JP6589723B2 - 蛍光材料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
0≦a≦0.1、0≦b≦0.1、0≦α≦0.3、0.0003≦β≦0.005、0.02≦γ≦0.2、0.27≦u≦0.75、0≦v≦0.02
〔1〕
下記式(1):
(GdxLuyYzCewScvQ1-x-y-z-w-v)3(AlpGaqScr)5O12 (1)
(式中、xは0以上0.96以下、yは0以上0.5以下、zは0.01以上0.9以下、wは0.0001以上0.005以下、vは0より大きく0.04以下、x+y+z+w+v≦1であり、xとyは少なくともいずれか一方が0より大となる。pは0.4以上0.65以下、qは0.15以上0.55以下、rは0.01以上0.2以下、p+q+r=1である。QはLa、Tb、Prよりなる群から選択された少なくとも1つの希土類元素である。)
で表される複合酸化物を主成分として含み、副成分として、シリコン酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物及びハフニウム酸化物よりなる群から選択された少なくとも1つの酸化物を前記複合酸化物に対する質量比として0より大きく100ppm未満の範囲で含む透明セラミックスの焼結体からなり、
波長600nmでの全光線透過率が50%以上であり、波長範囲410〜480nm内にピーク波長を有する光エネルギーを吸収させたときに波長480〜710nmの光であってピーク波長が550〜600nmの範囲内にある蛍光を放出し、かつ該蛍光を波長ごとに分解した際の最大強度となる蛍光強度を100%と定義した場合において、その最大強度の60%以上の蛍光を放出する波長帯域の幅が110nm以上である蛍光材料。
〔2〕 前記副成分がシリコン酸化物のみからなる〔1〕記載の蛍光材料。
〔3〕 前記複合酸化物の主相がガーネット構造を有することを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の蛍光材料。
〔4〕 前記複合酸化物の主相が少なくともGd、Lu、Y、Al、Ga、Sc、Ceをすべて含んで構成されるガーネット構造、又はLu、Y、Al、Ga、Sc、Ceをすべて含んで構成されるガーネット構造を有することを特徴とする〔3〕記載の蛍光材料。
〔5〕
主成分の出発原料として、酸化ガドリニウム粉末又は酸化ルテチウム粉末と、酸化イットリウム粉末と、酸化セリウム粉末と、酸化スカンジウム粉末と、酸化アルミニウム粉末と、酸化ガリウム粉末と、必要に応じて添加されるランタン、テルビウム、プラセオジムよりなる群から選択された少なくとも1つの希土類酸化物粉末とを下記式(1)で表される複合酸化物のモル比となるように所定量秤量し、更に副成分の出発原料として、この主成分の出発原料の配合量から前記複合酸化物に換算した質量に対する質量比として0より大きく100ppm未満の範囲となるように酸化シリコン粉末、酸化ジルコニウム粉末、酸化チタン粉末及び酸化ハフニウム粉末よりなる群から選択された少なくとも1つの酸化物粉末を所定量秤量して、混合した後、るつぼ内で焼成して焼成原料を作製し、該焼成原料を粉砕して原料粉末とし、この原料粉末を用いて所定形状に成形した後に焼結し、更に熱間等方圧プレス処理して下記式(1)で表される複合酸化物を主成分として含み、副成分として、シリコン酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物及びハフニウム酸化物よりなる群から選択された少なくとも1つの酸化物を前記複合酸化物に対する質量比として0より大きく100ppm未満の範囲で含む透明セラミックスの焼結体からなり、波長600nmでの全光線透過率が50%以上であり、波長範囲410〜480nm内にピーク波長を有する光エネルギーを吸収させたときに波長480〜710nmの光であってピーク波長が550〜600nmの範囲内にある蛍光を放出し、かつ該蛍光を波長ごとに分解した際の最大強度となる蛍光強度を100%と定義した場合において、その最大強度の60%以上の蛍光を放出する波長帯域の幅が110nm以上である蛍光材料を得る蛍光材料の製造方法。
(GdxLuyYzCewScvQ1-x-y-z-w-v)3(AlpGaqScr)5O12 (1)
(式中、xは0以上0.96以下、yは0以上0.5以下、zは0.01以上0.9以下、wは0.0001以上0.005以下、vは0より大きく0.04以下、x+y+z+w+v≦1であり、xとyは少なくともいずれか一方が0より大となる。pは0.4以上0.65以下、qは0.15以上0.55以下、rは0.01以上0.2以下、p+q+r=1である。QはLa、Tb、Prよりなる群から選択された少なくとも1つの希土類元素である。)
〔6〕
副成分の出発原料が酸化シリコン粉末のみからなる〔5〕記載の蛍光材料の製造方法。
以下、本発明に係る透明セラミックスからなる蛍光材料について説明する。
本発明に係る蛍光材料は、下記式(1)で表される複合酸化物を主成分として含む透明セラミックスの焼結体からなる。
(GdxLuyYzCewScvQ1-x-y-z-w-v)3(AlpGaqScr)5O12 (1)
(式中、xは0以上0.96以下、yは0以上0.5以下、zは0.01以上0.9以下、wは0.0001以上0.005以下、vは0より大きく0.04以下、x+y+z+w+v≦1であり、xとyは少なくともいずれか一方が0より大となる。pは0.4以上0.65以下、qは0.15以上0.55以下、rは0.01以上0.2以下、p+q+r=1である。QはLa、Tb、Prよりなる群から選択された少なくとも1つの希土類元素である。)
即ち、このAサイト位置の元素群の合計モル数及びBサイト位置の元素群の合計モル数の比率は、各元素(酸化物であれば各元素の酸化物)の実秤量値から各々モル分率を計算することにより求めることができる。
以上のように、本発明の蛍光材料中でCeが局所的に高濃度分布することがなくなると、熱消光耐性の向上も期待できる。
本発明の蛍光材料の製造方法としては、フローティングゾーン法、マイクロ引下げ法などの単結晶製造方法、並びにセラミックス製造法があり、いずれの製法を用いても構わない。ただし、一般に単結晶製造方法では固溶体の濃度比の設計に一定程度の制約があり、セラミックス製造法の方が本発明ではより好ましい。
[原料]
本発明で用いる原料としては、主成分の出発原料として、セリウム(Ce)、ガドリニウム(Gd)、ルテチウム(Lu)、イットリウム(Y)、スカンジウム(Sc)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、並びに必要に応じて希土類元素Q(Qはランタン(La)、テルビウム(Tb)、プラセオジム(Pr)よりなる群から選択された少なくとも1つの希土類元素である)からなる各構成元素の金属粉末、ないしは硝酸、硫酸、尿酸等の水溶液、あるいは上記元素の複合酸化物粉末等が好適に利用できる。特に、上記各元素の各酸化物粉末は安定で安全なため取扱いが容易となるため好ましい。なお、これら原料の純度は99.9質量%以上が好ましい。
本発明では、上記原料粉末を用いて、所定形状にプレス成形した後に脱脂を行い、次いで焼結して、相対密度が最低でも95%以上に緻密化した焼結体を作製する。その後工程として熱間等方圧プレス(HIP)処理を行うことが好ましい。
本発明の製造方法においては、通常のプレス成形工程を好適に利用できる。即ち、ごく一般的な、原料粉末を型に充填して一定方向から加圧するプレス工程や変形可能な防水容器に密閉収納して静水圧で加圧するCIP(Cold Isostatic Pressing)工程が利用できる。なお、印加圧力は得られる成形体の相対密度を確認しながら適宜調整すればよく、特に制限されないが、例えば市販のCIP装置で対応可能な300MPa以下程度の圧力範囲で管理すると製造コストが抑えられてよい。あるいはまた、成形時に成形工程のみでなく一気に焼結まで実施してしまうホットプレス工程や放電プラズマ焼結工程、マイクロ波加熱工程なども好適に利用できる。更に、プレス成形法ではなく、鋳込み成形法による成形体の作製も可能である。加圧鋳込み成形や遠心鋳込み成形、押出し成形等の成形法も、出発原料である酸化物粉末の形状やサイズと各種の有機添加剤との組合せを最適化することで、採用可能である。
本発明の製造方法においては、通常の脱脂工程を好適に利用できる。即ち、加熱炉による昇温脱脂工程を経ることが可能である。また、この時の雰囲気ガスの種類も特に制限はなく、空気、酸素、水素、不活性ガス等が好適に利用できる。なお、テルビウムのような酸化されやすい元素を添加する場合には、酸素分圧を下げた雰囲気を選択すると、価数変動のばらつきを低減できるため好ましい。脱脂温度も特に制限はないが、もしも有機添加剤が混合されている原料を用いる場合には、その有機成分が分解消去できる温度まで昇温することが好ましい。
本発明の製造方法においては、一般的な焼結工程を好適に利用できる。即ち、抵抗加熱方式、誘導加熱方式等の加熱焼結工程を好適に利用できる。この時の雰囲気は特に制限されないが、不活性ガス、酸素、水素、真空等が好適に利用できる。
本発明の製造方法においては、焼結工程を経た後に更に追加で熱間等方圧プレス(HIP(Hot Isostatic Pressing))処理を行う工程を設けることができる。
本発明の製造方法においては、HIP処理を終えた後に、得られた透明酸化物セラミックス焼結体中に酸素欠損が生じてしまい、薄灰色の外観を呈する場合や、逆に易酸化性構成元素の価数があがってしまい、チャージトランスファー吸収による着色が生じる場合がある。これらの場合には、前記HIP処理温度以下(例えば、900〜1500℃)でアニール処理を施すことが好ましい。
本発明の製造方法においては、上記一連の工程によって得られた透明酸化物セラミックス焼結体を適宜所望の厚み、サイズに加工することにより、利用が想定される照明部品、照明ユニット、照明モジュールに組み込むことができる。この際、410〜480nmの範囲内にピーク波長を有するLD光又はLED光の発光波長、並びに発光強度に合わせ、色度が所望の白色レンジに収まるように厚み調整を施すことが好ましい。
なお、この色度調整は式(1)におけるCeの添加量wを変化させることによっても実行できる。
本発明の蛍光材料のうち、Gdが含まれる系について取り上げる。
出発原料として、信越化学工業(株)製の酸化ガドリニウム粉末、酸化イットリウム粉末、酸化ルテチウム粉末、酸化セリウム粉末、酸化スカンジウム粉末、酸化ランタン粉末、酸化テルビウム粉末、酸化プラセオジム粉末、並びに日本軽金属(株)製の酸化アルミニウム粉末、ヤマナカヒューテック(株)製の酸化ガリウム粉末、及びヤマナカヒューテック(株)製のオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を入手した。純度はいずれも99.9質量%以上であった。
上記原料を用いて、表1のような最終組成となる混合比率の計15種類の実施例原料、及び3種類の比較例原料を作製した。なお、SiO2の添加量は、出発原料中にTEOSを添加し、それを焼成する過程で生成されるSiO2成分の換算量を求め、その換算量の上記それ以外の出発原料の配合量から複合酸化物に換算した質量に対する比率として求めた。表1では、そのSiO2の添加量を「SiO2」の後の括弧書きとして示した(以下、同じ)。
全光線透過率は、サンプルを透過した全光線を前方散乱成分まで含めて積算して評価する方法であり、具体的には積分球で光を集光して評価する。手順としては、まず波長600nm近傍でのブランク透過率を積分球で集光してベース光量;I0を設定する。続いて、光路中にサンプルを配置し、サンプルを透過してきた全光線を積分球で集光して光量;Iを評価する。全光線透過率は以下の式で算出される。
全光線透過率=I/Io×100
(株)堀場製作所製の蛍光分光測定装置(型式:Fluorolog−3P−22)に一部の蛍光体ブロック(実施例1−1、比較例1−1、参考例1−1)をセットし、3D測定モードでキセノンランプの励起波長を420〜480nmの範囲で変化させながら、蛍光体ブロックの各波長での蛍光出力を求めた。その結果、典型的な青色LEDの波長460nmの光での励起効率が十分高いと推察される結果が確認された。このように照明装置として典型的な青色光励起で蛍光評価が十分にできそうであり、測定時間を大幅に短縮させることもできることから、残りの蛍光体ブロックについては波長460nmの光で励起させた際の蛍光体ブロックの各波長での蛍光出力を求めて蛍光スペクトルの分析評価を行った。
以上の一連の評価結果をまとめて表2に示す。
また実施例1−1〜15と比較例1−2との比較から、ガーネット構造のAサイト位置に少なくともGd、Y、Ceが含まれ、Bサイト位置にAlが含まれる系に、更にAサイト位置とBサイト位置の両方にScを加え、かつBサイト位置にGaを加えること(実施例の群)で、波長が460nm(及び420nm、440nm、480nm)で励起した場合の蛍光量が蛍光ピーク波長における蛍光強度(最大強度)の60%以上となる波長帯域幅が110nm以上になることが確認された。
また、実施例1−1〜15と比較例1−3との比較から、ガーネット構造のAサイト位置に少なくともY、Ce、Scが含まれ、Bサイト位置にAl、Ga、Scが含まれる系に、更にAサイト位置にGdを加えること(実施例の群)で、Yだけを加えた系(比較例1−3)よりも波長が460nm(及び420nm、440nm、480nm)で励起した場合の蛍光量が蛍光ピーク波長における蛍光強度(最大強度)の60%以上となる波長帯域幅が広がり、110nm以上になることが確認された。
また、実施例1−2、1−5及び1−9〜11、更に1−15から、Gd濃度を増す組成やLaを添加する組成、あるいはGdとYが高濃度であるベース骨格にさらにLuを添加する組成で、蛍光ピーク波長が長波長側にシフトすることが確認され、実施例1−4から、Gd濃度を大きく低減させた組成で蛍光ピーク波長が短波長側にシフトすることが確認され、蛍光のピーク波長を560〜600nmの範囲で調整できることが確かめられた。
なお、参考例1−1の結果から、従来から公知のYAG:Ce蛍光体も波長が460nm(及び420nm、440nm、480nm)で励起した場合の蛍光量が蛍光ピーク波長における蛍光強度(最大強度)の60%以上となる波長帯域幅が110nm未満であることが確かめられた。
以上のことから、本実施例の蛍光材料を用いることにより、410〜480nmの波長範囲内にピーク波長を有する光エネルギーを吸収させたときに、放出される蛍光を波長ごとに分解した際の最大強度となる蛍光強度を100%と定義した場合において、その最大強度の60%以上の蛍光を放出する波長帯域幅が110nm以上になり、かつ蛍光のピーク波長を560〜600nmの範囲で調整でき、更に波長600nmでの全光線透過率が50%以上確保された透明セラミックス焼結体からなる蛍光材料を提供できる。
本発明の蛍光材料のうち、Luが含まれる系について取り上げる。
出発原料として、信越化学工業(株)製の酸化ルテチウム粉末、酸化イットリウム粉末、酸化セリウム粉末、酸化スカンジウム粉末、酸化テルビウム粉末、酸化プラセオジム粉末、並びに日本軽金属(株)製の酸化アルミニウム粉末、ヤマナカヒューテック(株)製の酸化ガリウム粉末、及びヤマナカヒューテック(株)製のオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を入手した。純度はいずれも99.9質量%以上であった。
上記原料を用いて、表3のような最終組成となる混合比率の計5種類の実施例原料、及び1種類の比較例原料を作製した。なおSiO2の添加量は、出発原料中にTEOSを添加し、それを焼成する過程で生成されるSiO2成分の換算量を求め、その換算量の上記それ以外の出発原料の配合量から複合酸化物に換算した質量に対する比率として求めた。
また、得られた蛍光プロファイル(又はデータ)から、それぞれの蛍光体ブロックについての蛍光ピーク波長と光量(蛍光強度)が蛍光ピーク波長における蛍光強度(最大強度)の60%以上となる波長帯域幅(表中、「60%蛍光帯域幅」と表記)を読み取って記録した。
以上の一連の評価結果をまとめて表4に示す。
また実施例2−1〜5から、Lu濃度を増す組成で蛍光ピーク波長が短波長側にシフトすることが確認され、波長600nmでの全光線透過率が50%以上を確保しながら、蛍光のピーク波長を550〜555nmの範囲で調整できることが確かめられた。
以上のことから本実施例の蛍光材料を用いることにより、410〜480nmの波長範囲内にピーク波長を有する光エネルギーを吸収させたときに、放出される蛍光を波長ごとに分解した際の最大強度となる蛍光強度を100%と定義した場合において、その最大強度の60%以上の蛍光を放出する波長帯域幅が110nm以上になり、かつ波長600nmでの全光線透過率が50%以上確保された透明セラミックス焼結体からなる蛍光材料を提供できる。
更に、本実施例と実施例1の群を合わせることで、蛍光のピーク波長を550〜600nmの範囲で調整可能な透明セラミックス蛍光体材料を提供できる。
本発明の蛍光材料のうち、Gdが含まれる蛍光材料についてガーネット構造のAサイト位置の元素群の合計モル数とBサイト位置の元素群の合計モル数の比率(モル比率)を変化させた系について取り上げる。このモル比率について、単純にAサイト位置の元素群の総モル数を基本組成(式(1))におけるAサイト位置の元素群の総モル数に対して所定比率で変化させて秤量し、Bサイトの総モル数を基本組成(式(1))におけるBサイト位置の元素群の総モル数に対して所定比率で変化させて秤量するなどして変化させた。例えば、Aサイト位置の元素群の総モル数を基本組成におけるAサイト位置の元素群の総モル数の99%となるように秤量し(A=3×0.99=2.97)、Bサイトの総モル数を基本組成におけるBサイト位置の元素群の総モル数の101%となるように秤量し(B=5×1.01=5.05)、上記モル比率としてB/A×3/5=1.02とする。
上記原料を用いて、表5のような最終組成となる混合比率の計5種類の実施例原料、並びに1種類の比較例原料を作製した。なおSiO2の添加量は、出発原料中にTEOSを添加し、それを焼成する過程で生成されるSiO2成分の換算量を求め、その換算量の上記それ以外の出発原料の配合量から複合酸化物に換算した質量に対する比率として求めた。
得られた蛍光プロファイル(ないしはデータ)から、それぞれの蛍光体ブロックについての蛍光ピーク波長と光量(蛍光強度)が蛍光ピーク波長における蛍光強度(最大強度)の60%以上となる波長帯域幅(表中、「60%蛍光帯域幅」と表記)を読み取って記録した。また、実施例3−3の蛍光ピーク波長における蛍光強度(最大強度)を1とした場合のそれ以外の実施例、比較例の蛍光ピーク波長における蛍光強度(最大強度)の比率を計算により求めた。
以上の一連の評価結果をまとめて表6に示す。
Claims (6)
- 下記式(1):
(GdxLuyYzCewScvQ1-x-y-z-w-v)3(AlpGaqScr)5O12 (1)
(式中、xは0以上0.96以下、yは0以上0.5以下、zは0.01以上0.9以下、wは0.0001以上0.005以下、vは0より大きく0.04以下、x+y+z+w+v≦1であり、xとyは少なくともいずれか一方が0より大となる。pは0.4以上0.65以下、qは0.15以上0.55以下、rは0.01以上0.2以下、p+q+r=1である。QはLa、Tb、Prよりなる群から選択された少なくとも1つの希土類元素である。)
で表される複合酸化物を主成分として含み、副成分として、シリコン酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物及びハフニウム酸化物よりなる群から選択された少なくとも1つの酸化物を前記複合酸化物に対する質量比として0より大きく100ppm未満の範囲で含む透明セラミックスの焼結体からなり、
波長600nmでの全光線透過率が50%以上であり、波長範囲410〜480nm内にピーク波長を有する光エネルギーを吸収させたときに波長480〜710nmの光であってピーク波長が550〜600nmの範囲内にある蛍光を放出し、かつ該蛍光を波長ごとに分解した際の最大強度となる蛍光強度を100%と定義した場合において、その最大強度の60%以上の蛍光を放出する波長帯域の幅が110nm以上である蛍光材料。 - 前記副成分がシリコン酸化物のみからなる請求項1記載の蛍光材料。
- 前記複合酸化物の主相がガーネット構造を有することを特徴とする請求項1又は2記載の蛍光材料。
- 前記複合酸化物の主相が少なくともGd、Lu、Y、Al、Ga、Sc、Ceをすべて含んで構成されるガーネット構造、又はLu、Y、Al、Ga、Sc、Ceをすべて含んで構成されるガーネット構造を有することを特徴とする請求項3記載の蛍光材料。
- 主成分の出発原料として、酸化ガドリニウム粉末又は酸化ルテチウム粉末と、酸化イットリウム粉末と、酸化セリウム粉末と、酸化スカンジウム粉末と、酸化アルミニウム粉末と、酸化ガリウム粉末と、必要に応じて添加されるランタン、テルビウム、プラセオジムよりなる群から選択された少なくとも1つの希土類酸化物粉末とを下記式(1)で表される複合酸化物のモル比となるように所定量秤量し、更に副成分の出発原料として、この主成分の出発原料の配合量から前記複合酸化物に換算した質量に対する質量比として0より大きく100ppm未満の範囲となるように酸化シリコン粉末、酸化ジルコニウム粉末、酸化チタン粉末及び酸化ハフニウム粉末よりなる群から選択された少なくとも1つの酸化物粉末を所定量秤量して、混合した後、るつぼ内で焼成して焼成原料を作製し、該焼成原料を粉砕して原料粉末とし、この原料粉末を用いて所定形状に成形した後に焼結し、更に熱間等方圧プレス処理して下記式(1)で表される複合酸化物を主成分として含み、副成分として、シリコン酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物及びハフニウム酸化物よりなる群から選択された少なくとも1つの酸化物を前記複合酸化物に対する質量比として0より大きく100ppm未満の範囲で含む透明セラミックスの焼結体からなり、波長600nmでの全光線透過率が50%以上であり、波長範囲410〜480nm内にピーク波長を有する光エネルギーを吸収させたときに波長480〜710nmの光であってピーク波長が550〜600nmの範囲内にある蛍光を放出し、かつ該蛍光を波長ごとに分解した際の最大強度となる蛍光強度を100%と定義した場合において、その最大強度の60%以上の蛍光を放出する波長帯域の幅が110nm以上である蛍光材料を得る蛍光材料の製造方法。
(GdxLuyYzCewScvQ1-x-y-z-w-v)3(AlpGaqScr)5O12 (1)
(式中、xは0以上0.96以下、yは0以上0.5以下、zは0.01以上0.9以下、wは0.0001以上0.005以下、vは0より大きく0.04以下、x+y+z+w+v≦1であり、xとyは少なくともいずれか一方が0より大となる。pは0.4以上0.65以下、qは0.15以上0.55以下、rは0.01以上0.2以下、p+q+r=1である。QはLa、Tb、Prよりなる群から選択された少なくとも1つの希土類元素である。) - 副成分の出発原料が酸化シリコン粉末のみからなる請求項5記載の蛍光材料の製造方法。
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