JP6624115B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、前席と後席との相対位置が変更可能に前後方向に少なくとも2列のシートを有する車両において、少なくとも前席のシートバック背面に設けられるエアバッグ装置に関する。
車両における乗員保護ニーズが高まっており、乗員保護のために後席(後席)にもエアバッグを設ける動きがある。
後席用のエアバッグは、前席用のエアバッグと異なり、前方には通常、前後方向の位置を変更可能な前席があり、該前席のシートバックにエアバッグを設けると、前席を十分に後退させた場合には、エアバッグの展開位置が後席に着席する乗員(後席乗員)の近くになりすぎるなど、前席の位置によって保護性能が変化することになる。つまり、後席用のエアバッグは、前席の位置によらず後席乗員の一定の保護性能を確保する必要がある。
この課題を解決するためのエアバッグとして、特許文献1に例示されるような、側面視で中央に空洞部を有する環状のエアバッグが検討されている。
特許文献1のような側面視環状のエアバッグは、内部のガス圧(展開圧)を利用して乗員を受け止める際に、後席乗員が高圧のガスによって膨張するエアバッグに当接することにより受ける衝撃を、空洞部が潰れることで緩和することができ、後席乗員の保護性能を高めることができるとされている。
しかしながら特許文献1のエアバッグは、ベントホールを空洞部に臨ませて設けたものである。ベントホールをこのような部位に設けた構成においては、後席乗員に近い位置にてエアバッグが展開して空洞部が潰れた場合に、ベントホールが塞がれることでエアバッグ内のガスの外部へのスムーズな流出が阻害され、ベントホールが機能を果たさないおそれがある。
特開平6−344844号公報
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、側面視で中央に空洞を有するエアバッグにおいて、展開時に確実にベントホールが機能するエアバッグ装置の提供を目的とする。
この発明は、 前席と後席との相対位置が変更可能に前後方向に少なくとも2列のシートを有する車両において、少なくとも前記前席のシートバック背面に設けられるエアバッグ装置であって、車両側面視で内側に空洞部を有する環状に後方へ展開するエアバッグを備え、該エアバッグは、その車幅方向全体に亘って連通された内部空間を有するとともに、複数のバッグ部が車幅方向に並設された構成とし、複数のバッグ部のうち隣り合う前記バッグ部の間には、前記内部空間を前記バッグ部ごとに分割する仕切り壁が設けられ、該仕切り壁には、前記バッグ部ごとに分割された分割空間を連通する連通孔を有し、複数のバッグ部のうち車幅方向の中央に配設した中央バッグ部が、後席乗員に向けて開口するように車幅方向に直交する断面視でC型に形成され、前記中央バッグ部の上部にガス流入口が設けられるとともに、車幅方向の両外側の夫々に少なくとも1つずつ配設した外側バッグ部のうち最も外側の外側バッグ部の車幅方向外面に車幅方向にガスを排出するベントホールが設けられ、前記ベントホールは、前記エアバッグの展開時において、車両側面視で該エアバッグの前後方向の中間位置よりも前方かつ車両側面視で前記エアバッグの上下方向の中間位置よりも下方に位置したものである。
上記構成によれば、後席乗員が前席に近い位置で後席に着席している状態でエアバッグが展開しても、該エアバッグの内側の空洞部が潰れることによって後席乗員を安定して保護することができ、かつこのようなエアバッグにおいてガスの内部への充填と排出をスムーズに行うことができる。
特に、ガスの排出時において、空洞部の潰れによりベントホールが塞がることがなく、かつベントホールから排出されたガス(高温)が後席乗員に触れ難い。
さらに、この発明、前記ベントホール、側面視で前記エアバッグの下方に設けられたものである。
これにより、ベントホールを後席乗員の特に頭部からより離間させることができ、ベントホールから排出される高温のガスがより一層、後席乗員の特に頭部に触れ難くなり、後席乗員の保護性能をより一層高めることができる。
加えて、この発明、前記エアバッグ、その車幅方向全体に亘って連通された内部空間を有するとともに、複数のバッグ部が車幅方向に並設された構成とし、前記ガス流入口、車幅方向の中央に配設した中央バッグ部に設けられるとともに、前記ベントホールは、車幅方向の両外側の夫々に少なくとも1つずつ配設した外側バッグ部のうち最も外側のものに設けられたものである。
上記構成によれば、バッグ全体にガスを充満させやすい。
さらに、この発明、隣り合う前記バッグ部の間には、前記内部空間を前記バッグ部ごとに奇数個に分割する仕切り壁が設けられ、該仕切り壁には、前記バッグ部ごとに分割された分割空間を連通する連通孔を有したものである。
上記構成によれば、エアバッグ展開時において該エアバッグの形状保持性を高めることができる。
この発明によれば、側面視で中央に空洞を有するエアバッグにおいて、展開時に確実にベントホールが機能させることができる。
前席の背面上部に搭載された本実施形態のエアバック装置の展開状態を示す斜視図。 本実施形態のエアバック装置が搭載された前席の内部構造を後方から見た要部を示す斜視図。 図2においてエアバック装置を分解して示した分解斜視図。 前席の背面上部に搭載された本実施形態のエアバック装置の展開状態を示す左側面図。 図4のA−A線断面図。 図1において窪み被覆布が取付け前の状態を示すエアバック装置の斜視図。 図1に示すエアバッグ装置において窪み被覆布を取外した状態の背面図。 図7のB−B線断面図(a)およびC−C線断面図(b)。 本実施形態のエアバック装置の作用説明図。 図9(a)の場合における、エアバッグに当接した乗員に加わる荷重と変位の関係を示す本実施形態のエアバック装置の特性図。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は前席の背面上部に搭載された本実施形態のエアバック装置の展開状態を示す斜視図、図2は本実施形態のエアバック装置が搭載された前席のカバーおよびクッション部材を取り外した状態の内部構造を後方から見た要部を示す斜視図、図3は図2においてエアバック装置を分解して示した分解斜視図。図4は前席の背面上部に搭載された本実施形態のエアバック装置の展開状態を示す左側面図、図5は図4のA−A線断面図、図6は図1において窪み被覆布の取付け前の状態を示すエアバック装置の斜視図、図7は図1に示すエアバッグ装置において窪み被覆布を取外した状態の背面図、図8(a)は図7のB−B線断面図、図8(b)は図7のC−C線断面図を示す。
ただし、図8(a)、(b)では、前席の内部構造、およびエアバッグ装置に備えたリアクションプレート、ケース、カバー等を便宜上、省略して示すとともに、図5、図8(a)、(b)ではガス流入口を簡略化して示している。また以下の説明において、エアバッグ装置の上下方向、幅方向(右方向および左方向)は車両のそれと一致しているものとする。
本実施形態のエアバッグ装置1を適用した車両は、前席100Fと後席100R(図9(a)、(b)参照)との相対位置が前後方向に変更可能に車両前後方向に2列のシート100を有しており(同図参照)、前席100Fのシートバック100bの背面の上部かつ幅方向の中間位置には、車両衝突時に図1に示すように後方へ向けて展開し、後席100Rに着座する乗員を保護する後席乗員用のエアバッグ装置1が搭載されている。
図2、図3に示すように、前後各列のシート100F,100Rは(図2、図3では前席100Fのみ図示)、何れもシートクッション100aと、シートバック100bと、ヘッドレスト100cとを備え、このうちシートバック100b内には、シートバック100b自体を支持するためのシートバックフレーム101およびサスペンションマット102(ばね部材)が設けられるとともに、シートバック100bの上部には、ヘッドレスト100cを支持するとともに、その上下位置を調整可能に取り付けた左右一対のヘッドレストポール103,103が取り付けられている。
前席100Fは、車幅方向に並設された運手席と助手席とから成り、共に図2(一方のみ図示)に示すように、シートクッション100aをシート前後方向にスライド可能に支持するスライド機構104を介して図外の車室フロア110(フロアパネル)に設置されている。
スライド機構104は、前席100Fの左右両サイドの位置において車室フロア110に固定される左右一対のガイドレール104aと、これらガイドレール104aに対してスライド可能に係合するスライダ104bとで構成されている。前席100Fは、スライド機構104のスライダ104bとシートクッション100a内に設けられたシートクッションフレーム100a1とが接合されており、後席100Rに対して相対位置を変更可能としている。
一方、本実施形態では、後席100Rは、車室フロア110にスライド機構104を介さずにダイレクトに設置されている(図示省略)。
図2、図3に示すように、エアバッグ装置1は、エアバッグ10(図1参照)と、車両衝突時に該エアバッグ10内部にガスを供給して該エアバッグ10を展開させるインフレータ2と、エアバッグ10における膨張時の飛び出し反力を支えるリアクションプレート3と、折り畳まれたエアバッグ10を収容するケース4と、折り畳まれたエアバッグ10を後方から覆う布製のカバー5とを主に備えている。
エアバッグ10は、ケース4およびカバー5によって囲まれた収納空間Sにおいて折り畳まれた状態で収容保持されており、該エアバッグ10に形成されたガス流入口7(図5参照)の縁部がケース4の後述する底面部(図示省略)に取り付けられており、該ケース4の底面部は、リアクションプレート3の後面3aに互いの面同士が当接するように取り付けられている。
リアクションプレート3は、鋼板にて形成されており、シートバックフレーム101の上部かつ後方に、シートバック100bの背面と略平行に取り付けられている。ケース4は、不図示の底面部(前面部)と、リアクションプレート3の後面3aに取り付けられたエアバッグ10を折り畳んだ状態で取り囲む周壁部4aと、で形成されている。
インフレータ2は、シートバック100bの両サイドに対応して左右一対備え、シートバックフレーム101の両サイドに位置するサイドフレーム部101aにその内側サイドから取り付けられている(図2参照)。これら両サイドのインフレータ2は、共にガス供給管6(ファブリックチューブ)を介してエアバッグ10に接続されている。
具体的には図2に示すように、ガス供給管6は、シートバック100bの両サイドにおいてインフレータ2に接続された下端接続部6aからサイドフレーム部101aに沿って上方に延び、ケース4の周壁部4aの両側面に設けた貫通孔4b(図2、図3では左側のみ図示)から収納空間Sに導入され、収納空間Sにおいて、不図示の上端接続部がエアバッグ10に形成されたガス流入口7に接続されている。
なお、ガス供給管6は、インフレータ2作動時に供給するガスからの内圧を受けて前席乗員を押さないように、前側からサスペンションマット102で抑えられるようにシートバック100b内において該サスペンションマット102よりも後方に配設されている。
図1、図4に示すように、エアバッグ10は、折り畳まれた状態から車両側面視で内側に貫通空洞部9を有するドーナツ形状(略円環形状)に後方へ展開するように複数枚のシート110,120(図1参照),130を縫い合わせることによって形成されている。シート110,120,130の素材は、エアバッグのシートとして一般に用いられる合成樹脂等の素材が採用されているが特に限定されない。
貫通空洞部9は、エアバッグ10の側面視で中央部に車幅方向に貫通する貫通孔として形成されている。すなわち、エアバッグ10は、車幅方向に延びる軸を有する倒位の略円筒状に形成されている。
エアバッグ10は、その車幅方向中央部に位置する中央バッグ部11と、該中央バッグ部11の車幅方向の両サイドに位置する外側バッグ部12,13(右側バッグ部12、左側バッグ部13)との3つのバッグ部11,12,13が車幅方向に並設された構成であり、エアバッグ10の内部には、図5に示すように、エアバッグ10の展開時にこれら3つのバッグ部11,12,13の内部が車幅方向全体に亘って連通する内部空間10Aを有している。
エアバッグ10は、該エアバッグ10を形成するシート110,120,130として、中央バッグ部11、右側バッグ部12、左側バッグ部13の夫々に対応する中央シート110、右側シート120、左側シート130を備え、夫々の車幅方向における対向縁部を縫着部140にて縫着することによって、隣り合うバッグ部(11,12,)又は(11,13)の間を節状に形成した倒位の略円筒状に形成されている。
中央バッグ部11は、後席乗員の頭部および胸部に対応する幅を有し、右側バッグ部12および左側バッグ部13は、それぞれ後席乗員の右肩部、左肩部に対応する幅(少なくとも右肩部、左肩部の幅)を有して形成されている。
エアバッグ10の展開時において右側バッグ部12と左側バッグ部13は、図7に示すように、中央バッグ部11に対して左右対称形状に形成されており、車幅方向に直交する断面視(例えば、図7中のC−C線断面視)でドーナツ形状(円環形状)に形成されている(図8(b)参照。但し、図8(b)では、右側バッグ部1の幅方向の直交断面のみ図示)。
図4、図5に示すように、右側バッグ部12、左側バッグ部13には、共に車幅方向の外面部12a,13a(右外面部12a、左外面部13a)がエアバッグ10側面視で円環状に形成されており、これら車幅方向外面部12a,13aには、車幅方向外側にガスを排出するベントホール15が設けられている。ベントホール15は、展開状態のエアバッグ10の外面部12a,13aの前後方向の中間位置(図4中のセンタラインCLの位置参照)よりも前方、すなわち後席乗員から遠ざかる側に位置している。さらに、ベントホール15は、側面視で展開状態のエアバッグ10の円環状の外面部12a,13aの下側位置、当例では貫通空洞部9の下端位置よりも下側位置に設けられている。
一方図6、図7、図8(a)に示すように、中央バッグ部11は、後席乗員に向けて開口するように車幅方向に直交する断面視(図7中のB−B線断面視)でC型(C環形状)の中央バッグ本体部16と、窪み被覆布17とで形成されている。
中央バッグ本体部16のC環形状の切欠き部分、すなわち、周方向における、後席乗員の特に胸部に対向する部位(胸部対応領域R)には、該部位を切欠き状に形成した切欠き状空洞部18を有している。切欠き状空洞部18は、貫通空洞部9と中央バッグ部11の後方との間を略前後方向(径方向)に連通する。
切欠き状空洞部18は、中央バッグ本体部16の外周面における胸部対応領域Rを、後席乗員から遠ざかるように前方に窪ませて形成されており、さらに、該その切欠き状空洞部18を後席乗員側から覆うように胸部対応領域Rに上記の窪み被覆布17が設けられている。
図1、図8(a)に示すように、窪み被覆布17は、中央バッグ本体部16に、その外周面の一部を形成する矩形形状に備えており、窪み被覆布17の素材は、合成繊維等の化学繊維に限らず、例えば、植物繊維、動物繊維などを採用してもよい。
窪み被覆布17は、同図に示すようにその外縁を、エアバッグ10を形成する適宜のシート110,120,130における切欠き状空洞部18の周縁全体に沿って縫着部170で縫着している。
具体的には、窪み被覆布17の上辺縁と中央シート110の切欠き状空洞部18の上辺対応縁とが車幅方向に沿って縫着部170aにて縫着され、同様に、窪み被覆布17の下辺縁と、中央シート110における切欠き状空洞部18の下辺対応縁、窪み被覆布17の右辺縁と、右側シート120における切欠き状空洞部18の右辺対応縁、並びに、窪み被覆布17の左辺縁と、左側シート130における切欠き状空洞部18の左辺対応縁とがそれぞれ縫着部170b,170c,170dにて縫着されている。
図5、図8(a)に示すように、中央バッグ部11の前部かつ上部の位置には、車両前後方向に向けて開口する上記のガス流入口7が設けられている。当例では、ガス流入口7は、展開状態の中央バッグ部11における貫通空洞部9の上端と略同じ高さ或いは若干高い位置に設けられている(図5、図8(a)参照)。
同図に示すように、エアバッグ10の内部空間10Aにおける、互いに隣り合うバッグ部11,12,13の間、すなわち中央バッグ部11と右側バッグ部12との間および中央バッグ部11と左側バッグ部13との間には、隣り合うバッグ部11,12,13ごとに内部空間10Aを仕切る仕切り壁14(右側仕切り壁14R、左側仕切り壁14L)が配設されている。
すなわちエアバッグ10の内部空間10Aは、仕切り壁14にてバッグ部11,12,13ごとに仕切られた3つの分割空間11A,12A,13Aに区分けされている。
ただし、仕切り壁14には、隣り合うバッグ部11,12,13の各分割空間11A,12A,13Aを連通するように連通孔14aが形成されている(同図参照)。これにより、上述したように、エアバッグ10の内部空間10Aは、その幅方向全体に亘って連通している。
当例では、図8(a)に示すように、仕切り壁14は、エアバッグ10の内部空間10Aにおける、中央バッグ部11と外側バッグ部12,13との間に対応させて側面視(図7のB−B線断面視)でC環をしたシート状に形成されている。連通孔14aは、C環状の仕切り壁14を周方向に略等分するように6つ配設されており、いずれも仕切り壁14の外周縁と内周縁との径方向の中間位置を通る円周上に中心部を有する正円形状で形成され、図5に示すように、仕切り壁14を厚み方向に貫通形成されている。
図5に示すように、中央シート110と右側シート120との各対向縁間には、該仕切り壁14Rの外縁(外周縁および内周縁)が挟み込まれており、この状態で、縫合部140は、各シート110,120および仕切り壁14Rを各対向縁に沿って一体に縫い合わせている。
同様に、中央シート110と左側シート130との各対向縁間には、該仕切り壁14Rの外縁(外周縁および内周縁)が挟み込まれており、この状態で、縫合部140は、各シート110,130および仕切り壁14Lを各対向縁に沿って一体に縫い合わせている。
これにより、内部空間10Aにおいてエアバッグ10の内周面と外周面との夫々に連結するように車幅方向に垂直に配設された仕切り壁14R,14Lによってエアバッグ10が膨張時に所定の展開形状に規制(形状保持)している。
なお、仕切り壁14についても、当例ではバッグ部11,12,13を形成するシート110,120,130と同じ素材で形成されているが、別の素材で形成してもよい。また、バッグ部11,12,13を形成するシート110,120,130と、仕切り壁14との縫着形態は、上述した縫着形態に限らず、仕切り壁14によって内部空間10Aをバッグ部11,12,13ごとに仕切って分割する構成であれば特に限定しない。
続いて車両が衝撃を受けた時におけるエアバッグ装置1の作用について説明する。
上記のインフレータ2は、車両の衝撃を検知するとガスを発生し、ガス供給管6を介してガス流入口7からエアバッグ10内にガスを供給する。エアバッグ10は供給されたガスにより、折り畳み形状から膨張して布製のカバー5を押し開いて後方へ展開する。
ここで、ガス流入口7は中央バッグ部11に設けられているため、ガス流入口7からエアバッグ10内に供給された高圧ガスは、中央バッグ部11の分割空間11Aに行き渡るとともに、中央バッグから仕切り壁14R,14Lの連通孔14aを通じて、該中央バッグ部11の両サイドに位置する外側バッグ部12,13の分割空間12A,13Aへと供給され、側面視で円環状に形成された外側バッグ部12,13の分割空間12A,13A全体に行き渡り、外側バッグ部12,13の各外面部12a,13aに設けたベントホール15から抜けていく(図5、図8(b)中の破線矢印参照)。
このように、エアバッグ10は、展開時に、高圧ガスによって後方へ展開するとともに、中央バッグ部11から外側バッグ部12,13の順に両サイドへ展開する。
そして、中央バッグ部11によって後席乗員の頭部および胸部を受け止めるとともに、外側バッグ部12,13によって後席乗員の両肩部を受け止めることができる。
図9(a)、(b)は、夫々前席が後席乗員に対して通常位置にある場合と、近接した位置にある場合とにおける本実施形態のエアバック装置の作用説明図を示し、図10は図9(a)の場合における、エアバッグに当接した後席乗員に加わる荷重とエアバッグの変位との関係を示す本実施形態のエアバック装置の特性図を示す。
図9(a)に示すように、前席100Fが、後席乗員との前後方向の間隔が十分確保されている通常位置にある時にエアバッグ10が後方へ展開した場合には、図10のグラフに示すように、エアバッグ10が後席乗員との当接初期において、貫通空洞部9が潰れることによりエアバッグ10が圧縮する第1圧縮領域(図10中のAzone参照)と、貫通空洞部9が潰れきった後(すなわち、エアバッグ10が図9(b)に示すような形状になった後)、内部空間10Aの収縮によりエアバッグ10自体が圧縮する第2圧縮領域(図10中のBzone参照)との2段階の圧縮領域によって、エアバッグ10は後席乗員が受ける衝撃を吸収しながら後席乗員を受け止めることができる。
一方、前席100Fが、後席乗員との前後方向の間隔が通常位置よりも近接位置にある時にエアバッグ10が後方へ展開した場合には、第1圧縮領域(図10中のAzone参照)の時間(ストローク)が短くなるものの、この場合においても図10のグラフに示す特性に従って、2段階の圧縮領域によって後席乗員が受ける衝撃を吸収しながら後席乗員を受け止めることができる。
例えば、前席100Fが後席乗員に極端に近い時に車両衝突があった場合には、衝突時の慣性によって後席乗員が前方へ突き動かされる前、或いはそれと略同時に、該後席乗員が後方へ展開したエアバッグ10に当接するが、その際には図9(b)に示すように、貫通空洞部9が即時に潰れることで後席乗員が、高圧ガスによって膨張したエアバッグ10により過度に圧迫されることがなく乗員の攻撃性を低減することができ、後席乗員をしっかりと受け止めて保護することができる。
すなわち、本実施形態のエアバッグ10は、前席100Fと後席乗員との前後方向の間隔に関わらず、後席乗員の保護性能を確保することができる。
そして図6、図7、図8(a)に示すように、中央バッグ部11には、切欠き状空洞部18を設け、該切欠き状空洞部18を後席乗員側から覆う窪み被覆布17を設けたため、エアバッグ10の展開時には、後席乗員の胸部においては中央バッグ部11の窪み被覆布17が当接することになり、高圧ガスによって膨張したエアバッグ10(中央バッグ本体部16)が後席乗員の胸部に直接当接することを回避できる。
本実施の形態に係るエアバッグ装置1は、前席100Fと後席100Rとの相対位置が変更可能に前後方向に少なくとも2列のシート100F,100Rを有する車両において、少なくとも前席100Fのシートバック100bの背面に設けられるエアバッグ装置1であって、車両側面視で内側に空洞部としての貫通空洞部9を有する環状に後方へ展開するエアバッグ10を備え、上部にガス流入口7が設けられるとともに、車幅方向外面に車幅方向にガスを排出するベントホール15が設けられ、ベントホール15は、エアバッグ10の展開時において、車両側面視で該エアバッグ10の前後方向の中間位置(図4中のCL参照)よりも前方に位置している(図1、図4参照)。
上記構成によれば、後席乗員が前席100Fに近い位置で後席100Rに着席している状態でエアバッグ10が展開しても、該エアバッグ10の内側の貫通空洞部9が潰れることによって後席乗員を安定して保護することができ、かつこのようなエアバッグ10においてガスの内部への充填と排出をスムーズに行える。
詳述すると、エアバッグ10は、その上部にガス流入口7が設けられるとともに、その車幅方向外面に車幅方向にガスを排出するベントホール15が設けられたものであるため、ガスの排出時において、例えばベントホール15を、貫通空洞部9に臨むように該貫通空洞部9の内周面に設けた構成のように、貫通空洞部9の潰れによりベントホール15が塞がることがなく、ガスの内部空間10Aへの充填と排出とをスムーズに行うことができる。
さらに、エアバッグ10が展開時に後席乗員へ当接することにより貫通空洞部9が潰れることに伴って、エアバッグ10(シート110,120,130)は、車両側面視で該エアバッグ10の前後方向の中間位置に有する中心ラインCLに対して前後各部位が互いに圧縮し合うように変形するため、中心ラインCLに沿って皺が生じ易くなるが、ベントホール15を、エアバッグ10の展開時において、車両側面視で該エアバッグ10の前後方向の中間位置(CL)よりも前方に設けることによって、このような皺が生じてもベントホール15からのガスのスムーズな流出が阻害されることがない(図9(b)参照)。
さらにまた、ベントホール15は、エアバッグ10の展開時において、車両側面視で該エアバッグ10の前後方向の中間位置(CL)よりも前方に設けたため、中間位置(CL)よりも後方に設けた場合と比較して、ベントホール15から排出されたガス(高温)を後席乗員から遠ざけることができるため、後席乗員の保護性能を高めることができる。
この発明の態様として、ベントホール15は、側面視でエアバッグ10の下方に設けられたものである(図1、図4参照)。
上記構成によれば、ベントホール15を後席乗員の特に頭部からより離間させることができ、ベントホール15から排出される高温のガスがより一層、後席乗員の特に頭部に触れ難くなり、後席乗員の保護性能をより一層高めることができる。
またこの発明の態様として、エアバッグ10は、その車幅方向全体に亘って連通された内部空間10Aを有するとともに、複数のバッグ部11,12,13が車幅方向に並設された構成とし、ガス流入口7は、車幅方向の中央に配設した中央バッグ部11に設けられるとともに、ベントホール15は、中央バッグ部11の車幅方向の両外側に配設した外側バッグ部12,13に設けられたものである(図1、図4、図5、図8(b)参照)。
上記構成によれば、車幅方向に並設した複数のバッグ部11,12,13のうち中央バッグ部11にガス流入口7を設け、該ガス流入口7からガスを流入させ、該中央バッグ部11から車幅方向外側へ順にガスを充満させることで(図5、図8(b)中の破線矢印参照)、エアバッグ10全体にガスを充満させ易く、エアバッグ10をしっかりと展開することができる。そして、エアバッグ10をしっかりと展開したうえで、車幅方向の最も外側に配設した外側バッグ部12,13に設けたガス流入口7からガスを効率よく排出することができる(図5中の破線矢印参照)。
またこの発明の態様として、隣り合うバッグ部11,12,13の間には、該隣り合うバッグ部11,12,13の各分割空間11A,12A,13Aを連通する連通孔14aを有する仕切り壁14が設けられ、エアバッグ10は、仕切り壁14にて内部空間10Aがバッグ部11,12,13ごとに奇数個(当例では3個)に分割されたものである(図5、図8(a)参照)。
上記構成によれば、車幅方向において隣り合うバッグ部11,12,13の間に設けた仕切り壁14によってエアバッグ10を、その形状が形崩れしないように所望の展開形状へ膨らますことができるとともに展開形状に保ち易くなる。
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく様々な実施形態で形成することができる。
例えば、窪み被覆布17をエアバッグ10の切欠き状空洞部18の周縁にしっかりと取り付けることができる構成であれば、縫合に限らず、接着、溶着等により取り付けてもよい。
また、エアバッグ10の外周面における、後席乗員から遠ざかるように窪んだ領域(胸部対応領域R)は、切欠き状空洞部18のように、環状のエアバッグ10の外周面から貫通空洞部9に径方向に連通するように設けるに限らず、貫通空洞部9と連通しないようにエアバッグ10の外周面に対して窪んだ凹部であってもよい。
さらにまた、エアバッグ10の展開時の形状保持性を高める手段として、内部空間10Aに上述した仕切り壁14を設けた構成に限らず、例えば、エアバッグ10を形成するシート110,120,130の周方向の各部を連結するように内部空間10Aにおいて紐等をテザーとして張架した構成を採用することができる。
また、エアバッグ10は、全体として奇数個のバッグ部11,12,13を備えた構成、具体的には、1つの中央バッグ部11と、該中央バッグ部11の左右両側に同数ずつ配設した外側バッグ部12,13とを備えた構成であれば、3個に限らず、5個以上の奇数個を備えた構成とすることができる。
また言うまでもなく、エアバッグ装置1は、車幅方向に並設された運転席と助手席との双方の前席100Fのシートバック100bの背面に設けるに限らず、一方の前席100Fのシートバック100bの背面に設けることができる。また、前後方向に3列以上のシートを有する車両においては、エアバッグ装置1を最前列のシートのシートバック100bの背面に設けるに限らず、最後列より前列のシートのシートバック100bの背面に設けることができる。
さらにまた、本実施形態では、前席100Fを後席100Rに対して前後方向の相対位置が変位可能に構成したが、この構成に限らず、前席100Fと後席100Rとのうち少なくとも一方を前後方向にスライド可能に構成した構成を採用することにより、前席100Fと後席100Rとが前後方向に相対変位可能に構成してもよい。
1…エアバッグ装置
7…ガス流入口
9…貫通空洞部(空洞部)
10…エアバッグ
10A…内部空間
11,12,13…バッグ部
11…中央バッグ部
11A,12A,13A…分割空間
12,13…外側バッグ部
12a,13a…外面部(車幅方向外面)
14a…連通孔
14…仕切り壁
15…ベントホール
100…シート
100F…前席
100R…後席
100b…シートバック

Claims (1)

  1. 前席と後席との相対位置が変更可能に前後方向に少なくとも2列のシートを有する車両において、少なくとも前記前席のシートバック背面に設けられるエアバッグ装置であって、
    車両側面視で内側に空洞部を有する環状に後方へ展開するエアバッグを備え、
    該エアバッグは、その車幅方向全体に亘って連通された内部空間を有するとともに、複数のバッグ部が車幅方向に並設された構成とし、
    複数のバッグ部のうち隣り合う前記バッグ部の間には、前記内部空間を前記バッグ部ごとに分割する仕切り壁が設けられ、
    該仕切り壁には、前記バッグ部ごとに分割された分割空間を連通する連通孔を有し、
    複数のバッグ部のうち車幅方向の中央に配設した中央バッグ部が、後席乗員に向けて開口するように車幅方向に直交する断面視でC型に形成され、
    前記中央バッグ部の上部にガス流入口が設けられるとともに、
    車幅方向の両外側の夫々に少なくとも1つずつ配設した外側バッグ部のうち最も外側の外側バッグ部の車幅方向外面に車幅方向にガスを排出するベントホールが設けられ、
    前記ベントホールは、前記エアバッグの展開時において、車両側面視で該エアバッグの前後方向の中間位置よりも前方かつ車両側面視で前記エアバッグの上下方向の中間位置よりも下方に位置している
    エアバッグ装置。
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