JP6622290B2 - Hiv−1プロテアーゼ阻害剤およびその用途 - Google Patents

Hiv−1プロテアーゼ阻害剤およびその用途 Download PDF

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Description

政府の支援に関する陳述
本発明は、米国国立衛生研究所によって交付された助成金GM053386の下に政府の支援を受けてなされた。米国政府は本発明に一定の権利を有する。
発明の背景
AIDSの流行は21世紀の医学における最も困難な課題の1つである。この疾患と戦う数多くの戦略のうち、HIVプロテアーゼ阻害剤(PI)を逆転写酵素阻害剤(RTI)と併用する高活性抗レトロウイルス療法(HAART)は、HIV感染を管理するための第一選択処置であり続けている。そのような併用療法は生活の質を向上させ、HIVマネジメントを強化し、疾患の進行を停止させたが、この破壊的な疾患の処置には、これらの処置レジメンの毒性と複雑さをどちらも減らすことを含めて、数多くの課題が残っている。加えて、HIVの多剤耐性株を発生させている患者の数も増えつつある。そして、これらの株がさらに伝染しうることを示す十分な証拠もある。
HAARTは工業先進国におけるAIDS流行に大きな影響を与えたが、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV1)の根絶は達成されておらず、その理由の1つは、血中および感染組織中に残存するウイルスリザーバーにある。AIDSの抗ウイルス治療の制約は、複雑なレジメン、薬剤耐性HIV-1変異体の発生、およびいくつかある固有の有害作用によっても、一層厳しくなる。さらに、HAARTの利益を最適にしようとする努力は、(i)薬物関連毒性、(ii)個体がAIDSを発症した時の免疫学的機能の部分的回復;(iii)生存期間延長の結果としてのさまざまながんの発生、(iv)HAARTを受けた個体における炎症の増悪、すなわち免疫再構築症候群(IRS);および(v)抗ウイルス療法のコストの増加を含む、いくつかの難題に直面してきた。HAARTのこのような制約は、薬剤耐性HIV-1変異体によって、一層厳しくなる。
現在、HIV-1に対して実質的に特異的であるだけでなく、AIDSの治療における毒性または副作用もない抗レトロウイルス薬または抗レトロウイルス剤は不足している。
本発明の態様は、AIDSおよびHIV感染を処置するための強力なHIV-1プロテアーゼ阻害剤またはアスパルチルプロテアーゼ阻害剤に向けられる。HIV-1プロテアーゼ阻害剤は、HIV/AIDSの抗レトロウイルス処置の決定的構成要素になりうる。HIV-1プロテアーゼ阻害剤は、本発明のさまざまな態様のHIV-1プロテアーゼ阻害剤またはアスパルチルプロテアーゼ阻害剤が単独で、すなわち例えばRTIの非存在下で、投与される単剤治療レジメンにおけるHIV/AIDSの抗レトロウイルス処置の構成要素にもなりうる。
本発明のさまざまな態様のHIV-1プロテアーゼ阻害剤またはアスパルチルプロテアーゼ阻害剤は、驚くべきことにそしてまた思いがけないことに、細胞培養アッセイにおいて例えばダルナビルより100倍近く強力な化合物をもたらす前例のない置換パターンを含有する概念的に新しい種類のHIV-1プロテアーゼ阻害剤である。いくつかの態様において、本発明のさまざまな態様のHIV-1プロテアーゼ阻害剤またはアスパルチルプロテアーゼ阻害剤は、ダルナビル抵抗性HIV-1変異体に対して著しい抗ウイルス活性を有しうる。
[本発明1001]
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、多形、プロドラッグ、溶媒和物、もしくはクラスレート:
Figure 0006622290
式中、
X1は、アルキレン、-O-、-CH2NR4-、または-NHR4-であり;
X2およびX3は、それぞれ独立して、アルキレンであり;
nは、0〜3の整数であり;
R1は、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ハロ、またはヘテロシクリルアルキルオキシであり;
R2は、アルキル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、または-C(R7R8)-アルキレン-R9であり;
R11は、-SO2R3、-N(R12)SO2R3、-N(R12)C(O)R3、-N(R12)C(O)CH(R12)N(R12)C(O)R13、-C(O)N(R122、-C(O)-アルキレン-X4-R10(式中、X4は、S、O、もしくはNR6であり、R6は、H、アルキル(alklyl)、シクロアルキル(cylcoalkyl)、もしくはアルキルアリールである)、または-C(O)R10であり;
R3は、アリールまたはヘテロアリールであり;
R4は、アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;
R7およびR8は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル(arylalky)、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであるか、またはR7およびR8は、それらが結合している炭素原子と共に、シクロアルキル基もしくはヘテロシクリル基を形成し;
R9は、水素、OR10、OC(O)N(R102、CN、NO2、CF3、OCF3、N(R102、SR10、SOR10、SO2R10、SO2N(R102、SO3R、C(O)R10、C(O)OR10、OC(O)R10、C(O)N(R102、(CH20〜2N(R10)C(O)R10、または(CH20〜2N(R10)C(O)OR10であり;
R10は、水素、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり;
R12は、水素、アルキル、アルキルアリール、ヘテロシクリルであるか、またはN(R122上の2つのR12基は、それらが結合している窒素原子と共に、ヘテロシクリル基を形成し;かつ
R13は、水素、アルキル、-N(R122、または-OR12であるか、あるいは
R2およびR11は、それらをつなぐ-CH2N-と共に、ヘテロシクリル基または置換ヘテロシクリル基を形成する。
[本発明1002]
式(II)を有する本発明1001の化合物、またはその薬学的に許容される塩、多形、プロドラッグ、溶媒和物、もしくはクラスレート:
Figure 0006622290
式中、
nは、1〜3の整数であり;
R1は、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ハロ、またはヘテロシクリルアルキルオキシであり;
R2は、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルカルボニル、またはヘテロシクリルアルキルであり;
R3は、置換アリールまたは置換ヘテロアリールであり;
X1は、アルキレン、-O-、-CH2NR4 -、または-NHR4-であって、式中、R4は、アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;かつ
X2およびX3は、それぞれ独立して、アルキレンである。
[本発明1003]
X1がアルキレンである、本発明1001の化合物。
[本発明1004]
アルキレンがC1〜C4アルキレンである、本発明1003の化合物。
[本発明1005]
X2がC1〜C4アルキレンである、本発明1001の化合物。
[本発明1006]
X3がC1〜C4アルキレンである、本発明1001の化合物。
[本発明1007]
R1が、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル、ハロ、またはC3〜C6-ヘテロシクリル-C1〜C6-アルキルオキシである、本発明1001の化合物。
[本発明1008]
R2が、C1〜C6アルキル、ハロ-C1〜C6-アルキル、C6〜C10-アリール-C1〜C6-アルキル、C3〜C6-シクロアルキル-C1〜C6-アルキル、C3〜C6-ヘテロシクリルカルボニル、またはC3〜C6-ヘテロシクリル-C1〜C6-アルキルである、本発明1001の化合物。
[本発明1009]
R3が置換C6〜C10アリールである、本発明1001の化合物。
[本発明1010]
R3が置換フェニルである、本発明1009の化合物。
[本発明1011]
置換フェニルが、アミノ、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル、およびハロの少なくとも1つで置換されたフェニルである、本発明1009の化合物。
[本発明1012]
置換フェニルが、式:
Figure 0006622290
を有する基であり、式中、pが1〜2の整数である、本発明1009の化合物。
[本発明1013]
R3が置換C6〜C8ヘテロアリールである、本発明1001の化合物。
[本発明1014]
置換C6〜C8ヘテロアリールが、式:
Figure 0006622290
を有する基であり、式中、R5が、C1〜C6アルキルアミノ、C3〜C6シクロアルキル-C3〜C6ヘテロシクロアミノであり;かつX2が、S、O、またはNR6であり、R6が、H、アルキル、シクロアルキル、またはアルキルアリールである、本発明1013の化合物。
[本発明1015]
C6〜C8ヘテロアリール上の置換基が、アルキル、C1〜C6アルキル-O-、C6〜C10アリール-O-、またはハロである、本発明1014の化合物。
[本発明1016]
式(II)の化合物が、式(IIa)または(IIb)の化合物:
Figure 0006622290
またはそれらの薬学的に許容される塩、多形、プロドラッグ、溶媒和物、もしくはクラスレートである、本発明1002の化合物。
[本発明1017]
Figure 0006622290
Figure 0006622290
Figure 0006622290
Figure 0006622290
またはそれらの薬学的に許容される塩、多形、プロドラッグ、溶媒和物、もしくはクラスレートである、本発明1001の化合物。
[本発明1018]
Figure 0006622290
Figure 0006622290
Figure 0006622290
Figure 0006622290
Figure 0006622290
Figure 0006622290
またはそれらの薬学的に許容される塩、多形、プロドラッグ、溶媒和物、もしくはクラスレートである、本発明1001の化合物。
[本発明1019]
R2が、アリール、ヘテロシクリル基、または-C(R7R8)-アルキレン-R9である、本発明1001の化合物。
[本発明1020]
ヘテロシクリル基が、ピロリジニル基またはアゼチジニル基である、本発明1019の化合物。
[本発明1021]
ヘテロシクリル基がアルキルで置換されている、本発明1019の化合物。
[本発明1022]
アルキレンがC1〜C5アルキレンである、本発明1019の化合物。
[本発明1023]
R9が、-OC(O)N(R102または-(CH20〜2N(R10)C(O)OR10であり、R10が、水素、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルである、本発明1019の化合物。
[本発明1024]
アリール基がヘテロシクリル基で置換されている、本発明1019の化合物。
[本発明1025]
R3が、アルケニル基、シクロアルキル基、またはヘテロシクリル基で置換されたアリールである、本発明1001の化合物。
[本発明1026]
ヘテロシクリル基が、4,5-ジヒドロオキサゾリル、オキサキソリル(oxaxolyl)、オキサジアゾリル、インドリル、またはイソインドリルである、本発明1025の化合物。
[本発明1027]
ヘテロシクリル基が、アルキル、-C(O)R、-CF3、-アルキレン-NR2、-NR2、および-ORからなる群より選択される1つまたは複数の基で置換されており、式中、Rが、水素、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルである、本発明1026の化合物。
[本発明1028]
シクロアルキル基が、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチルである、本発明1025の化合物。
[本発明1029]
シクロアルキル基が、-CN、-OR、-アルキレン-NR2、-NR2、および-C(O)N(R)2からなる群より選択される1つまたは複数の基で置換されており、式中、Rが、水素、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルである、本発明1028の化合物。
[本発明1030]
アルケニル基が、アルキル、-アルキル-NR2、およびC(O)N(R)2からなる群より選択される1つまたは複数の基で置換されており、式中、Rが、水素、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルである、本発明1025の化合物。
[本発明1031]
R11が、-N(R12)C(O)CH(R12)N(R12)C(O)R13、-N(R12)SO2R3、または-N(R12)C(O)R3である、本発明1001の化合物。
[本発明1032]
R12が水素である、本発明1031の化合物。
[本発明1033]
R13がOR12であり、式中、R12がアルキルまたはヘテロシクリルである、本発明1031の化合物。
[本発明1034]
R12が水素またはアルキルである、本発明1031の化合物。
[本発明1035]
R11が-C(O)N(R122であり、式中、各R12が、独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロシクリルであるか、または2つのR12基が、それらが結合している窒素原子と共に、ヘテロシクリル基を形成する、本発明1031の化合物。
[本発明1036]
約1fM〜約200nMのHIV-1プロテアーゼ阻害定数(Ki)を有する、本発明1001〜1035のいずれかの化合物。
[本発明1037]
インビトロで野生型実験室株HIV-1LAIに対して50%阻害濃度(IC50)約1fM〜約200nMである抗ウイルス活性を有する、本発明1001〜1035のいずれかの化合物。
[本発明1038]
本発明1001〜1035のいずれかの化合物と、1種または複数種の薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
[本発明1039]
治療有効量の1種または複数種の本発明1001〜1035のいずれかの化合物を、その必要がある患者に投与する工程を含む、HIV感染を処置するための方法。
[本発明1040]
HIV感染からの救済を必要とする患者を処置するための医薬として使用するための、本発明1001〜1035のいずれかの化合物。
発明の詳細な説明
以下に、本明細書に開示する内容の一定の態様を詳述し、その例を一部は添付の図面に図解する。列挙した請求項との関連において本明細書に開示する内容を説明するが、例示する内容によって、特許請求の範囲を本明細書に開示された内容に限定しようとする意図がないことは理解されるであろう。
範囲の形式で表される値は、その範囲の限界値として明示的に具陳された数値だけでなく、その範囲内に包含される個々の数値または部分範囲も、各数値および部分範囲が明示的に具陳されたかのように、すべて含まれるものと、柔軟に解釈されるべきである。例えば「約0.1%〜約5%」または「約0.1〜5%」という範囲は、約0.1%〜約5%を含むだけではなく、表示した範囲内の個々の値(例えば1%、2%、3%、および4%)ならびに表示した範囲内の部分範囲(例えば0.1〜0.5%、1.1〜2.2%、3.3〜4.4%)も含むと解釈すべきである。「約X〜Y」という言明は、別段の表示がある場合を除き、「約X〜約Y」と同じ意味を有する。同様に「約X、Y、または約Z」という言明は、別段の表示がある場合を除き、「約X、約Y、または約Z」と同じ意味を有する。
この文書において、用語「a」、「an」または「the」は、文脈上そうでないことが明白である場合を除き、1つまたは複数を包含するために使用される。用語「または」は、別段の表示がある場合を除き、非排他的な「または」を指すために使用される。加えて、本明細書において使用される表現法または用語法は、別段の定義がなければ、説明を目的としているに過ぎず、限定を目的としていないと理解すべきである。セクション見出しの使用はいずれも、本文書の解釈を助けることを意図しており、限定と解釈してはならない。さらに、セクション見出しに関連する情報は、その特定セクション内にもその特定セクション外にも見いだされうる。さらにまた、この文書において言及する刊行物、特許、および特許文書は、あたかも個別に参照により組み込まれたかのように、参照によりそのまま本明細書に組み込まれる。この文書と、そうして参照により組み込まれた文書との間に不一致があった場合、組み込まれた参考文献における使用法は、この文書の使用法を補うものと見なされるべきであり、両立しえない不一致については、この文書における使用法が優先される。
本明細書に記載する方法において、工程は、時間的順序または作業順序が明示的に具陳されている場合を除き、本発明の原理から逸脱することなく任意の順番で実行することができる。さらにまた、指定された工程は、明示的な請求項の文言が、それらは別々に実行されると具陳していない限り、同時に実行することもできる。例えば、Xを行うという請求項の工程と、Yを行うという請求項の工程とは、単一の作業内で同時に行うことができ、その結果生じるプロセスは前記請求項の字義どおりの範囲内に包含されるであろう。
本明細書において使用する用語「約」は、言明された値の、または言明された範囲の限界値の、例えば10%以内、5%以内、または1%以内の値または範囲の変動率を許容することができる。
本明細書において使用する用語「実質的に」は、〜の大部分、または主として、例えば少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、または少なくとも約99.999%もしくはそれ以上の場合などを指す。
本明細書において使用する用語「有機基」は、任意の炭素含有官能基を指すが、それらに限定されるわけではない。例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、オキソ(カルボニル)基、カルボン酸、カルボン酸塩、およびカルボン酸エステルを含むカルボキシル基などの酸素含有基;アルキルスルフィド基およびアリールスルフィド基などの硫黄含有基;および他のヘテロ原子含有基。有機基の非限定的な例には次に挙げるものがある: OR、OOR、OC(O)N(R)2、CN、CF3、OCF3、R、C(O)、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、N(R)2、SR、SOR、SO2R、SO2N(R)2、SO3R、(CH20〜2P(O)OR2、C(O)R、C(O)C(O)R、C(O)CH2C(O)R、C(S)R、C(O)OR、OC(O)R、C(O)N(R)2、OC(O)N(R)2、C(S)N(R)2、(CH20〜2N(R)C(O)R、(CH20〜2N(R)C(O)OR、(CH20〜2N(R)N(R)2、N(R)N(R)C(O)R、N(R)N(R)C(O)OR、N(R)N(R)CON(R)2、N(R)SO2R、N(R)SO2N(R)2、N(R)C(O)OR、N(R)C(O)R、N(R)C(S)R、N(R)C(O)N(R)2、N(R)C(S)N(R)2、N(COR)COR、N(OR)R、C(=NH)N(R)2、C(O)N(OR)R、またはC(=NOR)R、式中、Rは水素(他の炭素原子を含む例の場合)であるか、炭素系部分(例えばアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリール)であることができ、前記炭素系部分はそれ自体がさらに置換されうる。
本明細書において使用する用語「置換(された)」は、本明細書において定義する有機基または分子であって、そこに含まれている1つまたは複数の水素原子が1つまたは複数の非水素原子で置き換えられているものを指す。本明細書において使用する「官能基」または「置換基」という用語は、分子上または有機基上の、置換することができる基または置換されている基を指す。置換基または官能基の例には次に挙げるものがあるが、それらに限定されるわけではない:ハロゲン(例えばF、Cl、Br、およびI);ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、オキソ(カルボニル)基、カルボン酸、カルボン酸塩、およびカルボン酸エステルを含むカルボキシル基などの基における酸素原子;チオール基、アルキルスルフィド基およびアリールスルフィド基、スルホキシド基、スルホン基、スルホニル基、およびスルホンアミド基などの基における硫黄原子;アミン、ヒドロキシルアミン、ニトリル、ニトロ基、N-オキシド、ヒドラジド、アジド、およびエナミンなどの基における窒素原子;および他のさまざまな基における他のヘテロ原子。置換された炭素(または他の)原子に結合されうる置換基Jの非限定的な例には次に挙げるものがある:F、Cl、Br、I、OR、OC(O)N(R)2、CN、NO、NO2、ONO2、アジド、CF3、OCF3、R、O(オキソ)、S(チオノ)、C(O)、S(O)、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、N(R)2、SR、SOR、SO2R、SO2N(R)2、SO3R、(CH20〜2P(O)OR2、C(O)R、C(O)C(O)R、C(O)CH2C(O)R、C(S)R、C(O)OR、OC(O)R、C(O)N(R)2、OC(O)N(R)2、C(S)N(R)2、(CH20〜2N(R)C(O)R、(CH20〜2N(R)C(O)OR、(CH20〜2N(R)N(R)2、N(R)N(R)C(O)R、N(R)N(R)C(O)OR、N(R)N(R)CON(R)2、N(R)SO2R、N(R)SO2N(R)2、N(R)C(O)OR、N(R)C(O)R、N(R)C(S)R、N(R)C(O)N(R)2、N(R)C(S)N(R)2、N(COR)COR、N(OR)R、C(=NH)N(R)2、C(O)N(OR)R、またはC(=NOR)R、式中、Rは水素であるか、炭素系部分であることができ、前記炭素系部分はそれ自体がさらに置換されうる。例えばRは、水素、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであることができ、ここで、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキル、またはRはいずれも、独立して、Jで一置換または多置換されうるか、または窒素原子に結合した2つのR基もしくは隣接する窒素原子に結合した2つのR基は、当該1つまたは複数の窒素原子と共に全体としてヘテロシクリルを形成することができ、そのヘテロシクリルは、Jで一置換されるか、または独立して多置換されうる。
本明細書において使用する用語「アルキル」は、1〜40個の炭素原子(C1〜C40)、1〜約20個の炭素原子(C1〜C20)、1〜12個の炭素(C1〜C12)、1〜8個の炭素原子(C1〜C8)、またはいくつかの態様では、1〜6個の炭素原子(C1〜C6)を有する置換または無置換の直鎖および分岐アルキル基およびシクロアルキル基を指す。直鎖アルキル基の例には、1〜8個の炭素原子を持つもの、例えばメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、およびn-オクチル基がある。分岐アルキル基の例には、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ネオペンチル、イソペンチル、および2,2-ジメチルプロピル基があるが、それらに限定されるわけではない。本明細書において使用する用語「アルキル」は、n-アルキル、イソアルキル、およびアンテイソアルキル基ならびに他の分岐鎖型アルキルを包含する。代表的な置換アルキル基は、本明細書において列挙する基のいずれか、例えばアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ニトロ、チオ、アルコキシ、およびハロゲン基により、1回または複数回置換されうる。
本明細書において使用する用語「アルケニル」は、2〜20個の炭素原子(C2〜C20)、2〜12個の炭素(C2〜C12)、2〜8個の炭素原子(C2〜C8)、またはいくつかの態様では、2〜4個の炭素原子(C2〜C4)と少なくとも1つの炭素-炭素二重結合とを有する置換または無置換の直鎖および分岐二価アルケニルおよびシクロアルケニル基を指す。直鎖アルケニル基の例には、2〜8個の炭素原子を持つもの、例えば-CH=CH-、-CH=CHCH2-などがある。分岐アルケニル基の例には、-CH=C(CH3)-などがあるが、それに限定されるわけではない。
本明細書において使用する用語「アルキレン」は、1〜40個の炭素原子(C1〜C40)、1〜約20個の炭素原子(C1〜C20)、1〜12個の炭素(C1〜C12)、1〜8個の炭素原子(C1〜C8)、またはいくつかの態様では、1〜4個の炭素原子(C1〜C4)、1〜5個の炭素原子(C1〜C5)、2〜5個の炭素原子(C2〜C5)または3〜4個の炭素原子(C3〜C4)を有する置換または無置換の直鎖および分岐二価アルキレン基およびシクロアルキレン基を指す。直鎖アルキレン基の例には、1〜8個の炭素原子を持つもの、例えばメチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2CH2-)、n-プロピレン(-CH2CH2CH2-)、n-ブチレン(-CH2(CH22CH2-)などがある。分岐アルキレン基の例には、イソプロピリデン(CH2CH(CH3))などがあるが、それに限定されるわけではない。シクロアルキレン基の例には、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデンなどがあるが、それらに限定されるわけではない。
本明細書において使用する用語「ヒドロキシアルキル」は、少なくとも1つのヒドロキシル(-OH)基で置換された本明細書において定義するアルキル基を指す。
本明細書において使用する用語「シクロアルキル」は、置換または無置換の環状アルキル基、例えば限定するわけではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチル基などを指す。いくつかの態様においてシクロアルキル基は3個から約8〜12個までの環原子を有しうるが、別の態様では、環炭素原子の数は3個から4、5、6、または7個までの範囲にある。いくつかの態様において、シクロアルキル基は3〜6個の炭素原子(C3〜C6)を有しうる。シクロアルキル基はさらに多環式シクロアルキル基、例えば限定するわけではないが、ノルボルニル、アダマンチル、ボルニル、カンフェニル、イソカンフェニル、およびカレニル基、ならびに限定するわけではないが、デカリニルなどの縮合環を包含する。
本明細書において使用する用語「シクロアルキルアルキル」は、本明細書において定義するアルキル基の水素または炭素結合が本明細書において定義するシクロアルキル基で置き換えられている、本明細書において定義する置換または無置換アルキル基を指す。代表的なシクロアルキルアルキル基にはシクロペンチルアルキルがあるが、それに限定されるわけではない。
本明細書において使用する用語「アルキルシクロアルキル」は、本明細書において定義するシクロアルキル基の水素が、本明細書において定義するアルキル基への結合で置き換えられている本明細書において定義する置換または無置換のシクロアルキル基を指す。代表的なアルキルシクロアルキル基にはアルキルシクロプロピルがあるが、それに限定されるわけではない。
本明細書において使用する用語「アシル」は、カルボニル部分を含有する基であって、カルボニル炭素原子を介して結合している基を指す。カルボニル炭素原子は別の炭素原子(これは、置換または無置換アルキル、アリール、アラルキル シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル基などの一部であることができる)にも結合している。カルボニル炭素原子が水素に結合している特別な例では、この基は、本明細書において定義されるアシル基の1つ、「ホルミル」基である。アシル基は、カルボニル基に結合した0個から約12〜40、6〜10、1〜5または2〜5個までの追加炭素原子を含みうる。アクリロイル基はアシル基の一例である。アシル基は、本明細書における意味では、ヘテロ原子も含みうる。ニコチノイル基(ピリジル-3-カルボニル)は、本明細書における意味でのアシル基の一例である。他の例には、アセチル、ベンゾイル、フェニルアセチル、ピリジルアセチル、シンナモイル、およびアクリロイル基などがある。カルボニル炭素原子に結合している炭素原子を含有する基がハロゲンを含有する場合、その基は「ハロアシル」基と呼ばれる。一例はトリフルオロアセチル基である。
用語「ヘテロシクリルカルボニル」は、置換または無置換のヘテロシクリル基に結合しているアシル基の一例であり、用語「ヘテロシクリル」は、本明細書において定義される通りである。ヘテロシクリルカルボニル基の一例はプロリル基であり、この場合、プロリル基はD-プロリル基またはL-プロリル基であることができる。
本明細書において使用する用語「アリール」は、環内にヘテロ原子を含有しない置換または無置換の環状芳香族炭化水素を指す。したがってアリール基には、フェニル、アズレニル、ヘプタレニル、ビフェニル、インダセニル、フルオレニル、フェナントレニル、トリフェニレニル、ピレニル、ナフタセニル、クリセニル、ビフェニレニル、アントラセニル、およびナフチル基が含まれるが、それらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、アリール基は、その基の環部分に約6〜約14個の炭素(C6〜C14)または6〜10個の炭素原子(C6〜C10)を含有する。アリール基は無置換であってもよいし、本明細書において定義するように置換されていてもよい。代表的な置換アリール基は、モノ置換されているか、または2回以上置換されていてよく、2-、3-、4-、5-、もしくは6-置換フェニルまたは2〜8-置換ナフチル基でありうるが、それらに限定されるわけではなく、それらの置換基は、例えば炭素基または非炭素基、例えば本明細書において列挙するものでありうる。
本明細書において使用する用語「アラルキル」および「アリールアルキル」は、アルキル基の水素または炭素結合が本明細書において定義するアリール基への結合で置き換えられている本明細書において定義するアルキル基を指す。代表的なアラルキル基には、ベンジル基およびフェニルエチル基ならびに縮合(シクロアルキルアリール)アルキル基、例えば4-エチル-インダニルがある。アラルケニル基は、アルキル基の水素または炭素結合が本明細書において定義するアリール基で置き換えられている本明細書において定義するアルケニル基である。
本明細書において使用する用語「ヘテロシクリル」は、3個以上の環原子を含有し、そのうちの1つまたは複数がヘテロ原子、例えば限定するわけではないが、N、O、およびSである、置換または無置換の芳香環および非芳香環化合物を指す。したがってヘテロシクリルは、シクロヘテロアルキルまたはヘテロアリールであるか、多環式であるなら、それらの任意の組み合わせであることができる。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は3〜約20個の環原子を含み、一方、別のヘテロシクリル基は3〜約15個の環原子を含む。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、3〜8個の炭素原子(C3〜C8)、3〜6個の炭素原子(C3〜C6)または6〜8個の炭素原子(C6〜C8)を含むヘテロシクリル基を含む。C2-ヘテロシクリルと指定されるヘテロシクリル基は、2個の炭素原子と3個のヘテロ原子とを持つ5員環、2個の炭素原子と4個のヘテロ原子都を含む6員環などであることができる。同様に、C4-ヘテロシクリルは、1個のヘテロ原子を持つ5員環、2個のヘテロ原子を持つ6員環などであることができる。炭素原子の数とヘテロ原子の数の和は環原子の総数に等しい。ヘテロシクリル環は1つまたは複数の二重結合も含みうる。ヘテロアリール環はヘテロシクリル機の一態様である。「ヘテロシクリル基」という語句には縮合環種が含まれ、これには縮合芳香族基および縮合非芳香族基を含むものが包含される。代表的なヘテロシクリル基には、ピロリジニル、アゼチジニル、ピペリジニル(piperidynyl)、ピペラジニル、モルホリニル、クロマニル、インドリノニル、イソインドリノニル、フラニル、ピロリジニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニル、チオフェニル、テトラヒドロフラニル、ピロリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、トリアジオリル(triazyolyl)、テトラゾリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンゾチアゾリニル(benzthiazolinyl)、およびベンゾイミダゾリニル基があるが、それらに限定されるわけではない。インドリノニル基の例には、一般式:
Figure 0006622290
を有する基があり、式中、Rは本明細書において定義するとおりである。イソインドリノニル基の例には、一般式:
Figure 0006622290
を有する基があり、式中、Rは本明細書において定義するとおりである。ベンゾオキサゾリニル基の例には、一般式:
Figure 0006622290
を有する基があり、式中、Rは本明細書において定義するとおりである。ベンゾチアゾリニル基の例には、一般式:
Figure 0006622290
を有する基があり、式中、Rは本明細書において定義するとおりである。いくつかの態様において、ベンゾオキサゾリニル基およびベンゾチアゾリニル基中の基Rは、N(R)2基である。いくつかの態様において、各Rは水素またはアルキルであり、前記アルキル基は置換されているか、または無置換である。いくつかの態様において、前記アルキル基はヘテロシクリル基(例えばピロリジニル基)で置換されている。
本明細書において使用する用語「ヘテロシクリルアルキル」は、本明細書において定義するアルキル基の水素または炭素原子が本明細書において定義するヘテロシクリル基への結合で置き換えられている本明細書において定義するアルキル基を指す。代表的なヘテロシクリルアルキル基には、フラン-2-イルメチル、フラン-3-イルメチル、ピリジン-3-イルメチル、テトラヒドロフラン-2-イルメチル、およびインドール-2-イルプロピルがあるが、それらに限定されるわけではない。
本明細書において使用する用語「ヘテロシクリルアルキルオキシ」は、本明細書において定義するアルキル基の水素または炭素原子が本明細書において定義するヘテロシクリル基への結合で置き換えられており、かつ前記アルキル基が酸素に取り付けられている本明細書において定義するアルキル基を指す。代表的なヘテロシクリルアルキルオキシ基には、-O-(CH2qヘテロシクリル(式中、qは1〜5の整数である)があるが、それらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、ヘテロシクリルアルキルオキシ基は、-O-CH2CH2-モルホリンなどの-O-(CH2qモルホリニルを包含する。
本明細書において使用する用語「ヘテロアリールアルキル」は、アルキル基の水素または炭素原子が本明細書において定義するヘテロアリール基への結合で置き換えられている本明細書において定義するアルキル基を指す。
本明細書において使用する用語「アルコキシ」は、本明細書において定義するシクロアルキル基を含むアルキル基に接続された、酸素原子を指す。線状アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどがあるが、それらに限定されるわけではない。分岐アルコキシの例には、イソプロポキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、イソペンチルオキシ、イソヘキシルオキシなどがあるが、それらに限定されるわけではない。環状アルコキシの例には、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどがあるが、それらに限定されるわけではない。アルコキシ基は、酸素原子に結合した1個から約12〜20個までまたは約12〜40個までの炭素原子を含むことができ、さらに二重結合または三重結合を含むことができ、ヘテロ原子も含むことができる。例えばアリルオキシ基は、本明細書における意味でのアルコキシ基である。メトキシエトキシ基も本明細書における意味でのアルコキシ基であり、ある構造の隣接する2つの原子がメチレンジオキシ基で置換されている場合には、そのメチレンジオキシ基もそうである。
本明細書において使用する用語「アミン」は、例えばN(基)3という式を有し、式中の各基は独立してHまたはH以外、例えばアルキル、アリールなどであることができる、1級、2級、および3級アミンを指す。アミンには、R-NH2、例えばアルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン; R2NH(式中、各Rは独立して選択される)、例えばジアルキルアミン、ジアリールアミン、アラルキルアミン、ヘテロシクリルアミンなど;およびR3N(式中、各Rは独立して選択される)、例えばトリアルキルアミン、ジアルキルアリールアミン、アルキルジアリールアミン、トリアリールアミンなどが包含されるが、それらに限定されるわけではない。用語「アミン」は、本明細書にいうアンモニウムイオンも包含する。
本明細書において使用する用語「アミノ基」は、-NH2、-NHR、-NR2、-NR3 の形態の置換基(式中、各Rは独立して選択される)、およびプロトン化されえない-NR3 を除くそれぞれのプロトン化型を指す。したがって、アミノ基で置換された化合物はいずれも、アミンであると考えることができる。「アミノ基」は、本明細書における意味で、1級、2級、3級、または4級アミノ基であることができる。「アルキルアミノ」基には、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、およびトリアルキルアミノ基が含まれる。
本明細書において使用する用語「ハロ」、「ハロゲン」または「ハライド」基は、単独で、または別の置換基の一部として、別段の言明がある場合を除き、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を意味する。
本明細書において使用する用語「ハロアルキル」基は、モノハロアルキル基、ポリハロアルキル基(この場合、ハロ原子はすべて同じであっても、異なっていてもよい)、およびすべての水素原子がフルオロなどのハロゲン原子で置き換えられているパーハロアルキル基を包含する。ハロアルキルの例には、トリフルオロメチル、1,1-ジクロロエチル、1,2-ジクロロエチル、1,3-ジブロモ-3,3-ジフルオロプロピル、パーフルオロブチル、-CF(CH32などがある。
本明細書において使用する用語「塩」および「薬学的に許容される塩」は、本明細書に開示する化合物の誘導体であって、親化合物がその酸塩または塩基塩の形成によって修飾されているものを指す。薬学的に許容される塩の例には、アミンなどの塩基性基の鉱酸塩または有機酸塩、およびカルボン酸などの酸性基のアルカリ塩または有機塩があるが、それらに限定されるわけではない。薬学的に許容される塩には、例えば非毒性の無機酸または有機酸から形成される、親化合物の従来の非毒性塩または4級アンモニウム塩が含まれる。例えば、そのような従来の非毒性塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、および硝酸などの無機酸から誘導されるもの、および酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、およびイセチオン酸などの有機酸から調製される塩がある。
薬学的に許容される塩は、塩基性部分または酸性部分を含有する親化合物から、従来の化学的方法によって合成することができる。いくつかの例において、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸型または遊離塩基型を、化学量論量の適当な塩基または酸と、水中もしくは有機溶媒中またはそれら2つの混合物中で反応させることによって、調製することができ、一般的には、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水性媒質が好ましい。適切な塩のリストは、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1985に見いだされ、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
用語「溶媒和物」は、非共有結合的分子間力によって結合した化学量論量または非化学量論量の溶媒をさらに含む化合物またはその塩を意味する。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。
用語「プロドラッグ」は、生物学的条件下(インビトロまたはインビボ)で、加水分解し、酸化し、または他の形で反応して活性化合物、特に本発明の化合物を与える、化合物の誘導体を意味する。プロドラッグの例には、生物加水分解性部分、例えば生物加水分解性アミド、生物加水分解性エステル、生物加水分解性カルバメート、生物加水分解性カーボネート、生物加水分解性ウレイド、および生物加水分解性ホスフェート類似体を含む本発明の化合物の誘導体および代謝産物があるが、それらに限定されるわけではない。カルボキシル官能基を持つ化合物の具体的プロドラッグは、そのカルボン酸の低級アルキルエステルである。カルボン酸エステルは、分子上に存在するどのカルボン酸部分のエステル化によっても、都合よく形成される。プロドラッグは、典型的には、Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery 6th ed.(Donald J. Abraham ed., 2001, Wiley)およびDesign and Application of Prodrugs(H. Bundgaard ed., 1985, Harwood Academic Publishers GmbH)に記載されている方法など、周知の方法によって調製することができる。
本発明のさまざまな態様は、式(I)の化合物:
Figure 0006622290
またはその薬学的に許容される塩、多形、プロドラッグ、溶媒和物、もしくはクラスレートに向けられ、式中、X1は、アルキレン、-O-、-CH2NR4-または-NHR4-であり; X2およびX3は、それぞれ独立して、アルキレンであり; nは、0〜3の整数であり; R1は、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ハロまたはヘテロシクリルアルキルオキシであり; R2は、アルキル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、または-C(R7R8)-アルキレン-R9であり; R11は、-SO2R3、-N(R12)SO2R3、-N(R12)C(O)R3、-N(R12)C(O)CH(R12)N(R12)C(O)R13、-C(O)N(R122、-C(O)-アルキレン-X4-R10(式中、X4は、S、OまたはNR6であり、R6は、H、アルキル(alklyl)、シクロアルキル(cylcoalkyl)またはアルキルアリールである)または-C(O)R10であり; R3は、アリールまたはヘテロアリールであり; R4は、アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり; R7およびR8は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル(arylalky)、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであるか、またはR7およびR8は、それらが結合している炭素原子と共に全体として、シクロアルキル基またはヘテロシクリル基を形成し; R9は、水素、OR10、OC(O)N(R102、CN、NO2、CF3、OCF3、N(R102、SR10、SOR10、SO2R10、SO2N(R102、SO3R、C(O)R10、C(O)OR10、OC(O)R10、C(O)N(R102、(CH20〜2N(R10)C(O)R10、または(CH20〜2N(R10)C(O)OR10であり; R10は、水素、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり; R12は、水素、アルキル、アルキルアリール、ヘテロシクリルであるか、またはN(R122上の2つのR12基は、それらが結合している窒素原子と共に全体として、ヘテロシクリル基を形成し; R13は、水素、アルキル、-N(R122または-OR12である。いくつかの態様において、R2およびR11は、それらをつなぐ-CH2N-と共に全体として、ヘテロシクリル基または置換ヘテロシクリル基を形成する。
本明細書では式(I)の化合物のすべてのジアステレオマーが考えられる。他のさまざまな態様において、本発明は、式(Ia)〜(Ih)の化合物:
Figure 0006622290
またはその薬学的に許容される塩、多形、プロドラッグ、溶媒和物、もしくはクラスレートに向けられ、式中、X1、X2、X3、R1、R2、R11、およびnは、本明細書において定義される。いくつかの態様において、式(I)および(Ia)〜(Ih)の化合物中のX1は、アルキレン、例えば、-CH2-および-CH2CH2-を含むC1〜C4アルキレンである。いくつかの態様において、式(I)および(Ia)〜(Ih)の化合物中のX2は、アルキレン、例えば、-CH2-および-CH2CH2-を含むC1〜C4アルキレンである。いくつかの態様において、式(I)および(Ia)〜(Ih)の化合物中のX3は、アルキレン、例えば、-CH2-および-CH2CH2-を含むC1〜C4アルキレンである。いくつかの態様において、式(I)および(Ia)〜(Ih)の化合物中のX1、X2、およびX3は、-CH2-である。別の態様では、X1は-CH2-であり; X2は-CH2-であり;かつX3は-CH2CH2-である。さらに別の態様では、X1は-CH2-であり; X2は-CH2CH2-であり;かつX3は-CH2-である。さらに別の態様では、X1は-CH2CH2-であり; X2は-CH2-であり;かつX3は-CH2-である。
いくつかの態様において、nは0であり、したがって、R1が結合しているフェニル環は無置換である。
いくつかの態様において、R2はアルキル(例えばC1〜C6アルキル)である。別の態様において、R2は、置換されていてもよいヘテロシクリル基である。いくつかの態様において、前記ヘテロシクリル基はピロリジニル基またはアゼチジニル基である。置換される場合、前記ヘテロシクリル基は、アルキル(例えばC1〜C6アルキル)で置換されうる。さらに別の態様では、R2は-C(R7R8)-アルキレン-R9基であり、式中、アルキレンはC1〜C5アルキレン、例えばC2〜C5アルキレンまたはC3〜C4アルキレンである。いくつかの態様において、R9は、-OC(O)N(R102または-(CH20〜2N(R10)C(O)OR10であり、式中、R10は本明細書において定義される。
いくつかの態様において、R2は、置換されていてもよいアリールである。置換される場合、前記アリール基は、ヘテロアリール基などのヘテロシクリル基で置換されうる。いくつかの態様において、前記ヘテロアリール基はピリジニル基である。
いくつかの態様において、R11は-SO2R3であり、式中、R3はアリールである。いくつかの態様において、前記アリールは置換されている。いくつかの態様において、R3のアリールは、アルケニル基、シクロアルキル基またはヘテロシクリル基で置換されており、これらの置換基のそれぞれも置換されていてよい。いくつかの態様において、前記ヘテロシクリル基はヘテロアリール基である。R3のアリール上の置換基になりうるヘテロシクリル基の例として、4,5-ジヒドロオキサゾリル、オキサキソリル(oxaxolyl)、オキサジアゾリル、インドリル、およびイソインドリルからなる群より選択される1つまたは複数の基が挙げられる。置換される場合、前記ヘテロシクリル基は、アルキル(例えばC1〜C6アルキル)、-C(O)R、-CF3、-アルキレン-NR2、-NR2、および-OR(式中のRは本明細書において定義される)からなる群より選択される1つまたは複数の基で置換されうる。R3のアリール上の置換基になりうるシクロアルキル基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、およびシクロペンチル基が挙げられる。置換される場合、前記シクロアルキル基は、-CN、-OR、-アルキレン-NR2、-NR2または-C(O)N(R)2(式中、Rは本明細書において定義される)からなる群より選択される1つまたは複数の基で置換されうる。置換される場合、前記アルケニル基(例えばC1〜C6アルケニル)は、アルキル、-アルキル-NR2または-C(O)N(R)2で置換されうる。
いくつかの態様において、R11は-N(R12)C(O)CH(R12)N(R12)C(O)R13であり、式中、R12およびR13は本明細書において定義される。いくつかの態様において、各R12は水素である。別の態様において、R13はOR12であり、式中、R12はアルキル(例えばC1〜C6アルキル)またはヘテロシクリル、例えばテトラヒドロフラニルである。
別の態様において、R11は-N(R12)SO2R3または-N(R12)C(O)R3であり、式中、R3およびR12は本明細書において定義される。いくつかの態様において、R12は水素またはアルキルである。いくつかの態様において、R3はアリール基またはヘテロアリール基である。いくつかの態様において、ヘテロアリール基はベンゾオキサゾリルまたはベンズチアゾリルであり、それらはそれぞれ置換されていてもよい。
いくつかの態様において、R11は-C(O)N(R122であり、各R12は、独立して、水素、アルキル(例えばC1〜C6アルキル)、アリール、ヘテロシクリルであるか、または2つのR12基は、それらが結合している窒素原子と共に全体として、ヘテロシクリル基を形成する。いくつかの態様において、2つのR12基は、それらが結合している窒素原子と共に全体として、置換されていてもよいピペリジニル基などのヘテロシクリル基を形成する。
いくつかの態様において、R1は、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル、ハロまたはC1〜C6-ヘテロシクリル-C1〜C6-アルキルオキシである。R1基の非限定的な例として、-OCH3(例えば芳香環の3位または4位にあるもの)、-CH2OH(例えば芳香環の3位または4位にあるもの)、フルオロ(例えば芳香環の3位もしくは4位にあるもの、または環が3,5-ジフルオロ置換体になるように芳香環の3位および5位にあるもの)、-O-CH2CH2モルホリン(例えば芳香環の3位または4位にあるもの)が挙げられる。
いくつかの態様において、R2は、C1〜C6アルキル、ハロ-C1〜C6-アルキル、C6〜C10-アリール-C1〜C6-アルキル、C3〜C6-シクロアルキル-C1〜C6-アルキル、C3〜C6-ヘテロシクリルカルボニルまたはC3〜C6-ヘテロシクリル-C1〜C6-アルキルである。R2基の非限定的な例として、-CH(CH32、-CF(CH32、-CH2シクロペンチル、C(Me)シクロプロピル、C(Me)シクロブチル、C(Me)シクロペンチル、C(Me)テトラヒドロフラニル、-CH2プロリル、および-CH2テトラヒドロフラニル(例えば-CH2テトラヒドロフラン-2-イル)が挙げられる。
いくつかの態様において、R3は置換C6〜C10アリールである。いくつかの態様において、R3は置換フェニル、いくつかの例では、アミノ(例えば-NH2)、C1〜C6アルコキシ(例えば-OCH3)、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル(例えば-CH2OH)およびハロ(例えばフルオロ)の少なくとも1つで置換されたものである。
いくつかの態様において、R3は、式:
Figure 0006622290
を有する置換フェニル基であり、式中、pは1〜2の整数である。
いくつかの態様において、本明細書においてR3によって表される置換アリール基は、
Figure 0006622290
からなる群より選択することができる。
別の態様において、本明細書においてR3によって表される置換アリール基は、
Figure 0006622290
からなる群より選択することができる。
いくつかの態様において、R3は置換C6〜C8ヘテロアリールである。いくつかの態様において、R3は、式:
Figure 0006622290
を有する置換C6〜C8ヘテロアリールであり、式中、R5は、C1〜C6アルキルアミノまたはC3〜C6シクロアルキル-C3〜C6ヘテロシクロアミノであり; かつX4は、S、OまたはNR6であり、R6は、H、アルキル、シクロアルキルまたはアルキルアリールである。R5の非限定的な例として、-NHCH3、-NHCH(CH32、-NHシクロプロピル、-NHCH2CH(CH32、-NHC(CH33、および
Figure 0006622290
が挙げられる。
いくつかの態様において、R3は置換C6〜C8ヘテロアリールである。いくつかの態様において、前記C6〜C8ヘテロアリール上の置換基は、アルキル(例えばメチルなどのC1〜C6アルキル)、-OR(式中、Rは本明細書において定義される(例えば、CH3-O-などのC1〜C6アルキル-O-、フェニル-O-などのC6〜C10アリール))、またはハロ(例えばClまたはF)でありうる。いくつかの態様において、R3は式:
Figure 0006622290
を有する置換C6〜C8ヘテロアリールであり、式中、R5はC1〜C6アルキルアミノまたはC3〜C6シクロアルキル-C3〜C6ヘテロシクロアミノであり;かつX4は、S、OまたはNR6であり、R6は、H、アルキル、シクロアルキルまたはアルキルアリールである。
式(I)および(Ia)〜(Ih)の化合物の例として、
Figure 0006622290
Figure 0006622290
Figure 0006622290
Figure 0006622290
またはそれらの薬学的に許容される塩、多形、プロドラッグ、溶媒和物、もしくはクラスレートが挙げられるが、それらに限定されるわけではない。
本発明の態様では、式:
Figure 0006622290
の化合物またはその薬学的に許容される塩、多形、プロドラッグ、溶媒和物、もしくはクラスレートも考えられる。
式(I)、(Ia)〜(Ih)の化合物の例としては、
Figure 0006622290
Figure 0006622290
Figure 0006622290
Figure 0006622290
またはそれらの薬学的に許容される塩、多形、プロドラッグ、溶媒和物、もしくはクラスレートも挙げられるが、それらに限定されるわけではない。
本明細書に記載する化合物(例えば式(I)および(Ia)〜(Ih)の化合物)がキラル中心を含有することを、当業者は認識するであろう。本明細書ではラセミ体だけでなく本明細書に記載する化合物のすべてのジアステレオマーが考えられる。したがって、ラセミ体に加えて、例えば式(I)および(Ia)〜(Ih)の化合物が考えられる。
本発明のさまざまな態様では、本発明のさまざまな態様の1種または複数種の化合物(例えば式(I)および(Ia)〜(Ih)の化合物)と1種または複数種の薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤もしくはそれらの組み合わせとを含む薬学的組成物も考えられる。「薬学的組成物」は、対象(例えば哺乳動物)への投与に適した化学的または生物学的組成物を指す。そのような組成物は、限定するわけではないが、口腔粘膜、皮膚、皮膚上、硬膜外、注入、吸入、動脈内、心臓内、脳室内、皮内、筋肉内、鼻腔内、眼内、腹腔内、脊髄内、髄腔内、静脈内、経口、非経口、肺、浣腸剤または坐剤による経直腸、皮下、真皮下、舌下、経皮、および経粘膜などといった、いくつかある経路の1つまたは複数による投与のために特別に製剤化されうる。加えて、投与は、カプセル剤、滴剤、フォーム剤、ゲル剤、ガム剤、注射剤、溶液剤、貼付剤、丸剤、多孔性小袋(porous pouch)、粉剤、錠剤、または他の適切な投与手段を使って行うことができる。
「薬学的賦形剤」または「薬学的に許容される賦形剤」は(時には液状の)担体を含み、その中に活性治療作用物質が調合される。一般に賦形剤は、製剤に、化学的および/または生物学的安定性ならびに放出特徴は与えうるが、薬理学的活性はなにも与えない。適切な製剤の例は、例えばRemington, The Science And Practice of Pharmacy, 20th Edition,(Gennaro, A. R., Chief Editor), Philadelphia College of Pharmacy and Science, 2000に見いだすことができ、この文献は、参照によりそのまま本明細書に組み込まれる。
本明細書にいう「薬学的に許容される担体」または「賦形剤」には、生理学的に適合するありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張化剤および吸収遅延剤が含まれる。一態様において、担体は非経口投与に適している。あるいは、担体は、静脈内、腹腔内、筋肉内、舌下、または経口投与に適しうる。薬学的に許容される担体として、滅菌水溶液または滅菌水性分散液、および滅菌注射用溶液または滅菌注射用分散液を即時調製するための滅菌粉末が挙げられる。薬学的活性物質のためのそのような媒質および作用物質の使用は、当技術分野においては周知である。従来の媒質または作用物質は、それらが活性化合物と不適合でない限り、本発明の薬学的組成物におけるその使用が考えられる。組成物には補助活性化合物も組み込むことができる。
薬学的組成物は滅菌されており、製造条件下および貯蔵条件下で安定でありうる。組成物は、溶液、マイクロエマルション、リポソーム、または高い薬物濃度に適した他の秩序構造として製剤化することができる。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、および液状ポリエチレングリコール)、ならびにそれらの適切な混合物を含有する溶媒または分散媒であることができる。適正な流動性は、例えばレシチンなどのコーティングの使用、分散系の場合は要求される粒径の維持、および界面活性剤の使用などによって維持することができる。
多くの場合、組成物には等張化剤、例えば糖類、ポリアルコール、例えばマンニトール、ソルビトール、または塩化ナトリウムを含めることが、好ましいであろう。注射用組成物の長時間にわたる吸収は、吸収を遅延させる作用物質、例えばモノステアリン酸塩およびゼラチンなどを組成物中に含めることによって引き起こすことができる。そのうえ、本明細書に記載する化合物は、持効性製剤中に、例えば遅放性ポリマーを含む組成物中に、調合することができる。活性化合物は、急速な放出から化合物を保護することになる担体を使って、例えばインプラントおよびマイクロカプセル化送達システムなどといった放出制御製剤を使って、調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリ乳酸、およびポリ乳酸ポリグリコール酸コポリマー(PLG)などの生分解性生体適合性ポリマーを使用しうる。そのような製剤を調製するための方法は当業者には数多く知られている。
本明細書では経口投与剤形も考えられる。本発明の薬学的組成物は、カプセル剤(硬または軟)、錠剤(フィルムコート錠、腸溶性錠または非コート錠)、散剤または顆粒剤(コート剤もしくは非コート剤)または液剤(溶液剤もしくは懸濁剤)として経口投与しうる。製剤は、都合がよいように、当技術分野において周知のどの方法で調製してもよい。本発明の薬学的組成物は、1種または複数種の適切な製造助剤または賦形剤、例えば充填剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、希釈剤、流動剤、緩衝剤、保湿剤、保存剤、着色剤、甘味料、香料、および薬学的に適合する担体を含みうる。
具陳する態様のそれぞれについて、当技術分野において公知のさまざまな剤形によって、化合物を投与することができる。当業者に公知の生物学的に許容される任意の剤形およびそれらの組み合わせが考えられる。そのような剤形の例には、咀嚼錠、速溶錠、発泡錠、再構成用散剤、エリキシル剤、液剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、多層錠剤、二層錠剤、カプセル剤、軟ゼラチンカプセル剤、硬ゼラチンカプセル剤、カプレット、口中錠、チュアブル口中錠、ビーズ剤、散剤、ガム剤、顆粒剤、粒剤、微粒子剤、分散性顆粒剤、カシェ剤、潅注液、坐剤、クリーム剤、外用剤、吸入剤、エアロゾル吸入剤、貼付剤、粒子吸入剤、インプラント、デポーインプラント、経口摂取剤(ingestibles)、注射剤(皮下、筋肉内、静脈内、および皮内注射剤を含む)、注入剤、およびそれらの組み合わせがあるが、それらに限定されるわけではない。
混合によって含めることができる他の化合物は、例えば医学的に不活性な成分(例えば固形および液状の希釈剤)、例えば錠剤またはカプセル剤用のラクトース、デキストロース、サッカロース、セルロース、デンプンまたはリン酸カルシウム、軟カプセル剤用のオリーブ油またはオレイン酸エチル、および懸濁剤または乳剤用の水または植物油;シリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウムおよび/またはポリエチレングリコールなどの潤滑剤;コロイド状粘土などのゲル化剤;トラガカントゴムまたはアルギン酸ナトリウムなどの増粘剤、デンプン、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはポリビニルピロリドンなどの結合剤;デンプン、アルギン酸、アルギン酸塩またはデンプングリコール酸ナトリウムなどの崩壊剤;発泡混合物;染料;甘味料;レシチン、ポリソルベートまたはラウリル硫酸などの湿潤剤;および他の治療上許容される補助成分、例えばそのような製剤用の公知の添加剤である保水剤、保存剤、緩衝剤および酸化防止剤である。
経口投与用の分散液は、シロップ剤、乳剤、溶液剤、または懸濁剤であることができる。シロップ剤は、担体として、例えばサッカロースまたはサッカロースとグリセロールおよび/もしくはマンニトールおよび/もしくはソルビトールを含有することができる。懸濁剤および乳剤は、担体として、例えば天然ゴム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはポリビニルアルコールを含有することができる。
本発明のさまざまな態様による治療組成物中の活性化合物の量は、個体の疾患状態、年齢、性別、体重、病歴、リスク因子、疾患に対する素因、投与経路、既存の処置レジメン(例えば他の薬物療法との考えうる相互作用)、および体重などといった因子に応じて変動しうる。投薬レジメンは最適な治療応答が得られるように調節しうる。例えば単回ボーラス投与を行ってもよいし、ある期間にわたって分割量を数回投与してもよいし、治療状況の要求に応じて、用量を比例的に増減してもよい。
本明細書にいう「投薬単位形(dosage unit form)」とは、処置される哺乳動物対照への単位投薬量として好適な物理的に離散した単位を指し、各単位は、所望の治療効果を生じるように計算された前もって決定された分量の活性化合物を必要な薬学的担体と共に含有する。本発明の投薬単位形の仕様は、活性化合物に特有の特徴および達成しようとする特定治療効果、ならびに個体における感受性の処置のためにそのような活性化合物を配合する技術に固有の制約によって決まり、それらに直接依存する。本発明の化合物またはその適当な薬学的組成物が有効である哺乳動物(例えばヒト)における状態の処置に治療的に使用する場合は、本発明の化合物を有効量で投与することができる。本発明に適した投薬量は、組成物、薬学的組成物、または本明細書に記載する他の任意の組成物でありうる。
具陳した態様のそれぞれについて、投薬量は、典型的には1日に1回、2回、または3回投与されるが、それより頻繁な投与間隔も可能である。投薬量は、毎日、2日ごと、3日ごと、4日ごと、5日ごと、6日ごと、および/または7日ごと(週に1回)に投与してもよい。ある態様では、投薬量を、最長30日(30日を含む)にわたって、好ましくは7〜10日にわたって、毎日投与しうる。別の一態様では、投薬量を10日にわたって1日2回投与しうる。患者が慢性疾患または慢性状態の処置を必要とする場合は、徴候および/または症状が続く限り、投薬量を投与することができる。患者は「維持処置」を必要とすることもあり、その場合、患者は数ヶ月、数年または生存中はずっと投薬を受けていく。加えて、本発明の組成物は、症状の再発予防を達成するための組成物であってもよい。例えば投薬量は、リスクがある患者における症状の発生を防止するために、特に無症候性の患者に、1日に1回または2回投与しうる。
本明細書に記載する組成物は、次に挙げるどの経路でも投与しうる:口腔粘膜、皮膚上、硬膜外、注入、吸入、動脈内、心臓内、脳室内、皮内、筋肉内、鼻腔内、眼内、腹腔内、脊髄内、髄腔内、静脈内、経口、非経口、肺、浣腸剤または坐剤による経直腸、皮下、真皮下、舌下、経皮、および経粘膜。好ましい投与経路は口腔粘膜および経口である。投与は、局所的であることができ、その場合は、組成物が疾患(例えば炎症)の部位の近くに、限局的に、その部位に、その部位付近に、またはその部位の近傍に直接投与される。また、投与は全身性であることもでき、その場合は、組成物が患者に与えられ、広く体じゅうを通過し、その結果、疾患の部位に到達する。局所投与は、疾患を包含し、かつ/または疾患に冒されており、かつ/または疾患の徴候および/または症状が活動性であるか、疾患の徴候および/または症状が生じる可能性がある、細胞、組織、器官、および/または器官系に投与することができる。投与は局所効果を持つ外用であることができ、組成物はその作用が望まれる場所に直接塗布される。投与は経腸投与であることができ、その場合、所望の効果は全身性(非局所性)であって、組成物は消化管を通して与えられる。投与は非経口投与であることができ、その場合は、所望の効果は全身性であって、組成物は消化管以外の経路によって与えられる。
いくつかの態様において、本発明のさまざまな態様では、治療有効量の1種または複数種の本発明のさまざまな態様の化合物(例えば式(I)および(Ia)〜(Ih)の化合物)を含む組成物が考えられる。いくつかの態様において、組成物は、HIV(例えばHIV-1)感染またはAIDSを処置するための方法であって、治療有効量の1種または複数種の任意の上記請求項の化合物を、それを必要とする患者に投与する工程を含む方法において有用である。いくつかの局面において、本発明のさまざまな態様では、HIV感染またはAIDSからの救済を必要とする患者を処置するための医薬として使用するための、式(I)および(Ia)〜(Ih)の化合物が考えられる。
本明細書において使用する用語「治療有効量」とは、組織系、動物またはヒトにおいて研究者、獣医、医師または他の臨床家が求めている生物学的または医学的応答(処置される疾患または障害の症状の緩和を含む)を引き出す、1種または複数種の本発明のさまざまな態様の化合物(例えば式(I)および(Ia)〜(Ih)の化合物)の量を指す。いくつかの態様において、治療有効量は、任意の医学的処置に適用可能な合理的な利益/リスク比で疾患または疾患の症状を処置しまたは緩和しうる量である。ただし、本明細書に記載する化合物および組成物の総1日量は、担当医が妥当な医学的判断の範囲内で決定しうると理解すべきである。どの特定患者についても、具体的な治療有効量レベルは、処置される状態およびその状態の重症度;使用する具体的化合物の活性;使用する具体的組成物;患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別および食事;投与時間、投与経路、使用する具体的化合物の***速度;処置の継続時間;使用する具体的化合物と併用されるまたは同時に使用される薬物などといった、研究者、獣医、医師または他の臨床家に周知の因子を含む、さまざまな因子に依存するであろう。1種または複数種の本明細書に記載する化合物の投与中に生じるかも知れないあらゆる毒性または他の望ましくない副作用に照らして治療有効量を選択できることも理解される。
いくつかの態様において、本発明のさまざまな態様の化合物は、約1fM〜約200nM(例えば約100fM〜約200nM、約100fM〜約100pM、約250fM〜約100pM、約500fM〜約5pM、約5pM〜約100pM、約50pM〜約250pM、約500pM〜約100nMまたは約300pM〜約75nM)のHIV-1プロテアーゼ阻害定数(Ki)を有する。
別の態様において、本発明のさまざまな態様の化合物は、インビトロで、野生型実験室株HIV-1LAIに対して、50%阻害濃度(IC50)が約1fM〜約200nM(例えば約100fM〜約200nM、約100fM〜約100pM、約250fM〜約100pM、約500fM〜約5pM、約10pM〜約50nM、約10pM〜約500pM、約100pM〜約750pM、約500pM〜約1nMまたは約500pM〜約50nM)である抗ウイルス活性を有する。
さらに別の態様において、本発明のさまざまな態様の化合物は、約200fM〜約100nM(例えば約200fM〜約600fM、約200fM〜約50pM、約500fM〜約500pM、約300fM〜約1pM)のダルナビル抵抗性HIV-1変異体(例えばNL4-3R、DRVRP20、DRVRP30、およびDRVRP51)抗ウイルスIC50を有する。さらなる別の態様において、本発明のさまざまな態様の化合物は、約50pM〜約50nM(例えば約100pM〜約50nMまたは約500pM〜約10nM)のダルナビル抵抗性HIV-1変異体(例えばNL4-3R、DRVRP20、DRVRP30、およびDRVRP51)IC50を有する。さらに別の態様において、本発明のさまざまな態様の化合物は、約1nM〜約100nM(例えば約10nM〜約75nMまたは約10nM〜約75nM)のダルナビル抵抗性HIV-1プロテアーゼ(例えばNL4-3R、DRVRP20、DRVRP30、およびDRVRP51)抗ウイルスIC50を有する。
例示のために提供される以下の実施例を参照することにより、本発明の理解を深めることができる。本発明は本明細書に記載する実施例に限定されない。
さまざまな態様の化合物を以下の実施例に記載するように合成することができる。
文献の手法に従って、D-プロリンから、(R)-ジフェニル(ピロリジン-2-イル)メタノール(6)を調製した。Periasamy, M.; Kanth, J. V. B. Tetrahedron Lett. 1993, 49, 5127。トルエン中、還流下に、(R)-ジフェニル(ピロリジン-2-イル)メタノール(6)を、対応するボロン酸から調製されたトリ-o-トリルボロキシン7で処理することによって触媒前駆体1を得て、それを1モル濃度のトルエン溶液として、アルゴン下で保存した(スキーム1)。Mukherjee, S.; Scopton, A. P.; Corey, E. J. Org. Lett. 2010, 12, 1836。
Figure 0006622290
同様の手法に従ってL-プロリンから触媒前駆体2を調製した。
Figure 0006622290
リガンド(15)の合成:
Coreyのプロトコール3を使ってビニルボロネート8とシクロペンタジエンとのディールス-アルダー反応を行った後、その結果生じた付加物のヒドロホウ素化反応をH2O2とKHCO3とを使って行うことにより、2工程を通して80%の収率で、アルコール9を得た{[α]D=-141.5(c 1.04、CHCl3)}。2,6-ルチジンの存在下にTBSOTfで化合物9を処理することにより、化合物10を95%の収率で得た。化合物10のエステル基をLAHで還元した後、Nicolaouとその共同研究者らが開発したプロトコールを使ってオレフィンのワンポットでの酸化的開裂を行い、次に、その結果生じた化合物をDIBALHで処理することにより、化合物11aと化合物11bをジアステレオマーの混合物(2:1の比)として得た。この混合物をTFAで処理することにより、化合物12を74%の収率で得た。TBAFを使った化合物12のTBS脱保護により、アルコール13を92%の収率で得た(スキーム2)。
Figure 0006622290
アルコール13をデス-マーチン・ペルヨージナンと反応させた後、その結果生じたケトンをNaBH4で還元することにより、2工程を通して76%の収率で、エピマー型アルコール15を得た(スキーム3)。
Figure 0006622290
リガンド(ent-15)の合成:
上に示した手法に従って、ビニルボロネート8およびシクロペンタジエンから、P2リガンドent-15を調製した。
Figure 0006622290
リガンド21の合成:
Coreyのプロトコール(軽微な変更を加えた)を使ってビニルボロネート8とシクロヘキサジエンとのディールス-アルダー反応を行った後、その結果生じた付加物のヒドロホウ素化反応をH2O2とKHCO3とを使って行うことにより、2工程を通して79%の収率でアルコール16を得た{[α]D=-50.37(c 0.81、CHCl3)}。Mukherjee, S.; Corey, E. J. Org. Lett. 2010, 12, 1024。このアルコール16を、上に示したものと類似する反応シーケンスに従って、P2リガンド21に転化した。2,6-ルチジンの存在下、TBSOTfで、アルコール16を処理することにより、化合物17を89%の収率で得た。化合物17をLAHと反応させた後、Nicolaouとその共同研究者らが開発したプロトコールを使ってオレフィンのワンポットでの酸化的開裂を行い、次に、その結果生じた化合物をDiBALHで処理することにより、3工程を通して61%の収率で、化合物18を(ジアステレオマーの混合物として)得た。上記混合物18をTFAで処理することにより、化合物19を25%の収率で得た。TBAFを使ってTBS脱保護を行った後、その結果生じたアルコールをデス-マーチン・ペルヨージナンを使って酸化することにより、2工程を通して61%の収率で、対応するケトン20を得た。NaBH4を使ってこのケトンを還元することにより、エピマー型アルコール21を79%の収率で得た(スキーム5)。
Figure 0006622290
混合カーボネートの合成:
本発明者らが以前に記載したように4、NMMまたはピリジンの存在下、クロロギ酸4-ニトロフェニルによる各アルコールの処理で、混合カーボネート22a、22b、ent-22a、ent-22bおよび22cを調製することにより、混合カーボネートを83〜95%の収率で得た(スキーム6)。
Figure 0006622290
HIVプロテアーゼ阻害剤の合成:
混合カーボネート22aおよび22b、ent-22aおよびent-22b、ならびに22cを、DIPEAの存在下、公知のアミン23で処理することにより、阻害剤A〜Eを77〜93%の収率で得た(スキーム7)。Ghosh, A. K.; Chapsal, B. D.; Parham, G. L.; Steffey, M.; Agniswamy, J.; Wang, Y.-F.; Amano, M.; Weber, I. T.; Mitsuya. H. J. Med. Chem. 2011, 54, 5890-5901を参照のこと。
Figure 0006622290
2-(シクロプロピルアミノ)ベンゾ[d]チアゾール-6-スルホニルクロリドを使って23と類似の手法に従って調製したアミン24と反応させることにより、22b、ent-22bおよび22cから、阻害剤F〜Hを調製した。Ghosh, A. K.; Chapsal, B. D.; Parham, G. L.; Steffey, M.; Agniswamy, J.; Wang, Y.-F.; Amano, M.; Weber, I. T.; Mitsuya. H. J. Med. Chem. 2011, 54, 5890-5901を参照のこと。DIPEAの存在下でこの反応を実行することにより、阻害剤F〜Hを得た(収率59〜90%)(スキーム8)。
Figure 0006622290
本発明者らは、キー出発材料としての市販のジフルオロフェニルアラニンからアミン24と類似の手法に従って調製したアミン25で、混合カーボネート22bおよび22cを処理することにより、阻害剤IおよびJを調製した。アミン26と混合カーボネート22bとの反応によって阻害剤Kを調製した(スキーム9)。Ghosh, A. K.; Chapsal, B. D.; Parham, G. L.; Steffey, M.; Agniswamy, J.; Wang, Y.-F.; Amano, M.; Weber, I. T.; Mitsuya. H. J. Med. Chem. 2011, 54, 5890-5901を参照のこと。
Figure 0006622290
阻害剤MおよびNは、以前に記述されているように混合カーボネート22bおよび22cをアミン27で処理することによって調製することができる(スキーム10)。Ghosh, A. K.; Chapsal, B. D.; Parham, G. L.; Steffey, M.; Agniswamy, J.; Wang, Y.-F.; Amano, M.; Weber, I. T.; Mitsuya. H. J. Med. Chem. 2011, 54, 5890-5901; and Dierynck, I.; Van Marck, H.; Van Ginderen, M.; Jonckers, T. H. M.; Nalam, M. N. L.; Schiffer, C. A.; Raoof, A.; Kraus, G.; Picchio, G. Antimicrob. Agents Ch. 2011, 55, 5723-5731を参照のこと。
Figure 0006622290
リガンドの合成:
化合物9の調製:
Figure 0006622290
オーブン乾燥およびフレーム乾燥した二口丸底フラスコに、オキサザボロリジン1の溶液(1.25mmol、5mL、0.25Mトルエン溶液)を加えた。溶媒を減圧下で注意深く除去し、その結果生じた残渣を2mLの無水CH2Cl2(CaH2から蒸留し、脱気し、MS 4Aで乾燥したもの)に溶解した。それを-25℃まで冷却し、Tf2NHの溶液(無水CH2Cl2 2mL中の1mmol、0.281g)を加えた。その結果生じた反応混合物を-25℃で30分撹拌した後、溶媒を同温度において減圧下で注意深く除去した。ここで、その結果生じた残渣に、ビニルボロネート8の溶液(無水CH2Cl2 3mL中の5mmol、1.13g)を加えた。その反応混合物を-78℃まで冷却し、シリンジポンプを使ってシクロペンタジエン(2.1mL)を2時間かけて加えた。-78℃でさらに5時間撹拌した後、反応混合物をEt2Oで希釈し、室温まで温め、次に、セライトで濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、その結果生じた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン類-10%酢酸エチル/ヘキサン類)で精製することにより、対応するディールス-アルダー付加物を得た(多少のジエノフィルを含有するが、これ以上精製することなく、次に使用した)。
THF:EtOH(20mL、3:1)中の上記ディールス-アルダー付加物とKHCO3(10mmol、5mL、2M水溶液)との混合物に、H2O2(20mmol、2mL、H2O中の30重量%溶液)を0℃でゆっくり加えた。その結果生じた反応混合物を0℃で4.5時間撹拌した後、Na2S2O3水溶液でクエンチした。その結果生じた混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた抽出物をH2Oおよびブラインで洗浄した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。その結果生じた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(25〜30%酢酸エチル/ヘキサン類)で精製することにより、2工程を通して80%の収率で化合物9を得た(0.73g)。
Figure 0006622290
化合物10の調製:
Figure 0006622290
アルコール10(4mmol、0.73g)のCH2Cl2(15mL)溶液に、2,6-ルチジン(12mmol、1.39mL)およびTBSOTf(6mmol、1.38mL)を0℃で加え、その結果生じた反応混合物を23℃で45分撹拌した。反応を氷冷0.5N NaHSO4でクエンチし、CH2Cl2で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。その結果生じた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(4〜6%ジエチルエーテル/ヘキサン類)で精製することにより、化合物10を95%の収率で得た(1.13g)。
Figure 0006622290
化合物11aおよび11bの調製:
10(3.8mmol、1.13g)のTHF(15mL)溶液に、LAH(9.5mmol、0.36g)を0℃で加えた。反応混合物を23℃まで温め、23℃で75分撹拌した。反応混合物を再び0℃に冷却し、H2Oおよび2N NaOH溶液でクエンチした後、濾過した。濾液を無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。その結果生じた化合物アルコールを、これ以上精製することなく、次の工程に使用した。
Figure 0006622290
Figure 0006622290
アセトン(32mL)およびH2O(3.2mL)中の上記アルコールの溶液に、2,6-ルチジン(7.6mmol、0.88mL)、NMO(5.7mmol、0.67g)およびOsO4(0.076mmol、0.48mL、H2O中に4重量%)を23℃で加えた。その結果生じた反応混合物を23℃で24時間撹拌した後、PhI(OAc)2 (5.7mmol、1.84g)を加え、撹拌を同じ温度でさらに15時間続けた。反応をNa2S2O3水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物をCuSo4水溶液、H2Oおよびブラインで洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。その結果生じた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(20〜25%酢酸エチル/ヘキサン類)に通し、そのまま次の工程に使用した。
上記化合物のCH2Cl2(15mL)溶液に、DiBAL-H(7.2mmol、7.2mL、CH2Cl2中に1M)を0℃でゆっくり加え、その結果生じた反応混合物を0℃で4時間撹拌した。反応を酒石酸カリウムナトリウムでクエンチし、CH2Cl2で希釈した。その結果生じた混合物を、2つの層がはっきりと分離するまで撹拌した。有機層を分離し、水層をCH2Cl2で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。その結果生じた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(60%酢酸エチル/ヘキサン類)で精製することにより、ラクトール11aおよび11bを約2:1のジアステレオマー比で得た(3工程を通して62%の収率、0.675g)。
Figure 0006622290
化合物12の調製:
Figure 0006622290
上記ラクトール混合物11aおよび11b(2.32mmol、0.67g)のCH2Cl2(60mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(2.3mL)を、0℃で加えた。その結果生じた反応混合物を0℃で15分、23℃で15時間撹拌した。反応を飽和NaHCO3でクエンチし、CH2Cl2で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。その結果生じた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(8〜10%酢酸エチル/ヘキサン類)で精製することにより、化合物12を74%の収率で得た(0.462g)。
Figure 0006622290
化合物13の調製:
Figure 0006622290
テトラブチルアンモニウムフルオリドの溶液(2.6mmol、2.6mL、1M THF溶液)を12(1.7mmol、0.46g)のTHF(10mL)溶液に0℃で加え、その結果生じた反応混合物を23℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、その結果生じた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(70〜80%酢酸エチル/ヘキサン類)で精製することにより、対応するアルコール13を92%の収率で得た(0.244g)。
Figure 0006622290
化合物15の調製:
Figure 0006622290
アルコール13(0.64mmol、0.1g)のCH2Cl2(4mL)溶液に、Na2HPO4(0.352mmol、50mg)およびデス-マーチン・ペルヨージナン(0.83mmol、0.352g)を0℃で加えた。反応混合物を23℃で3時間撹拌した後、反応を飽和NaHCO3溶液およびNa2S2O3水溶液でそれぞれクエンチしてから、CH2Cl2で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。その結果生じた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(40%酢酸エチル/ヘキサン類)で精製することにより、対応するケトン14を89%の収率で得た(87.9mg)。
上記ケトン14(0.57mmol、87.9mg)のMeOH(4mL)溶液に、NaBH4(2.85mmol、108mg)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で45分撹拌した。反応を飽和NH4Cl溶液でクエンチし、酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。その結果生じた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(60〜65%酢酸エチル/ヘキサン類)で精製することにより、アルコール15を85%の収率で得た(75.6mg)。
Figure 0006622290
キラル触媒2を使用し、リガンド15と同じ反応シーケンスに従って、エナンチオマー型リガンドent-15を調製した。
Ent-9:
Figure 0006622290
収率:78%
[α]D=+132.07(c 0.69、CHCl3){報告されている[α]D 23=+137.0(c 2.00、CHCl3)}
Ent-10:
Figure 0006622290
収率:91%
Ent-11:
Figure 0006622290
ent-10(1.35mmol、0.4g)のTHF(7mL)溶液に、LAH(3.4mmol、0.13g)を0℃で加えた。反応混合物を23℃まで温め、23℃で75分撹拌した。反応混合物を再び0℃に冷却し、H2Oおよび2N NaOH溶液でクエンチしてから、濾過した。濾液を無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。その結果生じたアルコールを、これ以上精製することなく、次の工程に使用した。
上記アルコールのアセトン(12mL)およびH2O(1.2mL)溶液に、2,6-ルチジン(2.7mmol、0.31mL)、NMO(2.03mmol、0.24g)およびOsO4(0.027mmol、0.17mL、H2O中に4重量%)を23℃で加えた。その結果生じた反応混合物を23℃で24時間撹拌した後、PhI(OAc)2(2.03mmol、0.65g)を加え、撹拌を同じ温度でさらに15時間続けた。反応をNa2S2O3水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物をCuSo4水溶液、H2Oおよびブラインで洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。その結果生じた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(20〜25%酢酸エチル/ヘキサン類)に通し、次の工程にそのまま使用した。
上記化合物のCH2Cl2(6mL)溶液に、DiBAL-H(1.8mmol、1.8mL、CH2Cl2中に1M)を0℃でゆっくり加え、その結果生じた反応混合物を0℃で4.5時間撹拌した。反応を酒石酸カリウムナトリウムでクエンチし、CH2Cl2で希釈した。その結果生じた混合物を、2つの層がはっきりと分離するまで、撹拌した。有機層を分離し、水層をCH2Cl2で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。その結果生じた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(60%酢酸エチル/ヘキサン類)で精製することにより、所望の化合物ent-11を(3工程を通して)46%の収率で得た(0.18g)(多少の微量不純物を含有する)。
Figure 0006622290
Ent-12:
Figure 0006622290
収率:70%
Ent-13:
Figure 0006622290
収率:88%;[α]D=+23.7(c 0.57、CHCl3
Ent-14:
Figure 0006622290
収率:86%
Figure 0006622290
Ent-15:
Figure 0006622290
収率:85%;[α]D=+8.18(c 0.44、CHCl3
化合物16
Figure 0006622290
オーブン乾燥およびフレーム乾燥した二口丸底フラスコに、オキサザボロリジン1(0.68mmol、2.72mL、0.25Mトルエン溶液)を加えた。溶媒を減圧下で注意深く除去し、その結果生じた残渣を1mLの無水CH2Cl2(CaH2から蒸留し、脱気し、MS 4Aで乾燥したもの)に溶解した。それを-25℃に冷却し、Tf2NHの溶液(0.54mmol、無水CH2Cl2 1mL中の0.152g)を加えた。その結果生じた反応混合物を-25℃で30分撹拌した後、溶媒を同じ温度において減圧下で注意深く除去した。ここで、その結果生じた残渣に、ビニルボロネート8の溶液(無水CH2Cl2 1.5mL中の2.7mmol、0.61g)を加えた。反応混合物を-78℃に冷却し、シクロヘキサジエン(13.5mmol、1.28mL)をゆっくり滴下してから、反応温度を23℃までゆっくり上げた。23℃でさらに45時間撹拌した後、反応混合物をEt2Oで希釈し、次にセライトで濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、その結果生じた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン類-8%酢酸エチル/ヘキサン類)で精製することにより、対応するディールス-アルダー付加物を得た(多少の微量不純物を含有するが、これ以上精製せずに、次の工程に使用した)。
THF:EtOH(10mL、3:1)中の上記ディールス-アルダー付加物とKHCO3(5.4mmol、2.7mL、2M水溶液)との混合物に、H2O2(10.8mmol、1.1mL、H2O中の30重量%溶液)を0℃でゆっくり加えた。その結果生じた反応混合物を0℃で4.5時間撹拌してから、Na2S2O3水溶液でクエンチした。その結果生じた混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた抽出物をH2Oおよびブラインで洗浄した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。その結果生じた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(20〜25%酢酸エチル/ヘキサン類)で精製することにより、2工程を通して79%の収率で化合物16を得た(0.42g)。
Figure 0006622290
化合物17
Figure 0006622290
収率:89%
Figure 0006622290
化合物18
Figure 0006622290
収率:(3工程で)61%(ジアステレオマーの混合物として)
化合物19
Figure 0006622290
収率:25%
Figure 0006622290
化合物19a
Figure 0006622290
収率:70%
Figure 0006622290
化合物20
Figure 0006622290
収率:87%(反応時間22時間)
Figure 0006622290
化合物21
Figure 0006622290
収率:79%
Figure 0006622290
混合カーボネートの合成:
化合物22a
Figure 0006622290
アルコール13(0.061mmol、9.5mg)のCH2Cl2(2mL)溶液に、ピリジン(0.183mmol、15μL)およびクロロギ酸4-ニトロフェニル(0.122mmol、24.6mg)を0℃で加え、その結果生じた反応混合物を23℃で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、その結果生じた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(35%酢酸エチル/ヘキサン類)で精製することにより、対応する混合カーボネート22aを90%の収率で得た(17.6mg)。
Figure 0006622290
化合物22b
Figure 0006622290
アルコール15(0.484mmol、75.6mg)のCH2Cl2(4mL)溶液に、ピリジン(2.2mmol、0.18mL)およびクロロギ酸4-ニトロフェニル(1.45mmol、0.292g)を0℃で加え、その結果生じた反応混合物を23℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、その結果生じた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(20〜30%酢酸エチル/ヘキサン類)で精製することにより、各混合カーボネート22bを94%の収率で得た(140mg)。
Figure 0006622290
化合物ent-22a
Figure 0006622290
ent-13(0.07mmol、10.9mg)のCH2Cl2(2mL)溶液に、NMM(0.21mmol、23μL)およびクロロギ酸4-ニトロフェニル(0.14mmol、28.2mg)を0℃で加え、その結果生じた反応混合物を23℃で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、その結果生じた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(25-35%酢酸エチル/ヘキサン類)で精製することにより、混合カーボネートent-22aを95%の収率で得た(21.3mg)。
化合物ent-22b
Figure 0006622290
収率:83%
化合物22c
Figure 0006622290
収率:93%(反応時間8時間)
Figure 0006622290
阻害剤の合成:
阻害剤A:
Figure 0006622290
アミン23(0.059mmol、24mg)およびDiPEA(0.24mmol、42μL)のCH3CN(2mL)溶液に、混合カーボネート22a(0.054mmol、17.3mg)を23℃で加えた。その結果生じた反応混合物を23℃で5.5日間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、その結果生じた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(30〜50%酢酸エチル/ヘキサン類)で精製することにより、阻害剤Aを83%の収率で得た(26.3mg)。
Figure 0006622290
阻害剤 B:
Figure 0006622290
阻害剤C:
Figure 0006622290
阻害剤D:
Figure 0006622290
阻害剤E:
Figure 0006622290
阻害剤F:
Figure 0006622290
阻害剤G:
Figure 0006622290
阻害剤H:
Figure 0006622290
阻害剤I:
Figure 0006622290
阻害剤J:
Figure 0006622290
本発明は以下の例示的態様を提供するが、これらの態様の番号が重要性のレベルを指定していると解釈してはならない。
態様1は、式(I)の化合物:
Figure 0006622290
またはその薬学的に許容される塩、多形、プロドラッグ、溶媒和物、もしくはクラスレートに関し、式中、X1は、アルキレン、-O-、-CH2NR4-または-NHR4-であり; X2およびX3は、それぞれ独立して、アルキレンであり; nは0〜3の整数であり; R1は、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ハロまたはヘテロシクリルアルキルオキシであり; R2は、アルキル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキルまたは-C(R7R8)-アルキレン-R9であり; R11は、-SO2R3、-N(R12)SO2R3、-N(R12)C(O)R3、-N(R12)C(O)CH(R12)N(R12)C(O)R13、-C(O)N(R122、-C(O)-アルキレン-X4-R10(式中、X4は、S、OまたはNR6であり、R6は、H、アルキル、シクロアルキルまたはアルキルアリールである)または-C(O)R10であり; R3は、アリールまたはヘテロアリールであり; R4は、アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり; R7およびR8は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであるか、またはR7およびR8は、それらが結合している炭素原子と共に全体として、シクロアルキル基またはヘテロシクリル基を形成し; R9は、水素、OR10、OC(O)N(R102、CN、NO2、CF3、OCF3、N(R102、SR10、SOR10、SO2R10、SO2N(R102、SO3R、C(O)R10、C(O)OR10、OC(O)R10、C(O)N(R102、(CH20〜2N(R10)C(O)R10または(CH20〜2N(R10)C(O)OR10であり; R10は、水素、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり; R12は、水素、アルキル、アルキルアリール、ヘテロシクリルであるか、またはN(R122上の2つのR12基は、それらが結合している窒素原子と共に、ヘテロシクリル基を形成し;かつR13は、水素、アルキル、-N(R122または-OR12であるか;またはR2およびR11は、それらをつなぐ-CH2N-と共に、ヘテロシクリル基または置換ヘテロシクリル基を形成する。
態様2は、式(II):
Figure 0006622290
を有する態様1の化合物、またはその薬学的に許容される塩、多形、プロドラッグ、溶媒和物、もしくはクラスレートに関し、式中、nは1〜3の整数であり; R1は、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ハロまたはヘテロシクリルアルキルオキシであり; R2は、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルカルボニルまたはヘテロシクリルアルキルであり; R3は、置換アリールまたは置換ヘテロアリールであり; X1は、アルキレン、-O-、-CH2NR4-または-NHR4-であり、式中、R4は、アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;かつX2およびX3は、それぞれ独立して、アルキレンである。
態様3は、X1がアルキレンである、態様1〜2の化合物に関する。
態様4は、アルキレンがC1〜C4アルキレンである、態様1〜3の化合物に関する。
態様5は、X2がC1〜C4アルキレンである、態様1〜4の化合物に関する。
態様6は、X3がC1〜C4アルキレンである、態様1〜5の化合物に関する。
態様7は、R1が、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル、ハロまたはC3〜C6-ヘテロシクリル-C1〜C6-アルキルオキシである、態様1〜6の化合物に関する。
態様8は、R2が、C1〜C6アルキル、ハロ-C1〜C6-アルキル、C6〜C10-アリール-C1〜C6-アルキル、C3〜C6-シクロアルキル-C1〜C6-アルキル、C3〜C6-ヘテロシクリルカルボニルまたはC3〜C6-ヘテロシクリル-C1〜C6-アルキルである、態様1〜7の化合物に関する。
態様9は、R3が置換C6〜C10アリールである、態様1〜8の化合物に関する。
態様10は、R3が置換フェニルである、態様9の化合物に関する。
態様12は、置換フェニルが、アミノ、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキルおよびハロの少なくとも1つで置換されたフェニルである、態様9の化合物に関する。
態様13は、置換フェニルが式:
Figure 0006622290
を有する基であり、式中、pは1〜2の整数である、態様9の化合物に関する。
態様14は、R3が置換C6〜C8ヘテロアリールである、態様1〜8の化合物に関する。
態様15は、C6〜C8ヘテロアリール上の置換基が、アルキル、C1〜C6アルキル-O-、C6〜C10アリール-O-、またはハロである、態様14の化合物に関する。
態様16は、置換C6〜C8ヘテロアリールが、式:
Figure 0006622290
を有する基であり、式中、R5は、C1〜C6アルキルアミノ、C3〜C6シクロアルキル-C3〜C6ヘテロシクロアミノであり;かつX2は、S、OまたはNR6であり、R6は、H、アルキル、シクロアルキルまたはアルキルアリールである、態様14の化合物に関する。
態様17は、式(II)の化合物が式(IIa)または(IIb)の化合物:
Figure 0006622290
またはそれらの薬学的に許容される塩、多形、プロドラッグ、溶媒和物、もしくはクラスレートである、態様2の化合物に関する。
態様18は、
Figure 0006622290
Figure 0006622290
Figure 0006622290
Figure 0006622290
またはそれらの薬学的に許容される塩、多形、プロドラッグ、溶媒和物、もしくはクラスレートである、態様1〜17の化合物に関する。
態様19は、R2が、アリール、ヘテロシクリル基または-C(R7R8)-アルキレン-R9である、態様1の化合物に関する。
態様20は、ヘテロシクリル基がピロリジニル基またはアゼチジニル基である、態様19の化合物に関する。
態様21は、ヘテロシクリル基がアルキルで置換されている、態様19〜20の化合物に関する。
態様22は、アルキレンがC1〜C5アルキレンである、態様19の化合物に関する。
態様23は、R9が、-OC(O)N(R102または-(CH20〜2N(R10)C(O)OR10であり、式中、R10は、水素、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである、態様19または22の化合物に関する。
態様24は、アリール基がヘテロシクリル基で置換されている、態様19の化合物に関する。
態様25は、R3が、アルケニル基、シクロアルキル基またはヘテロシクリル基で置換されたアリールである、態様1の化合物に関する。
態様26は、ヘテロシクリル基が、4,5-ジヒドロオキサゾリル、オキサキソリル、オキサジアゾリル、インドリルまたはイソインドリルである、態様25の化合物に関する。
態様27は、ヘテロシクリル基が、アルキル、-C(O)R、-CF3、-アルキレン-NR2、-NR2、および-OR(式中、Rは本明細書において定義される)からなる群より選択される1つまたは複数の基で置換されている、態様25〜26の化合物に関する。
態様28は、シクロアルキル基が、シクロプロピル、シクロブチルまたはシクロペンチルである、態様25の化合物に関する。
態様29は、シクロアルキル基が、-CN、-OR、-アルキレン-NR2、-NR2、および-C(O)N(R)2(式中、Rは本明細書において定義される)からなる群より選択される1つまたは複数の基で置換されている、態様28の化合物に関する。
態様30は、アルケニル基が、アルキル、-アルキル-NR2、およびC(O)N(R)2からなる群より選択される1つまたは複数の基で置換されている、態様25の化合物に関する。
態様31は、R11が、-N(R12)C(O)CH(R12)N(R12)C(O)R13、-N(R12)SO2R3または-N(R12)C(O)R3であり、式中、R3、R12、およびR13は本明細書において定義される、態様1の化合物に関する。
態様32は、各R12が水素である、態様31の化合物に関する。
態様33は、R13がOR12であり、式中、R12は、アルキルまたはヘテロシクリルである、態様31〜32の化合物に関する。
態様34は、R12が水素またはアルキルである、態様31の化合物に関する。
態様35は、R11が-C(O)N(R122であり、式中、各R12は、独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロシクリルであるか、または2つのR12基は、それらが結合している窒素原子と共に、ヘテロシクリル基を形成する、態様31の化合物に関する。
態様36は、約1fM〜約200nMのHIV-1プロテアーゼ阻害定数(Ki)を有する、態様1〜35の化合物に関する。
態様37は、インビトロで野生型実験室株HIV-1LAIに対して50%阻害濃度(IC50)が約1fM〜約200nMである抗ウイルス活性を有する、態様1〜35の化合物に関する。
態様38は、態様1〜35の化合物と1種または複数種の薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物に関する。
態様39は、治療有効量の態様1〜35の1種または複数種の化合物、または治療有効量の態様1〜35の1種または複数種の化合物を含む態様37の薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を含む、HIV感染を処置するための方法に関する。
態様40は、HIV感染からの救済を必要とする患者を処置するための医薬として使用するための、態様1〜35の化合物に関する。

Claims (40)

  1. 式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくはクラスレート:
    Figure 0006622290
    式中、
    X1は、アルキレン、-O-、-CH2NR4-、または-NR 4 -であり;
    X2およびX3は、それぞれ独立して、アルキレンであり;
    nは、0〜3の整数であり;
    R1は、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ハロ、またはヘテロシクリルアルキルオキシであり;
    R2は、アルキル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、または-C(R7R8)-アルキレン-R9であり;
    R11は、-SO2R3、-N(R12)SO2R3、-N(R12)C(O)R3、-N(R12)C(O)CH(R12)N(R12)C(O)R13、-C(O)N(R122、-C(O)-アルキレン-X4-R10(式中、X4は、S、O、もしくはNR6であり、R6は、H、アルキル(alklyl)、シクロアルキル(cylcoalkyl)、もしくはアルキルアリールである)、または-C(O)R10であり;
    R3は、アリールまたはヘテロアリールであり;
    R4は、アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;
    R7およびR8は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル(arylalky)、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであるか、またはR7およびR8は、それらが結合している炭素原子と共に、シクロアルキル基もしくはヘテロシクリル基を形成し;
    R9は、水素、OR10、OC(O)N(R102、CN、NO2、CF3、OCF3、N(R102、SR10、SOR10、SO2R10、SO2N(R102、SO3R、C(O)R10、C(O)OR10、OC(O)R10、C(O)N(R102、(CH20〜2N(R10)C(O)R10、または(CH20〜2N(R10)C(O)OR10であり;
    R10は、水素、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり;
    R12は、水素、アルキル、アルキルアリール、ヘテロシクリルであるか、またはN(R122上の2つのR12基は、それらが結合している窒素原子と共に、ヘテロシクリル基を形成し;かつ
    R13は、水素、アルキル、-N(R122、または-OR12であるか、あるいは
    R2およびR11は、それらをつなぐ-CH2N-と共に、ヘテロシクリル基または置換ヘテロシクリル基を形成する。
  2. 式(II)を有する請求項1記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくはクラスレート:
    Figure 0006622290
    式中、
    nは、1〜3の整数であり;
    R1は、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ハロ、またはヘテロシクリルアルキルオキシであり;
    R2は、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルカルボニル、またはヘテロシクリルアルキルであり;
    R3は、置換アリールまたは置換ヘテロアリールであり;
    X1は、アルキレン、-O-、-CH2NR4 -、または-NR 4 -であって、式中、R4は、アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;かつ
    X2およびX3は、それぞれ独立して、アルキレンである。
  3. X1がアルキレンである、請求項1記載の化合物。
  4. アルキレンがC1〜C4アルキレンである、請求項3記載の化合物。
  5. X2がC1〜C4アルキレンである、請求項1記載の化合物。
  6. X3がC1〜C4アルキレンである、請求項1記載の化合物。
  7. R1が、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル、ハロ、またはC3〜C6-ヘテロシクリル-C1〜C6-アルキルオキシである、請求項1記載の化合物。
  8. R2が、C1〜C6アルキル、ハロ-C1〜C6-アルキル、C6〜C10-アリール-C1〜C6-アルキル、C3〜C6-シクロアルキル-C1〜C6-アルキル、C3〜C6-ヘテロシクリルカルボニル、またはC3〜C6-ヘテロシクリル-C1〜C6-アルキルである、請求項1記載の化合物。
  9. R3が置換C6〜C10アリールである、請求項1記載の化合物。
  10. R3が置換フェニルである、請求項9記載の化合物。
  11. 置換フェニルが、アミノ、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ-C1〜C6-アルキル、およびハロの少なくとも1つで置換されたフェニルである、請求項9記載の化合物。
  12. 置換フェニルが、式:
    Figure 0006622290
    を有する基であり、式中、pが1〜2の整数である、請求項9記載の化合物。
  13. R3が置換C6〜C8ヘテロアリールである、請求項1記載の化合物。
  14. 置換C6〜C8ヘテロアリールが、式:
    Figure 0006622290
    を有する基であり、式中、R5が、C1〜C6アルキルアミノ、C3〜C6シクロアルキル-C3〜C6ヘテロシクロアミノであり;かつX4が、S、O、またはNR6であり、R6が、H、アルキル、シクロアルキル、またはアルキルアリールである、請求項13記載の化合物。
  15. C6〜C8ヘテロアリール上の置換基が、アルキル、C1〜C6アルキル-O-、C6〜C10アリール-O-、またはハロである、請求項14記載の化合物。
  16. 式(II)の化合物が、式(IIa)または(IIb)の化合物:
    Figure 0006622290
    またはそれらの薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくはクラスレートである、請求項2記載の化合物。
  17. 下記化合物:
    Figure 0006622290
    Figure 0006622290
    Figure 0006622290

    Figure 0006622290
    またはそれらの薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくはクラスレート。
  18. Figure 0006622290
    Figure 0006622290
    Figure 0006622290
    Figure 0006622290
    Figure 0006622290
    Figure 0006622290
    またはそれらの薬学的に許容される塩、多形、溶媒和物、もしくはクラスレートである、請求項1記載の化合物。
  19. R2が、アリール、ヘテロシクリル基、または-C(R7R8)-アルキレン-R9である、請求項1記載の化合物。
  20. ヘテロシクリル基が、ピロリジニル基またはアゼチジニル基である、請求項19記載の化合物。
  21. ヘテロシクリル基がアルキルで置換されている、請求項19記載の化合物。
  22. アルキレンがC1〜C5アルキレンである、請求項19記載の化合物。
  23. R9が、-OC(O)N(R102または-(CH20〜2N(R10)C(O)OR10であり、R10が、水素、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルである、請求項19記載の化合物。
  24. アリール基がヘテロシクリル基で置換されている、請求項19記載の化合物。
  25. R3が、アルケニル基、シクロアルキル基、またはヘテロシクリル基で置換されたアリールである、請求項1記載の化合物。
  26. ヘテロシクリル基が、4,5-ジヒドロオキサゾリル、オキサキソリル(oxaxolyl)、オキサジアゾリル、インドリル、またはイソインドリルである、請求項25記載の化合物。
  27. ヘテロシクリル基が、アルキル、-C(O)R、-CF3、-アルキレン-NR2、-NR2、および-ORからなる群より選択される1つまたは複数の基で置換されており、式中、Rが、水素、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルである、請求項26記載の化合物。
  28. シクロアルキル基が、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチルである、請求項25記載の化合物。
  29. シクロアルキル基が、-CN、-OR、-アルキレン-NR2、-NR2、および-C(O)N(R)2からなる群より選択される1つまたは複数の基で置換されており、式中、Rが、水素、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルである、請求項28記載の化合物。
  30. アルケニル基が、アルキル、-アルキル-NR2、およびC(O)N(R)2からなる群より選択される1つまたは複数の基で置換されており、式中、Rが、水素、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルである、請求項25記載の化合物。
  31. R11が、-N(R12)C(O)CH(R12)N(R12)C(O)R13、-N(R12)SO2R3、または-N(R12)C(O)R3である、請求項1記載の化合物。
  32. R12が水素である、請求項31記載の化合物。
  33. R13がOR12であり、式中、R12がアルキルまたはヘテロシクリルである、請求項31記載の化合物。
  34. R12が水素またはアルキルである、請求項31記載の化合物。
  35. R11が-C(O)N(R122であり、式中、各R12が、独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロシクリルであるか、または2つのR12基が、それらが結合している窒素原子と共に、ヘテロシクリル基を形成する、請求項31記載の化合物。
  36. 約1fM〜約200nMのHIV-1プロテアーゼ阻害定数(Ki)を有する、請求項1〜35のいずれか一項記載の化合物。
  37. インビトロで野生型実験室株HIV-1LAIに対して50%阻害濃度(IC50)約1fM〜約200nMである抗ウイルス活性を有する、請求項1〜35のいずれか一項記載の化合物。
  38. 請求項1〜35のいずれか一項記載の化合物と、1種または複数種の薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
  39. 治療有効量の1種または複数種の請求項1〜35のいずれか一項記載の化合物を含む、HIV感染を処置するための薬学的組成物。
  40. HIV感染からの救済を必要とする患者を処置するための医薬として使用するための、請求項1〜35のいずれか一項記載の化合物。
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