JP6624865B2 - スパイラルダイおよびシームレスチューブの成形方法 - Google Patents
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近年、電子写真画像の高画質化に伴って、中間転写ベルトに用いられるシームレスチューブには、電気抵抗値のより一層の均一性が求められてきている。
特許文献1には、円周方向に均一な電気抵抗分布を有するシームレスチューブを、低コストで且つ大量に製造する方法を提供することを目的とした発明が開示されている。具体的には、所定の導電性を有する熱可塑性樹脂塑性物を押出機に装着した環状ダイよりチューブ状に溶融押出して冷却固化させた後、チューブ状を維持した状態で連続的に引き取ってシームレスチューブが成形される。このとき、冷却固化後のチューブ状体の引き取り方向に直交する円周上の体積電気抵抗又は表面電気抵抗が測定される。そして、この測定値に基づいて溶融押出しチューブの少なくとも2以上の円周方向位置における温度を、その温度を部分的に制御すべく配設された温度制御装置により調整するシームレスチューブの製造方法が開示されている。
マンドレルと、該マンドレルの外周面を囲む内周面を有するダイボディと、
該外周面および該内周面の間に形成された流路と、
該外周面および該内周面の一方に形成された螺旋状の溝と、を備え、
該流路を熱可塑性材料が流動するスパイラルダイであって、
該溝に沿って流動する該熱可塑性材料であるスパイラルフロー成分と、互いに隣接する該溝の間である溝間部を流動する該熱可塑性材料であるリークフロー成分とに温度差を生じさせる温度制御機構をさらに備え、
該温度制御機構は、該溝の底部の温度を変化させる溝温度制御手段を有し、
該溝温度制御手段は、該溝の底部と、該溝が形成されたマンドレルまたはダイボディにおいて、該溝が形成された外周面または内周面とは反対側の面との間に設けられるヒータであり、
該ヒータは、該溝に沿って螺旋状に設けられているスパイラルダイが提供される。
本発明の第二の態様によれば、
マンドレルと、該マンドレルの外周面を囲む内周面を有するダイボディと、
該外周面および該内周面の間に形成された流路と、
該外周面および該内周面の一方に形成された螺旋状の溝と、を備え、
該流路を熱可塑性材料が流動するスパイラルダイであって、
該溝に沿って流動する該熱可塑性材料であるスパイラルフロー成分と、互いに隣接する該溝の間である溝間部を流動する該熱可塑性材料であるリークフロー成分とに温度差を生じさせる温度制御機構をさらに備え、
該温度制御手段は、該溝が形成されたマンドレルまたはダイボディにおいて、該溝が形成された外周面または内周面とは反対側の面の温度を制御する表面温度制御手段と、該溝間部と該反対側の面との間を断熱する断熱部とを有するスパイラルダイが提供される。
マンドレルと、該マンドレルの外周面を囲む内周面を有するダイボディと、該外周面および該内周面の間に形成された流路と、該外周面および該内周面の一方に形成された螺旋状の溝とを備えたスパイラルダイにおける該流路に熱可塑性材料を流動させるステップと、
該溝に沿って流動する該熱可塑性材料であるスパイラルフロー成分と、互いに隣接する該溝の間である溝間部を流動する該熱可塑性材料であるリークフロー成分とに温度差を生じさせるステップと、
該流路から該熱可塑性材料をシームレスチューブとして引き取るステップと、を含むシムレスチューブの成形方法であって、
該スパイラルダイが、上記したスパイラルダイである、シームレスチューブの成形方法が提供される。
図1は、本発明の一実施形態のスパイラルダイを示す縦断面図である。図1に示すスパイラルダイ100は、熱可塑性材料である樹脂を押し出して円筒形状のシームレスチューブを成形する円筒押出成形用のダイである。樹脂には、導電性を付与するために、導電性フィラーが添加されている。
図1に示すようにスパイラルダイ100は、コンバータ1と、スパイラルマンドレル2と、ダイボディ3と、内リップ4と、外リップ5とを備える。
コンバータ1は、溶融(可塑化)された樹脂である溶融樹脂を押し出す押出機200からの溶融樹脂をスパイラルマンドレル2に供給する。具体的には、コンバータ1は、円筒形状の部材であり、その内部に、溶融樹脂が流動する導入路10aを備える。導入路10aの入口は、コンバータ1の外周面に設けられ、押出機200における溶融樹脂が押し出される押出出口200aと連通可能である。図1の例では、コンバータ1の導入路10aの入口が押出出口200aと連通している状態が示されている。導入路10aの出口は、コンバータ1の下面に設けられている。
コンバータ1の下面には、スパイラルマンドレル2が接続されている。スパイラルマンドレル2は、径が異なる2つの円筒形状の部材が上下に接続されたような形状を有する。スパイラルマンドレル2の上部の径はコンバータの径と等しい。スパイラルマンドレル2は、コンバータ1の外周面とスパイラルマンドレル2の外周面とに段差が生じないようにコンバータ1と接続される。スパイラルマンドレル2の下部の径は上部の径よりも小さく、中空円筒形状を有する。
スパイラルマンドレル2は、シームレスチューブの内側を成形するマンドレルであって、その内部に、溶融樹脂が流動する複数の導入路10bを備える。複数の導入路10bの入口は、共通化されてコンバータ1内の導入路10aの出口と連通される。スパイラルマンドレル2の下部の外周面には、螺旋状の溝であるスパイラル溝2aが複数条形成されている。スパイラルマンドレル2の下部の外周面を囲むように、中空円筒形状のダイボディ3が設けられる。ダイボディ3は、スパイラルマンドレル2の下部の外周面とダイボディ3の内周面との間に環状のスリットが流路10cとして形成されるように配置される。流路10cは、スパイラル溝2aで区画される。スパイラルマンドレル2の複数の導入路10bのそれぞれの出口は、流路10cと連通される。
なお、スパイラル溝2aは、本実施形態では、スパイラルマンドレル2の外周面に形成されていたが、実際には、スパイラルマンドレル2の外周面とダイボディ3の内周面の一方に形成されればよい。
スパイラルマンドレル2の下面に内リップ4が接続され、ダイボディ3の下面に外リップ5が接続される。内リップ4および外リップ5は、互いに径が異なる中空円筒形状の部材であり、内リップ4の外周面と外リップ5の内周面との間に環状のスリットが流路10dとして形成されるように配置される。流路10dの入口は、スパイラルマンドレル2とダイボディ3との間に形成された流路10cの出口と連通し、流路10dの出口は、下向きに配置される。
以上の構成により、押出機200から押し出された溶融樹脂は、導入路10a〜10dを流動して導入路10dの出口からシームレスチューブとなって押し出される。図1の例では、シームレスチューブを冷却する冷却用マンドレル300がシームレスチューブの内側に位置するように設けられたインサイドサイジング方式のスパイラルダイ100が示されている。
全体用ヒータ11a〜11eは、鋳込みヒータであり、スパイラルダイ100全体の温度を制御する全体温度制御手段である。具体的には、コンバータ1の外周面およびスパイラルマンドレル2の上部の外周面に全体用ヒータ11eが配置され、スパイラルマンドレル2の内周面に全体用ヒータ11bが配置される。また、ダイボディ3の外周面に全体用ヒータ11cが配置され、内リップ4の内周面に全体用ヒータ11dが配置され、外リップ5の外周面に鋳込み全体用ヒータ11dが配置される。
全体用熱電対12a〜12dは、全体用ヒータ11a〜11eが配置される部材(コンバータ1、スパイラルマンドレル2、ダイボディ3、内リップ4、外リップ5)の一部または全部に設けられ、設けられた箇所の温度を測定する全体測定部である。図1の例では、全体用熱電対12aおよび12bがスパイラルマンドレル2に設けられ、全体用熱電対12cがダイボディ3に設けられ、全体用熱電対12dが外リップ5に設けられる。
溝用ヒータ21は、スパイラル溝2aの底部2dの温度を変化させる溝温度制御手段である。溝用ヒータ21は、スパイラル溝2aに沿って螺旋状に配置されている。より具体的には、溝用ヒータ21は、スパイラル溝2aの底部2dと、スパイラル溝2aが形成されたスパイラルマンドレル2の外周面とは反対側の面であるスパイラルマンドレル2の内周面との間に設けられる。溝用熱電対22は、スパイラル溝2aの近傍に設けられ、設けられた箇所の温度を測定する溝用測定部である。
本願発明者らは、研究により、スパイラル溝2aで区画される流路10cにおける溶融樹脂の滞留時間にバラツキ(分布)が生じ、そのバラツキがシームレスチューブの円周方向における電気抵抗値の不均一に影響を与えることを見出した。
具体的には、流路10cを流れる溶融樹脂は、2つの流動成分に分けられる。第1の流動成分は、スパイラル溝2aに沿って流動するスパイラルフロー成分であり、第2の流動成分は、スパイラル溝2aの互いに隣接する溝間部である溝フライト2bを流動するリークフロー成分である。スパイラルフロー成分は、スパイラル溝2aに沿って流動するため、リークフロー成分と比較すると、流路10cに滞留している時間は長くなる。このため、流路10cにおける溶融樹脂の滞留時間にバラツキが生じ、その結果、シームレスチューブの円周方向における電気抵抗値の不均一が生じる。
したがって、このスパイラルフロー成分とリークフロー成分の速度関係を適切に制御することで、流路10cを流れる溶融樹脂の滞留時間を均一化することが可能になり、シームレスチューブの円周方向における電気抵抗値を均一化することが可能になる。
溶融樹脂では、一般的に温度が高いほど、粘度が低くなり流動しやすくなる。このため、スパイラルフロー成分とリークフロー成分に温度差を生じさせることで、スパイラルフロー成分とリークフロー成分の速度関係を制御することができる。
そこで本実施形態では、温度制御機構が、制御部30により制御されることで、スパイラルフロー成分とリークフロー成分とに温度差を生じさせる。具体的には、温度制御機構は、スパイラルフロー成分の温度をリークフロー成分の温度よりも高くする。このとき、温度制御機構は、溶融樹脂の温度を、樹脂の融点以上、つまり可塑性が生じる最低温度である可塑化温度以上、かつ、樹脂に熱分解が生じる最低温度である熱分解温度以下の範囲に収めることが望ましい。なお、樹脂の温度が熱分解温度よりも高くなると、樹脂が熱劣化を引き起こしやすくなり、その結果、ブツが発生するなどして、生成されたシームレスチューブの品質が劣化する可能性がある。
また、樹脂に添加される導電性フィラーとしては、カーボンブラック、グラファイト、カーボン繊維、金属粉、導電性金属酸化物、有機金属化合物、有機金属塩および導電性高分子などが望ましい。また、導電性フィラーは、これらの化合物でもよい。
実施例1として、実施形態で説明したスパイラルダイ100を以下のように作成した。
図3は、本実施例のスパイラルダイ100のスパイラルマンドレル2の正面図である。図3に示すスパイラルマンドレル2は、8条(溝数が8個)のスパイラル溝2aを有する。また、スパイラルマンドレル2の下端部に設けられるマニホールド2eの数は1つである。
図4は、本実施例のスパイラルダイ100のスパイラル溝2aの形状をより詳細に説明するための断面図である。図4に示すように、スパイラルマンドレル2の形状は以下の通りである。つまり、スパイラルマンドレルの下部の直径であるマンドレル径(A)は、290mm、導入路10bの直径である導入路径(B)は、9mmである。スパイラル溝2aが形成された箇所の長さ(C)は96mm、スパイラル溝2aの溝幅(D)は9mm、スパイラル溝2aの最も深い溝の深さである初期溝深さ(E)は、8.5mmである。スパイラル溝2aの終端部におけるスパイラルマンドレル2とダイボディ3との間隙の幅であるクリアランス(F)が1.5mmである。また、内リップ4の直径である内リップ径がφ287であり、外リップ5の直径である外リップ径が289.4mmである。
図5の例では、スパイラルマンドレル2の下部の外周面には、8条のスパイラル溝2aが形成されている。スパイラルマンドレル2は、外側マンドレル2fと内側マンドレル2gとが嵌合された構成を有し、溝用ヒータ21は、外側マンドレル2fと内側マンドレル2gとの間に設けられる。本実施形態では、外側マンドレル2fと内側マンドレル2gはそれぞれテーパ形状を有し、それらのテーパ形状が互いに嵌合された構成を有する。溝用ヒータ21は、スパイラル溝2aごとに、スパイラル溝2aの底部2dからスパイラルマンドレル2の内周面に向かって5mmの位置に、スパイラル溝2aに沿って螺旋状に配置されている。
スパイラルマンドレル2の外周面に形成されたスパイラル溝2aに対向し、溝フライト2bとの間に間隙2cを有するように、円筒形状の内周面を有するダイボディ3が配置されることで、流路10cが形成されている。
溝用熱電対22は、外側マンドレル2fにおける溝用ヒータ21から軸方向入口側(図中の上向き)に5mm離れた位置に配置されている。全体用ヒータ11a〜11cが第1の実施形態と同様に配置され、全体用ヒータ11a〜11cを制御するために、全体用熱電対12a〜12cが配置されている。
なお、溝用ヒータ21は、電熱線を用いたヒータでも良いし、電熱線を用いないヒータでもよい。電熱線を用いないヒータとしては、スパイラル溝2aに沿って螺旋状に配管を配置し、その配管内部に温調油や他の加熱用流体を流動させたものなどが挙げられえる。
また、全体用ヒータ11a〜11cを用いて溝フライト2cの温度である溝フライト温度を、樹脂の融点である360℃とし、溝用ヒータ21を用いてスパイラル溝2aの底部2dの温度である溝底部温度を、樹脂の分解点温度である380℃とした。これにより、スパイラルフロー成分とリークフロー成分との温度差を約20℃とした。また、押出機200からスパイラルダイ100への供給する樹脂の量である樹脂流入量を6kg/hとする。なお、溝フライト温度や溝底部温度は、使用する樹脂の物性などに応じて適宜設定される。
先ず、樹脂を2軸混錬押出機に供給し、2軸混錬押出機のシリンダ温度を、樹脂の融点以上、かつ、樹脂の熱分解温度以下である380℃に設定した。そして、2軸混錬押出機を用いて、樹脂を混錬しつつ、溶融押出法で成形し、その成形した樹脂を裁断してペレット材料として作製した。
その後、シリンダ温度を380℃に設定した1軸スクリュー押出機に、作製したペレット材料を供給して溶融した。その溶融したペレット材料である溶融樹脂をスパイラルダイ100に供給し、スパイラルダイ100の下方からチューブ形状に押し出して、シームレスチューブとして成形した。このとき、スパイラルダイ100の出口における樹脂の移動速度である引取速度を調整して、樹脂をシームレスチューブの軸方向に延伸し、樹脂の厚みをほぼ150μmにした。
図6は、本発明の実施例2のスパイラルダイ100の断面図である。具体的には、図6は、スパイラル溝2a周辺のスパイラルダイ100の縦断面図である。
図6に示すスパイラルダイ100では、図5に示した実施例1のスパイラルダイと比較して、スパイラル溝2aの配置が異なる。具体的には、図6に示すスパイラルダイ100では、8条のスパイラル溝2aがダイボディ3の内周面に形成されている。
ダイボディ3は、外側ダイボディ3aと内側ダイボディ3bとが嵌合された構成を有し、溝用ヒータ21は、外側ダイボディ3aと内側ダイボディ3bとの間に設けられる。本実施形態では、外側ダイボディ3aと内側ダイボディ3bはそれぞれテーパ形状を有し、それらのテーパ形状が互いに嵌合された構成を有する。
溝用ヒータ21は、スパイラル溝2aの底部2dと、スパイラル溝2aが形成されたダイボディ3の内周面とは反対側の面であるダイボディ3の外周面との間に設けられる。より具体的には、溝用ヒータ21は、スパイラル溝2aごとに、スパイラル溝2aの底部2dからダイボディ3の外周面に向かって5mmの位置に、スパイラル溝2aに沿って螺旋状に配置されている。
内側ダイボディ3bの内周面に形成されたスパイラル溝2aに対向し、溝フライト2bとの間に間隙2cを有するように、スパイラルマンドレル2とダイボディ3が配置されることで、流路10cが形成される。
溝用熱電対22は、内側ダイボディ3bにおける溝用ヒータ21から内側ダイボディ3bの軸方向入口側に5mm離れた位置に配置されている。全体用ヒータ11a〜11cが第1の実施形態と同様に配置され、全体用ヒータ11a〜11cを制御するために、全体用熱電対12a〜12cが配置されている。
図7は、本発明の実施例3のスパイラルダイ100の断面図である。具体的には、図7は、スパイラル溝2a周辺のスパイラルダイ100の縦断面図である。
図7に示すスパイラルダイ100では、図5に示した実施例1のスパイラルダイと比較して、溝用ヒータ21の代わりに、断熱溝23を備える。
断熱溝23は、溝フライト2bと、スパイラル溝2aが形成されたスパイラルマンドレル2の外周面とは反対側の面であるスパイラルマンドレル2の内周面との間を断熱する断熱部である。
具体的には、断熱溝23は、溝フライト2bとスパイラルマンドレル2の内周面との間に、スパイラル溝2aに沿って螺旋状に配置される空隙である。より具体的には、断熱溝23は、スパイラル溝2aごとに、スパイラル溝2aの溝フライト2bからスパイラルマンドレル2の内周面に向かって5mmの位置に、スパイラル溝2aに沿って螺旋状に配置されている。断熱溝23の幅は5mmである。
上記構成の場合、スパイラル溝2aの溝フライト2bは、断熱溝23を介し、スパイラルマンドレル2の内周面に設けられた全体用ヒータ11bにて加熱される。また、スパイラル溝2aの底部2dは、断熱溝23を介さずに全体用ヒータ11bにて加熱されることとなる。したがって、断熱溝23による断熱の作用により、溝フライト2bよりも底部2dの方をより効率的に加熱することが可能になる。また、溝用ヒータ21を用いずに、全体用ヒータ11a〜11cだけで、スパイラルフロー成分とリークフロー成分に温度差を生じさせることが可能になる。なお、断熱溝23に、流体を流動させる構造でもよい。
なお、本実施例では、全体用ヒータ11bは、スパイラル溝2aが形成されたスパイラルマンドレル2の外周面とは反対側の内周面の温度を制御する表面温度制御手段である。また、実施例2のようにスパイラル溝2aがダイボディ3の内周面に形成されている場合、断熱溝23は、溝フライト2bとダイボディ3の外周面との間に設けられ、溝フライト2bとダイボディ3の外周面との間を断熱する。この場合、ダイボディ3の外周面に設けられた全体用ヒータ11cが表面温度制御手段となる。
成形されたシームレスチューブの表面電気抵抗率の最大値は、6×1011Ω/□であり、その最小値は1×1011Ω/□であった。この場合、シームレスチューブの表面電気抵抗率の最大値と最小値の比は6倍である。
実施例1と同じ形状のスパイラルダイを用いて、溝用ヒータ21を使用せずに、全体用ヒータ11a〜11eだけを用いて溝底部温度および溝フライト温度を共に380℃とした。この場合、成形されたシームレスチューブの表面電気抵抗率の最大値は、1×1012Ω/□であり、その最小値は1×1011Ω/□であった。この場合、シームレスチューブの表面電気抵抗率の最大値と最小値の比は10倍であり、実施例1〜3の例よりも大きい。したがって、実施例1〜3では、電気抵抗値分布がより均一になっていることが分かる。
例えば、温度制御機構は、全体用ヒータ11a〜11eおよび溝用ヒータ21の一部または全部の代わりに、冷却装置を備えていてもよい。
2a スパイラル溝
3 ダイボディ
11b、11c 全体用ヒータ
10c 流路
21 溝用ヒータ
23 断熱部
100 スパイラルダイ
Claims (8)
- マンドレルと、該マンドレルの外周面を囲む内周面を有するダイボディと、
該外周面および該内周面の間に形成された流路と、
該外周面および該内周面の一方に形成された螺旋状の溝と、を備え、
該流路を熱可塑性材料が流動するスパイラルダイであって、
該溝に沿って流動する該熱可塑性材料であるスパイラルフロー成分と、互いに隣接する該溝の間である溝間部を流動する該熱可塑性材料であるリークフロー成分とに温度差を生じさせる温度制御機構をさらに備え、
該温度制御機構は、該溝の底部の温度を変化させる溝温度制御手段を有し、
該溝温度制御手段は、該溝の底部と、該溝が形成されたマンドレルまたはダイボディにおいて、該溝が形成された外周面または内周面とは反対側の面との間に設けられるヒータであり、
該ヒータは、該溝に沿って螺旋状に設けられていることを特徴とするスパイラルダイ。 - 前記温度制御機構は、前記スパイラルフロー成分の温度を前記リークフロー成分の温度よりも高くするものである請求項1に記載のスパイラルダイ。
- 前記温度制御機構は、前記熱可塑性材料の温度を、前記熱可塑性材料に可塑性が生じる最低温度である可塑化温度以上、かつ、前記熱可塑性材料に熱分解が生じる熱分解温度以下の範囲に収めつつ、前記温度差を生じさせるものである請求項1または2に記載のスパイラルダイ。
- マンドレルと、該マンドレルの外周面を囲む内周面を有するダイボディと、
該外周面および該内周面の間に形成された流路と、
該外周面および該内周面の一方に形成された螺旋状の溝と、を備え、
該流路を熱可塑性材料が流動するスパイラルダイであって、
該溝に沿って流動する該熱可塑性材料であるスパイラルフロー成分と、互いに隣接する該溝の間である溝間部を流動する該熱可塑性材料であるリークフロー成分とに温度差を生じさせる温度制御機構をさらに備え、
該温度制御手段は、該溝が形成されたマンドレルまたはダイボディにおいて、該溝が形成された外周面または内周面とは反対側の面の温度を制御する表面温度制御手段と、該溝間部と該反対側の面との間を断熱する断熱部とを有することを特徴とするスパイラルダイ。 - 前記断熱部は、前記溝間部と前記反対側の面との間に設けられている空隙である請求項4に記載のスパイラルダイ。
- 前記断熱部は、前記溝に沿って螺旋状に設けられている請求項4または5に記載のスパイラルダイ。
- マンドレルと、該マンドレルの外周面を囲む内周面を有するダイボディと、該外周面および該内周面の間に形成された流路と、該外周面および該内周面の一方に形成された螺旋状の溝とを備えたスパイラルダイにおける該流路に熱可塑性材料を流動させるステップと、
該溝に沿って流動する該熱可塑性材料であるスパイラルフロー成分と、互いに隣接する該溝の間である溝間部を流動する該熱可塑性材料であるリークフロー成分とに温度差を生じさせるステップと、
該流路から該熱可塑性材料をシームレスチューブとして引き取るステップと、を含むシームレスチューブの成形方法であって、
該スパイラルダイが、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスパイラルダイである、ことを特徴とするシームレスチューブの成形方法。 - 前記温度差を生じさせるステップは
前記スパイラルダイの温度を測定するステップと、
前記温度に基づいて、前記スパイラルダイの温度を制御するステップと、を含むことを特徴とする請求項7に記載のシームレスチューブの成形方法。
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