JP6621120B2 - 化学発光体および化学発光システム、ならびに化学発光体用破割性容器、化学発光用酸化液 - Google Patents

化学発光体および化学発光システム、ならびに化学発光体用破割性容器、化学発光用酸化液 Download PDF

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Description

本発明は化学発光体および化学発光システム、ならびに化学発光体用破割性容器、化学発光用酸化液に関する。
これまでに、化学発光を利用した製品が数多く上市されており、シュウ酸エステル類および蛍光物質(蛍光色素)を含有する溶液(蛍光液)と、酸化剤(主として過酸化水素)および触媒成分(たとえばサリチル酸塩)を含有する溶液(酸化液)とを混合することにより、任意の時機に化学発光を起こさせ、目的に供することが一般に行われている。
そして、蛍光液や酸化液には、内容物の濃度を調節し、両液中の反応種が均一に混合して反応するように、溶媒が使用されて比較的粘性が低い溶液状とされている。たとえば、特許文献1にて開示された蛍光液には、溶媒としては、フタル酸エステル類、安息香酸エステル類などの芳香族系溶媒が使用されている。
一方で、それらの溶媒自体は化学発光の発光自体への寄与は限定的と考えられることから、特許文献2では、蓚酸エステルが固体の状態で存在する組成物とした、化学発光組成物が開示されている。
特開2002−138278号公報 特許第4726237号公報
化学発光体は、触媒存在下でシュウ酸エステル類と過酸化水素とが反応することで発生する酸化物が、蛍光物質(蛍光色素)を励起することで発光する。よって、未使用時にはシュウ酸エステル類と過酸化水素を分離することが必須となる。そして、この分離して設計するとき、一般的に「蛍光液」と「酸化液」と呼ばれるような設計にする。すなわち、「蛍光液」は、シュウ酸エステル類と蛍光物質とを溶媒とともに混合させたものが基本的な組成物となる。この蛍光液におけるシュウ酸エステル類の濃度は、一般的な蛍光液として設計されるときはおよそ5〜30質量%程度である。
一方、「酸化液」は、過酸化水素と、酸化液用の溶媒と触媒とを混合させたものが基本的な組成物となる。これは、過酸化水素自体が反応性が高いことから、化学発光に直接関与する他の成分と分離したほうがよいと考えられるためである。
このような設計から各成分の濃度の変更などを考えるとき、必然的に蛍光液はその蛍光液の組成から溶媒濃度の低減を図る。例えば、特許文献2に開示されているように、蓚酸エステル(シュウ酸エステル類)の濃度をあげることで、化学発光体全体としての溶媒濃度を低減することができることから、輝度を増加させたり、発光時間を長時間持続させるといった発光性能の高機能化が期待できる。近年、発光の長時間化を実現したこのような組成の発光体製品が、黄色などの一部のみで主流となっている。しかしながら、大半の発光色では以下の理由等により実現できていない。すなわち、溶媒濃度を下げて、蛍光物質濃度が高くなると蛍光液(または蛍光液組成物)中の蛍光物質が析出しやすくなる。析出した固形の蛍光物質は発光にほとんど寄与せず、溶解度が低い蛍光物質に関しては、酸化液溶媒と接触後も容易に溶けないため、本来の初期の発光性能を満たせない。
係る状況下、本発明は、このような化学発光の発光性能の高機能化を図り、かつ、安定した発光輝度、発光時間に優れた化学発光体および化学発光システム、ならびにそれらに用いられる破割性容器や酸化液等を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 第一の組成物と、第二の組成物とを混合することで発光する化学発光体であり、前記第一の組成物が、シュウ酸エステル類を含有する組成物であり、前記第二の組成物が、過酸化水素と、酸化液用溶媒と、蛍光物質とを含有する組成物である化学発光体。
<2> 破割性内側容器と、前記破割性内側容器を内包する化学発光体用容器とを有し、前記第一の組成物または前記第二の組成物のいずれかが破割性内側容器に内容され、他方の組成物が前記破割性内側容器と前記化学発光体用容器との間に内容された前記<1>記載の化学発光体。
<3> 前記破割性内側容器に内容される組成物が、第一の組成物である前記<2>記載の化学発光体。
<4> 前記第一の組成物におけるシュウ酸エステル類の濃度が、50質量%以上である前記<1>〜<3>のいずれかに記載の化学発光体。
<5> 前記第二の組成物に含有される蛍光物質が、ペリレン系蛍光物質および/またはナフタルイミド系蛍光物質である前記<1>〜<4>のいずれかに記載の化学発光体。
<6> 前記第一の組成物が、固体状である前記<1>〜<5>のいずれかに記載の化学発光体。
<7> 破割性容器に封入された第一の組成物と、前記破割性容器を内包する化学発光体用容器内に前記第一の組成物と分離して封入された第二の組成物とを混合することで発光する化学発光体に用いられる、第一の組成物が封入された破割性容器であって、
前記第一の組成物が、シュウ酸エステル類を50質量%以上含有する組成物である破割性容器。
<8> シュウ酸エステル類を含有する組成物と混合することで化学発光を生じる酸化液であって、過酸化水素水と、酸化液用溶媒と、蛍光物質とを含有する組成物である酸化液。
<9> 第一の組成物と、第二の組成物とを混合することで発光する化学発光システムであり、前記第一の組成物が、シュウ酸エステル類を含有する組成物であり、前記第二の組成物が、過酸化水素と、酸化液用溶媒と、蛍光物質とを含有する組成物である化学発光システム。
本発明によって、安定して発光輝度、発光時間に優れた化学発光体および化学発光システム、ならびにそれらに用いられる組成物やアンプル等を提供する。
本発明に係る化学発光体の実施形態を示す図であり、(a)は本発明に係る化学発光体の第一の実施形態であり、(b)は第二の実施形態である。 本発明に係る化学発光システムの実施形態を示す図であり、(a)は反応前の第一の組成物の配置を示す図であり、(b)は第二の組成物と接触して発光した状態を示す図である。 本発明の実施例1による発光輝度の評価結果を示すグラフである。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。なお、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値を含む表現として用いる。
本発明は、第一の組成物と、第二の組成物とを混合することで発光する化学発光体であり、前記第一の組成物が、シュウ酸エステル類を含有する組成物であり、前記第二の組成物が、過酸化水素と、酸化液用溶媒と、触媒と、蛍光物質とを含有する組成物である化学発光体に関する。
このような化学発光体とすることで、化学発光体内で組成物を混合することで安定した発光が生じる。より具体的には、化学発光体を折り曲げたり、叩くなどして化学発光体用容器内の破割性内側容器を破割して化学発光体用容器内で化学発光体用の組成物を混合させたとき、第一の組成物におけるシュウ酸エステル類の濃度が高く、蛍光物質の析出を防止できることから、発光輝度が高く、発光時間を長時間化できる。
また、本発明は、第一の組成物と、第二の組成物とを混合することで発光する化学発光システムであり、前記第一の組成物が、シュウ酸エステル類を含有する組成物であり、前記第二の組成物が、過酸化水素と、酸化液用溶媒と、触媒と、蛍光物質とを含有する組成物である化学発光システムに関する。
このような化学発光システムとして、化学発光を生じさせようとするとき、第一の組成物と、第二の組成物とを反応させる。このとき、第一の組成物におけるシュウ酸エステル類の濃度が高く、蛍光物質が第二の組成物に含有されることで第一の組成物中での析出を防止できることから、安定した発光が生じる。
本発明者らは、蛍光液(蛍光組成物)の組成を変更させて、液中に蛍光物質の固体を残したり、蛍光組成物を粉末状として、化学発光体として混合したときに、混合されにくい塊(いわゆるダマ状)が生じる原因を検討した。その結果、蛍光組成物に含まれる蛍光物質の析出の影響が大きいことを見出した。そして、この蛍光物質を一般的には不安定になると考えて避ける酸化液側の組成物に混合することを検討した。
図1は、本発明に関する代表的な化学発光体の構造を示す図である。本発明は、図1(a)に示す化学発光体10の実施形態とすることができる。この実施形態は、破割性内側容器3に封入された第一の組成物1と、破割性内側容器3を内包する化学発光体用容器4内に第一の組成物1と分離して封入された第二の組成物2とを有する化学発光体10に関する。この化学発光体10は使用時に、化学発光体用容器4内で破割性内側容器3を破割させて、第一の組成物1と、第二の組成物2とを混合することで化学発光する。
この図1(a)に示す化学発光体10の態様に基づいて、第一の組成物1として、シュウ酸エステル(CIPO)を粉末状で単独で封入し、第二の組成物2として、酸化液用溶媒(DMPおよびt−BuOHの混合溶媒)、過酸化水素、触媒(SS)および蛍光物質(ルモゲン(登録商標)Fレッド)の混合物を用いて製造した。この化学発光体を折り曲げて破割性内側容器3を破割させて、軽く振ることで、蛍光物質の析出は見られず、かつ速やかに混合されて安定した発光が生じた。
また、本発明は、図1(b)に示す化学発光体11の実施形態とすることができる。この実施形態は、破割性内側容器3に封入された第二の組成物2と、破割性内側容器3を内包する化学発光体用容器4内に第二の組成物2と分離して封入された第一の組成物1とを有する化学発光体11に関する。この化学発光体11は、化学発光体10における、第一の組成物と第二の組成物とが内容される形態を変更したものである。この化学発光体11は、化学発光体10と同様に、使用時に、化学発光体用容器4内で破割性内側容器3を破割させて、第一の組成物1と、第二の組成物2とを混合することで化学発光する。
また、本発明は、図2に示す化学発光システムの実施形態とすることができる。この実施形態では、まず、図2(a)不織布5に第一の組成物6を含浸させたものを準備した。このとき、第一の組成物は実質的にシュウ酸エステル類のみからなる構成や、実質的にシュウ酸エステル類と溶媒のみ等の構成をとることができることから、無色で、どこに第一の組成物が配置されているか視認しにくい状態(図2(a)中にて点線で示す部)となっている。
ここに、図2(b)に示すように、第二の組成物7を容器71から、不織布5上に接触させる。すると、この接触により、不織布5に含浸されている第一の組成物6と、第二の組成物7とが反応して、化学発光部100が生じる。このように、本発明の化学発光システムは、非接触(混合)状態では、無色の第一の組成物を隠し文字のような形態で配置し、使用時に化学発光が生じるような、化学発光システムとすることができる。
[第一の組成物]
本発明に用いる第一の組成物は、シュウ酸エステル類を含有する組成物である。このような組成物とすると、シュウ酸エステル類を含有することから、詳しくは後述する第二の組成物と混合されたとき、化学発光が生じる。
本発明に用いる第一の組成物は、その化学発光に寄与する主たる成分としてシュウ酸エステル類を含有する。ここで用いられるシュウ酸エステル類は、これを含有する第一の組成物と第二の組成物とを混合したとき化学発光を開始することができるものを適宜使用することができる。具体的なシュウ酸エステル類としては、例えば、ビス(2,4,5−トリクロロ−6−カルボブトキシフェニル)オキサレート、ビス(2,4,5−トリクロロ−6−カルボペントキシフェニル)オキサレート等が挙げられる。
本発明に用いる第一の組成物は、シュウ酸エステル類を通常の蛍光液よりも高濃度で含有することが好ましい。このような構成とすることで、化学発光時の発光特性の改善を行うことができる。シュウ酸エステル類の濃度が高いほど基本的には化学発光の発光特性がより改善される。
この第一の組成物は、シュウ酸エステル類を高濃度含有することで、第一の組成物は固体状あるいはペースト状、スラリー状の組成物となる。なお、シュウ酸エステル類の濃度が低い場合、他の溶媒等を多量に含む設計となり、蛍光物質の析出は発生しにくく従来の蛍光液の組成としたほうが過酸化水素による蛍光物質への影響を考慮せず設計しやすいというのが従来の思想であった。
シュウ酸エステル類の濃度が高いほど、発光特性が改善されやすいため、第一の組成物中におけるシュウ酸エステル類の濃度は50質量%以上とすることが好ましく、80質量%以上とすることがより好ましく、90質量%以上とすることがさらに好ましい。シュウ酸エステル類の濃度を80質量%以上とすると、実質的にその性状はシュウ酸エステル単独のもの相当として取扱うことができる点でも優れている。なお、本発明において第一の組成物は、実質的にシュウ酸エステル類単独としてもよく、シュウ酸エステル類単独の場合も含む概念として、第一の組成物と表現する。
本発明に用いる前記第一の組成物は、固体状であることが好ましい。本発明に用いる第一の組成物は、シュウ酸エステル類のほかに、後述する任意成分として添加するものも常温で固体状のものを採用して、第一の組成物全体が粉状体や粒体のような固体状の混合物とすることもできる。特に、粉状体や粒体とすることで、化学発光するとき、その粉状体や粒体の間隙に液状の第二の組成物が侵入しやすくなると考えられ、混合性が向上し、発光特性がよくなる。
また、この第一の組成物は、一般的に化学発光体の内側の破割性内側容器内に封入されることが多い。この破割性内側容器は化学発光体の大きさによっては極めて細い径となるため、ここに封入しやすいように比較的流動性が高い粉状体や粒体とすることが好ましい。
本発明の第一の組成物は、実質的にシュウ酸エステル類単独とすることもできるが、他の成分を混合してもよい。例えば、第二の組成物側に含有されることが好ましい触媒を第一の組成物側にも含有させてもよい。第一の組成物側にも触媒を含有させることで、より安定して化学発光の反応が生じる。また、第二の組成物との混合性や析出の影響が少ない蛍光物質を含有させてもよい。例えば、アントラセン系の蛍光物質は溶解性が高く析出が生じにくいことから、第一の組成物側に用いてもよい。このような蛍光物質として、より具体的には、すでにある程度実用化されている黄色蛍光物質の1−クロロ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン(2−Et−BPEA)があげられる。また、このほかにも、適宜、酸化防止剤や、安定化剤、溶媒などを含有させてもよい。
本発明に用いる第一の組成物は、前述のようにシュウ酸エステル類を主として固体状の設計とすることができる。一方、スラリー状等で設計する場合、溶媒を含有してもよく、溶媒としては、一般にアセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、安息香酸ベンジル(BeB)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM)等が単独であるいは混合して使用される。
一方、本発明に用いる第一の組成物は、第一の組成物の溶液に溶解性が低い成分を低減することが好ましい。このような成分の典型的なものとして、蛍光物質があげられ、中でもペリレン系蛍光物質やナフタルイミド系蛍光物質などは、溶媒等が少なく流動性が低い第一の組成物中に含有されると析出が生じやすく、化学発光特性が低下しやすい。よって、第一の組成物におけるペリレン系蛍光物質およびナフタルイミド系蛍光物質の含有量は、0.5質量%以下とすることが好ましく、0.2質量%以下とすることがより好ましく、0.1質量%以下とすることがさらに好ましい。これらの含有量は、組成物の原料として使用せずに、含まない(0質量%)ことが特に好ましい。
本発明の化学発光体に用いられる第一の組成物を内容する破割性内側容器は、化学発光体の化学発光体用容器内で、その破割性内側容器のみが優先的に破割し、化学発光体用容器内で、内容されていた第一の組成物が分散する容器である。例えば、ガラスや樹脂製のアンプル状のものや、アルミ製やPP製の袋状のものなどの構成があげられる。
本発明は、破割性容器に封入された第一の組成物と、前記破割性容器を内包する化学発光体用容器内に前記第一の組成物と分離して封入された第二の組成物とを混合することで発光する化学発光体に用いられる、第一の組成物が封入された化学発光体用破割性容器であって、前記第一の組成物が、シュウ酸エステル類を50質量%以上含有する組成物である化学発光体用破割性容器とすることができる。
この化学発光体用破割性容器は、前述した第一の組成物を含有する破割性内側容器に相当する構成とすることができる。この化学発光体用破割性容器は、第二の組成物と反応することで化学発光体として優れた混合性で混合され優れた発光特性を発揮するために用いられる。また、この化学発光体用破割性容器は、化学発光体の全体としての化学発光体用容器に内包されることから比較的小さくその径も、小径の細長い筒状のアンプルとすることが多い。
このようなアンプルには、その中に封入する組成物の流動性によっては封入が難しい場合もあり、組成物の組成を変えるたびに行われる封入条件の調整が難しい場合がある。しかしながら、本発明に係るアンプル設計の場合、その内容物となる第一の組成物は、化学発光の色を支配的に決定する蛍光物質を含有させず、化学発光体として広く共通して使用できる標準化したアンプルとすることもできる。このアンプルには、発光特性の色調整時に影響が少なく、実質的に粉体やスラリー状としても、酸化液との混合性が低下しにくい黄色蛍光物質(例えば、1−クロロ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン(2−Et−BPEA))を含有させておくこともできる。
[第二の組成物]
本発明に用いる第二の組成物は、過酸化水素と、酸化液用溶媒と、蛍光物質とを含有する組成物である。このような第二の組成物として、液状の組成物を調製し使用することで、化学発光体として使用するとき前述した第一の組成物との優れた混合性で混合され安定した化学発光が生じる。これは、第二の組成物側に蛍光物質を含有させておくことで、固体やスラリー状等の第一の組成物と、酸化液との混合性や溶解性の問題に起因する問題が発生しにくくなるためである。
本発明に用いる第二の組成物は、過酸化水素を含有する。第二の組成物は、酸化剤である過酸化水素を必須成分とし、この過酸化水素の濃度を調整し、第一の組成物との相溶性(混合性)を向上させ、更には発光効率を向上させるために添加されるサリチル酸塩等の溶解度を向上させるための溶媒を含有する。第二の組成物における過酸化水素の濃度の目安としては、1〜10質量%程度である。
本発明に用いる第二の組成物は、酸化液用溶媒を含有する。本発明における酸化液に含まれる溶媒の具体例としては、クエン酸エステル類、フタル酸エステル類、安息香酸エステル類、トリメリット酸エステル類、アジピン酸エステル類、セバシン酸エステル類、アゼライン酸エステル類、グリセリンエステル類、ラクトン類、グリコール類、アルキルグリコールエーテル類等の有機系の溶媒を含む溶媒が好ましく用いられる。これらの溶媒から、安定性の観点からは、引火点が60℃以上のものを主たる溶媒として用いて、全体としての引火点が70℃以上とすることが好ましい。なお、溶媒の選択において、主たる溶媒とは、引火点が本発明の目的とする温度を達成することができるように配合量を調整する際に、引火点の高さと配合比率の多さとから設計時の中心となる溶媒を指す。また、溶媒は、主たる溶媒単独の溶媒であってもよい。第二の組成物における酸化液用溶媒の量は、第二の組成物に含有される過酸化水素や触媒、蛍光物質等の他の成分の残部となる。
本発明に用いる第一の組成物および第二の組成物の少なくとも一方には、触媒を含有することが好ましい。この触媒は、溶媒を用いる第二の組成物に含有されることが好ましい。一方、触媒を第一の組成物にのみ含有させてもよい。また、双方の組成物に含有させると、一部前述したようにより速やかな発光や安定した発光に寄与することができる。通常、触媒成分として、例えば、サリチル酸リチウム、サリチル酸アンモニウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸テトラアルキルアンモニウム塩等のサリチル酸およびその誘導体を少量(通常、酸化液に対し0.1mmol/Lから10mmol/L)含有することが望ましい。
本発明に用いる第二の組成物は、蛍光物質を含有する。この蛍光物質を、溶媒を用いる第二の組成物側に含有させることで、第一の組成物中のシュウ酸エステル濃度を高めて蛍光物質を従来通り含有させたときに発生する混合性の問題が生じない。よって、第一の組成物と、第二の組成物とが速やかに混合され、シュウ酸エステル、過酸化水素、触媒、蛍光物質といった化学発光に必須の成分が適切な存在状態となる反応の場が化学発光体内に安定して得られる。これにより、初期発光強度や、発光時間の向上といった効果が得られる。第二の組成物における蛍光物質の濃度の目安は、0.01〜5質量%程度であり、色、強度、時間等の発光性能や混合性等によって設定される。この濃度は溶解性(析出防止等)の観点からは、複数の蛍光物質を用いる場合、その合計量としての濃度の目安として、上記範囲とすることが好ましい。前記蛍光物質の濃度の下限は、発光時の発色性を高めるために0.05質量%以上とすることがより好ましい。前記蛍光物質の濃度の上限は、過剰に蛍光物質を混合しても発色性等は飽和する場合があり、化学発光に寄与する成分濃度を相対的に上げやすく、かつ蛍光物質の析出等が発生しにくくするために2質量%以下とすることがより好ましい。
蛍光物質としては、300〜1200nmにスペクトル発光を有し、且つ、酸化液溶媒に少なくとも部分的に可溶な蛍光化合物であれば特に制限はない。これらの蛍光化合物としては、アントラセン、置換アントラセン、ベンゾアントラセン、フェナントレン、置換フェナントレン、ナフタセン、置換ナフタセン、ペンタセン、置換ペンタセン、ペリレン、置換ペリレン、ビオラントロン、置換ビオラントロン、ナフタルイミド、置換ナフタルイミドなどの縮合環を有する共役多環芳香族化合物が例示される。上記化合物の置換基としては、発光反応を妨げない限りにおいて特に制限はなく、フェニル基、低級アルキル基、クロロ基、ブロモ基、シアノ基、アルコキシ基、フェニルナフチル基などが例示される。これらの中でも、ペリレン、置換ペリレン等のペリレン系蛍光物質や、ナフタルイミド、置換ナフタルイミド等のナフタルイミド系蛍光物質はシュウ酸エステルを主成分とする第一の組成物中に含有させると析出が生じやすく、発光特性が不安定な原因となりやすい。よって、本発明において、第二の組成物に含有される蛍光物質は、ペリレン系蛍光物質および/またはナフタルイミド系蛍光物質とすることが好ましい。これらのペリレン系蛍光物質およびナフタルイミド系蛍光物質蛍光物質は、第二の組成物中でも長時間安定する点でも好ましい。
前述した蛍光物質の具体的なものとしては、2−クロロ-9,10−ビス(4−メチルエチニル)アントラセン、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1−メトキシ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1,5−ジクロロ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1,8−ジクロロ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、モノクロロおよびジクロロ置換9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、5,12−ビス(フェニルエチニル)テトラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、16,17−ジヘキシルオキシビオラントロン、2−メチル−9,10−ビス−(フェニルエチニル)アントラセン、9,10−ビス−(4−メトキシフェニル)−2−クロロアントラセン、9,10−ビス−(4−エトキシフェニル)−2−クロロアントラセン、5,12−ビス−(フェニルエチニル)ナフタセン、5,6,11,12−テトラフェニルナフタセン(ルブレン)、ペリレン、およびこれらの混合物が例示される。
本発明の第二の組成物に含有される蛍光物質は、ペリレン系蛍光物質であることが好ましい。ペリレン系蛍光物質とは、ペリレンまたは置換ペリレンの骨格を有する蛍光物質である。ペリレンとは、下記式(1)で表される構造であり、ペリレン系蛍光物質は、この構造を骨格として有する。このようなペリレン系蛍光物質は、特にいわゆる酸化液となる第二の組成物に含有させても長時間安定であり、長期保管性にも優れる。
これらのペリレン系蛍光物質の中でも、ペリレンジカルボキシイミド系蛍光物質が特に好ましい。このペリレンジカルボキシイミド系蛍光物質の具体的な製品としては、例えば、ルモゲン・レッド(LUMOGEN RED、赤色を発するペリレンジカルボキシイミド蛍光剤、BASF社、商品名)、ルモゲン・イエロー(LUMOGEN YELLOW、黄色を発するペリレンジカルボキシイミド蛍光剤、BASF社、商品名)、ルモゲン・オレンジ(LUMOGEN ORANGE、オレンジ色を発するペリレンジカルボキシイミド蛍光剤、BASF社、商品名)があげられる。
本発明の第二の組成物に含有される蛍光物質は、ナフタルイミド系蛍光物質であることが好ましい。ナフタルイミド系蛍光物質として用いられる化合物は、ナフタルイミド骨格を有する化合物であり、化学発光における蛍光物質として使用できるものが用いられる。ナフタルイミド骨格は置換基を有してもよい。ナフタルイミド骨格は下記式(2)で表される。
上記式中の窒素原子は、例えば、水素原子;酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有してもよい炭化水素基と結合することができる。炭化水素基は上記と同義である。ナフタルイミド骨格を有する化合物の市販品としては、例えば、ルモゲン F Violet 570(BASF社製)が挙げられる。
本発明に用いる第二の組成物には、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を含有させることもできる。例えば、第二の組成物中の過酸化水素等を保管時に安定させるために酸化防止剤を加えることができる。
本発明は、破割性内側容器に封入された第一の組成物と、前記破割性内側容器を内包する化学発光体用容器内に前記第一の組成物と分離して封入された酸化液となる第二の組成物とを混合することで発光する化学発光体に用いられる、酸化液であって、過酸化水素水と、酸化液用溶媒と、触媒と、蛍光物質とを含有する組成物である酸化液とすることができる。この酸化液は、前述した本発明に用いられる第二の組成物に相当する。
この酸化液は、破割性内側容器の外部に封入される等の利用がされる。また、この酸化液の蛍光物質を変更することで、化学発光体としての色を変えやすい。また、前述したように破割性内側容器に用いられるアンプルの方が小径で内容物を充填しにくい一方で、この酸化液が充填される化学発光体用容器は、より広径で設計されるため、液の充填が行いやすい。さらに、この酸化液と組み合わせて使用する場合、アンプル側の設計は標準化して既定のものとして製造しておいても、酸化液の蛍光物質の色を変更するだけで任意の発色を示す化学発光体を効率よく製造することができる。
本発明に用いる化学発光体用容器としては、化学発光体として使用される任意の形状を採用することができる。また、その化学発光体の用途に応じて、色、大きさ、発光強度・時間等を内包される破割性内側容器等との組合せが適宜調整される。例えば、釣り具用の小型の化学発光体や、ライトスティック状のコンサートライトや、警告灯、非常灯としてもよい。または、マスク状の容器を採用して発光するイベント用の発光体としてもよいし、星形やハート型などの玩具の形状としてもよい。
本発明に係る化学発光システムは、第一の組成物や第二の組成物を、任意の場で接触させて反応させるものである。このために、第一の組成物と、第二の組成物との化学発光用セットとすることができる。なお、本発明は、第一の組成物と、第二の組成物とを混合することで発光する化学発光方法であり、前記第一の組成物が、シュウ酸エステル類を含有する組成物であり、前記第二の組成物が、過酸化水素と、酸化液用溶媒と、蛍光物質とを含有する組成物である化学発光方法とすることもできる。
例えば前述の実施形態で示したように、あらかじめ一方の組成物を配置(含浸)させたところに、別途、他方の組成物を接触させて、その形状や、含浸させた状態の文字、図形等の発光を生じさせてもよい。これは、本発明の化学発光システムに係る第一の組成物に着色を示す蛍光物質の含有量を極めて微量、または実質的に含有させない構成とすることができることから、あらかじめ配置する組成物を第一の組成物としてき、第二の組成物が接触する前は無色としておくことができる。また、使用時にはその無色で第一の組成物が配置されていた場所が発光することから、隠し文字のような利用が可能である。
または、本発明に係る化学発光システムの一例として、セレモニー等の演出用に、任意の容器に一方の組成物を容れておき、使用時に開口部等から他方の組成物を加えながら発光させてもよい。このときは、隠し文字に相当するような構成での発光も可能であるし、異なる色で各組成物を設けておきこれらを混合して、新しい色として発光するものとすることができる。
なお、このような化学発光システムにおいては、第一の組成物のシュウ酸エステル類の濃度を低減しておくこともできる。具体的には、シュウ酸エステル類の濃度を3質量%以上とすることができる。また、隠し文字用としては、第一の組成物に蛍光物質の着色がないほうがよいことから、その含有量を低減し、0.1質量%以下、より好ましくは、0.05質量%以下とすることが好ましい。このとき、蛍光物質の含有量の下限は原料として使用せずに0質量%である。
あるいは、保管時に分離されている各組成物の状態を考慮して、第二の組成物である酸化液においての安定性を鑑みて、第二の組成物にはペリレン系蛍光物質および/またはナフタルイミド系蛍光物質を含有させ、第一の組成物には他の先に例示した蛍光物質を含有させておくことができる。この設計により、蛍光物質の種類に応じて、第一の組成物と、第二の組成物とにそれぞれの着色を施し、使用時にはそれらが混合された色を発色するといった演出も可能となる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
[評価項目]
[輝度]
“輝度計LS−100(クローズアップレンズNo.122)”(コニカミノルタ)を使用して輝度を測定した。
[HPLC]
下記装置を使用してHPLC試験を行った。
・HPLC吸光検出器:“SPD−10A vp”(島津製作所)
・HPLC送液ユニット:“LC−10AT”(島津製作所)
・カラムオーブン:“CTO−10A”(島津製作所)
・データ処理装置:“クロマトパックC−R6A”(島津製作所)
[試験用試薬等]
DMP:フタル酸ジメチル
t−BuOH:tert-Butanol(tert-ブタノール)(東京化成工業株式会社)
ATBC:アセチルクエン酸トリブチル(東京化成工業株式会社)
BeB:安息香酸ベンジル(東京化成工業株式会社)
22:過酸化水素(過酸化水素水(和光純薬工業)を脱水処理して使用)
SS:サリチル酸ナトリウム(関東化学株式会社)
CIPO:Bis(2,4,5-trichloro-6-i-pentoxycarbonylphenyl) oxalate(東京化成工業株式会社)
CPPO:Bis[2,4,5-trichloro-6-(pentyloxycarbonyl)phenyl] Oxalate(東京化成工業株式会社)
[実施例1]
第二の組成物となる酸化液中に色素(蛍光物質)が入っている場合と、第一の組成物となる粉末中に色素(蛍光物質)が入っている場合の発光の違いを明確にするため発光特性の比較を行った。
蛍光物質(a):下記式(3)で表されるペリレン系蛍光物質を使用した。なお、後述する試験方法において、各試験での発光輝度に寄与する成分の量を全量は同じとするために、それぞれの酸化液中と粉末中の蛍光物質量は同量となるように調製した。
「試験方法1.第一の組成物(粉末)側に蛍光物質を含有させた実験(粉末中)」
(1)酸化液(組成概要:DMP 81.6質量%、t−BuOH 13.4質量%、H22 5質量%、SS 0.04質量%)を調製した。
(2)CIPO 9.85gと蛍光物質(a) 0.15gを量りとり、乳鉢を用いて混合した。
(3)4mLのサンプル管瓶に(1)の混合粉末を0.14g量りとった。
(4)(1)の酸化液を(3)のサンプル管瓶の中に0.43mL加え発光させた。
(5)ホモジナイザー(25Mハンドミキサー+215A型マイクロホモジナイザー)で10秒間撹拌した(容器底面を撹拌し粉末を酸化液中に拡散させた)。
(6)撹拌終了時を基準の0点(initial)として、下記所定の測定時毎にマルエム容器の上部より発光輝度を測定した。
測定時間:30秒、1分、5分、15分
「試験方法2.第二の組成物(酸化液)側に蛍光物質を含有させた実験(酸化液中)」
(1)酸化液(組成概要:DMP 81.6質量%、t−BuOH 13.4質量%、H22 5質量%、SS 0.04質量%)を調製した。
(2)(1)酸化液を100g量りとり、そこに蛍光物質を0.5g(0.5質量%)加え、常温で撹拌し溶解させた。
(3)4mlのサンプル管瓶にCIPO粉末を0.14g量りとった。
(4)(2)の蛍光物質が入った酸化液を(3)のサンプル管瓶の中に0.43ml加え発光させた。
(5)ホモジナイザーで10秒間撹拌した(容器底面を撹拌し粉末を酸化液中に拡散させた)。
(6)撹拌終了時を基準の0点(initial)として、下記所定の測定時毎にマルエム容器の上部より発光輝度を測定した。
測定時間:30秒、1分、5分、15分
「実験結果」 輝度測定
図3と表1に、粉末中と、酸化液中との、それぞれに蛍光物質(a)を含有させたときの、発光輝度曲線、時間毎の発光輝度をそれぞれ示す。なお、それぞれの条件で2回ずつ試験を行った。
粉末中(第一の組成物)に蛍光物質を含有させた場合と、酸化液中(第二の組成物)に蛍光物質を含有させた場合で、1分後までの初期の発光に違いが生じ、発光開始初期の輝度に違いがあった。粉末側に蛍光物質を加えると、蛍光物質の溶解性が低く析出するため、混合してもすぐに粉末と酸化液とが混合された液中に溶解して分散せず、初期の発光が悪くなると考えられる。
[実施例2]
酸化液組成物中での、蛍光物質の安定性について試験を行った。
[蛍光物質]
[ペリレン系蛍光物質]
・“Lumogen F Red305”:1,6,7,12-tetraphenoxy-N,N'-bis(2,6-di isopropyl phenyl) perylene di carboximide
・“Lumogen F Yellow083”:4,10-Dicyano-3,9-perylenedicarboxylic acid diisobutyl ester
・“Lumogen F Orange240”:2,9-Bis(2,6-diisopropylphenyl)-1,2,3,8,9,10-hexahydroanthra[2,1,9-def:6,5,10-d'e'f']diisoquinoline-1,3,8,10-tetrone
[ナフタルイミド系蛍光物質]
・“Lumogen F Violet570”
[アントラセン系蛍光物質]
[イエロー色素]
・“1-ClBPEA”:1-chloro 9,10−Bis(phenyl ethynyl) antracene
・“1,8-dClBPEA”:1,8-di chloro 9,10−Bis(phenyl ethynyl) antracene
[グリーン色素]
・“2-EtBPEA”:2-ethyl 9,10−bis(phenyl ethynyl) antracene
[ブルー色素]
・“2-ClBMPA”:2-chloro 9,10-bis(4-methoxy phenyl) antracene
・“DPA”:9,10-diphenyl anthracene
[ナフタセン系蛍光物質]
[オレンジ色素]
・“BPEN”:5,12-bis(phenyl ethynyl)naphtacene
・“Rubrene:5,6,11,12-Tetraphenylnaphthacene
[実験操作]
1.試験試料の準備
(1)酸化液(組成概要:DMP 81.6質量%、t−BuOH 13.4質量%、H22 5質量%、SS 0.04質量%)を調製した。
(2)前記(1)の酸化液を100g量りとり、そこに蛍光物質を0.15g(約0.15質量%)加え、常温で撹拌し溶解させた。
(3)前記(2)の酸化液をスクリュー管に小分けし、恒温庫60℃中で加速処理試験を行った。
(4)恒温庫60℃中で加速処理試験を行っているものを、1週間後に取り出した。
(5)加速処理試験前と加速処理試験後の試料について、蛍光物質(色素)の析出が残っているものに関しては、超音波洗浄機を用いて全て溶解させた後、測定を行った。
2.HPLC測定
(1)以下の条件で、前記試験試料の準備の工程で準備した、酸化液中の蛍光物質の安定性を、HPLC測定による試験で評価した。
測定条件
希釈操作:試料10μLに4mLのアセトニトリルを加えた
検出波長:254nm
移動相:アセトニトリル100%、カラムオーブン:40℃
流速:0.7mL/min、注入量:5μL 検出時間:20分
3.輝度測定
(1)シュウ酸エステル含有組成物である空白液(溶質:CPPO、溶媒:ATBC,BeB)2.0mLをマルエム容器に加えた。
(2)各蛍光物質を含有させた酸化液を1.0mL量りとり、前記(1)に加え、発光を開始させた。
(3)ホモジナイザーで10秒間撹拌した。
(4)撹拌終了時を0秒として、発光輝度を測定した。
[実験結果]
[実験結果1.HPLC測定]
前記実験操作によって、HPLC試験を行ったときの各蛍光物質ピークのデータの測定結果を表2に示す。表2(蛍光物質ピークのデータ(AREA比))において、加速処理試験を行う前のものを「加速前」、加速処理試験を1週間行った後のものを「加速1週間後」、加速処理試験を2週間行った後のものを「加速2週間後」と示す。また、「1週間後の残存量」、「2週間後の残存量」は、いずれも、加速前を100%として比較したものである。
HPLC試験の結果として、ペリレン系、ナフタルイミド系の蛍光物質には、加速処理試験前後で大きな劣化は見られなかった。その他の蛍光物質ではBPEN、Rubreneが大幅に劣化(HPLC試験の結果、明らかなピークが確認できないため表中では「無し」と表記)し、他の蛍光物質でもピーク値が低下した。
[実験結果2.発光輝度の測定結果]
各蛍光物質を含有する酸化液を用いた輝度測定の結果を下表に示す。なお、以下の表において、加速処理試験の前を「加速前」、加速試験処理を1週間行った後を「加速1w」(輝度測定温度22℃)、加速試験処理を2週間行った後を「加速2w」(輝度測定温度23℃)と示す。また、「加速1w後の輝度」は、加速前を100%としたときのものである。表中の発光輝度の数値の単位は「cd/m2」である。
Lumogen F Redの試験結果を、表3(1週)、表4(2週)に示す。
Lumogen F Yellow083の試験結果を、表5(1週)、表6(2週)に示す。
Lumogen F Orange240の試験結果を、表7(1週)、表8(2週)に示す。
Lumogen F Violet570の試験結果を、表9(1週)、表10(2週)に示す。
1-ClBPEAの試験結果を、表11(1週)、表12(2週)に示す。
1,8-dClBPEAの試験結果を、表13(1週)、表14(2週)に示す。
2-EtBPEAの試験結果を、表15(1週)、表16(2週)に示す。
2-ClBMPAの試験結果を、表17(1週)、表18(2週)に示す。
DPAの試験結果を、表19(1週)、表20(2週)に示す。
BPENの試験結果を、表21(1週)、表22(2週)に示す。
Rubreneの試験結果を、表23(1週)、表24(2週)に示す。
輝度測定の試験の結果、いずれの化学発光体でも、加速試験前の初期発光の発光輝度は析出の問題等が生じることなく、発光した。一方、加速試験後にその安定性に差がみられた。
ペリレン系およびナフタルイミド系の蛍光物質は、加速試験前後で、その発光輝度に大きな劣化は見られなかった。その他の蛍光物質を用いた酸化液では、ペリレン系およびナフタルイミド系の蛍光物質を用いたものと比較すると劣化が見られ発光輝度が低下していた。特に1,8-dClBPEA、BPEN、Rubreneについては発光時に目視で変化が分かる程度に色が薄くなっていた。
本発明によれば、安定して発光輝度、発光時間に優れた化学発光体および化学発光システムが提供される。例えば、この化学発光体は、コンサートライト等のイベント用や、釣り具に用いられる発光体、防災用簡易ライト、標識灯、警告灯のように種々の用途に利用することができ産業上有用である。
1、6 第一の組成物
2、7 第二の組成物
3 破割性内側容器
4 化学発光体用容器
5 不織布
71 容器
10、11 化学発光体
100 化学発光部

Claims (9)

  1. 第一の組成物と、第二の組成物とを混合することで発光し、破割性内側容器と、前記破割性内側容器を内包する化学発光体用容器とを有する化学発光体であり、
    前記第一の組成物が、シュウ酸エステル類を含有する組成物であり、
    前記第二の組成物が、過酸化水素と、酸化液用溶媒と、蛍光物質とを含有する組成物であり、
    前記第二の組成物に含有される蛍光物質が、ペリレン系蛍光物質および/またはナフタルイミド系蛍光物質であり、
    前記第一の組成物または前記第二の組成物のいずれかが破割性内側容器に封入され、他方の組成物が前記破割性内側容器と前記化学発光体用容器との間に封入された化学発光体。
  2. 前記第二の組成物が、前記第二の組成物を調製後に60℃中で1週間経過させた後に前記第一の組成物と混合させたときの15分経過までの発光輝度が、前記第二の組成物を調製後に前記第一の組成物と混合させたときの発光輝度に対して、89%以上の発光輝度を有する請求項1記載の化学発光体。
  3. 前記破割性内側容器に封入される組成物が、第一の組成物である請求項2記載の化学発光体。
  4. 前記第一の組成物におけるシュウ酸エステル類の濃度が、50質量%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の化学発光体。
  5. 前記第一の組成物に含有されるペリレン系蛍光物質およびナフタルイミド系蛍光物質の含有量が、0.5質量%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の化学発光体。
  6. 前記第一の組成物が、固体状である請求項1〜5のいずれかに記載の化学発光体。
  7. 前記第二の組成物における蛍光物質の濃度が、0.01〜5質量%である請求項1〜6のいずれかに記載の化学発光体。
  8. シュウ酸エステル類を含有する組成物と混合することで化学発光を生じる酸化液であって、
    過酸化水素水と、酸化液用溶媒と、蛍光物質とを含有する組成物であり、
    前記蛍光物質が、ペリレン系蛍光物質および/またはナフタルイミド系蛍光物質であり、
    破割性内側容器と、前記破割性内側容器を内包する化学発光体用容器を有する化学発光体に用いられ、前記破割性内側容器または前記化学発光体用容器との間のいずれかに封入された化学発光用酸化液。
  9. 第一の組成物と、第二の組成物とを混合することで発光する化学発光システムであり、
    前記第一の組成物が、シュウ酸エステル類を含有する組成物であり、
    前記第二の組成物が、過酸化水素と、酸化液用溶媒と、蛍光物質とを含有する組成物であり、
    前記第二の組成物に含有される蛍光物質が、ペリレン系蛍光物質および/またはナフタルイミド系蛍光物質であり、少なくとも前記第二の組成物が、調製後、容器に保管されたものである化学発光システム。
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