JP6597966B2 - 二液型塗料組成物及びこれを用いた塗装方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、改修すべきタイルの表面に、プライマー層、防水層及び仕上材を、この順に形成することによりタイルを補修する方法であって、特定の防水層及び仕上材を形成する組成物を用いてタイルを補修する方法が開示されている。
一方、透明なプライマーの塗布状態を目視によって確認することができ、またプライマーがはみ出した場合でも目地の美観を損ねることがないシーリング材用のプライマー組成物が提案されている。例えば、特許文献2には、(A)可視光線及び/又は紫外線により退色する染料、(B)分子中に2個以上のイソシアネート基を含有するイソシアネート化合物及び/又は(C)分子中に加水分解基を含有する有機珪素化合物、を必須成分とするプライマー組成物が開示されている。また、特許文献3には、太陽光により退色するナフトール系染料を用いたシーリング材用プライマーが開示されている。更に、特許文献4には、(A)バインダー樹脂と、(B)クルクミン色素、紅麹色素、クロロフィル、トウガラシ色素、マリーゴールド色素及びカラメル色素から選ばれる1種又は2種以上の色素とを含んでなる、シーリング材用プライマー組成物が開示されている。
1.バインダー樹脂、クルクミン色素、及び硬化触媒を含む第一剤と、イソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートを含む第二剤とを備えてなり、第一剤に含まれるクルクミン色素の含有量は、第一剤に含まれる成分の合計100質量部に対して、0.0015〜0.25質量部であり、硬化触媒の含有量は、バインダー樹脂成分100質量部に対して、0.001〜5質量部であることを特徴とする二液型塗料組成物。
2.上記バインダー樹脂の水酸基価が10〜1200mgKOH/gであり、かつ、数平均分子量が2,000〜30,000である上記1に記載の二液型塗料組成物。
3.上記バインダー樹脂が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、及び不飽和炭素−炭素結合を有するポリオール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である上記1又は2に記載の二液型塗料組成物。
4.上記有機ポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネート及び脂環族ポリイソシアネートのうちの少なくとも一方である上記1〜3のいずれかに記載の二液型塗料組成物。
5.上記第一剤は、更にケト−エノール互変異性体を含有し、該ケト−エノール互変異性体の含有量は、第一剤に含まれる成分の合計100質量部に対して、0.1〜6質量部である上記1〜4のいずれかに記載の二液型塗料組成物。
6.上記第一剤は、更に艶消剤を含有し、該艶消剤の含有量は、第一剤に含まれる成分の合計100質量部に対して、3〜20質量部である上記1〜5のいずれかに記載の二液型塗料組成物。
7.塗装する面に、プライマー層及び上塗層を、この順に形成することにより塗装する方法であって、前記プライマー層及び上塗層のいずれか一方が、上記1〜6のいずれかに記載の二液型塗料組成物により形成されたものであることを特徴とする塗装方法。
8.塗装する面に、プライマー層、中塗層及び上塗層を、この順に形成することにより塗装する方法であって、前記プライマー層、中塗層及び上塗層のいずれか一層が、上記1〜6のいずれかに記載の二液型塗料組成物により形成されたものであることを特徴とする塗装方法。
本発明に係る二液型塗料組成物は、バインダー樹脂、クルクミン色素、及び硬化触媒を含む第一剤と、イソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートを含む第二剤とを備える。第一剤には、更にケト−エノール互変異性体及び/又は艶消剤を含有させることもできる。また、第一剤及び/又は第二剤には、前記成分に加えて、その他の成分を含有させることもできる。以下に、本発明に係る二液型塗料組成物の各構成成分について、具体的に説明する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」なる用語は、アクリレート及びメタクリレートの総称として用いる。
なお、上記水酸基価は、JIS K1557(水酸基価の求め方)に準じて測定することができる。
なお、上記数平均分子量(Mn)、及び、上記重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、テトラヒドロフラン溶媒を用いて測定することができる。
また、脂環族ビニル化合物としては、ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−ノニル、アクリル酸n−デシル、アクリル酸n−ドデシル、アクリル酸n−ヘキサデシル、アクリル酸n−オクタデシル等のアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸n−ヘプチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−ノニル、メタクリル酸n−デシル、メタクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸n−ヘキサデシル、メタクリル酸n−オクタデシル等のメタクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等の脂環族炭化水素基を含むエステル結合を有する不飽和化合物、又は、芳香族炭化水素基を含むエステル結合を有する不飽和化合物を用いることもできる。
リエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリブチレングリコールモノメタクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノメタクリレート、エトキシポリブチレングリコールモノメタクリレート等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶液重合を適用する場合には、通常、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の有機過酸化物;過酢酸、過コハク酸;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物等の重合開始剤が用いられる。この重合開始剤の使用量は、単量体全量を100質量部とした場合、好ましくは0.01〜10質量部である。
上記原料成分が、単量体及び重合溶媒の混合物である場合、反応開始時に、予め反応器に収容された溶媒と、上記重合溶媒は同一であっても、異なっていてもよい。これら溶媒及び重合溶媒は、上記溶液重合において用いられる有機溶媒として例示した化合物であってよいし、そのほか、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、及びトリプロピレングリコール等のアルコールを使用又は併用することができる。なお、上記原料成分における重合溶媒の含有割合は、単量体全量100質量部に対して、好ましくは200質量部以下である。
反応系の圧力は、重合温度と、使用する単量体及び重合溶媒の各沸点に依存するものであり、重合反応に影響を及ぼさないが、前記重合温度を維持できる圧力であればよい。反応系における単量体の滞留時間は、好ましくは2〜60分である。この滞留時間が短すぎると、未反応の単量体が残留する場合がある。一方、長すぎると、生産性が低下することがある。
クルクミン色素は、アルコール(エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール等)、芳香族化合物(キシレン等)、エステル(酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、ケトン(アセトン等)、エーテル(ブチルセロソルブ等)の有機溶剤に溶解することから、これら溶剤は塗料組成物に含有させることができる。
ケト−エノール互変異性体の含有量は、第一剤に含まれる成分(固形分)の合計100質量部に対して、0.1〜6質量部であることが好ましく、0.5〜3質量部であることがより好ましい。含有量が0.1〜6質量部の範囲内であれば、二液混合後の可使時間を十分に調整することができ、塗膜の退色性に悪影響を与えることもない。
艶消剤の含有量は、第一剤に含まれる成分(固形分)の合計100質量部に対して、3〜20質量部であることが好ましく、5〜15質量部であることがより好ましい。含有量が3〜20質量部の範囲内であれば、塗料組成物の作業性や、塗膜の物性に悪影響を与えることはない。
2価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,1
2−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノール、2,5−ノルボルナンジオール、アダマンタンジオール、カテコール、ヒドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシアントラキノン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、ポリカーボネートジオール、及びポリラクトンジオール等が挙げられる。
3価アルコールとしては、グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、2,3,4−ヘキサントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、及び2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール等が挙げられる。
4価アルコールとしては、エリスリトール、ペンタエリスリトール、1,2,3,4−ペンタテトロール、2,3,4,5−ヘキサテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン、及びソルビタン等が挙げられる。
5価アルコールとしては、アドニトール、アラビトール、キシリトール、及びトリグリセリン等が挙げられる。
6価アルコールとしては、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、及びイノシトール等が挙げられる。
なお、上記ダイマージオールとしては、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸や、トール油、綿実油、大豆油等から得られる乾性油脂肪酸又は半乾性油脂肪酸等を2分子加熱重合して製造されたダイマー酸を還元して得られた、通常、炭素数が30〜42の不飽和化合物を用いることができる。
また、上記多価アルコール(B)としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用
いることができる。
第一剤が有機溶剤を含む場合、塗膜の形成を含む作業性の観点から、固形分濃度は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%の範囲である。
脂環族のジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、ノルボルナンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、及び水添ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族のジイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、3,3−ジメチルフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、及び1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族のトリイソシアネートとしては、ビシクロヘプタントリイソシアネート等が挙げられる。
また、芳香族のトリイソシアネートとしては、トリフェニルメタン−4,4’,4"−トリイソシアネート等が挙げられる。
更に、上記化合物のビウレット体、イソシアヌレート体、カルボジイミド変性物、二量体、三量体等を用いることもできる。
本発明に係る塗装方法は、塗装する面に、プライマー層、中塗層及び上塗層を、この順に形成することにより塗装する方法であって、前記プライマー層、中塗層及び上塗層のいずれか一層以上が、上記二液型塗料組成物により形成されたものである。好ましくは、上塗層(最上層)が、上記二液型塗料組成物により形成されたものである。前記中塗層は、省略することもできる。
また、前記プライマー層と中塗層との間、及び、中塗層と上塗層との間には、それぞれ中間層を備えてもよい。
ここで、塗装する面とは、例えば、タイル、コンクリート、モルタル、金属、木材、又はサイディングボード等により形成された建築構造物又は土木構造物の壁面等の壁面等である。
以下に、各層について、好ましい実施態様を説明する。
これらのプライマー層形成用組成物は、水系組成物及び有機溶剤系組成物のいずれでもよいが、作業性の観点から、有機溶剤系組成物であることが好ましい。
また、水酸基を有するエチレン性不飽和化合物よりなる単位(x11)と、アルキルエステル結合を有するエチレン性不飽和化合物よりなる単位(x12)と、芳香族ビニル化合物よりなる単位(x13)と、他の化合物よりなる単位(x14)からなる共重合体であり、前記単位(x11)、(x12)、(x13)及び(x14)の含有量は、前記共重合体を構成する全単位量を100質量%としたときに、それぞれ、5〜50質量%、30〜80質量%、10〜40質量%及び0〜20質量%であるアクリル系共重合体も好ましい。
その後、前記中塗層形成用組成物による塗膜の乾燥が行われ、硬化皮膜が得られる。この中塗層形成用組成物の塗布及び乾燥に要する時間の合計は、通常、0.5〜24時間である。
中塗層形成工程において形成される中塗層の厚さは、通常、50〜2000μmである。
その後、上塗層形成用組成物による塗膜の乾燥が行われ、硬化皮膜が得られる。この上塗層形成用組成物の塗布及び乾燥に要する時間の合計は、通常、0.5〜24時間である。
上塗層形成工程において形成される上塗層の厚さは、通常、50〜300μmである。
製造例(高温連続重合による水酸基含有共重合体の製造)
重合体の製造原料は次の通りである。単量体として2−ヒドロキシエチルメタクリレート16部、2−エチルヘキシルアクリレ−ト15.5部、イソブチルメタクリレート46.5部及びスチレン22部と、重合開始剤としてジ−tert−ブチルパーオキシド1部とからなる単量体混合物を用いた。
電熱式ヒータを備えた容量6000mlの加圧式攪拌槽型反応器を、ジエチレングリコールモノエチルエーテルで満たし、温度を220℃にして、圧力調節器により圧力をゲージ圧で25〜27kg/cm2に保った。
次いで、反応器内の圧力を一定に保ちながら、原料タンクに収容した上記単量体混合物を、供給速度500g/分、及び、滞留時間12分で反応器に連続供給するとともに重合を開始し、単量体混合物の供給量に相当する重合溶液を反応器の出口から連続的に抜き出した。反応温度は、反応開始直後に一旦低下し、重合熱による温度上昇が認められたが、ヒータを制御することにより、反応温度を220〜223℃に保持した。
単量体混合物の供給を開始した後、反応温度が上記範囲内で安定した時点を、重合溶液の回収開始点とし、これから35分間、重合反応を継続した。その結果、17.5kgの単量体混合液を供給し、17.4kgの重合溶液を回収した。
その後、重合溶液を薄膜蒸発器に導入して、未反応モノマー等の揮発性成分を分離及び除去した。そして、炭化水素溶剤であるLAWSに溶解し、共重合体を含む固形分67%の樹脂溶液23.7kgを得た。
共重合体の平均分子量は、溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。GPCによる分子量をポリスチレン換算したときの数平均分子量(Mn)は3,000、重量平均分子量(Mw)は5,400、多分散度(Mw/Mn)は1.8であった。また、共重合体の水酸基価は、71.6mgKOH/gであった。
第一剤及び第二剤の調整に用いた成分は、上記共重合体と下記成分である。
2−1.低分子量多価アルコール
(1)b1
水酸基価が160(分子量不明)であるひまし油及び脂肪酸系ポリオール(商品名「URIC Y−403」、伊藤製油社製)
(2)b2
水酸基価が949であり、分子量が118である2−メチル−2、4ペンタンジオール(商品名「ヘキシレングリコール」、アルケマ社製)
2−2.増粘剤
脂肪酸アミドを主成分とする添加剤(商品名「DISPARLON PFA−231」、楠本化成社製)
2−3.硬化触媒
ジブチル錫ジラウレート
2−4.溶剤
炭化水素系溶剤(商品名「LAWS」、シェルケミカル社製)
2−5.消泡剤
商品名「フローレンAC−326F」、共栄社化学社製
2−6.染料
(1)クルクミン色素
3%ウコン色素溶液(商品名「キリヤスオイルイエローU」、キリヤ化学社製)
(2)c1
商品名「C・I・Basic・Green1」、東京化成工業社製
(3)c2
商品名「C・I・Acid・Red94」、東京化成工業社製
(4)c3
商品名「C・I・Acid・Violet3」、東京化成工業社製
(5)c4
商品名「Oil Blue 603」、オリエント化学工業社製
2−7.有機ポリイソシアネート
(1)d1
イソシアヌレート型ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成ケミカルズ社製、化合物中のイソシアネート基の割合:23.1質量%)
(2)d2
イソシアヌレート型ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTSS−100」、旭化成ケミカルズ社製、化合物中のイソシアネート基の割合:17.9質量%)
(3)d3
トリエンジイソシアネート型ポリイソシアネート(商品名「コロネートL」、東ソー社製、化合物中のイソシアネート基の割合:13.2質量%)
共重合体、低分子量多価アルコールb1及びb2、増粘剤、硬化触媒、溶剤、並びに消泡剤を、それぞれ、100部、12.5部、5部、5部、0.1部、80部及び0.5部秤量して混合し、均一なプライマー層形成用第一剤とした。
一方、有機ポリイソシアネートd1と、シランカップリング剤であるオルガノシラン(東レ・ダウコーニング社製)とを、それぞれ、100部及び10部秤量して混合し、均一なプライマー層形成用第二剤とした。
その後、上記プライマー層形成用第一剤100部及び上記プライマー層形成用第二剤30部を混合し、均一なプライマー層形成用組成物P−1を得た。このプライマー層形成用組成物において、上記有機ポリイソシアネートd1のイソシアネート基のモル数と、上記第一剤に含まれる共重合体が有する水酸基のモル数及び多価アルコールが有する水酸基のモル数の和との比(NCO/OH)は1.0である。
共重合体、低分子量多価アルコールb1及びb2、増粘剤、硬化触媒、消泡剤並びに溶剤を、それぞれ、100部、31.5部、20部、10部、0.1部、0.5部、30部を記載の割合で混合し、均一な中塗層形成用第一剤を得た。
その後、上記中塗層形成用第一剤と、有機ポリイソシアネートd2からなる中塗層形成用第二剤とを、それぞれ、100部及び80部秤量して混合し、均一な中塗層形成用組成物D−1を得た。この中塗層形成用組成物において、上記有機ポリイソシアネートd2のイソシアネート基のモル数と、上記中塗層形成用第一剤に含まれる共重合体が有する水酸基のモル数及び多価アルコールが有する水酸基のモル数の和との比(NCO/OH)は1.0である。
共重合体、低分子量多価アルコールb1及びb2、硬化触媒、並びに溶剤を混合し、更にクルクミン系色素を第一剤に含まれる成分の合計100部に対して0.002部添加して混合し、均一な上塗層形成用第一剤を得た。
その後、上記上塗材形成用第一剤と、有機ポリイソシアネートd2からなる上塗材形成用第二剤とを、それぞれ100部及び18部秤量して混合し、均一な上塗層形成用組成物T−1を得た。
調整例3と同様の方法で、表1に記載の割合で、上塗層形成用第一剤を得た。なお、表1に記載のクルクミン色素含有量の括弧書きは、第一成分に含まれる成分(固形分)の合計100部に対する含有量である。
その後、上記上塗層形成用第一剤と、有機ポリイソシアネートd2又はd3からなる上塗層形成用第二剤とを、表1記載の割合で混合し、均一な上塗層形成用組成物T2〜9を得た。
なお、上記プライマー層形成用組成物、中塗層形成用組成物及び上塗層形成用組成物は、調整後、1時間以内に塗装に供した。
実施例1
縦100mm及び横100mmの白色の施釉タイルの表面に、プライマー層形成用組成物P−1を刷毛塗りし、その後、24時間乾燥することにより、坪量0.1kg/m2(厚さ60μm)のプライマー層を形成した。
次いで、上記プライマー層の表面に、中塗層形成用組成物D−1を刷毛塗りし、その後、24時間乾燥することにより、坪量0.2kg/m2(厚さ180μm)の中塗層(防水層)を形成した。
更に、上記中塗層の表面に、上塗層形成用組成物T−1を刷毛塗りし、その後、24時間乾燥することにより、坪量0.15kg/m2(厚さ70μm)の上塗層を形成し、補修タイルを得た。
[1]視認性
透明な中塗層上に、上塗材を刷毛塗り作業する際の材料の視認性を目視評価した。下地は白色タイル及び茶色タイルとした。視認可能なものを○で示し、視認できないものを×で示した。
[2]退色時間(直射日光下、日陰暗部)
上塗材を刷毛塗り作業後、塗膜が退色し、目視で無色透明になるまでの時間を評価した。補修タイルを直射日光のあたる建物南側の屋外と、直射日光のあたらない建物北側の屋外に曝露し、塗膜の外観を観察し、退色時間を測定した。
[3]退色後の外観及び色差
補修タイルを直射日光のあたる建物南側の屋外に1ヶ月間暴露した後、外観を評価した。外観に変化がないものを○で示し、退色はしているものの、有機ポリイソシアネートの影響でわずかに黄変したものは△で示した。また、退色が不十分なものは×で示した。
次いで、色差測定を実施し、退色染料未添加の塗膜に対する色差△Eを求めた。
[4]タイル面付着性
補修タイルの製造直後(初期)、及び、温度23℃の水中に14日放置した後(耐水試験後)における、タイル表面に対する塗膜の接着性を、JIS K5600−5−6「塗料一般試験方法、付着性(クロスカット法)」に準じて評価した。切り込みを入れた25マスの内、25マス全てが剥がれなかった場合を○で示し、1マスでも剥がれた場合を×で示した。
以上の結果を表1、2に示す。
表1に示す上塗層形成用組成物(T−2〜9)を用いた以外は、実施例1と同様にして補修タイルを製造し、各種評価を行った。その結果を表1に示す。
表2に示す上塗層形成用組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして補修タイルを製造し、各種評価を行った。その結果を表2に示す。なお、表2に記載のクルクミン色素含有量の括弧書きは、第一成分に含まれる成分(固形分)の合計100部に対する含有量である。
Claims (8)
- バインダー樹脂、クルクミン色素、及び硬化触媒を含む第一剤と、イソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートを含む第二剤とを備えてなり、
第一剤に含まれるクルクミン色素の含有量は、第一剤に含まれる成分の合計100質量部に対して、0.0015〜0.25質量部であり、硬化触媒の含有量は、バインダー樹脂成分100質量部に対して、0.001〜5質量部であることを特徴とする二液型塗料組成物。 - 上記バインダー樹脂の水酸基価が10〜1200mgKOH/gであり、かつ、数平均分子量が2,000〜30,000である請求項1に記載の二液型塗料組成物。
- 上記バインダー樹脂が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、及び不飽和炭素−炭素結合を有するポリオール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の二液型塗料組成物。
- 上記有機ポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネート及び脂環族ポリイソシアネートのうちの少なくとも一方である請求項1〜3のいずれか1項に記載の二液型塗料組成物。
- 上記第一剤は、更にケト−エノール互変異性体を含有し、該ケト−エノール互変異性体の含有量は、第一剤に含まれる成分の合計100質量部に対して、0.1〜6質量部である請求項1〜4のいずれか1項に記載の二液型塗料組成物。
- 上記第一剤は、更に艶消剤を含有し、該艶消剤の含有量は、第一剤に含まれる成分の合計100質量部に対して、3〜20質量部である請求項1〜5のいずれか1項に記載の二液型塗料組成物。
- 塗装する面に、プライマー層及び上塗層を、この順に形成することにより塗装する方法であって、前記プライマー層及び上塗層のいずれか一方が、請求項1〜6のいずれか1項に記載の二液型塗料組成物により形成されたものであることを特徴とする塗装方法。
- 塗装する面に、プライマー層、中塗層及び上塗層を、この順に形成することにより塗装する方法であって、前記プライマー層、中塗層及び上塗層のいずれか一層が、請求項1〜6のいずれか1項に記載の二液型塗料組成物により形成されたものであることを特徴とする塗装方法。
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