JP6617799B2 - メンテナンス液及びメンテナンス方法 - Google Patents

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Description

本発明は、メンテナンス液及びメンテナンス方法に関する。
インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、
各方面で急速な発展を遂げている。例えば、特許文献1には、超微細パターンの転写を行
ってもパターン転写の欠陥を少なくする手法を提供することを目的として、重合性単量体
を主成分とする光硬化性組成物を、基材上または微細パターンを有するモールド上に、イ
ンクジェット装置を用いて吐出し、光硬化性組成物を基材と微細パターンを有するモール
ドではさんだ状態で光照射することを含むパターン形成方法に用いるインクジェット装置
のメンテナンス液であって、該メンテナンス液がエステルおよび/またはエーテル官能基
を有する化合物を含有するメンテナンス液が開示されている。
特開2012−31389号公報
しかしながら、特許文献1に記載のような従来のメンテナンス液では、メンテナンス時
に紫外線硬化型組成物(光硬化性組成物)中の重合開始剤が析出し、洗浄性が低下すると
いう問題がある。特に、硬化性を確保するために紫外線硬化型組成物が多量の重合開始剤
を含む場合にはこの問題が顕著となる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、メンテ
ナンス時の洗浄性が高く、メンテナンス後においては紫外線硬化型組成物の硬化性の低下
を抑制でき、紫外線硬化型組成物硬化性の優れた紫外線硬化型組成物のメンテナンスに用
いることができるメンテナンス液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、所定の重合性化合
物を用いることにより上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度が5.0質量
%以上である重合性化合物を含み、
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する紫外線硬化型組成物を被付着対
象に向けて吐出する吐出ヘッドを備える装置のメンテナンスに用いられる、メンテナンス
液。
〔2〕
前記重合性化合物が、下記一般式(1)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アク
リル酸エステル、及び、芳香環を有する単官能(メタ)アクリレート化合物の少なくとも
いずれかを含む、前項〔1〕に記載のメンテナンス液。
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 (1)
(式(1)中、R1は、水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機
残基であり、R3は、水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
〔3〕
前記重合性化合物の20℃における粘度が、30mPa・s以下である、前項〔1〕又
は〔2〕に記載のメンテナンス液。
〔4〕
前記重合性化合物の含有量が、前記メンテナンス液の総量に対して、40質量%以上で
ある、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のメンテナンス液。
〔5〕
20℃における粘度が、20mPa・s以下である、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1
項に記載のメンテナンス液。
〔6〕
20℃における粘度が、前記紫外線硬化型組成物の20℃における粘度よりも5mPa
・s以上低い、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のメンテナンス液。
〔7〕
前記紫外線硬化型組成物が、前記重合性化合物を含み、
前記メンテナンス液中の前記重合性化合物の含有量が、前記紫外線硬化型組成物中の前
記重合性化合物の含有量よりも10質量%以上多い、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項
に記載のメンテナンス液。
〔8〕
前記アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の、20℃における前記重合性化合物
に対する飽和溶解度が8.0質量%以上である、前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記
載のメンテナンス液。
〔9〕
シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤の少なくともいずれかを含む、前項〔
1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のメンテナンス液。
〔10〕
前記重合性化合物の分子量が、170以上である、前項〔1〕〜〔9〕のいずれか1項
に記載のメンテナンス液。
〔11〕
前記紫外線硬化型組成物中のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量が、
5.0質量%以上である、前項〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載のメンテナンス液

〔12〕
溶解度パラメータが、5.0以上である、前項〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載
のメンテナンス液。
〔13〕
前記飽和溶解度は、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィン
オキサイドの20℃における飽和溶解度である、前項〔1〕〜〔12〕のいずれか1項に
記載のメンテナンス液。
〔14〕
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する紫外線硬化型組成物を被付着対
象に向けて吐出する吐出ヘッドを備える装置を、前項〔1〕〜〔13〕のいずれか1項に
記載のメンテナンス液を用いてメンテナンスする工程を有する、メンテナンス方法。
〔15〕
前記装置が、吐出された前記紫外線硬化型組成物に紫外線を照射するための紫外線発光
ダイオードを備え、
該紫外線発光素子が、発光ピーク波長を360〜420nmの範囲に有する、前項〔1
4〕に記載のメンテナンス方法。
〔16〕
前記装置が、前記紫外線硬化型組成物を加温する加温機構を備え、加温した組成物を吐
出するものである、前項〔14〕又は〔15〕に記載のメンテナンス方法。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々
な変形が可能である。
〔メンテナンス液〕
本実施形態のメンテナンス液は、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃
における飽和溶解度が5.0質量%以上である重合性化合物を含み、アシルホスフィンオ
キサイド系光重合開始剤を含有する紫外線硬化型組成物を被付着対象に吐出する吐出ヘッ
ドを備える装置のメンテナンスに用いられる。
〔重合性化合物〕
本実施形態のメンテナンス液は、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃
における飽和溶解度が5.0質量%以上である重合性化合物を含む。このような重合性化
合物を含むことにより、メンテナンス時の洗浄性がより向上し、メンテナンス後において
は紫外線硬化型組成物の硬化性の低下をより抑制できる。
上記の重合性化合物のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽
和溶解度は、5.0質量%以上であり、好ましくは8.0質量%以上であり、より好まし
くは10質量%以上である。上記飽和溶解度が5.0質量%以上である重合性化合物によ
り、メンテナンス時の洗浄性がより向上する傾向にある。なお、重合性化合物のアシルホ
スフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度の上限は、特に限定され
ないが、20質量%以下が好ましい。
上記の重合性化合物の含有量は、メンテナンス液の総量に対して、好ましくは40質量
%以上であり、より好ましくは50質量%以上であり、さらに好ましくは65質量%以上
である。上記重合性化合物の含有量が40質量%以上であることにより、メンテナンス時
の洗浄性がより向上し、メンテナンス後においては紫外線硬化型組成物の硬化性の低下を
より抑制できる傾向にある。また、上記の重合性化合物の含有量は、メンテナンス液の総
量に対して、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは85質量%以下であり、
さらに好ましくは80質量%以下である。重合性化合物の含有量が90質量%以下である
ことにより、メンテナンス液の設計の自由度が高まりメンテナンス液の低粘度化など他の
特性とのバランスに優れる場合がある。
特に、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度が8.
0質量%以上の重合性化合物の含有量は、好ましくは30質量%以上80質量%以下であ
り、より好ましくは40質量%以上80質量%以下であり、さらに好ましくは50質量%
以上80質量%以下である。アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃におけ
る飽和溶解度が8.0質量%以上の重合性化合物の含有量が上記範囲内であることにより
、メンテナンス時の洗浄性がより向上し、メンテナンス後においては紫外線硬化型組成物
の硬化性の低下をより抑制できる傾向にある。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度は後述の実施
例の飽和溶解度測定の方法で求めることができる。なお、重合性化合物のアシルホスフィ
ンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度を求める際のアシルホスフィン
オキサイド系光重合開始剤としては後述の実施例の飽和溶解度測定で用いたものである。
重合性化合物としては、特に限定されないが、例えば、従来公知の、単官能、2官能、
及び3官能以上の多官能のモノマー及びオリゴマーが使用可能である。重合性化合物は1
種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。このなかでも、重合性化
合物として、下記一般式(1)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エス
テル、及び、芳香環を有する単官能(メタ)アクリレート化合物の少なくともいずれかを
含むことが好ましい。重合性化合物は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 (1)
(上記式(1)中、R1は、水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の
有機残基であり、R3は、水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
(ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル)
メンテナンス液が上記一般式(1)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル
酸エステルを含有することにより、メンテナンス時の洗浄性がより向上し、メンテナンス
後においては紫外線硬化型組成物の硬化性の低下をより抑制できる傾向にある。
上記の一般式(1)において、R2で表される炭素数2〜20の2価の有機残基として
は、炭素数2〜20の直鎖状、分枝状又は環状の置換されていてもよいアルキレン基、構
造中にエーテル結合及び/又はエステル結合による酸素原子を有する置換されていてもよ
い炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数6〜11の置換されていてもよい2価の芳香族
基が挙げられる。これらの中でも、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、
及びブチレン基などの炭素数2〜6のアルキレン基、オキシエチレン基、オキシn−プロ
ピレン基、オキシイソプロピレン基、及びオキシブチレン基などの、構造中にエーテル結
合による酸素原子を有する炭素数2〜9のアルキレン基が好適に用いられる。
上記の一般式(1)において、R3で表される炭素数1〜11の1価の有機残基として
は、炭素数1〜11の直鎖状、分枝状又は環状の置換されていてもよいアルキル基、炭素
数6〜11の置換されていてもよい1価の芳香族基が好適である。これらの中でも、メチ
ル基又はエチル基である炭素数1〜2のアルキル基、フェニル基及びベンジル基などの炭
素数6〜8の1価の芳香族基が好適に用いられる。
上記の各有機残基が置換されていてもよい基である場合、その置換基は、炭素原子を有
する基及び炭素原子を有しない基に分けられる。まず、上記置換基が炭素原子を有する基
である場合、当該炭素原子は有機残基の炭素数にカウントされる。炭素原子を有する基と
して、以下に限定されないが、例えばカルボキシル基、アルコキシ基が挙げられる。次に
、炭素原子を有しない基として、特に限定されないが、例えば水酸基、ハロ基が挙げられ
る。
上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されないが
、例えば、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられる。
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、メンテナンス液の総量
に対して、好ましくは15〜55質量%であり、より好ましくは20〜50質量%であり
、さらに好ましくは25〜45質量%である。ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸
エステルの含有量が15質量%以上であることにより、硬化性がより向上する傾向にある
。一方で、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルの含有量が55質量%以下
であることにより、保存安定性がより向上する傾向にある。
(芳香環を有する単官能(メタ)アクリレート化合物)
芳香環を有する単官能(メタ)アクリレート化合物としては、特に限定されないが、例
えば、フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリ
レート、ベンジルアクリレートが挙げられる。芳香環を有する単官能(メタ)アクリレー
ト化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香環を有する単官能(メタ)アクリレート化合物の含有量は、メンテナンス液の総量
に対して、好ましくは5.0〜90質量%であり、より好ましくは10〜85質量%であ
り、さらに好ましくは15〜80質量%である。芳香環を有する単官能(メタ)アクリレ
ート化合物の含有量が5.0質量%以上であることにより、硬化性がより向上する傾向に
ある。一方で、芳香環を有する単官能(メタ)アクリレート化合物の含有量が90質量%
以下であることにより、耐擦性がより向上する傾向にある。
メンテナンス液に含まれる重合性化合物の分子量は、好ましくは170以上であり、よ
り好ましくは190以上であり、さらに好ましくは210以上である。重合性化合物の分
子量が170以上であることにより、においがより発生しにくい傾向にある。また、重合
性化合物の分子量の上限は、特に限定されないが、300以下が好ましい。
メンテナンス液に含まれる重合性化合物の20℃における粘度は、好ましくは30mP
a・s以下であり、より好ましくは20mPa・s以下であり、さらに好ましくは15m
Pa・s以下である。メンテナンス液に含まれる重合性化合物の20℃における粘度が3
0mPa・s以下であることにより、洗浄性がより向上する傾向にある。重合性化合物の
20℃における粘度の下限は、特に限定されないが、1mPa・s以上が好ましい。なお
、ここでいう粘度は、メンテナンス液が複数の重合性化合物を混合物として含む場合には
、その混合物の粘度をいう。
なお、メンテナンス液は、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃におけ
る飽和溶解度が5.0質量%未満の重合性化合物をさらに含んでいてもよい。このような
、重合性化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジプロピレングリコールジアク
リレート、イソボルニルアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、イ
ソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレートが挙げられる。
〔界面活性剤〕
本実施形態のメンテナンス液は、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤としては、特
に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びアセチ
レングリコール系界面活性剤が挙げられる。このなかでも、界面活性剤として、シリコー
ン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物、ポリエーテル変性オルガ
ノシロキサン等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤の市販品としては、特に限定され
ないが、具体的には、具体的には、BYK−306、BYK−307、BYK−333、
BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、
BYK−349、BYK−UV3500(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社
製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355
A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF
−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、
KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルス
ルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル
、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パ
ーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤の市販品
としては、特に限定されないが、例えば、S−144、S−145(旭硝子株式会社製)
;FC−170C、FC−430、フロラード−FC4430(住友スリーエム株式会社
製);FSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300(Dupont
社製);FT−250、251(株式会社ネオス製)などが挙げられる。フッ素系界面活
性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4,
7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチ
ル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4−ジメ
チル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキ
レンオキサイド付加物から選択される一種以上が好ましい。アセチレングリコール系界面
活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、オルフィン104シリーズやオ
ルフィンE1010等のEシリーズ(エアプロダクツ社(Air Products Japan, Inc.)製
商品名)、サーフィノール465やサーフィノール61(日信化学工業社(Nissin Chemi
cal Industry CO.,Ltd.)製商品名)などが挙げられる。アセチレングリコール系界面活
性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の含有量は、メンテナンス液の総量に対し、好ましくは0.1〜5質量%で
あり、より好ましくは0.1〜3質量%である。界面活性剤の含有量が上記範囲内である
ことにより、記録装置のメンテナンス液が接する部分に対する、メンテナンス液の濡れ性
がより向上し、ひいては洗浄性がより向上する傾向にある。
〔重合禁止剤〕
本実施形態のメンテナンス液は、重合禁止剤を含んでもよい。重合禁止剤としては、特
に限定されないが、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ
)、1−o−2,3,5−トリメチルヒドロキノン、2−tert−ブチルヒドロキノン
等のヒドロキノン類;カテコール、4−メチルカテコール、4−tert−ブチルカテコ
ール等のカテコール類;フェノール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニ
ソール、p−メトキシフェノール、クレゾール、ピロガロール、3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、及び4,4
’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール類;2,2,6
,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル骨格を有する化合物、2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン骨格を有する化合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−
N−アルキル骨格を有する化合物、及び2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−
アシル骨格を有する化合物等のヒンダードアミン類が挙げられる。なお、重合禁止剤は、
1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合禁止剤の含有量は、メンテナンス液の総量に対し、好ましくは0.050〜0.5
0質量%であり、より好ましくは0.10〜0.40質量%であり、さらに好ましくは0
.15〜0.25質量%である。重合禁止剤の含有量が0.050質量%以上であること
により、メンテナンス時の洗浄性がより向上する傾向にある。また、重合禁止剤の含有量
が0.50質量%以下であることにより、メンテナンス後における紫外線硬化型組成物の
硬化性の低下をより抑制できる傾向にある。
〔溶剤〕
本実施形態のメンテナンス液は、溶剤をさらに含んでもよい。溶剤としては、特に限定
されないが、例えば、有機溶剤又は水を用いることができる。
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並
びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照
射又は過酸化水素の添加等によって滅菌した水を用いると、メンテナンス液を長期保存す
る場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。これにより貯蔵安定性がより
向上する傾向にある。
有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、グリセリン、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジ
オール、1,2−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エ
チレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso
−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコー
ルモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル
、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル
、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プ
ロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレング
リコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル
、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−
iso−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリ
コールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリ
コールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレ
ングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、メタノー
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノー
ル、2−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール、
2−ペンタノール、3−ペンタノール、及びtert−ペンタノール等のアルコール類又
はグリコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−
ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、及び1,1,3,3−テトラ
メチル尿素が挙げられる。有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
〔その他の成分〕
本実施形態のメンテナンス液は、その保存安定性及びヘッドからの吐出安定性を良好に
維持するため、目詰まり改善のため、又はメンテナンス液の劣化を防止するため、溶解助
剤、粘度調整剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、及び分散に影
響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート化剤などの、種々の添加剤を適宜添加す
ることもできる。
〔粘度〕
メンテナンス液の20℃における粘度は、好ましくは20mPa・s以下であり、より
好ましくは17.5mPa・s以下であり、さらに好ましくは15mPa・s以下である
。メンテナンス液の20℃における粘度が上記範囲内であることにより、メンテナンス時
の洗浄性がより優れる傾向にある。また、メンテナンス液の20℃における粘度の下限は
、特に限定されないが、5.0mPa・s以上が好ましい。粘度は、実施例に記載の方法
により測定することができる。
メンテナンス液の20℃における粘度が、紫外線硬化型組成物の20℃における粘度よ
りも、好ましくは5.0mPa・s以上低く、より好ましくは4.0mPa・s以上低く
、さらに好ましくは3.0mPa・s以上低い。メンテナンス液の20℃における粘度が
、紫外線硬化型組成物の20℃における粘度よりも5.0mPa・s以上低いことにより
、メンテナンス時の洗浄性がより向上する傾向にある。
メンテナンス液の溶解度パラメータは、好ましくは5.0以上であり、より好ましくは
7.5以上であり、さらに好ましくは10以上である。メンテナンス液の溶解度パラメー
タが5.0以上であることにより、メンテナンス時の洗浄性がより向上する傾向にある。
なお、メンテナンス液の溶解度パラメータの上限は、特に限定されないが、20以下が好
ましい。
また、メンテナンス液の溶解度パラメータは、後述する紫外線硬化型組成物の溶解度パ
ラメータよりも、好ましくは0.50以上大きく、より好ましくは1.0以上大きく、さ
らに好ましくは2.0以上大きい。メンテナンス液の溶解度パラメータが紫外線硬化型組
成物の溶解度パラメータよりも0.5以上大きいことにより、メンテナンス時の洗浄性が
より向上する傾向にある。
なお、組成物(メンテナンス液及び紫外線硬化型組成物)の溶解度パラメータ(SP値
)は、下記式で求めることができる。
溶解度パラメータ(SP値)=重合性化合物中のアシルホスフィンオキサイド系光重合
開始剤の溶解度×当該重合性化合物の組成物中(100質量部)に対する含有量(質量%
)÷100)
(組成物が複数の重合性化合物を含む場合は上記値を加算した総和である。)
〔メンテナンス用〕
本実施形態のメンテナンス液は、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有す
る紫外線硬化型組成物を被付着対象に向けて吐出する吐出ヘッドを備える装置のメンテナ
ンスに用いられる。以下、装置の1実施形態として記録装置を記載するが装置は吐出ヘッ
ドを備える装置であればよい。ここで「メンテナンス」とは、記録装置を洗浄すること、
記録装置の組成物流路内を紫外線硬化型組成物からメンテナンス液へ置換すること、組成
物流路内をメンテナンス液で充填することをいう。ここで、「組成物流路」とは、記録装
置において、紫外線硬化型組成物を流通させるための流路をいう。組成物流路としては、
例えば、紫外線硬化型組成物を貯留する紫外線硬化型組成物収容容器、紫外線硬化型組成
物収容容器から吐出ヘッドに紫外線硬化型組成物を供給するための供給路、吐出ヘッド内
において紫外線硬化型組成物をノズル開口部まで流通させるための流路が挙げられる。
洗浄対象部材は、記録装置の組成物流路、ヘッド内、ノズルプレート、キャップ、及び
ワイパなどの紫外線硬化型組成物が付着し得る部材全ての少なくとも何れかである。洗浄
方法は、特に限定されないが、例えば、記録装置の組成物流路にメンテナンス液を流通さ
せる方法、ノズルプレート、キャップ、及びワイパにメンテナンス液を付着させる方法が
挙げられる。
記録装置の組成物流路内を紫外線硬化型組成物からメンテナンス液へ置換する方法、及
び、組成物流路内をメンテナンス液で充填する方法としては、特に限定されない。例えば
、紫外線硬化型組成物の初期充填性を高める場合には、紫外線硬化型組成物充填前に、上
流側である紫外線硬化型組成物収容容器にメンテナンス液を充填することが好ましい。こ
れにより、紫外線硬化型組成物充填時に紫外線硬化型組成物収容容器に発生する気泡と、
紫外線硬化型組成物流路内の気泡とを効率的に除去することが可能となり、紫外線硬化型
組成物の充填性を向上させることができる。
また、記録装置を用いた画像の記録を長期間行わない場合や、吐出不良が起こった場合
には、組成物流路内を紫外線硬化型組成物からメンテナンス液に置換することができる。
メンテナンス液への置換は、紫外線硬化型組成物で満たされた組成物流路内にメンテナン
ス液を流入させて、組成物流路内の紫外線硬化型組成物をメンテナンス液に置き換えるこ
とで行うことができる。この際、メンテナンス液の流入に先立って、組成物流路内の紫外
線硬化型組成物を系外に排出してもよい。
一方、記録装置を用いて記録を再開する場合には、メンテナンス液で満たされた組成物
流路内に紫外線硬化型組成物を流入させて、メンテナンス液をノズル開口部から排出させ
ることで、メンテナンス液を紫外線硬化型組成物と置換すればよい。この際、紫外線硬化
型組成物の流入に先立って、組成物流路内のメンテナンス液をノズル開口部から排出させ
てもよい。
また、組成物流路を紫外線硬化型組成物又はメンテナンス液で充填する際に、紫外線硬
化型組成物とメンテナンス液とを通常のクリーニング動作で入れ替えることにより、充填
してもよい。また、吐出ヘッドのノズル開口面に貫通口を有するキャップをかぶせて、貫
通口にチューブを介して連通した吸引ポンプにより、キャップ内に負圧を発生させて、紫
外線硬化型組成物又はメンテナンス液を組成物流路内に流通させることで充填してもよい
このように、メンテナンス液を用いることにより、記録装置の組成物流路、ノズルプレ
ート、キャップ、及びワイパなどの紫外線硬化型組成物が付着し得る部材において、紫外
線硬化型組成物に由来する硬化物が残留することを防ぐことができる。
〔記録装置〕
記録装置は、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する紫外線硬化型組成
物を被付着対象に向けて吐出する吐出ヘッドを備える。より具体的には、記録装置は、組
成物供給システムを備え、紫外線硬化型組成物収容容器から吐出ヘッドへ供給された紫外
線硬化型組成物を、吐出ヘッドから被付着対象に向けて吐出し記録を行うものである。以
下、本実施形態の記録装置について詳細に説明する。
(吐出ヘッド)
吐出ヘッドは、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する紫外線硬化型組
成物を被付着対象に向けて吐出するものである。これにより、被付着対象に紫外線硬化型
組成物が付着する。吐出ヘッドは、紫外線硬化型組成物を加温する加温機構を備えること
が好ましい。これにより、紫外線硬化型組成物の粘度を低下させることができ、吐出安定
性に優れた記録装置となる。
記録装置は、被付着対象に付着した紫外線硬化型組成物に対して、紫外線(光)を照射
する光源を備えることが好ましい。光源から紫外線を照射することにより、紫外線硬化型
組成物に含まれる光重合開始剤が分解して、ラジカル、酸、及び塩基などの開始種を発生
し、重合性化合物の重合反応が、その開始種の機能によって促進される。あるいは、紫外
線の照射により紫外線硬化型組成物に含まれる重合性化合物の重合反応が開始する。
光源(紫外線源)としては半導体光源が好ましい。半導体光源としては、例えば、紫外
線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)等の紫外
線発光素子(発光ダイオード)などが挙げられる。このなかでも、記録装置は、吐出され
た紫外線硬化型組成物に紫外線を照射するための紫外線発光素子を備えることが好ましい
。半導体光源を用いることにより、メタルハライド光源や水銀灯を用いる場合と比較して
、記録装置の小型化及び高寿命化、並びに記録方法の高効率化、低消費電力化、低発熱化
、及び低コスト化が可能となる。また、上記紫外線発光ダイオードの発光ピーク波長は、
好ましくは360〜420nmの範囲が好ましい。このようなピーク波長であれば、紫外
線硬化型組成物の硬化性がより向上する傾向にある。被付着対象に付着した紫外線硬化型
組成物に対して行う照射のエネルギーは。十分な硬化を行う点で、100〜1000mJ
/cm2が好ましく、200〜600mJ/cm2がより好ましい。
(組成物供給システム)
組成物供給システムは、例えば、紫外線硬化型組成物収容容器と、紫外線硬化型組成物
を吐出するノズルを有する吐出ヘッドと、紫外線硬化型組成物収容容器及び吐出ヘッドを
接続し、紫外線硬化型組成物収容容器から吐出ヘッドへ上記液体を供給する組成物供給路
と、を備える。
上記組成物供給システムを備えた記録装置は、記録装置の方式及び紫外線硬化型組成物
の供給方式によっていくつかの型に分類することができる。記録装置の方式としては、例
えば、ラインプリンター及びシリアルプリンター等の2次元記録装置、又は、3次元記録
装置が挙げられる。ラインプリンターは、被付着対象の幅に相当する長さのラインヘッド
を備えるものであり、ヘッドが(ほぼ)移動せずに固定されて、1パス(シングルパス)
で印刷が行われるものである。一方、シリアルプリンターは、ヘッドが被付着対象の搬送
方向と直交した方向に往復移動(シャトル移動)しながら、通常2パス以上(マルチパス
)で印刷が行われるものである。また、3次元記録装置は、CAD(Computer
Aided Design)等のデータに基づき、断面形状を積層することで3次元の立
体造形物を成形するものである。また、紫外線硬化型組成物供給方式としては、紫外線硬
化型組成物収容容器とキャリッジの吐出ヘッドとを、チューブ等の組成物供給路で繋いだ
オフキャリッジタイプが挙げられる。
(被付着対象)
被付着対象とは、2次元記録装置の場合は2次元の被記録媒体をいう。また、ステージ
上に紫外線硬化型組成物を吐出し、紫外線などを照射し硬化させて断面形状パターンを作
製し、作製された断面形状パターンに紫外線硬化型組成物をさらに吐出し、硬化させる工
程を繰り返して断面形状パターンを積層する3次元記録装置の場合は、被付着対象はステ
ージ又は硬化した紫外線硬化型組成物となる。
2次元の被記録媒体としては、例えば、吸収性又は非吸収性の被記録媒体が挙げられる
。吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、紫外線硬化型組成物の浸透
性が高い電子写真用紙などの普通紙、インクジェット用紙(シリカ粒子やアルミナ粒子か
ら構成された紫外線硬化型組成物吸収層、あるいは、ポリビニルアルコール(PVA)や
ポリビニルピロリドン(PVP)等の親水性ポリマーから構成された紫外線硬化型組成物
吸収層を備えたインクジェット専用紙)から、紫外線硬化型組成物の浸透性が比較的低い
一般のオフセット印刷に用いられるアート紙、コート紙、キャスト紙等が挙げられる。
また、非吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチッ
ク類のフィルムやプレート、鉄、銀、銅、アルミニウム等の金属類のプレート、又はそれ
ら各種金属を蒸着により製造した金属プレートやプラスチック製のフィルム、ステンレス
や真鋳等の合金のプレート等が挙げられる。
〔紫外線硬化型組成物〕
紫外線硬化型組成物は、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する。また
、紫外線硬化型組成物は、メンテナンス液に含まれ得る重合性化合物とメンテナンス液に
含まれ得る上記重合性化合物を含むことが好ましい。
(アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤)
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤は、長波長光のLEDを用いた紫外線硬化
型組成物の硬化に適する。そのため、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を用い
ることにより、UV−LEDによる硬化プロセスにより優れ、紫外線硬化型組成物の硬化
性、密着性が一層優れる傾向にある。本実施形態のメンテナンス液は、このような重合開
始剤を含む紫外線硬化型組成物を用いる記録装置に対して用いられる。なお、アシルホス
フィンオキサイド系光重合開始剤を用いた場合、メンテナンス時においてアシルホスフィ
ンオキサイド系光重合開始剤が析出しやすいことが問題であるが、本実施形態のメンテナ
ンス液であればこのような析出を抑制することができ、洗浄性に優れる。
紫外線硬化型組成物に含むアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、メン
テナンス液に含む重合性化合物に関して実施例の飽和溶解度測定で使用したものと同じも
のでもよく、これ以外の他のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤でもよく、複数
種のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含んでもよい。他のアシルホスフィン
オキサイド系光重合開始剤の重合性化合物に対する溶解性の大小の傾向も実施例の飽和溶
解度測定で用いたアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤と同じ傾向があり、本実施
形態においては、実施例の飽和溶解度測定で用いたアシルホスフィンオキサイド系光重合
開始剤の20℃における飽和溶解度が5.0質量%以上である重合性化合物をメンテナン
ス液に用いることで、他の各種アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する紫
外線硬化型組成物を吐出する吐出ヘッドを備える装置のメンテナンスにおいて前述の効果
を奏することができる。紫外線硬化型組成物に含むアシルホスフィンオキサイド系光重合
開始剤としては、実施例の飽和溶解度測定で用いたものがより好ましく、あるいは、他の
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を用いたこと以外は実施例の飽和溶解度測定
と同様にして測定した場合の飽和溶解度が実施例の飽和溶解度測定で測定した飽和溶解度
以上になるような他のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤もより好ましい。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、特に限定されないが、具体的に
は、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,
4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、及びビス−(2,
6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイドが
挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の市販品としては、特に限定されないが、
例えば、IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェ
ニルホスフィンオキサイド)、DAROCUR TPO(2,4,6−トリメチルベンゾ
イル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−
2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量は、紫外線硬化型組成物の総量に
対し、好ましくは5.0質量%以上であり、より好ましくは6.0質量%以上であり、さ
らに好ましくは8.0質量%以上である。アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の
含有量が5.0質量%以上であることにより、紫外線硬化型組成物の硬化性がより向上す
る傾向にある。また、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量は、紫外線硬
化型組成物の総量に対し、好ましくは12質量%以下であり、より好ましくは10質量%
以下である。アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量が12質量%以下であ
ることにより、メンテナンス時の洗浄性がより向上する傾向にある。
(重合性化合物)
重合性化合物としては、上記メンテナンス液に含まれ得るものとして例示したもの、及
び、それ以外の重合性化合物を挙げることができる。重合性化合物をメンテナンス液に用
いることにより、メンテナンス液をヘッド充填液として用い、長期充填させておく場合の
ヘッドアタック性を低下させることができ、また、メンテナンス後、紫外線硬化型組成物
に再置換する際の再置換性を向上させることができる。
メンテナンス液中の重合性化合物の総含有量は、紫外線硬化型組成物中の重合性化合物
の総含有量よりも、好ましくは10質量%以上多く、より好ましくは15質量%以上20
質量%以下多い。メンテナンス液中の重合性化合物の含有量が、紫外線硬化型組成物中の
重合性化合物の含有量よりも10質量%以上多いことにより、メンテナンス時の洗浄性が
より向上し、メンテナンス後においては紫外線硬化型組成物の硬化性の低下をより抑制で
きる傾向にある。
〔その他の成分〕
本実施形態の紫外線硬化型組成物は、顔料及び染料等の色材、溶解助剤、粘度調整剤、
pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、及び分散に影響を与える金属イ
オンを捕獲するためのキレート化剤などの、種々の添加剤を適宜添加することもできる。
〔メンテナンス方法〕
本実施形態のメンテナンス方法は、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有
する紫外線硬化型組成物を被付着対象に向けて吐出する吐出ヘッドを備える記録装置を、
上記メンテナンス液を用いてメンテナンスする工程を有する。
記録装置としては、上記同様のものが挙げられる。メンテナンス工程において行う操作
としては、具体的には、記録装置の洗浄、記録装置の組成物流路内の紫外線硬化型組成物
からメンテナンス液への置換、組成物流路内のメンテナンス液の充填が挙げられる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実
施例によって何ら限定されるものではない。
[メンテナンス液及び紫外線硬化型組成物の材料]
下記の実施例及び比較例において使用したメンテナンス液及び紫外線硬化型組成物用の
主な材料は、以下の通りである。
〔重合性化合物〕
V#192(フェノキシエチルアクリレート、大阪有機化学工業社製、IRGACUR
E 819の飽和溶解度10質量%、DAROCUR TPOの飽和溶解度20質量%、
粘度8.7mPa・s、分子量192)
SR508(ジプロピレングリコールジアクリレート、サートマー社製、IRGACU
RE 819の飽和溶解度4.0質量%、DAROCUR TPOの飽和溶解度8質量%
、粘度10mPa・s、分子量242)
VEEA(アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、日本触媒社製、IRG
ACURE 819の飽和溶解度6.0質量%、DAROCUR TPOの飽和溶解度1
2質量%、粘度2.5mPa・s、分子量186)
DA−141(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ナガセケムテ
ックス社製、IRGACURE 819の飽和溶解度5.5質量%、DAROCUR T
POの飽和溶解度11質量%、粘度150mPa・s、分子量222)
IBXA(イソボルニルアクリレート、東亞合成社製、IRGACURE 819の飽
和溶解度3.8質量%、DAROCUR TPOの飽和溶解度7.6質量%、粘度7.7
mPa・s、分子量208)
FA−BZA(ベンジルアクリレート、日立化成社製、IRGACURE 819の飽
和溶解度14.2質量%、DAROCUR TPOの飽和溶解度28.4質量%、粘度5
.5mPa・s、分子量162)
LA(ラウリルアクリレート、大阪有機化学工業社製、IRGACURE 819の飽
和溶解度2.0質量%、DAROCUR TPOの飽和溶解度4質量%、粘度4.0mP
a・s、分子量240)
IOAA(イソオクチルアクリレート、大阪有機化学工業社製、IRGACURE 8
19の飽和溶解度3.0質量%、DAROCUR TPOの飽和溶解度6質量%、粘度2
.0mPa・s、分子量184)
A−DPH(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 新中村化学工業社製、IR
GACURE 819の飽和溶解度1質量%、DAROCUR TPOの飽和溶解度2質
量%、粘度6600mPa・s、分子量578)
〔溶媒〕
TPGmME(トリプロピレングリコールモノメチルエーテル)
〔界面活性剤〕
BYK−UV3500(BASF社製)
〔重合禁止剤〕
MEHQ(p−メトキシフェノール、東京化成工業社製)
〔光重合開始剤〕
IRGACURE 819(BASF社製)
DAROCUR TPO(BASF社製)
IRGACURE 184(BASF社製)
IRGACURE 369(BASF社製)
〔色材〕
カーボンブラック
[メンテナンス液及び紫外線硬化型組成物の調製]
各材料を下記の表1及び2に示す組成で混合し、十分に撹拌し、各メンテナンス液及び
各紫外線硬化型組成物を得た。なお、下記の表1及び2中、数値の単位は質量%であり、
合計は100.0質量%である。
〔重合性化合物中のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の飽和溶解度測定〕
重合性化合物300gに、20℃において、光重合開始剤を添加し、撹拌回転速度30
0rpmにて3時間撹拌後、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(ビス(2,4
,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド)が溶解したか否かを確
認した。この操作を繰り返し、溶解した最大のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始
剤の添加量を確認した。なお、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤が溶解したか
否かは目視にて確認し、粒状に残っているアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の
有無や重合性化合物全体が濁っているか否かで溶解したか否かを判断した。溶解した最大
のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の添加量に基づいて、下記式により重合性
化合物中のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の飽和溶解度を算出した。
重合性化合物中のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の飽和溶解度=溶解した
最大のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の質量/(重合性化合物の質量+溶解
した最大のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の質量)×100(%)
〔洗浄性〕
直径2mmのポリプロピレン製チューブ200mmに紫外線硬化型組成物を充填した。
紫外線硬化型組成物を充填したポリプロピレン製チューブにメンテナンス液を流速0.6
g/minで、20mL流した。メンテナンス液を20mL流した後のチューブ内の液体
を採取し、1/100に希釈して吸光度を測定した。得られた吸光度に基づいて下記評価
基準にて洗浄性を評価した。吸光度が低いほど、メンテナンス液が高い洗浄性を示すこと
を意味する。
(評価基準)
A:吸光度が0.5未満であった。
B:吸光度が0.5以上1.0未満であった。
C:吸光度が1.0以上であり、重合開始剤由来の析出物は発生しなかった。
D:吸光度が1.0以上であり、重合開始剤由来の析出物が発生した。
〔粘度〕
メンテナンス液及び紫外線硬化型組成物の20℃における粘度を粘度計(Physic
a社製 製品名MCR−300)を用いて測定した。得られた粘度に基づいて評価基準に
て粘度を評価した。
(評価基準)
A 20℃における粘度が20mPa・s以下であった。
B 20℃における粘度が20mPa・s超過であった。
〔におい〕
メンテナンス液の匂いを嗅いで、下記評価基準により、においを評価した。
(評価基準)
A:刺激臭なし
B:刺激臭あり
〔紫外線硬化型組成物の硬化性〕
プリンター(セイコーエプソン社製、PX−7500改造機)を用いて紫外線硬化型組
成物硬化性試験を行なった。まず、メンテナンス液カートリッジから吐出ヘッドまでを直
径2mmのポリプロピレン製チューブ200mmで接続した。次いで、チューブから吐出
ヘッドまでをメンテナンス液で充填した状態から、メンテナンス液カートリッジを紫外線
硬化型組成物カートリッジに交換し、チューブへ流速0.6g/minで20mLの紫外
線硬化型組成物を流した。その後、被記録媒体(東レ社製、製品名ルミラーS10)に対
し、吐出ヘッドから紫外線硬化型組成物を吐出し、被記録媒体に付着した紫外線硬化型組
成物に対し200mJ/cm2の照射エネルギーの紫外線を照射して、10μm厚のベタ
パターンの塗膜を形成した。紫外線ランプとしては395nmに発光ピーク波長を有する
LEDを用いた。また、照射エネルギー[mJ/cm2]は、光源から照射される被照射
表面における照射強度[mW/cm2]を測定し、これと照射継続時間[s]との積から
求めた。照射強度の測定は、紫外線強度計UM−10、受光部UM−400(いずれもコ
ニカミノルタセンシング社(KONICA MINOLTA SENSING, INC
.)製)を用いて行った。
得られた塗膜を、100gN荷重の条件にて綿棒で擦り、綿棒に紫外線硬化型組成物が
付着するか、被記録媒体上の紫外線硬化型組成物の塗膜に傷がつく場合にはタック性あり
と判断した。タック性の判断に基づいて下記評価基準により紫外線硬化型組成物の硬化性
を確認した。
(評価基準)
A:タック性が確認されなかった。
B:塗膜の硬化は確認されたが、塗膜に傷が見られタック性が確認された。
C:塗膜の硬化不良が確認され、塗膜が全体的にウェット感が残る状態であった。
Figure 0006617799
Figure 0006617799
比較例1及び2により、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤以外の重合開始剤
を含有する紫外線硬化型組成物を用いる記録装置の場合には、紫外線硬化型組成物硬化性
が劣ることが示された。
比較例3において、メンテナンス液は重合性化合物を含むが、アシルホスフィンオキサ
イド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度が5.0質量%以上である重合性化合物
を含まないため、洗浄性が劣ることが示された。
また、比較例4において、メンテナンス液は重合性化合物を一切含まないため、メンテ
ナンス後における紫外線硬化型組成物硬化性が劣ることが示された。
さらに、比較例5において、記録装置で用いる紫外線硬化型組成物がアシルホスフィン
オキサイド系光重合開始剤を含まないものである場合は、メンテナンス液がアシルホスフ
ィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度が5.0質量%以上である重
合性化合物を含まないものであっても洗浄性は比較的良いことが示されたが、比較例1及
び2と同様に紫外線硬化型組成物硬化性は劣っていた。このことから、アシルホスフィン
オキサイド系光重合開始剤を含み紫外線硬化型組成物硬化性が優れる紫外線硬化型組成物
を用いる場合において優れた洗浄性が得られる点で、本実施形態のメンテナンス液が必要
である。

Claims (22)

  1. ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドであるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度が5.0質量%以上である重合性化合物と、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドであるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度が5.0質量%未満である重合性化合物と、を含み、
    前記ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドであるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度が5.0質量%以上である重合性化合物の含有量が、メンテナンス液の総量に対し50質量%以上であり、
    ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドであるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する紫外線硬化型組成物を被付着対象に向けて吐出する吐出ヘッドを備える装置のメンテナンスに用いられる、メンテナンス液。
  2. 前記メンテナンス液に含む、前記ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドであるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度が5.0質量%以上である重合性化合物が、下記一般式(1)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル、及び、芳香環を有する単官能(メタ)アクリレート化合物の少なくともいずれかを含む、請求項1に記載のメンテナンス液。
    CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 (1)
    (式(1)中、R1は、水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は、水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
  3. 前記メンテナンス液に含む、前記ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドであるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度が5.0質量%以上である重合性化合物の20℃における粘度が、30mPa・s以下である、請求項1又は2に記載のメンテナンス液。
  4. 前記ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドであるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度が5.0質量%以上である重合性化合物の含有量が、前記メンテナンス液の総量に対して、50〜90質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のメンテナンス液。
  5. 20℃における粘度が、20mPa・s以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のメンテナンス液。
  6. 20℃における粘度が、前記紫外線硬化型組成物の20℃における粘度よりも5mPa・s以上低い、請求項1〜5のいずれか1項に記載のメンテナンス液。
  7. 前記紫外線硬化型組成物が、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドであるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度が5.0質量%以上である重合性化合物を含み、
    前記メンテナンス液中の前記ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドであるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度が5.0質量%以上である重合性化合物の含有量が、前記紫外線硬化型組成物中の前記ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドであるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度が5.0質量%以上である重合性化合物の含有量よりも10質量%以上多い、請求項1〜6のいずれか1項に記載のメンテナンス液。
  8. 前記メンテナンス液が、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドであるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度が8.0質量%以上である重合性化合物を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のメンテナンス液。
  9. シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤の少なくともいずれかを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のメンテナンス液。
  10. 前記メンテナンス液に含む、前記ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドであるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度が5.0質量%以上である重合性化合物の分子量が、170以上である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のメンテナンス液。
  11. 前記紫外線硬化型組成物中のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量が、5.0質量%以上である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のメンテナンス液。
  12. 溶解度パラメータが、5.0以上である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のメンテナンス液。
  13. 前記メンテナンス液が、前記ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドであるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度が5.0質量%未満である重合性化合物として、(メタ)アクリレートを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載のメンテナンス液。
  14. 前記メンテナンス液が、前記ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドであるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度が5.0質量%未満である重合性化合物として、単官能または2官能の(メタ)アクリレートを含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載のメンテナンス液。
  15. 前記ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドであるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度が5.0質量%以上である重合性化合物として下記一般式(1)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルが、メンテナンス液の総量に対し40質量%以下である、請求項1〜14のいずれか1項に記載のメンテナンス液。
    CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 (1)
    (式(1)中、R1は、水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は、水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
  16. 前記ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドであるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度が5.0質量%以上である重合性化合物として芳香環を有する単官能(メタ)アクリレート化合物が、メンテナンス液の総量に対し80質量%以上である、請求項1〜15のいずれか1項に記載のメンテナンス液。
  17. 有機溶剤を含まない、請求項1〜16のいずれか1項に記載のメンテナンス液。
  18. 前記ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドであるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の20℃における飽和溶解度が5.0質量%以上である重合性化合物の含有量が、前記メンテナンス液の総量に対して、59.3〜90質量%である、請求項1〜17のいずれか1項に記載のメンテナンス液。
  19. ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドであるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する紫外線硬化型組成物を被付着対象に向けて吐出する吐出ヘッドを備える装置を、請求項1〜18のいずれか1項に記載のメンテナンス液を用いてメンテナンスする工程を有する、メンテナンス方法。
  20. 記装置が、吐出された前記紫外線硬化型組成物に紫外線を照射するための紫外線発光ダイオードを備える、請求項19に記載のメンテナンス方法。
  21. 前記紫外線発光ダイオードが、発光ピーク波長を360〜420nmの範囲に有する、請求項20に記載のメンテナンス方法。
  22. 前記装置が、前記紫外線硬化型組成物を加温する加温機構を備え、加温した組成物を吐出するものである、請求項19〜21の何れか一項に記載のメンテナンス方法。
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