JP6623563B2 - 真空断熱材用積層体およびそれを用いた真空断熱材 - Google Patents

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Description

本発明は、真空断熱材用積層体およびそれを用いた真空断熱材に関するものである。
真空断熱材は、芯材を真空断熱材用積層体で被覆し、芯材の周囲を真空状態にし、気体による熱伝導率を限りなくゼロに近づけることにより、断熱性能を高めた断熱材である。
真空断熱材用積層体には内部の真空度を保つため、ガスバリア性が要求される。しかしながら、従来の真空断熱材には、ガスバリア層としてアルミニウム箔を使用しているため、真空断熱材の真空断熱材用積層体を伝わる熱伝導、いわゆるヒートブリッジ現象によって真空断熱材の断熱効果が小さくなる現象が見られた。
特許文献1には、アルミ蒸着エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムを用い、所定の酸素透過度及び水蒸気透過度を有する外装材を用いることによって、断熱性能を向上して、信頼性を確保した真空断熱材が提案されている。
アルミ蒸着エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムを用いた構成では、真空断熱材成型時にアルミ蒸着が損傷を受けても、エチレン−ビニルアルコール共重合体がガスバリア性を補う。しかしながら、エチレン−ビニルアルコール共重合体は水蒸気バリア性がないため、高湿に曝される場所では適さない。また防湿のためのガスバリアフィルムが屈曲によってガスバリア性能が低下することも問題とされてきた。
特許第5608472号
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、ガスバリア性が高く、高湿に曝される場所でも断熱性能を維持でき、屈曲によるガスバリア性能の劣化を起こしにくい、真空断熱材用積層体およびそれを用いた真空断熱材を提供することを課題とする。
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明は、断熱芯材を真空断熱材用積層体で被覆し、内部を脱気し真空状態とした真空断熱材に用いられる真空断熱材用積層体において、前記真空断熱材用積層体は、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、金属又は無機酸化物或いはそれらの混合物である蒸着薄膜層、水溶性高分子と(a)1種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の少なくともいずれか1つを含む水溶液、あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤からなる被膜層とを積層したバリアフィルム、アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム、塩化ビニリデンフィルム、熱融着層の順に積層され、
該真空断熱材用積層体の、JIS K7129に準じて温度40℃相対湿度差90%で測定した際の水蒸気透過度が0.1g/m・day以下、ゲルボ試験にJIS K7129に準じて温度40℃相対湿度差90%で測定した際の水蒸気透過度が0.5g/m・day以下であることを特徴とする真空断熱材用積層体である。
また、請求項2の発明は、前記熱融着層が、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材用積層体である。
また、請求項3の発明は、前記熱融着層の密度が、0.934g/cm 以下であることを特徴とする請求項2に記載の真空断熱材用積層体である。
また、請求項4の発明は、真空断熱材において、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の真空断熱材用積層体を用いてなることを特徴とする真空断熱材である。
本発明は、ガスバリア性が高く、高湿に曝される場所でも断熱性能を維持でき、屈曲によるガスバリア性能の劣化を起こしにくい、真空断熱材用積層体およびそれを用いた真空断熱材を提供することができる。
本発明の真空断熱材の一実施形態の断面模式図である。 本発明に用いることができるバリアフィルムの一実施例を図解的に示す図である。 本発明に用いることができるバリアフィルムの他の実施例を図解的に示す図である。 本発明による真空断熱材用積層体の一実施例の層構成を図解的に示す図である。
以下発明を実施するための形態について、図1〜図4を参照しながら詳細な説明を加える。ただし、本発明はこれらの例にのみ限定されるものではない。
図1は本発明の真空断熱材の一実施形態の断面模式図である。芯材3は真空断熱材用積層体2で被覆され封入され真空断熱材1を構成する。このとき内部は脱気され真空状態となっている。
図4は本発明の真空断熱材用積層体の一実施例の層構成を図解的に示す図である。本発明による真空断熱材用積層体において、ここに示す例は真空断熱材用積層体2がプラスチック基材5の少なくとも片面に、金属又は無機酸化物或いはそれらの混合物である蒸着薄膜層、水溶性高分子と(a)1種以上のアルコキシドまたは/及びその加水分解物または(b)塩化錫の少なくともいずれか1つを含む水溶液、あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤からなる被膜層とを積層したバリアフィルム4、アルミ蒸着フィルム10、ポリ塩化ビニリデンフィルム11、熱融着層12の順に積層されたことを特徴とする真空断熱材用積層体2である。この状態において、本発明による真空断熱材用積層体の水蒸気透過度は、0.1g/m・day以下、屈曲試験であるゲルボ試験後の水蒸気透過度は0.5g/m・day以下である。
ここでは各層の積層は接着層13を介して積層されている。また真空断熱材用積層体2同士の接着は、積層体の熱融着層12同士を対向させて重ね、加熱、加圧して行なうこと
ができる。
まず、図2 に示す本発明に用いることができるバリアフィルムの一実施例において、バリアフィルム4 は、基材5がプラスチック材料からなるフィルム基材であり、その片面に蒸着薄膜層6、被膜層7が順次積層されている。
基材5のプラスチック材料は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等を用いることができる。これらは、機械的強度や寸法安定性を有するものであれば、延伸されたものでも未延伸のものでも構わない。通常これらのものを、フィルム状に加工して用いられる。特に耐熱性等の観点から二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムやポリアミドフィルムが好ましく用いられる。
また、この基材5の蒸着薄膜層6が設けられる面と反対側の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良い。また、蒸着薄膜層6との密着性を良くするために、基材5の積層面側を前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理、溶剤処理などのいずれかの処理を施しても良い。
基材5の厚さは、とくに限定されるものではなく、また基材としての適性を考慮して、単体フィルム以外の異なる性質のフィルムを積層したフィルムを使用することもできる。加工性を考慮すれば、3〜200μmの範囲が好ましく、特に6〜30μmが好ましい。
また、量産性を考慮すれば、連続的に各層を形成できる長尺の連続フィルムとすることが望ましい。
次に蒸着薄膜層6は、金属、例えばアルミニウム、銅、銀など、もしくは無機酸化物、例えばイットリウムタンタルオキサイド、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム或いはそれらの混合物の蒸着膜からなり、酸素、水蒸気等のガスバリア性を有する。これらの中では、特にアルミニウム、酸化アルミニウム及び酸化珪素、酸化マグネシウムが好ましい。なお、上述の金属および無機酸化物に限定されず、酸素、水蒸気等のガスバリア性を有する材料であれば用いることができる。
蒸着薄膜層6の厚さは、用いられる化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、5〜300nmの範囲内が望ましく、その厚さ適宜選択することができる。ただし、膜厚が5nm未満の場合は、均一な膜が得られず、膜厚が十分とはいえない。また、無機酸化物の場合、膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを発揮することができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがある。好ましくは、10〜150nmの範囲内である。
蒸着薄膜層6をプラスチック基材上に形成する方法としては、通常の真空蒸着法により形成することができる。また、その他の薄膜形成方法としてスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(PCVD) などを用いることも可能である。生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れる。
真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかが好ましい。
また、蒸着薄膜層6と基材5の密着性及び蒸着薄膜層6の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込む反応蒸着を行ってよい。
さらに、ガスバリア層を形成する第2の層である被膜層7を説明する。被膜層7は、水溶性高分子と、(a)1種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の少なくともいずれか1つを含む水溶液、あるいは水/ アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いて形成される。例えば、水溶性高分子と塩化錫を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、或いはこれに金属アルコキシドを直接、或いは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を調整し溶液とする。この溶液を無機化酸化物からなる蒸着薄膜層6にコーティング後、加熱乾燥し形成される。
コーティング剤に用いられる水溶性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特にポリビニルアルコール(PVA)を用いるとガスバリア性が最も優れる。このPVA は、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるものであり、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVA等までを含み、特に限定されない。
またコーティング剤に用いられる塩化錫は、塩化第一錫(SnCl)、塩化第二錫(SnCl)、或いはそれらの混合物であってもよい。またこれらの塩化錫は、無水物でも水和物でもあってもよい。
更にコーティング剤に用いられる金属アルコキシドは、一般式、M(OR)n(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH,C等のアルキル基)で表せる化合物である。具体的にはテトラエトキシシラン〔Si(OC〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2'−C〕などがあげられ、中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
コーティング剤のガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を必要に応じて加えることができる。
例えばコーティング剤に加えられるイソシアネート化合物としては、その分子中に2 個以上のイソシアネート基を有するものが好ましい。例えばトリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネートなどのモノマー類と、これらの重合体、誘導体が挙げられる。
コーティング剤の塗布方法には、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公知の手段を用いることができる。被膜の厚さは、コーティング剤の種類や加工機や加工条件によって異なる。乾燥後の厚さが、0.01μm以下の場合は、均一な塗膜が得られず十分なガスバリア性を得られない場合があるので好ましくない。また厚さが50μmを超える場合は膜にクラックが生じ易くなるため問題がある。好ましくは0.01〜50μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.1〜10μmの範囲にあることである。
なお、図3に示すように蒸着薄膜層6、被膜層7上にさらに蒸着薄膜層8、被膜層9を同様に設けることも可能であり、必要に応じて複数層を積層して設けることができる。
ポリ塩化ビニリデンフィルムの厚みは特に規定されるものではないが、より好ましくは12〜15μm位が望ましい。
熱融着層としては、ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、無延伸ポリエチレンテレフタレート、無延伸ナイロンなどが使用可能である。
熱融着層として直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを用いると、耐突き刺し性、耐屈曲性が高く、シール性も優れているため特に適している。また熱融着層は密度が、0.934g/cm以下の直鎖状低密度ポリエチレンフィルムであることがより好ましい。
本発明の真空断熱材用積層体を構成する各層の積層方法は、2液硬化型ウレタン系接着剤を用いたドライ・ラミネーションによる方法や、エクストルージョンラミネーションによる方法などが採用できるが、特に指定するものではない。
このようにして得られる真空断熱材用積層体を用いて真空断熱材を作成することができる。したがって本発明によれば、ガスバリア性が高く、高湿に曝される場所でも断熱性能を維持でき、屈曲によるガスバリア性能の劣化を起こしにくい、真空断熱材用積層体およびそれを用いた真空断熱材を提供することが可能である。
以下、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
<真空断熱材の外装材の製造>
基材5として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させ、そこに酸素ガスを導入し、厚さ15nmの酸化アルミニウムを蒸着して無機酸化物からなる蒸着薄膜層6を形成した。次いで下記組成からなるコーティング剤をグラビアコート法により塗布し、その後120℃ 1分間乾燥させ厚さ0.5μmの被膜層7を形成しバリアフィルム4とした。コーティング剤の組成は、「1液」と「2液」を配合比(wt%)で60/40に混合したもの。
「1液」:テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌し加水分解させた固形分3wt%(SiO2換算)の加水分解溶液
「2液」:ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)。
該バリアフィルムに厚さ12μmのアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムをウレタン系接着剤を用いて積層、接着した。次いで、アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムの外面に、厚さ15μmのポリ塩化ビニリデンフィルムをウレタン系接着剤を用いて貼り合せ、更にポリ塩化ビニリデンフィルムの外面に、熱融着層である厚さ40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムをウレタン系接着剤を用いて貼り合わせて、真空断熱材用積層体を得た。
その後、大気圧、50℃、72時間エージングをして接着剤効果反応を促進させ真空断熱材用積層体を完成させた。
<真空断熱材の製造>
前記のようにして製造した4辺形の外装材の2枚を、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム同士が対向するように重ねて配置し4辺形の3方の端部に、各10mm巾のヒートシールバーにより、前記直鎖状低密度ポリエチレンフィルム同士を熱融着させて150mm×190mmの3方袋に加工した。
不織布を120mm×220mmに切り、100mm×120mmのピロー袋に加工し、多孔質シリカ20gを封入し、芯材を得た。前記3方袋に前記芯材を充填し、前処理乾燥を行った。その後、1.5〜1.6Paに減圧し、減圧を維持したまま3方袋の開口部を10mm巾のインパルスシーラーにより熱融着させて、真空断熱材を製造した。
(比較例1)
実施例1において、ポリ塩化ビニリデンフィルムに代えて、厚さ12μmのエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムを使用した他は同様にして真空断熱材を製造した。
(比較例2)
比較例1において、アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えて、厚さ15μmのアルミ蒸着ポリアミドフィルムを使用した他は同様にして、真空断熱材を製造した。
(比較例3)
比較例1において、アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えて、厚さ15μmのポリアミドフィルムを使用し、且つ厚さ12μmのエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムに代えて、厚さ12μmのアルミ蒸着エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムを使用した他は同様にして、真空断熱材を製造した。
(比較例4)
比較例3において、上記バリアフィルムに代えて、厚さ25μmのポリアミドフィルムを使用し、且つ厚さ15μmのポリアミドフィルムに代えて、厚さ12μmのアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用した他は同様にして、真空断熱材を製造した。
(評価)
<ガスバリア性評価>
上記実施例および比較例で得られた真空断熱材の外装材について、ガスバリア性の評価を行った。ガスバリア性の評価はJIS K7129に準じて温度40℃相対湿度差90%における水蒸気透過度の測定を行った。
さらに上記実施例および比較例で得られた真空断熱材の外装材について、耐屈曲性の評価を行った。耐屈曲性の評価は次のようにして行った。
<ゲルボ試験>
210mm×297mmの試験片の297mmの両端を貼り合わせて円筒状に丸め、筒状にした試験片の両端を固定ヘッドと駆動ヘッドで保持し、440度のひねりを加えながら固定ヘッドと駆動ヘッドの間隔を7インチから3.5インチに狭めて、さらにひねりを加えたままヘッドの間隔を1インチまで狭め、その後ヘッドの間隔を3.5インチまで広げて、さらにひねりを戻しながらヘッドの間隔を7インチまで広げるという往復運動を40回/minの速さで、25℃で300回行った。
さらにゲルボ試験を行った試験片について、JIS K7129に準じて温度40℃相対湿度差90%における水蒸気透過度の測定を行った。
これらの評価結果を下記表1に示す。
表1を見ると、実施例1のゲルボ試験前の水蒸気透過度は、0.1g/m・day以下であって、比較例と同レベルの値を示した。一方、実施例1のゲルボ試験後の水蒸気透過度は0.19g/m・dayであって、比較例のいずれよりも低い値を示した。これは本発明による真空断熱用積層体にアルミ蒸着フィルムおよび塩化ビニリデンフィルム、
を配置した効果であると考えられる。よって、本発明による真空断熱材用積層体は、高温高湿度下での水蒸気透過度は良好であって、ゲルボ後の水蒸気透過度も、屈曲試験に対する耐性がより良好であることを示している。
<内圧測定>
実施例1および比較例1〜4で作製した真空断熱材の内圧、および60℃相対湿度差90%環境で保存した後の内圧を測定した。内圧の測定は、特開昭61−107126に準じて行った。真空チャンバー内に真空断熱材をセットし、真空チャンバー内を減圧すると、真空断熱材の外装材が膨らむ。この外装材の変位を変位センサが検知し、その際のチャンバーの内圧を真空断熱材の内圧として算出した。
これらの評価結果を下記表2に示す。
表2を見ると、実施例1は保存期間が20日以上になると、最も低い値を示した。これにより、実施例1は比較例1〜4よりも高湿度下での断熱効果を維持できると言える。
これらの結果から本発明によれば、ガスバリア性が高く、高湿に曝される場所でも断熱性能を維持でき、屈曲によるガスバリア性能の劣化を起こしにくい、真空断熱材用積層体およびそれを用いた真空断熱材を提供することが可能であることを検証することができた。
1・・・真空断熱材
2・・・真空断熱材用積層体
3・・・芯材
4・・・バリアフィルム
5・・・基材
6・・・蒸着薄膜層
7・・・被膜層
8・・・蒸着薄膜層
9・・・被膜層
10・・・アルミ蒸着フィルム
11・・・ポリ塩化ビニリデンフィルム
12・・・熱融着層
13・・・接着層

Claims (4)

  1. 断熱芯材を真空断熱材用積層体で被覆し、内部を脱気し真空状態とした真空断熱材に用いられる真空断熱材用積層体において、
    前記真空断熱材用積層体は、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、金属又は無機酸化物或いはそれらの混合物である蒸着薄膜層、水溶性高分子と(a)1種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の少なくともいずれか1つを含む水溶液、あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤からなる被膜層とを積層したバリアフィルム、アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム、塩化ビニリデンフィルム、熱融着層の順に積層され、
    該真空断熱材用積層体の、JIS K7129に準じて温度40℃相対湿度差90%で測定した際の水蒸気透過度が0.1g/m・day以下、ゲルボ試験にJIS K7129に準じて温度40℃相対湿度差90%で測定した際の水蒸気透過度が0.5g/m・day以下であることを特徴とする真空断熱材用積層体。
  2. 前記熱融着層が、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材用積層体。
  3. 前記熱融着層の密度が、0.934g/cm 以下であることを特徴とする請求項2に記載の真空断熱材用積層体。
  4. 真空断熱材において、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の真空断熱材用積層体を用いてなることを特徴とする真空断熱材。
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