JP6600954B2 - 再剥離性粘着剤およびそれを用いた粘着シート - Google Patents

再剥離性粘着剤およびそれを用いた粘着シート Download PDF

Info

Publication number
JP6600954B2
JP6600954B2 JP2015057164A JP2015057164A JP6600954B2 JP 6600954 B2 JP6600954 B2 JP 6600954B2 JP 2015057164 A JP2015057164 A JP 2015057164A JP 2015057164 A JP2015057164 A JP 2015057164A JP 6600954 B2 JP6600954 B2 JP 6600954B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensitive adhesive
pressure
weight
compound
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015057164A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016176001A (ja
Inventor
克哲 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Toyochem Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Toyochem Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd, Toyochem Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP2015057164A priority Critical patent/JP6600954B2/ja
Publication of JP2016176001A publication Critical patent/JP2016176001A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6600954B2 publication Critical patent/JP6600954B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

本発明は、プラスチックやガラス等の部材に使用できる粘着剤に関する。
電子計算機、電子時計、携帯電話、テレビジョン等の家庭用・業務用電化製品など様々な機器に使用される液晶ディスプレイ等の表示装置は、大型化が進んでおり、特に液晶テレビやプラズマテレビ等は大型化が顕著である。また、近年ではスマートフォンやタブレットをはじめとするタッチパネル方式の液晶ディスプレイが急速に普及しており、今後も大きな市場拡大が期待されている。一方で、液晶ディスプレイは、カーナビゲーションなど車載機器等にも使用されており、高温高湿雰囲気などの過酷な車内環境下で使用できる耐久性が必要とされている。
そして、液晶ディスプレイには、様々な光学的機能を有する偏光板や位相差板等が用いられており、これらは粘着剤を介してガラスや透明なプラスチックを使用した液晶セル等の被着体に貼付される。
前記偏光板は、一般にポリビニルアルコールフィルムが、トリアセチルセルロース系フィルムやシクロオレフィン系フィルムにより挟まれた構成の積層体である。そして、これらのフィルムは、それぞれ機械特性が異なるため加熱時の寸法変化率が異なる、そのため高温雰囲気下に置かれた場合、前記積層体に反りが生じることが多い。
例えば、偏光板/粘着剤層/ガラス(ガラスは液晶セルの表面部材)の液晶セル用部材を高温雰囲気に放置すると、偏光板の構成部材間の寸法変化率に由来する反りが発生したり、粘着剤層とガラスとの貼着界面に気泡(発泡)が発生したり、偏光板がガラスから浮き上がり剥がれるといった問題が発生する場合がある。また、反りに起因して液晶セル用部材の応力分布が不均一となり、応力が液晶セル用部材の周辺端部へ集中する結果、液晶セル用部材の四隅や周辺端部から光が漏れる、いわゆる「光漏れ現象」という問題が生じる場合がある。前記の問題は、高温高湿雰囲気でも同様に発生する。
他方、液晶ディスプレイ等の製造工程では、偏光板を液晶セルなどの光学部品に貼合せるときに、貼合せ位置にずれが生じた場合など、貼合せてから一定の時間が経過した後に偏光板を剥離し、高価な液晶セルを再利用することが行われている。そのため、粘着剤には貼付から一定時間が経過した後に偏光板を液晶セルから再剥離できる特性(リワーク性)が求められている。
これらの問題を解決すべく、特許文献1では、粘着剤に可塑剤など添加することで、粘着剤層を適度に軟らかくして応力緩和性を付与し、光漏れを防止する技術が開示されている。しかし、可塑剤を添加した場合、偏光板を剥離した際に被着体を汚染するブリードアウトの原因となる上、凝集力を低下させるため、貼合せてから一定時間経過後(経時)において、浮きや剥がれが生じやすく、過剰量の可塑剤添加によって、塗膜の白化が生じる等の問題があった。
また、特許文献2では、芳香環含有モノマーを使用したアクリル系共重合体を含ませることにより、応力緩和性を高め、光漏れを防止する技術が開示されている。しかし、特許文献2に挙げられている芳香環含有モノマーを使用した粘着剤は、光漏れ評価において、白抜けが発生し、また光学特性が劣るという問題があった。
一方で、特許文献3では、再剥離性を付与するために、重量平均分子量50万以上の高分子量アクリル系重合体に対し、酸価が高く、重量平均分子量0.2〜10万の低分子量アクリル系重合体をブレンドする技術が開示されている。しかし、特許文献4記載の粘着剤は、粘着剤の乾燥条件が制限されるという問題があった。
さらには、特許文献4では、カルボキシル基を有する重量平均分子量70万以上のアクリル系重合体と、重量平均分子量800〜5万のアクリル系重合体とを併用する事で、応力緩和性を高める技術が開示されている。しかし、特許文献4記載の粘着剤は、凝集力が著しく低下するという問題があった。
また、特許文献5では、水酸基を有するアクリル系重合体と、ガラス転移温度(Tg)が60℃以上の(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体を含むアクリル系重合体とを併用する事で、凝集力を得る技術が開示されている。しかし、これらの粘着剤は、凝集力は比較的良好であるものの、応力緩和性が不足しているため白抜けが発生する問題があった。
また、特許文献6では、Tgが0℃以下で、側鎖にテルペン類骨格を有するアクリル系重合体を使用することで、光学部材との界面での光の反射ロスを少なくする技術が開示されている。しかし、テルペン類骨格を有するアクリル系重合体を使用した粘着剤は、高温高湿環境下に曝された後、水分との相溶性が悪く、塗膜が白化するという問題があった。
また、特許文献7では、カルボキシル基を含有しないアクリル系共重合体、重量平均分子量1000以上30000未満のアクリル系重合体および水素添加型粘着付与樹脂を併用することで、高い接着性を得る技術が開示されている。しかし、水素添加型粘着付与樹脂を配合した粘着剤は、高い接着性を得ることは可能であるが、透明性が著しく低下するという問題があった。
特開平9−87593号公報 特開2007−169329号公報 特開2010−100710号公報 特開2004−069975号公報 特開2002−327160号公報 特開2008−255314号公報 特開2012−149179号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記諸問題を解決すべく、粘着フィルムに用いたときに、剥離性に優れ、高温環境下や高温高湿環境下に曝された後、被着体からの浮きや剥がれが発生しにくく、さらに偏光板固定用に用いたとき、光漏れ評価が良好であり、さらには高温高湿環境下に曝された場合においても高い透明性を維持できる粘着剤およびそれを用いた粘着シートの提供を目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に至った。
即ち、本発明は、アクリル系重合体(A)、粘着付与剤(B)および架橋剤(C)を含んでなる粘着剤であって、前記アクリル系重合体(A)が、カルボキシル基含有単量体を0.1〜20重量%含有する単量体を重合してなる、重量平均分子量50万〜200万の重合体であり、前記粘着付与剤(B)が、酸価1〜200mgKOH/g、軟化点75〜160℃であり、分子内に少なくとも一つの芳香環を有する化合物を含み、前記架橋剤(C)が、ポリイソシアネート化合物を含むことを特徴とする粘着剤に関する。
また、本発明は、アクリル系重合体(A)100重量部に対して、粘着付与剤(B)5〜50重量部含有してなることを特徴とする前記粘着剤に関する。
また、本発明は、アクリル系重合体(A)100重量部に対して、架橋剤(C)が5重量部を超えて30重量部以下含有してなることを特徴とする前記粘着剤に関する。
また、本発明は、粘着付与剤(B)である芳香環を有する化合物が、アクリル系化合物、ロジン系化合物およびスチレン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記粘着剤に関する。
また、本発明は、架橋剤(C)が、芳香脂肪族系ポリイソシアネート化合物であることを特徴とする前記粘着剤に関する。
また、本発明は、さらに、金属キレート化合物(D)を含有してなることを特徴とする前記粘着剤に関する。
また、本発明は、基材と、前記粘着剤から形成されてなる粘着剤層とを備えてなる粘着シートに関する。
また、本発明は、基材が、光学部材である前記粘着シートに関する。
上記のように構成した本発明によれば、粘着剤から形成した粘着剤層はアクリル系重合体(A)または、アクリル共重合体(A)と架橋剤(C)とが架橋反応した樹脂ネットワークと粘着付与剤(B)とが海島構造を形成する。当該粘着剤層は凝集力を損なわず、応力緩和に優れるため、高温雰囲気下または高温高湿雰囲気下に曝された場合にも、浮きおよび剥がれが生じにくく、光漏れが生じにくいという効果を有する。また、粘着剤層の透明性が高く、高温高湿環境下に曝された場合においても高い透明性を維持できるという効果を有する。
本発明により再剥離性に優れ、高温環境下や高温高湿環境下に曝された後に、例えばガラスやプラスチックス等に被着体から浮きや剥がれが生じにくく、光漏れが生じにくい粘着シートを作成できる粘着剤を提供できた。
本発明の粘着剤は、アクリル系重合体(A)と粘着付与剤(B)および、架橋剤(C)を含んでなる粘着剤であって、前記アクリル系重合体(A)が、カルボキシル基含有単量体を0.1〜20重量%含有する単量体を重合してなる、重量平均分子量50万〜200万の重合体であり、前記粘着付与剤(B)が、酸価1〜200mgKOH/g、軟化点75〜160℃であり、分子内に少なくとも一つの芳香環を有する化合物を含み、前記架橋剤(C)が、ポリイソシアネート化合物を含むことを特徴とする粘着剤である。
本発明の粘着剤は、塗工、乾燥することで粘着剤層を形成した粘着テープとして使用することが好ましい。当該粘着テープは、光学部材用、特に液晶ディスプレイの部材を接着する用途に使用することが好ましい。
本発明においてアクリル系重合体(A)は、カルボキシル基を含む単量体を含む単量体の共重合体である。アクリル系重合体(A)は、架橋反応によりポリマーネットワークを形成することで、浮きおよび剥がれの抑制、光漏れの抑制、ならびに高温高湿環境下に曝された場合においても高い透明性を維持できる効果が得られる。なお、本発明において(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルを含む。
カルボキシル基を含有する単量体は、例えば(メタ)アクリル酸、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリル酸エステル、p−カルボキシベンジルアクリル酸エステル、エチレンオキサイド変性(付加モル数:2〜18)フタル酸アクリル酸エステル、フタル酸モノヒドロキシプロピルアクリル酸エステル、コハク酸モノヒドロキシエチルアクリル酸エステル、アクリル酸β−カルボキシエチル、アクリル酸2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチル、マレイン酸、モノエチルマレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、及びフマル酸などが挙げられる。これらは単独または2種以上を併用できる。
前記カルボキシル基を有する重合体は、単量体混合物100重量%中、0.1〜20重量%含まれることが好ましく、0.5〜15%重量%がより好ましい。含有量が0.1%以上になることで凝集力がより向上する。また、含有量が15重量%以下になることで凝集力と応力緩和性を両立しやすくなる。
アクリル系重合体(A)の共重合に使用できる単量体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、およびその他ビニル系モノマーが好ましい。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸ブチルが、良好な粘着性能を得やすいという点から好ましい。これらは単独または2種以上を併用できる。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単量体混合物100重量%中80〜99.9重量%含むことが好ましく、85〜99.5%重量%がより好ましい。含有量が80重量%以上になることで凝集力がより向上する。また、含有量が99.9重量%以下になることで凝集力と応力緩和性を両立しやすくなる。
前記その他ビニル系単量体は、水酸基を含有する単量体、アミド結合を含有する単量体、エポキシ基を含有する単量体、アミノ基を含有する単量体、アルキレンオキサイド単位を有する単量体、酢酸ビニル、クロトン酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどが好ましいが、共重合可能であれば良く特にこれらに限定されるものではない。
水酸基を含有する単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルや、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリル酸エステルなどのグリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシエチルアクリルアミドなどが挙げられる。
前記アミド結合を含有する単量体は、例えば(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド、などの(メタ)アクリルアミド系の化合物、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、などの複素環を含有した化合物、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミドなどが挙げられる。
前記エポキシ基を含有する単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチルなどが挙げられる。
前記アミノ基を含有する単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノエステルなどが挙げられる。
前記アルキレンオキサイド単位を有する単量体は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の単位を有することが好ましい。具体的には、例えば、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−フェノキシエチル、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
その他ビニル系単量体は、これらの単量体を単独または2種以上を併用できる。
前記その他ビニル系単量体は、単量体混合物100重量%中80〜99.9重量%含むことが好ましく、85〜99.5%重量%がより好ましい。含有量が80重量%以上になることで凝集力がより向上する。また、含有量が99.9重量%以下になることで凝集力と応力緩和性を両立しやすくなる。
本発明の粘着剤においてアクリル系重合体(A)の重量平均分子量は、50万〜200万が好ましく、70万〜180万がより好ましい。50万〜200万の範囲にあることで凝集力などがより向上するため、浮きおよび剥がれがより抑制でき、応力緩和性もより向上する。また、アクリル系重合体(A)の分子量分布(重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比率を表す分子量分布(Mw/Mn))は、2〜20が好ましい。前記範囲にあることで、浮きおよび剥がれが生じにくく、粘着力が寄り向上する。なお、上記重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。GPCの測定法の詳細は、実施例に記載する。
本発明でアクリル系重合体(A)は、単量体混合物をラジカル重合開始剤でラジカル重合することで得ることができる。ラジカル重合は、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合など公知の重合方法が可能であるが、本発明では溶液重合が好ましい。溶液重合で使用できる溶媒は、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、トルエン、キシレン、アニソール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどが好ましい。重合温度は、60〜120℃の沸点反応が好ましく、重合時間は5〜12時間が好ましい。
ラジカル重合開始剤は、重合温度でラジカルを発生できる化合物であれば特に制限はなく、過酸化物およびアゾ化合物等の公知の化合物を使用できる。
前記過酸化物は、例えばジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド類;
t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンなどのパーオキシエステル類;
シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;
2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレート、などのパーオキシケタール類;
クメンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルシクロヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;
ベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;
ビス(t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類などの有機過酸化物、又はこれらの混合物があげられる。
前記アゾ化合物は、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(略称:AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などの2,2’−アゾビスブチロニトリル類;
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などの2,2’−アゾビスバレロニトリル類;
2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)などの2,2’−アゾビスプロピオニトリル類;
1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)などの1,1’−アゾビス−1−アルカンニトリル類などが使用できる。
ラジカル重合開始剤は、単独または2種以上を併用できる。
ラジカル重合開始剤は、前記モノマー混合物100重量部に対し、0.01〜10重量部を使用することが好ましく、0.1〜2重量部がより好ましい。
本発明の粘着付与剤(B)は、分子内に少なくとも一つの芳香環を有する芳香族化合物である。粘着付与剤(B)は、粘着剤層を形成した際、高凝集ドメインを形成することで、高い凝集力と高い粘着力を発現する効果が得られる。また、分子内に少なくとも一つの芳香環を有することで、アクリル系重合体(A)との相溶性が良好となり、高い透明性を得ることができ、また、高温高湿環境下に曝された場合においても透明性を維持できる。
本発明において粘着付与剤(B)は、具体的には、ロジン系化合物、スチレン系化合物、フェノール系化合物、キシレン系化合物、テルペン系化合物、アクリル系化合物、ならびにこれらの誘導体が挙げられる。なかでも、アクリル系化合物、ロジン系化合物、スチレン系化合物が好ましく、ロジン系粘着付与剤がより好ましい。
前記アクリル系化合物としては、VS−1028、VS−1029(星光PMC株式会社製)などの商品名により市販されているもの、また、下記実施例記載のアクリル系化合物を好適に使用することができる。
前記ロジン系化合物としては、パインクリスタルKE−100、パインクリスタルKE−359、パインクリスタルKE−311、パインクリスタルKE−612、パインクリスタルKE−614、パインクリスタルKR−140、ペンセルD−125、ペンセルD−135(荒川化学工業株式会社製)、SylvatacRE100、SylvatacRE100L、SylvatacRE105L(ArizonaCHEMICAL製)などの商品名により市販されているものを好適に使用することができる。
前記スチレン系化合物としては、アラスター700、アラスター703S(荒川化学工業株式会社製)、US−1071,YS−1274(星光PMC株式会社製)、SMA 3840、SMA17352(CRAY VALLEY製)などの商品名により市販されているものを好適に使用することができる。
前記テルペン系化合物としては、タマノル803L、タマノル901(荒川化学工業株式会社製)などの商品名により市販されているものを好適に使用することができる。
前記フェノール系化合物としては、TD−1090、TD−2640、TD−3130(DIC製)などの商品名により市販されているものを好適に使用することができる。
前記キシレン系化合物としては、リグノールR−70、リグノールR−140(リグナイト株式会社製)などの商品名により市販されているものを好適に使用することができる。
本発明の粘着付与剤(B)は、酸価1mgKOH/g以上〜200mgKOH/gが好ましく、2mgKOH/g以上〜180mgKOH/g以下がより好ましい。1mgKOH/g以上になることで凝集力がより向上する。また、200mgKOH/g以下になることで凝集力と応力緩和性を両立しやすくなる。粘着付与剤(B)が酸価を有することで、高い凝集力と基材への密着性が向上し、高い粘着力を得ることができる。
本発明の粘着付与剤(B)は、軟化点75℃以上〜160℃以下であり、90℃以上〜140℃以下が好ましい。90℃以上になることで凝集力がより向上する。また、140℃以下になることで凝集力と応力緩和性を両立しやすくなる。粘着付与剤(B)が高い軟化点を有することで、高い凝集力と基材への密着性が向上し、光漏れを抑制することができる。
前記粘着付与剤(B)は、アクリル系重合体(A)100重量部中に、5〜50重量部含まれることが好ましく、10〜40重量部がより好ましい。含有量が5重量部以上になることで凝集力がより向上する。含有量が50重量部以下になることで凝集力と応力緩和性を両立しやすくなる。
本発明の架橋剤(C)は、ポリイソシアネート化合物である。架橋剤(C)は、アクリル系重合体(A)と架橋反応し、樹脂ネットワークを形成することで、浮きおよび剥がれの抑制、光漏れの抑制、ならびに高温高湿環境下に曝された場合においても高い透明性を維持できる効果が得られる。
本発明において架橋剤(C)は、具体的には、2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネートモノマー、具体的には芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等のイソシアネートモノマー、およびビュレット体、ヌレート体、及びアダクト体が好ましい。
前記芳香族ポリイソシアネートは、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
前記脂肪族ポリイソシアネートは、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HMDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
前記芳香脂肪族ポリイソシアネートは、例えば、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
前記脂環族ポリイソシアネートは、例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:IPDI、イソホロンジイソシアネート)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
前記ビュレット体は、前記イソシアネートモノマーが自己縮合したビュレット結合を有する自己縮合物をいう。具体的には、例えばヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体などが挙げられる。
前記ヌレート体は、前記イソシアネートモノマーの3量体をいい、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体イソホロンジイソシアネートの3量体トリレンジイソシアネートの3量体などが挙げられる。
前記アダクト体は、前記イソシアネートモノマーと2官能以上の低分子活性水素含有化合物が反応した2官能以上のイソシアネート化合物をいい、例えば、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとを反応させた化合物(トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとを反応させた化合物、トリメチロールプロパンとキシリレンジイソシアネートとを反応させた化合物、トリメチロールプロパンとイソホロンジイソシアネートとを反応させた化合物、1,6−ヘキサンジオールとヘキサメチレンジイソシアネートとを反応させた化合物などが挙げられる。
前記2官能以上の低分子活性水素含有化合物は、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ポリオキシエチレングリコール(エチレンオキサイドの付加モル数10以下)、ポリオキシプロピレングリコール(プロピレンオキサイドの付加モル数10以下)、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール,トリシクロデカンジメタノール、シクロペンタジエンジメタノール、ダイマージオール等の脂肪族あるいは脂環族ジオール類;
1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、4,4’−メチレンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−,及びp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−イソプロピリデンフェノール、あるいはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させてなるビスフェノール類等の芳香族ジオール類;
1,1,1−トリメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロールブタン、1,1,1−トリメチロールペンタン、1,1,1−トリメチロールヘキサン、1,1,1−トリメチロールヘプタン、1,1,1−トリメチロールオクタン、1,1,1−トリメチロールノナン、1,1,1−トリメチロールデカン、1,1,1−トリメチロールウンデカン、1,1,1−トリメチロールドデカン、1,1,1−トリメチロールトリデカン、1,1,1−トリメチロールテトラデカン、1,1,1−トリメチロールペンタデカン、1,1,1−トリメチロールヘキサデカン、1,1,1−トリメチロールヘプタデカン、1,1,1−トリメチロールオクタデカン、1,1,1−トリメチロールナノデカン、1,1,1−トリメチロール−sec−ブタン、1,1,1−トリメチロール−tert−ペンタン、1,1,1−トリメチロール−tert−ノナン、1,1,1−トリメチロール−tert−トリデカン、1,1,1−トリメチロール−tert−ヘプタデカン、1,1,1−トリメチロール−2−メチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−3−メチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−2−エチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−3−エチル−ヘキサン、1,1,1−トリメチロールイソヘプタデカンなどのトリメチロール分岐アルカン類、トリメチロールブテン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールペンテン、トリメチロールヘキセン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールオクテン、トリメチロールデセン、トリメチロールドデセン、トリメチロールトリデセン、トリメチロールペンタデセン、トリメチロールヘキサデセン、トリメトロールヘプタデセン、トリメチロールオクタデセン、1,2,6−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、グリセリン等の3官能ポリオール類;
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、キシリトール等の4官能以上のポリオール類;
エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミン、ヘキシレンジアミン、ヘプチレンジアミン、オクチレンジアミン、ノニレンジアミン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリアミノプロパン等の脂肪族ポリアミン類;
フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ポリアミン類;
エチレンジチオール、プロピレンジチオール、ブチレンジチオール、ペンチレンジチオール、ヘキシレンジチオール、ヘプチレンジチオール、オクチレンジチオール、ノニレンジチオール、ジメルカプトジシクロヘキシルメタン、3−メルカプトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルチオール、1,3−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)等のポリチオール類を挙げることができる。
これら多官能低分子活性水素含有化合物は、単独または2種以上を併用できる。
前記ポリイソシアネート化合物は、十分な架橋構造を形成する観点から、3官能のイソシアネート化合物が好ましく、イソシアネートモノマーと3官能の低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体がより好ましい。具体的にはヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのヌレート体、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体が好ましく、更にはトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンのアダクト体、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体等の芳香脂肪族系ポリイソシアネート化合物が好ましい。これらのポリイソシアネート化合物は、単独または2種以上を併用できる。
前記架橋剤(C)は、アクリル系重合体(A)100重量部中に、5重量部をこえて〜30重量部以下含有することが好ましく、10重量部をこえて〜30重量部以下含有することがより好ましい。含有量が5重量部以上になることで凝集力がより向上する。含有量が50重量部以下になることで凝集力と応力緩和性を両立しやすくなる。
本発明の粘着剤には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その他架橋剤を併用することができる。具体的には、エポキシ化合物、アジリジン化合物、酸無水物基含有化合物、カルボジイミド化合物、N−メチロール基含有化合物および、金属キレート化合物等が挙げられる。
前記エポキシ化合物は、例えばビスフェノールA−エピクロロヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N',N'−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1、3−ビス(N、N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N',N'−テトラグリシジルアミノフェニルメタン等が挙げられる。
前記アジリジン化合物は、例えばN,N’−ジフェニルメタン−4,4'−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、トリメチロールプロパントリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタントリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−トリアジン、4,4’−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等が挙げられる。
前記カルボジイミド化合物は、カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネート化合物を脱炭酸縮合反応させることによって生成した高分子量ポリカルボジイミドが挙げられる。このような高分子量ポリカルボジイミドとしては、日清紡績株式会社のカルボジライトシリーズが挙げられる。その中でもカルボジライトV−01、03、05、07、09は有機溶剤との相溶性に優れており好ましい。
前記酸無水物基含有化合物は、カルボン酸無水物基を2つ以上有する化合物であり特に限定されるものではないが、テトラカルボン酸二無水物、ヘキサカルボン酸三無水物、ヘキサカルボン酸二無水物、無水マレイン酸共重合樹脂などが好ましい。なお、反応中に脱水反応を経由して無水物と成りうるポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル、ポリカルボン酸ハーフエステルなどは、本発明の「酸無水物基含有化合物」に含まれる。
前記テトラカルボン酸二無水物は、例えば無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルフィドテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
前記金属キレート化合物は、例えばアルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロムおよびジルコニウムなどの多価金属と、アセチルアセトンまたはアセト酢酸エチルとの配位化合物などが挙げられる。具体的には、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレートが挙げられる。
これらその他架橋剤は、単独または2種以上を併用できる。
本発明の粘着剤は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、シランカップリング剤を併用してもよい。シランカップリング剤を用いることで粘着力がより向上するため、浮きおよび剥がれがより抑制できる。
前記シランカップリング剤は、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどの(メタ)アクリロキシ基を有するアルコキシシラン化合物;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシランなどのビニル基を有するアルコキシシラン化合物;
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリプロポキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有するアルコキシシラン化合物;
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシランなどのメルカプト基を有するアルコキシシラン化合物;
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物;
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン化合物;
3−クロロプロピルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、分子内にアルコキシシリル基を有するシリコーンレジンなどが挙げられる。
前記シランカップリング剤は、アクリル系共重合体(A)100重量部に対して、0.01〜2重量部を使用することが好ましく、0.05〜1重量部の範囲がより好ましい。
本発明の粘着剤には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、任意成分として各種樹脂、オイル、軟化剤、染料、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤及び帯電防止剤等を配合しても良い。
本発明の粘着剤は、光学部材用粘着剤として好適であるほか、各種プラスチックシート、一般ラベル・シール、塗料、弾性壁材、塗膜防水材、床材、粘着性付与剤、粘着剤、積層構造体用粘着剤、シーリング剤、成形材料、表面改質用コーティング剤、バインダー(磁気記録媒体、インキバインダー、鋳物バインダー、焼成レンガバインダー、グラフト材、マイクロカプセル、グラスファイバーサイジング等)、ウレタンフォーム(硬質、半硬質、軟質)、ウレタンRIM、UV・EB硬化樹脂、ハイソリッド塗料、熱硬化型エラストマー、マイクロセルラー、繊維加工剤、可塑剤、吸音材料、制振材料、界面活性剤、ゲルコート剤、人工大理石用樹脂、人工大理石用耐衝撃性付与剤、インキ用樹脂、フィルム(ラミネート粘着剤、保護フィルム等)、合わせガラス用樹脂、反応性希釈剤、各種成形材料、弾性繊維、人工皮革、合成皮革等の原料として、又、各種樹脂添加剤およびその原料等としても非常に有用に使用できる。
本発明の粘着シートは、基材と、本発明の粘着剤から形成した粘着剤層を備えている。前記粘着シートは、例えば、基材に粘着剤を塗工、乾燥することで粘着剤層を形成することで得られる。また、剥離性シートに粘着剤を塗工、乾燥することで粘着剤層を形成し、基材を貼り合わせることで得られる。なお粘着剤層は基材の少なくとも一方の面に設けられていれば良い。また、本発明でシート、フィルムおよびテープは同義語である。また、粘着剤層の基材と接していない面に剥離性シートを貼り合せることはいうまでも無い。
粘着剤を塗工するときに、適当な液状媒体、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶剤;ジエチルエーテル、メトキシトルエン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、その他の炭化水素系溶剤等の有機溶剤を添加して、粘度を調整することができる。また粘着剤を加熱して粘度を低下させることもできる。ただし、水やアルコール等はアクリル系共重合体(B)とポリイソシアネート化合物との架橋反応を阻害するため、使用を避けることが好ましい。
前記基材は、例えばセロハン、プラスチック、ゴム、発泡体、布帛、ゴムびき布、樹脂含浸布、ガラス板、木材等が挙げられる。基材は板状でもフィルム状でも良い。また基材は、単独または、複数の基材を積層した構成も好ましい。
前記プラスチックは、例えば、ポリビニルアルコールやトリアセチルセルロース、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、ポリアリレート系樹脂(PAR:ビスフェノールAとフタル酸の共重合樹脂です)、ポリアクリル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂(エポキシ基含有樹脂とポリアミン又は無水カルボン酸を反応させた樹脂です)などが挙げられる。
本発明において粘着剤は、公知の方法で塗工できる。例えばマイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、コンマコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等が挙げられる。乾燥方法には特に制限はなく、熱風乾燥、赤外線や減圧法を利用したものが挙げられる。乾燥条件は、通常60〜160℃程度の熱風加熱でよい。
粘着剤層の厚さは、0.1〜300μmが好ましく、1〜100μmがより好ましい。0.1μmに満たない場合、十分な粘着力が得られないことがあり、300μmを超えても粘着力等の性能はそれ以上向上しない場合が多い。
本発明の粘着シートは、無アルカリガラスに貼合せた後、23℃で1日間経過後の粘着力が2N/25mm〜10N/25mmであり、3N/25mm〜8N/25mmであることがより好ましい。粘着力が2N/25mm以上になることで浮きおよび剥がれが生じにくい十分な粘着力が得易くなる。また、粘着力が10N/25mm以下になることで、被着体からより容易に剥離が可能になる。
本発明の粘着シートは、無アルカリガラスに貼合せた後、23℃で14日間経過後の粘着力が5N/25mm〜30N/25mmであることが好ましく、8N/25mm〜25N/25mmであることがより好ましい。粘着力が5N/25mm以上になることで浮きおよび剥がれが生じにくい十分な粘着力が得易くなる。また、粘着力が20N/25mm以下になることで、被着体からより容易に剥離が可能になる。
特に液晶装置に偏光板を固定する偏光板固定用途においては、固定不良が生じた際、一度貼付された偏光板を再剥離し高価な液晶装置を回収する作業がしばしば行なわれる。液晶装置を汚染、破損させない為には、無アルカリガラスに貼合せた後、23℃で1日間経過後の粘着力が2N/25mm〜10N/25mmであることが好ましい。また、作業効率向上の為、固定不良が生じた液晶装置を一定期間保管することがある。一定期間保管した後、液晶装置を回収する際、液晶装置を汚染、破損させない為には、無アルカリガラスに貼合せた後、14日間経過後の粘着力が5N/25mm〜30N/25mmであることが好ましい。
本発明の粘着シートは、光学部材の貼合わせに好適に用いることができる。すなわち基材に光学部材を使用することが好ましい。光学部材は、具体的には、偏光板、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム等を挙げることができる。
基材に光学部材を使用した本発明の粘着シートは、液晶セルのガラス部材に貼り付けて液晶セル部材として使用することも好ましい。前記光学部材が偏光板の場合、高温雰囲気及び高温高湿雰囲気に放置されたときにも、粘着剤層は応力緩和性が良好であるため偏光板の反りに起因する光漏れを抑制できる。
本発明の粘着シートは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチパネル、電極周辺部材等各種エレクトロニクス関連の部材やプロテクトフィルム、建材や車輌の窓ガラス等のガラス部材に好ましく使用できるが、ポリオレフィン、ABS、アクリル等のプラスチック、ダンボール、木材、合板、ステンテス、アルミ等の金属にも使用できる。
次に本発明の実施例を示して更に詳細を説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。例中、「部」とは「重量部」、「%」とは「重量%」をそれぞれ意味するものとする。
<合成例1:アクリル共重合体(A)>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と記述する。)にアクリル酸ブチル99.9部、アクリル酸0.1部、酢酸エチル100部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNという)0.025部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。その後、窒素雰囲気下で撹拌しながら、80℃まで加熱し反応を開始した。その後、反応溶液を還流温度で7時間反応させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈して不揮発分30%、粘度3000mPa・sの共重合体溶液を得た。また、GPCを用いてアクリル共重合体の重量平均分子(Mw)を測定したところ、重量平均分子量は100万であった。得られた共重合体を共重合体(A−1)とする。
<合成例2〜25>
表1の重量比率に従って各種原料を仕込み、合成例1と同様の方法でアクリル共重合体(A)を合成した。得られたアクリル共重合体の重量平均分子量を表1に示す。
<合成例26〜28>
表1の重量比率に従って各種原料を仕込み、合成例1の酢酸エチル100重量部を酢酸エチル50重量部、メチルエチルケトン50重量部に変更し、その他は同様の方法でアクリル共重合体(A)を合成した。得られたアクリル共重合体の重量平均分子量を表1に示す。
<合成例29〜30>
表1の重量比率に従って各種原料を仕込み、合成例1の酢酸エチル100重量部をアセトン100重量部に変更し、その他は同様の方法でアクリル共重合体(A)を合成した。得られたアクリル共重合体の重量平均分子量を表1に示す。
<合成例31:粘着付与剤としてのアクリル系化合物>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器(以下、単に「反応容器」と記述する。)にアクリル酸ブチル20部、アクリル酸ベンジル75部、アクリル酸5部、トルエン100部、チオグリセロール5部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNという)0.5部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。その後、窒素雰囲気下で撹拌しながら、110℃まで加熱し反応を開始した。その後、反応溶液を還流温度で7時間反応させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈して不揮発分50%、粘度1000mPa・sの共重合体溶液を得た。また、GPCを用いてアクリル共重合体の重量平均分子(Mw)を測定したところ、重量平均分子量は1500であった。また、得られたアクリル共重合体の酸価は40mg/KOH、軟化点は90℃であった。得られた共重合体をアクリル系化合物(B−1)とする。
<合成例32〜37>
表2の重量比率に従って各種原料を仕込み、合成例31と同様の方法でアクリル系粘着付与剤を合成した。得られたアクリル共重合体の重量平均分子量を表2に示す。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
重量平均分子量(Mw)の測定は島津製作所製GPC「LC−GPCシステム」を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、重量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。
装置名 : 島津製作所製、LC−GPCシステム「Prominence」
カラム : 東ソー(株)製GMHXL 4本、東ソー(株)製HXL-H 1本を連結した。
移動相溶媒 : テトラヒドロフラン
流量 : 1.0ml/min
カラム温度 : 40℃
<酸価の測定>
共栓三角フラスコ中に試料(粘着付与剤)約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。溶液が淡紅色を呈し、30秒間保持するまで滴定を続けた。酸価は前記式(1)により求めた。酸価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
<軟化点の測定>
JISK5902およびJISK2207に規定する軟化点試験方法(環球法)に基づいて測定した。溶解させた試料を平らな金属板の上に置いた環の中に充填し、再度凝固させた。つぎに、径85mm以上、高さ127mm以上のガラス容器(加熱浴)の中に支持器(環台)を入れ、グリセリンを深さ90mm以上となるまで注ぐ。つぎに、鋼球(径9.5mm、重量3.5g)と、試料を満たした環とを互いに接触させないようにしてグリセリン中に浸し、グリセリンの温度を20℃プラスマイナス5℃に15分間保つ。つぎに、環中の試料の表面の中央に鋼球をのせ、これを支持器の上の定位置に置く。つぎに、環の上端からグリセリン面までの距離を50mmに保ち、温度計を置き、温度計の水銀球の中心の位置を環の中心と同じ高さとし、毎分5.0℃の昇温速度になるようガスバーナーで容器を加熱した。加熱した試料がしだいに軟化して環から流れ落ち、ついに底板に接触したときの温度を読み、これを軟化点とした。
(実施例1)
合成例1で得られた共重合体溶液中のアクリル系共重合体(A−1)と、粘着付与剤としてアクリル系化合物(B−1)10重量部、架橋剤であるポリイソシアネート化合物としてトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンのアダクト体10重量部を配合し、更に酢酸エチルを加えて不揮発分を20%に調整して粘着剤を得た。
前記粘着剤を、基材として、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート製剥離性シート(セラピールMF:東レフィルム加工株式会社製)に、乾燥後の厚さが25μmになるように塗工し、100℃で2分間熱風乾燥することで粘着剤層を形成した。次いで、この粘着剤層に、光学部材として、ポリビニルアルコール(PVA)系偏光子の両面をトリアセチルセルロース系フィルム(以下、「TACフィルム」という)で挟んだ積層構造の偏光板(HLC2−5618:SANRITZ製)の片面を貼り合せ、次いで、温度35℃相対湿度55%の条件で1週間熟成させて「剥離フィルム/粘着剤層/TACフィルム/PVA/TACフィルム」という構成の偏光板粘着シートを得た。
(実施例2〜36、比較例1〜20)
表3及び表4の配合比率に従って、実施例1と同様にして粘着剤を得た。更に実施例1と同様に行うことで積層体を得た。また、使用した粘着付与剤を表5に記載した。得られた偏光板粘着シートを以下の方法で評価した。
ただし、実施例1〜8、13〜36は参考例である。
(1)耐熱性および耐湿熱性評価
得られた偏光板粘着シートを幅160mm、縦120mmの大きさに準備した。次いで剥離性シートを剥がして無アルカリガラス板(1737:コーニング社製)に、ラミネータ(VA−770A:大成ラミネーター株式会社)を用いて貼着し液晶セル用部材を得た。続いて、この偏光板粘着シートが貼り付けられた前記ガラス板を50℃、5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持して各部材を密着させることで測定試料を得た。前記測定試料を、高温雰囲気での耐性評価として耐熱性を評価した。すなわち測定試料を85℃で500時間放置した後に発泡、浮き、剥がれの有無を目視で観察した。また、前記測定試料を、高温高湿雰囲気での耐性評価として耐湿熱性を評価した。すなわち測定試料を60℃、相対湿度95%で500時間放置した後に発泡、浮き、剥がれの有無を目視で観察した。耐熱性、および耐湿熱性は、以下の基準に基づいて評価した。
◎:「発泡、浮き、剥がれが全く認められず、良好である」
○:「0.5mm以下の発泡、浮き、剥がれのいずれかが認められるが、実用上問題がない」
×:「全面的に発泡、浮き、剥がれがあり、使用できない」
(2)光漏れ性評価
得られた偏光板粘着シートを幅160mm、縦120mmの大きさに2枚準備した。次いで剥離性シートを剥がして無アルカリガラス板の両面に2枚の偏光板粘着シートをその偏光板の吸収軸が直交するようにラミネータを用いて貼着し液晶セル用部材を得た。続いて、前記圧着物を50℃、5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させて各部材を密着させることで測定試料を得た。前記測定試料を、85℃で500時間放置した後、偏光板に光を透過させたときの光漏れを目視で観察した。光漏れ性は、以下の基準に基づいて評価した。
◎:「白抜けが無く、良好である」
○:「わずかに白抜けが有るが、実用上問題がない」
×:「全面的に白抜けがあり、使用できない」
(3)再剥離性評価
得られた偏光板粘着シートを幅160mm、縦120mmの大きさに準備した。次いで剥離性シートを剥がして無アルカリガラス板にラミネータを用いて貼り付けた。続いて、50℃、5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させて各部材を密着させることで測定試料を得た。前記測定試料を、85℃で3時間放置した後に、23℃、相対湿度50%の環境下で、引張試験機を用いて、180°方向に300mm/分の速度で引っ張る、剥離試験を行った。次いで、剥離後のガラス表面の曇りを目視で観察し、以下の基準に基づいて評価した。
○:「糊残り、曇りが認められず、良好である」
×:「糊残り、曇りが認められ、実用不可である」
(4)粘着力評価
得られた偏光板粘着シートを幅25mm、縦100mmの大きさに準備した。次いで剥離性シートを剥がして無アルカリガラス板にラミネータを用いて貼り付けた。続いて、50℃、5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させて各部材を密着させることで測定試料を得た。前記測定試料を、23℃で1日放置した後に、23℃、相対湿度50%の環境下で、引張試験機(オリエンテック社製「テンシロン」)を用いて、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で粘着力を測定した(貼合せ1日後の粘着力測定)。また、前記測定試料を、23℃で14日放置した後に、同様の方法で粘着力を測定した(貼合せ14日後の粘着力測定)。
表6および表7の結果から実施例1〜38に示すように本発明の粘着剤は、高温雰囲気および高温高湿雰囲気での耐久性、応力緩和性、ならびに再剥離性が優れている。一方、比較例1〜20は、前記特性を全て満たすことはできなかった。
Figure 0006600954
Figure 0006600954
Figure 0006600954
Figure 0006600954
Figure 0006600954
Figure 0006600954
Figure 0006600954

Claims (10)

  1. アクリル系重合体(A)、粘着付与剤(B)および架橋剤(C)を含んでなる粘着剤であって、前記アクリル系重合体(A)が、カルボキシル基含有単量体を0.1〜20重量%含有する単量体を重合してなる、重量平均分子量50万〜200万の重合体であり、
    前記粘着付与剤(B)が、酸価〜200mgKOH/g、軟化点75〜160℃であり、分子内に少なくとも一つの芳香環を有するロジン系化合物(ただし、水酸基とロジン骨格を有する化合物は除く)を含み、
    前記アクリル系重合体(A)100重量部に対して、前記粘着付与剤(B)の含有量は、10〜30重量部であって、
    前記架橋剤(C)が、ポリイソシアネート化合物を含むことを特徴とする再剥離性粘着剤。
  2. アクリル系重合体(A)100重量部に対して、架橋剤(C)が5重量部を超えて30重量部以下含有してなることを特徴とする請求項1記載の再剥離性粘着剤。
  3. 架橋剤(C)が、芳香脂肪族系ポリイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1または2いずれか記載の再剥離性粘着剤。
  4. さらに、金属キレート化合物(D)を含有してなることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の再剥離性粘着剤。
  5. 基材と、請求項1〜いずれか記載の再剥離性粘着剤から形成されてなる粘着剤層とを備えてなる粘着シート。
  6. 基材が、光学部材である請求項記載の粘着シート。
  7. 無アルカリガラス板と粘着剤層とを貼合せた際、前記ガラス板と粘着剤層との界面の粘着力が、貼合せ後、23℃で1日間経過後に2〜10N/25mmであり、23℃で14日間経過後に5〜30N/25mmであることを特徴とする請求項5または6記載の粘着シート。
  8. 偏光板と、請求項1〜いずれか記載の再剥離性粘着剤から形成されてなる粘着剤層とを備えてなる偏光板粘着シート。
  9. ガラス板と、請求項1〜いずれか記載の再剥離性粘着剤から形成されてなる粘着剤層と、光学部材とが順次積層されてなることを特徴とする液晶セル用部材。
  10. 光学部材が、偏光板であることを特徴とする請求項記載の液晶セル用部材。
JP2015057164A 2015-03-20 2015-03-20 再剥離性粘着剤およびそれを用いた粘着シート Active JP6600954B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015057164A JP6600954B2 (ja) 2015-03-20 2015-03-20 再剥離性粘着剤およびそれを用いた粘着シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015057164A JP6600954B2 (ja) 2015-03-20 2015-03-20 再剥離性粘着剤およびそれを用いた粘着シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016176001A JP2016176001A (ja) 2016-10-06
JP6600954B2 true JP6600954B2 (ja) 2019-11-06

Family

ID=57069770

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015057164A Active JP6600954B2 (ja) 2015-03-20 2015-03-20 再剥離性粘着剤およびそれを用いた粘着シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6600954B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI815939B (zh) * 2018-08-01 2023-09-21 日商綜研化學股份有限公司 膠黏劑組成物以及膠黏帶
EP3931279A4 (en) * 2019-02-26 2022-10-05 Avery Dennison Corporation PSA COMPOSITION WITH HIGH SHEAR AND PEEL PROPERTIES
WO2020250848A1 (ja) * 2019-06-12 2020-12-17 ニッタ株式会社 感温性粘着剤
JP6931732B1 (ja) * 2020-08-18 2021-09-08 グンゼ株式会社 画像表示装置用粘着シート
JP2022179180A (ja) * 2021-05-21 2022-12-02 日東電工株式会社 粘着剤組成物、粘着シート、光学積層体及び画像表示装置
JP2022179185A (ja) * 2021-05-21 2022-12-02 日東電工株式会社 粘着シート、光学積層体及び画像表示装置
JP2022179181A (ja) * 2021-05-21 2022-12-02 日東電工株式会社 粘着剤組成物、粘着シート、光学積層体及び画像表示装置
JP2022179183A (ja) * 2021-05-21 2022-12-02 日東電工株式会社 粘着シート、光学積層体及び画像表示装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3907611B2 (ja) * 2003-06-23 2007-04-18 日東電工株式会社 粘着剤組成物及び粘着製品
JP4800722B2 (ja) * 2005-09-26 2011-10-26 日東電工株式会社 光学用粘着剤組成物、光学用粘着剤層、粘着剤層付光学部材、その製造方法および画像表示装置
JP5191029B2 (ja) * 2006-05-15 2013-04-24 日東電工株式会社 光学部材用粘着剤組成物、光学部材用粘着剤層およびその製造方法、粘着剤付光学部材、ならびに画像表示装置
JP4228026B2 (ja) * 2007-02-28 2009-02-25 日東電工株式会社 バックライトシステムおよび粘着剤付光学シート
JP2009132752A (ja) * 2007-11-28 2009-06-18 Cheil Industries Inc 粘着剤組成物及び光学部材
US9309348B2 (en) * 2009-03-24 2016-04-12 Nippon Carbide Industries Co., Inc. Adhesive composition
JP2013224431A (ja) * 2013-05-20 2013-10-31 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 光学用粘着剤および光学用粘着シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016176001A (ja) 2016-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6232723B2 (ja) 粘着剤およびそれを用いた粘着シート
JP6600954B2 (ja) 再剥離性粘着剤およびそれを用いた粘着シート
JP6245032B2 (ja) 粘着剤およびそれを用いた粘着フィルム
JP2013127012A (ja) 粘着剤、粘着シートおよびディスプレイ
JP6075156B2 (ja) 再剥離性粘着剤および粘着シート
JP6304518B2 (ja) 粘着剤および粘着シート
JP7052298B2 (ja) 光学用粘着剤および光学粘着シート
JP6390661B2 (ja) 粘着剤および粘着シート
JP6679985B2 (ja) 粘着剤およびそれを用いた粘着シート
JP6938974B2 (ja) 粘着剤および粘着シート
JP2013189601A (ja) 粘着剤およびそれを用いた粘着フィルム
JP6330792B2 (ja) 粘着剤およびそれを用いた粘着シート
JP6631022B2 (ja) 粘着剤およびそれを用いた粘着シート
JP2012057116A (ja) 粘着剤及びそれを用いた粘着フィルム
JP2014028983A (ja) 粘着剤、粘着シートおよびディスプレイ
JP6915291B2 (ja) 表面保護用粘着剤および表面保護シート
JP7331673B2 (ja) 粘着剤組成物、および粘着シート
KR101462412B1 (ko) 점착제, 점착 시트 및 디스플레이
JP6330776B2 (ja) 粘着剤およびそれを用いた粘着シート
JP2018150536A (ja) 粘着剤およびそれを用いた粘着シート
JP2016135892A (ja) 粘着剤、粘着シートおよびディスプレイ
JP2018135524A (ja) 粘着剤およびそれを用いた粘着シート
JP2024016815A (ja) フレキシブルディスプレイ用積層体、ならびにフレキシブルディスプレイ
TW202413095A (zh) 可撓性顯示器用積層體和可撓性顯示器
JP2022097806A (ja) 粘着剤、粘着シートおよび光学粘着シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180115

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20180314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180314

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190702

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190808

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190910

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190923

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6600954

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350