JP6576906B2 - 赤外線センサ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、焦電体膜を含む赤外線検出部を備えた赤外線センサ及びその製造方法に関する。特に、本発明は、検出感度が高くなお且つ機械的強度の高い赤外線センサ及びその製造方法に関する。
従来より、焦電センサ、サーモパイル、ボロメータなどの、いわゆる熱型赤外線センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。
熱型赤外線センサの検出感度を向上させるには、赤外線検出部の熱容量と、赤外線検出部からの熱損失との双方を小さく設計することが肝要である。
このため、MEMS技術によって製作される従来の一般的な赤外線センサは、赤外線検出部において一定面積以上の赤外線検出領域を確保しつつ熱容量を小さくするために、赤外線検出部を薄膜化している。一方、赤外線検出部からの熱損失を小さくするために、赤外線検出部は、細い支持梁によって半導体基板に支持されている。このように、従来の赤外線センサは、検出感度を向上させるために、赤外線検出部を薄膜化すると共に支持梁を細くしているため、機械的強度が低下する。このため、実用上の問題がある。
そこで、例えば、特許文献1には、赤外線センサの機械的強度を高めるために、シリコンから形成された枠状基板部に支持梁(ビーム部)を介して支持された格子状の補強構造(シリコンの表面に酸化膜が形成された突出基材部)を備え、赤外線検出部がこの補強構造(突出基材部)の少なくとも上部側面に設けられた赤外線センサが提案されている(特許文献1の段落0039〜0043、図6等参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の赤外線センサは、赤外線検出部が格子状の突出基材部の少なくとも上部側面に設けられているため、有効な赤外線検出領域の面積が小さい。すなわち、赤外線検出部の内、赤外線の入射方向に対向する(特許文献1の図6の上方に向いた)赤外線検出部の領域は、突出基材部の上端面の面積に応じて決まる小さな面積しか有さない。このため、検出すべき赤外線を十分に検出できないおそれがある。
特許文献1に記載の赤外線センサにおいて、有効な赤外線検出領域の面積を大きくするには、枠状基板部を構成する要素基材部相互の離間寸法(すなわち、格子ピッチ)を小さくすることが考えられる。しかしながら、格子ピッチを非常に小さくした密な構造にすると、要素基材部を構成するシリコンの熱膨張率とその表面の酸化膜の熱膨張率との違いに起因した歪により、枠状基板部や支持梁に応力が生じ、その応力が集中する箇所で赤外線センサが破損するおそれがある。
国際公開第2010/073288号
本発明は、斯かる従来技術に鑑みてなされたものであり、焦電体膜を含む赤外線検出部を備えた赤外線センサ及びその製造方法であって、検出感度が高くなお且つ機械的強度の高い赤外線センサ及びその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、半導体基板と、支持梁と、該支持梁によって前記半導体基板に支持された赤外線検出部とを備えた赤外線センサであって、前記赤外線検出部は、補強構造と、該補強構造上に形成された焦電体膜を含む赤外線検出部本体とを具備し、前記補強構造は、中心に空洞部を有する筒状の絶縁部材が複数連接されて形成された平面視多角形状の縁部と、前記筒状の絶縁部材が複数連接されて形成された前記縁部の頂点から前記縁部によって区画される領域内に延びる梁部材とを有すると共に、前記縁部によって区画される領域内で且つ前記梁部材が設けられていない領域に、応力集中を緩和するために前記筒状の絶縁部材が配置されていない未配置領域を有し、前記赤外線検出部本体は、前記補強構造の縁部によって区画される領域を覆うように前記補強構造上に形成され、前記支持梁は、前記筒状の絶縁部材が複数連接されて形成され、前記補強構造の縁部から前記半導体基板に向けて延在することを特徴とする赤外線センサを提供する。
本発明に係る赤外線センサが備える赤外線検出部は、補強構造と、該補強構造上に形成された赤外線検出部本体とを具備する。そして、補強構造は、筒状の絶縁部材が複数連接されて形成された平面視多角形状の縁部を有する。このように、部材が複数連接されて形成された平面視多角形状の縁部を有する補強構造であるため、機械的強度に優れることが期待できる。
また、筒状の部材、すなわち中心に空洞部を有する部材が複数連接されて形成されているため、熱容量が大きくなることなく機械的強度を高めることが可能である。
さらに、筒状の部材が絶縁部材であるため、熱伝導率が低く、赤外線検出部本体から補強構造への熱損失を抑制することも可能である。
また、本発明に係る赤外線センサが備える赤外線検出部が具備する補強構造は、縁部によって区画される領域内に筒状の絶縁部材が配置されていない未配置領域を有する。このため、筒状の絶縁部材が隙間無く配置された構成に比べて、歪の逃げ代があるため応力集中が緩和され易く、破損が生じ難くなる。
また、本発明に係る赤外線センサが備える赤外線検出部が具備する赤外線検出部本体は、補強構造の縁部によって区画される領域を覆うように補強構造上に形成されている。このため、補強構造の上端面上にのみ赤外線検出部本体が形成される構成に比べて、有効な赤外線検出領域(赤外線検出部本体に対向する方向から入射する赤外線を検出可能な領域)の面積が大きくなるという利点を有する。
さらに、本発明に係る赤外線センサが備える支持梁は、筒状の絶縁部材が複数連接されて形成され、補強構造の縁部から半導体基板に向けて延在している。このように、部材が複数連接されて形成された支持梁であるため、機械的強度に優れることが期待できる。
また、筒状の部材、すなわち中心に空洞部を有する部材が複数連接されて形成されているため、熱容量が大きくなることなく機械的強度を高めることが可能である。
さらに、筒状の部材が絶縁部材であるため、熱伝導率が低く、赤外線検出部から支持梁への熱損失を抑制することも可能である。
以上のように、本発明に係る赤外線センサによれば、赤外線検出部の熱容量と、赤外線検出部からの熱損失との双方を小さくできるため、検出感度が高く、なお且つ、機械的強度の高い赤外線センサを提供することが可能である。
また、前記補強構造は、前記縁部の頂点から前記縁部によって区画される領域内に延びる梁部材を更に備え、前記梁部材は、前記筒状の絶縁部材が複数連接されて形成されている。
具体的には、前記梁部材は、前記縁部の頂点同士を繋ぐものとされる。
或いは、前記補強構造は、前記縁部によって区画される領域内に位置し、前記筒状の絶縁部材が複数連接されて形成された平面視多角形状の内縁部を更に有し、前記梁部材は、前記縁部の頂点と前記内縁部の頂点とを繋ぎ、前記未配置領域は、前記縁部によって区画される領域内で且つ前記梁部材及び前記内縁部が設けられていない領域であるように構成することも可能である。
このように、補強構造が縁部に加えて梁部材を更に備えるため、補強構造の機械的強度をより一層高めることが可能である。この梁部材は、筒状の絶縁部材が複数連接されて形成されているため、熱容量が大きくなることなくなお且つ熱損失が抑制された状態で、機械的強度をより一層高めることが可能である。
前記筒状の絶縁部材は、例えば、前記半導体基板の熱酸化物から形成可能である。例えば、前記半導体基板がシリコンの場合に、前記筒状の絶縁部材は酸化シリコンから形成可能である。
前記半導体基板の熱酸化物から形成される前記筒状の絶縁部材は、例えば、前記半導体基板を加熱することで形成可能である。
好ましくは、前記赤外線検出部は、前記赤外線検出部本体上に形成された赤外線吸収体を更に具備する。
斯かる好ましい構成によれば、焦電体膜を含む赤外線検出部本体とは別に形成された赤外線吸収体を具備するため、赤外線検出部による赤外線の吸収・検出を確実に行うことが可能である。
前記筒状の絶縁部材は、平面視正六角形状であり、前記補強構造の縁部は、平面視正六角形状であることが好ましい。
斯かる好ましい構成によれば、平面視正六角形状の絶縁部材が複数連接されて、平面視正六角形状の補強構造の縁部が形成されているため、他の多角形状の縁部を有する補強構造よりも機械的強度を高めることが可能である。
また、前記課題を解決するため、本発明は、以下の(1)〜(4)の各工程を含む赤外線センサの製造方法としても提供される。
(1)溝部形成工程:半導体基板の一方の面にエッチングを施すことで、縁部が平面視多角形状となるように、なお且つ、該多角形状によって区画される領域内に環状の溝部が存在しない部位が生じるように、環状の溝部を複数連接させて形成すると共に、前記縁部から延在するように環状の溝部を複数連接させて形成する。
(2)絶縁物充填工程:前記溝部形成工程によって形成した前記複数の環状の溝部内に絶縁物を充填する。
(3)赤外線検出部本体形成工程:前記絶縁物充填工程によって前記複数の環状の溝部内に前記絶縁物が充填された前記半導体基板の前記一方の面上に、焦電体膜を含む赤外線検出部本体を形成する。
(4)補強構造・支持梁形成工程:前記赤外線検出部本体形成工程によって前記一方の面上に前記赤外線検出部本体が形成された前記半導体基板の他方の面を除去して、前記絶縁物を前記半導体基板から露出させることで、前記絶縁物からなり中心に空洞部を有する筒状の絶縁部材が複数連接されて形成された平面視多角形状の縁部と、前記筒状の絶縁部材が複数連接されて形成された前記縁部の頂点から前記縁部によって区画される領域内に延びる梁部材とを有すると共に、前記縁部によって区画される領域内で且つ前記梁部材が設けられていない領域、応力集中を緩和するために前記筒状の絶縁部材が配置されていない未配置領域を有する補強構造と、前記筒状の絶縁部材が複数連接されて形成され、前記補強構造の縁部から前記半導体基板に向けて延在する支持梁とを形成する。
本発明に係る赤外線センサの製造方法によれば、前述のように、検出感度が高く、なお且つ、機械的強度の高い赤外線センサを製造することが可能である。特に、本発明に係る赤外線センサの製造方法によれば、補強構造・支持梁形成工程で絶縁物を露出させる(補強構造及び支持梁を形成する)前に、赤外線検出部本体形成工程で半導体基板の一方の面(環状の溝部内に絶縁物が充填された平滑な面)上に焦電体膜を含む赤外線検出部本体を形成することになる。このため、形成される焦電体膜等の面内均一性に優れ、この点でも検出感度の高い赤外線センサを製造することが可能である。
前記絶縁物充填工程では、前記溝部形成工程によって前記環状の溝部が複数連接して形成された前記半導体基板を加熱することで、前記複数の環状の溝部内に絶縁物を充填することが好ましい。
斯かる好ましい構成によれば、比較的容易に複数の環状の溝部内に絶縁物(半導体基板の熱酸化物)を充填することができ、ひいては比較的容易に絶縁物からなる筒状の絶縁部材を形成することが可能である。一方、半導体基板を加熱することで溝部内に熱酸化物を充填するため、半導体基板の熱膨張に起因して、補強構造に応力が生じ易い。しかしながら、前述のように、補強構造には未配置領域が設けられるため、応力集中が緩和され易く、破損は生じ難い。
本発明によれば、検出感度が高く、なお且つ、機械的強度の高い赤外線センサを得ることが可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの概略構成を示す図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図8は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図9は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図10は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図11は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図12は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図13は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図14は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図15は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図16は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図17は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図18は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図19は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図20は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図21は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図22は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図23は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図24は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図25は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図26は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図27は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図28は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図29は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図30は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図31は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図32は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図33は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図34は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。 図35は、本発明に係る赤外線センサが備える補強構造及び支持梁の変形例の概略構成を示す下面図である。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの概略構成を示す図である。図1(a)は上面図であり、図1(b)は下面図であり、図1(c)は図1(a)のXX線端面図である。なお、図1(b)に示す絶縁層4は、本来、図1(c)と同様に黒色で図示するべきであるが、視認性の観点より、図1(b)では透明に図示している。また、図1(c)の縦横比は、視認性の観点より、実際の縦横比よりも縦方向(上下方向)を拡大して図示している。
図1に示すように、本実施形態に係る赤外線センサ100は、半導体基板(本実施形態ではSi基板)1と、支持梁2と、支持梁2によって半導体基板1に支持された赤外線検出部3とを備えている。
本実施形態の赤外線検出部3は、補強構造31と、補強構造31上に形成された焦電体膜321を含む赤外線検出部本体32とを具備している。本実施形態の赤外線検出部3は、好ましい態様として、補強構造31と、赤外線検出部本体32とに加え、赤外線検出部本体32上に形成された赤外線吸収体33を更に具備している。
本実施形態の補強構造31は、筒状の絶縁部材Aが複数連接されて形成された平面視多角形状の縁部311を有すると共に、縁部311によって区画される領域内に筒状の絶縁部材Aが配置されていない未配置領域312を有する。なお、図1(b)では、理解し易いように縁部311を構成する絶縁部材Aにハッチングを施しているが、実際には、他の絶縁部材Aと同様に、中心に空洞部を有する筒状の絶縁部材である。
本実施形態の筒状の絶縁部材Aは、好ましい態様として、半導体基板1の熱酸化物(本実施形態では酸化シリコン)から形成されている。また、本実施形態の筒状の絶縁部材Aは、平面視(上面視又は下面視)正六角形状であり、補強構造31の縁部311は、平面視(上面視又は下面視)正六角形状である。
ただし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、平面視三角形状又は四角形状の絶縁部材Aを用いたり、平面視三角形状又は四角形状の縁部311を有する補強構造31を用いることも可能である。
本実施形態の補強構造31は、好ましい態様として、縁部311に加え、縁部311の頂点同士を繋ぐ梁部材313を更に備えている。本実施形態では、平面視正六角形状である縁部311の六つの頂点の内、対向する各頂点同士を繋ぐ3本の梁部材313を備えている。梁部材313は、縁部311と同様に、筒状の絶縁部材Aが複数連接されて形成されている。縁部311によって区画される領域の内、梁部材313が設けられていない領域が、前述した未配置領域312に相当する。
本実施形態の支持梁2も、補強構造31の縁部311と同様に、筒状の絶縁部材Aが複数連接されて形成され、縁部311から半導体基板1に向けて延在している。具体的には、本実施形態の支持梁2は、縁部311の外方において、縁部311の頂点から縁部311に沿って延在している。本実施形態では、図1に示すように、3本の支持梁2が設けられており、その内、1本の支持梁2上には後述する下部電極322、焦電体膜321及び上部電極323が形成され、残りの2本の支持梁2上には下部電極322及び焦電体膜321が形成されている。焦電体膜321に発生した電荷を上部電極323及び下部電極322から出力するための配線の引き回しの都合上、本実施形態のように、少なくとも1本の支持梁2上には、下部電極322、焦電体膜321及び上部電極323が形成されるのが好ましい。しかしながら、他の2本の支持梁2上には、下部電極322、焦電体膜321及び上部電極323の何れも形成しなくても良い。
なお、本実施形態の補強構造31及び支持梁2上には、縁部311、縁部311によって区画される領域及び支持梁2を覆うように、絶縁層4が形成されている。本実施形態の絶縁層4も、筒状の絶縁部材Aと同様に、半導体基板1の熱酸化物(酸化シリコン)から形成されている。
本実施形態の赤外線検出部本体32は、補強構造31の縁部311によって区画される領域を覆うように補強構造31上に形成されている。具体的には、赤外線検出部本体32は、絶縁層4上に形成された下部電極322と、下部電極322上に形成された焦電体膜321と、焦電体膜321上に形成された上部電極323とを備えている。
下部電極322としては、例えば、PtとTiの積層電極であって、Ptの厚みが約100nm、Tiの厚みが約20nmのものを例示できる。
焦電体膜321としては、例えば、PZTが用いられ、その厚みが約3μmのものを例示できる。
上部電極323としては、例えば、AuとTiの積層電極であって、Auの厚みが約300nm、Tiの厚みが約20nmのものを例示できる。
また、本実施形態の赤外線吸収体33としては、例えば、Au又はAlを主成分とする金属膜であり、表面を粗化したり、膜自体を多孔とすることで、赤外線の吸収率を向上したものを例示できる。
以上の構成を有する赤外線センサ100によれば、赤外線吸収体33で赤外線が吸収されて発熱し、その熱が焦電体膜321に伝導することで電荷が発生し、上部電極323と、下部電極322とから出力されることで、赤外線を検出可能である。
本実施形態の赤外線検出部3は、補強構造31と、補強構造31上に形成された赤外線検出部本体32とを具備する。そして、補強構造31は、筒状の絶縁部材Aが複数連接されて形成された平面視多角形状の縁部311を有する。このように、部材Aが複数連接されて形成された平面視多角形状の縁部311を有する補強構造31であるため、機械的強度に優れることが期待できる。
また、筒状の部材A、すなわち中心に空洞部を有する部材Aが複数連接されて形成されているため、熱容量が大きくなることなく機械的強度を高めることが可能である。
さらに、筒状の部材Aが絶縁部材であるため、熱伝導率が低く、赤外線検出部本体32から補強構造31への熱損失を抑制することも可能である。
特に、本実施形態の赤外線検出部3は、好ましい態様として、焦電体膜321を含む赤外線検出部本体32とは別に形成された赤外線吸収体33を具備するため、赤外線検出部3による赤外線の吸収・検出を確実に行うことが可能である。
また、本実施形態の補強構造31は、縁部311によって区画される領域内に筒状の絶縁部材Aが配置されていない未配置領域312を有する。このため、筒状の絶縁部材Aが隙間無く配置された構成に比べて、歪の逃げ代があるため応力集中が緩和され易く、破損が生じ難くなる。
特に、本実施形態の補強構造31は、好ましい態様として、縁部311に加えて梁部材313を更に備えるため、補強構造31の機械的強度をより一層高めることが可能である。この梁部材313は、筒状の絶縁部材Aが複数連接されて形成されているため、熱容量が大きくなることなくなお且つ熱損失が抑制された状態で、機械的強度をより一層高めることが可能である。
また、本実施形態の赤外線検出部本体32は、補強構造31の縁部311によって区画される領域を覆うように補強構造31上に形成されている。このため、補強構造31の上端面上にのみ赤外線検出部本体が形成される構成に比べて、有効な赤外線検出領域(赤外線検出部本体32に対向する方向から入射する赤外線を検出可能な領域)の面積が大きくなるという利点を有する。
また、本実施形態の支持梁2は、筒状の絶縁部材Aが複数連接されて形成され、補強構造31の縁部311から半導体基板1に向けて延在している。このように、部材Aが複数連接されて形成された支持梁2であるため、機械的強度に優れることが期待できる。
また、筒状の部材A、すなわち中心に空洞部を有する部材Aが複数連接されて形成されているため、熱容量が大きくなることなく機械的強度を高めることが可能である。
さらに、筒状の部材Aが絶縁部材であるため、熱伝導率が低く、赤外線検出部3から支持梁2への熱損失を抑制することも可能である。
さらに、本実施形態では、平面視正六角形状の絶縁部材Aが複数連接されて、平面視正六角形状の補強構造31の縁部311が形成されているため、他の多角形状の縁部を有する補強構造よりも機械的強度を高めることが可能である。
なお、本実施形態に係る赤外線センサ100は、適宜の材料で封止することが好ましく、この際、真空封止を適用することも可能である。
赤外線センサ100を封止することにより、補強構造31を介した赤外線検出部本体32への外部からの熱伝達を抑制可能であるため、赤外線の検出感度を向上させることが可能である。
以下、図2〜図34を適宜参照しつつ、本実施形態に係る赤外線センサ100の製造方法の一例について説明する。
図2〜図34は、本発明の一実施形態に係る赤外線センサの製造方法を説明する図である。各図の(a)は上面図であり、(b)は(a)のXX線端面図である。なお、各図の(b)の縦横比は、視認性の観点より、実際の縦横比よりも縦方向(上下方向)を拡大して図示している。
本実施形態に係る赤外線センサ100の製造方法は、溝部形成工程と、絶縁物充填工程と、赤外線検出部本体形成工程と、補強構造・支持梁形成工程とを含む。また、本実施形態では、好ましい態様として、赤外線検出部本体形成工程と補強構造・支持梁形成工程との間に赤外線吸収体形成工程を含む。以下、上記の各工程順に具体的に説明する。
<溝部形成工程>
本工程では、まず最初に、図2に示すように、半導体基板1としてのSiウエハを用意する。Siウエハとしては、例えば、5インチで、厚みが約625μmのSiバルクウェハを例示できる。そして、図3に示すように、半導体基板1に熱酸化処理を施し、表面に酸化シリコンからなる酸化膜5を形成する。酸化膜5の厚みは、例えば、約400nmとされる。なお、図3(a)に示す酸化膜5は、本来、図3(b)と同様に黒色で図示するべきであるが、視認性の観点より、図3(a)では透明に図示している。
次に、図4に示すように、半導体基板1の一方の面11上(具体的には、半導体基板1の一方の面11に形成された酸化膜5上)にレジストRを塗布し、フォトリソグラフィによってレジストRを所定のパターンに形成する。このレジストRのパターンは、前述した補強構造31及び支持梁2(図1参照)の形状に対応するパターンである。次いで、図5に示すように、所定のパターンに形成されたレジストRを介して、酸化膜5にエッチングを施す。エッチング方法としては、例えば、プラズマエッチングが用いられる。なお、図5(c)は、図5(a)の領域Bの拡大図である。
次に、図6に示すように、レジストRを除去した後、図7に示すように、酸化膜5が除去された箇所の半導体基板1にエッチングを施し、溝部12を形成する。エッチング深さ(溝部12の深さ)は、例えば、50μmとされる。エッチング方法としては、例えば、誘導結合型プラズマ処理装置を用いたプラズマエッチングが用いられる。次いで、図8に示すように、酸化膜5をエッチングで除去する。エッチング方法としては、例えば、ウエットエッチングが用いられる。なお、図6(a)に示す酸化膜5は、本来、図6(b)と同様に黒色で図示するべきであるが、視認性の観点より、図6(a)では透明に図示している。図7(a)に示す酸化膜5についても同様である。
以上に説明した溝部形成工程により、縁部が平面視多角形状(本実施形態では正六角形状)となるように、なお且つ、該多角形状によって区画される領域内に環状の溝部12が存在しない部位が生じるように、環状の溝部12が複数連接した状態で形成される。また、前記縁部から(具体的には、前記多角形状の頂点から)延在するように環状の溝部12が複数連接した状態で形成される。
<絶縁物充填工程>
本工程では、前記溝部形成工程によって形成した複数の環状の溝部12内に絶縁物13を充填する。
具体的には、本実施形態では、図9に示すように、半導体基板1を加熱することで、複数の環状の溝部12内に、半導体基板1の熱酸化物である酸化シリコンからなる絶縁物13を充填する。なお、図9(a)に示す酸化膜5は、本来、図9(b)と同様に黒色で図示するべきであるが、視認性の観点より、図9(a)では透明に図示している。
上記充填の際、半導体基板1の溝部12以外の表面にも酸化シリコンからなる酸化膜5が形成される。なお、半導体基板1を熱酸化させることで溝部12内に熱酸化物を充填する方法としては、例えば、特開2011−143518号公報に記載の方法を適用可能である。
しかしながら、本発明は、上記のように熱酸化によって溝部12内に絶縁物13を充填する方法に限るものではない。例えば、CVD法によって、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、PSG(Phosphorus Silicon Glass)、BPSG(Boron Phosphorus Silicon Glass)などの絶縁物を充填することも可能である。
次に、本工程では、図10に示すように、溝部12内に充填された絶縁物13以外の酸化膜5をエッチングで除去すると共に、溝部が12が形成された半導体基板1の一方の面11を研磨、研削、エッチング等により平坦な面にする。
本実施形態では、半導体基板1を加熱することで、溝部12内に半導体基板1の熱酸化物を充填するため、溝部12の内側面から溝部12内を埋めるように熱酸化物が成長していく。従い、溝部12の中央部分には凹部が生じ易いため、上記のように熱酸化物充填後の溝部12の上面(面11)を平坦面にする工程を設けることが有効である。溝部12内にCVD法によって絶縁物を充填する方法を採用する場合には、溝部12の上方からターゲット物質を溝部12内に堆積させるため、堆積後の溝部12の上面(面11)を比較的平坦にすることが可能である。ただし、CVD法を用いる場合であっても、熱酸化させる場合と同様に、面11を研磨等によって平坦面にする工程を設けることが好ましい。
上記の工程に次いで、図11に示すように、半導体基板1に熱酸化処理を施し、表面に酸化シリコンからなる絶縁層4を形成する。絶縁層4の厚みは、例えば、約100nmとされる。なお、図11(a)に示す絶縁層4は、本来、図11(b)と同様に黒色で図示するべきであるが、視認性の観点より、図11(a)では透明に図示している。
<赤外線検出部本体形成工程>
本工程では、まず最初に、図12に示すように、半導体基板1上に下部電極322を成膜する。次いで、下部電極322上に焦電体膜321を成膜する。下部電極322及び焦電体膜321の成膜方法としては、例えば、スパッタリングが用いられる。
次に、図13に示すように、焦電体膜321上にレジストRを塗布し、フォトリソグラフィによってレジストRを所定のパターンに形成する。次いで、図14に示すように、所定のパターンに形成されたレジストRを介して、焦電体膜321にエッチングを施す。エッチング方法としては、例えば、ウエットエッチングが用いられる。
次に、図15に示すように、レジストRを除去した後、図16に示すように、焦電体膜321上又は下部電極322上に上部電極323を成膜する。成膜方法としては、例えば、スパッタリングが用いられる。
次に、図17に示すように、上部電極323上にレジストRを塗布し、フォトリソグラフィによってレジストRを所定のパターンに形成する。このレジストRのパターンは、前述した赤外線検出部本体32(図1参照)の形状に対応する正六角形状を含むパターンである。次いで、図18に示すように、所定のパターンに形成されたレジストRを介して、上部電極323と焦電体膜321の一部にエッチングを施す。エッチング方法としては、例えば、イオンビームエッチングが用いられる。次いで、図19に示すように、レジストRを除去する。
以上に説明した赤外線検出部本体形成工程により、半導体基板1の一方の面11上に、赤外線検出部本体32(焦電体膜321、下部電極322、上部電極323)が形成される。
<赤外線吸収体形成工程>
本工程では、前記赤外線検出部本体形成工程によって形成した赤外線検出部本体32上に赤外線吸収体33を形成する。
具体的には、まず最初に、図20に示すように、赤外線検出部本体32が形成された半導体基板1の一方の面11側全体に赤外線吸収体33を成膜する。成膜方法としては、例えば、真空蒸着が用いられる。
次に、図21に示すように、赤外線吸収体33上にレジストRを塗布し、フォトリソグラフィによってレジストRを所定のパターンに形成する。このレジストRのパターンは、前述した補強構造31の縁部311(図1参照)の形状に対応する正六角形状である。次いで、図22に示すように、所定のパターンに形成されたレジストRを介して、赤外線吸収体33にエッチングを施す。エッチング方法としては、例えば、ウェットエッチングが用いられる。次いで、図23に示すように、レジストRを除去し、赤外線検出部本体32上に赤外線吸収体33が形成される。
<補強構造・支持梁形成工程>
本実施形態の補強構造・支持梁形成工程では、まず最初に、前述した支持梁2(図1参照)上に形成される焦電体膜321、下部電極322及び上部電極323のパターニングを行う。
具体的には、図24に示すように、赤外線吸収体33上、上部電極323上、焦電体膜321上又は下部電極322上にレジストRを塗布し、フォトリソグラフィによってレジストRを所定のパターンに形成する。このレジストRのパターンは、前述した支持梁2の形状に対応する形状を含むパターンである。次いで、図25に示すように、所定のパターンに形成されたレジストRを介して、半導体基板1の一方の面11が露出するまで、焦電体膜321、下部電極322及び絶縁層4にエッチングを施す。エッチング方法としては、例えば、イオンビームエッチングが用いられる。次いで、図26に示すように、レジストRを除去し、支持梁2上に形成される焦電体膜321、下部電極322及び上部電極323のパターニングが終了する。
次に、本工程では、赤外線検出部本体32等が形成された半導体基板1の他方の面を除去して、絶縁物13を半導体基板1から露出させることで、補強構造31及び支持梁2を形成する。
具体的には、まず最初に、図27に示すように、赤外線検出部本体32等が形成された半導体基板1の一方の面11側全体にレジストRを塗布し、赤外線検出部本体32等を保護する。次いで、図28に示すように、半導体基板1の一方の面11側に形成された絶縁層4以外の絶縁層4をエッチングで除去する。エッチング方法としては、例えば、ウエットエッチングが用いられる。
次に、図29に示すように、レジストRを除去した後、図30に示すように、半導体基板1の他方の面14にバックグラインディングを施し、半導体基板1の厚みを小さくする。例えば、このバックグライディングにより、半導体基板1の厚みは625μmから150μmにまで低減する。
次に、図31に示すように、赤外線検出部本体32等が形成された半導体基板1の一方の面11側全体に再度レジストRを塗布し、赤外線検出部本体32等を保護する。次いで、図32に示すように、半導体基板1の他方の面14側にレジストRを塗布し、フォトリソグラフィによってレジストRを所定のパターンに形成する。このレジストRのパターンは、前述した補強構造31及び支持梁2(図1参照)の形状に対応するパターンである。
次に、図33に示すように、半導体基板1の他方の面14側に形成されたレジストRを介して、半導体基板1にエッチングを施し、絶縁物13を半導体基板1から露出させる。エッチング方法としては、例えば、イオンビームエッチングが用いられる。次いで、図34に示すように、レジストRを除去する。
以上に説明した補強構造・支持梁形成工程により、絶縁物13からなる筒状の絶縁部材Aが複数連接されて形成された平面視多角形状の縁部311を有すると共に、縁部311によって区画される領域内に筒状の絶縁部材Aが配置されていない未配置領域312を有する補強構造31と、筒状の絶縁部材Aが複数連接されて形成され、補強構造31の縁部311から半導体基板1に向けて延在する支持梁2とが形成される。
以上のようにして、本実施形態に係る赤外線センサ100は製造される。本実施形態に係る製造方法によれば、補強構造・支持梁形成工程で絶縁物13を露出させる(補強構造31及び支持梁2を形成する)前に、赤外線検出部本体形成工程で半導体基板1の一方の面11(環状の溝部12内に絶縁物13が充填された平滑な面)上に焦電体膜321を含む赤外線検出部本体32を形成することになる。また、絶縁物13を露出させる前に、赤外線吸収体形成工程で赤外線吸収体33を形成することになる。このため、形成される焦電体膜321等の面内均一性に優れ、検出感度の高い赤外線センサ100を製造することが可能である。
なお、本実施形態に係る赤外線センサ100は、波長可変フィルタと共に用いることで、赤外分光光度計として使用することも可能である。また、本実施形態に係る赤外線センサ100を、1次元アレイ状に配列したり、2×2や、4×4など2次元アレイ状に配列することで、赤外線イメージセンサとして使用することも可能である。
また、本実施形態に係る赤外線センサ100は、前述のように、平面視多角形状(正六角形状)の縁部311と、縁部311の頂点同士を繋ぐ梁部材313とを備え、縁部311によって区画される領域の内、梁部材313が設けられていない領域が、未配置領域312とされている。
しかしながら、本発明の赤外線センサが備える補強構造は、何らこれに限るものではなく、例えば、図35に示すような補強構造31Aとすることも可能である。
図35に示す補強構造31Aは、筒状の絶縁部材Aが複数連接されて形成された平面視多角形状の外縁部(本発明の縁部に相当)311と、外縁部311の頂点に一端側が接続され、筒状の絶縁部材Aが複数連接されて形成された6本の梁部材313と、6本の梁部材313の他端側にその頂点が接続され、筒状の絶縁部材Aが複数連接されて形成された平面視多角形状の内縁部314とを備えている。そして、外縁部311によって区画される領域の内、梁部材313及び内縁部314が設けられていない領域が、未配置領域312とされている。なお、図35では、理解し易いように外縁部311及び内縁部314を構成する絶縁部材Aにハッチングを施しているが、実際には、他の絶縁部材Aと同様に、中心に空洞部を有する筒状の絶縁部材である。
補強構造31Aは、前述の補強構造31と異なり、平面視多角形状の外縁部311のみならず、平面視多角形状の内縁部314も備える構成であるため、より一層優れた機械的強度を得ることが期待できる。
図35に示す支持梁2Aも、前述の支持梁2とは形状が異なるものの、支持梁2と同様に、筒状の絶縁部材Aが複数連接されて形成され、外縁部311の外方において、外縁部311の頂点から外縁部311に沿って延在している。
1・・・半導体基板
2、2A・・・支持梁
3・・・赤外線検出部
31、31A・・・補強構造
32・・・赤外線検出部本体
33・・・赤外線吸収体
100・・・赤外線センサ
311・・・縁部
312・・・未配置領域
313・・・梁部材
321・・・焦電体膜
A・・・絶縁部材

Claims (9)

  1. 半導体基板と、支持梁と、該支持梁によって前記半導体基板に支持された赤外線検出部とを備えた赤外線センサであって、
    前記赤外線検出部は、補強構造と、該補強構造上に形成された焦電体膜を含む赤外線検出部本体とを具備し、
    前記補強構造は、中心空洞部を有する筒状の絶縁部材が複数連接されて形成された平面視多角形状の縁部と、前記筒状の絶縁部材が複数連接されて形成された前記縁部の頂点から前記縁部によって区画される領域内に延びる梁部材とを有すると共に、前記縁部によって区画される領域内で且つ前記梁部材が設けられていない領域に、応力集中を緩和するために前記筒状の絶縁部材が配置されていない未配置領域を有し、
    前記赤外線検出部本体は、前記補強構造の縁部によって区画される領域を覆うように前記補強構造上に形成され、
    前記支持梁は、前記筒状の絶縁部材が複数連接されて形成され、前記補強構造の縁部から前記半導体基板に向けて延在することを特徴とする赤外線センサ。
  2. 前記梁部材は、前記縁部の頂点同士を繋ぐことを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサ。
  3. 前記補強構造は、前記縁部によって区画される領域内に位置し、前記筒状の絶縁部材が複数連接されて形成された平面視多角形状の内縁部を更に有し、
    前記梁部材は、前記縁部の頂点と前記内縁部の頂点とを繋ぎ、
    前記未配置領域は、前記縁部によって区画される領域内で且つ前記梁部材及び前記内縁部が設けられていない領域であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサ。
  4. 前記筒状の絶縁部材は、前記半導体基板の熱酸化物から形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の赤外線センサ。
  5. 前記筒状の絶縁部材は、前記半導体基板を加熱することで形成されていることを特徴とする請求項に記載の赤外線センサ。
  6. 前記赤外線検出部は、前記赤外線検出部本体上に形成された赤外線吸収体を更に具備することを特徴とする請求項1からの何れかに記載の赤外線センサ。
  7. 前記筒状の絶縁部材は、平面視正六角形状であり、
    前記補強構造の縁部は、平面視正六角形状であることを特徴とする請求項1からの何れかに記載の赤外線センサ。
  8. 半導体基板の一方の面にエッチングを施すことで、縁部が平面視多角形状となるように、なお且つ、該多角形状によって区画される領域内に環状の溝部が存在しない部位が生じるように、環状の溝部を複数連接させて形成すると共に、前記縁部から延在するように環状の溝部を複数連接させて形成する溝部形成工程と、
    前記溝部形成工程によって形成した前記複数の環状の溝部内に絶縁物を充填する絶縁物充填工程と、
    前記絶縁物充填工程によって前記複数の環状の溝部内に前記絶縁物が充填された前記半導体基板の前記一方の面上に、焦電体膜を含む赤外線検出部本体を形成する赤外線検出部本体形成工程と、
    前記赤外線検出部本体形成工程によって前記一方の面上に前記赤外線検出部本体が形成された前記半導体基板の他方の面を除去して、前記絶縁物を前記半導体基板から露出させることで、前記絶縁物からなり中心空洞部を有する筒状の絶縁部材が複数連接されて形成された平面視多角形状の縁部と、前記筒状の絶縁部材が複数連接されて形成された前記縁部の頂点から前記縁部によって区画される領域内に延びる梁部材とを有すると共に、前記縁部によって区画される領域内で且つ前記梁部材が設けられていない領域、応力集中を緩和するために前記筒状の絶縁部材が配置されていない未配置領域を有する補強構造と、前記筒状の絶縁部材が複数連接されて形成され、前記補強構造の縁部から前記半導体基板に向けて延在する支持梁とを形成する補強構造・支持梁形成工程と、
    を含むことを特徴とする赤外線センサの製造方法。
  9. 前記絶縁物充填工程では、前記溝部形成工程によって前記環状の溝部が複数連接して形成された前記半導体基板を加熱することで、前記複数の環状の溝部内に絶縁物を充填することを特徴とする請求項に記載の赤外線センサの製造方法。
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