JP6580434B2 - レンズ鏡筒、画像投影装置及び成型用型 - Google Patents
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Description
画像投影装置100は、投射光束Lを射出する光源101と、投影すべき画像を画像情報として平面的に表示して、光源101からの投射光束Lを変調する空間光変調素子102と、を有している。
画像投影装置100は、空間光変調素子102を経た投射光束Lを投影面104に投影するためのレンズ鏡筒たるレンズユニット200と、投影面104に投影するべき画像を表示するために空間光変調素子102を制御する制御部109と、を有している。
光源101は白色光源であるが、R、G、B等の基本色に対応するレーザー光源のような単色光源を複数用いたものであっても良い。
レンズユニット200のうち、最も投射面104に近い部分について、特にA領域として2点鎖線で示し、拡大図として図3に表す。
レンズユニット200はまた、筐体部10と一体に形成されて、レンズユニット200の光源101側から入射してレンズユニット200から射出される光束たる不要光L’の出射を制限する遮光部11を有している。
3つのレンズ21、22、23は、空間光変調素子102を透過した投射光束Lを結像する結像光学系であるとともに、画像を投影面104に投影するための投影光学系の一部を構成している。なお、特にレンズ21、22、23を区別する必要があるときには、最も投影面104側の、すなわち画像の投射方向たるZ方向下流側に配置されたレンズを第1のレンズたる投射側レンズ21とする。
同様に投射側レンズ21よりもZ方向上流側に配置されたレンズを第2のレンズたるレンズ22、最もZ方向上流側に配置されたレンズを第3のレンズたる入射側レンズ23とする。
レンズユニット200を透過する投射光束Lは、図3に破線で示されたように、投射側レンズ21、レンズ22、入射側レンズ23の各々の光学的設計に基づいた有効半径r21、r22、r23内を通るように、レンズ21、22、23の各々の位置が調整される。
ここではレンズユニット200のレンズ光軸たる光軸Oは、レンズ22の光軸と一致する。同様に、投射側レンズ21、入射側レンズ23のそれぞれの光軸も、光軸Oと一致する。
以降、特に方向を明示したい場合にはX、Y、Zの各方向について+あるいは−の表記をつけて表す。
また、投射側レンズ21は、レンズ以外の光学部材、例えばパワーを持たないガラス等であっても良い。
筐体部10は、カシメ部13を挟んでレンズ22と反対側に形成された、言い換えると光軸Oを中心としてカシメ部13の外側に形成された空間たる空隙部15を有している。
カシメ部13は、空隙部15に挿入された熱カシメ治具によって、レンズ22の+Z方向側に少しかかるように、レンズ受け面14の方向に押しつぶされることでレンズ受け面14とカシメ部13との間にレンズ22とレンズ23とを挟み込むように固定する。
遮光部11は、+Z方向の先端部11aが、レンズ22よりも+Z方向側において筐体部10に支持される投射側レンズ21の凹部21aに進入する位置を占めるように、配置されている。
なお、凹部21aは、本実施形態では、投射側レンズ21に設けられた非レンズ面を含む部分である。従って、遮光部11がかかる位置を占めることにより、投射側レンズ21の非レンズ面への不要光L’の入射を抑制している。
なお、ここでいう平坦かつ滑らかに連なってとは、いわゆる面一に形成されていることであり、後述するように、+Z方向側に広がるように傾斜した状態も含んで良い。
また、内周面11bは、いわゆるシボ加工のように表面に遮光用の反射防止構造を形成されていても良い。
図4に、筐体部10を形成するための射出成形用の樹脂型たる成型用型としての金型30の略式図を示す。
金型30は、本実施形態では、筐体部10の外側を形成するためのメス型たる固定型31と、筐体部10の内側を形成するためのオス型たる可動型32と、を有している。
可動型32は、遮光部11を形成するための凹部たる遮光形成部33と、空隙部15を形成するための凸部たる空隙形成部34と、を有している。遮光形成部33の外周側の壁面33aは、空隙形成部34の側面たる側面部34aと連続するように設けられている。言い換えると、空隙形成部34の外周側の側面部34aと遮光形成部33の内周側の壁面33aとが連続して平坦かつ滑らかに、つまり面一になるように設けられている。
溶かされた樹脂材料Pは、固定型31と可動型32との間の筐体部10の形状をした空間に流し込まれ、圧力が加えられる。
樹脂材料Pは、固まるまで金型30に入った状態で冷却される。樹脂材料Pが固まると、可動型32の可動方向、すなわち+Z方向へ移動させることで、金型30の嵌め合い状態が解除されて成形品たる筐体部10が取り出される。
このとき、内周面11bが、Z方向に平行な面であるとともに、空隙部15の外周面15bと平坦かつ滑らかに連なって形成されていることで、可動型32の空隙形成部34の側面部34aは、内周面11bに引っかかることなく、型抜きされる。
なお、ここでいう平坦に連なってとは、いわゆる面一に形成されていることであり、型抜き可能である程度に+Z方向側、言い換えると可動方向の下流側に広がるように傾斜した状態も含んで良い。
また、側面部34aは、内周面11bにシボ加工を形成するために、表面に内周面11bのシボ加工と対となって嵌め合うような遮光用の反射防止構造を形成されていても良い。
筐体部10の取出し完了後、再び金型30が嵌め合い状態となり、上述の作業が繰り返されることで、繰り返し成型が行われる。
次に、図5(b)に示すように、筐体部10に+Z方向側からレンズ22を挿入し、位置決めを行った後で、カシメ部13を加熱・押圧あるいは圧着して接合する。すなわち圧接することで、熱カシメを行いレンズ22が筐体部10に固定される。
具体的には空隙部15に挿入された熱カシメ治具によって、カシメ部13をレンズ22の+Z方向側に少しかかるように、レンズ受け面14の方向に押しつぶすことでレンズ受け面14とカシメ部13との間にレンズ22とレンズ23とを挟み込むように固定する。
かかるカシメ工程は、レンズ22、23を筐体部10へ取り付けるための取り付け工程である。
なお、レンズ22と筐体部10との間に微小な空隙を設けることで、筐体部10とレンズ22との嵌合長が最適化されて、組み上げ時の干渉が低減されて簡易に取り付け可能になる。
最後に、投射側レンズ21が、投射型レンズ押え部12と図示しない板金押え部品を用いて筐体部10へと固定されて、図2、図3に示したようなレンズユニット200の構成となる。
空間光変調素子102によって空間的な変調を付与された投射光束Lは、レンズユニット200を透過して投影画像として投影面104に対して投影される。
画像投影装置100においては、一般的に、投射光束Lの進行方向側、すなわち−Z方向側から進入される光については、投射光束Lのみを透過するように設定されている。つまり、ここでいう不要光L’は、−Z方向側からレンズユニット200へと侵入する光のうち、レンズ21、22、23の有効半径の外側を透過する光であるといえる。
なお、かかる不要光L’は、レンズ23よりも−Z方向側で発生した、例えば図示しないレンズのコバに当たって散乱した光や、鏡枠に当たって散乱した光、レンズの面間反射光などを含んでも良い。また、不要光L’は、例えば有効径内を通っていたとしても、投影像に現われた場合にゴーストやフレアの原因となりうるような不要な光を含んでいても良い。
かかる不要光L’は、例えばレンズユニット200に取り付けられたレンズ21、22、23の、固定用に設けられた非レンズ部などに入り込んで悪影響を及ぼすおそれがある。
なお、以下に示す従来例においては、レンズ21、22、23は実施形態で述べた構成と同様の構成で良いため、同じ番号を付して説明を省略する。
ところで、近年では画像投影装置の小型化、低価格化への要求が強く、レンズ21、22、23の固定方法についても、かしめなどを用いて精度良く、かつ工数の少ない固定方法が求められる。
しかしながら、レンズユニット500内に配置されるレンズ22をカシメによって固定するような場合には、レンズ22とレンズユニット500との間に空間部分が必要となってしまう。すなわち、カシメ用の器具が入るような空間部53を設ける必要がある。
かかる空間部53を設け、さらに突起部51aを設けると、突起部51aがアンダーカット形状のため、金型を開く方向すなわちZ方向へ移動させるのみでは金型と成型品との離型が出来ない。金型を内側すなわちY方向に動くようにすれば突起部51aは離型可能だが、空間部53が離型できない。よってこのような形状の部品成型は困難である。
また、金型に成型品がひっかかることで金型が開けず、無理に開こうとすると成型品が破壊されるおそれがある。
かかる課題を解決するためには、図7(b)に示すように、別体として突起部51bをレンズ22の組み付け後に取り付ける構成が考えられるが、構成が複雑になり、かつ部品点数の増加によるコスト増を生じるという問題までは解決できていない。
かかる構成により、筐体部10に一体形成された遮光部11は、不要光L’の出射を制限する。
かかる構成により、レンズ22の有効半径r22よりも外側を通過する不要光L’の透過を制限する。
かかる構成により、投射側レンズ21の凹部21aよりも外側へ進入する不要光L’の筐体部10内部からの出射を抑制または防止する。
かかる構成により、空隙部15に工具を入れてカシメ部13をレンズ受け面14の方向に押しつぶすことでレンズ22、23を固定するから、遮光部11を設けながらも、部品数や工数の増加を伴うことがなく、コストの増加が抑制される。
かかる構成により、遮光部11を設けながらも、構造が単純で部品数や工数の増加を伴うことがなく、コストの増加が抑制される。
かかる構成により、筐体部10の成型用の金型の構造が容易になるため、コストの増加が抑制される。
かかる構成により、筐体部10の成型用の金型の構造が容易になるため、コストの増加が抑制される。
かかる構成においては、遮光部11は、+Y方向側のみに形成された凸部である。
他の構成については、上述した実施形態と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
また、遮光部に形成する反射防止構造は、反射光を低減するためのものであれば、シボ加工以外の加工でも良い。
11 遮光部
11a 先端部
11b 光軸側の面(側面部)
13 固定部(カシメ部)
15 空隙部
15b 外周面
21 光学部材(投射側レンズ)
21a 凹部
22 レンズ
30 樹脂型(金型)
31 固定型
32 可動型
33 凹部(遮光形成部)
34 凸部(空隙形成部)
100 画像投影装置
200 レンズ鏡筒(レンズユニット)
L 投射光束
L’ レンズの有効半径外側を透過する光束(迷光)
O 光軸(レンズ光軸)
P 樹脂材料
Z レンズの光軸に対して平行な方向
Claims (6)
- 少なくとも1つのレンズを支持するための鏡筒部と、
前記鏡筒部と一体に設けられて、前記レンズの有効半径外側を透過する光束の出射を制限するための遮光部と、
熱カシメによって前記レンズを固定する固定部と、
前記固定部を挟んで前記レンズと反対側に形成された空隙部と、
を有し、
前記遮光部は、前記レンズの光軸に対して平行な方向に沿って形成され、前記遮光部の前記レンズの光軸側の面は、前記空隙部の外周面と平坦に連なって形成されることを特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1に記載のレンズ鏡筒において、
前記遮光部は、前記レンズよりも前記光束の出射方向の上流側に形成されることを特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1または2に記載のレンズ鏡筒において、
前記遮光部は凸部であることを特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項3に記載のレンズ鏡筒において、
前記遮光部の前記平行な方向における先端部は、前記レンズよりも前記光束の出射方向の下流側において前記鏡筒部に支持される光学部材の凹部に進入する位置を占めることを特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1乃至4の何れか1つに記載のレンズ鏡筒を有する画像投影装置。
- 請求項1乃至4の何れか1つに記載されたレンズ鏡筒を形成する成型用型であって、
前記鏡筒部の外側を形成するための固定型と、
前記鏡筒部の内側を形成するための可動型と、を有し、
前記可動型は、前記遮光部を形成するための凹部と、前記空隙部を形成するための凸部と、を有し、
前記可動型は、前記光軸に平行な方向に移動可能であることを特徴とする成型用型。
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