JP6597311B2 - 糖液およびキシロオリゴ糖の製造方法 - Google Patents

糖液およびキシロオリゴ糖の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、セルロース含有バイオマスから糖液およびキシロオリゴ糖を製造する方法に関する。
糖を原料とした化学品の発酵生産プロセスは、種々の工業原料生産に利用されている。近年、食糧と競合しないセルロース含有バイオマスを原料とした糖の製造プロセスが広く検討されている。中でも、エネルギー使用量および環境負荷が少なく、かつ糖収量が多いため、セルラーゼを使用する方法が注目されている。
一方、オリゴ糖は、低甘味、低カロリー、難う蝕性の等の特性に加え、腸内細菌の選択的な増殖促進効果を有し、おなかの調子を良好に保つ機能を有する特定保健用食品などが数多く市販されている。これらのオリゴ糖の中でもキシロオリゴ糖は酸やアミラーゼなどの消化酵素による分解を受けにくく、ヒトが摂取した場合、大腸まで分解されず、吸収されることなく到達するため、最小有効量が0.2〜0.7g/日(菓子総合技術センター:オリゴ糖ハンドブック)と他のオリゴ糖と比較して一桁少ない量でその効果を発揮する。キシロオリゴ糖は、ヒトの食品用途だけではなく家畜の飼料の添加剤としても利用されている。
キシロオリゴ糖は、植物の主要構成成分のひとつであるキシランから製造されている。キシロオリゴ糖の製造方法としては、粉砕された広葉樹に高温高圧水を循環させることにより、原料中のヘミセルロースを加水分解抽出する方法(特許文献1)、バチルス属の微生物の生産するキシラナーゼでキシランを処理し、反応ろ液よりキシロオリゴ糖を製造する方法(特許文献2)、化学パルプにヘミセルラーゼを作用させた反応ろ液に含まれるキシロオリゴ糖複合体を膜ろ過法により濃縮し、濃縮液からキシロオリゴ糖を分離、回収する方法(特許文献3)などが知られている。
キシロオリゴ糖の製造に用いる酵素としてはキシラナーゼが代表的であり、トリコデルマ属、アクレモニウム属、ストレプトマイセス属、アスペルギルス属など糸状菌に代表される様々な微生物が生産するセルラーゼにキシラナーゼ活性が含まれていることが知られているが、一方で、キシロオリゴ糖を単糖単位に分解するβ−キシロシダーゼ活性も含まれていることも知られている。したがって、キシロオリゴ糖を効率的に生産するためには、微生物が生産するセルラーゼからキシラナーゼを精製してβ−キシロシダーゼを除く、あるいはβ−キシロシダーゼを生産しない微生物を用いてキシラナーゼを生産するなど、β−キシロシダーゼの影響を排除する必要があるが、これらの方法はいずれも酵素のコスト増につながる。
特許第4557648号公報 特開昭61−242592号公報 特許第3951545号公報
上述の通り、酵素を用いてキシロオリゴ糖を製造するにはキシラナーゼを用いられるが、キシラナーゼ活性を含むセルラーゼを用いる場合、セルラーゼにはキシラナーゼ活性の他にキシロオリゴ糖を加水分解するβ−キシロシダーゼ活性も含まれている。従って、セルラーゼを用いてキシロオリゴ糖を製造することは困難であった。
そこで本発明では、セルラーゼを利用して糖液およびキシロオリゴ糖を併産するプロセスを構築することによって有価物である糖液およびキシロオリゴ糖の製造プロセス全体で使用される酵素量を、従来の別々の酵素を用いて糖液及びキシロオリゴ糖を製造するプロセスの場合の酵素量より削減することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、セルロース含有バイオマスを糸状菌由来セルラーゼにより加水分解し、該加水分解物から回収したセルラーゼをキシロオリゴ糖製造に使用できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[11]の構成を有する。
[1]以下の工程(1)〜(3)を含む糖液およびキシロオリゴ糖の製造方法。
工程(1):セルロース含有バイオマスを糸状菌由来セルラーゼで加水分解する工程。
工程(2):工程(1)の加水分解物を固液分離し、溶液成分を限外ろ過膜に通じてろ過し、非透過液としてセルラーゼを回収し、透過液として糖液を回収する工程。
工程(3):工程(2)の回収セルラーゼをキシラン含有原料に作用させ、生成したキシロオリゴ糖を回収する工程。
[2]糸状菌由来セルラーゼがトリコデルマ・リーセイ(Trichoderma reesei)由来セルラーゼである、[1]に記載の糖液およびキシロオリゴ糖の製造方法。
[3]工程(2)において、工程(1)の加水分解物の電気伝導率が16mS/cm未満である、[1]または[2]に記載の糖液およびキシロオリゴ糖の製造方法。
[4]工程(2)の回収セルラーゼのβ−キシロシダーゼ活性が、工程(1)で使用した糸状菌由来セルラーゼの5%未満である、[1]から[3]のいずれかに記載の糖液およびキシロオリゴ糖の製造方法。
[5]工程(2)の回収セルラーゼが少なくともキシラナーゼを含む、[1]から[4]のいずれかに記載の糖液およびキシロオリゴ糖の製造方法。
[6]工程(1)がセルロース含有バイオマスの前処理物を糸状菌由来セルラーゼで加水分解する工程である、[1]から[5]のいずれかに記載の糖液およびキシロオリゴ糖の製造方法。
[7]工程(1)がセルロース含有バイオマスの前処理物に含まれる固形物を水で洗浄して得られるものに糸状菌由来セルラーゼで加水分解する工程である、[6]に記載の糖液およびキシロオリゴ糖の製造方法。
[8]キシラン含有原料がセルロース含有バイオマスの前処理物である、[1]から[7]のいずれかに記載の糖液およびキシロオリゴ糖の製造方法。
[9]キシラン含有原料がセルロース含有バイオマスの前処理物を固液分離して得られる溶液成分である、[8]に記載の糖液およびキシロオリゴ糖の製造方法。
[10]キシラン含有原料がセルロース含有バイオマスの前処理物を固液分離して得られる固形分である、[8]に記載の糖液およびキシロオリゴ糖の製造方法。
[11]前記工程(1)〜(3)を含むプロセスを繰り返す糖液およびキシロオリゴ糖の製造方法であって、工程(3)で得られた加水分解残さを後段のプロセスの工程(1)のセルロース含有バイオマスの一部または全部として使用する、[10]に記載の方法。
本発明によれば、セルロース含有バイオマスからの糖液製造プロセスにおいて得られる回収セルラーゼをキシロオリゴ糖の製造に再利用することにより、糖液およびキシロオリゴ糖の製造コストを低減することができる。
図1は、本発明の糖液およびキシロオリゴ糖の製造方法の実施の形態を示した略図である。
以下、本発明を実施するための形態について工程ごとに説明する。
[工程(1):セルロース含有バイオマスを糸状菌由来セルラーゼで加水分解する工程]
本発明で用いるセルロース含有バイオマスは、セルロース成分を含む生物資源を指す。セルロースは、植物細胞壁の主成分のひとつであり、β−1,4−結合したグルコースの重合体である。セルロース成分を含む生物資源に特に制限はなく、種子植物、シダ植物、コケ植物、藻類、水草などの他、廃建材なども用いることができる。種子植物は、裸子植物と被子植物に分類されるが、どちらも好ましく用いることができる。裸子植物の具体例としては、スギ、マツなどが挙げられる。被子植物は単子葉植物と双子葉植物に分類されるが、どちらも好ましくも用いることができ、単子葉植物の具体例としては、バガス、スイッチグラス、ネピアグラス、エリアンサス、コーンストーバー、コーンコブ、稲わら、麦わら、竹、ササなどが挙げられ、双子葉植物の具体例としては、ビートパルプ、ユーカリ、ナラ、シラカバ、ポプラ、ヒノキなどが挙げられる。
これらのセルロース含有バイオマスには、多くの場合セルロースミクロフィブリル間に存在する多糖類であるヘミセルロースも含まれる。そのため工程(1)で得られるセルロース含有バイオマスの加水分解物は、セルロース由来の糖類であるグルコースの他、ヘミセルロース由来の糖類であるキシロース、アラビノース、マンノースなども含まれる。
また、セルロース含有バイオマスは芳香族高分子であるリグニンや、タンパク質なども含有しているため、糸状菌由来セルラーゼによる加水分解効率を向上させるために前処理を施したものを使用するのが好ましい。前処理の方法としては、硫酸、酢酸などによる酸処理、苛性ソーダ、アンモニアなどによるアルカリ処理、水熱処理、亜臨界水処理、微粉砕処理、蒸煮処理、化学パルプ化処理(具体例として、サルファイト蒸解またはクラフト蒸解が挙げられる。)が挙げられる。セルロース含有バイオマスに前処理を施した場合、ヘミセルロースの一部が加水分解し、キシロース、アラビノース、マンノースなど、あるいはこれらの糖から構成される多糖やオリゴ糖が可溶化する場合がある。
工程(1)でセルロース含有バイオマスの前処理物を用いる場合、固形物と溶液成分の両方を含む状態、あるいは固液分離および/または固形物の洗浄によりキシロースなどを含む溶液成分を取り除いた状態のどちらを用いてもよい。
セルロース含有バイオマスの前処理方法は特に限定されないが、セルロース含有バイオマスの化学パルプ化処理物の加水分解物より回収したセルラーゼは、後段の工程(3)でのキシロオリゴ糖の製造に好ましく用いられる。また、本発明の糖液およびキシロオリゴ糖併産プロセス全体のコストを下げるためには、工程(1)で使用するセルロース含有バイオマスと工程(3)で使用するキシラン含有原料はともに同一のセルロース含有バイオマスより得られる前処理物であることが好ましい。また、後述のように工程(3)ではセルロース含有バイオマスの水熱処理やアルカリ処理により得られたキシラン含有原料が好ましく用いられることから、工程(1)で使用するセルロース含有バイオマスもこれらの前処理物であってもよい。また、単一のまたは複数の前処理方法を組み合わせてセルロース含有バイオマスとキシラン含有原料を調製してもよい。例えば化学パルプ化の前工程として水熱処理などの前処理加水分解を行う場合、溶液成分としてキシラン含有原料を回収後、固形物に化学パルプ化処理を施してセルロース含有バイオマスとして使用することができる。
本発明では、工程(2)で得られる回収セルラーゼを工程(3)でキシロオリゴ糖製造に使用することから、後述するように回収セルラーゼは工程(1)で使用する糸状菌由来セルラーゼに比べそのβ−キシロシダーゼ活性が低減していることが好ましい。工程(1)の加水分解物に含まれる電解質が少ないほど、β−キシロシダーゼ活性の低い回収セルラーゼが得られやすい。すなわち、工程(1)の加水分解物の電気伝導率は低いほうが好ましく、具体的には16mS/cm未満であることが好ましい。さらに好ましいのは10mS/cm未満である。電気伝導率とは、溶液の電気抵抗の逆数であり、その測定方法はJIS K0130「電気伝導率測定法通則」に定められている。溶液の電気伝導率は、面積1mの2個の平面電極が距離1mで対抗している容器に電解質水溶液を満たして測定した電気抵抗の逆数で示され、溶液中の電解質が多いほど電気伝導率は高い値を示す。本発明における電気伝導率とはセルロース含有バイオマスの加水分解物中の電解質濃度の指標であるため、該加水分解物に固形物が残存する場合、遠心分離やろ過などにより固液分離して得られる溶液成分の電気伝導率を指す。
工程(1)の加水分解物の電気伝導率を16mS/cm未満に調整する方法としては、例えばセルロース含有バイオマスの前処理で得られる固形物を水で洗浄して電解質を除去することによって加水分解物を所望の電気伝導率に調整することができる。加水分解物の電気伝導率を下げることにより、工程(2)において、工程(1)で使用するセルラーゼよりもβ−キシロシダーゼ活性の低い回収セルラーゼを得ることができ、工程(3)のキシロオリゴ糖製造プロセスにおいて好ましく使用できる。
加水分解反応におけるセルロース含有バイオマスの固形物濃度は特に限定されないが、1〜30重量%の範囲が好ましい。固形物濃度が低いと加水分解により生成する糖濃度が低く、発酵原料として利用しにくい場合がある。一方、濃度が高すぎるとハンドリングが困難になることがある。ここでセルロース含有バイオマスの重量は絶乾重量を用いて計算する。絶乾重量は、セルロース含有バイオマスを105℃で恒量になるまで乾燥させた後の重量を指す。絶乾重量の測定は、105℃の乾燥機を用いてセルロース含有バイオマスの重量が変わらなくなるまで乾燥させて測定することができる。また、キシラン含有バイオマスの絶乾重量も同様の方法で算出できる。
セルラーゼの由来となる糸状菌としては、トリコデルマ属(Trichoderma)、アスペルギルス属(Aspergillus)、セルロモナス属(Cellulomonas)、クロストリジウム属(Clostridium)、ストレプトマイセス属(Streptomyces)、フミコラ属(Humicola)、アクレモニウム属(Acremonium)、イルペックス属(Irpex)、ムコール属(Mucor)、タラロマイセス属(Talaromyces)、などの微生物を挙げることができる。また、これら微生物に変異剤あるいは紫外線照射などで変異処理を施すことによりセルラーゼ生産性が向上した変異株由来のセルラーゼであってもよい。
糸状菌の中でもトリコデルマ属微生物は、セルロースの加水分解において活性の高い酵素成分を培養液中に大量に生産するため本発明において好ましく使用することができる。トリコデルマ属微生物由来セルラーゼの具体例としては、トリコデルマ・リーセイQM9414(Trichoderma reesei QM9414)、トリコデルマ・リーセイQM9123(Trichoderma reesei QM9123)、トリコデルマ・リーセイRutC−30(Trichoderma reesei RutC−30)、トリコデルマ・リーセイPC3−7(Trichoderma reesei PC3−7)、トリコデルマ・リーセイCL−847(Trichoderma reesei CL−847)、トリコデルマ・リーセイMCG77(Trichoderma reesei MCG77)、トリコデルマ・リーセイMCG80(Trichoderma reesei MCG80)、トリコデルマ・ビリデQM9123(Trichoderma viride QM9123)由来のセルラーゼが挙げられ、これらのセルラーゼを単独、あるいは混合して使用することができる。上述のトリコデルマ属微生物由来セルラーゼの中でもより好ましいのはトリコデルマ・リーセイ由来セルラーゼである。
糸状菌由来セルラーゼは、セルロースおよび/またはヘミセルロースを加水分解してグルコースやキシロースなどの単糖を生成する活性を有する酵素組成物であり、酵素成分としてセロビオハイドラーゼ、エンドグルカナーゼ、β−グルコシダーゼ、キシラナーゼおよびβ−キシロシダーゼからなる群から選択される1種以上を含むことが好ましい。例えばトリコデルマ・リーセイ由来セルラーゼの酵素成分としては、セロビオハイドラーゼI、セロビオハイドラーゼII、エンドグルカナーゼI、エンドグルカナーゼIII、β−グルコシダーゼ、キシラナーゼ、β−キシロシダーゼ、などが例示され、こうした複数の酵素成分の協奏効果あるいは補完効果により効率的なセルロースおよび/またはヘミセルロースの加水分解を実施することができるため、本発明において好ましく使用される。
セロビオハイドラーゼは、セルロース鎖の加水分解によりセロビオースを放出する酵素の総称であり、EC番号:EC3.2.1.91としてセロビオハイドラーゼに帰属される酵素群が記載されている。セロビオハイドラーゼIはセルロース鎖の還元末端側から、セロビオハイドラーゼIIは非還元末端側から加水分解反応を開始する。
エンドグルカナーゼは、セルロース鎖の中央部分から加水分解することを特徴とする酵素の総称であり、EC番号:EC3.2.1.4としてエンドグルカナーゼに帰属される酵素群が記載されている。
β−グルコシダーゼとは、セロオリゴ糖あるいはセロビオースに作用することを特徴とする酵素の総称であり、EC番号:EC3.2.1.21としてβ−グルコシダーゼに帰属する酵素群が記載されている。
キシラナーゼとは、ヘミセルロースあるいは特にキシランに作用することを特徴とする酵素の総称であり、EC番号:EC3.2.1.8としてキシラナーゼに帰属される酵素群が記載されている。
β−キシロシダーゼとは、キシロオリゴ糖に作用することを特徴とする酵素の総称であり、EC番号:EC3.2.1.37としてキシロシダーゼに帰属される酵素群が記載されている。
こうしたセルラーゼ成分は、ゲルろ過、イオン交換、二次元電気泳動などの公知手法により分離し、分離した成分のアミノ酸配列(N末端分析、C末端分析、質量分析)を行い、データベースとの比較により同定することができる。
また、糸状菌由来セルラーゼの酵素活性は、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、セロビオース、キシラン、マンナンなどといった多糖を基質とし、その加水分解活性によって評価することができる。結晶セルロース分解活性を示す主たる酵素は、セルロース末端部分から加水分解する特徴を有するセロビオハイドラーゼである。セロビオース分解活性を示す主たる酵素は、β−グルコシダーゼである。CMC分解活性に関与する主たる酵素は、セロビオハイドラーゼ、エンドグルカナーゼである。キシラン分解活性を示す主たる酵素はキシラナーゼ、β−キシロシダーゼである。ここで“主たる”という意味は、最も分解に関与することが知られていることからの表現であり、これ以外の酵素成分もその分解に関与していることを意味している。
あるいは4−ニトロフェニル糖誘導体や4−メチルウンベリフェリル糖誘導体などの糖誘導体基質を用い、加水分解反応により遊離した色素を定量することによって各々の酵素の活性を測定する方法もある。
糸状菌は培養液中にセルラーゼを産生するため、その培養液を粗酵素剤としてそのまま使用してもよいし、公知の方法で酵素群を精製し、製剤化したものを糸状菌由来セルラーゼ混合物として使用してもよい。糸状菌由来セルラーゼを精製し、製剤化したものとして使用する場合、プロテアーゼ阻害剤、分散剤、溶解促進剤、安定化剤など、酵素以外の物質を添加したものをセルラーゼ製剤として使用してもよい。なお、本発明ではこれらの中でも粗酵素物が好ましく使用される。粗酵素物は、糸状菌がセルラーゼを産生するよう調製した培地中で、任意の期間該微生物を培養した培養上清に由来する。使用する培地成分は特に限定されないが、セルラーゼの産生を促進するためにセルロースを添加した培地が一般的に使用できる。そして、粗酵素物として、培養液をそのまま、あるいは菌体を除去したのみの培養上清が好ましく使用される。
粗酵素物中の各酵素成分の重量比は特に限定されるものではないが、例えば、トリコデルマ・リーセイ由来の培養液には、50〜95重量%のセロビオハイドラーゼが含まれており、残りの成分にエンドグルカナーゼ、β−グルコシダーゼなどが含まれている。また、トリコデルマ属の微生物は、強力なセルラーゼ成分を培養液中に生産する一方で、β−グルコシダーゼに関しては、その多くを細胞内あるいは細胞表層に保持しているため培養液中のβ−グルコシダーゼ活性は低い。そこで、粗酵素物に、さらに異種または同種のβ−グルコシダーゼを添加してもよい。異種のβ−グルコシダーゼとしては、アスペルギルス属微生物由来のβ−グルコシダーゼが好ましく使用できる。アスペルギルス属微生物由来のβ−グルコシダーゼとして、ノボザイム社より市販されているNovozyme188などを例示することができる。また、トリコデルマ属の微生物に遺伝子を導入し、その培養液中にβ−グルコシダーゼが産生されるよう遺伝子組み換えされたトリコデルマ属の微生物を培養し、β−グルコシダーゼ活性の向上した培養液を用いてもよい。
加水分解反応の温度は、糸状菌由来セルラーゼの好ましい反応条件に準じていれば特に限定されないが、30〜75℃の範囲であることが好ましく、特にトリコデルマ属微生物由来セルラーゼを使用する場合、40〜60℃の範囲であることがさらに好ましい。
加水分解反応のpHも同様に糸状菌由来セルラーゼの好ましい反応条件に準じていれば特に限定されないが、pH3.0〜7.0の範囲が好ましく、pH4.0〜6.0の範囲であることがさらに好ましい。糸状菌由来セルラーゼとしてトリコデルマ属微生物由来セルラーゼを使用する場合、その反応最適pHは5.0である。さらに、加水分解の過程でpHの変化が起きるため、反応液に緩衝液を添加する、あるいは酸やアルカリを用いて一定pHを保持しながら実施することが好ましい。
加水分解反応の時間は、2時間〜200時間の範囲であることが好ましい。2時間未満であると、十分な糖生成が得られないことがある。一方で、200時間を超えるとセルラーゼの失活が進み、回収セルラーゼの再利用性に悪影響を及ぼすことがある。
[工程(2):工程(1)の加水分解物を固液分離し、溶液成分を限外ろ過膜に通じてろ過し、非透過液として回収セルラーゼを回収し、透過液として糖液を回収する工程]
工程(1)で得られた加水分解物を固液分離して得られる溶液成分には糸状菌由来セルラーゼ成分および糖成分が含まれ、これらは限外ろ過膜を用いたろ過によって分離することができる。
固液分離の方法としては、特に限定されないが、遠心分離、プレス濾過などが挙げられる。
限外ろ過膜とは、分画分子量が300〜200,000となる膜のことであり、ウルトラフィルトレーション膜、UF膜などと略称されるものである。また、限外ろ過膜は、孔径が小さすぎて膜表面の細孔径を電子顕微鏡等で計測することが困難であり、平均細孔径の代わりに分画分子量という値を孔径の大きさの指標とすることになっている。分画分子量とは、日本膜学会編 膜学実験シリーズ 第III巻 人工膜編 編集委員/木村尚史・中尾真一・大矢晴彦・仲川勤(1993年、共立出版) P92に、『溶質の分子量を横軸に、阻止率を縦軸にとってデータをプロットしたものを分画分子量曲線とよんでいる。そして阻止率が90%となる分子量を膜の分画分子量とよんでいる。』とあるように、限外ろ過膜の膜性能を表す指標として当業者には周知のものである。
限外ろ過膜を用いた糸状菌由来セルラーゼと糖成分の分離においては、その分画分子量は糖液の主成分の単糖であるグルコース(分子量180)やキシロース(分子量150)を透過し、糸状菌由来セルラーゼを阻止できるものであれば特に限定されないが、分画分子量500〜100,000が好ましく、糸状菌由来セルラーゼ成分の収率を担保し、また酵素反応に阻害的作用を示す夾雑物質を糸状菌由来セルラーゼ成分と分離するという観点から、より好ましくは分画分子量5,000〜50,000の範囲であり、さらに好ましくは分画分子量10,000〜30,000の範囲である。
限外ろ過膜の素材としては、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PS)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニルデン(PVDF)、再生セルロース、セルロース、セルロースエステル、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリ4フッ化エチレンなどを使用することができるが、再生セルロース、セルロース、セルロースエステルは糸状菌由来セルラーゼによる分解を受けるため、PES、PVDFなどの合成高分子を素材とした限外ろ過膜を使用することが好ましい。
限外ろ過膜のろ過方式として、デッドエンドろ過、クロスフローろ過があるが、膜ファウリング抑制の観点から、クロスフローろ過であることが好ましい。また使用する限外ろ過膜の膜形態としては、平膜型、スパイラル型、チューブラー型、中空糸型など適宜の形態のものが使用できる。具体的には、DESAL社のG−5タイプ、G−10タイプ、G−20タイプ、G−50タイプ、PWタイプ、HWSUFタイプ、KOCH社のHFM−180,HFM−183、HFM−251、HFM−300、HFK−131、HFK−328、MPT−U20、MPS−U20P、MPS−U20S、Synder社のSPE1、SPE3、SPE5、SPE10、SPE30、SPV5、SPV50、SOW30、旭化成株式会社製のマイクローザ(登録商標)UFシリーズの分画分子量3,000から10,000に相当するもの、日東電工株式会社製のNTR7410、NTR7450などが挙げられる。
工程(1)で使用した糸状菌由来セルラーゼの酵素成分の一部は、セルロース含有バイオマスの加水分解反応において未分解セルロースやリグニンといった固形分へ吸着する。吸着するセルラーゼ成分には偏りがあるため、限外ろ過膜によるろ過の非透過液として得られる回収セルラーゼは、工程(1)で使用した糸状菌セルラーゼと比較してそのβ−キシロシダーゼ活性が低減されており、後述の工程(3)でキシロオリゴ糖の製造に好ましく使用することができる。回収セルラーゼのβ−キシロシダーゼ活性は低ければ低いほど好ましく、工程(1)で使用した糸状菌由来セルラーゼの5%未満まで低減されていることがより好ましい。
具体的には、回収セルラーゼのβ−キシロシダーゼ活性が低減された結果、回収セルラーゼのβ−キシロシダーゼ活性が、回収セルラーゼのタンパク質量あたり0.01U/mg未満にまで低減されていることが好ましい。β−キシロシダーゼ活性は、4−ニトロフェニル−β−D−キシロピラノシドを基質とし、加水分解反応により遊離した4−ニトロフェノールを比色法により定量することで測定できる。
さらに、工程(3)で回収セルラーゼを用いてキシロオリゴ糖を製造するためには、回収セルラーゼは少なくともキシラナーゼを含むことが好ましい。キシラナーゼはキシラン主鎖の中程を加水分解し、キシロオリゴ糖を生成する反応を触媒する。糸状菌由来セルラーゼの場合、xyn1(GH11)、xyn2(GH11)、xyn3(GH10)、xyn4(GH5)、xyn5b(GH5)、xyn11(GH11)などのキシラナーゼをコードする遺伝子が知られている。
限外ろ過膜によるろ過の透過液として回収される糖液は単糖であるグルコースおよびキシロースを主成分とするものであり、そのままでも後述の発酵工程での発酵原料として使用可能であるが、発酵工程の効率を高めるためにさらに糖濃度を高める濃縮処理をおこなってもよい。糖液の濃縮処理としては、蒸発濃縮、減圧濃縮、膜濃縮などを例示することができるが、エネルギー使用量が少なく、糖液に含まれる発酵阻害物質を分離することが可能なWO2010/067785号に記載される、ナノろ過膜および/または逆浸透膜に通じてろ過する方法により、糖成分が濃縮された濃縮糖液を得ることができる。
本発明により得られた糖液を発酵原料として化学品を生産する能力を有する微生物を培養することで、各種化学品を製造することができる。ここでいう発酵原料として微生物を成育させるとは、糖液に含まれる糖成分あるいはアミノ源を微生物の栄養素として利用し、微生物の増殖、生育維持を行うことを意味している。こうした化学品は、糖液中の糖成分を炭素源として、その代謝の過程において生体内外に化学品として蓄積生産される。化学品の具体例としては、エタノール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセロールなどのアルコール、酢酸、乳酸、ピルビン酸、コハク酸、リンゴ酸、イタコン酸、クエン酸などの有機酸、イノシン、グアノシンなどのヌクレオシド、イノシン酸、グアニル酸などのヌクレオチド、カダベリンなどのアミン化合物を挙げることができる。さらに、本発明の糖液は、酵素、抗生物質、組換えタンパク質などの生産に適用することも可能である。
[工程(3):工程(2)の回収セルラーゼをキシラン含有原料に作用させ、生成したキシロオリゴ糖を回収する工程]
前述のとおり、工程(2)の回収セルラーゼは工程(1)で使用した糸状菌由来セルラーゼに比べそのβ−キシロシダーゼ活性が低減されており、キシラン含有原料からのキシロオリゴ糖の製造に好ましく使用できる。
本発明で用いられるキシラン含有原料とは、キシランを含有するものであれば特に限定されない。キシランは、植物細胞の細胞壁に存在するヘミセルロースの構成成分であり、β−1,4−結合したキシロース主鎖に対し、様々な側鎖が結合したヘテロ糖である。その構造は多種多様で、植物種間で異なっている。例えば、単子葉植物に含まれるキシランとしてはアラビノキシランが知られており、アラビノース残基を側鎖に有する。一方、双子葉植物に含まれるキシランとしてはグルクロノアラビノキシランやグルクロノキシランが知られており、グルクロン酸残基およびアラビノース残基を側鎖に有する。さらに双子葉植物の中でも特に広葉樹に含まれるキシランとしては4−O−メチルグルクロノキシランが知られており、4−O−メチルグルクロン酸残基を側鎖に有する。また、裸子植物に含まれるキシランとしては4−O−メチルグルクロノアラビノキシランが知られており、アラビノース残基および4−O−メチルグルクロン酸残基を側鎖に有する。本発明では、これらのいずれを含むものもキシラン含有原料として使用することができる。
従って、工程(1)でセルロース含有バイオマスとして挙げた生物資源由来のバイオマスはキシラン含有原料としても利用できる。単子葉植物の具体例には、バガス、スイッチグラス、ネピアグラス、エリアンサス、コーンストーバー、コーンコブ、稲わら、麦わら、竹、ササなどが挙げられる。また、双子葉植物の具体例には、ユーカリ、ナラ、シラカバなどの広葉樹やその廃材が挙げられる。
工程(1)で述べたように、前処理により酵素の加水分解効率が向上することから、これらのセルロース含有バイオマスを工程(3)でキシラン含有原料として使用する場合、工程(1)と同様に前処理を施すことが好ましい。前処理の方法も、工程(1)での前処理と同様に硫酸、酢酸などによる酸処理、苛性ソーダ、アンモニアなどによるアルカリ処理、水熱処理、亜臨界水処理、微粉砕処理、蒸煮処理、化学パルプ化処理(具体例として、サルファイト蒸解またはクラフト蒸解が挙げられる。)が挙げられる。なお、高いキシロオリゴ糖収率を得るためには、キシランがキシロースにまで分解するのをなるべく抑えられる前処理方法が好ましく、具体的には、水熱処理、アルカリ処理が好ましい。
キシラン含有原料がセルロース含有バイオマスの前処理物である場合、前処理方法によってはキシランが固形物として存在する場合と、溶液成分として溶け出す場合がある。本発明においてはどちらの場合もキシランを含有するものをキシラン含有原料として使用できる。また、溶液成分と固形物の両方を含む状態をキシラン含有原料として使用してもよいし、固液分離してキシランを含む画分のみを使用してもよいが、純度の高いキシロオリゴ糖を製造するためには、固液分離してキシランを含む画分のみをキシラン含有原料として使用することが好ましい。
工程(1)で述べたように、水熱処理と化学パルプ化処理など、1または複数の前処理方法を組み合わせてセルロース含有バイオマスとキシラン含有原料を調製することもできる。また、セルロース含有バイオマスの前処理により得られるキシランを含む溶液成分は、多くの場合リグニンなどの不純物も含むため、膜分離や溶媒抽出などの手法で除去した物をキシラン含有原料として使用してもよい。
セルロース含有バイオマスの前処理によってキシランが溶液成分として溶け出す場合、セルロース含有バイオマスの前処理物を固液分離して溶液成分のみをキシラン含有原料として工程(3)の加水分解に供することが好ましい。この場合、固形物を工程(1)のセルロース含有バイオマスとして加水分解することにより一度の前処理でセルロース含有バイオマスとキシラン含有原料を同時に得るため製造コストを削減できる点で有利である。
セルロース含有バイオマスの前処理物に含まれるキシランが固形物である場合、工程(3)で該固形物をキシラン含有原料として加水分解して生成したキシロオリゴ糖を回収し、次のサイクルの工程(1)で工程(3)の加水分解残さをセルロース含有バイオマスとして使用することにより、加水分解残さに残ったセルロースから糖液を製造することができる。つまり、キシラン含有原料の加水分解残さをセルロース含有バイオマスとして再利用できるため、製造コスト削減に有利である。
キシラン含有原料が固形物である場合の加水分解反応における固形物濃度は特に限定されないが、1〜30重量%の範囲が好ましい。固形物濃度が低いと十分なキシロオリゴ糖収量を得るのに必要な液量が増加するため、後のキシロオリゴ糖精製工程において不利な場合がある。一方、固形物濃度が高すぎるとハンドリングが困難になることがある。
加水分解反応の温度は、工程(1)と同様に糸状菌由来セルラーゼの好ましい反応条件に準じていれば特に限定されないが、30〜75℃の範囲であることが好ましく、特に工程(1)でトリコデルマ属微生物由来セルラーゼを使用する場合、40〜60℃の範囲であることがさらに好ましい。
加水分解反応のpHも同様に糸状菌由来セルラーゼの好ましい反応条件に準じていれば特に限定されないが、pH3.0〜7.0の範囲が好ましく、pH4.0〜6.0の範囲であることがさらに好ましい。工程(1)でトリコデルマ属微生物由来セルラーゼを使用する場合、その反応最適pHは5.0である。さらに、加水分解の過程でpHの変化が起きるため、反応液に緩衝液を添加する、あるいは酸やアルカリを用いて一定pHを保持しながら実施することが好ましい。
加水分解反応の時間は、10分〜48時間の範囲であることが好ましい。本発明のキシロオリゴ糖は重合度2〜10の範囲のものが好ましく、特に腸内細菌である乳酸菌やビフィズス菌の資化性がよい重合度2(キシロビオース)および/または重合度3(キシロトリオース)のキシロオリゴ糖を主成分とすることが好ましい。反応時間が10分未満であると、十分なキシロオリゴ糖生成が得られないことがある。一方で、反応時間が長すぎると回収セルラーゼに含まれるわずかなβ−キシロシダーゼの作用や、キシラナーゼの作用によりキシロオリゴ糖が分解され、単糖であるキシロースが増加する場合があるため、48時間以内に反応を終えることが好ましい。
回収セルラーゼの作用により生じたキシロオリゴ糖液は、他種類の不純物、残さ物を含むため、ろ過、あるいはイオン交換樹脂、合成吸着剤、活性炭などの吸着剤を用いてキシロオリゴ糖を精製してもよい。吸着剤を用いることにより、キシラン含有原料に由来する着色成分を除去することができるため、加工食品や飲料の加工などへの利用性が高まる。得られたキシロオリゴ糖液は必要に応じて粉末化してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
(参考例1)トリコデルマ属微生物由来セルラーゼの調製
トリコデルマ属微生物由来セルラーゼは以下の方法で調製した。
[前培養]
コーンスティープリカー5%(w/v)、グルコース2%(w/v)、酒石酸アンモニウム0.37%(w/v)、硫酸アンモニウム0.14%(w/v)、リン酸二水素カリウム0.14%(w/v)、塩化カルシウム二水和物0.03%(w/v)、硫酸マグネシウム七水和物0.03%(w/v)、塩化亜鉛0.02%(w/v)、塩化鉄(III)六水和物0.01%(w/v)、硫酸銅(II)五水和物0.004%(w/v)、塩化マンガン四水和物0.0008%(w/v)、ホウ酸0.0006%(w/v)、七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.026%(w/v)となるようRO水に溶解し、100mLを500mL容バッフル付き三角フラスコに入れ121℃で15分間オートクレーブ滅菌した。放冷後、これとは別にそれぞれ121℃で15分間オートクレーブ滅菌したPE−MとTween80をそれぞれ0.01%(w/v)となるよう添加した。この前培養培地にトリコデルマ・リーセイQM9414を1×10個/mLになるよう植菌し、28℃、180rpmにて72時間振とう培養し、前培養液とした(振とう装置:TAITEC製 BIO−SHAKER BR−40LF)。
[本培養]
コーンスティープリカー5%(w/v)、グルコース2%(w/v)、セルロース(アビセル)10%(w/v)、酒石酸アンモニウム0.37%(w/v)、硫酸アンモニウム0.14%(w/v)、リン酸二水素カリウム0.2%(w/v)、塩化カルシウム二水和物0.03%(w/v)、硫酸マグネシウム七水和物0.03%(w/v)、塩化亜鉛0.02%(w/v)、塩化鉄(III)六水和物0.01%(w/v)、硫酸銅(II)五水和物0.004%(w/v)、塩化マンガン四水和物0.0008%(w/v)、ホウ酸0.006%(w/v)、七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.0026%(w/v)となるよう蒸留水に溶解し、2.5Lを5L容ジャーファーメンター(ABLE製 DPC−2A)に入れ、121℃で15分間オートクレーブ滅菌した。放冷後、これとは別にそれぞれ121℃で15分間オートクレーブ滅菌したPE−MとTween80をそれぞれ0.01%(w/v)となるよう添加し、前記の方法にて得た前培養液を250mL接種した。その後、28℃、300rpm、通気量1vvmにて87時間培養を行った。得られた培養液を遠心分離し、培養上清を粗酵素液として使用した。なお、後述の参考例2に従って培養上清のタンパク質濃度を測定したところ、10g/Lであった。
(参考例2)タンパク質濃度の測定
タンパク質濃度は、市販のタンパク質濃度測定試薬(Quick Start Bradfordプロテインアッセイ、Bio−Rad製)を使用した。室温に戻したタンパク質濃度測定試薬250μLに希釈したセルラーゼ溶液を5μL添加し、室温で5分間静置後の595nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダー(Multiskan GO、サーモサイエンティフィック製)で測定した。牛血清アルブミン水溶液を標準液とし、検量線に照らし合わせてセルラーゼ溶液のタンパク質濃度を算出した。
(参考例3)糖濃度の測定
糖液に含まれるグルコース、キシロース、キシロビオースおよびキシロトリオース濃度は、下記に示すHPLC条件で、標品との比較により定量した。
カラム:AQUITY UPLC BEH Amide(Waters製)
移動相A:80%アセトニトリル+0.1%TFA
移動相B:30%アセトニトリル+0.1%TFA
流速:0.12mL/min
10分間で移動相Bの割合が0から40%に達するように徐々に上昇させ、10.01分で再び移動相Aのみとし、20分まで分析を行った。
検出方法:ELSD(蒸発光散乱検出器)
温度:55℃。
(参考例4)β−キシロシダーゼ活性の測定方法
β−キシロシダーゼ活性として、4−ニトロフェニル−β−D−キシロピラノシド(pNP−Xyl)の分解活性を測定した。1.1mMの基質を含む55mM酢酸緩衝液(pH5.0) 0.9mLに酵素液を0.1mL加え、30℃で30分間正確に反応させた(基質の終濃度1mM、緩衝液の終濃度50mM)後、0.1mLの2M炭酸ナトリウム水溶液を添加して反応を停止させ、405nmにおける吸光度を測定した(ODtest)。ブランクとして、基質溶液に2M炭酸ナトリウム水溶液、酵素液の順に添加したものについても同様に405nmにおける吸光度を測定した(ODblank)。上記反応系で1分間に1μmolの4−ニトロフェノールを生成する酵素量を1Uと定義し、活性値(U/mL)を下記式に従って算出した。なお、上記反応系における4−ニトロフェノールのミリモル分子吸光係数は17.2L/mmol/cmである。
β−キシロシダーゼ活性(U/mL)={(ODtest−ODblank)×1.1(mL)×酵素希釈倍率}/{17.2×30(分間)×0.1(mL)}。
(参考例5)セルロース含有バイオマスの前処理
セルロース含有バイオマスとしてナラ、バガス、シラカバの3種類の前処理物を使用した。ナラはパルプ化したもの(兵庫パルプ)をナラ前処理物1として使用した。バガスおよびシラカバはそれぞれ以下に示す手順で前処理し、バガス前処理物1〜4、シラカバ前処理物1〜3として使用した。
(1)バガスの水熱処理
バガスをスラリー化(固形分濃度30重量%)し、200℃、10分間処理した。水熱処理終了後は固液分離を行い、固形物を十分に洗浄したものをバガス前処理物1、溶液をバガス前処理物2とした。
(2)バガスのアルカリ処理
バガスの固形物1gあたり100mgの水酸化ナトリウムを添加した固形分濃度30重量%のスラリーを180℃、10分間処理した。アルカリ処理終了後は固液分離を行い、固形物を十分に洗浄したものをバガス前処理物3、溶液をバガス前処理物4とした。
(3)シラカバの水熱処理
シラカバチップのスラリー(固形分濃度30重量%)を150℃で4時間処理した。水熱処理終了後は固液分離を行い、固形分を十分に洗浄したものをシラカバ前処理物1、溶液をシラカバ前処理物2とした。
(4)シラカバ前処理物2のアセトン分画
前項(3)で得たシラカバ前処理物2と等量の冷アセトンを添加し、氷上で5分間撹拌後、室温で静置した。1時間後にろ過を行い、得られた固形物を乾燥させシラカバ前処理物3とした。
(参考例6)トリコデルマ属微生物由来セルラーゼによるセルロース含有バイオマスの加水分解と回収セルラーゼの調製
[工程1:セルロース含有バイオマスの加水分解]
セルロース含有バイオマスとして、ナラ前処理物、バガス前処理物1、バガス前処理物3のいずれかを使用した。50mL容遠沈管にそれぞれの前処理物を絶乾重量で1gとり、RO水を加えてスラリーを調製した。なお、含水率は赤外線水分計(ケツト科学研究所製 FD−720)を用い、サンプルを105℃で乾燥させることにより測定した。希硫酸を添加してスラリーのpHをpH4.7〜5.3の範囲内に調製し、参考例1に従い調製したトリコデルマ属微生物由来セルラーゼ(タンパク質濃度:10g/L)1.0mLと、アスペルギルス・ニガー由来β−グルコシダーゼ(Megazyme製 E−BGLUC、タンパク質濃度:1.1g/L)を0.45mL添加した。最後に総重量が10gとなるようRO水を加えて固形物終濃度を10重量%とし、50℃で24時間、ハイブリダイゼーションローテーターを用いて回転混和した(日伸理化株式会社製 SN−06BN)。
[工程2:回収セルラーゼの調製]
加水分解物を遠心分離(8,000G、10分間)にて固液分離し、溶液成分と加水分解残さを得た。回収した溶液成分をポアサイズ0.2μmの精密ろ過膜(25mm GD/Xシリンジフィルター 材質:PVDF、GEヘルスケア・ジャパン製)に通じて微粒子を除いた後、分画分子量10,000の限外ろ過膜(VIVASPIN Turbo15 材質:PES、Sartorius stedim biotech製)を用いてろ過した。非透過側を回収セルラーゼ液として回収し、透過側を糖液として回収した。糖液については、参考例3に従って糖濃度を測定した。回収セルラーゼ液については、参考例4に従ってβ−キシロシダーゼ活性測定を行った。糖液の糖濃度を表1に、回収セルラーゼ液のβ−キシロシダーゼ活性を表2に示す。
Figure 0006597311
Figure 0006597311
(比較例1)糸状菌由来セルラーゼを使用したキシラン含有原料の加水分解
キシラン含有原料としてバガス前処理物2を10mL、シラカバ前処理物2を10mL、バガス前処理物3あるいはシラカバ前処理物3のスラリー10g(固形物濃度10重量%、希硫酸にてpH5に調整)をそれぞれ50mL容遠沈管にとり、RO水1.0mLまたは参考例1に従って調製したトリコデルマ属微生物由来セルラーゼ1.0mLを添加した。50℃で6時間、回転混和した後に遠心分離(8,000G、10分間)し、参考例3に従って上清の糖濃度を分析した。
(実施例1)トリコデルマ属微生物由来回収セルラーゼを使用したキシラン含有原料の加水分解
トリコデルマ属微生物由来セルラーゼの代わりに参考例6に従って得た回収セルラーゼの全量を用いる他は比較例1と同様に加水分解を実施した。比較例1および実施例1の糖濃度を表3に示す。イネ科植物であるバガス、広葉樹であるシラカバのいずれに由来するキシラン含有原料を用いた場合にも、回収セルラーゼを作用させることにより、トリコデルマ属微生物由来セルラーゼを作用させた場合よりも多くのキシロオリゴ糖が生成した。
Figure 0006597311
(実施例2)セルロース含有バイオマス加水分解物の電気伝導率と回収セルラーゼのβ−キシロシダーゼ活性の関係
セルロース含有バイオマスとしてナラ前処理物を使用し、参考例6と同様の方法で加水分解および回収セルラーゼを調製した。ただし、加水分解反応において塩化ナトリウムを添加して異なる電気伝導率の加水分解物を得た。
参考例6で用いたアスペルギルス・ニガー由来β−グルコシダーゼ(Megazyme製 E−BGLUC、タンパク質濃度:1.1g/L)は、3.2Mの硫酸アンモニウムに懸濁された製品であるため、分画分子量10,000の限外ろ過膜(VIVASPIN Turbo15 材質:PES、Sartorius stedim biotech製)にて加水ろ過して脱塩し、1,000倍以上に希釈した脱塩酵素溶液を調製した。この脱塩酵素溶液に表4に示す濃度になるように塩化ナトリウムを添加し、各電気伝導率の加水分解物を調製した。電気伝導率9.4mS/cm以上の加水分解物については、非脱塩酵素溶液を用いて調製した。
それぞれの加水分解物から回収セルラーゼ液を得、参考例4に従ってβ−キシロシダーゼ活性を測定した。加水分解物の電気伝導率と回収セルラーゼのβ−キシロシダーゼ活性を表4に示す。加水分解物の電気伝導率が16.3mS/cm未満の場合にβ−キシロシダーゼ活性が5%未満となった。
Figure 0006597311
(実施例3)回収セルラーゼのβ−キシロシダーゼ活性と生成キシロオリゴ糖の関係
実施例2で得られた回収セルラーゼを用い、バガス前処理物2の加水分解を実施例1と同様の方法で実施した。上清の糖濃度を表5に示す。
これらの結果から、回収セルラーゼを用いない場合、キシランは単糖のキシロースまで分解され、キシロオリゴ糖は検出されなかったのに対し、回収セルラーゼを用いることにより、高い糖収量でキシロオリゴ糖が得られることがわかった。また、回収後のβ−キシロシダーゼの活性が回収前の5%未満まで低減されている場合に、特に高い糖収量でキシロオリゴ糖が得られることがわかった。
Figure 0006597311
本発明における糖液およびキシロオリゴ糖の製造方法によれば、セルロース含有バイオマスから糖液を製造するために使用した糸状菌由来セルラーゼを回収し、キシロオリゴ糖の製造に再利用することからキシロオリゴ糖の製造コストを削減することができる。また本発明で製造した糖液は、各種化学品の発酵原料として使用することができる。本発明で製造したキシロオリゴ糖は、食品や飼料への添加剤として使用することができる。

Claims (12)

  1. 以下の工程(1)〜(3)を含むキシロオリゴ糖の製造方法。
    工程(1):セルロース含有バイオマスを、トリコデルマ属微生物由来であってキシラナーゼ活性およびβ−キシロシダーゼ活性を有するセルラーゼにより加水分解する工程。
    工程(2):工程(1)の加水分解物を固液分離し、溶液成分を限外ろ過膜に通じてろ過し、非透過液としてセルラーゼを回収する工程。
    工程(3):工程(1)とは独立した工程であって、工程(2)の回収セルラーゼをキシラン含有原料に作用させ、生成したキシロオリゴ糖を回収する工程。
  2. 前記セルラーゼがトリコデルマ・リーセイ(Trichoderma reesei)由来セルラーゼである、請求項1に記載のキシロオリゴ糖の製造方法。
  3. 工程(2)において、工程(1)の加水分解物の電気伝導率が16mS/cm未満である、請求項1または2に記載のキシロオリゴ糖の製造方法。
  4. 工程(2)の回収セルラーゼのβ−キシロシダーゼ活性が、工程(1)で使用した前記セルラーゼの5%未満である、請求項1から3のいずれかに記載のキシロオリゴ糖の製造方法。
  5. 工程(2)の回収セルラーゼが少なくともキシラナーゼを含む、請求項1から4のいずれかに記載のキシロオリゴ糖の製造方法。
  6. 工程(1)がセルロース含有バイオマスの前処理物を前記セルラーゼで加水分解する工程である、請求項1から5のいずれかに記載のキシロオリゴ糖の製造方法。
  7. 工程(1)がセルロース含有バイオマスの前処理物に含まれる固形物を水で洗浄して得られるものを前記セルラーゼで加水分解する工程である、請求項6に記載のキシロオリゴ糖の製造方法。
  8. キシラン含有原料がセルロース含有バイオマスの前処理物である、請求項1から7のいずれかに記載のキシロオリゴ糖の製造方法。
  9. キシラン含有原料がセルロース含有バイオマスの前処理物を固液分離して得られる溶液成分である、請求項8に記載のキシロオリゴ糖の製造方法。
  10. キシラン含有原料がセルロース含有バイオマスの前処理物を固液分離して得られる固形分である、請求項8に記載のキシロオリゴ糖の製造方法。
  11. 前記工程(1)〜(3)を含むプロセスを繰り返すキシロオリゴ糖の製造方法であって、工程(3)で得られた加水分解残さを後段のプロセスの工程(1)のセルロース含有バイオマスの一部または全部として使用する、請求項10に記載の方法。
  12. 以下の工程(1)〜(3)を含む糖液およびキシロオリゴ糖の製造方法。
    工程(1):セルロース含有バイオマスを、トリコデルマ属微生物由来であってキシラナーゼ活性およびβ−キシロシダーゼ活性を有するセルラーゼにより加水分解する工程。
    工程(2):工程(1)の加水分解物を固液分離し、溶液成分を限外ろ過膜に通じてろ過し、非透過液としてセルラーゼを回収し、透過液として糖液を回収する工程。
    工程(3):工程(1)とは独立した工程であって、工程(2)の回収セルラーゼをキシラン含有原料に作用させ、生成したキシロオリゴ糖を回収する工程。
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