開示の内容
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2014年6月2日出願の米国仮特許出願第62/006,541号、および2014年12月18日出願の米国仮特許出願第62/093,763号の利益および優先権を主張するものであり、これら双方の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
〔開示の分野〕
本開示は、医薬製品に関する。さらに具体的には、本開示は、経口用の医薬または胃内滞留型(gastric retentive)剤形およびこれに関連する製剤に関する。
〔背景〕
胃内滞留型薬剤送達システムおよび剤形の分野では、広範囲の研究がなされてきた。これらのシステムおよび剤形は、以下の薬剤の送達に特に有用である:
(1)胃腸管内で「狭い吸収窓(narrow absorption window)を有する薬剤、例えば、回腸および/もしくは結腸よりも十二指腸および/もしくは空腸で優先的に吸収されるか、または胃腸管(GI)の上方部分でより良い可溶性を有する薬剤;
(2)胃腸管の近位部分(胃および/もしくは十二指腸)の局所治療を意図する薬剤;ならびに/あるいは、
(3)結腸内または腸内などで分解する薬剤。
胃内滞留型薬剤送達システムまたは剤形は、3つの分野のテクノロジーにおける研究、すなわち、浮遊システム;膨らんだり広がったりすること(unfolding)を通じた膨張性外形を有するシステム;および生体接着性システム、に焦点を置いてきた。
膨張性胃内滞留型システムおよび剤形(expandable gastroretentive systems and dosage forms)の一般的な概念は、そのシステムまたは剤形が嚥下に適した状態または構成で始まるということである。このシステムまたは剤形は、その後、胃の中で膨張して、胃内容排出を防ぐ。最終的には、このシステムまたは剤形は、サイズが小さくなって、幽門を通過するか、または崩壊する。このアプローチを有するもともとの製剤のいくつかは、獣医学界から既知となっている。例えば、米国特許第3,844,285号は、水で分解可能なテープがいったん崩壊すると最終的には膨張するウィングのテープが外れた(taped down)状態で嚥下され得る、丸薬の概念を開示している。このような獣医学的胃内滞留型装置および製剤は、Captec(登録商標)およびIvomec(登録商標)SR Bolusの商標の下で販売されている。商品化される畜産物の分野で、Paratect Flex(登録商標)bolusは、円筒形丸薬の形態で、水溶性接着テープ片により丸められ保持された、中央のポリマーマトリックスおよび薬剤量(drug load)を備えたトライラミネートシートである。
ヒトへの経口適用の分野では、米国特許第5,002,772号が、膨張構成において胃腸通過に抵抗する制御放出装置に取り付けられた複数の圧縮性保持アームを備えた装置を開示している。米国特許第4,735,804号および同第4,767,627号は、一連の実質的に平らな幾何学的形状、例えば、経口投与のために圧縮され潰れることができる生体内分解性ポリマーで形成された四面体を開示している。米国特許第8,298,574号は、20mm超の長さを有し、アコーディオンのように折り畳まれてカプセル内に入れられたシートである、「アコーディオンピル(Accordion pill)」を開示している。
拡大(scale up)/製造/組み立ての能力、薬物装填能力、絶食状態中の滞留、緊急事態において送達システムもしくは剤形を放出する緊急放出機構を含むこと、薬学的に許容可能な成分を使用することなどに関連する、胃内滞留型剤形を設計する上での多くの挑戦がなされてきた。これらの挑戦のいずれか1つに関連する改善は、胃内滞留型薬剤送達システムおよび剤形の分野に大きく貢献するであろう。
〔開示の概要〕
これらの挑戦および必要性のいずれか1つに関連する改善は、胃内滞留型薬剤送達システムおよび剤形の分野に大きく貢献するであろう。本開示は、以下の特徴のうちの1つ以上を含む胃内滞留型剤形(GRDF)に関する:
・3分未満のうちに、最大胃内滞留サイズまで急速に広がる;
・胃の生理機能または条件下にある時間中、十分なサイズの完全性および剛性を維持する;ならびに/あるいは、
・APIの範囲に応じた特定の時間にわたり胃内容排出を遅らせる。
本開示のある態様によると、胃の中に長時間保持される胃内滞留型剤形(GRDF)が提供され、これは、摂取のための潰れた構成と、胃の内部に保持されるための膨張構成と、所定の時間が経過した後でGRDFが2つ以上の部分に分解され、GRDFの分解した部分それぞれが胃から出るようなサイズになる、第3の構成と、の間で変形するように構成された、本体と;活性薬剤成分(API)もしくは診断薬(diagnostic)と、を含む。複数の態様では、第3の構成は、APIもしくは診断薬またはそれらの組成物を少なくとも部分的に放出することにより誘発される。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、本体は、5分未満で、複数の態様では4分未満で、複数の態様では3分未満で、摂取のための潰れた構成から、胃内滞留に適した膨張構成に変形するように構成されている。本明細書に記載する態様では、GRDFが、5分未満で、複数の態様では4分未満で、複数の態様では3分未満で、胃内滞留のための膨張構成へと変形する、胃内滞留のための方法が提供される。いったんカプセルが少なくとも部分的に溶けると、本体は自動的に膨張構成へと移行する。
態様のいずれかでは、所定の時間の後、本明細書に記載するGRDFは、最終的に、単一ユニットとしての機械的完全性を失い、分解され、後で排出されるために胃から出る。この結果を達成する多くの可能な機構があり、それらはすべて、本開示により包含される。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、所定の時間は、約4時間超であり、複数の態様では約6時間超であり、複数の態様では約7時間超であり、複数の態様では12時間超であり、複数の態様では24時間超である。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、第3の構成への変形は、活性薬剤成分の70%超が放出されたとき、複数の態様では活性薬剤成分の75%超が放出されたとき、複数の態様では活性薬剤成分の80%超が放出されたとき、複数の態様では活性薬剤成分の85%超が放出されたとき、複数の態様では活性薬剤成分の90%超が放出されたとき、複数の態様では活性薬剤成分の95%超が放出されたとき、複数の態様では活性薬剤成分の100%が放出されたときに、生じる。
GRDFを膨張構成へと移行させるか、または開くように構成された任意の方法または機構が、本開示により包含されることを理解されたい。
一態様では、超多孔質ヒドロゲル系(superporous hydrogel system)が、アームの内側部分に組み込まれてよく、超多孔質ヒドロゲル系は、胃環境にさらされると膨張し、それにより2つのアームを引き離して膨張構成にする。別の態様では、(前述したものと同様の)板ばねは、膨張構成がいったん始まると、または潰れた状態の機械的完全性がいったん損なわれると、例えばカプセルが溶けると、外側にはねて、アームのうちの一方または両方の内側エリアから延びる。他の態様では、インサートがGRDFを分解するよう十分に腐食するまでアームを膨張構成にロックするために、さまざまな機構を用いることができる。
例えば、本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、アームのうちの1つの内向面は、板ばねを膨張構成で所定の場所にロックするために、ロック機構を含み得る。前述したヒンジ組立体の代わりに、また、これに加えて、ヒンジ組立体は、分解までGRDFを膨張構成に維持またはロックするように構成された、1つ以上の機械的インターフェースもしくは機構、歯車、ばね、カムなどを含み得る。複数の態様では、板ばねは、単にGRDFを潰れた構成から付勢し、必ずしもGRDFを膨張構成に保つようロックしないように構成され得るが、単にGRDFが潰れた構成に戻るのを防ぐように構成されてもよい。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、板ばねまたは付勢機構は、分解まで、2つのアームを膨張構成にロックするように構成され得る。1つ以上のロック機構がこの目的のために用いられてもよく、または代わりに、板ばねが、分解まで2つのアームを離しておくためにアームのうちの1つに係合するよう構成されてもよい。他の態様では、付勢機構、例えば板ばねは、向かい合ったアームに係合して、インサートがゆっくりと腐食するときに2つのアームを離しておくように、構成され得る。インサートが腐食する(APIが放出される)と、板ばねの付勢は徐々に小さくなるか、あるいは、板ばねはアーム内へ退行して、2つのアーム間の角度βは、GRDFのサイズまたは形態(例えば三角形状)が胃の幽門弁を通過するのに十分小さくなる時点まで、小さくなる。理解され得るように、この場合には、GRDFは、幽門弁を安全に通過するために、必ずしも分解される必要はない。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、GRDFは、いったん2つのアームが膨張構成に移行すると2つのアームを離れた状態に保つように構成された、付勢要素をさらに含む。複数の態様では、付勢要素は、2つのアームを潰れた構成から移行させるように構成されている。
本開示に従った態様では、本体は、少なくとも2つのアームを含んでよく、あるいは、他の態様では、2つのアームを含むことができる。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、2つのアームは、胃内滞留に適したサイズを提供することができる。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、GRDFは、いったん2つのアームが膨張構成に移行すると2つのアームを離れた状態に保つように構成された、付勢要素をさらに含む。複数の態様では、付勢要素は、2つのアームを潰れた構成から移行させるように構成されている。いったん膨張位置に来ると、2つのアームの先端部間の長さは、約26〜30mmである。
本明細書に記載する態様では、付勢要素は、ヒンジ組立体の一部を形成する。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、2つのアームのうちの少なくとも1つのサイズは、構成間で移行する間、実質的に維持される。例えば、擬似胃液に24時間さらされた後であっても、各アーム、ヒンジ等の重量、長さ、および厚さの変化は、10%未満、好ましくは5%未満である。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、少なくとも2つのアームのうちの1つは、その中に画定されたキャビティを含み、キャビティは、ヒンジ組立体およびAPIもしくは診断薬またはそれらの組成物に係合するように構成されている。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、ヒンジ組立体の少なくとも一部は、本体の少なくとも2つのアームのうちの少なくとも1つと、APIもしくは診断薬またはそれらの組成物との間に挟まれてよく、互いを所定の場所に保持することができる。よって、APIもしくはAPI組成物、ヒンジ組立体、アーム、または診断薬のうちのいずれかの腐食または部分放出は、膨張状態からの解放、または胃内滞留の終わりをもたらす。例えば、ヒンジ組立体は、APIが部分放出されると、少なくとも1つのアームから係合解除されるように構成され得る。別の実施例では、ヒンジ、API、またはアームは、環境の変化によって腐食され得る、pHもしくは温度感受性のポリマーでコーティングされるか、またはそのようなポリマーを部分的に含むことができる。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、膨張構成では、少なくとも2つのアームは、約45°〜約90°の内角を定め、複数の態様では、少なくとも2つのアームは、約45°〜約80°の内角を定める。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、膨張構成では、少なくとも2つのアームは、それらの間に約90°未満の内角を定める。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、少なくとも2つのアームのうちの少なくとも1つは、APIまたは診断薬に解放可能に係合するように構成され得る。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、APIまたは診断薬は、本体に画定されたキャビティ内部に入れられる。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、APIは、組成物の形態で、キャビティ内部に入れられ得る。キャビティは、例えば、射出成形、3D印刷などを用いて、形成され得る。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、少なくとも2つのアームは、ヒンジ組立体によって、互いに旋回可能に接続されるか、または関節接合した関係にあってよく、また、少なくとも2つのアームまたはヒンジ組立体のうちの少なくとも1つの部分的分解、あるいはAPIまたは診断薬の部分放出により、互いから係合解除されるように構成されてよい。少なくとも2つのアームまたはヒンジ組立体のうちの少なくとも1つの部分的分解、あるいはAPIまたは診断薬の部分放出は、pH依存性ポリマーによるものであってよい。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、pH依存性ポリマーは、塩基性環境(basic environment)で腐食するように構成され得る。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、APIまたは診断薬は、少なくとも2つのアームのうちの少なくとも1つの内部のキャビティ内に入れられるか、または位置付けられている。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、APIまたは診断薬は、2つのアームのうちの少なくとも1つの内部に画定される開口部を通じて放出される。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、APIまたは診断薬は、少なくとも2つのアームのうちの少なくとも1つに画定されたキャビティ内部に嵌まるように成形されたインサート錠剤の形態である。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、GRDFは、胃の中で処理されるべき薬剤の容量および/もしくは重量負荷を最大化すると共に、胃腸管を通過しなければならない非薬剤物質の容量を最小化するために、APIと全賦形剤との容量および/もしくは重量比を最大化するように設計されているが、任意の適切な量のAPIが、本開示により包含される。本開示の一態様によると、活性薬剤成分の重量と、全賦形剤の重量との比率は、約0.8〜約0.05であり、複数の実施形態では約0.7〜約0.3であり、他の実施形態では、約0.6〜約0.4または0.5〜約0.95である。全賦形剤は、アーム、ヒンジ、インサート中の賦形剤、およびカプセルを含み得る。実施形態では、賦形剤の装填量(load)は、約500mg〜約2000mgであってよい。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、インサート中に存在するAPIの量は、400mg、600mg、800mg、1000mg、または1500mgより多い量であってよい。あるいは、複数の態様では、API薬剤量は、約400mg〜約1.5gであり、複数の態様では、API薬剤量は、約0.1mg〜約2gまたは10mg〜約1.8gまたは500mg〜約1.5gである。複数の態様では、API薬剤量は、約600mg〜約1.5gである。APIの量は、追加の賦形剤の必要性および錠剤のサイズなどのさまざまな要因によって決まり得る。複数の態様では、GRDF中のAPIの量は、特定の疾患または病気を、定められた時間にわたり治療するのに、治療上有効な量、例えば1時間ごと(q1h)、2時間〜8時間ごと(q2h〜q8h)、1日に2回、および1日に1回、である。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、本体は、少なくとも2つのアームを含み得る。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、少なくとも2つのアームは、ヒンジ組立体の周辺で互いに旋回可能に接続され得る。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、少なくとも2つのアームのうちの少なくとも1つは、その中に画定されたキャビティを含み、このキャビティは、APIまたは診断薬の少なくとも第1の部分を受容するように構成されている。複数の態様では、キャビティは、約100mm3〜約2000mm3または約200mm3〜約1800mm3の範囲の容量を含む。複数の態様では、本体の容量は、約500mm3〜約1500mm3の範囲であってよい。複数の実施形態では、本体の容量は、約800mm3〜約1200mm3の範囲であってよい。複数の態様では、本体の容量は、約950mm3であってよい。複数の態様では、キャビティを含む少なくとも1つのアームは、その中に画定された開口部を含み、開口部は、胃環境とつながっていてよい。この穴は、ヒンジ組立体から遠位側に位置する。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、少なくとも2つのアームのうちの少なくとも1つは、APIまたは診断薬に解放可能に係合するように構成され得る。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、APIまたは診断薬は、本体に画定されたキャビティ内に位置付けられる。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、APIは、組成物の形態で、キャビティ内に位置付けられ得る。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、キャビティ内に位置付けられたAPIは、6時間超かけて、複数の態様では8時間超かけて、複数の態様では10時間超かけて、制御された速度で放出される。
本開示に従った態様では、本体は、2つのアームを含み得る。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、少なくとも1つのアーム、ヒンジ、およびキャビティを含む本体は、例えば、射出成形、3D印刷などを用いて、製造され得る。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、本体は、射出成形または3D印刷で作られる。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、付勢要素、少なくとも2つのアームのうちの少なくとも1つ、およびヒンジ組立体は、IIGガイドラインに記載されたような、薬学的に許容可能な賦形剤から製造される。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、本体は、保持機構により潰れた構成に維持され、本体は、ヒンジ組立体によって膨張構成に移行する。嚥下前にGRDFの潰れた構成を維持するように構成された、任意の保持方法または機構が構想されていることを、理解されたい。いくつかの異なる態様が本明細書に記載されており、それらは、胃液と接触すると腐食または溶解するカプセルを含む。別の態様では、GRDFの自然な状態が開いている(本明細書に記載するヒンジ組立体のうちの1つの自然な構成または付勢された構成が、GRDFを膨張させるように、開いている)場合、GRDFを閉じた状態に保つ物質があってよく、これは、胃液の存在下で溶解または腐食し、これによって、GRDFを膨張構成へと解放する。他の態様では、この物質は、腐食可能なバンドの形状であってよく、これは、バンドが腐食してGRDFの膨張を可能にするまでGRDFを潰れた構成に維持するようにアームを取り囲んでいる。さらに他の態様は、接着剤状の物質を含み、これは、接着剤状の物質が腐食してGRDFの膨張を可能にするまで、2つのアームを一緒に保持する。別の態様では、保持機構は、閉じた状態を維持し、流体環境に導入されると溶ける、カプセルであってよい。そのカプセル自体であってよい。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、経口薬剤は、潰れた構成で配されたときに本体を取り囲むように構成されたカプセルをさらに含み、このカプセルは、本体を露出し、潰れた構成から解放するため、流体に導入されると少なくとも部分的に溶けるように構成されている。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、GRDFは、加速条件下で2年超にわたり貯蔵期間耐久性または貯蔵期間安定性を維持する。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、各アームは、その中に画定されたキャビティを含んでよく、キャビティは、APIまたは診断薬を受容するように構成されている。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、少なくとも2つのアームは、ヒンジ組立体の周りで動くことができるか、または旋回可能である。
複数の態様では、少なくとも2つのアームおよびヒンジ組立体は、互いに解放可能に係合する。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、少なくとも2つのアームは、所定の時間に、ヒンジ組立体から外れる。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、少なくとも2つのアームは、APIまたは診断薬が実質的に放出されると、ヒンジ組立体から外れる。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、少なくとも2つのアームは、第1のAPIまたは診断薬を含む第1のアームと、第2のAPIまたは診断薬を含む第2のアームと、を含む。複数の態様では、第2のAPIまたは診断薬は、第1のAPIまたは診断薬とは配合禁忌である。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、本体の少なくとも2つのアームは、APIが部分的に放出されると、互いから係合解除されるように構成されている。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、所定の時間は、少なくとも4時間であり、複数の態様では少なくとも6時間であり、複数の態様では少なくとも8時間であり、複数の態様では少なくとも10時間であり、複数の態様では少なくとも12時間であり、複数の態様では少なくとも18時間である。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、所定の時間は、犬または豚、および好ましくは人間などの哺乳動物におけるものである。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、個々のアームおよびヒンジそれぞれのサイズは、構成間を移行する間、実質的に維持される。複数の態様では、本体を作り上げる部分それぞれ、すなわちヒンジ、アームなどのサイズの変化は、10%未満であり、複数の態様では5%未満である。複数の態様では、擬似胃環境(simulated gastric conditions)に24時間さらされた後に、この変化が起こる。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、少なくとも2つのアームのうちの少なくとも1つのサイズは、第1の構成と第2の構成との間、そしてその後の第2の構成と第3の構成との間の移行中、実質的に維持される。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、ヒンジ組立体は、1つ以上の薬学的に許容可能な成分で作られてよい。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、ヒンジ組立体は、互いに旋回可能に連結されている、2つの相互接続されたヒンジ部分を含んでよく、各ヒンジ部分は、少なくとも2つのアームのうちの1つに接続されている。複数の態様では、各ヒンジ部分は、アーム内のキャビティの内壁など、機械的係合構成要素により、少なくとも2つのアームのうちの1つに接続される。複数の態様では、ヒンジ組立体またはヒンジ部分は、90°以下の限られた可動域内で、互いに対して回転するように構成されている。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、ヒンジ組立体は、一体の構成要素である。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、所定の時間が経過した後、ヒンジ組立体は、少なくとも2つのアームから係合解除されて、胃から解放されるように構成されている。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、ヒンジ組立体は、いったんAPIが実質的に放出されるか、またはAPI組成物が実質的に腐食すると、少なくとも2つのアームから係合解除され得る。実質的な放出または腐食は、70%超、75%超、または80%超であってよい。複数の態様では、1つ以上の塩基感受性物質(base-sensitive materials)で構成されるヒンジ組立体または他の接続機構は、塩基性物質を含むアームの内部マトリックス(API放出システムまたはAPI組成物)の近位端部にいったんさらされると、崩壊または腐食を開始し得る。他の態様では、1つ以上の時間依存性ポリマー(time sensitive polymers)で構成されるヒンジ組立体または他の接続機構は、ある時点で崩壊を開始し得る。さらに他の態様では、ヒンジ組立体または他の接続機構は、ある機械的な様式で、ある機械的形状で、または1つ以上の機械的特徴部により、アームに接続され、このため、いったんアーム、インサート錠剤、またはヒンジ組立体が、胃液の導入により腐食すると、ヒンジ組立体またはアーム(またはその一部)の機械的完全性が、1つ以上の機械的要素の形状の変化により、損なわれ、その結果、機械的係合が失われる。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、ヒンジ組立体は、環境感受性、例えばpH感受性、または好ましくは塩基感受性であってよく、いったんヒンジ組立体が塩基性溶液にさらされると、所定の時間が経過する前に劣化するように構成されている。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、ヒンジ組立体の少なくとも一部は、射出成形された物質を用いて製造される。
複数の態様では、少なくとも2つのアームもしくはヒンジ組立体のうちの少なくとも1つの部分的分解、またはAPIもしくは診断薬の部分的放出は、pH依存性ポリマーによるものであってよい。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、pH依存性ポリマーは、塩基性環境で腐食するように構成され得る。別の態様では、塩基性環境における変化を誘導することによりGRDFの胃内滞留を終わらせる方法が提供される。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、アームとのヒンジ組立体の係合が環境感受性である限り、また、環境が変化するか、もしくは変化するよう誘導され得る限り、胃内滞留の終わりをもたらすことができる。複数の態様では、pH依存性ポリマーは、コーティングであるか、またはアームもしくはヒンジ組立体を物理的に作り上げることに関わることができる。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、本体は、射出成形または3D印刷によって製造される。
本開示のある態様によると、胃の中に長時間保持される胃内滞留型剤形(GRDF)が提供され、これは、ヒンジ組立体を含む本体であって、本体は、摂取のための潰れた構成と、胃の内部に保持されるための膨張構成との間で動くように構成されている、本体と、本体の一部内に保持され、活性薬剤成分(API)および賦形剤を含む、少なくとも1つインサートと、を含み、APIと、APIおよび賦形剤双方の総量(total load)との比率は、約0.5〜約0.95である。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、インサートは、即時放出のための賦形剤を含む。開示の別の態様によると、インサート中の活性薬剤成分の重量と、インサート錠剤の総重量の重量との比率は、約0.1〜約0.99であり、複数の態様では約0.5〜約0.95であり、他の態様では約0.7〜約0.9である。
本開示のある態様によると、胃の中に保持されるのに適した医薬製剤が提供され、これは、約3:1〜約8:1の範囲の比率で組み合わせられたセルロースエステルおよび可塑剤を含み、この医薬製剤は、4時間超の時間にわたり胃の中に保持される。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、医薬製剤は、6時間超の時間にわたり、複数の態様では8時間超の時間にわたり、複数の態様では12時間超の時間にわたり、複数の態様では18時間超の時間にわたり、複数の態様では24時間超の時間にわたり、複数の態様では36時間超の時間にわたり、胃の中に保持される。いずれの態様においても、この時間は、絶食条件下、または軽い食事の後である。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、GRDFは、折り畳まれて、カプセル内に入れられる。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、製剤は、保持アームまたはヒンジ組立体をさらに含む。
本開示のある態様によると、胃内滞留型剤形(GRDF)が提供され、これは、カプセルの内側で折り畳まれた、薬学的に許容可能な材料を含み、薬学的に許容可能な材料は、5分未満の時間で、胃の中に保持されるのに適したサイズに広がる。複数の態様では、薬学的に許容可能な材料が、胃の中に保持されるのに適したサイズへと広がる時間は、4分未満であり、複数の態様では3分未満であり、複数の態様では2分未満である。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、GRDFは、活性薬剤成分をさらに含む。
本開示のある態様によると、胃内滞留型剤形(GRDF)が提供され、これは、カプセルの内側で折り畳まれ、活性薬剤成分を含む薬学的に許容可能な材料を含み、剤形の胃内滞留の終わりは、活性薬剤成分の放出により制御される。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、胃内滞留の終わりは、活性薬剤成分の70%超が放出されたとき、複数の態様では活性薬剤成分の75%超が放出されたとき、複数の態様では活性薬剤成分の80%超が放出されたとき、複数の態様では活性薬剤成分の85%超が放出されたとき、複数の態様では活性薬剤成分の90%超が放出されたとき、複数の態様では活性薬剤成分の95%超が放出されたとき、複数の態様では活性薬剤成分の100%が放出されたときに、起こる。
本開示のある態様によると、胃内滞留型剤形(GRDF)が提供され、これは、潰れた構成と、所定の時間にわたり胃の内部にGRDFを保持するための膨張構成との間で移行可能な2つのアームを含む本体と、本体内部に少なくとも部分的に位置付けられた活性薬剤成分(API)または診断薬と、を含む。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、付勢要素は、2つのアームがいったん膨張構成へと移行したら、2つのアームを離して維持するように構成されている。複数の態様では、付勢要素は、2つのアームを潰れた構成から移行させるように構成されている。
本開示のある態様によると、胃内滞留型剤形(GRDF)が提供され、これは、2つのアームを含む本体を含み、2つのアームは、ユーザーが嚥下可能である第1の構成、所定の時間にわたり胃の内部にGRDFを保持するための第2の構成、および2つのアームが所定の時間の経過後に分解される第3の構成から移行可能である。
本開示のある態様によると、胃内滞留型剤形(GRDF)が提供され、これは、旋回可能に互いに接続された少なくとも2つのアームであって、少なくとも2つのアームが互いに対して近接して配されていて、GRDFが嚥下に適している潰れた構成と、少なくとも2つのアームが互いからさらに離れた膨張構成との間で移行可能である、少なくとも2つのアームと、少なくとも2つのアームのうちの少なくとも1つに画定されたキャビティ内部に少なくとも部分的に収容された活性薬剤成分(API)または診断薬と、少なくとも2つのアームがいったん膨張構成に移行すると少なくとも2つのアームを離して維持するように構成された付勢要素と、を含む。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、少なくとも2つのアームは、ヒンジ組立体の周りで旋回可能である。本明細書に記載する態様では、付勢要素は、ヒンジ組立体の一部を形成する。複数の態様では、少なくとも2つのアームおよびヒンジ組立体が、互いに解放可能に係合されている。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、ヒンジ組立体は、一体的な構成要素である。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、ヒンジ組立体は、互いに旋回可能に連結された、2つの相互接続されたヒンジ部分を含み、各ヒンジ部分は、少なくとも2つのアームのうちの1つに接続されている。複数の態様では、各ヒンジ部分は、機械的係合構成要素によって、少なくとも2つのアームのうちの1つに接続されている。複数の態様では、ヒンジ部分は、90°以下の限られた可動域内で、互いに対して回転するように構成されている。
本開示のある態様によると、胃内滞留型剤形(GRDF)が提供され、これは、それぞれが所定の長さを有し、摂取のための潰れた構成と、胃の内部に保持されるための膨張構成との間で動くように構成された少なくとも2つのアームを含む、本体と、2つのアームのうちの少なくとも1つの内部に入れられた活性薬剤成分と、を含み、活性薬剤成分を含む少なくとも1つのアームの所定の長さは、活性薬剤成分の放出中、実質的に同じままである。
本開示のある態様によると、胃内滞留型剤形(GRDF)が提供され、これは、それぞれが所定の長さを有し、摂取のための潰れた構成と、胃の内部に保持されるための膨張構成との間で動くように構成された少なくとも2つのアームを含む、本体と、2つのアームのうちの少なくとも1つの内部に入れられた活性薬剤成分と、を含み、2つのアームのうちの少なくとも1つの所定の長さは、本体の分解後、実質的に同じままである。
本開示のある態様によると、胃の中に長時間保持される経口薬剤が提供され、これは、摂取のための潰れた構成と、所定の時間にわたり胃の内部に保持されるための膨張構成との間で、ヒンジ組立体の周りで変形するように構成された本体と、本体内に少なくとも部分的に入れられた活性薬剤成分(API)または診断薬と、を含む。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、APIまたは診断薬の別の部分が、本体の少なくとも1つのアームによって隠れる。
本開示のある態様によると、胃内滞留型剤形(GRDF)が提供され、これは、pH感受性材料を含み、摂取のための潰れた構成から、胃の内部に保持されるための膨張構成へと変形するように構成された少なくとも2つのアームを含む、本体を含み、pH感受性材料は、本体を分解させるように構成されている。
本開示のある態様によると、胃の中に長時間保持される胃内滞留型剤形(GRDF)が提供され、これは、摂取のための潰れた構成と、所定の時間にわたり胃の内部に保持されるための膨張構成との間で変形するように構成された本体と、本体に解放可能に係合するように構成された活性薬剤成分(API)または診断薬と、を含み、本体は、APIが部分的に崩壊すると分解されるように構成され、本体は、薬学的に許容可能な材料から作られ、本体のサイズ、形状、および耐久性は、所定の時間にわたって胃の中にある間、実質的に維持される。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、APIは、6時間超かけて、複数の態様では8時間超かけて、複数の態様では10時間超かけて、制御された速度で放出される。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、APIまたは診断薬は、少なくとも2つのアームのうちの少なくとも1つによって包まれている。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、APIまたは診断薬は、2つのアームのうちの少なくとも1つの内部に画定された開口部を介して放出される。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、APIまたは診断薬は、少なくとも2つのアームのうちの少なくとも1つに画定されたキャビティ内部に嵌まるように成形されたインサートである。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、インサートは、即時放出のための賦形剤を含む。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、膨張構成では、少なくとも2つのアームは、それらの間に約90°未満の内角を定める。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、ヒンジ組立体は、pH感受性であり、ヒンジ組立体がいったん塩基性溶液にさらされると、所定の時間が経過する前に劣化するように構成されている。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、膨張構成では、少なくとも2つのアームは、約45°〜約90°の内角を定め、複数の態様では、少なくとも2つのアームは、約45°〜約80°の内角を定める。
本開示のある態様によると、胃内滞留型剤形(GRDF)が提供され、これは、少なくとも2つのアームを含む本体を含み、本体は、摂取のための潰れた構成と、所定の時間にわたり胃の内部に保持されるための膨張構成との間で変形するように構成され、胃内滞留型剤形は、機械的強度および寸法を維持し、そのため:
a.擬似胃液[37℃、pH2+キサンタンガム 0.125gr/Lを有し、25RPMで混合する回転装置]に12時間さらされた後 ‐ 150g/mmで、最大750gの圧縮係数で置かれ、繰り返し力(repeated force)が、折り畳んだ状態に戻す方向に加えられた場合に、サイズの減少が、5%未満、好ましくは3%未満。
b.擬似胃液[37℃、pH2 キサンタンガム 0.125gr/Lを有し、25RPMで混合する回転装置]に8時間超さらされた後 ‐ サイズは、600gr/Fの下で18mmパイプ試験を通過するのを防ぐよう維持された。
c.豚の胃の中に24時間超存在した後‐ ‐サイズは維持された。
d.ビーグル犬の胃の中に24時間超存在した後‐ ‐GRDFの50%がサイズを維持した。
e.擬似胃液に24時間さらされた後‐ ‐本体の重量、長さ、厚さにおいて、10%未満、好ましくは5%未満変化した。
本開示のある態様によると、胃内滞留型剤形(GRDF)が提供され、これは、摂取のための潰れた構成と、所定の時間にわたり胃の内部に保持されるための膨張構成との間で変形するように構成された、蝶番式の本体を含み、胃内滞留型剤形は、機械的強度および寸法を維持し、そのため:
a.擬似胃液[37℃、pH2+キサンタンガム 0.125gr/Lを有し、25RPMで混合する回転装置]に12時間さらされた後 ‐ 150g/mmで、最大750gの圧縮係数で置かれ、繰り返し力が、折り畳んだ状態に戻す方向に加えられた場合に、サイズの減少が、5%未満、好ましくは3%未満。
b.擬似胃液[37℃、pH2 キサンタンガム 0.125gr/Lを有し、25RPMで混合する回転装置]に8時間超さらされた後 ‐ サイズは、600gr/Fの下で18mmパイプ試験に通過するのを防ぐよう維持された。
c.豚の胃の中に24時間超存在した後 ‐ サイズが維持された。
d.ビーグル犬の胃の中に24時間超存在した後 ‐ GRDFの50%がサイズを維持した。
e.擬似胃液に24時間さらされた後 ‐ 本体の重量、長さ、厚さにおいて、10%未満、好ましくは5%未満変化した。
本開示のある態様によると、胃の中に長時間保持される胃内滞留型剤形(GRDF)が提供され、これは、摂取のための潰れた構成と、胃の内部に保持されるための膨張構成との間で動くように構成された第1のアームおよび第2のアームを含む、非生物分解性本体を含み、非生物分解性本体は、約3:1〜約12:1の範囲の比率で薬学的に許容可能な材料および可塑剤を含む混合物を含む。
本開示のある態様によると、胃の中に長時間保持される胃内滞留型剤形(GRDF)が提供され、これは、摂取のための潰れた構成と、所定の時間にわたり胃の中に保持されるための膨張構成との間で変形するように構成された本体を含み、GRDFは、約50%のビーグル犬において、絶食条件下で、24時間超にわたり胃内滞留を示した。
本開示のある態様によると、胃内滞留型剤形(GRDF)が提供され、これは、摂取のための潰れた構成と、所定の時間にわたり胃の中に保持されるための膨張構成との間で変形するように構成された本体を含み、GRDFは、24時間にわたり模擬的な胃条件にさらされた後、300grForceの下では18mmパイプ試験を通らない。
本開示のある態様によると、胃内滞留型剤形(GRDF)が提供され、これは、薬学的に許容可能な材料で作られ、85%超のAPIが放出された後で維持されるサイズおよび強度を有するAPIを含む本体を含み、300grForceの下では18mmパイプ試験を通ることができない。
本開示のある態様によると、胃内滞留型剤形(GRDF)が提供され、これは、摂取のための潰れた構成と、所定の時間にわたり胃の中に保持されるための膨張構成との間で変形するように構成された本体を含み、GRDFは、1250grForceの下で12時間にわたり模擬的な胃条件にさらされると、板ばね耐久性試験(leaf durability test)を通らない。
本開示のある態様によると、胃内滞留型剤形(GRDF)が提供され、これは、摂取のための潰れた構成と、所定の時間にわたり胃の中に保持されるための膨張構成との間で変形するように構成された本体を含み、本体は、12時間にわたり模擬的な胃条件にさらされた後、350grFで圧縮されると、6%未満のひずみを示す。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、GRDFは、活性薬剤成分をさらに含む。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、本明細書に記載するGRDFは、約100mm3〜約2000mm3の範囲の容量を含む本体を含み得る。複数の態様では、本体の容量は、約200mm3〜約1800mm3の範囲であってよい。複数の態様では、本体の容量は、約500mm3〜約1500mm3の範囲であってよい。複数の実施形態では、本体の容量は、約800mm3〜約1200mm3の範囲であってよい。複数の態様では、本体の容量は、約950mm3であってよい。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、GRDFは、カプセルの中に折り畳まれて入れられている。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、本明細書で記載または構想されるGRDFのいずれも、緊急放出特徴部を含んでよく、この緊急放出特徴部は、必要な場合には胃および胃腸管からすぐに取り出されるようにGRDFを幽門弁に通すことができるか、または、胃環境の外部で即時分解を引き起こす。解毒薬(antidote)もしくは典型的な胃とは異なる環境の存在下で、または解毒薬もしくは典型的な胃とは異なる環境にさらされたときに、GRDFは、所定の時間が経過する前に胃から出るように分解されるか、または胃環境を通り過ぎた場合に分解されるように、構成されている。解毒薬または他のトリガー機構を用いて、GRDFの緊急放出を開始することもできる。複数の態様では、GRDFは、pH感受性(例えば、pH5〜5.5に感受性)であるヒンジ組立体(もしくはその任意の他の部分)を含み、通常の胃条件下では、ヒンジ組立体(もしくはその任意の部分)は無傷のままであり、GRDFは意図したとおりに機能する。しかしながら、必要な場合、環境pHは、(前述したpH感受性の範囲もしくは任意の他の特定の範囲内まで)わずかに上昇してよく、ヒンジ組立体(もしくはその任意の部分)の機械的完全性を減退させ、後で排出するために、ヒンジ組立体を一方もしくは両方のアームから分解して、幽門弁を通過させる。例えば、複数の態様では、減退により、インサートとヒンジ組立体(もしくはその一部)との間の機械的圧力が減少して、最終的にはヒンジ組立体を一方もしくは両方のアームから開放し、胃から出すことができる。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、緊急放出のためにGRDFの一部のみを構成するpH感受性材料は、5より高いpHで、より具体的には約5〜7.5の範囲のpHで、溶解し、腐食し、かつ/または分解する材料を含み得る。適切なpH感受性材料のいくつかの非限定的な例は、ポリアクリルアミド、フタレート誘導体(すなわち、共有結合しているフタレート部分を有する化合物)、例えば、炭水化物の酸性フタレート(acid phthalates)、アミロースアセテートフタレート、セルロースアセテートフタレート、他のセルロースエステルフタレート、セルロースエーテルフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルエチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロースフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、フタル酸水素ポリ酢酸ビニル(polyvinyl acetate hydrogen phthalate)、酢酸フタル酸セルロースナトリウム(sodium cellulose acetate phthalate)、でんぷん酸フタレート(starch acid phthalate)、スチレン‐マレイン酸ジブチルフタレートコポリマー、スチレン‐マレイン酸ポリビニルアセテートフタレートコポリマー、スチレンとマレイン酸とのコポリマー、形式化ゼラチン(formalized gelatin)、グルテン、セラック、ザロール、ケラチン、ケラチンサンダラック‐トル(keratin sandarac-tolu)、アンモニアで処理したセラック、サリチル酸ベンゾフェニル(benzophenyl salicylate)、トリメリト酸酢酸セルロース、セラックとブレンドされた酢酸セルロース、コハク酸ヒドロキシプロピルメチル酢酸セルロース(hydroxypropylmethyl cellulose acetate succinate)、酸化セルロース、ポリアクリル酸誘導体、例えばアクリル酸およびアクリルエステルコポリマー、メタクリル酸およびそのエステル、酢酸ビニルおよびクロトン酸コポリマー、を含む。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、本体または、GRDFの構成要素のうち任意のもの、すなわち、本体、アーム、ヒンジ組立体など、を含むGRDFは、少なくとも1つの薬学的に許容可能な材料から作られ、好ましくは、例えばFDAのIIGリストに基づく、薬学的に許容可能な材料のみで構成されている。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、製剤は、非生物分解性もしくは生物分解性であってよく、あるいは、射出成形プロセスに特に適していてよい。GRDFのための薬学的に許容可能な材料の選択範囲には、胃環境内で安定性を維持し、かつ十分な剛性を提供して、(好ましくは絶食状態および摂食状態にわたり)所望の時間より前の分解または崩壊を防ぐ、すべての材料が含まれる。任意の許容可能な薬学的に承認されたポリマー材料、例えば酢酸セルロース、エトセル(ethocel)、オイドラギット(eudragit)、またはコハク酸ヒドロキシプロピル酢酸セルロースは、可塑剤が添加されていてもいなくても、GRDFの調製に使用され得る。非生物分解性製剤が望まれている場合、例えば、可塑剤を含むセルロースエステルを提供することができる。本明細書に記載のいずれの態様でも、材料は、GRDFの構成要素それぞれが、その定められた機能性(例えば、前記に定めたような、アームおよびヒンジの剛性、ばねの弾性、ならびに、溶解の安定性)に従って動作することができるように、選択および処理される。耐久性と安全性もしくは最終的な崩壊;pH独立性と依存性など、との間でよりよくバランスが取れるように、異なる材料を使用することができる。例えば、複数の態様では、酢酸セルロース(CA)と可塑剤との比率は、耐久性、弾性、脆性の低下、pH変化からの独立、および腐食可能性(erodability)の低下に資することができる。
本明細書に記載のいずれの態様でも、本体は、所定の時間にわたり胃の中にある間に維持されるのに適した、サイズ、形状、および耐久性のものである。例えば、本体は、セルロースエステル、HPMCアセテートスクシネート、エトセル、オイドラギット、または可塑剤を含み得る。セルロースエステルは、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、コハク酸ヒドロキシプロピルメチル酢酸セルロース、セルロースプロピオネート、酢酸セルロースプロピオネート、酢酸セルロースブチレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。複数の態様では、セルロースエステルは、酢酸セルロースを含む。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、セルロースエステルおよび可塑剤は、約3:1〜約8:1の範囲の比率で組み合わせられる。複数の態様では、セルロースエステルおよび可塑剤は、約4:1〜約6:1の範囲の比率で組み合わせられ、複数の態様では、セルロースエステルおよび可塑剤は、約4:1の比率で組み合わせられる。複数の態様では、ポリマーは、セルロースエステル、HPMCアセテートスクシネート、エトセル、またはオイドラギットのうちの任意の1つ以上を含むリストから選択され得る。可塑剤は、ジブチルセバケート、トリエチルシトレート、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、アセチルトリブチルシトレート、トリアセチン(triacetine)、グリセリン、ソルビトール、ソルビタン溶液、ひまし油、ジアセチル化モノグリセリド、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート、およびそれらの組み合わせのうちの任意の1つ以上であってよい。さらに具体的には、セルロースエステルは、酢酸セルロース(CA)であってよい。酢酸セルロース(CA)と可塑剤との比率は、約3:1〜約12:1であってよく、あるいは、他の態様では、約3.5〜約8:1であってよく、あるいは別の態様では、約4:1〜約6:1であってよく、あるいは具体的には4:1であってよい。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、GRDFの本体は、ジブチルセバケート、トリエチルシトレート、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、アセチルトリブチルシトレート、トリアセチン、グリセリン、ソルビトール、ソルビタン溶液、ひまし油、ジアセチル化モノグリセリド、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された、可塑剤を含む。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、本体は、単位剤形当たり約50mg超の可塑剤を含んでよく、複数の態様では単位剤形当たり約100mg超の可塑剤、複数の態様では単位剤形当たり約150mg超の可塑剤、複数の態様では単位剤形当たり約180mg超の可塑剤、複数の態様では単位剤形当たり約190mg超の可塑剤を含んでよい。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、本体は、単位剤形当たり約50mg超、または約200mg超のセルロースエステルを含むことができる。複数の態様では、本体は、単位剤形当たり約400mg超のセルロースエステルを含み、複数の態様では単位剤形当たり約600mg超のセルロースエステル、複数の態様では単位剤形当たり約700mg超のセルロースエステル、複数の態様では単位剤形当たり約750mg超のセルロースエステルを含む。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、薬学的に許容可能な材料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、可塑剤は、トリエチルシトレートである。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、薬学的に許容可能な材料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、可塑剤は、ポリエチレングリコールである。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、薬学的に許容可能な材料は、エチルセルロースであり、可塑剤は、トリエチルシトレートである。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、薬学的に許容可能な材料は、メタクリル酸およびメチルメタクリレートを含み、可塑剤は、トリエチルシトレートである。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、GRDF製剤または制御放出製剤は、セルロースエステル、およびトリアセチンを含み、擬似胃液に24時間さらされた後、重量、長さおよび厚さが、10%未満、好ましくは5%未満変化することができる。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、本体は、その中に画定された開口部を含み、開口部は、カプセルが少なくとも部分的に溶解したら、APIまたは診断薬を胃の中の胃液にさらすように構成されている。よって、API/診断薬の放出速度、または胃内滞留の所望の終点に応じて、1つ以上の開口部は、API/診断薬またはその組成物の放出および腐食のための表面積を増大させ得る。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、GRDFは、機械的強度を提供し、摂食条件下および絶食条件下の双方で、胃によって加えられる力に抵抗することができる。機械的強度は、GRDFの膨張時に、膨張構成を維持させて胃内滞留をもたらすことができるのに十分である。さらに具体的には、潰れた構成および膨張構成を有し、ある時間にわたり機械的な胃の力に抵抗する、GRDFが提供される。
態様のいずれかにおいて、GRDF、すなわち、本体、アーム、ヒンジ組立体などは、ある時間にわたって、無傷のままであるよう、すなわち組み立てられた状態を維持するよう、機械的な耐久性を提供することができ、かつ、摂食条件下および絶食条件下の双方で胃によって加えられる力に抵抗することができる。機械的強度は、GRDFの膨張時に、膨張構成を維持させて胃内滞留をもたらすことができるのに十分である。さらに具体的には、潰れた構成および膨張構成を有し、機械的な胃の力に抵抗する、GRDF(例えば非生物分解性GRDF)が提供され、胃内滞留型剤形は、以下のうちいずれか1つ以上に耐える機械的強度および寸法を維持するように構成されるか、または維持することができる:
a.擬似胃液[37℃、pH2+キサンタンガム 0.125gr/Lを有し、25RPMで混合する回転装置]に12時間さらされた後 ‐ 150g/mmで、最大750gの圧縮係数で置かれ、繰り返し力が、折り畳んだ状態に戻す方向に加えられた場合に、サイズの減少が、5%未満、好ましくは3%未満。
b.擬似胃液[37℃、pH2 キサンタンガム 0.125gr/Lを有し、25RPMで混合する回転装置]に8時間超さらされた後 ‐ サイズは、600gr/Fの下で18mmパイプ試験を通過するのを防ぐよう維持された。
c.豚の胃の中に24時間超存在した後 ‐ サイズが維持された。
d.ビーグル犬の胃の中に24時間超存在した後 ‐ GRDFの50%がサイズを維持した。
e.擬似胃液に24時間さらした後 ‐ 本体の重量、長さ、厚さにおいて、10%未満、好ましくは5%未満変化した。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、本体は、少なくとも1時間の時間にわたり、少なくとも400grFの繰り返し力を受けて、無傷のままであるように機械的耐久性を有する。複数の態様ではこの時間は少なくとも3時間であり、複数の態様ではこの時間は少なくとも6時間であり、複数の態様ではこの時間は少なくとも9時間であり、複数の態様では無傷のままである時間は少なくとも24時間である。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、少なくとも600grFの繰り返し力であり、複数の態様では、繰り返し力は、約400〜約3000grFの範囲である。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、医薬製剤は、6時間超の時間、複数の態様では8時間超の時間、複数の態様では12時間超の時間、複数の態様では18時間超の時間、複数の態様では24時間超の時間、複数の態様では36時間超の時間、ヒトの胃の中に保持され得る。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、製剤は、保持アーム、またはヒンジ組立体をさらに含む。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、製剤は、保持アームまたはヒンジ組立体をさらに含む。
別の態様では、塩基性環境を誘発することにより、GRDFの胃内滞留を終わらせる方法が提供される。アームとのヒンジ組立体の係合が環境感受性であり、かつ環境が変化するか、もしくは変化するよう誘導され得る限り、胃内滞留の終わりを誘発することができる。pH依存性ポリマーは、コーティングであってよいか、あるいはアームまたはヒンジ組立体の物理的構成に関わることができる。
別の態様では、GRDFは、当業者には明らかであるように、WO 2003057197、またはZema et. al., Journal of Controlled Release, Volume 159(2012) 324-331に記載された製造技術などの、射出成形、3D印刷などを含むいくつかのプロセスによって製造され得る。例えば、鋳型が、GRDFの所望の形状で構築されて、液体状態の適切な材料で満たされ、その後、化学プロセスにより硬化させられるか、または熱硬化材料が使用されている場合には冷却されることができる。本明細書に記載するGRDF、またはその任意の部分、例えばアーム、ヒンジ組立体、ばねなどは、薬学的に許容可能な材料または成分、例えばIIGガイドラインに列挙される1つ以上の成分、から製造され得る。複数の態様では、GRDFは、少なくとも1つの薬学的に許容可能な材料から作られた本体を含んでよく、本体のサイズ、形状、および耐久性は、所定の胃内滞留時間にわたり胃の中にある間、維持される。特定の鋳型内の特定の成分に適用される射出成形の使用は、10%未満の変動を生じ、複数の実施形態では5%未満の変動を生じ、詳細には、500μmと小さい変動を生じた。
任意の態様では、GRDFは、さまざまな放出プロファイルを有する1つ以上の追加のAPI、例えば即時放出用に設計された追加のAPIと共に使用されるように、構成され得る。追加のAPI(例えば、即時放出用に設計されたAPI)は、インサートの遠位端部に位置し、一方もしくは両方のアームの遠位端部に開口部を有するGRDFと共に使用されることができる。この場合、インサートの遠位端部に配されたAPIに加えてGRDFの構成は、一方もしくは両方のアームの遠位開口部内への胃液の初期注入を導き、即時放出を促進する追加のAPIとすぐに接触する。複数の態様では、追加のAPIは、カプセルを包囲するか、もしくはGRDFを取り囲む層、または一方もしくは両方のアーム(またはそれらの一部)を包囲する層として、含まれ得る。
本開示のある態様によると、胃内滞留型剤形(GRDF)を組み立てる方法が提供され、これは、射出成形により形成された本体のキャビティにインサート錠剤を挿入することと、本体をヒンジ組立体と組み合わせることと、を含む。
本開示のある態様によると、APIまたは診断薬を送達する方法が提供され、これは、閉じた構成にある、先の請求項のいずれかのGRDFを患者に投与することを含む。
本開示のある態様によると、胃内滞留のための剤形を製造する方法が提供され、これは、セルロースエステル組成物を含む剤形の本体を形成することを含む。
本明細書に記載の任意の態様では、セルロースエステル組成物は、セルロースエステル、および可塑剤を含む。複数の態様では、セルロースエステルは、酢酸セルロースであり、可塑剤はトリアセチンである。
本開示のある態様によると、患者の体内でのGRDFを分解させる方法が提供され、これは、GRDFを患者に投与することと、解毒薬を患者に投与することと、を含み、解毒薬は、患者の胃のpHを上昇させて、GRDFを、胃から排出されるのに十分なサイズの破片に分解させる。
複数の態様では、GRDFは、本体を含み、本体は、本体の総重量の約20%未満に相当するpH感受性材料を含み、このpH感受性材料は、GRDFを分解させるように構成されている。
本開示のある態様によると、GRDFの製造における即時放出製剤の使用が提供される。本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、製剤は、インサート(錠剤)である。
本開示のある態様によると、制御放出製剤が提供され、これは、API組成物を保持するのに適したキャビティを含む本体を含み、本体は、APIが制御放出されるのを可能にする、API組成物の露出の表面積を定める。
本明細書に記載する態様のいずれかにおいて、APIは、4時間超かけて、複数の態様では8時間超かけて、複数の態様では12時間超かけて、複数の態様では18時間超かけて、複数の態様では24時間超かけて、放出される。
本開示のさまざまな態様が、図面を参照して本明細書で説明される。図面中、同様の参照符号は、同様または同一の要素を特定するものである。
〔詳細な説明〕
本明細書で参照する特許参考文献および定期刊行物のすべては、全体として、またあらゆる目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
以下の表現は、当業者に知られているような定義および陳述の一般的な意味で示唆されている。しかしながら、以下のように、本開示の概念において理解されるべき用語がいくつかある。
「胃内滞留型剤形」(GRDFまたは複数形のGRDFs)は、生物学的活性剤または診断製剤の制御放出のためのプラットホームを提供する目的で、胃の範囲内に存在する、剤形を意味する。GRDFは、本明細書中、経口薬剤、ならびに胃の中に長時間保持される剤形とも呼ばれる。
「胃内滞留」は、胃内滞留型とは考えられていない胃腸(GI)送達ビヒクル内部で、または自由な形態で送達された場合に胃の中に保持されているであろう時間より長い時間にわたって、胃の中に薬品を維持または保持することである。胃内滞留性(Gastro-retentivity)は、通常の胃からの排出時間より長い時間、例えば約2時間より長い時間、場合によっては約3時間より長い時間、多くの場合、約4、6、8、もしくは10時間より長い時間にわたり、胃の中に滞留することにより特徴づけられ得る。胃内滞留性は、典型的には、約3、4、6、8、10、または、時には18時間、さらには最大で約21時間以上の時間にわたり、胃の中に滞留することを意味する。胃内滞留性はまた、少なくとも4、6、8、10、12、18時間の所定の時間にわたり、胃の中に滞留することも意味し得る。
本明細書で使用されるような、「嚥下に適切な」サイズは、ヒトまたは動物のいずれかが嚥下することのできる医薬ユニット(pharmaceutical unit)の任意のサイズおよび/または形状である。
本明細書で使用されるような、「本体」は、多少束縛されるか、または別様に接続されて、並進運動もしくは回転により一緒に動く、材料もしくは部品の任意の集合を含むことを意味する。
本明細書で使用されるような、「賦形剤」は、本開示の組成物またはインサートの調合に使用されて、組成物またはインサートに所望の特徴を与える、1つの成分、または成分の混合物を指す。本明細書で使用されるような用語「薬学的に許容可能な」は、正常な医学的判断の範囲内で、合理的なリスク・ベネフィット比に釣り合った所望の治療期間にわたり、過度の毒性、刺激、アレルギー反応もしくは他の問題のある合併症なしで、人間および動物の組織と接触するのに適している、化合物、材料、組成物、成形体、塩、および/または剤形を指す。いくつかの実施形態では、用語「薬学的に許容可能な」は、動物で、より具体的にはヒトにおいて使用されるように、連邦もしくは州政府の規制機関により承認されるか、または、米国薬局方もしくは他の一般的に認識される国際薬局方に列挙されていることを意味する。さまざまな薬学的に許容可能な賦形剤を使用することができる。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な賦形剤は、アルカリ性剤、安定剤、粘着剤、分離剤、コーティング剤、外部位相構成要素(exterior phase component)、制御放出構成要素、溶媒、界面活性剤、湿潤剤、緩衝剤、充填剤、皮膚軟化薬、もしくはそれらの組み合わせであってよいが、これらに限定されない。賦形剤は、本明細書で論じた物に加えて、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st ed.(2005)に記載された賦形剤を含み得るが、この文献に限定されるものではない。本明細書において具体的な分類の賦形剤(例えば「溶媒」)を含むことは、賦形剤の役割を制限するのではなく、例示することを意図している。具体的な賦形剤は、複数の分類に含まれ得る。
本明細書で使用されるような、「経口薬剤(oral pharmaceutical)」は、構成要素が薬学的に許容可能な材料で作られている、経口投与される任意のものである。
本明細書で使用されるような、診断薬または活性薬剤成分(API)は、当技術分野で認識されるような、胃内滞留に関連する任意の物質を含むことを意味している。広範なAPI(治療用、診断用、または別様に有益なものであってよい)を、本開示の態様に従って用いることができる。胃内滞留型送達に関連するか、または当技術分野で既知の診断薬としての、任意のAPIは、本明細書に含まれることが意図されている。関連するAPIは、限定されるものではないが、以下を含み得る:胃の中で局所的に作用するAPI;胃の中で最初に吸収されるAPI;アルカリ性のpHで可溶性が低いAPI;吸収窓が狭いAPI;GI管から迅速に吸収されるAPI;結腸内で崩壊するAPI;結腸微生物の邪魔をするAPI。
活性薬剤成分(API)は、以下を含み得るが、それらに限定されない:エジシル酸プロクロルペラジン、硫酸第一鉄、アルブテロール、アミノカプロン酸、塩酸メカミラミン、塩酸プロカインアミド、硫酸アンフェタミン、塩酸メタンフェタミン、塩酸ベンズフェタミン、硫酸イソプロテレノール、塩酸フェンメトラジン、塩化ベタネコール、塩化メタコリン、塩酸ピロカルピン、硫酸アトロピン、臭化スコポラミン、ヨウ化イソプロパミド、塩化トリジヘキセチル、塩酸フェンホルミン、メトホルミン、塩酸メチルフェニデート、テオフィリンコリネート(theophylline cholinate)、塩酸セファレキシン、ジフェニドール、塩酸メクリジン、マレイン酸プロクロルペラジン、フェノキシベンザミン、マレイン酸チエチルペラジン、アニシンジオン、ジフェナジオンエリトリチル四硝酸塩(diphenadione erythrityl tetranitrate)、ジゴキシン、イソフルロフェート、アセタゾルアミド、ニフェジピン、メタゾラミド、ベンドロフルメチアジド、クロルプロパミド、グリピジド、グリブリド、グリクラジド、トルブタミド(tobutamide)、クロルプロパミド(chlorproamide)、トラザミド、アセトヘキサミド、トログリタゾン、オルリスタット、ブプロピオン、ネファゾドン、トラザミド、酢酸クロルマジノン、フェナグリコドール、アロプリノール、アスピリンアルミニウム、メトトレキサート、アセチルスルフィソキサゾール、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチコステロンアセテート(hydrocorticosterone acetate)、酢酸コルチゾン、デキサメタゾン、およびその誘導体、例えば、ベタメタゾン、トリアムシノロン、メチルテストステロン、17−β−エストラジオール、エチニルエストラジオール、エチニルエストラジオール3−メチルエーテル、プレドニゾロン、17−β−ヒドロキシプロゲステロンアセテート、19−ノルプロゲステロン、ノルゲストレル、ノルエチンドロン、ノルエチステロン、ノルエチエデロン(norethiederone)、プロゲステロン、ノルゲステロン、ノルエチノドレル、テルフェナジン(terfandine)、フェキソフェナジン、アスピリン、アセトアミノフェン、インドメタシン、ナプロキセン、フェノプロフェン、スリンダク、インドプロフェン、ニトログリセリン、二硝酸イソソルビド、プロプラノロール、チモロール、アテノロール、アルプレノロール、シメチジン、クロニジン、イミプラミン、レボドパ、セレギリン、クロルプロマジン、メチルドーパ、ジヒドロキシフェニルアラニン、グルコン酸カルシウム、ケトプロフェン、イブプロフェン、セファレキシン、エリスロマイシン、ハロペリドール、ゾメピラック、乳酸鉄、ビンカミン、フェノキシベンザミン、ジルチアゼム、ミルリノン、カプトプリル(captropril)、マンドール(mandol)、クアンベンズ(quanbenz)、ヒドロクロロチアジド、ラニチジン、フルルビプロフェン、フェンブフェン、フルプロフェン、トルメチン、アルクロフェナク、メフェナミック、フルフェナミック、ジフニナル(difuninal)、ニモジピン、ニトレンジピン、ニソルジピン、ニカルジピン、フェロジピン、リドフラジン、チアパミル、ガロパミル、アムロジピン、ミオフラジン、リシノプリル、エナラプリル、カプトプリル、ラミプリル、エナラプリラート、ファモチジン、ニザチジン、スクラルファート、エチンチジン、テトラトロール(tetratolol)、ミノキシジル、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、アミトリプチリン、およびイミプラミン、ならびにこれらの活性薬剤の薬学的塩。さらなる例は、タンパク質およびペプチドであり、以下を含むが、それらに限定されない:シクロスポリン、例えばシクロスポリンA、インスリン、コルヒチン(coichicine)、グルカゴン、甲状腺刺激ホルモン、副甲状腺および下垂体ホルモン、カルシトニン、レニン、プロラクチン、コルチコトロピン、甲状腺刺激ホルモン(thyrotropic hormone)、卵胞刺激ホルモン、絨毛膜性腺刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン、ウシソマトトロピン、ブタソマトロピン(porcine somatropin)、オキシトシン、バソプレシン、プロラクチン、ソマトスタチン、リプレシン、パンクレオチミン、黄体形成ホルモン、LHRH、インターフェロン、インターロイキン、成長ホルモン、例えばヒト成長ホルモン、ウシ成長ホルモン、およびブタ成長ホルモン、生殖能力阻害剤(fertility inhibitors)、例えばプロスタグランジン、生殖能力促進剤(fertility promoters)、成長因子、およびヒト膵臓ホルモン放出因子。
本明細書で使用されるような用語「アーム」は、長さ、幅、厚さを含み、かつ胃内滞留のためのサイズを達成するのに役立つ、任意の構造体を含む。本明細書に記載するようなアームは、活性薬品または診断薬を保持することができる。これは、(1つ以上のAPI、診断薬、賦形剤、および/もしくはポリマーから作られた)インサートまたは医薬錠剤を保持するように構成されたキャビティを、内部に画定し得る。本明細書に記載するようなアームは、API、診断薬、ポリマー、賦形剤などから作られ得る。
本明細書で使用されるような用語「ヒンジ組立体」は、2つ以上の構造体、例えばアーム間で相対運動を可能にするように構成された、任意の機構を含む。ヒンジ組立体は、1つの一体的な部品(例えばリビングヒンジ)、または従来的な意味で組み立てられる1つ以上の部品からなることができる。ヒンジ組立体は、ある時間にわたり胃の中で耐久性があってよく、また、潰れた構成および膨張構成の両方で、1つ以上のアームに取り付けられることができる。ヒンジ組立体は、所定の時間に、または機械的事象が起こったら、1つ以上のアームから係合解除されることができる。
本明細書で使用されるような用語「機械的事象」は、経時的に、または別の物質もしくは流体、例えば本体の内側の胃液に接触したときに、1つ以上の構造体の物理的特性を変化させる任意の事象を含む。吸収、溶解、溶融、分解、腐食、pH変化、または温度変化などはすべて、機械的事象の例である。
本明細書で使用されるような、「腐食可能な」材料は、特定の環境に導入されたとき、または特定の物質もしくは流体、例えば胃環境もしくは胃液と接触したときに、分解する任意の材料を含む。
本明細書で使用されるような、GRDFの「潰れた構成」という用語は、GRDFが嚥下に適したサイズである、摂取前の状態である。
本明細書で使用されるような、GRDFの「膨張構成」という用語は、GRDFを胃の中に保持することができ(胃内滞留)、かつ幽門弁を通過するのを防ぐことができる、摂取後の状態である。
本明細書で使用されるような用語「胃液にさらされたとき」、または「模擬的な胃条件下で」は、文字どおりに、または必要な場合には適切なモデルに基づいて、理解されることを意図している。このような適切なモデルの一例は、37℃、8RPMで、500mLの溶解チャンバ内で、400mLの0.1N HClおよび150gのガラスビーズにさらされることを含む。別のモデルでは、キサンタンガム 0.125gr/L、pH2が、37℃である。
本明細書で使用されるような用語「薬学的に許容可能な」は、本発明で使用される場合に生物学的または別様に許容可能でない材料を指す。例えば、用語「薬学的に許容可能な担体」は、許容できない生物学的影響を生じたり、許容できない形で組成物の他の成分と相互作用したりせずに、組成物に組み込まれて患者に投与されることができる材料を指す。このような薬学的に許容可能な材料は、典型的には、毒物学的試験および製造試験の必要な基準を満たしており、米国の食品医薬品局により、適切な不活性成分として特定された材料を含む。
本開示は、GRDF、およびその使用方法を提供する。GRDFは、潰れた構成で嚥下され、胃の中で膨張し、所定の時間にわたり、意図された機能を実行し、その時間の最後に、または機械的事象が生じたときに、分解され、かつ/または崩壊して、最終的には胃の幽門弁を通過する。胃から出た後、GRDFは、胃腸系の残りの部分を安全に通過し、かつ/または、単に本体により吸収される。複数の実施形態では、GRDFは、完全に崩壊するように構成されている。他の実施形態では、GRDFは、排出に必要な範囲で、崩壊するのみであるように構成されている。さらに他の実施形態では、GRDFの部品は崩壊せず、後で回収されるため、例えば診断目的のために、またはGRDFが診断装置を収容している場合に、無傷で排出される。
胃内滞留は、アームおよび/またはヒンジ組立体により達成することができ、(必要な時間の長さに応じてインサートの製造がわずかに改変された)アームの構造は、APIまたは診断薬の制御放出を提供することを、理解されたい。
図1〜図8および図16に示す参照符号10で概して表わされているGRDFの一実施形態を具体的に参照すると、GRDF10は、第1のアーム1および第2のアーム2をそれぞれ有する本体5を含み、これらのアームは、ヒンジ組立体4によって互いに解放可能に接続されている。アーム1および2は、図16に示すような潰れた構成から、図1に示すような膨張構成まで、ヒンジ組立体4の周りで旋回することができる。複数の実施形態では、ヒンジ組立体4は、薬学的に許容可能な材料または成分から作られている。
膨張構成では、アーム1および2は、内角βで方向づけられ得る。複数の実施形態では、角度βは、90°超である。構想される別の実施形態では、アーム1とアーム2との間の内角βは、約45°〜約90°であってよい。一実施形態では、アーム1とアーム2との間の内角βは、約45°〜約80°であってよい。各アーム1および2は、その中に画定された、実質的に中空の内側キャビティ24および25をそれぞれ含み、内側キャビティ24および25は、活性薬剤成分(API)、診断装置もしくは材料、ならびに/またはさまざまな賦形剤およびポリマーの任意の組み合わせを含み得る、インサート3を受容するように構成されている。複数の実施形態では、アーム1またはアーム2のうちの一方のみが、インサート3を受容するように構成されていることを、当然理解されたい。
図4に示すように、ヒンジ組立体4は、アーム1および2にそれぞれ機械的に係合するように構成された、一対の向かい合った付勢要素12および13を含む。要素12および13は、リビングヒンジ15により互いに接合されており、リビングヒンジ15は、以下で詳細に説明するようにいったん展開されると、要素12および13(そして、アーム1および2)を、膨張構成(図3および図4を参照)へと付勢する、弾性的に変形可能な部分16を含む。ヒンジ組立体4は、図示のとおり一体であってよく、あるいは、複数の構成要素(例えば、胃内部での所定の時間後、または機械的事象が生じたときに分離する構成要素:図17〜図33を参照)を含むことができる。
認識され得るように、ヒンジ組立体4は、アーム1および2を接続するが、任意の物理的または機械的機構が、アーム1および2を接続するために用いられてもよい。例えば、ヒンジ組立体4の代わりに、アーム1および2は、例えば、クリップ、クランプ、スナップ、溶接、接着剤、継手、あり継ぎ、嵌合表面、つなぎ縄、支柱、ピン、スロット、凹部、ファスナー、固定具、機械的なねじ山(mechanical thread)、摩擦、またはステッチによって、接続され得る。ヒンジ組立体4へのアーム1および2の接続は、例えば糊として機能する薬学的結合剤など、接着剤/化学的結合により達成され得る。あるいは、アームとヒンジ組立体との境界面が、任意の既知の機械的係合を含んでもよい。
図5は、一方もしくは両方のアーム1および2内部に画定されたそれぞれのキャビティ24および25に挿入され得る、インサート3の斜視図を示している。認識され得るように、インサート3は、APIまたは診断薬を保持または収容する構造体である。インサート3は、任意の幾何学的形状を含んでよく、対応するキャビティ、例えばアーム1のキャビティ24は、所定の時間の後、または以下でさらに詳細に説明するような機械的事象が発生したときに、アーム、例えばアーム1の機械的分離を可能にするように、インサート3を受容する、相補的な幾何学的形状を含み得る。図示のとおり、インサート3は、出っ張り115によって分離された、露出表面120および係合表面110を含む。露出表面120は、APIまたは診断薬を収容し、かつ以下で説明するように胃液にさらされるインサート3の部分である。係合部分110および出っ張り115は、係合部分110または出っ張り115の十分な部分が胃液にさらされた際に腐食し、GRDF10の機械的完全性が損なわれて分解を引き起こすまで、ヒンジ組立体4とのインサート3の係合を維持するように協働する。認識され得るように、係合部分110および/または出っ張り115は、インサート3の幾何学的形状と一緒になって、GRDF10を、腐食前に組み立てられた構成に維持する、任意の幾何学的形状であってよい。
各インサート3は、特定の目的に応じて、1つ以上の活性薬剤成分(API)、さまざまな診断材料もしくは装置、またはさまざまな賦形剤およびポリマーを含むように、作られ得る。APIは、任意の特定のクラスの医薬品に限定されない。診断材料もしくは装置は、カメラ、センサー、マイクロチップ、放射性トレーサー、1つ以上の化学的ストリップもしくは試験用固定具、極小の遺伝子ラボ(micro genetic labs)もしくはアレイなどの組み合わせ、例えば一般用語「ラボオンチップテクノロジー(lab-on-a-chip technologies)」などであってよい。診断薬は、腐食可能であっても、腐食可能でなくてもよい。複数の実施形態では、診断装置は、回収可能であるか、または外部ソースと通信するようにプログラムされ得る。診断装置の完全性または部分的完全性を維持するのが望ましい(例えば、診断薬が腐食可能でない)実施形態では、いずれかのアーム1もしくは2および/またはヒンジ組立体4が、GRDF10の分解を達成するために腐食可能であってよい。
図5に図示し、本明細書で説明した一体的なインサート3の代替物として、例えば、単一の一体的なインサート3もしくは製剤へと容易に組み合わせることができない、配合禁忌の化学物質がある場合、2つ以上のAPIを、別個のインサートまたは錠剤へと分離することもできる。他の実施形態では、インサート3は、APIの放出速度を制御するために、区画に分けられるか、または層状化されることができる。例えば、図5Aは、非活性薬剤成分111により分離された2つのAPIを含む、インサート3’の別の実施形態の斜視図を描いている。この場合、インサート3’は、所定の速度で放出されるAPIを含有する部分を含んでよく、そのあとに、APIを含まない(所定の速度で腐食するプラセボまたはさまざまな賦形剤もしくはポリマーを含む)部分が続き、そのあとに、同じかまたは異なるAPIを含む部分が続く。認識され得るように、このようにAPIの放出を制御することは、特定の患者の特定の投与スケジュールを再現して、その患者が特定の時間に特定の薬剤の反復投与量を摂取する必要性を軽減することができる。さらに、使用されるさまざまなポリマーおよび賦形剤、またはインサート3もしくは3’の形状に応じて、投薬期間を、大幅に長くすることができる。
例えば、1日に3回薬を飲まなければならない人は、1日に1回の投薬に減らすことができる。1日に1回薬を飲まなければならない人は、GRDF10を1週間以上のうちに1回飲んで、同じ有効服用量を送達することができる。この場合、GRDF10は、所定の方式で、または特定の腐食経路に沿って、(APIを放出する)インサート3の腐食または溶解を促進するように構成される。APIまたは診断薬を所定の場所に保持する構造、例えばポリマーおよび賦形剤を含むAPI組成物を含むインサートは、溶解、崩壊、腐食などして、それによって、APIを放出し、かつ/または診断薬を露出/放出することに注目するのが重要である。
GRDF10のアーム1および2内部に画定されたさまざまな開口部およびスロットの構成を参照して、以下でさらに詳細に説明するように、これは、アーム1および2に沿ったあるエリアへのインサート3の露出を制御もしくは制限すること、例えばGRDF10に沿った、胃液にさらされるインサート3の表面積の量を制御することによって、達成され得る。認識され得るように、本明細書に記載する様式のいずれかでインサート3の放出速度を制御すると、インサート3の寿命を延ばすことができ、胃の中に保持されている間、長い時間をかけて1つのGRDFで、必要なAPIを効果的に提供することができる。
インサート3が診断材料もしくは装置を含む実施形態に関しては、摂取後、GRDF10は膨張して、診断法を完了させるまでの所定の時間、対象の胃の中に滞留する。この時間の間、GRDF10の他の部分は、胃液にさらされ、胃液は、所定の時間にわたって、または機械的事象が発生したときに、GRDF10の1つ以上の部分(例えばヒンジ組立体4もしくはヒンジアーム12および13)を腐食または溶解する。いったん腐食したら、GRDF10は、分解されて、幽門弁を通り、腸管を通って動き、その後回収される。
図6は、GRDF10の第1のアーム1の斜視図を描いている。前記のとおり、アーム1の内部は、インサート3を収容するキャビティ24を含み、キャビティ24は、インサート3に対して相補的な形状、例えばインサート3の対応する半球形表面に適応する半球形表面を自由端部に備えた半円筒形状、を有する。アーム1の内向き表面は、その中に画定された開口部17を含み、開口部17は、インサート3の一部を胃液にさらすように構成されている。開口部17の代わりに、または開口部17に加えて、別の開口部21が、アーム1の遠位端部(すなわち、ヒンジ組立体4から最も遠い端部)に画定されてよく、これは、インサート3の最遠位部分を胃液にさらして、インサートの腐食(およびAPIもしくは診断薬の放出)の遠位から近位への経路ならびにGRDF10の最終的な分解を助長もしくは促進するように構成されている。さまざまなスロット18が、一方もしくは両方のアーム1および2内部に画定されてもよい(図8を参照)。
以下でさらに詳細に説明するように、インサート3の放出または腐食をこのように促進することで、所定の時間後にGRDF10の機械的分解を促進することができる。言い換えれば、開口部21の形状、サイズ、および場所は、GRDF10が胃内部に保持される時間全体に相関する、GRDF10の1つ以上の構成要素の放出タイミングもしくは腐食に影響し得る。認識され得るように、さまざまなサイズおよび形状の、追加の開口部および/またはスロットが、所望のGRDF10の胃内滞留の長さ、またはインサート3の所望の腐食の速度に応じてアーム1および2内部に画定され得る(図33〜図35を参照)。例えば、一実施形態では、遠位開口部21は、インサート3を胃液にさらすGRDF10の唯一のエリアであってよく、これは、前述したように、インサート3の腐食の遠位から近位への経路を作り出すことができる。この場合、インサート3は、インサート3が十分に腐食し、GRDF10がその形状を保つための機械的完全性を失い、幽門弁を通過するために分解されるまで、所定の時間にわたり、近位に、または近位経路に沿って腐食する(また、制御された形でAPIを放出する)。
図6に示すように、付勢要素9は、アーム1と一体であり、アーム1に対して弾性的に変形可能であってよい。付勢要素9は、アーム1および2を、図1に示すようなGRDF10の膨張構成へと付勢するように構成されている。いったんGRDF10が胃の内部で膨張すると、付勢要素9はまた、アーム1および2が図16に示す潰れた構成へ戻ることを防ぐ。付勢要素9は、アーム1および2が潰れた構成に戻るのを防ぐため、アーム2内部に画定された、対応するT字型スロット18に係合するように構成され得る。別の実施形態によると、付勢要素9は省略されてよく、ヒンジ組立体4は、アーム1および2が潰れた構成に戻るのを防ぐように構成された、ポリ乳酸などの形状記憶材料(SMM)、または形状記憶合金(SMA)、例えばNitinol(登録商標)で形成されてよい。GRDF10の他の要素も、以下でさらに詳細に説明するように、SMMもしくはSMAで形成され得る。
図7は、GRDF10の第2のアーム2の斜視図を示している。アーム2も、一端部に半球形表面を備えた半円筒形状を含む。アーム2の内部はまた、その中に画定された、キャビティ25を含み、キャビティ25は、第2のインサート3(例えば、アーム1内部に収容されるのとは別のインサート3)を収容するように構成されている。第2のインサート3は、アーム1のインサートと同じAPI、またはアーム1のインサートとは異なるAPIを含んでよく、あるいは、1つ以上の診断薬を含み得る。アーム2の内向き表面は、その中に画定されたT字型スロット18を含み、T字型スロット18は、インサート3の一部を胃液にさらすように構成されている。任意の数または構成のスロット18は、任意の数の開口部(例えば、アーム1に関する開口部17と同様)と共に使用されてよく、あるいは、T字型スロット18は、特定の目的に応じて、省略されるか、または部分的に省略されてよい。遠位開口部19は、(ヒンジ組立体4から最も遠い)アーム2の遠位端部に画定され得る。前述した開口部21と同様に、開口部19は、インサート3の一部を胃の中の胃液にさらすように構成されており、インサート3は、遠位から近位に腐食する。前述したとおり、このようにインサート3の放出または腐食を促進することで、所定の時間後にGRDF10が機械的に分解することが促進され得る。やはり、スロット18および開口部19の形状、サイズ、および場所は、APIの放出、および胃内部でのGRDF10の滞留時間に影響を及ぼす。
アーム1および2は、15〜50mm、複数の実施形態では約20〜40mmの、最長長さを有し得る。いったん膨張状態になると、GRDF10の最長長さは、約15mm超、複数の実施形態では20mm超、他の実施形態では25mm超、さらに他の実施形態では26mm〜32mmであってよい。本開示の他の利点を損なわずに、アーム1および2の最長長さは、25mm超、または27mm超であってよい。潰れた状態では、GRDFの最長長さは、15〜50mmであってよく、GRDF10の直径(円形の断面を有する場合)は、13mm以下であってよい。複数の実施形態では、この直径は、約11mm未満、他の実施形態では10mm未満、他の実施形態では9mm未満、さらに他の実施形態では9.9mmもしくは8.5mmであってよい。膨張構成では、GRDF10は、分解まで胃の内部に滞留するようなサイズおよび形状である。GRDF10の膨張構成におけるアーム1および2の幾何学的形状は、GRDF10を胃内部に保持するのに役立ち得る。複数の実施形態では、GRDF10は、この目的を達成するために三角形の形状であってよいが、他の幾何学的形状、例えば任意の多角形形状が、構想される。この場合、追加のヒンジ組立体およびアームは、いったん膨張するとGRDFを成形することが必要となり得る。
複数の実施形態では、アーム1および2、ヒンジ組立体4および/または付勢要素9は、射出成形された構成要素である。複数の実施形態では、アーム1および2、ならびに/またはヒンジ組立体4は、胃の中で最終的に分解されるように構成され得る。他の実施形態では、アーム1および2、またはヒンジ組立体4は、胃の中でそれらのサイズおよび形状を保持するように構成され得るが、いったん分解されると、幽門弁を容易に通過することができる。さらに他の実施形態では、アーム1および2、ならびにヒンジ組立体4は、幽門弁および胃腸管の残部を完全に通過するため、経時的に、または機械的事象の発生時に腐食する(または分解される)材料から作られる。このような材料の例は、本明細書に開示する実施例の1つ以上の表に示してある。
GRDF10の第1の潰れてしまい込まれた構成では、GRDF10は、患者が容易に嚥下することができるサイズのものである。図16に示すように、GRDF10は、溶解可能なカプセル20内部に包囲され得る。当業者に知られている、任意の生体適合性カプセルを使用して、GRDF10を潰れた状態に保つことができる。GRDF10の組立、および包囲は、手動で、または任意の適切なロボット式自動機器によって、行われ得る。図16では、溶解可能なカプセル20の一方の半部のみが図示されている。カプセル20のもう一方の半部は、GRDF10の潰れた構成が明らかになるよう、省略されている。この構成では、GRDF10の付勢要素9は、アーム1とアーム2との間が潰れている。他の保持機構は、GRDF10を摂取のための潰れた構成に保持し、その後、いったん摂取されると、GRDF10を膨張構成へと膨張させることが企図されており、例えば生物分解性バンドである。
いったん嚥下および摂取されると、胃の胃液がカプセル20を溶かし、付勢要素9が、アーム1および2を、例えば図1に示すように、GRDF10の第2の膨張構成まで離す。いったん膨張構成になると、GRDF10は、GRDF10の分解までGRDF10が幽門弁を通過するのを防ぐサイズである。複数の実施形態では、GRDF10は、絶食条件または摂食条件に関係なく、所定の時間にわたり胃の中に保持される。所定の時間は、例えば、絶食条件下で4時間、6時間、7時間、8時間、10時間、または12時間であってよい。所定の時間は、例えば、摂食条件下で、少なくとも8時間、複数の実施形態では10時間である。複数の実施形態では、GRDF10が胃の中に保持される所定の時間は、絶食条件もしくは摂食条件下で、少なくとも4時間である。複数の実施形態では、GRDF10が胃の中に保持される所定の時間は、絶食条件もしくは摂食条件下で、18時間未満である。複数の実施形態では、所定の時間(例えば、胃内滞留の終点)は、API放出の範囲、またはインサートの腐食時間によって決まる。
前述のとおり、GRDF10は、インサートもしくは複数のインサート3が腐食するまで、胃の中で第2の膨張構成のままである。より具体的には、GRDF10が組み立てられた形態では、ヒンジ組立体4のアーム12および13は、インサート3のうちの1つとアーム1および2のキャビティ24および25の内壁27および26それぞれとの間で、(摩擦により、または別様に)係合される。挟まれた部分間でもたらされる摩擦で、GRDF10が、胃の内側で、所定の時間、組み立てられた状態に維持される。インサートまたは複数のインサート3が腐食し、APIを放出する(または、診断薬に、その試験を実行させる)と、GRDF10の機械的完全性(または、より具体的には、アーム1および2とのヒンジ組立体4の機械的係合)は、弱まり始め、最終的には機能しなくなり、これにより、ヒンジ組立体4がアーム1および2から係合解除される。
例えば、アーム2のインサート3は、開口部19に入る胃液により、その遠位端部で腐食し始め、アーム1のインサート3は、アーム1の開口部21に入る胃液により、その遠位端部で腐食し始める。この場合、各インサート3の溶解および腐食は、各インサート3の遠位端部から、ヒンジ組立体4との機械的接続部に向かって、各インサート3の近位端部まで、徐々に生じる。前述のとおり、胃液は、同時に、または連続して、アーム1および2に画定された他のスロットもしくは開口部、例えばスロット18もしくは開口部17に入ることもできる。いったんインサート3が十分に腐食したら、挟まれた構成要素(ヒンジアーム12および13、ならびにインサート3のそれぞれの出っ張り115および係合部分110)間の摩擦力は、GRDF10の個々の構成要素を一緒に保持するのにもはや十分ではなくなり、その結果、GRDF10の個々の構成要素(ヒンジ組立体4、アーム1および2)は、互いから切り離され、それにより、GRDF10の第3の分解構成を形成する。
GRDF10の個々の構成要素は、2つ以上の別々の構成要素(例えばアーム1および2、ならびにヒンジ組立体4、またはアーム1、ならびに依然としてアーム2に接合されているヒンジ組立体4)として、幽門弁、およびその次の胃腸管を通過するようなサイズである。本明細書で説明するように、ヒンジ組立体4は、複数の構成要素を含むこともできる。一実施形態では、ヒンジ組立体4は、pH感受性の腐食可能な材料、例えば胃腸管のある部分のpHに感受性のある材料、から形成され、かつ/またはそのような材料でコーティングされることができ、ヒンジ組立体4は、胃腸管のその部分を通過する間に、サイズを縮小する。例えば、ヒンジ組立体4は、約5〜約7.5のpHで、胃を越えた胃腸管のある位置、例えば小腸および/または大腸において、サイズを縮小する材料を含み得る。認識され得るように、GRDF10が摂取されて、膨張前(例えば保持機構(カプセル20)の溶解前)に幽門弁を通過する、珍しい例では、pH感受性の腐食可能な材料からヒンジ組立体4を構築することは、ヒンジ組立体4が胃腸環境内で素早く腐食するのを促進し、胃腸管を安全に通過して最終的に排出されるよう、GRDFの分解を開始させる。
複数の実施形態では、pH感受性材料は、5より高いpH、より具体的には、約5〜7.5の範囲のpHで、溶解、腐食および/または分解する材料を含み得る。適切なpH感受性材料の非限定的ないくつかの例は、ポリアクリルアミド、フタレート誘導体(すなわち、共有結合しているフタレート部分を有する化合物)、例えば、炭水化物の酸性フタレート、アミロースアセテートフタレート、セルロースアセテートフタレート、他のセルロースエステルフタレート、セルロースエーテルフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルエチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロースフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、フタル酸水素ポリ酢酸ビニル、酢酸フタル酸セルロースナトリウム、でんぷん酸フタレート、スチレン‐マレイン酸ジブチルフタレートコポリマー、スチレン‐マレイン酸ポリビニルアセテートフタレートコポリマー、スチレンとマレイン酸とのコポリマー、形式化ゼラチン、グルテン、セラック、ザロール、ケラチン、ケラチンサンダラック‐トル、アンモニアで処理したセラック、サリチル酸ベンゾフェニル、トリメリト酸酢酸セルロース、セラックとブレンドされた酢酸セルロース、コハク酸ヒドロキシプロピルメチル酢酸セルロース、酸化セルロース、ポリアクリル酸誘導体、例えばアクリル酸およびアクリルエステルコポリマー、メタクリル酸およびそのエステル、酢酸ビニルおよびクロトン酸コポリマーを含む。
pH感受性材料は、GRDFの本体の総重量の50%未満に相当してよく、複数の実施形態では、pH感受性材料は、GRDFの本体の総重量の40%未満に相当してよく、複数の実施形態では、pH感受性材料は、GRDFの本体の総重量の30%未満に相当してよく、複数の実施形態では、pH感受性材料は、GRDFの本体の総重量の20%未満に相当してよく、複数の実施形態では、pH感受性材料は、GRDFの本体の総重量の10%未満に相当してよく、複数の実施形態では、pH感受性材料は、GRDFの本体の総重量の5%未満に相当してよい。
一実施例によると、インサート3のうちの一方または両方の少なくとも70%がいったん崩壊または腐食したら、GRDF10の個々の構成要素は、互いから切り離される。複数の実施形態では、GRDF10の個々の構成要素は、一方または両方のインサート3の75%が腐食したら、分解される。複数の実施形態では、GRDF10の個々の構成要素は、一方または両方のインサート3の80%が腐食したら、分解される。いったんインサート3が十分に崩壊または腐食したら、GRDF10は、(例えば)24mm超の最短長さを有する膨張構成から、(例えば)12mm以下の最長長さをそれぞれが有する、複数の切り離された構成要素を含む、分解構成へと変わる。GRDFの切り離された構成要素はそれぞれ、大部分の幽門弁を素早く通過するようなサイズである。
一実施例によると、分解中、ヒンジ組立体は、APIの大部分が実質的に放出されたら、すなわち、APIの50%超が実質的に放出されたら、少なくとも1つのアームから係合解除され得る。複数の実施形態では、APIは、APIの55%超が放出された後で、GRDFから実質的に放出され得る。複数の実施形態では、APIは、APIの60%超が放出された後で、GRDFから実質的に放出され得る。複数の実施形態では、APIは、APIの65%超が放出された後で、GRDFから実質的に放出され得る。複数の実施形態では、APIは、APIの70%超が放出された後で、GRDFから実質的に放出され得る。複数の実施形態では、APIは、APIの75%超が放出された後で、GRDFから実質的に放出され得る。複数の実施形態では、APIは、APIの80%超が放出された後で、GRDFから実質的に放出され得る。複数の実施形態では、APIは、APIの85%超が放出された後で、GRDFから実質的に放出され得る。複数の実施形態では、APIは、APIの90%超が放出された後で、GRDFから実質的に放出され得る。複数の実施形態では、APIは、APIの95%超が放出された後で、GRDFから実質的に放出され得る。
前述のとおり、GRDF10の分解時間は、アーム1および2それぞれの開口部およびスロットの数、サイズ、形状、および場所を調整することによって、変化し得る。例えば、開口部19をアーム2の遠位端部に位置付けること(およびスロット18を省略すること)により、インサート3の腐食時間が遅くなり、これにより、GRDF10が胃の中で滞留する時間が増える。これは、アーム2とヒンジ組立体4との間に挟まれているインサート3の近位端部(係合部分110)が、GRDF10が組み立てられたままの状態を保てなくなる、すなわち、GRDFが機械的完全性を失うところまで腐食する前に、インサート3のほぼ全長が腐食しなければならないためである。アーム2における追加の開口部およびスロットは、インサート3の腐食速度を上昇させることが望ましい場合に、加えられてもよい(図33〜図35を参照)。開口部およびスロットの任意の組み合わせ、または異なるサイズの開口部およびスロットの任意の組み合わせは、インサート3の表面積を多少露出するために用いられ得ることが構想される。認識され得るように、インサート3の露出した表面積は、正比例する比率または任意の予想された比率のいずれかとして、APIの全体的な放出速度に影響し得る。
アーム1および2における1つの開口部もしくはスロットが、1つのAPIの表面エリアと位置合わせされて配されてよく、アーム1および2における別の開口部もしくはスロットが、インサート3の第2の部分において第2のAPIもしくは異なるAPIと位置合わせされて配され得ることも、構想される。認識され得るように、開口部およびスロットは、インサートが腐食する際にAPIの放出速度を制御するように、種々の寸法を有することができる。APIの放出速度は、インサート3の露出表面積に正比例し得るが、同じ露出表面積を有するインサート3からの1つのAPIの放出速度は、同じ露出表面積を有するインサート3からの別のAPIの放出速度とは異なっていてよい。認識され得るように、インサート3を形成するためにAPIと共に使用されるポリマー、結合剤、および/または賦形剤は、放出速度に関与し得る。さらに、同じAPIのための異なる比率のポリマー、結合剤、および/または賦形剤は、一方のアーム2におけるインサート3の腐食速度に比べて、もう一方のアーム1におけるインサート3の腐食速度に影響を及ぼし得る。あるいは、前述したように複数のAPIで区分された1つのインサート3内部の、異なる比率のポリマー、結合剤、および/または賦形剤などは、インサート3の腐食に、ひいては、APIの放出に影響を及ぼすように使用され得る。
GRDF10が膨張した後で胃の中に滞留する時間も、インサート3またはその係合部分の腐食速度の関数である。インサート3は、インサート3の所望の腐食速度を得るために当技術分野で周知である方法を用いて、特定の腐食速度を達成するように設計され得る。例えば、インサート3は、崩壊剤、例えば架橋したカルボキシルメチルセルロースナトリウムもしくはデンプングリコール酸ナトリウムを含有して、腐食速度を増大させることができ、一方、インサート3は、PVPもしくはHPCなど、ある量の結合剤を含有して、腐食速度を低下させることができる。インサート3の腐食速度を調節することにより、GRDF10が胃から放出されるまでの時間を調節することができ、例えばインサートの放出速度を変えることにより、胃内滞留を制御することができる。当業者は、この目的を達成するためにどのようにして特定の賦形剤を選択するのかを、理解するであろう。
複数の実施形態では、GRDF10のサイズは、経時的に低下しないが、むしろ、アーム1および2とヒンジ組立体4がそれらの元の寸法を保った状態で、分解を始めるように、インサート3の腐食に左右される。
さらに、GRDF10のAPI放出時間は、比較的ゆっくりかつ一定であってよく、これは、少なくとも一つには、インサート3が部分的に胃環境にさらされているに過ぎないためである。さらに具体的には、図1〜図3に示すように、インサート3は、アーム1および2の中に収容されており、各インサート3の表面エリアは、アーム1および2の開口部/スロット17、21および18、19それぞれを通じて露出されているインサート3の部分を除いて、それぞれのアーム1および2により実質的に隠されている。各インサート3の隠された部分は、典型的には時間と共に変化する胃環境における化学的および機械的影響に直接さらされない。アーム1および2によって実質的に隠されているインサート3のAPIの溶解速度は、特に、胃環境に完全にさらされている表面エリアを有する剤形で提供されるAPIの放出速度と比べて、胃環境によって実質的に影響を受けない。よって、GRDF10が胃内部に収容されると、APIは、比較的ゆっくりとした一定の速度で、胃の中で放出される。さらに、アーム1および2の開口部/スロット17、21、19、および18の数およびサイズを変えることにより、APIは、任意の所望の放出プロファイルのために、より制御された様式で放出され得る。
先に注記したとおり、本明細書に記載したインサート3のいずれかが、ある点を越えて腐食すると、本明細書に記載したさまざまな構成要素のうちのいずれか1つ(例えば、ヒンジ組立体、付勢要素、ヒンジアームなど)の機械的完全性は、機能しなくなり、その結果としてGRDF10が分解されるように、構成され得る。
いくつかの実施形態では、インサート3の制御放出構成要素は、遅延ポリマーフィルムを含む。さらなる実施形態では、インサート3の制御放出構成要素は、遅延ポリマーフィルム、および追加の賦形剤を含む。さらなる実施形態では、追加の賦形剤は、剥離剤である。他の実施形態では、追加の賦形剤は、顔料である。いくつかの実施形態では、遅延ポリマーフィルムは、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸誘導体、およびそれらの組み合わせなどであるが、これらに限定されない、少なくとも1つのポリマーもしくはコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーフィルムは、オイドラギット(登録商標)Lおよびオイドラギット(登録商標)Sなどであるがこれらに限定されないメタクリル酸およびメタクリル酸エステル;オイドラギット(登録商標)RLもしくはオイドラギット(登録商標)RSなど、少量のトリメチルアンモニウムメタクリレートを含むアクリル酸およびメタクリル酸エステルのコポリマー;オイドラギット(登録商標)L30Dなど、アクリル酸およびメタクリル酸、ならびにそれらのエステルのコポリマー(遊離カルボン酸基とエステル基との比率は例えば1:1);または、オイドラギット(登録商標)NE30Dなど、アクリル酸エチルおよびメタクリル酸メチルエステルから作られたコポリマー;またはそれらの組み合わせなど、を含むが、これらに限定されない。これらのポリマーを制御放出構成要素として使用することにより、均一で安全な放出速度が達成される。
図8〜図10は、参照符号30で示される、GRDFの別の例示的な実施形態を描いている。GRDF30は、GRDF10と実質的に同様であり、これらの実施形態間の相違点のみを説明する。GRDF30は、概して、2つのアーム32および34を有する本体35を含み、アームはそれぞれ、APIもしくは診断薬を含むインサート36を受容する。本明細書の目的のため、GRDF30は、APIとの併用の観点でのみ説明されるが、GRDF10の診断の実行に関して前述した利点が、GRDF30にも等しく当てはまる。図12でも描かれているアーム32および34は、構造的に等価であってよく、ヒンジ組立体38によって解放可能に互いに連結されている。図11は、ヒンジ組立体38の斜視図を描いている。GRDF10とは違って、GRDF30は、アーム32の上とは対照的に、ヒンジ組立体38上に付勢要素41を含む。付勢要素41は、例えば、保持機構(例えばカプセル)が除去される(例えば溶解する)とアーム32および34を分離するように、GRDF10の付勢要素9と同じ目的に役立ち、GRDF30は、所定の時間にわたり、または分解を促進する機械的事象が生じるまで、胃の中に残ることができる。
図13は、参照符号40で示される、GRDFの別の例示的な実施形態を描いている。GRDF40は、実質的にGRDF30と同様であり、これらの実施形態間の相違点のみを、説明する。これまでの実施形態とは異なり、GRDF40は、射出成形されたアームを含まない。GRDF40では、インサート42および44は、それぞれがAPIで構成されており、アームとして機能する。インサート42および44は、射出成形され得るヒンジ組立体46によって互いに解放可能に接続されている。ヒンジ組立体46は、インサート42および44を付勢して離すための付勢要素48を含む。ヒンジ組立体46は、インサート42および44の表面積の少なくとも一部を隠して、胃の中でそれらが溶解するのを遅らせる。ヒンジ組立体46とインサート42および44との間の接続は、図14および図15に示す同様の実施形態を参照して説明する。
図14および図15は、参照符号50で示されるGRDFのさらに別の例示的な実施形態を描いている。GRDF50は、実質的にGRDF40と同様であり、これらの実施形態間の相違点のみを説明する。GRDF50は、2つのインサート52および54を含み、インサート52および54は、概して構造上等価であり、ヒンジ組立体56により互いに旋回可能に連結されている。ヒンジ組立体56は、インサート52および54のうちの1つをそれぞれ受容するために内部に画定されたキャビティ59をそれぞれが有する、2つの係合部分51間に配された、形状記憶ヒンジ55を含む。図15で最も良く示されているように、各インサート52および54は、ヒンジ組立体56の各係合部分51内部に画定された相補的な形状の凹部59の中に据え付けられた、概して球根状の近位端部58を含む。図15は、概して球根状の近位端部58と、ヒンジ組立体56の各端部に相補的な形状の凹部59を含む係合部分と、を含むインサートを描いているが、任意の2つの相補的な形状の機械的インターフェースを用いて、インサート52および54をヒンジ組立体56と解放可能に係合させることができる。
GRDF40とは違って、GRDF50は、図13の要素48などの付勢要素を含まない。GRDF50のヒンジ組立体56は、ポリ乳酸などの形状記憶材料(SMM)、形状記憶合金(SMA)、または当業者に既知である任意の他の形状記憶合金もしくはポリマー(shaped memory or polymer)で構成され得る。形状記憶合金は、銅‐亜鉛‐アルミニウム‐ニッケル、銅‐アルミニウム‐ニッケル、および当技術分野では一般的にNITINOL(登録商標)合金と呼ばれるニッケル‐チタンを含む。SMMまたはSMAは、二通りの形状記憶効果のために構成されている。よって、SMMもしくはSMAは、2つの異なる形状である、「冷たい」形状(例えば、休止位置)および「熱い」形状(例えば、膨張位置)を記憶する。ヒンジ組立体56は、最初、非膨張位置にあってよい。この非膨張、または休止位置は、冷たい状態にあるSMMもしくはSMAに対応し、すなわち、SMMもしくはSMAは、マルテンサイト状態にある。SMMもしくはSMAが「加熱される」と、最終的にはオーステナイト状態に到達し、「冷たい」形状から「熱い」形状へと移行し始め、これにより、ヒンジ組立体56が膨張する。オーステナイト相への転移中、ヒンジ組立体56は、閾値または最終のオーステナイト段階に達するまで、膨張し続ける。SMMもしくはSMAが冷却されると、SMMもしくはSMAは、その温度が下がるにつれて、オーステナイト段階からマルテンサイト段階に戻り、SMMもしくはSMAが、非膨張または休止位置に戻る。この場合、いったんカプセル20が摂取され、腐食/溶解すると、ヒンジ組立体56は、膨張構成に戻り、GRDF50は、胃の中に保持されるよう、膨張する。認識され得るように、分解まで幽門弁を通過するのを避けるようGRDF50を膨張構成で保持するために、付勢要素は必要ない。
図16は、本明細書に記載したGRDF10、30、40もしくは50のうちのいずれかであってよいGRDFを示し、これは、潰れた構成で、カプセル20の一方の半部内に封入されている。カプセルのもう一方の半部は、潰れたGRDF10、30、40、もしくは50を明らかにするために省略されている。カプセル20は、GRDF10、30、40、もしくは50を、嚥下のための、潰れてしまい込まれた構成に維持するように構成されている。いったん摂取されると、カプセル20は、胃の内部で十分に溶解し、GRDF10、30、40、もしくは50は、先に説明したように、展開した膨張構成へと動く。複数の実施形態では、カプセル20または他の保持機構が、胃液にさらされて10分以内に、複数の実施形態では胃液にさらされて5分以内に、さらに他の実施形態では胃液にさらされて2分以内に、GRDF10、30、40、もしくは50を膨張構成へと膨張させるために、アーム1および2を溶解するか、または別様に係合解除する。複数の実施形態では、GRDFは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10分未満で、潰れた構成から、胃の中に保持されるための膨張構成へと自動的に移行する。
図17A〜図17Cおよび図18は、本開示の別の例示的な実施形態による、膨張構成で示されたGRDF60を描いている。GRDF60は、実質的にGRDF10と同様であり、これらの実施形態間の相違点のみを説明する。例えば、開口部19および21は、GRDF60のそれぞれのアーム62および64の中に画定されてよい。GRDF60は、インサート65を(例えば、内部に画定されたキャビティ内部に)保持するようにそれぞれが構成された2つのアーム62および64を有する本体61と、アーム62および64を互いに、解放可能かつ旋回可能な形で接続するヒンジ組立体66と、を含む。GRDF60は、付勢要素71のばね力により、潰れた構成(図19)から膨張構成(図17A)へと動くことができる。図20に示すように、潰れたGRDF60(図19)は、カプセル20の中に封入され、詰め込まれることができる。
図21は、図17AのGRDF60の付勢アーム62の斜視図を描いている。付勢要素71を含む付勢アーム62は、アーム62がアーム62内部に画定された直線スロット69の両側に2つの開口部68を含むことを除いて、図2のアーム1と実質的に同様である。開口部68は、ヒンジ組立体66の対応する突起70(図23Aを参照)に係合するように構成されている。開口部68は、ヒンジ組立体66より近位に、かつ、付勢要素71が延出しているアーム62の上向き表面もしくは内向き表面の直線スロット69の両側に、位置付けられている。アーム1をヒンジ組立体4に解放可能に接続するために摩擦に依存する、図1のGRDF10(例えば、図1のインサート3が、ヒンジアーム12とキャビティ24の内周もしくは内壁27との間に挟まれている)とは異なり、アーム62は、開口部68と突起70との間の係合により作られる締まりばめによって、ヒンジ組立体66に接続される。
図22Aおよび図22Bは、GRDF60のアーム64の斜視図を描いている。アーム64は、アーム64が図7のアーム2に沿って配されたT字型スロット18の代わりに狭い横方向スロット72を含むことを除いて、図2のアーム2と実質的に同様である。アーム2内部に収容されたインサート3を胃環境に直接露出するT字型スロット18とは異なり、スロット72は、インサート65を胃環境に露出するように構成されていない。むしろ、スロット72は、ヒンジ組立体66の突起74に解放可能に係合する(図23Aを参照)。また、アーム2をヒンジ組立体4に解放可能に接続するのに摩擦に依存する図1のGRDF10(例えば、図1のインサート3が、ヒンジアーム13とキャビティ25の内周もしくは内壁26との間に挟まれている)とは異なり、アーム64は、スロット72と突起74との間の係合により作られた締まりばめによって、ヒンジ組立体66に接続される。直線状の形状であってよいスロット72は、ヒンジ組立体66に近接して位置付けられる。
図22Bで最も良く示されるように、凹部76が、アーム64の外側表面に画定されており、スロット72を取り囲んでいる。凹部76は、アーム64の上向き表面もしくは内向き表面の厚さ全体を通過しない。図18に示すように、GRDF60の膨張構成では、付勢要素71の遠位端部78は、付勢要素71がアーム64に沿って遠位方向にさらに動くのを防ぐように、凹部76に係合する。他の既知の機械的要素を、この目的に用い得ることが、構想される。
図23A〜図23Dは、GRDF60のヒンジ組立体66の斜視図を描いている。ヒンジ組立体66は、第2の部分もしくは支柱部分82に旋回可能に接続される第1の部分もしくはクリップ部分80という、2つの相互接続された構成要素を有する本体75を含む。ヒンジ組立体66は、図23A〜図23Dにおいて、回転位置で示されており、これは、GRDF60の膨張構成に対応している。図24Aおよび図24Bは、クリップ部分80の斜視図を描き、図25Aおよび図25Bは、支柱部分82の斜視図を描いている。以下でさらに詳細に説明するように、ヒンジ組立体66のクリップ部分80および支柱部分82は、クリップのように互いに機械的に係合されており、クリップ部分80および支柱部分82は、限られた回転範囲(例えば90°以下)に沿って互いに対して旋回することができる。いったん膨張構成で配されると、クリップ部分80および支柱部分82の一方または両方は、クリップ部分80および支柱部分82がヒンジ組立体66およびGRDF60を潰れた構成へと戻すのを防ぐ、1つ以上の機械的特徴部(不図示)を含み得る。
図24Aおよび図24Bを参照すると、クリップ部分80は、近位端部から垂直に延びるC字型クリップ86と、クリップ部分86の反対側で、近位端部から垂直に延びる支持リブ99と、を含む実質的に矩形の本体81を含む。突起74は、クリップ部分80の遠位端部に画定されており、アーム64のスロット72と機械的に係合するように構成されている。突起74は、概して、三角形の斜面状表面の形態で構成されているが、同じ目的を達成する、すなわち、クリップ部分80をアーム64に係合させる、機械的に協調する任意の2つの要素が構想される。例えば、突起74は、アーム64上に設けられてよく、嵌合スロット72は、本開示の範囲から逸脱せずに、クリップ部分80上に設けられ得る。当業者は、クランプ、クリップ、かえし、戻り止め、スナップ、ねじ山、ファスナー、および嵌合表面など、さまざまな機構がアーム64をクリップ部分80と接続するために存在することを、認識するであろう。
C字型クリップ86の内周表面は、支柱部分82の対応する円筒形支柱90と嵌合するようにサイズ決めされ、構成されている(図25Bを参照)。2部品でできたヒンジ組立体66が組み立てられると、C字型クリップ86は、回転可能にロックする形で、支柱90に機械的に係合するように設計され、例えばC字型クリップ86が支柱90上にスナップ留めされる。C字型クリップ86と支柱90との間の締まりばめによって、ヒンジ組立体66の2つの部品が一緒に保持され、これらの部品は、容易に切り離すことはできない。
図23Aおよび図24Aに示すように、支持リブ99は、クリップ部分80の近位端部の近くで、(本体81に垂直な)その遠位向き部分において半円筒形軸受表面92を含む。軸受表面92および突起74は、本体81の両側に位置付けられている。GRDF60が組み立てられた形態では、軸受表面92は、インサート65の近位端部94に隣接して係合するように位置付けられ(図26を参照)、クリップ部分80の本体81の内向き表面81’(例えば図28)は、インサート65の平坦な表面95に接して位置付けられている。
図24Aおよび図24Bで最も良く示されているように、回転制限表面96が、クリップ部分80の近位端部に位置付けられ、対応する回転制限表面97が、支柱部分82の近位端部に位置付けられている。GRDF60の膨張構成では、回転制限表面96は、クリップ部分80が支柱部分82に対して過度に回転するのを防ぐか、または支柱部分82がクリップ部分80に対して過度に回転するのを防ぐために、回転制限表面97上に載って、これと隣接して係合する(例えば、図17Bで矢印の方向に沿って示したように)。支持リブ99は、回転制限表面92と回転制限表面97との間に延びて、クリップ部分80の構造的完全性を高める。
次に図23A〜図23D、図25Aおよび図25Bを参照すると、支柱部分82は、実質的に矩形の本体83も含む。前述のとおり、円筒形支柱90は、本体83の近位端部に設けられており、クリップ部分80のC字型クリップ86に係合するように構成されている。支柱90は、支柱部分82の本体83の近位端部から垂直に延びる、一対のアーム102間に位置付けられている。各アーム102は、定められた回転範囲(例えば90°未満)に沿った、クリップ部分80に対する支柱部分82の相対的な回転を制限するために、前述した回転制限表面97を含む。
図18および図23Aで最も良く示されるように、半円筒形の軸受表面104が、支柱部分82の近位端部の近くに画定されており、そこから垂直に延びるように構成されている。GRDF60の組み立てられた形態では、軸受表面104は、インサート65の近位端部94に接して位置付けられ、本体83は、インサート65の平坦な表面95に接して位置付けられている(図26および図31を参照)。本体83の遠位端部にあるタブ106が、図18および図31で最も良く示されているように、インサート65の上に延びる。
図32で最も良く示されているように、突起70(前述したとおり、三角形の斜面の形態で提供され得る)が、アーム62の開口部68に係合するように、本体83の中心において、両側に配されている。あるいは、突起70は、アーム62上に設けられてよく、開口部68は、本開示の範囲から逸脱せずに、支柱部分82上に設けられてよい。当業者は、クランプ、クリップ、ねじ山、ファスナー、および嵌合表面など、アーム62を支柱部分82と接続するためのさまざまな機械的インターフェースが存在することを認識するであろう。
軸受表面104および突起70は、本体83の両側に位置付けられる。構造的支持リブ110(図25Aを参照)が、軸受表面104と回転制限表面97との間に延びて、支柱部分82の構造的完全性を高める。
図27〜図29は、アーム64、クリップ部分80、およびインサート65を組み立てられた構成で含む、GRDF60のアーム小組立体120を描いている。アーム小組立体120は、アーム62、支柱部分82、および第2のインサート65を含む、対応するアーム小組立体130に機械的に係合するように構成されている(図30〜図32を参照)。
図29で最も良く示されているように、クリップ部分80は、アーム64の内周表面とアーム小組立体120のインサート65との間に挟まれている。突起74の平坦な表面122は、スロット72の側面に接して位置付けられ、突起74は、インサート65が十分に腐食するまで、スロット72から近位方向(図29の矢印参照)に移動することができない。さらに具体的には、インサート65が十分に腐食されると、アーム64と、クリップ部分80と、インサート65との間の摩擦が、緩和され、これらの部品が互いから切り離されることができる。このようにして、インサート65は、クリップ部分80とアーム64との間の係合の機械的完全性を維持し、いったん腐食すると、この機械的完全性は機能しなくなり、クリップ部分80およびアーム64は自動的に互いから係合解除される。
図28で最も良く示されているように、アーム小組立体120を組み立てるために、インサート65は、最初に、インサート65の遠位端部がアーム64の開口部の端にある半球形表面を圧迫するまで、アーム64の近位端部にある開口部を通って位置付けられる。前述のとおり、インサート65およびアーム64の内周表面は、組み立てを促進するために相補的な形態を含む(例えば半円筒形表面)が、特定の目的に応じて、相補的でない形態も構想される。クリップ部分80の遠位端部が、次に、インサート65とアーム64の内周もしくは内壁との間に画定された狭い空間に挿入される。アーム64の内周(その中に画定されたスロット72を含む)は、クリップ部分80の突起74がアーム64の内周に沿って遠位方向にスライドする際に、突起74が図示のようにスロット72に係合する(スロット72内部に位置する)まで、小さい範囲で屈曲する。いったん適切に係合したら、突起74は、前述したように、クリップ部分80が近位方向に動くのを防ぐ(図29の矢印を参照)。
図30〜図32は、アーム62、支柱部分82、および第2のインサート65を含むアーム小組立体130を描いている。支柱部分82は、アーム62の内周と第2のインサート65との間に挟まれる。各突起70の平坦な表面124は、開口部68の側面に接して位置付けられ、突起70は、第2のインサート65が十分腐食するまで、開口部68から近位方向に(図31の矢印を参照)移動することはできない。さらに具体的には、第2のインサート65が腐食すると、アーム62と、支柱部分82と、第2のインサート65との間の摩擦は軽減され、これらの部品は、胃の中で互いから切り離され得る。前述したアーム小組立体120と同じように、第2のインサート65は、支柱部分82とアーム62との間の係合の機械的完全性を維持し、いったん腐食すると、この機械的完全性は機能しなくなり、支柱部分82およびアーム62は、自動的に互いから係合解除される。
図31および図32で最も良く示されているように、アーム小組立体130を組み立てるため、第2のインサート65は、最初に、第2のインサート65の遠位端部がアーム62の開口部の端にある内側半球形表面を圧迫するまで、アーム62の近位端部にある開口部を通じて位置付けられる。前述のとおり、第2のインサート65およびアーム62の内周表面は、相補的な形状(例えば、半円筒形表面)を含んで組み立てを容易にするが、特定の目的に応じて、相補的でない形状も構想される。支柱部分82の遠位端部は、次に、第2のインサート65とアーム62の内周もしくは内壁との間に画定された狭い空間に挿入される。アーム62の内周(その中に画定された開口部68を含む)は、図示のとおり、突起70がアーム62の内周に沿って遠位にスライドして最終的にそれぞれの開口部68に係合する(開口部68内部に位置する)と、わずかに屈曲する。いったん適切に係合すると、突起70は、支柱部分82がアーム62に対して近位方向に(図31の矢印を参照)動くのを防ぐ。
いったんアーム小組立体120および130が組み立てられたら、これらは、C字型クリップ86を支柱90上に係合させる(例えばスナップ嵌めする)ことによって、互いに接続される。GRDF60はその後、潰れた構成へと動き、カプセル20で覆われるか、または別様に、前述したような潰れた状態で解放可能に収容される。それから、GRDF60は、ユーザーにより嚥下される準備ができる。
図33〜図36Bは、本開示の別の例示的な実施形態によるGRDF60’を描いている。GRDF60’は、GRDF60と実質的に同様であり、これらの実施形態間の相違点のみを説明する。GRDF60と同様に、GRDF60’は、第1の潰れた構成(図33)から第2の膨張構成(図34Aおよび図34B)までヒンジ組立体66’を中心に旋回するように構成された、対向するアーム62’および64’を含む。対向するアーム62’および64’は、その中を通って画定された複数の開口部73’および63’をそれぞれ含み、これらは、インサート65を露出するように構成されている。前述のとおり、開口部の任意の組み合わせを用いて、インサート65の腐食速度を制御することができる。アーム62’は、1つ以上の開口部、例えば開口部73’および開口部21を、その遠位端部に含んでよく、これらの開口部は、アーム62’を通って画定され、アーム62’に沿って位置付けられていいる。アーム64’は、1つ以上の開口部、例えば開口部63’および開口部19を、その遠位端部に含んでよく、これらの開口部は、アーム64’を通って画定され、かつアーム64’に沿って位置付けられている。認識され得るように、開口部の数と、アーム62’および64’に沿った開口部の位置とは、変化し得る。
図34Aおよび図34Bで最も良く示されているように、付勢要素71’が含まれてよく、付勢要素71’は、(例えば、いったん保持要素が腐食する(カプセル20が溶解する)と)GRDF60’を膨張構成へと解放するように構成されている。図1〜図16に関して前述した実施形態と同様に、付勢要素71’は、分解までGRDF60’を膨張構成にロックするように作用し得る(または、代わりに、GRDF60’が潰れた構成に戻るのを防ぐように構成され得る)。したがって、いったん膨張すると、付勢要素71’の遠位端部は、アーム64’内部に画定された一連の凹部またはスロット72’のうちの1つに係合するように構成され得る。いったん係合すると、アーム64’は、分解するまでアーム62’に向かって旋回することができない。
図35で最も良く示されているように、凹部もしくはスロット72’はまた、図1〜図33を参照して詳細に前述したようにクリップ部分80’をアーム64’に解放可能に係合させるために、クリップ部分80’の突起74’を受容するように構成されている。複数の凹部もしくはスロット72’をアーム64’の近位端部に沿って設けることにより、さまざまな位置でクリップ部分80’をアーム64’に係合させることができ、これにより、さまざまなサイズのインサート65を、キャビティ67’内部で使用し得ることが、構想される。一方もしくは両方のアーム62’および64’の内部で使用されるインサート65のサイズを変えることで、同じアーム62’および64’ならびにヒンジ組立体66’を用いる間は、剤形およびAPI送達に関する限り、追加の柔軟性が製造者に与えられる。
図36Aおよび図36Bは、C字型クリップ部分80’および支柱部分82’を含むヒンジ組立体66’のさまざまな図を示している。ヒンジ組立体66’は、図17〜図33に関して前述したのと同じように動作するよう構成されており、同様の特徴部を含んでいる。
概して図面を参照すると、嚥下前にGRDFの潰れた構成を維持するように構成された任意の方法または機構が構想されることを、理解されたい。いくつかの異なる実施形態が、前述されてきて、これらは、胃液と接触したときに腐食または溶解するカプセル20を含む。構想される別の実施形態では、GRDFの自然な状態が開いている(本明細書に記載するヒンジ組立体のうちの1つの自然な構成または付勢された構成が、GRDFを膨張させるために開いている)場合、GRDFを閉じた状態に保つ材料があってよく、これは、胃液の存在下で溶解または腐食して、それにより、GRDFを膨張構成へと解放する。別の実施形態では、この材料は、腐食可能なバンドの形状であってよく、このバンドは、バンドが腐食してGRDFの膨張を可能にするまで、GRDFを潰れた構成に維持するためにアームを包囲する。さらに別の構想される実施形態は、糊状の物質を含み、これは、糊状の物質が腐食してGRDFの膨張を可能にするまで2つのアームを一緒に保持する。別のオプションは、閉じた状態を維持するカプセル自体であってよい。ある実施形態では、カプセルは、加速条件下で、2年超にわたり貯蔵期間耐久性または貯蔵期間安定性を保つ。
GRDFを膨張構成へと移行させるか、または開くように構成された、任意の方法または機構は、本開示により包含されることを理解されたい。構想される1つの実施形態では、超多孔質のヒドロゲル系が、アームの内側部品に組み込まれてよく、これは、胃環境にさらされると膨張し、これにより、2つのアームを引き離し、膨張構成にする。別の実施形態では、(前述したものと同じような)板ばねは、いったん膨張構成が始まるか、またはいったん潰れた状態の機械的完全性が損なわれたら、例えばカプセル20が溶解したら、外側にはねて、アームのうちの一方または両方の内側エリアから延びる。他の実施形態では、インサートがGRDFを分解するよう十分に腐食するまでアームを膨張構成にロックするため、さまざまな機構を使用することができる。例えば、前述したように、アームのうちの1つの内向き表面は、板ばねを所定の場所で膨張構成にロックするようにロック機構を含み得る。前述したヒンジ組立体の代わりに、またこれに加えて、ヒンジ組立体は、分解までGRDFを膨張構成に維持またはロックするように構成された、1つ以上の機械的インターフェースまたは機構、歯車、ばね、カムなどを含み得る。板ばねは、単にGRDFを潰れた構成から付勢するように構成されてよく、必ずしもGRDFを膨張構成に維持するようにロックしなくてよいが、単にGRDFが潰れた構成に移行して戻るのを防ぐように構成されてもよい。
本明細書に記載する実施形態では、板ばねまたは付勢機構9が、分解まで2つのアームを膨張構成にロックするように構成され得る。1つ以上のロック機構が、この目的のために用いられてよく、あるいは、代わりに、板ばねは、分解まで2つのアームを離しておくためにアームのうちの1つに係合するように構成されてよい。他の実施形態では、付勢機構、例えば板ばね9は、インサート3がゆっくりと腐食するときに、2つのアーム1および2を離れた状態に保つために、反対側のアーム2に係合するように構成され得る。インサート3が腐食する(APIが放出される)と、板ばね9の付勢が徐々に弱まるか、または板ばね9が、アーム2内に後戻りして、2つのアーム1および2間の角度βは、GRDF10のサイズまたは形態(例えば三角形状)が胃の幽門弁を通過するのに十分小さくなるところまで、減少する。認識され得るように、この場合、GRDFは、幽門弁を安全に通過するために必ずしも分解する必要はない。
前述のとおり、所定の時間の後、本明細書に記載するGRDFは、最終的に単一ユニットとしての機械的完全性を失い、分解され、その後の排出のために胃から出る。この結果を達成するための多くの可能な機構があり、それらのすべてが、本開示によって包含される。非限定的な例には以下が含まれる:
・塩基性物質を含むアームの内部マトリックス(API放出系)の近位端部にいったんさらされると崩壊または腐食し始める、1つ以上の塩基感受性材料(base-sensitive materials)で構成された、ヒンジ組立体または他の接続機構
・ある時点で崩壊し始める1つ以上の時間感受性ポリマーで構成された、ヒンジ組立体または他の接続機構
・ある機械的様式で、ある機械的形状で、または1つ以上の機械的特徴部によって、アームに接続されたヒンジ組立体または他の接続機構。いったんアーム、インサート、またはヒンジ組立体が胃液の導入により腐食すると、ヒンジ組立体またはアーム(もしくはその一部)の機械的完全性が、1つ以上の機械的要素の形状の変化により損なわれ、その結果、機械的係合が失われるものである。
オプションとして、追加の実施形態では、本明細書で記載または構想されたGRDFのいずれかは、緊急放出特徴部を含んでよく、緊急放出特徴部は、必要な場合に、GRDFが胃および胃腸管から迅速に除去されるようにGRDFが幽門弁を通過することを可能にする。解毒薬または他のトリガー機構が、GRDFの緊急放出を開始するために使用され得る。構想される一実施形態では、GRDFは、pH感受性である(例えばpH5〜5.5に感受性がある)ヒンジ組立体(またはその任意の他の部分)を含み、通常の胃条件下では、ヒンジ組立体(またはその任意の部分)は、無傷のままであり、GRDFは、意図したとおりに機能する。しかしながら、必要な場合、環境pHは、(前述したpH感受性範囲内または任意の他の特定の範囲内まで)わずかに上昇して、ヒンジ組立体(またはその任意の部分)の機械的完全性が減退して、ヒンジ組立体を、一方もしくは両方のアームから分解し、その後の排出のために幽門弁を通過させることができる。例えば、腐食により、インサートとヒンジ組立体(またはその一部)との間の減少した機械的圧力が、最終的にヒンジ組立体を一方または両方のアームから解放し、胃から出すことができる。
前述のとおり、GRDFは、異なる放出プロファイルを有する1つ以上の追加のAPI、例えば即時放出用に設計された追加のAPI、と共に使用されるように構成され得る。追加のAPI(例えば、即時放出用に設計されたAPI)は、インサートの遠位端部に位置し、一方もしくは両方のアームの遠位端部に開口部を有するGRDFと共に使用されることができる。この場合、APIがインサートの遠位端部に配されていることに加えて、GRDFの構成により、一方もしくは両方のアームの遠位開口部内への胃液の初期注入が導かれ、即時放出を促進する追加のAPIと直接接触する。別の実施形態では、追加のAPIは、カプセルを包囲するかもしくははGRDFを取り囲む層、または一方もしくは両方のアーム(もしくはその一部)を包囲する層として、含まれ得る。複数の実施形態では、GRDF中のAPIの量は、特定の疾患または病気を、定められた時間にわたり治療するのに、治療上有効な量、例えば1時間ごと(q1h)、2時間〜8時間ごと(q2h〜q8h)、1日に2回、および1日に1回、である。
APIの任意の適切な量が、本開示により包含される。APIの量は、追加の賦形剤の必要性、および錠剤のサイズなど、さまざまな要因によって決まる。複数の実施形態では、GRDFに含有されるAPIの量は、約0.1mg〜約2g、複数の実施形態では、約10mg〜約1.8gであってよい。他の実施形態では、インサート中に存在するAPIの量は、400mg、600mg、800mg、1000mg、または1500mgより多い量であってよい。複数の実施形態では、APIは、約500mg〜約1.5gの量である。
本明細書に記載するGRDFは、約100mm3〜約2000mm3の範囲の容量を含む、本体を含み得る。複数の実施形態では、本体の容量は、約200mm3〜約1800mm3の範囲であってよい。複数の実施形態では、本体の容量は、約500mm3〜約1500mm3の範囲であってよい。複数の実施形態では、本体の容量は、約800mm3〜約1200mm3の範囲であってよい。複数の実施形態では、本体の容量は、約950mm3であってよい。
本明細書に記載するGRDFは、胃の中で処理されるべき薬剤の容量/重量負荷を最大化すると共に、胃腸管を通過しなければならない非薬剤物質の容量を最小化する目的で、APIと全賦形剤との体積/重量比を最大化するように設計されている。本開示の一態様によると、活性薬剤成分の重量と全賦形剤の重量との比率は、約0.8〜約0.05であり、複数の実施形態では、約0.7〜約0.3であり、他の実施形態では、約0.6〜約0.4である。全賦形剤は、アーム、ヒンジ、インサート中の賦形剤、およびカプセルを含み得る。複数の実施形態では、賦形剤の装填量は、約500mg〜約2000mgであってよく、薬剤容量は、約900mg〜約1000mgであってよい。
本明細書に記載するGRDFは、薬剤API装填量(mg)を最大化すると共に、胃腸管を通過しなければならない非薬剤物質の装填量(mg)を最小化する目的で、APIと全賦形剤との比率を最大化するように設計されている。本開示の一態様によると、インサート中の活性薬剤成分の装填量(mg)と、インサート錠剤(賦形剤+API)の総装填量の装填量との比率は、約0.1〜約0.99であり、複数の実施形態では約0.5〜約0.95であり、他の実施形態では約0.7〜約0.9である。
制御放出のための1つ以上のAPIまたは診断薬は、APIまたは診断薬の物理的および化学的特性と、所望の放出プロファイルとに応じて、さまざまな形でGRDFと関連し得る。一実施例では、APIまたは診断薬は、外部ポリマー層内に少なくとも部分的に封入されていてよく、外部ポリマー層は、アームの周辺部を形成し、API/診断薬および賦形剤を保持するように構成された内部キャビティを少なくとも部分的に画定する。API/診断薬および賦形剤は、キャビティを形成するポリマー層内部に収容され得る。賦形剤は、腐食可能なポリマーマトリックスを含むがこれに限定されない、任意の薬学的賦形剤であってよく、あるいは、例えば機械的もしくは浸透圧的に駆動される、一定流量ポンプを構成することができる。前述したように、キャビティは、制御放出効果に寄与する開口部を有することもできる。別の実施例では、制御放出効果は、シェルを形成するポリマー層以外の、当技術分野で既知の別の方法によって、達成され得る。前述のとおり、アームは、剛性であってもよく、また、API(またはAPIおよび賦形剤)を含んでよい。複数の実施形態では、APIは、インサート内に収容されなくてもよいが、例えば、APIは、アーム自体の一部を単に形成するように処方されてもよい。本明細書に記載するさまざまな実施形態と同様に、インサートは、いくつかの異なる方法のいずれかで、例えばアームを時間に依存した形で係合解除する、アームをヒンジに結合する腐食可能なポリマーで、アームから係合解除され得る。
前述したGRDFはそれぞれ、機械的強度を提供し、摂食条件および絶食条件下の両方で胃によって加えられる力に抵抗することができる。機械的強度は、GRDFの膨張時に、胃内滞留をもたらす膨張構成を維持することを可能にするのに十分である。さらに具体的には、機械的な胃の力に抵抗する、潰れた構成および膨張構成を備えたGRDFが提供される。
GRDFの材料に選ばれるものは、胃環境内での安定性を維持し、(好ましくは絶食状態および摂食状態にわたり)所望の時間より前の分解もしくは崩壊を防ぐのに十分な剛性を提供する、すべての材料を含む。任意の許容可能な薬学的に承認されたポリマー材料、例えば酢酸セルロース、エトセル、オイドラギット、もしくはコハク酸ヒドロキシプロピル酢酸セルロースは、可塑剤が追加されていても追加されていなくても、GRDFの調製のために使用され得る。非生物分解性製剤が望まれる場合、例えば、可塑剤を含むセルロースエステルを提供することができる。適切なセルロースエステルは、例えば以下を含む:酢酸セルロース、酢酸セルロースブチレート、および酢酸セルロースプロピオネート。適切な可塑剤の非限定的な例には、例えば、ジブチルセバケート、トリアセチン、トリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレートポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、ソルビトール、ソルビタン溶液、ひまし油、ジアセチル化モノグリセリド、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート、またはその他が含まれる。
材料は、GRDFの構成要素それぞれがその定められた機能性(例えば、前記に定めたような、アームおよびヒンジの剛性、ばねの弾性、および溶解における安定性)にしたがって動作することができるように、選択および処理される。異なる材料が、耐久性と安全性または最終的な崩壊との間;pH独立性とpH依存性などとの間のバランスをよりよくとるように、使用され得る。例えば、酢酸セルロース(CA)とトリアセチンとの比率は、耐久性、弾性、脆性の減少、pH変化からの独立、および腐食性の減少に寄与し得る。複数の実施形態では、酢酸セルロース(CA)とトリアセチンとの比率は、3:1〜10:1であり、あるいは他の実施形態では4:1〜8:1である。
複数の実施形態では、薬学的に許容可能な材料は、セルロースエステルおよび可塑剤を、約3:1〜約8:1、複数の実施形態では約4:1〜約6:1の範囲の比率で、特定の実施形態では4:1の比率で含む、組成物を含み得る。
複数の実施形態では、ヒンジ組立体および/またはアームは、可塑剤、および以下:セルロースエステル、HPMCアセテートスクシネート、エトセル、またはオイドラギットのうちの任意の1つ以上で構成され得る。可塑剤は、以下のうちの任意の1つ以上であってよい:トリエチルシトレート、PEG 3350、トリアセチン、およびトリエチルシトレート。さらに具体的には、セルロースエステルは、酢酸セルロース(CA)であってよい。ポリマーと酢酸セルロース(CA)との比率は、約3:1〜約10:1であってよく、他の実施形態では約4:1〜約8:1であってよい。ジブチルセバケート、トリアセチン、トリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレートポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、ソルビトール、ソルビタン溶液、ひまし油、ジアセチル化モノグリセリド、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート。
複数の実施形態では、GRDFの構成要素のうち任意のもの、すなわち、本体、アーム、ヒンジ組立体などを含む、GRDFは、約200mg、400mg、600mg、700mg、または750mgより多いセルロースエステルを単位剤形当たりに含み得る。他の実施形態では、GRDFの構成要素のうち任意のもの、すなわち、本体、アーム、ヒンジ組立体などを含む、GRDFは、約100mg〜約800mgのセルロースエステルを単位剤形当たりに含み得る。
複数の実施形態では、GRDFの構成要素のうち任意のもの、すなわち、本体、アーム、ヒンジ組立体などを含む、GRDFは、50mg、100mg、150mg、180mg、190mgより多い可塑剤を単位剤形当たりに含み得る。他の実施形態では、GRDFの構成要素のうち任意のもの、すなわち、本体、アーム、ヒンジ組立体などを含む、GRDFは、約25mg〜約250mgの可塑剤を単位剤形当たりに含み得る。
胃内滞留は、(必要な時間の長さに応じてインサートの処方をわずかに変更した)アームの構造がAPIまたは診断薬の制御放出をもたらす間、アームおよびヒンジ組立体によって達成され得る。
GRDFは、WO 2003057197またはZema et. al., Journal of Controlled Release, Volume 159(2012) 324-331に記載された製造技術など、当業者には明らかであるように、射出成形、3D印刷などを含むいくつかのプロセスにより製造されることができる。例えば、鋳型は、GRDFの所望の形状で構築され、液体状態の適切な材料で満たされ、その後、化学的プロセスにより硬化されるか、または熱硬化材料が使用されている場合には冷却されることができる。本明細書に記載されたGRDFまたはその任意の部分、例えばアーム、ヒンジ組立体、ばねなどは、薬学的に許容可能な材料または成分、例えばIIGガイドラインに列挙されている1つ以上の成分、から作られ得る。複数の実施形態では、GRDFは、少なくとも1つの薬学的に許容可能な材料で作られた本体を含んでよく、本体のサイズ、形状、および耐久性は、胃内滞留の所定の時間にわたり、胃の中にある間、保たれる。特定の鋳型内の特定の成分に適用される射出成形の使用は、10%未満の変動、複数の実施形態では5%未満の変動、詳細には、500μmと小さな変動を結果として生じた。
複数の実施形態では、GRDFの構成要素のうち任意のもの、すなわち、本体、アーム、ヒンジ組立体などを含む、GRDFは、少なくとも1時間の間、少なくとも400grFの繰り返し力を加えられて、無傷のままである、すなわち組み立てられた状態のままであるように、機械的耐久性を含む。複数の実施形態では、GDRFは、少なくとも2、3、6、9、12、24時間の間、約400grF〜約3000grFの範囲の繰り返し力、複数の実施形態では約400grF〜約1250grFの繰り返し力を加えられて、無傷のままであるように機械的耐久性を含み得る。
さらに別の実施形態では、絶食または摂食条件下で所定の時間にわたり胃の中に長時間保持されるAPIまたは診断薬を含む経口薬剤剤形を、胃の中にAPIまたは診断薬を長時間滞留させる必要がある患者に投与することによって、その患者を治療する方法が提供される。経口薬剤剤形は、本明細書に記載するGRDFのいずれかであってよい。
前記したことから、また、さまざまな図面を参照して、当業者は、本開示の範囲から逸脱せずに本開示に対し改変が行われてもよいことを認識するであろう。
例えば、本開示は、絶食条件下で少なくとも4時間、胃の中に長期保持されるように構成されたAPIまたは診断薬を含む経口薬剤にも関連している。複数の実施形態では、APIは、絶食条件下で、少なくとも6時間、胃の中に保持されるように構成されている。さらに、他の実施形態では、APIは、絶食条件下で少なくとも8時間、複数の実施形態では絶食条件下で少なくとも10時間、さらに他の実施形態では絶食条件下で少なくとも12時間、胃の中に保持されるように構成されている。
本開示はまた、摂食条件下で、少なくとも8時間、複数の実施形態では摂食条件下で、少なくとも10時間、胃の中で長期保持されるように構成されたAPIまたは診断薬を含む、経口薬剤にも関する。
複数の実施形態では、胃の中での滞留は、薬剤放出の程度に依存する最終時点を有する。APIは、約0.1mg〜約2.0g、複数の実施形態では約0.1mg〜約2.0g、複数の実施形態では約0.2mg〜約1.9g、複数の実施形態では約0.3mg〜約1.8g、複数の実施形態では約0.4mg〜約1.7g、複数の実施形態では約0.5mg〜約1.6g、複数の実施形態では約0.6mg〜約1.5g、複数の実施形態では約0.7mg〜約1.4g、複数の実施形態では約0.8mg〜約1.3g、複数の実施形態では約0.9mg〜約1.2g、複数の実施形態では約1mg〜約1.1g、複数の実施形態では約2mg〜約1g、複数の実施形態では約5mg〜約900mg、複数の実施形態では約10mg〜約800mg、複数の実施形態では約20mg〜約700mg、複数の実施形態では約50mg〜約600mg、複数の実施形態では約100mg〜約500mg、複数の実施形態では約200mg〜約400mg、複数の実施形態では約250mg〜約400mg、複数の実施形態では約300mg〜約400mgの範囲内の量であってよい。APIの放出を制御する、1つ以上の制御放出賦形剤が提供され得る。
本開示はまた、活性薬剤成分(API)または診断薬を胃の中に長期滞留させる必要がある患者を治療する1つ以上の方法にも関連し、これは、絶食および摂食条件下で、少なくとも4時間、胃の中で長期保持されるAPIまたは診断薬を含む経口薬剤を投与することを少なくとも含む。
本開示は、2つ以上のアームを有し、摂取のための潰れた構成と、所定の時間にわたり胃の中に保持されるための膨張構成との間で変形するように構成された、本体を含むGRDFにも関する。アームは、摂取から5分以内に潰れた構成から膨張構成まで旋回することができ、胃の中に保持されるのに適したサイズになる。
本開示は、摂取のための潰れた構成と、所定の時間にわたり胃の中に保持されるための膨張構成との間で変形するように構成された、蝶番式本体を含むGRDFにも関連する。蝶番式本体は、摂取から5分以内に潰れた構成から膨張構成へと変形可能であり、胃の中に保持されるのに適したサイズになる。
本開示は、少なくとも2つのアーム、および2つのアームのうちの少なくとも1つの内部に保持された活性薬剤成分(API)を有する、本体を含むGRDFにも関連する。24時間、模擬的な胃条件にさらした後、2つのアームは、400grFを越える力を受けて分解する。
本開示は、ヒンジ組立体または一対のアームのうちの少なくとも1つ、および一対のアームの少なくとも1つの内部に保持されたAPIを有する、本体を含むGRDFにも関連する。本体は、APIの放出前に、分解せずに最大で3000grFに耐えるように構成されている。本体は、APIの少なくとも90%の放出後、複数の実施形態ではAPIの少なくとも80%の放出後、他の実施形態ではAPIの少なくとも70%の放出後に、400grF超の力で分解するように構成されている。
本開示は、薬学的に許容可能な材料で作られ、初期サイズおよび初期強度を有する、本体を含むGRDFにも関連し、本体の初期サイズおよび初期強度は、模擬的な胃条件下で少なくとも24時間の後維持され、GRDFは、300grForceの下では18mmパイプ試験(前記実験2を参照)を通ることができなくなる。
本開示は、薬学的に許容可能な材料で作られ、APIを含む、本体を含むGRDFにも関連し、APIは、APIの85%超が放出された後で維持されるサイズおよび強度を有し、GRDFは、300grForceの下では18mmパイプ試験を通ることができない。
本開示は、摂取のための潰れた構成と、胃の中に保持されるための膨張構成との間で動くように構成された第1のアームおよび第2のアームを有する、本体を含むGRDFにも関連する。GRDFは、2つのアームのうちの少なくとも1つの内部に保持されたAPIも含み、膨張構成にある本体は、長期の胃内滞留、例えば24時間超、36時間超、48時間超、2〜180日間、3〜120日間、3〜90日間などの滞留をもたらす。
本開示は、APIまたは診断薬を含む即時放出組成物を含むGRDFにも関連し、組成物は、本体内部に画定されたキャビティに位置付けられる。
本発明は、第1および第2のアームを有する本体を含む、胃の中に長時間保持される胃内滞留型剤形(GRDF)にも関連する。アームのうちの一方または両方は、腐食可能なインサートを受容するように構成された、アームに画定されたキャビティ;およびインサート(もしくはその一部)を胃液にさらすように構成された、アームに画定された1つ以上の開口部を含む。第1および第2のアームを互いに対して動かすように構成された付勢要素が、含まれる。ヒンジ組立体は、第1および第2のアームに解放可能に係合し、第1および第2のアームを、互いに近接した第1の構成から、互いから離れている第2の構成へと、互いに対して旋回させるように構成されている。ヒンジ組立体(もしくはその一部)は、キャビティを含むアームのうちの少なくとも1つとインサートとの間で解放可能に係合される。GRDFが胃に導入されると、付勢要素は、第1および第2のアームを、第1の構成から動かし、胃液が開口部に近づいて、経時的にインサートの露出部分を腐食させ、ヒンジ組立体(またはインサートに係合するその一部)は、インサートから係合解除され、第1および第2のアームをヒンジ組立体から分解し始める。
複数の実施形態では、付勢要素は、第1および第2のアームを第2の構成に維持する。第1および第2のアームの第2の構成は、分解まで、GRDFを胃の中に保持する。付勢要素は、第1および第2のアームのうちの1つに動作可能に連結されるか、ヒンジ組立体の一部を形成するか、または、リビングヒンジの一部であってよい。付勢要素は、ばね(例えば板ばね)または超多孔質のヒドロゲルであってよい。
さらに他の実施形態では、GRDFは、摂取前に第1および第2のアームを第1の構成に保ち、かつ摂取後に第1および第2のアームを解放するように構成された、保持要素を含み得る。保持要素は、例えば生物分解性(生物分解性カプセルもしくはバンド)であってよく、かつ/または、本体の少なくとも一部を封入するように構成され得る。
複数の実施形態では、第1および第2のアームは、第1の構成で配されたときに、第1および第2のアームのサイズおよび形状が嚥下に適するような、サイズおよび形状を含む。第2の構成で配されると、第1および第2のアームは、第1および第2のアームのサイズ、形状、および形態のうちの少なくとも1つが、胃内部でのGRDFの保持に寄与するような、サイズ、形状、および形態を含み得る。
さらなる実施形態では、ヒンジ組立体(もしくはその一部)は、キャビティを含む少なくとも1つのアームとアームの近位端部に配されたインサートとの間で解放可能に係合される。さらに他の実施形態では、ヒンジ組立体(もしくはその一部)は、キャビティを含むアームとインサートとの間で摩擦係合される。ヒンジ組立体(もしくはその一部)は、キャビティを含むアームに機械的に係合され、インサートに摩擦係合することができる。
1つ以上の開口部は、アームの遠位端部に画定されてよく、インサートは、遠位から近位に腐食する。1つ以上の開口部は、アームのうちの1つの内向き表面内部に画定されたスロットであってよい。1つ以上の開口部のサイズ、形状、または位置は、インサートの腐食の速度を制御するように構成され得る。インサートの露出表面積および配置は、インサートの各活性薬剤成分の腐食の速度を少なくとも部分的に制御する。
複数の実施形態では、インサートは、1つ以上の活性薬剤成分を含み得る。活性薬剤成分のうちの2つ以上は、異なる腐食速度を有し得る。さらに他の実施形態では、アームのうちの1つは、その中に画定された少なくとも2つの開口部を含み、これらの開口部は、同じかまたは異なる腐食速度を有する少なくとも2つの活性薬剤成分と、垂直方向に位置合わせして、配されている。少なくとも2つの開口部のサイズ、形状、および位置は、インサートの各活性薬剤成分の腐食の速度を少なくとも部分的に制御する。
他の実施形態では、本体、付勢要素、および/またはヒンジ組立体は、薬学的に許容可能な材料で作られる。本体、付勢要素、および/またはヒンジ組立体は、射出成形可能な材料から製造され得る。
複数の実施形態では、胃液は、所定の時間にわたり、インサートの約80%、または複数の実施形態では70%を腐食して、インサートのヒンジ組立体(もしくはその一部)からの切り離し、ならびに第1および第2のアームのヒンジ組立体からの分解を開始する。
さらに他の実施形態では、ヒンジ組立体の少なくとも一部、付勢要素、および/または本体の一部(例えば第1および第2のアーム)は、胃腸管内で少なくとも部分的に腐食するように構成されたpH感受性材料で作られている。ヒンジ組立体の少なくとも一部は、pH感受性範囲内で腐食する材料で作られてよく、ヒンジ組立体は、pH感受性範囲内のpHと接触すると、少なくとも部分的に腐食して、第1および第2のアームのうちの少なくとも1つから切り離される。
本開示は、胃の中に長時間保持される胃内滞留型剤形(GRDF)にも関連し、これは、第1および第2のアームを有する本体を含む。アームのうちの少なくとも1つは、以下を含む:腐食可能なインサートを受容するように構成された、アーム内に画定されたキャビティ;および、インサートの少なくとも一部を胃液にさらすように構成された、アーム内に画定された1つ以上のの開口部。ヒンジ組立体が含まれ、これは、第1および第2のアームに解放可能に係合し、互いに近接している第1の構成から、互いから離れた第2の構成へと、第1および第2のアームを互いに対して付勢するように構成されている。ヒンジ組立体(もしくはその一部)は、キャビティを含むアームとインサートとの間で解放可能に係合するように構成されている。GRDFが胃の中に導入されると、ヒンジ組立体は、第1および第2のアームを第1の構成から動かし、胃液は開口部に近づいて、インサートの露出部分を経時的に腐食し、ヒンジ組立体(もしくはその一部)は、インサートから係合解除され、第1および第2のアームのヒンジ組立体からの分解を開始する。
複数の実施形態では、ヒンジ組立体は、第1および第2のアームを第2の構成に維持する。第2の構成にあるとき、第1および第2のアームは、分解まで、GRDFを胃の中に保持する。
さらに他の実施形態では、GRDFは、摂取前には第1および第2のアームを第1の構成に維持し、摂取後は第1および第2のアームを解放するように構成された、保持要素を含み得る。保持要素は、生物分解性、例えば生物分解性カプセルもしくはバンドであってよく、かつ/または、本体の少なくとも一部を封入するように構成され得る。
複数の実施形態では、第1および第2のアームは、第1の構成で配されたときに、第1および第2のアームのサイズおよび形状が嚥下に適したものとなるような、サイズおよび形状を含む。第2の構成で配されたとき、第1および第2のアームは、第1および第2のアームのサイズ、形状、および形態のうちの少なくとも1つが、胃内部でのGRDFの保持に寄与するような、サイズ、形状、および形態を含み得る。
さらに別の実施形態では、ヒンジ組立体(もしくはその一部)は、キャビティを含むアームとアームの近位端部に配されたインサートとの間で解放可能に係合される。さらに他の実施形態では、ヒンジ組立体(もしくはその一部)は、キャビティを含むアームとインサートとの間で摩擦係合される。ヒンジ組立体(もしくはその一部)は、キャビティを含むアームに機械的に係合され、インサートに摩擦係合されることができる。
1つ以上の開口部が、アームの遠位端部に画定されてよく、インサートは、遠位から近位に腐食する。1つ以上の開口部は、アームのうちの1つの内向き表面内部に画定されたスロットであってよい。1つ以上の開口部のサイズ、形状、または位置は、インサートの腐食の速度を制御するように構成され得る。インサートの露出表面積および配置は、インサートの各活性薬剤成分の腐食の速度を少なくとも部分的に制御する。
複数の実施形態では、インサートは、1つ以上の活性薬剤成分を含み得る。活性薬剤成分のうちの2つ以上が、異なる腐食速度を有し得る。さらに他の実施形態では、アームのうちの1つは、その中に画定された少なくとも2つの開口部を含み、これらの開口部は、同じかまたは異なる腐食速度を有する少なくとも2つの活性薬剤成分と垂直方向に位置合わせして配されている。少なくとも2つの開口部のサイズ、形状、および位置は、インサートの各活性薬剤成分の腐食の速度を少なくとも部分的に制御する。
他の実施形態では、本体および/またはヒンジ組立体は、薬学的に許容可能な材料で作られる。本体および/またはヒンジ組立体は、射出成形可能な材料から製造され得る。
複数の実施形態では、胃液は、所定の時間にわたり、インサートの約80%、または複数の実施形態では70%を腐食して、ヒンジ組立体(もしくはその一部)からのインサートの切り離し、ならびにヒンジ組立体からの第1および第2のアームの分解を開始する。
さらに他の実施形態では、ヒンジ組立体の少なくとも一部および/または本体の一部(例えば第1および第2のアーム)は、胃腸管内で少なくとも部分的に腐食するように構成されたpH感受性材料で作られている。ヒンジ組立体の少なくとも一部は、pH感受性範囲内で腐食する材料から作られてよく、ヒンジ組立体は、pH感受性範囲内のpHと接触すると、少なくとも部分的に腐食し、第1および第2のアームのうちの少なくとも1つから切り離される。
本開示は、胃の中に長時間保持される胃内滞留型剤形(GRDF)に関連し、これは、内部に画定された1つ以上の開口部を有する本体を含み、この開口部は、その中に収容されたインサートの少なくとも一部を胃液にさらすように構成されている。ヒンジ組立体は、本体を潰れた構成から膨張構成へと動かすように構成され、ヒンジ組立体の少なくとも一部が、本体とインサートとの間に解放可能に係合されている。GRDFが胃の中に導入されると、本体は、潰れた構成から移行し、胃液は、開口部に近づき、経時的にインサートの露出部分を腐食し、ヒンジ組立体の少なくとも一部は、インサートから係合解除され、ヒンジ組立体からの本体の分解を開始する。
複数の実施形態では、GRDFは、摂取前には本体を第1の構成に維持し、摂取後は本体を膨張構成に移行させるように構成された、保持要素を含み得る。保持要素は、生物分解性、例えば生物分解性カプセルもしくはバンドであってよく、かつ/または、本体の少なくとも一部を封入するように構成され得る。
複数の実施形態では、本体は、第1の構成で配されたときに、本体のサイズおよび形状が嚥下に適したものとなるような、サイズおよび形状を含む。第2の構成で配されたとき、本体は、本体のサイズ、形状、および形態のうちの少なくとも1つが、胃内部でのGRDFの保持に寄与するような、サイズ、形状、および形態を含み得る。
さらなる実施形態では、ヒンジ組立体(もしくはその一部)は、本体(もしくは本体内部に画定されたキャビティ)とインサートとの間で解放可能に係合される。さらに他の実施形態では、ヒンジ組立体(もしくはその一部)は、本体とインサートとの間で摩擦係合される。ヒンジ組立体(もしくはその一部)は、本体に機械的に係合され、インサートに摩擦係合されることができる。
1つ以上の開口部が、本体の遠位端部に画定されてよく、インサートは、遠位から近位に腐食する。1つ以上の開口部は、本体の内向き表面内部に画定されたスロットであってよい。1つ以上の開口部のサイズ、形状、または位置は、インサートの腐食の速度を制御するように構成され得る。インサートの露出表面積および配置は、インサートの各活性薬剤成分の腐食の速度を少なくとも部分的に制御する。
複数の実施形態では、インサートは、1つ以上の活性薬剤成分を含み得る。活性薬剤成分のうちの2つ以上が、異なる腐食速度を有し得る。さらに他の実施形態では、本体は、その中に画定された少なくとも2つの開口部を含んでよく、これらの開口部は、同じかまたは異なる腐食速度を有する少なくとも2つの活性薬剤成分と垂直方向に位置合わせして配されている。少なくとも2つの開口部のサイズ、形状、および位置は、インサートの各活性薬剤成分の腐食の速度を少なくとも部分的に制御する。
他の実施形態では、本体および/またはヒンジ組立体は、薬学的に許容可能な材料で作られる。本体および/またはヒンジ組立体は、射出成形可能な材料から製造され得る。
複数の実施形態では、胃液は、所定の時間にわたり、インサートの約80%、または複数の実施形態では70%を腐食して、ヒンジ組立体(もしくはその一部)からのインサートの切り離し、ならびにヒンジ組立体からの本体の分解を開始する。
さらに他の実施形態では、ヒンジ組立体の少なくとも一部および/または本体の一部(例えば第1および第2のアーム)は、胃腸管内で少なくとも部分的に腐食するように構成されたpH感受性材料で作られている。ヒンジ組立体の少なくとも一部は、pH感受性範囲内で腐食する材料から作られてよく、ヒンジ組立体は、pH感受性範囲内のpHと接触すると、少なくとも部分的に腐食し、本体から切り離される。
本開示は、胃の中に長時間保持される胃内滞留型剤形(GRDF)にも関連し、これは、第1および第2のアームを有し、腐食可能なインサートを受容するように構成された、内部に画定されたキャビティを含む、本体を含む。本体は、その中に画定された少なくとも1つの開口部を含み、この開口部は、インサートの少なくとも一部を胃液にさらすように構成されている。GRDFが胃の中に導入されると、本体は、潰れた構成から膨張構成へと移行し、胃液は、開口部に近づき、経時的にインサートの露出部分を腐食し、本体からの第1および第2のアームの分解を開始する。
複数の実施形態では、膨張構成にある第1および第2のアームの形状、サイズ、および形態のうちの少なくとも1つにより、分解までGRDFが胃の中に保持される。
複数の実施形態では、GRDFは、摂取前には本体を第1の構成に維持し、摂取後は本体を膨張構成に移行させるように構成された、保持要素を含み得る。保持要素は、生物分解性、例えば生物分解性カプセルもしくはバンドであってよく、かつ/または、本体の少なくとも一部を封入するように構成され得る。
複数の実施形態では、本体は、第1の構成で配されたときに、本体のサイズおよび形状が嚥下に適したものとなるような、サイズおよび形状を含む。第2の構成で配されたとき、本体は、本体のサイズ、形状、および形態のうちの少なくとも1つが、胃内部でのGRDFの保持に寄与するような、サイズ、形状、および形態を含み得る。
さらなる実施形態では、ヒンジ組立体(もしくはその一部)は、本体(もしくは本体内部に画定されたキャビティ)とインサートとの間で解放可能に係合される。さらに他の実施形態では、ヒンジ組立体(もしくはその一部)は、本体とインサートとの間で摩擦係合される。ヒンジ組立体(もしくはその一部)は、本体に機械的に係合され、インサートに摩擦係合されることができる。さらに他の実施形態では、ヒンジ組立体は、リビングヒンジの一部である。
1つ以上の開口部が、本体の遠位端部に画定されてよく、インサートは、遠位から近位に腐食する。1つ以上の開口部は、本体の内向き表面内部に画定されたスロットであってよい。1つ以上の開口部のサイズ、形状、または位置は、インサートの腐食の速度を制御するように構成され得る。インサートの露出表面積および配置は、インサートの各活性薬剤成分の腐食の速度を少なくとも部分的に制御する。
複数の実施形態では、インサートは、1つ以上の活性薬剤成分を含み得る。活性薬剤成分のうちの2つ以上が、異なる腐食速度を有し得る。さらに他の実施形態では、本体は、その中に画定された少なくとも2つの開口部を含んでよく、これらの開口部は、同じかまたは異なる腐食速度を有する少なくとも2つの活性薬剤成分と垂直方向に位置合わせして配されている。少なくとも2つの開口部のサイズ、形状、および位置は、インサートの各活性薬剤成分の腐食の速度を少なくとも部分的に制御する。
他の実施形態では、本体および/またはヒンジ組立体は、薬学的に許容可能な材料で作られる。本体および/またはヒンジ組立体は、射出成形可能な材料から製造され得る。
複数の実施形態では、胃液は、所定の時間にわたり、インサートの約80%、または複数の実施形態では70%を腐食して、ヒンジ組立体(もしくはその一部)からのインサートの切り離し、ならびにヒンジ組立体からの本体の分解を開始する。
さらに他の実施形態では、ヒンジ組立体の少なくとも一部および/または本体の一部(例えば第1および第2のアーム)は、胃腸管内で少なくとも部分的に腐食するように構成されたpH感受性材料で作られている。ヒンジ組立体の少なくとも一部は、pH感受性範囲内で腐食する材料から作られてよく、ヒンジ組立体は、pH感受性範囲内のpHと接触すると、少なくとも部分的に腐食し、本体から切り離される。
本開示は、胃の中に長時間保持される胃内滞留型剤形(GRDF)にも関連し、これは、第1および第2のアームを有する本体を含み、少なくとも第1のアームが:腐食可能なインサートを受容する受容するように構成された、アーム内部に画定されたキャビティ;インサートの少なくとも一部を胃液にさらすように構成された、アーム内部に画定された少なくとも1つの開口部;ならびに、第1のアームに解放可能に係合された第1の部分、および第2のアームに解放可能に係合された第2の部分を含む、ヒンジ組立体を有する。第1および第2の部分は、互いに動作可能に連結されており、互いに近接している第1の構成から、互いから離れた第2の構成へと、第1および第2のアームを互いに対して付勢するように構成されている。第1の部分は、第1のアームとインサートとの間に解放可能に係合される。GRDFが胃の中に導入されると、ヒンジ組立体は、第1および第2のアームを第1の構成から動かし、胃液は、開口部に近づき、経時的にインサートの露出部分を腐食し、第1の部分は、インサートから係合解除され、ヒンジ組立体からの第1および第2のアームの分解を開始する。
複数の実施形態では、第1の部分は機械的インターフェースを含み、機械的インターフェースは、第1の部分が第2の部分に対して旋回可能に動くことができるように第2の部分上に配された、対応する機械的インターフェースに噛み合い係合する。第1の部分は、C字型クリップであってよく、第2の部分は、スナップ嵌め方式でC字型クリップを受容するように構成された支柱を含み得る。
複数の実施形態では、第1の部分は、第1および第2の部分が互いに対して過剰に回転するのを防ぐため、回転制限表面を含む。第1および第2の部分のうちの少なくとも一方は、機械的インターフェースを含み、機械的インターフェースは、第1および第2のアームのうちの少なくとも一方の上に配された、対応する機械的インターフェースに解放可能に係合するように構成されている。第1および第2の部分のうちの少なくとも一方の上の機械的インターフェースは、突起を含んでよく、第1および第2のアームのうちの少なくとも一方の上に配された、対応する機械的インターフェースは、その中に画定された開口部を含んでよく、この開口部は、突起を補完するものである。
複数の実施形態では、APIの量は、アームのそれぞれで均等に分配される。他の実施形態では、APIの量は、アームのそれぞれにおいて、均等に分配されない。
胃内滞留型剤形(GRDF)を組み立てる方法が、本開示に従って提供され、この方法は、射出成形により形成された本体のキャビティにインサート錠剤を挿入することと、本体をヒンジ組立体と組み合わせることと、を含む。
APIまたは診断薬を送達する方法が、本開示に従って提供され、この方法は、閉じた構成にある、先の請求項のいずれかに記載のGRDFを、患者に投与することを含む。
胃の中に保持される剤形を製造する方法が、本開示に従って提供され、この方法は、セルロースエステル組成物を含む剤形の本体を形成することを含む。
複数の実施形態では、セルロースエステル組成物は、セルロースエステル、および可塑剤を含む。複数の実施形態では、セルロースエステルは酢酸セルロースであり、可塑剤はトリアセチンである。
患者の体内でGRDFを分解させる方法が、本開示に従って提供され、この方法は、GRDFを患者に投与することと、解毒薬を患者に投与することと、を含み、解毒薬は、患者の胃のpHを上昇させ、GRDFを、胃から排出されるのに十分なサイズの破片へと分解させる。
複数の実施形態では、GRDFは、本体の総重量の約20%未満に相当するpH感受性材料を含む本体を含み、pH感受性材料は、GRDFを分解させるように構成されている。
本開示はまた、GRDFの製造における即時放出製剤の使用も含む。複数の実施形態では、製剤はインサート(錠剤)である。
制御放出製剤が、本開示に従って提供され、これは、API組成物を保持するのに適したキャビティを含む本体を含み、本体は、APIの制御放出を可能にする、API組成物の露出の表面積を画定する。
複数の実施形態では、APIは、4時間超かけて、複数の態様では8時間超かけて、複数の態様では12時間超かけて、複数の態様では18時間超かけて、複数の態様では24時間超かけて、放出される。
本開示のいくつかの実施形態が図面に示されているが、本開示は、それらに限定されることは意図していない。それは、本開示が、当技術分野が可能とする限り広い範囲となり、明細書も同様に読まれることを意図しているためである。したがって、前記の説明は、限定的なものと解釈すべきではなく、単に、特定の実施形態の例示と解釈すべきである。当業者は、請求項の範囲および趣旨に含まれる、他の改変を構想するであろう。
〔実施例〕
実施例1‐GRDFの調製
A.熱溶解押出物(HME)の調製
7つの熱溶解押出物が、表1に記載するパラメータに従って調製された。
具体的には、押出物No.3に関して、射出成形機に充填された材料は、以下の連続工程により準備された:
1.ポリマー(例えば、酢酸セルロース 0.5kg)が、DIOSNAミキサー(6L)の中で5分間、500RPMで、可塑剤(例えば、トリアセチン 0.125kg)と事前混合された。
2.事前混合後、混合物を室温に24時間置き、ポリマーおよび可塑剤を共に安定させた。
3.24時間後、混合物を、(例えば、1kg/時の速度の重量測定フィーダーによって)HME機器に入れた。
4.HME機器を、定められた温度(例えば、表1の押出物No.3では190℃)まで事前に加熱した。
5.HMEのスネイルスピード(snail speed)を100RPMに設定した。
6.HME機器が材料を供給される間、HME機器に取り付けられた真空システムを作動させて、混合物中の水をくみ上げることを可能にした。
7.溶融材料がHME機器から引き出されると、コンベアベルト上にストランドとして進められ、冷却された。いったん冷却されると、ストランドは、細断機で、約1.5〜2mmのサイズの粒子へと切り刻まれた。
8.切り刻んだ後、材料は、真空下で、50℃で5時間乾燥させられ、水分の蒸発を可能にした(乾燥減量は1%未満と記録された)。
B.射出成形によるGRDF成型物の準備
適切な成型ツールを、適切な射出成形機の中に置いた。熱溶解押出物を、射出成形機(Wittman EcoPower 55トン射出成形機)に適用し、表2に挙げたパラメータを使用して、前述したように射出成形した。
C.インサート錠剤の調製
インサートに従ったパンチを準備し、これは図54に描いた寸法を含む。
内部顆粒化成分が、Yconeミキサー内で5分間、十分に混合された。混合後、これらの成分は、diosnaミキサー内で、冷水により湿式顆粒化された(wet granulated)。得られた顆粒は、流動層乾燥機(FBD)で乾燥された。後で、顆粒は、Erwekaフライス盤にかけられた。フライス盤にかけた後、顆粒外成分(extra-granulate ingredients)を加え、Yconeミキサーで5分間、十分に混合した。得られた最終ブレンドが、22.5×9.0mmのダイを有するBonapache D圧縮機器を用いて、錠剤に圧縮された。20SCUの硬度が得られた。あるいは、最終ブレンドは、2トンの力および6×12.5mmのダイを有するSPECAC圧縮ユニットを用いて、手動で圧縮された。各インサートの組成を表3に示す。
インサートは、従来のプレス機械を用いて圧縮され、(前述したように、射出成形により準備された)アームの内側に合うサイズを有する錠剤が得られた。インサートの外側表面からアーム壁の内側表面までの距離は、適切な挿入を可能にするよう、約5〜150μmであった。インサートサイズの最終的な調節は、インサート重量および圧縮力の調節により完了した。
D.GRDFの組立
インサート錠剤1が、表4にあるようにインサート錠剤の表面積露出をさまざまにして、製剤No.3(表2を参照)から準備された2つのアームそれぞれに挿入された。ヒンジおよびアームは、ヒンジをアームに押し込むことで、組み立てられた。得られた組み立て後のユニットは、以下で説明するように、潰され(すなわち、例えば図33)、000ゼラチンカプセル、例えばCAPSUGEL(登録商標)(例えば図16を参照)に挿入され、溶解トライアルを受けた。
実施例2‐溶解研究1
組み立てられた各GRDFは、回転装置[VANKEL ROTATING BOTTLE装置(VARIAN)]に入れられ、溶出および排出試験を受けた。500mLの溶解チャンバボトルが、37℃の400mLのHCL 0.1N、および150gのガラスビーズと共に使用された。溶解チャンバは、8RPMで回転した。5mLのサンプルを、1、2、3、5、6、24時間後に採取して、API放出速度を測定した。
溶出試験の結果を、図37に示す。手短に言えば、以下のとおりである:
1.サンプル1は、最大24時間の長期放出プロファイルを生じた。
2.サンプル2(ガラスビーズがGRDFに対する機械的効果を高めた)は、放出プロファイルの適度な増加をもたらしたが、投与量ダンピング効果(dose dumping effect)はなかった。
3.サンプル2より多くの放出穴を有する(前およびデッキの開口部)サンプル3は、放出プロファイルの増加をもたらした。
4.サンプル4(インサートのみ、アームに収容されていない)は、1時間以内に100%という、非常に速い放出プロファイルを生じた。
実施例3‐17.5mmパイプ試験
胃からGRDF構成要素が出るのをシミュレートするために、17.5mmパイプ試験が、サンプル2(表4を参照)に対して行われた。パイプ試験は、T=0、T=10時間、T=24時間で行われた。標準的なボトルヘッドが、17.5mmの直径および5cmの長さを有するパイプに変えられた。上下を逆さまにした位置で手で振ることによって、ボトルから出る能力について、中身を試験した。
実施例4A:溶出試験2
以下の表5Aに記載したサンプルを、400mLがHCL 0.1Nの溶液または37℃のpH4.5の酢酸緩衝液で、事前に添加された150gのガラスビーズがあるか、またはガラスビーズがない、(前述した)500mLの溶解チャンバボトルに入れた。溶解チャンバは、8RPMで回転した。5mLのサンプルを、1、2、3、5、6、24時間後に採取して、API放出速度を測定した。
この溶出試験の結果を、図38に示す。手短に言うと以下のとおりである:
1.サンプル4cは、最大で12時間の長期放出プロファイルをもたらした。
2.サンプル4dは、放出プロファイルの適度な増加をもたらしたが、投与量ダンピング効果はなかった。
3.サンプル4aおよび4b(すなわち、標準ER錠剤)は、ガラスビーズにより加えられる機械的な力の増加とは無関係に、4時間以内に完全な放出を生じた。
実施例5A‐GRDFの調製
2つのGRDF構成を、どちらも同じインサート処方で(以下の表6を参照)で作った:構成1は、腐食可能でpH依存性の射出成形部品から作り、構成2は、より硬く、pH依存性でない射出成形部品から作った。「インサート」は、以下の表6に従って2つのアーム(1および2)のそれぞれに挿入された。ヒンジ組立体およびアームは、ヒンジ組立体をアームに押し込むことで組み立てられた。例えば図34Aを参照。得られた組み立て後のユニットは、以下で説明するように、閉じられて、000ゼラチンカプセル(CAPSUGEL(登録商標))に挿入され、溶解トライアルを受けた。
実施例5B‐溶解研究3
組み立てられた2つのGRDF構成は、回転装置[VANKEL ROTATING BOTTLE装置(VARIAN)]に入れられ、溶出および排出試験を受けた。400mLのHCL 0.01N(pH2)または37℃の酢酸緩衝液(pH4.5)と共に、(本明細書で説明した)500mLの溶解チャンバボトルを使用した。溶解チャンバは8RPMで回転させた。5mLのサンプルが、0.5、1.5、2.5、4、5.5、8、22時間後に採取され、API放出速度を測定した。4時間後、サンプリング培地が、新鮮培地と交換された。GRDFの分解も監視された(分解した部品は、本明細書に記載したような胃内容排出のインジケータとして、パイプ試験のチューブの通過について試験された)。GRDFが広がる時間が監視された。構成1をpH2に22時間時間さらした後、培地は、pH6.5のリン酸緩衝液(buffer phosphate)に交換されて、GRDF構成要素の腐食/溶出時間を試験した。
T=0では、GRDFは、カプセルに収容された潰れた構成で、回転装置に挿入された。T=5分で、すべてのカプセルが溶解し、GRDFが開いた。この溶出および分解研究の結果は、図39に示す。
手短に言うと、以下のとおりである:
1.広がる時間、放出プロファイル、または分解時間における有意差は、両方の構成で観察されなかった。
2.広がりは、全てのケースで、5分未満で達成された。
3.約8時間のほぼゼロ次のプロファイルが得られた。
4.放出プロファイルは、pH変化(pH2.5対pH4.5)によってあまり影響を受けなかった。
5.分解は、8時間超の後に起こり、この時点で、APIの85%超が放出された。
6.pH依存性部品は、5時間以内に腐食し、完全に溶解した。
7.pH依存性部分は、5時間以内に腐食し、完全に溶解した。
実施例6:開口部および放出プロファイルに対する処方効果
a.GRDF成型物の形成:
穴の数が等しい2本の平行な線が、アームに沿って先端部からヒンジまで延びている、図34Bおよび図35の成型物を製造するために、実施例1Bからの製剤3を使用した。
b.インサートの準備
インサート組成を、以下の表7に示す。
内部顆粒化成分は、Yconeミキサーで5分間、十分に混合された。混合後、これらの成分は、diosnaミキサーにおいて冷水で湿式顆粒化された。得られた顆粒は、流動層乾燥機(FBD)で乾燥させられた。その後、顆粒は、Erwekaフライス盤にかけられた。フライス盤にかけた後、顆粒外成分が加えられ、Yconeミキサーで5分間、十分混合された。得られた最終ブレンドは、22.5×9.0mmのダイを有するBonapache D圧縮機器を用いて、錠剤へと圧縮された。10SCUの硬度が得られた。あるいは、最終ブレンドは、2トンの力および6×12.5mmのダイを有するSPECAC圧縮ユニットを用いて、手動で圧縮された。
錠剤のインサートに従ったパンチが、図54に示すような(mm単位の)寸法で準備された。
図26のインサートは、インサート錠剤を得るために、従来のプレス機械を用いて圧縮された。インサート錠剤は、組み立てられたときにヒンジとアーム成型物との間に挟まれた、(図28〜図31で例示するような)アーム成型物のキャビティに挿入された。滑らかな挿入を可能にするため、インサートの外側表面とアーム成型物の内側表面との間の公差(ギャップ)が、約50〜150μmに設定された。さらに、滑らかな挿入を可能にするためのインサートのサイズ寸法の最終調節が、インサート重量および圧縮力の調節によって、錠剤の圧縮を通じて行われた。
a.GRDFの組立
図18に示すように、1つのインサートが、2つのアームのそれぞれに挿入された。ヒンジ組立体、ヒンジ組立体66、アーム、例えばアーム62および64が、インサートとヒンジ組立体66との間のそれぞれのキャビティ62’および64’にヒンジ組立体66を押し込むことで、組み立てられた。
組み立てられた製品を、図34Bに示す。
b.溶出研究
組み立てられた2つのGRDF構成は、回転装置[VANKEL ROTATING BOTTLE装置(VARIAN)]に入れられ、溶出および排出試験を受けた。400mLのHCL 0.01N(pH2)または37℃の酢酸緩衝液(pH4.5)と共に、500mLの溶解チャンバボトルを使用した。溶解チャンバは、8RPMで回転させた。5mLのサンプルを、0.5、1.5、2.5、4、5.5、8、22時間後に採取して、API放出速度を測定した。4時間に、サンプリング培地を新たな新鮮培地と取り換えた。
結果:
a.溶解プロファイルおよび分解時間を、図52に示す。
結論:
a.膨張時間に有意差はなかった。広がりは、3分未満で達成された。
b.分解は、APIが約80%放出されたときに、一貫して生じた。
c.分解は、穴および賦形剤を変えることによって、約7時間〜少なくとも24時間の間で変化し得た。
1.成型物の外表面積:穴の直径を大きくすることで、プロファイルが速くなった。
2.崩壊剤を増大させると共に、マトリックスポリマー(MET)を低下させると、プロファイルが増大した。
実施例7:力が加えられた状態の胃内滞留をシミュレートするための18mmパイプ試験
a.GRDFの組立
GRDFの成型された部分、すなわち、アーム、ヒンジ組立体、および付勢要素(例えば板ばね)は、それぞれ4:1の比率で組み合わせられた酢酸セルロース(CA)およびトリアセチンで作られた(表2の製剤No.3を参照)。
インサートNo.4は、表3に提供された処方から作られた成型されたアームのそれぞれの中に入れられた。その後、アームは、ヒンジと組み合わせられて、完全に組み立てられたGRDFを形成した。
b.実験1‐パイプ試験前の模擬的胃条件へのGRDF露出(試験は3回繰り返して行った)
完全に組み立てられたGRDFは、模擬的な胃条件、すなわち、37℃、pH2+キサンタンガム 0.125gr/L、25RPMの混合下に置かれた。このモデルでは、製剤は、20時間でほぼゼロ次の放出プロファイルを得た。T=0、1、3、6、9、24時間で、製品は、回転装置から取り出され、以下に記載するように、すぐに第2のパイプ試験を受けて、パイプの通過に耐えるGRDFの24時間耐久性を評価した。
c.実験2‐第2の[18mm]パイプ試験器具
18mmパイプ試験の計画が、図40Aおよび図40Bに描かれている。寸法は、以下の表9でさらに説明してある。一言でいえば、アダプタが、Stable Microsystem, Corp.から購入したテクスチャ分析器HDに取り付けられた。5kgのロードセルを試験に使用した。
各インターバル(T=0、1、3、6、9、24時間)で、GRDFは、溶解器具から抽出され、図40Bに示すように、3つの向き(A、B、C)で、パイプ容器に入れられた。それぞれの向きでは、600grFの力が、(アダプタを上下させることによって)10mm/秒の速度で10回加えられた。最後のインターバルで、アダプタは、GRDFがパイプを通過するか、または複数の部分に分かれるのに必要な最大の力を測定するために、パイプを通って下降させられた。さらに、GRDFは、10個の異なる時間に、ランダムにパイプ容器10の中に静かに投入され、各時間において、前記で与えたような、同じ力にさらされた。結果は以下に示す。
試験結果
試験結果は、以下の表10に記載する。いくつかの特定の結果は以下を含む:
1.インサートの腐食は、ほぼゼロ次の速度であった(残った材料の目視観察)
2.サンプルGRDFは、著しいひずみなしで、24時間後、最大3000grFの機械的な力に耐えた(向きB、C、Dで)
3.サンプルGRDFは、24時間の時点で向きDに置かれたとき、およびインサートがほぼ完全に腐食すると、400grFを加えられて分解した。
d.実験3:インビトロの板ばね耐久性試験
本明細書に記載するGRDFの膨張構成は、機械的な力、例えば胃の中で生じ得る圧縮、を受けたときに付勢機構または板ばね耐久性に大きく依存している。このような力は、GRDFの小型化および/または折り畳みを引き起こす場合があり、その結果、胃から早く出てしまうこと、および不十分な胃内滞留が生じる。
板ばね耐久性試験を用いて、GRDFに加えられる圧縮力の増加に応じたGRDFのひずみの程度を評価した。圧縮力は、以下に記載したとおり加えられた。
サンプルGDRFは、T=0で、および、擬似胃液、すなわち、12時間、25RPMで混合する、37℃、キサンタンガム[0.125gr/L pH2]を有する5RPMの回転装置にさらされた直後に、試験された。
サンプルGDRFは、(サンプルGDRFを流れないように保持する)ホルダに取り付けられた。ホルダは、テクスチャ分析器(Stable Microsystem, Corp.)の下に置かれた。図41に示すように、プローブが、5kgFのロードセルに取り付けられた。その後、プローブは、サンプルGDRFの上に下降され、下降しながらサンプルGRDF(20grのトリガー力)に接触し、得られた力、およびプローブ位置の変化は、ロードセルにより記録された。定められた力に達した後、プローブは、開始位置まで再び上昇させられた。このサイクルは、サイクル間のリカバリを5秒として、30回適用された。GRDF圧縮係数(gr/mm)ならびに30サイクル後の可塑性が、計算された(図42および図43、以下の表11を参照)。
試験結果:
試験結果を、以下の表11に記載する。いくつかの特定の結果は以下を含む:
1.t=0で、および、擬似胃液に12時間さらされた後、GRDFは、30サイクル後に、3%以下の塑性変形(可塑性)を有した。
2.t=0で、GRDFの350grF圧縮は、結果として、6%未満のひずみを生じた。計算された圧縮係数は175gr/mmであった。
3.1250grFを加えるだけで、GRDFは、著しい塑性変形を有した(図42および図43でマークされている)。
e.実験4−豚での研究‐GDRFが開くまでの時間、ならびにGRDFの安全性および耐久性
3匹の豚が、以下の表12で記載される処方に従って作られたインサート錠剤を含むGRDFを与えられた。GRDFは、次に、ゼラチンカプセル000
*(CAPSUGEL(登録商標))の中に封入された。GRDFは長さが28mmであったので、サイズ000のゼラチンカプセルは十分ロックされなかった。
この研究は、LAHAV研究機関(イスラエル)で行われた。豚はそれぞれ、麻酔をかけられて(10分の短期麻酔)、200mLを37℃で与えられた。5分後、豚は、GRDFを投与された。内視鏡試験が、T=4.5時間、9時間、24時間で行われた。
試験結果:
いくつかの特定の試験結果は以下を含んだ:
1.製品の迅速な広がりが、投与後5分未満で、内視鏡により可視化された。豚の胃内部に置かれてt=5分の時点で広がった構成にあるGRDFを示す、図44を参照。
2.インサートは、GRDFの外側部分が維持された状態で、T=0〜24時間で、徐々に腐食した。
3.図44および図45で提供された内視鏡写真は、GRDFの可視化された著しいひずみが生じていないことを例示した。
4.胃組織の完全性は、それぞれの内視鏡撮像中に獣医によって調査された。獣医は、組織損傷は観察されなかったと結論付けた。動物の挙動、食物消費、ならびに糞は、通常と認められた。
f.実験5−ビーグル犬における犬での研究
この研究の目的は、ビーグル犬などの犬におけるGRDFの性能を評価することであった。以下を評価した:
1.胃内でのGRDFの開放
2.GRDFの胃内滞留
3.安全性(糞およびイヌの挙動の目視観察)
図48〜図51で見られるように、成型物の穴の表面積を変えることによりインビトロで2つの異なる放出プロファイルを有する(以下を参照)2つのGRDFサンプルを選択した。
a.サンプルGRDFの調製
2つのGRDFが、いくつかを改変して、実施例4に記載されたように、調製された。
1.穴は手動ドリルで各アームにあけた。
a.サンプルA ‐ 1mmの穴が4個
b.サンプルB ‐ 1.2mmの穴が10個 ‐[SS]‐表13では穴が10個と記載されている。
2.放射線不透過性の糸が、成型物の小さな切り目にやすりをかけ(filing)、アセトン中の3%酢酸セルロースで作られた糊で糸を接着して、10分間乾燥させることによって、各アームに取り付けられた。図46は、(写真中黒い線で図示された)放射線不透過性の糸が取り付けられたGRDFを描いている。
組み立てられたGRDFの溶解が、模擬的な胃条件下で、25RPMで混合される、37℃、キサンタンガム[0.125gr/L pH2]を有する5RPMの回転装置で試験された。各インターバルで、サンプルGRDFが抽出され、インサートの腐食が視覚的に評価された。GRDFの分解状態も評価された。サンプルそれぞれについて、2回繰り返して試験した。結果は表13に示し、図46および図47に図示する。インサートの20%未満が残った時に、分解が起こった。インサート露出の表面積が減少したサンプルAは、サンプルBよりもゆっくりとした放出プロファイルを示した。
c.撮像研究
ビーグル犬(9〜10kgの重さ、月齢6カ月)は、GRDFの投与前および投与後に12時間絶食された。6匹の犬は、食物の胃内容排出速度および腸管輸送時間を観察する対照として意図された、5mmのバリウム含浸ポリエチレン球(barium impregnated polyethylene spheres)(BIPS)と共に、サンプルAを与えられた。3匹の犬は、サンプルBを制御して(with control)与えられた。
これらのサンプルは、予め温めた水を75〜100cc投与した後で、軽度麻酔された犬の胃の中に、内視鏡装置を用いて直接投与された。犬は、用量投与後12時間で、300gの餌を与えられた。投与は、クロスオーバー法にて繰り返された。
胃内滞留は、シーメンス(Siemens)X線透視撮像により評価され、この透視撮像は、放射線不透過性の標識試験物質およびBIPSの正確な配置を可視化するものであり、数回行われた。図48〜図51は、4時間、8時間、12時間、24時間のインターバルそれぞれにおける、GRDFおよびBIPSの胃内滞留を示している。動物の挙動および糞のテクスチャが記録された。
すべての犬において、GRDFは、胃の中で膨張した。胃内滞留を示した犬のパーセンテージは、以下の表14に示す。インサートの溶解プロファイルを調節することで、胃内滞留の程度が結果としてもたらされることに注目する。
図48〜図51および上の表14で分かるように、対照、すなわちビーズを排出することは、約8時間後に完了し、サンプルAは、少なくとも24時間、犬の胃の中に残った。
図53A〜図53Dは、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従って、GRDFの分解の概略的例示を通じて摂取を示している。図53Aに示すような第1の段階の間、GRDFは、保持機構、例えばカプセル20の内部に封入される。摂取後、および約1分〜約10分後、保持機構は溶解し、GRDFを潰れた構成(図53B)から膨張構成(図53C)に膨張させ、これにより、GRDFが胃の幽門弁を通過するのを防ぐ。ある実施形態では、アームの最小長さと、滞留を維持するためのアームの先端部間の距離は、約26mmである。次の所定の時間にわたり、APIまたは診断薬は、本明細書に記載の方法のいずれかで、放出される。(本明細書に記載するような)所定の時間後、または(本明細書に記載するように)十分な量のAPIが放出されたら、または(本明細書に記載するように)機械的事象が発生したら、GRDFは、分解されて、幽門弁を通過する。
〔実施の態様〕
(1) 胃の中に長時間保持される胃内滞留型剤形(GRDF)において、
摂取のための潰れた構成と、前記胃の内部に保持されるための膨張構成と、所定の時間が経過した後で、前記GRDFが2つ以上の部分に分解されて、前記GRDFの分解された部分それぞれが前記胃から出るようなサイズになる、第3の構成と、の間で変形するように構成された本体と、
活性薬剤成分(API)または診断薬と、
を含み、
前記第3の構成は、前記APIまたは診断薬が少なくとも部分的に放出されることにより誘発されるものである、胃内滞留型剤形(GRDF)。
(2) 実施態様1に記載のGRDFにおいて、
前記本体は、少なくとも2つのアームを含む、GRDF。
(3) 実施態様1に記載のGRDFにおいて、
前記本体は、2つのアームを含む、GRDF。
(4) 実施態様1または2に記載のGRDFにおいて、
前記少なくとも2つのアームのうちの少なくとも1つ、または2つのアームが、前記APIまたは診断薬に解放可能に係合するように構成されている、GRDF。
(5) 実施態様1〜4のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記APIまたは診断薬は、前記本体に画定されたキャビティの内部に位置付けられている、GRDF。
(6) 実施態様5に記載のGRDFにおいて、
前記APIは、組成物の形態で前記キャビティの内部に位置付けられている、GRDF。
(7) 実施態様2、4、または5に記載のGRDFにおいて、
前記少なくとも2つのアームは、ヒンジ組立体によって互いに旋回可能に接続され、前記少なくとも2つのアームもしくはヒンジ組立体のうちの少なくとも1つの部分的分解、または前記APIもしくは診断薬の部分的放出により、互いから係合解除されるように構成されている、GRDF。
(8) 実施態様7に記載のGRDFにおいて、
前記少なくとも2つのアームもしくはヒンジ組立体のうちの少なくとも1つの部分的分解、または前記APIもしくは診断薬の部分的放出は、pH依存性ポリマーによるものである、GRDF。
(9) 実施態様7または8に記載のGRDFにおいて、
前記pH依存性ポリマーは、塩基性環境で腐食する、GRDF。
(10) 実施態様7、8、または9に記載のGRDFにおいて、
前記少なくとも2つのアームのうちの1つは、その中に画定されたキャビティを含み、前記キャビティは、前記ヒンジ組立体および前記APIまたは診断薬に係合するように構成されている、GRDF。
(11) 実施態様7、8、9、または10に記載のGRDFにおいて、
前記ヒンジ組立体の少なくとも一部は、前記本体の前記少なくとも2つのアームのうちの少なくとも1つと、前記APIまたは診断薬との間に挟まれ、前記ヒンジ組立体は、前記APIが部分的に放出されると、前記少なくとも1つのアームから係合解除されるように構成されている、GRDF。
(12) 実施態様2、4、5、6、7、または8に記載のGRDFにおいて、
前記本体の前記少なくとも2つのアームは、前記APIが部分的に放出されると、互いから係合解除されるように構成されている、GRDF。
(13) 実施態様1〜12のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記所定の時間は、少なくとも4時間である、GRDF。
(14) 実施態様1〜13のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記所定の時間は、少なくとも6時間である、GRDF。
(15) 実施態様1〜14のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記所定の時間は、少なくとも8時間である、GRDF。
(16) 実施態様1〜15のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記所定の時間は、少なくとも10時間である、GRDF。
(17) 実施態様1〜16のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記所定の時間は、少なくとも12時間である、GRDF。
(18) 実施態様1〜17のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記所定の時間は、少なくとも18時間である、GRDF。
(19) 実施態様1〜18のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記APIは、1.5g未満の量である、GRDF。
(20) 実施態様1〜19のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記本体は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な材料から作られ、
前記本体のサイズ、形状、および耐久性は、前記所定の時間にわたり前記胃の中にある間、維持されている、GRDF。
(21) 実施態様7〜20のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記所定の時間が経過した後、前記ヒンジ組立体は、前記胃から放出されるために、前記少なくとも2つのアームから係合解除されるように構成されている、GRDF。
(22) 実施態様7〜21のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記ヒンジ組立体は、前記APIがいったん実質的に放出されると、前記少なくとも2つのアームから係合解除される、GRDF。
(23) 実施態様22に記載のGRDFにおいて、
実質的に放出されるのは、70%超である、GRDF。
(24) 実施態様22に記載のGRDFにおいて、
実質的に放出されるのは、75%超である、GRDF。
(25) 実施態様22に記載のGRDFにおいて、
実質的に放出されるのは、80%超である、GRDF。
(26) 実施態様2〜25のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記少なくとも2つのアームのうちの少なくとも1つのサイズは、構成間を移行する間、実質的に維持されている、GRDF。
(27) 実施態様1〜26のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記本体は、保持機構によって前記潰れた構成に維持され、前記本体は、ヒンジ組立体によって前記膨張構成に移行する、GRDF。
(28) 実施態様27に記載のGRDFにおいて、
前記保持機構は、流体環境に導入されると溶解するカプセルである、GRDF。
(29) 実施態様27または28に記載のGRDFにおいて、
いったん前記カプセルが少なくとも部分的に溶解すると、前記本体は、自動的に前記膨張構成に移行する、GRDF。
(30) 実施態様27、28、または29に記載のGRDFにおいて、
前記本体は、5分未満で、胃の中に保持されるのに適した前記膨張構成に自動的に移行する、GRDF。
(31) 実施態様27、28、または29に記載のGRDFにおいて、
前記本体は、4分未満で、胃の中に保持されるのに適した前記膨張構成に自動的に移行する、GRDF。
(32) 実施態様27、28、または29に記載のGRDFにおいて、
前記本体は、3分未満で、胃の中に保持されるのに適した前記膨張構成に自動的に移行する、GRDF。
(33) 実施態様2〜32のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記少なくとも2つのアームは、第1のAPIまたは診断薬を含む第1のアームと、第2のAPIまたは診断薬を含む第2のアームと、を含む、GRDF。
(34) 実施態様33に記載のGRDFにおいて、
前記第2のAPIまたは診断薬は、前記第1のAPIまたは診断薬とは配合禁忌である、GRDF。
(35) 実施態様1〜34のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記本体は、前記APIまたは診断薬組成物を収容するために、約500mm3〜約1500mm3の範囲の潜在的容量を含む、GRDF。
(36) 実施態様1〜35のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記本体は、前記APIまたは診断薬組成物を収容するために、約950mm3の潜在的容量を含む、GRDF。
(37) 実施態様1〜36のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記APIの量は、約0.1mg〜約2gの範囲である、GRDF。
(38) 実施態様1〜37のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記APIの量は、約10mg〜約1.8gの範囲である、GRDF。
(39) 実施態様1〜38のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記APIの量は、400mg超の量である、GRDF。
(40) 実施態様1〜39のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記APIの量は、600mg超である、GRDF。
(41) 実施態様2〜36のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記APIの量は、800mg超である、GRDF。
(42) 実施態様2〜36のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記APIの量は、1000mg超である、GRDF。
(43) 実施態様2〜36のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記APIの量は、1500mg超である、GRDF。
(44) 実施態様6〜43のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記組成物は、賦形剤:APIを、重量で約0.8〜約0.05の範囲の比率で含む、GRDF。
(45) 実施態様44に記載のGRDFにおいて、
前記比率は、約0.7〜約0.3の範囲である、GRDF。
(46) 実施態様43または44に記載のGRDFにおいて、
前記比率は、約0.6〜約0.4の範囲である、GRDF。
(47) 実施態様6〜46のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記APIと、前記APIおよび賦形剤両方の総量との比率は、重量で、約0.5〜約0.95である、GRDF。
(48) 実施態様6〜47のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記組成物は、インサートである、GRDF。
(49) 実施態様20〜48のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記薬学的に許容可能な材料は、セルロースエステル、および可塑剤を含む、GRDF。
(50) 実施態様49に記載のGRDFにおいて、
前記セルロースエステルは、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、コハク酸ヒドロキシプロピルメチル酢酸セルロース、セルロースプロピオネート、酢酸セルロースプロピオネート、酢酸セルロースブチレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されている、GRDF。
(51) 実施態様49または50に記載のGRDFにおいて、
前記セルロースエステルは、酢酸セルロースを含む、GRDF。
(52) 実施態様49、50、または51に記載のGRDFにおいて、
前記可塑剤は、ジブチルセバケート、トリエチルシトレート、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、アセチルトリブチルシトレート、トリアセチン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されている、GRDF。
(53) 実施態様49〜52のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記セルロースエステルおよび前記可塑剤は、約3:1〜約8:1の範囲の比率で組み合わせられている、GRDF。
(54) 実施態様49〜52のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記セルロースエステルおよび前記可塑剤は、約4:1〜約6:1の範囲の比率で組み合わせられている、GRDF。
(55) 実施態様49〜52のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記セルロースエステルおよび前記可塑剤は、約4:1の比率で組み合わせられている、GRDF。
(56) 実施態様49〜55のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記本体は、単位剤形当たり約200mg超のセルロースエステルを含む、GRDF。
(57) 実施態様49〜55のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記本体は、単位剤形当たり約400mg超のセルロースエステルを含む、GRDF。
(58) 実施態様49〜55のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記本体は、単位剤形当たり約600mg超のセルロースエステルを含む、GRDF。
(59) 実施態様49〜55のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記本体は、単位剤形当たり約700mg超のセルロースエステルを含む、GRDF。
(60) 実施態様49〜55のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記本体は、単位剤形当たり約750mg超のセルロースエステルを含む、GRDF。
(61) 実施態様49〜60のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記本体は、単位剤形当たり約50mg超の可塑剤を含む、GRDF。
(62) 実施態様49〜60のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記本体は、単位剤形当たり約100mg超の可塑剤を含む、GRDF。
(63) 実施態様49〜60のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記本体は、単位剤形当たり約150mg超の可塑剤を含む、GRDF。
(64) 実施態様49〜60のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記本体は、単位剤形当たり約180mg超の可塑剤を含む、GRDF。
(65) 実施態様49〜60のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記本体は、単位剤形当たり約190mg超の可塑剤を含む、GRDF。
(66) 実施態様1〜65のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記本体は、少なくとも1時間の時間にわたり、少なくとも400grFの繰り返し力を受けて、無傷のままであるように機械的耐久性を有する、GRDF。
(67) 実施態様65または66に記載のGRDFにおいて、
前記時間は、少なくとも3時間である、GRDF。
(68) 実施態様65または66に記載のGRDFにおいて、
前記時間は、少なくとも6時間である、GRDF。
(69) 実施態様65または66に記載のGRDFにおいて、
前記時間は、少なくとも9時間である、GRDF。
(70) 実施態様66〜69のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記繰り返し力は、約400〜約3000grFの範囲である、GRDF。
(71) 実施態様1〜70のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記本体は、射出成形または3D印刷によって製造されている、GRDF。
(72) 胃の中に長時間保持される胃内滞留型剤形(GRDF)において、
ヒンジ組立体を含む本体であって、前記本体は、摂取のための潰れた構成と、前記胃の内部に保持されるための膨張構成との間で動くように構成されている、本体と、
前記本体の一部の内部に保持され、活性薬剤成分(API)および賦形剤を含む少なくとも1つのインサートであって、前記APIと、前記APIおよび前記賦形剤双方の総量との比率が、約0.5〜約0.95である、胃内滞留型剤形(GRDF)。
(73) 胃の中に保持されるのに適した医薬製剤において、
約3:1〜約8:1の範囲の比率で組み合わせられた、セルロースエステルおよび可塑剤を含み、
前記医薬製剤は、4時間超の時間にわたり前記胃の中に保持されるものである、医薬製剤。
(74) 実施態様73に記載の医薬製剤において、
前記比率は、約4:1〜6:1の範囲である、医薬製剤。
(75) 実施態様73または74に記載の医薬製剤において、
前記比率は、約4:1である、医薬製剤。
(76) 実施態様73、74、または75に記載の医薬製剤において、
前記医薬製剤は、6時間超の時間にわたり前記胃の中に保持されるものである、医薬製剤。
(77) 実施態様73、74、または75に記載の医薬製剤において、
前記医薬製剤は、8時間超の時間にわたり前記胃の中に保持されるものである、医薬製剤。
(78) 実施態様73、74、または75に記載の医薬製剤において、
前記医薬製剤は、12時間超の時間にわたり前記胃の中に保持されるものである、医薬製剤。
(79) 実施態様73、74、または75に記載の医薬製剤において、
前記医薬製剤は、18時間超の時間にわたり前記胃の中に保持されるものである、医薬製剤。
(80) 実施態様73、74、または75に記載の医薬製剤において、
前記医薬製剤は、24時間超の時間にわたり前記胃の中に保持されるものである、医薬製剤。
(81) 実施態様73、74、または75に記載の医薬製剤において、
前記医薬製剤は、36時間超の時間にわたり前記胃の中に保持されるものである、医薬製剤。
(82) 実施態様73〜81のいずれかに記載の医薬製剤において、
前記セルロースエステルは、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、コハク酸ヒドロキシプロピルメチル酢酸セルロース、セルロースプロピオネート、酢酸セルロースプロピオネート、酢酸セルロースブチレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されている、医薬製剤。
(83) 実施態様73〜82のいずれかに記載の医薬製剤において、
前記可塑剤は、ジブチルセバケート、トリエチルシトレート、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、アセチルトリブチルシトレート、トリアセチン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されている、医薬製剤。
(84) 実施態様73〜83のいずれかに記載の医薬製剤において、
前記製剤は、折り畳まれて、カプセルの中に入れられている、医薬製剤。
(85) 実施態様73〜84のいずれかに記載の医薬製剤において、
前記製剤は、保持アームまたはヒンジ組立体をさらに含む、医薬製剤。
(86) 実施態様73〜85のいずれかに記載の医薬製剤において、
少なくとも1時間の時間にわたり、少なくとも400grFの繰り返し力を受けて、無傷のままであるように、機械的耐久性をさらに有する、医薬製剤。
(87) 実施態様86に記載の医薬製剤において、
無傷のままである前記時間は、少なくとも3時間である、医薬製剤。
(88) 実施態様86に記載の医薬製剤において、
無傷のままである前記時間は、少なくとも6時間である、医薬製剤。
(89) 実施態様86に記載の医薬製剤において、
無傷のままである前記時間は、少なくとも9時間である、医薬製剤。
(90) 実施態様86に記載の医薬製剤において、
無傷のままである前記時間は、少なくとも24時間である、医薬製剤。
(91) 実施態様86〜90のいずれかに記載の医薬製剤において、
前記繰り返し力は、少なくとも600grFである、医薬製剤。
(92) 実施態様86〜90のいずれかに記載の医薬製剤において、
前記繰り返し力は、約400〜約3000grFの範囲である、医薬製剤。
(93) 実施態様73〜92のいずれかに記載の医薬製剤において、
前記製剤は、射出成形または3D印刷によって製造されている、医薬製剤。
(94) 実施態様73〜93のいずれかに記載の医薬製剤において、
前記製剤は、非生物分解性である、医薬製剤。
(95) 実施態様73〜94のいずれかに記載の医薬製剤において、
前記製剤は、単位剤形当たり約50mg超のセルロースエステルを含む、医薬製剤。
(96) 実施態様73〜94のいずれかに記載の医薬製剤において、
前記製剤は、単位剤形当たり約200mg超のセルロースエステルを含む、医薬製剤。
(97) 実施態様73〜94のいずれかに記載の医薬製剤において、
前記製剤は、単位剤形当たり約400mg超のセルロースエステルを含む、医薬製剤。
(98) 実施態様73〜94のいずれかに記載の医薬製剤において、
前記製剤は、単位剤形当たり約600mg超のセルロースエステルを含む、医薬製剤。
(99) 実施態様73〜94のいずれかに記載の医薬製剤において、
前記製剤は、単位剤形当たり約700mg超のセルロースエステルを含む、医薬製剤。
(100) 実施態様73〜94のいずれかに記載の医薬製剤において、
前記製剤は、単位剤形当たり約750mg超のセルロースエステルを含む、医薬製剤。
(101) 実施態様73〜100のいずれかに記載の医薬製剤において、
前記製剤は、単位剤形当たり約50mg超の可塑剤を含む、医薬製剤。
(102) 実施態様73〜100のいずれかに記載の医薬製剤において、
前記製剤は、単位剤形当たり約100mg超の可塑剤を含む、医薬製剤。
(103) 実施態様73〜100のいずれかに記載の医薬製剤において、
前記製剤は、単位剤形当たり約150mg超の可塑剤を含む、医薬製剤。
(104) 実施態様73〜100のいずれかに記載の医薬製剤において、
前記製剤は、単位剤形当たり約180mg超の可塑剤を含む、医薬製剤。
(105) 実施態様73〜100のいずれかに記載の医薬製剤において、
前記製剤は、単位剤形当たり約190mg超の可塑剤を含む、医薬製剤。
(106) 胃内滞留型剤形(GRDF)において、
カプセルの内側で折り畳まれた薬学的に許容可能な材料を含み、
前記薬学的に許容可能な材料は、5分未満の時間で、胃の中に保持されるのに適したサイズに広がる、胃内滞留型剤形(GRDF)。
(107) 実施態様106に記載のGRDFにおいて、
前記薬学的に許容可能な材料が胃の中に保持されるのに適したサイズに広がる時間は、4分未満である、GRDF。
(108) 実施態様106に記載のGRDFにおいて、
前記薬学的に許容可能な材料が胃の中に保持されるのに適したサイズに広がる時間は、3分未満である、GRDF。
(109) 実施態様106に記載のGRDFにおいて、
前記薬学的に許容可能な材料が胃の中に保持されるのに適したサイズに広がる時間は、2分未満である、GRDF。
(110) 実施態様106〜109のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記薬学的に許容可能な材料は、セルロースエステルおよび可塑剤を含む、GRDF。
(111) 実施態様110に記載のGRDFにおいて、
前記セルロースエステルは、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、コハク酸ヒドロキシプロピルメチル酢酸セルロース、セルロースプロピオネート、酢酸セルロースプロピオネート、酢酸セルロースブチレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されている、GRDF。
(112) 実施態様110または111に記載のGRDFにおいて、
前記可塑剤は、ジブチルセバケート、トリエチルシトレート、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、アセチルトリブチルシトレート、トリアセチン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されている、GRDF。
(113) 実施態様106〜112のいずれかに記載のGRDFにおいて、
活性薬剤成分をさらに含む、GRDF。
(114) 胃内滞留型剤形(GRDF)において、
カプセルの内側で折り畳まれ、活性薬剤成分を含む薬学的に許容可能な材料を含み、
前記剤形の胃内滞留の終わりは、前記活性薬剤成分の放出により制御されている、胃内滞留型剤形(GRDF)。
(115) 実施態様114に記載のGRDFにおいて、
前記胃内滞留の終わりは、前記活性薬剤成分の70%超が放出されたときに起こる、GRDF。
(116) 実施態様114に記載のGRDFにおいて、
前記胃内滞留の終わりは、前記活性薬剤成分の75%超が放出されたときに起こる、GRDF。
(117) 実施態様114に記載のGRDFにおいて、
前記胃内滞留の終わりは、前記活性薬剤成分の80%超が放出されたときに起こる、GRDF。
(118) 実施態様114に記載のGRDFにおいて、
前記胃内滞留の終わりは、前記活性薬剤成分の85%超が放出されたときに起こる、GRDF。
(119) 実施態様114に記載のGRDFにおいて、
前記胃内滞留の終わりは、前記活性薬剤成分の90%超が放出されたときに起こる、GRDF。
(120) 実施態様114に記載のGRDFにおいて、
前記胃内滞留の終わりは、前記活性薬剤成分の95%超が放出されたときに起こる、GRDF。
(121) 実施態様114に記載のGRDFにおいて、
前記胃内滞留の終わりは、前記活性薬剤成分の100%が放出されたときに起こる、GRDF。
(122) 実施態様114〜121のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記薬学的に許容可能な材料は、セルロースエステルおよび可塑剤を含む、GRDF。
(123) 実施態様122に記載のGRDFにおいて、
前記セルロースエステルは、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、コハク酸ヒドロキシプロピルメチル酢酸セルロース、セルロースプロピオネート、酢酸セルロースプロピオネート、酢酸セルロースブチレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されている、GRDF。
(124) 実施態様122または123に記載のGRDFにおいて、
前記可塑剤は、ジブチルセバケート、トリエチルシトレート、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、アセチルトリブチルシトレート、トリアセチン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されている、GRDF。
(125) 胃内滞留型剤形(GRDF)において、
2つのアームを含む本体であって、前記2つのアームは、前記2つのアームが互いに対して近接して配されている潰れた構成と、所定の時間にわたり胃の内部で前記GRDFを保持するように前記2つのアームが互いからさらに離れる膨張構成との間で移行可能である、本体と、
前記本体の内部に少なくとも部分的に位置付けられた活性薬剤成分(API)または診断薬と、
を含む、胃内滞留型剤形(GRDF)。
(126) 実施態様125に記載のGRDFにおいて、
前記2つのアームがいったん前記膨張構成に移行すると前記2つのアームを離して保持するように構成された付勢要素をさらに含む、GRDF。
(127) 実施態様126に記載のGRDFにおいて、
前記付勢要素は、前記2つのアームを前記潰れた構成から移行させるように構成されている、GRDF。
(128) 胃の中に長時間保持される胃内滞留型剤形(GRDF)において、
2つのアームを含む本体であって、前記2つのアームは、ユーザーが嚥下可能である第1の構成と、所定の時間にわたり前記GRDFを前記胃の内部に保持する第2の構成と、前記2つのアームが前記所定の時間の経過後に分解される第3の構成と、の間で移行可能である、本体、
を含む、胃内滞留型剤形(GRDF)。
(129) 実施態様128に記載のGRDFにおいて、
前記2つのアームのうちの少なくとも1つのサイズは、構成間で移行する間、実質的に維持されている、GRDF。
(130) 実施態様128または129に記載のGRDFにおいて、
前記2つのアームがいったん前記膨張構成に移行すると前記2つのアームを離して保持するように構成された付勢要素をさらに含む、GRDF。
(131) 実施態様130に記載のGRDFにおいて、
前記付勢要素は、前記2つのアームを前記潰れた構成から移行させるように構成されている、GRDF。
(132) 胃内滞留型剤形(GRDF)において、
互いに旋回可能に接続された少なくとも2つのアームであって、前記少なくとも2つのアームが互いに近接して配されていて、前記GRDFが嚥下されるのに適している潰れた構成と、前記少なくとも2つのアームが互いからさらに離れる膨張構成との間で移行可能である、少なくとも2つのアームと、
前記少なくとも2つのアームのうちの少なくとも1つに画定されたキャビティ内部に少なくとも部分的に収容された活性薬剤成分(API)または診断薬と、
前記少なくとも2つのアームがいったん前記膨張構成に移行すると前記少なくとも2つのアームを離して保持するように構成された付勢要素と、
を含む、胃内滞留型剤形(GRDF)。
(133) 実施態様132に記載のGRDFにおいて、
前記少なくとも2つのアームは、ヒンジ組立体の周辺で旋回可能である、GRDF。
(134) 実施態様132または133に記載のGRDFにおいて、
前記付勢要素は、前記ヒンジ組立体の一部を形成する、GRDF。
(135) 実施態様132、133、または134に記載のGRDFにおいて、
前記少なくとも2つのアームおよび前記ヒンジ組立体は、互いに解放可能に係合されている、GRDF。
(136) 実施態様132〜135のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記少なくとも2つのアームのうちの少なくとも1つのアームの少なくとも一部が、APIまたは診断薬で構成されている、GRDF。
(137) 実施態様132〜136のいずれかに記載のGRDFにおいて、
各アームは、APIまたは診断薬を受容するように構成された、各アーム内に画定されたキャビティを含む、GRDF。
(138) 実施態様132〜137のいずれかに記載のGRDFにおいて、
APIの量は、約500mg〜1.5gである、GRDF。
(139) 実施態様133〜138のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記少なくとも2つのアームのうちの少なくとも1つ、付勢要素、およびヒンジ組立体は、IIGガイドラインに列挙されるような、薬学的に許容可能な賦形剤から製造されている、GRDF。
(140) 実施態様133〜139のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記ヒンジ組立体は、一体的な構成要素である、GRDF。
(141) 実施態様133〜140のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記ヒンジ組立体は、互いに旋回可能に連結されている、2つの相互接続されたヒンジ部分を含み、各ヒンジ部分は、前記少なくとも2つのアームのうちの1つに接続されている、GRDF。
(142) 実施態様141に記載のGRDFにおいて、
各ヒンジ部分は、機械的係合構成要素によって、前記少なくとも2つのアームのうちの1つに接続されている、GRDF。
(143) 実施態様141または142に記載のGRDFにおいて、
前記ヒンジ部分は、90°以下の限られた可動域の中で互いに対して回転するように構成されている、GRDF。
(144) 胃内滞留型剤形(GRDF)において、
それぞれが所定の長さを有し、摂取のための潰れた構成と、胃の中に保持されるための膨張構成との間で動くように構成された、少なくとも2つのアームを含む、本体と、
前記2つのアームのうちの少なくとも1つの内部に位置付けられた活性薬剤成分と、
を含み、
前記活性薬剤成分を含む少なくとも1つのアームの前記所定の長さは、前記活性薬剤成分の放出中、実質的に同じままである、胃内滞留型剤形(GRDF)。
(145) 胃内滞留型剤形(GRDF)において、
それぞれが所定の長さを有し、摂取のための潰れた構成と、胃の中に保持されるための膨張構成との間で動くように構成された、少なくとも2つのアームを含む、本体と、
前記2つのアームのうちの少なくとも1つの内部に位置付けられた活性薬剤成分と、
を含み、
前記2つのアームのうちの少なくとも1つの前記所定の長さは、前記本体の分解後、実質的に同じままである、胃内滞留型剤形(GRDF)。
(146) 胃の中に長時間保持される経口薬剤において、
摂取のための潰れた構成と、所定の時間にわたり前記胃の中に保持されるための膨張構成との間で、ヒンジ組立体の周りで変形するように構成された本体と、
前記本体内に少なくとも部分的に位置付けられた活性薬剤成分(API)または診断薬と、
を含む、経口薬剤。
(147) 実施態様146に記載の経口薬剤において、
前記潰れた構成で配されているときに前記本体を包囲するように構成されたカプセルをさらに含み、
前記カプセルは、前記本体を露出し、前記潰れた構成から解放するため、流体に導入されると少なくとも部分的に溶解するように構成されている、経口薬剤。
(148) 実施態様146または147に記載の経口薬剤において、
前記本体は、その中に画定された開口部を含み、前記開口部は、前記カプセルがいったん少なくとも部分的に溶解すると前記胃の中の胃液に前記APIまたは診断薬をさらすように構成されている、経口薬剤。
(149) 実施態様146、147、または148に記載の経口薬剤において、
前記本体は、前記ヒンジ組立体の周りで互いに旋回可能に接続された少なくとも2つのアームを含み、
前記少なくとも2つのアームのうちの少なくとも1つは、その中に画定されたキャビティを含み、前記キャビティは、前記APIまたは診断薬の少なくとも第1の部分を受容するように構成されている、経口薬剤。
(150) 実施態様149に記載の経口薬剤において、
前記キャビティを含む前記少なくとも1つのアームは、その中に画定された開口部を含み、前記開口部は、前記キャビティと連通している、経口薬剤。
(151) 実施態様149または150に記載の経口薬剤において、
前記APIまたは診断薬の別の部分が、前記本体の前記少なくとも1つのアームによって隠れている、経口薬剤。
(152) 胃内滞留型剤形(GRDF)において、
pH感受性材料を含み、摂取のための潰れた構成から、胃の中に保持されるための膨張構成へと変形するように構成された少なくとも2つのアームを含む、本体を含み、
前記pH感受性材料は、前記本体を分解させるように構成されている、胃内滞留型剤形(GRDF)。
(153) 胃の中に長時間保持される胃内滞留型剤形(GRDF)において、
摂取のための潰れた構成と、所定の時間にわたり前記胃の中に保持されるための膨張構成との間で変形するように構成された本体と、
前記本体に解放可能に係合するように構成された活性薬剤成分(API)または診断薬と、
を含み、
前記本体は、前記APIが部分的に崩壊すると分解するように構成され、
前記本体は、薬学的に許容可能な材料から作られ、
前記本体のサイズ、形状、および耐久性は、前記所定の時間にわたり前記胃の中にある間、実質的に維持されている、胃内滞留型剤形(GRDF)。
(154) 実施態様153に記載のGRDFにおいて、
前記APIの薬剤量は、約400mg〜約1.5gである、GRDF。
(155) 実施態様153に記載のGRDFにおいて、
前記APIの薬剤量は、約700mg〜約1.5gである、GRDF。
(156) 実施態様153、154、または155に記載のGRDFにおいて、
前記APIは、6時間超かけて、制御された速度で放出されるものである、GRDF。
(157) 実施態様153、154、または155に記載のGRDFにおいて、
前記APIは、8時間超かけて、制御された速度で放出されるものである、GRDF。
(158) 実施態様153、154、または155に記載のGRDFにおいて、
前記APIは、10時間超かけて、制御された速度で放出されるものである、GRDF。
(159) 実施態様153〜158のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記本体は、少なくとも2つのアームを含む、GRDF。
(160) 実施態様159に記載のGRDFにおいて、
前記APIまたは診断薬は、前記少なくとも2つのアームのうちの少なくとも1つにより覆われている、GRDF。
(161) 実施態様159または160に記載のGRDFにおいて、
前記APIまたは診断薬は、前記2つのアームのうちの少なくとも1つの内部に画定された開口部を通って放出されるものである、GRDF。
(162) 実施態様159、160、または161に記載のGRDFにおいて、
前記APIまたは診断薬は、前記少なくとも2つのアームのうちの少なくとも1つに画定されたキャビティ内部に嵌まるように成形されたインサートである、GRDF。
(163) 実施態様162に記載のGRDFにおいて、
前記インサートは、即時放出用の賦形剤を含む、GRDF。
(164) 実施態様159〜163のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記膨張構成では、前記少なくとも2つのアームは、それらの間に約90°未満の内角を定める、GRDF。
(165) 実施態様159〜164のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記少なくとも2つのアームは、ヒンジ組立体の周りで動くことができる、GRDF。
(166) 実施態様165に記載のGRDFにおいて、
前記ヒンジ組立体の少なくとも一部は、射出成形された材料を用いて製造されている、GRDF。
(167) 実施態様165または166に記載のGRDFにおいて、
前記ヒンジ組立体は、1つ以上の薬学的に許容可能な成分から作られている、GRDF。
(168) 実施態様153〜167のいずれかに記載のGRDFにおいて、
解毒薬の存在下で、または前記解毒薬にさらされたときに、前記GRDFは、前記所定の時間が経過する前に前記胃から出るように分解するよう構成されている、GRDF。
(169) 実施態様165〜168のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記ヒンジ組立体は、pH感受性であり、前記ヒンジ組立体がいったん塩基性溶液にさらされると、前記所定の時間が経過する前に劣化するように構成されている、GRDF。
(170) 実施態様153〜169のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記所定の時間は、約4時間超である、GRDF。
(171) 実施態様153〜169のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記所定の時間は、約6時間超である、GRDF。
(172) 実施態様153〜169のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記所定の時間は、約7時間超である、GRDF。
(173) 実施態様159〜172のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記膨張構成では、前記少なくとも2つのアームは、約45°〜約90°の内角を定める、GRDF。
(174) 実施態様159〜172のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記膨張構成では、前記少なくとも2つのアームは、約45°〜約80°の内角を定める、GRDF。
(175) 実施態様165〜174のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記少なくとも2つのアームは、前記所定の時間に前記ヒンジ組立体から外れる、GRDF。
(176) 実施態様165〜175のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記少なくとも2つのアームは、前記APIまたは診断薬が実質的に放出されたら、前記ヒンジ組立体から外れる、GRDF。
(177) 胃の中に長時間保持される胃内滞留型剤形(GRDF)において、
摂取のための潰れた構成と、前記胃の中に保持されるための膨張構成との間で動くように構成された第1のアームおよび第2のアームを含む非生物分解性本体を含み、
前記非生物分解性本体は、約3:1〜約12:1の範囲の比率で薬学的に許容可能な材料および可塑剤を含む混合物を含む、胃内滞留型剤形(GRDF)。
(178) 実施態様177に記載のGRDFにおいて、
前記比率は、約4:1〜12:1である、GRDF。
(179) 実施態様177または178に記載のGRDFにおいて、
前記薬学的に許容可能な材料は、セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸、メチルメタクリレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されている、GRDF。
(180) 実施態様177、178、または179に記載のGRDFにおいて、
前記可塑剤は、トリエチルシトレート、ポリエチレングリコール、およびトリアセチン、ジブチルセバケート、トリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、ソルビトール、ソルビタン溶液、ひまし油、ジアセチル化モノグリセリド、トリエチルシトレート、トリブチルシトレートからなる群から選択されている、GRDF。
(181) 実施態様177〜180のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記薬学的に許容可能な材料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、前記可塑剤は、トリエチルシトレートである、GRDF。
(182) 実施態様177〜180のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記薬学的に許容可能な材料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、前記可塑剤は、ポリエチレングリコールである、GRDF。
(183) 実施態様177〜180のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記薬学的に許容可能な材料は、セルロースであり、前記可塑剤は、トリアセチンである、GRDF。
(184) 実施態様177〜180のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記薬学的に許容可能な材料は、エチルセルロースであり、前記可塑剤は、トリエチルシトレートである、GRDF。
(185) 実施態様177〜180のいずれかに記載のGRDFにおいて、
前記薬学的に許容可能な材料は、メタクリル酸およびメチルメタクリレートを含み、前記可塑剤は、トリエチルシトレートである、GRDF。
(186) 胃の中に長時間保持される胃内滞留型剤形(GRDF)において、
摂取のための潰れた構成と、所定の時間にわたり前記胃の中に保持されるための膨張構成との間で変形するように構成された本体を含み、
前記GRDFは、約50%のビーグル犬において、絶食条件下で24時間超にわたり胃内滞留を示す、胃内滞留型剤形(GRDF)。
(187) 胃内滞留型剤形(GRDF)において、
摂取のための潰れた構成と、所定の時間にわたり胃の中に保持されるための膨張構成との間で変形するように構成された本体を含み、
前記GRDFは、模擬的な胃条件に24時間さらされた後、300grForceの下では18mmパイプ試験を通らない、胃内滞留型剤形(GRDF)。
(188) 胃内滞留型剤形(GRDF)において、
薬学的に許容可能な材料で作られ、APIを含む本体を含み、
前記本体は、APIの85%超が放出された後で維持されるサイズおよび強度を有し、300grForceの下では18mmパイプ試験を通ることができない、胃内滞留型剤形(GRDF)。
(189) 胃内滞留型剤形(GRDF)において、
摂取のための潰れた構成と、所定の時間にわたり胃の中に保持されるための膨張構成との間で変形するように構成された本体を含み、
前記GRDFは、1250grForceの下で、模擬的な胃条件に12時間さらされると、板ばね耐久性試験を通らない、胃内滞留型剤形(GRDF)。
(190) 胃内滞留型剤形(GRDF)において、
摂取のための潰れた構成と、所定の時間にわたり胃の中に保持されるための膨張構成との間で変形するように構成された本体を含み、
前記本体は、模擬的な胃条件に12時間さらされた後、350grFで圧縮されると、6%未満のひずみを示す、胃内滞留型剤形(GRDF)。
(191) 胃内滞留型剤形(GRDF)を組み立てる方法において、
射出成形によって形成された本体のキャビティにインサート錠剤を挿入することと、
前記本体をヒンジ組立体と組み合わせることと、
を含む、方法。
(192) APIまたは診断薬の送達方法において、
閉じた構成にある、実施態様1〜191のいずれかに記載のGRDFを患者に投与することを含む、方法。
(193) 胃の中に保持される剤形を製造する方法において、
セルロースエステル組成物を含む前記剤形の本体を形成することを含む、方法。
(194) 実施態様193に記載の方法において、
前記セルロースエステル組成物は、セルロースエステルおよび可塑剤を含む、方法。
(195) 実施態様193または194に記載の方法において、
前記セルロースエステルは、酢酸セルロースであり、前記可塑剤は、トリアセチンである、方法。
(196) 患者の体内でGRDFを分解させる方法において、
GRDFを患者に投与することと、
解毒薬を前記患者に投与することと、
を含み、
前記解毒薬は、前記患者の胃のpHを上昇させて、前記胃から排出されるのに十分なサイズの破片へと、前記GRDFを分解させる、方法。
(197) 実施態様196に記載の方法において、
前記GRDFは、本体を含み、前記本体は、前記本体の総重量の約20%未満に相当するpH感受性材料を含み、前記pH感受性材料は、前記GRDFを分解させるように構成されている、方法。
(198) GRDFの製造における即時放出製剤の使用。
(199) 実施態様198に記載の使用において、
前記製剤は、インサート錠剤である、使用。
(200) 制御放出製剤において、
API組成物を保持するのに適したキャビティを含む本体を含み、
前記本体は、前記APIの制御放出を可能にする、前記API組成物の露出の表面積を定める、制御放出製剤。
(201) 実施態様200に記載の制御放出製剤において、
前記APIは、4時間超かけて放出されるものである、制御放出製剤。
(202) 実施態様200に記載の制御放出製剤において、
前記APIは、8時間超かけて放出されるものである、制御放出製剤。
(203) 実施態様200に記載の制御放出製剤において、
前記APIは、12時間超かけて放出されるものである、制御放出製剤。
(204) 実施態様200に記載の制御放出製剤において、
前記APIは、18時間超かけて放出されるものである、制御放出製剤。
(205) 実施態様200に記載の制御放出製剤において、
前記APIは、24時間超かけて放出されるものである、制御放出製剤。
本開示の第1の例示的な実施形態による、膨張構成で示された経口薬剤または胃内滞留型剤形(GRDF)の斜視図を描いている。
部品が分離した、図1のGRDFの側面図を描いている。
図1の線3−3に沿った、図1のGRDFの断面図を描いている。
開いた構成にある、図1のGRDFのヒンジの斜視図を描いている。
図1のGRDFのインサートの斜視図を描いている。
非活性薬剤成分により引き離された2つの活性薬剤成分を含む、図1のGRDFのインサートの別の実施形態の斜視図を描いている。
図1のGRDFの第1の付勢アームの斜視図を描いている。
図1のGRDFの第2のアームの斜視図を描いている。
本開示の第2の例示的な実施形態による、膨張構成で示されたGRDFの斜視図を描いている。
部品が分離された、図8のGRDFの側面図を描いている。
図8のGRDFの断面図を描いている。
開いた構成にある、図8のGRDFのヒンジの斜視図を描いている。
図8のGRDFの第2のアームの斜視図を描いている。
本開示の第3の例示的な実施形態による、膨張構成で示されたGRDFの斜視図を描いている。
本開示の第4の例示的な実施形態による、膨張構成で示されたGRDFの斜視図を描いている。
図14のGRDFの断面図を描いている。
潰れた構成にあり、送達カプセルの一方の半部に位置付けられた図1のGRDFを描いており、送達カプセルのもう一方の半部は、ヒンジの潰れた状態をよりよく示すために、省略されている。
本開示の第5の例示的な実施形態による、膨張構成で示されたGRDFの図を描いている。
本開示の第5の例示的な実施形態による、膨張構成で示されたGRDFの別の図を描いている。
本開示の第5の例示的な実施形態による、膨張構成で示されたGRDFのさらに別の図を描いている。
図17Aの線18−18に沿った、図17AのGRDFの断面図を描いている。
潰れた構成で示された、図17AのGRDFの側面図を描いている。
送達カプセル内に保管された、図17AのGRDF(もしくは任意の他の開示されたGRDF)の側面図を描いている。
図17AのGRDFの第1の付勢アームの斜視図を描いている。
図17AのGRDFの第2のアームの斜視図を描いている。
図17AのGRDFの第2のアームの別の斜視図を描いている。
図17AのGRDFのヒンジ組立体の斜視図を描いている。
図17AのGRDFのヒンジ組立体の別の斜視図を描いている。
図17AのGRDFのヒンジ組立体の別の斜視図を描いている。
図17AのGRDFのヒンジ組立体の別の斜視図を描いている。
図23A〜図23Dのヒンジ組立体のクリップ部分の斜視図を描いている。
図23A〜図23Dのヒンジ組立体のクリップ部分の別の斜視図を描いている。
図23A〜図23Dのヒンジ組立体の支柱部分の斜視図を描いている。
図23A〜図23Dのヒンジ組立体の支柱部分の別の斜視図を描いている。
図17AのGRDFのインサートの斜視図を描いている。
図17AのGRDFの第2のアーム小組立体の上面斜視図を描いている。
図27の線28−28に沿った、図27の第2のアーム小組立体の側面断面図を描いている。
図27の線29−29に沿った、図27の第2のアーム小組立体の拡大断面図を描いている。
図17AのGRDFの第1の付勢アーム小組立体の斜視図を描いている。
図30の線31−31に沿った、図30の第1の付勢アーム小組立体の側面断面図を描いている。
図30の第1の付勢アーム小組立体の拡大上面斜視図を描いている。
潰れた構成で示された本開示の別の例示的な実施形態によるGRDFの側面図を描いている。
膨張構成で配された、図33のGRDFの図を描いている。
膨張構成で配された、図33のGRDFの別の図を描いている。
複数の開口部、およびその中に配された係合スロットを含む、図33のGRDFの1つのアームの上面図を描いている。
組み立てられた構成にあるヒンジ組立体の図を描いている。
組み立てられた構成にあるヒンジ組立体の別の図を描いている。
溶出試験の結果を描いている。
別の溶出試験の結果を描いている。
別の溶出試験の結果を描いている。
パイプ試験器具の概略図を描いている。
さまざまな向きのGRDFの概略図を描いている。
ばね耐久性試験器具の概略図を描いている。
図41の器具を用いたばね耐久性試験の結果を示すグラフを描いている。
図41の器具を用いたばね耐久性試験器具の結果を示すグラフを描いている。
実施例9の豚での研究のGRDFの変形の範囲の写真である。
実施例9の豚での研究のGRDFの変形の範囲の写真である。
放射線不透過性の糸(黒色で図示)が取り付けられたGRDFの写真である。
APIを含むインサートの経時的な腐食のパーセンテージをグラフで例示するものである。
4時間の間隔でのGRDFおよびバリウムを染み込ませたポリエチレン球体(BIPS)の胃内滞留を示すX線写真である。
8時間の間隔でのGRDFおよびバリウムを染み込ませたポリエチレン球体(BIPS)の胃内滞留を示すX線写真である。
12時間の間隔でのGRDFおよびバリウムを染み込ませたポリエチレン球体(BIPS)の胃内滞留を示すX線写真である。
24時間の間隔でのGRDFおよびバリウムを染み込ませたポリエチレン球体(BIPS)の胃内滞留を示すX線写真である。
さまざまな穴の形状を有するGRDFの溶解プロファイルおよび分解時間をグラフで例示するものである。
本開示のGRDFのうちのいずれか1つの分解サイクルを通じた摂取の概略図を描いている。
本開示のGRDFのうちのいずれか1つの分解サイクルを通じた摂取の概略図を描いている。
本開示のGRDFのうちのいずれか1つの分解サイクルを通じた摂取の概略図を描いている。
本開示のGRDFのうちのいずれか1つの分解サイクルを通じた摂取の概略図を描いている。
本明細書に開示する実施例のうちのいくつかと共に使用される、本開示の一実施形態による、特定の寸法で準備されたインサートを描いている。