JP6618524B2 - アルキル(メタ)アクリレートを製造するための改良された方法 - Google Patents

アルキル(メタ)アクリレートを製造するための改良された方法 Download PDF

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Description

本発明は、対応するアルコールによる(メタ)アクリル酸の直接エステル化によるアルキル(メタ)アクリレートの製造に関し、この反応はカチオン性樹脂によって触媒作用が及ぼされる。
より具体的には、本発明は、本方法の簡素化および純度に関する規格を守りながら生成物の生成速度の増加をもたらす新規な反応条件を利用して、C−C10アルキル(メタ)アクリレート、特に2−エチルヘキシルアクリレートを製造するための改良された方法に関する。
触媒としてのカチオン性樹脂の存在下での(メタ)アクリル酸の直接エステル化によるC−C10アルキル(メタ)アクリレートの製造の間に生じる問題は、ほとんどの場合、高純度の生成物を得るための、反応工程後に必要とされる精製工程の複雑さ、即ち、一般に方法の生産性を損なうものに関係する。
下流の精製操作を簡素化するために、本出願人の名称の文献EP1219587号に記載されている不飽和カルボン酸塩の製造方法において、その中で反応物質が一緒に混合され、反応水がエステル化アルコールとの共沸混合物の形態でそこから除去される攪拌タンクに接続された再循環ループ中で、反応物質の混合物の流れをカチオン性樹脂の床を通して上昇させることによってエステル化反応を行うことが提案された。このエステル化反応は、わずかに過剰のアルコールの存在下で、特に0.6から1の間の全酸/アルコールのモル比で実施される。一実施形態によれば、攪拌タンクの上流の部分反応は、上昇モードで触媒としてのカチオン性樹脂の第2の床に反応物質の混合物を導くことによって実施される。
この方法は高い転化率および高い選択率をもたらすが、反応ゾーンおよびその操作の複雑さにより、この方法は実施するのが困難であり、最終生成物について所望の純度を得ることができなかったと出願人には思われた。
文献US4,748,268号に記載されている、硫酸により触媒作用が及ぼされる直接エステル化によるメタクリル酸エステルの製造方法では、反応器出口での反応混合物は蒸留塔で連続的に、生成されたエステルが豊富な頂部流と、未反応の反応物質、水、不揮発性副生成物、触媒および少量のエステルを含む底部流とに分画される。この底部流は部分的に反応器に戻され、そのため設備内に再循環ループを構成する。
欧州特許第1219587号明細書 米国特許第4,748,268号明細書
多くの研究の後、本出願人は、エステル化反応に過剰のアルコールを使用し、反応混合物の大部分を、エステル化反応器と、エステル化アルコールとの共沸混合物の形態で生成された水を除去する蒸留塔のみを含む再循環ループに再循環させて、簡素化された反応ゾーンにおいて直接エステル化により高純度の(メタ)アクリル酸エステルを製造することが可能であることを見出した。驚くべきことに、これらの操作条件により、反応によって生成された水を効率的に除去して、反応の収率を最適化することが可能になり、そのため不純物および重質副生成物の形成およびそのため方法の生産性の低下に関与する二次反応が最小限になる。
従って、本発明は、実施するのが簡単で、高収率で重質副生成物の発生が少なく、下流の精製操作を簡素化するアルキル(メタ)アクリレートを製造するための改良された方法に関する。また、精製された生成物は、使用された酸およびアルコールに関連するわずかな微量の不純物しか含まない。
本発明は、(メタ)アクリル酸を対応するアルコールで直接エステル化してC−C10アルキル(メタ)アクリレートを製造する方法であって、反応水をエステル化アルコールとの共沸混合物の形で、触媒としてのカチオン性樹脂を含むエステル化反応器の上部に配置された蒸留塔から除去し、反応器入口におけるアルコール/酸のモル比が1.4から3の間であり、粗製反応混合物が、反応器と水を除去する塔とを一緒に連結する再循環ループ内で、精製処理に送られる流れに対するループに導かれる流れの重量比によって表される、6から25の範囲の再循環比率で、循環することを特徴とする該方法に関する。
本発明の方法は、少なくとも以下の工程:
(i) 以下を得るために粗製反応混合物をトッピング塔中で蒸留に供する工程;
o 頂部で、未反応の反応物質から本質的になる流れ、
o 底部で、必要なエステル、酸およびアルコールに関連する不純物、ならびに重質副生成物を含む流れ
(ii)以下を分離するために底部流をトッピング塔から精留塔に導く工程:
o 頂部で、必要とされる精製エステル、
o 底部で、酸およびアルコールに関連する不純物ならびに重質副生成物を含む流れであって、存在する軽質化合物を精留塔にリサイクルさせ、重質副生成物の最終残渣を除去するために薄膜蒸発器上で濃縮されるか、またはテーリング塔で蒸留される流れ
を含む、再循環ループを出る粗製反応混合物の精製処理をさらに含む。
本発明の一実施形態によれば、トッピング塔の操作条件は、酸またはアルコールに関連する軽質不純物を少なくとも部分的に同伴するように調節される。
本発明の一実施形態によれば、トッピング塔からの底部流は、工程(ii)でそれが精留塔に送られる前に水性流で洗浄される。
本発明の一実施形態によれば、トッピング工程(i)の前に重質副生成物の一部を分離するためにテーリング塔内で粗製反応混合物を蒸留する工程が行われる。
発明による方法を実施するための反応セクションの概略図である。 本発明による方法の精製セクションの概略図である。 頂部流を洗浄する工程を含む、本発明による方法の精製セクションの一実施形態を示す。 粗製反応混合物のテーリング(tailing)の予備工程を含む、本発明による方法の精製セクションの一実施形態を示す。
本発明は、以下の非限定的な説明において、より詳細に記載される。
本明細書において、「の間」または「の範囲」という用語は、包括的範囲を示す。
図1を参照すると、一般に、エステル化反応は、反応によって生じた水を抽出するために蒸留塔(105)が上に設置された反応器(107)内で行われる。反応水は、エステル化平衡をシフトさせるために、流れ(104)中でエステル化アルコールとの共沸混合物の形態で形成されるときに除去される。
反応器は、固定床反応器または懸濁床反応器であってもよい。
図1に示すアセンブリは、その中で粗製反応混合物が精製セクションに送られる前に反応器を通過する一定数の通過を作る再循環ループを形成する。従って、このアセンブリは、水を除去した撹拌ループ反応器を構成する。反応物質の混合を確実にするために攪拌タンクを含める必要はなく、前記混合は再循環ループの存在によりライン内で直接行われる。
反応器は、下降または上昇する、好ましくは下降する供給物を有してもよい。(メタ)アクリル酸は、塔の入口(流れ101)または塔の底部(流れ101bis)に供給することができる。アルコール(103)は蒸留塔に直接供給される。精製セクションからの未反応のアルコールおよび酸を含むリサイクル流(102)は、再循環ループ、特に蒸留塔の入口に導入することもできる。
一般には充填塔である蒸留塔は、頂部で凝縮された蒸気をデカントし、アルコールおよび微量のエステルを含む有機相(これは蒸留塔に再循環される)および水相(これは除去される)を分離するための、頂部凝縮器、デカンタ、レシーバおよびトラップ(図示せず)を備える。塔は、一般に、50から70mmHgの範囲の圧力で作動する。
本発明によれば、エステル化反応は、過剰のアルコールを有する条件下で行われる。即ち、特に、反応器入口におけるアルコール/酸のモル比は1.4から3の間、好ましくは1.8から2.3の間である。アルコール/酸のモル比は、エステル化反応器に供給される様々な流れ(純粋な反応物質の流れ、リサイクルされた流れおよび再循環された流れ)中のアルコールおよび酸の含有量による。反応器に入る反応水を除去した後の流れ(106)のインライン分析により、所望の比を得るために純粋な反応物質の供給流を調整することが可能になる。
反応器は、エステル化触媒としてカチオン性樹脂、好ましくは強カチオン性樹脂、例えば、スルホン酸基を有するスチレン/ジビニルベンゼン型の強スルホン化カチオン性樹脂を含む。樹脂の例としては、Mitsubishi社によりDIAION(R) PK208もしくはPK216の名称で市販されているもの、またはLanxess社によってLEWATIT(R) K2620もしくはK2621の名称で市販されているもの、またはRohm & Haas社のAMBERLYST(R) A15、A16もしくはA46を挙げることができる。
反応温度は、一般に70°から100℃の間、好ましくは75℃から95℃の間である。再循環ループの存在により、一定の生産速度で、より低い温度を使用することが可能になる。
この反応は、一般に、フェノチアジン、ヒドロキノン(HQ)、およびそれらの誘導体、例えば、ヒドロキノンメチルエーテル(HQME)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール(Topanol A)、チオカルバミン酸もしくはジチオカルバミン酸の塩、N−オキシル化合物、例えば、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシル(4−OH Tempo)、ニトロソ基を有する化合物、例えば、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンおよびそのアンモニウム塩、キノン、例えば、ベンゾキノン、ならびにアミノ化合物、例えば、パラフェニレンジアミンの誘導体から選択される少なくとも1つの重合禁止剤の存在下で、場合により激減した空気の存在下、反応混合物中50ppmから5000ppmの間である含有率、一般には150ppmから1000ppmの間の含有率で実施される。重合禁止剤は、反応物質の導入と共に、様々な場所でまたは蒸留塔の頂部で添加することができる。
本発明によれば、反応からの粗製反応混合物は、6から25の範囲の再循環比率で再循環ループに送られ、この比率は精製処理に送られる流れに対するループに導かれる流れの重量比、特に、粗製反応混合物(108)を再循環させる流量と、ループ(109)を出る粗製反応混合物の流量との間の重量比によって表される。好ましくは、再循環比率は10から20の間、より好ましくは10から15の間である。これらの条件では、反応物質供給物の総体積流量に対する樹脂の体積の比で表される、触媒樹脂と接触している粗製反応混合物の総滞留時間は、2時間から6時間の間、有利には2.5時間から5時間の間である。
本発明の方法は、C−C10アルキル(メタ)アクリレートの合成に適用され、エステル化アルコールは4から10個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖を含む第1級または第2級脂肪族アルコールである。アルコールの例として、ブタノール、2−エチルヘキサノール、n−オクタノール、2−オクタノール、n−デカノールおよび2−プロピルヘプタノールを挙げることができる。
好ましくは、アルコールは2−エチルヘキサノールまたは2−オクタノールである。
好ましくは、アクリル酸が使用される。
本発明による方法により、(メタ)アクリル酸の存在に関連する酸性不純物の形成を制限する効果を有利に有する、反応器に流入する流れからの反応水の除去を最適化することが可能になる。
実際、アクリル酸を使用する際に生じる問題は、β−ヒドロキシプロピオン酸(以下「HPA」という)およびβ−アクリルオキシプロピオン酸(以下、AA「二量体」という)の形成である。
おそらく、HPAは、水の存在下で樹脂と接触してAA二量体から生じる。その形成は、反応操作条件、使用されるカチオン性樹脂の性質、および存在する水の量に依存する。
AA二量体に関しては、それらの形成は、焼却されるべき重質副生成物の量、ひいては生産性に有害である。
メタクリル酸の場合には、同じ種類の不純物、特にβ−ヒドロキシメチルプロピオン酸およびβ−メタクリルオキシプロピオン酸も形成されることがある。
本発明の操作条件により、これらの不純物の形成が最小になり、精製セクションの後に、酸に関連する不純物を含まず、用途のほとんどの分野、特に感圧接着剤(PSA)においてポリマーを製造するための純度に関する規格に従う、必要なエステルを得ることが可能になる。
重質副生成物の形成につながる可能性がある他の二次反応のために、未反応のエステル化アルコールおよび(メタ)アクリル酸は既に形成されたエステルの二重結合に付加して(マイケル付加)、沸点が(メタ)アクリル酸、エステル化アルコールおよび形成されたエステルの沸点より高い(メチル)プロピオン酸および(メタ)アクリルオキシプロピオン酸誘導体が形成される。
これらの重質副生成物は、原料の損失の問題、ならびに最終的な除去のための分離および処理の問題を引き起す。
驚くべきことに、本発明による方法の操作条件は、重質副生成物の形成を少なくし、精製セクションを簡素化し、物質収支を改善することが観察された。
反応ゾーンの後、再循環ループを出る反応混合物は、例えば、図2(再循環ループが(1)に概略的に示される)に示す精製処理に付される。
再循環ループを出る粗製反応混合物(2)はトッピング塔(3)に送られ、トッピング塔は、頂部で、未反応の反応物質を本質的に含む流れ(4)を、底部で、主として酸およびアルコールに関連する不純物ならびに重質副生成物を伴う必要なエステルを含む流れ(5)を分離する。塔(3)は、例えば、多孔板タイプのプレートカラム、または充填カラムである。流れ(5)は、頂部で精製エステルの流れ(7)、および底部で流れ(8)をもたらす精留塔(6)に送られ、流れ(8)は、微量の未反応反応物質のような存在する軽質化合物(10)を精製セクションの開始部にリサイクルし、重質生成物の最終残渣(11)を除去するために、薄膜蒸発器(9)内で濃縮されるかまたはトッピング塔(図示せず)で蒸留される。
流れ(4)は未反応の反応物質、(メタ)アクリル酸およびエステル化アルコールを本質的に含み、これらはそれらのより低い沸点により、必要なエステルから分離される。利用できるこの流れ(4)は、反応にリサイクルされる。酸に関連する不純物が反応ゾーンで形成される場合、反応にリサイクルされるオーバーヘッド流中の形成されたHPA(アクリル酸の場合)を同伴するように、トッピング塔の操作条件を適合させることが可能である。反応にリサイクルされたHPAは、エステル化アルコールと反応してアルキルヒドロキシプロピオネートを得ることができ、これは精留塔の底部で重質副生成物の留分と共に容易に除去される。本発明のこの実施形態はまた、残留酸性を含まない最終製品の製造にも寄与する。
本発明の一実施形態によれば、反応混合物は、トッピング後、精留塔中の不純物および重質副生成物を分離する前に、水で洗浄される。
この実施形態によれば、図3に示すように、再循環ループを出る反応混合物の精製処理は、少なくとも
(i) 粗製反応混合物をトッピング塔における蒸留に供して;
o 頂部で、未反応の反応物質から本質的になる流れ、
o 底部で、必要なエステル、酸およびアルコールに関連する不純物、ならびに重質副生成物を含む流れ
を得る工程
(i)a トッピング塔からの底部流を、デカンテーション後に水性流を用いた洗浄に供して;
o (メタ)アクリル酸に関連する全ての不純物を含む水相、および
o 必要なエステル、重質副生成物ならびに微量の水および(メタ)アクリル酸を含む有機相
を得る工程
(ii) 水を除去した後、有機相を:
o 頂部で、精製された必要なエステル
o 底部で、存在する軽質化合物を精留塔にリサイクルし、重質副生成物の最終残渣を除去するために、薄膜蒸発器上で濃縮されるか、またはテーリング塔中で蒸留される重質副生成物を含有する流れ
に分離するために精留塔に供する工程
を含む。
図3を参照すると、トッピング塔(3)からの底部流(5)は、一般に90重量%を超えるエステル、さらには94重量%を超えるエステル、酸およびアルコールに関連する不純物、ならびに重質副生成物、と重合禁止剤を含む。
本発明によれば、水抽出工程は、純粋な水、または反応工程からの水、または全ての割合でこれらの2つの混合物を含む水性流(20)を用いて実施される。
洗浄温度は重要ではないが、一般に25℃から100℃の間、好ましくは50℃から70℃の間である。
酸に関連する全ての不純物(その後精製処理で重質化合物の分解に触媒作用を及ぼす危険性があるであろう)を除去するために、流れ(5)100g当たり5gから10gのオーダーの水が使用される。全ての酸性不純物を除去するために、より多くの水を使用する必要はない。
10%の水で洗浄することにより、例えば、HPAの含有率を120ppmのオーダーから1ppm未満まで低下させ、AA二量体の含有率を15から20%減少させることができる。
洗浄水の量は、好ましくは流れ(5)中に存在するAA二量体の含有率に対して最適化される。
水相(22)は、酸に関連する不純物の大部分、および少量の酸を含有する。
デカンタ(12)内でデカントされた有機相(13)は、エステルおよび少量の重質化合物および3500ppmから5000ppmのオーダーの残留水を有する軽質化合物を含有し、残留水は前記相を最終蒸留に供する前に除去することが好ましい。
従って、水で洗浄した後に得られる有機相は水を除去する工程に供され、回収された水は洗浄工程にリサイクルすることができる。
前記有機相(13)中に存在する水は、蒸留塔を用いたまたは薄膜蒸発器(15)を用いた蒸留により除去することができる。本発明の好ましい実施形態では、ルワタイプの薄膜蒸発器が使用される。この場合、操作条件は、指針としてのみ与えられるが、150mbarの圧力、24℃の蒸発器頂部の温度、130℃の油温度、10/90の蒸発器頂部/底部質量分布である。
蒸発器(または蒸留塔)を通過させることにより、流れ(14)における水分含有率を95超まで減少させ、少量のエステルを含有し得る水性蒸留物(21)を生成することが可能となり、これは完全にまたは部分的に洗浄工程にリサイクルされる。
従って、洗浄のために使用される水性流(20)は、好ましくは、新鮮な水が補給された、処理からの水性流(21)の混合物である。
次いで、水を含まない流れ(14)は、純粋なエステルの最後の精留塔(6)に送られる。塔(6)は、例えば、多孔板タイプのプレートカラム、または充填カラムである。酸二量体の大部分が水洗工程で除去されたので、塔(6)の操作条件が容易になり、重質化合物の分解が最小限に抑えられる。
塔(6)の頂部で蒸留された生成物は、HPA等の不純物をもはや含まない精製エステルであり、エステル化アルコールの含有率が一般に500ppm未満であり、酸二量体の含有率が一般に100ppm未満である。
重質化合物に富み、場合により微量のエステルを含む、塔(6)の底部の流れ(16)は、部分的にリサイクルされまたは除去され得る。
図4に示す本発明の別の実施形態によれば、トッピング工程(i)の前に、底部で、微量のエステルと共に酸二量体および重質化合物の大部分を含む流れ、および頂部で、エステル、未反応の反応物質および酸に関連する不純物および微量の重質化合物を含む流れを分離するために、反応混合物をテーリングカラムで蒸留する工程であって、前記オーバーヘッド流は次にトッピング工程(i)に供される工程が設けられる。
本発明のこの実施形態によれば、工程(i)のトッピング塔からの底部流および工程(i)aで洗浄された有機相は、酸に関連する不純物および減少した量の重質化合物を含有し、それにより最終蒸留塔からの底部流の量を減少させ、残留酸性が無く、および残留アルコールを含まない純粋な生成物を得ることが可能である。
図4を参照すると、トッピング塔(3)の前には、プレートカラムまたは充填カラムタイプのテーリング塔(30)が設けられる。
酸二量体および重質化合物の大部分(テーリング)を分離し、酸二量体および重質化合物を枯渇させた流れをトッピング工程に供給するために、反応混合物(1)を第1の蒸留塔(30)に送る。
塔(30)からの底部流(31)は、酸二量体および重質化合物に加えて、微量の軽質化合物およびエステルを含有する。
この流れ(31)は有利には、例えば、薄膜蒸発器(35)で濃縮され、エステルを伴う軽質化合物を塔(30)の供給物にリサイクルさせることが可能になり、重質残渣(34)を、例えば、焼却によって除去する。
重質化合物の大部分およびほぼ全ての酸二量体が除去された塔(30)からのオーバーヘッド流(32)は、次にトッピング塔(3)に送られ、微量のエステルを含む軽質生成物を含むオーバーヘッド流(4)が得られる。トッピング塔(3)からの底部流(33)は、90重量%より多く、さらに94重量%より多いエステル、酸に関連する不純物およびテーリング工程で分離されない重質化合物、ならびに微量の軽質化合物を含む。
上述の実施形態の場合と同様に、この流れ(33)は、酸に関連する不純物を除去するために水性流(20)で処理される。
処理すべき流れに対して10%のオーダーの水分量により、一般に、水相中の酸に関連する全ての不純物、および前のテーリング工程に起因して既に含有量が減少された酸二量体の一部を除去することが可能になる。
酸に関連する不純物を含むデカントした水相(22)は除去またはリサイクルされる。有機相(13)は、塔または好ましくは薄膜蒸発器からなる乾燥器(15)に送られる。
水およびエステルを含有する流れ(21)は、流れ(33)を洗浄するために完全にまたは部分的にリサイクルされ、それにより、洗浄回路に導入される新鮮な水(20)の量を最小にする。
乾燥した流れ(23)は、最終精留塔(6)に送られ、その頂部で精製エステル(18)が最終精留塔から出る。底部では、アルコールおよび微量のアルコールを含有する流れ(24)が有利には塔(30)の供給物にリサイクルされる。
本発明のこの実施形態によれば、残留酸性を含まず、一般に200ppm未満のアルコール含有率および一般に5ppm未満の酸二量体含有率を有するエステルが得られる。
トッピング塔(3)における軽質化合物の分離の上流のテーリング塔(30)における重質化合物の分離工程を用いることにより、酸二量体および重質化合物をほとんど含まない流れを蒸留トレインの残りの部分に輸送することができる。
純粋な生成物の精留塔(6)に供給される流れ(23)中にこれらの不純物が存在しないことにより、この蒸留塔の操作が容易になり、還流比および塔の加力を低下させ、これによりプラントのより良好な生産性、底部流(24)の生成の減少、および純粋なエステル中の酸二量体の実質的な欠如をもたらす。最終蒸留塔の供給物中に重質化合物および酸に関連する不純物が実質的に存在しないため、純粋なエステル中の残留アルコール含有率もまた減少する。
以下の実施例は本発明を例示するが、その範囲を限定するものではない。
実験セクション
実施例において、百分率は、特に明記しない限り、重量で示され、以下の略語が使用された。
AA:アクリル酸
A2EH:2−エチルヘキシルアクリレート
2EH:2−エチルヘキサノール
HPA:β−ヒドロキシプロピオン酸
Di−AA:AA二量体
PTZ:フェノチアジン
[実施例1:アルコール/酸モル比(MR)の影響]
2−エチルヘキシルアクリレートの合成に使用される装置は、図1に示すように、水の除去を伴う攪拌型ループ反応器の操作を再現する小さな合成パイロットプラントである。
反応器は、340ml(初期見掛け体積)のLanxessからのカチオン性樹脂K2620を含有する。
反応器に純粋なアクリル酸および2−エチルヘキサノールを供給する。リサイクルされた流れは導入されない。
各通過について、樹脂への反応混合物の滞留時間は、ループに再循環される流れの体積流量に対する樹脂の体積の比で表され、18分に等しい。供給流れの体積流量に対する樹脂の体積の比で表される全滞留時間は2.9時間に等しい。
蒸留塔は、約6つの理論段階に相当し、80mmHgの圧力で動作し、ヘッド温度は35℃であるVigreux型の実験室塔である。反応水は、2−エチルヘキサノールとの共沸混合物の形態で除去される。
2つの試験シリーズを実施し、最初のシリーズは樹脂の床温度87℃で、第2のシリーズは95℃の温度で行った。
再循環ループの再循環比率は、7.9または8に等しい。
各シリーズについて、反応器入口におけるモル比が1.1(または1.2)および2(2.2)に等しくなるように、アルコールおよび酸の供給速度を調整した。
各試験条件について、少なくとも48時間の操作後に2から3個の反応混合物試料を採取した。得られた試料をガスクロマトグラフィーまたは液体クロマトグラフィーで分析して重量による組成を決定し、以下の式に従って転化率および選択率を算出した。
酸への転化率、%=転化された酸のモル/供給物中の酸のモル×100
酸に対するエステルの選択率、%=形成されたエステルのモル/転化された酸のモル数×100
アルコールに対するエステルの選択率、%=形成されたエステルのモル/転化されたアルコールのモル数×100
転化された酸のモル数は、供給原料中の酸のモル数と再循環ループを出る酸のモル数(塔頂部の水相および流出する粗製反応混合物中の)との間の差から算出した。
転化されたアルコールのモル数は、供給物中のアルコールのモル数と再循環ループを出るアルコールのモル数(流出する粗製反応混合物中の)との間の差から算出した。
完全なループの終わりでバランスが遂行され、主な副生成物が定量化される。
結果を表1に示す。
Figure 0006618524
これらの試験は、反応器入口におけるアルコール/酸のモル比を増加させることにより(入口でのAA濃度がより低い)、酸の転化率だけでなく、大体一定であるアルコールに対するエステルの選択率に対し、転化された酸に対するエステルの選択率を改善することが可能であることを示す。
本発明によれば、反応器入口におけるアルコール/酸のモル比は重質副生成物の生成に影響を与え、反応中に生成する副生成物の量は20%を超えて減少し、そのことはエステルの精製および除去される材料の量に有益な効果を及ぼす。この効果は、より高い温度では際立つ。
酸に関連する不純物は、本発明の条件下では減少した量で生成される。
[実施例2:アルコール/酸モル比(MR)の影響]
この実施例は、90トン/日の規模での2−エチルヘキシルアクリレートの工業生産装置に対するMRの影響を示す。
この装置を、触媒床の入口で1.25から1.9の範囲の、アルコール/酸のモル比(3つの生産P1、P2およびP3)で操作した。温度は85℃で一定に保ち、再循環比率はほぼ同じままであった。
反応器はマクロ多孔性型の強カチオン性樹脂40mの固定床である。反応器は下降モードで供給される。
結果を表2に示す。
Figure 0006618524
本発明のMR条件で行われる工業生産により、酸およびアルコールおよび酸に関連した微量の不純物のみを含む2−エチルヘキシルアクリレートの粗製生成物に対するエステルの選択率が実質的に改善された。さらに、この方法により、より少量の重質副生成物が生じた。
[実施例3:水が酸に関連する不純物および重質副生成物の形成に及ぼす影響]
この実施例は、反応器中の水の存在がHPAおよびAA二量体の形成および重質副生成物の総量に及ぼす有害な影響を実証することを目的とする。
使用した装置は、実施例1と同様であり、以下の操作条件を有する。
DOWからの樹脂A16
反応温度:88℃
新鮮なAAの供給速度:39g/時間
ループ内で再循環する流れの流量:950g/時間
再循環比率:8
供給物中のアルコール/酸のモル比:1.1
反応器に流入するアルコール/酸のモル比:1.2から1.3
1回の通過に対する反応器での滞留時間:20.6分
反応器内の総滞留時間:3.6時間
試験Aは純粋なAAを用いて行い、試験Bは1重量%の水を加えたAAの流れで行った。
表3の結果は、酸に関連する不純物および重質副生成物の量が、試験Aと比較して試験Bにおいて大きいことを示す。
Figure 0006618524
[実施例4:再循環比率の影響]
工業的装置で2つのシリーズの試験を実施し、再循環ループの再循環比率を変化させた。
同様に、酸への転化率、エステルの選択率および重質副生成の量を、少なくとも48時間の操作後に採取した試料から決定した。
結果を表4に示す。
Figure 0006618524
再循環比率が増加すると、アクリル酸の転化度が増加する。再循環比率が増加すると、エステルの生成に対する重質副生成物の量が減少する。
試験(a)で得られた粗製反応混合物を図2に示す精製セクションに供した。特に、塔頂部においてHPAの大部分を分離し、酸に関連する不純物を実質的に含まないエステルを得るように、トッピング塔を制御した。
表5は、種々の流れ、即ち、反応ループの出口における流れ(2)、トッピング塔の底部における流れ(5)、トッピング塔の頂部における流れ(4)および精製されたエステルの流れ(7)の重量%での組成を示す。
Figure 0006618524
[実施例5(図3参照)]
本発明の方法によって得られた粗製反応混合物(1)は、以下の重量組成を有する。
− A2EH:67.8%
− 2EH:19.4%
− AA:7.7%
− HPA:119ppm
− AA二量体:780ppm
− 重質化合物:100%まで
粗製反応混合物を、頂部で、本質的に軽質化合物、特に残留反応物質AAおよび2EH、水、オクテン、少量の2−エチルヘキシルアセテートならびに微量のA2EHを含む流れ(4)ならびに底部で重質副生成物を含む不純物を含む必要なA2EHを主に含む流れ(5)を分離するトッピング塔(3)に送る。
流れ(4)は反応にリサイクルされる。
トッピング塔(3)の底部の流れ(5)は、以下の組成を有する。
− A2EH:94.35%
− 2EH:0.041%
− AA:17ppm
− HPA:32ppm
− AA二量体:1340ppm
流れ(5)を、二重ジャケット(図示せず)中の油の循環により加熱された攪拌容器中で、100gの流れ(5)に対して10gの水の割合で、純粋な水(20)を用いて70℃で10分間、洗浄し、洗浄した流れを、デカンター(12)において70℃で30分間デカントする。
デカントした有機相(13)は以下の重量組成を有する。
− A2EH:94.22%
− 2EH:580ppm
− 水:3800ppm
− AA:15ppm
− AA二量体:1070ppm
− HPA:なし
− 重質化合物:100%まで
次のことが観察される。
AA二量体の19%がデカントされた水相(22)に移行した;
HPAの100%が水相に抽出される;
総酸性度(HPA+AA+AA二量体)の10%が水相に移行した。
有機相(13)をルワ薄膜蒸発器(15)に送り、以下の条件下で有機相から水を除去する:T°油130℃−P:150mbar。
乾燥した有機相(14)中の残留水分含有率は100ppmである。
流れ(14)の重量組成は以下のとおりである。
− A2EH:94.32%
− 2EH:400ppm
− AA:16ppm
− HPA:なし
− AA二量体:1105ppm
− 水:100ppm
この流れ(14)を、約6つの理論段の効率を有する充填塔(6)上で、以下の条件で連続的に蒸留する。
頂部圧力:39mbar−T°塔の頂部:107℃−T°底部:120℃
塔の頂部で蒸留された、精製されたA2EHの流れ(7)は、以下の組成を有する。
− A2EH:99.64%
− 2EH:474ppm
− AA:18ppm
− HPA:なし
− AA二量体:60ppm
HPAを含まず、残留2−エチルヘキサノールが激減した2−エチルヘキシルアクリレートを得る。
[実施例6]
流れ(5)を洗浄するために水相(22)を3回連続して再使用して実施例5を繰り返す(図示せず)。
流れ(5)を実施例2の条件下で洗浄し、次いでデカントした水相(ΦA1)を流れ(5)を洗浄するために再利用する。
デカントした水相(ΦA2)を、流れ(5)の3回目の洗浄をするために使用する。デカントした水相を(ΦA3)とする。
Figure 0006618524
この実施例は、HPAの除去における効率を失うことなく、洗浄水を数回再使用することができ、洗浄工程での清浄な水の消費を低減することができることを示す。
[実施例7(図4参照)]
粗製反応生成物(1)は以下の重量組成を有する。
− A2EH:66.26%
− 2EH:20.64%
− AA:8.56%
− HPA:130ppm
− AA二量体:684ppm
− 重質化合物:100%まで
粗製物(1)中に存在する主な重質副生成物は、
− 2−エチルヘキシルヒドロキシプロピオネート:0.54% − 2−エチルヘキシルアクリルオキシプロピオネート:0.87% − 2−エチルヘキシルオキシプロピオネート:0.42%である。
粗製反応生成物(1)中に存在する重質副生成物の合計は67.5g/時間を表す。
重質副生成物の大部分を分離する(テーリング)ために、粗製反応生成物(1)を3245g/時間の流量で、約5つの理論段の理論効率を有するVigreux塔(30)に連続的に送る。条件は次のとおりである。
塔頂圧力:47mbar;
塔頂温度:100から108℃;
塔底温度:115から120℃。
オーバーヘッド流(32)の流量:2953g/時間
底部流(31)の流量:291.8g/時間
テーリング塔(30)のオーバーヘッド流(32)の重量組成は次のとおりである。
− A2EH:65.46%
− 2EH:22.92%
− AA:9.66%
− HPA:135ppm
− AA二量体:14ppm
− 重質化合物:なし
テーリング塔(30)の底部流(31)の重量組成は次のとおりである。
− A2EH:60.43%
− 2EH:0.053%
− AA:11ppm
− AA二量体:6340ppm
− 重質化合物:17.5%(即ち、51.2g/時間)
ほぼ全ての重質化合物、ならびにAA二量体の97%が、粗製反応生成物(1)から分離され、テーリング塔(30)の底部に残る。
オーバーヘッド流(32)は、重質化合物およびAA二量体を含まないが、HPAのほぼ全てを含有する。
底部流(31)を、以下の条件でルワ薄膜蒸発器(35)で処理する。
T°油:162℃ − 圧力:65mbar − 供給速度:270g/時間。
重質化合物の86%が蒸発器(35)の底部に残り、流れ(34)内に除去される。
蒸発器(35)の頂部において、流出流(36)は流れ(31)に含まれるA2EHの70%、2EHの86%およびAA二量体の39%を含有し、流れ(36)をテーリング塔(30)にリサイクルする。
テーリング塔(30)からのオーバーヘッド流(32)を、トッピング塔(3)に送る。
トッピング塔(3)は、図2および3の装置と同じタイプのものである。
塔(3)の操作条件は次のとおりである。
頂部圧力:47mbar
頂部温度:105℃ − 底部温度:143から148℃
流れ(32)の供給比率:2234g/時間
オーバーヘッド流(4)の流量:1203g/時間
底部流(33)の流量:1030.9g/時間
トッピング塔(3)からのオーバーヘッド流(4)の重量組成は次のとおりである。
− A2EH:40.44%
− 2EH:40.06%
− AA:17.01%
− HPA:174ppm
− AA二量体:26ppm
− 重質化合物:なし
トッピング塔(3)からのオーバーヘッド流(4)を反応に戻す。
トッピング塔(3)の底部流(33)の重量組成は次のとおりである。
− A2EH:99.49%
− 2EH:0.03%
− AA:<1ppm
− HPA:24 ppm
− AA二量体:90ppm
− 重質化合物:0.03%
トッピング塔(3)の底部流(33)を70℃で10分間(922.2gの流れ(9)について92.2gの水)の水(20)の流れで洗浄し、次いでデカンタ(12)中で70℃で30分間デカントする。
デカントした有機相(13)915.7gおよび水相(22)94.7gを回収する。
有機相(13)をルワ薄膜蒸発器(15)で乾燥させて、以下の条件で操作して有機相から水を除去する:T°油:100℃ − 圧力:38mbar
乾燥流(23)の重量組成は次のとおりである。
− A2EH:99.45%
− 2EH:0.03%
− AA <1ppm
− HPA:なし
− AA二量体:77ppm
− 水<100ppm
− 重質化合物:0.03%
実施例1および2のものと同じ、頂部で純粋なA2EHの流れ(18)を分離する最終蒸留塔(6)に、流れ(23)を送る。
塔(6)の操作条件は次のとおりである。
頂部圧力:39mbar − T°塔の頂部:107℃ − T°底部:120℃
オーバーヘッド流(18)は、以下の組成を有する。
− A2EH:99.72%
− 2EH:195ppm
− AA:8ppm
− HPA:なし
− AA二量体:<1ppm
− 重質化合物:なし
HPAを含まず、2−エチルヘキサノールの残留含有率が非常に低い2−エチルヘキシルアクリレートを得る。
純粋な生成物の蒸留塔の底部の流れ(24)を、テーリング塔(30)の供給物に戻す。

Claims (12)

  1. −C10アルキル(メタ)アクリレートを製造する方法であって、
    (a)触媒として有効量のカチオン性樹脂を含むエステル化反応器内で、(メタ)アクリル酸をエステル化アルコールと直接エステル化して、C −C 10 アルキル(メタ)アクリレートと反応水とを含む粗製反応混合物を生成する工程であって、エステル化アルコールが、4から10個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル鎖を含む第1級または第2級脂肪族アルコールであり、反応器入口におけるエステル化アルコール/(メタ)アクリル酸のモル比が1.4から3の間であ工程と、
    (b)粗製反応混合物の第1の部分を精製処理に循環させる工程と、
    (c)粗製反応混合物の第2の部分を、エステル化反応器と水を除去するのに適した、エステル化反応器の上部に配置された蒸留塔とを一緒に連結する再循環ループ内を、6から25の範囲の再循環比率で循させ工程であって、再循環比率が、再循環ループに循環させた粗製反応混合物の第2の部分に対する精製処理に循環させた粗製反応混合物の第1の部分の重量比である、工程と、
    (d)エステル化アルコールと反応水とを含む共沸混合物を蒸留塔から除去する工程と
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 反応器入口におけるエステル化アルコール/(メタ)アクリル酸のモル比は1.8から2.3の間であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 再循環比率は10から20の間であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 再循環比率は10から15の間であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  5. エステル化アルコールは、ブタノール、2−エチルヘキサノール、n−オクタノール、2−オクタノール、n−デカノールおよび2−プロピルヘプタノールであることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  6. エステル化アルコールは、2−エチルヘキサノールまたは2−オクタノールであることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  7. 反応物質供給物の総体積流量に対する樹脂の体積の比で表される、触媒樹脂と接触している粗製反応混合物の総滞留時間は、2時間から6時間の間であることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  8. 少なくとも以下の工程:
    (i) 以下を得るために粗製反応混合物をトッピング塔中で蒸留に供する工程;
    o 頂部で、未反応の反応物質から本質的になる流れ、
    o 底部で、必要なエステル、(メタ)アクリル酸およびエステル化アルコールに関連する不純物、ならびに重質副生成物を含む流れ
    (ii)以下を分離するために底部流をトッピング塔から精留塔に導く工程:
    o 頂部で、必要とされる精製エステル、
    o 底部で、(メタ)アクリル酸およびエステル化アルコールに関連する不純物ならびに重質副生成物を含む流れであって、存在する軽質化合物を精留塔にリサイクルさせ、重質副生成物の最終残渣を除去するために薄膜蒸発器上で濃縮されるか、またはテーリング塔で蒸留される流れ
    を含む、再循環ループを出る粗製反応混合物の精製処理をさらに含むことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  9. (メタ)アクリル酸に関連する不純物が、トッピング塔において少なくとも部分的に同伴されることを特徴とする請求項に記載の方法。
  10. トッピング塔からの底部流は、工程(ii)でそれが精留塔に送られる前に水性流による洗浄工程(i)aに供されることを特徴とする請求項またはに記載の方法。
  11. 洗浄工程(i)aによりデカンテーション後に以下
    o (メタ)アクリル酸に関連する全ての不純物を含む水相、および
    o 必要なエステル、重質副生成物ならびに微量の水および(メタ)アクリル酸を含む有機相
    を得ることが可能になり、有機相が水の除去後に工程(ii)に供されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. トッピング工程(i)の前に重質副生成物の一部を分離するためにテーリング塔内で粗製反応混合物を蒸留する工程が行われることを特徴とする請求項から11のいずれか一項に記載の方法。
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