JP6606867B2 - 化粧鋼板および化粧鋼板の製造方法 - Google Patents

化粧鋼板および化粧鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、化粧鋼板およびその製造方法に関する。
化粧鋼板は、絵柄が形成された樹脂シートを鋼板に接着したもの、鋼板に絵柄を直接印刷したもの、転写箔を用いて鋼板に絵柄を転写したものに大別される。このうち、転写箔を用いて絵柄を転写した化粧鋼板は、樹脂シートを含まないため不燃性に優れ、またダイレクトグラビア方式による絵柄形成が可能であるため意匠性も優れる。
従来の転写箔を用いた化粧鋼板としては、例えば特許文献1が挙げられる。特許文献1に記載の化粧鋼板は、転写箔を用いて、シリコンオイルを含む絵柄インキからなる絵柄を鋼板に転写し、その上に保護層が塗布形成されたものである。この構成によって、特許文献1に記載の化粧鋼板は、シリコンオイルが塗布液を弾く効果を利用し保護層に表面凹凸による意匠性を備える。
しかし、この化粧鋼板は、次の2つの課題がある。
1)保護層の凹部は膜厚が薄いため、膜厚が薄い箇所の下方に位置する絵柄部分に、光による変色や脆化が生じやすい。
2)シリコンオイルを含む絵柄は転写しにくいため、転写時のプロセス条件や絵柄インキなど材料面での自由度が小さい。
特開平5−212350号公報
本発明は、上記のような点を鑑みてなされたものであり、耐候性に優れかつ製造が容易で意匠性の高い化粧鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、化粧鋼板の層構成を特定のものとすることで、耐候性および意匠性に優れ、かつ転写法による製造が容易になることを見出し、本発明に至った。
そして、課題を解決するための本発明に係る一態様の化粧鋼板は、鋼板上に、少なくとも絵柄模様層、紫外線吸収層、予め設定した所定のパターンからなる撥インキ層、および保護層がこの順に形成され、上記撥インキ層と重なる部分の上記保護層の厚さが、上記撥インキ層と重ならない部分の上記保護層の厚さより薄いことを特徴とする。
また、本発明に係る一態様の化粧鋼板の製造方法は、鋼板上に、絵柄模様層、紫外線吸収層、予め設定した所定パターンからなる撥インキ層、および保護層をこの順に形成する際に、離型性支持体の上に紫外線吸収層及び絵柄模様層がこの順に形成された転写箔を、鋼板に加熱圧着した後に、上記離型性支持体を除去することで、少なくとも上記絵柄模様層及び上記紫外線吸収層を上記鋼板に転写し、上記鋼板に転写された上記紫外線吸収層の上に所定パターンの撥インキ層を形成し、上記形成した紫外線吸収層ないし撥インキ層の上に保護層形成用の塗布液を塗布して上記保護層を形成することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、絵柄模様層の上に、紫外線吸収層、所定パターンの撥インキ層および保護層がこの順に形成し、撥インキ層上に積載される保護層の厚さを相対的に薄くすることで、耐候性に優れかつ製造が容易で、しかも意匠性の高い化粧鋼板を提供可能となる。
すなわち、一般に保護層は内部の各層を外部環境の紫外線から保護するため紫外線吸収剤が配合されている。しかし、保護層の表面凹凸によって意匠性を付与する場合、保護層の凹部では厚さが薄いことから紫外線の吸収量が小さく、凹部下に位置する絵柄模様層の変色や脆化など劣化が懸念される。これに対し、本発明の態様によれば、保護層と絵柄模様層との間に、紫外線吸収層を設けることで、保護層の厚さが薄い箇所(保護層がない場合を含む)が有っても、絵柄模様層の劣化を抑制可能となる。
ここで、紫外線吸収剤を絵柄模様層に直接添加する場合には、紫外線吸収剤は絵柄の色調に影響し、特に多色刷りでは全体の色調を制御するのが困難になるため、絵柄模様層の自由度が制限される。
更に、本発明の一態様によれば、保護層の形成前に所定パターンの撥インキ層を設けることで、撥インキの濡れ弾きを利用して、保護層に表面凹凸を形成し易くなると行った効果を有する。
本発明に基づく実施形態に係る化粧鋼板を模式的に示す断面図である。 本発明に基づく実施形態に係る化粧鋼板を製造するための転写箔を模式的に示す断面図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
〈化粧鋼板〉
本実施形態の化粧鋼板200は、図1に示すように、鋼板5の一方の面の上に、接着層4を介して所定パターンの絵柄模様層3が形成され、その上に紫外線吸収層2が全面に形成されている。その紫外線吸収層2の上に、所定パターンで撥インキ層6が形成され、更に、保護層7が形成されている。
図1に示す化粧鋼板200では、撥インキ層6の上に保護層7を形成しない場合を例示している。例えば、所定パターンの撥インキ層6を形成した鋼板の上に、保護層形成用の塗布液を塗布することで、撥インキ層6上には保護層7が形成されにくいことから、簡易に図1に示すような表面に凹凸のある化粧鋼板200とすることが出来る。なお、撥インキ層6の上にも、相対的に薄厚の保護層が形成されていても良い。
ここで、鋼板5と絵柄模様層3との間や、絵柄模様層3と紫外線吸収層2との間に他の層を設けても良い。
〈製造方法〉
上記の化粧鋼板200は、例えば、図2に示す転写箔100を利用して絵柄模様層3を鋼板5に転写して製造される。
本実施形態の化粧鋼板200の製造方法は、転写工程、撥インキ層形成工程、及び保護層形成工程を有する。
(転写工程)
転写工程は、紫外線吸収層2及び絵柄模様層3を有する転写箔100を利用して、鋼板5上に絵柄模様層3及び紫外線吸収層2を転写する。
転写箔100は、図2に示すように、離型性支持体1の上に紫外線吸収層2及び絵柄模様層3が形成されて構成されている。更に、絵柄模様層3の上から接着層4が形成されている。また、離型性支持体1は、フィルム基材11の転写側の面に剥離層12が形成されたものである。
このような転写箔100の接着層4を鋼板表面に向けた状態で、該転写箔100を鋼板5表面に加熱圧着(ラミネート処理)を行う。その後、離型性支持体1を剥離して除去する。この鋼板5への転写は、通常の鋼板用のラミネートラインを用いることができ、転写箔100を鋼板5に、例えば80℃以上200℃以下の温度で加熱圧着し、室温まで急冷した後、離型性支持体1を剥離する。
これによって、鋼板5上に絵柄模様層3及び紫外線吸収層2がこの順に形成される。
〈撥インキ層形成工程〉
次に、撥インキ層形成用の塗布液を、所定パターンで紫外線吸収層2の上に塗布する。これによって、鋼板5に転写された紫外線吸収層2の上に所定パターンの撥インキ層6が形成される。
〈保護層形成工程〉
紫外線吸収層2の上に所定パターンで撥インキ層6を形成した後、その上から保護層形成用の塗布液を塗布する。これによって表面に凹凸を有する保護層7が形成される。
〈各層などについて〉
次に、上記の各層について説明する。
(離型性支持体)
離型性支持体1は転写箔の支持体である。本実施形態の離型性支持体1は、フィルム基材11に転写を容易にするために剥離層12が設けられた構成の例である。
フィルム基材11は、特に限定されるものではないが、強度、耐熱性、コストなどの観点からポリエステルフィルムが好適であり、特にポリエチレンテレフタラートが好適である。
剥離層12は、特に限定されるものではないが、耐熱性、強度、剥離性、コストなどの観点から熱硬化性樹脂が好適であり、特にアクリルメラミン系、エポキシメラミン系が好適である。
(紫外線吸収層)
紫外線吸収層2は、紫外線吸収剤を含む樹脂層である。すなわち、紫外線吸収層2は、紫外線吸収剤と樹脂成分とを含み、その下層である、絵柄模様層3および接着層4の紫外線による劣化を抑制するために設けられる。
紫外線吸収剤は、特に限定されるものではなく、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系紫外線吸収剤から適宜選択して用いられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンが挙げられる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾールが挙げられる。また、トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノールが挙げられる。
樹脂成分は、特に限定されるものでなく、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの各種公知材料から適宜選択して用いることができる。
(絵柄模様層)
絵柄模様層3は、絵柄インキを所定の絵柄模様となるように印刷することで形成される。絵柄インキは、特に限定されるものではなく、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系やセルロース系のインキなど各種公知の材料を用いることができる。
絵柄模様層3の形成方法は、特に限定されるものではなく、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷など各種公知の印刷方法から選択して用いることができるが、意匠性や生産性の点でグラビア印刷方式が好ましい。
(接着層)
接着層4の材料は、特に限定されるものでなく、アクリル系樹脂α−オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂など各種公知の材料から適宜選択して用いることができるが、好ましくは熱可塑性を有する材料である。
離型性支持体1への紫外線吸収層2および接着層4の形成方法は、特に限定されるものではなく、各種グラビアコート法、ダイコート法、ロールコート法など各種公知の塗布方法を用いることができる。特に、生産性の観点から、紫外線吸収層2と絵柄模様層3と接着層4とを、ローラなどによって連続インライン形成できる構成であることが好ましい。
(鋼板5)
本実施形態の化粧鋼板200は、接着層4、絵柄模様層3、紫外線吸収層2を鋼板5に転写した後に、紫外線吸収層2上に所定パターンの撥インキ層6を形成し、次いでその上から、保護層7を形成する塗布液を塗布して保護層7を形成することで作製される。
本実施形態の鋼板5では、化成処理された鋼板51に、転写を容易にするために下地塗布層52が形成されている。
下地塗布層52としては、例えば、アクリル系、ポリエステル系、メラミン系の樹脂が用いられ、必要に応じ着色顔料が添加される。
(撥インキ層)
撥インキ層6は、鋼板5に転写された紫外線吸収層2に、撥インキ成分と樹脂バインダとを含むインキを、予め設定した所定のパターンで印刷することで形成される。この撥インキ層6は、保護層7の塗布液を濡れ弾くことで保護層表面に凹凸を形成するために設けられる。
撥インキ層6を構成する撥インキ成分は、シリコーン、アルキルシランなどを用いることができ、保護層7を形成する塗液組成に応じ適宜選択したものが用いられる。
シリコーンは、特に限定されるものではなく、ジメチルシリコーン、ジフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、フルオロアルキルシリコーンなどの非反応性シリコーンが好適に用いられる。また、アルキルシランは、特に限定されるものではなく、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルトリエトキシシランなどが好適に用いられる。これらの撥インキ成分は、単独でも複数を混合して用いても良い。
撥インキ成分の添加量は、100質量部の樹脂バインダに対し、0.1質量部以上5質量部以下とし、より好ましくは0.2質量部以上2質量部以下とする。添加量が0.1質量部より少ないと、保護層の塗布形成において保護層形成用の塗布液を余り濡れ弾かず保護層7の表面に凹凸が得られないおそれがある。また5質量部より多いと、撥インキ層6の紫外線吸収層2への密着に不具合が生じやすい。
撥インキ層6の上部は保護層7の膜厚が薄いため、樹脂バインダは紫外線による劣化を考慮する必要がある。樹脂バインダとしてフッ素樹脂やシリコーン樹脂などの高耐候性樹脂を用いても良いが、撥インキ層6に紫外線吸収剤を含有させることで、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの汎用樹脂も使用することができる。
紫外線吸収剤としては、紫外線吸収層に含有する紫外線吸収剤と同様のものを用いることができるが、撥インキ層6の膜厚はプロセスにより制限されることがあるため、吸収係数の大きいトリアジン系紫外線吸収剤を用いることが好ましい。
また、撥インキ層6は、保護層7の濡れ弾きにより化粧鋼板200の表面近傍に位置するため、耐光性を持たせるために光安定剤の添加も有効である。光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート等が挙げられる。
また、撥インキ層6は、全体の意匠性を損なわなければ、必ずしも透明である必要はなく、着色した撥インキ層を絵柄パターンと組み合わせることで意匠性向上に利用できる。即ち、撥インキ装置のパターンは、絵柄模様層の絵柄模様のパターンと同調させることが好ましい。
撥インキ層6の着色材としては耐候性や良好な無機顔料が好ましい。また、無機顔料は隠蔽力が大きいため、紫外線吸収剤の削減効果も期待できる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化第二鉄、三酸化二鉄、オキシ水酸化鉄、酸化マンガン、酸化銅、クロム酸ストロンチウムなどの各種複合酸化物が挙げられる。
撥インキ層6の形成方法は、特に限定されるものではなく、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷など各種公知の印刷方法から選択して用いることができるが、意匠性や生産性の点でグラビアオフセット印刷方式が好ましい。
(保護層)
保護層7は、撥インキ層6が形成された鋼板5の表面に塗布形成され、撥インキ層6上で塗布液が濡れ弾くことで、表面に凹凸が形成される。
保護層7としては、各種熱硬化樹脂、UV硬化樹脂、EB硬化樹脂などが用いられ、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などの公知の材料から適宜選択して用いることができる。
保護層7は外部環境に晒されるため耐候性の考慮が必要である。これに対して、フッ素系樹脂やシリコーン系樹脂などの高耐候性樹脂を用いても良いし、汎用樹脂に紫外線吸収剤や光安定剤を配合したものを用いても良い。紫外線吸収剤および光安定剤の具体例は前述のとおりである。
保護層7の厚さは、特に限定されるものではないが、5μm以上100μm以下が好ましく、10μm以上50μm以下が特に好ましい。5μmより小さいと意匠性の観点で表面凹凸が十分でなく、100μmを超えると保護層の形成が困難になる。
保護層7は熱硬化性の樹脂を含む場合、高温での焼付け熱処理がなされる場合がある。この場合、熱劣化を抑制するために、紫外線吸収層2、絵柄模様層3、接着層4、撥インキ層6に、酸化防止剤や樹脂安定剤を添加してもよい。
酸化防止剤としては、例えば、Benzenepropanoic acid, 3,5-bis (1,1-dimethyl-ethyl)-4-hydroxyl-C7-C9 branched alkyl esters(Irganox1135)、Octadecyl-3-(3,5-di-tert.-butyl-4-hydroxyphenyl) -propionate(Irganox1076)、Pentaerythritol tetrakis(3-(3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate)(Irganox1010)(何れもBASFジャパン製)、が挙げられる。
樹脂安定剤としては、例えば、アデカスタブ465Eなどの錫系安定剤、アデカサイザーO130Pなどのエポキシ系安定剤、アデカスタブAC258などの金属石鹸系の安定剤(何れもADEKA製)、が挙げられる。
〈本実施形態の効果その他〉
以上の構成からなる本実施形態の化粧鋼板は、耐候性および意匠性に優れ、かつ転写法による製造が容易になる。
(1)一般に保護層は内部の各層を外部環境の紫外線から保護するため紫外線吸収剤が配合されている。保護層の表面凹凸により意匠性が付与されるが、保護層の凹部は厚さが小さいため紫外線の吸収量が小さく、凹部下に位置する絵柄パターンや接着層の変色や脆化など劣化が懸念される。
これに対し、本実施形態の化粧鋼板200は、紫外線吸収剤を含む紫外線吸収層2を設けることで絵柄模様層3の劣化を抑制している。なお、紫外線吸収剤を絵柄模様層3に直接添加した場合、紫外線吸収剤は絵柄の色調に影響し、特に多色刷りでは全体の色調を制御するのが困難になるため好ましくない。
(2)本実施形態では、保護層7の塗布形成において予め設けた撥インキ層6による塗布液の濡れ弾きを利用し保護層7に表面凹凸を形成する。このとき、撥インキ層6上に保護層7が存在しない構成でも良い。これは、保護層7の塗布液が完全に濡れ弾くことで構成することが出来る。
(3)撥インキ層6が撥インキ成分と樹脂バインダを含み、撥インキ成分が、シリコーン、アルキルシランから選択される化合物の少なくとも1種を含み、樹脂バインダ100質量部に対する撥インキ成分の添加量が、0.1質量部以上5質量部以下である。
撥インキ層6は印刷方法で形成することが好ましい。撥インキ性は、印刷インキに撥インキ性樹脂を単独で用いるか、あるいは撥インキ成分を樹脂バインダに添加することで付与することができるが、材料選択の自由度が広い後者が好ましい。撥インキ成分として、シリコーンないしアルキルシラン類を用い、樹脂100質量部に対する添加量を0.1〜5質量部とすることで、撥インキ性が適度に発現する。撥インキ性が過大だと、撥インキ層の紫外線吸収層などの隣接層に対する密着性に問題が生じる。また、撥インキ性が不足すると、保護層形成に用いる塗布液を弾くことができず意匠性付与に十分な表面凹凸が形成されない。
(4)撥インキ層6が紫外線吸収剤を含む。
撥インキ層部分は保護層の膜厚が薄いため、撥インキ層6も紫外線による劣化に対する考慮が必要である。この構成によれば、撥インキ層6のバインダ樹脂として高耐候性樹脂を用いても良いが、撥インキ層6に紫外線吸収剤を含有させることでバインダ樹脂の選択肢が増え、化粧鋼板の製造方法の容易化につながる。
また、撥インキ層6に紫外線吸収剤を添加すると、上記紫外線吸収層2に付与すべき吸収量が小さくなるため、紫外線吸収剤の添加量を減らすことができる。撥インキ層6の全体に占める面積率が0.5より小さい場合は、計算上は、紫外線吸収剤の総使用量を減らすことができ、例えば撥インキ層6のパターンが木目導管様の場合は、面積率が0.5よりはるかに小さく、紫外線吸収剤の削減効果は大きい。
(5)撥インキ層6が無機顔料を含む。
撥インキ層6は、全体の意匠性を損なわなければ、必ずしも透明である必要はなく着色した撥インキ層6を絵柄と組み合わせることで意匠性向上に利用できる。着色材としては耐候性が良好な無機顔料が好ましい。また、無機顔料は概して隠蔽力が大きいため紫外線吸収剤の削減効果も期待できる。
(6)鋼板2と絵柄模様層3との間に接着層を含む。
絵柄模様層3のバインダ樹脂は顔料発色性などの都合により材料が限られるため、転写工程のプロセス条件に制約が生じるが、接着層4を設けることで制約が緩和され、化粧鋼板200の製造工程が容易化される。
(7)撥インキ層6のパターンと絵柄模様層3の絵柄模様のパターンとを同調させる。同調させると、板厚方向でパターンが重なるように形成することを言う。
この構成によれば、例えば、木目導管様の撥インキ層6のパターンに絵柄模様層の絵柄模様のパターンを合わせることで、意匠性が向上する。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。
本実施例および比較例で使用したインキ処方を以下に示す。
(紫外線吸収層)
アクリルポリオール:
6DY-204ED(固形分40%)(大成ファインケミカル) : 50質量部
紫外線吸収剤:Tinuvin460(BASFジャパン) : 0.5質量部
紫外線吸収剤:Tinuvin479(BASFジャパン) : 0.5質量部
溶剤:S770(東洋インキ製造) : 49質量部
(絵柄模様層)
塩酢ビ系インキ:V351各色(東洋インキ製造) : 70質量部
溶剤:S770(東洋インキ製造) : 30質量部
樹脂安定剤:アデカサイザーO130P(ADEKA) : 5質量部
(接着層)
アクリルポリオール:
6DY-204ED(固形分40%)(大成ファインケミカル) : 20質量部
塩酢ビ樹脂:ソルバインA(日信化学工業) : 12質量部
アンチブロック剤:サイリシア350(富士シリシア化学) : 1質量部
溶剤:S770(東洋インキ製造) : 67質量部
(撥インキ層)
塩酢ビ系インキ:
V351ME(固形分20%)(東洋インキ製造) : 98.7質量部
変性シリコーン:KF412 : 0.2質量部
紫外線吸収剤:Tinuvin477(BASFジャパン): 1質量部
光安定剤:Tinuvin123(BASFジャパン) : 0.1質量部
(保護層)
含フッ素ポリオール:GK570(ダイキン工業) : 50質量部
イソシアネート硬化剤:D−120N(三井化学) : 14質量部
紫外線吸収剤:Tinuvin400(BASFジャパン): 1.0質量部
溶剤:酢酸ブチル(山一化学工業) : 35質量部
[実施例1]
実施例1の鋼板は次のように形成した。
離型層付きPETフィルム(東レフィルム加工、セラピールHP2、50μm厚)に、紫外線吸収層(2μm厚)、絵柄模様層(木目3色+ベタ一色、総厚1〜3μm)および接着層(3μm厚)をグラビア印刷法で順次形成することで転写箔を作製した。
下地塗布層としてポリエステル樹脂層を形成した鋼板を、ホットプレートで100℃に予備加熱した後、上記転写箔を、ロール転写装置(ナビタス製、RH-300X)を用い、熱圧着した(線圧:500kgf/m、ロール温度:120℃、200℃、ライン速度:1m/min、10m/min)。圧着後直ちに鋼板を急冷し、剥離層付きPETフィルムを剥離することで、接着層、絵柄模様層、紫外線吸収層を鋼板に転写した。
鋼板上の紫外線吸収層に撥インキ層(木目1色刷り、1μm厚)をグラビアオフセット印刷法で所定パターン形成し、次いで保護層形成用のインキをワイヤバーで塗布した後、200℃-1minの熱処理により保護層(20μm厚)を形成した。これによって、保護層が撥インキ層に対応する表面凹凸を有する化粧鋼板を得た。
[実施例2]
実施例1において接着層を形成しない以外は、全て実施例1と同様の方法で、実施例2の化粧鋼板を作製した。
[比較例1]
実施例1において紫外線吸収層と接着層を形成しない以外は、全て実施例1と同様の方法で比較例2の化粧鋼板を作製した。
[評価]
実施例および各比較例において、各転写条件における転写の可否を調べるとともに、転写可能であった試料については、耐UV性としてサンシャインウェザオメータ2000h試験前後での外観変化を目視にて調べた。その評価結果を表1に示す。
Figure 0006606867
表1に示す評価結果のとおり、実施例1では耐UV性に優れていることが分かる。また実施例2では、実施例1に比べ、転写速度が余り速い場合には転写が出来なくなるものの、転写が出来る速度において耐UV性を有することが確認出来た。一方、比較例1では、実施例1,2に比べ耐UV性が悪いことを確認した。
100:転写箔
200:化粧鋼板
1:離型性支持体
2:紫外線吸収層
3:絵柄模様層
4:接着層
5:鋼板
6:撥インキ層
7:保護層

Claims (10)

  1. 鋼板上に、絵柄模様層、紫外線吸収層、予め設定した所定パターンからなる撥インキ層、および保護層がこの順に形成され、
    上記撥インキ層と重なる部分の上記保護層の厚さが、上記撥インキ層と重ならない部分の上記保護層の厚さより薄く、
    上記撥インキ層の厚さは、上記撥インキ層と重ならない部分の上記保護層の厚さより薄く、
    上記保護層は、含フッ素ポリオールと、イソシアネート硬化剤とを少なくとも含んで形成されていることを特徴とする化粧鋼板。
  2. 上記撥インキ層の上に上記保護層が存在しないことを特徴とする請求項1に記載の化粧鋼板。
  3. 上記撥インキ層は、撥インキ成分と樹脂バインダとを含み、
    上記撥インキ成分は、シリコーン及びアルキルシランから選択される化合物の少なくとも1種を含み、
    上記樹脂バインダ100質量部に対する上記撥インキ成分の添加量が、0.1質量部以上5質量部以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の化粧鋼板。
  4. 上記撥インキ層は紫外線吸収剤を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の化粧鋼板。
  5. 上記撥インキ層は無機顔料を含むことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の化粧鋼板。
  6. 上記鋼板と上記絵柄模様層の間に接着層が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の化粧鋼板。
  7. 上記撥インキ層の所定パターンと上記絵柄模様層の絵柄模様のパターンとが同調していることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の化粧鋼板。
  8. 上記保護層の厚さは、5μm以上100μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の化粧鋼板。
  9. 鋼板上に、絵柄模様層、紫外線吸収層、予め設定した所定パターンからなる撥インキ層、および保護層をこの順に形成する際に、
    離型性支持体の上に紫外線吸収層及び絵柄模様層がこの順に形成された転写箔を、上記鋼板に加熱圧着した後に、上記離型性支持体を除去することで、少なくとも上記絵柄模様層及び上記紫外線吸収層を上記鋼板に転写し、
    上記鋼板に転写された上記紫外線吸収層の上に所定パターンの撥インキ層を形成し、
    上記形成した紫外線吸収層ないし撥インキ層の上に、上記撥インキ層の厚さが上記保護層の厚さより薄くなるように、保護層形成用の塗布液を塗布して上記保護層を形成し、
    保護層形成用の塗布液は、含フッ素ポリオールと、イソシアネート硬化剤とを少なくとも含むことを特徴とする化粧鋼板の製造方法。
  10. 上記保護層の厚さが5μm以上100μm以下の範囲内となるように、上記保護層を形成することを特徴とする請求項に記載の化粧鋼板の製造方法。
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