JP6622515B2 - レンズアレイ、波面センサ、波面計測装置、形状計測装置、収差計測装置、光学素子の製造方法及び光学機器の製造方法 - Google Patents

レンズアレイ、波面センサ、波面計測装置、形状計測装置、収差計測装置、光学素子の製造方法及び光学機器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、レンズアレイのレンズに設けられた遮光部材に関する。
近年、光学系を有するカメラ、光学ドライブ、露光装置などの光学機器は、光学系の小型化のため、非球面光学素子(ミラーやレンズ等)の導入が一般的になりつつある。高品質の非球面光学素子を効率良く生産するためには、非球面光学素子の形状を簡便に評価する計測技術が必要である。
そのような計測技術として、マイクロレンズアレイ(MLA:microlens array)と撮像素子を備えたシャックハルトマンセンサ(SHS:Shack−Hartmann sensor)による計測方法がよく知られている。非球面レンズなどの被検物に対して投光された光が反射すると、その光は被検物の形状を反映した波面の光(被検光)として伝搬する。その被検光をSHSで検知することで簡単に波面の計測ができ、ひいては波面の計測データを通じて被検物の形状を計測することができる。
被検光がSHSのMLAに入射すると、撮像素子上に複数のスポットが形成される。そのスポットを撮像し、それぞれのスポット位置を検出する。検出されたスポット位置から各マイクロレンズに入射した光線の入射角度を算出し、この光線の入射角度分布から被検光の波面のデータを簡単に算出することができる。
ところで、SHSによる計測を高解像度化するためには、MLAを構成するマイクロレンズのピッチを狭める必要がある。しかし、各マイクロレンズに光が入射すると、その周縁部に起因して回折光が発生する。そのため、上記ピッチを狭めると、隣接するマイクロレンズで生じた回折光の電場がスポットの電場に干渉して干渉縞を形成することとなり、スポット像が歪み、波面計測精度が低下する。したがって、SHSの高解像度化と高精度化とを両立するためには、隣接するマイクロレンズが形成するスポットの近傍での回折光を抑制する必要がある。
これに対し、特許文献1には、レンズの周縁部に向かって光透過率が100%、60%、30%と段階的に減少するアパーチャ部材を各マイクロレンズに付加したSHSの技術が開示されている。
特開2013−2819号公報
しかしながら、特許文献1に記載のアパーチャ部材では、隣接するレンズにより生じたスポットに回折光が干渉するのを十分に抑制することはできなかった。そのため、レンズにより形成される光のスポットの歪みを十分に抑制することができず、十分な波面計測精度を得ることができなかった。
そこで、本発明は、回折光による光のスポットの歪みを効果的に抑制することを目的とする。
本発明のレンズアレイは、被検光を分割した光を集光して複数の光のスポットを形成する複数のレンズを備え、前記各レンズが、レンズ部材と、前記レンズ部材の周縁部を含む内側の領域に対応して設けられ、光の一部が透過する遮光部材と、を有し、前記各レンズの配置間隔をp、前記被検光の波長をλ、前記各レンズの焦点距離をf、虚数単位をi、Nを2以上の整数、前記各レンズの周縁部における電場透過係数の絶対値をΔとしたとき、前記各レンズの周縁部から内側へ距離δ離れた位置で、電場透過係数の絶対値が変化量Δ、前記各レンズの周縁部から内側へ向かってステップ状に増加し、p、λ、f、δ は同じ単位であり、かつ
Figure 0006622515
を満たすように、前記遮光部材が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、回折光による光のスポットの歪みを効果的に抑制することができる。
第1実施形態に係る波面計測装置を示す模式図である。 (a)は第1実施形態に係るレンズアレイの正面図、(b)は第1実施形態に係るレンズアレイの断面図である。 (a)は第1実施形態におけるレンズに平面波の光を垂直に入射した場合の、焦点面における電場の分布を示すグラフである。(b)は(a)の縦軸を拡大したグラフである。 Cr膜の光学濃度ODと膜厚Lとの関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。 撮像素子によって撮像されたスポット像の模式図である。 (a)は第1実施形態の遮光マスクを有するレンズの光軸から光軸の方向と直交する方向への距離rに対する光透過率Tを示すグラフである。(b)は第1実施形態の遮光マスクを有するレンズの光軸から光軸の方向と直交する方向への距離rに対する電場透過係数の絶対値tを示すグラフである。 第1実施形態におけるu及びuの値を複素平面上で表現したグラフである。 第2実施形態において、N=3としてレンズの光透過率分布を計算した結果を示すグラフである。 (a)は、第2実施形態において、焦点面での電場分布とNの関係を計算した結果を示すグラフである。(b)は、回折光電場の抑制率βとNの関係を算出した結果を示すグラフである。 第2実施形態において、δの値と回折光電場の抑制率βとの関係を計算した結果を示すグラフである。 比較例として、マイクロレンズの焦点面での電場E’(r)を示すグラフである。 (a)は、第3実施形態におけるレンズの光透過率分布T(r)を示すグラフである。(b)は、uを複素平面上にプロットしたグラフである。 (a)は、第4実施形態におけるレンズの光透過率分布T(r)を示すグラフである。(b)は、uを複素平面上にプロットしたグラフである。 (a)は、第5実施形態におけるレンズの光透過率分布T(r)を示すグラフである。(b)は、uを複素平面上にプロットしたグラフである。 (a)は、第6実施形態におけるレンズの光透過率分布T(r)を示すグラフである。(b)は、入射する波面の曲率とスポット検出誤差の関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。 (a)は、SHSで計測できる波面の最小曲率とスポット検出誤差をシミュレーションした結果を示すグラフである。(b)は、焦点面での電場強度をシミュレーションした結果を示すグラフである。 (a)は第7実施形態に係るレンズアレイの正面図、(b)は第7実施形態に係るレンズアレイの断面図である。 第8実施形態に係る形状計測装置を示す模式図である。 第9実施形態に係る収差計測装置を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
(波面計測装置)
図1は、本発明の第1実施形態に係る波面計測装置を示す模式図である。波面計測装置100は、不図示の光学系を介して、光学素子を有する光学機器200からの出射光(被検光)の波面104を計測する。波面計測装置100は、波面センサであるシャックハルトマンセンサ(SHS)101と、演算部である演算機103とを備えている。SHS101は、レンズアレイであるマイクロレンズアレイ(MLA)105と、撮像素子107とを有する。
図2(a)は、MLA105の正面図、図2(b)は、MLA105の断面図である。MLA105は、被検光を分割した光を集光して複数の光のスポットを形成する複数のマイクロレンズ(レンズ)109を有する。複数のレンズ109は、図2(a)に示すXY平面内においてアレイ状(正方状)に等間隔に配列されている。
各レンズ109は、図2(b)に示すように、透明部材で形成されたレンズ部材111と、レンズ部材111に対応して設けられた遮光部材である遮光マスク121と、を有する。遮光マスク121は、レンズ部材111のレンズ面と共に、レンズ部材111の光出射側、つまりレンズ部材111の光が透過した側に配置されている。
また、MLA105は、複数のレンズ部材111を接続する接続部材112と、接続部材112に対応して設けられた遮光マスク122と、を有している。接続部材112も、レンズ部材111と同様の透明部材で形成されている。つまり、複数のレンズ部材111と接続部材112とは一体に形成されている。遮光マスク122は、接続部材112の光出射側、つまり接続部材112の光が透過した側に配置されている。
レンズ109は、その光軸109CがZ方向と平行に配置されている。レンズ109の周縁部109A(レンズ部材111の周縁部111A)は、光軸109Cを中心とした半径Rの円形である。レンズ109の焦点距離はfである。第1実施形態では、複数のレンズ109がピッチ(配置間隔)pで正方状に等間隔に配列されている。つまり、互いに隣接する2つのレンズ109の光軸109C間の距離がピッチpである。なお、レンズ109の配列は、これに限定するものではなく、六方格子状などの他の配列であっても良い。また、図2ではレンズ109が5×5個配列されている場合を示しているが、配列数はこれに限らない。
撮像素子107は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどのエリアセンサである。撮像素子107は、MLA105に対向して配置され、MLA105の複数のレンズ109により形成された複数のスポットからなるスポット像を撮像する。MLA105は、撮像素子107の受光面107Aとほぼ平行(平行を含む)に、ほぼ焦点距離(焦点距離を含む)f、離れた位置に配置する。
演算機103は、SHS101の検知結果に基づき、被検光の波面104のデータ(波面データ)を算出する。より具体的には、演算機103は、撮像素子107にてスポット像を撮像して得られた画像を取り込んで被検光の波面データを算出する。
遮光マスク122は、接続部材112に入射した被検光を遮光するために接続部材112を覆って形成されている。遮光マスク122は、半径Rの円形開口マスクであり、開口の中心はレンズ109の光軸109Cと一致している。遮光マスク122を透過する光は無視できる程度に小さく、遮光マスク122の光学濃度としては3以上、すなわち光透過率としては0.001以下であることが望ましい。第1実施形態では、遮光マスク122は、Cr膜によって構成される例を取り上げるが、上記条件を満たせば他の金属膜であっても良いし、金属膜以外のものであっても良い。
図2(b)では、接続部材112が平行平板状である例を示しているが、レンズ109のレンズ面を外挿するような球面形状を含んでもよい。この場合でも、遮光マスク122が存在するために、接続部材112がレンズとして機能することはない。そのため、遮光マスク122の円形開口がレンズ109の周縁部109Aを規定することとなり、レンズ109の半径は遮光マスク122の円形開口の半径Rに一致することとなる。
ここで、比較例として、レンズ109が、遮光マスクを有しておらず、透明なレンズ部材111のみで構成され、その光透過率が全面に亘って1で均一な場合、即ちレンズ109が透明な場合について説明する。平面波からなる光がレンズ109に垂直に入射する場合、レンズ109の光軸109Cからrだけ離れた位置での焦点面における電場の複素振幅(以下、単に電場と記す)E’(r)は、フレネルの回折式によって式(1)のように近似される。(参照:鶴田著、「応用光学I」、培風館、1990年)
Figure 0006622515
但し、Eはレンズ109に入射した光の電場強度、λは光の波長、J(x)は1次ベッセル関数を表す。
図3(a)は、レンズ109に平面波の光を垂直に入射した場合の、焦点面における電場の分布を示すグラフである。図3(b)は、図3(a)の縦軸を拡大したグラフである。図3(a)及び図3(b)に示す点線は、例としてf=2.4[mm]、λ=638[nm]、p=0.1[mm]、R=0.05[mm]を式(1)に代入し、焦点面での電場分布を算出した結果である。縦軸の値は、r=0で1となるように規格化している。
以下、互いに隣接する2つのレンズ109のうち、一方のレンズ109に隣接する他方のレンズ109が形成する光のスポットを、隣接スポットという。隣接スポットの位置は、被検光の波面の傾きや曲率によって多少は異なるものの、一方のレンズ109の光軸109Cと撮像素子107の受光面107Aとの交点からおおよそpだけ離れた、r=pの位置近傍である。図3(a)及び図3(b)の点線で示すように、この領域(r=0.1[mm])では強い回折光電場が発生する。
隣接スポット近傍での回折光を抑制するため、第1実施形態では、各レンズ109の遮光マスク121は、レンズ部材111の周縁部111Aを含む内側の領域に対応してそれぞれ設けられている。そして、各レンズ109の遮光マスク121は、光の一部が透過するよう構成されている。
具体的には、遮光マスク121は、レンズ部材111の周縁部111Aから内側に幅λf/2pのドーナツ状の領域に形成されている。遮光マスク121の光透過率は0.25である。
第1実施形態では、遮光マスク121がCrからなる金属膜によって構成される。なお、上記条件を満たせば遮光マスク121は他の金属で構成された金属膜であっても良いし、金属膜以外のものであっても良い。また、遮光マスク121は、必ずしもレンズ部材111に接触している必要はない。即ち、遮光マスク121は、レンズ部材111から離間して配置されていてもよい。
遮光マスク121の光透過率は、Cr膜(金属膜)の膜厚で制御すれば良い。膜厚と光透過率の関係は、例えば、H.A.Macleod著、『Thin−film optical filters』(Adam Hilger Ltd,Bristol,1986)、p11に記載のモデルに基づいてシミュレーションすることができる。
図4は、上述のシミュレーションモデルを用いて、波長638[nm]におけるCr膜の光学濃度ODと膜厚Lとの関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。光学濃度ODと光透過率Tは、OD=−log10Tの関係にある。例えば、光透過率0.25は光学濃度0.60に相当し、これを満たすためのCr膜の膜厚は図4より9.7[nm]と求められる。また、膜厚Lと光透過率Tの関係は、より簡単には、膜の屈折率の虚部κを用いておおよそT=exp(−4πκL/λ)と近似されるので、この関係を用いて所望の光透過率を得るための膜厚を求めても良い。更には、膜厚Lと光透過率Tの関係を予め実験で求めておいても良い。
なお、MLA105については、遮光マスク121,122が形成されていない面に、不図示の反射防止膜を形成してもよい。また、図2にはMLA105の出射光側にレンズ面と遮光マスクが形成されている例を示したが、これらは入射側に形成しても良い。
(波面計測手順)
SHS101を用いた波面計測の手順を説明する。まずは、MLA105に被検光を入射し、撮像素子107の受光面107A上に形成される複数のスポット像を撮像する。図5は、撮像素子107によって撮像されたスポット像の模式図である。スポット像は、撮像素子107が出力する、μ行ν列の画素からの信号Iμ,ν(μ=1、2、・・・、ν=1、2、・・・)で構成されることとなる。
次に、撮像素子107の出力信号Iμ,νから、g行h列に位置するレンズ109によって形成されたスポットの位置(Xg,h,Yg,h)(g=1、2、・・・、h=1、2、・・・)を、演算機103で検出する。スポット位置を検出する方法としては、例えばスポット像がピークを形成する点近傍の画像を抽出し、その重心を式(2)で求める。
Figure 0006622515
ここで、pccdは撮像素子107の画素のピッチを表す。sの値は1〜3程度の値とするが、スポットサイズと撮像素子107の画素のピッチpccdの関係に応じて適宜調整することが望ましい。第1実施形態では式(2)を用いるが、例えば他の方法として、ガウシアンを初めとするスポットの像を適切に表す式で各スポットの像をフィッティングし、その中心をスポットの位置として求めても良い。
さらに、MLA105に入射する光線の傾斜(∂w/∂X,∂w/∂Y)を、式(3)に従って演算機103で求める。
Figure 0006622515
ここで、(X0,g,h,Y0,g,h)はg行h列に位置するレンズ109の光軸109Cの位置、lg,hはg行h列目に位置するレンズ109と撮像素子107の受光面107Aとの距離を表す。
レンズ109の光軸109Cの位置(X0,g,h,Y0,g,h)は、例えばApplied Optics Vol.44、No.30、p6419に記載の方法で事前に取得しておく。SHS101は、距離lg,hがなるべくfに等しくなる様に組み立てられているが、その組立には有限の誤差が存在する。そこで距離lg,hについても、周知の方法で校正し、精密な値を事前に取得しておく。
その後は、演算機103にて(∂w/∂X,∂w/∂Y)を2次元に亘って積分し、被検光の波面104をw(X,Y)として求める。
図6(a)は、第1実施形態の遮光マスク121を有するレンズ109の光軸109Cから光軸109Cの方向と直交する方向への距離rに対する光透過率Tを示すグラフである。レンズ109の光透過分布は、図6(a)に示すようなステップ状となる。その結果、焦点面における隣接スポット近傍での回折光の電場強度は、後述する理由により、遮光マスク121を有さない場合に対して73%低減することとなる。
電場強度は光強度の1/2乗に比例するので、遮光マスク121の電場透過係数の絶対値tは光透過率Tの1/2乗となり、遮光マスク121の電場透過係数の絶対値は√0.25=0.5となる。
ここで、tは絶対値、すなわち正の実数であり、複素数ではない。そのため、このパラメータは、レンズ109への入射光と出射光の電場強度の比を表現するパラメータに過ぎず、平面波の光を球面波の光に変換するレンズ作用までは表現していない。
遮光マスク121は、r≧(R−λf/2p)の領域にのみ形成されている。したがって、遮光マスク121は、入射する光電場Eの半分に対してのみ作用する半径(R−λf/2p)の円形開口とみなすことができる。さらには、レンズ109の周縁部109Aは、遮光マスク121を透過した光に対して、半径Rの円形開口として作用する。
図6(b)は、第1実施形態の遮光マスク121を有するレンズ109の光軸109Cから光軸109Cの方向と直交する方向への距離rに対する電場透過係数の絶対値tを示すグラフである。レンズ109は、遮光マスク121を備えると共に、周縁部109Aによって区切られているため、その電場透過係数の絶対値は図6(b)のようになる。すなわち、レンズ109を透過した直後の電場は、半径Rの円形開口を透過した強度E/2の電場(図6(b)ドット部)と、半径(R−λf/2p)の円形開口を透過した強度E/2の電場(図6(b)網掛部)の重ね合わせとなる。その結果、このレンズ109の焦点面での電場は、電場E/2の光を半径Rの透明レンズに入射した時の焦点面での電場E’と、電場E/2の光を半径(R−λf/2p)の透明レンズに入射した時の焦点面での電場E’の重ね合わせとなる。レンズ109の焦点面、すなわち撮像素子107の受光面107A上での電場E’とE’は、式(1)を参照して式(4)のように近似される。
Figure 0006622515
r≫λf/Rを満たす領域では、E’とE’は式(5)で近似される(参照:森口他、「岩波数学公式III 特殊関数」、岩波書店、1960年)。
Figure 0006622515
すなわち、焦点面上で光軸109Cから離れた領域の電場E’とE’の空間分布は、振幅がほぼ等しく、空間周波数が互いに1/(2p)異なる単振動を示すこととなる。隣接スポットが現れるr=pでは、その単振動の位相が電場E’と電場E’との間でπずれるので、これらを重ね合わせると電場が互いに相殺されることとなる。このような電場の干渉効果により、隣接スポット近傍での回折光が抑制されることとなる。
図3の破線と一点鎖線は、それぞれ電場E’とE’を式(4)で算出した結果である。縦軸の値は、点線と比較できるように規格化している。f、λ、p、Rは、点線を求めた時と同じ値を用いている。この計算結果を用いることにより、上記の回折光抑制メカニズムはより端的に説明される。すなわち、レンズ109が遮光マスク121を備えることは、入射した光電場の半分に対して、レンズとして作用する領域の半径がλf/2pだけ縮むことに相当する。これにより、図3に点線で示した隣接スポット近傍での回折光電場E’のうち、半分だけが位相を反転してE’(一点鎖線)となり、反転しない残り半分の回折光電場E’(破線)を相殺し、回折光電場が抑制されることとなる。
図3の実線は、式(4)で算出したE’とE’を合計し、遮光マスク121を備えたレンズ109の焦点面での電場分布を算出した結果である。遮光マスク121を備えない場合(点線)と比較して、r=pの近傍での回折光電場が抑制される。さらに、その回折光電場の抑制率βは、式(6)で定量的に求めることができる。
Figure 0006622515
αは、回折光を抑制すべき領域の広さをpで規格化した無次元量であり、スポットサイズや、SHS101に要求されるダイナミックレンジに応じて決めるのが好ましい。例えばα=0.3として、式(6)に式(1),(4)を代入すると、β=0.73と算出される。すなわち、遮光マスク121による隣接スポット近傍での回折光電場の抑制率は、73%という大きな値を示すこととなる。
(レンズ109がNステップの光透過率分布を示す場合)
第1実施形態では、遮光マスク121を導入することにより、レンズ109に2ステップの光透過率分布を与え、隣接スポット近傍での回折光を抑制している。以下、レンズ109がNステップ(Nは、2以上の整数)の光透過率分布を示す場合に拡張し、この時に隣接スポット近傍での回折光電場が抑制されるための条件を改めて導く。
Nステップの光透過率分布を示すレンズ109について、電場透過係数の絶対値の分布t(r)は、式(7)で表現される。
Figure 0006622515
は、r=0におけるレンズ109の電場透過係数の絶対値を示す。δは、各レンズ109の周縁部109Aから内側へ距離である。Δは、各レンズ109の周縁部109Aから内側へ距離δ離れた位置での、電場透過係数の絶対値の変化量である。ここで、δ=0である。Δは、各レンズ109の周縁部109Aにおける電場透過係数の絶対値である。
レンズ109の焦点面での電場E’は、半径(R−δ)の透明レンズで電場強度Δの光を集光したときの焦点面での電場E’を、j=1、2、・・・、Nについて重ね合わせたものとみなすことができる。E’は、r≫λf/Rの領域では式(5)を参照して式(8)の様に、E’は、E’を用いて式(9)の様に表現されることとなる。
Figure 0006622515
一方、電場透過係数の絶対値がtで均一なレンズ109では、焦点面における隣接スポット近傍での電場E’の空間分布は、動径方向に沿って式(10)で示される振幅E’で単振動を示し、その微分値の振幅s’は式(11)で示される値となる。
Figure 0006622515
レンズ109の電場透過係数の絶対値が式(7)の分布を示すことで焦点面でのr=p近傍の回折光電場が十分に抑制されるためには、式(12),(13)が満たされる必要がある。
Figure 0006622515
式(12),(13)に式(8),(9)を代入すると、式(14)が導かれる。
Figure 0006622515
但し、φ=2πpδ/λf、u=Δexp(iφ)である。iは、虚数単位である。空間上で振動するE’(r)について、φはr=pにおけるその振動の位相、Δは振幅の大きさを表現しており、uはその両方を含む複素数となっている。この式(14)は、レンズ109がNステップの光透過率分布を示す場合について、隣接スポット近傍での回折光電場を抑制するための条件式を一般化したものに相当する。
図6(b)の電場透過率係数の分布はN=2、δ=λf/2p、Δ=Δ=0.5を式(7)に代入して得られるものであり、これらの値から求められるuとuはそれぞれ0.5、−0.5である。図7は、u及びuの値を複素平面上で表現したグラフである。uとuを合計すると0であり、式(14)を満たしている。すなわち、式(14)は、図6(b)の電場透過係数の分布を包括する条件式となっている。
ところで、式(1),(10)によると、光透過率が均一なレンズ109が隣接スポット近傍に形成する回折光電場の強度E’と、スポットピークの電場強度E’(r=0)の比(E’/E’(r=0))は、R≒pとして、pの3乗に反比例する。そして、SHSの解像度を向上するために、レンズ109の光軸109Cのピッチpを2割低減すると、隣接スポット近傍での回折光電場は約2倍となり、スポット検出誤差と波面計測誤差も約2倍となる。例えば、遮光マスク121がない状態におけるレンズのピッチpを150[μm]とした場合に対して2割低減して120[μm]とした場合、隣接スポット近傍での回折光電場は約2倍となる。したがって、ピッチpを2割低減させることによるSHSの誤差の増大分を補償するためには、少なくとも隣接スポット近傍での回折光電場を半減させる必要がある。また、式(14)の左辺は、レンズ109の電場透過係数が式(7)の分布を示すときと、tで均一な分布を示すときとでの、r=p近傍における回折光電場強度の比におおよそ等しい。したがって、ピッチpを2割低減させることによるSHSの誤差の増大分を補償するための条件式は、式(15)で表される。
Figure 0006622515
即ち、u=Δexp(2πipδ/λf)で定義されるuの合計の絶対値を、Δの合計の半分以下とする。
更に、ピッチpを2/3倍とすることによるSHSの誤差の増大分を補償するためには、隣接スポット近傍での回折光電場を0.3倍とする必要があり、この補償を行うための条件式は、式(16)で表される。
Figure 0006622515
以上、第1実施形態では、各レンズ109の周縁部109Aから内側へ距離δ離れた位置で、電場透過係数の絶対値が変化量Δ各レンズ109の周縁部109Aから内側へ向かってステップ状に増加するように各遮光マスク121が形成されている。そして、第1実施形態では、式(15)を満たすように、より好ましくは式(16)を満たすように、各遮光マスク121が形成されている。これにより、互いに隣接する一対のレンズ109のうち、一方のレンズ109に対して隣接する他方のレンズ109により形成されるスポットの位置に形成される一方のレンズ109の回折光を十分に抑制することができる。その結果、各レンズ109における回折光による光のスポットの歪みを効果的に抑制することができる。よって、スポットの位置検出誤差が低減され、高精度な波面計測を実現することができる。
また、第1実施形態では、各遮光マスク121が各レンズ部材111の表面に形成された金属膜であり、各遮光マスク121の膜厚で電場透過係数の絶対値がステップ状に設定(制御)されている。したがって、厚さ分布を有した金属膜で光透過率が滑らかな分布(例えばガウス分布)を示す遮光マスクを形成する場合と比較して、金属膜の成膜工程の繰り返し回数が少なく、安価となる。
特に、第1実施形態の遮光マスク121の光透過率は均一なので、遮光マスク121を形成する際に成膜工程を繰り返す必要はない。そのため、MLA105を安価に製作することができ、ひいてはSHS101も安価に製作することができる。
なお、遮光マスクを、微小開口の配置密度により光透過率分布が制御された濃度フィルタで形成してもよい。しかし、遮光マスクを濃度フィルタで形成した場合、散乱光が生じるため、これを備えたMLAで構成されたSHSではスポット検出精度が低下するおそれがある。したがって、第1実施形態のように遮光マスク121の膜厚で電場透過係数を制御(設定)するのが好ましい。
(光学機器の製造方法)
第1実施形態のSHS101は、光源と光学素子とを有する光学機器200の製造に用いることができる。具体的には、まず、予め光学機器200を製作する(製作工程)。次に、波面計測装置100で光学機器200からの出射光の波面を計測する(計測工程)。このようにして計測された波面の収差を抑制するように光学機器200内の光学素子の位置を調整したり、加工を施したりすることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態において、SHS101がMLA105から構成され、MLA105がピッチpで配列された複数のレンズ109を有する点は、第1実施形態と共通である。但し、第2実施形態では、レンズ109の遮光マスク121が、第1実施形態と異なる。
(δの設計指針)
第1実施形態のSHS101以上に隣接スポット近傍での回折光電場を低減するには、電場E’,E’に対して空間周波数が異なる電場E’を更に重ね合わせて相殺すれば良い(j=3,4,・・・,N)。その際には、E’のr=pにおける位相がE’とE’に対して0°もしくは180°ずれていることが好ましい。そのために、第2実施形態では、レンズ109の電場透過係数の絶対値が、式(7)にt=1、N≧3、
Figure 0006622515
を代入して得られる分布を示すよう、各レンズ109の遮光マスク121が形成されている。より具体的には、R−(N−1)λf/2p≦r≦Rの領域に、電場透過係数の絶対値t’(r)が式(18)で表されるステップ状の分布を示す遮光マスク121が形成されている。
Figure 0006622515
遮光マスク121は、第1実施形態と同様にCr膜(金属膜)で構成されている。遮光マスク121の各領域での電場透過係数は、例えば図4を参照しながらCr膜の膜厚で制御する。
=1であり、この場合、式(7),(17)によると、r≦R−(N−1)λf/2pの領域でのレンズ109の電場透過係数の絶対値tは1なので、この領域には遮光マスク121を形成しない。このように、t=1と設計することにより、遮光マスク121の成膜領域を低減し、レンズ109を透過する光の量を確保することができる。この時、Δ=1−Σk=1 N−1Δとなる。
遮光マスク121は、半径R−(j−1)λf/2pの円形開口をj=2、・・・Nについて重ね合わせたものとして考えることができる。すなわち、この遮光マスク121に電場強度Eの光を入射したときには、そのうち強度EΔの電場に対して半径R−(j−1)λf/2pの円形開口として作用することとなる。さらには、レンズ109の周縁部109Aは、強度EΔの電場に対して半径Rの円形開口として作用する。その結果、焦点面における電場E’は、径が異なる複数の透明レンズから発生した回折光電場の重ね合わせとして表現することができ、r≫λf/Rの領域では、式(8),(9)に式(17)を代入して得られる式(19)で表される。
Figure 0006622515
(Δの設計指針)
r=p近傍でE’〜E’が互いに相殺する様なΔ〜Δの値は、以下の様に求めることができる。すなわち、E’(r)をr=pの周りでテイラー展開すると、式(20)が得られる。
Figure 0006622515
r=pの近傍での回折光電場を抑制するには、q=0、1、…、N−2について、式(21)とすればよい。
Figure 0006622515
この式(21)は、q=0とすると式(12)に対応し、q=1とすると式(13)に対応する。これら2つの式を満たすだけでも隣接スポット近傍での回折光電場はある程度抑制されるが、第2実施形態では、q≧2でもこの式を満たすようにすることで、より精度良く回折光電場を抑制する。
式(19)を式(21)に代入すると、r=p≫λf/Rとして、式(22)が得られる。
Figure 0006622515
さらには、t=1なので、式(23)が成立する。
Figure 0006622515
q=0〜(N−2)として式(22),(23)を連立方程式として解くと、式(24)の解が得られる。
Figure 0006622515
N=3〜7として式(24)で算出されるΔの値は、表1に記載の通りである。
Figure 0006622515
図8は、第2実施形態において、N=3としてレンズ109の光透過率分布を計算した結果を示すグラフである。
(第1実施形態との関係)
N=2を式(24)に代入すると、Δ=Δ=0.5となり、式(17)によると、δ=λf/2pである。これらの値を式(7)に代入すると、第1実施形態のレンズ109の電場透過係数の分布(図6(b))と一致する。すなわち、式(24)でN≧2とすると、第1実施形態のレンズ109も包括する条件式となる。
更に、第2実施形態の遮光マスク121では、式(17)によると、奇数のjに対してはφ=φ2j’−1=2πpδ2j’―1/λf=2π(j’−1)であり、u=u2j’−1=Δ2j’−1exp(iφ2j’−1)=Δ2j’−1となる。ここで、j’は自然数である。式(22)でq=0とした式と式(23)によると、Δ2j’−1の合計は0.5なので、u2j’−1の合計も0.5となる。一方、偶数のjに対してはφ=φ2j’=2πpδ2j’/λf=2π(j’−1/2)であり、u=u2j’=Δ2j’exp(iφ2j’)=−Δ2j’となる。Δ2j’の合計は0.5なので、u2j’の合計は−0.5となる。その結果、uを全て合計すると0となり、第1実施形態に示した一般化された条件式(14)と、そこから導かれる式(15),(16) が満たされる。すなわち、式(14)〜(16)は、第2実施形態の遮光マスク121の設計を包括した条件式となっている。
(遮光マスク121による回折光電場の抑制効果)
図9(a)は、式(19)に式(24)を代入し、遮光マスク121を備えたレンズ109に平面波の光を垂直に入射した場合について、焦点面での電場分布とNの関係を計算した結果を示すグラフである。計算の際には、p=0.1[mm]、λ=638[nm]、f=2.4[mm]、R=0.05[mm]としている。また、図9(b)は、その結果を式(6)に代入し、α=0.3として、回折光電場の抑制率βとNの関係を算出した結果を示すグラフである。いずれの図9(a)及び図9(b)からも、遮光マスク121で高い回折光電場抑制率が得られると共に、その値はNが増加するにつれてより向上する。第2実施形態では、電場透過係数が3ステップ以上(N≧3)となるように遮光マスク121が形成されるので、N=2とした第一実施形態と比較して、隣接スポットでの回折光電場をより低減することができる。
(Nとコストの関係)
式(18)でR>λf(N−1)/2pなので、Nの上限Nmaxは、1+(2pR/λf)を超えない最大の整数となる。更に、Rの上限はp/2なので、Nの上限Nmaxは1+(p/λf)を超えない最大の整数となる。例えば、p=0.1[mm]、λ=638[nm]、f=2.4[mm]、R=0.05[mm]であれば、Nmax=7である。N=7の時、遮光マスク121の光透過率のステップ数は6であり、そう多くはない。したがって、例えNが最大値を取る場合でも、遮光マスク121を形成するために成膜工程を多数回繰り返す必要はなく、第2実施形態の波面計測装置は現実的なコストで製作することが可能である。
とはいえ、Nの値を増やすほど、製作に要するコストが多少は増大する。そのため、Nの値は、所望の性能と許容されるコストの両方を鑑みて決定することが好ましい。多少のコスト増大を許容しても回折光電場の抑制率を向上したい場合には、1+(p/λf)を超えない範囲でNを大きな値に設定すればよい。逆に、さほど高い抑制率は必要なく、コスト条件が厳しい場合には、例えば図9(b)を参照し、必要な抑制率を確保できる範囲でNをなるべく小さな値に設定すればよい。
(許容されるδの設計値からの乖離量)
遮光マスク121では、式(18)に基づき、異なる光透過率を示す領域の境界線の間隔δ(=δ−δj−1)をλf/2pとしたが、δがこの値から多少ずれても回折光電場を十分に抑制することができる。ここでは、許容されるδの範囲を検討する。
N=3の場合の遮光マスク121では、δ=λf/2p、δ=λf/p、Δ=Δ=0.25、Δ=0.5である。
図10は、Δ〜Δを上記値に、δ/δ(=φ/φ)を0.5に固定し、δ(=δ=δ−δ)の値と回折光電場の抑制率βとの関係を計算した結果を示すグラフである。横軸は、δの値をλf/2pで除することで規格化している。2δp/λfが0.55〜1.46の範囲にある場合にβが0.5を超えていることから、δの値が0.55×(λf/2p)〜1.46×(λf/2p)の範囲にあれば、回折光電場が十分に抑制される。すなわち、δ(=δ(j−1))が式(25)の範囲にあれば、回折光電場が十分に抑制される。
Figure 0006622515
特許文献1には、光軸からレンズの周縁部に向かって光透過率が100%、60%、30%と段階的に変化する遮光マスクが示されている。ここでは、マイクロレンズがこの遮光マスクを備えることによる回折光電場の抑制効果を調べる。
図11は、マイクロレンズが特許文献1の条件の遮光マスクを備えることによる、回折光電場の抑制効果を示すグラフである。この遮光マスクでは、N=3とし、Δ=0.548、Δ=0.227、Δ=0.226とすることに相当する。ここで、電場透過係数の絶対値=√光透過率である。これらの値を式(8),(9)に代入して求めたマイクロレンズの焦点面での電場E’(r)が、図11の実線である。δとδについては、第2実施形態と同じく、それぞれλf/2p、λf/pとし、f=2.4[mm]、λ=638[nm]、p=0.1[mm]、R=0.05[mm]とした。
図11には、比較のために、マイクロレンズが遮光マスクを備えず均一な光透過率を示す場合について、焦点面での電場を破線で示している。特許文献1に記載の遮光マスクを備えることで、r=p=0.1[mm]近傍での回折光電場は低減しているものの、その抑制率は0.5には達していない。また、図11の実線のデータを式(6)に代入して計算される回折光電場の抑制率βは0.45であり、0.5を下回る。更に、上記パラメータを式(15)の左辺に代入すると0.547となり、式(15)は満たされない。
特許文献1では、光透過率がステップ状に変化する遮光マスクを、「マイクロレンズの中心から外側に向かって光透過率が徐々に小さくなる素子」として捉えた。この思想だけでは、隣接スポット近傍での回折光の電場強度を半減できる遮光マスクを設計するには至らなかった。
これに対し、本実施形態では、このような遮光マスクを「径の異なる複数の開口」と捉え、さらには、これを備えたレンズの焦点面での電場を「径が異なる複数の透明レンズから発生した回折光電場の重ね合わせ」と捉えた。この思想に基づき、隣接スポット近傍での回折光の電場強度を半分以下にするための条件式として、式(15)を導き出した。上述の第1、第2実施形態、後述の第3〜第9実施形態では、いずれもこの式(15)を満たすように遮光マスクを形成することで、隣接スポット近傍での回折光の電場強度を半分以下に抑制している。
以上、第2実施形態によれば、式(15)又は式(16)を満たすように、遮光マスク121を形成したので、第1実施形態と同様、隣接スポット近傍での回折光が電場の干渉効果により抑制される。
[第3実施形態]
第3実施形態において、SHS101がMLA105から構成され、MLA105がピッチpで配列された複数のレンズ109を有する点は、第1、第2実施形態と共通である。但し、第3実施形態では、レンズ109の遮光マスク121が、第1、第2実施形態と異なる。
遮光マスク121を備えたレンズ109の電場透過係数の絶対値tは、Δ=Δ=Δ=1/3、δ=λf/3p、δ=2λf/3pを式(7)に代入して得られる分布を示す。
図12(a)は、第3実施形態におけるレンズ109の光透過率分布T(r)を示すグラフである。ここで、p=0.1[mm]、λ=638[nm]、f=2.4[mm]、R=0.05[mm]とした。δとΔから求められるuは、u=1/3、u=(1/3)exp(2πi/3)、u=(1/3)exp(4πi/3)である。
図12(b)は、これらuを複素平面上にプロットしたグラフである。いずれのuも原点からの距離が1/3で等しく、位相が120°ずつ異なる。その結果、合計値は0となり、一般化された条件式(14)を満たすと共に、式(14)から導かれた式(15),(16)を満たすこととなる。第1、第2実施形態では、例えば図7のように、いずれのuも実数であったが、第3実施形態ではu,uが複素数となっている。
レンズ109の焦点面における電場E’を式(8),(9)で求め、式(6)に代入すると、回折光電場の抑制率βは0.80と求められる。この結果から、第3実施形態におけるSHS101では、隣接スポット近傍での回折光電場が十分に抑制される。
第3実施形態は、uを、複素平面上の原点を中心とする円上に等間隔で配置する例である。上述の例では、ステップ数が3、光軸109Cでの電場透過係数の絶対値t(r=0)が1であるが、ステップ数をNに、t(0)をtに拡張した時のu、Δ、δは、式(26)で表される。
Figure 0006622515
式(26)にN=3、t=1を代入して得られるΔとδは、上述の値に一致する。また、N=2、t=1を代入すると、Δ=0.5、Δ=0.5、δ=λf/2pであり、これを式(7)に代入して得られる電場透過係数の絶対値の分布は、第1実施形態で図6(b)に示した分布と一致する。すなわち、式(26)でN≧2とすると、第1実施形態も包括した条件式となる。このように、式(15)、より好ましくは式(16)を満たすように、遮光マスク121が形成されているので、第1実施形態と同様、隣接スポット近傍での回折光が電場の干渉効果により抑制される。
なお、式(26)では、数式からNの上限が規定されることはないが、MLA105の製作コストの観点から、N≦20とすることが望ましい。
[第4実施形態]
第4実施形態において、SHS101がMLA105から構成され、MLA105がピッチpで配列された複数のレンズ109を有する点は、第1〜第3実施形態と共通である。但し、第4実施形態では、レンズ109の遮光マスク121が、第1〜第3実施形態と異なる。
遮光マスク121を備えたレンズ109の電場透過係数の絶対値tは、N=5、Δ=Δ=Δ=Δ=1/6、Δ=1/3、δ=λf/3p、δ=2λf/3p、δ=λf/p、δ=4λf/3pを式(7)に代入して得られる分布を示す。
図13(a)は、第4実施形態におけるレンズ109の光透過率分布T(r)を示すグラフである。ここで、p=0.1[mm]、λ=638[nm]、f=2.4[mm]、R=0.05[mm]とした。δとΔから求められるuは、u=u=1/6、u=u=(1/6)exp(2πi/3)、u=(1/3)exp(4πi/3)である。
図13(b)は、これらuを複素平面上にプロットしたグラフである。uの位相は0°、120°、240°のいずれかであり、同位相に位置するuの絶対値の合計はそれぞれ1/3で等しい。その結果、u〜uの合計値は0となり、一般化された条件式(14)を満たすこととなる。
このときのレンズ109の焦点面における電場E’を式(8),(9)で求め、式(6)に代入すると、回折光電場の抑制率βは0.91と求められる。この結果から、第4実施形態におけるSHS101では、隣接スポット近傍での回折光電場が十分に抑制される。
第4実施形態は、uの位相を等間隔とし、なおかつ絶対値を均一としない例である。上述の例は、ステップ数を5とし、uの位相を120°間隔とし、t(r=0)=1とする場合だが、ステップ数をNに、uの位相の間隔を(360/m)°に、t(0)=tに拡張した場合、δは、式(27)で表される。
Figure 0006622515
Δに課せられる条件は式(28)となる。
Figure 0006622515
ここで、
Figure 0006622515
は、xを超えない最大の整数を表す。また、mは2以上N以下の整数であり、式(28)は0以上m未満の全ての整数kについて満たされることとなる。当然ながら、式(27)にm=3を代入して得られるδは上述の値に一致し、式(28)にm=3、N=5、t=1を代入した式は、上述のΔの値を包括する条件式となっている。
また、式(27),(28)にm=Nを代入すると、第3実施形態に記載のδとΔを定める式(26)と一致する。すなわち、式(27),(28)は、第3実施形態も包括する条件式となっている。
さらに、m=2を代入すると、式(27)は第2実施形態で示したδを定める式(17)に、式(28)は第2実施形態で示したΔを定める式(22)にq=0を代入した式に一致する。すなわち、式(27),(28)は第2実施形態も包括する条件式となっている。
ここで、第2実施形態における式(17)が式(27)に拡張されたことにより、第2実施形態における式(25)は式(29)に拡張される。
Figure 0006622515
また、回折光電場をおおよそ半減させるための条件は式(15)で表され、式(15)に式(27)を代入して式(28)の左辺を含む形に書き換えると、式(30)となる。
Figure 0006622515
0以上m未満の全ての整数kについて式(31)が満たされれば、式(30)は満たされることとなる。
Figure 0006622515
したがって、δが式(29)を、Δが0以上m未満の全ての整数kについて式(31)を満たせば、マイクロレンズが透明な場合に対して隣接スポット近傍での回折光電場が半分以下に抑制されることとなる。
[第5実施形態]
第5実施形態において、SHS101がMLA105から構成され、MLA105がピッチpで配列された複数のレンズ109を有する点は、第1〜第4実施形態と共通である。但し、第5実施形態では、レンズ109の遮光マスク121が、第1〜第4実施形態と異なる。
遮光マスク121を備えたレンズ109の電場透過係数の絶対値tは、Δ=2√3−3、Δ=Δ=2−√3、δ=5λf/12p、δ=7λf/12pを式(7)に代入して得られる分布を示す。
図14(a)は、第5実施形態におけるレンズ109の光透過率分布T(r)を示すグラフである。ここで、p=0.1[mm]、λ=638[nm]、f=2.4[mm]、R=0.05[mm]とした。第1〜第4実施形態では(δ−δj−1)がjによらず一定であったが、第5実施形態では、δ−δ=δ=5λf/12p、δ−δ=λf/6pであり、一定ではない。更には、式(29)でm=3としても、第5実施形態におけるδとδはこの式を満たさない。Δとδから求められるu,u,uの値は、それぞれ2√3−3,(2−√3)exp(5πi/6),(2−√3)exp(7πi/6)である。
図14(b)は、これらのuを複素平面上にプロットしたものである。uとuの絶対値は等しく、その位相はそれぞれ150°、−150°なので、uとuは互いに複素共役な関係となる。その結果、uとuの合計は実数で−2√3+3となり、これがuの(−1)倍なので、u〜uの合計値は0となり、一般化された条件式(14)を満たすこととなる。さらには、式(14)から導かれた式(15),(16)も満たすこととなる。
このときのレンズ109の焦点面における電場E’を式(8),(9)で求め、式(6)に代入すると、回折光電場抑制率βは0.75となる。この結果から、第5実施形態のSHS101では、隣接スポット近傍での回折光電場が抑制される。また、必ずしも(δ−δj−1)がjによらず一定でなく、式(29)を満たさずとも、条件式(14)〜(16)を満たせば回折光電場は抑制される。
式(29)は満たさないが条件式(14)〜(16)を満たす場合としては、例えば他にも、Δ=0.5、Δ=Δ=0.25、δ=λf/2p、δ=3λf/2pとし、u=0.5、u=u=−0.25とするパターンでも良い。
[第6実施形態]
第6実施形態において、SHS101がMLA105から構成され、MLA105がピッチpで配列された複数のレンズ109を有する点は、第1〜第5実施形態と共通である。但し、第6実施形態では、レンズ109の遮光マスク121が、第1〜第5実施形態と異なる。
遮光マスク121を備えたレンズ109の電場透過係数の絶対値t(r)は、他の実施形態と同様に、式(7)で規定されるステップ状の分布を示す。但し、第6実施形態の遮光マスク121では、式(7)に含まれるパラメータΔ、δを、回折光電場の抑制率βが最大になるような値に取る。
(Δとδの設計方法)
レンズ109を無収差レンズとして近似し、なおかつ単一のレンズ109に入射する被検光を局所的に平面波として近似する。このとき、レンズ109を透過した直後の電場Eは、式(32)で求められる。
Figure 0006622515
また、撮像素子107の受光面107Aでの電場E’は、式(32)の電場Eを距離fだけ伝搬させる計算を行うことで求めることができる。伝搬モデルとしては、例えば式(33)を用いたAngular Spectrum法を用いる。(参照:J.W.Goodman,“Introduction to Fourier optics 2nd edition”,McGraw−Hill,p55−(1996))
Figure 0006622515
但し、受光面107AとMLA105の距離lがfからずれている場合には、式(33)中でf→lとすることが好ましい。また、伝搬モデルは、Angular Spectrum法でなくても、光波面の伝搬を正しく計算できるモデルであれば良く、例えば時間領域有限差分法などを用いても良い。
第6実施形態では、式(32)に式(7)を代入し、更にこれを式(33)に代入し、更にこれを式(6)に代入して得られる回折光電場の抑制率βが最小となる様なΔとδを、数値計算で求める。この数値計算を行うにあたって、Δとδの初期値を入力する必要があるが、例えば式(17),(24)で算出される値を用いれば良い。
例として、λ=638[nm]、f=2.4[mm]、p=0.1[mm]、R=0.05[mm]、N=6、α=0.5とし、上記方法に従って設計したΔとδの値を、表2に示す。
Figure 0006622515
これらの値を第1実施形態において一般化した条件式(14)の左辺に代入すると0.005となり、式(14)と、そこから導かれる式(15),(16)を満たしている。また、表2のδから算出されるj=2〜6における2pδ/λf(j−1)の値は、いずれも1.01〜1.03の範囲にあり、これらのδは第2実施形態における式(25)を満たしている。
さらに、表2のΔから算出されるΔ+Δ+Δ、Δ+Δ+Δは、それぞれ0.500、0.500であり、第4実施形態における式(31)に(k、m)=(0,2)、(1,2)のいずれを代入した式も満たしている。
すなわち、数値計算でΔとδを最適化した場合にも、式(14)〜(16),(25),(31)から逸脱する値が算出されることはなく、これらの式は第6実施形態を包括する条件式となっていることが分かる。
第6実施形態では、上記手法で算出したΔとδを、式(7)に代入することでレンズ109が示すべき電場透過係数の絶対値の分布t(r)を求め、さらにそれを2乗することでレンズ109が示すべき光透過率の分布T(r)を求める。
図15(a)は、表2のΔとδから求めた、レンズ109の光透過率分布T(r)を示すグラフである。この光透過率分布を示すような遮光マスク121を、レンズ部材111上に形成する。
(遮光マスクの効果)
図15(a)の光透過率分布を示すレンズ109について、焦点面での電場E’(r)を式(33)で求め、その後式(6)でα=0.5として回折光電場の抑制率βを求めたところ、0.95となった。この結果から、第6実施形態のSHS101(MLA105)によれば、隣接スポット近傍での回折光電場が十分に抑制される。
更に、レンズ109が図15(a)の光透過率分布を示す場合(遮光マスク121有)と、均一な分布を示す場合(遮光マスク121無)について、SHS101におけるスポット検出誤差をシミュレーションした。スポット検出誤差は入射する被検光波面の曲率に依存するため、このシミュレーションでは波面曲率とスポット検出誤差の関係を求めた。撮像素子107の画素ピッチpCCDは、7.4[μm]としている。
図15(b)は、図15(a)の光透過率分布を示すマイクロレンズで構成されるMLAを用いたSHSについて、入射する波面曲率とスポット検出誤差の関係を表すシミュレーション結果を示すグラフである。横軸は、収束光の波面曲率を負、発散光の波面曲率を正としてプロットしている。レンズ109が均一な光透過率分布を示す場合には100[nm]近いスポット検出誤差が発生しているが、図15(a)の光透過率分布を示す場合には20[nm]以下に抑制されている。この結果から、第6実施形態のSHS101では、大幅に精度が向上する。
(ガウシアンマスクに対する性能上の利点)
比較例の遮光マスクとして、光軸から周縁部に向けて光透過率が滑らかなガウス分布を示すガウシアンマスクについて考える。フレネルの回折式によると、レンズ面での電場Eと焦点面での電場E’とは互いにフーリエ変換の関係にある。マイクロレンズの光透過率Tがガウス分布を示せば、電場透過係数の絶対値tもガウス分布を示し、レンズ面での電場Eもガウス分布を示す。ガウス分布のフーリエ変換はやはりガウス分布なので、レンズ面での電場Eがガウス分布を示せば、焦点面での電場E’もガウス分布を示す。その結果、焦点面において周期的な空間分布を示す回折光電場は、マイクロレンズの光透過率が均一な場合と比較して、抑制されることとなる。
ところが、マイクロレンズの半径Rは有限である。ガウシアンマスクを導入しても、レンズ面での電場は半径Rの円形領域内でしかガウス分布を示すことはできず、完全なガウス分布とはならない。その結果、焦点面での電場も完全なガウス分布を示すことは無い。具体的には、レンズ面での電場がr=Rの位置で段差を持ち、焦点面には、これに起因した周期的な空間分布を示す回折光電場が生じることとなる。
この回折光電場をなるべく抑制するためには、ガウシアンマスクのガウス分布の幅σを低減し、レンズ面におけるr=Rでの電場の段差を抑制すれば良い。ところが、σを低減すると、焦点面の電場の空間分布の幅σ’が増大する。このσ’は、スポット径とほぼ同義である。スポット径が大きいと、収束光をSHSに入射した時にスポット同士が重なり、その位置検出精度が大幅に低下する。これは、SHSとして収束光の計測ができなくなり、ダイナミックレンジが低下することを意味する。すなわち、ガウシアンマスクを備えたMLAから構成されるSHSでは、計測精度とダイナミックレンジの両立が困難となる。
図16(a)は、SHSで計測できる波面の最小曲率(ダイナミックレンジ)とスポット検出誤差(計測精度)をシミュレーションした結果を示すグラフである。図16(a)中、白三角は、σ=22[μm]、25[μm]、30[μm]の場合を示す。σとガウシアンマスクの電場透過係数t’(r)の関係は、t’(r)=exp(−r/σ)とした。シミュレーションは、λ=638[nm]、f=2.4[mm]、p=0.1[mm]、R=0.05[mm]、pccd=7.4[μm]の条件下で、式(32),(33)に基づいて行った。スポット検出誤差の波面曲率依存性を−0.1〜0.1[/mm]の範囲で計算し、その絶対値の平均値を縦軸にプロットした。このシミュレーション結果からも、計測精度とダイナミックレンジがトレードオフの関係にある。
これに対し、図16(a)中、黒四角は、N=4,6として第6実施形態で示した手法で設計した遮光マスク121を備えた場合について、SHS101で計測できる波面の最小曲率とスポット検出誤差をシミュレーションした結果である。例えば、N=6の遮光マスク121を備えた場合、σ=22[μm]のガウシアンマスクを備えた場合と比較して、SHSのスポット検出誤差は同程度であるが、計測できる波面の最小曲率は低減しており、ダイナミックレンジが広い。すなわち、計測精度向上とダイナミックレンジ確保の両立の観点では、ガウシアンマスクと比較して、遮光マスク121の方が高い効果が得られる。
図16(b)は、焦点面での電場強度をシミュレーションした結果を示すグラフである。図16(b)中、実線、点線、破線は、それぞれN=6の遮光マスク121を備えた場合、σ=22[μm]のガウシアンマスクを備えた場合、遮光マスクを備えない場合を示す。いずれの遮光マスクを備えた場合にも、備えない場合と比較してスポット径が増大しているものの、その増大量は遮光マスク121の方が抑制されている。このように、第6実施形態では、スポット径が抑制され、遮光マスク121における計測精度向上とダイナミックレンジの確保とを両立することができる。
[第7実施形態]
第7実施形態では、SHS101が、MLA105の代わりにMLA205を有する点で、第1〜第6実施形態と異なる。図17(a)は、MLA205の正面図、図17(b)は、MLA205の断面図である。
MLA205は、被検光を分割した光を集光して複数の光のスポットを形成する複数のマイクロレンズ(レンズ)209を有する。複数のレンズ209は、図17(a)に示すXY平面内においてアレイ状(正方状)に配列されている。
レンズ209は、その光軸209CがZ方向と平行に配置されている。レンズ209の周縁部209A(レンズ部材211の周縁部211A)は、多角形、第7実施形態では矩形である。各レンズ209の焦点距離はfである。各レンズ209のサイズは、p×pである。各レンズ209の光軸209Cは、x方向にピッチp、y方向にピッチpで等間隔に配列されている。
各レンズ209は、図17(b)に示すように、透明部材で形成されたレンズ部材211と、レンズ部材211に対応して設けられた遮光部材である遮光マスク221と、を有する。遮光マスク221は、レンズ部材211のレンズ面と共に、レンズ部材211の光出射側、つまりレンズ部材211の光が透過した側に配置されている。遮光マスク221は、Cr膜(金属膜)で構成されている。
レンズ209の光軸209Cをxy平面の原点、δx,2=λf/2p、δy,2=λf/2pとしたとき、遮光マスク221は、|x|≧p/2−δx,2と|y|≧p/2−δy,2のいずれかを満たす領域に形成されている。また、その光透過率は0.25であり、電場透過係数の絶対値は0.5である。この遮光マスク221により、レンズ209は2ステップの光透過率分布を示すこととなる。
ここで、p=pとして第1実施形態で説明した式(14)の左辺にδ=δx,2、Δ=Δ=0.5を代入すると0となり、式(14)と、そこから導かれる式(15),(16)は満たされる。また、p=pとして式(14)の左辺にδ=δy,2、Δ=Δ=0.5を代入しても0となり、やはり式(14)は満たされる。すなわち、式(14)は、第7実施形態も包括する条件式となっている。
フレネルの回折式によると、平面波から構成される電場強度Eの光を、光透過率が全面に亘って1で均一な矩形レンズに垂直に入射した時の、焦点面における電場E’は、式(34)で近似される(参照:鶴田著、「応用光学I」、培風館、1990年)。
Figure 0006622515
この式によると、レンズ209が遮光マスク221を備えず、均一な光透過率分布を示す場合には、焦点面におけるx=0の直線近傍とy=0の直線近傍で、強い回折光電場が発生する。これに対し、レンズ209が遮光マスク221を備えた場合の焦点面での電場E’は、式(35)で近似される。
Figure 0006622515
x=0とy=0の直線上での電場E’(0,y)、E’(x,0)は、式(35)にx=0とy=0を代入することで、式(36)のように算出される。
Figure 0006622515
隣接スポットが現れる(x,y)=(0,±p)、(±p,0)の位置で、大括弧内の2つの正弦項は、位相が互いにπずれて相殺する。このような電場の干渉効果により、隣接スポット近傍での回折光電場E’は抑制されることとなる。
第7実施形態によれば、上記実施形態と同様、隣接スポット近傍での回折光が電場の干渉効果により抑制される。
また、MLA205が、第1実施形態で説明した接続部材112を備えないため、遮光マスク122を備える必要がなく、第1実施形態と比べて撮像素子107に入射する光量が多い。その結果、被検光の光強度が弱い場合でも、被検光の波面をより高精度に計測することができる。
なお、第2〜第6実施形態において、第7実施形態と同様に、レンズの周縁部を多角形としても同様の効果を奏する。また、多角形として、矩形(四角形)の場合について説明したが、これに限定するものではなく、例えば三角形や六角形としても良い。
[第8実施形態]
(形状計測装置の形態)
第8実施形態では、第1〜第7実施形態で説明した波面計測装置を有する形状計測装置について説明する。図18は、本発明の第8実施形態に係る形状計測装置300を示す模式図である。形状計測装置300は、非球面光学素子の表面の形状を計測するものである。
形状計測装置300は、光源301と、光学系302と、波面計測装置100と、を備えている。波面計測装置100は、波面センサであるSHS101と、演算機103とを有している。SHS101は、第1〜第7実施形態で説明したMLA105又はMLA205を有している。被検物(光学素子)である被検レンズ312は、ステージ307に保持され、ステージ307によりその位置と姿勢が調整される。光学系302は、光源301からの光を被検レンズ312に導き、被検レンズ312で反射した光を被検光として波面計測装置100に導く。
光源301とファイバーコネクタ301Bとが光ファイバー301Aで接続されており、光ファイバー301Aを通じて導かれた光源301の出射光が、ファイバーコネクタ301Bから出射される。光学系302は、第8実施形態では、ビームスプリッタ308と、対物レンズ304と、コリメータレンズ305とで構成されている。ビームスプリッタ308と対物レンズ304は、ファイバーコネクタ301Bから出射される測定光(出射光)の光軸に沿って配置され、ビームスプリッタ308の反射面は光軸に対して45°傾けて配置されている。
コリメータレンズ305は、ファイバーコネクタ301Bから出射される測定光(出射光)の光軸に対して直交してビームスプリッタ308とSHS101との間に配置されている。対物レンズ304は、ファイバーコネクタ301Bからの出射光を集光して形状を計測したい被検レンズ312の被検面312Aに球面波w(X’、Y’)の光を照射すると共に、その反射光を集光させる。ビームスプリッタ308は、対物レンズ304で集光された被検面312Aからの反射光を、90°折り返してコリメータレンズ305に導く。コリメータレンズ305は、反射光を略平行な光に変換し、被検光としてSHS101に導く。
対物レンズ304とコリメータレンズ305は、被検面312Aの反射光を倍率MでSHS101の受光面に結像している。すなわち、被検面312AとSHS101の受光面は、コリメータレンズ305と対物レンズ304を介して光学的に互いに共役な位置関係にある。
演算機103は、被検光の波面データを計算し、波面データに基づき、被検面312Aの形状を算出する。
(光学素子の製造方法)
まず、不図示の加工装置でワークを加工して光学素子である被検レンズ312を製作する(加工工程)。次に、形状計測装置300で被検レンズ312の形状を計測する(形状計測工程)。
形状計測装置300で被検レンズ312の被検面312Aの形状f(X’,Y’)を計測するにあたり、まずは、ステージ307に被検レンズ312を設置し、その光軸が対物レンズ304の光軸と一致する様に、ステージ307で位置と姿勢を調整する。このとき、被検面312Aで反射される光の波面には、被検面312Aの形状が反映されている。この反射光はSHS101に入射するが、被検面312AとSHS101の受光面は共役な位置関係にあるため、SHS101に入射する光波面にも被検面312Aの形状が反映されている。
被検レンズ312をステージ307に設置した後には、SHS101に入射する、被検面312Aの形状を反映した光波面w(X、Y)を、第1実施形態で説明した手順に従って計測する。その後は、f(X’,Y’)=(w(X/M,Y/M)−w(X’,Y’))/2として、被検面312Aの形状fを演算機103で算出する。但し、この演算は、スポット像から波面データを求める演算機103とは別の演算機で行っても良く、これら演算機で演算部が構成されることとなる。
被検面312Aの形状を算出する際には、SHS101で計測した光線角度分布(∂w(X,Y)/∂X、∂w(X,Y)/∂Y)から光線を逆に追跡して被検面312Aで反射された直後の光線角度分布を求め、そこから被検面312Aの形状を求めても良い。ここで、光を波として捉えた時の等位相面が波面に相当し、その波面の法線が光線であり、波面と光線角度分布は一対一に対応する。そのため、波面w(X,Y)を求めなくとも、光線角度分布(∂w(X,Y)/∂X、∂w(X,Y)/∂Y)を求めれば、それは波面を求めたことと同義である。
SHS101は遮光マスク121(221)を備えるため、回折光によるスポット検出誤差が低減されており、高精度な波面計測が可能である。形状計測装置300では、このような高精度なSHS101を使って被検面312Aの反射光波面を計測し、そこから被検面312Aの形状を算出しているため、高精度な形状計測を実現することができる。
なお、形状計測装置300で取得した形状データに基づいて、製造した被検レンズ12の良否判定を行い、不図示のモニターに表示しても良い。また、形状データから製造誤差に起因する形状誤差を求め、その形状誤差の値を小さくするような加工を施しても良い。
[第9実施形態]
第9実施形態では、第1〜第7実施形態で説明した波面計測装置を有する収差計測装置について説明する。図19は、本発明の第9実施形態に係る収差計測装置400を示す模式図である。収差計測装置400は、被検物(光学素子)である被検レンズ412の収差を計測するものである。
収差計測装置400は、光源401と、光学系402と、波面計測装置100と、を備えている。波面計測装置100は、波面センサであるSHS101と、演算機103とを有している。SHS101は、第1〜第7実施形態で説明したMLA105又はMLA205を有している。被検物(光学素子)である被検レンズ412は、ステージ407に保持され、ステージ407によりその位置と姿勢が調整される。光学系402は、光源401からの光を被検レンズ412に導き、被検レンズ412を透過した光を被検光として波面計測装置100に導く。
光源401とファイバーコネクタ401Bとが光ファイバー401Aで接続されており、光ファイバー401Aを通じて導かれた光源401の出射光が、ファイバーコネクタ401Bから出射される。光学系402は、第9実施形態では、コリメータレンズ403,404で構成されている。
コリメータレンズ403,404は、ファイバーコネクタ301Bから出射される測定光(出射光)の光軸に沿って配置されている。被検レンズ412は、コリメータレンズ403とコリメータレンズ404との間に配置されている。
コリメータレンズ403は、ファイバーコネクタ401Bからの出射光をコリメートして被検レンズ312に導く。コリメータレンズ404は、被検レンズ412を透過した光をコリメートしてSHS101に導く。
演算機103は、コリメータレンズ404を透過した光の波面データを計測する。そして、演算機103は、波面データから被検レンズ412の収差データを算出する。
(光学素子の製造方法)
まず、不図示の加工装置でワークを加工して光学素子である被検レンズ412を製作する(加工工程)。次に、収差計測装置400で被検レンズ412の収差を計測する(収差計測工程)。
被検レンズ412の収差を計測する際には、ステージ407に被検レンズ412を設置し、その光軸がコリメータレンズ403,404の光軸と一致する様に、ステージ407で位置と姿勢を調整する。その後は、SHS101に入射する光波面を第1実施形態で説明した手順に従って波面を計測し、その波面データから被検レンズ312の収差を演算機311で算出する。但し、この演算は、スポット像から波面データを求める演算機103とは別の演算機で行っても良く、これら演算機で演算部が構成されることとなる。
SHS101は遮光マスク121(221)を備えるため、回折光によるスポット検出誤差が低減されており、高精度な波面計測が可能である。収差計測装置400では、このような高精度なSHS101を使って被検レンズ312の透過光波面を計測しているため、高精度な収差計測を実現することができる。
なお、収差計測装置400で取得した収差データに基づいて、製造した被検レンズ412の良否判定を行い、不図示のモニターに表示しても良いし、その収差を小さくするような加工を施しても良い。
また、製作した被検レンズに対し、第8実施形態で説明した形状計測装置300と第9実施形態で説明した収差計測装置400とを用いて形状計測と収差計測とを行ってもよい。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。
100…波面計測装置、101…SHS(波面センサ)、103…演算機(演算部)、105…MLA(レンズアレイ)、107…撮像素子、109…レンズ、109A…周縁部、111…レンズ部材、111A…周縁部、121…遮光マスク

Claims (20)

  1. 被検光を分割した光を集光して複数の光のスポットを形成する複数のレンズを備え、
    前記各レンズが、レンズ部材と、前記レンズ部材の周縁部を含む内側の領域に対応して設けられ、光の一部が透過する遮光部材と、を有し、
    前記各レンズの配置間隔をp、前記被検光の波長をλ、前記各レンズの焦点距離をf、虚数単位をi、Nを2以上の整数、前記各レンズの周縁部における電場透過係数の絶対値をΔとしたとき、前記各レンズの周縁部から内側へ距離δ離れた位置で、電場透過係数の絶対値が変化量Δ、前記各レンズの周縁部から内側へ向かってステップ状に増加し、p、λ、f、δ は同じ単位であり、かつ
    Figure 0006622515
    を満たすように、前記遮光部材が形成されていることを特徴とするレンズアレイ。
  2. Figure 0006622515
    を満たすように、前記遮光部材が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレンズアレイ。
  3. mを2以上N以下の整数としたとき、
    Figure 0006622515
    を満たすように、前記遮光部材が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズアレイ。
  4. 0以上m未満の全ての整数kについて、
    Figure 0006622515
    を満たすように、前記遮光部材が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のレンズアレイ。
  5. N≧3であることを特徴とする請求項3又は4に記載のレンズアレイ。
  6. m=2であることを特徴とする請求項3又は4に記載のレンズアレイ。
  7. Figure 0006622515
    であることを特徴とする請求項6に記載のレンズアレイ。
  8. N=2であることを特徴とする請求項6に記載のレンズアレイ。
  9. N≦20であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のレンズアレイ。
  10. 前記遮光部材が、前記レンズ部材の表面に形成された金属膜であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のレンズアレイ。
  11. 前記遮光部材の膜厚で前記電場透過係数の絶対値が設定されていることを特徴とする請求項10に記載のレンズアレイ。
  12. 前記各レンズの周縁部が円形又は多角形であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のレンズアレイ。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載のレンズアレイと、
    前記レンズアレイに対向して配置され、前記複数のスポットの像を撮像する撮像素子と、を有する波面センサ。
  14. 請求項13に記載の波面センサと、
    前記波面センサの検知結果に基づき、前記被検光の波面データを算出する演算部と、を有する波面計測装置。
  15. 請求項14に記載の波面計測装置と、
    光源と、
    前記光源からの光を被検物に導き、前記被検物で反射した光を前記被検光として前記波面計測装置に導く光学系と、を備え、
    前記演算部が、前記波面データに基づき、前記被検物の形状を算出する形状計測装置。
  16. 請求項14に記載の波面計測装置と、
    光源と、
    前記光源からの光を被検物に導き、前記被検物を透過した光を前記被検光として前記波面計測装置に導く光学系と、を備え、
    前記演算部が、前記波面データに基づき、前記被検物の収差を算出する収差計測装置。
  17. ワークを加工して光学素子を製作する加工工程と、
    請求項15に記載の形状計測装置で前記光学素子の形状を計測する形状計測工程と、を備えた光学素子の製造方法。
  18. ワークを加工して光学素子を製作する加工工程と、
    請求項16に記載の収差計測装置で前記光学素子の収差を計測する収差計測工程と、を備えた光学素子の製造方法。
  19. ワークを加工して光学素子を製作する加工工程と、
    請求項15に記載の形状計測装置で前記光学素子の形状を計測する形状計測工程と、
    請求項16に記載の収差計測装置で前記光学素子の収差を計測する収差計測工程と、を備えた光学素子の製造方法。
  20. 光学素子を有する光学機器を製作する製作工程と、
    請求項14に記載の波面計測装置で前記光学機器からの出射光の波面を計測する波面計測工程と、を備えた光学機器の製造方法。
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