JP6576787B2 - 脱酸素剤及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、脱酸素剤及びその製造方法に関する。
金属酸化物を脱酸素剤として用いる技術が種々知られている。例えば特許文献1には、還元処理を施した酸素欠陥を有する無機化合物を熱可塑性樹脂に配合した樹脂組成物層の単層あるいはこの層を含む多層体に、接着層を介して酸素バリア性基材からなる層を設けた積層体が記載されている。この無機化合物としては、酸素欠陥を有する二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄などが用いられる。
特許文献2には、三方晶型の結晶構造を有し、Ce3−x(xは0以上で1未満の数を示す)で表される酸化セリウムを含む脱酸素剤が記載されている。この脱酸素剤に含まれる酸化セリウムは、含酸素セリウム塩又はその水和物を、還元雰囲気下に1000℃以上で焼成して得られるものである。この酸化セリウムは、蛍石型の結晶構造を有する従来の酸化セリウムの理論限界をはるかに超えた高酸素吸収量を有するものであると、同文献には記載されている。
特開2006−130717号公報 国際公開第2009/020019号パンフレット
特許文献1及び2に記載の脱酸素剤は、酸化セリウムを初めとする各種金属酸化物に酸素欠損を生じさせ、その酸素欠損を利用して酸素を吸収しようとするものである。その結果、これらの脱酸素剤が酸素と触れると、比較的短時間で酸素の吸収が完了してしまう。したがって、これらの脱酸素剤は、長期にわたって酸素を徐々に吸収する用途にはなじまない。また、酸素欠損を有する金属酸化物を含む従来の脱酸素剤は、それが置かれている環境によっては酸素との反応が急激に進行して発火するおそれがある。
したがって本発明の課題は金属酸化物を含有する脱酸素剤の改良にあり、更に詳しくは、長期間にわたって徐々に酸素を吸収することが可能であり、しかも発火のおそれがない脱酸素剤を提供することにある。
本発明は、A希土構造を有する酸化セリウムを含む脱酸素剤であって、
前記酸化セリウムは含酸素ガス雰囲気中で、A希土構造から、C希土構造を経ずに蛍石構造へ構造変化し得るものである、脱酸素剤を提供するものである。
また本発明は、前記の脱酸素剤の好適な製造方法として、
含酸素ガス雰囲気下に800℃以上で加熱した蛍石構造を有する酸化セリウムを、含水素ガス雰囲気下に1250℃以上で加熱することで、該蛍石構造を有する酸化セリウムをA希土構造を有する酸化セリウムに変換する工程を備えた脱酸素剤の製造方法を提供するものである。
更に本発明は、前記脱酸素剤を脱酸素に使用する方法であって、
前記脱酸素剤を80℃以上に加熱した後に、該脱酸素剤を、脱酸素すべき雰囲気下に置くか、又は前記脱酸素剤を、脱酸素すべき雰囲気下に置いた状態下に、該脱酸素剤を80℃以上に加熱する工程を有する脱酸素剤の使用方法を提供するものである。
本発明によれば、長時間にわたって雰囲気中の酸素を徐々に吸収し、しかも発火が抑制された脱酸素剤が提供される。
図1は、実施例1で得られた脱酸素剤に酸素を吸収させたときの結晶の格子定数を測定した結果を示すグラフである。 図2は、実施例1で得られた脱酸素剤を加熱したときの熱分析測定の結果を示すグラフである。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の脱酸素剤は、A希土構造を有する酸化セリウムを含むものである。酸化セリウムを初めとする希土類酸化物は、種々の結晶構造をとることが知られており、Ceで表される酸化セリウムは、大気中で不安定相としてC希土構造(立方晶)を取るほか、準安定相としてB希土構造(単斜晶)やA希土構造(三方晶)の存在が知られている。これら種々の結晶構造のうち、本発明の脱酸素剤においてはA希土構造の酸化セリウムが用いられる。準安定相であるA希土構造の酸化セリウムが含まれていることによって、本発明の脱酸素剤は、酸素の吸収が穏やかに進行し、長期間にわたって酸素を徐々に持続的に吸収することが可能になる。また酸素の吸収に際して発火が起こりにくくなる。
先に述べた特許文献2に記載されているとおり、三方晶型の三価セリウムを脱酸素剤として用いることは従来知られた技術である。しかし従来技術では、三方晶型の酸化セリウムに酸素欠損を生じさせ、その酸素欠損に酸素を取り込むという技術思想を採用していた。これに対して本発明では、酸化セリウムの結晶構造をA希土構造から蛍石構造へ変化させるなかで酸素を取り込んでいる。したがって、本発明と従来技術とでは、酸素の吸収機構が全く相違している。
本発明の脱酸素剤は、A希土構造を有する酸化セリウムそのものから構成されていてもよく、あるいはA希土構造を有する酸化セリウムを含み、且つ他の成分も含んでいてもよい。例えば本発明の脱酸素剤は、後述するとおりA希土構造を有する酸化セリウム及び樹脂を含む樹脂組成物の形態であり得る。また、本発明の効果を損なわない限りにおいてC希土構造の酸化セリウムを適量に含むことも許容される。
本発明の脱酸素剤において用いられる酸化セリウムは、Ceで表されるものであることが好ましい。Ceで表される酸化セリウムは、不可避的に含まれる酸素欠損を除き、酸素欠損を有しないことが好ましい。酸素欠損を有しないことで、本発明の脱酸素剤は、酸素の吸収が穏やかに進行し、長期間にわたって酸素を徐々に持続的に吸収することが可能になる。また酸素の吸収に際して発火が起こりにくくなる。
本発明の脱酸素剤において用いられる酸化セリウムが、不可避的に含まれる酸素欠損を除き、酸素欠損を有す状態を経ることなく酸素を吸収することは、酸素吸収過程の格子定数の測定によって確認できる。可逆的な酸素欠損を有する場合、酸素の吸収過程において、酸化セリウムの酸素欠損が酸素で埋まってゆく際に、格子定数に変化が見られる。例えば、以下の文献1に示されるようにCeO1.710であれば格子定数aは0.5591nmであるが、酸素欠損が埋まっていくに従って、CeO1.866であれば格子定数aは0.5522nmとなり、CeO1.962であれば格子定数aは0.5491nmとなり、最終的に、以下の文献2に示されるようにCeOでは格子定数aは0.5411nmへと変化する。一方、特定の酸化セリウムを含む本発明の脱酸素剤の場合は、酸素吸収のメカニズムが全く異なり、A希土構造の酸化セリウムから直接蛍石構造のCeOが生成する。つまり、本発明で用いられる酸化セリウムは、酸素吸収した際に、A希土構造から、C希土構造を経ずに蛍石構造へ構造変化する。要するに本発明の脱酸素剤は、A希土構造の酸化セリウムと蛍石構造の酸化セリウムとの量比が変化するのみで、図1に示すとおり格子定数の変化は実質的にない。なお、格子定数や量比については、X線回折法を用いて測定することができる。Ce以外の金属元素がCeOへ固溶している場合、不可逆的酸素欠損の発生や固溶させた金属元素のイオン半径に応じてA希土構造の酸化セリウムの格子定数の変化が生じることがあるが、蛍石構造の酸化セリウムへの変化過程において、変化前後で格子定数に変化がないことで、C希土構造を経ずに蛍石構造へ構造変化したこと確認できる。なお図1は、実施例1で得られた脱酸素剤を対象とした測定結果である。
<文献1>Journal of Solid State Chemistry (2009) 182, (10) p2815−p2821
<文献2>Journal of Solid State Chemistry (1999) 147, p485−p500
本発明の脱酸素剤において用いられる酸化セリウムは、これを含酸素ガス雰囲気中に置いたときに、A希土類構造から蛍石構造へ構造変化することによって含酸素ガス雰囲気中の酸素を吸収し、雰囲気中から酸素を取り除く作用を有する。つまり、準安定相であるA希土構造の酸化セリウム、すなわち三方晶のCeを含酸素ガス雰囲気中に置くと、時間の変化とともに蛍石構造の酸化セリウム、すなわちCeOへと変化する。この変化のなかで、セリウムの価数は三価から四価に増加する。すなわちセリウムは酸化される。
前記の含酸素ガス雰囲気とは、酸素ガスを含む雰囲気のことであり、その例としては空気が典型的なものとして挙げられる。しかし含酸素ガス雰囲気はこれに限られず、酸素ガスを含む様々な雰囲気を、本発明の脱酸素剤の適用対象とすることができる。本発明の脱酸素剤は、雰囲気の温度の上昇に連れて酸素の吸収速度が高まることが本発明者の検討によって判明したことから、酸素の吸収速度を抑える目的で、含酸素ガス雰囲気は、例えば70℃以下に温度を設定して脱酸素の操作を行うことが好ましい。酸素の吸収を一層穏やかに進行させて、長期間にわたって酸素を徐々に持続的に吸収させる観点から、含酸素ガス雰囲気は、40℃以下に温度を設定して、脱酸素の操作を行うことが更に好ましい。
一方で、本発明の脱酸素剤を熱重量測定したとき、図2に示すとおり、80℃程度から急激な酸素吸収の開始に伴う質量増加が確認できる。したがって、本発明の脱酸素剤を80℃以上の温度で加熱することで、その酸素吸収速度を意図的に上げることが可能である。このことは、既存の脱酸素剤では難しかった酸素吸収促進のトリガー機能を本発明の脱酸素剤に付与できることを意味している。したがって、本発明の脱酸素剤を80℃以上に加熱した後に、該脱酸素剤を、脱酸素すべき雰囲気下に置くことで、該雰囲気の脱酸素を確実に開始させることができる。あるいは、本発明の脱酸素剤を、脱酸素すべき雰囲気下に置いた状態下に、該脱酸素剤を80℃以上に加熱することで、該雰囲気の脱酸素を確実に開始させることができる。なお図2は、実施例1で得られた脱酸素剤を対象とした測定結果である。この加熱温度の上限は臨界的ではないが、典型的には120℃程度である。
本発明の脱酸素剤において用いられる酸化セリウムが、徐々に酸素を吸収することの尺度として、次に述べる測定結果を採用することができる。すなわち、本発明の脱酸素剤を25℃の大気中においたとき、酸素の飽和吸収状態になるまでの時間が1000時間以上であることが好ましく、1500時間以上であることが更に好ましい。この時間の測定方法は、実施例において述べる。
本発明の脱酸素剤において用いられる酸化セリウムは、典型的には吸湿性の低いものである。ここで言う「吸湿性が低い」は、湿気を吸収する程度が低いことを意味する。これによって本発明の脱酸素剤は、雰囲気中の湿度を維持したままで酸素を除去することが可能となる。このような低吸湿性の性質を利用して、本発明の脱酸素剤は例えば、軟膏のように膏薬表面が湿潤していることが好ましい物品を含む空間の脱酸素に有用なものとなる。これまでに知られている酸化セリウムの脱酸素剤は、吸湿性が高いことを特徴とするものが多かったが、本発明のような吸湿性の低い酸化セリウムを含む脱酸素剤はこれまで知られていなかった。酸化セリウムが低吸湿性であることは、この酸化セリウムに実質的に酸素欠損が含まれておらず、且つ酸化セリウムがA希土構造を有しているからではないかと、本発明者は考えている。
本発明の脱酸素剤の吸湿性の程度は次の方法によって測定される。すなわち、25℃・50%RHの酸素ガス12cm中に2gの本発明の脱酸素剤を置き、150時間吸湿させる。150時間経過後の雰囲気中の相対湿度を測定し、その値の大小によって吸湿性を評価する。この方法で測定された本発明の脱酸素剤の吸湿性の程度は、25%RH以上50%RH以下であることが好ましく、30%RH以上50%RH以下であることが更に好ましい。
本発明の脱酸素剤は、典型的には樹脂に対する活性が低いものである。ここで言う「活性」とは、樹脂の高分子鎖を切断する能力、換言すれば、樹脂を分解する能力のことである。本発明の脱酸素剤が、樹脂に対して低活性である理由は、該脱酸素剤に含まれている酸化セリウムに実質的に酸素欠損が含まれていないからではないかと、本発明者は考えている。これに対して、これまで知られている酸化セリウムの脱酸素剤では、該酸化セリウムが酸素欠損を有しており、その酸素欠損に起因して樹脂に対する活性が高かったのではないかと、本発明者は考えている。
本発明の脱酸素剤の樹脂に対する活性の程度は、本発明と脱酸素剤の共存下において樹脂から発生する水素ガスの両を尺度して評価することができる。詳細には、0.3gの脱酸素剤と、0.1gの密度880kg/m以上930kg/m以下のポリエチレン樹脂を粉砕して500μm以下とした粉末との混合物を、25℃の絶乾の窒素ガス雰囲気下に20cmの容器中に入れて密閉し、70℃で2時間加熱した後における該容器中の大気に含まれる水素ガスの濃度を測定する。水素ガスは、樹脂の分解に起因して生じたものである。測定された水素ガスの濃度が好ましくは100ppm以下、更に好ましくは50ppm以下である場合、樹脂に対する活性の程度が低いと言える。水素ガスの濃度の具体的な測定方法は、実施例において詳述する。
本発明の脱酸素剤において用いられる酸化セリウムは、上述のとおりA希土構造を有するものであり、セリウムと酸素とから構成されていることが好ましい。しかし場合によってはセリウムと酸素以外の元素が酸化セリウム中に含まれていてもよい。例えば酸化セリウム中に、酸素吸収量を増大させる元素を添加して置換固溶させ、複合酸化物としてもよい。添加元素は、例えばマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、ニオブ(Nb)、プラセオジム(Pr)及びイットリウム(Y)からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
A希土構造を有する酸化セリウムを含む脱酸素剤は、一般に粉末の状態で用いられる。場合によっては該脱酸素剤は、圧縮成形体等の成形体の形態で用いられる。脱酸素剤が粉末の状態で用いられる場合、該脱酸素剤中の酸化セリウムの粒子径は、脱酸素剤の剤型に応じて適切な値を選択することができる。例えば本発明の脱酸素剤が、透気抵抗度を有する袋状の包装体(例えば透気抵抗度10秒以上100000秒以下)内に収容されている場合には、平均粒子径が0.01μm以上100μm以下、特に0.1μm以上50μm以下であることが、十分な比表面積を確保し、酸素との接触を確実にする点から好ましい。本発明の脱酸素剤が、酸素易透過性を有する樹脂との樹脂組成物からなるフィルムの形態である場合には、酸化セリウムの粒子径は、フィルムの厚みを超えない範囲であることが好ましい。この観点から、酸化セリウムの平均粒子径は50μm以下であることが好ましい。本明細書における平均粒子径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置によって測定される。
本発明の脱酸素剤は、これを、透気抵抗度を有する袋状の包装体(例えば透気抵抗度10秒以上100000秒以下)内に収容することで、脱酸素体となされる。この形態の脱酸素体は、例えば乾燥食品や錠剤とともに包装材料内に密封収容される。包装体を構成する透気抵抗度を有する材料としては、例えばポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、熱可塑性エラストマー、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレンランダム重合体、エチレン−αオレフィン共重合体等の各種熱可塑性樹脂からなるフィルムに穿孔を施したもの、紙若しくは不織布又はこれらを組み合わせてなる積層体が挙げられる。ここで透気抵抗度とは、JIS P8117にしたがい測定され、空気100mLが0.000642mの面積を気圧差1.23kPaで透過し終えるまでの時間を意味する。
本発明の脱酸素剤は、これを、酸素易透過性を有する樹脂と混練して、脱酸素樹脂組成物となすこともできる。該樹脂組成物は、例えばペレットの形態で用いられ、各種の樹脂成形体の原料となる。また該樹脂組成物は、該ペレットから成形された各種の樹脂成形体の形態、例えばフィルムの形態やトレーの形態で用いられる。該樹脂組成物がいずれの形態であっても、該樹脂組成物に占める脱酸素剤の割合は、10質量%以上90質量%以下、特に20質量%以上80質量%以下であることが、脱酸素機能を十分に発現させる観点から好ましい。一方、該樹脂組成物に占める樹脂の割合は、10質量%以上90質量%以下、特に20質量%以上80質量%以下であることが、該樹脂組成物の強度及び成形性を保つ観点から好ましい。
前記の樹脂組成物がフィルムの形態で用いられる場合、該フィルムの具体的な用途にもよるが、該フィルムの厚みは1μm以上100μm以下、特に20μm以上40μm以下であることが好ましい。前記の樹脂組成物がフィルムの形態である場合を含め、該樹脂組成物には、必要に応じ、脱酸素剤及び酸素易透過性を有する樹脂に加え、該樹脂組成物の特性を向上させ得る他の成分を配合してもよい。他の成分としては、例えば樹脂組成物を所定の色に着色するための顔料、及び樹脂組成物の強度を向上させるためのフィラー等が挙げられる。
前記のフィルムは、前記の脱酸素樹脂組成物からなる単層の状態で用いることができる。あるいは、前記の脱酸素樹脂組成物からなる脱酸素層を有する多層構造の状態で用いることもできる。後者の場合、多層構造の一例として、前記の脱酸素樹脂組成物からなる脱酸素層の一面に、ガスバリア性を有するガスバリア層が積層され、また該脱酸素層の他面に、酸素易透過性を有する酸素易透過層が積層されてなる脱酸素積層体フィルムが挙げられる。かかる脱酸素積層体フィルムは、ガスバリア層が外方(すなわち大気側)を向き、且つ酸素易透過層が内方(すなわち脱酸素をしたい雰囲気側)を向くように用いられる。ガスバリア層は、少なくとも酸素の透過に対するバリア性を有しており、好ましくは水分に対するバリア性も有している。
次に、本発明の脱酸素剤の好適な製造方法について説明する。この製造方法は、含酸素ガス雰囲気下に800℃以上で加熱した蛍石構造を有する酸化セリウムを、含水素ガス雰囲気下に1250℃以上で加熱することで、該蛍石構造を有する酸化セリウムを、A希土構造を有する酸化セリウムに変換する工程を備えている。すなわち本製造方法は、蛍石構造を有する酸化セリウムを、含酸素ガス雰囲気下に800℃以上で加熱する工程1と、工程1で得られた蛍石構造を有する酸化セリウムを、含水素ガス雰囲気下に1250℃以上で加熱する工程2とを備える。
本製造方法においては、まず工程1において蛍石構造を有する酸化セリウムを準備する。蛍石構造を有する酸化セリウムは、CeOで表される四価のセリウムを含む酸化物である。この酸化セリウムとしては、含酸素ガス雰囲気下に800℃以上で加熱したものを用いる。このような条件下に加熱された蛍石構造の酸化セリウムは、結晶水や炭酸セリウム残分の存在しないものとなる。そのような酸化セリウムを原料として用いることで、含水素ガス雰囲気下での加熱工程の際に還元されやすくなるので、酸素欠損を実質的に有さないA希土構造を有する酸化セリウムを首尾よく製造することができる。結晶水や炭酸セリウムの残分を除去する観点から、例えば加熱温度は800℃以上に設定することが好ましい。粒子径が大きくなりすぎないようにする観点から、加熱温度は1000℃以下であることが好ましい。加熱時間は、加熱温度がこの範囲内であることを条件として、10分間以上2時間以下とすることが好ましい。
工程1における蛍石構造の酸化セリウムの加熱雰囲気は、酸素ガスが含まれている雰囲気であれば特に制限はない。酸素100%の雰囲気を用いてもよいが、安全性の点から、雰囲気中の酸素ガスの濃度は18体積%以上25体積%以下であることが好ましい。雰囲気中に含むことのできる酸素ガス以外のガスとしては、例えば窒素ガスや、アルゴン及びヘリウム等の希ガスが挙げられる。
このようにして工程1で得られた蛍石構造の酸化セリウムを、工程2において含水素ガス雰囲気下に加熱することで、目的とする酸化セリウム、すなわちA希土構造を有する酸化セリウムを得る。この目的のために、工程2における蛍石構造の酸化セリウムの加熱温度は、上述のとおり1250℃以上とすることが好ましく、1300℃以上とすることが更に好ましい。加熱温度の上限に関しては、加熱温度が過度に高いと、酸化セリウム中に酸素欠損が生じやすくなるので、この観点から、加熱温度は1600℃以下とすることが好ましく、1500℃以下とすることが更に好ましい。加熱時間は、加熱温度がこの範囲内であることを条件として、10分以上3時間以下とすることが好ましく、30時間以上2時間以下とすることが更に好ましい。
工程2における加熱雰囲気は、水素ガスが含まれている雰囲気であれば特に制限はないが、還元効率の観点から水素100%の雰囲気が好ましい。雰囲気中に含むことのできる水素ガス以外のガスとしては、例えば窒素ガスや、アルゴン及びヘリウム等の希ガスが挙げられる。
以上の方法によって得られたA希土構造の酸化セリウムを含む本発明の脱酸素剤は、例えばこれを雰囲気下に置くことで、雰囲気中の酸素を吸収する。したがって、該脱酸素剤を食品、医薬品、電子部品等の製品とともに包装袋に密封収容することで、包装袋内の酸素を除去することができ、食品の鮮度や、医薬品や電子部品の品質等を保つことが可能となる。ここで言う雰囲気とは、例えば食品、電子部品、医薬品などの商品を保存する際の一般的な生活環境雰囲気を指す。化石燃料で動作する動力用エンジンから排出される排気ガス等の高温及び/又は高圧の過酷な雰囲気は、この生活環境雰囲気には含まれない。生活環境雰囲気の気圧については、例えば商品包装における減圧状態(真空包装など)から、加圧状態(レトルト処理における加圧・加熱殺菌や包装体の形状維持用途など)を包含する。温度については、−50℃(冷凍保存時)から180℃(食品のレトルト処理)程度を包含する。また、雰囲気は必ずしも空気である必要はなく、窒素ガスなどの不活性ガスにてパージを行い、酸素濃度を低下させたものでも良い。
また、A希土構造の酸化セリウムを含む本発明の脱酸素剤を水や水溶液を始めとする液体中に投入することで、液体中の溶存酸素を吸収することができる。また、A希土構造のセリウムを含む本発明の脱酸素剤を大気と接触させて、大気中の酸素濃度を減少させることで、高純度窒素ガスを得ることができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記の方法で製造したA希土構造の酸化セリウムにおいては、加熱の条件によっては、XRD測定によって蛍石構造の酸化セリウムの回折ピークが弱く観察される場合がある。つまり。蛍石構造の酸化セリウムが微量にA希土構造の酸化セリウムに混在することがある。しかしそのような微量の蛍石構造の酸化セリウムがA希土構造の酸化セリウム中に含まれることは本発明において許容される。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
75gの炭酸水素アンモニウムを、500mlの水に溶解した水溶液を調製した。この水溶液を攪拌しながら、0.1mol/Lの硝酸セリウム水溶液500mlを滴下し逆中和した。生成した沈殿物をイオン交換水で2回洗浄してろ過し、炭酸セリウム八水和物を得た。得られた炭酸セリウム八水和物81.57gを大気下にて加熱処理(800℃、1時間)して、結晶水や炭酸セリウム残分のない蛍石構造の酸化セリウムを得た。
次いで、大気下で加熱処理された蛍石構造の酸化セリウムを、還元処理(水素ガス100体積%で5000SCCMフロー)した。処理温度は1250℃、処理時間は1時間であった。このようにしてA希土構造の結晶構造を有し、Ceで表される酸化セリウムを得た。結晶構造はXRD測定により決定し、三方晶の結晶構造を有することが確認された。酸化セリウムの平均粒子径は40μmであった。なお、この酸化セリウムには酸素欠損が含まれていないことはXRD測定によって確認した。
〔比較例1〕
75gの炭酸水素アンモニウムを、500mlの水に溶解した水溶液を調製した。この水溶液を攪拌しながら、0.1mol/Lの硝酸セリウム水溶液500mLを滴下し逆中和した。生成した沈殿物をイオン交換水で2回洗浄してろ過し、炭酸セリウム八水和物を得た。得られた炭酸セリウム八水和物を、大気下に加熱処理(1200℃、1時間)した。これ以降は実施例1と同様の還元処理を行い、酸化セリウムを得た。この酸化セリウムは、酸素欠損を有する三方晶型の結晶構造を有し、Ce22.7で表されるものであった、酸化セリウムの平均粒子径は30μmであった。
〔比較例2〕
75gの炭酸水素アンモニウムを、500mlの水に溶解した水溶液を調製した。この水溶液を攪拌しながら、0.1mol/Lの硝酸セリウム水溶液500mLを滴下し逆中和した。生成した沈殿物をイオン交換水で2回洗浄してろ過し、炭酸セリウム八水和物を得た。得られた炭酸セリウム八水和物81.57gを大気下にて加熱処理(800℃、1時間)して、結晶水や炭酸セリウム残分のない蛍石構造の酸化セリウムを得た。
次いで、大気下で加熱処理された蛍石構造の酸化セリウムを、還元処理(水素ガス100体積%で5000SCCMフロー)した。処理温度は1100℃、処理時間は1時間であった。このようにして酸素欠損を有する蛍石の結晶構造を有し、CeO1.75で表される酸化セリウムを得た。結晶構造はXRD測定により決定し、酸素欠損蛍石の結晶構造を有することが確認された。酸化セリウムの平均粒子径は30μmであった。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた酸化セリウムの粉末そのものを脱酸素剤として用い、以下の評価を行った。その結果を以下の表1に示す。
(1)酸素吸収量の測定
実施例及び比較例に示す方法で得られた脱酸素剤10gをガラス容器に分取し、大気(25℃、1気圧)に曝露させ、一定時間毎に精密電子天秤(グラム単位で、小数点以下4桁以上)にて質量を測定する。質量の増加は酸素の吸収に起因するものであるから、気体の状態方程式を用い、吸収した酸素量を求めることができる。
(2)酸素の飽和吸収状態になるまでの時間の測定
(1)に示す酸素吸収量の測定において酸素を吸収が完了するまでの時間を測定した。
(3)150時間経過後の雰囲気中の相対湿度の測定
25℃・50%RHの空気を56cmと2gの脱酸素剤をバイアル内に置き、密栓した後150時間経過後の酸素ガス中の相対湿度を測定した。相対湿度の測定には、株式会社KNラボラトリーズ製温度湿度ロガー「ハイグロクロン」をバイアル内へ投入することで計測した。
(4)ポリエチレンの分解の程度の評価
0.3gの酸化セリウムと、0.1gの密度910kg/mのポリエチレン樹脂を粉砕して500μm以下とした粉末との混合物を、25℃の絶乾の窒素ガス雰囲気下にて20cmの容器中に入れて密閉し、70℃で2時間加熱した後における該容器中の大気に含まれる水素ガスの濃度を、株式会社島津製作所製ガスクロマトグラフィーGC−2014及び信和化工株式会社製GC用パックドカラムSHINCARBON ST(50−80mesh)3mmφ×4mを組み合わせて用い、キャリアガスとして窒素ガスを50mL/minにて流通させ、カラム温度50℃に保ち、検出方式TCDタイプにて、検出器温度100℃、スプリットなしの条件によって測定した。
Figure 0006576787
表1に示す結果から明らかなとおり、実施例1で得られた酸化セリウムは、比較例1及び2で得られた酸化セリウムに比べて、長時間にわたり徐々に酸素を吸収するものであることが判る。測定の間、実施例1で得られた酸化セリウムについて、その格子定数を一定時間毎に測定したところ、酸素の飽和吸収状態になるまで格子定数に変化は観察されなかった。
また、実施例1で得られた酸化セリウムは、吸湿性の低いものであり、しかも樹脂との活性が低いものであることも判る。
なお、表には示していないが、実施例1で得られた酸化セリウムは、前記の各測定中に発火は観察されなかった。

Claims (5)

  1. Ce で表される三方晶の酸化セリウム(ただし、セリウムと酸素以外の元素が含まれている酸化セリウムを除く。)を含む脱酸素剤であって、
    前記酸化セリウムは、不可避的に含まれる酸素欠損を除き、酸素欠損を有せず、
    前記酸化セリウムは、含酸素ガス雰囲気中で、A希土構造から、C希土構造を経ずに蛍石構造へ構造変化し得るものであり、構造変化の前後で格子定数に変化がなく
    25℃の大気中において、酸素の飽和吸収状態になるまでの時間が1000時間以上である、脱酸素剤。
  2. 25℃・50%RHの酸素ガス12cm中に2gの前記脱酸素剤を置き、150時間経過後の雰囲気中の相対湿度が、25%RH以上50%RH以下となるものである請求項1に記載の脱酸素剤。
  3. 0.3gの前記脱酸素剤と、0.1gの密度880kg/m以上930kg/m以下のポリエチレン樹脂を粉砕して、篩いにより500μm以下に分級した粉末との混合物を、25℃の絶乾の窒素ガス雰囲気下にて20cmの容器中に入れて密閉し、70℃で2時間加熱した後における該容器中の大気に含まれる水素ガスの濃度が100ppm以下である請求項1又は2に記載の脱酸素剤。
  4. 請求項1に記載の脱酸素剤の製造方法であって、
    含酸素ガス雰囲気下に800℃以上で加熱した蛍石構造を有する酸化セリウムを、含水素ガス雰囲気下に1250℃以上で加熱することで、該蛍石構造を有する酸化セリウムをA希土構造を有する酸化セリウムに変換する工程を備えた脱酸素剤の製造方法。
  5. 請求項1ないしのいずれか一項に記載の脱酸素剤を脱酸素に使用する方法であって、
    前記脱酸素剤を80℃以上に加熱した後に、該脱酸素剤を、脱酸素すべき雰囲気下に置くか、又は前記脱酸素剤を、脱酸素すべき雰囲気下に置いた状態下に、該脱酸素剤を80℃以上に加熱する工程を有する脱酸素剤の使用方法。
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