JP6583411B2 - 薬物複合体 - Google Patents

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Description

本発明は薬物複合体、より具体的にはVEGF結合性ペプチドに薬物を結合したペプチド−薬物複合体に関する。
血管内皮増殖因子(VEGF: Vascular Endothelial Growth Factor)は、一般的に血管新生を促進するタンパク質として知られている。このVEGFは、脊椎動物の胎生期、幼少期における循環器系の形成や多くの組織の構築に重要な役割を果たすが、成熟期以降では、がんの増殖、転移形性、慢性関節リューマチの病態形成や促進、糖尿病性網膜症などにも関与することから、このような病的条件において重要視されている。
VEGFは膜貫通型チロシンキナーゼ受容体VEGFRと結合ないし相互作用することで、その生物学的作用を発揮する。従って、VEGFとVEGFRとの結合ないし相互作用を阻害することで血管新生が抑制され、がんの増殖や転移抑制、慢性関節リューマチや糖尿病性網膜症、加齢黄斑変性の病態促進の抑止等に繋がることが期待される。事実、VEGFRに結合して、VEGFとの結合ないし相互作用を阻害するモノクローナル抗体であるベバシズマブ(商品名、アバスチン)が上市され、転移性大腸がんや転移性乳がんの抗がん剤として使用されている。
ところで、アンタゴニストがペプチドである場合、一般的に立体構造が規制されたペプチドが選択される。多くの立体構造が規制されたペプチドはペプチド内ジスルフィド結合によりその立体構造が安定化されている。しかしながら、細胞内の還元条件下ではジスルフィド結合が開裂して立体構造が壊れやすいという欠点があった。また、生体内プロテアーゼにより分解され、血清中での半減期が短いという欠点もある。従って、生体内でより安定なペプチドが求められている。
このような欠点を持たない安定化されたペプチドとして、ヘリックス−ループ−ヘリックス構造(Helix-Loop-Helix構造)を有するペプチドが特許文献1などに開示されている。ヘリックス−ループ−ヘリックス構造を有するペプチドは、N末側のアミノ酸配列(N末端側ヘリックス:Aブロック)と、C末側のアミノ酸配列(C末端側ヘリックス:Cブロック)と、AブロックとCブロックを結合するリンカー(Bブロック)を有する。AブロックとCブロックは、リンカーの存在によりそれぞれα−ヘリカルコイルドコイル構造を形成する。このペプチドは低分子構造でありながら溶液中で安定した二次構造を取り、分子中の溶媒側に露出する部分に化学的に異なる性質の官能基を導入しやすい。このような性質を利用して、生理活性を有するヘリックス−ループ−ヘリックス構造を有する種々のペプチドが提案されている。
こうした状況下において、本願発明者は、VEGF結合性を有し、VEGF受容体とVEGFとの結合を阻害するVEGF結合ペプチド複合体を提案している(特許文献2)。この複合体は、VEGF結合性を有するヘリックス−ループ−ヘリックス構造を有するペプチドのC末端側に、チオレドキシンが結合した複合体である。VEGF結合性ペプチドはVEGFとVEGF受容体の相互作用を阻害しないか、あるいはその阻害能は極めて小さく、VEGF結合性ペプチド単体では十分な抗がん作用を発揮できないことが考えられた。そこで、チオレドキシンのような大きな立体構造を有する分子をVEGF結合性ペプチドに結合させることでもたらされる立体障害によって、VEGFとVEGF受容体の結合ないし相互作用を阻害し、血管新生を抑制し、抗がん作用などを発揮させることを目的としていた。しかしながら、この複合体における両者間の結合阻害活性が未だ十分であるとは言えなかった。また、複合体の分子が大きくなると、VEGF結合性ペプチドそのものの結合性を弱めたり、その製造が困難になるという問題もあり、これらの問題を克服する新たながん治療剤が求められている。
特開平10−245397号公報 特開2014−47156号公報
本願発明が解決しようとする課題は、正常な細胞には影響を与えず、VEGF受容体を発現している細胞、特にがん細胞内に細胞毒性を示す薬物を特異的に送達できるドラッグデリバリーシステムを提供することである。
本願発明者は、細胞表面に発現したVEGF受容体が、細胞外結合部位にVEGFが結合すると、その結合体がそのまま細胞内に取り込まれるという、エンドサイトーシスをすることを利用し、上記VEGF結合性ペプチドも同様に細胞内に取り込まれることに着目して、本願発明を完成するに至った。すなわち、本発明では、VEGF結合性を有するヘリックス−ループ−ヘリックス構造を有するペプチドに薬物を結合させた薬物複合体とし、VEGF受容体を発現している細胞内に薬物を取り込ませることにした。
本発明によると、細胞毒性を示す薬物を、VEGF受容体を発現している細胞、特にがん細胞内に特異的に届けることができ、がん細胞を特異的に障害させることができる。
図1は本発明に係る薬物複合体の概念図である。 図2は薬物が結合可能なVEGF結合性ペプチドM49Kの合成方法の一例を示す概念図である。 図3は薬物が結合可能なVEGF結合性ペプチドM49Kの二次構造についての測定結果を示す図である。aはSPR法によるM49K(C1A)のVEGFに対するセンサーグラム、bは環状化したM49のセンサーグラム、cはM49とM49K(C1A)のCDスペクトルを示す図である。 図4は薬物が結合可能なVEGF結合性ペプチドM49Kの細胞内取り込みを示す共焦点レーザー走査型顕微鏡画像であって、IはCy5-M49K及びAlexa 488-VEGFを添加したHUVEC、IIはAlexa 488-VEGFのみを添加したHUVEC、IIIはCy5-M49Kのみを添加したHUVECをそれぞれ示し、各行においてそれぞれ、(A)は位相差顕微鏡で撮影した細胞の形状、(B)はAlexa 488の緑色蛍光を観察した細胞断面図、(C)はCy5の赤色蛍光を観察した細胞断面図、(D)は(B)と(C)のMerge画像を示す。 図5はフローサイトメーターによる薬物が結合可能なVEGF結合性ペプチドM49Kの細胞取り込み試験の結果を示す図である。Aは未処理のHUVEC、BはAlexa488-VEGFを処理したHUVEC、CはCy5.1-M49Kを処理したHUVEC、DはAlexa488-VEGFとCy5.1-M49Kを処理したHUVECを示す。 図6は本発明の一実施形態である薬物複合体の合成スキームである。 図7はSPR法を用いた薬物複合体M49K-CemのVEGFに対する結合活性の測定結果を示す図である。 図8は薬物複合体M49K-CemのHUVEC増殖阻害試験の結果を示す図である、M49Kは対照である薬物が結合可能なVEGF結合性ペプチドM46K、YTI-Cemは対照である非VEGF結合性ペプチド−薬物複合体YT1-Cemを示す。
本発明に係る薬物複合体は、α−ヘリックス構造を形成するペプチドからなりN末端側に位置するAブロックと、α−ヘリックス構造を形成するペプチドからなりC末端側に位置するCブロックと、AブロックとCブロックを共有結合で結ぶペプチドからなるBブロックとからなるヘリックス−ループ−ヘリックス構造を有するVEGF結合性ペプチドと薬物が結合したVEGF結合性ペプチド−薬物複合体であって、前記薬物が、前記VEGF結合性ペプチドのN末端のアミノ酸及び/又はC末端のアミノ酸に直接又は間接に結合し、VEGF受容体のエンドサイトースによりVEGF受容体発現細胞内に取り込まれるVEGF結合性ペプチド−薬物複合体である。
本発明において用いられるVEGF結合性ペプチドは、前記ヘリックス−ループ−ヘリックス構造を有しVEGF結合性を有するペプチドであれば特に限定されない。VEGF結合性ペプチドは、結合したVEGFと共に細胞内に取り込まれると考えられるので、強いVEGFとの結合性を示すVEGF結合性ペプチドが好ましい。このような強いVEGF結合性を示すペプチドの具体例は特許文献2に開示されている。従って、本明細書においては特許文献2の記載が適宜参照し得る。
ヘリックス−ループ−ヘリックス構造は、α−ヘリカルコイルドコイル構造とも呼ばれ、この構造を有するペプチドは単一分子として溶液中で安定に存在する。このペプチドは2つのヘリックス(AブロックとCブロック)間に配置されたロイシンの疎水性相互作用によって安定化されている。さらにN末端側α−ヘリックス(Aブロック)のグルタミン酸側鎖と、C末端側α‐ヘリックス(Cブロック)のリジン側鎖との間に塩橋(Bブロック)が形成されるようにデザインされている。このペプチドは、これら立体構造の形成に重要なアミノ酸残基さえ残せば、他の残基をランダム化しても安定な立体構造を保持する。
本発明に係るVEGF結合性ペプチドはこのような基本構造を有するペプチドであって、VEGFに対して結合性を有する。VEGFに対する結合性の有無は、特許文献2に記載の方法によって求められるVEGFに対する解離定数(KD)によって判断することが可能である。例えば、10,000nM以下の解離定数(KD)であればVEGFに対して結合性を有すると判断される。また、AブロックのN末端にあるアミノ酸とCブロックのC末端にあるアミノ酸を共有結合させて閉環させた環状ペプチドとした場合に、当該環状ペプチドとVEGFとの解離定数(KD)が10,000nM以下、好ましくは1,000nM以下、さらに好ましくは500nM以下、より望ましくは10nM以下の解離定数(KD)を示すVEGF結合性ペプチドが好ましい。
より具体的な配列として、本発明では、Bブロックのアミノ酸配列が配列番号3(GTYRASTWWWG)、配列番号4(GPDLMVWWGWD)、配列番号5(GNSDYPWIGWG)、配列番号6(GPWKGYPIPYG)に示すアミノ酸配列からなるVEGF結合性ペプチドが好ましい。配列番号3〜6に示すアミノ酸配列からなるペプチドをBブロックに有するヘリックス−ループ−ヘリックス構造のペプチドが良好なVEGF結合性を示す。
AブロックやCブロックのアミノ酸配列も前記基本構造を有する限り特に制約されず、例えば、Aブロックのペプチドは配列番号7(CAAELAALEAELAALE)に示すアミノ酸配列からなるペプチドであり得る。また、Cブロックのペプチドは、例えば配列番号8(KLAALKAKLAALKAAC)に示すアミノ酸配列からなるペプチドであり、好ましくは配列番号9(KLXXLKXKLXXLKXACに示すアミノ酸配列からなるペプチド)に示すアミノ酸配列のうち、立体構造の維持に必須でないアミノ酸(X)が、スレオニン、アラニン及びプロリン以外の任意のアミノ酸に置換されたペプチドであり、さらに好ましくは配列番号10(KLFQLKNKLHQLKYAC)、配列番号11(KLNQLKHKLDHLKVAC)、配列番号12(KLGELKQKLLKLKNAC)、配列番号13(KLQFLIKKLKQLKVAC)に示すアミノ酸配列からなるペプチドである。なお、本発明において、ペプチドを構成するアミノ酸は天然に存在するL−アミノ酸、特に好ましくはタンパク質を構成するアミノ酸であり、立体構造を維持する限りD−アミノ酸であってもよい。
本発明においてはBブロックのアミノ酸配列が重要であり、Aブロックのアミノ酸配列やCブロックのアミノ酸配列は任意のものであっても差し支えないと考えられる。従って、本発明においては、配列番号3〜6の何れかに示されたアミノ酸配列からなるBブロックに、配列番号10〜13の何れかに示されたアミノ酸配列からなるCブロックを組み合わせてもよい。さらに具体的には、配列番号14〜17に示されたアミノ酸配列を有するVEGF結合性ペプチドが好適に用いられる。また、これらのアミノ酸配列からそれぞれ1つ又は2つのアミノ酸が欠失又は置換、挿入されたアミノ酸配列を用いることもできるのは言うまでもない。本発明において好ましいアミノ酸配列を表1にまとめた。なお、表1に示したClone36,41,42,49は特許文献2に記載されたClone36,41,42,49に相当し、M49はClone49と同一のアミノ酸配列を有し、M49KはM49を元にして薬物を結合可能にした遊離の縮合性官能基をAブロックのN末端のアミノ酸に備えた環状のVEGF結合性ペプチドである。
本発明に係る複合体は、前記VEGF結合性ペプチドに薬物が結合した複合体である。薬物の結合位置は、VEGF結合性ペプチドのN末端のアミノ酸又はC末端のアミノ酸であり、好ましくはN末端のアミノ酸である。
薬物との結合様式は問われず、複合体の製造工程や薬物の効果発現性などを考慮して選択され得る。例えば、細胞内に取り込まれた薬物が複合体から脱離することで薬効を発揮する場合には、細胞内において脱離されやすい結合様式が採用され得る。また、正常細胞にまで毒性を与えないようにするとの観点からは、血液中では離脱され難い結合様式で薬物を結合させることが好ましい。結合様式は、例えば、N末端のアミノ酸又はC末端のアミノ酸が有する縮合性官能基が利用され得る。ここにおいて、縮合性官能基とは、チオール基や水酸基、アミノ基、カルボキシル基、アルデヒド基のように、VEGF結合性ペプチドと薬物との間で、エステル化反応(チオエステル化反応も含む)やアミド化反応、アルドール縮合などのように、付加脱離反応を起こし得る官能基を意味する。
この縮合性官能基は、前記VEGF結合性ペプチドのN末端のアミノ酸又はC末端のアミノ酸自身が有する官能基でもあり、また、人工的に導入された官能基でもあり得る。アミノ酸自身が有する官能基は、例えば、システインが有するチオール基であり、N末端にあるアミノ酸におけるα位のアミノ基であり、セリン基が有する水酸基であり、N末端にあるアスパラギン酸やグルタミン酸のカルボキシル基であり、C末端にあるアミノ酸のカルボキシル基である。本発明においては、このような縮合性官能基を、例えば、配列番号14〜17に示されたアミノ酸配列を有する前記VEGF結合性ペプチドに備えることで、薬物を結合可能としている。このようなVEGF結合性ペプチドは、例えば、上記官能基を有するアミノ酸をN末端やC末端に挿入し、又はN末端やC末端のアミノ酸を置換することで容易に得られる。
本発明では、N末端のアミノ酸とC末端のアミノ酸が直接又は間接に結合した環状構造のVEGF結合性ペプチドが好ましく用いられる。環状構造をとらない場合でも、当該VEGF結合性ペプチドはAブロックとCブロックとの相互作用により安定しているが、環状構造とすることでより安定で強力なVEGF結合性ペプチドとなる。ここで、直接に結合したとは、例えば、AブロックのN末端のアミノ酸とCブロックのC末端のアミノ酸がアミド結合(ペプチド結合)で結合した場合や、AブロックのN末端のシステインとCブロックのC末端のシステインがジスルフィド結合(SS結合)で結合した場合のように、AブロックのN末端のアミノ酸とCブロックのC末端のアミノ酸がリンカーを介さずに結合したことを意味する。間接に結合したとは、AブロックのN末端のアミノ酸とCブロックのC末端のアミノ酸がリンカーを介して結合したことを意味する。リンカーの構造は特に限定されるものではなく、例えば、炭素原子が直鎖状に結合したリンカーやアミノ酸がペプチド結合したリンカーなどが示される。リンカーの長さはペプチドの安定性や細胞内への取り込み、薬物の効果発現性などに応じて適宜定められる。例えば、1〜10個のメチレン基が直鎖状に結合したリンカーや、1〜9個、好ましくは1〜5個、さらに望ましくは1〜4個のアミノ酸がアミド結合により結合したペプチド鎖である。リンカーを構成するアミノ酸は制約されるものではないが、単純な構造とする観点からはグリシンが好ましく、グリシンのみから構成されるペプチド鎖がリンカーとして望ましい。また、ペプチド鎖からなるリンカーはα−ヘリックス構造をとらず、前記Aブロックのα−ヘリックス構造や前記Cブロックのα−ヘリックス構造に影響を与えない配列が採用される。
また、本発明における上記縮合性官能基を有するVEGF結合性ペプチドは、ヘリックス−ループ−ヘリックス構造の安定化が妨げられない限り、上記例示した前記Aブロック及び/又は前記Cブロックのアミノ酸配列や、リンカーを備えた例えばM49Kのアミノ酸配列からそれぞれ1つ又は2つのアミノ酸が欠失又は置換、挿入されたアミノ酸配列を用いることもできる。
VEGF結合性ペプチドに結合させる薬物は、VEGF受容体を発現した細胞においてエンドサイトーシスにより取り込み可能な薬物である。本発明において、エンドサイトーシスにより取り込み可能な薬物とは、薬物がVEGF結合性ペプチドに結合した場合、その立体障害によってVEGFとVEGF受容体の結合を阻害することなく、細胞内に取り込まれる薬物を意味する。このような薬物の分子量は、概ね30,000以下、好ましくは20,000以下、さらに好ましくは10,000以下、望ましくは5,000以下である。上限となる分子量はあくまでも目安であり、本発明では薬物のかさ高さ、つまりVEGF結合性ペプチド−薬物複合体が立体障害を起こさない程度の大きさの分子であることが重要である。当該薬物の一例として、標的とする組織としてがん細胞を想定した場合には、細胞毒性を示す毒物性の薬物が好ましく挙げられる。薬物としては、例えば、塩酸ドキソルビシン、塩酸ペプロマイシン、塩酸ナイトロジェンマスタード−N−オキシド、シクロファスファミド、チオデパ、カルボコン、塩酸ニムスチン、塩酸ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、塩酸アクラルビシン、塩酸イダルビシン、塩酸エピルビシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸ピラルビシン、ジノスタチンスチマラマー、ネオカルチノスタチン、エトポシド、テニポシド、塩酸イリノテカン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、硫酸ビンブラスチン、L−アスパラギナーゼ、塩酸ミトキサントロン、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、ペントスタチン、ジゾフィラン、ポルフィマーナトリウム、イファスファミド、カタルバジン、メルカプトプリン、チオイノシン、シタラビン、エノシタビン、フルオロウラシル、テガフール、塩酸アンシタビン、メトトレキサート、カルモフール、マイトマイシンC、アクチノマイシン、塩酸ブレオマイシン、タキソールが示される。薬物はAブロックのN末端又はCブロックのC末端の何れか一方又は双方に結合され得るが、双方に結合した場合にはVEGFとVEGF受容体の結合を阻害しないことが必要である。
本発明に係る薬物複合体は、典型的には医薬組成物として使用される。医薬組成物は、有効量のVEGF結合性ペプチド−薬物複合体の他に薬理学的に許容し得る製剤用の助剤を含み得る。助剤は、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、被覆剤、矯味剤、可溶化剤であり得る。当該組成物はヒトを含む動物に経口又は非経口で適用し得る形態(剤型)として提供される。当該剤型は、例えば、錠剤であり、顆粒剤であり、散剤であり、液剤であり、注射剤であり、座剤であり得る。
VEGF結合性ペプチド−薬物複合体の投与量は、性別や体重、年齢、人種、症状等に応じて当業者により適宜決定される。その投与量の下限は、例えば、0.001μg/kg体重であり、0.01μg/kg体重であり、0.1μg/kg体重であり、0.001mg/kg体重であり、0.01mg/kg体重であり、0.05mg/kg体重であり、0.1mg/kg体重であり得る。また、その上限は、例えば、1000mg/kg体重であり、100mg/kg体重であり、10mg/kg体重であり、5mg/kg体重であり、1mg/kg体重であり得る。
次に本発明について下記の実施例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に限られないのは言うまでもない。
〔VEGF結合性ペプチド誘導体の合成〕
ジスルフィド結合により安定化された環状VEGF標的ペプチド(M49)に対して、薬物結合用のリンカーを導入するとともに、ペプチドの安定化を図るためにペプチドの主鎖部分を環状化したVEGF結合性ペプチド誘導体(M49K)を合成した(図1)。表2にペプチドM49及びペプチドM49Kのアミノ酸配列を示した。ペプチドM49の配列は、配列番号7に示すアミノ酸配列を有するAブロックと、配列番号6に示すアミノ酸配列を有するBブロックと、配列番号13に示すアミノ酸配列を有するCブロックを有する。なお、図1にはN末端のアミノ酸であるシステインとC末端のアミノ酸であるシステインがSS結合により環化されており、C末端のカルボキシル基がアミノ化されたものを示している。ペプチドM49Kは、Aブロックから1つのアミノ酸(アラニン)が欠落し、CブロックのC末端のシステインを欠き、4つのグリシンをリンカーとして結合させて環状化したものである。
2-クロロトリチルクロリドレジンに、Fmoc-Gly-OH、DIEA、DMF/DCMを加えてFmoc-グリシンを結合させた後、DIEA/MeOH/DCMを加えて未反応のトリチル基をキャッピングした。キャッピングしたFmoc-Gly-tritylレジンを使用し、Fmoc固相合成法により配列番号2に示すアミノ酸配列を有するペプチドを合成した。固相合成の後、DCM/TFE/AcOHで脱樹脂した(図2(I))。脱樹脂して得られた残渣にBOP、DIEA、3-mercaptopropionate、クロロホルムを加えて室温で撹拌し、C末端をチオエステル化した。反応終了後、溶媒を除去して得られた残渣にTFA/H2O/フェノール/TIS(88/5/5/2)を加えて室温で撹拌し、ペプチドの側鎖保護基の脱保護を行った。反応終了後、ジエチルエーテルを加え沈殿したペプチドを遠心分離により回収し、乾燥させた。得られた粗ペプチドは0.1%TFA水溶液に溶かし、RP-HPLCで精製した(図2(II))。次に、下記のネイティブケミカルライゲーション反応によりC末端とN末端を縮合し、環状化されたペプチドM49Kを合成した。図2(II)のチオエステル化したM49を水に溶かし、200mM Na2HPO4、2mM MPAA、20mM TCEP・HClを含む反応溶液に滴下した。反応終了後、凍結乾燥を行い、得られた粉末を0.1% TFA溶液に溶かし、RP-HPLCで精製した(図2(III)。精製したペプチドM49KはRP-HPLCで純度を測定し、MALDI-TOF-MSで分子量を確認した(純度:95%、[M+H]+:計算値4724.656:実測値4724.66)。
また、ペプチドM49Kの物性を測定する際に、チオール基を介した二量体の形成を防ぐため、脱硫反応でM49KのC末端のシステイン残基をアラニン残基に置換したペプチド誘導体M49K(C1A)も合成した。得られたM49Kを400mM Tris、250mM TCEP・HClと200mM VA-044、グルタチオンを含む反応溶液に加え、室温で反応させてM49K(C1A)を得た。このペプチド誘導体も、MALDI-TOF-MSで分子量を確認したところ、目的のペプチドが合成されたことが確認された。
次に、ペプチドM49K(C1A)がペプチドM49と同等の物性を保持しているか調べるために、表面プラズモン共鳴(SPR)法によりVEGFに対する解離定数を測定し、円二色性(CD)スペクトルにより二次構造に関する情報を得た。VEGFをセンサーチップCM5にアミンカップリングで300RU固定化し、各濃度のペプチドを添加して得られたセンサーグラムから1:1の結合モデルを用いて結合パラメーターを算出した。また、ペプチド濃度20μMの20mMリン酸緩衝液(pH7.0)中、20℃でCDスペクトルを測定した。図3及び表3に示すように、ペプチドM49とそれに修飾を施したペプチド誘導体M49K(C1A)は同様の物性を保持しており、環状に安定化したペプチドM49KはM49と同様の物性を保持していると結論づけられた。
〔ペプチド誘導体M49Kの細胞内取り込み〕
ペプチド誘導体M49KはVEGFとVEGF受容体との相互作用を阻害しない。そこで次に、M49KがVEGFと共にVEGF受容体を介したエンドサイトーシスでHUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞:Human Umbilical Vein Endothelial Cells )内に取り込まれるか調べた。ガラスベースディッシュにHUVECを播種、培養した。そこへ、Alexa-488で蛍光標識したVEGFと、Cy5で蛍光標識したM49KをHUVECに添加し、6時間後にレーザー共焦点顕微鏡観察を行った。その結果、図4に示すようにAlexa-488の蛍光とCy5の蛍光が細胞内で観察できた。また、これらの蛍光が共局在していたことから、M49KはVEGFとともに細胞内へ取り込まれていることが判明した。
また、フローサイトメーターで細胞の蛍光強度を測定した。96穴平底プレートにHUVECを播種し、Alexa-488で蛍光標識したVEGF(2μg/mL)及び/又はCy5で蛍光標識したM49K(100nM)を添加して37℃の5%CO2インキュベーターで48時間静置した。その後、トリプシン処理を行い、PBSで洗浄した後、フローサイトメーターで解析した。その結果、何も処理していないHUVECでは、Cy5とAlexa488の蛍光強度はともに低かった(図5A)。VEGF-Alexa488をのみを添加したところ、Alexa-488の蛍光強度が強い領域に細胞集団が観測された(同図B)。M49K-Cy5のみをHUVECに添加したところ、細胞集団の蛍光強度は、未処理のHUVECと同じ領域に観測された(同図C)。最後に、M49K-Cy5とVEGF-Alexa488を同時に添加したところ、細胞集団は、Cy5とAlexa488の蛍光強度がともに高い領域にシフトした(同図D)。つまり、M49Kは、VEGF存在下でのみHUVECへ取り込まれることが示された。
〔環状VEGF標的ペプチド−薬物複合体の合成〕
次にペプチド誘導体M49Kに薬物を結合し、薬物複合体を合成した。薬物には、チューブリン重合阻害剤であるセマドチン(Cemadotin)の類縁体であるCemCH2-SHを用いて、M49Kのシステイン残基とジスルフィド結合を介して結合させた。CemCH2-SHは公知の化合物である(Bernardes, G. J. L. et al. Angew. Chem. Int. Ed. 124, 965-968 (2012))。細胞内は、存在する多量のグルタチオンのために還元条件下であると考えられるため、M49K-薬物複合体が取り込まれると、このジスルフィド結合は切断され、薬物が毒性を発揮すると想像される。
CemCH2-SHを図6のスキームに従って合成した。まず、4-Cyanobenzaldehyde(1)をLiAlH4を加えた無水THFに溶解して、窒素雰囲気下で還流しながら反応させた後、NaOHを加えて(4-(aminomethyl)phenyl)methanol(2)を得た。当該化合物2のアミノ基をBoc基で保護した後、tBuOH/NaOH中でdi-tert-butyl dicarbonateと反応させた。反応液から飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルで抽出してtert-butyl 4-(hydroxymethyl)benzylcarbamate(3)を得た。次に、当該化合物3とTriphenylphospineとチオ酢酸を無水THFに溶かし、Diisopropyl azodicarboxylateを加えて0℃で反応させた後、ジエチルエーテルを加えて有機層を取得した。有機溶媒を減圧留去することで、S-4-(((tert-Butoxycarbonyl)amino)methyl)benzyl ethanethioate(4)を得た。当該化合物4をジクロロメタンに溶かしTFAを加えることでBoc基を脱保護して、S-4-(Aminomethyl)benzyl ethanethioate(5)を得た。
これとは別に、N,N-dimethylvalyl-valyl-N-methylvalyl-prolyl-proline(6)を2-クロロトリチルクロリドレジンを担体としたFmoc固相合成法で合成した。2-クロロトリチルクロリドレジンに、Fmoc-Pro-OH、DIEA、DMF/DCMを加えてFmoc-プロリンを結合させた後、DIEA/MeOH/DCMを加えて未反応のトリチル基をキャッピングした。キャッピングしたFmoc-Pro-tritylレジンを使用し、アミノ酸とHATUとDIEAをDMFに溶かした溶液をレジンに加えて固相合成を行った。DCM/TFE/AcOHでクリベージを行い、N,N-dimethylvalyl-valyl-N-methylvalyl-prolyl-proline(6)を得た。当該化合物6とHATUとDIEAをDMFに溶解して攪拌した。そこに、化合物5を加えて撹拌しながら反応させた。DMFを減圧留去し、水/アセトニトリルに溶解して高速液体クロマトグラフィーにより精製し、CemCH2-SAc(7)を得た。化合物(7)をメタノールに溶かし、NaOH存在下でチオエステルをチオエーテル基に変換し、tris緩衝液とDTTを加えて反応を止め、CemCH2-SHを合成した。
CemCH2-SHと2,2'-Dithiobis(5-nitropyridine)をTHFに溶かし、室温で2時間反応させて溶媒を留去することで、CemCH2-S-TNBを得た。得られたCemCH2-S-TNBとM49KをPBSに溶かし、室温で反応させることでM49K-Cemを合成した。合成したM49K-CemはRP-HPLCで精製した。RP-HPLCで純度を測定したところ、精製したM49K-Cemの純度は95%であった。また、MALDI-TOF-MSにより分子量を確認したところ、その実測値はm/z=5407.076であった。複合体M49K-Cemの[M+H]+の計算値は5407.052であり、目的の化合物であるM49K-Cemが合成されたものと確認された。
次いで、VEGFに対する結合活性を、上記M49K(C1A)と同様にしてSPR法で測定した(図7)。その結果、kaは6.6×105(1/Ms)、kdは3.9×10-4(1/s)、解離定数KDは0.6nMであった。よって、M49KへのCemCH2-SHのコンジュゲートは、VEGFとの結合に影響しないことがわかった。
〔M49K-Cemによる細胞増殖阻害試験〕
M49K-Cemを用いてHUVECの増殖阻害試験を実施した。96穴平底プレートにEBM-2培地で懸濁したHUVEC(3000cells/100μL/well)を添加し、37℃、5%C02 で一晩培養した。次に、培地を抜き取り、そこへ25ng/mLのVEGFと各濃度のサンプルを含むDMEM培地(0.2%FCS)を添加した。37℃、5%C02で24時間培養後、WST-1アッセイ(Ishiyama, M.et al., Biol. Pharm. Bull. 19, 1518-1520 (1996))により細胞増埴度を調べた。その結果、図8に示すように、M49K-Cemは濃度依存的に細胞増殖を阻害し、HUVECに対するIC50値は45nMであった。一方、対照であるM49KとYT1-Cemは細胞増殖を阻害しなかった。YT1-CemはVEGFに結合しない配列番号18に示すアミノ酸配列を有するヘリックス−ループ−ヘリックスペプチドであって、YT1-Cys(CAELAALEAELAALEGGGGGGGKLAALKAKLAALKA-NH2)とCemCH2-S-TNBをPBS中で反応させることで得られる。
M49K-Cemは細胞内に取り込まれて、ペプチドとCemCH2-SHの結合が切断されたと考えられる。なぜなら、CemCH2-SHはペプチドから切断されないと毒性を発揮しないからである。また、YT1-Cemは細胞内に取り込まれないため、ペプチドとCemCH2-SHの結合が切れず、細胞毒性を発揮しなかったと推測される。
本発明によれば、VEGF受容体を発現している細胞において薬効を発揮させる新たなドラッグデリバシーシステムが提供される。

Claims (10)

  1. α−ヘリックス構造を形成するペプチドからなりN末端側に位置するAブロックと、α−ヘリックス構造を形成するペプチドからなりC末端側に位置するCブロックと、前記Aブロックと前記Cブロックを共有結合で結ぶペプチドからなるBブロックとからなるヘリックス−ループ−ヘリックス構造を有するVEGF結合性ペプチドと薬物が結合したVEGF結合性ペプチド−薬物複合体であって、
    前記薬物が、前記VEGF結合性ペプチドのN末端のアミノ酸及び/又はC末端のアミノ酸に直接又は間接に結合し、
    VEGF受容体のエンドサイトースによりVEGF受容体発現細胞内に取り込まれるVEGF結合性ペプチド−薬物複合体。
  2. 前記薬物は、細胞内酵素により切断されうる結合様式にて前記VEGF結合性ペプチドのN末端アミノ酸又はC末端アミノ酸に結合した請求項1項に記載のVEGF結合性ペプチド−薬物複合体。
  3. 前記薬物は、前記VEGF結合性ペプチドのN末端のアミノ酸又はC末端のアミノ酸が有する縮合性官能基に直接結合した請求項1又は2に記載のVEGF結合性ペプチド−薬物複合体。
  4. 前記縮合性官能基は、チオール基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、アルデヒド基の何れかである請求項3に記載のVEGF結合性ペプチド−薬物複合体。
  5. 前記VEGF結合性ペプチドのN末端のアミノ酸と当該VEGF結合性ペプチドのC末端のアミノ酸が、直接又は間接に結合した請求項1〜4の何れか1項に記載のVEGF結合性ペプチド−薬物複合体。
  6. 前記AブロックのN末端アミノ酸と前記BブロックのC末端アミノ酸が、1〜数個のアミノ酸からなるリンカーで結合した請求項5に記載のVEGF結合性ペプチド−薬物複合体。
  7. 前記Bブロックは、配列番号3〜6の何れかで表されるアミノ酸配列からなるペプチドである請求項1〜6の何れか1項に記載のVEGF結合性ペプチド−薬物複合体。
  8. 前記Aブロックは配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるペプチドであり、前記Cブロックは配列番号8で表されるアミノ酸配列からなるペプチドであることを特徴とする請求項7に記載のVEGF結合性ペプチド−薬物複合体。
  9. 前記Aブロックは配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるペプチドであり、前記Cブロックは配列番号9で表されるアミノ酸配列(KLXXLKXKLXXLKXAC:但し、Xはスレオニン、アラニン及びプロリン以外のアミノ酸)からなるペプチドである請求項7に記載のVEGF結合性ペプチド−薬物複合体。
  10. 前記Aブロックは配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるペプチドであり、前記Cブロックは配列番号10〜13の何れかで表されるアミノ酸配列からなるペプチドである請求項7に記載のVEGF結合性ペプチド−薬物複合体。
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