a))や所謂C面切削加工(図3(b))が施され、端部が面取りされた形状を有するものであってよい。上記端部が面取りされた形状を有する成形体を生産する方法としては、例えば、先ず上記基体の端部を切削加工し、次に端部を切削加工された基体の表面の上に第2ハードコートを形成し、続いて形成された第2ハードコートの面の上に第1ハードコートを形成する方法;先ず上記基体の表面の上に第2ハードコートを形成し、次に得られた第2ハードコート形成体の端部を切削加工し、続いて得られた切削加工体の表面の上に第1ハードコートを形成する方法;及び先ず上記基体の表面の上に第2ハードコートを形成し、次に形成された第2ハードコートの面の上に第1ハードコートを形成し、続いて得られた成形体の端部を切削加工する方法などをあげることができる。3番目の方法の場合には、成形体の端部を切削加工した後、更に任意の塗料を用い、ディップコートなどの方法を使用して、切削加工面に塗膜を形成してもよい。本発明の成形体の表面を形成する第1ハードコートは良好な撥水性を有するため、上記塗膜を切削加工面のみに形成することは、容易である。即ち、成形体の端部を切削加工した後、特にマスキング等をすることなく、上記任意の塗料を用いてディップコートしたとしても、上記塗膜は切削加工面のみに形成されることを期待できる。上記任意の塗料としては、例えば、上述の第1ハードコート形成用や第2ハードコート形成用塗料をあげることができる。
4.本発明の成形体を含む物品:
本発明の成形体を含む物品としては、特に制限されないが、例えば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、電子レンジ、及びエアコンなどの家電製品の筐体;冷蔵庫、洗濯機、食器棚、及び衣装棚などの物品の、本体正面の開口を開閉する扉体の正面を構成するパネルや、本体平面の開口を開閉する蓋体の平面を構成するパネル;スマートフォン、タブレット端末、カーナビ、デジタルカメラ、及びパソコンなどの情報電子機器の筐体、及び曲面状ディスプレイ面板;自動車のインスツルメントパネル、及びシフトノブなどをあげることができる。
本発明の成形体を、スマートフォン、タブレット端末、カーナビ、及びパソコンなどの曲面状ディスプレイ面板などの透明性の要求される用途に用いる場合には、本発明の成形体の全光線透過率(JIS K 7361−1:1997に従い、日本電色工業株式会社の濁度計「NDH2000(商品名)」を用いて測定。)は好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上、更に好ましくは90%以上である。全光線透過率が85%以上であることにより、本発明の成形体は、曲面状ディスプレイ面板などとして好適に用いることができる。全光線透過率は高いほど好ましい。
本発明の成形体は、上記第1ハードコート表面の鉛筆硬度(JIS K 5600−5−4に従い、750g荷重の条件で、三菱鉛筆株式会社の鉛筆「ユニ(商品名)」を用いて測定。)が好ましくは5H以上、より好ましくは6H以上、更に好ましくは7H以上である。鉛筆硬度は高いほど好ましい。
本発明の成形体は、上記第1ハードコート表面の水接触角が好ましくは100度以上、より好ましくは105度以上である。上記第1ハードコート表面の水接触角が100度以上であることにより、撥水性、耐指紋性、及び防汚性が良好になる。水接触角の上限は特にないが、通常は120度程度で十分である。ここで水接触角は、下記実施例の試験(ハ)に従い測定した値である。
本発明の成形体は、好ましくは上記第1ハードコート表面の往復2万回綿拭後の水接触角が100度以上である。より好ましくは往復2万5千回綿拭後の水接触角が100度以上である。往復2万回綿拭後の水接触角が100度以上であることにより、ハンカチなどで繰返し拭かれたとしても、撥水性、耐指紋性、及び防汚性などの表面特性を維持することができる。水接触角100度以上を維持できる綿拭回数は多いほど好ましい。ここで綿拭後の水接触角は、下記実施例の試験(ニ)に従い測定した値である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
測定方法
下記(イ)〜(リ)の何れの試験も、特に規定しない限り、成形体の天頂の平坦部分から試験片を切り出して測定した。
(イ)全光線透過率:
JIS K 7361−1:1997に従い、日本電色工業株式会社の濁度計「NDH2000(商品名)」を用いて測定した。
(ロ)鉛筆硬度:
JIS K 5600−5−4に従い、750g荷重の条件で、三菱鉛筆株式会社の鉛筆「ユニ(商品名)」を用い、成形体の第1ハードコート面について測定した。
(ハ)水接触角:
成形体の第1ハードコート面を、KRUSS社の自動接触角計「DSA20(商品名)」を使用し、水滴の幅と高さとから算出する方法(JIS R 3257:1999を参照。)で測定した。
(ニ)耐擦傷性1(綿拭後の水接触角):
縦150mm、横50mmの大きさで、成形体の天頂の平坦部分から採取した試験片を、その第1ハードコートが表面になるようにJIS L 0849:2013の学振形試験機に置き、学振形試験機の摩擦端子に、4枚重ねのガーゼ(川本産業株式会社の医療用タイプ1ガーゼ)で覆ったステンレス板(縦10mm、横10mm、厚み1mm)を取付け、該ステンレス板の縦横面が試験片と接触するようにセットし、350g荷重を載せ、試験片の第1ハードコート面を、摩擦端子の移動距離60mm、速度1往復/秒の条件で往復1万回擦った後、上記(ハ)の方法に従い、当該綿拭箇所の水接触角を測定した。水接触角が100度以上であるときは、更に往復5千回擦った後、上記(ハ)の方法に従い、当該綿拭箇所の水接触角を測定する作業を繰り返し、以下の基準で評価した。
A:往復2万5千回後でも水接触角100度以上。
B:往復2万回後では水接触角100度以上だが、2万5千回後は100度未満。
C:往復1万5千回後では水接触角100度以上だが、2万回後は100度未満。
D:往復1万回後では水接触角100度以上だが、1万5千回後は100度未満。
E:往復1万回後で水接触角100度未満。
(ホ)耐擦傷性2(耐スチールウール性):
成形体の天頂の平坦部分から採取した試験片を、その第1ハードコートが表面になるようにJIS L 0849:2013の学振試験機に置いた。続いて、学振形試験機の摩擦端子に#0000のスチールウールを取り付けた後、500g荷重を載せ、試験片の表面を往復100回擦った後、当該摩擦箇所を目視観察した。傷が認められない場合には、更に往復100回擦った後、当該摩擦箇所を目視観察する作業を繰り返し、以下の基準で評価した。
A:往復500回後でも傷は認められない。
B:往復400回後では傷は認められないが、往復500回後には傷を認めることができる。
C:往復300回後では傷は認められないが、往復400回後には傷を認めることができる。
D:往復200回後では傷は認められないが、往復300回後には傷を認めることができる。
E:往復100回後では傷は認められないが、往復200回後には傷を認めることができる。
F:往復100回後で傷を認めることができる。
(ヘ)碁盤目試験(密着性):
JIS K 5600−5−6:1999に従い、成形体の第1ハードコート面側から碁盤目の切れ込みを100マス(1マス=1mm×1mm)入れた後、密着試験用テープを碁盤目へ貼り付けて指でしごいた後、剥がした。評価基準はJISの上記規格の表1に従った。
分類0:カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にも剥れがない。
分類1:カットの交差点における塗膜の小さな剥れ。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に5%を上回ることはない。
分類2:塗膜がカットの縁に沿って、及び/又は交差点において剥れている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に5%を超えるが15%を上回ることはない。
分類3:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大剥れを生じており、及び/又は目のいろいろな部分が、部分的又は全面的に剥れている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に15%を超えるが35%を上回ることはない。
分類4:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大剥れを生じており、及び/又は数箇所の目が、部分的又は全面的に剥れている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に35%を超えるが65%を上回ることはない。
分類5:剥れの程度が分類4を超える場合。
(ト)耐候性:
JIS B7753:2007に規定するサンシャインカーボンアーク灯式の耐候性試験機を使用し、JIS A5759:2008の表10の条件(但し、試験片は、縦125mm、横50mmの大きさで、成形体から採取したものをそのまま用い、ガラスへの貼り付けは行わなかった。)で、300時間の促進耐候性試験を行った。試験のN数は3とし、全ての試験で、透明樹脂積層体に膨れ、ひび割れ、及び剥がれ等の外観変化がない場合を合格(表には◎と記載した。)、それ以外は不合格(表には×と記載した。)とした。
(チ)ヘーズ:
JIS K 7136:2000に従い、日本電色工業株式会社の濁度計「NDH2000(商品名)」を用いて測定した。
(リ)2度視野に基づくXYZ表示系のY値:
株式会社島津製作所の分光光度計「SolidSpec−3700(商品名)」及び反射ユニット「絶対反射率測定装置 入射角5°(商品名)」を使用し、上記分光光度計の説明書に従い、5度正反射(積分球前に反射ユニットを設置する。)の条件で測定した。
使用した原材料
(A)多官能(メタ)アクリレート:
(A−1)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート。6官能。
(A−2)ペンタエリスリトールトリアクリレート。3官能。
(B)撥水剤:
(B−1)信越化学工業株式会社のアクリロイル基含有フルオロポリエーテル系撥水剤「KY−1203(商品名)」。固形分20質量%。
(B−2)ソルベイ(Solvay)社のメタクリロイル基含有フルオロポリエーテル系撥水剤「FOMBLIN MT70(商品名)」。固形分70質量%。
(C)シランカップリング剤:
(C−1)信越化学工業株式会社のN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン「KBM−602(商品名)」。
(C−2)信越化学工業株式会社のN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン「KBM−603(商品名)」。
(C−3)信越化学工業株式会社の3−アミノプロピルトリメトキシシラン「KBM−903(商品名)」。
(C−4)信越化学工業株式会社の3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン「KBM−802(商品名)」。
(C−5)信越化学工業株式会社の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン「KBM−403(商品名)」。
(D)平均粒子径 1〜300nmの無機微粒子:
(D−1)ビニル基を有するシランカップリング剤で表面処理された平均粒子径20nmのシリカ微粒子。
(E)レベリング剤:
(E−1)楠本化成株式会社のシリコン・アクリル共重合体系レベリング剤「ディスパロンNSH−8430HF(商品名)」。固形分10質量%。
(E−2)ビックケミー・ジャパン株式会社のシリコン・アクリル共重合体系レベリング剤「BYK−3550(商品名)」。固形分52質量%。
(E−3)ビックケミー・ジャパン株式会社のアクリル重合体系レベリング剤「BYK−399(商品名)」。固形分100質量%。
(E−4)楠本化成株式会社のシリコン系レベリング剤「ディスパロンLS−480(商品名)」。固形分100質量%。
(F)平均粒子径 0.5〜10μmの樹脂微粒子:
(F−1)モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社の真球状シリコン系樹脂微粒子「トスパール120(商品名)」。平均粒子径2μm。
(F−2)モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社の真球状シリコン系樹脂微粒子「トスパール130(商品名)」。平均粒子径3μm。
(F−3)綜研化学株式会社のアクリル系樹脂微粒子「MA−180TA(商品名)」。平均粒子径1.8μm。
(F−4)綜研化学株式会社のアクリル系樹脂微粒子「MX−80H3wT (商品名)」。平均粒子径0.5μm。
(F−5)東洋紡株式会社のアクリル系樹脂微粒子「FH−S010(商品名)」。平均粒子径10μm。
(G)任意成分:
(G−1)双邦實業股分有限公司のフェニルケトン系光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)「SB−PI714(商品名)」。
(G−2)1−メトキシ−2−プロパノール。
(H1)第1ハードコート形成用塗料:
(H1−1)上記(A−1)100質量部、上記(B−1)2質量部(固形分換算0.40質量部)、上記(B−2)0.06質量部(固形分換算0.042質量部)、上記(C−1)0.5質量部、上記(F−1)4質量部、及び上記(F−2)100質量部を混合攪拌して得た塗料。表1に配合表を示す。なお上記(B−1)と上記成分(B−2)については、表に固形分換算の値を記載している。
(H1−2〜2)配合を表1〜3の何れか1に示すように変更したこと以外は、上記(H1−1)と同様にして塗料を得た。
(H1’)参考第1ハードコート形成用塗料:
(H1’−1〜4)配合を表1に示すように変更したこと以外は、上記(H1−1)と同様にして塗料を得た。
(H2)第2ハードコート形成用塗料:
(H2−1)上記(A−2)100質量部、上記(D−1)140質量部、上記(E−1)2質量部(固形分換算0.2質量部)、上記(F−1)17質量部、及び上記(F−2)200質量部を混合攪拌して得た塗料。表4に配合表を示す。なお上記(E−1)及び上記(E−2)については、表に固形分換算の値を記載している。
(H2−2〜12)配合を表4又は表5に示すように変更したこと以外は、上記(H2−1)と同様にして塗料を得た。
(H2’)参考第2ハードコート形成用塗料:
(H2’−1、2)配合を表5に示すように変更したこと以外は、上記(H2−1)と同様にして塗料を得た。
(a)基体:
(a1−1)アクリル系樹脂シートを真空成形してなる基体1:
三菱瓦斯化学株式会社のアクリル系樹脂「Optimas6000(商品名)、ガラス転移温度119℃」を用い、押出機とTダイとを備える装置(図4参照)を使用して、Tダイから上記樹脂の溶融シートを連続的に押出し、回転する第一鏡面ロール(溶融シートを抱いて次の移送ロールへと送り出す側のロール。以下同じ。)と、回転する第二鏡面ロールとの間に、上記溶融シートを供給投入し、押圧して、厚さ1mmの透明樹脂シートを得た。このときの設定条件は、第一鏡面ロールの設定温度120℃、第二鏡面ロールの設定温度110℃、Tダイ出口の樹脂温度300℃であった。得られた樹脂シートの全光線透過率は92%、ヘーズは0.5%、黄色度指数は0.3、及び引張弾性率は3400MPaであった。続いて、得られた樹脂シートを用い、真空成形法を使用し、上述のようにして、図1(図1(a)は平面図、図1(b)は側面図。基体の楕円形状を有する天頂平坦部の長軸長さ1は20cm、楕円形状を有する端部の長軸長さ2は30cm、楕円形状を有する天頂平坦部の短軸長さ3は10cm、楕円形状を有する端部の短軸長さ4は20cm、及び端部から天頂部までの高さ5は5cm。以下、同じ。)の形状の基体を成形した。このとき空間9の圧力は1.0×10−3KPaであった。
(a1−2)アクリル系樹脂シートを真空成形してなる基体2:
エボニック社のポリ(メタ)アクリルイミド系樹脂「PLEXIMID TT50(商品名)、ガラス転移温度154℃」を用い、押出機とTダイとを備える装置を使用して、Tダイから上記樹脂の溶融シートを連続的に押出し、回転する第一鏡面ロールと、回転する第二鏡面ロールとの間に、上記溶融シートを供給投入し、押圧して、厚さ1mmの透明樹脂シートを得た。このときの設定条件は、第一鏡面ロールの設定温度140℃、第二鏡面ロールの設定温度120℃、Tダイ出口の樹脂温度300℃であった。得られた透明樹脂シートの全光線透過率は92%、ヘーズは0.5%、黄色度指数は0.3、及び引張弾性率は4300MPaであった。続いて、得られた樹脂シートを用い、真空成形法を使用し、上述のようにして、図1の形状の基体を成形した。このとき空間9の圧力は1.0×10−3KPaであった。
(a2−1)芳香族ポリカーボネート系樹脂シート:
住化スタイロンポリカーボネート株式会社の芳香族ポリカーボネート「カリバー301−4(商品名)、ガラス転移温度151℃」を用い、押出機とTダイとを備える装置を使用して、Tダイから上記樹脂の溶融シートを連続的に押出し、回転する第一鏡面ロールと、回転する第二鏡面ロールとの間に、上記溶融シートを供給投入し、押圧して、厚さ1mmの透明樹脂シートを得た。このときの設定条件は、第一鏡面ロールの設定温度140℃、第二鏡面ロールの設定温度120℃、Tダイ出口の樹脂温度300℃であった。得られた透明樹脂シートの全光線透過率は90%、ヘーズは0.6%、黄色度指数は0.5、及び引張弾性率は2300MPaであった。続いて、得られた樹脂シートを用い、真空成形法を使用し、上述のようにして、図1の形状の基体を成形した。このとき空間9の圧力は1.0×10−3KPaであった。
(a3−1)ポリエステル系樹脂シート1:
イーストマンケミカルカンパニー社の非結晶性ポリエステル系樹脂(PETG樹脂)「Cadence GS1(商品名)、ガラス転移温度81℃」を用い、押出機とTダイとを備える装置を使用して、Tダイから上記樹脂の溶融シートを連続的に押出し、回転する第一鏡面ロールと、回転する第二鏡面ロールとの間に、上記溶融シートを供給投入し、押圧して、厚さ1mmの透明樹脂シートを得た。このときの設定条件は、第一鏡面ロールの設定温度80℃、第二鏡面ロールの設定温度40℃、Tダイ出口の樹脂温度200℃であった。得られた透明樹脂シートの全光線透過率は89%、ヘーズは1.3%、黄色度指数は0.4、及び引張弾性率は1500MPaであった。続いて、得られた樹脂シートを用い、真空成形法を使用し、上述のようにして、図1の形状の基体を成形した。このとき空間9の圧力は1.0×10−3KPaであった。
(a3−2)ポリエステル系樹脂シート2:
イーストマンケミカルカンパニー社の非結晶性ポリエステル系樹脂「トライタンFX200(商品名)、ガラス転移温度119℃」を用い、押出機とTダイとを備える装置を使用して、Tダイから上記樹脂の溶融シートを連続的に押出し、回転する第一鏡面ロールと、回転する第二鏡面ロールとの間に、上記溶融シートを供給投入し、押圧して、厚さ1mmの透明樹脂シートを得た。このときの設定条件は、第一鏡面ロールの設定温度80℃、第二鏡面ロールの設定温度40℃、Tダイ出口の樹脂温度230℃であった。得られた透明樹脂シートの全光線透過率は90%、ヘーズは1.2%、黄色度指数は0.4、及び引張弾性率は1500MPaであった。続いて、得られた樹脂シートを用い、真空成形法を使用し、上述のようにして、図1の形状の基体を成形した。このとき空間9の圧力は1.0×10−3KPaであった。
(a4−1)積層シート1:
押出機とTダイとを備える2種3層マルチマニホールド方式の共押出製膜装置を使用し、三菱瓦斯化学株式会社のアクリル系樹脂「Optimas7500(商品名)、ガラス転移温度119℃」を両外層とし、住化スタイロンポリカーボネート株式会社の芳香族ポリカーボネート「カリバー301−4(商品名)、ガラス転移温度151℃」を中間層とする溶融積層シートをTダイから連続的に押出し、回転する第一鏡面ロールと、回転する第二鏡面ロールとの間に、上記溶融積層シートを供給投入し、押圧して、全厚み1mm、両外層の厚み0.1mm、中間層の厚み0.8mmの透明樹脂シートを得た。このときの設定条件は、第一鏡面ロールの設定温度120℃、第二鏡面ロールの設定温度110℃、Tダイ出口の樹脂温度300℃であった。得られた透明樹脂シートの全光線透過率は91%、ヘーズは0.6%、黄色度指数は0.5、及び引張弾性率は2600MPaであった。続いて、得られた樹脂シートを用い、真空成形法を使用し、上述のようにして、図1の形状の基体を成形した。このとき空間9の圧力は1.0×10−3KPaであった。
(a5−1)ABS/PCアロイ樹脂を射出成形してなる基体:
テクノポリマー株式会社製のABS/PCアロイ樹脂「エクセロイCK50(商品名)」を用い、100トン射出成型機を使用し、シリンダー温度260℃、金型温度70℃、射出速度250mm/sec、及び保持圧50MPaの条件で、熱可塑性樹脂製の基体を射出成型した。
例1
上記(a1−1)の凸側の面の上に、ディップコート方式を使用し、上記(H2−1)からなるハードコートを硬化後厚み22μmとなるように形成した。次に上記で形成したハードコートの面の上に、ディップコート方式を使用し、上記(H1−1)からなるハードコートを硬化後厚み2μmとなるように形成した。得られた成形体について、上記試験(イ)〜(ト)を行った。結果を表6に示す。
例2〜12、例1C〜4C
上記(H1−1)の替わりに表6〜8の何れか1に示す塗料を用いたこと以外は、全て例1と同様に行った。結果を表6〜8の何れか1に示す。
例13〜23、例5C、6C
上記(H2−1)の替わりに表8〜10の何れか1に示す塗料を用いたこと以外は、全て例1と同様に行った。結果を表8〜10の何れか1に示す。
例24〜28
上記(a1−1)の替わりに表10に示す基体を用いたこと以外は、全て例1と同様に行った。結果を表10に示す。
例29
上記(a1−1)の替わりに表10に示す基体(上記(a5−1))を用いたこと以外は、全て例1と同様に行った。結果を表10に示す。なお上記(a5−1)は、不透明な基体であるため、上記試験(イ)と上記試験(チ)は省略した。
例30〜33
第1ハードコートの硬化後厚みを、表11に示すように変更したこと以外は、全て例1と同様に行った。結果を表11に示す。
例34〜37
第2ハードコートの硬化後厚みを、表11又は表12に示すように変更したこと以外は、全て例1と同様に行った。結果を表11又は表12に示す。
例38〜47
上記(H1−1)の替わりに表12又は表13に示す塗料を用いたこと以外は、全て例1と同様に行った。結果を表12又は表13に示す。
本発明の好ましい成形体は、表面硬度、及び耐擦傷性に優れる。また耐候性、及びハードコートの密着性も良好である。
実施例で作成した基体を示す平面図と側面図である。 真空成形法を説明する図である。 端面加工の例を示す断面図である。 実施例において樹脂シートの製造に使用した装置の概念図である。
1:楕円形状を有する天頂平坦部の長軸長さ
2:楕円形状を有する端部の長軸長さ
3:楕円形状を有する天頂平坦部の短軸長さ
4:楕円形状を有する端部の短軸長さ
5:端部から天頂部までの高さ
6:樹脂シート
7:赤外線ヒーター
8:成形型
9:樹脂シート6と成形型8との間の空間
10:基体
11:溶融樹脂シート
12:Tダイ
13:第一鏡面ロール
14:第二鏡面ロール

Claims (18)

  1. 成形体であって、
    樹脂製の基体を有し;
    上記基体は、その表面の一部又は全部がハードコートで被覆されており;
    上記ハードコートは、表面側から順に第1ハードコートの層、及び第2ハードコートの層を有し;
    上記第1ハードコートは、
    (A)多官能(メタ)アクリレート 100質量部;
    (B)撥水剤 0.01〜7質量部;及び
    (C)シランカップリング剤 0.01〜10質量部;
    を含み、かつ無機粒子を含まない塗料からなり;
    上記第2ハードコートは、
    (A)多官能(メタ)アクリレート 100質量部;及び
    (D)平均粒子径 1〜300nmの無機微粒子 50〜300質量部;
    を含む塗料からなる成形体。
  2. 上記(C)シランカップリング剤が、アミノ基を有するシランカップリング剤、及びメルカプト基を有するシランカップリング剤からなる群から選択される1種以上を含む、請求項1に記載の成形体。
  3. 上記(B)撥水剤が、(メタ)アクリロイル基含有フルオロポリエーテル系撥水剤を含む、請求項1又は2に記載の成形体。
  4. 上記第2ハードコートを形成する塗料が、更に(E)レベリング剤 0.01〜1質量部;を含む、請求項1〜3の何れか1項に記載の成形体。
  5. 上記第1ハードコートを形成する塗料が、更に(F)平均粒子径 0.5〜10μmの樹脂微粒子 0.01〜15質量部;を含む、請求項1〜4の何れか1項に記載の成形体。
  6. 上記第1ハードコートの厚みが、0.5〜5μmである、請求項1〜5の何れか1項に記載の成形体。
  7. 上記第2ハードコートの厚みが、5〜30μmである、請求項1〜6の何れか1項に記載の成形体。
  8. 下記、(イ)及び(ロ)を満たす請求項1〜7の何れか1項に記載の成形体。
    (イ)全光線透過率が85%以上。
    (ロ)上記第1ハードコート表面の鉛筆硬度が5H以上。
  9. 下記、(ハ)及び(ニ)を満たす請求項1〜8の何れか1項に記載の成形体。
    (ハ)上記第1ハードコート表面の水接触角が100度以上。
    (ニ)上記第1ハードコート表面の往復2万回綿拭後の水接触角が100度以上。
  10. 上記基体が三次元形状を有する請求項1〜の何れか1項に記載の成形体。
  11. 端部が面取りされた形状を有する請求項1〜10の何れか1項に記載の成形体。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載の成形体を含む物品。
  13. 請求項1〜11の何れか1項に記載の成形体を生産する方法であって、
    (1a)樹脂シートを三次元成形し、上記基体を生産する工程;
    (2)上記工程(1a)で得た上記基体の表面の一部又は全部に、上記第2ハードコートを形成する工程;及び、
    (3)上記工程(2)で形成された上記第2ハードコートの面の上に、上記第1ハードコートを形成する工程;
    を含む方法。
  14. 上記樹脂シートが、その面の上に全面的に又は部分的に、意匠性を付与するための層を有する、請求項13に記載の方法。
  15. 上記樹脂シートが、その面の上に全面的に又は部分的に、印刷層を有する、請求項13又は14に記載の方法。
  16. 請求項1〜11の何れか1項に記載の成形体を生産する方法であって、
    (1b)熱可塑性樹脂を成形し、上記基体を生産する工程;
    (2)上記工程(1b)で得た上記基体の表面の一部又は全部に、上記第2ハードコートを形成する工程;及び、
    (3)上記工程(2)で形成された上記第2ハードコートの面の上に、上記第1ハードコートを形成する工程;
    を含む方法。
  17. 請求項1〜11の何れか1項に記載の成形体を生産する方法であって、
    (1c)硬化性樹脂を成型し、上記基体を生産する工程;
    (2)上記工程(1c)で得た上記基体の表面の一部又は全部に、上記第2ハードコートを形成する工程;及び、
    (3)上記工程(2)で形成された上記第2ハードコートの面の上に、上記第1ハードコートを形成する工程;
    を含む方法。
  18. 請求項12に記載の物品を生産する方法であって、
    請求項13〜17の何れか1項に記載の方法により成形体を生産する工程;及び
    (4)上記工程で得た成形体を使用して物品を生産する工程;
    を含む方法。
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