JP6608258B2 - トナー粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナー粒子の製造方法に関する。
電子写真法など静電潜像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されており、高画質化や省エネルギー化を始めとする性能の向上が求められている。電子写真法では、まず帯電、露光工程により電子写真感光体上に静電潜像を形成する。次いで、現像工程でトナーを含む現像剤で静電潜像を現像し、定着工程を経て可視化された定着画像を得る。
その中でも現像工程は高画質化するために重要な工程であり、高速化や環境安定性を達成するシステムや材料の開発が技術課題となっている。材料面からのアプローチとして、例えば特許文献1には短い時間で充分な帯電量まで立ち上がり良好な帯電特性を有するトナーを得るため、特定の構造と特定の分子量を有するサリチル酸系樹脂を含有させる技術が開示されている。
この技術により帯電特性の優れたトナーを得ることができるが、特定の条件下で製造を行う際には課題が発生することが分かってきた。水系媒体中でpH=3.0以上の条件下で製造を行う場合である。この条件下では発泡が起き易く、場合によっては泡が反応容器から溢れてしまうため、製造が困難である。また、液面上に堆積した泡により放熱が妨げられ、得られた重合物の分子量が変動することや、撹拌せん断が行き届かず、凝集した粗大粒子が発生するなどトナー品質に直結する弊害も招き易い。
消泡の技術についてはシリコーン系を始めとする消泡剤や機械的手段により破泡する装置などが市販されている。
特許文献2には反応溶媒に用いるアルコールの比率を上げて水の比率を下げる技術、特許文献3には特定の撹拌動力で重合反応を行うことにより発泡を抑制する技術が開示されている。
特許第5241939号公報 特許第4056738号公報 特許第3973976号公報
シリコーンオイルなど市販の消泡剤の添加や特許文献2のように、化学的に気泡を抑制しようとする技術は、抑泡性を高めるという観点からは効果が見られた。一方、得られたトナーの評価を行ったところトナー性能への悪影響が見られ、特に現像性への悪影響が大きい。これは、添加した消泡剤などがトナー表面や内部から除去しきれなかったため、帯電特性へ悪影響が出たことが原因と推測している。オイルなど有機系の添加剤を水で洗い流すことは困難である。高画質化を図っている現在の電子写真プロセスにおいて、洗い流されずに残存した添加剤は帯電量の意図せぬ変動を招くため好ましく無い。
市販の機械的手段により破泡する技術や、特許文献3のように物理的に発泡を抑制しようとする技術は、一定の効果は見られた。しかし、泡立ちが激しくなる要因、例えば特定構造・分子量のサリチル酸系樹脂を用いることや、反応中に気体が発生するなどが加わると抑制が困難であった。更に両者の組み合わせ技術も試みたがトナー性能と抑泡とを高水準で両立させる条件を見出すことはできなかった。
以上のように、従来の技術ではトナー性能への悪影響を抑えつつ、抑泡することは困難であり、特に泡立ちが激しくなる要因が加わっても泡が堆積することを抑制することは困難であった。
本発明の目的は、サリチル酸系樹脂を含有するトナー粒子を水系媒体中でpH=3.0以上の条件下で製造を行う場合であっても、トナー性能へ悪影響を与えずに抑泡するトナー粒子の製造方法を提供することである。これにより、安定した製造が可能となり、高い収率でトナー粒子を得ることができ、安定した分子量や粗大粒子量のトナー粒子を得るためのトナー粒子の製造方法を提供することにある。
本発明は、
重合性単量体、着色剤およびサリチル酸系樹脂を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体の中で形成する造粒工程、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合させることによりトナー粒子を得る重合工程、とを有するトナー粒子の製造方法において、
該造粒工程および/または該重合工程は、
該水系媒体と水溶性の多価金属化合物とを混合する工程、および
該水溶性の多価金属化合物を混合した水系媒体のpHを3.0以上、かつ、該多価金属化合物を構成する金属の水和イオンの酸解離定数pK以下に調整する工程
を含むことを特徴とするトナー粒子の製造方法である。
本発明によれば、サリチル酸系樹脂を含有するトナー粒子を水系媒体中でpH=3.0以上の条件下で製造を行う場合であっても、トナー性能へ悪影響を与えずに抑泡するトナー粒子の製造方法を提供することができる。これにより、安定した製造が可能となり、高い収率でトナー粒子を得ることができ、安定した分子量や粗大粒子量のトナー粒子を得るためのトナー粒子の製造方法を提供することができる。
トナー粒子の帯電量測定装置の一例を示す模式図である。 実施例1における造粒工程および重合工程を示すフローチャートである。 実施例2における造粒工程および重合工程を示すフローチャートである。 実施例3における造粒工程および重合工程を示すフローチャートである。
本発明者はこの課題を解決するにあたり、発泡の機構について検討を行った。泡を形成するためには液膜が気体を包むことが必要であり、トナー粒子の製造においても様々な要因で引き起こされ、助長される。例えば、撹拌により気体が液中へ巻き込まれること、化学反応によって気体が発生すること、液中の溶存気体が液温上昇に伴って溶解度低下して気泡化すること、などである。特に化学反応によって気体が発生する場合や、液温上昇に伴う溶存気体の気泡化は泡の径が細かいため、液面に緻密でホイップクリーム状に堅く壊れ難い泡を形成するため課題が顕著となる。一方、この様な液中での気泡発生は一般的なトナー粒子の製造方法で見られる現象であるが、処理液によっては発泡が課題となっていない場合も多い。従って、処理液を泡立ち難い性質にすることで課題を解決し得ると考えた。
更に検討の結果、サリチル酸系樹脂を含有するトナー粒子を水系媒体中で製造を行う際、pH=3.0以上では発泡の課題が顕在化し、逆にpH=3.0以下で製造を行う場合には発泡は軽微であることを見出した。ここで、このpHに着目して検討を行ったところ、サリチル酸の酸解離定数pKが2.97であり、課題が顕在化するpHとほぼ一致することが分かった。このことから、発泡の機構として、以下の様に推測をした。pH=3.0以上ではサリチル酸系樹脂のサリチル酸部位の酸解離が進むため親水性が上昇する。一方、それ以外の部位は炭素鎖が主であるために疎水性を有する。即ち、サリチル酸系樹脂の中に親水性部位と疎水性部位が混在して両親媒性を有することとなる。両親媒性を有する物質は家庭用洗剤に代表される様に、泡を構成する液膜を安定化させるため、発泡の原因となり得る。
上記推測に依れば、課題を解決するためにはpH=3.0以上であってもサリチル酸系樹脂の両親媒性を低減させることで課題を解決し得ると考えた。即ち、疎水性部位の親水性を上昇させるか、親水性部位の疎水性を上昇させることで両親媒性を低減させることが可能である。
疎水性部位の親水性を向上させるための手段としては、強い酸化剤を用いて炭素鎖を酸化させることが考えられる。しかし、元の構造に戻すことは困難であり、構造を戻さなくては得られるトナー粒子の高温高湿環境下での吸着水分が課題になることが懸念される。
一方、親水性部位の疎水性を向上させるための手段としては、多価の金属を配位させて金属石鹸の様な構造にすることが考えられる。酸解離したサリチル酸は孤立電子対を有するため、適切な条件下で金属イオンを配位させることが可能であると考えた。更に、発泡が課題になる工程が終わった後にはpH=3.0以下とすることで金属を手放して元のサリチル酸構造に戻るため、比較的容易に元の構造に戻すことができると考えた。
本発明者は上記の考えに基づいて検討を行った結果、水系媒体と水溶性の多価金属化合物とを混合して製造することで課題を解決し得ることを見出した。ただし、本発明において、該多価金属化合物を混合した水系媒体のpHは該多価金属化合物を構成する金属の水和イオンの酸解離定数pK以下である必要がある。本発明者の検討では、水系媒体のpHが該多価金属の水和イオンのpKを超える場合には抑泡の効果が弱くなることを確認した。これは、金属水和イオンのpKを超えるpH領域では多数の金属が水酸化物を形成してサリチル酸への配位ができなくなるためと推測している。
即ち、本発明においては多価金属化合物を混合するだけでなく、該多価金属化合物を混合した水系媒体のpHを3.0以上、かつ、該多価金属化合物を構成する金属の水和イオンのpK以下に調整する工程、を含むことが必要である。上記条件下では、サリチル酸も金属もイオン化した状態で存在するため配位が可能であると考えられる。代表的な金属の水和イオンのpKとしては以下を挙げることができる。Ca2+:12.7、Mg2+:11.4、Mn2+:10.6、Fe2+:9.5、Zn2+:9.0、Cu2+:7.3、La3+:9.0、Al3+:5.0、Fe3+:2.2。
なお、本発明は懸濁重合法において検討を行った。懸濁重合法は重合性単量体、着色剤およびサリチル酸系樹脂を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体の中で形成する造粒工程と、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合させることによりトナー粒子を得る重合工程、とを有する。
該水溶性の多価金属化合物は、造粒工程における水系媒体および/または重合工程における水系媒体、と混合することができるが、泡の堆積が進んで液面の流動状態に悪影響が発生するより前に混合することが好ましい。
ここで、混合する多価金属化合物は水溶性であれば特に限定されるものではなく、「水溶性」とはPRTR法(化学物質管理促進法)の規定に基づき、常温で中性の水に対し1質量%以上溶解することと定義する。
本発明に用いることができるサリチル酸系樹脂とは、構造中にサリチル酸部位を有する樹脂であれば特に限定されない。なお、本発明における樹脂とは、数平均分子量(Mn)が1,500以上のポリマーと定義する。該サリチル酸系樹脂の主鎖構造としては、特に制限はない。例えば、ビニル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリエーテル系重合体などが挙げられる。また、これらが2種以上組み合わさったハイブリッド型の重合体も挙げられる。ここに挙げた中でも、トナー粒子結着樹脂との密着性を考慮すると、ポリエステル系重合体、または、ビニル系重合体であることが好ましい。
本発明においては、該サリチル酸系樹脂の重量平均分子量は10,000以上60,000以下であり、該サリチル酸系樹脂1g当たりに含有されるサリチル酸部位のモル数は10μmol/g以上1,500μmol/g以下である、ことが好ましい。
更に、該重合性単量体組成物に含有される該サリチル酸系樹脂の含有量が、該重合性単量体100.00質量部に対して、0.03質量部以上20.00質量部以下であることが好ましい。
また、該サリチル酸系樹脂が、下記構造式(1)で示される部位を含有することが特に好ましい。
Figure 0006608258
この範囲は本発明の効果が得られやすい範囲であると共に、良好な帯電特性を得るために好ましい範囲でもあった。これは、上記分子量とサリチル酸部位のモル数が本発明の効果を発現するに適した親水基と疎水基のバランス、そして配位の起こり易い構造であるためと推測している。
ここで、分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により算出した重量平均分子量である。重量平均分子量を上記の範囲とするためには、該サリチル酸系樹脂を製造する際の試薬量、反応温度、溶媒濃度などの条件を変えることにより制御することができる。また、GPCにより分取することによって、所望の分子量の物を得ることができる。
また、サリチル酸系樹脂1g当たりに含有されるサリチル酸部位のモル数の測定方法は、まずサリチル酸系樹脂を後述の方法により滴定して酸価と水酸基価を求め、サリチル酸系樹脂が有する水酸基の量を算出する。そして、これを基にサリチル酸系樹脂中のサリチル酸の含有量(mol/g)を算出する。なお、サリチル酸系樹脂がサリチル酸以外の部位に水酸基を有している場合は、サリチル酸系樹脂を作製する際にサリチル酸部位を付加反応させる直前の化合物(例えばポリエステル樹脂)の水酸基価をあらかじめ測定しておき、その差分で算出することができる。サリチル酸系樹脂1g当たりに含有されるサリチル酸部位のモル数の調節は原材料の混合比などで行うことができる。
また、下記式(2)の関係を満たすことで抑泡の効果は一層良く得られる。
C×S≦N×M (2)
C:該サリチル酸系樹脂1g当たりに含有されるサリチル酸部位のモル数(mol/g)
S:該重合性単量体組成物に含有される該サリチル酸系樹脂の質量(g)
N:該多価金属化合物の金属イオン価数
M:該水系媒体と混合される該多価金属化合物のモル数(mol)
上記式の左辺は酸解離し得るサリチル酸部位のモル数を現わしており、右辺は金属化合物が配位可能な数を現わしている。即ちこの式が現わしていることは、親水基の数よりもそこに配位し得る金属を多く存在させることである。この条件にすることで、サリチル酸系樹脂の両親媒性を効果的に低下させることができる。
本発明に用いることができる水溶性多価金属化合物としては、例えば金属塩を挙げることができる。例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、鉄、アルミニウム、ジルコニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、ビスマス、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、ルテニウム、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀等のハロゲン化物、ヘキサフルオロシリル化物、硫酸塩、酢酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、塩素酸類塩、硝酸類塩等の無機金属塩が挙げられる。また、有機酸の金属塩も水溶性であれば用いることができる。
具体的には、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化アルミニウム、塩化スズ、塩化鉛、塩化ストロンチウム、ポリ塩化アルミニウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、臭化ストロンチウム、ヨウ化ストロンチウム、酢酸ストロンチウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、塩素酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸バリウム、硝酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ジルコニウムアセチルアセトネート、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸ジルコニル、硫酸ジルコニル、炭酸ジルコニウムアンモニウム、ステアリン酸ジルコニル、オクチル酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム等が挙げられる。
中でも、該多価金属化合物を構成する金属が、鉄、アルミニウム、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウムから選択される一種または二種以上であることでより一層の抑泡効果が見られ好ましい。これは、上記金属がサリチル酸との錯安定度定数が高いためと推測している。これらの中でも、アルミニウム、マグネシウム、カルシウムはイオン化傾向が大きく、イオン化し易いため特に好ましい。
ただし、該水系媒体がヒドロキシアパタイトを含有し、該多価金属化合物を構成する金属がカルシウムである場合にはカルシウムの添加量に注意が必要である。ヒドロキシアパタイトの化学式はCa10(PO(OH)であり、カルシウムとリンのモル数の比は1.67である。従って、カルシウムのモル数をM(Ca)、リンのモル数をM(P)としたとき、M(Ca)≦1.67M(P)の条件下ではカルシウムはヒドロキシアパタイトの結晶に取り込まれ易いため、サリチル酸イオンへの配位に効果的に寄与することが困難である。この様にヒドロキシアパタイトとカルシウムを用いる場合には下記式(3)の関係を満たすことが好ましい。
C×S≦N×(M(Ca)−1.67M(P)) (3)
以上の手段により抑泡を行い、発泡が課題となる工程が終わった後は、配位した金属を外して元のサリチル酸構造に戻し、更にトナー粒子近傍から金属イオンを除去することが所望の帯電性能を得るという観点からは好ましい。そのための手段として、トナー粒子と水系媒体とを分離する濾過工程を設け、該濾過工程の前に、該水系媒体のpHを3.0以下に調整する手段を採ることが好ましい。水系媒体のpHをサリチル酸のpKである3.0以下とすることで、配位した金属を外して元のサリチル酸構造に戻し、金属は水系媒体にイオンの状態で存在することとなる。その上で濾過を行うことにより、金属イオンは水系媒体と共にトナー粒子近傍から除去される。より好ましくはpH=1.5以下に調整することである。
本発明のトナーにおいて使用される結着樹脂としては特に制限はない。例えば以下のようなものを例示することができる。スチレン樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−メタクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレン−酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、また、それらの樹脂を任意に結合させたハイブリッド樹脂。中でも以下のものがトナー特性の上で好ましく用いられる。スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−メタクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂又はスチレン−メタクリル樹脂とポリエステル樹脂とを結合させたハイブリッド樹脂。
前記ポリエステル樹脂としては、多価アルコールとカルボン酸、若しくはカルボン酸無水物、カルボン酸エステルを原料モノマーとして通常製造されるポリエステル樹脂を使用することができる。具体的には、前述したポリエステル樹脂と同様の多価アルコール成分、多価カルボン酸成分が利用可能である。それらの中でも、特に、以下に挙げる成分を縮重合したポリエステル樹脂が好ましい。ジオール成分としてはビスフェノール誘導体。酸成分としては、二価以上のカルボン酸又はその酸無水物;フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸の如き低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分。
本発明のトナーは、磁性トナーとして用いることも可能であり、その場合には、以下に挙げられる磁性体が用いられる。マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、または他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe、Co、Niの如き金属、あるいは、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Ca、Mn、Se、Tiのような金属との合金、およびこれらの混合物。四三酸化鉄(Fe)、三二酸化鉄(γ−Fe)、酸化鉄亜鉛(ZnFe)、酸化鉄銅(CuFe)、酸化鉄ネオジウム(NdFe)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe)、酸化鉄マンガン(MnFe)。上述した磁性材料を単独で或いは2種類以上を組合せて使用する。特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄又はγ−三二酸化鉄の微粉末である。
これらの磁性体は、重量平均粒径が0.1μm以上2μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.3μm以下であることがさらに好ましい。795.8kA/m(10kエルステッド)印加での磁気特性は、抗磁力(Hc)が1.6kA/m以上12kA/m以下(20エルステッド以上150エルステッド以下)、飽和磁化(σs)が5Am/kg以上200Am/kg以下である。好ましくは50Am/kg以上100Am/kg以下である。残留磁化(σr)は、2Am/kg以上20Am/kg以下のものが好ましい。結着樹脂100質量部に対して、磁性体10.0質量部以上200質量部以下、好ましくは20.0質量部以上150質量部以下使用するのが良い。
一方、非磁性トナーとして用いる場合の着色剤としては、従来から知られている種々の染料や顔料等、公知の着色剤を用いることができる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、以下の着色剤が特に好ましい。
C.I.ピグメントレッド2、3、5〜7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254、C.I.ピグメントバイオレッド19。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が特に好適に利用される。
イエロー着色剤としては、顔料系としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、以下の着色剤が好ましい。
C.I.ピグメントイエロー3,7,10,12〜15,17,23,24,60,62,74,75,83,93〜95,99,100,101,104,108〜111,117,123,128,129,138,139,147,148,150,166,168〜177,179,180,181,183,185,191:1,191,192,193,199。
染料系としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー33,56,79,82,93,112,162,163、C.I.ディスパースイエロー42,64,201,211が挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、チタンブラック及び上記に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用できる。
これらの着色剤は、単独または混合、さらには固溶体の状態で用いることができる。該着色剤の添加量は結着樹脂100質量部に対し0.5質量部以上20質量部以下となるように添加して用いられることが好ましい。
本発明のトナーは、離型剤を含有しても良い。離型剤としては、以下のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水素系ワックスのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス;及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの、ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
離型剤の分子量分布としては、メインピークが分子量400以上2,400以下の領域にあることが好ましく、430以上2,000以下の領域にあることがより好ましい。これによって、トナーに好ましい熱特性を付与することができる。離型剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して総量で2.50質量部以上40.0質量部以下であることが好ましく、3.00質量部以上15.0質量部以下であることがより好ましい。
本発明のトナーには荷電制御剤や荷電制御樹脂をトナー粒子に配合(内部添加)、もしくは混合(外部添加)して用いることにより、トナーの帯電量を所望の値に制御することもできる。
トナーの正帯電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
ニグロシンおよびその脂肪酸等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートのような四級アンモニウム塩、およびこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩およびこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料およびこれらのレーキ顔料、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートのようなジオルガノスズボレート類;これらの単独或いは2種類以上を組み合わせたもの。これらの中でも、ニグロシン系、四級アンモニウム塩、トリフェニルメタン系染料のような帯電制御剤が特に好ましく用いられる。
トナーの負帯電制御剤としては、有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノおよびポリカルボン酸およびその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールのようなフェノール誘導体類がある。
ここで、本発明を実施するための形態について代表例を挙げて説明する。本発明のトナー粒子の製造方法は懸濁重合法において検討を行った。懸濁重合法においてはまず、結着樹脂を合成するための重合性単量体、着色剤およびサリチル酸系樹脂をボールミル、超音波分散機の如き分散機を用いてこれらを均一に溶解あるいは分散させた重合性単量体組成物を調製する(重合性単量体組成物の調製工程)。このとき、必要に応じて多官能性単量体や連鎖移動剤、また、離型剤としてのワックスや荷電制御剤、可塑剤などを適宜加えることができる。
懸濁重合法における重合性単量体として、以下に示すビニル系重合性単量体が好適に例示できる。スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチル、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、蟻酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン。
次に、上記重合性単量体組成物を予め用意しておいた水系媒体中に投入し、高せん断力を有する撹拌機や分散機により、重合性単量体組成物からなる液滴を所望のトナー粒子のサイズに形成する(造粒工程)。
造粒工程では重合性単量体組成物と水系媒体の混合物に高せん断をかけるため、気相部の巻き込みやキャビテーションにより処理液中に気泡を発生し易い。液中に発生した気泡はやがて浮上し、水系媒体のpHが3.0未満である場合には発泡の課題は軽微であるが、水系媒体のpHが3.0以上である場合には課題が顕在化することを見出した。これは前述のとおり、サリチル酸の酸解離定数と一致するpHであるため、サリチル酸の解離による両親媒性の発現によるものと考えている。本発明の構成を採ることで、pH=3.0以上の場合であっても発泡の課題を軽減することが可能である。
造粒工程における水系媒体は分散安定剤を含有していることが、トナー粒子の粒径制御、粒度分布のシャープ化、製造過程におけるトナー粒子の合一を抑制するために好ましい。分散安定剤としては、一般的に立体障害による反発力を発現させる高分子と、静電気的な反発力で分散安定化を図る難水溶性無機化合物とに大別される。難水溶性無機化合物の微粒子は、酸やアルカリにより溶解するため、重合後に酸やアルカリで洗浄することにより溶解させて容易に除去することができるため、好適に用いられる。
難水溶性無機化合物の分散安定剤としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、リンのいずれかが含まれているものが好ましく用いられる。より好ましくは、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、リンのいずれかが含まれていることが望まれる。具体的には、以下のものが挙げられる。
リン酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイド。
上記分散安定剤に有機系化合物、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプンを併用しても構わない。これら分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して、0.01質量部以上2.00質量部以下使用することが好ましい。さらに、これら分散安定剤の微細化のため0.001質量%以上0.1質量%以下の界面活性剤を併用してもよい。具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が利用できる。例えばドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムが好ましく用いられる。
造粒工程の後、若しくは造粒工程を行いながら、一般的には50℃以上90℃以下の温度に設定して重合を行い、トナー粒子分散液を得る(重合工程)。
重合工程では処理液の温度がトナー粒子の定着性能に大きな影響を与えるため、一般的には容器内の温度分布が均一になる様に攪拌操作を行う。重合開始剤を添加する場合、任意の時期と所要時間で行うことができる。また、所望の分子量分布を得る目的で重合反応後半に昇温してもよく、さらに、未反応の重合性単量体、副生成物などを系外に除去するために反応後半、または反応終了後に、一部水系媒体を蒸留操作により留去してもよい。蒸留操作は常圧もしくは減圧下で行うことができる。
懸濁重合法において使用する重合開始剤としては、一般的に油溶性開始剤が用いられる。例えば、以下のものが挙げられる。
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルのようなアゾ化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシピバレート、クメンヒドロパーオキサイドのようなパーオキサイド系開始剤。
重合開始剤は必要に応じて水溶性開始剤を併用しても良く、以下のものが挙げられる。
過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄または過酸化水素。
これらの重合開始剤は単独あるいは併用して使用でき、重合性単量体の重合度を制御するために、連鎖移動剤、重合禁止剤等をさらに添加し用いることも可能である。重合開始剤を用いる場合には、その分解に伴って気体が発生する物質もあり、液中に気泡を発生することがある。その他にも重合工程では、撹拌によるキャビテーションや気相部の巻き込み、液温上昇に伴う溶存気体の気泡化、反応による気体発生などによっても、液中に気泡を発生することがある。液中に発生した気泡はやがて浮上し、水系媒体のpHが3.0未満である場合には発泡の課題は軽微であるが、水系媒体のpHが3.0以上である場合には課題が顕在化する。重合工程以降においても、本発明の構成を採ることで、pH=3.0以上の場合であっても発泡の課題を軽減することが可能である。
本発明は、水系媒体と水溶性の多価金属化合物とを混合する工程を有するが、混合する多価金属化合物は1種類に限る必要はなく、コストやハンドリングなどを考慮して2種類以上としても良い。
水溶性の多価金属化合物は粉体のまま混合しても良く、予め水溶液として混合しても良いが、溶解熱が大きい物質の場合には意図せぬ温度変動を招くため、予め水溶液の状態としてから混合する方法が好ましい。水系媒体の温度変動を防ぐためには、混合する物を予め温度調節しておいてから混合することが特に好ましい。
混合方法は任意の方法で行うことができ、反応容器内の水系媒体に容器の上部から添加する方法を採ることもできるし、予め反応容器内に水溶性の多価金属化合物もしくはその水溶液が待受けている状態で水系媒体を投入して混合する方法も挙げられる。水溶性の多価金属化合物を添加する際には反応容器上部から連続的に投入する方法や、高所からの投入により泡立つ場合には必要に応じて間欠投入、霧状散布、液中に浸漬したノズルを介して添加する方法などを採っても良い。
更に本発明は、該水溶性の多価金属化合物を混合した水系媒体のpHを3.0以上、かつ、該多価金属化合物を構成する金属の水和イオンの酸解離定数pK以下に調整する工程を含む。必要に応じて多価金属化合物を2種以上混合する場合にはpKが最も低い物の値以下とする。多価金属化合物を混合しても水系媒体のpHが上記範囲内である場合には抑泡性を高めるという観点からは改めて水系媒体のpH調整を行う必要は無い。一方で、水系媒体のpHによって得られるトナー粒子の粒度分布や帯電性能などが変わる場合もあるため、必要に応じて水系媒体のpHは上記範囲内で任意に調整することができる。
なお、混合する多価金属化合物によっては加水分解などによって徐々にpHが変動する場合もあるため注意が必要である。また、水系媒体のpHが大きく変動することを防ぐためには、多価金属化合物を水溶液の状態にしておいて、予め任意のpHに調整しておいてから水系媒体と混合する方法が好ましい。pHの測定は市販のpH計を用いることができ、例えば「グラスライニング製pH測定システム グラスセンサーpH」((株)神鋼環境ソリューション製)などを用いることができる。
pH調整は酸や塩基を添加することによって行うことができるが、ルイス酸は金属と配位結合し得るため避けた方が良く、本発明において好ましく用いられる酸としては例えば、塩酸、硫酸、硝酸、次亜塩素酸などを挙げることができる。また、塩基としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどを挙げることができる。
本発明におけるトナー粒子の粒径は、高精細かつ高解像の画像を得るという観点から重量平均粒径が3.0μm以上10.0μm以下であることが好ましい。トナーの重量平均粒径は細孔電気抵抗法により測定することができる。例えば「コールター・カウンター Multisizer 3」(ベックマン・コールター(株)製)用いて測定することができる。
こうして得られたトナー粒子分散液は、トナー粒子と水系媒体を固液分離する濾過工程へと送られる。濾過工程の前には、前述のとおり水系媒体のpHを3.0以下に調整する工程を含むことが所望の帯電性能を得るという観点からは好ましい。pHを3.0以下に調整する手段としては任意の酸を添加することで行うことができるが、ここでのpH調整ではルイス酸を用いることで多価金属を捕捉し易く、更にキレート剤などを併用することも好ましい。pH調整に用いることができる酸としては既に挙げた酸の他に、酢酸、クエン酸、グルコン酸、リン酸などを挙げることができる。また、キレート剤としては一般的な物を用いることができる。例えば、以下のものが挙げられる。
NTA(Nitrilo Triacetic Acid)、PDTA(1,3−Propanediamine Tetraacetic Acid)、HIDA(Hydroxyethyl Imino Diacetic Acid)、HEDP(Hydroxyethylidene Diphosphonic Acid)、NTMP(Nitrilotris (Methylene Phosphonic Acid))、PBTC(Phosphonobutane Tricarboxylic Acid)。
得られたトナー粒子分散液からトナー粒子を得るための固液分離は、一般的な濾過方法で行うことができ、その後トナー粒子表面から除去しきれなかった異物を除去するため、リスラリーや洗浄水のかけ洗いなどによって更に洗浄を行うことが好ましい。十分な洗浄が行なわれた後に、再び固液分離してトナーケーキを得る。その後、公知の乾燥手段により乾燥され、必要であれば分級により所定外の粒径を有する粒子群を分離してトナー粒子を得る。このとき分離された所定外の粒径を有する粒子群は最終的な収率を向上させるために再利用しても良い。
本発明により得られるトナーは、上述した方法により得られるトナー粒子のみでも良く、又はトナーへの各種特性付与を目的として、他の外添剤をトナー粒子に外添したものでも良い。
外添剤はトナーに添加したときの耐久性の点から、トナー粒子の重量平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。外添剤としては、例えば酸化アルミニウム等の金属酸化物、窒化ケイ素等の窒化物、炭化ケイ素等の炭化物、硫酸カルシウム等の無機金属塩、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩、カーボンブラック、シリカ等が用いられる。トナー粒子に所望の外添剤を添加し、スーパーミキサーやヘンシェルミキサーのような混合機により充分混合することによって、トナーを得ることができる。
本発明により製造されるトナーは、通常一成分および二成分系現像剤として、いずれの現像剤にも使用できる。例えば、一成分系現像剤として、磁性体をトナー粒子中に含有させた磁性トナーの場合には、現像スリーブ中に内蔵したマグネットを利用し、磁性トナーを搬送および帯電する方法がある。また、磁性体を含有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレードやファーブラシなどを用い、現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にトナーを付着させることで搬送する方法がある。
一方、二成分系現像剤として用いる場合には、本発明のトナーとともに、キャリアを用い現像剤として使用する。キャリアとしては、主として鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム元素からなる単独および複合フェライト状態で構成される。一般的には、上記無機酸化物を焼成・造粒することにより、あらかじめ、キャリアコア粒子を生成した後、樹脂をコーティングする方法が用いられている。また、キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、無機酸化物と樹脂を混練後、粉砕・分級して低密度分散キャリアを得る方法や、無機酸化物とモノマーの混合物を水系媒体中で懸濁重合して重合キャリアを得る方法なども利用することが可能である。
以下に本発明に用いることができる測定方法の例について示す。
<トナー粒子の粒径>
測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)を用いることができる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行った。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50,000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1,600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液30mLを入れる。この中に分散剤として和光純薬工業(株)製の「コンタミノンN」(商品名)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。コンタミノンNは、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤および有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液である。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra150」(日科機バイオス(株)製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50,000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。また、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
<分子量>
ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン換算で算出される。スルホン酸基を有する重合体は、カラム溶出速度がスルホン酸基の量にも依存してしまうため、正確な分子量及び分子量分布を測定したことにはならない。そのため、予めスルホン酸基をキャッピングした試料を用意する必要がある。キャッピングにはメチルエステル化が好ましく、市販のメチルエステル化剤を用いることができる。具体的には、トリメチルシリルジアゾメタンで処理する方法が挙げられる。
GPCによる分子量の測定は、以下の様にして行う。上記樹脂をTHF(テトラヒドロフラン)に加え、室温で24時間静置した溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー(株)製)で濾過してサンプル溶液とし、以下の条件で測定する。尚、サンプル調製は、樹脂の濃度が0.8質量%になるようにTHFの量を調整する。なお、樹脂がTHFに溶解しにくい場合には、DMF(Dimethylformamide)などの塩基性溶媒を用いることも可能である。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー(株)製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工(株)製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流 速:1.0mL/分
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
試料の分子量の算出にあたっては、以下に列挙する東ソ−(株)製の標準ポリスチレン樹脂カラムを用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
標準ポリスチレン樹脂カラム:商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」
<樹脂の酸価>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明における酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
0.1モル/L水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学(株)製)を用いて滴定を行う。前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターは、電位差滴定装置(京都電子工業(株)製 電位差滴定測定装置AT−510)を用いて求めることができる。0.100モル/L塩酸100mLを250mLトールビーカーに取り、前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量から求める。前記0.100モル/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作製されたものを用いる。
下記に酸価測定の際の測定条件を示す。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業(株)製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業(株)製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメーター並びに制御パラメーターは下記のように行う。
滴定パラメーター
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20mL
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
制御パラメーター
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1mL
本試験;
測定サンプル0.100gを250mLのトールビーカーに精秤し、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液150mLを加え、1時間かけて溶解する。前記電位差滴定装置を用い、前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
空試験;
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(3:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.611]/S
A:酸価(mgKOH/g)、
B:空試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、
C:本試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、
f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)。
<樹脂の水酸基価>
水酸基価とは、試料1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。本発明における水酸基価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
特級無水酢酸25.0gをメスフラスコ100mLに入れ、ピリジンを加えて全量を100mLにし、十分に振りまぜてアセチル化試薬を得る。得られたアセチル化試薬は、湿気、炭酸ガス等に触れないように、褐色びんにて保存する。
1.0mol/L水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学(株)製)を用いて滴定を行う。前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターは、電位差滴定装置(京都電子(株)製 電位差滴定測定装置AT−510)を用いて求めることができる。
1.00mol/L塩酸100mLを250mLトールビーカーに取り、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量から求める。前記1.00mol/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作製されたものを用いる。
下記に水酸基価測定の際の測定条件を示す。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業(株)製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業(株)製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメーター並びに制御パラメーターは下記のように行う。
滴定パラメーター
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:80mL
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
制御パラメーター
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.5mL
粉砕した測定サンプル2.00gを200mL丸底フラスコに精秤し、これに前記のアセチル化試薬5.00mLを、ホールピペットを用いて正確に加える。この際、試料がアセチル化試薬に溶解しにくいときは、特級トルエンを少量加えて溶解する。
フラスコの口に小さな漏斗をのせ、温度97℃のグリセリン浴中にフラスコ底部1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首の温度が浴の熱を受けて上昇するのを防ぐため、丸い穴をあけた厚紙をフラスコの首の付根にかぶせることが好ましい。
1時間後、グリセリン浴からフラスコを取り出して放冷する。放冷後、漏斗から水1.00mLを加えて振り動かして無水酢酸を加水分解させる。さらに完全に加水分解させるため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱する。放冷後、エチルアルコール5.00mLで漏斗およびフラスコの壁を洗う。
得られたサンプルを250mLのトールビーカーに移し、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液100mLを加え、1時間かけて溶解する。前記電位差滴定装置を用い、前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
(B)空試験
試料を用いない以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、水酸基価を算出する。
A=[{(B−C)×28.05×f}/S]+D
A:水酸基価(mgKOH/g)、
B:空試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、
C:本試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、
f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)、
D:樹脂の酸価(mgKOH/g)。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。まず、実施例で行った評価について、その方法を以下に述べる。
<泡の堆積高さ>
発泡の程度を評価するために、泡が堆積した高さを測定した。測定はまず、発泡していない状態での液面位置を測定した。測定には反応容器の点検口から金属棒を反応容器内に垂直に挿入して液面以下まで到達させた。このとき、金属棒には点検口の高さ部分が分かる様にマーキングをしておいた。金属棒には液面以下まで到達した部分が着色剤により着色するため、マーキング部分から着色部分までの長さを測定することにより、点検口から液面までの距離T0を求めることができた。
更に、発泡が課題となっている工程においては泡の位置を測定した。発泡が課題となっている工程において、上記液面位置の測定方法と同様の方法で金属棒を挿入すると、泡が堆積した高さに応じて金属棒が着色した。着色した部分とマーキング部分の長さを測定することにより、点検口から泡の位置T1を求めることができた。泡が堆積した高さはT0とT1の差から求めることができた。
<帯電量の評価>
下記のように二成分現像剤を作製した。日本画像学会標準キャリアN−01 276gと評価トナー粒子24gを500ccの蓋付きプラスチックボトルに投入し、振とう器(YS−LD:(株)ヤヨイ製)で、1秒間に4往復のスピードで1分間振とうを行った。トナー粒子並びに二成分現像剤について、以下のとおりに評価を行った。
<高温高湿環境下での帯電量の評価>
帯電量の測定は二成分現像剤30gを分取し、高温高湿環境(温度30℃/相対湿度85%)で5昼夜静置し、その後50mLの絶縁性のプラスチック容器に入れ、200回/分の速度で3分間振とうさせ、図1の装置を用いて測定した。
(帯電量の測定方法)
図1に示す底に500メッシュ(目開き25μm)のスクリーン3を有する金属製の測定容器2に摩擦帯電量を測定しようとする二成分現像剤 0.500gを入れ金属製のフタ4をした。このときの測定容器2全体の質量を秤りWl(g)とする。次に、吸引機1(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調整して真空計5の圧力を250mmAq(2.4517kPa)とした。この状態で充分、好ましくは2分間、吸引を行いトナーを吸引除去した。
このときの電位計9の電位をV(ボルト)とする。コンデンサー8の容量をC(μF)とする。吸引後の測定容器全体の質量を秤りW2(g)とする。このトナーの摩擦帯電量は下記式によって計算される。
摩擦帯電量(mC/kg)=(C×V)/(W1−W2)
<帯電量の環境依存性の評価>
二成分現像剤の静置環境が、低温低湿環境(温度10℃/相対湿度15%)である以外は前述の高温高湿環境下でのトナー帯電量の評価に記載の方法と同様にトナー帯電量の測定を行った。評価は低温低湿環境下と高温高湿環境下の帯電量の比(低温低湿環境下の帯電量/高温高湿環境下の帯電量)の絶対値を計算した。
<帯電量立ち上がり特性の評価>
二成分現像剤30gを分取し、高温高湿環境(温度30℃/相対湿度85%)で5昼夜静置し、その後50mLの絶縁性のプラスチック容器に入れた。200回/分の速度で30秒間振とうさせ、図1の装置を用いて帯電量を測定した。高温高湿環境下でのトナー帯電量の評価にて求めた摩擦帯電量を飽和帯電量とし、立ち上がり(%)を下記式により算出した。
立ち上がり(%)={30秒振とう帯電量(mC/kg)/飽和帯電量(mC/kg)}×100
<混合した多価金属の残存量>
トナー粒子に含まれる金属量は蛍光X線により定量を行う。各元素の蛍光X線の測定は、JIS K 0119−1969に準ずるが、具体的には以下のとおりである。
測定装置としては、波長分散型蛍光X線分析装置「Axios」(PANalytical社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いた。尚、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は27mm、測定時間10秒とした。また、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出した。
測定サンプルとしては、専用のプレス用アルミリングの中にトナー粒子4gを入れて平らにならし、錠剤成型圧縮機「BRE−32」((株)前川試験機製作所製)を用いて、20MPaで、60秒間加圧し、厚さ2mm、直径39mmに成型したペレットを用いた。
上記条件で測定を行い、得られたX線のピーク位置をもとに元素を同定し、単位時間あたりのX線光子の数である計数率(単位:cps)からその濃度を算出した。
この測定結果と、定量したい金属元素について予め作成した検量線を用いて金属元素の定量を行った。
<画像性能の評価/画像黒ポチ評価>
泡の堆積により撹拌が行き届かない箇所があると粗大粒子が生成し、黒ポチが発生し易くなる。トナー粒子100質量部に対し、BET法により測定した比表面積が200m/gである疎水性シリカ3質量部を外添してトナーとした。このトナーを一成分系現像剤として、LBP5800(キヤノン(株)製)を用い、評価を行った。
最初に、得られたトナーをカートリッジに100g充填し、低温低湿環境下(温度15℃/相対湿度10%)での耐久試験において、10,000枚プリントアウトした後の定着ローラー及び画像を目視で確認し、以下に示すように評価した。
A:定着ローラーにトナー付着が見られず、画像上に黒ポチも見られない。
B:定着ローラーにトナー付着が見られるが、画像上に黒ポチは見られない。
C:画像上に1〜2点の黒ポチが見られる。
D:画像上に3点以上の黒ポチが見られる。
〔実施例1〕
図2に示すように、実施例1では、造粒工程が、水系媒体と水溶性の多価金属化合物とを混合する工程およびpH調整工程を含む。
<重合性単量体組成物の調製工程>
下記材料を温度60℃に加温し、30分間溶解混合して、重合性単量体組成物を得た。
・スチレンモノマー 29.2kg
・n−ブチルアクリレート 12.5kg
・ジビニルベンゼン 0.2kg
・C.I.ピグメントブルー15:3 2.7kg
・飽和ポリエステル樹脂 6.3kg
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)とテレフタル酸との重縮合物(モル比10:12)、ガラス転移温度Tg=68℃、重量平均分子量Mw=10,000、分子量分布Mw/Mn=5.12)
・パラフィンワックス(HNP−5、日本精蝋(株)製) 5.0kg
・サリチル酸系樹脂A 4.170kg
(側鎖に構造式(1)のサリチル酸部位を含有するポリスチレン樹脂。重量平均分子量とサリチル酸部位のモル数の測定結果を表1Aに示す。)
Figure 0006608258
<水系媒体の調製工程>
イオン交換水122.8kgにNaPO・12HOを2.6kg(6.8モル)と10%塩酸を1.2kg投入しクレアミックス(エム・テクニック(株)製)を用いて直径90mmのローターにて4,500rpmで撹拌しながら温度60℃に加温した。これに1.0モル/リットル−CaCl・2HO水溶液11.8kgを添加して30分間撹拌を行い、ヒドロキシアパタイトを含む水系媒体を得た。このときの水系媒体のpHは5.0であった。
<水系媒体と水溶性の多価金属化合物とを混合する工程>
予め1.0モル/リットル−AlCl・6HO水溶液を調製しておき、5リットルをpH=4.0、温度60℃に調整しておいた。これを上記水系媒体調製後に添加して、該水系媒体とAlClを混合した。
<pH調整工程>
アルミニウムの水和イオンの酸解離定数は5.0である。上記、多価金属化合物を混合した水系媒体のpHを10%塩酸、及び水酸化ナトリウムを用いてpH=4.0に調整した。
<造粒する工程>
水系媒体中に重合性単量体組成物を投入し、温度60℃,窒素雰囲気下において、クレアミックスにて4,500rpmで15分間撹拌し、水系媒体中に重合性単量体組成物の粒子が形成された分散液を調製した。
<重合工程>
窒素雰囲気に保った反応容器に、重合性単量体組成物の粒子が形成された分散液を投入して撹拌を行った。反応容器はコンデンサーを通じて大気と連通しており、バッフル2本とフルゾーン撹拌翼を備えた内径650mm、R底であり、容器底部から点検口までの高さは1,110mmである。重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレート5.0kgを投入して温度70℃に昇温し、10時間重合反応させた。重合工程では重合開始剤の分解に伴って液中に気泡が発生した。発泡による泡の堆積高さが増加し、その後に減少する間、前述した泡の堆積高さの測定方法に従って泡の堆積高さを測定した。堆積高さが最も高くなった時点での「泡の堆積高さ」を表2に示す。
<蒸留工程>
重合反応終了後、フルゾーン撹拌翼で撹拌を続けながら飽和水蒸気(スチーム圧力205kPa/温度120℃)を導入した。飽和水蒸気の導入により、反応液の温度は上昇し、蒸留留分が出始めた。所定量の留分を得ることで残存モノマーを留去し、冷却してトナー粒子分散液を得た。
<洗浄・固液分離・乾燥工程>
得られたトナー粒子分散液を撹拌しながら10%塩酸を添加してpH=1.5に調整した。これを加圧ろ過器で固液分離し、トナーのウェットケーキを得た。これを水中に投入して撹拌し、再び分散液とした後に、前述のろ過器で固液分離した。トナーのウェットケーキの水への再分散と固液分離とを、5回繰り返し行った後に、最終的に固液分離してトナーのウェットケーキを得た。
得られたトナーのウェットケーキは解砕しつつ気流乾燥機(セイシン企業製:フラッシュジェットドライヤー:配管径0.1016m)にて乾燥を行い、トナー粒子を得た。乾燥の条件は温風吹き込み温度90℃、吹き込み風量10m/分、トナーのウェットケーキの供給速度はトナーのウェットケーキの含水率に応じて乾燥機の製品出口温度が40℃になるような供給速度に調整した。
<評価>
得られたトナー粒子を前述した高温高湿環境下での帯電量の評価、トナー帯電量の環境依存性評価、帯電量立ち上がり特性の評価、混合した多価金属の残存量、画像性能の評価/画像黒ポチ評価の評価方法に従い評価を行った。製造の条件を表1Aに、評価結果を表2に示す。
〔実施例2〕
実施例1における<水系媒体と水溶性の多価金属化合物とを混合する工程>は、予め5リットルの1.0モル/リットル−AlCl・6HO水溶液をpH=4.0、温度60℃に調整して重合用反応容器内に待機させておいた。ここに造粒工程を終えた重合性単量体組成物の分散液を投入して水系媒体とAlClを混合した。その後、<pH調整工程>を行った。それ以外は実施例1と同様の方法でトナー粒子を作製した。製造の条件を表1Aに、評価結果を表2に示す。
図3に示すように、実施例2では、重合工程が、水系媒体と水溶性の多価金属化合物とを混合する工程およびpH調整工程を含む。
〔実施例3〕
実施例1における<水系媒体と水溶性の多価金属化合物とを混合する工程>で添加した1.0モル/リットル−AlCl・6HO水溶液は2.5リットルとした。
更に、予め2.5リットルの1.0モル/リットル−AlCl・6HO水溶液をpH=4.0、温度60℃に調整して重合用反応容器内に待機させておいた。ここに造粒工程を終えた重合性単量体組成物の分散液を投入して水系媒体とAlClを混合した。その後、<pH調整工程>を行った。それ以外は実施例1と同様の方法でトナー粒子を作製した。製造の条件を表1Aに、評価結果を表2に示す。
図4に示すように、実施例3では、造粒工程および重合工程の両工程が、水系媒体と水溶性の多価金属化合物とを混合する工程およびpH調整工程を含む。
〔実施例4〕
<pH調整工程>においてpH=3.0に調整した。それ以外は実施例1と同様の方法でトナー粒子を作製した。製造の条件を表1Aに、評価結果を表2に示す。
〔実施例5〕
<pH調整工程>においてpH=5.0に調整した。それ以外は実施例1と同様の方法でトナー粒子を作製した。製造の条件を表1Aに、評価結果を表2に示す。
〔実施例6〜17〕
サリチル酸系樹脂Aの物性を表1A〜1Bの如く変えた以外は実施例1と同様の方法でトナー粒子を作製した。製造の条件を表1A〜1Bに、評価結果を表2に示す。
〔実施例18〕
サリチル酸系樹脂Aの代わりに、サリチル酸系樹脂Bを用いた以外は実施例1と同様の方法でトナー粒子を作製した。製造の条件を表1Bに、評価結果を表2に示す。
なお、サリチル酸系樹脂Bは側鎖に構造式(4)のサリチル酸部位を含有するポリスチレン樹脂である。分子量とサリチル酸部位のモル数の測定結果を表1Bに示す。
Figure 0006608258
〔実施例19〜28〕
水溶性多価金属化合物の種類と添加量を表1Cの如く変えた以外は実施例1と同様の方法でトナー粒子を作製した。製造の条件を表1Cに、評価結果を表2に示す。
〔実施例29〜30〕
濾過工程におけるpH調整後のpHを表1Cの如く変えた以外は実施例1と同様の方法でトナー粒子を作製した。製造の条件を表1Cに、評価結果を表2に示す。
〔比較例1〕
実施例1における<水系媒体と水溶性の多価金属化合物とを混合する工程>を行わなかった。それ以外は実施例1と同様の方法でトナー粒子を作製した。製造の条件を表1Dに、評価結果を表2に示す。
〔比較例2〕
実施例1における<水系媒体と水溶性の多価金属化合物とを混合する工程>において、水溶性だが多価ではない金属化合物の塩化ナトリウムを用いた。それ以外は実施例1と同様の方法でトナー粒子を作製した。製造の条件を表1Dに、評価結果を表2に示す。
〔比較例3〕
実施例1における<水系媒体と水溶性の多価金属化合物とを混合する工程>において、水溶性ではない金属化合物の酸化アルミニウムを用いた。それ以外は実施例1と同様の方法でトナー粒子を作製した。製造の条件を表1Dに、評価結果を表2に示す。
〔比較例4〕
製造条件を表1Dの如く変えた以外は実施例1と同様の方法でトナー粒子を作製した。評価結果を表2に示す。
Figure 0006608258
Figure 0006608258
Figure 0006608258
Figure 0006608258
Figure 0006608258
表2より明らかな様に、本発明のトナー粒子の製造方法「実施例1〜30」は「比較例1〜4」と比較して、サリチル酸系樹脂を含有するトナー粒子を水系媒体中でpH=3.0以上の条件下で製造を行う場合であっても、泡の堆積を軽減することができた。また、本発明のトナー粒子の製造方法により得られたトナー粒子は、帯電性能やトナー中の残存金属量、画像特性にも優れていた。
1 吸引機
2 測定容器
3 スクリーン
4 蓋
5 真空計
6 風量調節弁
7 吸引口
8 コンデンサー
9 電位計

Claims (7)

  1. 重合性単量体、着色剤およびサリチル酸系樹脂を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体の中で形成する造粒工程、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合させることによりトナー粒子を得る重合工程、を有するトナー粒子の製造方法において、
    該造粒工程および/または該重合工程は、
    該水系媒体と水溶性の多価金属化合物とを混合する工程、および
    該水溶性の多価金属化合物を混合した水系媒体のpHを3.0以上、かつ、該多価金属化合物を構成する金属の水和イオンの酸解離定数pK以下に調整する工程
    を含むことを特徴とするトナー粒子の製造方法。
  2. 該サリチル酸系樹脂の重量平均分子量は10,000以上、60,000以下であり、該サリチル酸系樹脂1g当たりに含有されるサリチル酸部位のモル数は10(μmol/g)以上1,500(μmol/g)以下であり、
    該重合性単量体組成物に含有される該サリチル酸系樹脂の含有量が、該重合性単量体100.00質量部に対して、0.03質量部以上20.00質量部以下である請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  3. 該サリチル酸系樹脂が、下記構造式(1)で示される部位を含有する請求項1または2に記載のトナー粒子の製造方法。
    Figure 0006608258
  4. 該サリチル酸系樹脂1g当たりに含有されるサリチル酸部位のモル数をC(mol/g)、該重合性単量体組成物に含有される該サリチル酸系樹脂の質量をS(g)、該多価金属化合物の金属イオン価数をN(価)、該水系媒体と混合される該多価金属化合物のモル数をM(mol)としたとき、下記式(2)の関係を満たす請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
    C×S≦N×M (2)
  5. 該多価金属化合物を構成する金属が、鉄、アルミニウム、銅、亜鉛、マグネシウム、及びカルシウムからなる群から選択される一種または二種以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
  6. 該水系媒体がヒドロキシアパタイトを含有し、
    該多価金属化合物を構成する金属がカルシウムであり、
    該多価金属化合物が溶解した該水系媒体に含まれるカルシウムのモル数をM(Ca)、リンのモル数をM(P)としたとき、下記式(3)の関係を満たす請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
    C×S≦N×(M(Ca)−1.67M(P)) (3)
  7. 該トナー粒子と該水系媒体とを分離する濾過工程をさらに有し、該濾過工程の前に、該水系媒体のpHを3.0以下に調整する工程を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
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