近年、パソコン等の画像処理器、複写機等の高性能化に伴って、有価証券等の貴重性の高い印刷物の複製等による偽造が急増してきている。
従来から、偽造又は複写の防止を要する有価証券等の貴重性の高い印刷物においては、その模様を表現する手段として、一般的な印刷物に多く用いられている網点よりは、むしろ、線画が多く用いられている。線画としては、万線状の地紋模様や、彩紋模様、銅版画にみられる凹版画線等がある。線画が貴重印刷物に多く用いられる理由は、線画によって表現された印刷物は、網点によって表現された印刷物と比べて、偽造が困難であり、また、その真正印刷物と偽造印刷物とを比べたときに真偽判別が容易な点にある。
一方、線画によって模様を表現する場合は、線の構成のみの模様の形状に加えて、濃淡、明暗などの調子をうまく表現しないと、網点印刷に比べて単調な印刷物となってしまうため、画線の幅、破線、点線等の線の形状を組み合わせて構成することが重要となる。
高精細な線画によって表現された印刷物の場合、真正印刷物と違和感のない偽造印刷物を得るためには、画線の品質を忠実に再現しなければならず、前述のような手法によって得られる複写印刷物や偽造印刷物においては、画線を走査線又は網点によって表現することになるため、高品質な画線を再現することは極めて困難である。
また、真正印刷物と偽造印刷物との真偽判別は、画線の品質を確認することによって行うこととなるが、前述のとおり真正印刷物の忠実な画線の再現は困難であることから、印刷分野の者だけでなく、一般人であっても、偽造印刷物の画線の違和感を一見して確認することができる。以上が、貴重印刷物に線画が用いられている所以である。
複製等による偽造対策としては、シートに印刷する線の一部を拡大すると視認可能で、通常状態では単に線として視認される程度の大きさの文字(以下「微小文字」という。)で構成された印刷物がある(例えば、特許文献1参照)。
微小文字を施した印刷物の場合、複写機で複製すると解像度の関係で、微小文字が潰れて再現できない点を利用しており、当該部分をルーペ等で拡大して観察し、真偽判別を行うものである。
また、微小文字で構成された箇所を事前情報として持たない一般人でも、印刷物中の微小文字の箇所が容易に推定できるよう、目視で画像として判読可能な大きさの文字から、複写機で複製されない微小文字まで、連続的に、又は段階的に変化させた文字等のパターンが印刷されている印刷物もある(例えば、特許文献2参照)。
また、複数の画線によって形成された模様が印刷基材上に印刷されており、複数の画線の一部は文字の大きさが変化する文字列と破線又は点線で構成されている印刷物もある(例えば、特許文献3参照)。
さらに、印刷基材上の少なくとも一部に帯状に連なる彩紋模様が施された印刷物において、彩紋模様の少なくとも一部が文字によって形成され、その文字は200μm〜1,000μmの大きさで成り、また、彩紋模様の同一基本軸線上に設けられた文字の画線構成と彩紋模様の画線構成が近似している印刷物もある(例えば、特許文献4参照)。
上記について詳細に示すと、図1に示されたように基材1´上に印刷模様2´の少なくとも一部に複数の画線3a´から成る画線群3a´と、複数の微小文字3b1´から成る微小文字群3b1´は、画線群3a´ の同一基本軸線上の一部に設けられた微小文字群3b1´と画線群3a´の全ての画線が交互に配置されている。また、画線群3a´と微小文字群3b1´の画線幅(すなわち、画線の長手方向と直交する長さ)については、特に限定されるものではない。交互に配置されたピッチについては、画線面積率に応じて所定のピッチで規則的に配置されている。
また、画線群3a´の帯彩紋は彩紋が規則的に集合し、結合されたものであるため、帯彩紋の構造には周期性がある。図1に示されたように、微小文字も一文字「A」、「B」、「C」、「D」それぞれを一周期と捉えて、帯彩紋の一周期の面積S1´と一文字の一周期の面積S2´の面積をそれぞれ同等にさせることにより、画線群3a´ の同一基本軸線上の一部に設けられた微小文字群3b1´は、目視で視認されたとき、画線群3a´の帯彩紋と微小文字群3b1´は同一の濃度に視認され、微小文字が文字として視認し難くなり、画線群3a´の帯彩紋と微小文字群3b1´が、馴染む(すなわち、画線と文字等が違和感なく溶け合っているように視認されること。)状態となる。微小文字群3b1´をルーペ等(拡大鏡)で拡大したとき、初めて文字として視認されることから、その存在自体を確認することが非常に困難であり、偽造防止技術自体が施されていることにも気づかれず、偽造防止効果が高く、特に鑑定要素としての効果がある。
貴重印刷物の線画の一種である凹版画線について図2で示される。図2(a)に示された基材1´上に印刷模様2´の少なくとも一部に複数の画線3a´から成る画線群3a´と、複数の画線3b2´から成る画線群3b2´は、任意の角度A1´と同角に配置された画線群3a´と、任意の角度A1´と同角に配置された画線群3b2´が交互に配置されている。また、画線群3a´と画線群3b2´の画線幅については、特に限定されるものではないが、画線群3a´と画線群3b2´が交わらない画線幅が好ましい。画線群3b2´の画線の長さ(すなわち、画線の長手方向の長さ)についても、特に限定されるものではないが、画線群3b2´同士が交わらない画線の長さが好ましい。画線群3a´と画線群3b2´のピッチについては、画線面積率に応じて所定のピッチで規則的に配置されている。
図2(b)に示された基材1´上に印刷模様2´の少なくとも一部に複数の画線3c´から成る画線群3c´と、複数の画線3b2´から成る画線群3b2´は、任意の角度A1´と異なる角度に配置された画線群3c´と、任意の角度A1´と同角に配置された画線群3b2´が交互に配置されている。また、画線群3c´と画線群3b2´の画線幅については、特に限定されるものではないが、画線群3c´と画線群3b2´が交わらず、画線群3b2´同士が交わらない画線幅が好ましい。画線群3b2´の画線の長さについても、特に限定されるものではないが、画線群3c´と画線群3b2´が交わらない画線の長さが好ましい。画線群3c´と画線群3b2´のピッチについては、画線面積率に応じて所定のピッチで規則的に配置されている。
図2に示された図柄にあるモティーフ(人物、風景、物体、模様等)の表現域を広げるに当たり印刷模様2´の相対的な濃度を上げるため、画線群3a´、画線群3b2´及び画線群3c´の画線幅を大きく(太く)させることができるが、大きく(太く)させ過ぎると凹版インキが保持されずに流れ出る原因になるため、ある程度までしか画線幅を大きく(太く)させることはできない。印刷模様2´の相対的な濃度を上げることは、図3において説明をする。
図3(a)に示された凹版画線は、図2(a)に示された凹版画線に印刷模様2´の相対的な濃度を上げるために加えた画線群3c´の画線構成となっている。図3(a)に示された基材1´上に印刷模様2´の少なくとも一部に複数の画線3a´から成る画線群3a´、複数の画線3b2´から成る画線群3b2´及び複数の画線3c´から成る画線群3c´は、任意の角度A1´と同角に配置された画線群3a´と、任意の角度A1´と同角に配置された画線群3b2´が交互に配置され、任意の角度A1´と異なる角度に画線群3c´が配置されている。
また、画線群3a´、画線群3b2´及び画線群3c´の画線幅については、特に限定されるものではないが、画線群3a´、画線群3b2´及び画線群3c´がそれぞれ交わらない画線幅が好ましい。さらに、画線群3c´の画線幅は、画線群3a´よりも小さく(細く)及び/又は画線群3a´と同じにさせている。画線群3b2´の画線の長さについても、特に限定されるものではないが、画線群3b2´と画線群3c´が交わらない画線の長さが好ましい。画線群3a´、画線群3b2´及び画線群3c´のピッチについては、画線面積率に応じて所定のピッチで規則的に配置されている。画線群3c´が印刷模様2´の相対的な濃度を上げるための画線となっている。
図3(b)に示された凹版画線は、図2(b)に示された凹版画線に印刷模様2´の相対的な濃度を上げるために加えた画線群3a´の画線構成となっている。図3(b)に示された基材1´上に印刷模様2´の少なくとも一部に複数の画線3c´から成る画線群3c´、複数の画線3b2´から成る画線群3b2´及び複数の画線3a´から成る画線群3a´は、任意の角度A1´と異なる角度に配置された画線群3c´と、任意の角度A1´と同角に配置された画線群3b2´が交互に配置され、任意の角度A1´と同角に画線群3a´が配置されている。
また、画線群3c´、画線群3b2´及び画線群3a´の画線幅については、特に限定されるものではないが、画線群3c´、画線群3b2´及び画線群3a´がそれぞれ交わらない画線幅が好ましい。さらに、画線群3a´の画線幅は、画線群3c´よりも小さく(細く)及び/又は画線群3c´と同じにさせている。画線群3b2´の画線の長さについても、特に限定されるものではないが、画線群3b2´と画線群3c´が交わらない画線の長さが好ましい。画線群3c´、画線群3b2´及び画線群3a´のピッチについては、画線面積率に応じて所定のピッチで規則的に配置されている。画線群3a´が印刷模様2´の相対的な濃度を上げるための画線となっている。
図4(a)に示された凹版画線は、凹版画線に微小文字を従来どおりの方法(図1で示された方法)で入れたものを示している。図4(a)に示された基材1´上に印刷模様2´の少なくとも一部に複数の画線3a´から成る画線群3a´、複数の微小文字3b1´から成る微小文字群3b1´及び複数の画線3b2´から成る画線群3b2´は、任意の角度A1´と同角に配置された画線群3a´と、90度の角度A2´と同角に配置された微小文字群3b1´が左右交互に配置されている約右半分の部分と、任意の角度A1´と同角に配置された画線群3a´と、任意の角度A1´と同角に配置された画線群3b2´が左右交互に配置されている約左半分の部分の両方が配置されている。
すなわち、図2(a)に示された画線群3b2´の一部を微小文字群3b1´に置き換えたことが示されている。微小文字群3b1´が成しているそれぞれの90度の角度A2´と、画線群3b2´が成しているそれぞれの任意の角度A1´は、異なる角度にさせている。それぞれの90度の角度A2´とそれぞれの任意の角度A1´を異なる角度にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1´と、画線を成している画線群3b2´は、違和感があり馴染んでいないように視認される。また、微小文字群3b1´が成しているそれぞれの面積と、画線群3b2´が成しているそれぞれの面積は、同等にさせている。それぞれの面積を同等にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1´と、画線を成している画線群3b2´は、同等の濃度に視認され、微小文字が文字として視認し難くなる。
さらに、画線群3a´、微小文字群3b1´及び画線群3b2´の画線幅については、特に限定されるものではないが、画線群3a´、微小文字群3b1´及び画線群3b2´が交わらない画線幅が好ましい。微小文字群3b1´と画線群3b2´の画線の長さについても、特に限定されるものではないが、画線群3a´と微小文字群3b1´が交わらず、画線群3b2´同士が交わらない画線の長さが好ましい。画線群3a´、微小文字群3b1´及び画線群3b2´のピッチについては、画線面積率に応じて所定のピッチで規則的に配置されている。すなわち、微小文字群3b1´と画線群3b2´の面積は同等のため、濃度は同等に視認され、微小文字が文字として視認し難くなり、微小文字群3b1´と画線群3b2´の角度が異なるため、違和感があり馴染んでいないように視認される。
図4(b)に示された凹版画線は、凹版画線に微小文字を従来どおりの方法(図1で示された方法)で入れたものを示している。図4(b)に示された基材1´上に印刷模様2´の少なくとも一部に複数の画線3c´から成る画線群3c´、複数の微小文字3b1´ から成る微小文字群3b1´及び複数の画線3b2´から成る画線群3b2´は、任意の角度A1´と異なる角度に配置された画線群3c´と、90度の角度A2´と同角に配置された微小文字群3b1´が上下交互に配置されている約右半分の部分と、任意の角度A1´と異なる角度に配置された画線群3c´と、任意の角度A1´と同角に配置された画線群3b2´が上下交互に配置されている約左半分の部分の両方が配置されている。
すなわち、図2(b)に示された画線群3b2´の一部を微小文字群3b1´に置き換えたことが示されている。微小文字群3b1´が成しているそれぞれの90度の角度A2´と、画線群3b2´が成しているそれぞれの任意の角度A1´は、異なる角度にさせている。それぞれの90度の角度A2´とそれぞれの任意の角度A1´を異なる角度にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1´と、画線を成している画線群3b2´は、違和感があり馴染んでいないように視認される。また、微小文字群3b1´が成しているそれぞれの面積と、画線群3b2´が成しているそれぞれの面積は、同等にさせている。それぞれの面積を同等にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1´と、画線を成している画線群3b2´は、同等の濃度に視認され、微小文字が文字として視認し難くなる。
さらに、画線群3c´、微小文字群3b1´及び画線群3b2´の画線幅については、特に限定されるものではないが、画線群3c´、微小文字群3b1´及び画線群3b2´が交わらない画線幅が好ましい。微小文字群3b1´と画線群3b2´の画線の長さについても、特に限定されるものではないが、画線群3c´と微小文字群3b1´が交わらず、画線群3c´と画線群3b2´が交わらない画線の長さが好ましい。画線群3c´、微小文字群3b1´及び画線群3b2´のピッチについては、画線面積率に応じて所定のピッチで規則的に配置されている。すなわち、微小文字群3b1´と画線群3b2´の面積は同等のため、濃度は同等に視認され、微小文字が文字として視認し難くなり、微小文字群3b1´と画線群3b2´の角度が異なるため、違和感があり馴染んでいないように視認される。
図5(a)に示された凹版画線は、図4(a)に示された凹版画線に印刷模様2´の相対的な濃度を上げるために加えた画線群3c´の画線構成となっている。図5(a)に示された凹版画線は、凹版画線に微小文字を従来どおりの方法(図1で示された方法)で入れたものを示している。図5(a)に示した基材1´上に印刷模様2´の少なくとも一部に複数の画線3a´から成る画線群3a´、複数の微小文字3b1´から成る微小文字群3b1´、複数の画線3b2´から成る画線群3b2´及び複数の画線3c´から成る画線群3c´は、任意の角度A1´と同角に配置された画線群3a´と、90度の角度A2´と同角に配置された微小文字群3b1´が左右交互に配置されている約右半分の部分と、任意の角度A1´と同角に配置された画線群3a´と、任意の角度A1´と同角に配置された画線群3b2´が左右交互に配置されている約左半分の部分の両方が配置され、任意の角度A1´と異なる角度に画線群3c´が配置されている。
すなわち、図3(a)に示された画線群3b2´の一部を微小文字群3b1´に置き換えたことが示されている。微小文字群3b1´が成しているそれぞれの90度の角度A2´と、画線群3b2´が成しているそれぞれの任意の角度A1´は、異なる角度にさせている。それぞれの90度の角度A2´とそれぞれの任意の角度A1´を異なる角度にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1´と、画線を成している画線群3b2´は、違和感があり馴染んでいないように視認される。また、微小文字群3b1´が成しているそれぞれの面積と、画線群3b2´が成しているそれぞれの面積は、同等にさせている。それぞれの面積を同等にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1´と、画線を成している画線群3b2´は、同等の濃度に視認され、微小文字が文字として視認し難くなる。
また、画線群3a´、微小文字群3b1´、画線群3b2´及び画線群3c´の画線幅については、特に限定されるものではないが、画線群3a´、微小文字群3b1´、画線群3b2´及び画線群3c´が交わらない画線幅が好ましい。さらに、画線群3c´の画線幅は、画線群3a´よりも小さく(細く)及び/又は画線群3a´と同等にさせている。微小文字群3b1´と画線群3b2´の画線の長さについても、特に限定されるものではないが、微小文字群3b1´と画線群3c´が交わらず、画線群3b2´と画線群3c´が交わらない画線の長さが好ましい。画線群3a´、微小文字群3b1´、画線群3b2´及び画線群3c´のピッチについては、画線面積率に応じて所定のピッチで規則的に配置されている。すなわち、微小文字群3b1´と画線群3b2´の面積は同等のため、濃度は同等に視認され、微小文字が文字として視認し難くなり、微小文字群3b1´と画線群3b2´の角度が異なるため、違和感があり馴染んでいないように視認される。
図5(b)に示された凹版画線は、図4(b)に示された凹版画線に印刷模様2´の相対的な濃度を上げるために加えた画線群3a´の画線構成となっている。図5(b)に示された凹版画線は、凹版画線に微小文字を従来どおりの方法(図1で示された方法)で入れたものを示している。図5(b)に示された基材1´上に印刷模様2´の少なくとも一部に複数の画線3c´から成る画線群3c´、複数の微小文字3b1´から成る微小文字群3b1´、複数の画線3b2´から成る画線群3b2´及び複数の画線3a´から成る画線群3a´は、任意の角度A1´と異なる角度に配置された画線群3c´と、90度の角度A2´と同角に配置された微小文字群3b1´が上下交互に配置されている約右半分の部分と、任意の角度A1´と異なる角度に配置された画線群3c´と、任意の角度A1´と同角に配置された画線群3b2´が上下交互に配置されている約左半分の部分の両方が配置され、任意の角度A1´と同角に画線群3a´が配置されている。
すなわち、図3(b)に示された画線群3b2´の一部を微小文字群3b1´に置き換えたことが示されている。微小文字群3b1´が成しているそれぞれの90度の角度A2´と、画線群3b2´が成しているそれぞれの任意の角度A1´は、異なる角度にさせている。それぞれの90度の角度A2´とそれぞれの任意の角度A1´を異なる角度にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1´と、画線を成している画線群3b2´は、違和感があり馴染んでいないように視認される。また、微小文字群3b1´が成しているそれぞれの面積と、画線群3b2´が成しているそれぞれの面積は、同等にさせている。それぞれの面積を同等にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1´と、画線を成している画線群3b2´は、同等の濃度に視認され、微小文字が文字として視認し難くなる。
また、画線群3c´、微小文字群3b1´、画線群3b2´及び画線群3a´の画線幅については、特に限定されるものではないが、画線群3c´、微小文字群3b1´、画線群3b2´及び画線群3a´が交わらない画線幅が好ましい。さらに、画線群3a´の画線幅は、画線群3c´よりも小さく(細く)及び/又は画線群3c´と同等にさせている。微小文字群3b1´と画線群3b2´の画線の長さについても、特に限定されるものではないが、画線群3c´と微小文字群3b1´が交わらず、画線群3c´と画線群3b2´が交わらない画線の長さが好ましい。画線群3c´、微小文字群3b1´、画線群3b2´及び画線群3a´のピッチについては、画線面積率に応じて所定のピッチで規則的に配置されている。すなわち、微小文字群3b1´と画線群3b2´の面積は同等のため、濃度は同等に視認され、微小文字が文字として視認し難くなり、微小文字群3b1´と画線群3b2´の角度が異なるため、違和感があり馴染んでいないように視認される。
図2から図5までに示された凹版画線については、基本的な構成であり、本実施例では、図2(a)、図3(a)、図4(a)及び図5(a)に示された画線群3a´は、任意の角度A1´と同角に配置されていると示されているが、画線群3b2´と交わらず、また、重ならなければ、任意の角度A1´と同角を限定するものではない。また、本実施例では、図3(b)及び図5(b)に示された画線群3a´は、任意の角度A1´と同角に配置されていると示されているが、画線群3b2´と交わらず、また、重ならなければ、任意の角度A1´と同角を限定するものではない。さらに、本実施例では、図2から図5までに示された画線が右斜めの任意の角度A1´で示されているが、角度さえ成せば、左斜めなどのように角度を限定するものではない。これら基本的な凹版画線の構成については、本発明を理解する上で重要なものである。
図2から図5までに示された凹版画線の微小文字、画線幅及びピッチについては、微小文字が100μm〜1,000μmの範囲が好ましく、また、画線幅は20μm〜100μmの範囲が好ましく、さらに、ピッチについては、150μm〜500μmの範囲が好ましい。
図2から図5までに示された凹版画線の階調は、階調が無い状態で表現されているが、画線群3a´と画線群3c´の画線を点や破線の長さを変化させることにより、階調を示させることもできる。
(実施の形態1)
図6は、基材1と印刷模様2に対しての垂直方向Y1、Y2と水平方向X1、X2の関係性が示されている。図6(a)に示されたように基材1上に、印刷模様2を有し、印刷模様2の少なくとも一部に複数の第1の画線3b2から成る第1の画線群3b2と、複数の微小文字から成る微小文字群3b1を有する微小文字を備えた印刷物において、第1の画線群3b2は、第1の画線3b2が基材1の垂直方向Y1又は水平方向X1に対して、ほぼ40〜85度又はほぼ95〜140度の第1の方向に沿って、第1のピッチで複数配置して形成され、微小文字群3b1は、微小文字が斜体文字であり、かつ、第1の方向と同一方向に複数配置して形成される第1の微小文字群3b1が第1のピッチと同一ピッチで複数配置され、第1の画線3b2の間、第1の微小文字群3b1と第1の微小文字群3b1の間、第1の画線3b2と第1の微小文字群3b1の間に、第2の画線3aが第1の方向と同一方向に、第1のピッチと同一ピッチで複数配置されることを特徴とする微小文字を備えた印刷物である。
図6(b)に示されたように基材1上に、印刷模様2を有し、印刷模様2の少なくとも一部に複数の第1の画線3b2から成る第1の画線群3b2と、複数の微小文字から成る微小文字群3b1を有する微小文字を備えた印刷物において、第1の画線群3b2は、第1の画線3b2が印刷模様2の垂直方向Y2又は水平方向X2に対して、ほぼ40〜85度又はほぼ95〜140度の第1の方向に沿って、第1のピッチで複数配置して形成され、微小文字群3b1は、微小文字が斜体文字であり、かつ、第1の方向と同一方向に複数配置して形成される第1の微小文字群3b1が第1のピッチと同一ピッチで複数配置され、第1の画線3b2の間、第1の微小文字群3b1と第1の微小文字群3b1の間、第1の画線3b2と第1の微小文字群3b1の間に、第2の画線3aが第1の方向と同一方向に、第1のピッチと同一ピッチで複数配置されることを特徴とする微小文字を備えた印刷物である。
また、図6(a)及び図6(b)に示された任意の角度A1は、基材1の垂直方向Y1又は水平方向X1に対して、あるいは、印刷模様2の垂直方向Y2又は水平方向X2に対して、ほぼ40〜85度又はほぼ95〜140度の範囲で示されている。また、角度A2は、90度が示されている。さらに、図7以降の図の説明については、全て図6(a)及び図6(b)で説明された基材1と印刷模様2に対しての垂直方向Y1、Y2と水平方向X1、X2の関係性についてのことが適応されるが、本実施例では基材1の垂直方向Y1又は水平方向X1に対してのことが示されている。
図7(a)に示された凹版画線は、図2(a)に示された凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませた凹版画線が示されている。図7(a)に示された基材1上に印刷模様2の少なくとも一部に複数の画線3aから成る画線群3a、複数の微小文字3b1から成る微小文字群3b1及び複数の画線3b2から成る画線群3b2は、任意の角度A1と同角に配置された画線群3aと、任意の角度A1と同角に配置された微小文字群3b1が左右交互に配置されている約右半分の部分と、任意の角度A1と同角に配置された画線群3aと、任意の角度A1と同角に配置された画線群3b2が左右交互に配置されている約左半分の部分の両方が配置されている。
すなわち、図2(a)に示された画線群3b2´の一部を微小文字群3b1に置き換えたことが示されている。微小文字群3b1が成しているそれぞれの任意の角度A1と、画線群3b2が成しているそれぞれの任意の角度A1は、同角にさせている。それぞれの任意の角度A1を同角にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1と、画線を成している画線群3b2は、違和感なく馴染んでいるように視認される。また、微小文字群3b1が成しているそれぞれの面積と、画線群3b2が成しているそれぞれの面積は、同等にさせている。それぞれの面積を同等にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1と、画線を成している画線群3b2は、同等の濃度に視認され、微小文字が文字として視認し難くなる。
さらに、画線群3a、微小文字群3b1及び画線群3b2の画線幅については、特に限定されるものではないが、画線群3a、微小文字群3b1及び画線群3b2が交わらない画線幅が好ましい。微小文字群3b1と画線群3b2の画線の長さについても、特に限定されるものではないが、微小文字群3b1同士が交わらず、画線群3b2同士が交わらない画線の長さが好ましい。画線群3a、微小文字群3b1及び画線群3b2のピッチについては、画線面積率に応じて所定のピッチで規則的に配置されている。すなわち、微小文字群3b1と画線群3b2の面積は同等のため、濃度は同等に視認され、微小文字が文字として視認し難くなり、微小文字群3b1と画線群3b2の角度が同角のため、違和感なく馴染んでいるように視認され、図2(a)に示された凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませることができている。また、図7(a)に示された凹版画線と図4(a)に示された凹版画線を比較すれば一目瞭然であるが、図2(a)に示された凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませているのは、図7(a)に示された凹版画線である。
「違和感なく馴染んでいる」とは、人間は、普段の生活圏の中で部屋の天井などの水平や、部屋の柱などの垂直を常に意識せず認知しているため、水平線や垂直線に対しての認知度は低く、意識せず無視しがちである。反対に、普段の生活圏の中で希少な斜線である、例えば、ピサの斜塔等については、不安定さや珍しさ、注意喚起から認知度は高く、意識して無視できない目立つ物として認知している。本発明は、凹版画線のような任意な角度(斜線)を持った画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませるものであり、認知度が高い斜線を持つ物と人間の認知度が低い垂直線を持つ物がある場合は、認知度が高い斜線が目立つことから斜線と隣接する同角な斜線を持つ物と、斜線と隣接する異なる角度の垂直線を持つ物を比較すると、斜線と同角である斜線を持つ物は、斜線と溶け合って方向性があり違和感なく馴染んでいると視認される。
図7(b)に示された凹版画線は、図2(b)に示された凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませた凹版画線が示されている。図7(b)に示された基材1上に印刷模様2の少なくとも一部に複数の画線3cから成る画線群3c、複数の微小文字3b1から成る微小文字群3b1及び複数の画線3b2から成る画線群3b2は、任意の角度A1と異なる角度に配置された画線群3cと、任意の角度A1と同角に配置された微小文字群3b1が上下交互に配置されている約右半分の部分と、任意の角度A1と異なる角度に配置された画線群3cと、任意の角度A1と同角に配置された画線群3b2が上下交互に配置されている約左半分の部分の両方が配置されている。
すなわち、図2(b)に示された画線群3b2´の一部を微小文字群3b1に置き換えたことが示されている。微小文字群3b1が成しているそれぞれの任意の角度A1と、画線群3b2が成しているそれぞれの任意の角度A1は、同角にさせている。それぞれの任意の角度A1を同角にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1と、画線を成している画線群3b2は、違和感なく馴染んでいるように視認される。また、微小文字群3b1が成しているそれぞれの面積と、画線群3b2が成しているそれぞれの面積は、同等にさせている。それぞれの面積を同等にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1と、画線を成している画線群3b2は、同等の濃度に視認され、微小文字が文字として視認し難くなる。
さらに、画線群3c、微小文字群3b1及び画線群3b2の画線幅については、特に限定されるものではないが、画線群3c、微小文字群3b1及び画線群3b2が交わらない画線幅が好ましい。微小文字群3b1と画線群3b2の画線の長さについても、特に限定されるものではないが、画線群3cと微小文字群3b1が交わらず、画線群3cと画線群3b2が交わらない画線の長さが好ましい。画線群3c、微小文字群3b1及び画線群3b2のピッチについては、画線面積率に応じて所定のピッチで規則的に配置されている。すなわち、微小文字群3b1と画線群3b2の面積は同等のため、濃度は同等に視認され、微小文字が文字として視認し難くなり、微小文字群3b1と画線群3b2の角度が同角のため、違和感なく馴染んでいるように視認され、図2(b)に示された凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませることができている。また、図7(b)に示された凹版画線と図4(b)に示された凹版画線を比較すれば一目瞭然であるが、図2(b)に示された凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませているのは、図7(b)に示された凹版画線である。
図8(a)に示された凹版画線は、図7(a)に示された凹版画線に印刷模様2の相対的な濃度を上げるために加えた画線群3cの画線構成となっている。図8(a)に示された凹版画線は、図3(a)に示された凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませた凹版画線が示されている。図8(a)に示された基材1上に印刷模様2の少なくとも一部に複数の画線3aから成る画線群3a、複数の微小文字3b1から成る微小文字群3b1、複数の画線3b2から成る画線群3b2及び複数の画線3cから成る画線群3cは、任意の角度A1と同角に配置された画線群3aと、任意の角度A1と同角に配置された微小文字群3b1が左右交互に配置されている約右半分の部分と、任意の角度A1と同角に配置された画線群3aと、任意の角度A1と同角に配置された画線群3b2が左右交互に配置されている約左半分の部分の両方が配置され、任意の角度A1と異なる角度に画線群3cが配置されている。
すなわち、図3(a)に示された画線群3b2´の一部を微小文字群3b1に置き換えたことが示されている。微小文字群3b1が成しているそれぞれの任意の角度A1と、画線群3b2が成しているそれぞれの任意の角度A1は、同角にさせている。それぞれの任意の角度A1を同角にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1と、画線を成している画線群3b2は、違和感なく馴染んでいるように視認される。また、微小文字群3b1が成しているそれぞれの面積と、画線群3b2が成しているそれぞれの面積は、同等にさせている。それぞれの面積を同等にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1と、画線を成している画線群3b2は、同等の濃度に視認され、微小文字が文字として視認し難くなる。
また、画線群3a、微小文字群3b1、画線群3b2及び画線群3cの画線幅については、特に限定されるものではないが、画線群3a、微小文字群3b1、画線群3b2及び画線群3cが交わらない画線幅が好ましい。さらに、画線群3cの画線幅は、画線群3aよりも小さく(細く)及び/又は画線群3aと同等にさせている。微小文字群3b1と画線群3b2の画線の長さについても、特に限定されるものではないが、微小文字群3b1と画線群3cが交わらず、画線群3b2と画線群3cが交わらない画線の長さが好ましい。画線群3a、微小文字群3b1、画線群3b2及び画線群3cのピッチについては、画線面積率に応じて所定のピッチで規則的に配置されている。すなわち、微小文字群3b1と画線群3b2の面積は同等のため、濃度は同等に視認され、微小文字が文字として視認し難くなり、微小文字群3b1と画線群3b2の角度が同角のため、違和感なく馴染んでいるように視認され、図3(a)に示された凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませることができている。また、図8(a)に示された凹版画線と図5(a)に示された凹版画線を比較すれば一目瞭然であるが、図3(a)に示された凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませているのは、図8(a)に示された凹版画線である。
図8(b)に示された凹版画線は、図7(b)に示された凹版画線に印刷模様2の相対的な濃度を上げるために加えた画線群3aの画線構成となっている。図8(b)に示された凹版画線は、図3(b)に示された凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませた凹版画線が示されている。図8(b)に示された基材1上に印刷模様2の少なくとも一部に複数の画線3cから成る画線群3c、複数の微小文字3b1から成る微小文字群3b1、複数の画線3b2から成る画線群3b2及び複数の画線3aから成る画線群3aは、任意の角度A1と異なる角度に配置された画線群3cと、任意の角度A1と同角に配置された微小文字群3b1が上下交互に配置されている約右半分の部分と、任意の角度A1と異なる角度に配置された画線群3cと、任意の角度A1と同角に配置された画線群3b2が上下交互に配置されている約左半分の部分の両方が配置され、任意の角度A1と同角に画線群3aが配置されている。
すなわち、図3(b)に示された画線群3b2´の一部を微小文字群3b1に置き換えたことが示されている。微小文字群3b1が成しているそれぞれの任意の角度A1と、画線群3b2が成しているそれぞれの任意の角度A1は、同角にさせている。それぞれの任意の角度A1を同角にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1と、画線を成している画線群3b2は、違和感なく馴染んでいるように視認される。また、微小文字群3b1が成しているそれぞれの面積と、画線群3b2が成しているそれぞれの面積は、同等にさせている。それぞれの面積を同等にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1と、画線を成している画線群3b2は、同等の濃度に視認され、微小文字が文字として視認し難くなる。
また、画線群3c、微小文字群3b1、画線群3b2及び画線群3aの画線幅については、特に限定されるものではないが、画線群3c、微小文字群3b1、画線群3b2及び画線群3aが交わらない画線幅が好ましい。さらに、画線群3aの画線幅は、画線群3cよりも小さく(細く)及び/又は画線群3cと同等にさせている。微小文字群3b1と画線群3b2の画線の長さについても、特に限定されるものではないが、画線群3cと微小文字群3b1が交わらず、画線群3cと画線群3b2が交わらない画線の長さが好ましい。画線群3c、微小文字群3b1、画線群3b2及び画線群3aのピッチについては、画線面積率に応じて所定のピッチで規則的に配置されている。すなわち、微小文字群3b1と画線群3b2の面積は同等のため、濃度は同等に視認され、微小文字が文字として視認し難くなり、微小文字群3b1と画線群3b2の角度が同角のため、違和感なく馴染んでいるように視認され、図3(b)に示された凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませることができている。また、図8(b)に示された凹版画線と図5(b)に示された凹版画線を比較すれば一目瞭然であるが、図3(b)に示された凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませているのは、図8(b)に示された凹版画線である。
図7及び図8に示された凹版画線については、基本的な構成であり、本実施例では、図7(a)及び図8(a)に示された画線群3aは、任意の角度A1と同角に配置されていると示されているが、微小文字群3b1と画線群3b2が交わらず、また、重ならなければ、任意の角度A1と同角を限定するものではない。また、本実施例では、図8(b)に示された画線群3aは、任意の角度A1と同角に配置されていると示されているが、微小文字群3b1と画線群3b2が交わらず、また、重ならなければ、任意の角度A1と同角を限定するものではない。さらに、本実施例では、図7及び図8に示された画線が右斜めの任意の角度A1で示されているが、角度さえ成せば、左斜めなどのように角度を限定するものではない。これら基本的な凹版画線の構成については、本発明を理解する上で重要なものである。
図7及び図8に示された凹版画線の微小文字、画線幅及びピッチについては、微小文字が100μm〜1,000μmの範囲が好ましく、また、画線幅は20μm〜100μmの範囲が好ましく、さらに、ピッチについては150μm〜500μmの範囲が好ましい。
図7及び図8に示された凹版画線の階調は、階調が無い状態で表現されているが、画線群3aと画線群3cの画線を点や破線の長さを変化させたり、画線幅を変化させることにより、階調を示させることもできる。
本実施例では、微小文字群3b1がアルファベットで示されているが、文字、数字、記号等、特に限定されるものではない。
本発明の実施形態1は、凹版画線として示されているが、画線構成と文字構成が成されていれば、凹版印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷及びプリンタなどのように印刷方式、出力方法は特に限定されるものではない。
図9は、微小文字の文字構成が示されている。図9(a)〜(d)は、本発明の文字構成が示され、図9(e)〜(h)は、従来の文字構成が示されている。図9(a)〜(h)に示されたボディサイズ4a、4a´は、幅W1、W1´を中心とする縦横の幅W2、W2´の正方形から成り、字面(じづら)4b、4b´は、ボディサイズ4a、4a´の中心に有する正方形から成る文字構成となっている。また、ボディサイズ4a、4a´が微小文字のサイズ(指定する文字の大きさ)であり、実際の微小文字の大きさである字面(じづら)4b、4b´は、ボディサイズ4a、4a´より小さくなっている。その小さくなっている字面(じづら)4b、4b´の正方形とボディサイズ4a、4a´の正方形との大きさの差は、微小文字の形状の種類により異なり一定ではない。
本発明の文字構成でアルファベットの文章(若しくは単語)を直接入力する場合に注意しなければならない点は、図9(a)〜(d)に示されたように、微小文字「B」、「F」、「M」、「N」が斜体文字になるとボディサイズ4aから微小文字「B」、「F」、「M」、「N」がはみ出してしまうので、字間を設定するときには、注意が必要である。もし、直接入力で字間の設定がない場合は、微小文字と微小文字が重なるため、十分に字間を設定し微小文字と微小文字の間を空ける必要がある。しかし、従来の文字構成でアルファベットの文章(若しくは単語)を打つ場合は、図9(e)〜(h)に示されたように、微小文字「B」、「F」、「M」、「N」が正体文字なのでボディサイズ4a´に納まり、直接入力で字間の設定がない場合でも微小文字と微小文字が重ならず字間を空けることができる。これは、ボディサイズ4a´と字面(じづら)4b´の正方形の大きさの違いから隙間ができ、字間の代わりになる。
微小文字の文字構成について、詳細な説明をする。図9(a)〜(d)に示された斜体文字の文字構成と、図10(b)、図10(c)、図11(d)及び図11(e)に示されたアルファベット「A」〜「Z」に示された斜体文字の文字構成は全て文字構成が一緒である。また、図9(e)〜(h)に示された正体文字の文字構成と、図10(a)に示されたアルファベット「A」〜「Z」に示された正体文字の文字構成は全て文字構成が一緒である。アルファベットの代表として、特徴のある文字「B」、「F」、「M」、「N」を図9で示されているが、さらに、図9(a)及び図9(e)について説明する。
図9(a)に示されたボディサイズ4aの中心を成す任意の角度A1と、文字の傾き(斜体文字)が分かる、基軸辺を成す任意の角度A3は、同角を成している。図7(a)で説明されたように、微小文字群3b1と画線群3b2の角度が任意の角度A1と同角のため、違和感なく馴染んでいるように視認され、図2(a)に示された凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませることについて説明する。
すわなち、微小文字群3b1が成す任意の角度A1と、ボディサイズ4aの中心を成す任意の角度A1と、文字の傾き(斜体文字)が分かる、基軸辺を成す任意の角度A3は、角度が同角であることが示され、微小文字群3b1が成す任意の角度A1の角度が変更されると、ボディサイズ4aの中心を成す任意の角度A1の角度も変更され、さらに、文字の傾き(斜体文字)が分かる、基軸辺を成す任意の角度A3も角度が変更される。文字の傾き(斜体文字)が分かる、基軸辺を成す任意の角度A3の角度が変更されるということは、文字自体の傾きも変わることになる。これにより、凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませることができる。
図9(e)に示されたボディサイズ4a´の中心を成す90度の角度A2´と、文字の傾き(斜体文字)が分かる、基軸辺を成す90度の角度A4´は、同角を成している。図4(a)で説明されたように、微小文字群3b1´が成す90度の角度A2´と画線群3b2´が成す任意の角度A1´の角度が異なるため、違和感があり馴染んでいないように視認される。図7(a)に示された凹版画線と図4(a)に示された凹版画線を比較すれば一目瞭然であるが、図2(a)に示された凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませているのは、図7(a)に示された凹版画線である。
すわなち、微小文字群3b1´が成す90度の角度A2´と、ボディサイズ4a´の中心を成す90度の角度A2´と、文字の傾き(斜体文字)が分かる、基軸辺を成す90度の角度A4´は、角度が同角であることが示されている。従来の文字構成でボディサイズ4a´の中心を成す90度の角度A2´は、正体文字が示されているので、90度の角度は変更されることはない。また、文字の傾き(斜体文字)が分かる、基軸辺を成す90度の角度A4´の角度も変更されることはない。凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませるために、本発明の文字構成が成り立っている。
図10及び図11は、微小文字のバリエーションが示されている。図10(a)に示された微小文字は、図4及び図5に示された微小文字群3b1´の文字と同等であり、正体文字のアルファベット「A」〜「Z」が示されている。図10(b)に示された微小文字は、図7及び図8に示された微小文字群3b1の文字と同等であり、斜体文字のアルファベット「A」〜「Z」が示されている。図10(c)に示された微小文字は、図10(b)に示された微小文字を更に斜体文字にしたアルファベット「A」〜「Z」が示されている。
図11(d)に示された微小文字は、図10(b)に示された微小文字の逆斜体文字にしたアルファベット「A」〜「Z」が示されている。図11(e)に示された微小文字は、図10(c)に示された微小文字の逆斜体文字にしたアルファベット「A」〜「Z」が示されている。図9(a)〜(d)に示された斜体文字の文字構成は、図10(b)、図10(c)、図11(d)及び図11(e)に示された斜体文字の文字構成と同等である。図9(e)〜(h)に示された斜体文字の文字構成は、図10(a)に示された斜体文字の文字構成と同等である。図11(d)及び図11(e)に示された斜体文字の文字構成を使用する場合は、図7及び図8に示された凹版画線の画線が右斜めの任意の角度A1で示されているものを逆の左斜めの任意の角度A1に示される凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませるときに使用するものである。
図10(b)、図10(c)、図11(d)及び図11(e)に示された文字は、一例で、斜体文字の角度は、任意に変更させることができる。その変更させる範囲は、90度以外とされたいところであるが、あまり斜体文字の傾斜が強くなると微小文字として認識することが困難になるので、ほぼ40度〜85度又はほぼ95度〜140度が好ましい。また、反転の文字や上下が反対の文字もその変更範囲である。ほぼ40度〜85度は、図10(b)及び図10(c)の範囲内であり、ほぼ95度〜140度は、図11(d)及び図11(e)の範囲内である。また、微小文字の大きさは、100μm〜1,000μmの範囲が好ましい。
図12は、本発明の画線構成と従来技術の画線構成の比較が示されたものである。図12(a)は、図7(a)の構成を分かりやすくするために画線の一部を変更(約右半分の部分と約左半分の部分を合成)し、拡大したものである。図12(b)は、図4(a)の構成を分かりやすくするために画線の一部を変更(約右半分の部分と約左半分の部分を合成)し、拡大したものである。図12(a)に示された本発明の画線構成である画線群3a、微小文字群3b1及び画線群3b2は、任意の角度A1と同角に配置された画線群3aと、任意の角度A1と同角に配置された微小文字群3b1の「F」と、任意の角度A1と同角に配置された微小文字群3b1の「N」が、右側から画線群3a、微小文字群3b1の「F」、画線群3a、微小文字群3b1の「N」、画線群3aの順に配置され、画線群3aに挟まれた微小文字群3b1の「F」と微小文字群3b1の「N」は、画線群3aと画線群3aの斜め中心に配置され、任意の角度A1と同角に配置された画線群3b2は、微小文字群3b1の「F」の字面(じづら)4bの斜め中心と、画線群3b2の斜め中心が合うように画線群3b2が微小文字群3b1の「F」を上下に挟むように配置され、微小文字群3b1の「N」の字面(じづら)4bの斜め中心と、画線群3b2の斜め中心が合うように画線群3b2が微小文字群3b1の「N」を上下に挟むように配置されている。微小文字群3b1の字面(じづら)4bの中心を成すそれぞれの任意の角度A1と、画線群3b2の中心を成すそれぞれの任意の角度A1は、同角にさせている。それぞれの任意の角度A1を同角にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1と、画線を成している画線群3b2は、違和感なく馴染んでいるように視認される。
また、微小文字群3b1が成しているそれぞれの面積と、画線群3b2が成しているそれぞれの面積は、同等にさせている。それぞれの面積を同等にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1と、画線を成している画線群3b2は、同等の濃度に視認され、微小文字が文字として視認し難くなる。さらに、画線群3a、微小文字群3b1及び画線群3b2の画線幅については、特に限定されるものではないが、画線群3a、微小文字群3b1及び画線群3b2が交わらない画線幅が好ましい。微小文字群3b1と画線群3b2の画線の長さについても、特に限定されるものではないが、微小文字群3b1と画線群3b2が交わらない画線の長さが好ましい。画線群3a、微小文字群3b1及び画線群3b2のピッチについては、画線面積率に応じて所定のピッチで規則的に配置されている。すなわち、微小文字群3b1と画線群3b2の面積は同等のため、濃度は同等に視認され、微小文字が文字として視認し難くなり、微小文字群3b1と画線群3b2の角度が同角のため、違和感なく馴染んでいるように視認され、図2(a)に示された凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませることができている。
図12(b)に示された従来技術の画線構成である画線群3a´、微小文字群3b1´及び画線群3b2´は、任意の角度A1´と同角に配置された画線群3a´と、90度の角度A2´と同角に配置された微小文字群3b1´の「F」と、90度の角度A2´と同角に配置された微小文字群3b1´の「N」が、右側から画線群3a´、微小文字群3b1´の「F」、画線群3a´、微小文字群3b1´の「N」、画線群3a´の順に配置され、画線群3a´に挟まれた微小文字群3b1´の「F」と微小文字群3b1´の「N」は、画線群3a´と画線群3a´の斜め中心に配置され、任意の角度A1´と同角に配置された画線群3b2´は、微小文字群3b1´の「F」の字面(じづら)4b´の垂直中心と、画線群3b2´の斜め中心が合うように画線群3b2´が微小文字群3b1´の「F」を上下に挟むように配置され、微小文字群3b1´の「N」の字面(じづら)4b´の垂直中心と、画線群3b2´の斜め中心が合うように画線群3b2´が微小文字群3b1´の「N」を上下に挟むように配置されている。微小文字群3b1´の字面(じづら)4bの中心を成すそれぞれの90度の角度A2´と、画線群3b2´の中心を成すそれぞれの任意の角度A1´は、異なる角度にさせている。それぞれの90度の角度A2´とそれぞれの任意の角度A1´を異なる角度にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1´と、画線を成している画線群3b2´は、違和感があり馴染んでいないように視認される。
また、微小文字群3b1´が成しているそれぞれの面積と、画線群3b2´が成しているそれぞれの面積は、同等にさせている。それぞれの面積を同等にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1´と、画線を成している画線群3b2´は、同等の濃度に視認され、微小文字が文字として視認し難くなる。さらに、画線群3a´、微小文字群3b1´及び画線群3b2´の画線幅については、特に限定されるものではないが、画線群3a´、微小文字群3b1´及び画線群3b2´が交わらない画線幅が好ましい。微小文字群3b1´と画線群3b2´の画線の長さについても、特に限定されるものではないが、画線群3a´と微小文字群3b1´が交わらず、微小文字群3b1´と画線群3b2´が交わらない画線の長さが好ましい。画線群3a´、微小文字群3b1´及び画線群3b2´のピッチについては、画線面積率に応じて所定のピッチで規則的に配置されている。すなわち、微小文字群3b1´と画線群3b2´の面積は同等のため、濃度は同等に視認され、微小文字が文字として視認し難くなり、微小文字群3b1´と画線群3b2´の角度が異なるため、違和感があり馴染んでいないように視認される。図12(a)に示された凹版画線と図12(b)に示された凹版画線を比較すれば一目瞭然であるが、図2(a)に示された凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませているのは、図12(a)に示された凹版画線である。
図13は、本発明の画線構成と従来技術の画線構成の比較が示されたものである。図13(a)は、図7(b)の構成を分かりやすくするために画線の一部を変更(約右半分の部分と約左半分の部分を合成)し、拡大したものである。図13(b)は、図4(b)の構成を分かりやすくするために画線の一部を変更(約右半分の部分と約左半分の部分を合成)し、拡大したものである。図13(a)に示された本発明の画線構成である画線群3c、微小文字群3b1及び画線群3b2は、任意の角度A1と異なる角度に配置された画線群3cと、任意の角度A1と同角に配置された微小文字群3b1の「F」と、任意の角度A1と同角に配置された微小文字群3b1の「N」が、上側から画線群3c、画線群3c、微小文字群3b1の「F」が右側で微小文字群3b1の「N」が左側で並列を成し、画線群3c、画線群3cの順に配置され、画線群3cに挟まれた微小文字群3b1の「F」と微小文字群3b1の「N」は、画線群3cと画線群3cの水平中心に配置され、任意の角度A1と同角に配置された画線群3b2は、微小文字群3b1の「F」の字面(じづら)4bの斜め中心と、画線群3b2の斜め中心が合うように画線群3b2が微小文字群3b1の「F」を上下に挟みつつ、上下の画線群3cに交わらず、画線群3cと画線群3cの水平中心に配置され、微小文字群3b1の「N」の字面(じづら)4bの斜め中心と、画線群3b2の斜め中心が合うように画線群3b2が微小文字群3b1の「N」を上下に挟みつつ、上下の画線群3cに交わらず、画線群3cと画線群3cの水平中心に配置されている。また、その他の画線群3b2は、前記の位置にならい画線群3cに交わらないように配置されている。微小文字群3b1の字面(じづら)4bの中心を成すそれぞれの任意の角度A1と、画線群3b2の中心を成すそれぞれの任意の角度A1は、同角にさせている。それぞれの任意の角度A1を同角にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1と、画線を成している画線群3b2は、違和感なく馴染んでいるように視認される。
また、微小文字群3b1が成しているそれぞれの面積と、画線群3b2が成しているそれぞれの面積は、同等にさせている。それぞれの面積を同等にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1と、画線を成している画線群3b2は、同等の濃度に視認され、微小文字が文字として視認し難くなる。さらに、画線群3c、微小文字群3b1及び画線群3b2の画線幅については、特に限定されるものではないが、画線群3c、微小文字群3b1及び画線群3b2が交わらない画線幅が好ましい。微小文字群3b1と画線群3b2の画線の長さについても、特に限定されるものではないが、画線群3cと微小文字群3b1が交わらず、画線群3cと画線群3b2が交わらない画線の長さが好ましい。画線群3c、微小文字群3b1及び画線群3b2のピッチについては、画線面積率に応じて所定のピッチで規則的に配置されている。すなわち、微小文字群3b1と画線群3b2の面積は同等のため、濃度は同等に視認され、微小文字が文字として視認し難くなり、微小文字群3b1と画線群3b2の角度が同角のため、違和感なく馴染んでいるように視認され、図2(b)に示された凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませることができている。
図13(b)に示された従来技術の画線構成である画線群3c´、微小文字群3b1´及び画線群3b2´は、任意の角度A1´と異なる角度に配置された画線群3c´と、90度の角度A2´と同角に配置された微小文字群3b1´の「F」と、90度の角度A2´と同角に配置された微小文字群3b1´の「N」が、上側から画線群3c´、画線群3c´、微小文字群3b1´の「F」が右側で微小文字群3b1´の「N」が左側で並列を成し、画線群3c´、画線群3c´の順に配置され、画線群3c´に挟まれた微小文字群3b1´の「F」と微小文字群3b1´の「N」は、画線群3c´と画線群3c´の水平中心に配置され、任意の角度A1´と同角に配置された画線群3b2´は、微小文字群3b1´の「F」の字面(じづら)4b´の垂直中心と、画線群3b2´の斜め中心が合うように画線群3b2´が微小文字群3b1´の「F」を上下に挟みつつ、上下の画線群3c´に交わらず、画線群3cと画線群3cの水平中心に配置され、微小文字群3b1´の「N」の字面(じづら)4b´の垂直中心と、画線群3b2´の斜め中心が合うように画線群3b2´が微小文字群3b1´の「N」を上下に挟みつつ、上下の画線群3c´に交わらず、画線群3cと画線群3cの水平中心に配置されている。また、その他の画線群3b2´は、前記の位置にならい画線群3c´に交わらないように配置されている。微小文字群3b1´の字面(じづら)4b´の中心を成すそれぞれの90度の角度A2´と、画線群3b2´の中心を成すそれぞれの任意の角度A1´は、異なる角度にさせている。それぞれの90度の角度A2´とそれぞれの任意の角度A1´を異なる角度にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1´と、画線を成している画線群3b2´は、違和感があり馴染んでいないように視認される。
また、微小文字群3b1´が成しているそれぞれの面積と、画線群3b2´が成しているそれぞれの面積は、同等にさせている。それぞれの面積を同等にさせることにより、微小文字を成している微小文字群3b1´と、画線を成している画線群3b2´は、同等の濃度に視認され、微小文字が文字として視認し難くなる。さらに、画線群3c´、微小文字群3b1´及び画線群3b2´の画線幅については、特に限定されるものではないが、画線群3c´、微小文字群3b1´及び画線群3b2´が交わらない画線幅が好ましい。微小文字群3b1´と画線群3b2´の画線の長さについても、特に限定されるものではないが、画線群3c´と微小文字群3b1´が交わらず、画線群3c´と画線群3b2´が交わらない画線の長さが好ましい。画線群3c´、微小文字群3b1´及び画線群3b2´のピッチについては、画線面積率に応じて所定のピッチで規則的に配置されている。すなわち、微小文字群3b1´と画線群3b2´の面積は同等のため、濃度は同等に視認され、微小文字が文字として視認し難くなり、微小文字群3b1´と画線群3b2´の角度が異なるため、違和感があり馴染んでいないように視認される。図13(a)に示された凹版画線と図13(b)に示された凹版画線を比較すれば一目瞭然であるが、図2(b)に示された凹版画線の一部に微小文字を違和感なく馴染ませているのは、図13(a)に示された凹版画線である。
(実施の形態2)
図14から図20までは、本発明の画線構成のバリエーションが示されている。図14(a)に示された凹版画線は、図2(a)に示された凹版画線の画線群3b2´の一部の画線群を一つ置きに微小文字群3b1に置き換えたものが示されている。図14(b)に示された凹版画線は、図14(a)に示された凹版画線に印刷模様2の相対的な濃度を上げるために画線群3cが加えられたものが示されている。図15(a)に示された凹版画線は、図2(a)に示された凹版画線の画線群3b2´の一部を二つ置きに互い違いに微小文字群3b1に置き換えたものが示されている。図15(b)に示された凹版画線は、図15(a)に示された凹版画線に印刷模様2の相対的な濃度を上げるために画線群3cが加えられたものが示されている。図16(a)に示された凹版画線は、図2(b)に示された凹版画線の画線群3b2´の一部の画線群を一つ置きに微小文字群3b1に置き換えたものが示されている。図16(b)に示された凹版画線は、図16(a)に示された凹版画線に印刷模様2の相対的な濃度を上げるために画線群3aが加えられたものが示されている。
図17(a)に示された凹版画線は、図2(b)に示された凹版画線の画線群3b2´の一部を二つ置きに互い違いに微小文字群3b1に置き換えたものが示されている。図17(b)に示された凹版画線は、図17(a)に示された凹版画線に印刷模様2の相対的な濃度を上げるために画線群3aが加えられたものが示されている。図18(a)に示された凹版画線は、図3(b)に示された凹版画線の画線群3c´を取り除き、画線群3b2´を倍に増やし、その倍に増やした画線群3b2´を微小文字群3b1に置き換えたものが示されている。図18(b)に示された凹版画線は、図18(a)に示された凹版画線に印刷模様2の相対的な濃度を上げるために画線群3cが加えられたものが示されている。図19(a)に示された凹版画線は、図18(a)に示された凹版画線の微小文字群3b1に画線群3aを一部重ねたものが示されている。図19(b)に示された凹版画線は、図19(a)に示された凹版画線に印刷模様2の相対的な濃度を上げるために画線群3cが加えられたものが示されている。図20(a)に示された凹版画線は、基本構成である曲線の画線群3cと画線群3b2が交互に配置された凹版画線を想定し、その凹版画線の画線群3b2の一部の画線群を一つ置きに微小文字群3b1に置き換えたものが示されている。図20(b)に示された凹版画線は、図20(a)に示された凹版画線に印刷模様2の相対的な濃度を上げるために曲線の画線群3aが加えられたものが示されている。
図14から図20までに示された凹版画線については、本発明の画線構成のバリエーションの一部が示されたものであり、本実施例では、画線群3a同士と画線群3c同士が平行で示されているが、印刷模様2の模様の表現によっては、平行に限定するものではない。また、本実施例では、図19(a)及び図19(b)に示された凹版画線のように、微小文字群3b1の一部に画線を重ねたものが示されているが、一部ではなく、全部に重ねても構わない。さらに、本実施例では、図14から図20までに示された画線が右斜めの任意の角度で示されているが、角度さえ成せば、左斜めなどのように角度を限定するものではない。
図14から図20までに示された凹版画線の微小文字、画線幅及びピッチについては、微小文字が100μm〜1,000μmの範囲が好ましく、また、画線幅は20μm〜100μmの範囲が好ましく、さらに、ピッチについては、150μm〜500μmの範囲が好ましい。
図14から図20までに示された凹版画線の階調は、階調が無い状態で表現されているが、画線群3aと画線群3cの画線を点や破線の長さを変化させたり、画線幅を変化させることにより、階調を示させることもできる。
本実施例では、画線を直線と曲線で示されているが、波線や点、分断線で示されても構わない。また、直線と分断線、曲線と分断線の組合せなどで示されても構わない。
本実施例では、微小文字群3b1をアルファベットで示されているが、数字やカタカナで示されても構わない。
本発明の実施形態2は、凹版画線として示されているが、画線構成と文字構成が成されていれば、凹版印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷及びプリンタなどのように印刷方式、出力方法は問わない。