JP6578957B2 - タイヤの耐久性試験方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤの耐久性試験方法に関する。詳細には、ベルトの端でのルースに対する耐久性の試験方法に関する。
車両が走行中に路上の石や縁石等の突起を乗り越えることにより、タイヤが損傷を受けることがある。タイヤが受ける損傷の一つに、ブレーカーエッジルース(BEL)がある。これは、ベルトを構成する層の端(ここでは、ベルトの端と称される)において、ベルトのコードがその周囲のゴムから剥離する損傷である。このBELを抑えることがタイヤの耐久性の向上のために重要となる。BELに対する耐久性を精度よく評価できる評価方法が望まれている。
BELに対する耐久性評価のために、実際に車両をテストコースで走行させ、BELの発生の有無を確認する方法がある。しかし、この方法には、長い時間と多くの手間が必要となる。
BELに対する耐久性をより簡易に評価するために、タイヤを走行試験機のドラム上で走行させる方法がある。この方法では、タイヤには、走行時に、正規荷重と同程度又は正規荷重より高い荷重が負荷される。タイヤにBELが発生するまでの走行時間によって、耐久性の評価が行われる。この方法では、実使用状態における耐久性を精度よく反映させた結果が得られるかどうかが、重要となる。
走行試験機を使用したBELに対する耐久試験についての検討が、特開2005−188975公報に開示されている。この走行試験機では、損傷を短時間で発生させるために、その走行面上に、突起が設けられている。複数個の突起が、ベルトのコードの傾斜方向線に沿って配置されている。
特開2005−188975公報
実使用状態における耐久性を反映した、より精度のよいBELに対する耐久性の試験方法が求められている。
本発明の目的は、精度のよいBELに対する耐久性を試験する方法を提供することである。
本発明に係る試験方法は、タイヤの耐久性の試験方法である。この試験方法は、その走行面上でタイヤを走行させる走行試験機を使用する。この試験方法は、上記タイヤと上記走行面とを接触させる工程、上記タイヤに荷重を負荷する工程及び上記タイヤを上記走行面に対して走行させる工程を有する。上記走行面は、走行基準面とこの走行基準面から突出しているスラットとを備えている。上記スラットの上面は、第一面と、上記タイヤの軸方向においてこの第一面の内側に位置する第二面とを備えている。上記第二面は、上記タイヤの軸方向内側に向けて上記走行基準面側に傾斜している。
好ましくは、上記第二面と上記走行基準面とのなす角度は、10°以上35°以下である。
好ましくは、上記スラットの上記タイヤのトレッドと接触する角に、面取りが施されている。
好ましくは、上記タイヤのベルトが、このベルトを構成する層のうち最も大きな幅を有する層である最大幅層と、この最大幅層の半径方向外側に積層された最大幅外層とを備えている。上記スラットが上記タイヤと接触したとき、上記タイヤの軸方向において、上記第二面の外側端は上記最大幅層の端より外側に位置し、上記第二面の内側端は上記最大幅外層の端より内側に位置する。
好ましくは、上記走行基準面から上記第二面の軸方向外側端までの高さは、10mm以上30mm以下である。
好ましくは、上記第一面は、上記走行基準面に対して平行であるか又は上記タイヤの軸方向内側に向けて上記走行基準面側に傾斜している。上記第一面と上記走行基準面とのなす角度は、0°以上10°以下である。
本発明に係る走行試験機では、その走行面上でタイヤを走行させる走行試験機である。上記走行面は、走行基準面とこの走行基準面から突出するスラットとを備えている。上記スラットの上面は、第一面と、上記タイヤの軸方向においてこの第一面の内側に位置する第二面とを備えている。上記第二面は、上記タイヤの軸方向内側に向けて上記走行基準面側に傾斜している。
この試験方法で使用する走行試験機の走行面は、走行基準面とこの走行基準面から突出しているスラットとを備えている。スラットの上面は、第一面と、上記タイヤの軸方向においてこの第一面の内側に位置する第二面とを備えている。上記第二面は、上記タイヤの軸方向内側に向けて上記走行基準面側に傾斜している。第二面の軸方向内側端から外側端に向けて、スラットの高さは、高くなっている。この試験方法では、この形状を呈したスラットにより、トレッドのショルダー部近辺に、効果的に衝撃を与えることができる。このスラットにより、ベルトの端の近辺を、効果的に歪ませることができる。このスラットは、ベルトの端の近辺におけるルースを効果的に発生させる。この方法では、精度のよいBELに対する耐久性の試験が実現されている。
図1は、本発明の一実施形態に係る試験方法による試験の状況が模式的に示された図である。 図2は、図1の試験の状況を側面から見た図である。 図3は、タイヤ及び試験機の一部が拡大された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、この発明の一実施形態に係る試験方法による試験の状況が模式的に示されている。この実施形態では、ドラム型走行試験機2が使用されている。図2は、図1の試験の状況を側面から見た図である。図2には、タイヤ4とドラム型走行試験機2のドラム6のみが示されている。図3は、タイヤ4とドラム6の走行面8との接触部分が拡大された断面図である。この図は、タイヤ4の周方向に垂直な面で切った断面を表す。この図は、ドラム6の周方向に垂直な面で切った断面を表す。図3において、上下方向がタイヤ4の半径方向であり、左右方向がタイヤ4の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ4の周方向である。
図1及び2に示されるとおり、この走行試験機2は、その上でタイヤ4を走行させる走行面8を備えている。走行面8は、スラット10と走行基準面12とを備えている。スラット10は、走行基準面12から突出している。走行基準面12は、走行面8のうち、スラット10以外の部分である。
図2に示されるとおり、この実施形態では、ドラム6を側面から見たとき、スラット10の形状は、略台形である。この実施形態では、スラット10の形状は、略等脚台形である。図3に示されるとおり、スラット10の上辺(ドラム6の半径方向において外側の面)は、第一面14と第二面16とを備えている。この走行面8にタイヤ4が接触されたときのタイヤ4の軸方向において、第二面16は、第一面14の内側に位置している。この実施例では、スラット10の上面は、第一面14と第二面16とからなる。
図3に示されるとおり、第二面16は走行基準面12に対して傾斜している。第二面16は、タイヤ4の軸方向内側に向けて走行基準面12側に傾斜している。すなわち、第二面16の軸方向内側端から外側端に向けて、スラット10の高さは、高くなっている。
図2に示されるとおり、この実施形態では、走行面8は、2つのスラット10を備えている。これらのスラット10は、互いにドラム6の半周分離れて配置されている。走行面8が備えるスラット10の数は、2に限られない。スラット10の数は、1でもよい。走行面8が3以上のスラット10を備えていてもよい。
図3に示されるとおり、このタイヤ4は、トレッド18と、トレッド18の端からそれぞれ半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォール20と、トレッド18及びサイドウォール20の内側に沿って延びるカーカス22と、トレッド18の半径方向内側に位置しカーカス22の半径方向外側に積層されたベルト24と、カーカス22の内側に位置するインナーライナー26とを備えている。このタイヤ4は、チューブレスタイプである。このタイヤ4は、トラック、バス等に装着される。このタイヤ4は、重荷重用の空気入りタイヤ4である。
ベルト24は、半径方向においてトレッド18の内側に位置している。ベルト24は、半径方向においてカーカス22の外側に位置している。ベルト24は、カーカス22を補強する。この実施形態では、ベルト24は、第一層24a、第二層24b、第三層24c及び第四層24dからなる。このベルト24は4層から構成されている。このベルト24が3層で構成されてもよい。このベルト24が2層で構成されてもよい。このベルト24が5以上の層で構成されてもよい。
第一層24aは、半径方向においてベルト24の内側部分をなす。第一層24aは、赤道面においてカーカス22と積層されている。第二層24bは、第一層24aの半径方向外側に位置している。第二層24bは、第一層24aと積層されている。第三層24cは、第二層24bの半径方向外側に位置している。第三層24cは、第二層24bと積層されている。第四層24dは、第三層24cの半径方向外側に位置している。第四層24dは、第三層24cと積層されている。
図示されているように、軸方向において、第二層24bがベルト24をなす4層のうち最も大きな幅を有している。最も大きな幅を備える層は、最大幅層と称される。このタイヤ4では、第二層24bが最大幅層である。最大幅層の外側に積層されている層は、最大幅外層と称される。このタイヤ4では、第三層24cが最大幅外層である。ここでは、それぞれの層の端は、ベルト24の端と称される。
図示されていないが、第一層24a、第二層24b、第三層24c及び第四層24dのそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードは、赤道面に対して傾斜している。第二層24bのコードの赤道面に対する傾斜方向は、第一層24aのコードの赤道面に対する傾斜方向と同じである。第三層24cのコードの赤道面に対する傾斜方向は、第二層24bのコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。第四層24dのコードの赤道面に対する傾斜方向は、第三層24cのコードの赤道面に対する傾斜方向と同じである。それぞれの層において、コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、15°から70°である。コードの材質は、スチールである。
この発明の一実施形態に係るBELに対する耐久性の試験方法は、
(1)タイヤ4と走行試験機2の走行面8とを接触させる工程、
(2)タイヤ4に荷重を負荷する工程、
(3)タイヤ4を走行面8に対して走行させる工程
及び
(4)BELを観測する工程
を有している。
上記(1)の工程では、タイヤ4が走行試験機2にセットされる。このタイヤ4は、正規リムに装着され、空気が充填されている。タイヤ4とドラム6の走行面8とが接触される。図3には、タイヤ4が走行面8のスラット10に接触した状態が示されている。図で示されるように、スラット10がタイヤ4と接触するように、タイヤ4と走行面8とが接触される。スラット10がタイヤ4と接触するように、タイヤ4のドラム6上における軸方向位置が決められる。
上記(2)の工程では、タイヤ4に荷重が負荷される。タイヤ4が、ドラム6の走行面8に押し付けられる。図2の矢印Fが、タイヤ4に負荷された荷重である。
上記(3)の工程では、ドラム6が矢印Aの方向に回転させられる。これに伴い、タイヤ4が矢印Bの方向に回転する。これにより、タイヤ4が走行面8上を走行する。タイヤ4の走行速度は、ドラム6の回転速度により決まる。
上記(4)の工程では、(3)で走行されたタイヤ4について、BELの有無が観測される。この観測はタイヤ4を目視で確認することで行われる。この観測がX線検査装置で撮影した写真を確認することで行われてもよい。併せて、BELが発生するまでの走行時間が計測される。走行時間が長いほど、BELに対する耐久性が高いと判断される。
以下、本発明の作用効果が説明される。
この試験方法で使用する走行試験機2の走行面8は、走行基準面12とこの走行基準面12から突出しているスラット10とを備えている。スラット10の上面は、第一面14と、上記タイヤ4の軸方向においてこの第一面14の内側に位置する第二面16とを備えている。上記第二面16は、上記タイヤ4の軸方向内側に向けて上記走行基準面12側に傾斜している。第二面16の軸方向内側端から外側端に向けて、スラット10の高さは、高くなっている。この試験方法では、この形状を呈したスラット10により、トレッド18のショルダー部近辺に、効果的に衝撃を与えることができる。このスラット10により、ベルト24の端の近辺を、効果的に歪ませることができる。このスラット10は、ベルト24の端の近辺におけるルースを効果的に発生させる。この方法では、精度のよいBELに対する耐久性の試験が実現されている。
図3に示されるように、ベルト24は複数の層を備えている。実使用状態では、BELは、最大幅層の端28(この実施形態では、第二層24bの端28)の近辺及び最大幅外層の端30(この実施形態では、第三層24cの端30)の近辺で発生し易い。この明細書では、最大幅層の端28の近辺で発生するBELは外側BELと称される。最大幅外層の端30の近辺で発生するBELは内側BELと称される。これまでの走行試験機2による耐久試験では、内側BELは再現できるが、外側BELを再現するのは困難であった。これは、これまでの耐久試験では、トレッド面32に近い最大幅外層の端30の近辺が、最大幅層の端28の近辺より大きく歪むため、外側BELが発生する前に内側BELが発生するためと考えられる。一方、実使用状態では、コーナーリングの時等に最大幅層の端28の近辺にも大きな歪みが発生する。このため、外側BELが発生するものと考えられる。
上記のとおり、この試験方法では、第二面16は、タイヤ4の軸方向内側に向けて走行基準面12側に傾斜している。第二面16の軸方向内側端から外側端に向けて、スラット10の高さは、高くなっている。このスラット10は、最大幅層の端28の近辺を効果的に歪ませることができる。この試験方法では、外側BELを再現することができる。この方法では、精度のよいBELに対する耐久性の試験が実現されている。
図3において、符号θは、第二面16と走行基準面12とがなす角度である。角度θは10°以上が好ましい。角度θを10°以上とすることで、このスラット10は、最大幅層の端28の近辺を効果的に歪ませることができる。この試験方法では、外側BELを再現することができる。この方法では、精度のよいBELに対する耐久性の試験が実現されている。この観点から、角度θは、15°以上がより好ましい。角度θは35°以下が好ましい。角度θを35°以下とすることで、第二面16は適切な接触面積でトレッド18と接触しうる。このスラット10は、効率的に外側BELを発生させることができる。この観点から、角度θは30°以下がより好ましい。
図3に示されるように、軸方向において、第二面16の外側端34は、最大幅層の端28よりも外側に位置するのが好ましい。第二面16の内側端36は、最大幅外層の端30よりも内側に位置するのが好ましい。これにより、このスラット10は、最大幅層の端28に適度な歪みを与えうる。この試験方法では、外側BELを再現することができる。この方法では、精度のよいBELに対する耐久性の試験が実現されている。
図3において、両矢印Toは、第二面16の外側端34と最大幅層の端28との軸方向距離である。距離Toは1mm以上が好ましく、10mm以下が好ましい。これにより、このスラット10は、最大幅層の端28に適度な歪みを与えうる。この試験方法では、外側BELを再現することができる。この方法では、精度のよいBELに対する耐久性の試験が実現されている。
図3において、両矢印Tiは、第二面16の内側端36と最大幅外層の端30との軸方向距離である。距離Tiは0mm以上が好ましく、10mm以下が好ましい。これにより、このスラット10は、最大幅層の端28に適度な歪みを与えうる。この試験方法では、外側BELを再現することができる。この方法では、精度のよいBELに対する耐久性の試験が実現されている。
図3では、分かり易いように、タイヤ4と走行面8のスラット10とが接触した状態で距離To及び距離Tiが定義されている。実際には、タイヤ4がスラット10と接触した状態では、タイヤ4は変形する。この変形量は、スラット10の大きさ、タイヤ4の内圧、タイヤ4に負荷される荷重等により変動する。最大幅層の端28の位置及び最大幅外層の端30の位置もこれらにより変動する。この発明では、タイヤ4は、正規リムに組み込まれ、正規内圧とされ、荷重がかけられていない状態にあるとして、最大幅層の端28の位置及び最大幅外層の端30の位置が、距離To及びTiの定義に用いられる。この状態で、タイヤ4とスラット10とが接触しているとして、距離To及びTiが定義される。
図3において、両矢印T2は、第二面16の軸方向幅である。幅T2は10mm以上が好ましく、30mm以下が好ましい。これにより、このスラット10は、最大幅層の端28に適度な歪みを与えうる。この試験方法では、外側BELを再現することができる。この方法では、精度のよいBELに対する耐久性の試験が実現されている。
図3において、両矢印Hは、走行基準面12から第二面16の外側端34までの高さである。高さHは、10mm以上が好ましい。高さHを10mm以上とすることで、このスラット10は、トレッド18のショルダー部近辺に、効果的に衝撃を与えることができる。この方法では、効率的にBELに対する耐久性の試験ができる。この観点から、高さHは15mm以上がより好ましい。
スラット10がタイヤ4に過度の衝撃を与えると、BEL以外の損傷が起こりうる。例えば、過度の衝撃は、カーカスプライのルースを招来しうる。カーカスプライでルースが発生すると、BELに対する耐久性の評価ができなくなる。
この試験では、高さHは、30mm以下が好ましい。高さHを30mm以下とすることで、タイヤ4に与える衝撃が適切な大きさに保たれる。この試験方法では、カーカスプライでのルースが抑えられている。この方法では、効率的にBELに対する耐久性の試験ができる。この観点から、高さHは25mm以下がより好ましい。
スラット10の第二面16と第一面14との角は、トレッド18と接触する。この角が鋭利であると、この角がトレッド18を傷つけることが起こりうる。これによりトレッド18の表面のゴムがちぎれ取られるチャンキングが起こりうる。これは、スラット10の第二面16と第一面14との角に限られず、スラット10のトレッド18と接触する全ての角について、同様のことが起こりうる。チャンキングが発生すると、BELに対する耐久性の評価ができなくなる。
このスラット10では、トレッド18と接触する角は、面取りが施されているのが好ましい。すなわち、トレッド18と接触する角は丸みを帯びた形状を呈しているのが好ましい。これらの角が丸みを帯びた形状を呈することで、チャンキングが効果的に抑えられる。この観点から、これらの角の断面は、円弧の形状を呈するのがより好ましい。
上記円弧の曲率半径Rは、2mm以上が好ましい。曲率半径Rを2mm以上とすることで、チャンキングが効果的に防止できる。曲率半径Rは、10mm以下が好ましい。曲率半径Rを10mm以下とすることで、このスラット10はトレッド18に、効果的に衝撃を与えることができる。この方法では、効率的にBELに対する耐久性の試験ができる。
図3のタイヤ4では、第一面14は走行基準面12とほぼ平行である。第一面14は、タイヤ4の軸方向内側に向けて走行基準面12側に傾斜してもよい。図示されないが、第一面14と走行基準面12とがなす角度をαとしたとき、角度αは0°以上が好ましく、10°以下が好ましい。これにより、このスラット10は、トレッド18に効果的に衝撃を与えることができる。この方法では、効率的にBELに対する耐久性の試験ができる。
図3において、両矢印Tは、第一面14の外側端38から第二面16の内側端36の軸方向距離である。距離Tは15mm以上が好ましく、40mm以下が好ましい。これにより、このスラット10は、最大幅層の端28に適度な歪みを与えうる。この試験方法では、外側BELを再現することができる。この方法では、精度のよいBELに対する耐久性の試験が実現されている。
図2において、両矢印Wは、走行基準面12の周方向に沿って計測した、スラット10の幅である。幅Wは、10mm以上が好ましく、50mm以下が好ましい。これにより、このスラット10は、トレッド18に効果的に衝撃を与えることができる。この方法では、効率的にBELに対する耐久性の試験ができる。
前述のとおり、ドラム6を側面から見たとき、スラット10の形状は、略台形が好ましい。ドラム6を側面から見たときの形状が略台形のスラット10は、このときの形状が略長方形のスラットに比べて、トレッド18と接触する角が鋭利ではない。このスラット10では、略長方形のスラットに比べて、トレッド18のチャンキングが効果的に防止されている。ドラム6を側面から見たときの形状が略台形のスラット10は、このときの形状が略円弧であるスラットに比べて、トレッド18に効果的に衝撃を与えることができる。この方法では、効率的にBELに対する耐久性の試験ができる。
本明細書において正規リムとは、タイヤ4が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ4が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。本明細書において正規荷重とは、タイヤ4が依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最高負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
以上で説明された実施形態では、走行試験機としてドラム型走行試験機2が使用された。走行試験機は、ドラム型に限られない。ベルト型の走行試験機を使用してもよい。その他の走行試験機を使用してもよい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
上記(1)から(4)の工程に従い、耐久性の試験を実施した。試験に使用したタイヤのサイズは、11R22.5である。このタイヤをドラム型走行試験機で走行させた。ドラムの走行面に設けられたスラットの仕様は、表1に示されるとおりである。ドラムを側面から見たとき、このスラットの形状は、略等脚台形である。このスラットの第二面の軸方向幅T2は20mmである。このスラットの第一面の外側端から第二面の内側端までの軸方向距離Tは25mmである。周方向幅Wは、30mmである。このスラットでは、第一面は走行基準面と平行である。このスラットのトレッドと接触する角には、面取りが施されている。第一面と第二面との間の角の曲率半径Rは、5mmである。その他の角の曲率半径Rは、5mmである。この試験機のドラム径は1707mmである。タイヤの走行条件は以下の通りである。
使用リム:22.5×7.50
内圧:800kPa
荷重:26.5kN
速度:40km/h
[比較例1]
第二面と走行基準面との角度θが0°である(スラットが第二面を有さない)ことの他は実施例1と同様にして、耐久性試験を実施した。
[実施例2−5]
角度θを表1の通りとしたことの他は実施例1と同様にして、耐久性試験を実施した。
[実施例6−7]
高さHを表2の通りとしたことの他は実施例1と同様にして、耐久性試験を実施した。
[実施例8]
トレッドに接触するスラットの角に面取りを施さないことの他は実施例1と同様にして、耐久性試験を実施した。
[実施例9]
距離Toと距離Tiの値を表2の通りとしたことの他は実施例1と同様にして、耐久性試験を実施した。この実施例において、Toの値がマイナスとなっているのは、軸方向において第二面の外側端が、最大幅層の端よりも内側に位置していることを示している。
[損傷モード及び外側BEL発生率]
各々の実施例及び比較例の試験を、それぞれタイヤ5本で実施した。走行試験機上でタイヤを損傷が発生するまで走行させ、損傷モードを確認した。表の「損傷モード」の欄において、「O−BEL」は外側BELが発生したタイヤがあることを示し、「I−BEL」は内側BELが発生したタイヤがあることを示す。「PLL」は、カーカスプライでのルースが発生したタイヤがあることを示す。「TC」は、トレッドでのチャンキングが発生したタイヤがあることを示す。外側BEL発生率は、外部BELの損傷モードが発生したタイヤの比率である。
Figure 0006578957
Figure 0006578957
表1−2に示されるように、本発明に係る試験方法では、走行試験機を用いた試験において、外部BEL発生させることができる。この方法によると、精度よくBELの耐久性の試験ができる。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された試験方法は、種々のタイヤの耐久性試験に適用されうる。
2・・・走行試験機
4・・・タイヤ
6・・・ドラム
8・・・走行面
10・・・スラット
12・・・走行基準面
14・・・第一面
16・・・第二面
18・・・トレッド
20・・・サイドウォール
22・・・カーカス
24・・・ベルト
24a・・・第一層
24b・・・第二層
24c・・・第三層
24d・・・第四層
26・・・インナーライナー
28・・・最大幅層の端
30・・・最大幅外層の端
32・・・トレッド面
34・・・第二面の外側端
36・・・第二面の内側端
38・・・第一面の外側端

Claims (5)

  1. タイヤの耐久性の試験方法であって、
    その走行面上でタイヤを走行させる走行試験機を使用し、
    上記タイヤと上記走行面とを接触させる工程、
    上記タイヤに荷重を負荷する工程
    及び
    上記タイヤを上記走行面に対して走行させる工程
    を有し、
    上記走行面が、走行基準面とこの走行基準面から突出しているスラットとを備えており、
    上記スラットの上面が、第一面と、上記タイヤの軸方向においてこの第一面の内側に位置する第二面とを備えており、
    上記第二面が、上記タイヤの軸方向内側に向けて上記走行基準面側に傾斜しており、
    上記タイヤのベルトが、このベルトを構成する層のうち最も大きな幅を有する層である最大幅層と、この最大幅層の半径方向外側に積層された最大幅外層とを備えており、
    上記スラットが上記タイヤと接触したとき、
    上記タイヤの軸方向において、上記第二面の外側端が上記最大幅層の端より外側に位置し、上記第二面の内側端が上記最大幅外層の端より内側に位置する試験方法。
  2. 上記第二面と上記走行基準面とのなす角度が、10°以上35°以下である請求項1に記載の試験方法。
  3. 上記スラットの上記タイヤのトレッドと接触する角に、面取りが施されている請求項1又は2に記載の試験方法。
  4. 上記走行基準面から上記第二面の軸方向外側端までの高さが、10mm以上30mm以下である請求項1からのいずれかに記載の試験方法。
  5. 上記第一面が、上記走行基準面に対して平行であるか又は上記タイヤの軸方向内側に向けて上記走行基準面側に傾斜しており、
    上記第一面と上記走行基準面とのなす角度が、0°以上10°以下である請求項1からのいずれかに記載の試験方法。
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