JP6581522B2 - 粒子線治療システム及び粒子線治療システムの制御方法 - Google Patents

粒子線治療システム及び粒子線治療システムの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、粒子線治療システム及び粒子線治療システムの制御方法に関する。
本技術分野の背景技術として、特許第5707524号(特許文献1)がある。この特許文献1は、「回転照射装置21を間欠的に回転させ、回転照射装置21の回転角度毎に位置モニタ20cにおいて荷電粒子ビームの通過位置を検出する。その上で、回転照射装置21の回転角度毎と荷電粒子ビームの通過位置とのデータの関係から状態量変化量関数を演算する。そしてこの演算した状態量変化量関数に基づいて、回転照射装置21の回転角度毎の荷電粒子ビームの通過位置を所定位置に補正するためのステアリング電磁石17bのステアリング励磁量を演算し、制御を行う。」と記載されている。また、この特許文献1には、「このステップS20−S27のフローを、照射するエネルギー全て(例えば炭素なら300)の数だけ実施する。」と記載されている。
特許第5707524号
特許文献1には、粒子線治療システムにおいて、回転ガントリー上に設置されたステアリング電磁石のガントリー回転角ごとの励磁電流の決定に要する時間を短縮するための手法が記載されている。
この特許文献1に記載の粒子線治療システムでは、ガントリー回転角ごとの照射ビーム位置をガントリー回転角について間欠的に計測し、照射ビーム位置を計測しない角度については、照射ビーム位置の補正に必要となるステアリング電磁石の励磁電流を照射ビーム位置の計測を行ったガントリー回転角におけるステアリング電磁石励磁電流からの補間により求めることでステアリング電磁石励磁電流を決定している。この方法では、治療で用いる全てのガントリー回転角について照射ビーム位置の計測を行う場合に比べてガントリー回転角ごとのステアリング電磁石励磁量の決定に要する時間を短縮することが可能である。
一方で、特許文献1に記載の粒子線治療システムでは、上記照射ビーム位置の計測と補間によるガントリー回転角ごとのステアリング電磁石励磁電流の決定を治療で用いる全てのビームエネルギーについて行う必要があるため、特にビームエネルギーの種類が多い(例えば陽子線治療で約100種)スキャニング照射法を適用した粒子線治療システムではたとえ一部のガントリー回転角についてであっても照射ビーム位置の計測に多くの時間を要する。
そこで本発明では、回転ガントリーの回転に伴うビームの状態量(例えば、照射ビーム位置)の変動の補正を短時間で実施することのできる粒子線治療システムを提供する。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、荷電粒子ビームを照射対象に照射する粒子線治療システムであって、前記荷電粒子ビームを所定のエネルギーまで加速する加速器と、前記加速器から取り出された前記荷電粒子ビームを前記照射対象へ複数の方向から照射する回転ガントリーと、前記加速器から取り出された前記荷電粒子ビームを前記回転ガントリーへ輸送するビーム輸送系と、前期荷電粒子ビームの前記回転ガントリー中における状態量を計測するビーム状態量計測手段と、前記荷電粒子ビームの前記状態量を制御するビーム状態量制御手段と、前記ビーム輸送系及び前記回転ガントリーを構成する機器を制御する制御装置を備え、前記回転ガントリーの回転を停止している間に、前記照射対象へ照射される前記荷電粒子ビームの複数の種類のエネルギーについて前記荷電粒子ビームの前記状態量を計測し、前記状態量の計測結果に基づいて、前記制御装置が前記ビーム状態量制御手段を制御することを特徴とする粒子線治療システムである。
本発明によれば、回転ガントリーの回転に伴うビームの状態量の変動の補正を短時間で実施することのできる粒子線治療システムを提供することができる。
実施形態1の粒子線治療システムの構成図の例を示す。 実施形態1の粒子線治療システムの照射野形成装置の模式図である。 比較例である粒子線治療システムにおいて補正前の照射ビーム位置を計測するステップを示すフローチャート図である。 実施形態1の粒子線治療システムにおいて補正前の照射ビーム位置を計測するステップを示すフローチャート図である。 実施形態2の粒子線治療システムの構成図の例を示す。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。
(実施形態1)
本実施形態では、回転ガントリーの回転に伴うビームの状態量の変動の補正を短時間で実施する粒子線治療システムの例を説明する。
図1は、本実施形態による粒子線治療システムの例である。
本実施形態の粒子線治療システムは、入射器1、低エネルギービーム輸送系2、入射器1及び低エネルギービーム輸送系2を通過して荷電粒子ビームを加速する円形加速器(例えば、シンクロトロン)10、高エネルギービーム輸送系20、荷電粒子ビームを複数の方向から照射対象に照射する回転ガントリー30を備える。入射器1よりシンクロトロン10へ入射された荷電粒子ビーム(以下、ビームという)をシンクロトロン10により所定の運動エネルギー(以下、運動エネルギーを単にエネルギーという)まで加速して高エネルギービーム輸送系20へ取り出し、回転ガントリー30を経由して患者50中の患部51へ照射する。本実施例では、回転ガントリー30が、少なくとも0度から360度まで回転可能な構成の回転ガントリーを例に説明する。
入射器1には、例えば、イオン源(図示せず)で生成したビームをシンクロトロン10への入射に適したエネルギー(以下、入射エネルギーという)まで加速する線形加速器(ライナック)が用いられる。
入射器1から取り出された荷電粒子ビームは、低エネルギービーム輸送系2および入射用インフレクタ15を経由してシンクロトロン10へ入射される。
シンクロトロン10は、入射用インフレクタ15と、偏向電磁石11と、四極電磁石12と、六極電磁石13と、高周波加速空胴14と、取り出し用高周波電圧印加装置16と、取り出し用デフレクタ17を備える。
偏向電磁石11はシンクロトロン10中を周回するビーム(以下、周回ビームという)を偏向して所定の周回軌道(以下、周回ビーム軌道という)を形成する。周回ビームの進行方向に沿った方向を進行方向(ビームが進む方向を正)、進行方向に垂直で偏向電磁石11の動径方向に沿った方向を水平方向(シンクロトロン外側方向を正)、進行方向および水平方向の両方に垂直な方向を垂直方向と呼ぶ(図面手前方向を正)。シンクロトロン10の設計上の周回ビーム軌道を中心軌道と呼ぶ。周回ビーム粒子は中心軌道の周りを水平および垂直方向に振動しており、この振動をベータトロン振動という。また、シンクロトロン一周あたりのベータトロン振動の振動数をチューンという。四極電磁石12は、周回ビームに収束あるいは発散の力を加えて周回ビームのチューンを周回ビームが安定となる値に保つ。高周波加速空胴14は周回ビームに進行方向の高周波電圧(以下、加速電圧という)を印加して周回ビームを進行方向の所定の位相に捕獲し(以下、高周波捕獲という)、所定のエネルギーまで加速する。高周波捕獲された周回ビーム粒子の運動量は設計上の運動量(以下、中心運動量という)を中心として振動しており、この振動をシンクロトロン振動という。周回ビームを加速する間は、偏向電磁石11の励磁量と四極電磁石12の励磁量を周回ビームの運動量に比例して増加させるとともに加速電圧の周波数(以下、加速周波数という)を適切な値に制御し、周回ビーム軌道および周回ビームのチューンを一定に保つ。
周回ビームの加速が完了した後、シンクロトロン10は四極電磁石12の励磁量を変更して周回ビームの水平チューンを周回ビームが不安定となる値(以下、共鳴線という)に接近させるとともに、六極電磁石13を励磁して周回ビームに中心軌道からの距離の二乗に比例する強度の磁場(以下、六極磁場という)を印加し、周回ビーム粒子の水平方向の位置と傾きにより定義される位相空間上に水平ベータトロン振動の安定限界(以下、セパラトリクスという)を形成する。取り出し用高周波電圧印加装置16は周回ビームに水平チューンと同期する周波数の水平方向の高周波電圧を印加し、周回ビーム粒子の水平ベータトロン振動の振幅を増大させる。水平ベータトロン振動の振幅が増大してセパラトリクスを越えた周回ビーム粒子は水平ベータトロン振動の振幅を急激に増大させ、取り出し用デフレクタ17に入射する。取り出し用デフレクタ17は入射した周回ビーム粒子を水平方向に偏向し、シンクロトロン10の外へ取り出す。
シンクロトロン10から取り出されたビーム(以下、取り出しビームという)は、高エネルギービーム輸送系20、回転ガントリー30、回転ガントリー30上の照射野形成装置40を経由した後に患部51へ照射される。高エネルギービーム輸送系20および回転ガントリー30中の座標系はシンクロトロン10の座標系に準じる。
高エネルギービーム輸送系20は、取り出しビームを回転ガントリー30の入口へ向けて偏向する偏向電磁石、取り出しビームに収束あるいは発散の力を加える四極電磁石、取り出しビームの軌道を調整する二極電磁石(以下、ステアリング電磁石)などを備え、高エネルギービーム輸送系20の終端は回転ガントリー30の入口に接続されている。
回転ガントリー30は、偏向電磁石31、四極電磁石32、ビームを水平方向に偏向する水平二極電磁石(以下、水平ステアリング電磁石)33a、33c、ビームを垂直方向に偏向する垂直二極電磁石(以下、垂直ステアリング電磁石)33b、33dを備え、その終端部には照射野形成装置40が搭載されている。ステアリング電磁石33a、33b、33c、33dはそれぞれステアリング電磁石電源34a、34b、34c、34dに接続されている。回転ガントリー30は、全体が回転軸34を軸として回転可能な構成であり、高エネルギービーム輸送系20から入射したビームを複数の異なる方向から患部51へ照射することができる。照射ノズル40中のビーム進行方向と患者50のいる治療室の水平面がなす角をガントリー回転角と呼ぶことにする。また、複数の方向から照射されたビームが患部51中で集まる点をアイソセンタと呼ぶ。
シンクロトロン10、高エネルギービーム輸送系20、回転ガントリー30の構成機器は制御装置60に接続されており、制御装置60はこれらの機器の運転を制御する。制御装置60は記憶装置61を備えている。また、制御装置60は運転情報の入出力や運転状態を表示するための表示装置62に接続されている。本実施形態の粒子線治療システムは、回転ガントリー30の回転に伴う照射ビーム位置の変動を補正するためのデータを取得する調整モードと、調整モードで求めた励磁電流でステアリング電磁石33a、33b、33c、33dを励磁して照射対象にビームを出射する治療モードをもつ。操作者が調整モードの測定開始信号を入力装置63から入力すると、粒子線治療システムは調整モードでの運転を開始する。また、操作者が治療モードの開始信号を入力装置63から入力すると、粒子線治療システムは治療モードでの運転を開始する。
図2は、照射野形成装置40の模式図である。照射野形成装置40は、走査電磁石41、ビームプロファイルモニタ(ビームモニタ)42、43、線量モニタ44を備える。照射野形成装置40を構成する機器は制御装置60に接続されている。照射野形成装置40は、高エネルギービーム輸送系20、回転ガントリー30を経由して運ばれてきたビームを整形し、患部51の形状に合わせた照射線量の分布(以下、照射野という)を形成する。本実施形態の粒子線治療システムは、ビームを走査電磁石41により患部51の形状に合わせて走査するスキャニング照射法を照射野の形成に用いる。スキャニング照射法では、患者50の体内においてビームが到達する深さを、患者50へ照射されるビームのエネルギーを変更することにより制御する。本実施形態では、患者50へ照射されるビームのエネルギーを変更するためにシンクロトロン10から取り出されるビームのエネルギーを変更する。
シンクロトロン10は、周回ビームの取り出しが完了した後、偏向電磁石11の励磁量、四極電磁石12の励磁量、加速周波数をシンクロトロン10へのビーム入射時の値に変更し、次のビーム入射に備える。シンクロトロン10へビームを入射してから次にシンクロトロン10へビームを入射するまでの期間をシンクロトロン10の周期と呼ぶ。
本実施形態の粒子線治療システムは、治療モードでは、あらかじめ治療計画装置(図示せず)が定めたビームの照射が完了するまで、ビームの加速、取り出し、照射を繰り返す。
本実施形態の粒子線治療システムにおいて、調整モードで回転ガントリー30の回転に伴う照射ビーム位置の変動を抑制する手法について説明する。回転ガントリー30の回転軸34と回転ガントリー30の入口におけるビーム軌道とのずれ、回転ガントリー30の回転に伴う回転ガントリー30の座標系上での回転ガントリー30を構成する電磁石の変位、回転ガントリー30を構成する電磁石の励磁量の設計値からのずれ等により、照射ビーム位置、即ちアイソセンタにおけるビーム進行方向に垂直な平面内でのビームの重心位置とその進行方向変化率(以下、ビームの勾配という)は回転ガントリー30の回転に伴い変動する。そこで、本実施形態の粒子線治療システムでは、回転ガントリー30上に設置されたステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流を、ガントリー回転角に応じて変化させることにより、回転ガントリーの回転に伴う照射ビーム位置の変動を補正する。水平ステアリング電磁石33a、33cを励磁しない場合のアイソセンタにおけるビームの水平方向位置をx、水平方向勾配をx’、水平ステアリング電磁石33a、33cからアイソセンタまでの水平方向の2行2列の輸送行列をM1、M2とする。このとき、アイソセンタにおけるビームの水平方向位置及び水平方向勾配を0に補正する、即ち水平方向照射ビーム位置のずれを補正するような水平ステアリング電磁石33a、33cによるビームの偏向量Δx1’、Δx2’は、数式1により与えられる。
Figure 0006581522
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従って、アイソセンタにおけるビームの水平方向位置、水平方向勾配を測定により取得すれば、照射ビーム位置のずれを補正するような水平ステアリング電磁石33a、33cの蹴り量を求めることができる。照射野形成装置40は二台のビームプロファイルモニタ42、43を備えているため、ビームプロファイルモニタ42、43による水平方向ビーム位置の計測結果と、ビームプロファイルモニタ42、43及びアイソセンタとの位置関係からアイソセンタにおけるビームの水平方向位置、水平方向勾配が求められる。また、アイソセンタにおける垂直方向照射ビーム位置のずれを補正するような垂直ステアリング電磁石33b、33dの蹴り量は、水平方向と同様にビームプロファイルモニタ42、43による垂直方向ビーム位置の計測結果から求められる。本実施形態では、実際の治療を開始する前の試運転(以下、ビーム調整と呼ぶ)中に照射ビーム位置の計測結果からステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの蹴り量、即ちステアリング電磁石33a、33b、33c、33dのコイルに流れる電流(以下、励磁電流という)を決定し、治療中はステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流がビーム調整中に決定した値と等しくなる様に制御装置60がステアリング電磁石電源34a、34b、34c、34dを制御する。なお、照射装置60は、照射ビーム位置が予め定められた所定の範囲内となるような、ステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流を求めればよい。
本実施例では、粒子線治療システムの調整モードで、治療(照射対象である患部51への照射)に使用する全てのガントリー回転角(例えば、0.5度刻みで360度分)について照射ビーム位置を求め、回転ガントリー30上のステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流を決定する例を説明した。しかしながら、粒子線治療システムの調整モードでは、治療で使用する全てのガントリー回転角について補正前の照射ビーム位置の計測をしなくてもよい。照射ビーム位置はガントリー回転角に対して三角関数状に変化するため、補正前の照射ビーム位置はガントリー回転角に対して離散的に(例えば、30度刻みで360度分)計測し、計測結果を補間することにより、治療で使用する全ての回転角についてステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流を決定する方法を採用してもよい。照射ビーム位置を離散的に計測することにより、全てのガントリー回転角について照射ビーム位置を計測する場合に比べて照射ビーム位置の計測に要する時間を短縮し、ビーム調整の期間を短縮することができる。
回転ガントリー30の回転に伴う照射ビーム位置の変動の要因のうち、回転ガントリー30の回転軸34と回転ガントリー30の入口におけるビーム軌道とのずれ及び回転ガントリー30を構成する電磁石の励磁量の設計値からのずれについてはその量がビームエネルギーにより異なるため、回転ガントリー30の回転に伴う照射ビーム位置の変動量はエネルギーごとに異なった値となる。ここで、ビームエネルギーと照射ビーム位置のずれの関係は、ガントリー回転角と照射ビーム位置のずれの関係のように連続な関数の形で表すことが困難であるため、治療で使用する全てのエネルギーについてガントリー回転角ごとのステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁量を決定するためには、治療で使用する全てのエネルギーについて照射ビーム位置を計測する。
以上をまとめると、本実施形態の粒子線治療システムでは、回転ガントリー30に伴う照射ビーム位置の変動を抑制するために、患者(照射対象)に照射する全てのエネルギーについて、回転角度ごとに補正前の照射ビーム位置を計測し、全ての回転ガントリーの回転角度についてステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流を決定して、各エネルギーで照射ビーム位置が所定の範囲内となるようなステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流を求め、その励磁電流の情報を、該当する荷電粒子ビームのエネルギー及び回転ガントリーの角度情報と関連付けて記憶装置に記憶する例を説明した。前述した通り、照射対象への照射に使用する全ての回転ガントリーの回転角度でのステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流を求める代わりに、離散的なガントリー回転角における補正前の照射ビーム位置を取得し、照射ビーム位置の計測結果の補間により全てのガントリー回転角についてのステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流を決定してもよい。
本実施形態の粒子線治療システムにおいて、回転ガントリー30の回転に伴う照射ビーム位置の変動を抑制するためのステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁量を短時間で決定するための手法について、図3、図4を用いて説明する。
図3は、比較例としての粒子線治療システムにおいて、ビーム調整時に全てのエネルギー、全ての離散的なガントリー回転角における補正前の照射ビーム位置を計測するための手順を表すフローチャート図である。比較例の粒子線治療システムでは、計測開始のボタンを押すと(ステップ1)、まずはシンクロトロン10から取り出されるビームのエネルギーを設定する(ステップ2)。次に、ガントリー回転角を離散的な値のいずれかに回転ガントリーの回転角を設定する(ステップ3)。このエネルギー及び回転角で、補正前の照射ビーム位置を取得する(ステップ4)。回転ガントリーの全ての回転角で照射ビーム位置を計測したかを判断し、全ての照射ビーム位置の計測が完了していない場合、ガントリー回転角を計測していない離散的な他の回転角に設定する。全ての離散的なガントリー回転角についての補正前の照射ビーム位置の計測が完了するまでガントリー回転角の設定と照射ビーム位置の計測を繰り返す。あるエネルギーにおける補正前の照射ビーム位置の計測が完了した後は、加速器から取り出されるビームのエネルギーを変更し、全てのエネルギーについて同様に補正前の照射ビーム位置を計測する(ステップ6)。
比較例の粒子線治療システムでは、全ての離散的なガントリー回転角における照射ビーム位置の計測を全てのエネルギーについて行う必要があるため、ガントリー回転角の設定を離散的なガントリー回転角の種類にエネルギー数を乗じた数だけ行う必要がある。回転ガントリーは、粒子線治療の中では比較的回転ガントリーが小型となる陽子線治療の場合であっても回転重量が100トンを超える大型の装置である。このため、回転ガントリーの物理的な回転を伴うガントリー回転角の設定を短時間(例えば10秒以下)で行うことは困難である。これにより、比較例の粒子線治療システムでは、治療で使用するエネルギーの種類の多い(例えば陽子線治療で100種類程度)スキャニング照射法において、補正前の照射ビーム位置の計測に多くの時間が必要であった。
図4は、本実施形態において、粒子線治療システムの調整モードで荷電粒子ビームの全てのエネルギー、全ての離散的なガントリー回転角における補正前の照射ビーム位置を計測するための手順を表すフローチャート図である。本実施形態では、粒子線治療システムを調整モードに設定して計測を開始する(ステップ10)。まずは、制御装置60は、回転ガントリー30を離散的な回転角のいずれかの回転角に設定して停止させる(ステップ11)。次に、制御装置60は、シンクロトロン10から取り出すビームのエネルギーを治療で使用するエネルギーのいずれかに設定し、当該エネルギーでビームを出射させる(ステップ13)。回転ガントリー30を停止している状態で、ビームプロファイルモニタ42,43が、当該エネルギーにおける補正前の照射ビーム位置を計測する(ステップ13)。次に、照射対象に照射する全てのエネルギーについての補正前の照射ビーム位置の計測が完了したか否かを判断する(ステップ14)。照射ビーム位置の計測が完了していない場合は、シンクロトロン10から取り出すビームのエネルギーを治療で使用する他のエネルギーに変更し(ステップ12)、変更したエネルギーの荷電粒子ビームに対して補正前の照射ビーム位置をビームプロファイルモニタ42,43で計測する(ステップ13)。このように、ビームプロファイルモニタ42,43は、回転ガントリーをある回転角度に停止している状態で、複数のエネルギーでの照射ビーム位置を計測していく。照射対象に照射する全てのエネルギーについての補正前の照射ビーム位置の計測が完了するまでエネルギーの変更と照射ビーム位置の計測を繰り返す。
あるガントリー回転角における補正前の照射ビーム位置の計測が完了した後は、ガントリー回転角を次の回転角度に変更し、全ての離散的なガントリー回転角について同様に補正前の照射ビーム位置を計測する。
本実施形態では、あるガントリー回転角における補正前の照射ビーム位置を、ガントリー回転角を変更せずに治療で使用する全てのエネルギーについて取得する。これにより、本実施形態では、ガントリー回転角を設定する回数が治療で使用するエネルギーの種類の数に依らず離散的なガントリー回転角の数と等しくなるため、エネルギーごとにガントリー回転角を変更して照射ビーム位置を計測する比較例の粒子線治療システムに比べてガントリー回転角を設定する回数が大幅に低減される(エネルギーが100種類の場合100分の1に低減される)。ガントリー回転角を設定する回数の低減により、本実施形態では補正前の照射ビーム位置の計測に要する時間を比較例の粒子線治療システムよりも低減することができる。
本実施形態では離散的なガントリー回転角ごとに全てのエネルギーについて照射ビーム位置を取得するため、シンクロトロン10から取り出されるビームのエネルギーを変更する回数は比較例の粒子線治療システムに比べて増加する(離散的なガントリー回転角の数が12の場合、エネルギーを変更回数も12倍に増加する)。その一方で、一般にスキャニング照射法を適用した粒子線治療システムがエネルギー変更に要する時間はガントリー回転角の変更に要する時間に比べて短い(例えば、2秒以下)。このため、本実施形態ではビームエネルギーの変更に要する時間の増加量よりもガントリー回転角の変更に要する時間の減少量のほうが大きく、全体では照射ビーム位置の計測に要する時間が短縮される。
発明者らは、スキャニング照射法を用いた粒子線治療システムでは、使用するエネルギーの種類が多いことからガントリー回転角の変更に要する時間の増加が問題となる一方で、エネルギー変更時間が短いことからエネルギー変更に要する時間の増加は問題となりにくいことに着目し、ガントリー回転角を変更せずに全てのエネルギーにおける補正前の照射ビーム位置を取得する本実施形態の手法を考案した。
本実施形態の粒子線治療システムでは、補正前の照射ビーム位置の計測が完了した後、各エネルギーにおける離散的なガントリー回転角について計測した照射ビーム位置から、各エネルギーにおけるガントリー回転角ごとのステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流を決定する。ステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流の決定は、制御装置60が照射ビーム位置の計測結果を用いて行っても良いし、制御装置60が出力した照射ビーム位置の計測結果を用いて調整者が別途行っても良い。制御装置60がステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流を決定する場合、ステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流の設定値は制御装置60の記憶装置61に保存される。調整者がステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流を別途決定する場合、調整者はステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流の設定値を端末61から制御装置60に入力し、入力されたステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流の設定値は記憶装置61に保存される。
本実施形態の粒子線治療システムでは、ステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流を決定してから実際に患部50へビームを照射するまでの間に、調整者による照射ビーム位置の確認が行われる。照射ビーム位置の確認では、補正前の照射ビーム位置の計測と同様、ガントリー回転角を固定した状態で複数種のエネルギーにおける照射ビーム位置を計測する。このとき、制御装置60は照射されるビームのエネルギーとガントリー回転角に対応したステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流の設定値を記憶装置61から読み込み、設定値に従ってステアリング電磁石電源34a、34b、34c、34dを制御する。ステアリング電磁石33a、33b、33c、33dはシンクロトロン10からのビームを偏向し、アイソセンタにおける照射ビーム位置のずれを補正する。ステアリング電磁石電源33a、33b、33c、33dによる補正後の照射ビーム位置はプロファイルモニタ42、43によって計測され、制御装置60はプロファイルモニタ42、43におけるビーム位置の計測結果からアイソセンタにおける照射ビーム位置のずれ量を算出して表示装置62に出力する。調整者は表示装置62の表示内容から、照射ビーム位置のずれ量が許容範囲内であるか否か、即ち照射ビーム位置のずれの補正が正常に行われた否かを確認できる。照射ビーム位置のずれが許容範囲内に入らないエネルギーが存在する場合、本実施形態の粒子線治療システムでは、当該エネルギーについて照射ビーム位置確認時の照射ビーム位置の計測結果を用いてステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流の修正を行う。ステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流の修正は、照射ビーム位置確認時のステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流に、照射ビーム位置の計測結果を数式1に代入して得られるステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流を加算することによって行う。ステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流の変更量と照射ビーム位置のずれの変化量は数式1より比例関係にあるため、ステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流の修正を繰り返せば照射ビーム位置のずれは許容範囲内に収束していく。照射ビーム位置のずれ量が全てのエネルギーで許容範囲内に収まった場合、制御装置60は現在のエネルギー、角度ごとのステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流の設定値を治療で用いる設定値として記憶装置61に保存する。
本実施形態の粒子線治療システムが実際に患者50にビームを照射する際は、制御装置60が治療計画装置の作成する治療計画に基づいてシンクロトロン10から取り出されるビームのエネルギーとガントリー回転角を設定し、さらに制御装置60はステアリング電磁石33a、33b、33c、33dの励磁電流が現在のエネルギーとガントリー回転角に対応した値となる様にステアリング電磁石電源34a、34b、34c、34dを制御する。ステアリング電磁石33a、33b、33c、33dは、照射ビーム位置の確認時と同様にビームを偏向し、アイソセンタにおける照射ビーム位置のずれを補正する。制御装置60は、照射ビーム位置の確認時と同様に照射ビーム位置のずれ量を表示装置62に出力するため、調整者は治療中も照射ビーム位置のずれの補正が正常に行われていることを確認できる。
本実施形態の粒子線治療システムでは、回転ガントリー30上の四台のステアリング電磁石33a、33b、33c、33dを用いて、アイソセンタにおけるビームの水平方向位置、水平方向勾配、垂直方向位置、垂直方向勾配を補正するとしたが、回転ガントリー上に設置するステアリング電磁石を水平方向一台、垂直方向一台の合計二台とし、アイソセンタにおけるビームの水平方向位置、垂直方向位置のみを補正する構成としても良い。この場合、回転ガントリー30上に設置するステアリング電磁石の員数が低減し、回転ガントリー30の回転部の重量を低減することができる。なお、ステアリング電磁石が照射ビーム位置を補正する替わりに、回転ガントリー30上の偏向電磁石が照射ビーム位置を補正する構成であってもよい。
また、本実施形態では、高エネルギービーム輸送系20に設置したステアリング電磁石の励磁電流をガントリー回転角に応じて変更し、回転ガントリー30の回転に伴う照射ビーム位置の変動を補正する構成としても良い。回転ガントリー30の回転に伴う照射ビーム位置変動の補正に高エネルギービーム輸送系20中のステアリング電磁石を用いる場合、回転ガントリー30上に設置するステアリング電磁石の員数を低減し、回転ガントリー30の回転部の重量を低減することができる。なお、ステアリング電磁石が照射ビーム位置を補正する替わりに、高エネルギービーム輸送系20上の二極電磁石が照射ビーム位置を補正する構成であってもよい。二極電磁石は、通過する荷電粒子ビームを偏向する機能を有する。
本実施形態では、回転ガントリー30の回転に伴う照射ビーム位置の変動を回転ガントリー30上のステアリング電磁石33a、33b、33c、33dにより補正する例を説明したが、回転ガントリー30の回転に伴う変動を補正する対象となるビームの状態量は、照射ビーム位置以外であってもよい。また、回転ガントリー30の回転に伴うビームの状態量の変動を補正するための機器はステアリング電磁石33a、33b、33c、33d以外であっても構わない。例えば、回転ガントリー30上の四極電磁石32の励磁電流をガントリー回転角に応じた値に変化させることにより、回転ガントリー30の回転に伴う照射ビームサイズの変動を抑制することが可能である。なお、照射ビームサイズとは、ビーム進行方向に垂直な平面においてビーム粒子が分布する範囲の大きさを表す。四極電磁石32により照射ビームサイズを補正する場合、照射ビーム位置を補正する場合と同様、全てのエネルギー、全ての離散的なガントリー回転角について補正前の照射ビームサイズを計測する必要がある。このように、照射ビームサイズを補正する場合、照射ビーム位置を計測する場合と同様、回転ガントリーを固定した状態で複数のエネルギーにおける照射ビームサイズを計測することにより、照射ビームサイズの計測に要する時間を低減し、ビーム調整にかかる時間を短縮することができる。
本実施形態の粒子線治療システムは、回転ガントリー30の回転が停止している間に、複数の種類のエネルギーについてビーム状態量(例えば、照射ビーム位置)を計測し、計測結果に基づいて制御装置60が電磁石装置(例えば、回転ガントリー上のステアリング電磁石33a、33b、33c、33d)を制御するため、回転ガントリー30の回転に伴うビーム状態量の変動の補正を短時間で行うことができる。
本実施例の粒子線治療システムでは、少なくとも360度回転可能な構成をもつ回転ガントリー30を用いて、制御装置60が、回転ガントリーを0度から360度までの1回転の各回転角度で、エネルギーを変えたビームを順次、回転ガントリーに通過させ、ビームプロファイルモニタ42,43で回転ガントリーの1回転(0度から360度まで1回の回転で)の各回転角度での照射ビーム位置を複数のエネルギーで計測する例を説明した。360度回転可能な構成をもつ回転ガントリー30の替わりに、360度以下の角度範囲で回転可能な回転ガントリー(例えば、少なくとも0度から180度まで回転可能な構成な回転ガントリー)をもつ粒子線治療システムであってもよい。この場合、制御装置は、回転ガントリーを0度から180度まで1回の回転の各回転角度で、エネルギーを変えたビームを順次、回転ガントリーに通過させ、計測装置で回転ガントリーの1回の回転の各回転角度で、エネルギーごとに照射ビーム位置を計測すればよい。
(実施形態2)
本実施形態では、回転ガントリーの回転に伴うビーム状態量の変動の補正をできる粒子線治療システムを例に説明する。
図5は、本実施形態による粒子線治療システムの例である。
本実施形態の粒子線治療システムは、実施形態1と同様、加速器で加速した荷電粒子ビーム(以下、ビームという)を高エネルギービーム輸送系20へ取り出し、回転ガントリー30を経由して患者50中の患部51へ照射するものである。本実施形態の粒子線治療システムは、ビームをサイクロトロン70により治療で必要となるエネルギーまで加速する点が実施形態1と異なっている。
本実施形態の高エネルギービーム輸送系20には、エネルギー変更装置20が設置されている。サイクロトロン70から取り出されるビームのエネルギーはサイクロトロン70の設計により一意に決まり、運転中にサイクロトロン70から取り出されるビームのエネルギーを変更することはできない。一方で、スキャニング照射法では患者50の体内でビームが到達する深さを制御するために患者50へ照射されるビームのエネルギーを変更する必要がある。そこで、本実施形態では、サイクロトロン70から取り出されたビームのエネルギーを高エネルギービーム輸送系20中のエネルギー変更装置71により治療計画が求めるエネルギーまで減速する。エネルギー変更装置71には金属等の板を備えるエネルギー吸収体(図示せず)が内蔵されており、エネルギー変更装置71はエネルギー吸収体の板厚を変更することによりエネルギー吸収体71を通過した後のビームのエネルギーを制御する。回転ガントリー30の入口に到達する時点でビームは治療計画が定めるエネルギーまで減速されているため、本実施形態の回転ガントリー30の構成は実施形態1と変わらない。
本実施形態の粒子線治療システムは、実施形態1と同様、回転ガントリー30の回転が停止している間に、複数の種類のエネルギーについてビーム状態量(例えば、照射ビーム位置)を計測し、計測結果に基づいて制御装置60がビーム状態量制御手段(例えば、回転ガントリー上のステアリング電磁石33a、33b、33c、33d)を制御するため、回転ガントリー30の回転に伴うビーム状態量の変動の補正を短時間で行うことができる。
1 入射器
2 低エネルギービーム輸送系
10 シンクロトロン
11 偏向電磁石
12 四極電磁石
13 六極電磁石
14 高周波加速空胴
15 入射用インフレクタ
16 取り出し用高周波電圧印加装置
17 取り出し用デフレクタ
20 高エネルギービーム輸送系
30 回転ガントリー
31 偏向電磁石
32 四極電磁石
33a、33c 水平ステアリング電磁石
33b、33d 垂直ステアリング電磁石
34 回転ガントリー回転軸
40 照射野形成装置
41 走査電磁石
42 ビームプロファイルモニタ
43 線量モニタ
44 ビームプロファイルモニタ
50 患者
51 患部
60 制御装置
61 記憶装置
62 表示装置
70 サイクロトロン
71 エネルギー変更装置

Claims (14)

  1. 荷電粒子ビームを加速する加速器と、
    前記加速器から取り出された前記荷電粒子ビームを複数の方向から照射対象に照射する回転ガントリーと、
    前記加速器から取り出された荷電粒子ビームを前記回転ガントリーに輸送するビーム輸送系と、
    前記荷電粒子ビームの状態量を計測する計測装置と、
    前記回転ガントリー又は前記ビーム輸送系に設置され、前記荷電粒子ビームの状態量を補正する電磁石装置と、
    前記加速器、前記ビーム輸送系及び前記回転ガントリーを制御する制御装置を備え、
    前記計測装置は、前記回転ガントリーを第1の回転角度に停止している状態で、複数のエネルギーで前記荷電粒子ビームの状態量を計測し、
    前記第1の回転角度での計測が完了したあと、前記回転ガントリーが第2の回転角度に回転され、
    前記計測装置は、前記回転ガントリーを前記第2の回転角度に停止している状態で、複数のエネルギーで前記荷電粒子ビームの状態量を計測し、
    前記制御装置は、各エネルギーで前記荷電粒子ビームの状態量が所定の範囲内となるような前記電磁石装置の励磁量を、エネルギー毎に、該当する回転ガントリーの角度情報と関連付けて記憶することを特徴とする粒子線治療システム。
  2. 請求項1に記載の粒子線治療システムであって、
    前記計測装置は、前記回転角度ごとに、前記照射対象に照射する全てのエネルギーでの前記荷電粒子ビームの状態量を計測することを特徴とする粒子線治療システム。
  3. 請求項1に記載の粒子線治療システムであって、
    前記計測装置は、前記第1の回転角度の計測が完了すると、前記照射対象に照射する全てのエネルギーでの前記荷電粒子ビームの状態量を計測が完了しているか判断し、
    計測が完了していると判断した場合に、前記回転ガントリーが前記第2の回転角度に回転されることを特徴とする粒子線治療システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の粒子線治療システムであって、
    各エネルギーで前記荷電粒子ビームの状態量が所定の範囲内となるような前記電磁石装置の励磁量の情報を、該当する前記荷電粒子ビームのエネルギー及び回転ガントリーの角度情報と関連付けて記憶する記憶装置を備えることを特徴とする粒子線治療システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の粒子線治療システムであって、
    前記回転ガントリーは、少なくとも0度から360度まで回転可能な構成を有し、
    前記制御装置は、前記回転ガントリーを0度から360度までの1回転の各回転角度で、エネルギーを変えた前記荷電粒子ビームを順次、前記回転ガントリーに通過させ、
    前記計測装置は、前記回転ガントリーの1回転の各回転角度で、エネルギーごとに前記荷電粒子ビームの状態量を計測することを特徴とする粒子線治療システム。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の粒子線治療システムであって、
    前記回転ガントリーは、少なくとも0度から180度まで回転可能な構成を有し、
    前記制御装置は、前記回転ガントリーを0度から180度まで1回の回転の各回転角度で、エネルギーを変えた前記荷電粒子ビームを順次、前記回転ガントリーに通過させ、
    前記計測装置は、前記回転ガントリーの1回の回転の各回転角度で、エネルギーごとに前記荷電粒子ビームの状態量を計測することを特徴とする粒子線治療システム。
  7. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の粒子線治療システムであって、
    前記荷電粒子ビームの状態量の計測結果を表示する表示装置を備えることを特徴とする粒子線治療システム。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の粒子線治療システムであって、
    前記計測装置は、前記回転ガントリーに設置され、前記荷電粒子ビームの状態量として荷電粒子ビームの位置を計測するビームモニタであり、
    前記電磁石装置は、前記荷電粒子ビームを偏向する二極電磁石装置であることを特徴とする粒子線治療システム。
  9. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の粒子線治療システムであって、
    前記計測装置は、前記回転ガントリーに設置され、前記荷電粒子ビームの状態量として前記荷電粒子ビームのサイズを計測するビームモニタであり、
    前記電磁石装置は、前記荷電粒子ビームを収束又は発散させる四極電磁石であることを特徴とする粒子線治療システム。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の粒子線治療システムであって、
    各エネルギーで前記荷電粒子ビームの状態量が所定の範囲内となるような前記電磁石装置の励磁量の情報を、エネルギー毎に、該当する回転ガントリーの角度情報と関連付けて記憶する調整モードと、前記調整モードで求めた前記励磁量で前記電磁石装置を励磁して前記照射対象に前記荷電粒子ビームを出射する治療モードを備えることを特徴とする粒子
    線治療システム。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の粒子線治療システムであって、
    前記加速器がシンクロトロンであり、
    前記制御装置は、前記シンクロトロンから出射する前記荷電粒子ビームのエネルギーを変更して、各エネルギーで前記荷電粒子ビームの状態量が所定の範囲内となるような前記電磁石装置の励磁量を、エネルギー毎に、該当する回転ガントリーの角度情報と関連付けて記憶することを特徴とする粒子線治療システム。
  12. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の粒子線治療システムであって、
    前記加速器がサイクロトロンであり、
    前記制御装置は、前記ビーム輸送装置に設置されたエネルギー変更装置で通過する荷電粒子ビームのエネルギーを変更して、各エネルギーで前記荷電粒子ビームの状態量が所定の範囲内となるような前記電磁石装置の励磁量を、エネルギー毎に、該当する回転ガントリーの角度情報と関連付けて記憶することを特徴とする粒子線治療システム。
  13. 加速器、ビーム輸送系および回転ガントリーを備える粒子線治療システムの制御方法であり、
    前記回転ガントリーを第1の回転角度に停止している状態で、複数のエネルギーで前記荷電粒子ビームの状態量を計測する第1工程と、
    前記第1の回転角度での計測が完了したあと、前記回転ガントリーを第2の回転角度に回転する第2工程と、
    前記回転ガントリーを前記第2の回転角度に停止している状態で、複数のエネルギーで前記荷電粒子ビームの状態量を計測する第3工程と、
    各エネルギーで前記荷電粒子ビームの状態量が所定の範囲内となるような前記電磁石装置の励磁量の情報を求める第工程と、
    前記電磁石装置の励磁量を、当該励磁量を求めた際の前記荷電粒子ビームのエネルギーの情報及び回転ガントリーの角度情報と関連付けて記憶する第工程を備えることを特徴とする粒子線治療システムの制御方法。
  14. 前記照射対象に照射する荷電粒子ビームのエネルギーの情報及び前記回転ガントリーの回転角度の情報に関連付けて記憶された前記励磁量で前記電磁石装置を励磁して、前記荷電粒子ビームを照射対象に出射する第工程を備えることを特徴とする請求項13に記載の粒子線治療システムの制御方法。
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