JP4136869B2 - エネルギー吸収が可能な鉄骨柱の溶接継手構法及び溶接継手構造 - Google Patents

エネルギー吸収が可能な鉄骨柱の溶接継手構法及び溶接継手構造 Download PDF

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この発明は、鉄骨造建築物の鉄骨柱のメタルタッチによる溶接継手構法および溶接継手構造の技術分野に属し、更に云えば、エネルギー吸収部材(ダンパー板)を用い、建築物が地震や風により水平力を受けた場合に、軸圧縮力、及び剪断力に耐えつつ、引張応力を前記エネルギー吸収部材で吸収して応答を低減させるようにエネルギー吸収が可能な鉄骨柱の溶接継手構法および溶接継手構造に関する。
従来、鉄骨造建築物の柱継手部は、3層程度を一節として製作する方法が多く実用に供されている。その接合構法には溶接接合や高力ボルト摩擦接合等による剛接継手等が実施されている。
例えば、特許文献1の「角形鋼管柱相互の剛接合構造」には、当て板を上下の角型鋼管柱にわたり接合部の表面および裏面の各々にあてがい、特殊構造のワンサイドボルトによって剛接合した構成が開示されている。これは上記の高力ボルト摩擦接合の一種に分類される。
特許文献2の「上下鉄骨柱の接合構造」には、上下の鉄骨柱間に接合金物を介在させ、上下の鉄骨柱と接合金物との溶接接合や高力ボルト摩擦接合で強固に接合した構成が開示されている。
一般的にフランジ継手と称される技術として、特許文献3の「鋼管柱の継手構造」には、柱として接続される上位の管体の端部に予めフランジを設け、その外周面を半割金物で挟み、スリーブによって強固に締め付けるフランジ継手が開示されている。
建物の主要構造部材にエネルギー吸収部材を取り付けた例として、特許文献4の「柱梁接合構造」は、H形鋼梁端のフランジにカバープレートを付けた構成が開示されている。H形鋼梁のフランジの左右両面に、三角形板状の極低降伏点鋼材(エネルギー吸収部材)から成るプレート又はカバープレートを水平に添設して柱に溶接接合することにより、H形鋼梁との接合部が補強され、地震時におけるH形鋼梁に対する変形追随性能が向上し、H形鋼梁がプレート又はカバープレートと共に地震時の履歴エネルギーを吸収する構成が開示されている。
また、本出願人による特願2002−86353の「エネルギー吸収部材を有する柱継手」は、例えば、図11に示すように、下位の鉄骨柱110の上側のダイアフラム111の上面に垂直上向きに立てその下端部をダイアフラム111と溶接接合されたエネルギー吸収部材112(ダンパー板)の内側へ上位の鉄骨柱113が差し入れられ、該上位の鉄骨柱113とダイアフラム111とは当接状態(メタルタッチ)とされている。そして、エネルギー吸収部材112(ダンパー板)の上部を上位の鉄骨柱113と溶接接合により緊密に連結されている。
特許第2702882号公報 特公平7−81314号公報 特開平8−144384号公報 特開2000−273971号公報
上記特許文献1〜3に開示された溶接接合や高力ボルト摩擦接合等による剛接継手およびフランジ継手は、柱相互間を強固に緊結することが出来る。しかし、地震や風等で柱継手部に生じる応力に関しては殆どそのエネルギーを吸収することが出来ないという問題点がある。
特許文献4に開示された発明は、エネルギー吸収部材をH形鋼梁に取り付けた構成であり、柱継手部に生じる応力は低減できない。
特願2002−86353の発明は、上位の鉄骨柱113の下端をダイアフラム111の上面へメタルタッチの状態で載せるが、図11に拡大して示すように、エネルギー吸収部材112(ダンパー板)をダイアフラム111と完全溶け込み溶接した際に溶接ビードが大きくはみ出なさいように施工することは非常に難しく、はみ出た場合にはガウジングで削る必要が生じ、上位の鉄骨柱113の完全なメタルタッチを実現し難いという問題がある。また、エネルギー吸収部材112の下端をダイアフラム111の上面へ溶接接合するにあたり、エネルギー吸収部材112の接合位置及び垂直姿勢を正確に保ち難く、溶接作業が面倒で精度を得がたいという問題点もある。
本発明の目的は、端的に云えば、上記特願2002−86353に係る発明の問題点を解決すること、即ち、エネルギー吸収部材(ダンパー板)の下端とダイアフラムとの溶接ビードがメタルタッチの障害とならず、しかも、溶接の品質を向上させ、且つ、エネルギー吸収部材の接合位置及び垂直姿勢の正確さ、精度を出し易い構成に改良した鉄骨柱の溶接継手構法および溶接継手構造を提供することにある。
本発明の次の目的は、メタルタッチとする上下の鉄骨柱の断面が食い違わないように位置決め機能を兼ねる剪断抵抗部材を用いた溶接継手構法および溶接継手構造を提供することにある。
上記した課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係るエネルギー吸収が可能な鉄骨柱の溶接継手構法は、
鉄骨造建築物の鋼管柱のメタルタッチによる溶接継手構法において、
柱脚のダイアフラム3の上面における柱の芯々位置に短い中継ぎ鋼管4を配置し、その外周に鋼材から成るエネルギー吸収用の複数のダンパー板5を垂直上向きに立て、ダンパー板5とダイアフラム3とは完全溶け込み溶接を行い、中継ぎ鋼管4とダイアフラム3も溶接接合を行う工程と、
上位の鋼管柱6を前記ダンパー板5の内側へ差し入れてその下端を前記中継ぎ鋼管の上端へメタルタッチの状態で載せ、各ダンパー板5の上部を上位の鋼管柱6と溶接で緊結する工程とから成ることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載したエネルギー吸収が可能な鉄骨柱の溶接継手構法において、
中継ぎ鋼管4の内周面に沿って垂直に立ち上がる剪断抵抗部材8を同中継ぎ鋼管4の上端面よりも高く突き出させ、剪断抵抗部材8は中継ぎ鋼管4の内周面及びダイアフラム3と溶接等で接合して設置し、上位の鋼管柱6は前記ダンパー板5と剪断抵抗部材8との間へ差し入れてその下端を前記中継ぎ鋼管4の上にメタルタッチの状態で載せることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載したエネルギー吸収が可能な鉄骨柱の溶接継手構法において、
中継ぎ鋼管4は、上位の鋼管柱6の下端部を所要の長さ、少なくともスラブ7の厚さL以上の長さTに切断して製作し、その切断面を上向きにしてダイアフラム3の上面に設置することを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載したエネルギー吸収が可能な鉄骨柱の溶接継手構法において、
中継ぎ鋼管4の外周面に位置する各ダンパー板5の外周を取り巻く環状のタイバンド9を仮止め状態に設置し、各ダンパー板5を締め付けて拘束した後、前記タイバンドで各ダンパー板5の上部を上位の鋼管柱6と溶接で緊結することを特徴とする。
請求項5に記載した発明に係るエネルギー吸収が可能な鉄骨柱の溶接継手構造は、
鉄骨造建築物の鉄骨柱のメタルタッチによる溶接継手構造であって、
柱脚のダイアフラム3の上面における柱の芯々位置に短い中継ぎ鋼管4が配置され、その外周に鋼材から成る複数のダンパー板5が垂直上向きに立てられ、ダンパー板5とダイアフラム3とは完全溶け込み溶接が行なわれ、中継ぎ鋼管4とダイアフラム3も溶接接合されていること、
上位の鋼管柱6は前記ダンパー板5の内側へ差し入れてその下端が前記中継ぎ鋼管4の上端へメタルタッチの状態で載せられ、各ダンパー板5の上部が上位の鋼管柱6と溶接で緊結されていることを特徴とする。
請求項6に記載した発明に係るエネルギー吸収が可能な鉄骨柱の溶接継手構造は、
鉄骨造建築物の鉄骨柱のメタルタッチによる溶接継手構造であって、
鉄骨柱脚のダイアフラム30の上面における柱の芯々位置に、H形鋼で成る鉄骨柱と同形・同大の短い中継ぎ鋼材40が配置され、そのフランジ及びウエブの外周面に鋼材から成るダンパー板50a、50bが垂直上向きに立てられ、前記各ダンパー板50a、50bとダイアフラム30とは完全溶け込み溶接が行わされ、中継ぎ鋼材40とダイアフラム30も溶接接合されていること、
H形鋼で成る上位の鉄骨柱は前記各ダンパー板50a、50bの内側へ差し入れてその下端を前記中継ぎ鋼材40の上端へメタルタッチの状態に載せられ、各ダンパー板50a、50bの上部が上位の鉄骨柱60と溶接で緊結されていることを特徴とする。
請求項1〜6に記載した発明に係るエネルギー吸収が可能な鉄骨柱の溶接継手構法および溶接継手構造によれば、ダイアフラムと上位の鋼管柱又はH形鋼で成る鉄骨柱との間に中継ぎ鋼管又は中継ぎ鋼材が介在するため、ダンパー板の下端とダイアフラムとの溶接ビードがメタルタッチの障害となることが無く、また、中継ぎ鋼管がダンパー板の溶接時に裏当金としての役目をするほか、位置決めゲージとしての作用、効果も発揮してダンパー板の接合位置及び垂直姿勢の正確さ、精度を高めることに寄与する。
請求項3のように、前記中継ぎ鋼管又は中継ぎ鋼材を、上位の鋼管柱又はH形鋼で成る鉄骨柱の下端部を切断したものにすると、メタルタッチ面の整合性の精度を確実に得られる。更に、中継ぎ鋼管又は中継ぎ鋼材をスラブの厚さ以上の長さ(高さ)にすると、コンクリートスラブの打設工程に影響を与えない。
請求項2のように、鋼管柱又は鉄骨柱のメタルタッチ面に剪断抵抗部材がダボの如くに突き出されると、柱断面をメタルタッチの状態で載せる作業時の水平力や柱材軸回りの捻り力による食い違いやガタを発生させない位置決めの機能を兼ね、上下の鋼管柱又はH形鋼で成る鉄骨柱の建て方作業を効率よく行うことができる。また、剪断外力に対する抵抗が大きくなり、ダンパーの剪断に対する負担を軽減できる。一方、地震時の引張応力にはダンパー板が抵抗し、その塑性変形によってエネルギーが吸収され、地震応答を低減する制震効果が得られる。
柱脚のダイアフラム3の上面における柱の芯々位置に短い中継ぎ鋼管4を配置し、その外周に鋼材から成る複数のダンパー板5を垂直上向きに立て、ダンパー板5とダイアフラム3とは完全溶け込み溶接を行い、中継ぎ鋼管4とダイアフラム3も溶接接合を行う。
上位の鋼管柱6を前記ダンパー板5の内側へ差し入れてその下端を前記中継ぎ鋼管4の上端へメタルタッチの状態で載せ、各ダンパー板5の上部を上位の鋼管柱6と溶接で緊結する。
中継ぎ鋼管4の内周面に沿って垂直に立ち上がる剪断抵抗部材8を同中継ぎ鋼管4の上端面よりも高く突き出させ、剪断抵抗部材8は中継ぎ鋼管4の内周面又は(及び)ダイアフラム3と溶接で接合して設置し、上位の鋼管柱6は前記ダンパー板5と剪断抵抗部材8との間へ差し入れてその下端を前記中継ぎ鋼管4の上にメタルタッチの状態で載せる。
中継ぎ鋼管4は、上位の鋼管柱6の下端部を所要の長さ、少なくともスラブの厚さL以上の長さTに切断して製作し、その切断面を上向きにしてダイアフラム3の上面に設置する。
図1〜8は、請求項1〜5に記載した発明に係る溶接継手構法および溶接継手構造の施工手順の要点を順に示している。先ず、図1は、下方から立ち上がってきた下位の鋼管柱1の上端の梁接合位置に、鉄骨梁2のフランジと整合する配置で上下(柱脚及び柱頭)のダイアフラム3、3が設けられ、これらに鉄骨梁2がそれぞれ接合されている。そして、ダイアフラム3と溶接で接合している。柱脚のダイアフラム3の上面における柱の芯々位置に短い中継ぎ鋼管4を配置し、その後、前記中継ぎ鋼管4の外周面に、鋼材から成るエネルギー吸収用の複数のダンパー板5…が垂直上向きに立てられ、前記中継ぎ鋼管4の外周面へ密接に当てがって、ダンパー板5の下端部とダイアフラム3の上面とを完全溶け込み溶接により緊結した段階を示している。図1の拡大図が示すように、前記中継ぎ鋼管4はダンパー板5の溶接時の裏当金としての役目をするほか、前記ダンパー板5の位置決めの所謂ゲージとしての作用、効果も発揮する。よってダンパー板5の接合位置及び垂直姿勢の正確さ、精度の向上が図れる。
図1はまた、中継ぎ鋼管4の内周面に沿って垂直に立ち上がる剪断抵抗部材8を同中継ぎ鋼管4の上端面よりも十分突き出させ、剪断抵抗部材8は中継ぎ鋼管4の内周面(及びダイアフラム3)と溶接等で強固に接合して設置された状態も示している。
前記中継ぎ鋼管4は、上位の鋼管柱6のメタルタッチによる継ぎ足しを実現するための柱体で、好ましくは上位の鋼管柱6の下端部を所要の長さ、具体的には、少なくとも下位の鋼管柱1の上に追って打設されるコンクリートのスラブ7の厚さL以上の長さ(高さ)Tに切断して製作し、その切断面を上向きにしてダイアフラム3の上面に設置する。すると、中継ぎ鋼管4と上位の鋼管柱6の切断面形状は略同形状となり、メタルタッチ面の整合性の精度は確実に得られる。とりわけ、図2に示すように切断断面を波形状や山谷形状、矩形波形状等として水平力に耐える効果を持たせる形状で実施する場合に好適である。勿論、中継ぎ鋼管4は他の方法で製作したものを使用することもできる。また、前記中継ぎ鋼管4をスラブ7の厚さL以上の長さ(高さ)Tであることは、スラブ7が打設されていても、上位の鋼管柱6とダンパー板5の溶接作業がスラブ7の打設工程に影響を与えない。
次に図3は、図1の状態から上位の鋼管柱6を前記ダンパー板5と剪断抵抗部材8との間へ、差し入れてその下端を前記中継ぎ鋼管4の上にメタルタッチの状態に載せて、各ダンパー板5…の上部を上位の鋼管柱6と溶接で緊結した段階を示す。
図4は、図3のように各ダンパー板5の溶接による緊結が終了した後に、各ダンパー板5の外周を取り巻く環状のタイバンド9をダイアフラム3の上面へ配置し(A図)各ダンパー板5を拘束するように仮止めしておく。各ダンパー板5の上部を上位の鋼管柱6と溶接で緊結した後に、各ダンパー板5の拘束に適切な位置へタイバンド9を配置して締め付けて本設状態に拘束した状態(B図)を示している(請求項4記載の発明)。
図5A、Bはタイバンド9の異なる構成例を示している。
図5Aは、上位の鋼管柱6及び中継ぎ鋼管4が円形断面の場合で、当然のことながらダンパー板5も円弧状とされている。タイバンド9は、円を直径線方向に二分割したに等しい一対のバンド9a、9bを組み合わせ、それぞれの両端の端部板をボルト・ナットによる締結機構10で結合して締め付けた構成の例を示している。
図5Bは、上位の鋼管柱6及び中継ぎ鋼管4が角形断面の場合で、ダンパー板5も四辺に沿う平板形状とされている。タイバンド9は、四角形を対角線方向に二分割したに等しい一対のバンド9a、9bを組み合わせ、それぞれの両端の端部板をボルト・ナットによる締結機構10で結合して締め付けた構成の例を示している。
上記のように、ダンパー板5の外周面をタイバンド9で取り巻き締め付けて拘束すると、メタルタッチ面の水平方向のズレを防止するだけでなく、ダンパー板5の面外変形を拘束することが可能となる。
ところで、中層以上の鉄骨造建築物の建設において、鉄骨柱は一般的に3層程度を一節として製作される。図6はそのような場合の実施例を示している。
即ち、図6中の点線円11、12は上述した構成で上下の鋼管柱1、6を予め工場等においてエネルギー吸収用のダンパー板5を用い溶接により緊結する。そして、点線円13の接合箇所においては、工場で予め前記中継ぎ鋼管4とダンパー板5とを下位の鋼管柱1の上側のダイアフラム3へ溶接接合し、前記タイバンド9でその外周面を締め付けて安定化し現地に搬入する。
次に、図7、8は、上記剪断抵抗部材8の異なる構成の例を示している。
先ず、図7A、Bに示す剪断抵抗部材8aは、角断面の鋼材を所要の長さに切断して製作した4本の剪断抵抗部材8aを先行して、角断面の中継ぎ鋼管4における四隅相当の位置へ対角線方向に且つ、前記中継鋼材4の上端面よりも高く突き出すように配置し、その下端部を柱脚のダイアフラム3と全周溶接している。その後に差し込まれダイアフラム3と全周溶接した中継ぎ鋼管4とも、剪断抵抗部材8aの各接点が連続溶接されて、水平力を分担可能に強固に緊結されている。勿論、溶接以外の接合手段で実施することも可能である。
他の構成例として図8A、Bに示す剪断抵抗部材8bは、中継ぎ鋼管4を先行してダイアフラム3と全周溶接した後に、中継ぎ鋼管4の内周に内接する径の角鋼管(又は鋼管柱6を切って利用することもできる。)を所要の長さに切断し、さらに、縦に4分割(内接できる鋼管があればそのままでも良い。)し且つ、中継ぎ鋼管4の内法幅より小さくなるように切断代を決定した剪断抵抗材8bを、前記中継ぎ鋼管4の中へ組み入れて、再び四角形に組み立てて、前記縦の分割線を相互に連続溶接して再び一個の角管に完成して水平力を抵抗する構成とされている。勿論、図8同様に中継鋼材4の上端面よりも高く突き出す配置とされている。前記剪断抵抗部材8bの下端を柱脚のダイアフラム3と溶接接合することも必要に応じて行う。
図9、10は請求項6に記載した発明に係るエネルギー吸収が可能な鉄骨柱の溶接継手構法および溶接継手構造の第二の実施例を示している。
この実施例は、上述した請求項1〜5に係る実施例と略同様の溶接継手構法および溶接継手構造であるが、鉄骨柱としてH形の開放断面材に好適な実施例を示す。以下、相違点のみ記載し全符号の説明は省略する。
本実施例は、上述した図1〜8に係る実施形態と比して、図9に示すように、鉄骨柱脚のダイアフラム30の上面における柱の芯々位置に、H形鋼で成る鉄骨柱と同形・同大の短い中継ぎ鋼材40を配置し、フランジ及びウエブの外周に鋼材から成るエネルギー吸収用のダンパー板50a、50bを前記中継ぎ鋼材40へそれぞれ垂直上向きで密接に当てがい、各ダンパー板50a、50bはそれぞれ、下端部をダイアフラム3の上面とを完全溶け込み溶接により緊結している。
また、前記中継ぎ鋼材40の内壁面に沿って垂直に立ち上がる剪断抵抗部材80として、図10に示すように、アングル材を使用し、中継ぎ鋼材40における四隅相当の位置、ウエブのダンパー板50bを阻害しない配置で、その下端部をダイアフラム30と全周溶接し、ダイアフラム30と全周溶接した中継ぎ鋼管40の内壁面とも、剪断抵抗部材80の各接点が連続溶接している。前記剪断抵抗部材80はチャンネル等を用いることもできる。仮に、エネルギー吸収用のウエブのダンパー板50bが剪断抵抗を十分に望み得る精度を有する場合には、前記剪断抵抗部材80は不要としても実施可能である。
本発明に係るエネルギー吸収が可能な鋼管柱の溶接接合継手の建て方直前の段階を示した立面図である。 中継ぎ鋼管の異なる構成例を示した立面図である。 本発明に係るエネルギー吸収が可能な鋼管柱の溶接接合継手の完成段階を示す立面図である。 柱継手の接合箇所へ鋼製のタイバンドを取り巻くように設けた立面図である。 AとBはタイバンドの異なる構成例を示す平面図である。 3層一節の鉄骨柱についての本発明の実施例を示した立面図である。 A、Bは剪断抵抗部材の異なる構成例を示した平面図と立面図である。 A、Bは剪断抵抗部材の異なる構成例を示した平面図と立面図である 本発明に係るエネルギー吸収が可能な鋼管柱の溶接接合継手の第二実施例の立面図ある。 第二実施例の剪断抵抗部材の構成例を示した平面図である。 従来の鋼管柱の継手の実施例を示した立面図である。
符号の説明
1 上位の鋼管柱
10 H形鋼で成る 上位の鉄骨柱
3、30 ダイアフラム
4 中継ぎ鋼管
40 中継ぎ鋼材
5、50a、50b ダンパー板
6 上位の鋼管柱
60 H形鋼の下位の鉄骨柱
7、70 スラブ
8、80 剪断抵抗部材
9、90 タイバンド
L、l スラブの厚さ
T、t 中継ぎ鋼管の長さ

Claims (6)

  1. 鉄骨造建築物の鉄骨柱のメタルタッチによる溶接継手構法において、
    柱脚のダイアフラムの上面における柱の芯々位置に短い中継ぎ鋼管を配置し、その外周に鋼材から成るエネルギー吸収用の複数のダンパー板を垂直上向きに立て、ダンパー板とダイアフラムとは完全溶け込み溶接を行い、中継ぎ鋼管とダイアフラムも溶接接合を行う工程と、
    上位の鋼管柱を前記ダンパー板の内側へ差し入れてその下端を前記中継ぎ鋼管の上端へメタルタッチの状態で載せ、各ダンパー板の上部を上位の鋼管柱と溶接で緊結する工程とから成ることを特徴とする、エネルギー吸収が可能な鉄骨柱の溶接継手構法。
  2. 中継ぎ鋼管の内周面に沿って垂直に立ち上がる剪断抵抗部材を同中継ぎ鋼管の上端面よりも高く突き出させ、剪断抵抗部材は中継ぎ鋼管の内周面又はダイアフラムと溶接で接合して設置し、上位の鋼管柱は前記ダンパー板と剪断抵抗部材との間へ差し入れてその下端を前記中継ぎ鋼管の上にメタルタッチの状態で載せる工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載したエネルギー吸収が可能な鉄骨柱の溶接継手構法。
  3. 中継ぎ鋼管は、上位の鋼管柱の下端部を所要の長さ、少なくともスラブの厚さ以上の長さに切断して製作し、その切断面を上向きにしてダイアフラムの上面に設置する工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載したエネルギー吸収が可能な鉄骨柱の溶接継手構法。
  4. 中継ぎ鋼管の外周面に位置する各ダンパー板の外周を取り巻く環状のタイバンドを仮止め状態に設置し、各ダンパー板の上部を上位の鉄骨柱と溶接で緊結した後に、前記タイバンドで各ダンパー板を締め付けて拘束する工程を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載したエネルギー吸収が可能な鉄骨柱の溶接継手構法。
  5. 鉄骨造建築物の鉄骨柱のメタルタッチによる溶接継手構造であって、
    柱脚のダイアフラムの上面における柱の芯々位置に短い中継ぎ鋼管が配置され、その外周に鋼材から成る複数のダンパー板が垂直上向きに立てられ、ダンパー板とダイアフラムとは完全溶け込み溶接が行なわれ、中継ぎ鋼管とダイアフラムも溶接接合されていること、
    上位の鋼管柱は前記ダンパー板の内側へ差し入れてその下端を前記中継ぎ鋼管の上端へメタルタッチの状態で載せられ、各ダンパー板の上部が上位の鋼管柱と溶接で緊結されていることを特徴とする、エネルギー吸収が可能な鉄骨柱の溶接継手構造。
  6. 鉄骨造建築物の鉄骨柱のメタルタッチによる溶接継手構造であって、
    鉄骨柱脚のダイアフラムの上面における柱の芯々位置に、H形鋼で成る鉄骨柱と同形・同大の短い中継ぎ鋼材が配置され、そのフランジ及びウエブの外周面に鋼材から成るダンパー板が垂直上向きに立てられ、前記各ダンパー板とダイアフラムとは完全溶け込み溶接が行われ、中継ぎ鋼材とダイアフラムも溶接接合されていること、
    H形鋼で成る上位の鉄骨柱は前記各ダンパー板の内側へ差し入れてその下端を前記中継ぎ鋼材の上端へメタルタッチの状態で載せられ、各ダンパー板の上部が上位の鉄骨柱と溶接で緊結されていることを特徴とする、エネルギー吸収が可能な鉄骨柱の溶接継手構造。
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