図7は、自動車やバイク(2輪自動車)に使用されるガスセンサ(例えば、酸素センサ。以下、単にセンサともいう)1の説明用断面図である。このセンサ1は、全体として筒状をなす主体金具(金具本体)10と、その内側において先端(図示下端)が閉じられた筒状をなすセンサ素子31、そして、その素子31の内側やセンサ内の図示しない端子金具等を保護するために被せられた保護筒41等から構成されている。このセンサ1を構成する主要構成部品である主体金具10は、自動車等の排気管に設けられたネジ穴に、ねじ込み方式で取付けるためのネジ13を、先端側の円筒状の筒状部(円筒部)11の外周面に備えており、そのネジ13の後方には、それより大径で、ネジ込みのため(回螺用)の多角形フランジ(例えば六角形フランジ)15と、その多角形フランジ15の後方にはそれより小径の円筒状の筒状部(円筒部)17を備える筒状構造を呈している。なお、本願において、主体金具10及びその素材をなす多角形フランジ付き筒状金具に関して先端というときは、図7におけるその下端をいい、後端というときはその逆の端を言う。図7に示したセンサ(完成品)10では、先端側の筒状部(円筒部)11のネジ13の先の小径部12には、プロテクタ51が外嵌されており、後方の円筒部17の後端寄り部位の薄肉円筒部19が中心線に向け、かつ先方にカシメ加工によって曲げられ、素子31等を固定している。
図8は、上記のセンサ1を構成する主体金具(部品完成品)として、切削加工やネジ加工等の機械加工を経て製造される前の多角形フランジ付き筒状金具(素材)10が冷間鍛造により成形、製造されたものの形状、構造を示している。以下、多角形フランジ付き筒状金具(以下、単に筒状金具ともいう)というときは、これら機械加工前の素材をいう。この素材の形状は、図7中に示した主体金具(部品完成品)と一部を除きその基本形状が同一ないし類似しているので、それに対応する部位には同一の符号を付している。すなわち、この筒状金具10は、主体金具(部品完成品)の形状、構造に倣い、先後の筒状部11、17と、その両筒状部の中間寄り部位において、それらより外径が大きい多角形フランジ15を有する筒状体構造を呈している。なお、この多角形フランジ付き筒状金具10において、その先端側の筒状部11は、ネジ加工される部位より先方が小径部12をなしており、中空部27は、先端から後方に向けて段階的に大径の円形穴をなしている。このような素材をなす筒状金具は、従来、冷間鍛造により、丸棒を短く切断した円柱体形状の出発材料(例えば、SUS430)から、すえ込、穴あけ、押し出し、打ち抜き等の複数回の成形工程を経て、徐々に変形を大きくして製造していた。しかし、前記した形状、構造の多角形フランジ付き筒状金具を、冷間鍛造により、とくに、その多角形フランジ部位を設計通りの形状、寸法精度に、効率的に成形するのは容易ではない。かかる課題の解消のために各種の製造方法が提案されている(特許文献1〜3)。
特許文献1には、概略、次のような製法が開示されている。出発材料である円柱体(以下、中間成形体も含め、ブランクともいう)をすえ込み等して、その後端面の中央に凹部を設け、或いはその凹部を深化させた中間成形体を得る。そして、次工程において、金型の円形穴内に、先後において自身の端面が、フランジ形成用の先後間隔(フランジの厚み)を保持して対向配置で設けられた筒状の金型(アウターパンチ、アウターカウンター)を配置してなるダイス(金型)を用い、このブランクを、その先後の中間寄り部位を除く外周面を、その2つの筒状の金型の端面寄りの内周面で拘束する。そして、その状態の下で、後端面中央の前記凹部に、予備穴成形用パンチを押し込むことによって中空部形成用の予備穴の成形を行うと共に、ブランクにおける中間寄り部位の外周面を、すえ込みによって、前記円形穴の内側であって両筒状の金型の端面間の空間に、多角形フランジよりも外径が大きい例えば円形のフランジとして材料を充満させ、これによって円形フランジを張り出し成形する。その後、その予備穴(凹部)を深穴加工して先端側に円筒部を押し出し成形し、さらにその後の工程において、その深穴(中空部)の底面を打ち抜き、貫通した中空部を有するフランジ付き筒状金具とする。そして、その後、別途、円形フランジを多角形フランジにトリミングして、所望とする形状、寸法の多角形フランジにするというものである。すなわち、この製法では冷間鍛造による成形工程では、多角形ではないが、それより外径が大きめの円形フランジの付いた筒状金具に成形しておき、その後において、別途、そのフランジの周囲を多角形に、筒状金具の軸方向にせん断(切断)することにより、外周形状を多角形に調整するというものである。
特許文献2には次のような製法が開示されている。出発材料(円柱体)をすえ込み等して後端面の中央を適量を凹ませてなる中間成形体(ブランク)を、円形穴の後方が、先方より相対的に大径をなす多角形フランジの内周面(多角形内周面)に形成された空間を有する金型内に装填する。そして、このブランクの後端面の凹部に、予備穴成形用パンチを押し込んで予備穴を成形し、その穴あけに伴う材料分、後端部を押し広げて金型における多角形内周面に押し付ける。こうすることで、後端寄り部位全体の外周面を多角形フランジの外周面に対応する多角形に張り出し成形する。そして、この成形において後方への押し出しにより延伸され、張り出し成形した多角形の部位における後端寄り部位に対し、次工程において、内周面が円形を有する金型を外嵌状にして押し出し成形することで、その後端寄り部位を小径の円筒部に延伸する。これによって、相対的に多角形の部位を短くし、所定の先後長(厚み)寸法の多角形フランジに成形するというものである。その後は、上記したのと同様に、予備穴の深穴あけ加工をして中空部を形成し、最後に、その深穴の底部を打ち抜き、貫通した中空部を有する多角形フランジ付き筒状金具を得るというものである。すなわち、この製法では、中間成形工程の予備穴成形段階で、後端寄り部位の全体を多角形とし、その後、その後端寄り部位を円形に絞り込んで、多角形フランジを成形するというものである。なお、特許文献3に記載の製造方法も、多角形フランジの成形に関してはこれと略同様である。
なお、自動車エンジンの点火に用いられるスパークプラグは、周知のように、エンジンへの取付用(ねじ込み用)のネジを外周面に備えた異径筒状の主体金具(金具本体)と、この主体金具に内挿される形で保持され、先端において突出する中心電極を内部に含む筒状の絶縁碍子、そして、中心電極の先端とで火花ギャップを形成するために主体金具の先端に溶接された接地電極等から構成されている。そして、この主体金具もネジ込み用の多角形フランジを有するなど、その部品完成品として切削加工やネジ加工等を経て製造される前の素材の形状、構造は、上記センサのそれと基本的に同様であり、同様の冷間鍛造工程を経て、最終的に多角形フランジ付き筒状金具として製造されている。
上記した特許文献1の製法では、冷間鍛造で、直接、多角形フランジを成形するのではなく、その対角寸法(外径)よりも大きい円形フランジとして張り出し成形しておき、その後、これを多角形フランジとなるように、トリミング用パンチ(せん断刃)で、せん断するというものである。このため、このような製法では、トリミング工程が必要になるだけでなく、必然的にトリミングに伴う切断屑の発生があり、その大量の屑の処理に問題があるだけでなく、材料歩留りが悪いという課題があった。しかも、このようなトリミングには、多角形のトリミング用のパンチ(せん断用の可動刃)、及び、相手方をなす固定刃(金型)を要するところ、それらは多角形の刃であるがゆえに高コストとなり、しかも、寿命(切れ味の持続期間)も比較的短い(型交換頻度が高い)という難点がある。結果、多角形フランジ付き筒状金具の低コスト化が困難であるといった課題があった。
もっとも特許文献1中には、別案として、円形ではなく、多角形フランジとして張り出し成形しておくことも開示されているが、多角形フランジを、一度のすえ込みにより、その形状、寸法を高精度に保持して成形することは、困難である。事実、多角形フランジの形状、構造、さらにはその突出量と厚さ比等によっては、十分な材料流動の確保ができない。しかも、このように、一度のすえ込みにより、多角形フランジを張り出させる場合には、筒状の金型(ダイス)における、前記空間側の端面、及びその筒壁の外周面も、多角形フランジの外周面に対応した多角形にしておく必要がある。一方、その内周面は円筒部にあわせる必要があるから円形となる。このため、その筒状の金型における壁の厚み(肉厚)は多角形の対辺方向においては小さいものとなる。加えて、一度のすえ込みにより、このような多角形フランジを張り出し成形する場合には、極めて大きなプレス力を要するから、その筒壁の厚み方向にも極めて大きな力が作用する。これにより、筒状の金型は、その壁の薄肉部(対辺部)において破損し易く、寿命が短いという重大な課題がある。しかも、製品のコンパクト化(小型、小径化)の要請から、品種によっては、多角形部の対辺寸法は、その基部をなす筒状部の外径より僅かに大きいだけとなるものもある。こうしたことから、上記した製法においては、多角形フランジを直接、一度のすえ込で張り出し成形することは行われていないというのが実情である。
特許文献2の製法では、このような課題はないものの、予備穴成形用パンチの押し込みによって予備穴をあけることで、後端寄り部を押し広げてその外周面を多角形に形成するというものであるため、その多角形の外径に対し、予備穴の内径が小さい場合には、金属材料の半径外方への流動が不十分となるため、その後端寄り部位の外周面を、所望とする形状、寸法の多角形に十分に張り出させることができない。すなわち、細いパンチの押し込みによる予備穴の成形となるような場合には、金属材料は、金型の内周面(多角形面)の全域に隙間なく十分に押し付けられ、充満させることができない。結果として、張り出し不足や、引けの発生等による多角形フランジの形状不良を発生させるという問題があった。このように、特許文献2や3による製法では、多角形フランジの外径に対して、筒状部の中空部の内径が小さい場合には、十分な張り出しが得られず、所望とする形状、寸法精度の多角形フランジが得られないことがあるといった問題があった。
本発明は、上記従来技術における如上の問題点に鑑み、上記主体金具(完成品)の機械加工前の素材である多角形フランジ付き筒状金具を冷間鍛造によって製造するにあたり、金型等の高コスト等に由来するコストの増大を招くことなく、また、多角形フランジ付き筒状金具がその多角形フランジの外径に対して中空部の内径が小さいものであるとしても、高寸法精度の多角形フランジが効率的に得られる製造方法を提供することをその目的とする。
請求項1にかかる本発明は、貫通する中空部を有する筒状部と、該筒状部の軸方向における先後の中間寄り部位の外周面において外方に張り出す多角形フランジとを有する、多角形フランジ付き筒状金具の冷間鍛造による製造方法であって、
該多角形フランジ付き筒状金具の製造工程中の中間成形工程において、前記多角形フランジを成形するのに、少なくとも次記した工程を含んでいることを特徴とする、多角形フランジ付き筒状金具の冷間鍛造による製造方法である。
(1)円柱形状のブランクの一方の端面の中央への予備穴成形用パンチの押し込みによって凹部を成形することにより、又は該凹部を成形してなるブランクにおける該凹部への予備穴成形用パンチの押し込みによって該凹部を深化させることにより、前記中空部をなすべき予備穴を成形するにあたり、該ブランクを、その先後の中間寄り部位を除く外周面を拘束した状態の下で、前記予備穴成形用パンチを押し込むことによって前記予備穴の成形を行うと共に、該ブランクにおける中間寄り部位の外周面に、すえ込みによって前記多角形フランジの先後寸法よりも先後寸法が大きい多角形フランジ用張り出し部位を、予備成形用金型本体における該多角形フランジの外周面となるべき範囲を超えない多角形の規制内周面の内側において予備成形する予備成形工程。
(2)前記予備成形工程の後、前記多角形フランジの外周面を成形するための多角形内周面を備えてなる本成形用金型本体を用い、前記予備成形後のブランクにおける前記予備穴に保形用のパンチを装填した状態において、該ブランクを、前記多角形フランジ用張り出し部位が前記多角形内周面にて包囲されるように該本成形用金型本体内に配置し、この配置状態の下で、該多角形フランジ用張り出し部位を、先後方向に加圧することによって、該多角形フランジを所定の先後長に圧縮して本成形する本成形工程。
請求項2にかかる本発明は、前記予備成形工程において、該ブランクの先後の中間寄り部位を除く外周面を拘束するのに、前記予備成形用金型本体と、別設の金型を用いると共に、この別設の金型を、筒状をなすものとし、かつ、前記予備穴成形用パンチに環状の空隙を介して外嵌状に配置しておくことを特徴とする、請求項1に記載の多角形フランジ付き筒状金具の冷間鍛造による製造方法である。
請求項3にかかる本発明は、前記予備成形工程において、前記多角形フランジの外周面となるべき範囲を超えない規制内周面が、前記予備成形用金型本体において、前記多角形フランジの外周面と同寸法以下の予備成形用多角形内周面として、前記ブランクの前記中間寄り部位を挟む先後を拘束する内周面相互の先後間に形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の多角形フランジ付き筒状金具の冷間鍛造による製造方法である。
請求項4にかかる本発明は、前記本成形工程における多角形フランジ用張り出し部位の先後方向の加圧を、前記多角形フランジの各端面を成形する環状面を有する、別設の金型同士で、又は別設の金型と前記本成形用金型本体に設けられた該環状面にて行うことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多角形フランジ付き筒状金具の冷間鍛造による製造方法である。
請求項5にかかる本発明は、前記本成形工程における多角形フランジ用張り出し部位の先後方向の加圧を、別設の金型と前記本成形用金型本体に設けられた前記環状面にて行う場合において、この別設の金型を、筒状をなすものとし、かつ前記保形用のパンチに環状の空隙を介して外嵌状に配置しておくことを特徴とする、請求項4に記載の多角形フランジ付き筒状金具の冷間鍛造による製造方法である。
本発明では、一度の冷間鍛造工程(プレス工程)で、多角形フランジを成形するのではなく、少なくとも、1回のすえ込みによる予備成形工程により、本来の多角形フランジよりも先後長の大きい多角形フランジ用張り出し部位を張り出し成形しておき、その後の本成形工程により、この多角形フランジ用張り出し部位を、先後方向に加圧することで、本来の多角形フランジを成形することとしている。すなわち、従来のように一度(1回)ではなく、少なくとも2回の冷間鍛造工程(変形工程)によって多角形フランジを成形することとしているため、過大な力が金型にかかるのを防止できるため、金型の破損を低減でき、トリミングを要することもなく高精度に、そして、予備穴の径が小さいとしても、最終的に張り出し不足もなく、高寸法精度の多角形フランジを得ることができる。結果、高寸法精度の多角形フランジ付き筒状金具を効率よく、低コストで得ることができる。
予備成形工程に用いる金型は、前記多角形フランジ用張り出し部位用の空間の形成ができ、成形後の取り出しができるように、ダイス、パンチ、ノックピン等からなる適宜の複数の金型の組合せによって構成すればよい。そして、上記予備成形工程においては、請求項2に記載のように、予備成形用金型本体と、別設の金型とが必要となるが、この別設の金型は、筒状をなすもの(筒状の金型)とし、前記予備穴成形用パンチに、環状の空隙を介して外嵌状に配置しておくのがよい。このような配置としておき、この別設の金型を適度のバネを介して、前記予備穴成形用パンチと同時に上下動するように可動盤に垂下状に取付けておくと共に、バネの自由状態において、この別設の金型の先端が、前記予備穴成形用パンチの先端より適量突出するようにしておくことで、ブランクの拘束等の制御が簡易となる。
前記予備成形工程において、前記多角形フランジの外周面となるべき範囲を超えない規制内周面は、請求項3に記載のように、前記予備成形用金型本体において、前記多角形フランジの外周面と同寸法以下の予備成形用多角形内周面としておくと、金型構造の簡素化が図られるので好ましい。なお、本発明における多角形フランジ、或いは多角形は、六角ボルトの頭部やナット等の外周面形状と同程度の精度のものである。
前記本成形工程において、前記多角形フランジ用張り出し部位の先後方向の加圧は、適宜の金型の組合せで行うようにすればよいが、請求項4に記載のように、前記多角形フランジの各端面を成形する環状面を有する、別設の金型同士で、又は別設の金型と前記本成形用金型本体に設けられた該環状面にて行うこととするのが、金型構造の簡素化が図られるので好ましい。この場合において、請求項5に記載のように、前記本成形工程における多角形フランジ用張り出し部位の先後方向の加圧を、別設の金型と前記本成形用金型本体に設けられた該環状面にて行う場合には、この別設の金型を筒状をなすものとし、前記保形用のパンチに、環状の空隙を介して外嵌状に配置しておくのがよい。このような配置としておき、この保形用のパンチを適度のバネを介して、前記別設の筒状の金型と同時に上下動するように可動盤に取付けておくと共に、前記予備穴に保形用のパンチの装填が終了した後で、別設の筒状の金型と、前記本成形用金型本体に設けられた該環状面にて、加圧が開始するようにしておくことで、前記予備穴への保形用のパンチの装填のための制御等が容易となる。
以下、本発明による多角形フランジ付き筒状金具の冷間鍛造による製造方法の実施の形態例について、図1〜図6を参照しながら詳細に説明する。ただし、本例では、図1のA−Fの順に示したように、円柱状の出発材料(図示せず)から、端面調整して第1工程成形体10aとし、その後、これをすえ込んで第2工程成形体10bとし、その後、多角形フランジ用張り出し部位15cを予備成形して第3工程成形体10cとし、次いで、これの多角形フランジ用張り出し部位15cを本成形して多角形フランジ15として第4工程成形体10dとし、その後、この第4工程成形体10dの予備穴を深穴あけ加工により中空部27のある第5工程成形体10eとし、最後に、この中空部27の底面を打ち抜いて、素材完成品である多角形フランジ付き筒状金具(第6工程成形体)10を得る、6段階の成形工程で成形、製造する場合で説明する。なお、各工程における成形体(10b〜10e)における各部位の符号は、原則として、この第6工程成形体10を基準として、それと実質的に形状が同じか、又は区別する必要がない部位には、その各部位の符号(数字)を、そして、同じでないが対応する部位には、その各部位の符号(数字)に加え、成形体に付したアルファベット(小文字)を付記する。なお、以下、筒状金具というときは、機械加工される直前の素材(第6工程成形体10)をいい、主体金具というときは、その加工後の部品をいうものとする。
図2は、本発明の予備成形工程(第3工程)に送られる第2工程成形体10bの成形工程(第2工程)を示すが、まず、第2工程成形体10bの形状、構造について説明する(図1−B参照)。この成形体(ブランク)10bは、先端側(図示下端側)が小径部11bをなし、その後方に向けてテーパ20を介して拡径され、その後方部位が相対的に大径の大径部17bからなる異径円柱形状を呈している。このブランク10bは、出発材料(円柱体)の端面を成形、調整した第1工程成形体10a(図1−A参照)を図2に示した金型200内に装填し、パンチ230にてその後端面22を押し、後端寄り部位をすえ込むことで成形される。なお、小径部11bの外径は、主体金具において先端側にネジの形成が可能の外径に対応している。また、大径部17bの外径は、筒状金具10における後方の円筒部17の外径に対応するものとされている。なお、各端面には先すぼまりテーパの凹部23が成形されている。なお、金型200の成形面(内周面)は、異径円柱体の外周面に対応する異径円形穴からなる内周面であり、その内周面の下方にはノックアウトピン240が配置されている。
前記した第2工程成形体10b(図1−B参照)は、図3に示した本発明の予備成形工程(第3工程)に送られて、第3工程成形体(図1−C参照)に成形されるが、これについても、まず、第3工程成形体の形状、構造について説明する(図3参照)。この成形体10cは、第2工程成形体10bにおける後端面22bの中央における凹部23への予備穴成形用パンチ330の押し込みによって、筒状金具10の中空部27をなすべき予備穴25を成形してなるものである。そして、この予備穴25の成形により、ブランクにおける中間寄り部位(第2工程成形体10bのテーパ20と、大径部17bの先端部位付近)の外周面に、すえ込みによって多角形フランジ用張り出し部位15cを成形してなるものである。この張り出し部位15cは、その先後長L1が、完成品としての多角形フランジ(本例では、正六角形)15の先後寸法L2よりも大きいが、外径は、多角形フランジ15の外周面となるべき範囲を超えない大きさとされており、その張り出し体積が、正規の多角形が形成され得るものに設定されている。なお、上記した予備穴25は、その先端側に対して後端側が若干大径をなす異径穴を呈しており、先端側(多角形部)に対応するその穴25の部位が、その後、深穴あけ加工により形成される中空部27の内径と略同一径とされている。一方、その予備穴25における後方の大径部17bの内径は後端側の筒状部17の内径に略一致する大きさとされている。本例では、このような予備穴25の底面は、張り出し部位15cの先後の中間に位置しており、その底面は、微量、中心(中央)が低位をなす先すぼまりのテーパをなしている。そして、その底面の先方であって、多角形フランジ用張り出し部位15cの先方部位11cは第2工程成形体10bにおける先端側の小径部(円柱部)11bと略同形状のままである。
一方、この予備成形工程(第3工程)に用いられる金型は予備成形用金型本体300等からなり、次のようである。図3に示したように、予備成形用金型本体300は、第2工程成形体10bにおける先端側の小径部11bを隙間嵌めて受け入れ、その外周面を拘束する円形穴303と、その円形穴303の後端(図示上端)において、やや先すぼまりテーパをなす後方向きの環状面305を介し、その円形穴303と同軸で多角形にて拡径し、その多角形で後方に延びる多角形穴307を有している。この多角形穴307の内周面は、多角形フランジ15の外周面と、同一か、それより横断面において微量、小さくされている。すなわち、この多角形穴307の内周面が、多角形フランジ15の外周面となるべき範囲を超えない規制内周面309であり、本例において、予備成形用多角形内周面をなしている。なお、この金型における円形穴303には、第3工程成形体10cの先端面を支持するノックアウトピン340が配置されている。
他方、この円形穴303と同軸で、金型(予備成形用金型本体)300の上方には、ブランク10bの後端面の中央に、筒状金具10における中空部27の予備穴25を成形するための予備穴成形用パンチ330が、円形穴303と同心で、垂下状に配置されている。この予備穴成形用パンチ330における先端部位は、相対的に細くされており、その後端部位(上端部位)において、プレス装置(図示せず)において上下動するように設けられた可動盤に固定されている。そして、本例では、この予備穴成形用パンチ330に対し、筒状の金型(別設の金型)350が、環状の空隙を介して外嵌状に同心で配置されている。この筒状の金型350は、その先端寄り部位の内周面が、第2工程成形体10bにおける後端寄り部位(大径部17b)の外周面を拘束し得るように形成されている。そして、環状の空隙は、ブランク10bの後端面22bの中央に予備穴成形用パンチ330が押し込まれて予備穴25が成形されたときに、後方の筒状部(円筒部)17が相対的に押し出される空間であり、後方に向けて開放されている。
また、予備成形工程において、筒状の金型350の先端寄り部位の外周面は、円形でもよいが、本例では予備成形用金型本体300における多角形穴307に隙間嵌めで嵌合する多角形をなしており、下動されることで、その多角形穴307に挿入され、嵌合するように、図示しないガイド手段でガイドされている。なお、この筒状の金型350は、その後端(図示上端)において、適度のバネ360を介して、予備穴成形用パンチ330と同時に上下動するように可動盤に取付けられている。ただし、バネ360の自由状態において、筒状の金型350は、その先端(図示下端)353が、この予備穴成形用パンチ330の先端335より適量突出するように設定されている。より具体的には、予備穴成形用パンチ330の先端335がブランク10bの後端面22bを押す前に、その外周面と多角形穴307の内周面との間に、筒状の金型350の先端353が先方に向けて所定量、入り込み、そして、ブランク10bの後端面22bの押圧が開始され、材料のすえ込みが開始されるのと略同時に、筒状の金型350の先端寄り部位の内周面への材料の変形による半径外方への加圧が生じ、それ以上の入り込みが止められ、バネ360が圧縮されるのと同時に、ブランクの後端寄り部位の外周面の拘束が行われる設定とされている。
しかして、本例では、予備穴成形用パンチ330の駆動制御において、ブランク10bの大径部17bの後端寄り部位の外周面の拘束もできる設定とされている。なお、筒状の金型350の先端寄り部位の入り込みが止められた時における、その先端353と、円形穴303の後端における後方向きの環状面(多角形穴307の環状底面)305との間の間隔(寸法)は、多角形フランジ15の先後寸法L2よりも大きく設定されている。すなわち、この間の間隔(寸法)は、本成形における多角形フランジ15の張り出しに必要な材料の張り出し量が得られるように、多角形穴307の内径寸法との関係で、適当な先後長L1に設定される。
さて、このような金型を用いる予備成形工程(第3工程)においては、第2工程成形体(ブランク)10bを、その小径部11bにおいて金型の円形穴303に装填する(図3の左図(A))。これにより、そのブランク10bの小径部11bの外周面は円形穴303の内周面にて拘束される。次いで、図3の右図(B)に示したように、図示しない可動盤を適量、降下させる。これにより、筒状の金型350の先端部位が、そのブランク10bの大径部17bの後端寄り部位の外周面と、多角形穴307の内周面(規制内周面)との間の環状の空間に所定量、入り込む。さらに、可動盤を降下させることで、予備穴成形用パンチ330の先端335がブランク10bの後端面の中央に押し込まれ始め、材料のすえ込みが開始される。この開始と略同時に、筒状の金型350の先端寄り部位の内周面への材料の変形による半径外方への加圧が生じるため、それ以上の入り込みが止められ、ブランク10bの後端寄り部位の外周面の拘束が行われる。これにより、このブランク10bは、その先後の中間寄り部位を除く外周面が拘束され、その状態の下で、予備穴成形用パンチ330が押し込まれることになり、その後端面の凹部23を深化させる予備穴25の成形(穴あけ)が行われる。と同時に、ブランク10bにおける中間寄り部位の外周面と多角形穴307の内周面との間の空間には、その予備穴25の成形に伴うすえ込みによって、多角形フランジ15の先後寸法L2よりも先後寸法が大きいが、多角形フランジ15の外周面となるべき範囲を超えない張り出し状態の多角形フランジ用張り出し部位15cが予備形成される(図3の右図(B)参照)。
かくして、予備成形された後は、可動盤を上昇させて、予備穴成形用パンチ330と筒状の金型350を引き上げ、ノックピン340を押し上げることにより、第3工程成形体10c(図1−C参照)が得られる。すなわち、ブランク10bに予備穴25の成形が行われると共に、中間寄り部位の外周面に、すえ込みによって多角形フランジ15の外周面を超えない一方で、その先後寸法L2よりも先後寸法が大きい多角形フランジ用張り出し部位15cが形成される。なお、本予備成形工程においては、第2工程成形品である円柱形状(異径円柱形状)のブランク10bの一方の端面の中央への予備穴成形用パンチ330の押し込みによって凹部を成形することにより中空部27をなすべき予備穴25を成形する場合で説明したが、この円柱形状のブランク10bは、その後端面に適度の深さの凹部が成形されてなるものであり、その凹部への予備穴成形用パンチ330の押し込みによって該凹部を深化させることにより、中空部27をなすべき予備穴25を成形するものとしてもよい。また、この円柱形状のブランク10bは、筒状金具10によっては異径円柱形状のものでなく、同径の円柱形状のものでもよい。
上記したようにして予備成形された第3工程成形体10cは、図4に示した本発明の本成形工程(第4工程)に送られて、第4工程成形体10dに成形される。なお、この第4工程成形体10d(図1−D参照)は、第3工程成形体10cにおいて成形されている多角形フランジ用張り出し部位15cを、多角形フランジ付き筒状金具10におけるところの多角形フランジ(正六角形フランジ)15に、その形状、寸法を調整、成形してなる点が、相違するだけであり、他は本質的に異なる点はない。
すなわち、本成形工程(第4工程)は、上記した第3工程成形体10cにおける多角形フランジ用張り出し部位15cを、正規の多角形フランジ(正六角形フランジ)15に、その形状、寸法を調整、成形して第4工程成形体10dを成形する工程であるから、この第4工程に用いられる金型は本例では、本成形用金型本体400等から次のように構成されている。すなわち、本成形用金型本体400は、第3工程成形体10cにおける先端側の円柱部からなる先方部位11cを受け入れ得る円形穴403と、この円形穴403の後端において、多角形フランジ15における先端向き面を成形するための後方向きの環状面405を介し、円形穴403と同軸で多角形フランジ15の外周面を成形するために多角形に拡径し、その多角形で後方に延びる多角形穴407を有している。後方向きの環状面405は、やや先すぼまりテーパをなして多角形フランジ15の先端向き端面(環状面)15sと同一で、多角形穴(六角穴)407の内周面409は、多角形フランジ15の外周面と同一に形成されている。これにより、多角形穴(六角穴)407の内周面409が、多角形フランジ15の外周面を成形するための多角形内周面をなしている。なお、この金型400における円形穴403には、成形されるべき第4工程成形体10dにおける先端側の小径部(円柱部)11dの先端面を支持するノックアウトピン440が配置されている。このように、第4工程に用いる本成形用金型本体400の成形面は、実質的に、第3工程に用いた予備成形用金型本体300の成形面と同じである。
他方、この円形穴403と同軸で、本成形用金型本体400の上方には、後端面の中央に設けられた予備穴25に先端部位が装填される保形用のパンチ(円柱体)430が垂下状に配置されている。この保形用のパンチ430における先端部位は、予備穴25に略隙間なく装填されるように形成されている。この保形用のパンチ430は、その上端部位において上下動する可動盤に、本例では適度のバネ460を介して垂下状に取付けられている。そして、本例では、この保形用のパンチ430に対し、筒状の金型(別設の金型)450が、環状の空隙を介して外嵌状に同心で配置されており、この筒状の金型450における先端寄り部位が、第3工程成形体10cにおける後端寄り部位(円筒部17)の外周面と、多角形穴407の内周面との間に、それぞれ微小な隙間嵌めで外嵌されるように形成されている。
すなわち、この筒状の金型450の先端寄り部位の外周面は、多角形穴407の内周面に微小な隙間嵌めをなす多角形をなしており、内周面は、第3工程成形体10cにおける後端寄り部位(円筒部17)の外周面に微小な隙間嵌めをなす円形をなしており、下動されることでその多角形穴407の内側に、嵌合するように図示しないガイド手段でガイドされている。なお、この筒状の金型450は、その後端(又は後方)において保形用のパンチ430の後端が取付けられている可動盤に固定されており、保形用のパンチ430と同時に上下動する設定とされている。ただし、可動盤の下動により、保形用のパンチ430の先端435が予備穴25に押し込まれ、金型内に装填された第3工程成形体10cの先端(図示下端)が、ノックアウトピン440の先端に支持された状態となり、筒状の金型450の先端453が、その多角形フランジ用張り出し部位15cの後端向きの環状面の加圧を開始するように設定されている。これにより、筒状の金型450の先端453が、その多角形フランジ用張り出し部位15cの後端向きの環状面の加圧するときは、保形用のパンチ430は、予備穴25の底面を押し、それを垂下しているバネ460は圧縮される。しかして、本例では、本成形用の筒状の金型450の駆動制御において、保形用のパンチ430の駆動制御もできる設定とされている。
なお、筒状の金型450の先端(面)453は、正規の多角形フランジ15における後端向き端面15kを形成する環状面をなしている。そして、この筒状の金型450の押し下げストロークは、その先端453と、本成形用金型本体400における後方向きの環状面(多角形穴407の環状底面)405とで、多角形フランジ用張り出し部位15cを先後に加圧して、正規先後寸法の多角形フランジ15が得られるように設定される。なお、多角形フランジ15における先端向き端面(環状面)15sを本形成するための後方向きの環状面405は、本例では、本成形用金型本体400と一体のものとして形成している場合を例示しているが、図中、2点鎖線で示したように、この部位も、前記したような筒状の金型(別設の金型)450と同様の金型480を組み込んで、形成しておいてもよい。このようにしておけば、2つの筒状の金型の端面間にて、多角形フランジ用張り出し部位15cを先後に加圧することになる。すなわち、この本成形工程に用いる金型も適宜の金型の組合せ(ダイス)により構成できる。また、上記予備成形工程に用いる金型についても同様である。
しかして、本成形工程である第4工程においては、第3工程成形体10cを、その多角形フランジ用張り出し部位15cの多角形が、本成形用金型本体400における多角形穴407に一致するようにしつつ、その先端側の小径部11cを同金型本体の円形穴403に入り込ませる(図4の左図(A)参照)。これにより、その先端寄り部位(先端側の小径部11c)の外周面は、円形穴403の内周面にて拘束されると共に、多角形フランジ用張り出し部位15cが、多角形穴407の内周面(多角形内周面)にて包囲される。そして、この配置状態の下で、図4の右図(B)に示したように、可動盤を所定ストローク下動する。これにより、保形用のパンチ430の先端435が予備穴25に押し込まれ、金型内に装填された第3工程成形体10cの先端がノックアウトピン440の先端に支持される。次いで、筒状の金型450の下降により、その先端453と、本成形用金型本体400における後方向きの環状面405との間で、多角形フランジ用張り出し部位15cは先後に加圧される。そして、筒状の金型450が所定ストローク下降されることで、所定の先後寸法L2に圧縮された多角形フランジ15が得られる。
かくして、本成形された後は、可動盤を上昇して、筒状の金型450と保形用のパンチ430とを引き上げ、ノックピン440を押し上げることにより、多角形フランジ15が本成形された第4工程成形体(図1−D参照)10dが得られる。そして、その後は、図5に示したように、第5工程におていて、この第4工程成形体10dにおける予備穴25に深穴あけパンチ530を押し込み、先端側の小径部11dを押し出すと共に、後方の筒状部17を後方押し出しして中空部27を成形する。これにより、第5工程成形体10eを得る(図1−E参照)。そして、その後、図6に示したように第6工程で、この成形体10eにおける中空部27の底面(底部)29を打ち抜きパンチ630で打ち抜くことで、所望とする多角形フランジ付き筒状金具(図1−F参照)10が得られる。
このように本例において得られる多角形フランジ付き筒状金具10は、その冷間鍛造による製造工程中の中間成形工程において、その多角形フランジ15の部位を成形するのに、上記したような予備成形工程、本成形工程の2工程を含んでいることから、次のような効果が得られる。すなわち、従来のように、一度の冷間鍛造工程で、多角形フランジ15を成形するのではなく、1回目のすえ込みによる予備成形工程により、多角形フランジ15よりも先後長の大きい多角形フランジ用張り出し部位15cを成形しておき、その後の本成形工程により、この多角形フランジ用張り出し部位15cを、先後方向に加圧することで、多角形フランジ15を成形する、2段の工程を経ることとしている。このため、ブランクに付与されるプレス力を、一度の冷間鍛造工程で多角形フランジを成形する場合に比べ小さくできる。これにより、上記したような筒状の金型350、450も含め金型に過大な力がかかるのを防止できるため、その金型の破損を低減できる。しかも、2段の工程を経て成形しているため、トリミングを要することもなく高精度の多角形フランジが得られる。また、2段の工程を経ることとしているため、予備穴25の径が小さいとしても、最終的に張り出し不足もなく、高寸法精度の多角形フランジ15を得ることができる。このように、本例製法によれば、結果、高寸法精度の多角形フランジ付き筒状金具を効率よく、低コストで得ることができる。
なお、第4工程成形体10dから形成される第5工程成形体10eは、第6工程において打ち抜かれてなる多角形フランジ付き筒状金具10となる直前の成形体であり、第6工程成形体(筒状金具完成品)10とは、底部29が残存している点を除けば、異なる点はない。そして、このような第5工程成形体10eは、第4工程成形体10dを、上記したように図5に示したような金型500、及び深穴あけパンチ530を用い、その予備穴25を深穴あけ加工する(中空部の成形をする)ことによって成形される。すなわち、第5工程においては、図5の左図(A)に示したように、第4工程成形体10dを、その多角形フランジ15を含む先方部位を受け入れ可能であり、第5工程成形体10eの先方部位の形状に対応して形成されたキャビティを有する金型500に、先端側から装填し、深穴あけパンチ530を、図5−右図(B)に示したように押し込み、その押し込みにより深穴あけ加工をして中空部(有底穴)27を得、ノックピン540で押し出すことで成形される。そして、その後の打ち抜き工程(第6工程)では、図6に示したように、第5工程におけるのと同様のキャビティを有する金型600を用い、これに第5工程成形体10eを装填し、その後、打ち抜きパンチ630により、中空部(深穴)27の底面29を打ち抜き、ノックピン(筒型)640で押し出すことで得られる。
なお、上記形態例では、出発材料から6の工程を経ることで多角形フランジ付き筒状金具を成形する場合で、かつ、その多角形フランジの成形を行うのに、第3工程を予備成形工程とし、第4工程を本成形工程として説明したが、本発明において、筒状金具(冷間鍛造品)の完成に至るまでの工程数、及び予備成形工程の順位は、これに限定されるものでない。また、予備成形工程は、複数回としてもよい。すなわち、予備成形工程は、中空部の内径の小ささや、多角形フランジの形状(突出量、先後寸法)や、金属材料の変形容易性等に基づく成形難度に応じて、適宜の複数の工程としてもよい。また、冷間鍛造において用いる金型は、予備成形用金型本体、本成形用金型本体、及びその他の金型を含め適宜の組合せのものを用いることができる。そして、パンチを含む金型の動かし方等、その駆動手段等も適宜のものとすればよい。また、筒状金具における多角形フランジは、六角以外でもよいし、多角形フランジ付き筒状金具(素材)の形状、構造は、上記例におけるものに限定されるものではなく、その後の切削加工の箇所、加工取り代等に応じ、異径状態等は、適宜に変更した形状、構造のものとして具体化すればよい。そして、このような多角形フランジ付き筒状金具は、センサやスパークプラグ用の筒状金具の機械加工前の素材として広く適用できる。