JP6614537B2 - 独立発泡タイルの製造方法および独立発泡タイル - Google Patents

独立発泡タイルの製造方法および独立発泡タイル Download PDF

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本発明は、二酸化ケイ素を主成分とするフライアッシュ、二酸化ケイ素含有量が45%以上である粉砕した岩石、石炭灰および土壌のいずれか一方の材料、又は前記材料の少なくとも2種類を混合させた材料とするタイル製造方法に於いて、前記材料に混合させる発泡材により生成される気泡が前記タイル内部に於いて独立に存在し、非吸水性を有する軽量タイルの製造方法に関する。
発泡タイルは、断熱性及び耐久性に優れた建築材料であるとともに、軽量であることから作業性に優れ、駆体構造にかかる荷重の低減も図れるというメリットがある。その中には、表面に釉薬を施す場合と施さない場合の二つの場合があり、前者の施釉を施す場合には、見栄えを良くすることができるとともに、防汚性・耐水性等の耐久性も向上する。
一方で、釉薬を施したレンガやタイルの基材に於いて、当該基材が連続発泡である場合には釉薬が何らかの理由で剥がれたり、ヒビが入ったりすると雨水の侵入により基材内部に吸水し、冬場の低温時に吸水した雨水が凍結すると体積膨張を起こし基材が破損することになる。そのため軽量かつ非吸水性である独立発泡の基材の開発が重要となる。
軽量レンガやタイルの製造法として、産業廃棄物である石炭灰(フライアッシュ、ボトムアッシュ)やスラグなどが用いられる場合がある。一方で、フライアッシュは、ムライトや石英などの結晶質鉱物とガラス質からなり結晶質材料とガラス質材料との中間的な性質を有しているためにフライアッシュ単独では炭化珪素による発泡の制御が難しいだけでなく、燃焼に用いた石炭の種類により生成する石炭灰の組成が異なることから軟化点、融点に差異を生じ、一定の品質を維持することが困難であるとされている。従って、フライアッシュは外壁用のレンガやパネルとしてではなく人口軽量骨材としての使用に殆どが限定されており、人口骨材を用いたコンクリートとして再利用されている。
特許第3275725号 特開平9−77543号 特開平11−171612号 特開2000−143307号 特許第5707908号
低吸水性人口軽量骨材の製造方法として、フライアッシュは結晶質材料とガラス質材料との中間的な性質を有しているため特許文献1に提案されているような軟化点の低いガラス質物質をフラックスとして添加する方法が行なわれている。確かにフラックスであるコットレルダストやFCC廃触媒などを添加すれば吸水率が3.3%〜4.8%の低吸水性人口軽量骨材は製造できるが非吸水性となっていない。また、特許文献1の比較例にはフラックスを添加していないフライアッシュ単独では吸水率が24.1%であるため連続発泡状態であることが推察される。
特許文献2は、フライアッシュを主原料とした造粒、発泡焼成して得られる人工軽量骨材の製造方法が提案されているが、化学的・物理的性状のバラツキが大きいため一定の製造条件で品質の安定した骨材を大量に製造することが難しく、高吸水率で強度も低いという問題点があることが記述されている。従って、石炭灰にパーライト原石粉砕工程で発生する粉塵を回収した粉末またはFCC廃触媒及び炭化珪素を添加し、更に高炉スラグを同等量以上混合することで吸水率が0%の人工軽量骨材を製造しているが前記人工軽量骨材の絶対比重は1.5〜1.6であり軽量化されていない。
特許文献3は、石炭灰(フライアッシュ、ボトムアッシュ)、ガラス微粉末に膨剤の炭化珪素、無定形炭素物の1種又はそれ以上を添加して粘結性粘土を用いて造粒し、これを低火度焼成してなる人工軽量骨材の製造方法が提案されているが吸水率は4.7%であり独立発泡軽量骨材とはなっていない。
特許文献4は、石炭灰に融点降下剤として炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムの少なくとも1種と粘結剤と発泡剤とを混合して粉砕し、当該粉砕物に水を添加して混練・造粒した後に乾燥し、焼成する人口軽量骨材の製造方法が提案されている。確かに主材料は石炭灰ではあるが使用する石炭灰および混合物の粒径サイズを20μm以下とすることが必要であるためJIS規格のフライアッシュを直接使用できないため前記JIS規格のフライアッシュを更に粉砕する工程が必要となり生産性の低下やコスト削減効果は小さくなる。また、品質に関しても乾燥比重は0.5にすることは可能としているが非吸水性のデータは掲示されていない。
上述の如く、全ての特許文献は吸水性や軽量化に関する技術的な提案ではあるものの独立発泡となる技術は見出されておらず、更には初期成形されたレンガ又はタイルの形状に対して焼成後に於いても形状バラツキを制御できることに関する技術内容は一切記載されていない。
特許文献5は、少なくとも可塑性材料及び配向性材料を含む非発泡性材料100重量部と、発泡剤0.01〜1重量部とを含んでなる発泡軽量タイル用材料であって、該非発泡性材料は、灼熱減量を除いた成分の合計を100重量%とした場合、SiO2、Al2O3及びMgOの3成分の合計が80〜100重量%であり、該非発泡性材料中のSiO2、Al2O3及びMgOの3成分の合計を100重量%とした場合に重量組成比(SiO2、Al2O3,MgO)が所定の範囲にのみ焼成後のレンガ形状バラツキを抑制する技術が提案されている。しかしながら、前記可塑性材料としてタルク、蛙目粘土及び長石等を用い、各材料の成分分析を施し所定領域内の組成比となるように原料を調合する必要があるために工業的量産化には適していない。
本発明者らは、最も入手し易い土壌や火力発電所の産業廃棄物である石炭灰(フライアッシュやボトムアッシュ)及び岩石を主材料とし、発泡材等を添加し焼成させることで完成する発泡タイルやレンガの安定製造と低コスト化を鋭意検討した結果、二酸化ケイ素含有量が45%以上である粉砕岩石、土壌および石炭灰(JIS規格のフライアッシュ含む)の少なくとも1種類の材料を使用することで該タイルやレンガ内部の気泡サイズが均一化されること、軽量化できること、並びに独立発泡化することを見出し、更には亜鉛粉末を少量添加することにより焼成温度を低温化させること、焼成前の型枠形状に対して焼成後の発泡したレンガやタイルの寸法比が大きく変化することなく均一に膨張させることを見出し本発明を完成するに至った。
本発明の第一の実施形態は、二酸化ケイ素含有量が45%以上であり、45μmふるい残分が70%以下、比表面積が1500cm/g、強熱減量5%以下からなるJIS規格のフライアッシュに発泡材、及び亜鉛粉末を湿式混練し、前記材料をプレス形成させた後に、前記発泡材が発泡する温度以上で前記材料を熱処理する独立発泡タイルの製造方法である。
本発明の第二の実施形態は、500μm目開きの篩にて通過した二酸化ケイ素含有量が45%以上である粉末岩石、土壌及び石炭灰の少なくとも一方の材料に発泡材、及び亜鉛粉末を湿式混練し、前記材料をプレス形成させた後に、前記発泡材が発泡する温度以上で前記プレス形成された材料を熱処理することを特徴とする独立発泡タイルの製造方法である。
本発明の第三の実施形態は、第一の実施形態で使用するJIS規格のフライアッシュと、第二の実施形態で使用する粉末岩石、石炭灰及び土壌の少なくとも一方の材料を混合させた原料に発泡材、及び亜鉛粉末とを湿式混練し、前記材料をプレス形成させた後に、前記発泡材が発泡する温度以上で前記プレス形成された材料を熱処理することを特徴とする独立発泡タイルの製造方法である。
本発明の第四の実施形態は、二酸化ケイ素含有量が45%以上であり、45μmふるい残分が70%以下、比表面積が1500cm/g、強熱減量5%以下からなるJIS規格のフライアッシュに発泡材を湿式混練し、前記材料をプレス形成させた後に、前記発泡材が発泡する温度以上で前記材料を熱処理する独立発泡タイルの製造方法である。
本発明の第五の実施形態は、500μm目開きの篩にて通過した二酸化ケイ素含有量が45%以上である粉末岩石、土壌及び石炭灰の少なくとも一方の材料に発泡材を湿式混練し、前記材料をプレス形成させた後に、前記発泡材が発泡する温度以上で前記プレス形成された材料を熱処理することを特徴とする独立発泡タイルの製造方法である。
本発明の第六の実施形態は、第一の実施形態で使用するJIS規格のフライアッシュと、第二の実施形態で使用する粉末岩石、石炭灰及び土壌の少なくとも一方の材料を混合させた原料に発泡材を湿式混練し、前記材料をプレス形成させた後に、前記発泡材が発泡する温度以上で前記プレス形成された材料を熱処理することを特徴とする独立発泡タイルの製造方法である。
前記第一の実施形態から第六の実施形態で使用する発泡材は、炭化ケイ素であり、前記発泡材の重量%が0.25%以上10%である独立発泡タイルの製造方法である。
前記第一の実施形態から第三の実施形態で使用する亜鉛粉末の重量%が0.5%以上10%以下である独立発泡タイルの製造方法である。
前記第一の実施形態から第六の実施形態での温度範囲が1210℃以上1300℃以下である独立発泡タイルの製造方法である。
本発明によれば、これまで人工軽量骨材としての再利用が主であった火力発電所から排出される石炭灰(フライアッシュ、ボトムアッシュ)、二酸化ケイ素含有量が45%以上である粉末岩石および土壌(細砂、シルト若しくは粘土等)に対して500μm目開きの篩を通過した材料にて付加価値の高い独立発泡タイルを製造できることを可能とする。
以下、本発明に係る実施の形態を説明する。
第一の実施形態と第四の実施形態として使用した原材料は、松浦発電所から入手したコンクリート用フライアッシュII種を用いた。外部分析の結果から、二酸化ケイ素率含有量が62.3%、湿分が0.1%、強熱残量が2.2%、密度が2.27g/cmおよび粉末度(45μm篩残分)が2%であることが分かった。同様に松浦発電所から入手したコンクリート用フライアッシュIV種も使用した。
第二の実施形態と第五の実施形態として使用した原材料は、同所から排出された石炭灰を200μm目開きの篩にて通過した石炭灰と500μm目開きの篩にて通過した石炭灰を使用した。一方、土壌に関しては長崎市琴海地域で採取したまさ土、ゴビ砂漠から採取した砂、および市販の玄武岩を粉砕して得られた粉末玄武岩を500μm目開きの篩にて通過した材料をそれぞれ使用した。前記材料の二酸化ケイ素率含有量を分析した結果、玄武岩に関しては46%、それ以外は60%以上であることを確認した。
亜鉛粉末は、ハクスイテック株式会社のF末(金属亜鉛分が94%以上、粒径3〜5μm)を使用した。
実施例1として、前記フライアッシュII種60gに対して、炭化ケイ素1%、粘結剤として濃度5%水溶液のCMCを10%、及び亜鉛末(6条件;サンプル1:亜鉛末なし、サンプル2:0.5%添加、サンプル3:1%添加、サンプル4:2%添加、サンプル5:5%添加、サンプル6:10%添加)をビニール袋に入れ、スプレーにより水を散布しながら混練した後に、50mm角の金型にて80kg重/cmの加圧プレスを行い3cm厚みの試料を作製し、1日放置した。当該金型から取り出した各サンプルを小型電気炉内に設置し、室温から900℃までを3時間にて昇温し、約3時間掛けて1230℃まで昇温させ30分保持した後にファンのみ回転させて自然冷却を行った。
実施例2として、JIS規格のフライアッシュ(FA)II種60gに対して、亜鉛末5%、粘結剤として濃度5%水溶液のCMCを10%、及び炭化ケイ素(2条件;サンプル7:0.1%、サンプル8:0.25%)をビニール袋に入れ、スプレーにより水を散布しながら混練した後に、50mm角の金型にて80kg重/cmの加圧プレスを行い3cm厚みの試料を作製し、1日放置した。当該金型から取り出した各サンプルを小型電気炉内に設置し、室温から900℃までを3時間にて昇温し、約3時間掛けて1230℃まで昇温させ30分保持した後にファンのみ回転させて自然冷却を行った。
実施例1と実施例2の結果を表1に示す。実施例1の結果から、亜鉛粉末を添加しなかったサンプル1は全く発泡しておらず生成物サイズは熱処理前と同じく縦横寸法とも50mmであった。一方、亜鉛粉を添加したサンプル2からサンプル6に於いては発泡が確認され、全てのサンプルに於いて縦横寸法は60mmから62mmの範囲となっていた。この結果、亜鉛粉末を添加することにより発泡温度を低下させる作用を有し、且つ亜鉛濃度差による膨張率の変化がないことが判明した。また、亜鉛粉末の増加に伴い、生成物自体の色も白っぽくなっていた。実施例2の結果から、炭化ケイ素の添加量0.1%では発泡が生じておらず、0.25%添加することでサンプル5のサイズと略同等レベルまで膨張していることを確認した。
Figure 0006614537
実施例3は、JIS規格のフライアッシュ(FA)IV種60gに対して炭化ケイ素1%、亜鉛末5%、粘結剤として濃度5%水溶液のCMCを10%とをビニール袋に入れ、スプレーにより水を散布しながら混練した後に、50mm角の金型にて80kg重/cmの加圧プレスを行い3cm厚みの試料を作製し、1日放置した。当該金型から取り出した各サンプルを小型電気炉内に設置し、室温から900℃までを3時間にて昇温し、約3時間掛けて1230℃まで昇温させ30分保持した後にファンのみ回転させて自然冷却を行った。得られた生成物をサンプル9とした。
実施例3の結果を表2に示す。フライアッシュ(FA)IV種を使用しても発泡することを確認し、生成物の縦横寸法に関しても実施例1でのフライアッシュII種(サンプル5)と有意差がないことが分かった。
Figure 0006614537
実施例4は、フライアッシュ(FA)II種60gに対して炭化ケイ素1%、粘結剤として濃度5%水溶液のCMCを10%、および亜鉛末0.5%をビニール袋に入れ、スプレーにより水を散布しながら混練した後に、50mm角の金型にて80kg重/cmの加圧プレスを行い3cm厚みの試料を作製し、1日放置した。発泡温度に関するテストのため、当該金型から取り出した各サンプルを小型電気炉内に設置し、室温から900℃までを3時間にて昇温し、6条件の熱処理テストを行った。サンプル10:1200℃、サンプル11:1210℃、サンプル12:1220℃、サンプル13:1230℃、サンプル14:1240℃、およびサンプル15:1250℃であり、いずれも到達温度で30分保持した後にファンのみ回転させて自然冷却を行った。
実施例4の結果を表3に示す。サンプル10(1200℃)は全く発泡しておらず生成物サイズは熱処理前と同じく縦横寸法とも50mmであり、サンプル11からサンプル15に於いては発泡を確認、高温化に伴い縦横寸法が大きくなっていることが分かった。熱処理炉の仕様上、1250℃より高温熱処理を施していないが更に高温化すればサンプルの縦横寸法が増加することが考えられるが熱処理炉の仕様等を勘案すれば熱処理温度は低温ほど好ましいため1250℃以下とし、好ましくは1210℃から1230℃の範囲とする。
Figure 0006614537
実施例5は、JIS規格のフライアッシュ(FA)II種60gに対して、炭化ケイ素2%、粘結剤として濃度5%水溶液のCMCを10%、および亜鉛末0.5%をビニール袋に入れ、スプレーにより水を散布しながら混練した後に、50mm角の金型にて80kg重/cmの加圧プレスを行い3cm厚みの試料を作製し、1日放置した。当該金型から取り出した各サンプルを小型電気炉内に設置し、室温から900℃までを3時間にて昇温し、各3条件のテストを行った。サンプル20:1230℃、サンプル21:1240℃、およびサンプル22:1250℃にて30分保持した後にファンのみ回転させて自然冷却を行った。
実施例5の結果を表4に示す。例えば、実施例3での1250℃熱処理による炭化ケイ素濃度1%添加したサンプル15では縦横寸法が81mm×81mmであったが、実施例5での1250℃熱処理による炭化ケイ素2%添加したサンプル22では91mm×91mmとなっており炭化ケイ素濃度の増加に伴いサンプルの縦横寸法も大きくなることが分かった。
Figure 0006614537
実施例6は、JIS規格のフライアッシュ(FA)II種60gに対して、炭化ケイ素2%、粘結剤として濃度5%水溶液のCMCを10%、および亜鉛末0.5%を添加したサンプル30、亜鉛末を添加していないサンプル31として各々ビニール袋に入れ、スプレーにより水を散布しながら混練した後に、50mm角の金型にて80kg重/cmの加圧プレスを行い3cm厚みの試料を作製し、1日放置した。発泡温度に関するテストのため当該金型から取り出した各サンプルを小型電気炉内に設置し、室温から900℃までを3時間にて昇温し、約3時間掛けて1250℃まで昇温させ30分保持した後にファンのみ回転させて自然冷却を行った。
実施例6の結果を表5に示す。亜鉛添加無のサンプル31に於いて1250℃まで熱処理温度を高めることで生成物が発泡することが分かった。また、亜鉛末0.5%添加したサンプル30と比較すると亜鉛無のサンプル31では縦横寸法が小さいことが判明した。この結果から、亜鉛末は炭化ケイ素の発泡温度を低下させる作用があることが再認識された。
Figure 0006614537
実施例7は、松浦発電所から入手した石炭灰に対して、200μm目開きの篩にて通過した粒径サイズ200μm以下の原料と500μm目開きの篩にて通過した粒径サイズ500μm以下の原料を準備し、前記各原料60gに対して、それぞれ炭化ケイ素1%、粘結剤として濃度5%水溶液のCMCを10%、及び亜鉛末0.5%を添加しビニール袋に入れ、スプレーにより水を散布しながら混練した後に、50mm角の金型にて80kg重/cmの加圧プレスを行い3cm厚みの試料を作製し、1日放置した。当該金型から取り出したサンプルを小型電気炉内に設置し、室温から900℃までを3時間にて昇温し、約3時間掛けて1230℃まで昇温させ30分保持した後にファンのみ回転させて自然冷却を行い、粒径サイズ200μm以下の原料をサンプル40、粒径サイズ500μm以下の原料をサンプル41とした。同様に粉末玄武岩(サンプル42)、長崎市琴海で採取したまさ土(サンプル43)及びゴビ砂漠(サンプル44)の砂を500μm目開きの篩にて通過した粒径サイズ500μm以下の原料を準備し前記同様の製造を施した。
実施例7の結果を表6に示す。粒径サイズ200μm以下の石炭灰のみならず、粒径サイズ500μm以下の石炭灰、まさ土及びゴビ砂漠の砂に対しても発泡が観察された。また、二酸化ケイ素含有量の最も少ない粉末玄武岩に対しても発泡が観察され、いずれのサンプルも縦横寸法は略60mm×60mmであり実施例4のフライアッシュII種であるサンプル13と有意差がないことを確認した。この結果より、二酸化ケイ素含有量が45%以上、粒径サイズが500μm以下の原料であれば発泡化が可能であることが分かった。
Figure 0006614537
Figure 0006614537
実施例8は、JIS規格のフライアッシュII種30gと粒径サイズ500μm以下であるまさ土30gの混合物に対して炭化ケイ素1%、粘結剤として濃度5%水溶液のCMCを10%、および亜鉛末0.5%を添加して各々ビニール袋に入れ、スプレーにより水を散布しながら混練した後に、50mm角の金型にて80kg重/cmの加圧プレスを行い3cm厚みの試料を作製し、1日放置した。発泡温度に関するテストのため、当該金型から取り出したサンプルを小型電気炉内に設置し、室温から900℃までを3時間にて昇温し、約3時間掛けて1230℃まで昇温させ30分保持した後にファンのみ回転させて自然冷却を行った。得られた生成物をサンプル50とした。
実施例8の結果を表7に示す。フライアッシュII種と粒径サイズ500μm以下のまさ土の混合物に対しても同様に発泡が観察され、実施例4のフライアッシュII種単独であるサンプル13又は実施例7のまさ土単独であるサンプル43と有意差がないことを確認した。
Figure 0006614537
実施例9は、フライアッシュII種60g、又は500μm目開きの篩にて通過した粒径サイズ500μm以下の長崎市琴海で採取したまさ土60gに対して、炭化ケイ素1%と亜鉛末1.0%をビニール袋に入れ、スプレーにより水を散布しながら混練した後に、50mm角の金型にて80kg重/cmの加圧プレスを行い3cm厚みの試料を作製し、1日放置した。当該金型から取り出した各サンプルを小型電気炉内に設置し、室温から900℃までを3時間にて昇温し、約3時間掛けて1230℃まで昇温させ30分保持した後にファンのみ回転させて自然冷却を行った。前記フライアッシュII種をサンプル51、前記まさ土をサンプル52とした。
実施例9の結果を表8に示す。フライアッシュII種を使用したサンプル51は実施例1のサンプル3の結果と同様に発泡が観察、まさ土を使用したサンプル52に於いても実施例7のサンプル43の結果と同様に発泡が観察された。これにより粘結剤を使用しなくとも同等の効果があることが判明した。
Figure 0006614537
実施例10は、フライアッシュII種60gに対して、炭化ケイ素1%、粘結剤として濃度5%水溶液のCMCを10%、及び亜鉛末1%をビニール袋に入れ、スプレーにより水を散布しながら混練した後に、50mm角の金型にて5kg重/cmの加圧プレス、又は400kg重/cmの加圧プレスを行い3cm厚みの試料を作製し、1日放置した。当該金型から取り出した各サンプルを小型電気炉内に設置し、室温から900℃までを3時間にて昇温し、約3時間掛けて1230℃まで昇温させ30分保持した後にファンのみ回転させて自然冷却を行った。前記5kg重/cmの加圧プレスをサンプル53、400kg重/cmの加圧プレスをサンプル54とした。
Figure 0006614537
Figure 0006614537
実施例10の結果を表9に示す。前記5kg重/cmの加圧プレスを行ったサンプル53、および400kg重/cmの加圧プレスを行ったサンプル54のいずれも発泡が観察され、実施例1の80kg重/cmの加圧プレスを行ったサンプル3と同等であることが判明した。
実施例11は、フライアッシュII種60gに対して、炭化ケイ素1%、粘結剤として濃度5%水溶液のCMCを10%、及び亜鉛末1%をビニール袋に入れ、スプレーにより水を散布しながら混練した後に、50mm角の金型にて80kg重/cmの加圧プレスを行い3cm厚みの試料を作製し、該金型から取り出したサンプルを小型電気炉内に設置し、室温から900℃までを3時間にて昇温し、約3時間掛けて1230℃まで昇温させ30分保持した後にファンのみ回転させて自然冷却を行いサンプル55とした。
Figure 0006614537
実施例11の結果を表10に示す。加圧プレス直後に熱処理を行ったサンプル55に於いても発泡が観察され、実施例1の80kg重/cmの加圧プレス後に1日放置したサンプル3と同等であることが判明した。
実施例12は、焼成後のサンプル形状変化を調査するために亜鉛を添加したサンプル30と亜鉛を添加していないサンプル31を用いて厚み方向の寸法も計測した。亜鉛を添加していないサンプル31はサンプル中央部の厚みが40.5mm、端部の厚みが32.5mmであり外観形状として丸みを帯びているのに対して、亜鉛を添加したサンプル30ではサンプル中央部の厚み36.5mmに対して端部は33.5mmであり型枠形状から大きく変形することがなかった。前記サンプル内部の気泡の状態に関しては、切断機にて前記サンプルを分割させ断面観察を行った。亜鉛添加していないサンプル31は内部に直径0.4mm前後の気泡が全体的に発生しているが2mmから3mm程度の大きな気泡も高密度に散在していた。一方、亜鉛を添加したサンプル30では大きな気泡は観察されずに0.4mm前後の気泡が均一に形成していた。
実施例13は、実施例1から実施例11で得られた全てサンプルに対して水に対する浮沈実験を行った。前記サンプルに対して切断機を用いて縦方向に2等分に分割した後に水洗いを行い1時間乾燥させた。前記全てのサンプルの重量を測定し、注水させた水槽内に入れ24時間放置した後にサンプルを回収し表面の水を拭き取り、30分間乾燥させた後に再び重量測定を行った。また、前記注水させた水槽内に前記サンプルを入れ、重しを載せ1週間浸水させた後にサンプルを回収し表面の水を拭き取り、30分間乾燥させた後に再び重量測定を行った。
表11に各サンプルの浮沈状況と水没前後の重量差を示す。サンプル1、サンプル7およびサンプル10のみが水没しており、いずれも発泡が確認されていないものであった。残りのサンプルは発泡が確認されたものであり、浸水前後での重量増減は観察されなかった。このことから発泡が観察された全てのサンプルに対して生成物内部の気泡が連続して形成されているのではなく単独として発泡化していると結論できる。また、亜鉛を添加してないサンプル31に関しても吸水性が観測されていないため独立発泡化できることも明らかとなった。
Figure 0006614537
Figure 0006614537
産業の利用分野
独立発泡タイルは軽量であるため作業性の向上や住宅等の壁材に使用すると耐震効果も改善する。また、焼成後のタイルは最終的に成形して矩形構造とするが亜鉛を添加したタイルは型枠形状から大きく変形することが少ないため切断工程での廃材量が減少する。

Claims (7)

  1. 二酸化ケイ素含有量が45%以上であり、45μmふるい残分が70%以下、比表面積が1500cm2/g以上、強熱減量5%以下からなるJIS規格のフライアッシュとする原料に発泡剤と亜鉛粉末を湿式混練し、前記湿式混練したものをプレス形成させた後に、前記発泡が発泡する温度以上で前記プレス形成されたものを熱処理することを特徴とする独立発泡タイルの製造方法。
  2. 500μm目開きの篩にて通過した二酸化ケイ素含有量が45%以上である粉末岩石、土壌および石炭灰とする原料の少なくとも一方の材料に発泡と亜鉛粉末を湿式混練し、前記湿式混練したものをプレス形成させた後に、前記発泡が発泡する温度以上で前記プレス形成されたものを熱処理することを特徴とする独立発泡タイルの製造方法。
  3. 請求項1記載のフライアッシュと、請求項2記載の原料の少なくとも一方を混合させた材料に発泡と亜鉛粉末を湿式混練し、前記湿式混練したものをプレス形成させた後に、前記発泡が発泡する温度以上で前記プレス形成されたものを熱処理することを特徴とする独立発泡タイルの製造方法。
  4. 前記発泡剤が炭化ケイ素であることを特徴とする請求項1から請求項3記載の独立発泡タイルの製造方法。
  5. 前記発泡剤の重量%が0.25%以上10%以下であることを特徴とする請求項1から請求項3記載の独立発泡タイルの製造方法。
  6. 前記亜鉛粉末の重量%が0.5%以上10%以下であることを特徴とする請求項1から請求項3記載の独立発泡タイルの製造方法。
  7. 前記温度範囲が1210℃以上1300℃以下であることを特徴とする請求項1から請求項3記載の独立発泡タイルの製造方法。
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