JP6580147B2 - 光電変換素子および光電変換モジュール - Google Patents

光電変換素子および光電変換モジュール Download PDF

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Description

本発明は、光電変換素子および光電変換モジュールに関する。本出願は、2015年9月25日に出願した日本特許出願である特願2015−187988号に基づく優先権を主張し、当該日本特許出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
化石燃料に代わるエネルギー源として太陽光が注目されており、太陽光を電力に変換することができる太陽電池が注目されている。なかでも、色素増感太陽電池は、製造コストを低くすることができる等の利点を有するため、新しいタイプの太陽電池として注目を集めている。
たとえば、特許文献1には、モノリシック構造の色素増感太陽電池が開示されている。モノリシック構造とは、図12に示すように、第1導電層3、光電変換層4、多孔質絶縁層5、触媒層6、および第2導電層7が積層され、かつ第2基板2が第2導電層7と間隔を空けて配置される構造である。このモノリシック構造においては、第2導電層7に材料となる導電性粒子が、多孔質絶縁層5の細孔内を通り抜けて第1導電層3に到達することによる内部短絡が問題となる。
これに対し、特許文献2には、透明導電膜32(図13の第1導電層3に相当)と第2光電極35(図13の光電変換層4に相当)との間に、緻密質の第1光電極34が配置されたモノリシック構造の色素増感太陽電池が開示されている。特許文献2には、緻密質の第1光電極34の存在によって、導電性粒子が透明導電膜32にまで到達することを抑制する旨が記載されている。
特開2009−146625号公報 特開2002−367686号公報
しかしながら、特許文献2に記載の色素増感太陽電池において、スクライブ33近傍の透明導電膜32は、多孔質からなるセパレータ36によって被覆されるのみである。このため、上述の内部短絡の抑制は十分でないのが実情である。
ここで開示された実施形態は、第1基板と、第1基板と間隔を空けて向かい合う第2基板と、第1基板上に位置する第1導電層と、第1導電層上に位置する光電変換層と、光電変換層上に位置する多孔質絶縁層と、多孔質絶縁層上に位置する第2導電層と、第1基板と第2基板との間の領域を取り囲む封止材と、第1基板、第2基板、および封止材によって取り囲まれた領域内に充填される電解質と、を備え、光電変換層は、多孔質半導体層と、多孔質半導体層に設けられた光増感剤とを備え、第1導電層は、溝部によって、光電変換層が配置される第1領域と、光電変換層が配置されない第2領域と、に分割されており、溝部上には、第1領域の表面であって光電変換層が配置されていない表面を被覆する絶縁部が配置されており、絶縁部は、多孔質絶縁層よりも緻密な構造を有し、第1基板に対し、第2基板側から、光電変換層および絶縁部を投影したときに、絶縁部の投影像の一部は、光電変換層の投影像に重なる、光電変換素子である。
ここで開示された実施形態は、上記光電変換素子を含む光電変換モジュールである。
ここで開示された実施形態によれば、光電変換素子および光電変換モジュールにおける内部短絡を抑制することができる。
実施形態1の光電変換素子の模式的な断面図である。 実施形態1の光電変換素子であって、第1基板に対し、第2基板側から光電変換層および絶縁部を投影したときの各投影像を示す模式的な平面図である。 実施形態1の光電変換素子の製造方法の一例のフローチャートである。 実施形態1の光電変換素子の製造方法の一例の製造工程の一部を図解する模式的な断面図である。 実施形態1の光電変換素子の製造方法の一例の製造工程の一部を図解する模式的な断面図である。 実施形態1の光電変換素子の製造方法の一例の製造工程の一部を図解する模式的な断面図である。 実施形態1の光電変換素子の製造方法の一例の製造工程の一部を図解する模式的な断面図である。 実施形態1の光電変換素子の製造方法の一例の製造工程の一部を図解する模式的な断面図である。 実施形態1の光電変換素子の製造方法の一例の製造工程の一部を図解する模式的な断面図である。 実施形態1の光電変換素子の製造方法の一例の製造工程の一部を図解する模式的な断面図である。 実施形態1の光電変換素子の製造方法の一例の製造工程の一部を図解する模式的な断面図である。 従来の光電変換素子の模式的な断面図である。 実施形態1の光電変換素子において、光電変換層から絶縁部に向かう光の進行方向を示す模式図である。 実施形態2の光電変換素子の模式的な断面図である。 実施形態2の光電変換素子において、光電変換層から絶縁部に向かう光の屈折を示す模式図である。 実施形態3の光電変換素子の模式的な断面図である。 実施形態4の光電変換素子の模式的な断面図である。 実施形態4の光電変換素子であって、第1基板に対し、第2基板側から光電変換層および絶縁部を投影したときの各投影像を示す模式的な平面図である。 実施形態5の光電変換素子の模式的な断面図である。 実施形態6の光電変換素子の模式的な断面図である。 実施形態7の光電変換モジュールの模式的な断面図である。
以下、実施形態について説明する。なお、実施形態の説明に用いられる図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。なお、本明細書において「X〜Y」という形式の表記は、範囲の上限下限(すなわちX以上Y以下)を意味しており、Xにおいて単位の記載がなく、Yにおいてのみ単位が記載されている場合、Xの単位とYの単位とは同じである。
[実施形態1]
<光電変換素子の構造>
図1および図2を参照しながら、実施形態1の光電変換素子の構造について説明する。実施形態1の光電変換素子は、第1基板1と、第1基板1と間隔を空けて向かい合う第2基板2と、第1基板1上に位置する第1導電層3と、第1導電層3上に位置する光電変換層4と、光電変換層4上に位置する多孔質絶縁層5と、多孔質絶縁層5上に位置する第2導電層7と、を備えている。また、多孔質絶縁層5と第2導電層7との間の少なくとも一部には、触媒層6が配置されている。第1基板1と第2基板2とは封止材8によって接合されており、第1基板1と第2基板2と封止材8とによって取り囲まれた領域には、電解質9が配置されている。
さらに、第1導電層3は、溝部(スクライブライン)11によって、光電変換層4が配置される第1領域3aと、光電変換層4が配置されていない第2領域3bとに分割されている。また、溝部11には、絶縁部10が配置されている。以下、各部の構成、材料等について詳細に説明する。
(第1基板)
第1基板1としては、透光性を有する透光性基板を用いることができる。ただし、たとえば後述する光増感剤に実効的な感度を有する波長の光を実質的に透過させる材料で形成されていればよく、必ずしもすべての波長領域の光に対して透光性を有する必要はない。具体的には、ソーダガラス、溶融石英ガラス若しくは結晶石英ガラスなどのガラス基板、または可撓性フィルムなどの耐熱性樹脂板を用いることができる。第1基板1の厚さは、0.2〜5mm(0.2mm以上5mm以下)であることが好ましい。
(第2基板)
第2基板2は特に限定されず、たとえば透光性を有していても、有していなくてもよい。透光性を有する基板としては、たとえば通常のガラスからなる基板等を用いることができる。また、軽量化の観点からは、アクリルガラスからなる基板を用いることが好ましい。
(第1導電層)
第1導電層3は、第1基板1のうち第2基板2と対向する面に設けられている。第1導電層3は、溝部11によって、光電変換層4が配置される第1領域3aと、光電変換層4が配置されていない第2領域3bとに分割されている。
第1領域3aのうち、溝部11を区画する端部(領域Aに位置する第1領域3a)上には、光電変換層4が配置されていない。また、第1領域3aのうち、領域Aと反対の端部上においても、光電変換層4は配置されていない。第2領域3b上には、第2導電層7が配置されている。
第1導電層3としては、導電性および透光性を有するものであれば特に限定されず、たとえば、インジウム錫複合酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)、酸化錫にフッ素がドープされたもの(FTO)および酸化亜鉛(ZnO)からなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。第1導電層3の厚さは、0.02〜5μmであることが好ましい。第1導電層3の電気抵抗は低いほど好ましく、40Ω/□以下であることが好ましい。
(光電変換層)
光電変換層4は、第1導電層3の第1領域3aの上面(図1の上方の面)に設けられており、その表面は、多孔質絶縁層5および絶縁部10によって被覆されている。光電変換層4は、第1基板1に対向する第1面4aと、第2基板2に対向する第2面4bとを有している。さらに、溝部11と略平行であって、溝部11の近傍に位置する一辺側は、光電変換層4の中央部分側にえぐれた凹形状となっている。
ここで、本明細書において、光電変換層4の中央部分側とは、図1の左右方向に延在する光電変換層4の中央の部分を意味し、光電変換層4の端部側とは、図1中の左右方向に延在する光電変換層4の両端の部分を意味する。
上記形状を有する光電変換層4は、第1導電層3上に設けられた多孔質半導体層を母体とし、多孔質半導体層の孔の内部および孔の外部の表面に光増感剤が設置されることにより構成されている。
多孔質半導体層としては、一般に光電変換材料に使用されるものであれば特に限定されない。多孔質半導体層としては、たとえば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム、硫化鉛、硫化亜鉛、リン化インジウム、銅−インジウム硫化物(CuInS2)、CuAlO2およびSrCu22からなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。上記の多孔質半導体のなかでも、高い安定性を有する点から、酸化チタンを用いることが好ましい。
多孔質半導体層の厚さは、特に限定されないが、たとえば0.1〜100μmとすることができる。また、多孔質半導体層の表面積は、10〜200m2/gであることが好ましい。
上記光増感剤としては、たとえば、有機色素および金属錯体色素などの増感色素を用いることができる。有機色素としては、たとえば、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素およびナフタロシアニン系色素からなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。有機色素の吸光係数は、一般に、遷移金属に分子が配位結合した形態をとる金属錯体色素の吸光係数に比べて大きくなる。
金属錯体色素は、分子に金属が配位結合することによって構成されている。分子としては、たとえば、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素またはルテニウム系色素などを挙げることができる。金属としては、たとえば、Cu、Ni、Fe、Co、V、Sn、Si、Ti、Ge、Cr、Zn、Ru、Mg、Al、Pb、Mn、In、Mo、Y、Zr、Nb、Sb、La、W、Pt、TA、Ir、Pd、Os、Ga、Tb、Eu、Rb、Bi、Se、As、Sc、Ag、Cd、Hf、Re、Au、Ac、Tc、TeおよびRhからなる群から選択された少なくとも1種を挙げることができる。なかでも、金属錯体色素として、フタロシアニン系色素またはルテニウム系色素に金属が配位したものを用いることが好ましく、ルテニウム系金属錯体色素を用いることが特に好ましい。
ルテニウム系金属錯体色素としては、たとえば、Solaronix社製の商品名Ruthenium535色素、Ruthenium535−bisTBA色素、またはRuthenium620−1H3TBA色素などの市販のルテニウム系金属錯体色素を用いることができる。
(多孔質絶縁層)
多孔質絶縁層5は、光電変換層4上に設けられている。多孔質絶縁層5としては、たとえば、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、シリカガラスまたはソーダガラスなどの酸化ケイ素、酸化アルミニウムおよびチタン酸バリウムからなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。
(触媒層)
多孔質絶縁層5のうち第2基板2に対向する面には、触媒層6が設けられている。触媒層6としては、たとえば、白金、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブおよびフラーレンからなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。
(第2導電層)
第2導電層7の一端は、第1導電層3のうち第2領域3bに電気的に接続されている。また、第2導電層7の他端は、触媒層6に電気的に接続されている。第2導電層7としては、導電性を有するものであれば特に限定されず、たとえば第1導電層3と同様の材料を用いてもよい。第2導電層7の厚さは、0.02〜5μmであることが好ましい。第2導電層7の電気抵抗は低いほど好ましく、40Ω/□以下であることが好ましい。
(絶縁部)
絶縁部10は、溝部11上に設けられており、かつ第1領域3aの表面であって、光電変換層4が配置されていない表面の少なくとも一部を被覆する。絶縁部10は、さらに、第1領域3aおよび第2領域3bの間に位置する第1基板1の表面を被覆することが好ましい。
さらに絶縁部10のうち、光電変換層4の凹形状の面に接する面は、凹形状に対応するように、外側に突出した凸形状となっている。これにより、絶縁部10は光電変換層4の中央部分側へ食い込むように位置することとなる。
また、第1基板1に対し、第2基板2側から、光電変換層4および絶縁部10を投影したときの各投影像に関し、図2に示すように、絶縁部10の投影像の一部は光電変換層4の投影像に重なる。なお、図2中ハッチングで示す領域が、絶縁部10の投影像と光電変換層4の投影像とが重なる領域である。
また、絶縁部10は、多孔質絶縁層5よりも緻密な構造を有する。ここで、緻密な構造とは、多孔質絶縁層5が導電性粒子の通り抜けが可能な構造(すなわち多孔質体)であるのに対し、絶縁部10は、導電性粒子の通り抜けができない構造であることを意味する。すなわち、絶縁部10は多孔質絶縁層5よりも小さい空隙率を有する。多孔質絶縁層5の空隙率が一般的に60%程度であるのに対し、絶縁部10の空隙率は、0〜50%であることが好ましく、0〜10%であることがより好ましい。また、絶縁部10の空隙の孔径は、多孔質絶縁層5の空隙の孔径よりも小さいことが好ましい。このような絶縁部10には、たとえばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソブチレン樹脂、ホットメルト樹脂、またはガラスフリット等を用いることができ、なかでも耐熱性および耐薬品性の点から、ガラスフリットを用いることが好ましい。
(封止材)
封止材8は、第1基板1と第2基板2とを間隔を空けて向かい合うように保持するものである。具体的には、第2基板2と第1導電層3(第1領域3a)とを接合し、かつ第2基板2と第2導電層7とを接合することによって、第1基板1と第2基板2とを接合している。これにより、第1基板1と、第2基板2と、封止材8とによって取り囲まれる領域が封止される。
封止材8は、絶縁性であればよく、なかでも、製造が容易である観点から、紫外線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂等からなることが好ましい。具体的には、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソブチレン系樹脂、ホットメルト樹脂又はガラスフリット等からなることが好ましい。
(電解質)
電解質9は、第1基板1と、第2基板2と、封止材8とによって取り囲まれる領域に充填されている。電解質9としては、少なくとも流動性を有する電解質を用いることができ、たとえば電解液などの液体電解質を好適に用いることができる。液体電解質は、酸化還元種を含む液状物であればよく、たとえば、酸化還元種と、酸化還元種を溶解可能な溶剤とからなる液体電解質を用いることができる。
酸化還元種としては、たとえば、I-/I3-系、Br2-/Br3-系、Fe2+/Fe3+系、キノン/ハイドロキノン系などを用いることができる。より具体的には、酸化還元種としては、ヨウ化リチウム(LiI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化カルシウム(CaI2)などの金属ヨウ化物とヨウ素(I2)との組み合わせを用いることができる。また、テトラエチルアンモニウムアイオダイド(TEAI)、テトラプロピルアンモニウムアイオダイド(TPAI)、テトラブチルアンモニウムアイオダイド(TBAI)、テトラヘキシルアンモニウムアイオダイド(THAI)などのテトラアルキルアンモニウム塩とヨウ素との組み合わせを用いることもできる。さらに、臭化リチウム(LiBr)、臭化ナトリウム(NaBr)、臭化カリウム(KBr)、臭化カルシウム(CaBr2)などの金属臭化物と臭素との組み合わせを用いることもできる。なかでも、酸化還元種としては、LiIとI2との組み合わせを用いることが特に好ましい。
酸化還元種の溶剤としては、たとえば、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、アセトニトリルなどのニトリル化合物、エタノールなどのアルコール類、水および非プロトン極性物質からなる群より選択された少なくとも1種を含む溶剤を用いることが好ましく、なかでも、カーボネート化合物若しくはニトリル化合物を単独で、または混合して用いることがより好ましい。
なお、図1においては、電解質9は、上記領域のうち部材が配置されていない領域のみに配置されているように図示されている。しかしながら、光電変換層4、多孔質絶縁層5、触媒層6、第2導電層7には、それぞれ複数の孔があるため、電解質9は、それぞれの複数の孔の内部にも存在している。
<光電変換素子の製造方法>
実施形態1の光電変換素子の製造方法は、図3に示すように、第1導電層の形成工程(S1)と、第1の多孔質半導体層の形成工程(S2)と、絶縁部の形成工程(S3)と、第2の多孔質半導体層の形成工程(S4)と、多孔質絶縁層の形成工程(S5)と、触媒層の形成工程(S6)と、第2導電層の形成工程(S7)と、光増感剤の設置工程(S8)と、第2基板の設置工程(S9)と、電解質の注入工程(S10)とを含んでいる。
以下、図1および図3〜図11を用いながら、実施形態1の光電変換素子の製造方法の一例について説明する。なお、実施形態1の光電変換素子の製造方法には、S1〜S10以外の工程が含まれていてもよく、工程の順序も以下に説明する工程の順序に限定されないことは言うまでもない。
(第1導電層の形成工程)
まず、図3および図4に示すように、第1基板1上に第1導電層3を形成する(ステップS1)。たとえば、スパッタ法、スプレー法、スクリーン印刷法などの方法により、第1基板1上に、第1導電層3の材料からなる層(導電層形成用層)を1つ形成し、導電層形成用層のうち、溝部11に相当する部分の導電層形成用層を、レーザー光照射等により除去する。これにより、溝部11によって第1領域3aおよび第2領域3bに分断された第1導電層3が形成される。また、第1基板1上に第1領域3aおよび第2領域3bからなる第1導電層3が予め設けられた基板を用意してもよい。
(第1の多孔質半導体層の形成工程)
次に、図3および図5に示すように、第1導電層3上に、第1の多孔質半導体層40を形成する(ステップS2)。第1の多孔質半導体層40を形成する方法としては、特に限定されず、従来から公知の方法を用いることができる。たとえば、半導体微粒子を含有する懸濁液を第1導電層3(第1領域3a)上に塗布し、乾燥および焼成の少なくとも一方を行う方法などを用いることができる。
(絶縁部の形成工程)
次に、図3および図6に示すように、絶縁部10を形成する(ステップS3)。絶縁部10を形成する方法としては、特に限定されず、従来から公知の方法を用いることができる。たとえば、絶縁部10の材料となるガラスフリットを含むガラスペーストを所定の位置にスクリーン印刷法を用いて塗布し、乾燥を行う方法などを用いることができる。
(第2の多孔質半導体層の形成工程)
次に、図3および図7に示すように、第1の多孔質半導体層40上に、さらに第2の多孔質半導体層を形成する(ステップS4)。第2の多孔質半導体層は、第1の多孔質半導体層40と同様の方法により形成することができる。これにより、光電変換層4の母体となる多孔質半導体層が形成される。
(多孔質絶縁層の形成工程)
次に、図3および図8に示すように、多孔質絶縁層5を形成する(ステップS5)。多孔質絶縁層5の形成方法は特に限定されず、たとえば上記の多孔質半導体層と同様の方法で形成することができる。
(触媒層の形成工程)
次に、図3および図9に示すように、触媒層6を形成する(ステップS6)。触媒層6の形成方法は特に限定されず、従来から公知の方法を用いることができる。
(第2導電層の形成工程)
次に、図3および図10に示すように、第2導電層7を形成する(ステップS7)。第2導電層7を形成する方法は特に限定されず、従来から公知の方法を用いることができる。
(光増感剤の設置工程)
次に、図3に示すように、多孔質半導体層に光増感剤を設置する(ステップS8)。具体的には、多孔質半導体層に光増感剤としての増感色素を吸着させることにより、多孔質半導体層に光増感剤が設置されてなる光電変換層4を形成することができる。
多孔質半導体層に増感色素を吸着させる方法としては、たとえば、増感色素を溶解させた色素吸着用溶液に多孔質半導体層を浸漬する方法を用いることができる。増感色素を溶解させた色素吸着用溶液に多孔質半導体層を浸漬する際に、色素吸着用溶液を多孔質半導体層の孔の内部の奥まで浸透させるために、色素吸着用溶液を加熱してもよい。
(第2基板の設置工程)
次に、図3および図11に示すように、第1基板1の上方に第2基板2を設置する(ステップS9)。
まず、光電変換層4の外縁から間隔を空けて、光電変換層4の周囲を取り囲むように、封止材8の前駆体を塗布する。封止材8の前駆体の塗布方法は特に限定されず、たとえばディスペンサーを用いて、第1導電層3上および第2導電層7上に塗布することができる。なお、本明細書において、封止材8の前駆体は、硬化前の樹脂を意味しており、封止材8は、硬化後の樹脂を意味している。
次に、第2基板2を、第1基板1と向かい合うようにして、封止材8の前駆体上に設置する。そして、封止材8の前駆体に紫外線を照射する、または熱を加える。これにより、封止材8の前駆体が硬化して、封止材8が形成され、かつ第1基板1および第2基板2が相互に接合される。
(電解質の注入工程)
次に、図3に示すように、第1基板1と第2基板2と封止材8とによって取り囲まれる領域に、電解質9を注入する(ステップS10)。たとえば、第2基板2に電解質9の注入用の孔を設け、当該孔から電解質9を注入するという注入方法により行うことができる。以上により、実施形態1の光電変換素子を作製することができる。
<作用効果>
実施形態1の作用効果について、図12に示す従来の光電変換素子と比較しながら説明する。
図12に示されるように、従来の光電変換素子においては、溝部11の表面および領域Aに位置する第1領域3aの表面は、多孔質絶縁層5によって被覆され、これにより、第1領域3aと第2領域3bとの内部短絡、および第1領域3aと第2導電層7との内部短絡が抑制されていた。
しかし、多孔質絶縁層5の多孔質という特性上、多孔質絶縁層5の細孔等の状態によって、導電性粒子が多孔質絶縁層5を通り抜けて領域Aに位置する第1領域3aに到達してしまう場合があった。特に、領域A近傍の多孔質絶縁層5は、段差を有する等の複雑な形状を有しているため、形成不良が生じやすい。このような形成不良は、光電変換素子の内部短絡の原因となる。
また、光電変換素子は、スパッタ法、スプレー法、スクリーン印刷法等の各種方法を用いて、基板上に各部を配置していくことによって製造されるが、多孔質絶縁層5の配置が所定の位置からずれてしまった場合には、領域Aに位置する第1領域3aが多孔質絶縁層5によって被覆されないことが起こり得る。このような光電変換素子は、内部短絡を起こす不良品となる。
これに対し、図1に示されるように、実施形態1の光電変換素子において、溝部11には、領域Aに位置する第1領域3aを被覆する絶縁部10が配置されており、絶縁部10は、多孔質絶縁層5よりも緻密な構造を有する。これにより、内部短絡を引き起こしやすい領域Aに位置する第1領域3aを、緻密な絶縁部10によって被覆することができる。
さらに、図2に示されるように、実施形態1の光電変換素子において、第1基板1に対し、第2基板2側から、光電変換層4および絶縁部10を投影したとき、絶縁部10の投影像の一部は、光電変換層4の投影像に重なる。すなわち、第1基板1の主面(各部が配置される面)に垂直な方向(第2基板側)から各部を見下ろした場合に、絶縁部10は、光電変換層4が配置される領域にまで食い込んでいることとなる。これにより、製造工程において各部の配置が多少ずれた場合であっても、領域Aに位置する第1領域3aの露出(絶縁部10によって被覆されていない状態を意味する)を抑制することができる。
したがって、実施形態1の光電変換素子によれば、絶縁部10によって、光電変換層4が配置されていない第1領域3aへの導電性粒子の到達を抑制することができ、もって内部短絡を抑制することができる。
実施形態1において、第1基板1に対し、第2基板2側から、光電変換層4および絶縁部10を投影したときの、絶縁部10の投影像と光電変換層4の投影像との重なる領域の幅(図2の左右方向)は、100〜500μmであることが好ましい。100μm以上とすることにより、各部の配置ずれによる第1領域3aの露出の可能性を十分に低減することができ、500μm以下とすることにより、絶縁部10の配置に伴う光電変換層4の体積の不要な減少を抑制できる。
また実施形態1において、絶縁部10が第2基板2と対向する面10aを有し、かつ、面10aと第1面4aとが同一面内に含まれることが好ましい。換言すれば、面10aおよび第1面4aは面一であることが好ましい。この場合、絶縁部10と光電変換層4との間に生じる不要な段差による、多孔質絶縁層5および第2導電層7等の形成不良の恐れを排除できる。
また実施形態1において、絶縁部10は、図1に示されるように、溝部11と、第1導電層3と、光電変換層4と、第2導電層7とに取り囲まれる領域の全域に配置されていることが好ましい。この場合、領域A近傍であって、光電変換層4が配置されない第1導電層3の表面の全てを絶縁部10によって被覆することができる。さらに、多孔質絶縁層5の形状、第2導電層7の形状の複雑化を抑制できるため、これらの形成不良の恐れを排除できる。
また実施形態1において、絶縁部10の屈折率n10は、光電変換層4の屈折率n4よりも小さいことが好ましい。この場合、光電変換効率を向上させることができる。この理由について以下に説明する。
光電変換素子においては、光電変換層4内に入射した光が、光電変換層4内の光増感剤に吸収されることにより、光電変換が引き起こされる。このため、光電変換層4内に入射した光の光電変換層4内における移動距離(通過距離)が長いほど、光電変換効率は向上することとなる。
しかし、従来の光電変換素子においては、領域A近傍の光電変換層4は、その製造法上、中央部分よりも小さい厚みを有する傾向がある。たとえば図12においては、光電変換層4は第1導電層3側から多孔質絶縁層5側に向けて徐々に面積が小さくなっているため、光電変換層4の端部の厚みは、光電変換層の中央部分の厚みよりも小さい。
このため、光電変換層4のうち領域A近傍の端部部分に入射した光と、光電変換層4のうち中央部分に入射した光とが、各々光電変換層4の厚み方向に平行に進行していく場合を比較すると、前者の光の光電変換層4内での移動距離は、後者の光の光電変換層4内での移動距離よりも短くなる傾向がある。
これに対し、実施形態1の光電変換素子は、領域A近傍の光電変換層4の内側に食い込むように配置される絶縁部10を有する。このような構造において、屈折率n10<屈折率n4を満たす場合、光電変換層4のうち領域A近傍に入射した光は、図13に示すように進行することができる。
図13は、実施形態1の光電変換素子において、光電変換層4から絶縁部10に向かう光の進行方向を示す模式図である。矢印は、領域A近傍の第1基板1側から光電変換層4内に入射した光が、光電変換層4内および絶縁部10内をどのように進行していくかを示している。
図13に示されるように、屈折率n10<屈折率n4の場合、光電変換層4と絶縁部10との界面に入射した光は、スネルの法則により、実線の矢印で示すように、入射角θBよりも大きな出射角θAでこの界面から出射される。さらに、出射された光が次の界面に到達した場合には、スネルの法則により、入射角θCよりも小さな出射角θDで、この界面から出射される。なお、図中点線の矢印で示す光は、屈折率n10=屈折率n4の場合の光の進行方向を示している。
このように、実施形態1において屈折率n10<屈折率n4が満たされる場合、光電変換層4のうち領域A近傍に入射した光の一部は、光電変換層4と絶縁部10との界面を少なくとも1回通過する際に、光電変換層4の中央部分側に向けて屈折することができる。屈折した光の光電変換層4内における移動距離は、屈折しない場合と比べて長くなる。したがって、実施形態1の光電変換素子が屈折率n10<屈折率n4を満たす場合には、光電変換効率を向上させることができる。
屈折率n10<屈折率n4を満たすような光電変換層4および絶縁部10の組み合わせとしては、光電変換層4の母体となる多孔質半導体層の材料を酸化チタンとし、絶縁部10の材料をビスマス系ガラスフリットを含むガラスペーストとする場合が挙げられる。また、絶縁部10の材料をリン酸系ガラスフリットを含むガラスペーストとしてもよい。
[実施形態2]
図14に、実施形態2の光電変換素子の模式的な断面図を示す。図14に示されるように、光電変換層4のうち、少なくとも溝部11と略平行の一辺側には、中央部分側から端部側に向けて、その厚みが小さくなる領域Bが存在する。このような形状の光電変換層4は、スクリーン印刷法により容易に形成される。
絶縁部10は、溝部11上に設けられており、かつ第1領域3aの表面であって、光電変換層4が配置されていない表面の少なくとも一部を被覆する。さらに絶縁部10は、光電変換層4のうち、領域B(光電変換層4と絶縁部10との境界を含む領域)に含まれる光電変換層4を構成する面(溝部11と略平行の一辺側の面)の形状に対応した形状となっている。これにより、絶縁部10は光電変換層4の中央部分側に食い込むように位置することとなる。
光電変換層4および絶縁部10が上記のような形状を有することにより、第1基板1に対し、第2基板2側から、光電変換層4および絶縁部10を投影したときの各投影像に関して、絶縁部10の投影像の一部は光電変換層4の投影像に重なることとなる。
実施形態2の光電変換素子によれば、絶縁部10によって、光電変換層4が配置されていない第1領域3aへの導電性粒子の到達を抑制することができ、もって内部短絡を抑制することができる。
また実施形態2において、屈折率n10<屈折率n4であることが好ましく、この場合、光電変換効率を向上させることができる。この理由について図15を用いながら説明する。
図15は、実施形態2の光電変換素子において、光電変換層4から絶縁部10に向かう光の進行方向を示す模式図である。矢印は、領域B近傍の第1基板1側から光電変換層4内に進入した光がどのように進行していくかを示している。
図15に示されるように、屈折率n10<屈折率n4の場合、光電変換層4と絶縁部10との界面に入射した光の一部は、界面において反射され、光電変換層4の中央部分側へと進行してくことができる。なお、図中点線の矢印で示す光は、屈折率n10=屈折率n4の場合の光の進行方向を示している。
すなわち、実施形態2において屈折率n10<屈折率n4が満たされる場合、光電変換層4のうち領域B近傍に入射した光の一部は、光電変換層4と絶縁部10との界面において、光電変換層4の中央部分側に向けて反射することができる。反射した光の光電変換層4内における移動距離は、反射しない場合と比べて長くなる。したがって、実施形態2の光電変換素子が屈折率n10<屈折率n4を満たす場合には、光電変換効率を向上させることができる。
なお、光電変換層4のうち、少なくとも溝部11と略平行の一辺側において、絶縁部10の代わりに従来のように多孔質絶縁層5が配置されている場合、多孔質絶縁層5の多孔質という特性上、光の反射効率は低い傾向がある。このため、上記のような反射の効果は期待できない。
実施形態2における上記以外の説明は、実施形態1と同様であるため、その説明については繰り返さない。
[実施形態3]
図16に、実施形態3の光電変換素子の模式的な断面図を示す。実施形態3は、絶縁部10と光電変換層4との間に、多孔質絶縁層5の一部が介在している点で、実施形態2と相違する。実施形態3の光電変換素子においても、実施形態1および実施形態2と同様の理由により、内部短絡を抑制することができる。
実施形態3において、絶縁部10のうちの第2基板2と対向する面10aと、多孔質絶縁層5のうちの第2基板2と対向する面5aとが、同一面内に含まれることが好ましい。換言すれば、面10aおよび面5aは面一であることが好ましい。この場合、絶縁部10と多孔質絶縁層5との間に生じる不要な段差による、触媒層6および第2導電層7等の形成不良の恐れを排除できる。
また実施形態3において、屈折率n10<屈折率n4であることが好ましく、この場合、実施形態2と同様の理由により、光電変換効率を向上させることができる。
また実施形態3において、さらに、多孔質絶縁層5のうち、少なくとも絶縁部10と光電変換層4との間に位置する多孔質絶縁層5は、光散乱粒子を含むことが好ましい。光散乱粒子は、たとえば、多孔質絶縁層5内に分散されて存在することができる。
光散乱粒子としては、多孔質絶縁層5と異なる屈折率を有する材料を用いることができ、たとえば酸化チタンまたは酸化アルミニウムが好ましい。光散乱粒子の大きさは、たとえば直径300〜1000nmの球体とすることが好ましい。なお、ここでの球体とは、真球のみを意味するものではなく、その表面に凹凸があってもよい。また、光散乱粒子の取り得る他の好ましい形状としては、フレーク形状、楕円形状等が挙げられる。
実施形態3において、絶縁部10と光電変換層4との間の多孔質絶縁層5内に、上記のような光散乱粒子が含まれることによって、光電変換素子の光電変換効率をさらに向上させることができる。その理由を以下に説明する。
屈折率n10<屈折率n4であり、かつ絶縁部10と光電変換層4との間に位置する多孔質絶縁層5に光散乱粒子が存在する場合、光電変換層4から多孔質絶縁層5内への進行した光の一部は、光散乱粒子の表面に入射することにより、その進行方向が散乱(屈折)されることとなる。
光散乱粒子によって、第1基板1側から入射した光の進行方向が散乱されることにより、光電変換層4と多孔質絶縁層5との界面における光の入射角が、散乱されない場合と比べて大きくなる確率が向上する。界面における光の入射角が大きいほど、界面における光の反射効率が向上するため、結果的に、光電変換効率をさらに向上させることができる。
光散乱粒子は、さらにシリカ、ジルコニア等の絶縁性材料によりコーティングされていてもよい。これにより、光散乱粒子の存在に起因する多孔質絶縁層5の抵抗値の低下を抑制することができる。また光散乱粒子は、多孔質絶縁層5中に分散される代わりに、多孔質絶縁層5内において、1つ以上の層を構成していてもよい。
実施形態3における上記以外の説明は、実施形態1および実施形態2と同様であるため、その説明については繰り返さない。
[実施形態4]
図17に、実施形態4の光電変換素子の模式的な断面図を示し、図18に、実施形態4の光電変換素子であって、第1基板に対し、第2基板側から光電変換層および絶縁部を投影したときの各投影像を示す模式的な平面図を示す。
図17および図18を参照し、実施形態4においては、光電変換層4の側面の全てが、光電変換層4の中央部分側にえぐれた凹形状となっている。絶縁部10は、実施形態1の構成を満たすことに加え、さらに、光電変換層4の側面(外周)の全てに接するように配置されており、かつ光電変換層4の凹形状に対応する凸形状を有している。
すなわち、実施形態4の光電変換素子は、実施形態1の絶縁部10が、光電変換層4のうち溝部11近傍の一辺側のみでなく、光電変換層4の4辺の全てに配置されている点で、実施形態1と相違する。
光電変換素子においては、領域A近傍が最も内部短絡の発生の恐れが高い領域であると考えられるものの、光電変換層4の外周においても、各部の配置のずれに起因する内部短絡の発生が懸念される。これに関し、実施形態4によれば、光電変換層4の外周において起こり得る内部短絡の発生を抑制することができる。
実施形態4における上記以外の説明は、実施形態1と同様であるため、その説明については繰り返さない。
[実施形態5]
図19に、実施形態5の光電変換素子の模式的な断面図を示す。図19を参照し、実施形態5の光電変換素子は、実施形態2の絶縁部10が、光電変換層4のうち溝部11近傍の一辺側のみでなく、光電変換層4の4辺の全てに配置されている点で、実施形態2と相違する。実施形態5によれば、光電変換層4の外周において起こり得る内部短絡の発生を抑制することができる。
実施形態5における上記以外の説明は、実施形態2と同様であるため、その説明については繰り返さない。
[実施形態6]
図20に、実施形態6の光電変換素子の模式的な断面図を示す。図20を参照し、実施形態6の光電変換素子は、実施形態3の絶縁部10が、光電変換層4のうち溝部11近傍の一辺側のみでなく、光電変換層4の4辺の全てに配置されている点で、実施形態3と相違する。実施形態6によれば、光電変換層4の外周において起こり得る内部短絡の発生を抑制することができる。
実施形態6における上記以外の説明は、実施形態2と同様であるため、その説明については繰り返さない。
[実施形態7]
図21に、実施形態7の光電変換モジュールの模式的な断面図を示す。図21を参照しながら、実施形態7の光電変換モジュールの構造について説明する。
実施形態7の光電変換モジュールは、複数の光電変換セル100a,100b,100c(100a〜100c)、すなわち実施形態1の光電変換素子を備えていることを特徴としている。光電変換セル100a〜100cは、封止材8によって個々のセルに仕切られている。複数の光電変換セル100a〜100cは、それぞれ、第1基板1上に、第1導電層3と、光電変換層4と、多孔質絶縁層5と、触媒層6と、第2導電層7とを備えているとともに、第1基板1と第2基板2と封止材8とによって取り囲まれた領域に充填された電解質9を備えている。
また、光電変換セル100aの第1領域3aと光電変換セル100bの第2導電層7とが電気的に接続されることによって、光電変換セル100aと光電変換セル100bとが電気的に直列に接続されている。また、光電変換セル100bの第1領域3aと光電変換セル100cの第2導電層7とが電気的に接続されることによって、光電変換セル100bと光電変換セル100cとが電気的に直列に接続されている。これにより、光電変換セル100a〜100cは直列に接続されている。
実施形態7における上記以外の説明は、実施形態1と同様であるため、その説明については繰り返さない。
<実施例1>
図17および図18に示す構造を有する実施形態4の光電変換素子を、図2に示すフローチャートにしたがって作製した。
(第1導電層の形成工程)
まず、長さ120mm×幅420mmの大きさの表面を有する日本板硝子株式会社製のSnO2膜付きガラス基板を用意し、レーザースクライブ法により直列接続方向と垂直な方向に沿って、直線状にSnO2膜を除去した。これにより、SnO2膜の除去部分である溝部11がストライプ状に形成され、第1基板1としてのガラス基板上に、第1領域3aおよび第2領域3bからなる第1導電層3としてのSnO2膜をストライプ状に形成した。
(第1の多孔質半導体層の形成工程)
次に、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業株式会社製、LS−34TVA)を用いて、市販の酸化チタンペースト(Solaronix社製、商品名:Ti−Nanoxide D/SP、平均粒径:13nm)を第1領域3aに相当するSnO2膜上に塗布した。
次に、室温にて酸化チタンペーストを1時間レベリングを行なって得られた塗膜を、80℃で20分間予備乾燥して、450℃で1時間焼成を行なった。酸化チタンペーストの塗布工程、レベリング工程、予備乾燥工程、および焼成工程をこの順に繰り返すことによって、厚さ6μmの酸化チタンからなる第1の多孔質半導体層を形成した。
(絶縁部の形成工程)
次に、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業株式会社製、LS−34TVA)を用いて、ガラスフリットを含むガラスペースト(旭硝子株式会社製、ガラス転移温度:450℃、軟化点:510℃)を絶縁部10に相当する位置に塗布した。次に、室温にてガラスペーストを1時間レベリングを行って得られた塗膜を、80℃で20分間予備乾燥して、540℃で1時間焼成を行った。上記の形成方法によれば、ガラスペーストが溶融した後に凝固しているため、後に形成される多孔質絶縁層よりも空隙率が小さい絶縁部が形成された。
(第2の多孔質半導体層の形成工程)
次に、第1の多孔質半導体層の形成工程と同様の工程により、厚さ6μmの酸化チタンからなる第2の多孔質半導体層を形成した。第1の多孔質半導体層と第2の多孔質半導体層とからなる多孔質半導体層は、光電変換層4の母体となる。
(多孔質絶縁層の形成工程)
次に、粒径が100nmの酸化ジルコニウムの微粒子(シーアイ化成株式会社製、融点2700℃)を含むペーストを上記と同様の方法で調製した。多孔質半導体層の作製に用いたスクリーン版とスクリーン印刷機(ニューロング精密工業製、LS−34TVA)とを用いて、多孔質半導体層上に調製したペーストを塗布した。室温にて1時間レベリングを行なった後、80℃で20分間予備乾燥し、450℃で1時間焼成を行なった。この工程により、多孔質半導体層上に、厚さ5μmの多孔質絶縁層5を形成した。
(触媒層の形成工程)
次に、電子ビーム蒸着器EVD−500A(ANELVA社製)を用いて、白金を0.1Å/Sの蒸着速度で蒸着させることによって、多孔質絶縁層5上に、厚さ5nmの白金膜からなる触媒層6を形成した。
(第2導電層の形成工程)
次に、電子ビーム蒸着器EVD−500A(ANELVA社製)を用いて、チタン(Ti)を0.1Å/Sの蒸着速度で蒸着させることによって、触媒層6上に、厚さ2μmのTi膜からなる第2導電層7を形成した。
(光増感剤の設置工程)
次に、増感色素として、Ruthenium620−1H3TBA色素(Solaronix社製)を用い、これのアセトニトリル(Aldrich Chemical Company製)/t−ブチルアルコール(Aldrich Chemical Company製)の1:1溶液(増感色素の濃度;4×10-4モル/リットル)を調製した。この溶液に多孔質半導体層を浸漬し、40℃の温度条件のもとで20時間放置した。その後、多孔質半導体層をエタノール(Aldrich Chemical Company製)で洗浄した後に乾燥した。このように、多孔質半導体層に増感色素を吸着させることによって、第1導電層3上に光電変換層4を形成した。
(電解質の注入工程)
次に、封止材8の前駆体として、紫外線硬化樹脂(TB3035B(スリーボンド社製))を上述のように積層した光電変換層4、多孔質絶縁層5、触媒層6、第2導電層7、および絶縁部10の積層体を取り囲むように第1導電層3上に塗布した。
次に、第1基板1と向かい合うようにして、封止材8の前駆体の表面上に、ガラス基板である第2基板2を設置して、第1基板1と第2基板2とを貼り合わせた。
次に、電解質9として、溶媒にアセトニトリルを用いて、その中に1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾールアイオダイド(1,2-dimethyl-3-propylimidazolium iodide(四国化成工業株式会社製))を0.6モル/リットル、LiI(Aldrich Chemical Company製)を0.1モル/リットル、4−tert−ブチルピリジン(4-tert-butylpyridine(Aldrich Chemical Company製))を0.5モル/リットル、I2(東京化成工業株式会社製)を0.01モル/リットル溶解させた酸化還元性電解液を用意した。そして、第2基板2に予め設けられた電解質9の注入用の孔から、第1基板1と第2基板2との間の封止材8で仕切られた空間に、電解質9を注入した。以上により、実施例1の光電変換素子を作製した。
実施例1において、第1基板1に対し、第2基板2側から光電変換層4および絶縁部10を投影したときの光電変換層4および絶縁部10の投影像は図18に示すように重なることとなった。また、その重なる領域の幅は、それぞれ200μmであった(なお、4辺において重なる領域の幅は同じであった)。
<比較例1>
第2の多孔質半導体層の形成工程および絶縁部の形成工程を実施せず、第1の多孔質半導体層の形成工程において、厚さ12μmの酸化チタンからなる多孔質半導体層を形成した以外は、実施例1と同様の方法により、図12に示す光電変換素子を作製した。
<評価>
実施例1および比較例1の各光電変換素子を52個ずつ準備し、テスターを用いて内部短絡の有無を確認した。具体的には、第1導電層3の第1領域3aと第2領域3bとのそれぞれにテスターのプローブを当接させて、両者間の抵抗を測定した。その結果、実施例1においては、全ての光電変換素子で数十MΩ以上の抵抗が計測された。これに対し、比較例1においては、12個の光電変換素子で数十kΩ程度の抵抗が計測され、40個の光電変換素子で数十Ωの抵抗が測定された。
上記計測結果から、実施例1においては、全ての光電変換素子において内部短絡が抑制されていることが確認された。一方、比較例1においては、52個中の40個の光電変換素子において、抵抗値が数十Ω程度であったことから、内部短絡が起こっていると考えられた。また、比較例1の光電変換素子のうち12個の光電変換素子(数十kΩの抵抗を示したもの)は、内部短絡は起こっていないと考えられるものの、実施例1の光電変換素子と比較して抵抗値が低いことが確認された。
[付記]
(1)ここで開示された実施形態の光電変換素子において、絶縁部および光電変換層は、第2基板と対向する面を各々有し、対向する面の各々は、同一面内に含まれることが好ましい。
(2)ここで開示された実施形態の光電変換素子において、絶縁部および多孔質絶縁層は、第2基板と対向する面を各々有し、対向する面の各々は、同一面内に含まれることが好ましい。
以上のように各実施形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施形態の構成および実施例を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
ここで開示された実施形態および実施例は、いわゆるモノリシック構造の光電変換素子および光電変換モジュールに利用することができ、特に、色素増感太陽電池、および色素増感太陽電池モジュールに利用することができる。
1 第1基板、2 第2基板、3 第1導電層、3a 第1領域、3b 第2領域、4 光電変換層、4a 第1面、4b 第2面、5 多孔質絶縁層、6 触媒層、7 第2導電層、8 封止材、9 電解質、10 絶縁部、11 溝部、5a,10a 面、100a,100b,100c 光電変換セル。

Claims (8)

  1. 第1基板と、
    前記第1基板と間隔を空けて向かい合う第2基板と、
    前記第1基板上に位置する第1導電層と、
    前記第1導電層上に位置する光電変換層と、
    前記光電変換層上に位置する多孔質絶縁層と、
    前記多孔質絶縁層上に位置する第2導電層と、
    前記第1基板と前記第2基板との間を取り囲む封止材と、
    前記第1基板、前記第2基板、および前記封止材によって取り囲まれた領域内に充填される電解質と、を備え、
    前記光電変換層は、多孔質半導体層と、前記多孔質半導体層に設けられた光増感剤とを備え、
    前記第1導電層は、溝部によって、前記光電変換層が配置される第1領域と、前記光電変換層が配置されない第2領域とに分割されており、
    前記溝部上には、前記第1領域の表面であって前記光電変換層が配置されていない表面を被覆する絶縁部が配置されており、
    前記絶縁部は、前記多孔質絶縁層よりも緻密な構造を有し、
    前記第1基板に対し、前記第2基板側から、前記光電変換層および前記絶縁部を投影したときに、前記絶縁部の投影像の一部は、前記光電変換層の投影像に重なり、
    前記絶縁部の屈折率は、前記光電変換層の屈折率よりも小さい、光電変換素子。
  2. 第1基板と、
    前記第1基板と間隔を空けて向かい合う第2基板と、
    前記第1基板上に位置する第1導電層と、
    前記第1導電層上に位置する光電変換層と、
    前記光電変換層上に位置する多孔質絶縁層と、
    前記多孔質絶縁層上に位置する第2導電層と、
    前記第1基板と前記第2基板との間を取り囲む封止材と、
    前記第1基板、前記第2基板、および前記封止材によって取り囲まれた領域内に充填される電解質と、を備え、
    前記光電変換層は、多孔質半導体層と、前記多孔質半導体層に設けられた光増感剤とを備え、
    前記第1導電層は、溝部によって、前記光電変換層が配置される第1領域と、前記光電変換層が配置されない第2領域とに分割されており、
    前記溝部上には、前記第1領域の表面であって前記光電変換層が配置されていない表面を被覆する絶縁部が配置されており、
    前記絶縁部は、前記多孔質絶縁層よりも緻密な構造を有し、
    前記第1基板に対し、前記第2基板側から、前記光電変換層および前記絶縁部を投影したときに、前記絶縁部の投影像の一部は、前記光電変換層の投影像に重なり、
    前記絶縁部は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソブチレン樹脂、ホットメルト樹脂およびガラスフリットからなる群より選ばれる1種以上を含む、光電変換素子。
  3. 第1基板と、
    前記第1基板と間隔を空けて向かい合う第2基板と、
    前記第1基板上に位置する第1導電層と、
    前記第1導電層上に位置する光電変換層と、
    前記光電変換層上に位置する多孔質絶縁層と、
    前記多孔質絶縁層上に位置する第2導電層と、
    前記第1基板と前記第2基板との間を取り囲む封止材と、
    前記第1基板、前記第2基板、および前記封止材によって取り囲まれた領域内に充填される電解質と、を備え、
    前記光電変換層は、多孔質半導体層と、前記多孔質半導体層に設けられた光増感剤とを備え、
    前記第1導電層は、溝部によって、前記光電変換層が配置される第1領域と、前記光電変換層が配置されない第2領域とに分割されており、
    前記溝部上には、前記第1領域の表面であって前記光電変換層が配置されていない表面を被覆する絶縁部が配置されており、
    前記絶縁部は、前記多孔質絶縁層よりも緻密な構造を有し、
    前記第1基板に対し、前記第2基板側から、前記光電変換層および前記絶縁部を投影したときに、前記絶縁部の投影像の一部は、前記光電変換層の投影像に重なり、
    前記多孔質絶縁層は、前記光電変換層および前記絶縁部の上に位置する、光電変換素子。
  4. 前記多孔質絶縁層の一部は、前記絶縁部と前記光電変換層との間に位置するとともに光散乱粒子を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  5. 前記光電変換層は、前記第1基板に対向する第1面と、前記第2基板に対向する第2面とを有し、
    前記第1基板に対し、前記第2基板側から、前記第1面、前記第2面および前記絶縁部を投影したときに、前記第2面の投影像は前記第1面の投影像に一致し、または内包され、かつ前記絶縁部の投影像の一部は前記第2面の投影像に重なる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  6. 前記絶縁部の空隙率は、前記多孔質絶縁層の空隙率よりも小さい、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  7. 前記多孔質半導体層は、第1の多孔質半導体層および第2の多孔質半導体層を含む2層以上の積層体で形成され、
    前記第1の多孔質半導体層は、前記第1導電層の前記第1領域に積層され、かつ、その一部が前記絶縁部に覆われており、
    前記第2の多孔質半導体層は、前記第1の多孔質半導体層よりも前記多孔質絶縁層に近い位置にあり、かつ、前記絶縁部の一部を覆っている、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光電変換素子を含む光電変換モジュール。
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