JP6610652B2 - マルチバンドアンテナ、マルチバンドアンテナアレイ及び無線通信装置 - Google Patents

マルチバンドアンテナ、マルチバンドアンテナアレイ及び無線通信装置 Download PDF

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Description

本発明はアンテナ、アンテナアレイ及び無線通信装置に関し、特にマルチバンドアンテナ、マルチバンドアンテナアレイ及び無線通信装置に関する。
近年、例えば、移動通信用基地局や、Wi−Fi(登録商標)通信機用アンテナ装置として、通信容量確保のため、複数の周波数帯域において通信が可能となるような、マルチバンドアンテナが実用に供されている。
マルチバンドアンテナは、例えば、特許文献1のFIG.11、FIG.12、FIG.13に、マルチバンドアンテナアレイとして開示されている。このアンテナアレイは、高帯域用と低帯域用のクロスダイポールアンテナ素子(crossed-dipole antenna elements)をアンテナリフレクタ上に交互に配列してアレイにしている。さらに、配列の間に中央導体フェンス(central conductive fences)1340を設けて相互カップリングを減らしている。また特許文献2には、Fig.2a,2b,2cに単一周波数のアンテナアレイの個々のアンテナ素子(radiation element module 1)の間に分離用素子(decoupling structural element 17)が配置されている。
国際公開第2014/059946号 米国特許第6025812号明細書
しかしながら、上記特許文献1,2に記載されているようにダイポールアンテナを用いた場合、放射効率の維持のためには波長の1/2の大きさを必要とする。よって、各周波数帯域に対応した複数のダイポールアンテナを用いた特許文献1のマルチバンドアンテナでは、全体の小型化が困難である。
本発明の目的は、このような課題を解決するためになされたものであり、小型化を実現することができるマルチバンドアンテナ、アンテナアレイ及び無線通信装置を提供することにある。
本発明に係るアンテナは、第一周波数帯域内に共振周波数を持つ第一アンテナ素子を備える第一アンテナと、
第一周波数帯域より高い周波数帯である第二周波数帯域内に共振周波数を持つ第二アンテナ素子を備える第二アンテナと、
導体反射板と、
を有し、
前記第一、第二アンテナ素子は、環状の導体の一部が不連続となるようにスプリット部が形成された略C字形状の導体であるC字形状導体と、前記スプリット部を介して向き合う前記C字形状導体の両部分のうち一方の部分と電気的に接続し、前記C字形状導体への給電のための電路を構成する導体給電線と、を備えている。
本発明によれば、小型化を実現することができるマルチバンドアンテナ、マルチバンドアンテナアレイ及び無線通信装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るアンテナの斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの正面図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナを備えた無線通信装置の一例である無線通信装置である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナを備えた無線通信装置の一例である無線通信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの変形例を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの変形例を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの変形例を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの変形例を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの変形例を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの変形例を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの変形例を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの変形例を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るアンテナの斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るアンテナの側面図である。 本発明の第2の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るアンテナの変形例を示す正面図である。 本発明の第2の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るアンテナの斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るアンテナの正面図である。 本発明の第3の実施形態に係るアンテナの上面図である。 本発明の第3の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るアンテナの変形例を示す上面図である。 本発明の第3の実施形態に係るアンテナの変形例を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るアンテナの変形例を示す側面図である。 本発明の第3の実施形態に係るアンテナの変形例を示す上面図である。 本発明の第3の実施形態に係るアンテナの変形例を示す側面図である。 本発明の第4の実施形態に係るアンテナの上面図である。 本発明の第4の実施形態に係るアンテナの変形例を示す上面図である。 本発明の第4の実施形態に係るアンテナの変形例を示す上面図である。 本発明の第4の実施形態に係るアンテナの変形例を示す上面図である。 本発明の第4の実施形態に係るアンテナの変形例を示す上面図である。 本発明の第4の実施形態に係るアンテナの変形例を示す上面図である。 本発明の第4の実施形態に係るアンテナの変形例を示す上面図である。 本発明の第4の実施形態に係るアンテナの変形例を示す上面図である。 本発明の第4の実施形態に係るアンテナの変形例を示す上面図である。 本発明の第4の実施形態に係るアンテナの変形例を示す上面図である。 本発明の第4の実施形態に係るアンテナの変形例を示す上面図である。 本発明の第4の実施形態に係るアンテナの変形例を示す上面図である。 本発明の第4の実施形態に係るアンテナの変形例を示す上面図である。 本発明の第4の実施形態に係るアンテナの変形例を示す側面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。但し、以下に述べる実施の形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。また、以下の説明では、各構成の位置を、図に基づいて、上、下、左、右などという表現で説明することがあるが、これは説明のためであり、本発明が実施される際の方向を限定するものではない。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るアンテナ10について以下説明する。
図1はアンテナ10の斜視図、図2はアンテナ10の側面図である。図1〜2において、説明のため、後述する導体反射板101のなす平面上にx軸及びy軸が定義され、導体反射板101のなす平面に対して垂直方向にz軸が定義されている。なお、後述する他の図において示されるx,y,z軸についても、同様に定義されている。
アンテナ10は、第一のアンテナ素子としてのアンテナ素子100と、第二のアンテナ素子としてのアンテナ素子200と、導体反射板101とを有する。第一のアンテナ素子は、第一の周波数帯域に共振周波数を持ち、第二のアンテナ素子は第一の周波数帯域より高い周波数である、第二の周波数帯域に共振周波数を持つ。アンテナ素子100は図2に示すように導体反射板101の上方z1の距離に設けられている。アンテナ素子200も同様に導体反射板101の上方z2の距離に設けられている。
ここで、アンテナ素子100及び200の構成について説明する。図1、図2に示されるように、アンテナ素子100及び200は、例えば、C字形状導体104、導体給電線105、導体ビア106、給電点107及び誘電体層108を備えている。なお、誘電体層108は、他の構成の配置の理解を容易にするため、図1において図示が省略されている。また、後述の図においても、適宜、誘電体層108の図示は省略されている。
C字形状導体104は、スプリットリング共振器として機能する導体であり、環状の導体の一部が不連続となるようにスプリット部109が形成された略C字形状の導体である。また図2に示したように、アンテナ素子100及び200は、導体反射板101に対して垂直にすなわちxz面に平行に設けられている。図1、図2に示される例では、C字形状導体104の外形は、略長方形の形状となっており、その長辺上にスプリット部109が形成されている。スプリット部109は、環状の導体が切り離された部分である。すなわち、スプリット部109は、C字形状導体104の一端と他端とが向き合うように形成された隙間である。ここで、C字形状導体104の長手方向(図1,2中x軸方向)の長さは、例えば、アンテナ素子100はλ1の1/4、アンテナ素子200はλ2の1/4程度である。なお、λ1及びλ2は、周波数が第一のアンテナ素子または第二アンテナ素子の共振周波数である電磁波が、領域を満たす物質中を進行する際の波長を示す。
導体給電線105は、給電点107からC字形状導体104へ給電する導体である。よって、導体給電線105は、C字形状導体104へ給電するための電路を構成している。導体給電線105は、図1及び図2に示されるように、例えば、C字形状導体104のz軸方向の長さと略等しい長さの導体である。
また、誘電体層108は、板状の誘電体である。誘電体層108は、例えば、基板を構成する誘電体の層である。誘電体層108は、C字形状導体104の存在する層と導体給電線105の存在する層の間の層である。
C字形状導体104は、誘電体層108の一面側に設けられている。また、導体給電線105は、誘電体層108の他の一面側に設けられており、誘電体層108を介しC字形状導体104と間隔を空けて対向している。
導体ビア106は、スプリット部109を介して周方向に向き合うC字形状導体104の両導体部分110,111のうち一方の導体部分と、導体給電線105の一端とを電気的に接続するビアである。図1,2に示した例では、導体部分110と、導体給電線105の一端とを電気的に接続するビアである。
給電点107は、図示しない給電源からの高周波電力が供給される点である。より具体的には、給電点107は、導体給電線105の他端(導体ビア106と接続していない側)と、この他端近傍のC字形状導体104の部分との間を電気的に励振可能な給電点である。図1及び図2に示される例では、給電点107は、導体部分110とz軸方向に対向する位置のC字形状導体104の部分と、導体給電線105の他端との間を電気的に励振可能である。このように、アンテナ素子100及び200は、C字形状導体104の導体部分110あるいは導体部分111と、C字形状導体104の内側方向に導体部分110あるいは111と間隔を空けて対向するC字形状導体104上の導体部分とに、高周波電力が供給されるよう構成されている。給電点107は、例えば図示せぬ無線通信回路あるいは無線通信回路からの無線信号を伝送する伝送線と接続され、給電点107を介して、無線通信回路とアンテナ10との間で無線通信信号をやり取りすることができる。
また、本実施形態において、アンテナ素子100及び200と導体反射板101は、予め定められた間隔(図2に示される距離Z1、Z2)だけz軸方向に離れて配置されている。ここで、導体反射板101は短絡面となることから、アンテナ素子の共振特性への影響を抑えるため、距離Z1は、λ1の略1/4、距離Z2は、λ2の略1/4であることがより望ましい。
なお、導体反射板101、C字形状導体104、導体給電線105、導体ビア106、さらに以下の説明において導体と記載のあるものは、例えば、銅、銀、アルミ、ニッケルなどの金属や、その他の良導体材料により構成される。導体反射板101は例えばガラスエポキシ基板やアルミナ基板などのセラミックス基板上に形成される。
また、C字形状導体104、導体給電線105、導体ビア106、誘電体層108は、プリント基板や、半導体基板などの通常の基板製作プロセスでの製作が一般的だが、他の方法で製作されてもよい。
また、導体ビア106は、誘電体層108にドリルで形成した貫通孔に、めっきをすることで形成される場合が一般的であるが、層間を電気的に接続できればどのようなものでもよい。例えば、レーザーで形成するレーザービアにより構成してもよいし、銅線などを用いて構成してもよい。
また誘電体層108は、省略されてもよい。また誘電体層108は、部分的な誘電体の支持部材のみから構成され、少なくとも一部が中空となっていてもよい。
また、導体反射板101は、板金や、誘電体基板に貼り合わされた銅箔で形成される場合が一般的であるが、導電性であれば他の素材で形成されてもよい。
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態のアンテナ素子100及び200によれば、C字形状導体104は、リングに沿って流れる電流によるインダクタンスと、スプリット部109で対向する導体間に生じるキャパシタンスが直列に接続された、LC直列共振器として機能する。すなわち、C字形状導体104は、スプリットリング共振器として機能する。このスプリットリング共振器の共振周波数付近では、C字形状導体104に大きな電流が流れ、一部の電流成分が放射に寄与することによりアンテナとして動作する。
このとき、C字形状導体104に流れる電流のうち、主に放射に寄与するのはアンテナ素子100及び200の長手方向(図1、2中x軸方向)の電流成分である。このため、C字形状導体104の長手方向の長さを長くすることで、良好な放射効率を実現することが可能となる。ここで、C字形状導体104の長手方向(図1,2中x軸方向)の長さは、例えば、アンテナ素子100はλ1の1/4程度、アンテナ素子200はλ2の1/4程度である。よって、各周波数に対応したダイポールアンテナ素子よりも、アンテナ素子100及び200は小型となる。ゆえに、複数のダイポールアンテナを用いる場合に比べて、各周波数に対応したアンテナ素子100及び200を用いることで、マルチバンドアンテナを小型化することができる。また、各アンテナ素子100及び200が小型となることで、アンテナ素子100と200とを、より近接しておくことが可能となる。
ただし、図1、図2に示されるアンテナ素子100のC字形状導体104は略長方形だが、アンテナ素子100は他の形状であっても本発明の本質的な効果には影響を与えない。たとえばアンテナ素子100の形状は正方形や円形、三角形、ボウタイ形状などであってもよい。
また上述のスプリットリング共振器の共振周波数は、スプリット部109で対向する導体間の間隔を狭くするか、スプリットリング(C字形状導体104)のリングの大きさを大きくして電流経路を長くすることでインダクタンスを大きくすると、低周波化することができる。また、スプリット部109で対向する導体間の間隔を狭くしてキャパシタンスを大きくすることでも低周波化することができる。特にスプリット部109で対向する導体間の間隔を狭くする方法は、全体のサイズを大きくすることなく動作周波数を低周波化できるため、小型化に適している。
以上説明したように、小型で良好な放射効率を実現するC字形状導体104を、異なる周波数向けに二つ、導体反射板101の上方に配置することにより、放射効率を維持したまま、ダイポールアンテナを複数用いるよりも小型なマルチバンドアンテナを提供することができる。
本実施形態のアンテナ10は、例えばWi−Fiなどの無線通信装置や、移動通信基地局におけるアンテナ部として、適宜組み込まれてもよい。
図3に、アンテナ10を備えた無線通信装置の一例である無線通信装置11を示す。図3に示された無線通信装置11は、アンテナ10、アンテナ10を機械的に保護する誘電体レドーム112、無線通信回路部114、アンテナ10中のアンテナ素子100または200と無線通信回路部114との間で無線信号を伝送する伝送線113を有する。なお、図3において、誘電体レドーム112は、図示の簡略化のため、透明なものとして図示している。このような構成により、マルチバンドアンテナを用いた無線通信装置について、放射効率を維持したまま小型化することができる。
無線通信装置11は、例えば無線通信装置や、移動通信基地局、レーダーとして用いられてもよい。無線通信装置11は、この他に、例えば図4にしめすように、ベースバンド処理を行うベースバンド処理部170などを備えてもよい。
さらに、本実施形態の種々の変形例について以下説明する。また、以下に説明する種々の変形例について適宜組み合わせてもよい。
図1及び図2のアンテナ10は、導体反射板101を備えるが、導体反射板101は、導体反射板101から見てアンテナ素子100及び200がある上方(図1、2中z軸正方向)への電磁波の放射強度を高めることを主な目的として用いている。そのため、アンテナ10は、導体反射板101がなくても、小型なマルチバンドアンテナとして機能する。また図1及び図2のアンテナ10は、アンテナ素子100及び200が、それぞれ2つの周波数に対応した、デュアルバンドアンテナである。しかしさらに多くの、各周波数帯に共振周波数を持つ複数のアンテナ素子を備え、3以上の周波数帯域に対応したマルチバンドアンテナであっても構わない。
また、図1及び図2のアンテナ10において、アンテナ素子100及び200は、略平行に配置されているが、必ずしも平行に置かれる必要はなく、またアンテナ素子200はアンテナ素子100直下に位置していても構わない。また、図1及び図2のアンテナ10において、アンテナ素子100及び200は導体反射板101に対して直立した姿勢で配置されていたが、これに限られない。例えば、図5のように、アンテナ素子100及び200が、導体反射板101に対して平行な姿勢(xy平面と平行)で配置されてもよい。なお、図5では、誘電体層108は、説明の簡略化のため、図示を省略している。また、この場合、アンテナ素子100、200は、同一基板の各層にそれぞれ形成されて、一体基板となっていてもよい。
また、図1及び図2のアンテナ10では、アンテナ素子100及び200は同一平面上に配置されていない。しかし図6に示すように、アンテナ素子100とアンテナ素子200を同一平面上に配置し、その際に誘電体層108をアンテナ素子100と200とで共有して同一基板内の同じ層、あるいは各層に、アンテナ素子100及び200が作成されてもよい。
また、アンテナ素子100及びアンテナ素子200は、必ずしも、図1、2に示す構造でなくともよく、さらに構造上の工夫がなされていてもよい。図7〜図11は、アンテナ素子100の構成の種々の変形例を示す図である。例えば、図7に示すように、誘電体層108が、C字形状導体104に対して大きなサイズで作られていてもよい。このように、誘電体層108がC字形状導体104よりも大きいことを許す場合、誘電体層108の形成にともなう誘電体層108の端部の切断により、C字形状導体104の寸法精度が劣化することを防ぐことができる。
また、導体給電線105の一端が、直接、C字形状導体104の導体反射板101から遠い側の長辺上の部分(導体部分110又は111)に電気的に導通して連結し、導体ビア106が省略されていてもよい。また、例えば図8に示すように、導体給電線105が銅線などの線状導体であってもよい。
また、導体給電線105の他の一端とC字形状導体104との接触を避けるために、アンテナ素子100及び200が複数の導体給電線を用いて構成されてもよい。例えば、図9に示されるように、導体給電線151、152及び導体ビア153が設けられてもよい。ここで、導体給電線151はC字形状導体104と同じ層にあり、導体給電線152はC字形状導体104と異なる層にある。また、導体給電線151の一端は、C字形状導体104の導体部分110又は111と電気的に接続している。また、導体給電線152の一端は、給電点107と電気的に接続している。さらに、導体給電線151の他端と導体給電線152の他端とは、導体ビア153を介して電気的に接続している。なお、図において、給電点107から延びる破線は、導体給電線及びC字形状導体への電路を示している。
また、図10に示すように、構成してもよい。図10に示した例では、C字形状導体104の導体反射板101から近い側の長辺上の一部分が切り欠かれている。また、切り欠かれた部分に導体給電線105が通されている。さらに、導体給電線105と、切り欠きを形成するC字形状導体104端部との間を電気的に励振するように給電点107が設けられている。このような構成の場合、C字形状導体104及び導体給電線105を同一の層に形成できるため、製造を容易にすることができる。ただし、C字形状導体104が切り欠かれたことによるスプリットリング共振器の共振特性の劣化を補うためにさらなる工夫がなされてもよい。例えば、図11に示すように、アンテナ素子100は、スプリットリング共振器の切り欠かれた部分を導体給電線105に接触せずに導通させる架橋導体116を備えてもよい。
加えて、アンテナ素子100及び200は、電気特性向上のための工夫がさらになされていてもよい。
上述の通り、C字形状導体104に流れる電流のうち、主に放射に寄与するのはアンテナ素子100及び200の長手方向(図1、2中x軸方向)の電流成分である。よって、例えば、図12に示すように、アンテナ素子100及び200は、C字形状導体104の長手方向の両端部に導電性の導体放射部117を備えてもよい。すなわち、導体放射部117は、両導体部分110及び111が向き合う方向におけるC字形状導体104の両端に位置する外縁と電気的に接続している。なお、導体放射部117は、導体であり、C字形状導体104と同じ素材であってもよい。このような構成によって、放射に寄与するC字形状導体104の長手方向の電流成分を導体放射部117に誘導することができるため、放射効率を向上させることが可能となる。なお、導体放射部117は、C字形状導体104の片方の端にのみ設けられていてもよい。
導体放射部117の形状は図12に示した形状に限らず種々変更してもよい。例えば、図12では導体放射部117とC字形状導体104とが連結する部分のそれぞれの辺の大きさが一致する形状を示したが、導体放射部117の形状はこれに限定されるものではない。例えば、導体放射部117とC字形状導体104とが連結する部分についてのそれぞれの辺の大きさが同じでなくてもよい。例えば、図13、図14に示すように、導体放射部117の辺の方がC字形状導体104の辺よりも大きいような構成であってもよい。導体放射部117を備える構成の場合、C字形状導体104と導体放射部117とによりアンテナ素子100及び200の長手方向の導体部分が延伸されることにより、より良好な放射効率を実現する。このとき、C字形状導体104の長手方向と、アンテナ素子100及び200の長手方向とは一致しなくてもよい。例えば、図15に示すように、C字形状導体104の形状はz軸方向に長辺を持つ長方形であってもよい。また、長方形に限らず、導体放射部117は、正方形や円形、三角形などの形状であってもよい。
また、上述の通り、スプリットリング共振器の共振周波数は、スプリットリングのリングの大きさを大きくして、電流経路を長くすることでインダクタンスを大きくするか、スプリット部109で対向する導体間の間隔を狭くしてキャパシタンスを大きくすることで低周波化することができる。
このとき、キャパシタンスを大きくする別の方法として、スプリット部109で対向するC字形状導体104の面積を増加させるよう変更してもよい。図16に示す例では、スプリット部109を介して対向するC字形状導体104の両端部について、対向する方向と略直交する方向にこの両端部が屈折することにより、スプリット部109で対向するC字形状導体104の面積を増加させている。
また、この他にも、図17又は図18に示されるように、C字形状導体104の存在する層とは異なる層に補助導体パターンを設けることにより、スプリット部109において対向する導体面積を増加させてもよい。図17及び図18に示される例では、C字形状導体104の存在する層とは異なる層に2つの補助導体パターン118を設けている。さらに導体ビア119により、各補助導体パターン118と、スプリット部109を介して対向するC字形状導体104の各端部の近傍とを電気的に接続している。図17及び図18に示される例では、より具体的には、2つの補助導体パターン118は、それぞれ、C字形状導体104の屈折した端部と対向するよう、同様に屈折した形状となっている。このような構成により、スプリットリング共振器中のスプリット部109において対向する導体面積を増加させてもよい。
なお、図17に示される例では、2つの補助導体パターン118は、導体給電線105と同じ層に配設されている。また、図18に示される例では、2つの補助導体パターン118は、C字形状導体104とも導体給電線105とも異なる層に配設されている。
また、図19に示すように、アンテナ素子100及び200は、スプリット部109を介して向き合うC字形状導体104の両部分のうち一方の部分と電気的に接続し、他方の部分と対向する補助導体パターン118を少なくとも一つ備えてもよい。なお、図19に示した例では、導体ビア119により、補助導体パターン118は、C字形状導体104と電気的に接続している。図17、図18に示した例では、スプリット部109を介して対向する両導体部分のそれぞれに対して補助導体パターン118が設けられていたが、図19に示される例では、補助導体パターン118が一方の導体部分に対してのみ設けられている。そして、この補助導体パターン118と他方の導体部分の少なくとも一部が、C字形状導体104の層と補助導体パターン118の層との間で対向していることで、スプリット部109において対向する導体の面積を増加させている。
なお、図17に示した例では、補助導体パターン118と、導体給電線105とが同じ層に配置されているが、異なる層に配置されてもよい。また、図17〜図19に示される例では、C字形状導体104の両端部及び補助導体パターン118は、屈折した形状であるが、屈折していない形状であってもよいし、別の形状であってもよい。
また、導体ビア106(導体ビア106が省略されている場合には導体給電線105の一端)と、C字形状導体104との接続位置を変更することで、給電点107から見たスプリットリング共振器の入力インピーダンスを変化させることができる。そして、給電点107より先の図示せぬ無線通信回路もしくは伝送線のインピーダンスに、スプリットリング共振器の入力インピーダンスを整合させることで、無線通信信号を反射なくアンテナに給電することが可能となる。ただし、インピーダンスが整合していない場合でも、本発明の本質的な効果には影響を与えない。
また、図20に示すように、C字形状導体104に加え、C字形状導体104と同様の構成のC字形状導体120を重ねて設けてアンテナ素子100及び200を構成してもよい。ここで、図20に示した例では、C字形状導体104及び導体給電線105とは異なる層に、第2のC字形状導体であるC字形状導体120を設けている。
より具体的には、C字形状導体104の層とC字形状導体120の層とで、導体給電線105の層を挟むように構成されている。そして、C字形状導体104及びC字形状導体120は、複数の導体ビア121によって互いに電気的に接続されている。この場合、C字形状導体104及びC字形状導体120は、ひとつのスプリットリング共振器として動作する。このとき、導体給電線105は、互いに導通した導体であるC字形状導体104及び120と、複数の導体ビア121とで、周囲の多くの部分が囲まれる。これにより、導体給電線105からの不要な信号電磁波の放射を低減することが可能となる。
また図21に示すように、図17と同様に補助導体パターン118を設けてもよい。具体的には、図21に示す例では、C字形状導体104及びC字形状導体120とは異なる層(C字形状導体104の層とC字形状導体120の層とに挟まれた層)に補助導体パターン118を設けている。また、導体ビア119により、補助導体パターン118は、C字形状導体104におけるスプリット部109付近の導体部分、及びC字形状導体120におけるスプリット部122付近の導体部分と電気的に接続している。このような構成によれば、補助導体パターン118によってC字形状導体104のスプリット部109及びC字形状導体120のスプリット部122で対向する導体面積が増加する。そのため共振器全体のサイズを大きくすることなく、キャパシタンスを増加させることが可能となる。
別の構成として、図22に示すような構成を採用してもよい。
図22に示す構成においては、アンテナ素子100及び200は、複数の導体ビア121を介して接続された導体部130及び131を備える。これら導体部130及び131が2層で1つのC字形状導体を構成する。すなわち、導体部130は、図20における第2のC字形状導体120から、スプリット部109と空隙を挟んで対向する長辺部が取り除かれた構造を有する。また、導体部131は、図20におけるC字形状導体104から、スプリット部109を含む長辺部が取り除かれた構造を有する。このような構成とすることで、スプリット部109を挟んで対向する、屈折された導体パターン端を、図22のように延伸することが可能となり、さらにスプリット部109でのキャパシタンスを増加させることができる。
別の構成として、図23に示す構成を採用してもよい。
図23に示す構成においては、図22に示す構成に加えて、導体部131と同様の形状の導体部132をさらに備える。導体部132は、導体部130から見て導体部131とは反対側に設けられている。導体部132は導体部131と同様に複数の導体ビア121で導体部130に接続されている。
本構成により、スプリット部109を誘電体層108の内層に形成できる。よって、誘電体層108外部の物体が、スプリット部109によってできるキャパシタンスの大きさに与える影響を少なくすることができる。
図23に示す構成においては、導体給電線105を、スプリット部109を挟んで対向する、屈折、延伸された導体パターンの一方の端部に直接接続している。
別の構成として、例えば図24に示すように、導体反射板101として、メタマテリアル反射板Metarefを用いてもよい。ここで、メタマテリアル反射板Metaref(人工磁気導体(Artificial Magnetic Conductor)、ハイインピーダンスサーフェイス等ともいう)とは、所定の形状に形成された導体小片又は誘電体小片からなる周期構造UCが、例えば図24に示すように縦方向(Y’軸方向)及び横方向(X’軸方向)に周期配列されてなる反射板を指す。このようにすることで、メタマテリアル反射板Metarefを反射する電磁波の反射による位相回転が、通常の金属板による反射位相180°とは異なる値とすることができる。このメタマテリアル反射板Metarefを用いて、反射位相をアンテナ素子100及び200の動作周波数において制御することで、距離Z1及びZ2が、それぞれλ1の1/4、λ2の1/4より短い場合であっても、アンテナ素子100及び200の共振特性の変化を抑えることができる。なおメタマテリアル反射板は、C字形状導体が単層の場合と複数層重ねた場合のどちらでも用いることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るアンテナ20について以下説明する。なお、以下の説明において、上記の構成要素と同様の構成要素については、同じ符号を付して説明を適宜省略する。図25はアンテナ20の斜視図、図26はアンテナ20の側面図である。なお、誘電体層108については、他の構成の配置の理解を容易にするため、図25においてアンテナ素子100及び200の誘電体層108の図示を省略している。
アンテナ20は第1の実施形態のアンテナ10と比べて、導体給電部123をさらに備える点で相違する。導体給電部123の一端はC字形状導体104の外縁部分に連結し、他端は導体反射板101に連結している。アンテナ20には、アンテナ20を構成するアンテナ素子100、200それぞれに対して、導体給電部123が設けられている。導体給電部123は、C字形状導体104への給電のための電路を構成する導体である。導体給電部123は、一端がC字形状導体104の外縁部分のうちスプリット部109と対向する位置近傍に連結し、他の一端が導体反射板101に連結している。より具体的には、導体給電部123は、C字形状導体104の外縁部分のうち、C字形状導体104の中央部(x軸方向におけるC字形状導体104の中央部分)またはその近傍に位置する部分と連結する。このように、C字形状導体104の中央部から予め定められた範囲内の位置において、C字形状導体104と導体給電部123は連結している。図26に図示したように、導体給電部123の長さはアンテナ素子100ではZ1、アンテナ素子200ではそれより短くZ2である。
また、アンテナ20において、導体給電線105は、導体反射板101側へと延伸されている。また、アンテナ20においては誘電体層108も導体反射板101側へと延伸されている。そして、導体給電部123は、延伸された導体給電線105と並んで配置されている。より具体的には、導体給電部123は、導体給電線105と対向するように並んで配置されている。このように、第2の実施形態では、アンテナ素子100は、導体給電部123により導体反射板101に対して固定される。
また、アンテナ20における給電点107は、導体給電線105の延伸された側(すなわち、導体反射板101側)の一端部分近傍に配置されている。そして、この給電点107は、導体給電線105の延伸された側の一端部分と、給電点107の配置位置近傍の導体給電部123との間を電気的に励振可能である。なお、導体反射板101の裏側、すなわちアンテナ20が存在する側とは逆側には、例えば、図示しない発振器、増幅器などを含む給電源が構成されてもよい。この場合、給電点107には、導体反射板101の裏側の給電源から給電される。
以上説明した点において、アンテナ20は第1の実施形態にかかるアンテナ10と異なるが、他の構成はアンテナ10と同様である。なお、導体給電部123は、図25、図26に示す例では、導体反射板101に連結しているが、必ずしも連結している必要はない。
以下、第2の実施形態に係るアンテナ20の効果を説明する。
給電点を介して無線信号を伝送する伝送線をアンテナ素子に接続する場合、共振器に導体が連結されることになるため、アンテナ素子近傍の伝送線の配置や形状などによって、アンテナ素子の共振特性が変化してしまう恐れがある。
本実施形態に係るアンテナ20では、導体給電部123がアンテナ素子100または200に連結している部分は、アンテナ素子100または200の略中央部に位置している。ここで、アンテナ素子100及び200は、電磁気的に共振したとき、長手方向(図1、2中x軸方向)の両端部近傍は電気的に開放面となり、電場強度が強くて磁場強度が弱い。そしてアンテナ素子100、200の長手方向における略中央部近傍は電気的に短絡面となり、磁場強度が強く電場強度が弱い。よって、導体給電部123がアンテナ素子100または200に連結している位置は、共振時に電気的に短絡面となって電場強度が弱い部分である。したがって、導体給電部123を上記のように連結した場合、導体給電部123は、共振特性に影響を与えるような余分なキャパシタンスやインダクタンスを増加させない。その結果、アンテナ素子100、200の共振特性がほとんど変化しない。以上のことを発明者らは見出した。
本実施形態では、延伸された導体給電線105とこれと並んで配置された導体給電部123とにより、アンテナ素子に連結する伝送線路を形成している。そして、この伝送線路によれば、共振特性への影響を抑制することができる。また、給電点107を、この伝送線路におけるアンテナ素子100及び200とは遠い側に設けることにより、給電点107より先につながる伝送線と、アンテナ素子100との間の距離を離すことができる。その結果、伝送線による、アンテナ素子100及び200への影響を少なくすることができる。
導体給電部123は上述の通り、共振時における電気的短絡面であるアンテナ素子100または200の略中央部に該当する、アンテナ素子100または200の外縁部に連結されることが好ましい。より詳細には、アンテナ素子100または200の中央部を含む面であって、アンテナ素子100または200の長手方向(図1、2中x軸方向)に対して垂直な面が、共振時に電気的短絡面となる。すなわち、例えば図25、図26において、アンテナ素子100または200の中央部を含むyz平面が共振時の電気的短絡面である。
そして、この電気的短絡面から、アンテナ素子100または200の長手方向(図中のx軸方向)に、アンテナ素子100または200の長手方向の大きさ(変形例として導体放射部117を備える場合はこれを含む大きさ)の1/4の範囲内であれば、おおよそ短絡面とみなすことができる。
したがって、導体給電部123はこの範囲内、すなわち、アンテナ素子100の中央を中心に、アンテナ素子100または200の長手方向の大きさ(変形例として導体放射部117を備える場合はこれを含む大きさ)の1/2の範囲内に位置することが好ましい。よって、アンテナ素子100または200の長手方向にみた導体給電部123の大きさは、アンテナ素子100または200の長手方向の大きさの1/2以下であることが好ましい。
しかし、導体給電部123が上記以外の範囲に位置していても本発明の本質的な効果には影響を与えない。また、アンテナ素子100または200の長手方向にみた導体給電部123の大きさが上記以外の大きさであっても本発明の本質的な効果には影響を与えない。
以上により、第1の実施形態に係る効果に加え、アンテナ素子の共振特性に対する伝送線の影響が抑えられたマルチバンドアンテナを提供することができる。また、第1の実施形態と同様、このアンテナ20を用いて、無線通信装置を構成すれば、アンテナ素子の共振特性に対する伝送線の影響が抑えられた無線通信装置を提供することができる。
第1の実施形態で述べたアンテナ素子100及び200の変形例は全て、本実施の形態のアンテナ素子100及び200においても適宜適用される。
なお、図5のように、導体反射板101に対してアンテナ素子100、200を平行な姿勢とする場合には、次のようにアンテナ20を構成してもよい。同一基板内の異なる層に、それぞれ、アンテナ素子100、200及び導体反射板101を構成する。また、導体給電部123については、それぞれ、基板内の導体ビアを延長して導体反射板101まで接続し、導体給電線105についても、それぞれ、基板内の他の導体ビアを延長して導体反射板まで接続する。このように、アンテナ20全体を一体基板として作成してもよい。
また、図6のように、アンテナ素子100及び200を同一基板内に構成する際、同様に各導体給電部123についても同一基板内に構成してもよい。
さらに、第2の実施形態の種々の変形例について以下説明する。なお、以下に説明する種々の変形例について適宜組み合わせてもよい。
上述の実施形態では、導体給電部123は、一端がC字形状導体104のうちスプリット部109と対向する端部近傍に連結している。しかし導体給電部123がアンテナ素子100及び200の共振特性に与える影響の許容範囲内において、適宜、連結箇所は変更されてもよい。例えば、図27に示すように、導体給電部123が、C字形状導体104のうちスプリット部109と対向する端部近傍以外の部位に及んで、C字形状導体104と連結していても構わない。また、第1の実施形態で述べたように、アンテナ素子200がアンテナ素子100のz軸方向直下に位置していても構わず、その際アンテナ素子100に属する導体給電部123が変形し、アンテナ素子200を避けるような構造になっていても構わない。
また、図25,26において、アンテナ素子100、200それぞれの導体給電部123は分離しているが、導体給電部123がアンテナ素子100及び200の共振特性に与える影響の許容範囲内において、連結していても構わない。なお、図27において、誘電体層108については、他の構成の配置の理解を容易にするため、図示を省略している。また、後述する図28〜31についても、同様に、誘電体層108の図示は省略されている。
また、給電点107から見たアンテナへの入力インピーダンスは、第1の実施形態に関する説明で述べたように、導体ビア106(導体ビア106が省略されている場合は導体給電線105の一端)と、C字形状導体104との接続位置に依存する。ただし、本実施の形態に係るアンテナ20においては、延伸された導体給電線105と導体給電部123とで構成された伝送線路の特性インピーダンスにも依存する。そして上述の伝送線路の特性インピーダンスを、スプリットリング共振器の入力インピーダンスと整合させることで、上述の伝送線路とスプリットリング共振器との間で、無線通信信号を反射なくアンテナに給電することが可能となる。ただし、インピーダンスが整合していない場合でも、本発明の本質的な効果には影響を与えない。
また、延伸された導体給電線105と導体給電部123により構成される伝送線路をコプレーナ線路としてもよい。図28に示す例では、C字形状導体104、導体給電線105、及び導体給電部123が、同一の層に形成されている。また、第1の実施形態の説明で参照した図10又は図11のように、アンテナ素子100において、C字形状導体104は、C字形状導体104における導体反射板101に近い側(スプリット部109に対向する側)の長辺上の一部分が切り欠かれている。そして、切り欠かれた部分を導体給電線105が通ることで、導体給電線105が導体反射板101側へと延伸している。また、導体給電部123は、切り欠かれた部分の両側のC字形状導体104と連結している。さらに、導体給電部123は、延伸する導体給電線105を配置するために、上記切り欠かれた部分に対応する位置にスリット部165が形成されており、細長いU字形状となっている。このスリット部165内を導体給電線105が導体反射板101の方向へ延伸されて通ることで、上述の導体給電線105と導体給電部123とで構成された伝送線路をコプレーナ線路とすることができる。
さらに図29に示すように、アンテナ20は、第1の実施形態の説明で参照した図20あるいは図21のように、C字形状導体104に加え、C字形状導体104と同様の構成のC字形状導体120を重ねて設けて構成されてもよい。図29に示される例では、C字形状導体104及び導体給電線105とは異なる層に、第2のC字形状導体であるC字形状導体120を設けている。また、C字形状導体104に導体給電部123が連結しているのと同様、C字形状導体120には、C字形状導体120と同じ層の導体給電部124が連結している。また、アンテナ20は、C字形状導体104及び導体給電部123の層とC字形状導体120及び導体給電部124の層とで、導体給電線105の層を挟むようにして構成されている。導体給電線105は、導体給電部123及び導体給電部124と対向している。
そして、C字形状導体104及びC字形状導体120は、複数の導体ビア121によって互いに電気的に接続されている。また、導体給電部123及び導体給電部124は、複数の導体ビア125によって互いに電気的に接続されている。
このとき、導体給電線105は、互いに導通した導体であるC字形状導体104及びC字形状導体120と、複数の導体ビア121と、導体給電部123及び導体給電部124と、複数の導体ビア125とによって周囲の多くの部分が囲まれる。これにより、導体給電線105からの不要な信号電磁波の放射を低減することが可能となる。
別の構成として、図30に示すように、第1の実施形態で述べた図23の構成にさらに導体給電部123、124及び導体ビア125を加えてもよい。この構成により、図23の構成と同様に、スプリット部109を誘電体層108の内層に形成できる。このため、誘電体層108外部の物体が、スプリット部109によってできるキャパシタンスの大きさに与える影響を少なくすることができる。また、スプリット部109を挟んで対向する、屈折された導体パターン端を延伸することが可能となり、さらにスプリット部109でのキャパシタンスを増加させることができる。
また上述の延伸された導体給電線105と導体給電部123とで構成された伝送線路が、同軸線路であってもよい。図31は、伝送線路を同軸線路とした場合のアンテナ20の一例を示す図である。なお、図31において、誘電体層108は、他の構成の理解のため図示を省略している。図31に示した例では、アンテナ素子100は、第1の実施形態と同様の導体給電線154を有する。また、アンテナ素子100には、同軸ケーブル160が連結されている。同軸ケーブル160は、芯線161と外部導体162とから構成されている。ここで、芯線161は、導体給電線154と接続し、外部導体162は、C字形状導体104の下端に接続されている。また、給電点107は、芯線161と外部導体162との間を電気的に励振するように設けられている。ここで、芯線161及び導体給電線154は、導体給電線105に相当し、外部導体162は、導体給電部123に相当している。
また、同軸ケーブルを用いる際、同軸ケーブルが導体反射板101の裏側(z軸負方向側)に設けられてもよい。図32、図33は、同軸ケーブルを導体反射板101の裏側に設けた場合のアンテナ20の一例を示す図である。なお、他の構成の理解のため、図32、図33において誘電体層108の図示が省略されている。図32、図33に示した例では、導体反射板101に貫通孔であるクリアランス126が設けられている。また、このクリアランスの位置に対応する導体反射板101の裏側(z軸負方向側)の位置には、コネクタ127が設けられている。コネクタ127は、図示しない同軸ケーブルを接続するコネクタである。ここで、コネクタ127の外部導体129は導体反射板101と電気的に接続されている。そしてコネクタ127の芯線128は、クリアランス126の内部を通って導体反射板101の表側(z軸正方向側)に貫通して、アンテナ素子100の導体給電線105と電気的に接続されている。さらに、給電点107は、コネクタ127の芯線128と外部導体129との間を電気的に励振可能である。
このような構成により、導体反射板101の裏側に配置された無線通信回路やデジタル回路などから、導体反射板101の表側のアンテナ素子100に給電することが可能となる。そのため、放射パターンや放射効率に大きな影響を与えることなく無線通信装置を構成することができる。なお、図32及び図33に示した例では、同軸ケーブルを導体反射板101の裏側に設けているが、伝送線路を構成する導体が導体反射板101の裏側に設けられていればよく、必ずしも同軸ケーブルでなくてもよい。
またさらに、第1の実施形態と同様に、アンテナ素子100、200に対し、導体反射板101は短絡面となる。よって、アンテナ素子の共振特性への影響を抑えるため、図26中のアンテナ素子100、200と導体反射板101との間の距離Z1及びZ2は、周波数が各々のアンテナ素子の共振周波数である電磁波が、領域を満たす物質中を進行する際の波長の略4分の1であることがより望ましい。ただし、波長の略4分の1でない場合でも、本発明の本質的な効果には影響を与えない。
図34は第2の実施形態の変形例に係るアンテナ素子100及び200の構造を示す図である。図34に示すように、第2の実施形態に係るアンテナ20において、導体反射板101として、図24と同様にメタマテリアル反射板Metarefを用いてもよい。これにより、距離Z1及びZ2がλ1の1/4及びλ2の1/4より短い場合であっても、アンテナ素子100及び200の共振特性の変化を抑えることができる。このとき、図34に示すように、メタマテリアル反射板Metarefを構成する周期構造UCの内、アンテナ素子100及び200の直下に位置する周期構造UCを構成する導体小片等を取り除き、導体板M101のみが存在するようにしてもよい。このようにすることで、導体給電線105及び導体給電部123と、周期構造UCとの重畳を防ぐことができる。このようにしても、メタマテリアル反射板Metarefの反射位相制御の性能が著しく劣化することはない。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係るアンテナ30について以下説明する。なお、以下の説明において、上記の構成要素と同様の構成要素については、同じ符号を付して説明を適宜省略する。図35はアンテナ30の斜視図、図36はアンテナ30の側面図、図37はアンテナ30の上面図である。なお、誘電体層108については、他の構成の配置の理解を容易にするため、図35、36においてアンテナ素子100及び200の誘電体層108の図示を省略している。
アンテナ30は、アンテナ素子100及び200をそれぞれ2つずつ備える点で、アンテナ10と異なる。そして図37において、2つのアンテナ素子100同士及びアンテナ素子200同士は、導体反射板101への投影図において、素子の長手方向が互いに略垂直の関係にあり、一方のアンテナ素子の長手方向端部301は、他方のアンテナ素子の略中央部であるスプリット部109近傍に位置する。言い換えれば、一方の素子の長手方向の延長線が、他方の素子の略中央部分で他方の素子と交わるように配置される。
以下、第3の実施形態に係るアンテナ30の効果を説明する。アンテナ30は、略垂直の関係にある2つのアンテナ素子100及び2つのアンテナ素子200を備えるため、マルチバンドかつ直交二偏波に対応したアンテナを提供することができる。
また、第1の実施形態において述べたように、アンテナ素子100及び200は、電磁気的に共振したとき、長手方向の両端部近傍は電気的に開放面となり、電場強度が強くて磁場強度が弱い。そしてアンテナ素子100、200の長手方向における略中央部近傍は電気的に短絡面となり、磁場強度が強く電場強度が弱い。ゆえに、上述のように、2つのアンテナ素子100及び2つのアンテナ素子200それぞれにおいて、一方のアンテナ素子の長手方向端部301が、他方のアンテナ素子の略中央部であるスプリット部109近傍に位置するように略垂直に配置するとよい。その理由は、電場、磁場それぞれにおいて、強度が強い部分同士が近接しないように直交に配置することができるためである。その結果2つのアンテナ素子を、電磁気的な結合を抑えつつ、近づけて配置することができる。つまり、アンテナ素子100及び200をそれぞれ二偏波化する際、偏波間の電磁気的な結合を抑えたうえで、各偏波の素子同士を近づけて配置することができ、結果二偏波化に伴うアンテナ全体のサイズの増加を抑えることができる。
以上により、第1の実施形態に係る効果に加え、直交二偏波に対応し、かつ、偏波間の結合を抑えたまま、二偏波化によるアンテナ全体のサイズの増加を抑えたマルチバンドアンテナを提供することができる。また、第1の実施形態と同様、このアンテナ30を用いて、無線通信装置を構成すれば、二偏波に対応した無線通信装置を提供することができる。
なお、第1及び第2の実施形態で述べたアンテナ素子100及び200の変形例は全て、本実施の形態のアンテナ素子100及び200においても適宜適用される。
例えば図38のように、2つのアンテナ素子100及び2つのアンテナ素子200が、第2の実施形態において述べた導体給電部123を備えていてもよい。さらに、第3の実施形態の種々の変形例について以下説明する。なお、以下に説明する種々の変形例について適宜組み合わせてもよい。
図39のように、上述の配置例において、さらに、近接する2つのアンテナ素子100及び2つのアンテナ素子200同士が全て、一方のアンテナ素子の長手方向端部301が、他方のアンテナ素子の略中央部であるスプリット部109近傍に位置するように略垂直に配置されていてもよい。これにより、アンテナ素子100または200の二偏波間の結合に加え、近接するアンテナ素子100とアンテナ素子200間における互いへの影響も抑えることができる。
また、垂直の関係にある2つのアンテナ素子100、あるいは2つのアンテナ素子200の配置は、必ずしも図36、図37及び図38に示す配置でなくともよい。
例えば図40、図41及び図42のような配置であってもよい。図40はアンテナ30の配置変形例の斜視図、図41は側面図、図42は上面図である。図42に示すように、垂直の関係にある2つのアンテナ素子100及び2つのアンテナ素子200は、導体反射板101への投影図において、互いの長手方向がアンテナ素子の略中央部に当たるスプリット部109近傍で交わっている。そして図40及び図41中、2つのアンテナ素子100及び2つのアンテナ素子200は、導体反射板101上方(図中z軸正方向)において、z軸方向に間隔を空けて配置されている。
このように配置することで、共振時に電気的に開放面となり電場強度が強い素子長手方向両端部同士は距離が離れ、また2つの素子が作る磁場同士は直交性が高くなる。そのため結果上述の配置変形例においても、垂直の関係にある2つのアンテナ素子100同士及び2つのアンテナ素子200同士の結合を抑えて近づけて配置することができる。
なお、図43に示すように、上述の配置変形例においても、2つのアンテナ素子100及び2つのアンテナ素子200が、第2の実施形態で述べた導体給電部123を備えていてもよい。またその際、図43に示すように、垂直の関係にある2つのアンテナ素子100及び2つのアンテナ素子200の間で、導体給電部123の位置をずらして形成してもよい。つまり上方にあるアンテナ素子の導体給電部123をC字形状導体104と接続する位置をC字形状導体104の中心からずらすことで、下方(図中z軸負方向)側の素子と重ならないようにしていてもよい。
なお、上述の配置例以外でも、垂直の関係にある2素子は、2素子間の電磁気的結合が素子の特性に与える影響の許容範囲内において、如何様に配置されてもよい。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係るアンテナ40について以下説明する。なお、以下の説明において、上記の構成要素と同様の構成要素については、同じ符号を付して説明を適宜省略する。図44はアンテナ40の一例の上面図である。
アンテナ40は、それぞれがアレイ状に配置された複数のアンテナ素子100及びアンテナ素子200を備える。この例ではアンテナ素子100、200はX字状に配置されている。図44中、アンテナ素子100及び200は、それぞれ、垂直の関係にある2素子によって、第3の実施形態において図40、41及び42で述べた配置で二偏波化されている。さらに、それぞれが導体反射板101への投影図において、距離Distance1及び距離Distance2で略正方形アレイ状に配置されている。そして距離Distance1及び距離Distance2は、それぞれ例えばλ1の略1/2、及びλ2の略1/2である。また図44においては、Distance1はDistance2の二倍におよそ等しい。さらにx,y方向に同じピッチで配列されている。
アンテナ40は、それぞれがアレイ状に配置された複数のアンテナ素子100及びアンテナ素子200を備えることで、各周波数に対応したアレイアンテナを複数、導体反射板101を共有して同一平面上に構成することができる。
また、図44中アンテナ40は、上述のように、アンテナ素子100及び200それぞれにおいて、第3の実施形態において述べた配置で、二偏波化されており、各周波数の各偏波ごとにアレイアンテナを備えている。よって、アンテナ40は、マルチバンドかつ二偏波対応のアレイアンテナを同一平面上に構成でき、マルチバンドかつ二偏波対応のビームフォーミング動作が可能となる。また、第1の実施形態と同様、このアンテナ40を用いて、無線通信装置を構成すれば、マルチバンドかつ二偏波に対応したビームフォーミングが可能な、無線通信装置を提供することができる。
またここで、ビームフォーミングを行う際、アレイアンテナのアンテナ素子間の距離は、正方形アレイではおよそ使用周波数の電磁波の波長の半分程度が望ましい。このとき、長手方向サイズが波長の半分程度のサイズであるダイポールアンテナ等のアンテナ素子を用いて、二偏波に対応したアレイアンテナを構成した場合は、アンテナ素子間に隙間がほとんど残らない。また同一平面上にさらに他の周波数向けのアレイアンテナを構成した場合、異なる周波数向けのアンテナ素子同士が非常に近接し、相互干渉が大きくなってしまう。
しかし、第1の実施形態で述べたように、アンテナ素子100及びアンテナ素子200は、長手方向サイズがそれぞれλ1の1/4、及びλ2の1/4程度と、良好な放射効率を有しつつ小型である。ゆえに、アンテナ40においては、アンテナ素子100がDistance1=λの略1/2程度の間隔でアレイ状に配置されていても、アンテナ素子100間には、ある程度の隙間が生じる。よって、導体反射板への投影図において、アンテナ素子200をアンテナ素子100間の領域にアンテナ素子100に重ならずに配置することができ、製作をより簡便にできる。また、アンテナ素子100、200がそれぞれ小型であることから、アンテナ素子100、200間の隙間が増え、相互干渉を小さくすることができる。
また、図44においては、Distance1がDistance2の二倍におよそ等しいことから、配置の繰り返しの周期がほぼ一致する。その結果Distance2=λ2/2程度を維持したまま、アンテナ素子200がアンテナ素子100に重ならいように配置できる。
ただし、アンテナ素子100間、200間の距離は、必ずしも、λ1の1/2あるいはλ2の1/2に限定されず、またDistance1は、必ずしもDistance2の二倍に等しくなくともよい。また、必ずしも二偏波である必要はなく、用途に応じ一偏波のみでアンテナ素子100及び200がそれぞれアレイアンテナを構成していてもよい。また図44中、アンテナ素子100及び200は、それぞれ、正方形アレイ状に配置されているが、長方形配置や三角配置などの他の並べ方によりアレイアンテナを構成していてもよい。また、1列アレイや2列アレイなど、一方の辺が他の辺より短いアレイであって、全体が細長い構成のアレイアンテナであってもよい。
また、第1、第2及び第3の実施形態で述べたアンテナ素子100及び200の変形例は全て、本実施の形態のアンテナ素子100及び200においても適宜適用される。例えば第2の実施形態で述べた導体給電部123を、アンテナ素子100および200が備えていてもよい。
さらに、第4の実施形態の種々の変形例について以下説明する。なお、以下に説明する種々の変形例について適宜組み合わせてもよい。
例えば図44中、アンテナ素子100とアンテナ素子200とは、導体反射板101への投影図において重ならないように配置されているが、λ1とλ2との関係によっては図45のように導体反射板101への投影図において重なってもよい。加えて、例えば図46に示すように、アンテナ素子100及び200のどちらか一方、ここではアンテナ素子200の図中y-軸方向のアンテナ素子間距離を変えてもよい。つまり導体反射板101への投影図において、アンテナ素子100間の隙間にアンテナ素子200を入れ、アンテナ素子100と200とが重ならないように配置してもよい。ただし、素子間距離を広げた方向を含む面(図46中y--面)においてビームフォーミングを行う際、ビームの形成の仕方によってはサイドローブが大きくなるなど、注意をすることが望ましい。
また、第3の実施形態で述べたアンテナ素子100及び200の二偏波化の方法、向きと、アンテナ40におけるアレイの配置方向との組み合わせは、必ずしも図44に示すとおりでなくともよい。例えば図47に示すように、アンテナ素子100及び200が図40、41及び42で述べた十字状の配置で二偏波化され、かつアレイの配置方向と十字の向きが同一であるような配置でもよい。
また、図48のように、アンテナ素子100及び200が図35、36及び37で述べたT字状の配置で二偏波化され、かつアレイの配置方向とT字の向きが同一であるような配置でもよい。また図49および図50のように、アンテナ素子100及び200が図35、36及び37で述べたT字状の配置で二偏波化され、かつT字の向きがアレイの配置方向から略45°傾いたような斜めT字状の配置でもよい。
また、図51に示すように、アンテナ素子100が、素子の略中央部が導体反射板101と平行な正方形格子Lattice1の各格子点と一致するように位置し、かつ隣り合う頂点上のアンテナ素子同士が全て、長手方向が垂直となるような向きであるような配置であってもよい。言い換えれば、隣り合う格子点上のアンテナ素子100は略垂直の関係にあり、一方のアンテナ素子100の長手方向が、他方のアンテナ素子100の長手方向の中央近傍を向いている。このような配置とすることで、アンテナ素子100は、第2の実施形態で述べた効果により、垂直な関係にある周囲4つのアンテナ素子との間で、電磁気的な結合を抑えることができる。そしてアンテナ素子200も、同様の配置をとることができ、その上で、図51のように、導体反射板101への投影図において、アンテナ素子100と200とが重ならないように配置することもできる。なお、正方形格子Lattice1は必ずしも正方形でなくともよく、長方形格子であっても、アンテナ素子の周囲4つの異なる偏波間の結合を抑えることができる。
さらに、周期性をもつ格子点上でなくともよく、複数のアンテナ素子が、導体反射板101と平行な面上で互いに垂直な二方向に、間隔を空けて配置されていれば、各素子が上述と同様の向きを取ることができ、そのとき、上述の効果を得ることができる。
また、必ずしもすべてのアンテナ素子が、上述の向き及び配置でなくともよく、全アンテナ素子のうちの一部が、上述の向き及び配置でなくとも、アンテナ40に要求される性能を満たしていればよい。
さらに、図52に示すように、図51の配置関係を保ちつつ、アンテナ素子100及び200を、各偏波毎に、素子間距離がDistance1及びDistance2の正方形アレイ状に配置することもできる。このときLattice1の格子点間距離LDistance1は(1/2)√2×Distance1であり、アンテナ素子200もスケールを変えた上で同様の配置となる。
また、アンテナ40は、2周波数のみならず、3周波数あるいはそれ以上の周波数帯に対応して、3種類以上のアンテナ素子により、同一平面上に二偏波アレイアンテナが構成されていてもよい。図53のように、例えば図44の構成に加え、さらに第二の周波数帯よりも高い周波数帯である第三の周波数帯に共振周波数を持つアンテナ素子300が正方形アレイ状に配置されていてもよい。アンテナ素子300はアンテナ素子100、200と同様の構成であり、アンテナ素子100及び200と同様に二偏波化され、かつ素子間距離Distance3で配置されている。ここで、例えば、アンテナ素子300の長手方向のサイズはλ3の1/4程度である。また図53においてはDistance3=λ3/2程度である。なお、λ3は、周波数が第三のアンテナ素子の共振周波数である電磁波が、領域を満たす物質中を進行する際の波長を示す。この場合においても、図53に示すように、アンテナ素子100、200及び300が、導体反射板101への投影図において、重ならないように配置することもできる。図53においては、Distance1=2×Distance2=4×Distance3程度である。さらに、図54に示すように、図52と同様の配置で、3周波数対応の二偏波アレイアンテナを構成してもよい。
以上で述べたアンテナ40における二偏波対応マルチバンドアンテナアレイは、アンテナ素子100と同様の構成で共振周波数が異なるアンテナ素子200及び300を複数アレイ状に並べたものである。そして上述の通り、アンテナ素子100は放射効率を維持しつつサイズがλ1の1/4程度と小型である。その小型性により、一つの周波数におけるアレイアンテナの素子間の隙間を増加させ、異なる周波数に対応したアンテナ素子間の相互作用を抑えることができる。このアンテナ40を用いて、無線通信装置を構成すれば、マルチバンドかつ二偏波に対応したビームフォーミングが可能でしかも異なる周波数のアンテナ素子の間の相互作用も抑制した無線通信装置を提供することができる。
ここで、放射効率などのアンテナ性能劣化を無視すれば、既存のダイポールアンテナや、パッチアンテナなどにおいても、メアンダ化や高誘電率材料の使用により小型化は可能である。メアンダ化は主にダイポールアンテナ、パッチアンテナに適用でき、高誘電率材料の使用は主にパッチアンテナに適用できる。よって、そのような手法により小型化した既存のアンテナ素子においても、上述の配置により、一つの周波数におけるアレイアンテナの素子間の隙間を増加させ、異なる周波数に対応したアンテナ素子間の相互作用を抑えた、二偏波対応マルチバンドアンテナアレイの構成が可能となる。
例として、図44及び図52の配置に対応した、パッチアンテナによる二偏波対応マルチバンドアンテナアレイを、図55及び図56に示す。パッチアンテナ400及び500は、それぞれ第一の周波数帯、及び第二の周波数帯に共振周波数を持ち、高誘電率材料Patchdieleにより小型化され、また正方形パッチ内に二か所の励振点を持つことで二偏波化がなされている。そしてパッチアンテナ600及び700は400及び500と同様にそれぞれ第一の周波数帯、及び第二の周波数帯に共振周波数を持ち、高誘電率材料Patchdieleにより小型化され、かつ第3の実施形態で述べた配置と同様の配置で、二偏波化がなされている。高誘電率材料Patchdieleとしては、例えばアルミナ基板、窒化アルミニウム基板などのセラミックス基板を用いる。
前述の特許文献1(国際公開第2014/059946号)のアンテナアレイは、高帯域用と低帯域用のクロスダイポールアンテナ素子(crossed-dipole antenna elements)をアンテナリフレクタ上に交互に配列してアレイにしている。さらに、配列の間に中央導体フェンス(central conductive fences)1340を設けて相互カップリングを減らしている。しかしこの公報では、本実施形態で述べたアンテナ素子間の間隔及び隣り合うアンテナ素子同士の向きについては何ら記載されていない。
また同じく前述の特許文献2(米国特許第6025812号明細書)には、Fig.2a,2b,2cに、単一周波数のアンテナアレイの個々のアンテナ素子(radiation element module 1)の間に分離用素子(decoupling structural element 17)が配置されている。しかしこの分離用素子はアンテナとしては用いられておらず、特許文献2のアレイはマルチバンドではない。
図57にパッチアンテナの代表的な断面図を示す。例えば、図57に示すように、パッチアンテナ400、500、600及び700は、GND導体板Patchgnd、誘電体板Patchdiele、パッチ導体Patch、導体ビアPatchvia及び給電点107を備えている。誘電体板PatchdieleはGND導体板Patchgnd上に連結している。パッチ導体Patchは誘電体板PatchdieleのGND導体板Patchgndとは反対側の面に連結している。導体ビアPatchviaは誘電体板Patchdieleを貫通して一端がパッチ導体Patchと電気的に接続し、もう一端がGND導体板Patchgnd中に空けられたクリアランス部Patchclearを通りGND導体板Patchgndの誘電体板patchdieleとは反対側の面まで達する。給電点107は導体ビアPatchviaとGND導体板Patchgndとの間を電気的に励振する。
例えば、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
導体反射板と、第一アンテナ素子を備え前記導体反射板上に設けられた第一アンテナと、前記第一アンテナが備える前記第一アンテナ素子の電磁気的な共振周波数とは異なる周波数を電磁気的な共振周波数に持つ第二アンテナ素子を備え前記導体反射板上に設けられた第二アンテナと、を有し、前記第一、第二アンテナ素子は、環状の導体の一部が不連続となるようにスプリット部が形成された略C字形状の導体であるC字形状導体と、前記スプリット部を介して向き合う前記C字形状導体の両部分のうち一方の部分と電気的に接続し、前記C字形状導体への給電のための電路を構成する導体給電線と、を備えることを特徴とするマルチバンドアンテナ。
(付記2)
前記第一、第二アンテナ素子が、
前記C字形状導体への給電のための他の電路を構成する導体給電部
をさらに有し、
前記導体給電部は、一端が前記C字形状導体の外縁部分に連結し、他端が前記導体反射板に連結し、前記導体給電線と並んで配置されている
付記1に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記3)
前記第一、第二アンテナ素子が、
前記導体給電部の一端が、前記C字形状導体の外縁部分のうち、前記スプリット部と対向する部分と連結する
付記2に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記4)
前記第一、第二アンテナ素子は、さらに、
前記スプリット部を介して向き合う前記C字形状導体の両部分のうち一方の部分と電気的に接続し、他方の部分と対向する補助導体を少なくとも一つ備える
付記1から3のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記5)
前記第一、第二アンテナ素子は、さらに、
前記スプリット部を介して向き合う前記C字形状導体の両部分が向き合う方向における前記C字形状導体の端の外縁と電気的に接続する導体放射部を少なくとも一つ備える
付記1から4のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記6)
前記第一アンテナ及び第二アンテナがそれぞれ、2つの前記第一、第二アンテナ素子を備え、
前記2つの第一、第二アンテナ素子は、前記導体反射板への投影図において、互いに略垂直の関係にある
付記1から5のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記7)
前記第一、第二アンテナ素子は前記導体反射板からそれぞれ所定の距離をおいて設けられている付記1から6のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記8)
前記所定の距離は、前記第一、第二アンテナの共振周波数の電磁波の波長の略1/4である付記7に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記9)
前記第一、第二アンテナ素子が前記導体反射板に対して垂直または平行に設けられている付記1から8のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記10)
前記第一、第二アンテナが共通の誘電体基板上に設けられている付記1から9のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記11)
前記C字形状導体の前記スプリット部と反対側の箇所に切り欠きを備え、前記導体給電線が前記切り欠きを通っている付記1から10のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記12)
前記導体給電線に接触せずに前記切り欠きを導通させる架橋導体を備えた付記1から11のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記13)
前記スプリット部を挟んで対向する前記C字形状導体の先端部が屈折している付記1から12のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記14)
前記C字形状導体が複数重ねて設けられ、前記複数のC字形状導体が互いに電気的に接続されている付記1から13のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記15)
前記導体放射部の辺がそれに接する前記C字形状導体の辺よりも長い付記5から14のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記16)
前記第一、第二アンテナ素子の長手方向に見た前記導体給電部の大きさは、前記第一、第二アンテナ素子の前記長手方向の大きさの1/2以下である付記2から15のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記17)
前記導体給電部は前記第一、第二アンテナ素子の中央を中心に前記第一、第二アンテナ素子の長手方向の大きさの1/2以内に位置する付記2から16のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記18)
前記導体給電線と前記導体給電部とでコプレーナ線路または同軸線路を構成している付記2から17のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記19)
前記導体給電線が同軸ケーブルで構成されている付記1から18のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記20)
前記第一アンテナに含まれる前記第一アンテナ素子と前記第二アンテナに含まれる前記第二アンテナ素子の間で、前記導体反射板への投影図において、互いに略垂直の関係にある付記6から19のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記21)
前記第一、第二アンテナに含まれる前記複数の第一、第二アンテナ素子の間で、前記導体反射板への投影図において、前記スプリット部近傍で互いに交わっている付記6から20のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記21−1)
前記複数重ねて設けられたうちの少なくとも一つのC字形状導体の、前記スプリット部と空隙を挟んで向かい合う箇所の導体が取り除かれている付記14から21のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記21−2)
前記スプリット部と空隙を挟んで向かい合う箇所の導体が取り除かれているC字形状導体を、前記導体が取り除かれていないC字形状導体で挟んだ付記14から21−1のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記21−3)
前記導体反射板として、メタマテリアル反射板を用いた付記1から21、21−1から21−2のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記21−4)
前記スプリット部と空隙を挟んで向かい合う箇所の導体が取り除かれているC字形状導体を挟む前記導体が取り除かれていないC字形状導体に導体給電部を設けた付記21−2に記載のマルチバンドアンテナ。
(付記22)
付記1から21及び付記(21−1)から(21−4)のいずれかに記載の第一アンテナ及び第二アンテナを、それぞれ複数備えるマルチバンドアンテナアレイ。
(付記23)
前記第一アンテナが、第一アンテナの備える前記第一アンテナ素子の共振周波数の電磁波の波長の略1/2の略等間隔で、前記導体反射板に略平行な面に沿って格子状に複数配置され、前記第二アンテナが、第二アンテナの備える前記第二アンテナ素子の共振周波数の電磁波の波長の略1/2の略等間隔で、前記導体反射板に略平行な面に沿って格子状に複数配置されている、付記22に記載のマルチバンドアンテナアレイ。
(付記24)
前記複数の第一アンテナが備える前記複数の第一アンテナ素子が、前記導体反射板と平行な面への投影図において、縦方向及び横方向の両方に間隔を空けて整列するように配置されており、隣り合う前記第一アンテナ素子同士は略垂直の関係にあり、どちらか一方の長手方向が、他方の長手方向中央近傍を向いており、
前記複数の第二アンテナが備える前記複数の第二アンテナ素子が、前記導体反射板と平行な面への投影図において、縦方向及び横方向の両方に間隔を空けて整列するように配置されており、隣り合う前記第二アンテナ素子同士は略垂直の関係にあり、どちらか一方の長手方向が、他方の長手方向中央近傍を向いている、付記22または23に記載のマルチバンドアンテナアレイ。
(付記25)
前記格子は正方形または長方形である付記22から24のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナアレイ。
(付記26)
前記複数の第一アンテナ及び複数の第二アンテナの前記第一、第二アンテナ素子は、十字状または斜めに配置されている付記22から25のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナアレイ。
(付記27)
前記複数の第一アンテナの前記第一アンテナ素子が前記複数の第二アンテナの前記第二アンテナ素子に対してT字状または斜めT字状に配置されている付記22から26のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナアレイ。
(付記28)前記第一アンテナ及び第二アンテナとして、前記C字形状導体を備えた前記第一、第二アンテナ素子に代えてダイポールアンテナまたはパッチアンテナを用いた付記22から27のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナアレイ。
(付記29)
前記ダイポールアンテナまたはパッチアンテナは、メアンダ化されているかまたは高誘電率材料を用いている付記22から28のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナアレイ。
(付記30)
付記1から21のいずれかに記載のマルチバンドアンテナ又は付記22から29のいずれかに記載のマルチバンドアンテナアレイを搭載した無線通信装置。
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
この出願は、2015年2月16日に出願された日本出願特願2015−027372を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
10 アンテナ
11 無線通信装置
20 アンテナ
100、200 アンテナ素子
101 導体反射板
104 C字形状導体
105 導体給電線
106 導体ビア
107 給電点
108 誘電体層
109 スプリット部
110、111 導体部分
112 誘電体レドーム
113 伝送線
114 無線通信回路部
116 架橋導体
117 導体放射部
118 補助導体パターン
119 導体ビア
120 C字形状導体
121 導体ビア
122 スプリット部
123 導体給電部
124 導体給電部
125 導体ビア
126 クリアランス
127 コネクタ
128 芯線
129 外部導体
151 導体給電線
152 導体給電線
154 導体給電線
160 同軸ケーブル
161 芯線
162 外部導体
165 スリット部
170 ベースバンド処理部

Claims (10)

  1. 導体反射板と、第一アンテナ素子を備え前記導体反射板上に設けられた第一アンテナと、前記第一アンテナが備える前記第一アンテナ素子の電磁気的な共振周波数とは異なる周波数を電磁気的な共振周波数に持つ第二アンテナ素子を備え前記導体反射板上に設けられた第二アンテナと、を有し、前記第一、第二アンテナ素子は、環状の導体の一部が不連続となるようにスプリット部が形成された略C字形状の導体であるC字形状導体と、前記スプリット部を介して向き合う前記C字形状導体の両部分のうち一方の部分と電気的に接続し、前記C字形状導体への給電のための電路を構成する導体給電線と、を備えることを特徴とするマルチバンドアンテナ。
  2. 前記第一、第二アンテナ素子が、前記C字形状導体への給電のための他の電路を構成する導体給電部をさらに有し、前記導体給電部は、一端が前記C字形状導体の外縁部分に連結し、他端が前記導体反射板に連結し、前記導体給電線と並んで配置されている請求項1に記載のマルチバンドアンテナ。
  3. 前記第一、第二アンテナ素子が、前記導体給電部の一端が、前記C字形状導体の外縁部分のうち、前記スプリット部と対向する部分と連結する請求項2に記載のマルチバンドアンテナ。
  4. 前記第一、第二アンテナ素子は、さらに、前記スプリット部を介して向き合う前記C字形状導体の両部分のうち一方の部分と電気的に接続し、他方の部分と対向する補助導体を少なくとも一つ備える請求項1から3のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
  5. 前記第一、第二アンテナ素子は、さらに、前記スプリット部を介して向き合う前記C字形状導体の両部分が向き合う方向における前記C字形状導体の端の外縁と電気的に接続する導体放射部を少なくとも一つ備える請求項1から4のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
  6. 前記第一アンテナ及び第二アンテナがそれぞれ、2つの前記第一、第二アンテナ素子を備え、前記2つの第一、第二アンテナ素子は、前記導体反射板への投影図において、互いに略垂直の関係にある請求項1から5のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナ。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の第一アンテナ及び第二アンテナを、それぞれ複数備えるマルチバンドアンテナアレイ。
  8. 前記第一アンテナが、第一アンテナの備える前記第一アンテナ素子の共振周波数の電磁波の波長の略1/2の略等間隔で、前記導体反射板に略平行な面に沿って格子状に複数配置され、前記第二アンテナが、第二アンテナの備える前記第二アンテナ素子の共振周波数の電磁波の波長の略1/2の略等間隔で、前記導体反射板に略平行な面に沿って格子状に複数配置されている、請求項7に記載のマルチバンドアンテナアレイ。
  9. 前記複数の第一アンテナが備える前記複数の第一アンテナ素子が、前記導体反射板と平行な面への投影図において、縦方向及び横方向の両方に間隔を空けて整列するように配置されており、隣り合う前記第一アンテナ素子同士は略垂直の関係にあり、どちらか一方の長手方向が、他方の長手方向中央近傍を向いており、
    前記複数の第二アンテナが備える前記複数の第二アンテナ素子が、前記導体反射板と平行な面への投影図において、縦方向及び横方向の両方に間隔を空けて整列するように配置されており、隣り合う前記第二アンテナ素子同士は略垂直の関係にあり、どちらか一方の長手方向が、他方の長手方向中央近傍を向いている、
    請求項7及び8のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナアレイ。
  10. 請求項1から6のいずれかに記載のマルチバンドアンテナ又は請求項7から9のいずれかに記載のマルチバンドアンテナアレイを搭載した無線通信装置。
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