JP6589248B2 - ポリオルガノシロキサン、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体及びその製造方法 - Google Patents

ポリオルガノシロキサン、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリオルガノシロキサン、透明性と低温耐衝撃性を損なうことなく、黄色味の少ないポリカーボネート成形体を得ることができるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体及びその製造方法に関する。
ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(以下、「PC−POS」と略記することがある)は、その高い耐衝撃性、耐薬品性、及び難燃性等の優れた性質のため、電気・電子機器分野、自動車分野等の様々な分野において幅広く利用が期待されている。特に、携帯電話、スマートフォン、モバイルパソコン、タブレット、携帯用端末等の筐体、照明カバー、建材、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の視認性を要する電子機器筐体、及び警察盾、ヘルメットバイザー、スポーツ用保護具等のその他の日用品への利用が広がっている。これらは室温等の通常の条件下に加えて、寒冷地等の低温下や屋外で使用されることが想定される。
通常、代表的なポリカーボネートとしては、原料の二価フェノールとして、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称:ビスフェノールA]を用いたホモポリカーボネートが一般的に使用されている。このホモポリカーボネートの難燃性や耐衝撃性等の物性を改良するために、ポリオルガノシロキサンを共重合モノマーとして用いたポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体が知られている。ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体は、ビスフェノールA等のホモポリカーボネートと比較して、難燃性や耐衝撃性に優れることが知られている(特許文献1)。
特許文献2には、透明性が改善されたポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体が開示されていて、全光線透過率やヘイズ値等の評価を行っている。
特許文献3には、色調が改善されたポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体が開示されている。特許文献3においては、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体中の特定成分の含有量を低減させることにより、優れた熱安定性と共に、射出成形時の滞留時間による色調の差が小さいことを教示している。
特開2012−246430号公報 特開2011−46911号公報 特表2011−122048号公報
しかしながら、上記特許文献等においては、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体自体の黄色味についての言及はされていない。透明性に優れていても、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体自体の黄色味が低減されていないと、例えば照明カバーや良好な視認性を要求される計器パネル、ヘルメットバイザー、警察盾などへの用途において問題となる。
本発明は、機械特性を低下させることなく、透明性に優れ且つ黄色味の少ないポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を提供することを目的とする。
本発明者等は、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体に用いるポリオルガノシロキサンの分子量分布を制御することにより、上記課題が達成されることを見出した。
すなわち本発明は、下記1〜11に関する。
1.ポリスチレンを換算基準としたゲル浸透クロマトグラフ法による測定から得られる、横軸が分子量Mの対数値log(M)であり、縦軸が濃度分率wを分子量の対数値log(M)で微分したdw/dlog(M)である微分分子量分布曲線において、2.5≦log(M)≦3.1の範囲でdw/dlog(M)値を積分した値が、log(M)の全範囲でdw/dlog(M)値を積分した値に対して0〜10%である、ポリオルガノシロキサン。
2.前記微分分子量分布曲線において、dw/dlog(M)の値が、3.3≦log(M)≦3.9の範囲で最大となる、1に記載のポリオルガノシロキサン。
3.平均鎖長が20〜50である、1または2に記載のポリオルガノシロキサン。
4.前記ポリオルガノシロキサンが下記一般式(1)又は(2)で表されるポリオルガノシロキサンである、1〜3のいずれかに記載のポリオルガノシロキサン。

[式中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。Yは、−R5O−、−R5COO−、−R5NH−、−R5NHR6−、−COO−、−S−、−R5COO−R7−O−、または−R5O−R8−O−を示し、前記R5は、単結合、直鎖、分岐鎖若しくは環状アルキレン基、アリール置換アルキレン基、アリーレン基、またはジアリーレン基を示す。R6は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、またはアラルキル基を示す。R7は、ジアリーレン基を示す。R8は、直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキレン基、又はジアリーレン基を示す。Zは、水素原子又はハロゲン原子を示す。βは、ジイソシアネート化合物由来の2価の基、又はジカルボン酸若しくはジカルボン酸のハロゲン化物由来の2価の基を示す。pとqの和はnであり、nは20〜50の平均繰り返し数を示す。]
5.1〜4のいずれかに記載のポリオルガノシロキサンを原料として用いる、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
6.下記一般式(I)で表される繰り返し単位からなるポリカーボネートブロック(A)及び下記一般式(II)で表される繰り返し単位を含むポリオルガノシロキサンブロック(B)を含むポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体であって、
前記ポリオルガノシロキサンブロック(B)のポリスチレンを換算基準としたゲル浸透クロマトグラフ法による測定から得られる、横軸が分子量Mの対数値log(M)であり、縦軸が濃度分率wを分子量の対数値log(M)で微分したdw/dlog(M)である微分分子量分布曲線において、2.5≦log(M)≦3.1の範囲でdw/dlog(M)値を積分した値が、log(M)の全範囲でdw/dlog(M)値を積分した値に対して0〜10%である、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体。

[式中、R9及びR10は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。Xは、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、フルオレンジイル基、炭素数7〜15のアリールアルキレン基、炭素数7〜15のアリールアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−又は−CO−を示す。a及びbは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示す。
1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。20〜50の平均繰り返し数nは、ポリオルガノシロキサンブロック中のシロキサン繰り返し単位の合計数を示す。]
7.前記ポリオルガノシロキサンブロック(B)の微分分子量分布曲線において、dw/dlog(M)の値が、3.3≦log(M)≦3.9の範囲で最大となる、6に記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体。
8.前記ポリオルガノシロキサンブロック(B)の平均鎖長が20〜50である、6または7に記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体。
9.前記ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体中におけるポリオルガノシロキサンブロック(B)の含有量が0.5〜20質量%である、6〜8のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体。
10.粘度平均分子量が12,000〜40,000である、6〜9のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体。
11.6〜10のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を成形してなる成形体。
本発明によれば、ポリオルガノシロキサンの分子量分布を制御し、鎖長分布を制御することにより、機械的強度を低下させることなく、透明性に優れ且つ黄色味の少ないポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を得ることが出来る。
実施例1及び比較例1のポリオルガノシロキサンの微分分子量分布曲線を示すグラフ。
本発明のポリオルガノシロキサンは、ポリスチレンを換算基準としたゲル浸透クロマトグラフ法による測定から得られる、横軸が分子量Mの対数値log(M)であり、縦軸が濃度分率wを分子量の対数値log(M)で微分したdw/dlog(M)である微分分子量分布曲線において、2.5≦log(M)≦3.1の範囲でdw/dlog(M)値を積分した値が、log(M)の全範囲でdw/dlog(M)値を積分した値に対して0〜10%であることを特徴とする。
本発明においては、上記微分分子量分布曲線において、2.5≦log(M)≦3.1の範囲でdw/dlog(M)値を積分した値が、log(M)の全範囲でdw/dlog(M)値を積分した値に対して0〜10%であり、好ましくは0〜9%である。上記割合が10%を超えると、ポリオルガノシロキサンとポリカーボネートとの共重合体の黄色味が増加する傾向にある。ここで、2.5≦log(M)≦3.1の範囲でdw/dlog(M)値を積分した値の、log(M)の全範囲でdw/dlog(M)値を積分した値に対する割合とは、ポリオルガノシロキサンの分子量分布において、log(M)が2.5〜3.1である成分がポリオルガノシロキサン全体に対して存在する割合を示すものである。
ポリオルガノシロキサンの分子量/分子量分布測定値を得るためのGPC装置には特に制限はなく、一般に市販されている高温型GPC装置、例えば、東ソー株式会社製,示差屈折計(RI)内蔵型高温GPC測定機,「HLC−8200」を利用することが可能である。具体的には、GPCカラムとして、東ソー株式会社製、「TSK−GEL G4000HXL」と「TSK−GEL G2000HXL」とを連結させたものを用いる。カラム温度は40℃に設定し、溶離液にはテトラヒドロフラン(THF)を用い、流速1.0ml/分にて測定する。検量線の作製には、東ソー株式会社製の標準ポリスチレンを用いる。このようにして得られる分子量の対数値を、対数分子量(log(M))と称する。
GPC装置の示差屈折(RI)検出計において検出される強度分布の時間曲線(一般に、溶出曲線と呼ぶ)を、分子量既知の物質から得た較正曲線を用いて溶出時間を分子量に換算する。ここで、RI検出強度は成分濃度とは比例関係にあるので、溶出曲線の全面積を100%としたときの強度面積を求め、それぞれの溶出時間の濃度分率を求める。濃度分率を順次積算し、横軸に分子量の対数値(log(M))、縦軸に濃度分率(w)の積算値をプロットすることにより積分分子量分布曲線を得ることができる。
続いて、各分子量の対数値における曲線の微分値(すなわち、積分分子量曲線の傾き)を求め、横軸に分子量の対数値(log(M))、縦軸に上記微分値(dw/dlog(M))をプロットして微分分子量分布曲線を得ることができる。従って、微分分子量分布とは、濃度分率(w)を分子量の対数値(log(M))で微分した値、すなわち「dw/dlog(M)」を意味する。この微分分子量分布曲線から、特定のlog(M)における微分分子量分布dw/dlog(M)を読み取ることができる。なお、複数のポリオルガノシロキサンを配合したポリオルガノシロキサン配合物についても、ポリオルガノシロキサン配合物をGPC法により測定した後、同じ手法により微分分子量分布曲線を得ることができる。
本発明の他の態様において、ポリオルガノシロキサンは、上記dw/dlog(M)の値が3.3≦log(M)≦3.9の範囲で最大値をとり得る。微分分子量分布dw/dlog(M)の最大値とは、微分分子量分布曲線におけるピークトップを指す。微分分子量分布曲線においてdw/dlog(M)の値が最大値をとるときのlog(M)が3.3未満であると、ポリオルガノシロキサンとポリカーボネートとの共重合体の低温耐衝撃性に劣る結果となり、3.9を超えると上記共重合体の透明性が低下する傾向にある。
ポリオルガノシロキサンの平均鎖長は、好ましくは20〜50、より好ましくは30〜45、さらに好ましくは35〜45である。該平均鎖長は核磁気共鳴(NMR)測定により算出される。平均鎖長が20以上であればポリオルガノシロキサンとポリカーボネートとの共重合体の低温における耐衝撃性が十分に得られる。また、平均鎖長が50以下であれば、ポリオルガノシロキサンとポリカーボネートとの共重合体は透明性に優れる。
上記特徴を有するポリオルガノシロキサンとしては、例えば、以下の一般式(1)及び(2)に示すものを挙げることができる。

[式中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。Yは、−R5O−、−R5COO−、−R5NH−、−R5NHR6−、−COO−、−S−、−R5COO−R7−O−、または−R5O−R8−O−を示す。前記R5は、単結合、直鎖、分岐鎖若しくは環状アルキレン基、アリール置換アルキレン基、アリーレン基、またはジアリーレン基を示す。R6は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、またはアラルキル基を示す。R7は、ジアリーレン基を示す。R8は、直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキレン基、又はジアリーレン基を示す。Zは、水素原子又はハロゲン原子を示す。βは、ジイソシアネート化合物由来の2価の基、又はジカルボン酸若しくはジカルボン酸のハロゲン化物由来の2価の基を示す。pとqの和はnであり、nは20〜50の平均繰り返し数を示す。]
1〜R4がそれぞれ独立して示すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。R1〜R4がそれぞれ独立して示すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基(「各種」とは、直鎖状及びあらゆる分岐鎖状のものを含むことを示し、以下、同様である。)、各種ペンチル基、及び各種ヘキシル基が挙げられる。R1〜R4がそれぞれ独立して示すアルコキシ基としては、アルキル基部位が前記アルキル基である場合が挙げられる。R1〜R4がそれぞれ独立して示すアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
1〜R4としては、いずれも、好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基である。
一般式(1)及び(2)で表されるポリオルガノシロキサンとしては、R1〜R4がいずれもメチル基であるものが好ましい。
Yが示す、−R5O−、−R5COO−、−R5NH−、−R5NHR6−、−R5COO−R7−O−、または−R5O−R8−O−におけるR5が表す直鎖又は分岐鎖アルキレン基としては、炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基が挙げられ、環状アルキレン基としては、炭素数5〜15、好ましくは炭素数5〜10のシクロアルキレン基が挙げられる。
5が表すアリール置換アルキレン基としては、芳香環にアルコキシ基、アルキル基のような置換基を有していてもよく、その具体的構造としては、例えば、下記の一般式(3)または(4)の構造を示すことができる。なお、アリール置換アルキレン基を有する場合、アルキレン基がSiに結合している。

(cは正の整数を示し、通常1〜6の整数である)
5、R7及びR8が示すジアリーレン基とは、二つのアリーレン基が直接、又は二価の有機基を介して連結された基のことであり、具体的には−Ar1−W−Ar2−で表わされる構造を有する基である。ここで、Ar1及びAr2は、アリーレン基を示し、Wは単結合、又は炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、フルオレンジイル基、炭素数7〜15のアリールアルキレン基、炭素数7〜15のアリールアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−若しくは−CO−を示す。
Wが表すアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられ、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましい。Wが表すアルキリデン基としては、エチリデン基、イソプロピリデン基等が挙げられる。Wが表すシクロアルキレン基としては、シクロペンタンジイル基やシクロヘキサンジイル基、シクロオクタンジイル基等が挙げられ、炭素数5〜10のシクロアルキレン基が好ましい。Wが表すシクロアルキリデン基としては、例えば、シクロヘキシリデン基、3,5,5−トリメチルシクロヘキシリデン基、2−アダマンチリデン基等が挙げられ、炭素数5〜10のシクロアルキリデン基が好ましく、炭素数5〜8のシクロアルキリデン基がより好ましい。Wが表すアリールアルキレン基のアリール部位としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基などの環形成炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。Wが表すアリールアルキリデン基のアリール部位としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基などの環形成炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。
5、Ar1及びAr2が表すアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントリレン基などの環形成炭素数6〜14のアリーレン基が挙げられる。これらアリーレン基は、アルコキシ基、アルキル基等の任意の置換基を有していてもよい。
6が示すアルキル基としては炭素数1〜8、好ましくは1〜5の直鎖または分岐鎖のものである。アルケニル基としては、炭素数2〜8、好ましくは2〜5の直鎖または分岐鎖のものが挙げられる。アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としては、フェニルメチル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
8が示す直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキレン基は、R5と同様である。
Yとしては、好ましくは−R5O−であって、R5が、アリール置換アルキレン基であって、特にアルキル基を有するフェノール化合物の残基であり、アリルフェノール由来の有機残基やオイゲノール由来の有機残基がより好ましい。この際、Zが水素原子であることが好ましい。
なお、一般式(2)中のp及びqについては、p=q、すなわち、p=n/2、q=n/2であることが好ましい。
また、βは、ジイソシアネート化合物由来の2価の基、又はジカルボン酸若しくはジカルボン酸のハロゲン化物由来の2価の基を示し、例えば、以下の一般式(5−1)〜(5−5)で表される2価の基が挙げられる。
一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンとしては、例えば、以下の一般式(1−1)〜(1−11)の化合物が挙げられる。
上記一般式(1−1)〜(1−11)中、R1〜R4、n及びR6は上記の定義の通りであり、好ましいものも同じである。cは正の整数を示し、通常1〜6の整数である。
これらの中でも、重合の容易さの観点においては、上記一般式(1−1)で表されるフェノール変性ポリオルガノシロキサンが好ましい。また、入手の容易さの観点においては、上記一般式(1−2)で表される化合物中の一種であるα,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、上記一般式(1−3)で表される化合物中の一種であるα,ω−ビス[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンが好ましい。
本発明に用いられる粗ポリオルガノシロキサンの製造方法は特に限定されない。例えば、特開平11−217390号公報に記載の方法によれば、シクロトリシロキサンとジシロキサンとを酸性触媒存在下で反応させて、α,ω−ジハイドロジェンオルガノペンタシロキサンを合成し、次いで、ヒドロシリル化反応用触媒の存在下に、該α,ω−ジハイドロジェンオルガノペンタシロキサンに不飽和基を有するフェノール化合物(例えば2−アリルフェノール、4−アリルフェノール、オイゲノール、2−プロペニルフェノール等)等を付加反応させることで、粗ポリオルガノシロキサンを得ることができる。また、特許第2662310号公報に記載の方法によれば、オクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラメチルジシロキサンとを硫酸(酸性触媒)の存在化で反応させ、得られたα,ω−ジハイドロジェンオルガノポリシロキサンを上記と同様に、ヒドロシリル化反応用触媒の存在下に不飽和基を有するフェノール化合物等を付加反応させることで、粗ポリオルガノシロキサンを得ることができる。なお、α,ω−ジハイドロジェンオルガノポリシロキサンは、その重合条件によりその鎖長nを適宜調整して用いることもできるし、市販のα,ω−ジハイドロジェンオルガノポリシロキサンを用いてもよい。
上記ヒドロシリル化反応用触媒としては、遷移金属系触媒が挙げられるが、中でも反応速度及び選択性の点から白金系触媒が好ましく用いられる。白金系触媒の具体例としては、塩化白金酸,塩化白金酸のアルコール溶液,白金のオレフィン錯体,白金とビニル基含有シロキサンとの錯体,白金担持シリカ,白金担持活性炭等が挙げられる。
粗ポリオルガノシロキサンを吸着剤と接触させることにより、粗ポリオルガノシロキサン中に含まれる、上記ヒドロシリル化反応用触媒として使用された遷移金属系触媒に由来する遷移金属を、吸着剤に吸着させて除去することが好ましい。
吸着剤としては、例えば、1000Å以下の平均細孔直径を有するものを用いることができる。平均細孔直径が1000Å以下であれば、粗ポリオルガノシロキサン中の遷移金属を効率的に除去することができる。このような観点から、吸着剤の平均細孔直径は、好ましくは500Å以下、より好ましくは200Å以下、更に好ましくは150Å以下、より更に好ましくは100Å以下である。また同様の観点から、吸着剤は多孔性吸着剤であることが好ましい。
吸着剤としては、上記の平均細孔直径を有するものであれば特に限定されないが、例えば活性白土、酸性白土、活性炭、合成ゼオライト、天然ゼオライト、活性アルミナ、シリカ、シリカ−マグネシア系吸着剤、珪藻土、セルロース等を用いることができ、活性白土、酸性白土、活性炭、合成ゼオライト、天然ゼオライト、活性アルミナ、シリカ及びシリカ−マグネシア系吸着剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
粗ポリオルガノシロキサン中に含まれる遷移金属を吸着剤に吸着させた後、吸着剤は任意の分離手段によってポリオルガノシロキサンから分離することができる。ポリオルガノシロキサンから吸着剤を分離する手段としては、例えばフィルタや遠心分離等が挙げられる。フィルタを用いる場合は、メンブランフィルタ、焼結金属フィルタ、ガラス繊維フィルタ等のフィルタを用いることができるが、特にメンブランフィルタを用いることが好ましい。
遷移金属の吸着後に吸着剤をポリオルガノシロキサンから分離する観点から、吸着剤の平均粒子径は、通常1μm〜4mm、好ましくは1〜100μmである。
本発明において吸着剤を使用する場合には、その使用量は特に限定されない。粗ポリオルガノシロキサン100質量部に対して、好ましくは1〜30質量部、より好ましくは2〜20質量部の範囲の量の多孔性吸着剤を使用することができる。
なお、処理する粗ポリオルガノシロキサンの分子量が高いために液体状態でない場合は、吸着剤による吸着及び吸着剤の分離を行う際に、ポリオルガノシロキサンが液体状態となるような温度に加熱してもよい。または、塩化メチレンやヘキサン等の溶剤に溶かして行ってもよい。
所望の分子量分布のポリオルガノシロキサンは、例えば、複数のポリオルガノシロキサンを配合することにより分子量分布を調節して得ることができる。複数のα,ω-ジハイドロジェンオルガノポリシロキサンを配合したあと、ヒドロシリル化反応用触媒の存在下に不飽和基を有するフェノール化合物等を付加反応させることで所望の分子量分布となる粗ポリオルガノシロキサンを得ることもできる。また、複数の粗ポリオルガノシロキサンを配合したのち、ヒドロシリル化反応触媒を除去させるなどの精製を行ってもよい。精製後の複数のポリオルガノシロキサンを配合してもよい。また、ポリオルガノシロキサン製造時の重合条件により適宜調整することもできる。また、既存のポリオルガノシロキサンから各種分離等の手段によって一部のみを分取する事で得ることも出来る。
本発明のさらに他の態様においては、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン(以下、PC−POSと略することがある)共重合体の製造方法が提供され、当該製造方法は、上記したポリオルガノシロキサンを原料として用いることを特徴とする。
PC−POS共重合体を製造する方法としては、界面重合法(ホスゲン法)、ピリジン法、エステル交換法等の公知の製造方法を用いることができる。特に界面重合法の場合に、PC−POS共重合体を含む有機相と未反応物や触媒残渣等を含む水相との分離工程が容易となり、アルカリ洗浄、酸洗浄、純水洗浄による各洗浄工程におけるPC−POS共重合体を含む有機相と水相との分離が容易となり、効率よくPC−POS共重合体が得られる。
PC−POS共重合体の製造方法に特に制限はなく、公知のPC−POS共重合体の製造方法、例えば、特開2010−241943号公報等に記載の方法を参照して製造することができる。
具体的には、予め製造された芳香族ポリカーボネートオリゴマーと、上記ポリオルガノシロキサンとを、非水溶性有機溶媒(塩化メチレン等)に溶解させ、二価フェノール(ビスフェノールA等)のアルカリ性化合物水溶液(水酸化ナトリウム水溶液等)を加え、重合触媒として第三級アミン(トリエチルアミン等)や第四級アンモニウム塩(トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等)を用い、末端停止剤(p−t−ブチルフェノール等の1価フェノール)の存在下、界面重縮合反応させることにより製造できる。また、PC−POS共重合体は、ポリオルガノシロキサンと、二価フェノールと、ホスゲン、炭酸エステル又はクロロホーメートとを共重合させることによっても製造できる。
原料ポリオルガノシロキサンとしては、上述した通り、ポリスチレンを換算基準としたゲル浸透クロマトグラフ法による測定から得られる、横軸が分子量Mの対数値log(M)であり、縦軸が濃度分率wを分子量の対数値log(M)で微分したdw/dlog(M)である微分分子量分布曲線において、2.5≦log(M)≦3.1の範囲でdw/dlog(M)値を積分した値が、log(M)の全範囲でdw/dlog(M)値を積分した値に対して0〜10%であるポリオルガノシロキサンを用いる。
また、上記原料ポリオルガノシロキサンが上記dw/dlog(M)の値が3.3≦log(M)≦3.9の範囲で最大値をとり得ること、平均鎖長、ポリオルガノシロキサンの具体的な一般式、具体例及び製法は上記した通りである。
ポリカーボネートオリゴマーは、塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルム等の有機溶剤中で、二価フェノールとホスゲンやトリホスゲンのようなカーボネート前駆体との反応によって製造することができる。なお、エステル交換法を用いてポリカーボネートオリゴマーを製造する際には、二価フェノールとジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆体との反応によって製造することもできる。
二価フェノールとしては、下記一般式(a)で表される二価フェノールを用いることが好ましい。

[式中、R9及びR10は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。Xは、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、フルオレンジイル基、炭素数7〜15のアリールアルキレン基、炭素数7〜15のアリールアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−又は−CO−を示す。a及びbは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示す。]
上記一般式(a)中、R9及びR10がそれぞれ独立して示すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
9及びR10がそれぞれ独立して示すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、及び各種ヘキシル基が挙げられる。R9及びR10がそれぞれ独立して示すアルコキシ基としては、アルキル基部位が前記アルキル基である場合が挙げられる。
Xが表すアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられ、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。Xが表すアルキリデン基としては、エチリデン基、イソプロピリデン基等が挙げられる。Xが表すシクロアルキレン基としては、シクロペンタンジイル基やシクロヘキサンジイル基、シクロオクタンジイル基等が挙げられ、炭素数5〜10のシクロアルキレン基が好ましい。Xが表すシクロアルキリデン基としては、例えば、シクロヘキシリデン基、3,5,5−トリメチルシクロヘキシリデン基、2−アダマンチリデン基等が挙げられ、炭素数5〜10のシクロアルキリデン基が好ましく、炭素数5〜8のシクロアルキリデン基がより好ましい。Xが表すアリールアルキレン基のアリール部位としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基などの環形成炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。Xが表すアリールアルキリデン基のアリール部位としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基などの環形成炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。
a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
中でも、aおよびbが0であり、Xが単結合または炭素数1〜8のアルキレン基であるもの、またはaおよびbが0であり、Xが炭素数3のアルキレン基、特にイソプロピリデン基であるものが好適である。
上記一般式(a)で表される二価フェノールとしては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、4,4'−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。これらの二価フェノールは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系二価フェノールが好ましく、ビスフェノールAがより好ましい。二価フェノールとしてビスフェノールAを用いた場合、上記一般式(a)において、Xがイソプロピリデン基であり、且つa=b=0のPC−POS共重合体となる。
ビスフェノールA以外の二価フェノールとしては、例えば、ビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、ビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、ジヒドロキシアリールエーテル類、ジヒドロキシジアリールスルフィド類、ジヒドロキシジアリールスルホキシド類、ジヒドロキシジアリールスルホン類、ジヒドロキシジフェニル類、ジヒドロキシジアリールフルオレン類、ジヒドロキシジアリールアダマンタン類等が挙げられる。これらの二価フェノールは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
ビス(ヒドロキシアリール)アルカン類としては、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン等が挙げられる。
ビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類としては、例えば1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン等が挙げられる。ジヒドロキシアリールエーテル類としては、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテル等が挙げられる。
ジヒドロキシジアリールスルフィド類としては、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等が挙げられる。ジヒドロキシジアリールスルホキシド類としては、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等が挙げられる。ジヒドロキシジアリールスルホン類としては、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等が挙げられる。
ジヒドロキシジフェニル類としては、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。ジヒドロキシジアリールフルオレン類としては、例えば9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等が挙げられる。ジヒドロキシジアリールアダマンタン類としては、例えば1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン等が挙げられる。
上記以外の二価フェノールとしては、例えば4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、10,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−9−アントロン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2,3−ジオキサペンタン等が挙げられる。
上記PC−POS共重合体の製法において、得られるPC−POS共重合体の分子量を調整するために、分子量調節剤(末端停止剤)を使用することができる。分子量調節剤としては、例えば、フェノール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−クミルフェノール、p−ノニルフェノール、m−ペンタデシルフェノール及びp−tert−アミルフェノール等の一価フェノールを挙げることができる。これら一価フェノールは、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記分子量調整剤等を用いることにより、PC−POSの粘度平均分子量が、使用される用途や製品により、適宜、目的の分子量となるように製造することができる。
上記界面重縮合反応後、適宜静置して水相と有機溶媒相とに分離し[分離工程]、有機溶媒相を洗浄(好ましくは塩基性水溶液、酸性水溶液、水の順に洗浄)し[洗浄工程]、得られた有機相を濃縮[濃縮工程]、及び乾燥[乾燥工程]することによって、PC−POS共重合体を得ることができる。
本発明は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位からなるポリカーボネートブロック(A)及び下記一般式(II)で表される繰り返し単位を含むポリオルガノシロキサンブロック(B)を含むポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体であって、
前記ポリオルガノシロキサンブロック(B)のポリスチレンを換算基準としたゲル浸透クロマトグラフ法による測定から得られる、横軸が分子量Mの対数値log(M)であり、縦軸が濃度分率wを分子量の対数値log(M)で微分したdw/dlog(M)である微分分子量分布曲線において、2.5≦log(M)≦3.1の範囲でdw/dlog(M)値を積分した値が、log(M)の全範囲でdw/dlog(M)値を積分した値に対して0〜10%である、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体に関する。
上記一般式(I)中、R9、R10、X、a及びbについては上記した通りであり、好ましい範囲も同じである。上記一般式(II)におけるR1およびR2についても上記した通りであり、好ましい範囲も同じである。
本発明のPC−POS共重合体におけるポリオルガノシロキサンブロックは、上記微分分子量分布曲線において、2.5≦log(M)≦3.1の範囲でdw/dlog(M)値を積分した値が、log(M)の全範囲でdw/dlog(M)値を積分した値に対して0〜10%であり、好ましくは0〜9%である。上記割合が10%を超えると、ポリオルガノシロキサンの黄色味が増加する傾向にあるため、全体としてPC−POS共重合体の黄色味も増加する傾向がある。
なお、PC−POS共重合体中のポリオルガノシロキサンブロックの上記微分分子量分布曲線は、PC−POS共重合体を水酸化ナトリウムのメタノール溶液のような強アルカリ性の水溶液を用いることによって分解した後にポリオルガノシロキサンを抽出した後、ポリスチレンを換算基準としたゲル浸透クロマトグラフ法による上記測定によって確認することができる。ポリオルガノシロキサンの分子量/分子量分布測定値を得るためのGPC装置としては、上述したものを用いることができる。
本発明のPC−POS共重合体におけるポリオルガノシロキサンブロックは、また、上記dw/dlog(M)の値が3.3≦log(M)≦3.9の範囲で最大値をとり得る。微分分子量分布曲線においてdw/dlog(M)の値が最大値をとるときのlog(M)が3.3未満であるとPC−POS共重合体の低温耐衝撃性に劣る結果となり、3.9を超えるとPC−POS共重合体の透明性が低下する傾向にある。
本発明のPC−POS共重合体におけるポリオルガノシロキサンブロック(II)の平均鎖長nは、好ましくは20〜50、より好ましくは30〜45、さらに好ましくは35〜45である。該平均鎖長は核磁気共鳴(NMR)測定により算出される。平均鎖長nが20以上であれば低温における耐衝撃性が十分に得られる。また、平均鎖長nが50以下であれば、透明性に優れる共重合体を得ることができる。
本発明においては、PC−POS共重合体中の一般式(II)で表されるポリオルガノシロキサンブロック(B)の含有量は、0.5〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%である。PC−POS共重合体中のポリオルガノシロキサンブロック(B)の含有量は、核磁気共鳴(NMR)測定により算出された値である。
ポリオルガノシロキサンブロック(B)の含有量が0.5質量%未満であると、低温時(−20℃程度)での耐衝撃性が低下するとともに、アイゾット衝撃強度が低下する傾向にあるので好ましくない。また、ポリオルガノシロキサンブロック(B)の含有量が20質量%を超えると、常温時(23℃程度)の耐衝撃性が低下する。
本発明のPC−POS共重合体の粘度平均分子量は、通常は、12,000〜40,000、好ましくは13,000〜30,000程度の範囲にある。粘度平均分子量が12,000未満であると本発明のPC−POS共重合体を用いて製造された成形品の強度が十分とならない。また、粘度平均分子量が40,000を超えると共重合体の粘度が大きくなるため、射出成形や押出成形時の温度を高くする必要があり、熱劣化により透明性が低下し易くなる。
成形温度を上げることによりPC−POS共重合体の粘度を下げることも可能であるが、その場合、成形サイクルが長くなり経済性に劣るほか、温度を上げすぎるとPC−POS共重合体の熱劣化により透明性が低下する傾向がある。
なお、粘度平均分子量(Mv)は、20℃における塩化メチレン溶液の極限粘度〔η〕を測定し、Schnellの式(〔η〕=1.23×10-5×Mv0.83)より算出した値である。
本発明のPC−POS共重合体には、所望に応じて、ポリカーボネート樹脂組成物に公知の種々の添加剤類が配合可能であり、これらとしては補強材、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、染料、顔料、その他の難燃剤などが挙げられる。
本発明のPC−POS共重合体に必要に応じて公知の添加剤類を配合し、混練することによってPC樹脂組成物とすることができる。
上記配合、混練は、通常、用いられている方法、例えば、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ドラムタンブラー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等を用いる方法により行うことができる。
なお、混練に際しての加熱温度は、通常、250〜320℃の範囲で選ばれる。
本発明は、上述したPC−POS共重合体を成形してなる成形体にも関する。
得られたPC樹脂組成物の成形には、従来公知の各種成形方法、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法及び発泡成形法などを用いることができるが、金型温度60℃以上、好ましくは80〜120℃で射出成形することが好ましい。
この際、射出成形における樹脂温度は、通常、280〜360℃程度、好ましくは280〜330℃である。
本発明の成形体は、携帯電話、スマートフォン、モバイルパソコン、タブレット、携帯用端末等の筐体、照明カバー、建材、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の視認性を要する電子機器筐体、及び警察盾、ヘルメットバイザー、スポーツ用保護具等のその他の日用品等の用途において用いることができる。
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。なお、各例における特性値、評価結果は、以下の要領に従って求めた。
(1)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
ポリオルガノシロキサンのGPC測定は以下の条件で行った。
試験機器:TOSOH HLC 8220
測定条件:TOSOH TSK−GEL GHXL−L,G4000HXL,G2000HXL
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
カラム温度:40℃
流速:1.0ml/分
検出器:RI
注入濃度:0.2w/v%
注入量:0.1ml
検量線の作製には、東ソー株式会社製の標準ポリスチレンを用いた。
なお、ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン(PC−PDMS)中のポリオルガノシロキサンの分子量分布測定は以下の通りに行った。得られたPC−PDMS共重合体のフレーク3.9gをメチレンクロライドに10質量%溶液となるように加え、フレークを完全に溶解した。マグネチックスターラーで撹拌しながら、48質量%の水酸化ナトリウム水溶液とメタノールの1:9(体積比)の混合水溶液30mlを加え、3時間撹拌した。その後、メチレンクロライドを30ml追加したのち、析出した結晶(主成分:ビスフェノールA)をひだ折りろ紙にてろ過し、結晶をメチレンクロライドで洗浄した。ろ液のメチレンクロライド溶液を15容積%の0.03mol/LのNaOH水溶液で二度洗浄した後、15容積%の0.2NのHClで洗浄後、15容積%の純水で洗浄した。得られたメチレンクロライド溶液を乾燥機にて乾燥し、得られた粘調な液体(主成分:PDMS)をGPCにて測定し、用いたポリオルガノシロキサンと同様の分子量分布であることを確認した。
微分分子量分布曲線は、次のような方法で得ることが出来る。まず、RI検出計において検出される強度分布の時間曲線(溶出曲線)を、検量線を用いて分子量の対数値(log(M))に対する分子量分布曲線とした。次に、分布曲線の全面積を100%とした場合のlog(M)に対する積分分子量分布曲線を得た後、この積分分子量分布曲線をlog(M)で、微分することによってlog(M)に対する微分分子量分布曲線を得ることが出来る。なお、微分分子量分布曲線を得るまでの一連の操作は、通常、GPC測定装置に内蔵の解析ソフトウェアを用いて行うことが出来る。
(2)ポリジメチルシロキサン含有量
NMR測定によって、ポリジメチルシロキサンのメチル基の積分値比により算出した。
(3)ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量
粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求め、次式(Schnell式)にて算出した。
[η]=1.23×10-5×Mv0.83
<ポリカーボネートオリゴマー>
ポリカーボネートオリゴマーとして、濃度318g/L、クロロホーメート基濃度0.75mol/L、重量平均分子量(Mw)=3,100、NMRより求めた末端基モル分率がp−t−ブチルフェノール(PTBP):OH:クロロホーメート(CF)=3.3:7.7:89.0のポリカーボネートオリゴマーの塩化メチレン溶液を原料に使用した。
なお、重量平均分子量(Mw)は、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用い、GPC[カラム:TOSOH TSK-GEL MULTIPORE HXL-M(2本)+Shodex KF801(1本)、温度40℃、流速1.0ml/分、検出器:RI]にて、標準ポリスチレン換算分子量(重量平均分子量:Mw)として測定した。
実施例1
邪魔板、パドル型攪拌翼及び冷却用ジャケットを備えた50L槽型反応器に上記の原料のポリカーボネートオリゴマー溶液15L、塩化メチレン8.3L、[平均鎖長n=36;log(M)2.5〜3.1の範囲でdw/dlog(M)値を積分した値が、log(M)の全範囲でdw/dlog(M)値を積分した値に対して(以下、実施例においてはlog(M)2.5〜3.1の割合と呼ぶことがある)7.6%;dw/dlog(M)が最大値となるlog(M)が3.6]であるアリルフェノール末端変性ポリジメチルシロキサン(PDMS)393g、及びトリエチルアミン5.8mLを仕込み、攪拌下でここに6.4質量%の水酸化ナトリウム水溶液1496gを加え、10分間ポリカーボネートオリゴマーとアリルフェノール末端変性PDMSの反応を行った。
この重合液に、p−t−ブチルフェノール(PTBP)の塩化メチレン溶液(PTBP70gを塩化メチレン2.0Lに溶解したもの)、BPAの水酸化ナトリウム水溶液(NaOH648gと亜二チオン酸ナトリウム2.0gとを水9.5Lに溶解した水溶液にBPA1099gを溶解させたもの)を添加し50分間重合反応を実施した。
希釈のため塩化メチレン10Lを加え10分間攪拌した後、ポリカーボネートを含む有機相と過剰のBPA及びNaOHを含む水相に分離し、有機相を単離した。
こうして得られたPC−PDMSの塩化メチレン溶液を、その溶液に対して、15容積%の0.03mol/LNaOH水溶液、0.2N塩酸で順次洗浄し、次いで洗浄後の水相中の電気伝導度が1mS/m以下になるまで純水で洗浄を繰り返した。
洗浄により得られたポリカーボネートの塩化メチレン溶液を濃縮・粉砕し、得られたフレークを減圧下120℃で乾燥した。PDMS量は6.0質量%、ISO1628−4(1999)に準拠して測定した粘度数は46.9、粘度平均分子量Mv=17400であった。
得られたPC−PDMS共重合体のフレーク100質量部、酸化防止剤としてIRGAFOS168(商品名:BASF社製)を0.1質量部混合し、ベント式単軸押出成形機に供給し、樹脂温度280℃にて溶融混練し、評価用ペレットサンプルを得た。この評価用ペレットサンプルを120℃で8時間乾燥させた後、射出成形機を用いて、成形樹脂温度280℃、金型温度80℃にて、射出成形して各試験を行うための試験片を作成し、以下の試験を行った。
また、PC−PDMS中のPDMSのGPC測定により、用いたPDMSと同様の分子量分布であることを確認した。
(1)引張特性:破断強度、破断伸び
実施例1で得られた肉厚3.2mmの試験片を用いて、ASTM D638に準拠して、50mm/分の条件で破断強度及び破断伸びを測定した。数値が大きいほど、引張特性が良好であることを示す。
(2)曲げ特性:曲げ強さ、曲げ弾性率
実施例1で得られた肉厚4.0mmの試験片を用いて、ISO178に準拠して、2mm/分の条件で曲げ強さ及び曲げ弾性率を測定した。数値が大きいほど、曲げ特性が良好であることを示す。
(3)荷重たわみ温度(HDT)
実施例1で得られた肉厚3.2mmの試験片を用いて、ASTM D648に準拠して、1.83MPaの荷重で測定した。
(4)全光線透過率及びヘーズ値
厚み2mmの試験片について、全光線透過率についてはISO13468に基づいて3回測定し、ヘーズ値についてはISO14782に基づいて3回測定し、それぞれその平均を求めた。結果を表1に示す。
(5)YI値の測定
厚み2mmの試験片について、分光光度計「U−4100」(日立ハイテクノロジーズ(株)製)を用い、C光源、2度視野の条件でYI値を測定した。
(6)アイゾット衝撃強度
射出成形機で作製した厚さ3.2mm(約1/8インチ)の試験片を用いて、ASTM規格D−256に準拠して、測定温度23℃および−20℃におけるノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定した。結果を表1に示す。
また、後述する実施例2〜3についても各実施例で得られたPC−PDMS共重合体のフレークを用いて同様に試験片を作成し、上記(1)〜(5)について測定した。結果を表1に共に示す。
実施例2
実施例1において用いたアリルフェノール末端変性PDMSを、[平均鎖長n=40;log(M)2.5〜3.1の割合が7.2%;dw/dlog(M)が最大値となるときのlog(M)が3.6]のアリルフェノール末端変性PDMSに変えた以外は実施例1と同様に行った。得られたフレークのPDMS量は6.0質量%、ISO1628−4(1999)に準拠して測定した粘度数は46.2、粘度平均分子量Mv=17100であった。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において用いたアリルフェノール末端変性PDMSを、平均鎖長n=37,log(M)2.5〜3.1の割合が14.8%,dw/dlog(M)が最大値を取るときのlog(M)が3.6のアリルフェノール末端変性PDMSに変えた以外は実施例1と同様に行った。得られたフレークのPDMS量は6.0質量%、ISO1628−4(1999)に準拠して測定した粘度数は47.4、粘度平均分子量は17700であった。また、得られたPC−PDMS共重合体のフレークを用いて、実施例1と同様に試験片を作成し、実施例1と同様に(1)〜(5)についての測定を行った。結果を表1に共に示す。また、後述する比較例2についても得られたPC−PDMS共重合体のフレークを用いて実施例1と同様に試験片を作成し、(1)〜(5)についての測定を行った。結果を表1に共に示す。
比較例2
比較例1において用いたアリルフェノール末端変性PDMSを、平均鎖長n=40,log(M)2.5〜3.1の割合が14.6%,dw/dlog(M)が最大値を取るときのlog(M)が3.7のアリルフェノール末端変性PDMSに変えた以外は比較例1と同様に行った。得られたフレークのPDMS量は6.0質量%、ISO1628−4(1999)に準拠して測定した粘度数は47.3、粘度平均分子量は17600であった。
表から明らかなように、PDMSの分子量分布において、log(M)が2.5〜3.1の成分の割合がPDMS全体の10%以下であるPDMSを用いた実施例1〜3においては、機械特性を低下させることなく、透明性に優れ且つ黄色味(YI)の低い効果が得られる。一方、log(M)が2.5〜3.1の成分の割合がPDMS全体の10%を超える比較例1及び2においては、黄色味(YI)が実施例のYI値と比べて有意に高くなっていて、黄色味が改善されていないことがわかる。
図1は、実施例1及び比較例1にて得られる微分分布曲線を示すグラフであり、2.5≦log(M)≦3.1の範囲でdw/dlog(M)値を積分した値が、log(M)の全範囲でdw/dlog(M)値を積分した値に対して0以上10%以下である実施例1においては2.5≦log(M)≦3.1の範囲の曲線の立ち上がりがシャープであるのに対し、2.5≦log(M)≦3.1の範囲でdw/dlog(M)値を積分した値が、log(M)の全範囲でdw/dlog(M)値を積分した値に対して10%を超える比較例1においては、2.5≦log(M)≦3.1の範囲の曲線の立ち上がりがゆるやかであることが分かる。
本発明によれば、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体中のポリオルガノシロキサンの分子量分布を制御し、鎖長分布を制御することにより、機械的強度を低下させることなく、透明性に優れ且つ黄色味の少ないポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を得ることが出来る。

Claims (6)

  1. ポリスチレンを換算基準としたゲル浸透クロマトグラフ法による測定から得られる、横軸が分子量Mの対数値log(M)であり、縦軸が濃度分率wを分子量の対数値log(M)で微分したdw/dlog(M)である微分分子量分布曲線において、2.5≦log(M)≦3.1の範囲でdw/dlog(M)値を積分した値が、log(M)の全範囲でdw/dlog(M)値を積分した値に対して0〜10%であるポリオルガノシロキサンを原料として用いる、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
  2. 前記原料ポリオルガノシロキサンの微分分子量分布曲線において、dw/dlog(M)の値が、3.3≦log(M)≦3.9の範囲で最大となる、請求項1に記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
  3. 前記ポリオルガノシロキサンが、下記一般式(1)又は(2)に示す構造を有する、請求項1または2に記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。

    [式中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。Yは、−R5O−、−R5COO−、−R5NH−、−R5NHR6−、−COO−、−S−、−R5COO−R7−O−、または−R5O−R8−O−を示す。前記R5は、単結合、直鎖、分岐鎖若しくは環状アルキレン基、アリール置換アルキレン基、アリーレン基、またはジアリーレン基を示す。R6は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、またはアラルキル基を示す。R7は、ジアリーレン基を示す。R8は、直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキレン基、又はジアリーレン基を示す。Zは、水素原子又はハロゲン原子を示す。βは、ジイソシアネート化合物由来の2価の基、又はジカルボン酸若しくはジカルボン酸のハロゲン化物由来の2価の基を示す。pとqの和はnであり、nは平均繰り返し数を示す。]
  4. 前記ポリオルガノシロキサンと、ポリカーボネートオリゴマーとを有機溶媒中で反応させる工程を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
  5. 二価フェノールをさらに添加する工程を有する、請求項4に記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
  6. 得られるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量が12,000〜40,000である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
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