JP6591921B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
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Description
〔1〕 ポリエステル系ブロック共重合体A1及びウレタン系ブロック共重合体A2の少なくともいずれかであるブロック共重合体Aと、該ブロック共重合体A 100質量部に対して1〜100質量部の木質フィラーBを含有し、A硬度が20〜95である、熱可塑性エラストマー組成物、
〔2〕 前記〔1〕記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体、並びに
〔3〕 前記〔1〕記載の熱可塑性エラストマー組成物と極性樹脂とが融着してなる複合成形体
に関する。
で表される、ジイソシアネート化合物と分子量約50〜500のグリコールとからなるハードセグメントと、ジイソシアネート化合物と長鎖グリコールからなるソフトセグメントとを有するブロック共重合体が好ましい。該長鎖グリコールとしては、分子量約500〜10,000のポリアルキレングリコール等のポリエーテル系のもの、ポリアルキレンアジペート、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート等のポリエステル系のもの等が挙げられる。また、ジイソシアネート化合物としては、フェニレンジイソシアネート、トリゲンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の公知慣用のものが好ましく使用される。なお、これらのジイソシアネート化合物は、ソフトセグメントとハードセグメントとのそれぞれにおいて、同一のものであっても、異なるものであってもよい。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物に好適な粒径の木質フィラーを得る方法としては、木材チップクラッシャーやハンマークラッシャー等の公知の粉砕方法で粉砕した木質材料を、振動篩や、気流分級機等の分級方法によって分級する方法を挙げることができる。粉砕方法の排出口にスクリーンメッシュを設置して粗大粒子を除く方法も分級方法の一種として機能するが、さらに好ましいのは、2種類の篩を用いて、上限の目開きを有する篩を通過したもので、下限の目開きを有する篩は通過せず篩上に残ったものを用いる分級方法であり、粗大粒子が除かれると共に、小さすぎて組成物の溶融粘度を上昇させる微粒子をカットできる点が好ましい。
〔A硬度〕
JIS K 6253 タイプAにて測定をする。
〔平均粒径〕
キーエンス社製のレーザーマイクロスコープVK-9700を用い、ガラス板上に分散した木質フィラーの拡大像を撮影し、任意に選んだ100個の粒子の画像解析により、一定方向に測長した粒径を球形近似して、体積基準のメジアン径を算出し、平均粒径とする。この方法はフェレー法として従来から知られている粒径の解析方法である。
〔スチレン系単量体単位の含有量〕
核磁気共鳴装置(ドイツ国BRUKER社製、DPX-400)によって、プロトンNMR測定を行い、スチレンの特性基の定量を行うことによってスチレン及び/又はスチレン誘導体の含有量を決定する。
以下の測定条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフにより、ポリスチレン換算で分子量を測定し、重量平均分子量を求める。
・ポンプ:JASCO(日本分光株式会社)製、PU-980
・カラムオーブン:昭和電工株式会社製、AO-50
・検出器:日立製、RI(示差屈折計)検出器 L-3300
・カラム種類:昭和電工株式会社製「K-805L(8.0×300mm)」及び「K-804L(8.0×300mm)」各1本を直列使用
・カラム温度:40℃
・ガードカラム:K-G(4.6×10mm)
・溶離液:クロロホルム
・溶離液流量:1.0ml/min
・試料濃度:約1mg/ml
・試料溶液ろ過:ポリテトラフルオロエチレン製0.45μm孔径ディスポーザブルフィルタ
・検量線用標準試料:昭和電工株式会社製ポリスチレン
〔動粘度〕
JIS Z 8803に従って、40℃の温度で測定する。
(1) 熱可塑性エラストマー組成物の作製
軟化剤以外の表6、7に示す材料をドライブレンドし、これに軟化剤を含浸させて混合物を作製した。その後、混合物を下記の条件で、押出機で溶融混合して、ストランドに押出し、冷水中で冷却しつつカッターによって、直径3mm程度、長さ3mm程度に切断し、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
押出機:B-40mm ベントタイプ単軸押出機(商品名、石中製作所製)
L/D:37
回転速度:100r/min
ペレットを、下記の条件でプレス成形し、厚さ2mm×幅125mm×長さ125mmのプレート状のプレス成形体を作製した。
プレス成形機:42ton加熱冷却二段油圧成形機100MSIII-10E(商品名、東邦マシナリー(株)製)
加熱圧力:5MPa
加熱時間:2分
冷却圧力:5MPa
冷却時間:2分
尿素系樹脂(アイカ工業社製、UN-830J)100質量部、小麦粉27質量部、水16質量部、及び硬化剤(アイカ工業社製、UH-10)1質量部を混合し、接着剤混合物を得た。
得られた接着剤混合物80質量部と、コルク粒(体積基準メジアン径:0.8mm)100質量部とをよく混合した後、厚さ10mm、125mm角の金型に詰めて90℃、5MPaで2分間プレス成形し、その後2分間冷却して取り出したものを、カッターでスライスして、中心部から、厚さ2mm、125mm角のコルクシートを切り出した。
プレス成形体又はコルクシートを雰囲気温度23℃で24時間静置したものを用い、JIS K 6253で規定される方法に準拠してデュロメータA硬度を測定した。
プレス成形体又はコルクシートを用い、ASTM D1238に準拠して、190℃、荷重2.16kgの条件で測定した。
JIS K7125に規定のフェルト面を有するSUS製の錘すべり片(200g)を使用し、プレス成形体及びコルクシートの摩擦係数を測定した。
(3-1) 通常試験
図1に示すように、フェルト面1ではない金属面を接触面として接触面積40cm2の錘すべり片2を、100mm/minの速度で、シート試料3上で矢印方向に移動させ、金属面とシート試料3の表面との間の静摩擦係数と動摩擦係数を測定した。
(3-2) 油付着試験
錘すべり片2の金属面に皮脂のモデル物質として、油性ハンドクリーム(ニベア花王株式会社製、ニベアクリーム)を全面に塗布した以外は、通常試験と同様にして、図2に示すように、ハンドクリーム塗布面4とシート試料3の表面との間の静摩擦係数と動摩擦係数を測定した。
なお、摩擦係数の測定方法として一般的なJIS K7125の規定では、図3に示すように、接触面積40cm2の錘すべり片2の63mm四方のフェルト面1を厚さ0.5mm以下のシート試料3にあてて、相手材5上で、錘すべり片2とシート試料3とを同時に矢印方向に100mm/minの速度で移動させ、シート試料3と相手材5との間の摩擦係数を測定する。従って、本実施例での測定方法とJIS K7125の規定の測定方法では、摩擦係数の測定部が異なる。
両者の測定方法の相違点を明確にするために、図1では、フェルト面1とシート試料3との間に、図2では、ハンドクリーム塗布面4とシート試料3との間に、図3では、シート試料と相手材との間に、それぞれ間隙を設けているが、実際には、上記説明の通り、互いに接触している。
極性樹脂としてポリカーボネート(PC)樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック社製、ユーピロンH-3000)又はABS樹脂(ダイセルポリマー社製、セビアンV-500SF)の射出成型プレート(厚さ2mm×幅25mm×長さ125mm)に、長さの一端から40mmまでの間にPTFEテープを巻いたものを金型内にインサートしておき、実施例1〜6及び比較例2〜5で得られたペレットを、インサート体を含む全体で厚さ6mm×幅25mm×長さ125mmのサイズとなる金型に230℃で射出成形して、融着試験片(複合成形体)を作製した。
また、比較例1のコルクシートについては、厚さ2mm、125mm角のコルクシートから厚さ2mm×幅25mm×長さ125mmの短冊状のシートを切り出し、長さの一端から40mmまでの間にPTFEテープを巻いたものを金型内にインサートしておき、ポリカーボネート樹脂又はABS樹脂を、インサート体を含む全体で厚さ6mm×幅25mm×長さ125mmのサイズとなる金型に230℃で射出成型して、融着試験片を作製した。
得られた融着試験片において、容易に剥離可能なPTFEテープ部分をつかみしろとして用い、下記の引張試験を行った。
厚さ2mmのインサート部材(基材層)とその上に成形された厚さ4mmの表皮材層とをそれぞれつかみ具でつかみ、JIS K 6854に準拠した方法により、雰囲気温度23℃で表皮材層と基材層とを180°方向に50mm/minで引張試験を行い、表皮材層と基材層の剥離強度(N/25mm)を測定した。
比較例1のコルクシートは摩擦係数が小さく、防滑性が低いのに対し、実施例1〜6のように、ブロック共重合体と混合することで、摩擦係数が高くなっている。
一方、実施例1と比較例2、実施例2、3と比較例3、実施例4、5と比較例4、実施例6と比較例5との対比により、熱可塑性エラストマー組成物にコルクを配合することにより、摩擦係数が大きくなっており、また油付着状態でも摩擦係数の低下も小さいことが分かる。
実施例1、2は、スチレン系ブロック共重合体とパラフィンオイルを配合した組成であり、実施例4と対比して、より摩擦係数が高くなっており、特に油付着状態での動摩擦係数の低下が小さいことが分かる。
実施例3、5は、コルクを増量した組成であり、対応する実施例2、4と対比すると、通常状態での摩擦係数は若干小さくなるが、油の付着による摩擦係数の低下は抑制されていることが分かる。
実施例6は、ウレタン系ブロック共重合体を配合した組成であり、比較例5との対比から、ポリエステル系ブロック共重合体を配合した組成と同様に、コルクの配合により摩擦係数が大きくなり、油付着状態でも摩擦係数の低下も小さいことが分かる。
2 錘すべり片
3 シート試料
4 ハンドクリーム塗布面
5 相手材
Claims (4)
- ポリエステル系ブロック共重合体A1であるブロック共重合体Aと、該ブロック共重合体A 100質量部に対して1〜100質量部のコルクである木質フィラーBを含有し、A硬度が20〜95であり、前記ポリエステル系ブロック共重合体A1が、芳香族ポリエステルブロックと脂肪族ポリエーテルブロックとを有するポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体である、熱可塑性エラストマー組成物。
- さらに、スチレン系ブロック共重合体Cを、ブロック共重合体A 100質量部に対して1〜80質量部含む、請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 請求項1又は2記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体。
- 請求項1又は2記載の熱可塑性エラストマー組成物と極性樹脂とが融着してなる複合成形体。
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