JP6597118B2 - 細胞挙動評価用基板、細胞挙動評価用容器及び細胞挙動評価方法 - Google Patents

細胞挙動評価用基板、細胞挙動評価用容器及び細胞挙動評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、細胞の挙動を評価するために用いられる細胞挙動評価用基板及び細胞挙動評価用容器、並びに細胞の挙動を評価する方法に関する。
近年、創薬開発、再生医療等のバイオテクノロジー関連分野において、生体組織から単離した細胞や、細胞を構成する細胞構成要素(例えば、培養細胞から分泌される膜小胞(エクソソーム)、細胞小器官(オルガネラ)、小胞(リソソーム、エンドソーム、ファゴソーム、液胞等)、顆粒(メラノソーム、微小体、グリオキシソーム、バイベル・パラーデ小体等)、細胞骨格、中心小体、鞭毛、繊毛、リボソーム等)を用いた試験・研究が盛んに行われている。一般に、培養細胞を用いた試験・研究は、動物を用いた試験・研究に比べて安価であり、評価する試薬量が少なくて済む、均質な実験データが得られやすいといった利点がある。このような試験・研究において、生体組織から単離した細胞の細胞死を抑制し、当該細胞を安定的に培養し、増殖させることが重要となる。
細胞を安定的に培養し、増殖させるために、細胞を培養するための細胞培養器具に関する開発が進められている。従来、マルチウェルプレートタイプの細胞培養容器であって、各ウェルの底面に、ピラー状の凹凸構造を有する培養シートが取り付けられている細胞培養容器が提案されている(特許文献1参照)。
国際公開2013/030940号公報
上記特許文献1に記載の細胞培養容器において、培養シートが有するピラー状の凹凸構造上に、培養対象である細胞を播種すると、当該細胞がピラー状の凹凸構造上にて凝集してスフェロイドが形成される。
ところで、上記特許文献1に記載の細胞培養容器を用いて細胞を安定的に培養するためには、ピラー状の凹凸構造が、培養対象である細胞種等に適した寸法等を有することが必要となる。細胞種等によって、好適な接着性を示す凹凸構造の寸法等は異なるためである。そのため、凹凸構造の寸法等に応じて、培養対象である細胞種等の挙動を評価し、細胞培養容器の凹凸構造の寸法等を決定しなければならないが、そのような細胞種等の挙動を評価する器材は提案されていない現状である。
このような課題に鑑みて、本発明は、微細凹凸パターン上における細胞の挙動を的確に評価可能な細胞挙動評価用基板、細胞挙動評価用容器及び細胞挙動評価方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、微細凹凸パターン上における細胞の挙動を評価するための細胞挙動評価用基板であって、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基部を備え、前記基部の前記第1面の一部に設定された、所定の一方向に沿って順に並列する第1〜第N(Nは2以上の整数である。)評価領域のそれぞれに、前記微細凹凸パターンとしての第1〜第N凹凸パターンが形成されてなり、第M(Mは1以上N−1以下の整数である。)評価領域に形成されている第M凹凸パターンと、第M+1評価領域に形成されている第M+1凹凸パターンとは、100〜500nmの範囲内の寸法であって前記細胞の挙動を評価可能な程度に互いに異なる寸法を有することを特徴とする細胞挙動評価用基板を提供する(発明1)。
上記発明(発明1)によれば、細胞挙動評価用基板の第1面の一部に、所定の一方向に沿って順に並列する複数の評価領域(第1〜第N(N≧2)評価領域)が設定され、各評価領域に形成される凹凸パターン(第1〜第N凹凸パターン)の内の第M(1≦M≦N−1)凹凸パターンとそれに隣接する第M+1凹凸パターンとが、細胞の挙動を評価可能な程度に異なる寸法(100〜500nmの範囲内)を有することで、播種された細胞の挙動を的確に評価することができる。
上記発明(発明1)において、前記第1面における前記第1〜第N評価領域のそれぞれの近傍に、前記第1〜第N凹凸パターンの寸法に関する情報を含む識別マークが設けられているのが好ましい(発明2)。
細胞挙動評価用基板上に形成されている第1〜第N凹凸パターンは、100〜500nmの範囲内の寸法を有するものであるため、当該微細凹凸パターン上の細胞を光学顕微鏡で観察する場合、当該細胞が良好な接着性を示す微細凹凸パターンの寸法を把握することが困難である。しかしながら、上記発明(発明2)によれば、各評価領域内に形成されている凹凸パターンの寸法に関する情報を含む識別マークが、各評価領域の近傍に設けられていることで、光学顕微鏡で細胞を観察する場合であっても、当該細胞が良好な接着性を示している微細凹凸パターンの寸法を容易に把握することができる。
上記発明(発明1,2)において、前記第1〜第N凹凸パターンの寸法は、前記第1〜第N評価領域の並列順に段階的に変化するのが好ましい(発明3)。かかる発明(発明3)によれば、寸法が段階的に変化(増減)するように各凹凸パターンが形成されているため、細胞が良好な接着性を示す(又は細胞が接着性を示し難い)微細凹凸パターンの寸法の範囲を容易に決定することができる。
上記発明(発明1〜3)において、前記第M評価領域に形成されている前記第M凹凸パターンと、前記第M+1評価領域に形成されている前記第M+1凹凸パターンとが連続しているのが好ましい(発明4)。
隣接する評価領域の間に、微細凹凸パターンとは異なる構造が存在すると、当該構造が細胞の挙動に与える影響を無視し難くなるが、上記発明(発明4)によれば、隣接する評価領域のそれぞれに形成されている微細凹凸パターンが互いに連続していることで、細胞の挙動に影響を与える可能性のある構造が存在しないため、微細凹凸パターンの寸法が細胞の挙動に与える影響を的確に評価することができる。
上記発明(発明1〜4)において、前記第1面における前記第M評価領域と前記第M+1評価領域との境界を示すマークが、当該境界の近傍に設けられているのが好ましい(発明5)。
第1〜第N凹凸パターンが100〜500nmの寸法を有することで、光学顕微鏡を用いた観察では、隣接する微細凹凸パターンの境界を判別することが困難であるが、上記発明(発明5)によれば、隣接する評価領域の境界を示すマークが設けられていることで、隣接する評価領域の境界近傍に位置する細胞が良好な接着性を示す微細凹凸パターンの寸法を的確に評価することができる。
上記発明(発明1〜5)において、前記第1〜第N凹凸パターンの頂部は、前記第1面における前記第1〜第N評価領域以外の領域と同一平面上に位置するのが好ましい(発明6)。
第1〜第N評価領域上に細胞を播種する際、当該細胞自体が評価領域以外の領域上に存在することがある。評価領域以外の領域状に存在する細胞が、評価領域内に移動することで、細胞が良好な接着性を示す微細凹凸パターンの寸法を的確に評価可能となるが、評価領域内の微細凹凸パターンの頂部と、評価領域以外の領域との高さが異なると、細胞の移動を阻害するおそれがある。しかしながら、上記発明(発明6)によれば、微細凹凸パターンの頂部と、評価領域以外の領域とが同一平面上に位置することで、評価領域以外の領域から評価領域内に細胞が移動しやすくなるため、細胞が良好な接着性を示す微細凹凸パターンの寸法を的確に評価することができる。
上記発明(発明1〜6)において、前記第1〜第N凹凸パターンを、ピラー状又はラインアンドスペース状とすることができる(発明7)。
上記発明(発明1〜7)において、前記第1〜第N評価領域は、いずれも前記第1〜第N凹凸パターン上における前記細胞の挙動を観察するための光学顕微鏡の視野に収まる程度の大きさであるのが好ましい(発明8)。
上記発明(発明8)によれば、第1〜第N評価領域の大きさが、細胞の挙動を観察するための光学顕微鏡の視野に収まる程度であることで、光学顕微鏡の視野を移動させることなく細胞の挙動を観察し、評価することができる。
また、本発明は、貫通孔が形成されてなる底部及び前記底部の外周縁に連続する周壁部を有する容器本体と、前記底部に取り付けられてなる上記発明(発明1〜8)に係る細胞挙動評価用基板とを備え、前記容器本体の平面視において前記第1〜第N凹凸パターンが前記貫通孔に重なるように、かつ前記容器本体内に位置するようにして、前記細胞挙動評価用基板が前記底部に取り付けられており、前記貫通孔は、前記細胞挙動評価用基板により塞がれていることを特徴とする細胞挙動評価用容器を提供する(発明9)。
上記発明(発明9)において、前記細胞挙動評価用基板は、前記容器本体の平面視において前記第1〜第N凹凸パターンが前記貫通孔に物理的に包含されるようにして、前記底部に取り付けられてなるのが好ましい(発明10)。
上記発明(発明9,10)において、前記細胞挙動評価用基板が、前記貫通孔から前記第1〜第N凹凸パターンを露出させるようにして、前記容器本体の前記底部の外面に取り付けられているのが好ましい(発明11)。
上記発明(発明9〜11)において、前記細胞挙動評価用基板が、接着剤を介して前記底部に取り付けられているのが好ましい(発明12)。
さらに、本発明は、上記発明(発明9〜12)に係る細胞挙動評価用容器内に評価対象細胞を播種し、前記第1〜第N凹凸パターン上の前記評価対象細胞を、前記細胞挙動評価用基板の前記第2面側から観察し、当該細胞の挙動を評価することを特徴とする細胞挙動評価方法を提供する(発明13)。
上記発明(発明13)において、倒立顕微鏡を用いて前記評価対象細胞を観察するのが好ましい(発明14)。
本発明によれば、微細凹凸パターン上における細胞の挙動を的確に評価可能な細胞挙動評価用基板、細胞挙動評価用容器及び細胞挙動評価方法を提供することができる。
図1(A)は、本発明の一実施形態に係る細胞挙動評価用基板の概略構成を示す平面図であり、図1(B)は、本発明の一実施形態における各評価領域の概略構成を示す平面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る細胞挙動評価用基板の概略構成を示す、図1(B)におけるI−I線切断端面図である。 図3は、本発明の一実施形態における識別マーク及び境界マークの概略構成を示す平面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る細胞挙動評価用基板の製造工程を切断端面図にて示す工程フロー図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る細胞挙動評価用基板の製造工程であって、図4に示す工程に連続する各工程(透明基材の研磨方法の各工程)を切断端面図にて示す工程フロー図である。 図6は、本発明の一実施形態における評価用容器の概略構成を示す平面図である。 図7は、本発明の一実施形態における評価用容器の概略構成を示す、図6におけるII−II線切断端面図である。 図8は、本発明の一実施形態における評価用容器を用いた評価方法を示す概略図である。 図9は、本発明の一実施形態における評価領域の他の態様を概略的に示す斜視図である。 図10(A)及び(B)は、試験例1における細胞培養後の細胞挙動評価用基板上の顕微鏡写真である。 図11は、試験例2における細胞培養後の細胞挙動評価用基板上の顕微鏡写真である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[細胞挙動評価用基板]
図1(A)は、本実施形態に係る細胞挙動評価用基板の概略構成を示す平面図であり、図1(B)は、本実施形態における各評価領域の概略構成を示す平面図であり、図2は、本実施形態に係る細胞挙動評価用基板の概略構成を示す、図1(B)におけるI−I線切断端面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る細胞挙動評価用基板10は、第1面11a及び第1面11aに対向する第2面11bを有する基部11を備える。基部11の第1面11a側には、第1〜第N(Nは2以上の整数である。図1(B)に示す例においてはN=12)評価領域ER1〜ERN(ER12)を含む評価領域群GRが設けられており、評価領域群GR内の各評価領域ER1〜ERNに微細凹凸パターン12が形成されている。
本実施形態に係る細胞挙動評価用基板10は、微細凹凸パターン12上に存在する評価対象物としての細胞を、倒立顕微鏡を用いて第2面11b側から観察するために用いられるものであるが、評価対象物は細胞に限定されるものではなく、例えば、培養細胞から分泌される膜小胞(エクソソーム)、細胞小器官(オルガネラ)、小胞(リソソーム、エンドソーム、ファゴソーム、液胞等)、顆粒(メラノソーム、微小体、グリオキシソーム、バイベル・パラーデ小体等)、細胞骨格、中心小体、鞭毛、繊毛、リボソーム等の細胞を構成する細胞構成要素等も含まれる。以下、本実施形態においては、評価対象物としての細胞の挙動を評価するための基板を例に挙げて説明する。
基部11を構成する材料としては、石英ガラス、合成石英ガラス、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス、ホウケイ酸ガラス等のガラス材料;ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、その他ポリオレフィン等の樹脂材料等の透明材料等を用いることができる。
なお、本実施形態において「透明」とは、波長190〜800nmの光を対象物(本実施形態においては細胞挙動評価用基板10)の片側(第1面11a側又は第2面11b側)から照射した際、照射された側とは反対側(第2面11b側又は第1面11a側)へ光が到達することを意味する。好適な基準を透過率で示すならば20%以上、好ましくは50%以上、特に好ましくは80%以上である。
基部11の形状(平面視形状)は、特に限定されるものではなく、例えば、平面視略矩形状、平面視略円形状等を挙げることができる。また、平面視における基部11の大きさは特に限定されるものではないが、後述するように、本実施形態に係る細胞挙動評価用基板10は、好適には、貫通孔2cを有する容器本体2の底部2aに、貫通孔2cを塞ぐようにして取り付けられて用いられる(図6,7参照)。そのため、基部11の大きさは、当該容器本体2の貫通孔2cの大きさに応じ、貫通孔2cを塞ぐことのできる程度に設定されるのが好ましい。
基部11の厚みT11は、0.5mm以下であり、好ましくは0.03〜0.5mmであり、特に好ましくは0.1〜0.2mmで ある。本実施形態に係る細胞挙動評価用基板10は、微細凹凸パターン12上に存在する評価対象物としての細胞を、倒立顕微鏡を用いて第2面11b側から観察し、当該細胞の挙動を評価するために用いられる。微細凹凸パターン12上の細胞を観察する場合、極めて高倍率(20倍以上、好ましくは50倍以上程度)で観察可能であることが望ましいが、基部11の厚みT11が0.5mmを超えると、微細凹凸パターン12上の細胞と、基部11を挟むようにして対向して第2面11b側に位置する倒立顕微鏡の対物レンズとの距離が遠くなってしまい、高倍率(20倍以上程度)での観察が困難となる。なお、本実施形態において基部11の厚みT11は、マイクロメーター等を用いて測定され得る。
本実施形態において、評価領域群GR内には、一方向に並列するN個の評価領域ER1〜ERNが設けられており、当該評価領域群GRは、微細凹凸パターン12が基部11と一体的な構造物として形成されている第1評価領域群GR1と、当該微細凹凸パターン12とは異なる種類の形状の微細凹凸パターン12が基部11と一体的な構造物として形成されている第2評価領域群GR2とに区分される。
本実施形態において、第1評価領域群GR1の各評価領域ER2〜ER6に形成されている微細凹凸パターン12は、ピラー形状を有し、第2評価領域群GR2の各評価領域ER8〜ER12に形成されている微細凹凸パターン12は、ラインアンドスペース形状を有する。なお、第1評価領域群GR1と第2評価領域群GR2とのそれぞれの各評価領域ER2〜ER6,ER8〜ER12に形成されている微細凹凸パターン12は、互いに異なる種類の形状を有するものであればよく、これらの微細凹凸パターンの形状は、上記態様に限定されるものではない。
第1評価領域群GR1及び第2評価領域群GR2のそれぞれに含まれる評価領域ER2〜ER6,ER8〜ER12には、互いに異なる寸法の微細凹凸パターン12が形成されている。本実施形態においては、寸法100nm、150nm、200nm、300nm及び500nmの微細凹凸パターン12が、その順に並列するように各評価領域ER2〜ER6,ER8〜ER12に形成されている。すなわち、各評価領域ER2〜ER6,ER8〜ER12に形成されている微細凹凸パターン12の寸法は、当該評価領域ER2〜ER6,ER8〜ER12の並列順に段階的に変化する。なお、寸法100nmの微細凹凸パターン12の形成されている評価領域ER2,ER8の隣り(図1(B)において左側)の評価領域ER1,ER7は、微細凹凸パターン12の存在しない領域であるが、本実施形態に係る細胞挙動評価用基板10はこの評価領域ER1,ER7を有していなくてもよい。
各評価領域ER2〜ER6,ER8〜ER12に形成されている微細凹凸パターン12の寸法は、100〜500nmの範囲内である。微細凹凸パターン12の寸法が上記範囲内であることで、微細凹凸パターン12の寸法に応じた、評価対象である細胞の接着性の的確な評価が可能となる。
なお、微細凹凸パターン12の寸法とは、例えば、微細凹凸パターン12が平面視略正方形のピラー状であれば当該正方形の一辺の長さ、平面視略円形のピラー状であれば当該円の直径、ラインアンドスペース状であればライン状パターンの短手方向の幅を意味する。また、微細凹凸パターン12の平面視形状が略正方形や略円形でない場合(不定形である場合)、当該微細凹凸パターン12の高さ(ピラーの高さ)の1/2の高さを通る切断面であって、基部11の第1面11aと平行な切断面の面積と同一面積を有する円の直径を、微細凹凸パターン12の寸法とする。
さらに、微細凹凸パターン12が平面視略円形のホール(穴)状パターンであれば、当該円の直径を微細凹凸パターン12の寸法とし、微細凹凸パターン12が平面視不定形のホール状パターンであれば、当該微細凹凸パターン12の深さ(ホールの深さ)の1/2の深さを通る切断面であって、基部11の第1面11aと平行な切断面の面積と同一面積を有する円の直径を、微細凹凸パターン12の寸法とする。
第M(Mは1以上N−1以下の整数である。)評価領域ERMに形成されている微細凹凸パターン12とそれに隣接する第M+1評価領域ERM+1に形成されている微細凹凸パターン12とは、それぞれ、細胞の挙動を評価可能な程度に異なる寸法を有する。具体的には、隣接する評価領域ERM,ERM+1に形成されている微細凹凸パターン12の寸法差(絶対値)は、10nm以上であるのが好ましく、50nm以上であるのが特に好ましい。当該寸法差が10nm未満であると、評価対象である細胞の、微細凹凸パターン12の寸法に依存した接着性を的確に評価するのが困難となるおそれがある。
微細凹凸パターン12の形状としては、平面視略円形、略矩形又は略多角形のピラー状、ラインアンドスペース状等が好適であるが、これらの形状に限定されるものではなく、例えば、平面視略円形、略矩形又は略多角形のホール状等であってもよい。また、微細凹凸パターン12は、テーパー状又は逆テーパー状の側壁形状を有していてもよい。
各評価領域ER1〜ERNの大きさは、各評価領域ER1〜ERNが倒立顕微鏡の視野内に収まる程度の大きさであるのが好ましい。各評価領域ERの大きさが倒立顕微鏡の視野からはみ出す大きさであると、評価対象物としての細胞を観察しているときに、倒立顕微鏡の視野外に当該細胞が移動してしまうおそれがあり、経時的な細胞の観察が困難となるおそれがある。一方で、当該評価領域ER1〜ERNの大きさが小さすぎると、評価領域ER1〜ERN内に細胞が収まりきらず、微細凹凸パターン12の寸法に依存した接着性を的確に評価するのが困難となるおそれがある。このような観点から、各評価領域ER1〜ERNの大きさは、例えば、1.5mm×0.5mm程度であるのが好ましい。
また、後述するように、本実施形態に係る細胞挙動評価用基板10は、好適には、底部2aの略中央に貫通孔2cが形成された容器本体2の当該底部2aの外面(容器本体2外)に、貫通孔2cからナノ凹凸パターン12が露出するようにして取り付けられて用いられる(図6,7参照)。そのため、評価領域群GRの大きさは、当該容器本体2の貫通孔2cの大きさに応じ、評価領域群GRが貫通孔2cから露出され得る程度に、すなわち、細胞挙動評価用基板10を取り付けた容器本体2の平面視において評価領域群GRが貫通孔2cに物理的に包含され得る程度に適宜設定される(図6参照)。
略長方形の各評価領域ER1〜ERNの一の短辺の近傍であって、評価領域ER1〜ERNの外側(図1に示す例においては各評価領域ER1〜ERNの下側)には、当該評価領域ER1〜ERNに形成されている微細凹凸パターン12の種類(形状)及び寸法を示す識別マークIMが形成されている。図1(B)に示す例において、「D100」は、寸法100nmのピラー状微細凹凸パターン12が当該評価領域ER2に形成されていることを意味し、「L100」は、寸法100nmのラインアンドスペース状微細凹凸パターン12が当該評価領域ER8に形成されていることを意味する。
また、各評価領域ER1〜ERNの外側(図1(B)に示す例においては各評価領域ER1〜ER12の上側及び下側)には、隣接する評価領域ERM,ERM+1の境界を示す境界マークBMが形成されている。本実施形態において、評価領域ERに形成されている微細凹凸パターン12の種類(形状)及び寸法を、細胞の観察と同時に倒立顕微鏡にて判別することは略不可能である。しかし、本実施形態に係る細胞挙動評価用基板10によれば、細胞が良好な接着性を示す微細凹凸パターン12の種類(形状)及び寸法に関する情報を、細胞の観察と同時に識別マークIMや境界マークBMから取得することができる。よって、評価対象である細胞の挙動を観察しながら、細胞の接着性に寄与する微細凹凸パターン12の種類(形状)や寸法を把握することができる。
本実施形態において、識別マークIM及び境界マークBMは、図3に示すように、全体として文字や三角形状を表すラインアンドスペース形状の凹凸構造により構成され、各評価領域ER1〜ERNの外側に設けられる。
本実施形態において、各識別マークIM及び各境界マークBMの全体の大きさは、細胞の観察に用いられる倒立顕微鏡にて判別可能な大きさであり、例えば、識別マークIMの大きさは100μm程度、境界マークBMの大きさは50μm程度に設定され得る。
また、各識別マークIM及び各境界マークBMを構成する、ラインアンドスペース形状の凹凸構造の寸法は、1〜10μm程度であるのが好ましい。このような寸法範囲の凹凸構造により識別マークIM及び境界マークBMが構成されていることで、それらのマークIM,BMが、評価対象である細胞の接着性に対して影響を与え難く、各評価領域ER1〜ERNに形成されている微細凹凸パターン12の寸法に依存した細胞の挙動を的確に評価することができる。
識別マークIMから評価領域ERまでの距離LIMは、評価領域ER外から評価領域ER内に向かう細胞の移動に対して障壁とならない程度であればよく、例えば、100μm以上程度に設定され得る。また、境界マークBMから評価領域ERまでの距離LBMは、例えば、30μm程度に設定され得る。なお、本実施形態に係る細胞挙動評価用基板10において、隣接する評価領域ERM,ERM+1の一部と、各評価領域ERM,ERM+1に対応する識別マークIM及び境界マークBMとが、倒立顕微鏡の高倍率での視野内に収まるように、識別マークIM及び境界マークBMが設けられているのが好ましい。倒立顕微鏡の高倍率での視野内に隣接する評価領域ERM,ERM+1の一部と、識別マークIM及び境界マークBMとが収まることで、互いに異なる寸法及び間隔の微細凹凸パターン12が形成されている評価領域ERM,ERM+1における細胞の挙動を同時に、かつ詳細に観察することができる。具体的には、高倍率(対物X10倍)での倒立顕微鏡の視野の大きさが0.5mm×0.5mmであり、その視野内に2つの評価領域の一部と、2つの識別マークIMと、1つの境界マークBMとが少なくとも含まれるように、識別マークIM及び境界マークBMが設けられているのが好ましい。
図2に示すように、微細凹凸パターン12の頂部12aは、評価領域群GRの外側における基部11の第1面11aと同一平面上に位置するのが好ましい。基部11の第1面11aと異なる平面上に微細凹凸パターン12の頂部12aが位置すると、細胞が、評価領域群GRの外側に存在する場合に、評価領域群GR(評価領域ER内)まで移動するのが困難となり、細胞の挙動の評価が困難となるおそれがある。
微細凹凸パターン12の高さ(アスペクト比)は、特に限定されるものではなく、微細凹凸パターン12の寸法に応じて、適宜設定され得る。通常、微細凹凸パターン12のアスペクト比が0.1〜5、好ましくは0.3〜3程度になるように、微細凹凸パターン12の高さが設定され得る。
なお、基部11の第1面11aにおける評価領域ERの外側の領域は、後述する底部2aの略中央に貫通孔2cが形成された容器本体2の当該底部2aの外面に取り付けられる際に接着剤が塗布される領域として構成される。
上述した構成を有する本実施形態に係る細胞挙動評価用基板10によれば、各評価領域ER1〜ERNに、寸法の異なる微細凹凸パターン12が形成されていることで、微細凹凸パターン12の寸法に応じた細胞の挙動、すなわち細胞が良好な接着性を示す微細凹凸パターン12の寸法を的確に評価することができる。
[細胞挙動評価用基板の製造方法]
上述した構成を有する細胞挙動評価用基板10は、以下のようにして製造することができる。図4は、本実施形態に係る細胞挙動評価用基板の製造工程を切断端面図にて示す工程フロー図であり、図5は、本実施形態に係る細胞挙動評価用基板の製造工程であって、図4に示す工程に連続する各工程(透明基材の研磨方法の各工程)を切断端面図にて示す工程フロー図である。
まず、第1面31a及び第1面31aに対向する第2面31bを有し、第1面31a上にハードマスク層41及びレジスト膜42がその順に形成されてなる透明基材31を準備する(図4(A)参照)。
透明基材31としては、本実施形態に係る細胞挙動評価用基板10の構成材料(例えば、石英ガラス、合成石英ガラス、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス、ホウケイ酸ガラス等のガラス材料;ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、その他ポリオレフィン等の樹脂材料等の透明材料)からなる基材等を用いることができる。かかる透明基材31は、0.5mmを超える厚みを有するものであり、通常、1.0〜6.35mm程度の厚みを有するものである。
本実施形態において、透明基材31は、第1面31a側に複数の細胞挙動評価用基板10に相当する領域が割り付けられてなる多面付け透明基材であって、後述する工程(図5(D)参照)において切断されることによって、各細胞挙動評価用基板10が製造される。
ハードマスク層41を構成する材料としては、例えば、金属クロム、酸化クロム、窒化クロム、酸窒化クロム等を用いることができる。ハードマスク層41は、後述する工程(図4(C)参照)により透明基材31をエッチングするために用いられるハードマスクパターン44を形成するための層である。そのため、透明基材31を構成する材料とのエッチング選択比や、細胞挙動評価用基板10におけるナノ凹凸パターン12のアスペクト比を考慮した材料により構成される。例えば、透明基材31が石英ガラスにより構成される場合、ハードマスク層41は金属クロム等により構成されるのが望ましい。
レジスト膜42を構成するレジスト材料としては、特に限定されるものではなく、従来公知のエネルギー線感応型レジスト材料(例えば、電子線感応型レジスト材料、紫外線感応型レジスト材料等)等を用いることができる。
次に、レジスト膜42をパターニングして、細胞挙動評価用基板10の各評価領域ER1〜ERNに形成される微細凹凸パターン12に対応するレジストパターン43を、透明基材31の第1面31a側における、細胞挙動評価用基板10の各評価領域ER1〜ERN(図1及び図2参照)に相当する領域内に形成する(図4(B)参照)。
レジストパターン43を形成する方法としては、特に限定されるものではない。例えば、電子線リソグラフィー法、フォトリソグラフィー法、ナノインプリントリソグラフィー法等によりレジストパターン43を形成することができる。
続いて、レジストパターン43をマスクとして用いてハードマスク層41をドライエッチング法によりエッチングし、ハードマスクパターン44を形成する(図4(C)参照)。そして、当該ハードマスクパターン44をマスクとして用いて透明基材31の第1面31aをエッチングして微細凹凸パターン12を形成した後、ハードマスクパターン44を除去する(図4(D)参照)。
このようにして第1面31a側に微細凹凸パターン12が形成された透明基材31を第2面31b側から研磨して、透明基材31の厚みを0.5mm以下にする。かかる透明基材31を研磨する方法は、以下のようにして実施され得る。図5は、本実施形態における透明基材31(第1面31a側に微細凹凸パターン12が形成された透明基材31)を研磨する方法の工程を概略的に切断端面図にて示す工程フロー図である。
まず、第1面31aに微細凹凸パターン12が形成された透明基材31の当該第1面31aの全面を覆うように、当該第1面31a上に金属含有膜51を形成する(図5(A)参照)。
金属含有膜51を構成する材料としては、例えば、クロム、銅等の金属材料、当該金属の酸化物、窒化物等が挙げられる。後述の研磨工程(図5(C)参照)後に、金属含有膜51をエッチング処理により剥離する(図5(D)参照)ことを考慮すると、透明基材31として石英ガラスを用いる場合には、選択比等の観点から剥離の容易なクロム、酸化クロム等を、金属含有膜51を構成する材料として用いるのが好ましい。
金属含有膜51の厚み(微細凹凸パターン12の頂部12a上の厚み)は、50nm以上であるのが好ましく、50〜200nmであるのが好ましい。本実施形態において、透明基材31の厚みが0.5mm以下になるまで、透明基材31の第2面31b側から研磨するため(図5(C)参照)、研磨処理の過程で透明基材31の厚みが薄くなるに従い、透明基材31の強度が低下する。また、後述するように、厚みが0.5mm以下にまで研磨された透明基材31が切断され個片化されることで、細胞挙動評価用基板10が製造される(図5(D),(E)参照)。そのため、金属含有膜51の厚みが50nm未満であると、透明基材31の補強効果が不十分となり、研磨処理や切断工程において透明基材31が破損してしまうおそれがある。
第1面31aに金属含有膜51を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スパッタリング法、CVD法、PVD法、真空蒸着法等の公知の成膜法を採用することができる。
次に、金属含有膜51上に有機膜52を形成する(図5(B)参照)。後述する研磨工程(図5(C)参照)において、微細なパーティクル等が生じるが、金属含有膜51上に有機膜52を形成しておくことで、有機膜52を除去する過程で当該パーティクル等も同時に除去することができるため、当該パーティクル等が微細凹凸パターン12に付着してしまうのを防止することができる。
有機膜52を構成する材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、上述したレジスト膜42(図4(A)参照)を構成する材料と同様の材料を用いることができる。
金属含有膜51上に有機膜52を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スピンコート法等の公知の塗布方法により有機膜52を構成する材料を塗布した後、当該材料を硬化させる方法等を採用することができる。
有機膜52の厚みは、特に限定されるものではなく、後述する研磨工程(図5(C)参照)において生じ得る微細なパーティクル等が微細凹凸パターン12内に付着してしまうのを防止し得る程度の厚みであればよい。例えば、有機膜52の厚みは、200〜500nm程度である。
続いて、有機膜52が形成された透明基材31を、厚みが0.5mm以下になるまで第2面31b側から研磨する(図5(C)参照)。第1面31a側に金属含有膜51が形成されていることで、透明基材31を破損させることなく、厚みが0.5mm以下になるまで研磨することができる。また、金属含有膜51上に有機膜52が形成されていることで、研磨の過程で生じるパーティクル等が微細凹凸パターン12に付着してしまうのを防止することができる。
透明基材31を研磨する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、化学機械研磨処理(Chemical Mechanical Polishing,CMP)、回転研磨盤等を用いた機械研磨処理等が挙げられる。好ましくは、機械研磨処理により厚み0.5mm超1mm以下程度まで研磨(1次研磨)した後、CMPにより厚み0.5mm以下になるまで研磨(2次研磨)する。
このようにして研磨され、0.5mm以下の厚みを有する透明基材31の第1面31a側から有機膜52及び金属含有膜51を剥離する。これにより、本実施形態に係る細胞挙動評価用基板10を製造することができる(図5(D)参照)。
有機膜52及び金属含有膜51を剥離する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、硫酸等を含む洗浄液にて有機膜52を溶解して除去する方法、金属含有膜51を構成する金属材料等をエッチング可能なエッチング液を用いて金属含有膜51を除去する方法等が挙げられる。
本実施形態における研磨方法やそれを含む細胞挙動評価用基板10の製造方法によれば、第1面31a側にナノ凹凸パターン12が形成されてなる透明基材31を破損させることなく、厚み0.5mm以下にまで研磨することができ、倒立顕微鏡を用いて第2面11b側から観察可能な細胞挙動評価用基板10を容易に製造することができる。
[評価用容器]
上述した構成を有する細胞挙動評価用基板10は、第1面11a側における微細凹凸パターン12上に存在する、評価対象である細胞を、倒立顕微鏡を用いて第2面11b側から観察し、当該細胞の挙動を評価するために用いられるものであるが、後述する評価用容器の態様で用いられるのが好適である。図6は、本実施形態における評価用容器の概略構成を示す平面図(上面図)であり、図7は、本実施形態における評価用容器の概略構成を示す、図6におけるII−II線切断端面図である。
図6及び図7に示すように、本実施形態における評価用容器1は、底部2a及び当該底部2aの外周縁に連続する周壁部2bを有し、底部2aの略中央に貫通孔2cが形成されてなる容器本体2と、容器本体2の底部2aに取り付けられている本実施形態に係る細胞挙動評価用基板10とを備える。
本実施形態において、容器本体2は、底部2aの略中央に貫通孔2cが形成され、上方に開口するシャーレ状容器であるが、底部に貫通孔が形成されている限りにおいて、このような態様に限定されるものではない。例えば、底部に貫通孔が形成されているフラスコ状容器等であってもよい。
平面視における容器本体2の大きさは、特に限定されるものではなく、細胞培養等において一般的に用いられているシャーレと同等の直径、例えば、直径30〜60mm程度であるのが好ましい。また、容器本体2の底部2aの厚みは、0.8〜1.5mm程度である。
容器本体2は、合成樹脂製のものであってもよいし、ガラス製のものであってもよい。また、周壁部2bと底部2aとが異なる材質(例えば、周壁部2bが合成樹脂製であって、底部2aがガラス製等)により構成されるものであってもよい。
貫通孔2cの大きさは、特に限定されるものではないが、細胞挙動評価用基板10の第1面11aの評価領域群GRを物理的に包含し得る大きさであるのが好ましく、例えば、直径10〜30mm程度である。
本実施形態において、細胞挙動評価用基板10は、容器本体2内に評価領域群GRが位置するように、すなわちすべての評価領域ER1〜ERNの微細凹凸パターン12が貫通孔2cから露出するようにして、容器本体2の底部2bの外面に取り付けられている。そして、評価用容器1(容器本体2)の平面視(上面視)において、細胞挙動評価用基板10は、評価領域群GR(すべての評価領域ER1〜ERN)が貫通孔2cに重なるように、すなわち評価領域群GR(すべての評価領域ER1〜ERN)が貫通孔2に物理的に包含されるようにして、容器本体2の底部2aの外面に取り付けられている。
細胞挙動評価用基板10は、貫通孔2cを塞ぐようにして容器本体2の底部2aの外面に取り付けられている。すなわち、貫通孔2cが形成されている底部2aと、当該貫通孔2cを塞ぐ細胞挙動評価用基板10とにより、容器本体2の底面が構成されている。
細胞挙動評価用基板10は、接着剤(図示せず)を介して容器本体2の底部2aの外面における貫通孔2cの周縁近傍に接着することで取り付けられているのが好ましい。かかる接着剤としては、特に限定されるものではないが、細胞挙動評価用基板10及び容器本体2の底部2aの構成材料に応じてそれらに対する接着力が高く、評価用容器1内に収容される培養液等に対するシール性(液密性)を有し、細胞に対して悪影響を与えない(毒性等を有しない)ものであるのが好まし。当該接着剤としては、例えば、脱オキシム型シリコーン系接着剤等が用いられ得る。
上述した構成を有する本実施形態における評価用容器1によれば、0.5mm以下の厚みT11を有する細胞挙動評価用基板10が容器本体2の底部2aの外面に、すべての評価領域ER1〜ERNが容器本体2の貫通孔2cに物理的に包含されるようにして取り付けられていることで、微細凹凸パターン12上に存在する細胞を、倒立顕微鏡を用いて高倍率で観察することができる。また、細胞は、いずれかの評価領域ERに形成されている、いずれかの寸法の微細凹凸パターン12に対して良好な接着性を示すため、微細凹凸パターン12の寸法に依存した接着性を評価することができる。
[評価用容器の製造方法]
上述した評価用容器1は、底部2a及び当該底部2aの外周縁に連続する周壁部2bを有し、底部2aの略中央に貫通孔2cが形成されてなる容器本体2を準備し、当該容器本体2の底部2aの外面に、細胞挙動評価用基板10の第1面11aの評価領域群GRの外周の領域に塗布された接着剤を介して当該細胞挙動評価用基板10を取り付けることにより製造され得る。
このとき、容器本体2の貫通孔2cを塞ぐように、かつ細胞挙動評価用基板10における評価領域群GR(すべての評価領域ER1〜ERN)が、貫通孔2cから露出するようにして、当該細胞挙動評価用基板10を容器本体2の底部2aに取り付ける。これにより、すべての評価領域ER1〜ERNに形成されている微細凹凸パターン12を容器本体2内に位置させることができる。
本実施形態によれば、容器本体2の底部2aの略中央に形成されている貫通孔2cを塞ぐように細胞挙動評価用基板10を接着させるだけで評価用容器1を製造することができるため、評価用容器1を容易に製造することができる。
[評価方法]
上述した評価用容器1は、評価対象である細胞を観察し、当該細胞の挙動を評価するために用いられるものである。以下、当該評価用容器1を用いて細胞を観察し、当該細胞の挙動を評価する方法について説明する。図8は、本実施形態における評価方法を示す概略図である。
図8に示すように、本実施形態においては、評価用容器1内に細胞71を播種し、当該評価用容器1を倒立顕微鏡(図示せず)のステージ61上に載置する。倒立顕微鏡のステージ61には、所定の大きさの開口62が形成されているため、この開口62内に評価用容器1の評価領域群GRが位置するように、評価用容器1をステージ61上に載置する。
そして、倒立顕微鏡の対物レンズ63を、評価用容器1の底部2aに接着されている細胞挙動評価用基板10の第2面11b側に近接させて、所望とする倍率で細胞71を第2面11b側から観察する。
このとき、評価用容器1内の細胞71は、評価領域群GRの各評価領域ER1〜ERNに形成されている、互いに異なる寸法の微細凹凸パターン12のうち、所定の寸法の微細凹凸パターン12に対して良好な接着性を示す。そのため、本実施形態のように、倒立顕微鏡を用いて細胞71を第2面11b側から観察することで、微細凹凸パターン12の寸法に応じた当該細胞71の接着性を容易に評価することができる。
また、本実施形態における評価方法によれば、評価用容器1の底部2aに取り付けられている細胞挙動評価用基板10の厚みT11が0.5mm以下であることで、微細凹凸パターン12上に存在する細胞71と対物レンズ63との間の距離を極めて短くして観察することができる。そのため、極めて高い倍率で細胞71を観察することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記実施形態において、細胞挙動評価用基板10の各評価領域ER1〜ERNが、各評価領域ER1〜ERNに形成されている微細凹凸パターン12の寸法順に並列しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
上記実施形態において、細胞挙動評価用基板10の隣接する評価領域ERM,ERM+1の境界が、境界マークBMにより示されているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、図9に示すように、隣接する評価領域ERM,ERM+1を区分する壁部13が存在していてもよい。この場合において、壁部13の短手方向の寸法W13は、細胞の観察時に用いられる倒立顕微鏡にて当該壁部13を認識(判別)可能な寸法(例えば、10μm程度)に設定され得る。
上記実施形態において、評価領域群GRの各評価領域ER1〜ERNにピラー状及びラインアンドスペース状の微細凹凸パターン12が形成されている態様を例に挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、評価領域群GRの各評価領域ER1〜ERNに互いに寸法の異なるピラー状の微細凹凸パターン12又はラインアンドスペース状の微細凹凸パターン12が形成されている態様であってもよい。
上記実施形態において、隣接する評価領域ERM,ERM+1の境界を示す境界マークBMが全体として三角形状を有し、各評価領域ER1〜ERNに形成されている微細凹凸パターン12の寸法等を示す識別マークIMが文字(英数字)形状を有するが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、境界マークBM及び識別マークIMのそれぞれの機能が奏され得る限りにおいて、いかなる形状であってもよい。
上記実施形態において、評価用容器1は、細胞挙動評価用基板10が容器本体2の底部2aの外面に取り付けられてなるが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、細胞挙動評価用基板10の第2面11b側に接着剤を塗布し、容器本体2における底部2aの貫通孔2cの外周縁の領域に当該細胞挙動評価用基板10を接着し、細胞挙動評価用基板10が容器本体2内に取り付けられてなるものであってもよい。
上記実施形態においては、細胞挙動評価用基板10を、底部2aに貫通孔2cが形成されてなる容器本体2の当該底部2aに取り付けて用いる態様を例に挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。上記細胞挙動評価用基板10は、そのまま評価対象である細胞の観察・評価用途に用いられてもよい。
上記実施形態においては、透明基材31の第1面31a側に微細凹凸パターン12を形成した後、ハードマスクパターン44を除去してから金属含有膜51を形成しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、ハードマスクパターン44を除去することなく、金属含有膜51を形成してもよい。この場合、金属含有膜51を剥離する工程(図5(D)参照)において、金属含有膜51とともにハードマスクパターン44を除去可能であるのが好ましいため、ハードマスクパターン44と金属含有膜51とは、同一のエッチング液にてエッチング可能な材料により構成されているのが好ましい。
上記実施形態においては、一の細胞挙動評価用基板10に相当する大きさの透明基材を用いて、一の細胞挙動評価用基板10を製造する態様を例に挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、第1面31a側に複数の細胞挙動評価用基板10に相当する領域が割り付けられてなる多面付け透明基材31を用いて細胞挙動評価用基板10を製造してもよい。この態様においては、研磨後の透明基材31を切断して個片化した後に、金属含有膜51を剥離すればよい(図5(D)参照)。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例等により何ら限定されるものではない。
〔細胞挙動評価用基板の製造例〕
厚さ6nmのCrからなるハードマスク層41が第1面31aに設けられている透明基材31としての石英ガラス基板(152mm×152mm,厚さ:6.35mm)を用意し、電子線感応型レジスト(製品名:SEBP−9012,信越化学工業社製)をハードマスク層41上に塗布してレジスト膜42を形成した。当該レジスト膜42上に電子線描画装置を用いてピラー状のレジストパターン43を形成した。また、石英ガラス基板31の第1面31a上の14mmφの領域内に5個の評価領域ER2〜ER6(各評価領域ER2〜ER6の大きさ:500μm×1500μm)を設定し、各領域に間隔及び寸法の異なるピラー状のレジストパターン43(レジストパターン43の間隔及び寸法:評価領域ER2=100nm,評価領域ER3=150nm,評価領域ER4=200nm,評価領域ER5=300nm,評価領域ER6=500nm)、各評価領域ER2〜ER6に対応する識別マークIMのレジストパターン(各識別マークIMの文字列:100,150,200,300,500)及び各境界マークBMのレジストパターンを形成した(図4(B)参照)。識別マークIMの大きさは100μm、境界マークBMの大きさは50μmであり、また、各識別マークIM及び各境界マークBMを構成する、ラインアンドスペース形状の凹凸構造の寸法は、2μmである。
次に、レジストパターン43をマスクとして用いてハードマスク層41をドライエッチング(エッチングガス:Cl2+O2)し、残存するレジストパターン43を除去して、ハードマスクパターン44を形成した。
上述のようにして形成されたハードマスクパターン44をマスクとして用いて石英ガラス基板31をエッチングし、石英ガラス基板31の第1面31aの各評価領域ER2〜ER6に、所定の間隔及び寸法のピラー状の微細凹凸パターン12(微細凹凸パターン12の間隔及び寸法(走査型電子顕微鏡(Vistec社製,製品名:LWM9000)を用いて測定):評価領域ER2=100nm,評価領域ER3=150nm,評価領域ER4=200nm,評価領域ER5=300nm,評価領域ER6=500nm)を形成するとともに、各識別マークIM及び各境界マークBMを形成した。ピラー状の微細凹凸パターン12高さは測定誤差が見込まれるものの、100〜200nmであった。最後に、ハードマスクパターン44を剥離して、細胞挙動評価用基板10を製造した。
〔試験例1〕
底面に14mmφの穴が形成されている穴あきディッシュ(35mmφ)を準備し、微細凹凸パターン12が形成されている各評価領域ER2〜ER6が当該底面の穴から露出するように、細胞挙動評価用基板10を穴あきディッシュの底面の外側に取り付けた。
次に、上記穴あきディッシュ内に2×105個のヒト線維芽細胞(NHDF:Normal Human Dermal Fibroblast)を播種し、当該細胞と細胞挙動評価用基板10の微細凹凸パターン12とを接触させた状態で、37℃のインキュベータ内で24時間培養した。培養液として、カナマイシン添加のダルベッコ改変イーグル培地(DMEM培地)を用いた。
培養後、各評価領域ER2〜ER6近傍を撮像した画像に基づき、微細凹凸パターン12の間隔及び寸法と、細胞接着の状態との関係を評価する評価試験を行った。結果を図10に示す。
図10(A)は、ピラー状の微細凹凸パターン12の間隔及び寸法が異なる評価領域a及び評価領域bの境界近傍の顕微鏡写真である。図10(A)に示すように、評価領域bの細胞密度が評価領域aの細胞密度よりも大きいことが明白であった。また、図10(B)は、図10(A)における評価領域a及び評価領域bとは別の評価領域c及び評価領域dの境界近傍の顕微鏡写真である。図10(B)に示すように、別の評価領域の境界においても、評価領域cの細胞密度は、評価領域dの細胞密度よりも大きいことが明白であった。
〔試験例2〕
底面に14mmφの穴が形成されている穴あきディッシュ(35mmφ)を準備し、微細凹凸パターン12が形成されている各評価領域ER2〜ER6が当該底面の穴から露出するように、細胞挙動評価用基板10を穴あきディッシュの底面の外側に取り付けた。
次に、上記穴あきディッシュ内に1×104個のヒト線維芽細胞(NHDF:Normal Human Dermal Fibroblast)を播種し、当該細胞と細胞挙動評価用基板10の微細凹凸パターン12とを接触させた状態で、37℃のインキュベータ内で24時間培養した。培養液として、カナマイシン添加のDMEM培地を用いた。結果を図11に示す。
図11は、倒立顕微鏡を用いて評価領域ER3〜ER5を撮像した写真である。
図11に示すように、隣接する評価領域ERM,ERM+1の境界を示す境界マークBMと、各評価領域ER3〜ER5に形成されている微細凹凸パターン12の寸法を示す識別マークIM3〜IM5が識別できることを確認された。
上記試験例1及び2から、細胞挙動評価用基板10の各評価領域ER1〜ERN内に形成されている微細凹凸パターン12の間隔及び寸法が適切な範囲で設定され、異なる間隔及び寸法の微細凹凸パターン12が隣接して形成されていることで、細胞の挙動を的確に評価可能であることが確認された。
本発明は、創薬開発、再生医療等のバイオテクノロジー関連分野における細胞の挙動評価等において有用である。
1…評価用容器
2…容器本体
2a…底部
2b…周壁部
2c…貫通孔
10…細胞挙動評価用基板
11…基部
11a…第1面
11b…第2面
12…微細凹凸パターン
ER…評価領域

Claims (14)

  1. 微細凹凸パターン上における細胞の挙動を評価するための細胞挙動評価用基板であって、
    第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基部と
    前記基部の前記第1面に形成されている前記微細凹凸パターンと
    を備え、
    前記基部の前記第1面に、所定の一方向に沿って順に並列する複数の評価領域を含む評価領域群が設定されており、
    前記評価領域群は、前記複数の評価領域のうちの一部の評価領域を含む第1評価領域群と、前記第1評価領域群に含まれない評価領域を含む第2評価領域群とを有し、
    前記第1評価領域群に含まれる評価領域には、第1の形状の前記微細凹凸パターンが形成されており、
    前記第2評価領域群に含まれる評価領域には、前記第1の形状とは異なる種類の第2の形状の前記微細凹凸パターンが形成されており、
    前記複数の評価領域のうちの互いに隣接する評価領域のそれぞれに形成されている前記微細凹凸パターンは、100〜500nmの範囲内の寸法であって前記細胞の挙動を評価可能な程度に互いに異なる寸法を有することを特徴とする細胞挙動評価用基板。
  2. 前記第1の形状が、ピラー形状であり、前記第2の形状が、ラインアンドスペース形状であることを特徴とする請求項1に記載の細胞挙動評価用基板。
  3. 前記第1面における前記複数の評価領域のそれぞれの近傍に、前記複数の評価領域のそれぞれに形成されている前記微細凹凸パターンの寸法に関する情報を含む識別マークが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の細胞挙動評価用基板。
  4. 前記第1評価領域群及び前記第2評価領域群は、それぞれ複数の前記評価領域を含み、
    前記第1評価領域群に含まれる前記複数の評価領域のそれぞれに形成されている前記微細凹凸パターンの寸法は、前記評価領域の並列順に段階的に変化し、
    前記第2評価領域群に含まれる前記複数の評価領域のそれぞれに形成されている前記微細凹凸パターンの寸法は、前記評価領域の並列順に段階的に変化することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の細胞挙動評価用基板。
  5. 前記第1評価領域群に含まれる前記複数の評価領域のうちの一の評価領域に形成されている前記微細凹凸パターンと、前記一の評価領域に隣接する評価領域に形成されている前記微細凹凸パターンとが連続しており、
    前記第2評価領域群に含まれる前記複数の評価領域のうちの一の評価領域に形成されている前記微細凹凸パターンと、前記一の評価領域に隣接する評価領域に形成されている前記微細凹凸パターンとが連続していることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の細胞挙動評価用基板。
  6. 前記第1面における隣接する2つの記評価領域の間の境界を示すマークが、当該境界の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の細胞挙動評価用基板。
  7. 前記微細凹凸パターンの頂部は、前記第1面における前記評価領域以外の領域と同一平面上に位置することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の細胞挙動評価用基板。
  8. 前記評価領域群に含まれる前記複数の評価領域は、いずれも前記微細凹凸パターン上における前記細胞の挙動を観察するための光学顕微鏡の視野に収まる程度の大きさであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の細胞挙動評価用基板。
  9. 貫通孔が形成されてなる底部及び前記底部の外周縁に連続する周壁部を有する容器本体と、
    前記底部に取り付けられてなる請求項1〜8のいずれかに記載の細胞挙動評価用基板と
    を備え、
    前記容器本体の平面視において前記微細凹凸パターンが前記貫通孔に重なるように、かつ前記容器本体内に位置するようにして、前記細胞挙動評価用基板が前記底部に取り付けられており、
    前記貫通孔は、前記細胞挙動評価用基板により塞がれていることを特徴とする細胞挙動評価用容器。
  10. 前記細胞挙動評価用基板は、前記容器本体の平面視において前記微細凹凸パターンが前記貫通孔に物理的に包含されるようにして、前記底部に取り付けられてなることを特徴とする請求項9に記載の細胞挙動評価用容器。
  11. 前記細胞挙動評価用基板が、前記貫通孔から前記微細凹凸パターンを露出させるようにして、前記容器本体の前記底部の外面に取り付けられていることを特徴とする請求項9又は10に記載の細胞挙動評価用容器。
  12. 前記細胞挙動評価用基板が、接着剤を介して前記底部に取り付けられていることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の細胞挙動評価用容器。
  13. 請求項9〜12のいずれかに記載の細胞挙動評価用容器内に評価対象細胞を播種し、
    前記微細凹凸パターン上の前記評価対象細胞を、前記細胞挙動評価用基板の前記第2面側から観察し、当該細胞の挙動を評価することを特徴とする細胞挙動評価方法。
  14. 倒立顕微鏡を用いて前記評価対象細胞を観察することを特徴とする請求項13に記載の細胞挙動評価方法。
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