JP6612802B2 - 分子検出装置および分子検出方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、分子検出装置および分子検出方法に関する。
家庭用の温水器等には、不完全燃焼を起こした際に発生する一酸化炭素を検出する装置が取り付けてあり、早い段階で危険性を知らせてくれる。このようなガス成分は人体に重大な影響を与える。LPガス安全委員会の指針によれば、一酸化炭素の濃度がおおよそ200ppm(百万分の1)程度になると頭痛を引き起こすとされている。比較的濃度が高いガス成分を検出する方法としては種々の方法が知られているが、極低濃度に相当するppb(十億分の1)からppt(一兆分の1)の濃度では検出方法が限られている。
災害現場やテロ行為が行われた現場等においては、極めて微量のガス成分を検出することで、事前に危険性を察知することが望まれている。極低濃度のガス成分は、研究施設内の大型機器を利用して検出する場合が多い。このような場合、ガスクロマトグラフィーや質量分析計のような高価で重量と容積の大きな設置型装置が必要となる。このような点から、極低濃度のガス成分をリアルタイムに検出することが可能な装置、すなわち重量や容積が小さくて携帯性に優れると共に、pptからppbオーダーの極低濃度のガス成分を選択的にかつ高感度に検出することが可能な装置が求められている。
低濃度のガス成分の検出素子としては、例えばカーボンナノ構造体の表面を特定物質と選択的に反応または吸着する有機物質等で表面修飾した導電層を有し、カーボンナノ構造体の表面に付着したガス成分により変化する電位差等を検出信号として出力する素子が知られている。このような検出素子では、例えば空気中から取得したガス中に検出対象のガス成分と類似の成分等が不純物として混入している場合に、検出対象のガス成分を正確に検出できないおそれがある。さらに、空気中から取得したガスを上記したような検出素子を有する検出部に単に導入する構成では、取得したガス中の検出対象成分(ガス分子)の濃度は1点であるため、検出素子の状態等によっては検出信号に誤差が生じるおそれがある。そのような場合には、ガス成分の検出精度を高めることが難しい。
特開2010−019688号公報 特開2010−139269号公報 特開2015−515622号公報
本発明が解決しようとする課題は、極低濃度のガス成分を選択的にかつ高感度に検出することを可能にした分子検出装置および分子検出方法を提供することにある。
実施形態の分子検出装置は、被検出分子を含む検出対象ガスを捕集する捕集部と、前記捕集部で捕集された前記検出対象ガス中の前記被検出分子を希釈および/または濃縮し、前記捕集部で捕集された前記検出対象ガスを含む、前記被検出分子の濃度が異なる複数の前記検出対象ガスを生成する濃度調整部と、前記濃度調整部で生成された前記複数の検出対象ガスが順に導入され、前記複数の検出対象ガス中の前記被検出分子の濃度に基づく検出信号をそれぞれ出力する複数の検出セルを備える検出部と、前記複数の検出セルからそれぞれ出力された前記被検出分子の濃度に基づく前記検出信号の変化傾向を前記複数の検出セル毎に得て、前記検出信号の変化傾向により前記被検出分子を識別する識別部とを具備する。
実施形態の分子検出装置を示すブロック図である。 図1に示す分子検出装置の変形例を示すブロック図である。 実施形態の分子検出装置における濃度調整部を示す図である。 図3に示す濃度調整部の動作を説明するための図である。 図3に示す濃度調整部の動作を説明するための図である。 図3に示す濃度調整部の動作を説明するための図である。 実施形態の分子検出装置における検出器を示す図である。 実施形態の検出セルの一例を示す図である。 実施形態の有機物プローブに用いられる有機化合物の例を示す図である。 実施形態の検出器による検出結果の一例を示す図である。 実施形態の検出器による検出結果の他の例を示す図である。 実施形態の検出器による検出結果の他の例を示す図である。
以下、実施形態の分子検出装置および分子検出方法について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、その説明を一部省略する場合がある。図面は模式的なものであり、各部の厚さと平面寸法との関係、各部の厚さの比率等は現実のものとは異なる場合がある。
図1は実施形態の分子検出装置を示すブロック図である。図1に示す分子検出装置1は、例えばガス発生元から発生した被検出分子(被検出物)2を含む検出対象ガス3から被検出分子2を検出する装置であり、捕集部10と濃度調整部20と検出部30と識別部40とを備えている。被検出分子(被検出ガス分子)2を含む検出対象ガス3は、まず分子検出装置1の捕集部10で捕集される。捕集部10は、検出対象ガス3の捕集口を有しており、ガス流路を介して濃度調整部20に接続されている。捕集部10は、検出対象ガス3中に含まれる微粒子等の不純物を除去するフィルタを備えていてもよい。
検出対象ガス3は、被検出分子2に類似する分子量や分子構造等を有する物質を不純物として含んでいる場合がある。また、空気中に漂う被検出分子2は図2に示すように、におい成分や微粒子等の様々な夾雑物4(4a、4b)と混ざった状態で存在することが多い。このような点から、検出対象ガス3は図2に示すように、予めフィルタ装置5や分子分配装置6等で前処理した後に、分子検出装置1に送るようにしてもよい。
前処理装置のうちのフィルタ装置5には、一般的な中高性能フィルタ等が用いられる。フィルタ装置5において、検出対象ガス3中に含まれる微粒子等の粒子状物質が除去される。フィルタ装置5で粒子状物質が除去された検出対象ガス3は、分子分配装置6に送られる。分子分配装置6としては、例えば、検出対象ガス3をイオン化してイオン化物質群とし、イオン化物質群に電圧を印加して質量に比例する速度で飛行させ、この質量差による飛行速度およびそれに基づく飛行時間を利用して、イオン化物質群から被検出分子2のイオン化物質を分離する装置が挙げられる。このような分子分配装置6としては、イオン化部、電圧印加部、および飛行時間分離部を備える装置等が用いられる。
被検出分子2を含む検出対象ガス3は、直接もしくはフィルタ装置5や分子分配装置6等の装置で前処理された後に捕集部10で捕集される。捕集部10で捕集された被検出分子2を含む検出対象ガス3は、濃度調整部20に送られる。濃度調整部20は、捕集部10で捕集された検出対象ガス3中の被検出分子を希釈および/または濃縮することによって、被検出分子2の濃度が異なる複数の検出対象ガス3を生成するものである。濃度が異なる複数の検出対象ガス3は、捕集部10で捕集された検出対象ガス3、すなわち被検出分子2の濃度が希釈または濃縮されていない検出対象ガス3を含んでいる。このような濃度調整部20を捕集部10と検出部30との間に介在させることによって、検出部30には被検出分子2の濃度が異なる複数の検出対象ガス3が送られる。検出部30では、複数の検出対象ガス3中の濃度が異なる被検出分子2の検出が行われる。これによって、検出部30で被検出分子2の濃度に対する検出信号の相関を得ることができる。
濃度調整部20の構成は、検出対象ガス3中の被検出分子2を希釈および/または濃縮することができ、これにより被検出分子2の濃度が異なる複数の検出対象ガス3を生成することが可能であれば、特に限定されるものではない。図3は濃度調整部20の構成の一例を示している。図3に示す濃度調整部20は、被検出分子2を吸着する吸着器21と、吸着器21を加熱する加熱器22とを有している。吸着器21としては、被検出分子2を吸着および脱離することが可能な吸着剤、例えばテナックス(Tenax:登録商標、東方テナックス社製)のような有機系吸着剤やカーボン吸着剤のような無機系吸着剤をガラス管等に充填した吸着器が用いられる。加熱器22は、被検出分子2を吸着した吸着器21を加熱し、吸着剤から被検出分子2を脱離させて吸着器21を再生したり、あるいは吸着剤から被検出分子2を脱離させて濃縮した検出対象ガス3の生成に用いられる。
濃度調整部20に送られた検出対象ガス3が吸着器21を通過すると、検出対象ガス3中の被検出分子2が吸着器21に吸着される。被検出分子2が吸着された検出対象ガス3を、捕集部10から送られた被検出分子2を含む検出対象ガス3に混合することによって、被検出分子2が希釈された検出対象ガス3を得ることができる。この際、吸着器21で被検出分子2の一部のみを吸着することが可能な場合には、検出対象ガス3を吸着器21を通過させることによって、被検出分子2が希釈された検出対象ガス3を生成することができる。さらに、被検出分子2を吸着した吸着器21から被検出分子2を脱離させることによって、被検出分子2が濃縮された検出対象ガス3を生成することができる。
図3ないし図6を参照して、濃度調整部20の具体的な構成とそれを用いた被検出分子2を希釈および/または濃縮する手順について説明する。図3ないし図6に示す濃度調整部20は、被検出分子2を含む検出対象ガス3を捕集部10から検出部30に直接送る第1のガス流路P1と、第1のガス流路P1の途中から枝分かれし、吸着器21が設置された第2のガス流路P2とを備えている。濃度調整部20は、さらに吸着器21を加熱して吸着された被検出分子2を脱離させる加熱器22を備えている。第2のガス流路P2の両端は、第1のガス流路P1に接続されている。第2のガス流路P2においては、被検出分子2を含む検出対象ガス3が捕集部10から吸着器21を介して検出部30に送られる。第1のガス流路P1は、第1のバルブV1を有している。第2のガス流路P2は、吸着器21の前後に配置された第2のバルブV2および第3のバルブV3を有している。
図4は、捕集部10で捕集された検出対象ガス3を、希釈および濃縮することなく、検出部30に送る状態を示している。すなわち、第1のガス流路P1に設けられた第1のバルブV1を開状態とすると共に、第2のガス流路P2に設けられた第2および第3のバルブV2、V3を閉状態とすることによって、捕集部10で捕集された検出対象ガス3は、希釈および濃縮されるこくとなく検出部30に直接送られる。この状態で一定流量の検出対象ガス3を濃度調整部20に送ることによって、第1の濃度を有する被検出分子2を含む検出対象ガス3を検出部30に送ることができる。
図5は、捕集部10で捕集された検出対象ガス3を、希釈して検出部30に送る状態の一例を示している。すなわち、第1のガス流路P1に設けられた第1のバルブV1を開状態とすると共に、第2のガス流路P2に設けられた第2および第3のバルブV2、V3を開状態とすることによって、捕集部10で捕集された検出対象ガス3の一部は吸着器21を通過して検出部30に送られ、検出対象ガス3の他の一部は吸着器21を通過することなく検出部30に送られる。第2のガス流路P2は、検出部30の前段で第1のガス流路P1と合流している。従って、被検出分子2を吸着器21で吸着した検出対象ガス3を、第1のガス流路P1を通過する検出対象ガス3に混合することによって、被検出分子2を希釈した検出対象ガス3を生成することができる。
この状態で一定流量の検出対象ガス3を濃度調整部20に送ることによって、被検出分子2が希釈された第2の濃度を有する検出対象ガス3を検出部30に送ることができる。第2のガス流路P2の第1のガス流路P1への合流部は、被検出分子2を吸着した検出対象ガス3と、第1のガス流路P1を通過する検出対象ガス3との混合部として機能する。さらに、第1および第2のガス流路P1、P2に流量制御弁等を設けておき、第1のガス流路P1を流れる検出対象ガス3と第2のガス流路P2を流れる検出対象ガス3との混合比率を調整して希釈程度を異ならせることによって、希釈された被検出分子2の濃度が異なる複数の検出対象ガス3を得ることも可能である。
なお、被検出分子2の一部のみを吸着する吸着器21を用いた場合には、第1のガス流路P1に設けられた第1のバルブV1を閉状態とすると共に、第2のガス流路P2に設けられた第2および第3のバルブV2、V3を開状態とすることによって、捕集部10で捕集された検出対象ガス3を吸着器21を通過させ、検出対象ガス3中の被検出分子2の一部のみを吸着器21で吸着させることができる。このため、吸着器21を通過した検出対象ガス3は被検出分子2が希釈された状態となる。この状態で一定流量の検出対象ガス3を濃度調整部20に送ることによって、被検出分子2が希釈された第2の濃度を有する検出対象ガス3を検出部30に送ることができる。
図6は、捕集部10で捕集された検出対象ガス3を、濃縮して検出部30に送る状態の例を示している。吸着器21には、検出対象ガス3中の被検出分子2を吸着すると共に、加熱することにより被検出分子2が脱離することが可能なものを使用する。まず、第1のガス流路P1に設けられた第1のバルブV1を閉状態とすると共に、第2のガス流路P2に設けられた第2および第3のバルブV2、V3を開状態として、捕集部10で捕集された検出対象ガス3を吸着器21を通過させる。検出対象ガス3中の被検出分子2は、吸着器21に吸着される。ある程度の量の被検出分子2を吸着器21に吸着させた後、第2のバルブV2を閉状態として、吸着器21を加熱器22で加熱して被検出分子2を脱離させることによって、被検出分子2が濃縮された第3の濃度を有する検出対象ガス3を検出部30に送ることができる。この際、第2のバルブV2を開状態とし、キャリアガスの代わりに検出対象ガス3を濃度調整部20に送るようにしてもよい。さらに、吸着器21に吸着させる被検出分子2の量を調整して濃縮程度を異ならせることによって、濃縮された被検出分子2の濃度が異なる複数の検出対象ガス3を得ることも可能である。
上述したように、検出対象ガス3を捕集部10から検出部30に直接送る第1のガス流路P1と、被検出分子2の吸着および脱離が可能な吸着器21を有する第2のガス流路P2とを備える濃度調整部20を用いることによって、捕集部10で捕集した状態の被検出分子2の濃度(第1の濃度)を有する検出対象ガス3、被検出分子2を吸着器21で吸着して希釈した濃度(第2の濃度)を有する検出対象ガス3、および吸着器21を加熱して被検出分子2を脱離させて濃縮した濃度(第3の濃度)を有する検出対象ガス3を生成することができる。このような被検出分子2の濃度が異なる複数の検出対象ガス3を検出部30に順に送ることによって、検出部30で被検出分子2の濃度に対する検出信号の相関を得ることができる。被検出分子2の濃度が異なる検出対象ガス3の種類は、少なくとも2種類あればよく、さらに3種類以上あることが好ましい。4種類またはそれ以上の検出対象ガス3は、希釈程度や濃縮程度を調整することにより生成することができる。
濃度調整部20で調整された被検出分子2の濃度が異なる複数の検出対象ガス3は、検出部30に順に送られる。検出部30は、複数の検出対象ガス3中の被検出分子2の濃度に基づいて、それぞれ検出信号を出力するように構成されている。検出部30は、図7に示すように、複数の検出セル301に区画された検出面30Aを備えている。検出部30の検出面30Aは、濃度調整部20の第1のガス流路P1のガス導出口に向けて配置されている。複数の検出セル301は、それぞれセンサー部31およびセンサー部31に設けられた有機物プローブ32を有する検出素子33を備えている。図7はセンサー部31にグラフェン電界効果トランジスタ(GFET)を用いた検出素子33を示している。なお、センサー部31はGFETに限られるものではなく、カーボンナノチューブのようなカーボンナノ構造体を用いたセンサーであってもよい。
センサー部31としてのGFETは、ゲート電極として機能する半導体基板34と、半導体基板34上にゲート絶縁層として設けられた絶縁膜35と、絶縁膜35上にチャネルとして設けられたグラフェン層36と、グラフェン層36の一端に設けられたソース電極37と、グラフェン層36の他端に設けられたドレイン電極38とを備えている。GFET31のグラフェン層36上には、有機物プローブ32が設けられている。検出部30に導かれた被検出分子2は、グラフェン層36上に設けられた有機物プローブ32に捕捉される。有機物プローブ32に捕捉された被検出分子2とGFET31との間で電子の移動等が起こることによって、センサー部31に生じる電気的な変化が検出信号として出力される。このようにして、目的とする被検出分子2が選択的に検出される。
有機物プローブ32を構成する有機物は溶剤に溶ける性質を有するため、溶剤に溶かした溶液として塗布することでグラフェン層36に有機物プローブ32を設置することができる。有機物プローブ32はグラフェンと相互作用を得られやすくするために、ピレン環のような構造を有した部位を有することが好ましい。ピレン環のような構造を持つ分子はグラフェンの炭素が構成する六角形状のπ電子系と相互作用を持ち、いわゆるπ―πスタッキングと呼ばれる相互作用状態を形成する。低濃度のプローブ分子を溶媒に溶かしてグラフェンに塗布すると、ピレン環とグラフェンとの間でπ―πスタッキングが形成され、グラフェン上にプローブ分子が整列して固定化される。このような自己配列作用を利用してグラフェン層36上に有機物プローブ32を設置することができる。
グラフェン層36上に設けられた有機物プローブ32に被検出分子2が捕捉されると、GFET31の出力、例えばドレイン電流値が変化する。グラフェンが1層の場合にはゼロギャップとなっているため、通常はソース電極37とドレイン電極38との間に電気が流れ続けている。グラフェンの層数が2層、3層と増えるとバンドギャップが生じるが、厳密な理論値から考えられるよりも実際の系ではバンドギャップが比較的小さい。ゲート絶縁層35がシリコン酸化膜程度の誘電率の場合には、ソース電極37とドレイン電極38との間に電気が流れ続けることが多い。従って、グラフェン層36はグラフェンの単層構造に限らず、5層以下程度のグラフェンの積層体で構成してもよい。
有機物プローブ32の近傍に飛来した被検出分子2は、水素結合の力等により有機物プローブ32に引き付けられ、場合によっては接触する。被検出分子2の接触が起こると、被検出分子2と有機物プローブ32との間で電子のやり取りが発生し、有機物プローブ32が接するグラフェン層36に電気的変化を伝える。有機物プローブ32からグラフェン層36に伝えられた電気的変化は、ソース電極37とドレイン電極38との間の電気の流れを乱すため、GFET31がセンサーとして機能する。
グラフェン層36をチャネルとして用いたGFET31によれば、極僅かな電気変化であっても顕著に出力として現れる。従って、高感度な検出素子33を構成することができる。GFET31を用いたセンサーは、グラフェンがゼロギャップ半導体としての性質を有することから、ゲート電極34に電圧を加えなくともソース電極37とドレイン電極38との間に電流が流れる傾向もみられる。従って、このままでもセンサーとして機能するが、通常はゲート電極34に電圧を加えた状態でソース電極37とドレイン電極38との間に電流を流し、有機物プローブ32で被検出分子2を捕捉した際のゲート電極34の電気的変化やドレイン電流の変化等を観測する。
上記した検出素子33による被検出分子2の検出において、有機物プローブ32に捕捉された被検出分子2からGFET31への電子の移動が高いほどセンサーとしての機能が高くなる。GFET31を用いたセンサーは、最も高感度なFETセンサーとされており、カーボンナノチューブを用いたセンサーと比べて3倍ほど感度を向上させることができる。従って、GFET31と有機物プローブ32とを組み合わせた検出素子33を用いることによって、被検出分子2の高感度な検出が可能になる。
図7は複数の検出セル301を格子状(アレイ状)に配列した検出面30Aを示しているが、必ずしもこれに限定されるものではない。複数の検出セル301は直線状に配列されていてもよい。複数の検出セル301のグラフェン層36にそれぞれ設けられた有機物プローブ32のうち、少なくとも一部は被検出分子2との結合強度や被検出分子2と結合した際の電気的変化等が異なっている。すなわち、複数の検出セル301は被検出分子2との結合強度やそれに基づく電気的変化等が異なる複数の有機物プローブ32を備えている。全ての有機物プローブ32が被検出分子2との結合強度やそれに基づく電気的変化等が異なっていてもよいし、一部の有機物プローブ32が被検出分子2との結合強度やそれに基づく電気的変化等が異なっていてもよい。なお、被検出分子2との結合強度やそれに基づく電気的変化等が異なる有機物プローブ32に代えて、グラフェン層36上における有機物プローブ32の密度を変えるようにしてもよい。
図8は検出部30の検出面30Aを4つの検出セル301、すなわち検出セルA、検出セルB、検出セルC、および検出セルDに分割した格子状センサーを示している。検出セルA〜Dのうち、少なくとも一部には種類が異なる有機物プローブ32、すなわち被検出分子2との結合強度やそれに基づく電気的変化等が異なる複数の有機物プローブ32が設けられている。複数の有機物プローブ32は、それぞれ被検出分子2と相互作用を有するが、被検出分子2との作用強度(結合強度)やそれに基づく電気的変化等が異なるため、検出信号の強度や被検出分子2の濃度に対する検出信号の相関等が異なる。
図9は検出セルA〜Dのグラフェン層36上に設けられる有機物プローブ32の一例を示している。有機物プローブ32を構成する有機化合物のうち、有機化合物1〜3、5〜6は被検出分子2に対する反応基としてヒドロキシ基(−OH)を有している。有機化合物4は、反応基としてアミノ基(−NH)を有している。ただし、このような反応基のみではほとんどガス成分と反応しない。水素結合性を高めるために、反応基の隣接部位に誘起効果に優れる官能基(隣接基)を導入した有機化合物を使用する。
反応基であるヒドロキシ基(−OH)に対する隣接基としては、トリフルオロメチル基(−CF)やヘキサフルオロエチル基(−C)等のフッ素原子で置換したアルキル基、シアノ基(−CN)、ニトロ基(−NO)、−CHN基等の窒素を含む官能基、メチル基(−CH)やエチル基(−C)等のアルキル基が挙げられる。有機化合物1、5は、反応基(−OH)の隣接基としてトリフルオロメチル基(−CF)を有している。有機化合物2は、反応基を含む官能基として−CHN−OH基を有している。有機化合物3は、反応基(−OH)の隣接基としてシアノ基(−CN)を有している。有機化合物6は、反応基(−OH)の隣接基としてメチル基(−CH)を有している。反応基であるアミノ基(−NH)に対する隣接基としては、エーテル結合基(−O−)が挙げられる。有機化合物4は、反応基を含む官能基として−O−NH基を有している。
図9に示す有機化合物1〜6は、有機物プローブ32を構成する有機化合物の一例を示すものであり、有機物プローブ32は有機化合物1〜6に限定されない。有機物プローブ32は、図9の有機化合物1に示すように、ヒドロキシ基やアミノ基等の反応基と上述したような隣接基とを有するヘッド部HSと、グラフェン層36等に対する設置部位となるベース部BSと、ヘッド部HSとベース部BSとを結合する結合部CSとを有する有機化合物で構成することが好ましい。ヘッド部HSは、反応基と隣接基を有する1価の芳香族炭化水素基であることが好ましく、さらに反応基と隣接基が同一の炭素に結合したアルキル基(炭素数:1〜5程度)を有するフェニル基であることがより好ましい。
ベース部BSは、ピレン環、アントラセン環、ナフタセン環、フェナントレン環等の多環構造を有する1価の置換または非置換の多環芳香族炭化水素基であることが好ましく、さらに置換または非置換のピレン基であることがより好ましい。結合部CSは2価基であり、メチレン基やエチレン基等のアルキレン基であってもよいし、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(=O)O−)、カルボニル結合(−CO−)、アミド結合(−NH−CO−)、イミド結合(−CO−NH−CO−)等であってもよい。また、ヘッド部HSとベース部BSとは、直接結合されていてもよい。
上述したような有機物プローブ32を構成する有機化合物において、反応基の種類、反応基に対する隣接基の種類や数等によって、被検出分子2との結合強度や被検出分子2との間での電子の移動状況等を調整することができる。例えば、有機化合物6の隣接基(CH基)は、有機化合物1の隣接基(CF基)と種類が異なる。トリフルオロメチル基は、電気陰性度が高いフッ素により反応基(OH基)の活性を高める効果が大きいのに対し、メチル基はそのような効果が小さい。従って、被検出分子2との結合強度等を異ならせることができる。有機化合物5は、有機化合物1とは隣接基(CF基)の数が違うため、被検出分子2との結合強度が相違する。有機化合物2〜4は、有機化合物1と反応基を含む官能基の種類が異なるため、被検出分子2との結合強度等が相違する。
このように、有機物プローブ32を構成する有機化合物の種類に応じて、被検出分子2との結合強度、被検出分子2との間での電子の移動状況、それらに基づく電気的変化等が調整される。また、検出セル301に設置する有機物プローブ32の密度、あるいは複数の有機物プローブ32を混合して使用し、その際の混合比率等を調整することによっても、被検出分子2との関係性を調整することができる。有機物プローブ32の被検出分子2との結合強度やそれらの間での電子の移動状況等の違いに基づいて、検出セルA〜Dからの検出信号の被検出分子2の濃度に対する相関関係が相違する。例えば、有機物プローブ32の種類や設置密度等によって、検出対象ガス3中の被検出分子2の濃度を変化させた際の検出信号の変化傾向が相違する。
図10ないし図12に、検出対象ガス3中の被検出分子2の濃度を変化させた際の検出信号の変化傾向の代表例を示す。図10ないし図12は、検出セル301の検出信号として、センサー部31にGFETを用いた検出素子33のドレイン電流の変化を示している。図10は被検出分子2の濃度の増加に伴って検出信号(ドレイン電流値)も増加する例を示している。図11は被検出分子2の濃度が増加しても検出信号(ドレイン電流値)がほとんど変化しない例を示している。図12は被検出分子2の濃度が増加した際に、検出信号(ドレイン電流値)は逆に減少する例を示している。図10ないし図12に示すように、検出セル301に適用する有機物プローブ32の種類等によって、被検出分子2の濃度に基づく検出信号の変化傾向が相違する。このような被検出分子2の濃度に基づく検出信号の変化傾向を検知することによって、被検出分子2を識別することができる。
検出セルA〜Dで検出された信号は、識別部40に送られて信号処理される。例えば、識別部40はまず、第1の濃度の被検出分子2を含む第1の検出対象ガス3を検出することによって、検出セルA〜Dから出力される第1の検出信号の強度を記憶する。次いで、識別部40は第1の検出対象ガス3より被検出分子2が希釈された第2の濃度の被検出分子2を含む第2の検出対象ガス3を検出することによって、検出セルA〜Dから出力される第2の検出信号の強度を記憶する。さらに、識別部40は第1の検出対象ガス3より被検出分子2が濃縮された第3の濃度の被検出分子2を含む第3の検出対象ガス3を検出することによって、検出セルA〜Dから出力される第3の検出信号の強度を記憶する。第2の検出信号および第3の検出信号のうち、少なくとも一方の検出信号が記憶されればよいが、両方の検出信号を記憶することがより好ましい。
この時点においては、第1ないし第3の検出信号を検出した際の被検出分子2の具体的な濃度は不明であるものの、第2の検出信号は第1の検出信号より低濃度側での検出信号であり、第3の検出信号は第1の検出信号より高濃度側での検出信号であることが判明している。従って、各検出セルA〜Dによる第1ないし第3の検出信号に基づいて、各検出セルA〜D毎に被検出分子2の濃度と検出信号との相関(変化傾向)、すなわち図10ないし図12のいずれの濃度と検出信号との相関を有しているのかが解析される。例えば、検出セルAは被検出分子2の濃度の増加に応じて検出信号の強度が増加し、検出セルBは被検出分子2の濃度の増加に応じて検出信号の強度が増加し、検出セルCは被検出分子2の濃度の増加に応じて検出信号の強度が減少し、検出セルDは被検出分子2の濃度が増加しても検出信号の強度がほとんど変化しない、というように、検出セルA〜D毎に被検出分子2の濃度と検出信号との相関(変化傾向)が解析される。
識別部40には、検出する物質に応じて検出セルA〜D毎に被検出分子2の濃度と検出信号との相関が記憶されている。記憶されている検出信号との相関と、検出された濃度と検出信号との相関とを、それぞれ検出セルA〜D毎に比較することによって、検出部30で検出された被検出分子2の識別が行われる。被検出分子2の識別に使用される濃度と検出信号との相関は、図10ないし図12に示したように、被検出分子2の濃度の増加に応じて検出信号の強度が単に増加、減少、またはほとんど変化しないというような単純な変化傾向に限定されるものではない。例えば、被検出分子2の濃度の増加に応じた検出信号の強度の変化率、すなわち増加率や減少率を加味してもよい。
例えば、検出セルAおよび検出セルBが共に被検出分子2の濃度の増加に応じて検出信号の強度が増加するときに、これら検出セルA、Bの濃度の増加に対する検出信号の強度の増加率が異なる場合、具体的には検出セルAの方が検出セルBより同一の濃度増加に対して検出信号の強度の増加率が大きい場合、これら検出セルA、Bの検出信号の強度の増加率の違いを被検出分子2の識別に利用することができる。被検出分子2の濃度の増加に対して検出信号の強度が減少する場合も同様であり、被検出分子2の濃度の増加に対して検出信号の強度の減少率の違いを被検出分子2の識別に利用することができる。このように、被検出分子2の濃度の増加に対する検出信号の強度の増加率や減少率の違いを被検出分子2の識別に利用することによって、複数の検出セルA〜Dによる被検出分子2の識別をより正確に行うことが可能になる。
上述したように、複数の検出対象ガス3中の被検出分子2の濃度差に基づいて、複数の検出セルA〜Dによる検出信号の強度が増加、減少、またはほとんど変化しないというような変化傾向を被検出分子2の識別に利用することによって、被検出分子2を正確に識別することができる。従って、pptからppbオーダーの極低濃度のガス成分(被検出分子2)を選択的にかつ高感度に検出することが可能になる。例えば、1つの検出対象ガス3中の被検出分子2の濃度に基づく複数の検出セル30における検出素子33の検出信号の強度差(絶対値としての信号強度差)等により被検出分子2を識別した場合、検出素子33のデバイス特性のバラツキ等によって、被検出分子2の識別精度が低下するおそれがある。これに対して、被検出分子2の濃度差に基づく検出信号の変化傾向を被検出分子2の識別に利用することによって、検出素子33のデバイス特性のバラツキ(絶対値のバラツキ)等に左右されることなく、被検出分子2を正確に識別することができる。
上記した濃度変化による検出信号の変化傾向に基づく識別法を適用することによって、検出部30に導かれる検出対象ガス3に不純物が混入しているような場合においても、被検出分子2を選択的にかつ高感度に検出および識別することができる。例えば、被検出分子2が有毒な有機リン化合物の代表的な材料であるメチルホスホン酸ジメチル(DMMP、分子量:124)の場合、化学的な構造が近いジクロルボスのようなリン酸を持つ農薬、さらにマラチオン、クロルピリホス、ダイアジノンのような使用例が多い有機リン系農薬が存在する。これらの物質の誤検知を防ぐためには、図10ないし図12に示すような検出信号の変化傾向により識別するのが有効である。すなわち、上述した各物質により検出セルA〜Dで検出される検出信号の変化傾向が異なる場合、上記した識別法を適用することによって、分子量が近く、また構成元素も似通っている不純物が混入していても、検出対象の物質を選択的にかつ高感度に検出することができる。
これまでは実施形態の分子検出装置1を用いて、被検出分子2を定性的に検出する方法(識別する方法)について説明したが、実施形態の分子検出装置1は被検出分子2の定性的な検出にかぎらず、被検出分子2の定量的な検出に適用することもできる。すなわち、実施形態の分子検出装置1は濃度調整部20を備え、濃度調整部20により被検出分子2の濃度が異なる複数の検出対象ガス3を生成することができる。このような被検出分子2の濃度が異なる複数の検出対象ガス3を順に検出部30に送ることによって、図10ないし図12に示したように、被検出分子2の濃度(ガス濃度)とドレイン電流値のような検出信号の強度との相関を得ることができる。
前述したように、被検出分子2を識別するために、予め複数の検出セルA〜Dによる被検出分子2の濃度と検出信号の強度との相関を得ている。この被検出分子2の濃度と検出信号の強度との相関グラフを検量線として用いることによって、特定の検出セル(A〜Dのいずれか)により測定した、被検出分子2の濃度を希釈または濃縮していない検出対象ガス3の検出信号の強度(例えばドレイン電流値)から、検出対象である検出対象ガス3中の被検出分子2の濃度を定量することができる。被検出分子2の濃度の定量に使用する検出セルは、特に限定されるものではないが、被検出分子2の濃度変化に対する検出信号の強度変化率(増加率または減少率)が大きく、かつ検出信号の強度変化が直線的な検出セルを使用することが好ましい。これによって、被検出分子2の濃度をより正確に定量することができる。また、2つ以上の検出セルを利用して、それらの検出信号の強度に基づく被検出分子2の濃度の平均値を定量値とすることもできる。
実施形態の分子検出装置1によれば、濃度変化による検出信号の変化傾向に基づく識別法を適用することで、pptからppbオーダーの極低濃度のガス分子を選択的にかつ高感度に検出することができる。また、複数の検出セル301間の検出信号の変化傾向を解析することによって、ガス分子の識別精度を向上させることができる。さらに、濃度変化に基づく検出信号の強度を予め定量化しておくことによって、検出対象ガス3中の被検出分子2の濃度を定量することもできる。従って、極低濃度のガス分子の検出感度および検出信頼性をより一層高めることができる。さらに、検出器30での検出感度および検出精度を高めることで、分子検出装置1を小型化することができる。従って、携帯性と検出精度とを両立させた分子検出装置1を提供することが可能になる。このような分子検出装置1は、災害現場やテロ行為が行われた現場等、各種の現場でその機能を有効に発揮する。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施し得るものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…分子検出装置、2…被検出分子、3…検出対象ガス、10…捕集部、20…濃度調整部、21…吸着器、22…加熱器、30…検出部、301…検出セル、31…センサー部(GFET)、32…有機物プローブ、33…検出素子、34…半導体基板、35…絶縁膜、36…グラフェン層、37…ソース電極、38…ドレイン電極、40…識別部、P1…第1のガス流路、P2…第2のガス流路、V1…第1のバルブ、V2…第2のバルブ、V3…第3のバルブ。

Claims (14)

  1. 被検出分子を含む検出対象ガスを捕集する捕集部と、
    前記捕集部で捕集された前記検出対象ガス中の前記被検出分子を希釈および/または濃縮し、前記捕集部で捕集された前記検出対象ガスを含む、前記被検出分子の濃度が異なる複数の前記検出対象ガスを生成する濃度調整部と、
    前記濃度調整部で生成された前記複数の検出対象ガスが順に導入され、前記複数の検出対象ガス中の前記被検出分子の濃度に基づく検出信号をそれぞれ出力する複数の検出セルを備える検出部と、
    前記複数の検出セルからそれぞれ出力された前記被検出分子の濃度に基づく前記検出信号の変化傾向を前記複数の検出セル毎に得て、前記検出信号の変化傾向により前記被検出分子を識別する識別部と
    を具備する分子検出装置。
  2. 前記複数の検出セルは、それぞれ、センサー部と、前記センサー部に設けられ、前記被検出分子を捕捉する有機物プローブとを有する、請求項1に記載の分子検出装置。
  3. 前記センサー部は、グラフェン層と、前記グラフェン層に接続されたソース電極およびドレイン電極とを有する電界効果トランジスタを備え、
    前記有機物プローブは、前記グラフェン層に設けられている、請求項2に記載の分子検出装置。
  4. 前記濃度調整部は、前記被検出分子を含む前記検出対象ガスが導入され、前記被検出分子を吸着および脱離することが可能な吸着器を具備し、前記吸着器で前記被検出分子を吸着させて希釈した前記検出対象ガスを生成する、または前記吸着器で吸着された前記被検出分子を脱離させて濃縮した前記検出対象ガスを生成する、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の分子検出装置。
  5. 前記濃度調整部は、前記被検出分子を含む前記検出対象ガスの一部が導入され、前記被検出分子を吸着する吸着器と、前記吸着器で前記被検出分子を吸着させた前記検出対象ガスを、前記検出対象ガスの他の一部と混合することによって、前記被検出分子が希釈された前記検出対象ガスを生成する混合部とを具備する、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の分子検出装置。
  6. 前記濃度調整部は、前記被検出分子を含む前記検出対象ガスが導入され、前記被検出分子を吸着および脱離することが可能な吸着器と、前記被検出分子を吸着した前記吸着器を加熱して前記被検出分子を脱離させ、前記被検出分子を濃縮した前記検出対象ガスを生成する加熱器とを有する、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の分子検出装置。
  7. 前記濃度調整部は、前記捕集部で捕集された前記検出対象ガス中の前記被検出分子を希釈および濃縮し、前記捕集部で捕集された前記検出対象ガスを含む、前記被検出分子の濃度が異なる複数の前記検出対象ガスを生成する、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の分子検出装置。
  8. 前記識別部は、前記複数の検出セル毎の前記被検出分子の濃度に基づく前記検出信号の変化傾向または前記検出信号の変化率により前記被検出分子を識別する、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の分子検出装置。
  9. 被検出分子を含む検出対象ガスを捕集する工程と、
    前記捕集された検出対象ガスを、複数の検出セルを備える検出部に送り、前記検出対象ガス中の前記被検出分子の濃度に基づく第1の検出信号を前記複数の検出セル毎に出力する第1の検出工程と、
    前記捕集された検出対象ガスの前記被検出分子を希釈または濃縮し、前記被検出分子が希釈または濃縮された前記検出対象ガスを、前記第1の検出工程後の前記複数の検出セルを備える前記検出部に送り、前記希釈または濃縮された検出対象ガス中の前記被検出分子の濃度に基づく第2の検出信号を前記複数の検出セル毎に出力する第2の検出工程と、
    前記第1および第2の検出工程における前記複数の検出セル毎に出力された前記被検出分子の濃度に基づく前記第1および第2の検出信号の変化傾向により前記被検出分子を識別する工程と
    を具備する分子検出方法。
  10. 前記第1の検出工程は、前記検出セルのセンサー部に設けられた有機物プローブにより前記被検出分子を捕捉し、前記有機物プローブが前記被検出分子を捕捉することにより前記センサー部に生じる電気的変化を前記第1の検出信号として出力する、または前記第2の検出工程は、前記検出セルのセンサー部に設けられた有機物プローブにより前記被検出分子を捕捉し、前記有機物プローブが前記被検出分子を捕捉することにより前記センサー部に生じる電気的変化を前記第2の検出信号として出力する、請求項に記載の分子検出方法。
  11. 前記第2の検出工程は、前記検出対象ガスの前記被検出分子を希釈し、前記被検出分子が希釈された前記検出対象ガスを、前記複数の検出セルを備える前記検出部に送り、前記希釈された検出対象ガス中の前記被検出分子の濃度に基づく第3の検出信号を出力する工程と、前記検出対象ガスの前記被検出分子を濃縮し、前記被検出分子が濃縮された前記検出対象ガスを、前記複数の検出セルを備える前記検出部に送り、前記濃縮された検出対象ガス中の前記被検出分子の濃度に基づく第4の検出信号を出力する工程とを具備し、
    前記識別する工程は、前記複数の検出セル毎に出力された前記被検出分子の濃度に基づく前記第1、第3、および第4の検出信号の変化傾向により前記被検出分子を識別する、請求項9または請求項10に記載の分子検出方法。
  12. 前記第2の検出工程は、前記検出対象ガスの前記被検出分子を吸着器で吸着する工程と、前記吸着器で前記被検出分子を吸着させて希釈した前記検出対象ガスにより前記第2の検出信号を出力する、または前記吸着器で吸着された前記被検出分子を脱離させて濃縮した前記検出対象ガスにより前記第2の検出信号を出力する工程とを備える、請求項または請求項10に記載の分子検出方法。
  13. 前記第2の検出工程は、吸着器に前記検出対象ガスの一部を導入し、前記被検出分子を前記吸着器で吸着する工程と、前記吸着器で前記被検出分子を吸着された前記検出対象ガスを、前記検出対象ガスの他の一部と混合することによって、前記被検出分子が希釈された前記検出対象ガスを生成し、前記希釈された検出対象ガスにより前記第2の検出信号を出力する工程とを備える、請求項または請求項10に記載の分子検出方法。
  14. 前記第2の検出工程は、前記被検出分子を吸着および脱離することが可能な吸着器に前記検出対象ガスを導入し、前記被検出分子を前記吸着器で吸着する工程と、前記被検出分子を吸着した前記吸着器を加熱して前記被検出分子を脱離させ、前記被検出分子を濃縮した前記検出対象ガスを生成し、前記濃縮された検出対象ガスにより前記第2の検出信号を出力する工程とを備える、請求項または請求項10に記載の分子検出方法。
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