以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置1は、給紙部2、画像形成部3および画像読取装置4を有する装置本体1Mと、装置本体1M上に配置された自動原稿搬送装置(ADF)5とを備えたデジタル複合機である。
給紙部2は、それぞれカットシート状の転写紙Pを積層状態で収納可能な複数段の給紙カセット21A,21B,21Cを有している。各給紙カセット21A,21B,21Cには、例えば複数のシートサイズから予め選択されたシートサイズの転写紙P(例えば白紙)が、縦又は横の給紙方向に向けて収容されるようになっている。
給紙部2は、給紙カセット21A,21B,21Cに収納された転写紙Pをそれぞれの最上層側から順次ピックアップして分離給紙する給紙装置22A,22B,22Cを有している。給紙部2には、さらに、複数のローラを含むローラ群23が設けられており、これらによって、各給紙装置22A,22B,22Cから給紙された転写紙Pを画像形成部3の所定の画像形成位置まで搬送する給紙経路24が形成されている。
画像形成部3は、露光装置31と、感光体ドラム32K,32Y,32M,32Cと、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)のトナーが充填された現像装置33K,33Y,33M,33Cとを備えている。また、画像形成部3は、一次転写部34と、二次転写部35と、定着部36とを備えている。
露光装置31は、例えば、画像読取装置4で読み取った画像に基づいて各色の露光用のレーザ光Lを生成するようになっている。また、露光装置31は、レーザ光を各色の感光体ドラム32K,32Y,32M,32Cを露光して、各感光体ドラム32K,32Y,32M,32Cの表層部に読取画像に対応した各色の静電潜像を形成するようになっている。
現像装置33K,33Y,33M,33Cは、それぞれ対応する感光体ドラム32K,32Y,32M,32Cに薄層状のトナーを近接させるように供給して、静電潜像をトナーにより顕像化する現像を行うようになっている。
画像形成部3は、感光体ドラム32K,32Y,32M,32C上に現像されたトナー像を一次転写部34に一次転写し、一次転写部34に近接する二次転写部35でそのトナー像を転写紙Pに二次転写するようになっている。また、画像形成部3は、転写紙Pに二次転写したトナー像を定着部36により加熱・加圧して溶融させ、転写紙Pにカラー画像を定着させて記録するようになっている。
画像形成部3は、給紙部2から給紙経路24を経て搬入された転写紙Pを二次転写部35側に搬送する搬送経路39Aを有している。この搬送経路39Aにおいては、まず、レジストローラ対37において、転写紙Pの搬送タイミングおよび搬送速度が調整されるようになっている。そして、転写紙Pは、一次転写部34および二次転写部35でのベルト速度に同期した状態で二次転写部35および定着部36を通過した後、排紙トレイ38上に排紙されるようになっている。
画像形成部3は、手差トレイ25上に載置される転写紙(図示せず)をレジストローラ対37よりも上流側で搬送経路39Aに給紙する手差給紙経路39Bを併有している。
二次転写部35および定着部36の下方には、それぞれ複数の搬送ローラおよび搬送ガイド等からなるスイッチバック搬送路39Cおよび反転搬送路39Dが配設されている。
スイッチバック搬送路39Cは、転写紙Pの両面に画像を形成する場合に、任意の一面に画像定着が済んだ転写紙Pを一端から進入させた後に、後退(進入時とは逆方向に移動)させるスイッチバック搬送を行うようになっている。
反転搬送路39Dは、スイッチバック搬送路39Cによりスイッチバック搬送された転写紙Pの表裏を反転させて、レジストローラ対37に再度給紙するようになっている。
これらスイッチバック搬送路39Cおよび反転搬送路39Dにより、一面に対する画像定着処理を終えた転写紙Pは、その進行方向を逆向きに切り替えられた後に表裏反転されて、再び二次転写ニップに進入する。そして、転写紙Pは、他面にも画像の二次転写処理と定着処理とが施された後、排紙トレイ38上に排紙されるようになっている。
自動原稿搬送装置5は、画像形成装置1の装置本体1Mの上部にヒンジ機構を介して開閉動作可能に連結されている。自動原稿搬送装置5は、画像読取装置4におけるシート原稿読取ガラス43およびコンタクトガラス42を露出させる開放位置と、シート原稿読取ガラス43およびコンタクトガラス42を覆う閉止位置との間で回動操作されるようになっている。
自動原稿搬送装置5は、シートスルー方式の自動原稿搬送装置として構成されている。自動原稿搬送装置5は、原稿載置台である原稿テーブル51と、各種ローラおよびガイド部材等からなる原稿搬送部52と、画像読み取り後の原稿シートSを集積する原稿排紙トレイ53とを備えている。
次に図2〜図4を用いて画像読取装置4について説明する。図2は主走査方向からみた画像読取装置4の断面図であり、図3は斜め上方からみた画像読取装置4の斜視図であり、図4は副走査方向からみた画像読取装置4の断面図である。
図2に示すように画像読取装置4はベースフレーム41と読取手段45とコンタクトガラス42を備えている。
ベースフレーム41は金属製の略直方体形状の構造体であり補強部材49を側面に有している。ベースフレーム41の上面には開口部41aが設けられ、開口部41aを覆うようにしてコンタクトガラス42がネジなどを用いて取り付けられるようになっている。
読取手段45には、光源44と原稿の反射光をCIS等の撮像素子47上に結像させる光学レンズ46と撮像素子47が設けられている。読取手段45は、ベースフレーム41の内部に設けられ副走査方向に往復移動することで、コンタクトガラス42上の原稿が光学的に走査される。読取手段45は、光源44により照射されたコンタクトガラス42上に載置された原稿の反射光像を光学レンズ46が撮像素子47上に結像するようになっている。撮像素子47は、結像された原稿の反射光像を光電変換してアナログ画像信号とし、このアナログ画像信号はケーブル48によって送られる。
画像読取の機構は、上記以外にも複数のミラーユニットを備えた縮小光学系でもよい。また、シート原稿を連続で自動読み取りする場合、自動原稿搬送装置5により原稿をシート原稿読取ガラス43上に搬送させ、シート原稿読取ガラス43上を通る反射光像が撮像素子47上に結像される。
一方、ブック原稿を読み取る場合、自動原稿搬送装置5を一度開放して、コンタクトガラス42上にブック原稿をセット、その後、自動原稿搬送装置5を閉じることで、自動原稿搬送装置5に設けられた圧板部分で、ブック原稿を押さえることができる。また、補強部材49は、ブック原稿などを下側に押し付けた時のベースフレーム41のたわみ量を小さくするために、取り付けられている。
図4に示すように、補強部材49は画像読取装置4の主走査方向両端部に設けられ、読取手段45は主走査方向の一方の端部近傍から他方の端部近傍まで、延在し、副走査方向に往復移動するようになっている。補強部材49と読取手段45の主走査方向両端部との間には所定の距離が設けられているので、読取手段45の移動の際に補強部材49と接触することはない。
図3に示すように、ベースフレーム41の上面には、開口部41aの外縁近傍にコンタクトガラス42を支持する支持部としての絞り形状部41bが設けられている。絞り形状部41bは、ベースフレーム41の一部を絞り加工して形成されている。絞り形状部41bはベースフレーム41の上面から上方に凸である形状となっており、副走査方向からの側面視で略台形状となっている。なお、本実施の形態においては絞り形状部41bの側面は鉛直方向に対し傾斜するようになっているが、傾斜させずに鉛直方向に直立するようにしてもよい。
絞り形状部41bの上面は平らなコンタクトガラス接触部41cであり、コンタクトガラス42と直接接触し、下から支持するようになっている。絞り形状部41bの下部には、絞り形状部41bを下から支持するための単体または複数の補強部材49がベースフレーム41の側面に配置されている。本実施の形態においては絞り形状部41bと補強部材49はそれぞれ4つ設けられている。副走査方向に隣り合う絞り形状部41bのコンタクトガラス接触部41cの副走査方向中心間の距離は50mm程度であるが、この距離は必ずしもこれに限られない。
図5に示すように、各補強部材49は、副走査方向の中心面が絞り形状部41bの副走査方向の中心面と略一致するよう配置される。コンタクトガラス42とベースフレーム41のコンタクトガラス接触部41c以外の部分との間の鉛直方向の距離は1mm程度であるが、必ずしも距離はこれに限られない。
ここで補強部材49を図3に示すように、左右対称で等間隔に配置して、理由について図6を用いて説明する。
図6は画像読取装置4を上面からみた模式図である。図6(a)は補強部材49を左右対称で等間隔に配置した例であり、絞り形状部41bと補強部材49は主走査方向でベースフレーム41の内部空間をはさんで対向する位置に各々配置されている。このような配置とすることでどの場所に荷重がかかっても、荷重点と補強部材49との距離がそれほど長くならず、ベースフレーム41を安定的に支持することができる。
一方、図6(b)、図6(c)のように補強部材49を配置すると同図中〇印で示す特定の位置では図6(a)に示す場合よりも補強効果が大きいが、☆印で示す位置では補強効果が小さくなる。
以上より、本実施の形態においては、コンタクトガラス42にかかる荷重の位置としてあらゆる場合を想定して図6(a)のように補強部材49を左右対称で等間隔に配置した。しかし、あらかじめ荷重がコンタクトガラス42にかかる荷重の位置が分かっている場合には図6(b)、図6(c)のような配置としてもよい。
図7(a)は補強部材49の斜視図を、図5(b)は補強部材49を主走査方向正面側からみた図である。補強部材49は、板金部品を折り曲げて2つのリブを立てることで形成されており、リブの部分で絞り形状部41bを下から支持するようになっている。
ここで、上述のように各補強部材49を、副走査方向の中心面が絞り形状部41bの副走査方向の中心面と略一致するよう配置した理由について説明する。
一般的な画像読取装置の斜視図を図8に、副走査方向の断面を図9に示す。図8に示すような画像読取装置では、コンタクトガラスを支持する部分が絞り形状となっているベースフレームの下部に、ベースフレームを下から支持するための単体または複数の補強部材が配置されている(図9(a))。この構成においてコンタクトガラス上から下方向に力を加えると、まずコンタクトガラスを受けている絞り形状が下方向に力を受ける。それに伴いベースフレーム天井部分が下方向にたわむ力がかかり、補強部材がベースフレーム天井部分からの力を受けそれを支えるが、図6に示す場合のように力の作用線上に補強部材の支持面がないためベースフレームにたわみが発生する(図9(b))。
これに対して図3に示すような本実施の形態に係る画像読取装置4においては、各補強部材49を、副走査方向の中心面が絞り形状部41bの副走査方向の中心面と略一致するよう配置することで力の作用線上に補強部材49が位置するため、ベースフレーム41のたわみ量を小さくすることができる。
以上のように本実施の形態に係る画像読取装置4は、原稿を載置するためのコンタクトガラス42と、コンタクトガラス42を下から支持する絞り形状部41bを上面に有する略直方体形状のベースフレーム41と、ベースフレーム41の内部空間を副走査方向に移動しながらコンタクトガラス42上に載置された原稿の読取を行う読取手段45と、を備えている。また、ベースフレーム41は絞り形状部41bを下から支持するための1つ、または、複数の補強部材49を側面に有し、各補強部材49は、副走査方向の中心面が絞り形状部41bの副走査方向の中心面と略一致するよう配置されている。
この構成により、絞り形状部41bと補強部材49のそれぞれの副走査方向の中心面を略一致するように配置することで力の作用線上に補強部材49が位置するため、ベースフレーム41のたわみ量を小さくすることができる。したがって、ベースフレーム41を高剛性化することができる。また、ベースフレーム41のたわみ量を小さくすることで、ベースフレーム41が変位し、読取手段45に接触し画像読取不良を発生させることを抑制できる。
また、支持部および補強部材49は主走査方向でベースフレーム41の内部空間をはさんで対向する位置に各々配置するようにしてもよい。この構成により支持部および補強部材49をランダムに配置した場合と比較してベースフレーム41のたわみ量を小さくすることができるので、ベースフレーム41が変位し、読取手段45に接触し画像読取不良を発生させることを抑制できる。
(第2の実施の形態)
次に、図10を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態では、第1の実施の形態とは、ベースフレーム41が上面に有する支持部が絞り形状部41bではなく支持部品41dである点で異なるが、他の構成は基本的に同様である。したがって、同一の構成要素については、図1〜図9に示した第1の実施形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点について説明する。
図10に示すように、ベースフレーム41の上面には、開口部41aの外縁近傍にコンタクトガラス42を支持する支持部としての支持部品41dが取り付けられている。支持部品41dは略直方体形状でゴム、樹脂等の剛性を有する部材であり、ベースフレーム41に接着、溶接、ビス止め等の手段により固定されている。支持部品41dの上面は平らなコンタクトガラス接触部41cであり、コンタクトガラス42と直接接触し、支持するようになっている。
支持部品41dの下部には、支持部品41dを下から支持するための単体または複数の補強部材49が配置されている。各補強部材49は、副走査方向の中心面が支持部品41dの副走査方向の中心面と略一致するよう配置される。
以上のように、本実施の形態にかかる画像読取装置4はコンタクトガラスを下から支持する支持部はベースフレーム41の上面に配置された樹脂製もしくはゴム製の支持部品41dで構成されている。この構成により、金属製のベースフレーム41よりもやわらかい材質を用いているので、コンタクトガラス42がコンタクトガラス接触部41cとの接触により摩耗することを抑制できる。
(第3の実施の形態)
次に、図11を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。
本実施の形態では、第1の実施の形態とは、コンタクトガラス接触部41cの副走査方向の長さを、補強部材49の副走査方向の長さよりも長くした点で異なるが、他の構成は基本的に同様である。したがって、同一の構成要素については、図1〜図9に示した第1の実施形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点について説明する。
図11に示すように、ベースフレーム41の上面には、開口部41aの外縁近傍にコンタクトガラス42を支持する支持部としての支持部品41dが取り付けられている。支持部品41dは略直方体形状でゴム、樹脂等の剛性を有する部材であり、ベースフレーム41に接着、溶接、ビス止め等の手段により固定されている。支持部品41dの上面は平らなコンタクトガラス接触部41cであり、コンタクトガラス42と直接接触し、支持するようになっている。ここで、コンタクトガラス接触部41cの副走査方向の長さは補強部材49の副走査方向の長さよりも長くなるよう構成している。
読取手段45は、ベースフレーム41の内部に設けられ副走査方向に往復移動することで、コンタクトガラス42上の原稿が光学的に走査される。
支持部品41dの下部には、支持部品41dを下から支持するための単体または複数の補強部材49が配置されている。各補強部材49は、副走査方向の中心面が支持部品41dの副走査方向の中心面と略一致するよう配置される。
以上のように、本実施の形態に係る画像読取装置4は絞り形状部41bにおけるコンタクトガラス42を支持するコンタクトガラス接触部41cの副走査方向の長さは、補強部材49の副走査方向の長さよりも長くなるよう構成した。
この構成により、コンタクトガラス接触部41cがより広い面積でコンタクトガラス42を支持して、単位面積あたりのコンタクトガラス接触部41cに対する荷重を小さくすることでベースフレーム41のたわみ量を小さくすることができる。したがって、ベースフレーム41を高剛性化することができる。また、ベースフレーム41のたわみ量を小さくすることで、ベースフレーム41が変位し、読取手段45に接触し画像読取不良を発生させることを抑制できる。
(第4の実施の形態)
次に、図12〜図14を参照して、本発明の第4の実施の形態について説明する。
本実施の形態では、第1の実施の形態とは、支持面49aの主走査方向における鉛直方向の高さを変えた点で異なるが、他の構成は基本的に同様である。したがって、同一の構成要素については、図1〜図9に示した第1の実施形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点について説明する。
図12は一般的な画像読取装置においてコンタクトガラスに上方より荷重をかけた場合の副走査方向断面図を示している。荷重を受けたコンタクトガラスからベースフレームに力が伝わり、ベースフレームの端部が曲げられ読取手段に接触すると画像読取不良が発生する。
上記の画像読取不良を防止するために、ベースフレーム41に図13に示す補強部材49を設けることで、支持面49aがコンタクトガラス42からの荷重を受け、ベースフレーム41の端部が曲げられることを抑制できる。さらに、図14に示すように支持面49aの鉛直方向高さを主走査方向でベースフレーム41の中心方向にかけて高くなるよう構成することが望ましい。
コンタクトガラス42上から力をかけた場合、ベースフレーム41は主走査方向中心に近い部分が最もたわみ量が大きい。したがって、補強部材49の製造ばらつきによらず、その箇所を最初に確実に主走査方向中心に近い面で受けるようにすることにより、従来と同等の力でもベースフレーム41のたわみ量を小さくすることができるからである。
以上のように本実施の形態に係る画像読取装置4は、補強部材49における絞り形状部41bを支持する支持面49aは、主走査方向でベースフレーム41の中心方向にかけて鉛直方向の高さを高くするように構成した。この構成により、コンタクトガラス42上から荷重をかけた場合に、最もたわみ量が大きくなるベースフレーム41の主走査方向中心に近い部分を最初に確実に主走査方向中心に近い支持面49aで受けることができる。したがって、コンタクトガラス42にかかる荷重が支持面49aの鉛直方向高さが変わらない場合と同等であっても、ベースフレーム41のたわみ量を小さくすることができるので、ベースフレーム41が変位し、読取手段45に接触し画像読取不良を発生させることを抑制できる。
(第5の実施の形態)
次に、図18〜図21を参照して、本発明の第5の実施の形態について説明する。
本実施の形態では、第1の実施の形態とは、絞り形状および補強部材の位置を変えた点で異なるが、他の構成は基本的に同様である。したがって、同一の構成要素については、図1〜図9に示した第1の実施形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点について説明する。
第1の実施の形態において補強部材49は、ベースフレーム41の主走査方向に直交する側面に設けられ、副走査方向の中心面が絞り形状部41bの副走査方向の中心面と略一致するよう配置されることで、ベースフレーム41の主走査方向に直交する側面に上方向からの大きな外力がかかる場合に充分な補強効果を得ることができる。
しかし、ベースフレーム41の副走査方向に直交する側面に上方向からの大きな外力がかかる場合も想定される。このような場合にも、ベースフレームのたわみ量を小さくすることができ、コンタクトガラスとキャリッジの接触強度を大きくすることができるよう、本実施の形態においては絞り形状および補強部材の位置を変更した。
図18に示すように、ベースフレーム41の上面には、開口部41aの外縁近傍であって副走査方向に直交する側面の側にコンタクトガラス42を支持する支持部としての絞り形状部41bが設けられている。絞り形状部41b1は、ベースフレーム41の一部を絞り加工して形成されている。絞り形状部41b1は、ベースフレーム41の上面から上方に凸である形状となっており、副走査方向からの側面視で略台形状となっている。
絞り形状部41b1の下部には、絞り形状部41b1を下から支持するための補強部材49bがベースフレーム41の副走査方向に直交する側面に配置されている。本実施の形態においては絞り形状部41b1と補強部材49bはそれぞれ4つ設けられているが、少なくとも1つあれば個数はこれに限られない。各補強部材49bは、主走査方向の中心面が絞り形状部41b1の主走査方向の中心面と略一致するよう配置される。
変形例として図19に示すように、絞り形状部41b1におけるコンタクトガラス42を支持するコンタクトガラス接触部41c1の主走査方向の長さは、補強部材49bの主走査方向の長さよりも長くなるようにしてもよい。
また、他の変形例として図20に示すように、補強部材49bにおける絞り形状部41b1を支持する支持面は、副走査方向でベースフレーム41の中心方向にかけて鉛直方向の高さが高くなるようにしてもよい。
また、図21に示すようにベースフレーム41は絞り形状部および補強部材を主走査方向に直交する面と副走査方向に直交する面にそれぞれ有するようにしてもよい。
図21に示すベースフレーム41は絞り形状部41b2を主走査方向に直交する各面にそれぞれ2つずつ有している。また、ベースフレーム41は絞り形状部41b3を副走査方向に直交する各面にそれぞれ2つずつ有している。絞り形状部41b2および絞り形状部41b3の個数は必ずしも2つに限られない。
ベースフレーム41は、絞り形状部41b2を下から支持するための補強部材49cをベースフレーム41の主走査方向に直交する面にそれぞれ2つずつ有している。また、ベースフレーム41は、絞り形状部41b3を下から支持するための補強部材49dをベースフレーム41の副走査方向に直交する面にそれぞれ2つずつ有している。補強部材49cおよび補強部材49dの個数は必ずしも2つに限られない。
主走査方向に直交する面に配置される各補強部材49cは、副走査方向の中心面が絞り形状部41b2の副走査方向の中心面と略一致するように配置されている。副走査方向に直交する面に配置される各補強部材49dは、主走査方向の中心面が絞り形状部41b3の主走査方向の中心面と略一致するよう配置されている。
絞り形状部41b2と補強部材49cは主走査方向でベースフレーム41の内部空間をはさんで対向する位置に各々配置されている。また、絞り形状部41b3と補強部材49dは副走査方向でベースフレーム41の内部空間をはさんで対向する位置に各々配置されている。
図21の画像読取装置4の構成においても図19の画像読取装置4の構成と同様に、絞り形状部41b3におけるコンタクトガラス42を支持するコンタクトガラス接触部41c3の主走査方向の長さは、補強部材49dの主走査方向の長さよりも長くなるようにしてもよい。また、絞り形状部41b2におけるコンタクトガラス42を支持するコンタクトガラス接触部41c2の副走査方向の長さは、補強部材49cの副走査方向の長さよりも長くなるようにしてもよい。
また、図21の画像読取装置4の構成においても図20の画像読取装置4の構成と同様に、補強部材49bにおける絞り形状部41b3を支持する支持面は、副走査方向でベースフレーム41の中心方向にかけて鉛直方向の高さが高くなるようにしてもよい。
以上のように本実施の形態に係る画像読取装置4は、原稿を載置するためのコンタクトガラス42と、コンタクトガラス42を下から支持する絞り形状部41b1を上面に有する略直方体形状のベースフレーム41と、ベースフレーム41の内部空間を副走査方向に移動しながらコンタクトガラス42上に載置された原稿の読取を行う読取手段45と、を備えている。また、ベースフレーム41は絞り形状部41b1を下から支持するための1つ、または、複数の補強部材49bを側面に有し、各補強部材49bは、主走査方向の中心面が絞り形状部41b1の主走査方向の中心面と略一致するよう配置されている。
この構成により、絞り形状部41b1と補強部材49bのそれぞれの副走査方向の中心面を略一致するように配置することで力の作用線上に補強部材49bが位置するため、ベースフレーム41のたわみ量を小さくすることができる。したがって、ベースフレーム41を高剛性化することができる。また、ベースフレーム41のたわみ量を小さくすることで、ベースフレーム41が変位し、読取手段45に接触し画像読取不良を発生させることを抑制できる。
また、絞り形状部41b1におけるコンタクトガラス42を支持するコンタクトガラス接触部41c1の主走査方向の長さは、補強部材49bの主走査方向の長さよりも長くなるようにしてもよい。この構成により、コンタクトガラス接触部41c1がより広い面積でコンタクトガラス42を支持して、単位面積あたりのコンタクトガラス接触部41c1に対する荷重を小さくすることでベースフレーム41のたわみ量を小さくすることができる。したがって、ベースフレーム41を高剛性化することができる。また、ベースフレーム41のたわみ量を小さくすることで、ベースフレーム41が変位し、読取手段45に接触し画像読取不良を発生させることを抑制できる。
また、補強部材49bにおける絞り形状部41b1を支持する支持面は、副走査方向でベースフレーム41の中心方向にかけて鉛直方向の高さが高くなるようにしてもよい。この構成により、コンタクトガラス42上から荷重をかけた場合に、最もたわみ量が大きくなるベースフレーム41の主走査方向中心に近い部分を最初に確実に主走査方向中心に近い支持面49aで受けることができる。したがって、コンタクトガラス42にかかる荷重が支持面49aの鉛直方向高さが変わらない場合と同等であっても、ベースフレーム41のたわみ量を小さくすることができるので、ベースフレーム41が変位し、読取手段45に接触し画像読取不良を発生させることを抑制できる。
また、ベースフレーム41は絞り形状部41b2および絞り形状部41b3を下から支持するための1つ、または、複数の補強部材49cおよび49dをベースフレーム41の主走査方向に直交する面と副走査方向に直交する面に有し、主走査方向に直交する面に配置される各補強部材49cは、副走査方向の中心面が絞り形状部41b2の副走査方向の中心面と略一致するように配置され、副走査方向に直交する面に配置される各補強部材49dは、主走査方向の中心面が絞り形状部41b3の主走査方向の中心面と略一致するよう配置されるようにしてもよい。
この構成により、ベースフレーム41の主走査方向に直交する側面に上方向からの大きな外力がかかる場合、副走査方向に直交する側面に上方向からの大きな外力がかかる場合のいずれの場合においてもベースフレームのたわみ量を小さくすることができ、コンタクトガラスとキャリッジの接触強度を大きくすることができる。
(第6の実施の形態)
次に、図22〜図28を参照して、本発明の第6の実施の形態について説明する。
本実施の形態では、第1の実施の形態とは、ベースフレームを介さずコンタクトガラスを補強部材が直接支持する点で異なるが、他の構成は基本的に同様である。したがって、同一の構成要素については、図1〜図9に示した第1の実施形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点について説明する。
第1の実施の形態においては、コンタクトガラスをベースフレームの一部の絞り形状部がベースフレームの剛性を利用して支持し、絞り形状部を補強部材が支持していた。しかしながら、絞り形状部を形成するためには、ベースフレームに絞り加工を施す労力がかかるとともに、ベースフレームに必要な鋼板量も絞り形状部を形成しない場合と比較して多くなるためコストがかかる。
このようなコスト面での問題を解決するため、本実施の形態ではベースフレームを介さずコンタクトガラスを補強部材が直接支持する構成とすることで、第1の実施の形態における絞り形状部を形成する必要がない構成とした。
図22は本実施の形態に係る画像読取装置4の斜視図および副走査方向の断面図である。図22(a)に示すように画像読取装置4は、コンタクトガラスを下から支持するための複数の補強部材49eをベースフレーム41の主走査方向に直交する対向する2面に有している。本実施の形態においては、補強部材49eは主走査方向に直交する対向する各面にそれぞれ2つずつ設けられているが、1つずつ設けても複数設けてもよい。
図22(b)に示すように補強部材49eのコンタクトガラス支持面49e3はコンタクトガラス42を下から直接的に支持するようになっている。したがって、コンタクトガラス42上から下方向に力を加えると、コンタクトガラス42を受けている補強部材49eのコンタクトガラス支持面49e3が力を受け支える。
図23に示すように、補強部材49eは、中央壁部49e1と補強壁部49e2とコンタクトガラス支持面49e3とを備えている。中央壁部49e1はベースフレーム41の側面に固定される。中央壁部49e1は複数の円形状または楕円形状の孔を有しており、ベースフレーム41に固定する際には、例えばこの孔にネジを通す。図23の例では孔は3つ設けられているが、孔の個数はこれに限られない。
補強壁部49e2は、中央壁部49e1の両端部に設けられており、中央壁部49e1の面に垂直方向に2つ設けられている。補強壁部49e2は、補強部材49eの両側面を補強するようになっている。コンタクトガラス支持面49e3は、コンタクトガラス42を直接支持するようになっている。コンタクトガラス支持面49e3としては、図24に示すように2つの面または複数の面で支持するようにしてもよい。
図22に示すように、画像読取装置4の主走査方向に直交する対向する2面のうちの一方の面に配置される補強部材49eは、対向する他方の面に配置される補強部材49eの副走査方向の中心面と略一致するよう配置されている。また、補強部材49eは、コンタクトガラス42を直接支持するコンタクトガラス支持面49e3と補強部材49eの両側面を補強する補強壁部49e2のそれぞれの副走査方向の中心が略一致するように配置されている。これにより効率的にコンタクトガラス42にかかる力をコンタクトガラス支持面49e3と補強部材49eで受けることができるので、補強部材49eのたわみ量を小さくすることができる。
補強部材49eの配置の変形例としては、図25に示すように補強部材49eをベースフレーム41の主走査方向に直交する対向する2面だけでなく、副走査に直交する対向する2面にも1つまたは複数設けるようにしてもよい。この場合も図22に示す例と同様に画像読取装置4の主走査方向および副走査方向に直交する対向する2面のうちの一方の面に配置される補強部材49eは、対向する他方の面に配置される補強部材49eの副走査方向の中心面と略一致するよう配置される。また、補強部材49eは、コンタクトガラス42を直接支持するコンタクトガラス支持面49e3と補強部材49eの両側面を補強する補強壁部49e2のそれぞれの副走査方向または主走査方向の中心が略一致するように配置される。
補強部材の変形例としては図26に示す形状のものを用いてもよい。図23や図24に示す補強部材では、固定方法としてはベースフレームの内側上面に補強部材の上面を突き当てた状態で、ベースフレームの外側からネジを締めて補強部材をベースフレームに固定していた。しかしこの固定方法ではベースのネジ穴用のバカ穴等の隙間があるため、コンタクトガラス上に上方向から下方向に力をかけた際にある程度までは支持できるが、力が大きくなるとベースフレームとともに補強部材も下方向の大きい力をうけて移動し、ベースフレームの内側上面との間に隙間があいてしまい十分な補強効果を得ることができない問題があった。
そこで、固定方法をベースフレームに対してかしめるようにしたところ、大きい力をかけても補強部材の上面とベースフレームの内側上面との間に隙間は発生しなかったが、ベースフレーム自体がたわんでしまう問題が発生した。
そこで、補強部材の新たな形状として、図26のように補強部材49fの底面が、下側(ベースフレーム41に設置時、ベースフレーム41の底面側)の端部にかけてベースフレーム41の主走査中心方向に広がり、高さ方向に関してはベースフレーム内部の上面に補強部材49fの上面を突き当てたときに補強部材49fの底面がベースフレーム41内部の底面に近接する形状とした。このような形状とすることで、補強壁部49f2の高さ方向中央付近における中央壁部49f1に垂直な方向の幅よりも、各補強壁部49f2の底面における中央壁部49f1に垂直な方向の幅の方が大きくなる。
図27に示すように、コンタクトガラス42上から下方向にAで示す力を加えると、力のかかり方によってはベースフレームの底面の隅を中心にベースフレーム内部方向にBで示す力が発生する場合がある。この場合、新たな形状の補強部材49fを画像読取装置4に適用することで補強部材49fの下側の端部がベースフレームの底面に接触し、Cで示す支持力を発生させることができる。これによりベースフレーム41の内部の底面からのより大きい支持力が得られ、より大きい補強効果が得られる。つまり、新たな形状の補強部材49fではベースフレーム41内部の下面と上面の間のつっかえ棒のような役割をする。
図28に示すように補強部材49eのコンタクトガラス支持面49e3上に樹脂製もしくはゴム製の支持部品41dを設置するようにしてもよい。また、コンタクトガラス42とキャリッジの接触強度を大きくするため、コンタクトガラス支持面49e3の補強部材49eが設置された面、すなわち中央壁部49e1に対向する面方向の端部と、支持部品41dの補強部材49eが設置された面、すなわち中央壁部49e1に対向する面方向の端部が略一致するように配置してもよい。
以上のように本実施の形態に係る画像読取装置4は、原稿を載置するためのコンタクトガラス42と、略直方体形状のベースフレーム41の内部空間を副走査方向に移動しながらコンタクトガラス42上に載置された原稿の読取を行う読取手段45とを備えている。
また、画像読取装置4は、コンタクトガラス42を下から支持するための複数の補強部材49eをベースフレーム41の主走査方向に直交する対向する2面に有し、主走査方向に直交する対向する2面のうちの片方の面に配置される各補強部材49eは、この面に対向する他方面の補強部材49eの副走査方向の中心面と略一致するよう配置されている。
この構成により、補強部材49eが直接コンタクトガラス42を支持するので、ベースフレーム41に絞り形状部を設けるための絞り加工を施す必要がなく、ベースフレーム41上面の鋼板量も絞り形状部を設ける場合と比較して少なくできるので、コストを低減することができる。
また、補強部材49eは、コンタクトガラス42を直接支持するコンタクトガラス支持面49e3と補強部材49eの両側面を補強する補強壁部49e2のそれぞれの副走査方向の中心が略一致するように配置してもよい。
この構成により、副走査方向の中心を一致させない場合と比較してベースフレームのたわみ量を小さくすることができ、コンタクトガラス42と読取手段45の接触強度を大きくすることができる。
また、コンタクトガラス42を下から支持するための複数の補強部材49eをベースフレーム41の主走査方向に直交する対向する2面と副走査方向に直交する対向する2面の双方またはいずれか一方の2面に有するようにしてもよい。
また、主走査方向に直交する対向する2面のうちの一方の面に配置される各補強部材49eは、一方の面に対向する他方の面の補強部材49eの副走査方向の中心面と略一致し、副走査方向に直交する対向する2面のうちの一方の面に配置される各補強部材49eは、一方の面に対向する他方の面の補強部材49eの主走査方向の中心面と略一致するよう配置されるようにしてもよい。
また、主走査方向に直交する対向する2面に配置される補強部材49eは、副走査方向の中心が、コンタクトガラス支持面49e3の副走査方向の中心と略一致するように配置され、副走査方向に直交する対向する2面に配置される補強部材49eは、主走査方向の中心がコンタクトガラス支持面49e3の主走査方向の中心と略一致するように配置されるようにしてもよい。
また、ベースフレーム41の側面に配置される補強部材49fは側面に固定され、各補強壁部49f2との間に設けられる中央壁部49f1を有し、補強壁部49f2の高さ方向中央付近における中央壁部49f1に垂直な方向の幅よりも、各補強壁部49f2の底面における中央壁部49f1に垂直な方向の幅の方が大きくなるよう構成してもよい。
この構成により、補強部材49fの下側の端部がベースフレームの底面に広く接触し、支持力を発生させることができる。したがって、ベースフレーム41の内部の底面からより大きい支持力が得られ、より大きな補強効果が得られる。
また、コンタクトガラス支持面49e3の、補強部材49eが設置された面に対向する面方向の端部と、コンタクトガラス支持面49e3上に設けた樹脂製もしくはゴム製の支持部品41dの、補強部材49eが設置された面に対向する面方向の端部が略一致するように配置されるようにしてもよい。
この構成により、コンタクトガラス42上から力をかけた場合、補強部材49eは補強部材49eが設置された面に対向する面方向中心に近い部分が最もたわみ量が大きくなるが、補強部材49e、樹脂製またはゴム製の支持部品41dの製造ばらつきによらず、その箇所を最初に確実に補強部材49eが設置された面に対向する面方向中心に近い面で受けるようにすることにより、補強部材49eのたわみ量を小さくすることができコンタクトガラス42と読取手段45の接触強度を大きくすることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
本発明によれば、画像読取装置を構成するベースフレームに対し補強部材を設けることで、高剛性化を図りつつ、画像読取不良を抑制することができ、画像読取装置および画像形成装置全般に有用である。