JP6620781B2 - ダストの溶融還元方法及び再利用方法 - Google Patents

ダストの溶融還元方法及び再利用方法 Download PDF

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Description

本発明は、ダストの溶融還元方法及び再利用方法に関する。
ステンレス鋼などのクロムを多く含有する鋼を転炉等で吹錬処理する場合、鉄(Fe)分に加えてクロム(Cr)分を多く含むダストが、排ガスとともに発生する。このダストは、湿式回収されるため、水分を多く含んだスラリーとして回収される。そして、回収されたスラリー状のダストは、固化された後、転炉型の溶融還元炉で溶融され、還元処理されることで、鉄源及びクロム源として用いられている(例えば、特許文献1)。
特開2015−193928号公報
ところで、上記のダストの溶融還元処理は、一般的には転炉型の溶融還元炉で行われることとなるが、熱源や還元剤として炭素(C)を含む黒鉛等の炭材を大量に用いる必要があるため、炭材中の燐(P)のピックアップが問題となる。また、溶融還元炉がない場合には、新たに溶融還元炉を導入する必要がある。さらに、溶融還元炉の処理能力を超えてダストが多く発生する場合には、発生した全てのダストを再利用できないという問題があった。
これらの問題に対して、溶融還元炉以外の精錬設備として電気炉を用いてダストの溶融還元処理を行う方法が考えられる。しかし、電気炉を用いた場合、水蒸気爆発等の危険性から、用いられるダストに乾燥処理等の特別な処理を施して、水分をできるだけ低下させる必要がある。このため、電気炉によるダストの溶融還元処理は、製造コストの観点からは、実用的な方法ではなかった。
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、水分を含むダストを電気炉で溶融及び還元処理することができる、ダストの溶融還元処理方法及び再利用方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様によれば、電気炉内に装入されたスクラップを、アーク加熱によって溶解するスクラップ溶解工程と、上記スクラップ溶解工程の後、クロム含有鋼の溶製工程から発生したダストを転動造粒して製造される造粒物及び還元剤を上記電気炉内に投入し、上記造粒物の溶融を行い、還元処理を行う溶融還元工程と、を備え、上記溶融還元工程では、上記造粒物を10質量%以上18質量%以下の水分を含んだ状態で上記電気炉に投入することを特徴とするダストの溶融還元方法が提供される。
本発明の一態様によれば、上記のダストの溶融還元方法を用いて、転炉で発生し、クロム酸化物と10質量%以上18質量%以下の水分とを含むダストを溶融及び還元し、その後、製造された溶鉄、または上記溶鉄を凝固させた鋳鉄を、高クロム鋼の鉄源及びクロム源として用いることを特徴とするダストの再利用方法が提供される。
本発明の一態様によれば、水分を含むダストを電気炉で溶融及び還元処理することができる、ダストの溶融還元処理方法及び再利用方法が提供される。
電気炉を示す模式図である。 造粒物の投入位置を説明する模式図であり、上側が電気炉の炉殻の断面図であり、下側が炉殻の平面図である。 実施例における処理パターンを示す説明図である。
以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するように、本発明の実施形態を例示して多くの特定の細部について説明する。しかしながら、かかる特定の細部の説明がなくても1つ以上の実施態様が実施できることは明らかであろう。また、図面は、簡潔にするために、周知の構造及び装置が略図で示されている。
<ダストの溶融還元処理方法>
図面を参照して、本発明の一実施形態に係るダストの溶融還元方法について説明する。本実施形態では、転炉でのステンレス鋼の吹錬処理により発生するダストを、電気炉1を用いて溶融及び還元処理する。
電気炉1は、処理容量が50tの慣用的な3相交流式の交流アーク炉であり、炉殻10と、炉蓋11と、3本の電極12と、バーナー13と、投入シュート14とを有する。炉殻10は、上端に開口部を有する容器であり、内部には耐火物が設けられる。炉殻10の底部は、中央部が端部に対して下側に凹んだ形状、つまり図1及び図2に示す断面視でアーチ状に下側に凹んだ形状を有する。また、炉殻10の底部には、アルゴンなどの攪拌用のガスを吹き込む複数の底吹きノズル100が設けられる。炉蓋11は、炉殻10の開口部を覆うように設けられ、炉殻10の開口部を開閉するように移動可能または回転可能に構成される。3本の電極12は、黒鉛電極であり、鉛直方向(図1の上下方向)に移動可能に設けられる。また、3本の電極12は、不図示の電源に接続され、電源から供給される三相交流電力によって、炉殻10内の原料との間にアークを発生させる。バーナー13は、補助燃焼装置であり、燃焼性のガスや原料、酸素ガス等を炉殻10内に噴射し、火炎を形成することで、炉殻10内の原料の溶解を促進する目的で用いられる。投入シュート14は、媒溶剤や還元剤、後述する造粒物等の副原料を貯蔵する不図示の副原料ホッパに接続され、副原料ホッパから切り出される副原料を炉殻10に投入する。また、投入シュート14は、副原料の投入位置を調整可能なように、炉殻10内の先端が移動可能に構成される。
溶融還元処理で用いられるダストは、ペレット状の造粒物である。この造粒物は、クロム含有鋼、より好ましくはステンレス鋼等の高クロム鋼(クロムの含有量が9質量%以上の鋼種)の転炉等での溶製工程から発生したダストを湿式回収した後、転動造粒することで製造されるものである。なお、造粒物を製造する際には、ダストにバインダを添加してもよい。造粒物は、クロム酸化物を含み、好ましくはクロム濃度が7質量%以上であることが好ましい。また、造粒物の水分は、10質量%以上であり、18質量%以下であることが好ましい。造粒物の水分が10質量%未満の場合、転動造粒する前または後に、乾燥処理を施す必要があり、造粒物の製造コストが高くなることから好ましくない。一方、造粒物の水分が18質量%超となる場合、炉殻10内への投入時において水分が18質量%超となる可能性があるため、水蒸気爆発が発生する可能性がある。さらに、造粒物は、10mm以下の粒径のものが90質量%以上含まれること(10mm篩下の比率が90質量%以上であること)が好ましい。造粒物の粒径をこの範囲とすることで、より安全に造粒物を投入することができる。
本実施形態に係るダストの溶融還元方法では、まず、電気炉1の炉殻10内に鉄源となるスクラップを装入する。スクラップの装入量は、後述する溶融還元工程にて添加する造粒物の添加予定量10t当たりに対して、スクラップが溶解した溶鉄が2t以上4t以下となるようにする。なお、溶解初期における熱源確保を目的に、黒鉛等の炭材をスクラップとともに炉殻10内に装入してもよい。この場合、炭材の添加量は、炭材中のPのピックアップ(炭材中のPによる溶鉄のP濃度の上昇)が、品質上問題とならいない程度とする必要がある。また、ダストの使用量をできるだけ増大させるため、造粒物をスクラップとともに炉殻10内に装入してもよい。この場合、スクラップとともに装入する造粒物の装入量は、スクラップ1tに対して0.2t以下とすることが好ましい。造粒物の装入量がスクラップ1tに対して0.2t超となる場合、溶解初期において造粒物を十分に乾燥させることができず、溶鉄と造粒物中の水分とが反応する可能性がある。
次いで、炉殻10内のスクラップを溶解させるスクラップ溶解工程を行う。スクラップ溶解工程では、三相交流によって3本の電極12と、スクラップ等の原料との間にアークを発生させることで、スクラップをアーク加熱し溶解させる。この際、アーク加熱と並行して、バーナー13による加熱を行ってもよい。また、スクラップ溶解工程は、炉殻10の開口部の面積に対する、スクラップが溶解した溶鉄の浴面の面積の比である面積比が30%程度となるまで行われることが好ましい。
さらに、スクラップ溶解工程の後、溶解していない残りのスクラップの溶解及び新たに添加される造粒物の溶融、並びに溶融した酸化クロムの還元処理をする、溶融還元工程を行う。
溶融還元工程では、まず、アーク加熱を続けながら、投入シュート14から造粒物の投入を行う。この際、造粒物の水分を10質量%以上18質量%以下とする。また、溶融還元工程では、投入予定量の造粒物を、5t/h以上10t/h以下の投入速度で連続して投入する。さらに、溶鉄2の浴面にスラグ層3が形成される前までは、溶鉄2の浴面には造粒物を投入シュート14から直接投入しないようにすることが好ましい。さらに、図2に示すように、溶鉄2の浴面2aにスラグ層3が形成される前までは、電気炉の開口部10aの面積(図2下側の平面視における面積)に対する、浴面2aの面積(図2下側の平面視における面積)の比である面積比を30%以上64%以下とすることが好ましい。つまり、溶鉄2の浴面2aにスラグ層3が形成される前までは、投入シュート14による投入位置を調整し、炉殻10内側の浴面2aよりも外側の領域に造粒物を投入することが好ましい。これにより、造粒物の温度の上昇速度を緩和することができ、造粒物をより安全に溶鉄2へ添加することができる。さらに、スラグ層3が50mm程度の厚みで形成された後は、投入位置を浴面2aの領域として造粒物の投入を行ってもよい。スラグ層3が形成された状態では、造粒物が浴面2aへ直接投入されず、浴面2aに形成されたスラグ層3へ投入されることとなるため、造粒物の急激な温度上昇は抑制される。なお、この場合においても、造粒物の投入速度を、5t/h以上10t/h以下とする。
本実施形態では、造粒物の投入速度を5t/h以上10t/h以下とすることで、効率よく安全に造粒物を添加することができる。造粒物の添加速度が5t/h未満となる場合、投入速度が遅くなり過ぎるため、生産効率が低下してしまう。一方、造粒物の添加速度が10t/h超となる場合、水分を含有する造粒物が溶鉄2に大量に添加されてしまうため、水蒸気爆発が起こる危険性がある。また、スラグ層3が十分に形成されるまでは、浴面の面積比を30%以上64%以下として、造粒物を投入シュート14から浴面に直接投入しないようにすることで、さらに安全に造粒物を添加することができる。
次いで、造粒物の投入が完了した後、アーク加熱を続けながら、投入シュート14から還元剤の投入を行う。還元剤としては、Siを含有するフェロシリコン(FeSi)や、アルミニウム(Al)を含有するAlドロス等を用いることができる。なお、Pのピックアップが品質上問題とならない程度であれば、還元剤の一部として炭材を用いてもよい。還元剤は、造粒物の添加量に応じて、少なくとも酸化クロムの還元反応に必要な量が添加される。また、還元剤の投入を行う際には、複数の底吹きノズル100から撹拌用のガスを溶鉄2に吹き込むことで、溶鉄2の撹拌を行う。さらに、還元剤の添加が完了した後には、所定の温度及び成分となるまで、撹拌及びアーク加熱が行われることで、溶融還元工程が終了する。
炉殻10内に添加された造粒物は、加熱されることで溶鉄2の浴面に、酸化クロムを多く含むスラグ層3を形成する。そして、添加された還元剤は、加熱されることで溶融し、スラグ層3中の酸化クロムを還元させる。このような還元反応によって、溶鉄2のクロム濃度が上昇し、クロム濃度の高い溶鉄2が溶製される。
溶融還元工程の後、溶製されたクロム濃度の高い溶鉄2は、ステンレス鋼等の高クロム鋼を溶製する際の鉄源及びクロム源として再利用される。この再利用方法としては、例えば、溶製された溶鉄2を、高クロム鋼の溶製が行われる転炉等の精錬装置に、溶融した状態で移注することで再利用されてもよい。また、溶製された溶鉄2を凝固させて鋳鉄として、高クロム鋼の溶製が行われる転炉等の精錬装置にこの鋳鉄を添加することで再利用されてもよい。この場合、溶鉄2を大型の鋳型で凝固させた鋼塊を切断して用いてもよく、鋳銑機のような複数の金型で連続的に鋳造を行う設備で溶鉄2を凝固させて用いてもよい。
<変形例>
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態とともに種々の変形例を含む本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲に記載された発明の実施形態には、本明細書に記載したこれらの変形例を単独または組み合わせて含む実施形態も網羅すると解すべきである。
例えば、上記実施形態では、溶融還元工程において、造粒物を添加した後に還元剤を添加するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、造粒物の添加と同時に還元剤の添加を行ってもよい。このようにすることで、溶融した造粒物が還元剤によって順次還元されるため、造粒物の溶融と還元とを並行して行うことができ、溶融還元処理に要する時間を短くすることができる。
また、上記実施形態では、溶融還元工程において、造粒物を添加した後に攪拌用のガスによる溶鉄2の撹拌を行うとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、造粒物の添加を行う溶融還元工程の初期から、溶鉄2の撹拌を行ってもよい。
さらに、上記実施形態では、溶融還元処理に用いられるダストがクロム含有鋼を溶製する際に発生したものとしたが、本発明はかかる例に限定されない。ダストは、転炉等の精錬設備でクロム含有鋼を溶製する際に発生したものを含んでいればよく、一般鋼種等の他の鋼種を溶製する際に発生したダストが含まれていてもよい。
さらに、上記実施形態では、溶融還元工程において、予定投入量の造粒物を連続的に投入するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、予定投入量の造粒物を複数回に分けて投入してもよい。
さらに、スクラップ溶解工程において、全てのスクラップを溶解してもよい。この場合、溶解した後の溶鉄2の浴面の面積比を30%以上64%以下とすることが好ましい。
さらに、溶融還元工程において、CaOを含む媒溶剤を炉殻10内に投入してもよい。しかし、媒溶剤を添加するとスラグの量が増加し、還元されるクロムが減少するため、媒溶剤の投入量をできるだけ少なくすることが好ましい。
さらに、上記実施形態では、溶融還元工程において、造粒物の投入速度を5t/h以上10t/h以下とするとしたが、本発明はかかる例に限定されない。20t〜100t程度の処理容量の電気炉1では、造粒物の投入速度を5t/h以上10t/h以下とすることが好ましい。一方、処理容量が上記範囲と異なる電気炉1においては、処理容量に応じて投入速度を増減させることが好ましい。この場合、処理容量が小さい電気炉1では、上記実施形態よりも投入速度を低く、処理容量が大きい電気炉1では、上記実施形態よりも投入速度を高くしてもよい。
さらに、上記実施形態では、還元剤としてフェロシリコンやAlドロスを用いるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、SiやAlを含む還元剤として、AlまたはSiを含有する合金や、金属アルミニウム等が用いられてもよい。
<実施形態の効果>
(1)本発明の一態様に係るダストの溶融還元方法は、電気炉1内に装入されたスクラップを、アーク加熱によって溶解するスクラップ溶解工程と、スクラップ溶解工程の後、クロム含有鋼の溶製工程から発生したダストを転動造粒して製造される造粒物及び還元剤を電気炉1(炉殻10)内に投入し、造粒物の溶融を行い、還元処理を行う溶融還元工程と、を備え、溶融還元工程では、造粒物を10質量%以上18質量%以下の水分を含んだ状態で電気炉1に投入する。
上記(1)の構成によれば、造粒物の水分を上記範囲とすることで、乾燥処理等の特別な処理を施すことなく、ダストを溶融及び還元処理することができる。また、造粒物の水分を18質量%以下とすることで、効率よく且つ安全に造粒物を溶融させることができる。さらに、造粒物の水分を10質量%以上とすることで、ダストの水分を低減させるための乾燥処理や圧縮成型処理等を行う必要がないため、造粒物の製造に掛かるコストを低廉化することができる。このため、クロムを含有するダストを、効率よく安全に再利用できる。また、上記(1)の構成では、慣用的な電気炉であれば適用することができ、このような電気炉はステンレス鋼を製造する工場では多く用いられる設備となる。このため、溶融還元炉等の特別な設備を新たに設けなくとも、クロム酸化物を含むダストを再利用することができるようになる。さらに、溶融還元炉がある工場においても、溶融還元炉に加えて電気炉でもダストの溶融還元処理をできるようになるため、ダストの発生量が多い場合においても、ダストの再利用量を向上させることができる。さらに、上記(1)の構成によれば、電気炉1で加熱を行うため、炭材等の熱源を用いる必要がない。このため、溶融還元炉で処理を行う場合に比べて、Pを含有する熱源の使用量を低減することができるため、Pの含有量が低く汎用性のある溶鉄2を製造することができる。
(2)上記(1)の構成において、溶融還元工程では、造粒物を5t/h以上10t/h以下の投入速度で添加する。
上記(2)の構成によれば、処理容量が20t〜100t程度の一般的な電気炉1において、造粒物をより効率よく安全に投入することができるようになる。
(3)上記(1)または(2)の構成において、造粒物には、10mm以下の粒径のものが90質量%以上含まれる。
上記(3)の構成によれば、より安全に造粒物を添加することができる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの構成において、スクラップ溶解工程の前に、電気炉1内にスクラップに加えて造粒物を予め装入する。
上記(3)の構成によれば、予め装入された造粒物は、スクラップの昇熱に合わせて昇熱され、乾燥あるいは溶融することになる。このため、溶融及び還元処理するダストの量を増加させることができる。また、予め装入された造粒物が溶融することで、スラグ層3がより早く形成されるため、溶融還元工程において造粒物の投入位置の調整が容易になる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの構成において、溶融還元工程では、電気炉1の底部から撹拌ガスを吹き込み、溶鉄2を撹拌しながら還元処理を行う。
上記(4)の構成によれば、還元処理に要する時間を短くすることができる。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかの構成において、溶融還元工程では、溶鉄2の浴面2aにスラグ層3が形成されるまでの間、電気炉1の開口部10aの面積に対する、浴面2aの面積の比である面積比を30%以上64%以下とし、浴面2aの外側に造粒物を投入する。
上記(6)の構成によれば、スラグ層3が形成されるまでの間は、造粒物が投入シュート14から溶鉄2へ直接投入されなくなるため、造粒物の温度上昇が緩和され、より安全に造粒物を投入することができる。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかの構成において、電気炉として、交流アーク炉を用いる。
上記(7)の構成によれば、汎用的な交流アーク炉を用いるため、設備の改造等の必要がなく、安価にダストの溶融及び還元を行うことができる。
(8)本発明の一態様に係るダストの再利用方法は、上記(1)〜(7)のいずれかに記載のダストの溶融還元方法を用いて、転炉で発生し、クロム酸化物と10質量%以上18質量%以下の水分とを含むダストを溶融及び還元し、その後、製造された溶鉄2、または溶鉄2を凝固させた鋳鉄を、高クロム鋼の鉄源及びクロム源として用いる。
上記(6)の構成によれば、効率よく安全にダストを溶融及び還元できるため、高クロム鋼を安価に溶製することができる。
次に、本発明者らが行った実施例について説明する。実施例では、上記実施形態と同様に、転炉における高クロム鋼の吹錬処理で発生したダストを転動造粒した造粒物を、50tの電気炉1で溶融還元させてクロム濃度の高い溶鉄を溶製した。図3に、実施例で行った処理のパターンを示す。
実施例では、予め、炉殻10内に、10tの軟鋼スクラップと、1.2tの造粒物と、0.45tの黒鉛(炭材)とを原料として装入した。造粒物の成分組成(質量%)及び水分(質量%)を表1に示す。なお、表1において、T.Feは酸化したFeを含むFeの総含有量、T.Crは酸化したCrを含むCrの総含有量をそれぞれ示す。
Figure 0006620781
実施例では、まず、56分間にわたってスクラップ溶解工程を行った。スクラップ溶解工程では、340Vのタップ電圧で原料をアーク加熱することで、スクラップを溶解させた。
次いで、497分間にわたって溶融還元工程を行った。溶融還元工程では、はじめに、23tの造粒物を複数回に分けて溶鉄2に添加した。この際、添加時の投入速度が5t/h以上10t/h以下となるように調整を行い、スラグ層3が十分に形成される前までは、投入シュート14から浴面に造粒物を直接投入しないようにした。また、造粒物を添加する際に、700kgのフェロシリコンを2回に分けて投入した。造粒物の投入が完了した後、溶鉄2を撹拌させながら、750kgのAlドロスを2回に分けて投入し、さらに500kgのフェロシリコンを投入した。その後、溶鉄2をさらに撹拌させ、処理を完了させた。
さらに、実施例では、造粒物の投入が完了した後、スラグと溶鉄2(メタル)のサンプリングを所定時間間隔で5回行った。図3に示すように、1回目のサンプリングのタイミングは2回のAlドロス投入のタイミングの間、2回目のサンプリングのタイミングは2回目のAlドロス投入のタイミングと最後のフェロシリコン投入のタイミングとの間である。表2に、1回目〜5回目(s1〜s5)のそれぞれのタイミングでサンプリングした、メタルサンプル及びスラグサンプルの成分組成の分析結果を示す。
Figure 0006620781
表2に示すように、還元剤を投入した後、撹拌しながら処理をすることで、スラグ層3中のCr成分が還元されて溶鉄2のCr濃度が上昇し、還元処理が行われることが確認できた。また、実施例では、水分を含んだ造粒物を溶鉄2が収容された炉殻10内に添加しても、水蒸気爆発等の問題はなく、安全に処理ができることが確認できた。
1 電気炉
10 炉殻
100 底吹きノズル
11 炉蓋
12 電極
13 バーナー
14 投入シュート
2 溶鉄
3 スラグ層

Claims (6)

  1. 電気炉内に装入されたスクラップを、アーク加熱によって溶解するスクラップ溶解工程と、
    前記スクラップ溶解工程の後、クロム含有鋼の溶製工程から発生したダストを転動造粒して製造される造粒物及び還元剤を前記電気炉内に投入し、前記造粒物の溶融を行い、還元処理を行う溶融還元工程と、
    を備え、
    前記溶融還元工程では、前記造粒物を10質量%以上18質量%以下の水分を含んだ状態で前記電気炉に投入し、
    前記溶融還元工程では、
    前記造粒物を5t/h以上10t/h以下の投入速度で添加し、
    溶鉄の浴面にスラグ層が形成されるまでの間、前記電気炉の開口部の面積に対する、前記浴面の面積の比である面積比を30%以上64%以下とし、前記浴面の外側に前記造粒物を投入することを特徴とするダストの溶融還元方法。
  2. 前記造粒物には、10mm以下の粒径のものが90質量%以上含まれることを特徴とする請求項1に記載のダストの溶融還元方法。
  3. 前記スクラップ溶解工程の前に、前記電気炉内に前記スクラップに加えて前記造粒物を予め装入することを特徴とする請求項1または2に記載のダストの溶融還元方法。
  4. 前記溶融還元工程では、前記電気炉の底部から撹拌ガスを吹き込み、溶鉄を撹拌しながら還元処理を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のダストの溶融還元方法。
  5. 前記電気炉として、交流アーク炉を用いることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のダストの溶融還元方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のダストの溶融還元方法を用いて、転炉で発生し、クロム酸化物と10質量%以上18質量%以下の水分とを含むダストを溶融及び還元し、
    その後、製造された溶鉄、または前記溶鉄を凝固させた鋳鉄を、高クロム鋼の鉄源及びクロム源として用いることを特徴とするダストの再利用方法。
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