JP6576868B2 - 耐火部材及び耐火部材の施工方法 - Google Patents

耐火部材及び耐火部材の施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐火部材及び耐火部材の施工方法に関する。
従来、建築物等の区画部を貫通して形成される開口部に樹脂製管体が挿通されてなる構造部には、火災時において構造部を通じた延焼を抑制するための耐火処理が施される。上記構造部における耐火処理としては、例えば、特許文献1に開示されるように、区画部と樹脂製管体との間に熱膨張体を配置する方法が知られている。この耐火処理によれば、火災時において、樹脂製管体が溶融又は焼失して生じた隙間を、火災の熱により膨張した熱膨張体が埋めて閉塞することによって、上記構造部を通じた延焼を抑制することができる。
特開2013−158382号公報
特許文献1の耐火処理においては、パテ状又はペースト状に調製した熱膨張体を充填することによって、区画部と樹脂製管体との間に熱膨張体を配置している。しかしながら、この熱膨張体の充填作業は煩雑なものであった。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、区画部と樹脂製管体との間に熱膨張体を容易に配置することのできる耐火部材及びその耐火部材の施工方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための耐火部材は、区画部を貫通して形成される開口部に樹脂製管体が挿通されてなる構造部に用いられ、火災時において前記構造部を通じた延焼を抑制する耐火部材であって、熱膨張体と前記熱膨張体を保持する保持体とからなり、前記開口部の内周形状又は前記樹脂製管体の外周形状に沿った形状に変形可能な熱膨張部と、塑性変形可能な金属材料からなり、前記熱膨張部を変形させた際に前記熱膨張部の形状を維持する形状維持部とを備える。
上記構成によれば、耐火部材を所定形状に変形させた状態として、区画部と樹脂製管体との間に配置することで、区画部と樹脂製管体との間に熱膨張体を位置させることができるため、パテ状又はペースト状に調製した熱膨張体を充填する作業が不要である。さらに、耐火部材は、塑性変形可能な金属材料からなる形状維持部を備えていることから、耐火部材の施工に際して、所定形状に変形させた後は、その形状が維持される。そのため、続いて行われる、耐火部材の端部同士を固定する作業や、区画部の開口部内に耐火部材を配置する作業等を容易に行うことができる。
上記耐火部材において、前記形状維持部は、金属板から構成されるとともに、前記熱膨張部よりも前記樹脂製管体側に配置されることが好ましい。
この場合には、熱膨張体が膨張した際に、熱膨張体の膨張圧力によって、金属板から構成される形状維持部が樹脂製管体に向かって押し付けられて樹脂製管体を押し潰す。その結果、区画部の開口部をより効果的に閉塞することができる。
上記耐火部材において、前記熱膨張部及び前記形状維持部を被覆する被覆部を備え、前記被覆部には、前記熱膨張部が配置されている側と、前記形状維持部が配置されている側とを判別するための目印が設けられていることが好ましい。
この場合には、耐火部材を施工する際に、耐火部材における形状維持部が位置する側を樹脂製管体に対向させて配置することが容易となる。
上記耐火部材において、前記形状維持部を構成する金属板には、複数の貫通孔が設けられていることが好ましい。
この場合には、熱膨張体が膨張した際に、熱膨張体の一部が、形状維持部の貫通孔を通過して内側へと膨らむことにより、熱膨張体と形状維持部とが絡み合った状態となる。その結果、膨張して開口部を閉塞した熱膨張体が、開口部を閉塞する位置に留まりやすくなり、膨張した熱膨張体が位置ずれすることにより閉塞性が低下するといった問題が起こり難くなる。
上記の目的を達成するための耐火部材の施工方法は、区画部を貫通して形成される開口部に樹脂製管体が挿通されてなる構造部に対して、上記耐火部材を取り付ける耐火部材の施工方法であって、前記耐火部材を、前記開口部の内周形状又は前記樹脂製管体の外周形状に沿った形状に変形させた状態として、前記区画部と前記樹脂製管体との間の隙間に配置し、前記区画部の前記開口部における少なくとも一方の端部側において、前記区画部と前記樹脂製管体との間の隙間に目地材を配置するとともに、コーキング材を充填することを特徴とする。
上記の目的を達成するための耐火部材の施工方法は、区画部を貫通して形成される開口部に樹脂製管体が挿通されてなる構造部に対して、上記耐火部材を取り付ける耐火部材の施工方法であって、前記耐火部材を、前記開口部の内周形状又は前記樹脂製管体の外周形状に沿った形状に変形させた状態として、前記区画部と前記樹脂製管体との間の隙間に配置し、前記区画部の前記開口部における少なくとも一方の端部側において、前記区画部と前記樹脂製管体との間の隙間を覆うように粘着性シート材を配置することを特徴とする。
本発明の耐火部材及びその耐火部材の施工方法によれば、区画部と樹脂製管体との間に熱膨張体を容易に配置することができる。
(a)は耐火部材の斜視図、(b)は耐火部材の断面図。 (a)〜(c)は、耐火部材の施工方法の説明図。 図2の3−3線断面図。 係止具を取り付けた耐火部材の斜視図。 (a)〜(c)は、耐火部材の施工方法の説明図。 (a),(b)は、耐火部材の施工方法における変更例の説明図、(c)は粘着性シート材の概略斜視図。 耐火性の試験方法の説明図。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
図1(a)、(b)に示すように、耐火部材10は、単位包袋11aが一方向(長さ方向)に連続して形成されてなる連包形態の保持体11と、保持体11の単位包袋11aに内包される熱膨張体12とからなる熱膨張部13を備えている。
保持体11は、一対の柔軟性を有する樹脂フィルムを重ね合わせ、単位包袋11aが設けられるようにフィルム材同士を適宜、接着させることにより形成される部材である。保持体11を構成する樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることができる。
熱膨張体12は、特に限定されるものではなく、建築物等の耐火材として一般的に用いられる熱膨張体を用いることができる。例えば、熱膨張後の体積が十分に得られ易いという観点においては、膨張黒鉛とホウ酸との混合物を用いることが好ましい。この場合、膨張黒鉛の膨張倍率は、100倍以上であることが好ましく、200倍以上であることがより好ましい。膨張黒鉛の膨張倍率は、膨張黒鉛1gを900〜1000℃の条件で5分間加熱したときの体積変化から求められる。なお、膨張黒鉛の膨張倍率の上限は特に限定されないが、例えば1000倍未満となる。
熱膨張体12の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、粉末状、パテ状、ペースト状、ゲル状、液状のいずれであってもよい。なお、耐火部材10の施工時において、熱膨張部13を変形させる際の抵抗になり難いという観点においては、熱膨張体12は粉末状であることが好ましい。
また、耐火部材10は、熱膨張部13の片面側に配置され、塑性変形可能な金属材料からなる形状維持部14を備えている。形状維持部14を構成する金属材料としては、例えば、鉄、鋼、ステンレス鋼を用いることができる。本実施形態においては、形状維持部14として、鋼製の金属板を熱膨張部13の片面側に重ねて配置している。
形状維持部14は、その厚さ方向に貫通する複数の貫通孔14aを備えている。形状維持部14において、貫通孔14aは、熱膨張部13における熱膨張体12が保持されている部分(保持体11における単位包袋11aの部分)に重なる位置に設けられている。
また、耐火部材10は、熱膨張部13及び形状維持部14を被覆して一体に固定する被覆部15を備えている。被覆部15は、基材層の片面に粘着層が設けられた布テープ等の粘着テープを、熱膨張部13及び形状維持部14に貼り付けることにより形成されている。なお、図1(a)、(b)においては、熱膨張部13及び形状維持部14と被覆部15との間に隙間が設けられているが、実際には、被覆部15は、熱膨張部13及び形状維持部14に接着されている。
本実施形態において、被覆部15は、帯状の粘着テープの幅方向の両端を形状維持部14側で重ね合わせるようにして、熱膨張部13及び形状維持部14に粘着テープを巻き付けることにより形成されている。この場合、被覆部15の端部が重ね合わされて形成される重ね目15aが、耐火部材10における形状維持部14が位置する側の側面に設けられる。そのため、被覆部15を形成した状態であっても、重ね目15aを目印とすることにより、形状維持部14が位置する側の側面を判別することが可能である。
次に、耐火部材10の施工方法について説明する。
図2及び図3を参照して、空間を左右に区画する区画部20を貫通して形成される開口部20aに、樹脂製管体21が左右方向(横方向)に挿通されてなる構造部に対して耐火部材10を施工する方法の一例を説明する。区画部20としては、例えば、建築物におけるコンクリート製の区画壁が挙げられる。また、樹脂製管体21としては、例えば、硬質のポリ塩化ビニル製の管体が挙げられる。
まず、基本状態として平板状とされる耐火部材10を、樹脂製管体21の外周形状に沿った環状に屈曲(変形)させながら、樹脂製管体21の外周に巻き付ける(図2(a)参照)。このとき、被覆部15の重ね目15aが位置する側を内側として耐火部材10を屈曲させて、耐火部材10における形状維持部14が位置する側の側面を樹脂製管体21に対向させる(図3参照)。
次いで、樹脂製管体21に巻き付けた耐火部材10の端部を重ね合わせた状態として、粘着テープ等の接着手段22を用いて耐火部材10の端部同士を固定する。そして、耐火部材10を区画部20の開口部20a内に移動させて、区画部20と樹脂製管体21との間の隙間に配置させる(図2(b)及び図3参照)。なお、耐火部材10は、樹脂製管体21の外周面に対して密に巻き付けてもよいし、区画部20の開口部20a内に位置させることが可能な範囲で、樹脂製管体21の外周面との間に所定の隙間が形成されるように緩く巻き付けてもよい。
その後、区画部20と樹脂製管体21との間の隙間において、耐火部材10を挟んだ軸方向の両側に目地材23を詰める(図2(b)及び図3参照)。そして、目地材23の上から開口部20aにコーキング材24を充填することにより、耐火部材10の施工が完了する(図2(c)及び図3参照)。
なお、目地材23は、特に限定されるものではなく、建築用に一般に用いられるものを適宜、用いることができる。本実施形態においては、角柱状の発泡ゴムからなる目地材を用いている。発泡ゴムとしては、例えば、エチレン・プロピレン・ジエンゴムやニトリルゴムを用いることができる。また、コーキング材24についても、特に限定されるものではなく、建築用に一般に用いられるものを適宜、用いることができる。
次に、図4及び図5を参照して、空間を上下に区画する区画部20を貫通して形成される開口部20aに、樹脂製管体21が上下方向に挿通されてなる構造部に対して耐火部材10を施工する方法の一例を説明する。
この場合には、図4に示すように、耐火部材10の施工に先立って、耐火部材10に係止具16が取り付けられる。係止具16は、四角枠状の保持部16aと、保持部16aから上方に延びるとともに、その先端部分が側方(後方)へ屈曲してなる係止部16bとから構成される部材である。係止具16は、係止部16bの先端が、耐火部材10における熱膨張部13が位置する側を向く状態として、保持部16a内に耐火部材10を挿入させることにより耐火部材10に取り付けられる。本実施形態においては、複数(3個)の係止具16が等間隔に耐火部材10に取り付けられている。
図5に示すように、耐火部材10の施工においては、まず、基本状態として平板状とされる耐火部材10を、区画部20の開口部20aの内周形状に沿った環状に屈曲(変形)させながら、開口部20aの内周に巻き付ける(図5(a)参照)。このとき、被覆部15の重ね目15aが位置する側を内側として耐火部材10を屈曲させて、耐火部材10における形状維持部14が位置する側の側面を樹脂製管体21に対向させる。
次いで、区画部20の開口部20aに巻き付けた耐火部材10の端部を重ね合わせた状態として、粘着テープ等の接着手段を用いて耐火部材10の端部同士を固定する。そして、耐火部材10に取り付けられた係止具16の係止部16bを開口部20aの上縁に係止させることにより、開口部20a内に耐火部材10を配置する(図5(b)参照)。その後、区画部20と樹脂製管体21との間の隙間において、耐火部材10の上部に目地材23を詰める(図5(b)参照)。そして、目地材23の上から開口部20aにコーキング材24を充填することにより、耐火部材10の施工が完了する(図5(c)参照)。
上記のとおり、耐火部材10が施工された構造部(耐火構造)においては、火災時に発生する熱により加熱されることによって、耐火部材10の熱膨張部13に保持された熱膨張体12が膨張して、区画部20の開口部20aの全体又は一部が閉塞される。また、耐火部材10において、樹脂製管体21側に配置された(金属板から構成される)形状維持部14が、熱膨張体12の膨張圧力によって、樹脂製管体21に向かって押し付けられ、樹脂製管体21を押し潰すことによって開口部20aが閉塞される。そして、区画部20の開口部20aが閉塞される結果、開口部20a内を火炎、煤煙、ガス等が流れ難くなって、区画部20の反対側における温度上昇が抑制されるとともに、開口部20aを通じて、区画部20の一方側から反対側へ火災が拡大することが抑制される。
次に、耐火部材10の作用について説明する。
耐火部材10を所定形状に変形させた状態として、区画部20と樹脂製管体21との間に配置することで、区画部20と樹脂製管体21との間に熱膨張体12を容易に位置させることができる。そして、耐火部材10は、塑性変形可能な金属材料からなる形状維持部14を備えていることから、所定形状に屈曲させた後は、その屈曲形状が維持される。そのため、続いて行われる耐火部材10の端部同士を固定する作業や、区画部20の開口部20a内に耐火部材10を配置する作業を容易に行うことができる。また、目地材23を詰める際やコーキング材24を充填する際においても、開口部20aに配置された耐火部材10が位置ずれすることが抑制される。
次に、本実施形態の効果について記載する。
(1)耐火部材10は、区画部20を貫通して形成される開口部20aに樹脂製管体21が挿通されてなる構造部に用いられ、火災時において構造部を通じた延焼を抑制する。耐火部材10は、熱膨張体12と熱膨張体12を保持する保持体11とからなり、開口部20aの内周形状又は樹脂製管体21の外周形状に沿った形状に変形可能な熱膨張部13を備えている。耐火部材10は、塑性変形可能な金属材料からなり、熱膨張部13を変形させた際に熱膨張部13の形状を維持する形状維持部14を備えている。
上記構成によれば、耐火部材10を所定形状に変形させた状態として、区画部20と樹脂製管体21との間に配置することで、区画部20と樹脂製管体21との間に熱膨張体12を位置させることができるため、パテ状又はペースト状に調製した熱膨張体を充填する作業が不要である。また、耐火部材10は、所定形状に屈曲させた後は、その屈曲形状が維持される。そのため、区画部20(開口部20aの内周)と樹脂製管体21との間に熱膨張体12を配置する作業を容易に行うことができる。
(2)形状維持部14は、金属板から構成されるとともに、熱膨張部13よりも樹脂製管体21側に配置されている。
上記構成によれば、熱膨張体12が膨張した際に、熱膨張体12の膨張圧力によって、金属板から構成される形状維持部14が樹脂製管体21に向かって押し付けられて樹脂製管体21を押し潰す。その結果、区画部20の開口部20aをより効果的に閉塞することができる。
(3)耐火部材10は、熱膨張部13及び形状維持部14を被覆する被覆部15を備え、被覆部15には、形状維持部14が配置されている側を示す目印(重ね目15a)が設けられている。
上記構成によれば、耐火部材10を施工する際に、耐火部材10における形状維持部14が位置する側の側面を樹脂製管体21に対向させて配置することが容易となる。
(4)形状維持部14を構成する金属板には、複数の貫通孔14aが設けられている。
上記構成によれば、熱膨張体12が膨張した際に、熱膨張体12の一部が、形状維持部14の貫通孔14aを通過して内側へと膨らむことにより、熱膨張体12と形状維持部14とが絡み合った状態となる。その結果、膨張して開口部20aを閉塞した熱膨張体12が、開口部20aを閉塞する位置に留まりやすくなり、膨張した熱膨張体12が位置ずれすることにより閉塞性が低下するといった問題が起こり難くなる。
(5)熱膨張部13を構成する保持体11として、単位包袋11aが一方向に連続して形成されてなる連包形態の保持体を採用している。
上記構成によれば、単位包袋11a間の仕切り部分において保持体11を屈曲させやすい。そのため、耐火部材10の施工時において、開口部20aの内周形状又は樹脂製管体21の外周形状に沿った形状に耐火部材10を変形させることが容易となる。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・形状維持部14に関して、熱膨張部13を変形させた状態を維持可能な強度を有するものであれば、その具体的構成は特に限定されるものではない。また、貫通孔14aが省略されていてもよい。例えば、貫通孔14aを有する他の形状維持部14として、金網を用いることができる。貫通孔14aを省略した形状維持部14として、貫通孔14aのない金属板や、針金を用いることができる。
・保持体11に関して、熱膨張体12を保持した状態で、開口部20aの内周形状又は樹脂製管体21の外周形状に沿った形状に変形可能なものであれば、その具体的構成は特に限定されるものではない。例えば、連包形態の保持体に代えて、袋状部分を1つのみ有する保持体を用いてもよい。
・形状維持部14が位置する側の側面を示す目印は、被覆部15の端部が重ね合わされて形成される重ね目15aに限定されるものではない。例えば、形状維持部14が位置する側の側面に対して、目印としての文字やマーク等を設けてもよい。また、形状維持部14が位置する側の側面を示す目印に代えて、又は当該目印に加えて、熱膨張部13が位置する側の側面を示す目印を設けてもよい。また、こうした目印を設ける構成に代えて、透明や半透明の被覆部15を用いる、又は形状維持部14が露出する露出部分を設けることにより、形状維持部14が位置する側の側面を判別可能な構成としてもよい。
・被覆部15を粘着テープ以外の材料により構成してもよい。例えば、熱収縮性フィルム(シュリンクフィルム)を用いて熱膨張部13及び形状維持部14を被覆することにより被覆部15を構成してもよい。
・上記実施形態では、熱膨張部13及び形状維持部14を被覆部15により被覆することにより、熱膨張部13と形状維持部14とを固定していたが、熱膨張部13と形状維持部14とを固定する構成はこれに限定されるものではない。例えば、接着剤を用いて熱膨張部13と形状維持部14とを直接、固定してもよい。
・耐火部材10の施工方法において、耐火部材10の向きを変更してもよい。すなわち、耐火部材10における形状維持部14が位置する側の側面を開口部20aの内周面に対向させて配置してもよい。
・上記実施形態の図4及び図5に示す耐火部材10の施工方法は、目地材23及びコーキング材24を用いずに行うこともできる。まず、上記実施形態と同様に開口部20a内に耐火部材10を配置する。その後、図6(a)及び図6(b)に示すように、区画部20の開口部20aにおける上部(上端部側)において、区画部20と樹脂製管体21との間の隙間を覆うように粘着性シート材25を配置することで、耐火部材10(耐火構造)の施工が完了する。詳述すると、粘着性シート材25は、区画部20と樹脂製管体21との間を跨ぐように曲げた状態で区画部20と樹脂製管体21に粘着される。なお、樹脂製管体21の外周には防音層や耐火層等の外層を設けることもできる。この場合、外層の表面に粘着性シート材25を粘着させればよい。
図6(c)に示すように、粘着性シート材25は、粘着性基材25aと、粘着性基材25aよりも粘着性の低い被覆材25bとの積層構造を有している。粘着性シート材25における粘着性基材25a側の面が区画部20と樹脂製管体21とに粘着される粘着面として構成される。被覆材25bは、粘着性シート材25の粘着面とは反対側の面のべたつきを抑えることで、例えば、粘着性シート材25を取り付ける際の作業性を向上させることができる。粘着性基材25aとしては、例えば、ブチルゴムシート等の粘着性高分子シートが好適である。被覆材25bとしては、例えば、不織布、織布、紙、及び樹脂フィルムが挙げられる。被覆材25bは、単数又は複数のスリットSを有することが好ましく、そのスリットSは、粘着性シート材25において、樹脂製管体21の周方向に沿って配置される巻き付け方向Lと交差する方向に延在する形状であることがより好ましい。この場合、粘着性シート材25を区画部20と樹脂製管体21との間の隙間に沿って変形させやすくなり、作業性をさらに向上させることができる。なお、上記粘着性シート材25において、被覆材25bを省略してもよい。また、この変更例では、複数枚の粘着性シート材25(3枚の粘着性シート材25)を用いているが、粘着性シート材25の枚数は、特に限定されない。例えば、粘着性シート材25の寸法を樹脂製管体21の外周寸法に応じてより長く設定した1枚の粘着性シート材を用いて、区画部20と樹脂製管体21の間の隙間を覆うこともできる。粘着性シート材は、部分的に重ね合わせて配置することもできる。
・図6に示す変更例の粘着性シート材25を、上記実施形態の図2及び図3に示す耐火部材10を施工する方法に用いることで、図2及び図3に示す目地材23及びコーキング材24を省略することもできる。
・図6に示す変更例の粘着性シート材25と、上記実施形態の目地材23及びコーキング材24の少なくとも一方とを併用してもよい。
次に、試験例を挙げて上記実施形態を具体的に説明する。
(試験例1)
図7に示すように、耐火性及び断熱性を有する容器31の開口に、区画部20としてコンクリート製の試験用床スラブを設けるとともに、区画部20に形成される開口部に樹脂製管体21を挿通させた。この構造部に対して、図5と同様の耐火部材10を用いた耐火処理Tを施した。樹脂製管体21としては、塩化ビニル樹脂製の樹脂製管体を用いた。また、耐火部材10の各構成は以下のとおりである。
保持体 :ポリエチレン製の連包フィルム(30mm×420mm×t3)
熱膨張体 :膨張黒鉛とホウ酸との混合物(30g、質量混合比1:1)
形状維持部 :貫通孔付きの鋼板(40mm×495mm×t0.5)、貫通孔(30mm×30mm、14個)
被覆部 :布テープ
目地材 :発泡ゴム(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)
コーキング材:シリコーン系コーキング材
(試験例2)
耐火部材10を施工する際に、耐火部材10における熱膨張部13が位置する側の側面を樹脂製管体21に対向させて配置した点を除いて、試験例1と同様である。
(試験例3)
形状維持部14として、貫通孔14aを設けていない鋼板を用いた点を除いて、試験例1と同様である。
(試験例4)
形状維持部14を省略した点を除いて、試験例1と同様である。
(耐火性の試験)
各試験例の耐火構造について耐火性の試験を行った。この試験では、バーナ32を用いて容器31内を加熱した。そして、温度測定箇所33の温度が、開始温度20℃として、ISO834に規定された標準加熱曲線に沿って変化するようにバーナ32の火力を調整し、60分後に耐火性の試験を終了した。試験終了後に、樹脂製管体21の上方から流路の写真を撮影した。その写真を用いて、樹脂製管体21の本来の開口面積に対して閉塞されている部分の面積を百分率で算出し、これを閉塞率とした。その結果を表1に示す。
表1に示すように、形状維持部を備える試験例1〜3を用いた場合には、形状維持部を備えていない試験例4を用いた場合と比較して閉塞率が高くなった。また、試験例1及び試験例2の結果から、形状維持部を備えることによる閉塞率の向上効果は、形状維持部が位置する側の側面を樹脂製管体21に対向させて配置した場合に、より高められることが分かる。また、試験例1及び試験例3の結果から、形状維持部を備えることによる閉塞率の向上効果は、貫通孔を有する形状維持部を用いた場合に、より高められることが分かる。
10…耐火部材、11…保持体、12…熱膨張体、13…熱膨張部、14…形状維持部、14a…貫通孔、15…被覆部、16…係止具、20…区画部、20a…開口部、21…樹脂製管体、23…目地材、24…コーキング材、25…粘着性シート材。

Claims (6)

  1. 区画部を貫通して形成される開口部に樹脂製管体が挿通されてなる構造部に用いられ、火災時において前記構造部を通じた延焼を抑制する耐火部材であって、
    熱膨張体と前記熱膨張体を保持する保持体とからなり、前記開口部の内周形状又は前記樹脂製管体の外周形状に沿った形状に変形可能な熱膨張部と、
    塑性変形可能な金属材料からなり、前記熱膨張部を変形させた際に前記熱膨張部の形状を維持する形状維持部とを備えることを特徴とする耐火部材。
  2. 前記形状維持部は、金属板から構成されるとともに、前記熱膨張部よりも前記樹脂製管体側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の耐火部材。
  3. 前記熱膨張部及び前記形状維持部を被覆する被覆部を備え、
    前記被覆部には、前記熱膨張部が配置されている側と、前記形状維持部が配置されている側とを判別するための目印が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の耐火部材。
  4. 前記形状維持部を構成する金属板には、複数の貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の耐火部材。
  5. 区画部を貫通して形成される開口部に樹脂製管体が挿通されてなる構造部に対して、請求項1〜4のいずれか一項に記載の耐火部材を取り付ける耐火部材の施工方法であって、
    前記耐火部材を、前記開口部の内周形状又は前記樹脂製管体の外周形状に沿った形状に変形させた状態として、前記区画部と前記樹脂製管体との間の隙間に配置し、
    前記区画部の前記開口部における少なくとも一方の端部側において、前記区画部と前記樹脂製管体との間の隙間に目地材を配置するとともに、コーキング材を充填することを特徴とする耐火部材の施工方法。
  6. 区画部を貫通して形成される開口部に樹脂製管体が挿通されてなる構造部に対して、請求項1〜4のいずれか一項に記載の耐火部材を取り付ける耐火部材の施工方法であって、
    前記耐火部材を、前記開口部の内周形状又は前記樹脂製管体の外周形状に沿った形状に変形させた状態として、前記区画部と前記樹脂製管体との間の隙間に配置し、
    前記区画部の前記開口部における少なくとも一方の端部側において、前記区画部と前記樹脂製管体との間の隙間を覆うように粘着性シート材を配置することを特徴とする耐火部材の施工方法。
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