JP2004354482A - 投写光学系、投写光学系の製造方法、および投写光学系を備えたプロジェクタ - Google Patents

投写光学系、投写光学系の製造方法、および投写光学系を備えたプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】部品コストを低減することのできる投写光学系、投写光学系の製造方法、および投写光学系を備えたプロジェクタを提供すること。
【解決手段】内部に所定の光路が設定されたレンズ保持筒100と、このレンズ保持筒100内に固定されるレンズ111〜114とを備えた投写光学系46は、レンズ保持筒100の内面に、レンズ111〜114の外周端面と対向し、レンズ111〜114の光束入射面を遮る受け面のないストレート部と、このストレート部と連続し、レンズ保持筒の一端側に向かって拡開する傾斜部とが形成され、レンズ111〜114は、この傾斜部に注入された接着剤により、該レンズの外周端面でレンズ保持筒100に固定されていることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部に所定の光路が設定されたレンズ保持筒と、このレンズ保持筒内に固定されるレンズとを備えた投写光学系、投写光学系の製造方法、および投写光学系を備えたプロジェクタに関する。
【0002】
【背景技術】
従来、複数の色光を画像情報に応じて各色光ごとに変調する複数の液晶パネルと、各液晶パネルで変調された色光を合成するクロスダイクロイックプリズムと、このプリズムで合成された光束を拡大投写して投写画像を形成する投写光学系とを備えたプロジェクタが利用されている。
【0003】
このようなプロジェクタに用いられる投写光学系は、内部に所定の光路が設定されたレンズ保持筒と、このレンズ保持筒に固定されるレンズとを備え、通常は、投写画像において、解像度の低下や、歪曲収差および色収差等の収差の発生等を抑えるために、収束用レンズおよび発散用レンズを含んで構成された複合レンズとされている。
【0004】
ここで、レンズ保持筒の内周面には、各レンズを保持するためのレンズ受け部が形成されている。このレンズ受け部は、レンズ保持筒の内側に突出しレンズの光束入射面と当接してレンズの照明光軸方向の位置移動を規制している。
レンズの固定に際しては、レンズをレンズ受け部に当接させた後、レンズ保持筒に形成された押さえ片によって熱かしめにより固定したり、レンズ受け部に当接させた後、レンズ外周に接着剤を塗布して固定する(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−281374号公報参照([0006]段落、図1)
【特許文献2】
特開2001−183564号公報参照([0053]段落、図5)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献に開示される固定方法では、保持筒の内面から突出するレンズ受け部がレンズの光束入射面の一部を被覆してしまうため、レンズ面の外周部分を光束を入射させる有効領域として用いることができず、光束透過領域に対してレンズの外径が大きくなってしまい、その分レンズのコストが高騰してしまうという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、レンズ外径が必要以上に大きくならず、部品コストを低減することのできる投写光学系を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の投写光学系は、内部に所定の光路が設定されたレンズ保持筒と、このレンズ保持筒内に固定されるレンズとを備えた投写光学系であって、前記レンズ保持筒の内面には、前記レンズの外周端面と対向し、前記レンズの光束入射面を遮る受け面のないストレート部と、このストレート部と連続し、前記レンズ保持筒の一端側に向かって拡開する傾斜部とが形成され、前記レンズは、この傾斜部に注入された接着剤により、該レンズの外周端面で前記レンズ保持筒に固定されていることを特徴とする。
【0009】
ここで、傾斜部への接着剤の注入は、レンズ外周回り全周に行ってもよいが、レンズ外周回りに3箇所又は4箇所、略等間隔に注入するのが好ましい。
この発明によれば、ストレート部にレンズ受け面が形成されておらず、傾斜部に接着剤を注入することでレンズの外周端面で保持筒内に固定されるので、レンズの光束透過面を遮るものがなく、レンズのほぼ全体を光束透過領域とすることができる。したがって、従来よりも外径の小さいレンズを使用して、部品コストの低減を図ることができる。
【0010】
本発明では、レンズの外周端面は、少なくとも0.5mm以上の厚さ部分がストレート部に挿入されているのが好ましい。
この発明によれば、レンズの外周端面の厚さ部分が0.5mm以上ストレート部に挿入されることにより、レンズ保持筒に対するレンズの照明光軸直交方向位置がほぼ決まるため、レンズ保持筒の照明光軸に対してレンズの光軸が大きく芯ずれすることがない。
【0011】
本発明では、レンズの外周端面とストレート部との間には、0.05mmから0.1mmの隙間が形成されているのが好ましい。
この発明によれば、わずかな隙間が形成されていることにより、レンズ保持筒内のストレート部でレンズを進退させる際、レンズ端部が保持筒内で引っかかり進退動作を阻害することがないので、進退動作を行い易く調整が容易となる。
また、わずかな隙間を利用してレンズの照明光軸直交方向位置を調整することができるため、微妙な調芯を行うことができ、投写光学系を高精度のものとすることができる。
さらに、傾斜部に注入された接着剤が毛管現象によってこの隙間部分に流れ込み、ストレート部においてもレンズの接着固定を行うことができるうえ、レンズ及びレンズ保持筒を上下方向に配置して上側から接着剤を注入しても、わずかな隙間しかないので、レンズ端面から下に漏れ出すこともない。
【0012】
本発明の投写光学系の製造方法は、内部に所定の光路が設定されたレンズ保持筒と、このレンズ保持筒内に支持固定されるレンズとを備えた投写光学系の製造方法であって、前記レンズ保持筒の内面には、前記レンズの外周面と対向し、前記レンズの光束入射面を遮る受け面のないストレート部と、このストレート部と連続し、前記レンズ保持筒の一端側に向かって拡開する傾斜部とが形成され、前記レンズ保持筒内に前記レンズを挿入し、該レンズを前記ストレート部に沿って進退させて前記レンズ保持筒に対する前記レンズの位置を調整する工程と、位置調整後、前記傾斜部に接着剤を注入し、前記レンズ保持筒に対して前記レンズを固定する工程とを備えていることを特徴とする。
この発明によれば、前記の投写光学系で述べた効果に加えて、レンズ保持筒に対するレンズの位置を調整した後に接着剤を用いてレンズを固定することにより、保持筒内の適切な照明光軸方向位置にレンズを固定することができるため、光学的に高精度の投写光学系を製造することができる。
【0013】
本発明では、レンズの外周端面と前記ストレート部との間には、0.05mmから0.1mmの隙間が形成され、レンズの位置調整後、固定の前に、レンズを前記光路の照明光軸直交方向に移動させて調芯する工程を備えているのが好ましい。
この発明によれば、レンズを保持筒内で照明光軸直交方向に移動させる工程を含むことにより、保持筒に対するレンズの調芯を行うことができるため、光学的に一層高精度の投写光学系を製造することができる。また、この工程によって光学的精度を確保できるので、レンズおよびレンズ保持筒の形状精度を手当でき、部品コストを低減できる。わずかな隙間で調芯を行うため、調芯作業の手間もかからない。
【0014】
本発明のプロジェクタは、前述した投写光学系、若しくは、前述した投写光学系の製造方法により製造された投写光学系を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、前記のようにレンズのコストを低減することができ、投写光学系の高精度化を図ることができるため、製造コストが低減され、かつ光学的に高精度のプロジェクタとすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔1.プロジェクタの構成〕
図1は、本発明に係る投写光学系を備えるプロジェクタ1の構成要素である光学ユニット4を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、図示を省略するが、プロジェクタ本体と、このプロジェクタ本体を収納する樹脂製の外装ケースとを備え、略直方体状に構成されている。このプロジェクタ本体は、電源ユニットと、光学ユニット4と、制御基板とを備え、前記電源ユニットで取得した外部電力によって、前記制御基板で制御しながら光学ユニット4を駆動することにより、画像情報に応じて形成された光学像を拡大投写している。
【0016】
光学ユニット4は、図1に示すように、光源装置411を構成する光源ランプ416から射出された光束を光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形成し、この光学像を拡大して投写するユニットであり、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、光学装置44と、投写レンズ46とを備える。
【0017】
インテグレータ照明光学系41は、光学装置44を構成する3枚の液晶パネル441(赤、緑、青の色光毎にそれぞれ液晶パネル441R,441G,441Bとする)の画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系であり、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備える。
【0018】
光源装置411は、光源ランプ416と、リフレクタ417とを備え、光源ランプ416から射出された放射状の光線をリフレクタ417で反射して平行光束とし、この平行光束を外部へと射出する。光源ランプ416には、高圧水銀ランプを採用している。なお、高圧水銀ランプ以外に、メタルハライドランプやハロゲンランプ等も採用できる。また、リフレクタ417には、放物面鏡を採用している。なお、放物面鏡の代わりに、平行化凹レンズおよび楕円面鏡を組み合わせたものを採用してもよい。
【0019】
第1レンズアレイ412は、光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源ランプ416から射出された光束を複数の部分光束に分割している。各小レンズの輪郭形状は、液晶パネル441の画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。
【0020】
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を液晶パネル441上に結像させる機能を有する。
【0021】
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置されるとともに、第2レンズアレイ413と一体でユニット化されている。このような偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413からの光を1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、光学装置44での光の利用効率が高められている。
【0022】
具体的に、偏光変換素子414によって1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に光学装置44の液晶パネル441上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル441を用いたプロジェクタ1では、1種類の偏光光しか利用できないため、他種類のランダムな偏光光を発する光源ランプ416からの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換素子414を用いることにより、光源ランプ416から射出された光束を全て1種類の偏光光に変換し、光学装置44での光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換素子414は、たとえば特開平8−304739号公報に紹介されている。
【0023】
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421,422によりインテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学系43は、入射側レンズ431と、リレーレンズ433と、反射ミラー432,434とを備え、色分離光学系42で分離された色光である赤色光を液晶パネル441Rまで導く機能を有している。
【0024】
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束のうち、赤色光成分と緑色光成分とは透過し、青色光成分は反射する。ダイクロイックミラー421によって反射した青色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ418を通って、青色用の液晶パネル441Bに到達する。このフィールドレンズ418は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル441G,441Bの光入射側に設けられたフィールドレンズ418も同様である。
【0025】
また、ダイクロイックミラー421を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ418を通って、緑色用の液晶パネル441Gに到達する。一方、赤色光は、ダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ418を通って、赤色光用の液晶パネル441Rに到達する。
なお、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ418に伝えるためである。
【0026】
光学装置44は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、色分離光学系42で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板442と、各入射側偏光板442の後段に配置される液晶パネル441R,441G,441Bと、各液晶パネル441R,441G,441Bの後段に配置される射出側偏光板443と、クロスダイクロイックプリズム444とを備える。
【0027】
液晶パネル441R,441G,441Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものである。
光学装置44において、色分離光学系42で分離された各色光は、これら3枚の液晶パネル441R,441G,441B、入射側偏光板442、および射出側偏光板443によって画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
【0028】
入射側偏光板442は、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、サファイヤガラス等の基板に偏光膜が貼付されたものである。
射出側偏光板443も、入射側偏光板442と略同様に構成され、液晶パネル441(441R,441G,441B)から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。
これらの入射側偏光板442および射出側偏光板443は、互いの偏光軸の方向が直交するように設定されている。
【0029】
クロスダイクロイックプリズム444は、射出側偏光板443から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。
クロスダイクロイックプリズム444には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
以上説明した液晶パネル441、射出側偏光板443およびクロスダイクロイックプリズム444は、一体的にユニット化された光学装置本体45として構成されている。
【0030】
これらの各光学部品41〜45は、図示しない光学部品用筐体に収納される。投写光学系としての投写レンズ46は、この光学部品用筐体の一端部分に取り付けられており、前記外装ケースの前面側から露出している。詳しくは後述する。
【0031】
〔2.投写レンズの構成〕
図2は、投写レンズ46を示す縦断面図である。
投写レンズ46は、図2に示すように、前記光学装置のクロスダイクロイックプリズムで合成されたカラー画像を拡大して投写するものである。
投写レンズ46は、内部に所定の光路が設定された樹脂製等のレンズ保持筒としての鏡筒100と、この鏡筒100内部に収納されて光路の照明光軸A上に順次配置された複数のレンズとしてのレンズ群110とを備える。
【0032】
レンズ群110は、投写側から順に、1群レンズ111、2群レンズ112、3群レンズ113、および4群レンズ114の合計4つのレンズの群として構成されている。前記クロスダイクロイックプリズムから射出された画像光は、非球面レンズである4群レンズ114に入射した後に、2枚のレンズが張り合わされた3群レンズ113で色収差の補正がなされ、2群レンズ112で微調整されてから、非球面レンズである1群レンズ111で歪曲収差が補正されながら、外部へと拡大投写される。
【0033】
鏡筒100は、前記光学部品用筐体の一端部分につば部101Xを介して固定される鏡筒本体101と、この鏡筒本体101の光束射出側に螺合された調整筒102と、鏡筒本体101の光束入射側に着脱可能に取り付けられた後筒103とを備えている。
【0034】
鏡筒本体101には、2群レンズ112および3群レンズ113が収納されている。これら2群レンズ112および3群レンズ113は、それぞれ鏡筒本体101の内部に形成されたレンズ保持部122,123で保持されている。
【0035】
調整筒102の投写側端部には、1群レンズ111が収納されており、この1群レンズ111は、調整筒102の内部に形成されたレンズ保持部121で保持されている。
この調整筒102を鏡筒本体101に対して回動させることにより、照明光軸A方向に沿った方向(図2中の左右方向)に1群レンズ111を進退させて、投写画像のフォーカス調整ができるようになっている。なお、投写レンズ46にモータを設けて、オート操作でフォーカス調整できる構成としてもよい。
【0036】
後筒103には、4群レンズ114が収納され、この4群レンズ114は、後枠の内側に形成されたレンズ保持部124で保持されている。また、後筒103は、鏡筒本体101のつば部101Xに嵌合している。
【0037】
図3は、レンズ保持部を示す縦断面図である。
各レンズ保持部121〜124は、ストレート部125と、このストレート部125に連続しかつ鏡筒100の一端側に向かって拡開した傾斜部126とで構成されている。
なお、本例では、レンズ保持部121、122の傾斜部126はともに投写レンズ46の投写側に拡開し、これとは逆に、レンズ保持部123、124の傾斜部126はともに投写レンズ46の投写反対側に拡開している。
ストレート部125は、照明光軸Aに沿って延びる平坦な円筒内面であって、各レンズ111〜114が照明光軸Aに沿ってスライド可能とされている。
【0038】
ストレート部125および傾斜部126と各レンズ111〜114の外周面との間には、隙間Sが形成され、この隙間Sには、紫外線硬化型の接着剤ADが充填されている。隙間Sのストレート部125における幅寸法は、0.05mm〜0.1mm、長さ寸法は0.5mm以上とされており、隙間Sの傾斜部126における幅寸法は、0.5mm以上とされている。
【0039】
前述した投写レンズ46は、図示を略したが、載置台上に設けられる鏡筒保持具と、この鏡筒保持具に対して上下及び左右に位置調整可能なレンズ保持具とを備えた投写レンズ製造装置によって製造される。
この投写レンズ製造装置は、レンズ保持具を位置調整する位置調整機構を備え、位置調整機構は、鏡筒保持具に対してレンズを上下、すなわち照明光軸方向に位置調整する上下位置調整機構、及び鏡筒保持具に対してレンズを左右、すなわち照明光軸直交方向に位置調整する左右位置調整機構を備え、各位置調整機構には、鏡筒保持具に対してレンズがどの位置にあるかが判るようになっている。
【0040】
このような製造装置により投写レンズ46を製造する手順を以下に説明する。
(1)鏡筒本体101を鏡筒保持具上に3群レンズ113側を上に向けてセットし、レンズ保持具に3群レンズ113を装着する。尚、レンズ保持具は、レンズの光束入射面に密着する吸着部材のようなものを採用することができる。
(2)上下位置調整機構を操作して3群レンズ113を鏡筒本体101内に挿入し、鏡筒本体101に対する3群レンズ113の照明光軸A方向の位置調整を行う。具体的には、鏡筒本体101に対する3群レンズ113の位置を確認しながら、上下位置調整機構を操作し、鏡筒本体101の端面と3群レンズ113の外周面とが設計上の相対位置となるように位置調整する。
(3)3群レンズ113の照明光軸方向位置の調整が終了したら、左右位置調整機構を操作して、3群レンズ113の鏡筒本体101に対する照明光軸Aの直交方向位置を、両者の位置を確認しながら調整する。位置の確認は、例えば、CCDカメラ等で鏡筒本体101の内周円形部分を撮像し、そこから画像処理等で円中心を求め、同様に、3群レンズ113を撮像し、3群レンズ113の外周円中心を求めることにより行うことができる。そして、両円中心が一致する位置を最適位置として調芯を終了する。
(4)調芯が終了したら、接着剤ADを傾斜部126にレンズ外周に沿って3箇所ないし4箇所注入し、紫外線を照射して接着剤ADを硬化させ、鏡筒本体101に対して3群レンズ113を固定する。
【0041】
(5)鏡筒本体101に対して3群レンズ113を固定したら、1群レンズ111及び4群レンズ114に相当する2つのダミーレンズを、鏡筒本体101に対する設計上の位置に配置し、2群レンズ112をレンズ保持具に装着して鏡筒本体101の下側から挿入する。
(6)これらのレンズ群による設計上のバックフォーカス位置に調整用のパターンを配置し、光源光を照射してスクリーン上にパターン画像を表示して、適切なパターン画像が投影されるように、2群レンズ112の3群レンズ113、および、前述の各ダミーレンズに対する位置調整を行い、前記と同様の手順で位置調整が終了したら、接着剤ADにより第2レンズ群112を鏡筒本体101に固定する。
【0042】
(7)鏡筒本体101に2群レンズ112、3群レンズ113が固定されたら、4群レンズ114に相当するダミーレンズを取り外し、鏡筒本体101のつば部101Xに後筒103を取り付ける。この状態でレンズ保持具に4群レンズ114を装着し、パターン画像を確認しながら、後筒103に対する4群レンズ114の位置調整を行い、最適な位置となったら、接着剤ADにより後筒103に4群レンズ114を固定する。
(8)最後に、1群レンズ111に相当するダミーレンズを取り外し、鏡筒本体101の下側に調整筒102を装着し、同様の手順でパターン画像を確認しながら、調整筒102に対して1群レンズ111の位置調整を行った後、調整筒102に対して1群レンズ111を接着固定する。
【0043】
したがって、本実施形態によれば以下の効果がある。
ストレート部125にレンズ受け面が形成されておらず、傾斜部126に接着剤ADを注入することでレンズ111〜114の外周端面が鏡筒100内に固定されるので、レンズ111〜114の光束透過面を遮るものがなく、レンズ111〜114のほぼ全体を光束透過領域とすることができる。したがって、従来よりも外径の小さいレンズ111〜114を使用して、部品コストの低減を図ることができる。
また、レンズ111〜114の外周端面の厚さ部分が0.5mm以上ストレート部125に挿入されることにより、鏡筒100に対するレンズ111〜114の照明光軸Aの直交方向位置がほぼ決まるため、鏡筒100の照明光軸Aに対してレンズ111〜114の光軸が大きく芯ずれすることがない。
【0044】
さらに、レンズ111〜114とストレート部125との間に、わずかな隙間である隙間Sが形成されていることにより、鏡筒100内のストレート部125でレンズ111〜114を進退させる際、レンズ111〜114の端部が鏡筒100内で引っかかり進退動作を阻害することがないので、進退動作を行い易く調整が容易となる。
そして、隙間Sを利用してレンズ111〜114の照明光軸Aの直交方向位置を調整することができるため、微妙な調芯を行うことができ、投写レンズ46を高精度のものとすることができる。
また、傾斜部126に注入された接着剤ADが毛管現象によって隙間Sに流れ込み、ストレート部125においてもレンズの接着固定を行うことができるうえ、レンズ111〜114及び鏡筒100を上下方向に配置して上側から接着剤ADを注入しても、わずかな隙間しかないので、下から漏れ出すこともない。
【0045】
さらに、前記のような工程を有する製造方法を採用し、鏡筒100に対するレンズ111〜114の位置を調整した後に、接着剤ADによりレンズ111〜114を固定することにより、鏡筒100内の適切な照明光軸A方向の位置にレンズ111〜114を固定することができるため、光学的に高精度の投写レンズ46を製造することができる。
そして、投写レンズ46の製造に際して前述した隙間Sを利用して調芯を行っているため、光学的に一層高精度の投写レンズ46を製造することができ、鏡筒100およびレンズ111〜114を高精度に加工しなくても光学的精度が確保できるので、部品コストが低減できる。
また、プロジェクタ1が投写レンズ46を備えていることにより、投写レンズ46のコストを低減することができ、プロジェクタ1の製造コストを低減することができる。
【0046】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、レンズ111〜114を接着する接着剤は紫外線硬化型接着剤ADを用いて、紫外線を照射することにより液剤を硬化させていたが、熱硬化型接着剤を用い、ホットエア等で加熱して硬化させることによりレンズ111〜114の接着を行うこととすればバッチ処理が可能であり、製造効率が良い。もっとも、紫外線硬化型および熱硬化型以外の接着剤を用いてもよい。
また、前記実施形態では、紫外線硬化型の接着剤ADを、傾斜部126内周に沿ってレンズ外周回りに3箇所ないし4箇所、略等間隔に注入していたが、2点や5点以上に注入してもよく、等間隔に限らず、任意の間隔で注入して構わない。また、ストレート部125、傾斜部126、およびレンズ111〜114の全周に亘って注入してもよい。
【0047】
投写レンズ46の製造手順についても、鏡筒本体101等の保持手段や保持方向等は任意であり、鏡筒本体101等の該筒を上下方向ではなく左右方向に保持して、レンズ111〜114の位置調整および接着固定を行っても構わない。
前記実施形態とは逆に、鏡筒本体101の2群レンズ112側を上に向けてレンズ保持具で保持しながら、2群レンズ112および3群レンズ113を位置付けてもよく、また、2群レンズ112および3群レンズ113のうちいずれか一方を位置付けた後、鏡筒本体101を上下逆さに保持し直して、他方を位置付けても構わない。
また、接着剤ADを充填してから、レンズ111〜114の調芯を行った後、接着剤ADを硬化させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る投写光学系を備えるプロジェクタの光学ユニットを示す模式図。
【図2】前記実施形態に係る投写光学系の縦断面図。
【図3】前記実施形態に係る投写光学系の拡大断面図。
【符号の説明】
1…プロジェクタ、46…投写レンズ(投写光学系)、100…鏡筒(レンズ保持筒)、111…1群レンズ、112…2群レンズ、113…3群レンズ、114…4群レンズ、125…ストレート部、126…傾斜部、A…照明光軸、AD…接着剤。

Claims (6)

  1. 内部に所定の光路が設定されたレンズ保持筒と、このレンズ保持筒内に固定されるレンズとを備えた投写光学系であって、
    前記レンズ保持筒の内面には、前記レンズの外周端面と対向し、前記レンズの光束入射面を遮る受け面のないストレート部と、このストレート部と連続し、前記レンズ保持筒の一端側に向かって拡開する傾斜部とが形成され、
    前記レンズは、この傾斜部に注入された接着剤により、該レンズの外周端面で前記レンズ保持筒に固定されていることを特徴とする投写光学系。
  2. 請求項1に記載の投写光学系において、
    前記レンズの外周端面は、少なくとも0.5mm以上の厚さ部分が前記ストレート部に挿入されていることを特徴とする投写光学系。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の投写光学系において、
    前記レンズの外周端面と前記ストレート部との間には、0.05mmから0.1mmの隙間が形成されていることを特徴とする投写光学系。
  4. 内部に所定の光路が設定されたレンズ保持筒と、このレンズ保持筒内に支持固定されるレンズとを備えた投写光学系の製造方法であって、
    前記レンズ保持筒の内面には、前記レンズの外周面と対向し、前記レンズの光束入射面を遮る受け面のないストレート部と、このストレート部と連続し、前記レンズ保持筒の一端側に向かって拡開する傾斜部とが形成され、
    前記レンズ保持筒内に前記レンズを挿入し、該レンズを前記ストレート部に沿って進退させて前記レンズ保持筒に対する前記レンズの位置を調整する工程と、位置調整後、前記傾斜部に接着剤を注入し、前記レンズ保持筒に対して前記レンズを固定する工程とを備えていることを特徴とする投写光学系の製造方法。
  5. 請求項4に記載の投写光学系の製造方法において、
    前記レンズの外周端面と前記ストレート部との間には、0.05mmから0.1mmの隙間が形成され、
    前記レンズの位置調整後、固定の前に、前記レンズを前記光路の照明光軸直交方向に移動させて調芯する工程を備えていることを特徴とする投写光学系の製造方法。
  6. 光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、拡大投写するプロジェクタであって、
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載の投写光学系、若しくは、請求項4又は請求項5に記載の投写光学系の製造方法により製造された投写光学系を備えていることを特徴とするプロジェクタ。
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