JP6577953B2 - シロキサン樹脂の製造方法 - Google Patents
シロキサン樹脂の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6577953B2 JP6577953B2 JP2016552019A JP2016552019A JP6577953B2 JP 6577953 B2 JP6577953 B2 JP 6577953B2 JP 2016552019 A JP2016552019 A JP 2016552019A JP 2016552019 A JP2016552019 A JP 2016552019A JP 6577953 B2 JP6577953 B2 JP 6577953B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- silane compound
- mol
- siloxane resin
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G77/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
- C08G77/04—Polysiloxanes
- C08G77/06—Preparatory processes
- C08G77/08—Preparatory processes characterised by the catalysts used
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G77/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
- C08G77/04—Polysiloxanes
- C08G77/14—Polysiloxanes containing silicon bound to oxygen-containing groups
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Silicon Polymers (AREA)
Description
これら縮合物は、プラスチック材料やセラミック材料のハードコート剤、液晶表示素子の保護膜、半導体の電気絶縁材料、塗料の硬化剤などに利用されている。
例えば、特許文献1では、テトラエトキシシランのような4官能アルコキシシランを原料に用い、酸触媒下でのアルコキシシラン縮合物の製造方法が記載されている。また、特許文献2では、ビニルトリメトキシシランのような3官能有機アルコキシシランを塩基性触媒下で加水分解・縮合する製造方法が記載されている。
更に、エポキシ基のような高活性の有機官能基含有シラン化合物を加水分解・縮合させる場合に、酸触媒または塩基触媒を用いると、有機官能基が破壊されて失活してしまうという問題点がある。
[1]中性塩(A)を触媒として、下記一般式(I)で表される加水分解性シリル基を有するシラン化合物(B)を加水分解・縮合させることを特徴とする、シロキサン樹脂の製造方法。
一般式(I):
RnSiX4−n
(式中、RはSiに炭素原子が直接結合している有機基を表し、Xは水酸基または加水分解性基を表す。nは0〜3の整数を表し、nが2以上のとき、Rは同一であっても異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき、Xは同一であっても異なっていてもよい。)
フッ化物イオンを除く第十七族元素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、及び、過塩素酸イオンよりなる群から選ばれるアニオンとの組合せからなる塩であることを特徴とする、[1]に記載のシロキサン樹脂の製造方法。
[1]〜[3]のいずれかに記載のシロキサン樹脂の製造方法。
シラン化合物(B)の反応系中での濃度を90質量%以下とし、反応混合物の液温を40〜200℃に加熱して反応させる工程を含み、
得られる樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜30000であることを特徴とする、[1]〜[7]のいずれかに記載のシロキサン樹脂の製造方法。
一般式(I):
RnSiX4−n
(式中、RはSiに炭素原子が直接結合している有機基を表し、Xは水酸基または加水分解性基を表す。nは0〜3の整数を表し、nが2以上のとき、Rは同一であっても異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき、Xは同一であっても異なっていてもよい。)
本発明の製造方法において、中性塩を触媒とすることにより、加水分解・縮合反応の前後および貯蔵中に、有機置換基を失活させることなく、シロキサン樹脂を得ることができる。
また、中性塩触媒自身が製造容器や保管容器を侵すことがない為、製造・保管設備の材質に制約を受けることなく、使用することができる。
これは、一般に、酸触媒や塩基触媒では、触媒自身が、種々の物質と求電子的・求核的に反応することや、反応溶液中の水素イオンや水酸化物イオンの濃度を変化させることにより、それらのイオンが反応に寄与するのに対して、中性塩では、上記のような反応活性が極端に低いことに起因する。
塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム、塩化フランシウム、塩化ベリリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、塩化ラジウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラペンチルアンモニウム、塩化テトラヘキシルアンモニウム、塩化グアニジウム;
臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化ルビジウム、臭化セシウム、臭化フランシウム、臭化ベリリウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化ストロンチウム、臭化バリウム、臭化ラジウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラプロピルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラペンチルアンモニウム、臭化テトラヘキシルアンモニウム、臭化グアニジウム;
ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ルビジウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化フランシウム、ヨウ化ベリリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化ストロンチウム、ヨウ化バリウム、ヨウ化ラジウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラプロピルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラペンチルアンモニウム、ヨウ化テトラヘキシルアンモニウム、ヨウ化グアニジウム;
硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸ルビジウム、硫酸セシウム、硫酸フランシウム、硫酸ベリリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウム、硫酸ラジウム、硫酸テトラメチルアンモニウム、硫酸テトラエチルアンモニウム、硫酸テトラプロピルアンモニウム、硫酸テトラブチルアンモニウム、硫酸テトラペンチルアンモニウム、硫酸テトラヘキシルアンモニウム、硫酸グアニジウム;
硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ルビジウム、硝酸セシウム、硝酸フランシウム、硝酸ベリリウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸バリウム、硝酸ラジウム、硝酸テトラメチルアンモニウム、硝酸テトラエチルアンモニウム、硝酸テトラプロピルアンモニウム、硝酸テトラブチルアンモニウム、硝酸テトラペンチルアンモニウム、硝酸テトラヘキシルアンモニウム、硝酸グアニジウム;
過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸ルビジウム、過塩素酸セシウム、過塩素酸フランシウム、過塩素酸ベリリウム、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸カルシウム、過塩素酸ストロンチウム、過塩素酸バリウム、過塩素酸ラジウム、過塩素酸テトラメチルアンモニウム、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラプロピルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、過塩素酸テトラペンチルアンモニウム、過塩素酸テトラヘキシルアンモニウム、過塩素酸グアニジウム、等が挙げられる。
これら中性塩は、単独でも使用することができるし、2種以上を組合せ使用することもできる。
カチオンとしては、求核作用を阻害しないように、嵩高くないことが求められることから、第一族元素イオン、又は、第二族元素イオンがより好ましい。
中でも、第一族元素イオン及び第二族元素イオンよりなる群から選ばれるカチオンと、塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンよりなる群から選ばれるアニオンとの組み合わせからなる塩が好ましい。
更に、入手性、取扱い時の安全性を考慮すると、中性塩としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化ルビジウム、臭化セシウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化ストロンチウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ルビジウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、及び、ヨウ化ストロンチウムが特に好ましい。
中性塩(A)の使用量が0.000001モル未満であると、シラン化合物(B)の加水分解・縮合反応が進みにくくなるおそれがあり、また、0.1モルを超えると、縮合物の透明性や精製工程に影響を及ぼすおそれがある。
本発明で用いられる加水分解性シリル基を有するシラン化合物(B)は、下記一般式(I)で表される。
一般式(I):
RnSiX4−n
式(I)で表される有機ケイ素化合物中、RおよびXは、各々次のとおりである。
Rは、式中のSiに炭素原子が直接結合している有機基を表す。nは0〜3の整数を表し、nが2以上のとき、Rは互いに同一であっても、異なっていても良い。nは0〜2であることが好ましく、1〜2であることがより好ましい。
Xは水酸基または加水分解性基を表す。式(I)の(4−n)が2以上のとき、Xは互いに同一であっても異なっていてもよい。
アルキル基またはアルケニル基の炭素数は1〜10であることが好ましい。
これに対して、置換基としてアミノ基や酸無水物基を含んでも、加水分解・縮合反応上に問題はないが、本発明においては酸触媒、塩基触媒のいずれも用いないことを特徴としており、それらの置換基自体が酸・塩基触媒として機能する為、適切ではない。
一方、得られる縮合物において、環状エーテル基以外の有機置換基の特徴を特に発現させたい場合には、環状エーテル基の含有量は少ないほど好ましいことが多い。
また、本発明における加水分解性基とは、例えば、無触媒、過剰の水の共存下、25℃〜100℃で加熱することにより、加水分解されてシラノール基を生成することができる基や、シロキサン縮合物を形成することができる基を意味する。
これらシラン化合物(B)は、単独で使用することができるし、2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、更に、環状エーテル化合物(C)を添加してもよい。特に、出発原料としてのシラン化合物(B)がR中の置換基として環状エーテル基を有さない場合、環状エーテル(C)をさらに添加することが、その酸素原子が求核基として作用して中性塩の触媒能を助ける働きを担う為、好ましい。
環状エーテル化合物(C)の沸点が40℃未満では、低温で還流状態となり、反応の妨げとなる傾向が有り、200℃を超えると、反応後に取り除くことが困難となる傾向がある。
環状エーテル化合物(C)は、反応を促進させる一方で、希釈溶剤としても作用する為、100重量部を超えるとシラン化合物(B)濃度を低下させるおそれがある。
本発明の製造方法では、さらに希釈溶剤を使用することが好ましい。
希釈溶剤(D)としては、アルコールまたはエーテル(環状エーテル化合物(C)を除く)が好ましく、水溶性であることがより好ましい。本発明において用いるシラン化合物(B)は、中性塩(A)や加水分解に用いる水との相溶性が低いものが多い為、反応を円滑に進める上で、相溶性を改善することが好ましい為である。
これに対して、ケトンやエステル系の溶剤は、カルボニル基を有し、反応を阻害しやすい為、適切ではない。
希釈溶剤(D)の沸点が40℃未満では、低温で還流状態となって、反応の妨げとなる傾向があり、200℃を超えると、反応後に取り除くことが困難となり、分液抽出等の煩雑な工程の組み込みが必要となる場合がある。
なお、環状エーテル化合物(C)として挙げた化合物も希釈溶剤として作用する。
これら希釈溶剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
シラン化合物(B)の濃度は、水、希釈溶剤(D)及び環状エーテル化合物(C)の量により調節することができる。希釈溶剤(D)や環状エーテル化合物(C)の使用量が多すぎると、反応系中におけるシラン化合物(B)の濃度が低下し、反応速度が低下することが懸念される。一方で、水とシラン化合物(B)との相溶性を向上させたり、反応の進行に伴う系中の粘度上昇を抑え反応速度の低下を抑制する効果も期待できる為、適切な量を選択することが重要である。
本願発明の製造方法としては、シラン化合物(B)の加水分解性シリル基1モルに対して、水を0.4〜10モルと中性塩(A)を0.000001〜0.1モル用いて、シラン化合物(B)の反応系中での濃度を90質量%以下とし、反応混合物の液温を40〜200℃に加熱して反応させる工程を含み、得られる樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜30000であることが好ましい。
加水分解に用いる水に中性塩(A)を攪拌・溶解させ、攪拌しながら、シラン化合物(B)と、必要に応じて環状エーテル化合物(C)及び希釈溶剤(D)を順次ゆっくりと加えていき、全て加えてから加熱し反応させる。
水の使用量が0.4モル未満では、加水分解性基の一部が加水分解せずに残存して、上記条件(1)を満たさない場合がある。水の使用量が10モルを超えると、加水分解・縮合反応の速度が大きすぎて、高分子量の縮合物が生成され、透明性を低下させる場合がある。
反応温度が40℃よりも低いと、中性塩の触媒活性が低下し、反応時間が大幅に増加する傾向があり、反応温度が200℃よりも高い場合には、有機置換基が副反応を起こして失活してしまう懸念がある。
シロキサン樹脂の重量平均分子量が500未満では、揮発性があり、脱揮工程や、その他使用時に揮発することが懸念される。また、シロキサン樹脂の重量平均分子量が30000を超えると、高粘度となり取扱い性が悪くなり、溶剤や他の樹脂との相溶性が低くなり、白濁する場合がある。
シロキサン樹脂の重量平均分子量は、反応に用いる水の量と触媒を適切に選択することにより、コントロールすることができる。例えば、最初に仕込む水の量を増やすことにより、重量平均分子量を高くすることができる。
B/Aが0.2を超えると、シロキサン樹脂中に残存するSiXが空気中の湿分等によって経時で反応が進行して、貯蔵中に粘度等の物性が変化してしまう場合がある。
なお、反応後も残存するSiXとは、縮合物に含まれるSiX及び未反応のシラン化合物(B)が有するSiXを意味する。B/Aの比は、1H−NMR及び29Si−NMRで測定することによって求めることができる。
なお、本明細書において、高活性の有機官能基とは、塩酸や硫酸と同等かそれ以上の酸強度を有する酸性物質や、アルキルアミンと同等かそれ以上の塩基強度を有する塩基性化合物と混合した際に、0〜100℃程度の温度雰囲気下、24時間以内に反応する官能基を意味する。高活性の有機官能基としては、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基、メルカプト基等が挙げられる。
なお、有機官能基の残存率は、1H−NMR測定によって求めることができる。
○加水分解性シリル基を有するシラン化合物(B)
A−186:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、分子量246
A−187:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、分子量236
A−174:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、分子量290
A−171:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、ビニルトリメトキシシラン、分子量148
KBM−3063:信越化学工業株式会社製、ヘキシルトリメトキシシラン、分子量206
○中性塩(A)
塩化ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、特級、分子量58)
塩化リチウム(和光純薬工業株式会社製、特級、分子量42)
塩化セシウム(和光純薬工業株式会社製、特級、分子量168)
塩化カリウム(和光純薬工業株式会社製、特級、分子量75)
臭化カリウム(和光純薬工業株式会社製、特級、分子量119)
ヨウ化カリウム(和光純薬工業株式会社製、特級、分子量166)
塩化マグネシウム(和光純薬工業株式会社製、特級、分子量95)
塩化テトラブチルアンモニウム(東京化成工業株式会社製、特級、分子量278)
塩化グアニジウム(純正化学株式会社製、特級、分子量95)
硫酸マグネシウム(和光純薬工業株式会社製、特級、分子量120)
硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、特級、分子量142)
○環状エーテル(C)
エポキシシクロヘキサン(東京化成工業株式会社製、特級、分子量252)
○希釈溶剤(D)
1−メトキシ−2−プロパノール(株式会社ダイセル製、分子量90)
メタノール(三菱ガス化学株式会社製、分子量32)
○その他
フッ化セシウム(和光純薬工業株式会社製、特級、分子量152)
塩酸(和光純薬工業株式会社製、0.01モル/L)
水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製、0.01モル/L)
以下の方法により、反応前のシラン化合物(B)中のケイ素に直接結合したOR基(アルコキシ基及び水酸基)と、反応後も残存するケイ素に直接結合したOR基を測定して、B/A比を算出した。
日本電子社製JNM−LA400を用いて、重アセトンを溶媒として1H−NMR及び29Si−NMR測定を行うことにより算出した。
送液システムとして東ソー社製HLC−8220GPCを用い、カラムとして東ソー社製TSK−GEL Hタイプを用い、溶媒としてTHFを用い、ポリスチレン換算で算出した。
得られた縮合物1gを120℃の乾燥機内で1時間乾燥させた後、各種溶剤10gを加えて目視にて溶解するかどうかを評価した。
ただし、縮合が進まずに分子量が1000以下のものに関しては、揮発性が高い為、乾燥条件を80℃で30分に変更した。
得られた縮合物に対して、日本電子社製JNM−LA400を用いて、重アセトンを溶媒として1H−NMR測定を行った。
A−186及びA−187におけるエポキシ基、A−174におけるメタクリロイル基、A−171におけるビニル基、及び、KBM−3063におけるヘキシル基の残存率を評価した。
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた4つ口フラスコ等の反応器に、シラン化合物としてA−186[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン]100重量部に対して、触媒として塩化ナトリウム0.71重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.01モル)、水11.0重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.5モル)および希釈溶剤として1−メトキシ−2−プロパノール11.0重量部を仕込み、反応温度130℃にて3時間撹拌させながら反応させ、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表1に示す。
触媒である塩化ナトリウムの投入量を0.36重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.005モル)に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表1に示す。
触媒である塩化ナトリウムの投入量を0.07重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.001モル)に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表1に示す。
触媒である塩化ナトリウムの投入量を0.007重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.0001モル)に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表1に示す。
触媒の種類および投入量を塩化リチウム0.05重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.001モル)に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表1に示す。
触媒の種類および投入量を塩化セシウム0.21重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.001モル)に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表1に示す。
触媒の種類および投入量を塩化カリウム0.09重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.001モル)に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表1に示す。
触媒の種類および投入量を臭化カリウム0.14重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.001モル)に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表1に示す。
触媒の種類および投入量をヨウ化カリウム0.20重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.001モル)に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表1に示す。
触媒の種類および投入量を塩化マグネシウム0.12重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.001モル)に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表1に示す。
触媒の種類および投入量を硫酸マグネシウム0.15重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.001モル)に、水の投入量を17.5重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.8モル)、および希釈溶剤の投入量を17.5重量部に変更し、反応時間を12時間に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表1に示す。
触媒の種類および投入量を硫酸ナトリウム0.17重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.001モル)に、水の投入量を17.5重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.8モル)、および希釈溶剤の投入量を17.5重量部に変更し、反応時間を12時間に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表1に示す。
触媒の種類および投入量を塩化テトラブチルアンモニウム0.36重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.001モル)に、水の投入量を11.0重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.5モル)、および希釈溶剤の投入量を11.0重量部に変更し、反応時間を6時間に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表1に示す。
触媒の種類および投入量を塩化グアニジウム0.12重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.001モル)に、水の投入量を11.0重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.5モル)、および希釈溶剤の投入量を11.0重量部に変更し、反応時間を6時間に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表1に示す。
シラン化合物の種類をA−174[3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン]に、水の投入量を10.9重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.5モル)、および希釈溶剤の投入量を10.9重量部に、反応時間を14時間に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表2に示す。
シラン化合物の種類および投入量をA−174[3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン]100重量部およびA−187[3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン]2重量部に、水の投入量を11.1重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.5モル)、および希釈溶剤の投入量を11.1重量部に、反応時間を5時間に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表2に示す。
シラン化合物の種類および投入量をA−174[3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン]100重量部およびA−187[3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン]10重量部に、触媒の投入量を0.08重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.001モル)に、水の投入量を12.0重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.5モル)、および希釈溶剤の投入量を12.0重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表2に示す。
シラン化合物の種類をA−171[ビニルトリメトキシシラン]に、触媒の投入量を0.12重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.001モル)に、水の投入量を18.2重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.5モル)、および希釈溶剤の投入量を18.2重量部に、反応時間を10時間に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表2に示す。
シラン化合物の種類および投入量をA−171[ビニルトリメトキシシラン]100重量部およびA−187[3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン]2重量部に、触媒の投入量を0.12重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.001モル)に、水の投入量を18.4重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.5モル)、および希釈溶剤の投入量を18.4重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表2に示す。
シラン化合物の種類および投入量をA−171[ビニルトリメトキシシラン]100重量部およびA−187[3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン]10重量部に、触媒の投入量を0.13重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.001モル)に、水の投入量を19.4重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.5モル)、および希釈溶剤の投入量を19.4重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表2に示す。
シラン化合物の種類をA−187[3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン]に、水の投入量を11.4重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.5モル)、および希釈溶剤の種類および投入量をメタノール11.4重量部に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表2に示す。
シラン化合物の種類をKBM−3063[ヘキシルトリメトキシシラン]に、触媒の投入量を0.08重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.001モル)に、水の投入量を13.1重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.5モル)、および希釈溶剤の投入量を13.1重量部に、反応時間を12時間に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表2に示す。
環状エーテル化合物としてエポキシシクロヘキサン10重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.21モル)を追加し、反応時間を3時間に変更した以外は、実施例22と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表2に示す。
水の投入量を17.5重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.8モル)、および希釈溶剤の投入量を17.5重量部に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表2に示す。
水の投入量を21.9重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して1.0モル)、および希釈溶剤の投入量を21.9重量部に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表2に示す。
反応温度を50℃に、反応時間を8時間に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表2に示す。
反応温度を70℃に、反応時間を4時間に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表2に示す。
反応温度を90℃に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表2に示す。
水の投入量を6.6重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.3モル)、および希釈溶剤の投入量を6.6重量部に、反応時間を10時間に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
触媒として塩化ナトリウムを使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表3に示す。
反応時間を5時間に変更した以外は、比較例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表3に示す。
反応時間を10時間に変更した以外は、比較例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表3に示す。
反応時間を15時間に変更した以外は、比較例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表3に示す。
触媒の種類を塩酸(0.01モル%)に変更し、水を投入しなかった以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表3に示す。
触媒の種類を水酸化ナトリウム水溶液(0.01モル%)に変更し、水を投入しなかった以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表3に示す。
シラン化合物の種類をA−187[3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン]に変更した以外は、比較例2と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表3に示す。
シラン化合物の種類をA−187[3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン]に変更した以外は、比較例5と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表3に示す。
シラン化合物の種類をA−187[3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン]に変更した以外は、比較例6と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表3に示す。
触媒の種類および投入量をフッ化セシウム0.19重量部に、水の投入量を13.2重量部(シラン化合物中の加水分解性基1モルに対して0.6モル)、および希釈溶剤の投入量を13.2重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、縮合物溶液を得た。
得られた縮合物(シロキサン樹脂)の重量平均分子量、B/A比、有機官能基残存率、各種溶剤への溶解性評価の結果は、表3に示す。
ただし、実施例1〜10において、メタノール、2−プロパノールに溶解していないのは、高分子量化に伴う溶解性の低下であり、実施例21で得られた縮合物がメタノール、2−プロパノールに可溶な理由としては、グリシジルエーテル基の高極性に由来すると考える。
比較例2〜4は、水のみで反応させているが、反応時間を5時間以上に延長することにより、縮合の進行(分子量の増大)が確認された。しかしながら、得られた縮合物は、各種有機溶剤に不溶であった。その原因としては、触媒を用いなかったことにより、シラノールの縮合活性が不十分であり、系中に長くシラノールが存在し、エポキシ基が加水分解され、高極性な縮合物になった為と考える。親水性の高いアルコール各種には溶解したことからも、その推定が妥当であると考える。
実施例22と実施例23を比較すると、環状エーテル基を有さないシラン化合物の反応においても、環状エーテル基を有する炭化水素を配合することにより、反応が促進されることが判る。
これに対して、反応温度90℃以上では、それ以上反応時間は短くならなかった。これは、加水分解で発生するメタノール等の溶剤が還流することにより、系中の温度が一定以上上昇しないことに起因すると考える。
一方で、比較例6では塩基触媒を用いており、各種有機溶剤に可溶となった。これはA−186のエポキシ基が脂環エポキシ基であることから塩基性条件下での耐加水分解性が高い為であると考える。
しかしながら、比較例7〜9では、無触媒下、酸触媒下だけではなく、塩基触媒下で合成した縮合物も各種有機溶剤に不溶となっている。これは、脂環エポキシ基(A−186)よりも耐加水分解性が低いグリシジルエーテル基(A−187)を有するシラン化合物を用いた為に、反応中にエポキシ基が加水分解され高極性な縮合物が得られたことに起因すると考える。すなわち、ゾル−ゲル法において触媒として一般的に用いられている酸・塩基触媒では加水分解・縮合させにくいエポキシ基のような有機置換基を有するシラン化合物の場合でも本触媒系では問題なく縮合物を得ることができるということを示唆する結果が得られたと考える。
比較例10では、速やかに各種有機溶剤に可溶な縮合物を得ることに成功したが、反応後にガラス製の反応容器の内壁が擦りガラス状となっており、フッ化水素の発生が示唆された。
Claims (8)
- 第一族元素イオン、第二族元素イオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、及び、グアニジウムイオンよりなる群から選ばれるカチオンと、フッ化物イオンを除く第十七族元素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、及び、過塩素酸イオンよりなる群から選ばれるアニオンとの組合せからなる塩である中性塩(A)を触媒として、下記一般式(I)で表される加水分解性シリル基を有するシラン化合物(B)を加水分解・縮合させることを特徴とする、シロキサン樹脂の製造方法。
一般式(I):
RnSiX4−n
(式中、RはSiに炭素原子が直接結合している有機基を表し、Xは水酸基または加水分解性基を表す。nは0〜3の整数を表し、nが2以上のとき、Rは同一であっても異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき、Xは同一であっても異なっていてもよい。) - カチオンが第一族元素イオン、又は、第二族元素イオンであり、アニオンが塩化物イオン、臭化物イオン、又は、ヨウ化物イオンである、請求項1に記載のシロキサン樹脂の製造方法。
- シラン化合物(B)が、一般式(I)中のRが環状エーテル基を有する有機基であるシラン化合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシロキサン樹脂の製造方法。
- 更に、環状エーテル化合物(C)を添加することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のシロキサン樹脂の製造方法。
- 更に、希釈溶剤(D)として、アルコール、又はエーテルを添加することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のシロキサン樹脂の製造方法。
- 希釈溶剤(D)が水溶性アルコール、又は、水溶性エーテルであることを特徴とする、請求項5に記載のシロキサン樹脂の製造方法。
- シラン化合物(B)の加水分解性シリル基1モルに対して、水を0.4〜10モルと中性塩(A)を0.000001〜0.1モル用いて、
シラン化合物(B)の反応系中での濃度を90質量%以下とし、反応混合物の液温を40〜200℃に加熱して反応させる工程を含み、
得られる樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜30000であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のシロキサン樹脂の製造方法。 - 仕込み時のSiXのモル量Aと、反応後、縮合に寄与せず残存するSiXのモル量Bが、(B/A)≦0.2の条件を満たすことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のシロキサン樹脂の製造方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014199851 | 2014-09-30 | ||
JP2014199851 | 2014-09-30 | ||
PCT/JP2015/077337 WO2016052413A1 (ja) | 2014-09-30 | 2015-09-28 | シロキサン樹脂の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2016052413A1 JPWO2016052413A1 (ja) | 2017-07-13 |
JP6577953B2 true JP6577953B2 (ja) | 2019-09-18 |
Family
ID=55630447
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016552019A Active JP6577953B2 (ja) | 2014-09-30 | 2015-09-28 | シロキサン樹脂の製造方法 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US10040907B2 (ja) |
EP (1) | EP3208295B1 (ja) |
JP (1) | JP6577953B2 (ja) |
CN (1) | CN107075119B (ja) |
WO (1) | WO2016052413A1 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021014477A (ja) * | 2017-11-02 | 2021-02-12 | 株式会社カネカ | 熱潜在性塩基発生剤及び熱潜在性塩基発生剤を含む樹脂組成物 |
CN112639038B (zh) * | 2018-08-24 | 2022-07-15 | 株式会社钟化 | 硬涂组合物、带硬涂层的聚酰亚胺薄膜及其制造方法、及图像显示装置 |
JP7504087B2 (ja) * | 2019-05-22 | 2024-06-21 | 株式会社カネカ | 樹脂組成物、その製造方法、及び、多液型硬化性樹脂組成物 |
WO2021172200A1 (ja) * | 2020-02-25 | 2021-09-02 | 株式会社カネカ | シルセスキオキサン化合物およびその製造方法、ハードコート組成物ならびにハードコートフィルムおよびその製造方法 |
Family Cites Families (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5127000A (ja) * | 1974-08-29 | 1976-03-05 | Shinetsu Chemical Co | Henseishirikoonjushi no seizohoho |
US4550152A (en) * | 1983-10-28 | 1985-10-29 | General Electric Company | Nickel complex catalyst for hydrosilation reactions |
DE59402555D1 (de) | 1993-08-24 | 1997-05-28 | Siemens Ag | Verfahren zur herstellung von epoxysiloxanen |
JP3474007B2 (ja) * | 1993-11-05 | 2003-12-08 | 信越化学工業株式会社 | 有機官能基含有オルガノポリシロキサンの製造方法 |
EP0652245B2 (en) | 1993-11-05 | 2005-02-09 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Process for preparing organic functional group-containing organopolysiloxanes, organopolysiloxanes obtained by the process and mercapto group and alkoxy group-containing organopolysiloxanes and preparation thereof |
JPH08104753A (ja) | 1994-10-06 | 1996-04-23 | Shin Etsu Chem Co Ltd | オルガノポリシロキサンの製造方法 |
US6143855A (en) * | 1997-04-21 | 2000-11-07 | Alliedsignal Inc. | Organohydridosiloxane resins with high organic content |
US6043330A (en) * | 1997-04-21 | 2000-03-28 | Alliedsignal Inc. | Synthesis of siloxane resins |
JP4628548B2 (ja) * | 1999-03-24 | 2011-02-09 | 株式会社カネカ | 2液型硬化性組成物及びこれに用いる硬化剤技術分野 |
US20050003215A1 (en) * | 2000-02-16 | 2005-01-06 | Nigel Hacker | Synthesis of siloxane resins |
US20030176614A1 (en) * | 2000-06-30 | 2003-09-18 | Nigel Hacker | Organohydridosiloxane resins with high organic content |
JP3717379B2 (ja) * | 2000-08-02 | 2005-11-16 | 信越化学工業株式会社 | 球状シリコーン樹脂微粒子の製造方法 |
JP4793524B2 (ja) | 2001-03-07 | 2011-10-12 | 日産化学工業株式会社 | テトラアルコキシシラン縮合物及びその製造方法 |
KR101191098B1 (ko) * | 2004-12-17 | 2012-10-15 | 다우 코닝 코포레이션 | 실록산 수지 피복물 |
US7893183B2 (en) * | 2005-04-07 | 2011-02-22 | Momentive Performance Materials Inc. | Epoxy silane oligomer and coating composition containing same |
JP5127452B2 (ja) | 2005-08-10 | 2013-01-23 | 日揮触媒化成株式会社 | 異形シリカゾルの製造方法 |
JP4920513B2 (ja) | 2006-07-13 | 2012-04-18 | 新日鐵化学株式会社 | フィルム積層体及びその製造方法 |
CN103131010A (zh) * | 2013-04-01 | 2013-06-05 | 唐山三友硅业有限责任公司 | 利用有机硅高沸物、低沸物共水解制备硅油的方法 |
CN103319716B (zh) * | 2013-06-17 | 2016-06-29 | 青岛福凯橡塑新材料有限公司 | 硅树脂及其制备方法 |
-
2015
- 2015-09-28 EP EP15846569.0A patent/EP3208295B1/en active Active
- 2015-09-28 WO PCT/JP2015/077337 patent/WO2016052413A1/ja active Application Filing
- 2015-09-28 CN CN201580053271.6A patent/CN107075119B/zh active Active
- 2015-09-28 JP JP2016552019A patent/JP6577953B2/ja active Active
-
2017
- 2017-03-30 US US15/474,142 patent/US10040907B2/en active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP3208295A1 (en) | 2017-08-23 |
US10040907B2 (en) | 2018-08-07 |
US20170204226A1 (en) | 2017-07-20 |
WO2016052413A1 (ja) | 2016-04-07 |
JPWO2016052413A1 (ja) | 2017-07-13 |
CN107075119A (zh) | 2017-08-18 |
EP3208295B1 (en) | 2021-01-13 |
EP3208295A4 (en) | 2018-05-09 |
CN107075119B (zh) | 2021-01-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6577953B2 (ja) | シロキサン樹脂の製造方法 | |
US9458183B2 (en) | Method of synthesizing siloxane monomers and use thereof | |
JP3474007B2 (ja) | 有機官能基含有オルガノポリシロキサンの製造方法 | |
JP2712817B2 (ja) | ポリオルガノシロキサン樹脂の製造方法 | |
JP2010523561A (ja) | 揮発性有機化合物(voc)を発生する可能性の低い加水分解性シランおよびそれを含有する樹脂組成物 | |
KR101965923B1 (ko) | 실란올기 함유 폴리실록산 용액의 안정화 방법, 안정화 실란올기 함유 폴리실록산 용액의 제조 방법 및 안정화 실란올기 함유 폴리실록산 용액 | |
JP2012516919A (ja) | 無溶媒で水溶性のシラン変性ケイ酸塩 | |
JP6788862B2 (ja) | シリコーン重合体の製造方法 | |
US9018275B2 (en) | Photo-curable transparent resin composition | |
JP6291820B2 (ja) | シリル基含有ホスホリルコリン化合物及びその製造方法、並びに、重縮合体及び表面改質剤 | |
JP3801208B2 (ja) | 硬化性ポリメチルシルセスキオキサン組成物 | |
US20070055034A1 (en) | Process for producing cation-curable silicon compound | |
WO2012090708A1 (ja) | 反応性ポリシロキサン溶液の製造方法 | |
JP5066433B2 (ja) | 硬化性組成物の製造方法およびコーティング用硬化性組成物 | |
KR101811163B1 (ko) | 지환족 수지, 이의 수득 방법 및 고 내성 코팅에의 이의 적용 | |
JP5967035B2 (ja) | シリルホスフェートの製造方法及び紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物の製造方法 | |
JP2001139689A (ja) | オルガノオキシ基末端オルガノポリシロキサンの製造方法 | |
JP5382000B2 (ja) | オキセタニル基を有するケイ素化合物の製造方法 | |
TWI431067B (zh) | Containing organic polysiloxane mixed composition | |
JP2000212284A (ja) | シラノ―ル基含有化合物の縮合法 | |
JP2008169336A (ja) | 樹脂除去剤 | |
JP2011132326A (ja) | 反応性ポリシロキサンの製造方法 | |
JP2002053659A (ja) | カチオン硬化性シリカ分散液およびその製造方法、ならびに該シリカ分散液からなるカチオン硬化性組成物 | |
JPH08176509A (ja) | 塗料用樹脂組成物 | |
JP2010168431A (ja) | 両末端ヒドロカルビルオキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサンの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180723 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190604 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190710 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190806 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190823 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6577953 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |