JP6597964B2 - 波長変換部材及び波長変換素子、並びにそれを用いた発光装置 - Google Patents

波長変換部材及び波長変換素子、並びにそれを用いた発光装置 Download PDF

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Description

本発明は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)やレーザーダイオード(LD:Laser Diode)等の発する光の波長を別の波長に変換する波長変換部材及び波長変換素子、並びにそれを用いた発光装置に関する。
近年、蛍光ランプや白熱灯に変わる次世代の発光装置として、低消費電力、小型軽量、容易な光量調節という観点から、LEDやLDを用いた発光装置に対する注目が高まってきている。そのような次世代発光装置の一例として、例えば特許文献1には、青色光を出射するLED上に、LEDからの光の一部を吸収して黄色光に変換する波長変換部材が配置された発光装置が開示されている。この発光装置は、LEDから出射された青色光と、波長変換部材から出射された黄色光との合成光である白色光を発する。
波長変換部材としては、従来、樹脂マトリクス中に無機蛍光体粒子を分散させたものが用いられている。しかしながら、当該波長変換部材を用いた場合、LEDからの光により樹脂マトリクスが変色したり、変形するという問題がある。そこで、樹脂に代えてガラスマトリクス中に蛍光体を分散固定した完全無機固体からなる波長変換部材が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。当該波長変換部材は、母材となるガラスマトリクスがLEDからの熱や照射光により劣化しにくく、変色や変形といった問題が生じにくいという特徴を有している。また、さらに耐熱性に優れる波長変換部材として、蛍光を発する結晶が内部に析出した結晶化ガラスからなる波長変換部材も提案されている(例えば特許文献4参照)。
特開2000−208815号公報 特開2003−258308号公報 特許第4895541号公報 特許第5013405号公報
近年、発光装置のハイパワー化を目的として、光源として用いるLEDやLDの出力が上昇している。それに伴い、光源の熱や、励起光を照射された蛍光体から発せられる熱により波長変換部材の温度が上昇し、その結果、発光強度が経時的に低下する(温度消光)という問題がある。また、場合によっては、波長変換部材の温度上昇が顕著となり、構成材料(ガラスマトリクス等)が溶解するおそれがある。
以上に鑑み、本発明は、ハイパワーのLEDやLDの光を照射した場合に、経時的な発光強度の低下や構成材料の溶解を抑制することが可能な波長変換部材及び波長変換素子、並びにそれを用いた発光装置を提供することを目的とする。
本発明の波長変換部材は、結晶化ガラスからなる無機蛍光体粒子、及び、易焼結性セラミック粒子を含有する波長変換部材であって、無機蛍光体粒子間に易焼結性セラミック粒子が介在しており、かつ、無機蛍光体粒子が易焼結性セラミック粒子により結着されていることを特徴とする。
本発明の波長変換部材においては、無機蛍光体粒子間に易焼結性セラミックが介在している。ここで、易焼結性セラミック粒子はガラス等と比較して熱伝導性に優れているため、無機蛍光体粒子で発生した熱を効率良く外部に放出することができる。その結果、波長変換部材の温度上昇が抑制され、温度消光が生じにくくなる。また、易焼結性セラミック粒子は耐熱性にも優れるため、ハイパワーのLEDやLDの光を照射した場合であっても溶解しにくい、あるいは、急激な温度上昇によるサーマルクラックといった不具合の発生を抑制することができるという利点もある。
本発明の波長変換部材において、易焼結性セラミック粒子の平均粒子径が0.01〜10μmであることが好ましい。このようにすれば、波長変換部材の緻密性が向上して、熱伝導パスが形成されやすくなるため、無機蛍光体粒子で発生した熱をより一層効率良く外部に放出することができる。
本発明の波長変換部材において、易焼結性セラミック粒子が易焼結性アルミナ粒子であることが好ましい。
本発明の波長変換部材において、無機蛍光体粒子の平均粒子径が1〜50μmであることが好ましい。
本発明の波長変換部材において、無機蛍光体粒子が、主結晶としてガーネット型結晶を析出していることが好ましい。ガーネット型結晶は耐熱性に優れるため、ハイパワーのLEDやLDの光を照射した場合に、無機蛍光体粒子自体の劣化を抑制することができる。なお、「主結晶」とは析出結晶のなかで最も含有量の多い結晶を指す。
本発明の波長変換部材において、ガーネット型結晶が、YAG結晶またはYAG結晶固溶体であることが好ましい。
本発明の波長変換部材において、無機蛍光体粒子が、モル%で、Y+Lu+Gd 19.99〜50%、Al+Ga+GeO 30〜80%、SiO 0〜35%、MgO 0〜35%、Ce+Eu 0.01〜5%を含有することが好ましい。
本発明の波長変換部材において、無機蛍光体粒子の結晶化度が90%以上であることが好ましい。このようにすれば、無機蛍光体粒子の耐熱性が向上しやすくなる。
本発明の波長変換部材において、質量%で、無機蛍光体粒子 0.1〜80%、及び、易焼結性セラミック粒子 20〜99.9%を含有することが好ましい。
本発明の波長変換部材において、(易焼結性セラミック粒子の平均粒子径)/(無機蛍光体粒子の平均粒子径)が0.5以下であることが好ましい。このようにすれば、波長変換部材の緻密性が向上して、熱伝導パスが形成されやすくなるため、無機蛍光体粒子で発生した熱をより一層効率良く外部に放出することができる。
本発明の波長変換部材の製造方法は、上記の波長変換部材を製造するための方法であって、無機蛍光体粒子の前駆体である結晶性ガラス粒子と、易焼結性セラミック粒子を混合し、予備成型体を作製する工程、及び、予備成型体を焼成することにより、結晶性ガラス粒子及び易焼結性セラミック粒子を焼結するとともに、結晶性ガラス粒子を結晶化させる工程、を含むことを特徴とする。このようにすれば、焼成により結晶性ガラス粒子が軟化流動しながら結晶化するため、緻密な焼結体が得られやすくなる。
本発明の波長変換素子は、上記の波長変換部材と、波長変換部材より高い熱伝導率を有する放熱層とが積層されてなる積層体からなることを特徴とする。このようにすれば、波長変換部材で発生した熱を放熱層に伝達することができるため、波長変換部材の温度上昇を抑制しやすくなる。
本発明の波長変換素子において、放熱層として透光性セラミックスからなるものを使用することができる。
本発明の波長変換素子において、透光性セラミックスとして、酸化アルミニウム系セラミックス、窒化アルミニウム系セラミックス、炭化ケイ素系セラミックス、窒化ホウ素系セラミックス、酸化マグネシウム系セラミックス、酸化チタン系セラミックス、酸化ニオビウム系セラミックス、酸化亜鉛系セラミックス及び酸化イットリウム系セラミックスから選択される少なくとも1種を使用することができる。
本発明の発光装置は、上記の波長変換部材と、波長変換部材に励起光を照射する光源とを備えてなることを特徴とする。
本発明の発光装置は、上記の波長変換素子と、波長変換素子に励起光を照射する光源とを備えてなることを特徴とする発光装置。
本発明の発光装置において、光源がレーザーダイオードであることが好ましい。本発明の波長変換部材及び波長変換素子は耐熱性及び放熱性に優れるため、光源として比較的ハイパワーであるレーザーダイオードを使用した場合に発明の効果を享受しやすい。
本発明によれば、ハイパワーのLEDやLDの光を照射した場合に、経時的な発光強度の低下や構成材料の溶解を抑制することが可能な波長変換部材及び波長変換素子、並びにそれを用いた発光装置を提供することができる。
本発明の波長変換部材の一実施形態を示す模式的断面図である。 本発明の波長変換素子の一実施形態を示す模式的断面図である。 本発明の発光装置の一実施形態を示す模式的側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(波長変換部材)
図1は、本発明の波長変換部材の一実施形態を示す模式的断面図である。波長変換部材10は無機蛍光体粒子1と易焼結性セラミック粒子2を含有している。ここで、無機蛍光体粒子1間に易焼結性セラミック粒子2が介在しており、無機蛍光体粒子1が易焼結性セラミック粒子2により結着されている。
無機蛍光体粒子1は結晶化ガラスからなる。例えば、無機蛍光体粒子1は主結晶としてガーネット型結晶を析出しているものを使用することができる。ガーネット型結晶は耐熱性に優れるため、ハイパワーのLEDやLDの光を照射した場合に、無機蛍光体粒子1自体の劣化を抑制することができる。ガーネット型結晶の具体例としては、YAG結晶(YAl12:Ce3+)やYAG結晶固溶体が挙げられる。
無機蛍光体粒子1の組成としては、モル%で、Y+Lu+Gd 19.99〜50%、Al+Ga+GeO 30〜80%、SiO 0〜35%、MgO 0〜35%、Ce+Eu 0.01〜5%を含有するものが挙げられる。このように組成を限定した理由を以下に説明する。
、Lu及びGdはガーネット型結晶を構成する成分である。またガラス化に必要な成分である。Y+Lu+Gdの含有量は19.99〜50%、特に20〜40%であることが好ましい。Y+Lu+Gdの含有量が少なすぎると、ガーネット型結晶の析出が不十分になる傾向がある。一方、Y+Lu+Gdの含有量が多すぎると、溶融温度が高くなりすぎる傾向がある。
Al、Ga及びGeOはガーネット型結晶を構成する成分である。またガラス化に必要な成分である。Al+Ga+GeOの含有量は30〜80%、35〜78%、特に40〜75%であることが好ましい。Al+Ga+GeOの含有量が少なすぎると、ガーネット型結晶の析出が不十分になる傾向がある。一方、Al+Ga+GeOの含有量が多すぎると、溶融温度が高くなりすぎる傾向がある。
SiOはガーネット型結晶を構成する成分である。SiOの含有量は0〜35%、0〜30%、0.1〜20%、特に1〜10%であることが好ましい。SiOの含有量が多すぎると、結晶化度が低下しやすくなる。
MgOはガーネット型結晶を構成する成分である。MgOの含有量は0〜35%、0〜30%、0.1〜20%、特に1〜10%であることが好ましい。MgOの含有量が多すぎると、ガラス化しにくくなる。
Ce、Euはガーネット型結晶中で発光中心となるCe3+、Eu3+を供給する成分である。Ce+Euの含有量は0.01〜5%、0.01〜4%、特に0.3〜3.5%であることが好ましい。Ce+Euの含有量が少なすぎると、蛍光強度が不十分になる傾向がある。一方、Ce+Euの含有量が多すぎると、濃度消光により発光効率がかえって低下しやすくなる。なお、Ce、Euの各成分の含有量はそれぞれ0.01〜5%、0.01〜4%、特に0.3〜3.5%であることが好ましい。
また、上記成分以外にも種々の成分を含有させることができる。例えば、La、Ta、TeO、TiO、MnO、Nb、Sc、Er、Sb、SnO、P、BiまたはZrO等を各々15%以下、さらには各々10%以下、特に各々5%以下、合量で30%以下の範囲で含有させてもよい。なお、MnOは蛍光を呈するイオンをガラスマトリクスに対して導入可能な成分である。よって、これらの成分を含有させて、マトリクスガラスの発光とガーネット型結晶の発光との混色を発するようにしてもよい。
なお、Bはガラス化に有効な成分であるが、ガーネット型結晶の構成成分になりにくいため、含有しないことが好ましい。
無機蛍光体粒子1において析出結晶中にAl結晶を含んでいてもよい。Al結晶は励起光を適度に散乱させる効果を有する。よって、ガーネット型結晶とともにAl結晶を析出させることにより、励起光が適度に散乱されてガーネット型結晶に効率良く照射されるため、発光効率の向上が期待できる。なお、Al結晶以外に、例えばYAlOやYAl等のAlを構成に含む他の結晶を、同じく散乱効果を得るために含有させてもよい。
無機蛍光体粒子1の結晶化度は90%以上、92%以上、特に95%以上であることが好ましい。結晶化度が小さすぎると、励起光の照射による発熱により、ガラスマトリクスが軟化変形したり、ガラス成分が揮発する傾向がある。また、温度消光して発光強度が低下する傾向がある。なお、結晶化度の上限は特に限定されないが、現実的には100%未満、特に99.9%以下である。
無機蛍光体粒子1の平均粒子径(D50)は1〜50μm、特に5〜25μmであることが好ましい。無機蛍光体粒子1の平均粒子径が小さすぎると、発光強度が低下しやすくなる。一方、無機蛍光体粒子1の平均粒子径が大きすぎると、発光色が不均一になる傾向がある。
易焼結性セラミック粒子2は低温焼結性のセラミック粒子である。易焼結性セラミック粒子2は、純度を高くしたり、粒径を小さくしたりすることにより、焼結温度を低くしている。易焼結性セラミック粒子2を焼成すると、例えば1100〜1550℃、さらには1200〜1400℃の比較的低温で焼成しても緻密に焼結することができる。
易焼結性セラミック粒子2の平均粒子径(D50)は0.01〜10μm、特に0.05〜5μm、特に0.08〜1μmであることが好ましい。平均粒子径を上記範囲とすることにより、易焼結性セラミック粒子2を比較的低温で焼結することが可能となる。
易焼結性セラミック粒子2の純度は99%以上、特に99.99%以上であることが好ましい。易焼結性セラミック粒子2の純度を上記範囲とすることにより、易焼結性セラミック粒子2を比較的低温で焼結することが可能となる。
易焼結性セラミック粒子2としては、易焼結性アルミナ粒子、易焼結性ジルコニア粒子等が挙げられる。なかでも、易焼結性アルミナ粒子は低温焼結性に優れるため好ましい。易焼結性アルミナ粒子としては、例えば、昭和電工社製のAL−160SGシリーズや、大明化学工業株式会社製のタイミクロンTM−Dシリーズ等を用いることができる。
なお、(易焼結性セラミック粒子2の平均粒子径)/(無機蛍光体粒子1の平均粒子径)は0.5以下、0.2以下、0.1以下、特に0.05以下であることが好ましい。このようにすれば、波長変換部材10の緻密性が向上して、熱伝導パスが形成されやすくなるため、無機蛍光体粒子1で発生した熱をより一層効率良く外部に放出することができる。
波長変換部材10における無機蛍光体粒子1及び易焼結性セラミック粒子2の割合は、質量%で、無機蛍光体粒子1 0.1〜80%、易焼結性セラミック粒子2 20〜99.9%であることが好ましく、無機蛍光体粒子1 1〜70%、易焼結性セラミック粒子2 30〜99%であることがより好ましく、無機蛍光体粒子1 5〜60%、易焼結性セラミック粒子2 40〜95%であることがさらに好ましい。無機蛍光体粒子1の含有量が少なすぎる(易焼結性セラミック粒子2の含有量が多すぎる)と、十分な発光強度が得られにくくなる。一方、無機蛍光体粒子1の含有量が多すぎる(易焼結性セラミック粒子2の含有量が少なすぎる)と、波長変換部材10において易焼結性セラミック粒子2からなる熱伝導パスが形成されにくくなるため、無機蛍光体粒子1で発生した熱が外部に放出されにくくなる。また、無機蛍光体粒子1の結着性が低下して、波長変換部材10の機械的強度が低下しやすくなる。
波長変換部材10の形状は特に限定されないが、通常は板状(矩形板状、円盤状等)である。波長変換部材10の厚みは、目的とする色合いの光が得られるよう適宜選択することが好ましい。具体的には、波長変換部材10の厚みは2mm以下、1mm以下、特に0.8mm以下であることが好ましい。但し、波長変換部材10の厚みが小さすぎると機械的強度が低下しやするなるため、0.03mm以上であることが好ましい。
波長変換部材10は以下のようにして製造することができる。まず、無機蛍光体粒子1の前駆体である結晶性ガラス粒子と、易焼結性セラミック粒子2を所定の割合で混合した原料粉末を予備成型することにより予備成型体を作製する。
結晶性ガラス粒子は、上述の組成となるように調合した原料を加熱溶融した後、冷却することにより作製することができる。但し、上述の組成は、結晶化度が非常に高くなるようガーネット型結晶の化学量論比に近いものであり、基本的にガラス化しにくい領域である。そのため、通常の溶融容器を用いた製造方法では、溶融ガラスと溶融容器との接触界面を起点として結晶化が進行してしまい、所望の結晶が得られにくい(析出結晶の制御が困難である)という問題がある。ガラス化しにくい組成であっても、溶融容器との界面での接触をなくすことによりガラス化が可能となる。このような方法として、ガス噴射等を利用して原料塊を空中に浮遊させた状態で溶融、冷却する無容器浮遊法が知られている。当該方法を用いると、溶融容器との界面を起点とする結晶化の問題を防止することができ、ガラス化が可能となる。無容器浮遊法以外にも、原料塊を火炎中に投入して溶融した後、急冷することにより、結晶性ガラス粒子を得ることも可能である。
次に、予備成型体を焼成することにより、結晶性ガラス粒子及び易焼結性セラミック粒子2を焼結するとともに、結晶性ガラス粒子を結晶化させることにより、波長変換部材10を得る。ここで、原料粉末に結合剤や溶剤等の有機成分を添加してペースト状にした後、焼成してもよい。このようにすれば、グリーンシート成形等の方法を利用して、所望の形状の予備成型体が形成しやすくなる。この際、まず脱脂工程(600℃程度)で有機成分を除去した後、易焼結性セラミック粒子2の焼結温度で焼成することにより、緻密な焼結体が得られやすくなる。また、1次焼成後に焼成温度±150℃でHIP(熱間静水圧プレス)処理を施しても良い。そうすることによって、波長変換部材10内の空孔を収縮させて消滅させることができ、過剰な光の散乱を抑制することができる。
結合剤としては、ポリプロピレンカーボネート、ポリブチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、エチルセルロース、ニトロセルロース、ポリエステルカーボネート等が使用可能であり、これらを単独あるいは混合して使用することができる。
溶剤としては、テルピネオール、酢酸イソアミル、トルエン、メチルエチルケトン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノイソブチレート等を単独または混合して使用することができる。
ペースト中には、焼結助剤が含有されていてもよい。焼結助剤としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニア、酸化イットリウム等を用いることができる。
(波長変換素子)
図2は、本発明の波長変換素子の一実施形態を示す模式的断面図である。波長変換素子20は波長変換部材10と、波長変換部材10より高い熱伝導率を有する放熱層3とを積層させた積層体から構成されている。本実施形態では、波長変換部材10に励起光が照射されることにより発生した熱は、放熱層3を通じて外部に効率良く放出される。よって、波長変換部材10の温度が過度に上昇することを抑制することができる。
放熱層3は、波長変換部材10より高い熱伝導率を有している。具体的には、放熱層3の熱伝導率は5W/m・K以上、10W/m・K以上、特に20W/m・K以上であることが好ましい。
放熱層3の厚みは0.05〜1mm、0.07〜0.8mm、特に0.1〜0.5mmであることが好ましい。放熱層3の厚みが小さすぎると、機械的強度が低下する傾向がある。一方、放熱層3の厚みが大きすぎると、波長変換素子が大型化する傾向がある。
放熱層3としては透光性セラミックスからなるものを使用することができる。このようにすれば、励起光または蛍光を透過させることができるため、透過型の波長変換素子として使用することができる。透光性セラミックスからなる放熱層の波長400〜800nmにおける全光線透過率は10%以上、20%以上、30%以上、40%、特に50%以上であることが好ましい。
透光性セラミックスとしては、酸化アルミニウム系セラミックス、窒化アルミニウム系セラミックス、炭化ケイ素系セラミックス、窒化ホウ素系セラミックス、酸化マグネシウム系セラミックス、酸化チタン系セラミックス、酸化ニオビウム系セラミックス、酸化亜鉛系セラミックス及び酸化イットリウム系セラミックスから選択される少なくとも1種を使用することができる。
本実施形態の波長変換素子20は、波長変換部材10の一方の主面のみに放熱層3が形成されているが、波長変換部材10の両主面に放熱層3を形成してもよい。このようにすれば、波長変換部材10で発生した熱をより一層効率よく外部に放出することができる。さらに、波長変換部材10と放熱層3とを交互に積層させた4層以上の積層体であってもよい。
なお、放熱層3としては透光性セラミックスからなるもの以外にも、Cu、Al、Ag等の金属からなる層であってもよい。このようにすれば、反射型の波長変換素子として使用することができる。
(発光装置)
図3は、本発明の発光装置の一実施形態を示す模式的側面図である。本実施形態に係る発光装置は、透過型の波長変換部材を用いた発光装置である。図3に示すように、発光装置30は、波長変換部材10と光源4を備えている。光源4から出射された励起光L0は、波長変換部材10により、励起光L0よりも波長の長い蛍光L1に波長変換される。また、励起光L0の一部は波長変換部材10を透過する。このため、波長変換部材10からは、励起光L0と蛍光L1との合成光L2が出射する。例えば、励起光L0が青色光であり、蛍光L1が黄色光である場合、白色の合成光L2を得ることができる。なお、波長変換部材10の代わりに、上記で説明した波長変換素子20を使用してもよい。
光源4としては、LEDやLDが挙げられる。発光装置30の発光強度を高める観点からは、光源4は高強度の光を出射できるLDを用いることが好ましい。
1 無機蛍光体粒子
2 易焼結性セラミック粒子
3 放熱層
4 光源
10 波長変換部材
20 波長変換素子
30 発光装置

Claims (17)

  1. 結晶化ガラスからなる無機蛍光体粒子、及び、易焼結性セラミック粒子を含有する波長変換部材であって、
    無機蛍光体粒子間に易焼結性セラミック粒子が介在しており、かつ、無機蛍光体粒子が易焼結性セラミック粒子により結着されていることを特徴とする波長変換部材。
  2. 易焼結性セラミック粒子の平均粒子径が0.01〜10μmであることを特徴とする請求項1に記載の波長変換部材。
  3. 易焼結性セラミック粒子が易焼結性アルミナ粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の波長変換部材。
  4. 無機蛍光体粒子の平均粒子径が1〜50μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長変換部材。
  5. 無機蛍光体粒子が、主結晶としてガーネット型結晶を析出していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の波長変換部材。
  6. ガーネット型結晶が、YAG結晶またはYAG結晶固溶体であることを特徴とする請求項5に記載の波長変換部材。
  7. 無機蛍光体粒子が、モル%で、Y+Lu+Gd 19.99〜50%、Al+Ga+GeO 30〜80%、SiO 0〜35%、MgO 0〜35%、Ce+Eu 0.01〜5%を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のセラミックス波長変換部材。
  8. 無機蛍光体粒子の結晶化度が90%以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のセラミックス波長変換部材。
  9. 質量%で、無機蛍光体粒子 0.1〜80%、及び、易焼結性セラミック粒子 20〜99.9%を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の波長変換部材。
  10. (易焼結性セラミック粒子の平均粒子径)/(無機蛍光体粒子の平均粒子径)が0.5以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の波長変換部材。
  11. 請求項1〜10に記載の波長変換部材を製造するための方法であって、
    無機蛍光体粒子の前駆体である結晶性ガラス粒子と、易焼結性セラミック粒子を混合し、予備成型体を作製する工程、及び
    予備成型体を焼成することにより、結晶性ガラス粒子及び易焼結性セラミック粒子を焼結するとともに、結晶性ガラス粒子を結晶化させる工程、
    を含むことを特徴とする波長変換部材の製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の波長変換部材と、波長変換部材より高い熱伝導率を有する放熱層とが積層されてなる積層体からなることを特徴とする波長変換素子。
  13. 放熱層が透光性セラミックスからなることを特徴とする請求項12に記載の波長変換素子。
  14. 透光性セラミックスが、酸化アルミニウム系セラミックス、窒化アルミニウム系セラミックス、炭化ケイ素系セラミックス、窒化ホウ素系セラミックス、酸化マグネシウム系セラミックス、酸化チタン系セラミックス、酸化ニオビウム系セラミックス、酸化亜鉛系セラミックス及び酸化イットリウム系セラミックスから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項13に記載の波長変換素子。
  15. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の波長変換部材と、波長変換部材に励起光を照射する光源とを備えてなることを特徴とする発光装置。
  16. 請求項12〜14のいずれか一項に記載の波長変換素子と、波長変換素子に励起光を照射する光源とを備えてなることを特徴とする発光装置。
  17. 光源がレーザーダイオードであることを特徴とする請求項15または16に記載の発光装置。
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