JP6603035B2 - アミノ基及び/又はニトロ基を有するベンゾオキサゾール−2−イル−ジフェニルエーテル及びその誘導体、並びにこれらの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の化合物は下記式(1)で表される、アミノ基及び/又はニトロ基を有するベンゾオキサゾール−2−イルジフェニルエーテル及びその誘導体である。
(1)ジニトロ−2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)ジフェニルエーテル及びその誘導体(1−b)、及びアミノニトロ−2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)ジフェニルエーテル及びその誘導体(1−c)の製造
上記式(1−b)及び式(1−c)で表される化合物(以下、まとめて下記式(1−e)で表す)は、2−(2−クロロ−5−ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール等のニトロフェニルベンゾオキサゾール化合物を、4−ニトロフェノール塩及び4−アミノフェノール等のフェノール化合物またはその金属塩と反応させることにより得ることができる。後記において製造方法1としてさらに詳細に説明する。
上記式(1−d)で表される化合物は、2−(2−クロロ−5−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール等のアミノフェニルベンゾオキサゾール化合物を4−ニトロフェノール塩等のフェノール化合物またはその金属塩と反応させることにより得ることができる。後記において製造方法2としてさらに詳細に説明する。
上記式(1−a)で表される化合物は、2−(2−クロロ−5−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール等のアミノフェニルベンゾオキサゾール化合物を4−アミノフェノール等のフェノール化合物またはその金属塩と反応させることにより得ることができる。後記において製造方法2として詳細に説明する。
また、上記式(1−a)で表される化合物は、上記式(1−b)、式(1−c)、又は式(1−d)で表される化合物を還元することにより得ることができる。後記において製造方法3としてさらに詳細に説明する。
本発明の製造方法1は、上記式(1−e)で表される化合物の製造方法である。
上記式(1−e)で表される化合物は、下記式(2)で表されるニトロフェニルベンゾオキサゾール化合物:
と下記式(3)で示されるフェノール化合物またはその金属塩:
とを反応させ、エーテル化を経て得ることができる。
本発明の製造方法2は、上記式(1−d)で表される化合物及び上記式(1−a)で表される化合物(以下、まとめて下記式(1−f)で表す)の製造方法である。
と下記式(3)で示されるフェノール化合物またはその金属塩:
とを反応させ、エーテル化を経て得ることができる。
本発明の製造方法3は、上記式(1−a)で表される化合物の製造方法である。上記式(1−a)で表される化合物は、上記式(1−b)、式(1−c)、又は式(1−d)で表される化合物のニトロ基を還元することにより得ることができる。該式(1−b)、式(1−c)、及び式(1−d)で表される化合物は上記製造方法1または2により製造される。従って、本発明の製造方法3は、還元反応工程の前に、上記製造方法1又は2により上記式(1−b)、式(1−c)、又は式(1−d)で表される化合物を得る工程を含んでいてよい。
下記実施例においてHPLC測定にはSHIMADZU製SPD−10Aを使用し、融点測定にはYAMATO製MP−21を使用した。
2−(2−クロロ−5−ニトロフェニル)ベンゾオキサゾールの合成
温度計、玉入り冷却管を取り付けた1L四つ口フラスコに、2−アミノフェノール35.3gとジメチルスルホキシド206gを仕込み溶解させ、内温を20〜25℃に保ちつつ、2−クロロ−5−ニトロベンゾイルクロリド75.0gとジメチルスルホキシド125gの溶解液を1時間で滴下した。2時間撹拌した後、ポリリン酸54.4g(純度94.9%)を添加し、160℃で3時間反応させた。70℃まで冷却後、メタノール331gを滴下し、30℃まで冷却した後、生成した固体を濾過し、水洗し、次いで乾燥して、2−(2−クロロ−5−ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール79.3gを得た。HPLCで測定した純度は99.6%であり、mp.は169〜170℃であった。
2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)−4,4’−ジニトロジフェニルエーテルの合成
温度計、玉入り冷却管を取り付けた1L四つ口フラスコに、合成例1で得た2−(2−クロロ−5−ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール79.0g、4−ニトロフェノールソーダ64.0g(純度97.8%)、及びジメチルスルホキシド700gを仕込み、140〜145℃で1時間反応させた。該反応液を70%メタノール水1000gに加え、生成した固体を濾過し、水洗し、次いで乾燥して、2−(2−ベンゾオキサゾール−2−イル)−4,4’−ジニトロジフェニルエーテルの粗生成物99.4gを得た。HPLCで測定した純度は99.2%であり、mpは194〜197℃であった。該粗生成物を活性炭により脱色し、N,N−ジメチルホルムアミドより再結晶して、精製された2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)−4,4’−ジニトロジフェニルエーテル94.4gを得た。HPLCで測定した純度は99.8%であり、mp.は195〜196℃であった。
4,4’−ジアミノ−2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)ジフェニルエーテルの合成
温度計、玉入り冷却管を取り付けた1L四つ口フラスコに、実施例1で得た精製された2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)−4,4’−ジニトロジフェニルエーテル30.0g、5%Pd/C1.5g、及びイソプロピルアルコール700gを仕込み、還流温度でヒドラジン水溶液29.9gを1時間で滴下し、4時間反応させた。該反応液より触媒を除去した後、イソプロピルアルコール500gを留去し、30℃まで冷却した。その後、生成した固体を濾過し、固体を水洗し、次いで乾燥して、黄色粉末である生成物23.3gを得た。HPLCで測定した純度は99.2%であり、mp.は185〜186℃であった。
・1H核磁気共鳴スペクトル分析には、Bruker Biospin製AVANCE400型を用い、共鳴周波数400MHzで測定した。測定溶媒はアセトン−d6であった。
・13C核磁気共鳴スペクトル分析には、JEOL製JNM−ECA600型を用い、共鳴周波数600MHzで測定した。測定溶媒はジメチルスルホキシド−d6であった。
・質量分析には、SHIMADZU製AXIMA Confidenceを使用した。
以下に示す結果より、得られた固体生成物は4,4’−ジアミノ−2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)ジフェニルエーテルであった。
(i)1H核磁気共鳴スペクトル分析結果は以下の通りである。1H−NMRスペクトルのチャートを図1に示す。
δ4.4ppm(2H)および4.8ppm(2H)にアミノ基のプロトンのシングレット、δ6.6ppm(2H)および6.7ppm(2H)にベンゼン核のプロトンのダブレット、δ6.8ppm(1H)、6.9ppm(1H)および7.5ppm(1H)にベンゾオキサゾール基のついたベンゼン核のダブレット、カルテット、ダブレット、δ7.3ppm(2H)、7.6ppm(1H)および7.7ppm(2H)にベンゾオキサゾール基のベンゼン核のマルチプレットが確認された。
(ii)13C核磁気共鳴スペクトル分析の結果、17本のピークが確認された。13C−NMRスペクトルのチャートを図2に示す。
(iii)質量分析の結果、317にメインピークが確認された。
2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)−3’,4−ジニトロジフェニルエーテルの合成
温度計、玉入り冷却管を取り付けた500mL四つ口フラスコに、合成例1で得た2−(2−クロロ−5−ニトロフェニル)ベンゾオキサゾール70.0g、4−ニトロフェノール39.2g、炭酸ナトリウム15.4g、及びジメチルスルホキシド350gを仕込み、105〜110℃で6時間反応させた。該反応液を75%メタノール水150gに加え、生成した固体を濾過し、水洗し、次いで乾燥して、2−(2−ベンゾオキサゾール−2−イル)−3’,4−ジニトロジフェニルエーテルの粗生成物94.0gを得た。該粗生成物を活性炭により脱色し、N,N−ジメチルホルムアミドより再結晶して、精製された2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)−3’,4−ジニトロジフェニルエーテル88.5gを得た。HPLCで測定した純度は99.8%であり、mp.は214〜215℃であった。
3’,4−ジアミノ−2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)ジフェニルエーテルの合成
温度計、玉入り冷却管、撹拌機を取り付けた2L四つ口フラスコに、実施例3で得た精製された2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)−3’,4−ジニトロジフェニルエーテル80.0g、5%Pd/C4.0g(as wet)、及びイソプロピルアルコール800gを仕込み還流温度まで昇温した。ヒドラジン水溶液80.0gを1時間で滴下し、3時間保温して反応させた。触媒を除去した後、イオン交換水1600gを添加し、30℃まで冷却した。その後、生成した固体を濾過し、水洗し、次いで乾燥して、黄緑色粉末である生成物56.2gを得た。HPLCで測定した純度は99.9%であり、mp.は217〜218℃であった。
以下に示す結果より、得られた固体生成物は3’,4−ジアミノ−2−(ベンゾオキサゾール−2−イル)ジフェニルエーテルであった。
(i)1H核磁気共鳴スペクトル分析結果は以下の通りである。1H−NMRスペクトルのチャートを図3に示す。測定溶媒はジメチルスルホキシド−d6であった。
δ5.1 ppm(2H)および5.4 ppm(2H)にアミノ基のプロトンのシングレット、δ6.0 ppm(1H)および6.1 ppm(1H)、6.2ppm(1H)および6.8 ppm(1H)にベンゼン核のプロトンのマルチプレット、マルチプレット、マルチプレットおよびカルテット、δ6.8 ppm(1H)、6.9 ppm(1H)および7.4 ppm(1H)にベンゾオキサゾール基のついたベンゼン核の各々ダブレット、δ7.3−7.4 ppm(2H)、7.6 ppm(1H)および7.7 ppm(1H)にベンゾオキサゾール基のベンゼン核の各々マルチプレットが確認された。
(ii)13C核磁気共鳴スペクトル分析の結果、19本のピークが確認された。測定溶媒はジメチルスルホキシド−d6であった。13C−NMRスペクトルのチャートを図4に示す。
(iii)質量分析の結果、317にメインピークが確認された。
Claims (5)
- A及びBが共にアミノ基である、請求項1記載の化合物。
- 下記式(1−a)で表される化合物の製造方法であって、
下記式(1−e)又は式(1−d)で表される化合物のニトロ基を還元して上記式(1−a)で表される化合物を得る工程を含む、前記製造方法
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