JP6577122B1 - 柱接続構造および柱接続方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接続される柱の接続位置および傾きの精度を確保しつつ外側に張り出す部分を解消できる柱接続構造および柱接続方法を提供する。【解決手段】下側柱10と、下端が下側柱10の上端(ダイヤフラム14の上面)に接続される管状の上側柱30と、下側柱10の上端に固定されて上側柱30の下端開口から挿入可能な円柱状の芯部材41と、上側柱30の所定高さ位置に複数設置されて各々上側柱30の内側へ進出可能な挟持部材(ボルト44)と、を用い、下側柱10の上方から上側柱30を接近させ、芯部材41を上側柱30の下端開口から上側柱30に挿入し、挟持部材を進出させて芯部材41に当接させ、下側柱10に対する上側柱30の水平位置および傾きを調整する。【選択図】図1

Description

本発明は柱接続構造および柱接続方法に関する。
鉄骨構造建物では、予め工場施工された鉄骨柱および鉄骨梁を建築現場に搬入し、相互に接続して柱梁構造体を形成している。鉄骨柱には鋼管柱が多用され、鉄骨梁にはH形鋼が多用されている。下階の鉄骨柱の上端には、鉄骨梁を接続するために、2枚のダイヤフラムと短尺の鋼管柱で形成される柱梁接合部が用いられる。
鉄骨柱と柱梁接合部との接続では、エレクションピースによる仮止めを行い、鉄鋼柱の接続位置や傾きを調整したうえで、溶接による本固定を行っている(特許文献1参照)。
エレクションピースは、上階の鉄骨柱の外側面に固定された接続片と、下階の鉄骨柱または鉄骨梁に固定された接続片とを連結する板材であり、複数のボルトで各接続片に締結される。上階の鉄骨柱を溶接する際には、エレクションピースのボルトを緩めた状態で、上階の鉄骨柱の水平位置、垂直高さ、および鉄骨柱の傾きを適切な状態に調整し、改めてエレクションピースのボルトを締め込む。このようなエレクションピースで上階の鉄骨柱と下階の鉄骨柱とを仮止めした状態で、上階の鉄骨柱の下端を下階の鉄骨柱(柱梁接合部の上面)に溶接することで、上階の鉄骨柱と下階の鉄骨柱とを適切な位置および傾きで本固定することができる。
エレクションピースによる仮止めに先立って、上階の鉄骨柱の水平位置、垂直高さ、および鉄骨柱の傾きを適切な状態に調整するために、様々な治具が利用される。
上階の鉄骨柱の下端と柱梁接合部の上面との水平位置、および垂直高さを適切に調整するために、柱梁接合部の上面に鉄骨柱の下端開口に係合するガイド部材や、鉄骨柱の下端の外周面に調整可能な当接部材が用いられている(特許文献2参照)。
上階の鉄骨柱の傾きを調整するために、上階の鉄骨柱の上部と鉄骨梁とを結ぶ建方部材が用いられている。建方部材としては、ターンバックルを用いた棒状部材や、鉄骨柱から四方へ伸びるワイヤなどが用いられている(特許文献3参照)。
上階の鉄骨柱を溶接固定する作業には、自動溶接機を用いたロボット溶接が導入されている。ロボット溶接では、鉄骨柱の周囲に環状のレールを設置し、レールに沿って自動溶接機を走行させる。ロボット溶接では、鉄骨柱の周囲を一巡できることが望ましい。しかし、エレクションピースを用いる際には、エレクションピースと自動溶接機との干渉が生じる。このため、自動溶接機の移動範囲を区間ごとに制限し、溶接位置により自動溶接機の向きを細かく調整することが提案されている(特許文献4参照)。
特許第2670735号公報 特開2004−68385号公報 特開平11−217939号公報 特開2018−53626号公報
前述したエレクションピースや当接部材、建方部材により、鉄骨柱の接続位置および傾きを適切に調整することができるが、これらはそれぞれ鉄骨柱の外側に張り出す。なかでも、建方部材は、鉄骨柱の上部と鉄骨梁の上面とを結ぶように配置され、周辺作業との干渉が避けられない。
また、鉄骨柱の下端では、エレクションピースや当接部材が外向きに張り出すことで、本固定のための溶接作業に干渉することがある。とくに、ロボット溶接を行う場合には、エレクションピースの間の区間に作業が分断される。
さらに、前述したエレクションピースや当接部材、建方部材は、それぞれ部品点数が多く、その組立てが煩雑であり、作業効率の向上が難しかった。
従って、作業を効率的に行うために、鉄骨柱の接続位置および傾きの調整を可能としつつ、鉄骨柱から外向きに張り出す部分を可能な限り小さくし、かつ作業効率を向上することが求められていた。
本発明の目的は、接続される柱の接続位置および傾きの精度を確保しつつ外側に張り出す部分を解消できる柱接続構造および柱接続方法を提供することにある。
本発明の柱接続構造は、下側柱と、下端が前記下側柱の上端に接続される管状の上側柱と、前記下側柱の上端に固定されて前記上側柱の下端開口から挿入可能な円柱状の芯部材と、前記上側柱の所定高さ位置に複数設置されて各々前記上側柱の内側へ進出して先端が前記芯部材の表面に当接可能な挟持部材と、前記芯部材の前記挟持部材と反対側に設置されて前記芯部材の前記挟持部材が当接される部分を補強する補強部材と、を有することを特徴とする。
本発明において、芯部材としては、上側柱に挿入可能な円筒状の部材、例えば断面が円形の鋼管などが利用できる。挟持部材としては、上側柱の各面を貫通するボルトなどが利用できる。複数の挟持部材のセットは、上側柱の所定高さ位置に周方向になるべく等間隔で設置することが好ましい。例えば、上側柱が四角柱状である場合、4本の挟持部材を各面ごとに配置し、各一対ずつの挟持部材で芯部材を交差方向に挟持することができる。一方、挟持部材は偶数に限らず、上側柱が円筒状である場合など、3本または5本以上の挟持部材で中央部に芯部材を挟持してもよい。
このように本発明では、挟持部材で芯部材を挟持することで、芯部材に対する上側柱の水平位置つまり下側柱に対する水平位置を調整し、確定することができる。
ここで、挟持部材を上側柱の比較的高い位置に設置すれば、芯部材の高い位置で下側柱に対する水平位置を調整して確定でき、これにより芯部材つまり下側柱に対する上側柱の傾きを調整することもできる。
従って、本発明では、芯部材および挟持部材により柱の外側に張り出す部分を解消しつつ、接続位置の精度あるいは傾きの精度を確保することができる。
さらに、本発明においては、下側柱に芯部材を固定しておき、上側柱に挟持部材を設置しておき、現場において上側柱に芯部材を挿入して挟持部材で挟持することで上下の柱を接続でき、部品点数を低減し、組立て作業を簡素化できる。
とくに、本発明においては、芯部材が円筒状であるため、上側柱と下側柱との中心軸線まわりの角度位置に関係なく挟持部材で挟持することができる。芯部材が、例えば四角筒状であると、芯部材と挟持部材との角度位置が合っていないと、挟持部材の先端が芯部材の側面に対して斜めに当接し、適切な挟持ができない可能性があり、上側柱と芯部材との角度位置合わせに余計な作業が必要になる可能性がある。これに対し、芯部材が円筒状であれば、相対的な角度位置に関わりなく、芯部材の最大径の部分に挟持部材を当てて挟持するだけでよく、作業効率を向上することができる。
さらに、本発明においては、芯部材の挟持部材と反対側に設置されて芯部材の挟持部材が当接される部分を補強する補強部材を有するので、挟持部材による挟持が大きな力であっても、芯部材の変形などを防止することができ、適切な水平位置調整あるいは傾き調整を実現できる。
本発明において、補強部材としては、挟持部材が当接する部位の凹みを防止するために同当接部位の裏側どうしを連結する梁材や十字材、格子材あるいはダイヤフラムなどが利用できるほか、芯部材の内側に張られて挟持部材からの力を分散させる肉厚の部材やリブが利用できる。
本発明の柱接続構造において、前記上側柱には、複数の高さ位置に、複数の前記挟持部材が設置されていることが好ましい。
このような本発明では、複数の挟持部材のセットにより、各々の高さ毎に、芯部材に対する上側柱の水平位置を設定できる。つまり、下段のセットにより、下側柱に対する上側柱の水平位置を調整したうえで、上段のセットにより、下側柱に対する上側柱の傾きを調整し、確定することができる。
従って、本発明では、芯部材および挟持部材により柱の外側に張り出す部分を解消しつつ、接続位置の精度および傾きの精度を確保することができる。
本発明の柱接続構造において、前記上側柱に設置されて前記下側柱が近接した際に前記下側柱を係止可能な上側係止部材、および前記下側柱に設置されて前記上側柱が近接した際に前記上側柱を係止可能な下側係止部材の、少なくともいずれかを有することが好ましい。
このような本発明では、上側柱の下端開口に芯部材を挿入し、上側柱の下端を下側柱の上端に近接させると、上側係止部材および下側係止部材の少なくともいずれかにより相互の移動が規制され、上側柱の下端と下側柱の上端との間に所定の隙間が確保され、この隙間を溶接用の開先として利用することができる。
本発明の柱接続構造において、前記上側柱または前記下側柱に設置されて、上側柱の下端開口の内側縁を覆う裏当て部材を有することが好ましい。
本発明において、上側柱に設置される裏当て部材としては、予め帯状の部材を上側柱の内側に固定しておくことで裏当て部材とすることができる。下側柱に設置される裏当て部材としては、予め下側柱の上端に、上側柱の下端開口に嵌め込み可能な偏平な筒状の部材(帯状部材を環状に連結したものなど)を固定しておき、上側柱を下側柱に接続した際に上側柱の下端開口に嵌め込まれることで裏当て部材となる構成としてもよい。
このような裏当て部材により、溶接用の開先の裏当てを確保することができる。
本発明の柱接続方法は、下側柱と、下端が前記下側柱の上端に接続される管状の上側柱と、前記下側柱の上端に固定されて前記上側柱の下端開口から挿入可能な芯部材と、前記上側柱の所定高さ位置に複数設置されて各々前記上側柱の内側へ進出して先端が前記芯部材の表面に当接可能な円柱状の挟持部材と、前記芯部材の前記挟持部材と反対側に設置されて前記芯部材の前記挟持部材が当接される部分を補強する補強部材と、を用い、前記下側柱の上方から前記上側柱を接近させ、前記芯部材を前記上側柱の下端開口から前記上側柱に挿入し、前記挟持部材を進出させて前記補強部材の反対側から前記芯部材に当接させ、前記下側柱に対する前記上側柱の水平位置および傾きのいずれかを調整することを特徴とする。
このような本発明では、前述した本発明の柱接続構造で説明した通りの効果を得ることができる。
本発明によれば、接続される柱の接続位置および傾きの精度を確保しつつ外側に張り出す部分を解消し、かつ作業効率を向上できる柱接続構造および柱接続方法を提供することができる。
本発明の柱接続構造の一実施形態を示す側面図。 前記実施形態の接続作業を示す側面図。 前記実施形態の芯部材の上部を示す断面図。 前記実施形態の芯部材の下部を示す断面図。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、柱梁構造体1は、下側柱10の上端側面に鉄骨梁20を接続するとともに、下側柱10の上端に上側柱30を接続して形成される。
下側柱10は、垂直に配置された中空で断面四角形状の鋼管柱11を有し、その上端に柱梁接合部12を有する。
柱梁接合部12は、鋼管柱11と断面が同寸だが短尺の中間柱13を有し、その上面および下面にはそれぞれダイヤフラム14,15が全周溶接で固定されている。
柱梁接合部12は、下側のダイヤフラム15に鋼管柱11の上端を全周溶接することで、鋼管柱11に固定されている。
鉄骨梁20は、上下のフランジ21,22およびウェブ23により断面がH形に形成されたH形鋼である。
鉄骨梁20は、柱梁接合部12の中間柱13に設置されたブラケット16に対してボルト締結されるとともに、上下のフランジ21,22をダイヤフラム14,15に溶接され、これにより鋼管柱11の側面に固定されている。
上側柱30は、鋼管柱11と断面が同寸の鋼管柱31で構成されている。
上側柱30は、下端32の外縁をダイヤフラム14の上面に全周溶接することで下側柱10の上端(ダイヤフラム14の上面)に固定される。溶接にあたっては、予め下側柱10に対する上側柱30の水平位置および傾きを調整しておく。
この調整を行うために、上側柱30と下側柱10との間には、調整機構40が設置されている。
図2、図3、図4にも示すように、調整機構40として、ダイヤフラム14の上面(下側柱10の上端)には、芯部材41および下側係止部材を兼ねる裏当て部材42が設置され、上側柱30には、上側係止部材であるストッパ部材43および挟持部材であるボルト44が設置されている。
芯部材41は、外径が上側柱30の内側面間距離より小さな円筒状の鋼管で構成されている。芯部材41は、下端をダイヤフラム14の上面に全周溶接して固定され、上端側を上側柱30の下端開口内へと挿入可能である(図2参照)。
芯部材41の内部には、上端の近くに十字状の補強部材45(図2および図3参照)が設置されている。補強部材45は、板状の鋼材を十字状に組み合わせて形成され、各々の先端を芯部材41の内側面に溶接固定されている。
裏当て部材42は、上側柱30の下端開口内側に沿った形状の偏平な筒体(図3参照)であり、例えば帯状の鋼材を屈曲されて形成される。裏当て部材42は、下縁をダイヤフラム14の上面に全周溶接して固定され、上縁側を上側柱30の下端開口内へと挿入可能である。
裏当て部材42は、上側柱30と下側柱10とが接続される際に、下端開口の内側縁を覆うように保持され(図1参照)、溶接時の裏当てとして利用できる。
裏当て部材42は、上側柱30の下端開口内側との間に所定の隙間が確保され、上側柱30と下側柱10とが溶接される前の段階では相互に変位可能である。
ストッパ部材43は、上側柱30の内面の下端32の近傍に溶接で固定された板状の鋼材であり、複数が同じ高さで配置されている(図1および図2参照)。複数のストッパ部材43は、上側柱30の各側面に2つずつ、間欠的に配置されている(図2および図4参照)。
ストッパ部材43は、上側柱30と下側柱10とが接続される際に、裏当て部材42に当接することで係止され(図1参照)、上側柱30と下側柱10との近接を規制し、上側柱30の下端32とダイヤフラム14の上面との間に所定の間隔を確保可能である。
ボルト44は、上側柱30に形成されたねじ孔に螺合され、外側の頭部を操作することで内側の先端が上側柱30の中心へと進出可能であり、逆向きに操作することで後退可能である。
ボルト44は、上側柱30の下端32の近くとその上方との2つの高さにおいて、上側柱30の各側面に1本ずつ設置されている(図1および図2参照)。
上側柱30の高い位置に設置されたボルト44(上段のセット46)は、それぞれ先端が芯部材41の表面のうち、補強部材45が裏側に接続された部位に当接され、交差方向に対向する各一対で芯部材41を挟持することで、当該高さ位置での上側柱30と芯部材41との水平位置を調整可能である(図1および図3参照)。
上側柱30の低い位置に設置されたボルト44(下段のセット47)は、それぞれ先端が芯部材41の表面に当接され、交差方向に対向する各一対で芯部材41を挟持することで、当該高さ位置での上側柱30と芯部材41との水平位置を調整可能である(図1および図4参照)。
次に、本実施形態における上側柱30と下側柱10との接続作業について説明する。
接続作業に先立って、下側柱10に芯部材41および裏当て部材42を固定しておく。また、上側柱30には、ストッパ部材43を固定しておく。上側柱30にはボルト44を装着するが、十分に後退した状態(上側柱30の外側に移動した状態)としておく。
接続作業においては、先ず、下側柱10の上方から上側柱30を接近させ(図2の状態)、芯部材41を上側柱30の下端開口から上側柱30の内部へと挿入する。上側柱30がダイヤフラム14に近接したら、上側柱30の下端開口内に裏当て部材42を導入し、裏当て部材42とストッパ部材43とが当接した状態(仮止め状態)で保持する(図1の状態)。
次に、上側柱30が、裏当て部材42およびストッパ部材43を介して下側柱10に保持された仮止め状態で、下段のセット47のボルト44をそれぞれ進出させ、各一対ずつで芯部材41を挟持する。この際、各一対のボルト44を進退させる操作により、上側柱30の下側柱10(ダイヤフラム14)に対する水平位置を所定の位置に調整する。
なお、裏当て部材42と上側柱30との間には、前述の通り隙間が確保されており、下段のセット47のボルト44による水平位置の調整を妨げることはない。
続いて、上段のセット46のボルト44をそれぞれ進出させ、各一対ずつで芯部材41を挟持する。この際、各一対のボルト44を進退させる操作により、上側柱30の下側柱10(ダイヤフラム14)に対する水平位置を調整する。
前述の通り、上側柱30の下端32は下段のセット47により水平位置を確定されており、上段のセット46による水平位置の調整は、上側柱30の傾きの調整となる。従って、上段のセット46を調整することで、下側柱10に対する上側柱30の傾きを所定の傾きに調整する。
以上の操作により上側柱30の水平位置および傾きの調整ができたら、下端32の外周縁を全周にわたって溶接する。これにより、仮止め状態だった上側柱30は、下側柱10の上端(ダイヤフラム14の上面)に完全に固定される。
本実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
本実施形態では、挟持部材であるボルト44のうち、下段のセット47で芯部材41を挟持することで、芯部材41に対する上側柱30の水平位置つまり下側柱10に対する水平位置を調整し、確定することができる。
また、挟持部材であるボルト44のうち、上段のセット46で芯部材41を挟持することで、芯部材41の高い位置で下側柱10に対する水平位置を調整して確定でき、これにより芯部材41つまり下側柱10に対する上側柱30の傾きを調整することもできる。
とくに、本実施形態では、複数の挟持部材のセット(上段のセット46および下段のセット47)により、各々の高さ毎に、芯部材41に対する上側柱30の水平位置を設定できる。つまり、下段のセット47により、下側柱10に対する上側柱30の水平位置を調整したうえで、上段のセット46により、下側柱10に対する上側柱30の傾きを調整し、確定することができる。
従って、本実施形態によれば、芯部材41および挟持部材であるボルト44により、柱の外側に張り出す部分を解消しつつ、接続位置の精度および傾きの精度を確保できる。
本実施形態では、芯部材41が円筒状であるため、上側柱30と下側柱10との中心軸線まわりの角度位置に関係なくボルト44で挟持することができる。
例えば、上側柱30および芯部材41がともに四角筒状であると、各々の角度位置によってボルト44の先端が芯部材41の側面に対して斜めに当接し、適切な挟持ができない可能性があり、上側柱30と芯部材41との角度位置合わせに余計な作業が必要になる可能性がある。
これに対し、芯部材41が円筒状であれば、その最大径の部分にボルト44を当てて挟持するだけでよく、作業の簡略化による作業効率の向上を図ることができる。
本実施形態では、芯部材41の上段のセット46の高さに、ボルト44で挟持される部分を補強する補強部材45を設置した。このため、ボルト44による挟持が大きな力であっても、芯部材41の変形などを防止することができ、適切な水平位置調整あるいは傾き調整を実現できる。
とくに、補強部材45として十字材を用い、ボルト44が当接される部分のちょうど裏側を補強するようにしたので、補強効果を最大にできる。
本実施形態では、上側柱30の下端開口に芯部材41を挿入し、上側柱30の下端32を下側柱10の上端(ダイヤフラム14の上面)に近接させると、上側係止部材であるストッパ部材43および下側係止部材を兼ねる裏当て部材42とが係合して相互の移動が規制される。このため、上側柱30の下端32と下側柱10の上端との間に所定の隙間を確保することができ、この隙間を溶接用の開先として利用することができる。
本実施形態では、下側柱10の上端(ダイヤフラム14の上面)に裏当て部材42を設置し、上側柱30の下端開口の内側縁を覆うようにしたので、溶接用の開先の裏当てを確保することができる。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形などは本発明に含まれる。
前述した実施形態では、芯部材41を円筒状の鋼管としたが、例えば有底の円筒状であってもよく、内部に充填材を詰めて中実としてもよく、外周面が円筒面となる円柱状の芯部材であればよい。
前述した実施形態では、挟持部材であるボルト44を、上段のセット46および下段のセット47の複数高さに設置したが、これらはいずれか一つの高さだけとしてもよい。
下段のセット47だけ設置した場合には、上側柱30の下端32の位置調整のみ行うことができる。傾きの調整には、他の建入ワイヤなどを利用することができる。
上段のセット46だけ設置した場合には、下端32と裏当て部材42との間隔を小さくすることで水平位置を拘束することで、上側柱30の傾きだけの調整に利用できる。
前述した実施形態では、芯部材41の内部に十字状の補強部材45を設置したが、補強部材としては、梁材や格子材あるいはダイヤフラムなどが利用できるほか、芯部材の内側に張られて挟持部材からの力を分散させる肉厚の部材やリブが利用できる。さらに、本発明には含まれないが、補強部材としては、ボルト44が当接される部位の裏側を直接補強するものに限らず、離れた部位であっても当該部位の変形を防止できれば利用できる。
前述した実施形態では、下側係止部材として裏当て部材42を兼用し、上側係止部材としてストッパ部材43を設置し、各々を係合させることで上側柱30を下側柱10に仮止めしたが、これらを両方設置して互いに係合させることは必須ではない。また、下側係止部材として裏当て部材42を兼用することも必須ではなく、下側係止部材と裏当て部材42とを別個に設置してもよい。
例えば、ダイヤフラム14の表面に板状の下側係止部材を設置し、上側柱30の下端を受けるようにしてもよく、上側柱30の内側に下端32から突出するブロック状の上側係止部材を設置し、ダイヤフラム14に当接させてもよく、要するに上側柱30の下端32と下側柱10の上端(ダイヤフラム14の上面)との間に所定の隙間が確保できる構成にできればよい。
前述した実施形態では、裏当て部材42により、上側柱30の下端32を下側柱10の上端(ダイヤフラム14の上面)に溶接するための開先の裏当てを確保していた。このような裏当て部材42としては、前述した実施形態のようにダイヤフラム14の上面に固定された帯状の部材に限らず、上側柱30の下端開口の内側に帯状の部材を固定しておいてもよい。
その他、下側柱10は柱梁接合部12および鋼管柱11で構成されるものに限らず、例えばH形鋼の上端にダイヤフラム14を張ったものなど、適宜な構成とすることができる。鉄骨梁20などの構成も、実施にあたって適宜選択すればよい。
本発明は柱接続構造および柱接続方法に利用できる。
1…柱梁構造体、10…下側柱、11…鋼管柱、12…柱梁接合部、13…中間柱、14,15…ダイヤフラム、16…ブラケット、20…鉄骨梁、21,22…フランジ、23…ウェブ、30…上側柱、31…鋼管柱、32…下端、40…調整機構、41…芯部材、42…下側係止部材を兼ねる裏当て部材、43…上側係止部材であるストッパ部材、44…挟持部材であるボルト、45…補強部材、46…上段のセット、47…下段のセット。

Claims (5)

  1. 下側柱と、下端が前記下側柱の上端に接続される管状の上側柱と、前記下側柱の上端に固定されて前記上側柱の下端開口から挿入可能な円柱状の芯部材と、前記上側柱の所定高さ位置に複数設置されて各々前記上側柱の内側へ進出して先端が前記芯部材の表面に当接可能な挟持部材と、前記芯部材の前記挟持部材と反対側に設置されて前記芯部材の前記挟持部材が当接される部分を補強する補強部材と、を有することを特徴とする柱接続構造。
  2. 請求項1に記載の柱接続構造において、前記上側柱には、複数の高さ位置に、複数の前記挟持部材が設置されていることを特徴とする柱接続構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の柱接続構造において、
    前記上側柱に設置されて前記下側柱が近接した際に前記下側柱を係止可能な上側係止部材、および前記下側柱に設置されて前記上側柱が近接した際に前記上側柱を係止可能な下側係止部材の、少なくともいずれかを有することを特徴とする柱接続構造。
  4. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の柱接続構造において、
    前記上側柱または前記下側柱に設置されて、前記上側柱の下端開口の内側縁を覆う裏当て部材を有することを特徴とする柱接続構造。
  5. 下側柱と、下端が前記下側柱の上端に接続される管状の上側柱と、前記下側柱の上端に固定されて前記上側柱の下端開口から挿入可能な円柱状の芯部材と、前記上側柱の所定高さ位置に複数設置されて各々前記上側柱の内側へ進出して先端が前記芯部材の表面に当接可能な挟持部材と、前記芯部材の前記挟持部材と反対側に設置されて前記芯部材の前記挟持部材が当接される部分を補強する補強部材と、を用い、
    前記下側柱の上方から前記上側柱を接近させ、前記芯部材を前記上側柱の下端開口から前記上側柱に挿入し、
    前記挟持部材を進出させて前記補強部材の反対側から前記芯部材に当接させ、前記下側柱に対する前記上側柱の水平位置および傾きのいずれかを調整することを特徴とする柱接続方法。
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