JP6611554B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法等の記録方法に使用されるトナーに関する。
近年、電子写真装置は、省エネルギー化を達成するために、トナーの低温定着性能の更なる向上が求められている。一方で、プリントスピードの高速化も進んでおり、低温定着性能改善とプリントスピードの高速化対応の両立が求められている。
低温定着性能を改善する為には、優れた機能を発揮する低融点ワックスが、しばしば用いられている。この低融点ワックスとは、融点を60.0℃以上90.0℃以下に有する結晶性を有する物質であり、その例としては脂肪族炭化水素ワックスやエステルワックス等が挙げられる。
この低融点ワックスは定着時、自身が融点で急速に溶融すると共に、メインバインダーである非晶質樹脂を可塑化させることで、低温定着性能を改善させている。
しかしながら、低融点ワックスは、分子量が低い為、熱が加わると揮発し易い性質を有する。従って、低融点ワックスを含有するトナーが定着プロセスで加熱されると、揮発成分が発生し易くなり、この揮発成分が画像形成装置内の構成部材、特に定着器の低温部分と接触すると、冷却されて析出し、析出物が堆積することで、定着器汚染が起こり易い。
この定着器汚染に関しては、特にプリントスピードが速くなるほど、より汚染しやすい傾向にある。それは、プリントスピードの速い定着プロセスにおいては、定着ニップ内でトナーを瞬時に溶融させる必要性から、定着温度を高めに設定するため、過剰な熱量がトナーに加わりやすい為である。
揮発成分を抑え、定着器汚染を抑制させる為に、特許文献1では、炭化水素ワックスの200℃で10分間加熱した際に発生した成分の総量を規定した提案がされている。これによると、ワックス成分の揮発を抑えることができ、定着器周りの汚染状態を改善できることが記載されている。
同様に、特許文献2では、変性ワックスとエステルワックスの比率を規定することで、ダストの発生を抑制する提案がされている。
一方で、低融点ワックスのような作用を有する、長鎖アルキル成分をメインバインダーである非晶質樹脂に化学的に結合させて用いる技術に関しても、提案されている。
このように、低融点成分をメインバインダーに結合させることで、低融点ワックスの機能を有し、且つ見掛け上分子量が高くなる為、定着時の揮発成分の発生を抑制することが可能となる。
特許文献3では、炭素数22〜102の長鎖アルキル基と、末端に水酸基又はカルボキシル基とを有する化合物で少なくとも一部が変性されたポリエステル樹脂を含有する静電荷像現像用トナーが提案されている。また、特許文献4では、炭素数16以上102以下の長鎖アルコール、多価アルコール、及び多価カルボン酸を反応させることにより得られたポリエステルユニットを用いたトナーが提案されている。また、特許文献5では、酸又はアルコールと反応しうる官能基と炭素数30以上の長鎖アルキル基とを有する化合物を含有するポリエステル樹脂を含有するトナー用バインダー樹脂が提案されている。
特開2012−78810号公報 特開2012−215859号公報 特開平7−175263号公報 特開2013−97262号公報 特開2007−133391号公報
本発明者らの検討の結果、特許文献1及び2に記載のトナーは、より高速のプリントスピードで且つ、高定着温度環境下においては、定着器の汚染の抑制について、更なる改善が必要であるものであった。
また、特許文献3、4及び5については、次のような課題があることがわかった。上記文献の実施例では、例えば、炭素鎖長が50の1価の長鎖アルキルアルコールモノマーをポリエステル重合時に添加し、変性ポリエステル樹脂を得ている。ここで用いられている、炭素鎖長が50の1価の長鎖アルキルアルコールモノマーのような、炭素鎖長の長いアルコールや酸モノマーに関しては、下記のようなプロセスを経て得られる。
例えば、炭素鎖長が50の1価の長鎖アルキルアルコールの場合、炭素鎖長が約50の脂肪族炭化水素(パラフィンワックス)を酸化・加水分解することで、アルコール変性物を得ている。
しかしながらこの変性反応に際して、従来の変性アルコール品は、その変性率が50〜70%程度であり、多数の未変性の脂肪族炭化水素が存在していた。
アルコール変性された脂肪族炭化水素成分に関しては、重合反応でポリエステル樹脂と反応し、ポリエステル樹脂中へ組み込まれる。一方、未変性の脂肪族炭化水素成分は、メインバインダーとの反応点を持たない為、メインバインダー中で遊離した状態で存在する事になり、それらが定着時に揮発成分として発生してくる可能性がある。その為、炭化水素成分の変性率が低い点で、これらの文献に関する技術は改善の余地があるものであった。
以上のとおり、本発明は、高速、高耐久の使用環境においても、低温定着性能に優れ、かつ定着器等の部材汚染が少ないトナーを提供することを課題とする。
本発明は、ポリエステル樹脂組成物を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該ポリエステル樹脂組成物は、
i)炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノアルコール、及び炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノカルボン酸の少なくとも一方に由来する構造を末端に有するポリエステル樹脂、並びに
炭素数の平均値27以上50以下の脂肪族炭化水素を含有し、
ii)該脂肪族炭化水素、該長鎖アルキルモノアルコールに由来する構造、及び該長鎖アルキルモノカルボン酸に由来する構造の合計の含有割合が、該ポリエステル樹脂組成物の質量を基準として、2.5質量%以上10.0質量%以下であり、
示差走査熱量測定(DSC)にて得られる該ポリエステル樹脂組成物の温度−吸熱量曲線において、
該ポリエステル樹脂組成物の吸熱ピークのピークトップ温度が、60.0℃以上90.0℃以下であり、
該吸熱ピークの吸熱量が、0.10J/g以上1.90J/g以下であり、
該ポリエステル樹脂組成物は、アルコール成分を含有する組成物(A)と酸成分を含有する組成物(B)との反応物であり、
該組成物(A)及び該組成物(B)が、下記(iii)及び(iv)の規定:
(iii)該組成物(A)に含有される該アルコール成分が、該長鎖アルキルモノアルコールを含み、該組成物(A)が、該脂肪族炭化水素を含有し、該組成物(A)における該長鎖アルキルモノアルコールの含有比率が、該長鎖アルキルモノアルコール及び該脂肪族炭化水素の合計量に対して、85%以上99%以下である、
(iv)該組成物(B)に含有される該酸成分が、該長鎖アルキルモノカルボン酸を
含み、該組成物(B)が、該脂肪族炭化水素を含有し、該組成物(B)における該長鎖アルキルモノカルボン酸の含有比率が、該長鎖アルキルモノカルボン酸及び該脂肪族炭化水素の合計量に対して85%以上99%以下である、
の少なくとも一方を満足することを特徴とするトナーに関する。
本発明によれば、高速、高耐久の使用環境においても、低温定着性能に優れ、かつ定着器等の部材汚染が少ないトナーを提供することが可能である。
本発明のトナーは、ポリエステル樹脂組成物を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該ポリエステル樹脂組成物は、
i)炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノアルコール、及び炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノカルボン酸の少なくとも一方に由来する構造を末端に有するポリエステル樹脂、及び、炭素数の平均値27以上50以下の脂肪族炭化水素を含有する。
ii)炭素数の平均値27以上50以下の脂肪族炭化水素、炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノアルコールに由来する構造、炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノカルボン酸に由来する構造の合計の含有割合が、該ポリエステル樹脂組成物の質量に対して、2.5質量%以上10.0質量%以下である。
そして、示差走査熱量測定(DSC)にて得られるポリエステル樹脂組成物の温度−吸熱量曲線において、該ポリエステル樹脂組成物の吸熱ピークのピークトップ温度が、60.0℃以上90.0℃以下であり、ポリエステル樹脂組成物の吸熱ピークの吸熱量が、0.10J/g以上1.90J/g以下であることを特徴とする。
トナーのメインバインダー(結着樹脂)としては、スチレンアクリル樹脂やポリエステル樹脂等が知られているが、耐久性及び低温定着性に優れることから、本発明のトナーにおいては、ポリエステル樹脂が好ましく用いられる。
また、本発明において、ポリエステル樹脂とは、樹脂の構成成分中の、50質量%以上がポリエステル樹脂又はポリエステル部位で構成されている樹脂を表す。
本発明者等は、高速、高耐久の使用環境においても、低温定着性能に優れ、且つ定着器等の部材汚染が少ないトナーを提供すべく鋭意検討した結果、以下の構成にすることにより、上記課題を解決できる事を見出した。すなわち、ポリエステル樹脂組成物に炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキル成分を一定量含有する。さらに、示差走査熱量測定にて得られるポリエステル樹脂組成物の温度−吸熱量曲線において、吸熱ピークのピークトップ温度が60.0℃以上90.0℃以下であり、吸熱ピークの吸熱量を、0.10J/g以上1.90J/g以下にすることである。
以下本発明の構成を詳細に説明する。
該ポリエステル樹脂組成物の第一の特徴は
i)炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノアルコール、及び炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノカルボン酸の少なくとも一方に由来する構造を末端に有するポリエステル樹脂、及び、炭素数の平均値27以上50以下の脂肪族炭化水素を含有することである。
前述した通り、炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノアルコール、及び炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノカルボン酸の少なくとも一方に由来する構造を末端に有するポリエステル樹脂を用いることで、揮発成分に成り易い脂肪族炭化水素成分をメインバインダーに結合させることができ、定着器等の汚染を抑制することが可能となる。
また、脂肪族炭化水素成分(長鎖アルキル成分)をメインバインダーへ組み込むことで、長鎖アルキル成分とメインバインダーが別々に存在している構成に対して、可塑効果が迅速に発現される。その為、プリントスピードが速いシステムにおいては、長鎖アルキル成分を、高い反応率でメインバインダーに組み込むことが重要である。
これらの効果を得る為の長鎖アルキル成分の炭素数の平均値は、27以上50以下となる。炭素数の平均値と、長鎖アルキル成分の融点はほぼ対応している。低温定着性能を効果的に有する為には、融点が60.0℃以上90.0℃以下であることが好ましい。本発明においては、上記融点範囲に対応する炭素数の平均値が27以上50以下である。
炭素数の平均値が27未満の場合、長鎖アルキル成分の融点が60.0℃未満となり易く、トナーの保存安定性が悪化し易い。一方、炭素数の平均値が50を超える場合、融点が90.0℃を超え易く、低温定着性への効果が得られ難くなる。
また、本発明に係るポリエステル樹脂組成物は上記平均炭素数の長鎖アルキルモノアルコール、及び長鎖アルキルモノカルボン酸の少なくとも一方に由来する構造を末端に有するポリエステル樹脂並びに上記平均炭素数の脂肪族炭化水素を含有することを特徴とする。このうち、長鎖アルキルモノアルコール、及び長鎖アルキルモノカルボン酸の少なくとも一方に由来する構造を末端に有するポリエステル樹脂とは、長鎖アルキル成分がメインバインダー成分であるポリエステル樹脂に反応し組み込まれている樹脂を表している。一方、上記平均炭素数の脂肪族炭化水素成分は、長鎖アルキル成分をアルコール又は酸に変性した際の、未変性成分も含有していることを表す。
即ち、本発明のポリエステル樹脂組成物は、長鎖アルキル成分が組み込まれたポリエステル樹脂と、長鎖アルキル成分の未変性品である脂肪族炭化水素成分を有することを意味する。
本発明における、長鎖アルキル成分の平均炭素数は以下の方法で求められる。
長鎖アルキル成分の炭素数分布は、ガスクロマトグラフィー(GC)により、以下のようにして測定する。サンプル10mgを精秤しサンプルビンに入れる。このサンプルビンに精秤した10mgのヘキサンを加えてフタをした後、ホットプレートで温度150℃に加温して混合する。その後、長鎖アルキル成分が析出してこないようすばやくガスクロマトグラフィーの注入口へこのサンプルを注入して分析を行い、横軸を炭素数、縦軸をシグナルの強度とするチャートを得る。次いで、得られたチャートにおいて、検出された全ピークのトータルの面積に対する各炭素数成分のピークの面積の割合を算出し、これを各炭化水素化合物の存在比率(面積%)とする。そして、横軸に炭素数、縦軸に炭化水素化合物の存在比率(面積%)を取り、炭素数分布チャートを作成する。
本発明における平均炭素数とは、炭素数分布チャートのピークトップの炭素数のことを示す。
測定装置及び測定条件は、下記の通りである。
GC:HP社 6890GC
カラム:ULTRA ALLOY−1 P/N:UA1−30m−0.5F (フロンティ
ア・ラボ社製)
キャリアーガス:He
オーブン:(1)温度100℃で5分ホールド、(2)30℃/分で温度360℃まで昇温、(3)温度360℃で60分ホールド
注入口:温度300℃
初期圧力:10.523 psi
スプリット比:50:1
カラム流量:1mL/min
該ポリエステル樹脂組成物の第二の特徴は
ii)炭素数の平均値27以上50以下の脂肪族炭化水素、炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノアルコールに由来する構造、及び炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノカルボン酸に由来する構造の合計の含有割合が、該ポリエステル樹脂組成物の質量を基準として、2.5質量%以上10.0質量%以下であることを特徴とする。
長鎖アルキル成分に由来する構造の含有割合が、該ポリエステル樹脂組成物の質量を基準として、2.5質量%未満では、低温定着性への効果が得られ難い。一方、10.0質量%を越えると、可塑効果が強すぎて保存性が悪化し易くなる。その為、樹脂に対する、
長鎖アルキル成分の添加量を適正に制御する必要がある。上記含有割合は、好ましくは3.5質量%以上7.5質量%以下である。
該ポリエステル樹脂組成物の第三の特徴は
示差走査熱量測定(DSC)にて得られる温度−吸熱量曲線において、ポリエステル樹脂組成物の吸熱ピークのピークトップ温度が、60.0℃以上90.0℃以下(好ましくは70℃以上85℃以下)である。且つ、該吸熱ピークの吸熱量(ΔH)が、0.10J/g以上1.90J/g以下であることを特徴とする。ΔHは、0.20J/g以上1.00J/g以下であることが好ましい。
前述の通り、本発明では、低温定着性能に優れると共に、定着器等の部材汚染が少ないトナーを提供することを目的としている。その為には、ポリエステル樹脂成分と結合せず、遊離した成分、即ち未変性の脂肪族炭化水素の量を適正化させる必要がある。
この未変性の脂肪族炭化水素は、示差走査熱量測定(DSC)にて得られる温度−吸熱量曲線において吸熱ピークが発現する。その為、本発明者等はこの吸熱ピークの吸熱量(ΔH)を適正化することで、低温定着性能に優れると共に、定着時における未変性の脂肪族炭化水素の揮発を抑制する事ができ、定着器等の部材汚染が少ないトナーを提供できる事を見出した。
DSCで観測される、吸熱量ΔHが本願範囲内にあることは、遊離している長鎖アルキル成分が少ない、即ち、ポリエステル樹脂(メインバインダー)に組み込まれていることを示す。
長鎖アルキル成分がポリエステル樹脂に効率よく組み込まれることで、定着器等の部材汚染が抑制される。また、一方でΔHとして現れる未変性の脂肪族炭化水素を一定量有することで、未変性品部位を起点に可塑効果が迅速に発現される。その為、プリントスピードが速いシステムにおいては、低温定着性に関しても有利になる。
その結果、低温定着性能に優れると共に、定着時における未変性の脂肪族炭化水素の揮発を抑制する事ができ、定着器等の部材汚染が少ないトナーを提供できる事が可能となる。
本発明における吸熱ピークのピークトップ温度及び吸熱量(ΔH)は以下の方法で測定される。
示差走査熱量測定(DSC)における吸熱ピークのピークトップ温度及び吸熱ピーク量は、示差走査型熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用い
て、ASTM D3418−82に準じて測定される。装置検出部の温度補正はインジウ
ムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、測定試料約5mgを精密に秤量し、これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いて、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下測定を行う。なお、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この昇温過程で得られるDSC曲線(温度−吸熱量曲線)において、温度30〜200℃の範囲における最大の吸熱ピークのピークトップの温度を求める。また、吸熱ピークの吸熱量ΔHは、上記吸熱ピークの積分値である。
長鎖アルキル成分の遊離量、即ちDSCの吸熱ピークの量を制御する方法としては、脂肪族炭化水素のアルコール変性率又は酸変性率を高める方法が挙げられる。
即ち、アルコール又は酸変性された長鎖アルキル成分に関しては、重合反応でポリエステル樹脂と反応しポリエステル樹脂中へ組み込まれ、DSC測定において吸熱ピークが発現しない。一方、未変性の脂肪族炭化水素成分は、ポリエステル樹脂との反応点を持たない為、ポリエステル樹脂中で遊離した状態で存在する事になり、DSCの吸熱量を高めることになる。
前述の通り、本発明で用いられる炭素数の平均値が27以上50以下の長鎖アルキルモノアルコール、及び炭素数の平均値が27以上50以下の長鎖アルキルモノカルボン酸は、工業的には原料となる脂肪族炭化水素をアルコール又は酸変性することで得られる。
脂肪族炭化水素は、飽和炭化水素及び不飽和炭化水素を含み、例えば、アルカン、アルケン、アルキンや、シクロヘキサンなどの環状の炭化水素が挙げられるが、飽和炭化水素(アルカン)であることが好ましい。
例えば、アルコール変性品に関しては、炭素数が27以上50以下の脂肪族炭化水素を、硼酸、無水硼酸、又はメタ硼酸のような触媒の存在下に分子状酸素含有ガスで液相酸化することによりアルコールに転化できることが知られている。使用される触媒添加量は、原料脂肪族炭化水素1molに対して0.01〜0.5molが好ましい。
反応系に吹き込む分子状酸素含有ガスとしては、酸素、空気又はそれらを不活性ガスで希釈した広範囲のものが使用可能であるが、酸素濃度3〜20%が好ましい。また、反応温度は、100℃以上200℃以下が好ましい。
本発明のDSCの吸熱量の規定を満足させる為には、反応条件の最適化や、変性反応後に精製作業を行う事で、未変性の脂肪族炭化水素成分を除去し、本願範囲に制御することができる。
本発明のDSCの吸熱量の範囲に制御する為の、脂肪族炭化水素成分の変性率の好ましい範囲は、85%以上であり、より好ましくは90%以上である。一方、上限は99%以下であることが好ましい。
つまり、アルコール成分を含有する組成物(A)においては、上記長鎖アルキルモノアルコールの含有比率が、上記長鎖アルキルモノアルコールおよび上記脂肪族炭化水素の合計量に対して、85%以上であることが好ましく、90%以上がより好ましい。また、組成物(C)においても組成物(A)と同様であり、上記長鎖アルキルモノアルコールおよび上記脂肪族炭化水素の合計量に対して、85%以上であることが好ましく、90%以上がより好ましい。
一方、酸成分を含有する組成物(B)においては、上記長鎖アルキルモノカルボン酸の含有比率が、上記長鎖アルキルモノカルボン酸および上記脂肪族炭化水素の合計量に対して、85%以上であることが好ましく、90%以上がより好ましい。また、組成物(D)においても、組成物(B)と同様であり、上記長鎖アルキルモノカルボン酸の含有比率が、上記長鎖アルキルモノカルボン酸および上記脂肪族炭化水素の合計量に対して、85%以上であることが好ましく、90%以上がより好ましい。
本発明で用いられる長鎖アルキル成分としては、好ましくは炭素数の平均値が30以上40以下であり、その融点(DSCの吸熱ピーク温度)は70℃以上80℃以下が好ましい。
また、本発明の長鎖アルキルモノアルコールは、2級アルコールを主成分として含有することが好ましい。なお、2級アルコールを主成分とするとは、長鎖アルキルモノアルコール中の50質量%以上が2級アルコールであることを示す。
長鎖アルキルモノアルコールとして、2級アルコールを主成分として用いることで、長鎖アルキル成分が折りたたみ構造を取り易くなる。その結果、立体障害等が抑制され、長鎖アルキル成分がポリエステル系樹脂組成物中でより均一に存在し易くなり、より保存安定性が向上する為好ましい。
また、本発明の長鎖アルキル成分は、長鎖アルキルモノアルコールを用いる場合、水酸基価が、80mgKOH/g以上140mgKOH/g以下であることが好ましく、より好ましくは90mgKOH/g以上130mgKOH/g以下である。
長鎖アルキルモノカルボン酸を用いる場合の好ましい酸価は、80mgKOH/g以上150mgKOH/g以下であり、より好ましくは90mgKOH/g以上140mgK
OH/g以下である。
上記範囲に制御することで、ポリエステル樹脂成分と変性部位との反応性が高まり、その結果、DSCのピーク面積(ΔH)を効率的に低減することが可能となる為好ましい。
本発明における長鎖アルキルモノマー(長鎖アルキルモノアルコール、長鎖アルキルモノカルボン酸)の酸価、水酸基価の測定は、下記のように実施することができる。
<長鎖アルキルモノマーの水酸基価の測定方法>
(装置及び器具)
メスシリンダー(100ml)
全量ピペット(5ml)
平底フラスコ(200ml)
グリセリン浴
(試薬)
アセチル化試薬(無水酢酸25gを全量フラスコ100mlに取り、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振り混ぜる。)
フェノールフタレイン溶液
0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液
(測定法)
(a)長鎖アルキルモノマーを0.5〜6.0g平底フラスコに精秤して、これにアセチル化試薬5mlを全量ピペットを用いて加える。
(b)フラスコの口に小さな漏斗を置き、温度95〜100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱する。フラスコの首がグリセリン浴の熱を受けて温度が上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円板をフラスコの首の付け根にかぶせる。
(c)1時間後フラスコをグリセリン浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解する。
(d)更に、分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後エタノール(95vol%)5mlで漏斗及びフラスコの壁を洗う。
(e)フェノールフタレイン溶液数滴を指示薬として加え、0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときを終点とする。
(f)空試験は、長鎖アルキルモノマー(a)を入れないで(a)〜(e)を行う。
(g)試料が溶解しにくい場合は、少量のピリジンを追加するか、キシレン又はトルエンを加えて溶解する。
(計算)
得られた結果から下記式(1)によって長鎖アルキルモノマーの水酸基価を求める。
A=[{(B−C)×28.05×f}/S]+D ・・・ (1)
但し、
A:長鎖アルキルモノマーの水酸基価(mgKOH/g)
B:空試験に用いた0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)
C:滴定に用いた0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)
f:0.5kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S:長鎖アルキルモノマーの質量(g)
D:長鎖アルキルモノマーの酸価(mgKOH/g)
28.05:水酸化カリウムの式量56.11×1/2
<長鎖アルキルモノマーの酸価の測定方法>
(装置及び器具)
三角フラスコ(300ml)
ビュレット(25ml)
水浴又は熱板
(試薬)
0.1kmol/m塩酸
0.1kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液(標定は、0.1kmol/m塩酸25mlを全ピペットを用いて三角フラスコに取り、フェノールフタレイン溶液を加え、0.1kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、中和に要した量からファクターを求める。)
フェノールフタレイン溶液溶剤(ジエチルエーテルとエタノール(99.5vol%)を体積比で1:1又は2:1で混合したもの。これらは、使用直前にフェノールフタレイン溶液を指示薬として数滴加え、0.1kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液で中和する。)
(測定法)
(a)長鎖アルキルモノマー1〜20gを三角フラスコに精秤する。
(b)溶剤100ml及び指示薬としてフェノールフタレイン溶液を数滴加え、水浴上で長鎖アルキルモノマーが完全に溶けるまで十分に振り混ぜる。
(c)0.1kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、指示薬の薄い紅色が30秒間続いたときを終点とする。
(計算)
得られた結果から下記式(2)により長鎖アルキルモノマーの酸価を算出する。
A=5.611×B×f/S ・・・ (2)
但し、
A:長鎖アルキルモノマーの酸価(mgKOH/g)
B:滴定に用いた0.1kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)
f:0.1kmol/m水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S:長鎖アルキルモノマーの質量(g)
5.611:水酸化カリウムの式量56.11×1/10
また、本発明に係るポリエステル樹脂組成物の製造方法としては特に制限は無いが、下記の製造方法であることが好ましい。
即ち、本発明で用いられるポリエステル樹脂組成物は、アルコール成分を含有する組成物(A)と酸成分を含有する組成物(B)とを反応させて得られる反応物であることが好ましい。該組成物(A)及び該組成物(B)に関し、下記i)及びii)の規定:
i)該アルコール成分が、炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノアルコールを含み、該組成物(A)が炭素数の平均値27以上50以下の脂肪族炭化水素を含有する、
ii)該酸成分が、炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノカルボン酸を含み、該組成物(B)が炭素数の平均値27以上50以下の脂肪族炭化水素を含有する、
の少なくとも一方を満足することが好ましい。
また、該ポリエステル樹脂組成物は、カルボキシル基を末端に有するポリエステル樹脂と組成物(C)との反応物であることが好ましい。組成物(C)は、炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノアルコール及び炭素数の平均値27以上50以下の脂肪族炭化水素を含有する。この反応物は、ポリエステル樹脂の有する該カルボキシル基と該長鎖アルキルモノアルコールとを反応させる工程を含む方法によって得られるポリエステル樹脂組成物である。
また、該ポリエステル樹脂組成物は、水酸基を末端に有するポリエステル樹脂と組成物(D)との反応物であることが好ましい。組成物(D)は、炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノカルボン酸及び炭素数の平均値27以上50以下の脂肪族炭化水素を含有する。この反応物は、ポリエステル樹脂の有する該水酸基と該長鎖アルキルモノカルボン酸とを反応させる工程を含む方法によって得られるポリエステル樹脂組成物であ
る。
より好ましくは、アルコール成分を含有する組成物(A)と酸成分を含有する組成物(B)とを反応させることによって得られるポリエステル系樹脂組成物(反応物)であり、該アルコール成分が、炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノアルコールを含み、該組成物(A)が炭素数の平均値27以上50以下の脂肪族炭化水素を含有することである。即ち、長鎖アルキルモノアルコールと、未変性成分である脂肪族炭化水素成分の存在下でポリエステルの重合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得ることが好ましい。
長鎖アルキル成分として、長鎖アルキルモノアルコールを用いることで、変性率をより安定的に高め易くなる。そして、長鎖アルキル成分をポリエステル合成反応の初期から投入することで、効率的且つ均一に樹脂中へ長鎖アルキル成分を取り込む事ができる為好ましい。
また本発明の該ポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル部位とビニル重合体部位が化学的に結合したハイブリッド樹脂を含有するハイブリッド樹脂組成物であることが好ましい。
ハイブリッド樹脂にすることで、環境に依らず帯電性が安定になり、高湿環境下における画像濃度の安定性が高まる為好ましい。
この場合、長鎖アルキル成分は、ハイブリッド樹脂のポリエステル部位の末端に縮合したものであることが好ましい。
また、該ハイブリッド樹脂は、ポリエステル部位とビニル重合体部位との質量比(ポリエステル部位/ビニル重合体部位)が50/50〜90/10であることが好ましく、より好ましくは、60/40〜80/20である。
上記範囲にすることで、上記ハイブリッド樹脂にするメリットを得つつ、環境に依らず安定的な低温定着性が得られ易く好ましい。
本発明にかかるポリエステル樹脂組成物に用いられるポリエステル樹脂又は上記ハイブリッド樹脂のポリエステル部位を構成するポリエステル系モノマーとしては以下の化合物が挙げられる。
アルコール成分としては、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェールA、下記(3)式で表されるビスフェノール誘導体及び下記(4)式で示されるジオール類。
Figure 0006611554

(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は2〜10である。)
Figure 0006611554
上記(3)式で表されるビスフェノール誘導体を用いる場合、本発明においては、エチレンオキサイド(EO)付加体とプロピレンオキサイド(PO)付加体の比EO:POが40:60〜60:40が好ましい。EO:POの比を該範囲に制御することで、長鎖アルキル成分が樹脂中へより均一に分散し、保存安定性が良好になる為好ましい。
酸成分としては、以下のものが挙げられる。フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸のようなベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸のようなアルキルジカルボン酸類又はその無水物、またさらに炭素数6以上18以下のアルキル基又はアルケニル基で置換されたこはく酸若しくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸のような不飽和ジカルボン酸又はその無水物。
また本発明に係るポリエステル樹脂組成物に用いられるポリエステル樹脂又は上記ハイブリッド樹脂のポリエステル部位は、三価以上の多価カルボン酸若しくはその無水物及び/又は三価以上の多価アルコールを用いてもよい。三価以上の多価カルボン酸又はその無水物としては、以下のものが挙げられる。1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸及びこれらの酸無水物又は低級アルキルエステル。三価以上の多価アルコールとしては、以下のものが挙げられる。1,2,3−プロパントリオール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール。本発明のポリエステル樹脂組成物においては、環境変動による安定性も高い芳香族系カルボン酸が特に好ましく、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸及びその無水物が挙げられる。
本発明にかかるポリエステル樹脂組成物に、前記ハイブリッド樹脂を用いる場合、ハイブリッド樹脂のビニル重合体部位を構成するビニル系モノマーとしては、次の化合物が挙げられる。
スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンのようなスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンのようなエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンのような不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルのようなハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルのようなα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルのようなアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンのようなビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンのようなN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのようなアクリル酸又はメタクリル酸誘導体。
さらに、以下のものが挙げられる。マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸のような不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物のような不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルのような不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸のような不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸のようなα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物のようなα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルのようなカルボキシル基を有するモノマー。
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートのようなアクリル酸又はメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンのようなヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
また、本発明にかかるポリエステル樹脂組成物に、前記ハイブリッド樹脂を用いる場合、ハイブリッド樹脂のビニル重合体部位は、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有してもよい。この場合に用いられる架橋剤としては、以下のものが挙げられる。
芳香族ジビニル化合物(ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン);アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−へキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレー卜をメタクリレートに代えたもの);芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で緒ばれたジアクリレート化合物類[ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの];ポリエステル型ジアクリレート化合物類(日本化薬社製「MANDA」)。
多官能(ビニル基を3つ以上有する)の架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート。
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上10.00質量部以下、より好ましくは0.03質量部以上5.00質量部以下用いることができる。
これらの架橋剤のうち、ポリエステル樹脂組成物に定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
上記ビニル樹脂又はビニル重合体部位の重合に用いられる重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパ−オキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドのようなケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエイト、tert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエイト、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレート、tert−ブチルパーオキシアリルカーボネート、tert−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−tert−ブチルパーオキシアゼレート。
本発明において、ポリエステル樹脂組成物に前記したハイブリッド樹脂を用いる場合には、ビニル樹脂及び/又はポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得るモノマー成分(両反応性モノマー)を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル樹脂と反応し得るものとしては、例えば、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸のような不飽和ジカルボン酸又はその無水物が挙げられる。ビニル系樹脂成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸若しくはメタクリル酸、又はそのエステル類が挙げられる。
ビニル系樹脂とポリエステル樹脂の反応生成物を得る方法としては、両反応性モノマー
を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方又は両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
なお、これらの両反応性モノマーは、ハイブリッド樹脂において、モノマーの含有量を議論する際には、ポリエステル部位を構成するモノマーとする。これは、縮重合反応、又は付加重合反応のどちらを先に行った場合においても、両反応性モノマーは、より縮重合系樹脂(ポリエステル部位)の物性に大きく影響するためである。
また、上記のようなポリエステル樹脂組成物を単独で使用してもよいが、軟化点の異なる2種類の高軟化点樹脂(H)と低軟化点樹脂(L)とを任意の範囲で混合して使用してもよい。高軟化点樹脂(H)は、軟化点が100℃以上170℃以下であることが好ましい。また、低軟化点樹脂(L)は軟化点が70℃以上100℃未満であることが好ましい。
異なる2種類の樹脂を用いる場合、少なくとも樹脂中の50質量%以上が、本発明のポリエステル樹脂組成物であることが好ましい。
ポリエステル系樹脂組成物の1種類を単独で使用する場合、軟化点Tmは90℃以上170℃以下が好ましい。より好ましくは100℃以上130℃以下である。Tmが上記の範囲内であれば、耐高温オフセット性と低温定着性のバランスが良好となる。
なお、ポリエステル樹脂組成物の軟化点は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
本発明においては、「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。なお、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとSminの和となるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度Tmである。
測定試料は、約1.0gのサンプルを、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
また、ポリエステル樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)は、保存安定性の観点から45.0℃以上であることが好ましく、50.0℃以上であることがより好ましい。また、低温定着性の観点から、Tgは75.0℃以下であることが好ましく、65.0℃以下で
あることがより好ましい。
トナー用ポリエステル樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)は、示差走査型熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いて、ASTM D3418−82に準じて測定される。
測定試料として、ポリエステル樹脂組成物約3mgを精密に秤量したものを用いる。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いる。測定温度範囲を30℃以上200℃以下とし、一旦、昇温速度10℃/minで30℃から200℃まで昇温した後、降温速度10℃/minで200℃から30℃まで降温し、再度、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温させる。2回目の昇温過程で得られるDSC曲線において、比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、樹脂のガラス転移温度Tgとする。
また、本発明の該ポリエステル樹脂組成物の酸価は、好ましくは15.0mgKOH/g以上30.0mgKOH/g以下、より好ましくは20.0mgKOH/g以上30.0mgKOH/g以下である。
酸価を上記範囲に制御することで、高湿環境下での放置による帯電低下が生じ難い為、好ましい。なお、ポリエステル樹脂組成物の酸価は、モノマー組成や分子量により制御することができる。
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。ポリエステル樹脂組成物の酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕したポリエステル樹脂組成物の試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
本発明において、トナー粒子の製法は特に限定されず、公知の製法を用いることが可能
である。ポリエステル樹脂組成物を含む樹脂成分、並びに必要に応じて着色剤、離型剤及び電荷制御剤等のトナー構成材料を均一混合した後に溶融混練する溶融混練工程、得られた溶融混練物を冷却後、機械式粉砕機等の粉砕機にて粉砕する粉砕工程を経て、トナー粒子を得る、いわゆる粉砕法を例示することができる。
また他の手法として、乳化重合法や懸濁重合法などのいわゆる重合法によりトナー粒子を製造することもできる。
この中でも、本発明のトナー粒子は、少なくとも、溶融混練工程及び粉砕工程を経て得られるトナー粒子であることが好ましい。
溶融混練機としては、例えば二軸混練押出機、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等が挙げられる。
溶融混練の温度としては、混練物の温度が70℃以上200℃以下になるように制御する事が好ましい。上記温度範囲に制御する事で、ポリエステル樹脂の分散性が良好になる。
以下、少なくとも、溶融混練工程及び粉砕工程を経てトナー粒子を製造する方法を具体的に説明するがこれに限定されるものではない。
ポリエステル樹脂組成物を含む樹脂成分、並びに、必要に応じて着色剤、離型剤、電荷制御剤、及びその他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミルのような混合機により充分混合する(混合工程)。得られた混合物を二軸混練押出機、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練する(溶融混練工程)。その際、離型剤、磁性酸化鉄粒子及び含金属化合物を添加することもできる。溶融混練物を冷却固化した後、粉砕(粉砕工程)及び分級(分級工程)を行い、トナー粒子を得る。さらに必要に応じて、トナー粒子と外添剤をヘンシェルミキサーのような混合機により混合し、トナーを得ることができる。
混合機としては、以下のものが挙げられる。ヘンシェルミキサー(日本コークス工業社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)。
混練機としては、以下のものが挙げられる。KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。
粉砕機としては、以下のものが挙げられる。カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。
分級機としては、以下のものが挙げられる。クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)。
粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社)
;バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い。
また、本発明のトナーは、磁性一成分トナー、非磁性一成分トナー、非磁性二成分トナーのいずれのトナーとしても使用できる。
磁性一成分トナーとして用いる場合、着色剤としては、磁性酸化鉄粒子が好ましく用いられる。磁性一成分トナーに含まれる磁性酸化鉄粒子としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトのような磁性酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む磁性酸化鉄;Fe、Co、Niのような金属、あるいは、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、Vのような金属との合金、及びこれらの混合物が挙げられる。
本発明のトナーに使用される磁性酸化鉄粒子の形状は、八面体形状であることが好ましい。八面体形状であることで、磁性酸化鉄粒子の分散性が良好になる。
上記磁性酸化鉄粒子の添加量は、トナー中に25質量%以上50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは30質量%以上45質量%以下である。
一方、非磁性一成分トナー、及び非磁性二成分トナーとして用いる場合の着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色の顔料としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックが用いられ、また、マグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
イエロー色に好適な着色剤としては、顔料又は染料を用いることができる。顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、17、23、62、65、73、74、81、83、93、94、95、97、98、109、110、111、117、120、127、128、129、137、138、139、147、151、154、155、167、168、173、174、176、180、181、183、191、C.I.バットイエロー1、3、20が挙げられる。染料としては、C.I.ソルベントイエロー19、44、77、79、81、82、93、98、103、104、112、162等が挙げられる。これらのものを単独又は2以上のものを併用して用いる。
シアン色に好適な着色剤としては、顔料又は染料を用いることができる。顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15;1、15;2、15;3、15;4、16、17、60、62、66等、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45が挙げられる。染料としては、C.I.ソルベントブルー25、36、60、70、93、95等が挙げられる。これらのものを単独又は2以上のものを併用して用いる。
マゼンタ色に好適な着色剤としては、顔料又は染料を用いることができる。顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48;2、48;3、48;4、49、50、51、52、53、54、55、57、57;1、58、60、63、64、68、81、81;1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、150、163、166、169、177、184、185、202、206、207、209、220、221、238、254等、C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35が挙げられる。マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、52、58、63、81、82、83、84、100、109、111、121、122等、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27等、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、2
3、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40等、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28等の塩基性染料等が挙げられる。これらのものを単独又は2以上のものを併用して用いる。
上記着色剤の添加量は、ポリエステル樹脂組成物を含む樹脂成分100.0質量部に対して、0.1質量部以上60.0質量部以下が好ましく、より好ましくは0.5質量部以上50.0質量部以下である。
また、本発明のトナーでは、トナーに離型性を与えるために必要に応じて離型剤(ワックス)を用いることができる。ワックスとしては、トナー中での分散のしやすさ、離型性の高さから、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスのような炭化水素系ワックスが好ましく用いられる。必要に応じて一種又は二種以上のワックスを、少量併用してもかまわない。例としては次のものが挙げられる。
酸化ポリエチレンワックスのような脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸のような飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸のような不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールのような飽和アルコール類;長鎖アルキルアルコール類;ソルビトールのような多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドのような脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドのような飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N−ジオレイルセバシン酸アミドのような不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N−ジステアリルイソフタル酸アミドのような芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムのような脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸のようなビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドのような脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
本発明において特に好ましく用いられるワックスとしては、脂肪族炭化水素系ワックスが挙げられる。このような脂肪族炭化水素系ワックスとしては、以下のものが挙げられる。アルキレンを高圧下でラジカル重合し、又は低気圧下でチーグラー触媒を用いて重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から得られる合成炭化水素ワックス及びそれを水素添加して得られる合成炭化水素ワックス;これらの脂肪族炭化水素系ワックスをプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により分別したワックス。
脂肪族炭化水素系ワックスの母体としての炭化水素としては、以下のものが挙げられる。金属酸化物系触媒(多くは二種以上の多元系)を使用した一酸化炭素と水素の反応によって合成されるもの(例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)によって合成された炭化水素化合物);ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(同定触媒床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素;エチレンのようなアルキ
レンをチーグラー触媒により重合した炭化水素。具体的には、以下のものが挙げられる。ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200(三洋化成工業株式会社);ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学株式会社);サゾール H1、H2、C80、C105、C77(サゾール社);HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(日本精蝋株式会社)、ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(東洋ペトロライト社);木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODA)。
上記の中でも、離型効果を効率的に得る為に、離型剤の吸熱ピークのピーク温度が100℃以上の離型剤を含有することがより好ましい。
また離型剤を添加するタイミングは、粉砕法でトナーを作製する場合においては、溶融混練時に添加してもよいが、トナー用樹脂の製造時であってもよい。また、これらの離型剤は単独で使用しても併用してもよい。離型剤はポリエステル樹脂組成物を含む樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下添加することが好ましい。
本発明のトナーには、その摩擦帯電性を安定化させるために電荷制御剤を用いることができる。電荷制御剤は、その種類や他のトナー粒子構成材料の物性によっても異なるが、一般に、ポリエステル樹脂組成物を含む樹脂成分100質量部当たり0.1質量部以上10.0質量部以下含まれることが好ましく、0.1質量部以上5.0質量部以下含まれることがより好ましい。
このような電荷制御剤としては、トナーを負帯電性に制御するものと、正帯電性に制御するものとが知られており、トナーの種類や用途に応じて種々のものを一種又は二種以上用いることができる。
トナーを負帯電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属錯体(モノアゾ金属錯体;アセチルアセトン金属錯体);芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸の金属錯体又は金属塩。その他にも、トナーを負帯電性に制御するものとしては、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩や無水物;エステル類やビスフェノール等のフェノール誘導体が挙げられる。この中でも特に、安定な帯電性能が得られる芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属錯体又は金属塩が好ましく用いられる。
トナーを正帯電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体;ホスホニウム塩のようなオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン酸、フェロシアン化合物等);高級脂肪酸の金属塩。本発明ではこれらの一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。トナーを正帯電性に制御するものとしては、これらの中でもニグロシン系化合物、四級アンモニウム塩等の電荷制御剤が特に好ましく用いられる。
具体例としては、以下のものが挙げられる。Spilon Black TRH、T−77、T−95、TN−105(保土谷化学工業株式会社);BONTRON(登録商標)S−34、S−44、E−84、E−88(オリエント化学工業株式会社);TP−302、TP−415(保土谷化学工業株式会社);BONTRON(登録商標)N−01、N−04、N−07、P−51(オリエント化学工業株式会社);コピーブルーPR(クラリアント社)。
また、電荷制御樹脂も用いることができ、上述の電荷制御剤と併用することもできる。
本発明のトナーは、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。キャリアとしては、通常のフェライト、マグネタイト等のキャリアや樹脂コートキャリアを使用することができる。また、樹脂中に磁性粉が分散されたバインダー型のキャリアも用いることができる。
樹脂コートキャリアは、キャリアコア粒子とキャリアコア粒子表面を被覆(コート)する樹脂である被覆材からなる。被覆材に用いられる樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン−アクリル系樹脂;アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素含有樹脂;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリビニルブチラール;アミノアクリレート樹脂が挙げられる。その他には、アイオモノマー樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は複数を併用して用いることができる。
本発明のトナーにおいては、帯電安定性、耐久現像性、流動性、耐久性向上のために、シリカ微粉体をトナー粒子に外添剤として添加することが好ましい態様の一つである。
シリカ微粉体は、窒素吸着によるBET法による比表面積が30m/g以上であることが好ましく、50m/g以上400m/g以下であることがより好ましい。また、トナー粒子100質量部に対して、シリカ微粉体を0.01質量部以上8.00質量部以下用いることが好ましく、0.10質量部以上5.00質量部以下用いることがより好ましい。シリカ微粉体のBET比表面積は、例えば比表面積測定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)、GEMINI2360/2375(マイクロメティリック社製)、トライスター3000(マイクロメティリック社製)を用いてシリカ微粉体の表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出することができる。
シリカ微粉体は、必要に応じ、疎水化、摩擦帯電性コントロールの目的で未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシラン化合物又は、その他の有機ケイ素化合物のような処理剤で、或いは種々の処理剤を併用して処理されていることも好ましい。
更に本発明のトナーには、必要に応じて他の外添剤を添加してもよい。このような外添剤としては、例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラ定着時の離型剤、滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粉体が挙げられる。滑剤としては、ポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末が挙げられる。研磨剤としては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末が挙げられ、中でもチタン酸ストロンチウム粉末が好ましい。
本発明において、長鎖アルキルモノマーの変性率は水酸基価(又は酸価)の値を測定し算出した。具体的には、長鎖アルキルモノマーの1分子当りに反応している水酸基(又はカルボキシル基)の割合(モル数ベース)を、水酸基価(又は酸価)を用いて算出した。
長鎖アルキルモノマーの1分子は、測定で求められる平均炭素鎖長を1分子として算出した。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。しかしながら、これによって本発明の実施の態様がなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例の部数及び%は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
<長鎖アルキルモノマー(A−1)の製造例>
平均炭素数35の鎖状飽和炭化水素1200gをガラス製の円筒型反応容器に入れ、硼
酸38.5gを温度140℃で添加し、直ちに空気50容量%と窒素50容量%の酸素濃度約10容量%の混合ガスを毎分20リットルの割合で吹き込み、200℃で3.0時間反応させた。その後、反応液に温水を加え、95℃で2時間加水分解を行い、静置後上層の反応物(変性品)を得た。変性品20質量部をn−ヘキサン100質量部に加え、未変性成分を溶解除去させた、長鎖アルキルモノマー(A−1)を得た。得られた長鎖アルキルモノマー(A−1)の諸物性を表1に示す。
<長鎖アルキルモノマー(A−2)の製造例>
長鎖アルキルモノマーの製造例(A−1)において、n−ヘキサンによる精製条件(抽出時間等)を変更した以外は、長鎖アルキルモノマーの製造例(A−1)と同様にして、長鎖アルキルモノマー(A−2)を得た。得られた長鎖アルキルモノマー(A−2)の諸物性を表1に示す。
<長鎖アルキルモノマー(A−3)の製造例>
平均炭素数30の1級の長鎖アルキルモノアルコール20質量部をn−ヘキサン100質量部に加え、未変性成分を溶解除去させた長鎖アルキルモノマー(A−3)を得た。得られた長鎖アルキルモノマー(A−3)の諸物性を表1に示す。
<長鎖アルキルモノマー(A−4)の製造例>
長鎖アルキルモノマーの製造例(A−3)において、平均炭素数が27の長鎖アルキルモノアルコールを用いた以外は長鎖アルキルモノマー(A−3)の製造例と同様にして、長鎖アルキルモノマー(A−4)を得た。得られた長鎖アルキルモノマー(A−4)の諸物性を表1に示す。
<長鎖アルキルモノマー(A−5)の製造例>
平均炭素数が40の長鎖アルキルモノカルボン酸20質量部をn−ヘキサン100質量部に加え、未変性成分を溶解除去させた長鎖アルキルモノマー(A−5)を得た。得られた長鎖アルキルモノマー(A−5)の諸物性を表1に示す。
<長鎖アルキルモノマー(A−6)の製造例>
平均炭素数が50の長鎖アルキルモノカルボン酸20質量部をn−ヘキサン100質量部に加え、未変性成分を溶解除去させた長鎖アルキルモノマー(A−6)を得た。得られた長鎖アルキルモノマー(A−6)の諸物性を表1に示す。
<長鎖アルキルモノマー(A−7)の製造例>
平均炭素数35の鎖状飽和炭化水素1200gをガラス製の円筒型反応容器に入れ、硼酸38.5gを温度140℃で添加し、直ちに空気50容量%と窒素50容量%の酸素濃度約10容量%の混合ガスを毎分20リットルの割合で吹き込み、170℃で2.5時間反応させた後、反応液に温水を加え、95℃で2時間加水分解を行い、長鎖アルキルモノマー(A−7)を得た。得られた長鎖アルキルモノマー(A−7)の諸物性を表1に示す。
<長鎖アルキルモノマー(A−8)の製造例>
平均炭素数35の鎖状飽和炭化水素1200gをガラス製の円筒型反応容器に入れ、硼酸38.5gを温度140℃で添加し、直ちに空気50容量%と窒素50容量%の酸素濃度約10容量%の混合ガスを毎分20リットルの割合で吹き込み、175℃で2.5時間反応させた後、反応液に温水を加え、95℃で2時間加水分解を行い、長鎖アルキルモノマー(A−8)を得た。得られた長鎖アルキルモノマー(A−8)の諸物性を表1に示す。
<長鎖アルキルモノマー(A−9)の製造例>
平均炭素数25の2級の長鎖アルキルモノアルコール20質量部をn−ヘキサン100質量部に加え、未変性成分を溶解除去させた長鎖アルキルモノマー(A−9)を得た。得られた長鎖アルキルモノマー(A−9)の諸物性を表1に示す。
<長鎖アルキルモノマー(A−10)の製造例>
平均炭素数55の2級の長鎖アルキルモノアルコール20質量部をn−ヘキサン100質量部に加え、未変性成分を溶解除去させた長鎖アルキルモノマー(A−10)を得た。得られた長鎖アルキルモノマー(A−10)の諸物性を表1に示す。
<ポリエステル樹脂組成物(B−1)の製造例>
・ビスフェールAエチレンオキサイド付加物(2.0mol付加) 50.0mol部
・ビスフェールAプロピレンオキサイド付加物(2.3mol付加)50.0mol部
・テレフタル酸 60.0mol部
・無水トリメリット酸 20.0mol部
・アクリル酸 10.0mol部
上記ポリエステルモノマー70質量部に加えて、長鎖アルキルモノマー(A−1)をポリエステル樹脂組成物全体に対して5.0質量%になるように添加した混合物を4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着して窒素雰囲気下にて160℃で攪拌する。そこに、ビニル重合体部位を構成するビニル系重合モノマー(スチレン:60.0mol部、アクリル酸−2−エチルヘキシル:40.0mol部)30質量部と重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2.0mol部を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。その後、160℃で5時間反応した後、230℃に昇温してテトライソブチルチタネートを0.05質量%添加し、所望の粘度となるように反応時間を調節した。
反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕してポリエステル樹脂組成物(B−1)を得た。得られたポリエステル樹脂組成物(B−1)の諸物性を表3に示す。
<ポリエステル系樹脂組成物(B−2)〜(B−7)の製造例>
表2に記載のようにモノマー処方に変更した以外は、ポリエステル樹脂組成物(B−1)の製造例と同様にして、ポリエステル樹脂組成物(B−2)〜(B−7)を得た。得られたポリエステル樹脂組成物(B−2)〜(B−7)の諸物性を表3に示す。
<ポリエステル樹脂組成物(B−8)の製造例>
・ビスフェールAエチレンオキサイド付加物(2.0mol付加) 40.0mol部
・ビスフェールAプロピレンオキサイド付加物(2.3mol付加)60.0mol部
・テレフタル酸 60.0mol部
・無水トリメリット酸 20.0mol部
・アクリル酸 10.0mol部
上記ポリエステルモノマーの混合物50質量部を4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着して窒素雰囲気下にて160℃で攪拌する。そこに、ビニル重合体部位を構成するビニル系重合モノマー(スチレン:60.0mol部、アクリル酸−2−エチルヘキシル:40.0mol部)50質量部と重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2.0mol部を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。その後、160℃で5時間反応した後、230℃に昇温してテトライソブチルチタネートを0.05質量%添加し、所望の粘度となるように反応時間を調節した。
その後、長鎖アルキルモノマー(A−3)をポリエステル樹脂組成物全体に対して10.0質量%になるように添加し、減圧下で200℃に昇温し、所望の粘度となるように反応時間を調節した。
反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕してポリエステル樹脂組成物(B−8)を得た。得られたポリエステル樹脂組成物(B−8)の諸物性を表3に示す。
<ポリエステル樹脂組成物(B−9)の製造例>
表2に記載のようにモノマー処方に変更した以外は、ポリエステル樹脂組成物(B−8)の製造例と同様にして、ポリエステル樹脂組成物(B−9)を得た。得られたポリエステル樹脂組成物(B−9)の諸物性を表3に示す。
<ポリエステル系樹脂組成物(B−10)>
表2に記載のようにモノマーをモノマー総量に対して、0.05質量%のテトライソブチルチタネートとともに5リットルオートクレーブに仕込み、還流冷却器、水分分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を付し、オートクレーブ内に窒素ガスを導入しながら230℃で重縮合反応を行った。所望の軟化点になるように反応時間を調整した。その後、長鎖アルキルモノマー(A−5)をポリエステル樹脂組成物全体に対して2.5質量%になるように添加し、減圧下で200℃に昇温し、所望の粘度となるように反応時間を調節した。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕してポリエステル樹脂組成物(B−10)を得た。得られたポリエステル樹脂組成物(B−10)の諸物性を表3に示す。
<ポリエステル樹脂組成物(B−11)の製造例>
表2に記載のようにモノマー処方に変更した以外は、ポリエステル樹脂組成物(B−10)の製造例と同様にして、ポリエステル樹脂組成物(B−11)を得た。得られたポリエステル樹脂組成物(B−11)の諸物性を表3に示す。
<ポリエステル樹脂組成物(B−12)〜(B−17)の製造例>
表2に記載のようにモノマー処方に変更した以外は、ポリエステル樹脂組成物(B−1)の製造例と同様にして、ポリエステル樹脂組成物(B−12)〜(B−17)を得た。得られたポリエステル樹脂組成物(B−12)〜(B−17)の諸物性を表3に示す。
<ポリエステル樹脂組成物(B−18)の製造例>
・ビスフェールAエチレンオキサイド付加物(2.0mol付加) 10.0mol部・ビスフェールAプロピレンオキサイド付加物(2.3mol付加) 32.5mol部・エチレングリコール 25.0mol部・テレフタル酸 40.5mol部・イソフタル酸 0.5mol部・無水トリメリット酸 9.0mol部
上記仕込み組成の酸成分、アルコール成分に対して、ポリエステル樹脂組成物全体に対して、3.0質量%になるように「ユニリン700(東洋ペトロライト社製)」を添加し、全酸成分に対して1500ppmの三酸化アンチモンを蒸留塔備え付けの反応容器に投入した。次いで、反応容器中の攪拌翼の回転数を120rpmに保ち、昇温を開始し、反応系内の温度が265℃になるように加熱し、この温度を保持した。反応系から水が留出してエステル化反応が開始し、水の留出がなくなり反応を終了した。次いで、反応系内の温度を下げて235℃に保ち、反応容器内を約40分かけて減圧し、真空度を133Paとし、反応系からジオール成分を留出させながら縮合反応を行った。反応とともに反応系の粘度が上昇し、粘度上昇とともに真空度を上昇させ、攪拌翼のトルクが所望の軟化温度を示す値となるまで縮合反応を実施した。そして、所定のトルクを示した時点で撹拌を停止し、反応系を常圧に戻し、窒素により加圧して約40分かけて反応物を取り出し、ポリエステル樹脂組成物(B−18)を得た。
得られたポリエステル樹脂組成物(B−18)の諸物性を表3に示す。
<ポリエステル系樹脂組成物(B−19)の製造例>
表2に記載の処方に変更した以外では、ポリエステル樹脂組成物(B−10)の製造例と同様にして、ポリエステル樹脂組成物(B−19)を得た。得られたポリエステル樹脂組成物(B−19)の諸物性を表3に示す。
<ポリエステル樹脂組成物(B−20)の製造例>
表2に記載のモノマー処方に変更した以外は、ポリエステル樹脂組成物(B−1)の製造例と同様にして、ポリエステル樹脂組成物(B−20)を得た。得られたポリエステル樹脂組成物(B−20)の諸物性を表3に示す。
<実施例1>
・ポリエステル樹脂組成物(B−1) 100.0質量部
・磁性酸化鉄粒子(八面体形状) 60.0質量部
(個数平均粒径0.13μm、Hc=11.5kA/m、σs=88Am/kg、σr=14Am/kg)
・離型剤 フィッシャートロプシュワックス 2.0質量部
(サゾール社製、C105、融点105℃)
・電荷制御剤 (T−77:保土谷化学工業社製) 2.0質量部
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、二軸混練押し出し機(池貝鉄工(株)製PCM−30型))によって、溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、機械式粉砕機(ターボ工業(株)製T−250)で粉砕した。得られた微粉砕粉末を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)7.0μmの負帯電性のトナー粒子を得た。トナー粒子100質量部に対し、疎水性シリカ微粉体1[BET比表面積150m/g、シリカ微粉体100質量部に対しヘキサメチルジシラザン(HMDS)30質量部及びジメチルシリコンオイル10質量部で疎水化処理したもの]を1.0質量部とチタン酸ストロンチウム微粉体(メジアン径:1.0μm)0.6質量部をヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製FM−75型)で外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー(T−1)を得た。
得られたトナー(T−1)に関して、以下の評価を行った。
<低温定着性試験>
低温定着性は、ヒューレットパッカード社製レーザービームプリンタ(HP LaserJet Enterprise 600 M603)の定着器を外部に取り出し、定着器の温度を任意に設定可能にし、プロセススピードを500mm/secとなるように改造した外部定着器を用いた。
上記装置を用い、常温常湿環境下(温度23.5℃、湿度60%RH)、低温低湿環境下(温度15℃、湿度10%RH)において、単位面積当たりのトナー載り量を0.5mg/cmに設定した未定着画像を、160℃に温調した定着器に通した。なお、記録媒体には「プローバーボンド紙」(105g/m、フォックスリバー社製)を用いた。得られた定着画像を4.9kPa(50g/cm)の荷重をかけたシルボン紙で摺擦し、摺擦前後での画像濃度の低下率(%)で評価した。なお、画像濃度は、反射濃度計であるマクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して測定した。
A(非常に良い):画像濃度の低下率が5.0%未満である。
B(良い):画像濃度の低下率が5.0%以上10.0%未満である。
C(普通):画像濃度の低下率が10.0%以上15.0%未満である。
D(悪い):画像濃度の低下率が15.0%以上である。
結果を表5に示す。
<定着器汚染評価>
定着器の汚染評価は、ヒューレットパッカード社製レーザービームプリンタ(HP L
aserJet Enterprise 600 M603)のプリントスピードを75枚/min、定着温調温度を220℃となるように改造した評価機を用いた。
上記評価機を用い、常温常湿環境下(温度23.5℃、湿度60%RH)において、印字率12%のテストチャートを250,000枚画出しした。なお、トナーが無くなる毎にカートリッジを交換し、プリントを続けた。
プリント後の定着器周りの汚染状態を目視により、以下の基準で評価した。
A(非常に良い):定着器周辺に目立った汚染は見られない。
B(良い):定着器周辺に微量の汚染が観察される。
C(普通):定着ガイド部に汚染の広がりがはっきりと観察される。
D(悪い):定着器周辺にかなりの量の汚染が目立つ。
結果を表5に示す。
<保存性評価試験>
トナー10gを50ccのポリカップに計りとり、55℃の恒温槽に3日間放置した。放置後のトナーを目視で観察し、以下の基準で保存性の評価を行った。
A(非常に良い):カップを回すとすぐほぐれる。
B(良い):塊があるが、カップを回すうちに小さくなってほぐれてくる。
C(普通):カップを回してほぐしても塊が残る。
D(悪い):大きな塊があり、カップを回してもほぐれない。
結果を表5に示す。
<高温高湿環境下における現像性及び、放置安定性評価>
ヒューレットパッカード社製レーザービームプリンタ(HP LaserJet Enterprise 600 M603)を用い、高温高湿環境下(温度32.5℃、湿度80%RH)において、テストチャートを500枚通紙後、テストチャート画像のベタ黒部分の反射濃度を測定し、5点平均で算出し以下の基準で評価した。
A(非常に良い):画像濃度の平均値が1.45以上
B(良い):画像濃度の平均値が1.35以上1.45未満
C(普通):画像濃度の平均値が1.25以上1.35未満
D(悪い):画像濃度の平均値が1.25未満
その後、同環境内で72時間放置し、再度テストチャートを通紙し、ベタ黒部分の反射濃度を測定し、放置前の画像濃度に対する、放置後の画像濃度の低下率を求め、以下の基準で評価した。
A(非常に良い):画像濃度低下率が3.0%未満である。
B(良い):画像濃度低下率が3.0%以上6.0%未満である。
C(普通):画像濃度低下率が6.0%以上10.0%未満である。
D(悪い):画像濃度低下率が10.0%以上である。
<実施例2〜11>
表4に記載の処方で、実施例1と同様にして、トナー(T−2)〜(T−11)を作製した。得られたトナーに対して、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表5に示す。
<実施例12>
・ポリエステル樹脂組成物(B−2) 100質量部
・カーボンブラック 5質量部
・離型剤 フィッシャートロプシュワックス 2質量部
(サゾール社製、C105、融点105℃)
・電荷制御剤 (T−77:保土谷化学工業社製) 2質量部
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、二軸混練押し出し機によって、溶融混
練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、ジェットミルで粉砕した。得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)7.0μmの負帯電性のトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に、イソブチルトリメトキシシラン15質量%で表面処理した一次粒子の個数平均粒子径50nmの酸化チタン微粒子1.0質量部、及びヘキサメチルジシラザン20質量%で表面処理した一次粒子の個数平均粒子径16nmの疎水性シリカ微粒子0.8質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製FM−75型)で外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー(T−12)を得た。
トナー(T−12)の評価に関しては、下記に示す条件に変更した以外、実施例1と同様の評価を行った。
<低温定着性試験>
実施例1の評価法において、定着器の温度を140℃に変更した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表5に示す。
<定着器汚染評価>
耐久現像性評価に関しては、ヒューレットパッカード社製レーザービームプリンタ(HP Color LaserJet CP6015xh)の75枚/min、定着温度を220℃となるように改造した評価機を用いた以外は、実施例1と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
<保存性評価試験>
保存性評価に関しては、実施例1と同様に評価した。評価結果を表5に示す。
<高温高湿環境下への放置前後における画像濃度の変化>
実施例1の評価法において、評価機をヒューレットパッカード社製レーザービームプリンタ(HP Color LaserJet CP6015xh)に変更した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表5に示す。
<比較例1〜6>
表4に記載の処方で、実施例1と同様にして、トナー(T−13)〜(T−18)を作製した。得られたトナーに対して、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表6に示す。
<比較例7>
表4に記載の処方で、実施例12と同様にして、トナー(T−19)を作製した。得られたトナーに対して、実施例12と同様の評価を実施した。結果を表6に示す。
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Claims (7)

  1. ポリエステル樹脂組成物を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該ポリエステル樹脂組成物は、
    i)炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノアルコール、及び炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノカルボン酸の少なくとも一方に由来する構造を末端に有するポリエステル樹脂、並びに
    炭素数の平均値27以上50以下の脂肪族炭化水素を含有し、
    ii)該脂肪族炭化水素、該長鎖アルキルモノアルコールに由来する構造、及び該長鎖アルキルモノカルボン酸に由来する構造の合計の含有割合が、該ポリエステル樹脂組成物の質量に対して、2.5質量%以上10.0質量%以下であり、
    示差走査熱量測定(DSC)にて得られる該ポリエステル樹脂組成物の温度−吸熱量曲線において、
    該ポリエステル樹脂組成物の吸熱ピークのピークトップ温度が、60.0℃以上90.0℃以下であり、
    該吸熱ピークの吸熱量が、0.10J/g以上1.90J/g以下であり、
    該ポリエステル樹脂組成物は、アルコール成分を含有する組成物(A)と酸成分を含有する組成物(B)との反応物であり、
    該組成物(A)及び該組成物(B)が、下記(iii)及び(iv)の規定:
    (iii)該組成物(A)に含有される該アルコール成分が、該長鎖アルキルモノアルコールを含み、該組成物(A)が、該脂肪族炭化水素を含有し、該組成物(A)における該長鎖アルキルモノアルコールの含有比率が、該長鎖アルキルモノアルコール及び該脂肪族炭化水素の合計量に対して、85%以上99%以下である、
    (iv)該組成物(B)に含有される該酸成分が、該長鎖アルキルモノカルボン酸を含み、該組成物(B)が、該脂肪族炭化水素を含有し、該組成物(B)における該長鎖アルキルモノカルボン酸の含有比率が、該長鎖アルキルモノカルボン酸及び該脂肪族炭化水素の合計量に対して85%以上99%以下である、
    の少なくとも一方を満足す
    ことを特徴とするトナー。
  2. 該ポリエステル樹脂組成物は、
    カルボキシル基を末端に有するポリエステル樹脂と組成物(C)との反応物であり、
    該組成物(C)が、該長鎖アルキルモノアルコール、及び該脂肪族炭化水素を含有する請求項1に記載のトナー。
  3. 該ポリエステル樹脂組成物は、
    水酸基を末端に有するポリエステル樹脂と組成物(D)との反応物であり、
    該組成物(D)が、該長鎖アルキルモノカルボン酸、及び該脂肪族炭化水素を含有する請求項1に記載のトナー。
  4. 該ポリエステル樹脂組成物は、
    ポリエステル部位とビニル重合体部位が化学的に結合したハイブリッド樹脂を含有するハイブリッド樹脂組成物である請求項1〜のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 該ハイブリッド樹脂の該ポリエステル部位と該ビニル重合体部位の質量比(ポリエステル部位/ビニル重合体部位)が、50:50〜90:10である請求項に記載のトナー。
  6. 該長鎖アルキルモノアルコールは、2級アルコールを主成分として含有する請求項1〜のいずれか一項に記載のトナー。
  7. 該ポリエステル樹脂組成物の酸価が、15.0mgKOH/g以上30.0mgKOH/g以下である請求項1〜のいずれか一項に記載のトナー。
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