JP6566972B2 - 溶液中の内毒素の脱マスキングの方法 - Google Patents
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Description
内毒素は、グラム陰性菌の細胞壁の外膜の一部である。内毒素は、生物が病原性であるか否かにかかわらず、常にグラム陰性細菌に付随している。「内毒素」という用語は時に、任意の細胞結合型の細菌毒素をいうように用いられるが、細菌学においては、大腸菌(Escherichia coli)、サルモネラ菌(Salmonella)、赤痢菌(Shigella)、シュードモナス菌(Pseudomonas)、ナイセリア(Neisseria)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、百日咳菌(Bordetella pertussis)およびコレラ菌(Vibrio cholerae)のようなグラム陰性病原体の外膜に関連するリポ多糖(LPS)複合体をいうように適切に指定されている。
内毒素マスカを含む、および該内毒素を含むことが疑われる組成物、好ましくは薬学的組成物中の内毒素を脱マスキングする方法であって、該内毒素を脱マスキングできるモジュレータを該組成物に添加する段階を含む、該方法。
[本発明1002]
内毒素マスカを含む、および該内毒素を含むことが疑われる組成物、好ましくは薬学的組成物中の内毒素を検出する方法であって、
・ 該内毒素を脱マスキングできるモジュレータを該組成物に添加する段階; および
・ 検出方法によって該内毒素を検出する段階
を含む、該方法。
[本発明1003]
溶液中での水素結合の安定性に影響を与える作用物質を組成物に添加する段階をさらに含む、本発明1001または1002の方法。
[本発明1004]
溶液中での水素結合の安定性に影響を与える作用物質が、モジュレータの添加前に該溶液に添加される、本発明1003の方法。
[本発明1005]
内毒素マスカを含む、および該内毒素を含むことが疑われる組成物、好ましくは薬学的組成物中の内毒素を脱マスキングするためのキットであって、
a) 該内毒素を脱マスキングできるモジュレータ; および
b) 溶液中での水素結合の安定性に影響を与える作用物質
を含み、
構成要素(a)および(b)が同じまたは異なる包装中に存在する、
該キット。
[本発明1006]
組成物中の内毒素を脱マスキングするための使用説明書; 組成物中の内毒素を検出するための使用説明書; 該内毒素を検出するための構成要素; および該内毒素を検出するための使用説明書の1つまたは複数を追加で含む、本発明1005のキット。
[本発明1007]
溶液中での水素結合の安定性に影響を与える作用物質が、カオトロピック剤、陽イオンまたはそれらの組み合わせである、本発明1003〜1006のいずれかの方法またはキット。
[本発明1008]
カオトロピック剤が、尿素; 塩化グアニジン; ブタノール; エタノール; 過塩素酸リチウム; 酢酸リチウム; 塩化マグネシウム; フェノール; プロパノール; およびチオ尿素からなる群より選択される、本発明1007の方法またはキット。
[本発明1009]
陽イオンが二価陽イオンである、本発明1007または1008の方法またはキット。
[本発明1010]
二価陽イオンがCa 2+ 、Mg 2+ 、Sr 2+ およびZn 2+ より選択される、本発明1009の方法またはキット。
[本発明1011]
内毒素および内毒素マスカを含むことが疑われる組成物中での内毒素を脱マスキングできるモジュレータの使用。
[本発明1012]
モジュレータが第1のヘテロ原子置換脂肪族化合物を含み、該第1のヘテロ原子置換脂肪族化合物の主鎖が8〜16個の炭素原子を含む、前記本発明のいずれかの方法、キットまたは使用。
[本発明1013]
第1のヘテロ原子置換脂肪族化合物が酸素置換脂肪族化合物である、本発明1012の方法、キットまたは使用。
[本発明1014]
酸素置換脂肪族化合物が脂肪族アルコールである、本発明1013の方法、キットまたは使用。
[本発明1015]
脂肪族アルコールが1-ドデカノールである、本発明1014の方法、キットまたは使用。
[本発明1016]
モジュレータが第2のヘテロ原子置換脂肪族化合物をさらに含み、該第2のヘテロ原子置換脂肪族化合物の主鎖が8〜16個の炭素原子を含む、本発明1012〜1015のいずれかの方法、キットまたは使用。
[本発明1017]
第2のヘテロ原子置換脂肪族化合物が酸素置換脂肪族化合物である、本発明1016の方法、キットまたは使用。
[本発明1018]
酸素置換脂肪族化合物が脂肪族硫酸塩である、本発明1017の方法、キットまたは使用。
[本発明1019]
脂肪族硫酸塩がドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である、本発明1018の方法、キットまたは使用。
[本発明1020]
モジュレータが、界面活性剤によって形成されたミセルを分解するように該界面活性剤を結合できるタンパク質をさらに含む、本発明1012〜1019のいずれかの方法、キットまたは使用。
[本発明1021]
タンパク質がアルブミンである、本発明1020の方法、キットまたは使用。
[本発明1022]
アルブミンがヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミンおよび/またはオボアルブミンである、本発明1021の方法、キットまたは使用。
[本発明1023]
内毒素マスカが界面活性剤および/または薬理活性成分(API)である、前記本発明のいずれかの方法、キットまたは使用。
[本発明1024]
界面活性剤が、陰イオン性界面活性剤; 陽イオン性界面活性剤; 非イオン性界面活性剤; 両性界面活性剤; およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、本発明1023の方法、キットまたは使用。
[本発明1025]
陰イオン性界面活性剤が、アルキル硫酸塩、好ましくはラウリル硫酸アンモニウムまたはラウリル硫酸ナトリウム(SDS); アルキル-エーテル硫酸塩、好ましくはラウレス硫酸ナトリウムまたはミレス硫酸ナトリウム; コレステロール硫酸; スルホネート、好ましくはドデシルベンゼンスルホネート、ラウリルスルホ酢酸ナトリウムまたはキシレンスルホネート; アルキルスルホコハク酸塩、好ましくはスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム; スルホキシド、好ましくはジデシルメチルスルホキシド(didecyl methyl sulfoxide); リン酸塩、好ましくはトリラウレス-4リン酸塩; およびカルボン酸塩、好ましくはステアリン酸ナトリウムまたはラウロイルサルコシン酸ナトリウムからなる群より選択される、本発明1024の方法、キットまたは使用。
[本発明1026]
陽イオン性界面活性剤が、第一級アミン; 第二級アミン; 第三級アミン; およびアルキルトリメチルアンモニウム塩(好ましくはセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB); またはセチルトリメチルアンモニウムクロライド(CTAC))のような第四アンモニウム陽イオン; 塩化セチルピリジニウム(CPC); 第四級アンモニウム界面活性剤、好ましくはトリス[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]-オクタデシル-アンモニウムホスフェート(クオタニウム52); ならびに四級化ヒドロキシエチルセルロースエトキシレート(ポリクオタニウム-10)からなる群より選択される、本発明1024の方法、キットまたは使用。
[本発明1027]
非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル(ポリソルベート)、好ましくはポリソルベート20 (Tween-20)、ポリソルベート40、ポリソルベート60またはポリソルベート80 (Tween-80); ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル; ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル; グルコシドアルキルエーテル; ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル; ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル; グリセロールアルキルエステル; ソルビタンアルキルエステル; ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのブロック共重合体; コカミドMEA; ステロール、好ましくはコレステロール; シクロデキストリン; ポロキサマー、好ましくはプルロニックブロック重合体; ならびにコカミドDEAからなる群より選択される、本発明1024の方法、キットまたは使用。
[本発明1028]
両性界面活性剤が、CHAPS (3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート); スルタイン、好ましくはコカミドプロピルヒドロキシスルタイン; ベタイン、好ましくはコカミドプロピルベタイン; アミノオキシド、好ましくはパルミタミンオキシド、ラウリルアミンオキシドおよび式中R 3 がC 8 〜C 18 アルキル、C 8 〜C 18 アルケニル、C 8 〜C 18 アルキニルである、一般式R 3 N + O - のアミンオキシドまたはレシチンからなる群より選択される、本発明1024の方法、キットまたは使用。
[本発明1029]
APIがタンパク質APIである、本発明1023の方法、キットまたは使用。
[本発明1030]
タンパク質が、抗体; 抗体断片; ホルモン; 酵素; 融合タンパク質; タンパク質結合体; およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、本発明1029の方法、キットまたは使用。
[本発明1031]
抗体断片が、Fab; Fab'; F(ab')2; Fv; 一本鎖抗体; およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、本発明1030の方法、キットまたは使用。
[本発明1032]
抗体が、完全ヒト抗体; 抗イディオタイプ抗体; ヒト化抗体; 二重特異性抗体; キメラ抗体; CDR移植抗体; モノクローナル抗体; ポリクローナル抗体; およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、本発明1030の方法、キットまたは使用。
本発明の他の態様は、以下の開示から容易に明らかになるであろう。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は例示的で説明的なものに過ぎず、特許請求される本発明を限定するものではないことが理解されるべきである。本出願において、特に別段の定めのない限り、単数形の使用は複数形を含む。本出願において、「または」の使用は、特に定めのない限り、「および/または」を意味する。さらに、「含む(including)」という用語ならびに「含む(includes)」および「含まれる(included)」のような他の文法的形態の使用は、限定するものではない。同じ意味で、「含む(comprising)」という用語ならびに「含む(comprises)」および「含まれる(comprised)」のような他の文法的形態の使用は、限定するものではない。説明の全体を通して節の見出しは、構成のみを目的としている。それらは、その中に記述されているさまざまな態様を限定することを特に意図するものではなく、1つの小見出しの下に記述されている要素および態様は、別の小見出しの下に記述されている要素および態様と自由に組み合わせることができるものと理解されるべきである。
上記のように、本発明の1つの局面は、内毒素マスカを含む、および該内毒素を含むことが疑われる組成物、好ましくは薬学的組成物中の内毒素を脱マスキングする方法であって、例えば、存在するなら、該内毒素と該内毒素マスカとの複合体から該内毒素を放出させることにより、該内毒素を脱マスキングできるモジュレータを該組成物に添加する段階を含む、該方法に関する。薬学的組成物は、ほとんどの場合、水性組成物であろう。
「内毒素」という用語は、細菌、特にグラム陰性細菌、すなわち内部細胞膜と細菌外膜との間に挟まれたその薄いペプチドグリカン層のため、細菌分化のグラム染色法に用いられるクリスタルバイオレット染色を保持しない、それゆえ、この方法による陽性検出を回避する細菌、の表面上に産生される分子をいう。具体的には、内毒素は、グラム陰性細菌の外膜に存在する生物学的に活性な物質である。1つの一般的なクラスの内毒素は、リポ多糖(LPS)である。本出願の目的のため、「内毒素」および「LPS」という用語は互換的に用いられる。しかしながら、本明細書の他の箇所で論じられるように、例えば異なる供給源に由来する、異なるタイプのLPSが存在すること、ならびに「内毒素」および「LPS」という用語は、これらの異なるタイプのLPSを包含するように意図されることが理解される。内毒素は、細菌の表面上に位置し、タンパク質およびリン脂質とともに、外側の細菌膜を形成する。一般的に、LPSは、異なる化学的および物理的特性を有する2つの部分: 親水性糖ドメイン(多糖)および疎水性脂質ドメイン(リピドA)から構成される。多糖において2つの異なる領域: コアオリゴ糖およびO特異的な多糖を認識することができる(M.A. Freudenberg, C. Galanos, Bacterial Lipopolysaccharides: Structure, Metabolism and Mechanisms of Action, Intern. Rev. Immunol.6, 1990)。
「内毒素マスカ」という用語は、内毒素を有する溶液中で、内毒素を、利用可能な検出方法によっては、例えばカブトガニ変形細胞溶解物(limulus amebocyte lysate; LAL)試験によっては検出不能にする物質をいう。典型的には、内毒素は、凝集形態として、すなわち、複数の、または少なくとも2つの内毒素部分が、静電相互作用、疎水性相互作用、ファンデルワールス相互作用またはそれらの任意の組み合わせのような非共有相互作用によって空間的にすぐ近くにともに保持される形態として、溶液中に存在する場合に、検出可能である。しかしながら、内毒素は、内毒素が個々の内毒素分子として可溶化されるようにその活性な凝集状態が変化すると、一般的な検出システムによって測定した場合に活性がかなり低く(検出不能に)なる、すなわちマスキングされる。内毒素の個々の分子実体は、例えば、溶液中に存在する界面活性剤によって安定化されていると推定することができる。そのような界面活性剤は、個々の内毒素部分が埋め込まれ、市販されている内毒素アッセイにおいてもはやC因子と反応できない界面活性剤ミセルを形成することによって、個々の内毒素部分を安定化させると推定される。ある種のタンパク質はまた、検出不能な可溶性形態の内毒素の安定化に影響を与え、または寄与しうる。例えば、そのようなタンパク質は、個々の内毒素分子に、安定な結合に適した環境を供与し、それによって、そうでなければ検出可能な内毒素の凝集体を分解し、および/または利用可能な内毒素アッセイ法において内毒素分子がC因子と相互作用するのを防ぐ結合溝を内毒素に提示しうる。
本明細書において用いられる「モジュレータ」という用語は、単独でまたは協調して、マスキングされた内毒素を、内毒素アッセイ法(Hyglos GmbHから入手可能なEndoLISA(登録商標)検出アッセイ法のような)による検出に対して感受性にさせる1つまたは複数の化合物をいう。本明細書において用いられる「モジュレータ」という用語は、この目的を達成する単一成分と複数成分の両方を包含しうる。本明細書における以下のいくつかの例では、「モジュレータシステム」について言及するが、「モジュレータ」という用語は、協調して働くように意図された複数のモジュレータ物質を示すために用いられることもある。これは、マスキングされた内毒素を、内毒素アッセイ法によって検出可能にさせるために協調して作用する複数の物質を含む多成分モジュレータをいう。モジュレータシステムのさまざまな成分は、さまざまな理由のために、すなわち、さまざまな方法で内毒素と内毒素マスカとの複合体の安定性に影響を与えるモジュレータ物質のさまざまな機能を利用するために組み入れられうる。参照しやすいように、例えば、内毒素を脱マスキングするために単独でまたは一緒に利用されうる異なる種類のモジュレータを参照することができる:
・「破壊モジュレータ」: 「破壊モジュレータ」は、内毒素マスカと内毒素との複合体を完全にまたは部分的に分解するモジュレータである。内毒素マスカが界面活性剤であり、内毒素がマスキング界面活性剤ミセルの脂質層に挿入された可溶化形態としてマスキングされる場合、そのような界面活性剤ミセルを破壊して内毒素を遊離させるモジュレータは、破壊モジュレータといわれよう。以下でさらに詳細に論じられるように、1-ドデカノールは、そのような破壊モジュレータの1つである。破壊モジュレータ、例えば1-ドデカノール、1-デカン酸またはオクチル硫酸ナトリウム(SOS)は、有利には、脱マスキングプロセスにおいて0.01〜100 mMの濃度範囲で、好ましくは0.1〜10 mMの濃度範囲で、好ましくは10 mMの濃度で用いられうる。場合によっては、破壊モジュレータは、以下に記述する再構成モジュレータとして同時に機能することもある。
・「吸着モジュレータ」: 「吸着モジュレータ」は、可溶化されそれゆえ検出不能な形態で内毒素をそうでなければ安定化させる物質を結合する能力を有するモジュレータである。例えば、内毒素マスカが、例えばいくつかの薬学的組成物に含まれる、界面活性剤である場合、界面活性剤の分子に結合し、このようにして内毒素安定化ミセルの分解に寄与するモジュレータは、吸着モジュレータといわれよう。以下でさらに詳細に論じられるように、BSAはそのような吸着モジュレータの1つである。吸着モジュレータとして、例えば、BSAは、有利には、脱マスキングプロセスにおいて0.1〜20 mg/mLの濃度範囲で、好ましくは1〜10 mg/mLの濃度範囲で、好ましくは10 mg/mlの濃度で用いられうる。
・「置換モジュレータ」: 「置換モジュレータ」は、内毒素マスカ中または内毒素マスカ上のその安定な結合位置から内毒素の分子を完全にまたは部分的に置換する能力を有するモジュレータである。例えば、内毒素マスカがタンパク質であり、内毒素が、検出不能な形態として内毒素を安定化させるタンパク質の中または上に結合している場合、例えば疎水性相互作用によって、タンパク質の中または上の内毒素を置換する能力を有するモジュレータは、置換モジュレータといわれよう。以下でさらに詳細に論じられるように、SDSはそのような置換モジュレータの1つである。置換モジュレータ、例えばSDSは、有利には、脱マスキングプロセスにおいて0.01〜1重量%の濃度範囲で、好ましくは0.05〜0.5重量%の濃度範囲で、好ましくは0.02〜0.2重量%の濃度範囲で、好ましくは0.1重量%の濃度で用いられうる。
・「再構成モジュレータ」: 「再構成モジュレータ」は、(例えば、上記で論じられたように、破壊モジュレータまたは置換モジュレータによる)内毒素マスカからの遊離後に内毒素を一時的に安定化し、かくして遊離され、可溶化された(検出不能な)内毒素が凝集した(検出可能な)形態をとることを助ける能力を有するモジュレータである。再構成モジュレータの助けを借りて、可溶化された内毒素は、凝集した内毒素として再構成される。以下でさらに詳細に論じられるように、1-ドデカノールはそのような再構成モジュレータの1つである。再構成モジュレータ、例えば1-ドデカノール、1-デカン酸またはオクチル硫酸ナトリウム(SOS)は、有利には、脱マスキングプロセスにおいて0.01〜100 mMの濃度範囲で、好ましくは0.1〜10 mMの濃度範囲で用いられうる。場合によっては、再構成モジュレータは、上述した、破壊モジュレータとして同時に機能することもある。
本明細書において用いられる場合、「組成物」という用語は、(少なくとも)内毒素マスカを含む混合物をいう。内毒素は、たとえ存在しても、マスキングされていれば、組成物中で検出できないままである。組成物は、好ましくは、薬学的組成物、例えば薬理活性成分またはAPIを含む組成物である。「組成物」という用語は、例えば抽出物; ワクチン; 非経口投与に適した任意の組成物、すなわちパレンタリア(parentalia); 腹腔内投与、経皮投与、皮下投与もしくは局所投与に適した任意の組成物; 血液製剤; 細胞治療溶液、例えば、インタクトな生存細胞、例えば、がん細胞と戦うことができるT細胞; 遺伝子療法溶液、例えば疾患を処置するための薬物として患者の細胞に核酸重合体を送達することができる溶液; インプラントもしくは医療装置; または例えば医療装置、インプラントもしくは充填機である対象物の表面をすすぐもしくは拭き取ることによって得られる組成物でありうる。
本明細書において用いられる場合、「検出方法」という用語は、溶液中の内毒素を検出するのに適している方法をいう。例えば、この関連で適当な方法は、カブトガニに基づく検出方法であり、または酵素免疫測定法(ELISA)である。カブトガニでの方法は、天然由来の溶解物(J. Jorgensen, R. Smith, Perparation, Sensitivity, and Specificity of Limulus Lysate for Endotoxin Assay, Applied Microbiology, 1973)または組み換えにより調製されたC因子(J. L. Ding, B. Ho, A new era in pyrogen testing, Trends in Biotechnology, 2001)を用いることにより慣行に従って行うことができる。そのような方法のうちで最も有望なのは、内毒素の捕捉とその後のLALアッセイ法での組み換え型のタンパク質、C因子による検出のために固相を用いる、酵素結合親和性吸着アッセイ法である。EndoLISA(登録商標)キットは、そのような親和性吸着アッセイ法の1つである(H. Grallert, S. Leopoldseder, M. Schuett, P. Kurze, B. Buchberger, EndoLISA(登録商標): a novel and reliable method for endotoxin detection, Nature Methods, 2011)。EndoLISA(登録商標)検出システムは、例えば書籍Michael Rieth, October 2012, Wiley-VCH, Weinheim, ISBN 978-3-527-33087-4による「Pharmazeutische Mikrobiologie - Qualitatssicherung, Monitoring, Betriebshygiene」に記述されている。
本発明のさらなる態様によれば、上記の、内毒素を脱マスキングする方法および/または内毒素を検出する方法は、溶液中での水素結合の安定性に影響を与える作用物質を組成物に添加する段階をさらに含みうる。一般に、本明細書において用いられる場合、溶液中での水素結合の安定性に影響を与える作用物質は、内毒素の個々の分子または複数の分子が可溶化され、かくしてマスキングされている複合体を不安定化するように溶液状態を変化させる。
図1は、内毒素を界面活性剤ミセル中に個別化された形態でマスキングしている界面活性剤とともに溶液中に内毒素が存在するシナリオを描く。図1のパネル(a)は、そのような界面活性剤ミセルの脂質層の中に脂質尾部を介して挿入される単一の内毒素部分を示す。界面活性剤ミセルの脂質層を構成する界面活性剤分子は、パネル(a)で白丸として記号表示されている。内毒素のこの単一部分は、多量体の、凝集した形態ではなく、ミセルの脂質層中に個々の形態で安定に挿入されるので、利用可能な検出方法(例えばHyglos GmbHのEndoLISA(登録商標)アッセイ法)を用いた検出を回避する。図1のパネル(a)に示される溶液がAPIをさらに含有する薬学的製剤である場合、内毒素が溶液中に存在するにもかかわらず、内毒素不含、それゆえ投与に安全であるように見えよう。そのような表向きは内毒素不含の製剤を患者に投与することは、かくして上記の内毒素に対する危険な免疫学的かつ有害な応答のタイプを無意識のうちに誘発する危険性があろう。
図2に描かれる最初のシナリオは図1に描かれたシナリオによく似ている: 単一分子の内毒素が界面活性剤ミセル(個々の界面活性剤分子を表す白丸の環で記号表示されている)に挿入され、かくして安定に個別化され、検出を回避するようにマスキングされている。パネル(a)と(b)との間に、破壊かつ再構成モジュレータとして同時に機能する非タンパク質成分と、吸着モジュレータとして機能するタンパク質成分の両方を含む二成分モジュレータシステムの添加が見て取れる。破壊かつ再構成モジュレータ、例えば、界面活性剤ミセルを破壊し、遊離された内毒素を安定化/再構成することを助長し、それ自体のミセルを形成させることのない1-ドデカノールは、図1について上述された通りでありうる。吸着モジュレータは、例えば、図1に描かれたものよりも安定的で、かつ破壊モジュレータのみでは所望の破壊を達成するのに十分ではない可能性がある界面活性剤ミセルの破壊を促進するためにモジュレータの一部として添加されうる。
図1および2に描かれたシナリオでは、溶液状態は、モジュレータシステムの使用のみで、界面活性剤ミセルのマスキングを破壊するのに十分であるようなものであった。別の見方をすると、図1および2に示される界面活性剤のマスキングミセルのいずれも、破壊モジュレータのみを用いた破壊に耐えるほど安定ではなかった。さらに、図1および2の状況は、内毒素の可溶化形態と凝集形態との間の平衡が凝集形態に向かっており、したがってこの凝集形態の検出は、いかなるさらなる方策もとる必要なく、示された溶液状態の下で可能であるようなものでもあった。
図4は、内毒素が溶液中のタンパク質によってマスキングされるシナリオの概略図である。これは図4のパネル(a)に示されている。図4に描かれるシナリオでは、例えば薬学的製剤中のAPIでありうるタンパク質は、内毒素を安定して結合するのに立体的にも静電的にもともに適している結合溝を呈する。このようにして、タンパク質マスカは内毒素の分子を結合し、それらを検出不能にさせる。図4のパネル(a)と(b)の間の平衡矢印の上に付記された置換モジュレータで記号表示されている、モジュレータ成分の添加は、内毒素をタンパク質マスカ上のその結合部位から移動させる。この置換モジュレータは、例えば、上記で論じられたように「8〜16個の炭素原子を含む第2のヘテロ原子置換脂肪族化合物」でありうる。置換モジュレータが、例えば、ドデシル硫酸ナトリウムであるような場合、この置換モジュレータは、マスキングタンパク質の表面に結合し、内毒素の分子を該タンパク質の結合溝内のその安定な結合位置から移動させうる。これは、図4のパネル(b)の左部分に示されている。さらに、パネル(b)の右部分に点で描いた円によって記号表示されているように、置換モジュレータ成分はまた、それ自体の一過性ミセルを形成し、タンパク質マスカから遊離された内毒素を、ミセルの脂質層に安定して挿入された形態で本質的にシャペロンしうる。図4のパネル(b)に示される平衡の正確な位置は、置換モジュレータがマスキングタンパク質の表面に結合する有効性(パネル(b)の左部分)、および形成されたミセルの安定性(パネル(b)の右部分)に依る。
図5に示される最初のシナリオは、図4に示されるシナリオに対応する: 内毒素は、組成物中に存在するタンパク質中またはタンパク質上に安定して結合されている。例えばAPIでありうる組成物中のこのタンパク質はかくして、「内毒素マスカ」として機能する。図3に描かれたシナリオとの関連で既に論じられているように、内毒素は、図5のパネル(a)において内毒素マスカと非常に安定に複合体を形成しているので、モジュレータの単純な添加のみではそれを遊離させることができない。上記の図3において、内毒素マスカは、内毒素の単一分子が非常に安定に挿入されたミセルを形成する界面活性剤であった。図5においては、内毒素マスカは、安定した内毒素結合に適した結合部位を有するタンパク質である。しかし、原理は同じままである: 界面活性剤ミセルの脂質層(図3)に挿入されるか、またはタンパク質中もしくはタンパク質上に安定して存在するかにかかわらず、内毒素は、モジュレータの単純な添加では克服できない程度に安定化され、そのような程度まで可溶化された内毒素は検出不能なままである。
多くのタンパク質API、例えば、抗体、抗体断片、ホルモン、酵素、融合タンパク質またはタンパク質結合体は、望ましくないタンパク質凝集を回避するために界面活性剤を溶液中に含めなければならないほど高濃度で製剤化され市販されている。図6に示される最初のシナリオはかくして、界面活性剤およびタンパク質(例えばAPIタンパク質)マスカの両方が存在するため、薬学的製剤の分野における最も重要な状況の1つを代表する。内毒素の分子は、界面活性剤ミセルの脂質層(この場合も先と同様に個々の界面活性剤分子を表す白丸の環で記号表示されている)に挿入されているとして、およびマスキングタンパク質中またはマスキングタンパク質上に結合されているとして示されている。実際には、これらの2つの種は、平衡状態で存在する可能性が高く、この平衡の相対的位置は、ミセル結合内毒素種またはタンパク質結合内毒素種のいずれかに向かって、それぞれの複合体の相対的安定性によって決定される。他の全てのものが等しいとすれば、より低い自由エネルギー、それゆえより大きな安定性の複合体が一般に優勢になるであろう。
内毒素マスキングは薬学的組成物、特に生物医薬品(biopharmaceutical drug product)における一般的な現象である。内毒素のマスキングは、いくつかの要因により推進され、最後には、医薬品中の内毒素の非検出可能性に至る、または少なくとも検出可能性の低下に至る。
生物医薬製剤(biopharmaceutical formulation)にクエン酸塩およびポリソルベート20が含まれることが多いので、最初の実験にはポリソルベート20/クエン酸塩のマスキングシステムを選択した。これらの実験は、本明細書において記述される破壊かつ再構成モジュレータの添加により、マスキングされた内毒素が界面活性剤マスカとの複合体から放出されうるかどうかを判定することが意図される。
内毒素マスキングは以下のように行った。0.05% (w/v)のポリソルベート20を含有する10 mMクエン酸塩pH 7.5の水性アリコット1 mlを、内毒素不含のガラス試験管中で調製した。その後、10,000 EU/ml LPSストック溶液(LPS 055 B5, Sigma L2637-5MG) 10 μlを添加し、得られた溶液を1分間ボルテックスし、室温で少なくとも24時間保存した。マスキングされていないLPSを含有する陽性LPS対照として、10,000 EU/ml LPSストック溶液10 μlを内毒素不含水1 mlに添加し、混合し、マスキング調製物と同じように、しかしポリソルベート20なしでインキュベートした。LPS-水陽性対照は、以下でさらに詳細に記述される。
図7および表1 (下記)の回収率データは、20〜2.5 mMの濃度のBSAおよび/または1-ドデカノールの添加により、マスキングされた内毒素を100%超の程度まで回収できることを示す。BSAが存在しない場合、100%の回収率は達成できないものの、10〜2.5 mMの1-ドデカノールの範囲内で50%を超え、5 mM 1-ドデカノールでおよそ90%の最大回収率を有する。
この実験では、破壊かつ再構成モジュレータとしてさまざまなアルキルアルコールを用いることについて調べた。この実施例において記述される実験の1つの目的は、アルコールのアルキル鎖長と脱マスキング効率との関係を調べることであった。この目的のため、さまざまな濃度でのC8〜C18の炭素原子鎖長を有するアルコールの添加により脱マスキングを行った。
内毒素マスキングは、実施例1に記述されているように行った。1-ドデカノール(炭素12個のアルキル鎖を有する)について実施例1に記述したように、モジュレータ(破壊かつ再構成モジュレータ)として異なるアルキル鎖長(C8、C10、C12、C14、C16、C18)の非分枝1-アルコールのストック溶液を添加することによって脱マスキングを行った。ストック溶液の各々を100%エタノールに溶解した。実施例1において上述した特定の実験とは対照的に、この脱マスキング実験には他のモジュレータ成分、例えばBSAを含めなかった。内毒素濃度の分析は、EndoLISA(登録商標)キット(Hyglos GmbH)を用いて行い、その後の内毒素回収率の計算は、LPS-水対照サンプルにおけるLPSの百分率として表した。LPS-水陽性対照は、上記の実施例1で詳細に説明されている。
表2 (下記)は、アルコールにおけるアルキル鎖の長さおよびアルコール濃度に応じた、脱マスキングされた内毒素の割合を示す。
1-ドデカノール単独でのポリソルベート20からの内毒素の脱マスキングが、マスキング界面活性剤および1-ドデカノールが同等または類似のアルキル鎖長であることによって促進されるという仮説を調べるために、異なる鎖長および異なる構造のマスキング界面活性剤を用いてさまざまな実験をデザインし、これらを次いで、固定したアルキル鎖長の破壊かつ再構成モジュレータ(C12アルキル鎖を有する、1-ドデカノール)を用いて脱マスキングした。この目的のため、マスキングされたサンプルをポリソルベート80およびトライトンX-100中で調製し、これらを続いて、異なる濃度の1-ドデカノールを用いて、1-ドデカノールまたはBSA/1-ドデカノールで脱マスキングした。
内毒素マスキングは以下のように行った: 0.05%のポリソルベート20、ポリソルベート80またはトライトンX-100を含有する10 mMクエン酸塩pH 7.5のアリコット1 mlを、内毒素不含のガラス試験管中で調製した。その後、10,000 EU/ml LPSストック溶液(LPS 055 B5, Sigma L2637-5MG) 10 μlを添加し、1分間ボルテックスし、室温で少なくとも24時間保存した。陽性LPS対照として、10,000 EU/ml LPSストック溶液10 μlを内毒素不含水1 mlに添加し、混合し、マスキング調製物と同じようにインキュベートした。陽性LPS-水対照は、上記の実施例1で詳細に論じられている。
表3 (下記)は、BSA (吸着モジュレータ)の非存在下または存在下での、1-ドデカノール(破壊かつ再構成モジュレータ)濃度に応じた、ポリソルベート20/クエン酸塩、ポリソルベート80/クエン酸塩およびトライトンX-100/クエン酸塩の各マスキングシステムからの脱マスキング後のLPSの回収率を示す。
BSA (吸着モジュレータ)および1-ドデカノール(破壊かつ再構成モジュレータ)の二重モジュレータシステムを用いたトライトンX-100マスキングシステムからのLPSの低い回収率は、トライトンX-100およびLPSによって形成された複合体の高い安定性によるものでありうる。この高い安定性は、1-ドデカノールの破壊作用およびBSAによる界面活性剤の吸着によるトライトンX-100の内毒素マスキングミセルの、所望の破壊を妨げうる。
内毒素マスキングは以下のように行った: 0.05%トライトンX-100を含有する10 mMクエン酸塩pH 7.5のアリコット1 mlを、内毒素不含のガラス試験管中で調製した。その後、10,000 EU/ml LPSストック溶液(LPS 055 B5, Sigma L2637-5MG) 10 μlを添加し、1分間ボルテックスし、室温で少なくとも24時間保存した。陽性LPS対照として、10,000 EU/ml LPSストック溶液10 μlを内毒素不含水1 mlに添加し、混合し、マスキング調製物と同一の方法でインキュベートした。陽性LPS-水対照は、上記の実施例1で詳細に論じられている。
図8は、CaCl2 (C)、BSA (B; 吸着モジュレータ)、SDS (S; 置換モジュレータ)および1-ドデカノール(D; 破壊かつ再構成モジュレータ)の組み合わせの添加に応じたLPS回収の割合を示す。唯一の(破壊かつ再構成)モジュレータとしての1-ドデカノールは、トリトンX-100マスキング複合体からLPSを効率的に脱マスキングしない。二成分モジュレータシステムとしてBSA (吸着モジュレータ)および1-ドデカノール(破壊かつ再構成モジュレータ)を添加することで、およそ20%の回収率が得られる。CaCl2のようなカオトロピック塩またはSDS (置換モジュレータ)のようなさらなるモジュレータをさらに添加しても、20%を超えるLPS回収率は得られない。しかしながら、CaCl2、BSA (吸着モジュレータ)、SDS (置換モジュレータ)および1-ドデカノール(破壊かつ再構成モジュレータ)を添加することで、100%超のLPS回収率が得られる。
CaCl2、BSA、SDSおよび1-ドデカノールの組み合わせを用いてトライトンX-100マスキングシステムからの効果的な脱マスキングが観察されたので、ポリソルベートマスキングシステムから始まるこの手法の脱マスキング効率に関する問題が残る。この問題に答えるため、内毒素をポリソルベート20、80およびトライトンX-100 /クエン酸塩マスキングシステムにおいてマスキングし、その後、1-ドデカノール単独; BSAおよび1-ドデカノールの組み合わせ; またはCaCl2、BSA、SDSおよび1-ドデカノールの組み合わせを用いて脱マスキングした。これらの実験では、1-ドデカノールを破壊かつ再構成モジュレータとして用い、BSAを吸着モジュレータとして用い、SDSを置換モジュレータとして用い、CaCl2を溶液中での水素結合安定性に影響を与える作用物質として用いる。
内毒素マスキングは以下のように行った: 0.05%のポリソルベート20、0.05%のポリソルベート80または0.05%のトライトンX-100のいずれかを含有する10 mMクエン酸塩pH 7.5のアリコット1 mlを、内毒素不含のガラス試験管中で調製した。その後、10,000 EU/ml LPSストック溶液(LPS 055 B5, Sigma Aldrich L2637-5MG) 10 μlを添加し、1分間ボルテックスし、室温で少なくとも24時間保存した。陽性LPS対照として、10,000 EU/ml LPSストック溶液10 μlを内毒素不含水1 mlに添加し、混合し、マスキング調製物と同じようにインキュベートした。陽性LPS-水対照の機能は、上記の実施例1に記述されている通りである。
表4 (下記)および図9は、1-ドデカノール単独; BSAおよび1-ドデカノールの組み合わせ; またはCaCl2、BSA、SDSおよび1-ドデカノール(CBSD)の組み合わせのいずれかを、さまざまな界面活性剤マスキングシステムからの脱マスキングのために用いた、LPS回収の割合を示す。
実施例1〜5における内毒素脱マスキング実験を、大腸菌(E. coli) O55:B5の市販の高精製LPS調製物で行った。保存されたLPSリピドA部分のみが毒性の原因であり、C因子に基づく検出方法での検出可能性の原因であるので、上記の脱マスキング手法は大腸菌O55:B5以外の細菌由来のLPS調製物を用いて等しく良好に作用すると仮定することができる。しかしながら、文献には、LPSのリピドA部分のアシル鎖長の差異、および側鎖の修飾も記述されている。さらに、LPSのO糖側鎖の長さは、脱マスキング手法に潜在的に影響を与えうる。さらに、精製されたLPSおよび天然に存在する内毒素(naturally occurring endotoxin; NOE)は、その脱マスキング挙動が異なりうることを無視することはできない。これらの問題に取り組み、脱マスキング手法が大腸菌O55:B5の使用LPSに特異的であるという可能性を排除するため、異なる細菌、コア糖鎖およびO糖鎖の異なる長さならびに異なる純度由来のLPSを、さまざまな界面活性剤マスキングシステムでマスキングし、その後、1-ドデカノールのみ、BSA/1-ドデカノールまたはCaCl2/BSA/SDS/1-ドデカノールのいずれかを用いて脱マスキングした。
内毒素のマスキングは以下のように行った: 0.05%のポリソルベート20、0.05%のポリソルベート80または0.05%のトライトンX-100のいずれかおよび10 mMクエン酸塩pH 7.5を含有するマスキングサンプル1 mlに、異なるタイプの、および異なる供給源からのLPSサンプルを(およそ50 EU/mL)添加した。LPS供給源、タイプおよび供給業者を表5 (下記)に示す。NOEは、無菌ろ過によってLB培地中での静止期への増殖後の細菌培養上清から生成された。保存料として、0.05%のアジ化ナトリウムを添加した。凍結乾燥されたLPSを内毒素不含水に溶解した。表5〜7中で供給業者が「LMU」と表示されているLPS溶液は、ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンのA. Wieser博士から親切にも頂いたものであった。LPSストック溶液の内毒素含量は、EndoZyme(登録商標)キット(Hyglos GmbH)を用いて判定し、内毒素不含水中およそ5000 EU/mlのLPSのストック溶液が生成された。これらの溶液から10 μlをマスキングサンプル1 mlに添加した。その後、サンプルは、室温で7日間各LPSをマスキングさせた。
表5〜7 (下記)は、異なる界面活性剤マスキングシステムからの異なる供給源およびタイプ由来LPSのマスキング後および脱マスキング後のLPS回収率を示す。具体的には、表5はTween20/クエン酸塩のマスキングシステムに対して得られた結果を示し; 表6はTween80/クエン酸塩のマスキングシステムに対して得られた結果を示し; および表7はトライトンX-100/クエン酸塩のマスキングシステムに対して得られた結果を示す。
以前の実験では、界面活性剤マスキングシステムからのLPSの脱マスキングを調査している。しかしながら、本明細書において上述されるように、界面活性剤は、内毒素を検出からマスキングできる唯一の物質ではない。タンパク質(例えばタンパク質API)も、その構造上または構造内に内毒素が結合できる結合部位を含む場合、内毒素を検出からマスキングすることができ、かくして検出を回避することができる。本実験はそれゆえ、界面活性剤ではなくタンパク質による内毒素(LPS)のマスキングに関する。リゾチームは、内毒素を結合するその能力が公知であるため、これらの実験でマスキングタンパク質として用いた(例えばOhno & Morrison (1999). J. Biol. Chemistry 264(8), 4434-4441を参照のこと)。
内毒素マスキングは以下のように行った: 50 EU/mlのLPS (大腸菌O55:B5)を、1 mg/mlの鶏卵卵白リゾチーム(Sigma Aldrich)を含有する10 mMクエン酸緩衝液, pH 7.5中で7日間、室温でインキュベートした。
表8 (下記)は、添加された成分に応じたタンパク質マスカ(リゾチーム)からの脱マスキング効率を示す。
本明細書において上述されるように、(再構成モジュレータとして用いられる) 1-アルキルアルコールは、検出可能なLPS構造の形成を促進することが分かっている。それゆえ、1-アルキルアルコール以外の他のタイプの物質が同様に検出可能な形態のLPSを促進する能力を有するかどうかを調べることが望まれた。本実施例は、検出可能なLPS構造の形成を支持することができうる1-アルキル-アルコール以外の物質のスクリーニングの結果を示す。
LPS (大腸菌O55:B5, Sigma) 100 EU/mlを室温で24時間、ポリソルベート20/クエン酸塩中でマスキングした。脱マスキングは、マスキングされたLPSの溶液10部へのCaCl2 (1 Mでの)、BSA (100 mg/mLでの)、SDS (1%での)および物質Xのストック溶液1部の順次添加により開始されたが、ここで「物質X」は、再構成モジュレータとしての能力を試験すべき1-アルキルアルコール以外の物質に相当した。物質Xを異なる濃度で滴定した。脱マスキング後、サンプルを内毒素不含水中で10分の1および100分の1希釈し、EndoLISA(登録商標)キット(Hyglos GmbH)を用い検出可能な内毒素について分析した。
表9 (下記)は、モジュレータとして用いられた物質に応じた脱マスキング後の最大LPS回収率を示す。さらに、脱マスキングのための各物質のストック溶液の適当な濃度を示す。
ポリソルベート80を含むマスキングされたサンプル中でのウシ血清アルブミン(BSA)の添加による脱マスキングの改善に関する検証の一部として、異なる供給源由来のアルブミンを試験した。
ポリソルベート80/クエン酸塩緩衝液中50 EU/mlのLPS (O55:B5)を含有するマスキングされたサンプル(1 ml)を、異なる濃度のアルブミン(ウシ血清アルブミン(BSA)、ごく少量の内毒素, Serva GmbH; ヒト血清アルブミン(ピキア酵母(Pichia pastoris)において組み換えにより産生されたHSA (Sigma Aldrich); およびオボアルブミン(Ova), EndoGrade Ovalbumin, Hyglos GmbH)を有するストック溶液100 μlの添加、および引き続いて100 mM 1-ドデカノールストック溶液100 μlの添加によって脱マスキングした。アルブミンストック溶液の濃度は、100、33、10、3.3および1 mg/mlであった。オボアルブミンの水への溶解度が低いため、オボアルブミンの100 mg/ml溶液は調製されなかった。
表10 (下記)は、異なる供給源由来のアルブミンに応じた、ポリソルベート80/クエン酸塩マスキングシステムからの脱マスキング効率を示す。
物質CaCl2 (水素結合に影響を与える作用物質)、BSA (吸着モジュレータ)、SDS (置換モジュレータ)および1-ドデカノール(再構成モジュレータ)の組み合わせ(この組み合わせ全体は「CBSD」といわれる)を用いた脱マスキングは、例えばトライトンX-100によってマスキングされた場合にLPSを効率的に脱マスキングすることを上記に示した。本実験では、脱マスキング効率に及ぼすカオトロピック塩(水素結合の安定性に影響を与える作用物質)の性質の効果を調べる。この目的のため、以下の実験では、いずれの場合にも対応する塩化物塩として提示される、漸増するカオトロピック特性の塩: Na+、Mg2+およびCa2+を利用する。
内毒素マスキングは以下のように行った: 50 EU/mlの大腸菌LPS O55:B5を、0.05%トライトンX-100を含有する10 mMのクエン酸塩緩衝溶液(pH 7.5)中で室温にて3日間インキュベートさせることによってマスキングした。ここで、トライトンX-100は界面活性剤マスカとして機能した。
表11 (下記)は、各カオトロピック塩に応じた内毒素回収の割合および脱マスキングサンプル中での各塩の最も最適な終濃度を示す。
薬理活性成分(API)としてタンパク質(例えば抗体)を含有する薬物の大部分の製剤は、クエン酸塩またはリン酸塩中でともに緩衝化されたポリソルベート20または80のような非イオン性界面活性剤を含有する。そのような製剤において、界面活性剤の濃度は、通常、各界面活性剤の臨界ミセル濃度(critical micellar concentration; CMC)を上回る。さらに、そのような製剤のpH値は、APIの最適な安定性を確保するために調整されることが多い。
内毒素のマスキングは以下のように行った: 各々がさまざまなpH値の10 mMのリン酸塩緩衝液および0.05%のポリソルベート20またはポリソルベート80のどちらかを含有している、サンプル1 mlに、100 EU/mlの大腸菌LPS O55:B5を添加した。これらの溶液を室温で7日間インキュベートすることによりマスキングを進行させた。界面活性剤を含まないリン酸塩緩衝液のLPS含有対照サンプルを調製し、インキュベートし、マスキングサンプルと並行して測定した。
表12 (下記)ならびに図10および11は、pH値に応じた7日間のマスキング後のLPS回収の割合およびマスキングされたサンプルの脱マスキング後のLPS回収の割合を示す。
上記の実施例において示されるように、CaCl2/BSA/SDS/1-ドデカノールの組み合わせによって、トライトンX-100界面活性剤によりマスキングされている内毒素が効率的に脱マスキングされた。上記のいくつかの実験は、このスキームにSDSを含めて効率的な脱マスキングを達成することの重要性を示唆している。本実施例において記述される実験の目的は、SDSを用いて観察される脱マスキング効果に悪影響を及ぼすことなく、モジュレータ成分SDS (ここでは、破壊モジュレータとして)を別の界面活性剤と交換できるかどうかを調べることである。
内毒素のマスキングは以下のように行った: 0.05%のトライトンX-100を含有する10 mMクエン酸塩pH 7.5のアリコット1 mlを、内毒素不含のガラス試験管中で調製した。その後、10,000 EU/ml LPSストック溶液(LPS 055 B5, Sigma L2637-5MG) 10 μlを添加し、1分間ボルテックスし、室温で少なくとも24時間保存した。水中での陽性LPS対照を以下のように調製した: 10,000 EU/ml LPSストック溶液10 μlを内毒素不含水1 mlに添加し、混合し、マスキング調製物と同じようにインキュベートした。陽性LPS-水対照に関するさらなる詳細は、実施例1において示されている。
表13は、CaCl2/BSA [界面活性剤X]/1-ドデカノール脱マスキング手法においてSDS以外の界面活性剤を用いた脱マスキング後のLPS回収の割合を示す。
タンパク質に基づく医薬品のうち最も一般的に使われる製剤は、リン酸塩緩衝液および非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート20またはポリソルベート80などを含有する。さらに、抗体は、最もよく製剤化される薬学的タンパク質製品の1つを構成する。これを念頭に置いて、本発明者らは、リン酸塩中で緩衝化された抗体であるタンパク質および界面活性剤の両方を含有するシステムにおいて内毒素を脱マスキングするのに、界面活性剤マスキングシステムまたはタンパク質マスキングシステムのための上記の脱マスキング手法が適しているかどうかを確認しようとした。これらの実験でマスキング界面活性剤としてポリソルベート20および80を選択した。というのは、これらの2つの界面活性剤が、タンパク質製剤において最も一般的に使われる界面活性剤であるためである。
内毒素マスキングは以下のように行った: 50 EU/mlの内毒素(大腸菌O55:B5; Sigma L2637-5MG)を、10 mMリン酸ナトリウムpH 7.5および50 mM NaClに溶解した、10 mg/mlのウシポリクローナルIgG抗体調製物を含有する抗体溶液のアリコット1 mlに添加した。その後、ポリソルベート20またはポリソルベート80のいずれかを0.05%の終濃度まで添加し、この溶液を室温で3日間インキュベートしてマスキングを行わせた。さらに、界面活性剤または抗体を含まない緩衝溶液、および抗体または各ポリソルベートのいずれかを含有する緩衝溶液を含んだ対照を調製し、マスキングサンプルと同様に処理した。各対照は、同じ量のLPSを含有していた。
表14a (下記)は室温で3日間のインキュベーション後の、水対照、界面活性剤を含まない緩衝液、抗体または界面活性剤を含有する緩衝液ならびに抗体および界面活性剤を含有する緩衝液のLPS回収の割合を示す。
上記の実施例14で、本明細書において記述される本発明の脱マスキング手法は、界面活性剤および緩衝タンパク質(抗体)の両方を含有する脱マスキング組成物に適していることが分かった。これを考慮して、脱マスキング効率に及ぼす緩衝液の影響を調べることが次に望まれた。この目的のため、本発明者らは、pH 7.5の10 mMクエン酸塩緩衝液または10 mMリン酸塩緩衝液を選択した。というのは、これらがタンパク質製剤において最も一般的に使われる緩衝液であるためである。
内毒素マスキングは以下のように行った: 50 EU/mlの内毒素(大腸菌O55:B5; Sigma L2637-5MG)を、50 mM塩化ナトリウムを含有する10 mMリン酸ナトリウムまたは150 mM塩化ナトリウムを含有する10 mMクエン酸ナトリウムpH 7.5のいずれかに溶解した、10 mg/mlのウシポリクローナルIgG抗体調製物を含有する抗体溶液のアリコット1 mlに添加した。その後、ポリソルベート20を0.05%の終濃度まで添加し、サンプルを室温で3日間マスキングした。さらに、界面活性剤または抗体を含まない緩衝溶液、および抗体または各ポリソルベートのいずれかを含有する緩衝溶液を含んだ陽性対照を調製し、マスキングサンプルと同様に処理した。各陽性対照は、同じ量のLPSを含有していた。
表15 (下記)はクエン酸塩またはリン酸塩のいずれかを緩衝物質として含有する、マスキング後および脱マスキング後の抗体溶液からのLPS回収の割合を示す。
脱マスキングが、既知の供給源由来のLPSを含有する溶液から可能であるだけではないことを示すため、本発明者らは、LPSの供給源が未知である、LPS汚染物質を含有する市販の診断用マウスモノクローナル抗体を試験した。さらに、この抗体を、既知の抗体医薬品リツキシマブ(マブセラ(登録商標)、リツキサン(登録商標))の製剤に対応する緩衝液組成物に溶解した。
内毒素汚染物質の判定: pH 6.5のクエン酸塩および塩化ナトリウムを含有する溶液にマウスモノクローナル抗体(MAB 33, Roche Diagnostics)を溶解し、4℃で保存した。クエン酸塩、塩化ナトリウムおよび抗体の終濃度は、それぞれ25 mM、150 mMおよび10 mg/mlであった。抗体の可溶化直後に、EndoZyme(登録商標)およびEndoLISA(登録商標)検出キット(Hyglos GmbH)を用いて内毒素含量を分析した。判定された内毒素含量は、11 EU/mgの抗体であった。
表16 (下記)は、マスキング時間、ポリソルベート80の有無および抗体/ポリソルベート80溶液からの脱マスキングに応じた内毒素回収の割合を示す。
上記の実施例において示されるように、存在することが疑われるが、しかし組成物中でマスキングされている内毒素を脱マスキングするためにとられる手法の選択は、いくつかの因子に依るであろう。例えば、上記の実施例が示したように、本明細書において上記に定義の、破壊モジュレータと再構成モジュレータの役割を兼ねる単一成分モジュレータを用いて効率的な脱マスキングを達成することが可能なこともある。一方で、場合によっては、内毒素が遊離され、検出されうる凝集形態へ媒介されうるように十分に内毒素/内毒素マスカ複合体を不安定化させ、破壊させるために、どのような方策が必要とされるかに応じて、モジュレータは、2つまたは複数の成分、例えば置換モジュレータおよび/または吸着モジュレータを有するモジュレータシステムでなければならない。
概して、図12は、新しい未知の組成物について本発明の方法を評価する際に通常とるであろう段階を概略的に提示したスキームを示す。
図13は、脱マスキングプロセスを選択かつ最適化するためのストック溶液の組み合わせおよび濃度を示す。脱マスキング手法は、脱マスキングにどの物質または物質の組み合わせが用いられるかに依って、異なる可能性のあるシナリオA、BおよびCに分けられる。脱マスキング手法Aは、1-ドデカノールのみがモジュレータとして用いられる脱マスキング手法を記述している。脱マスキング手法Bは、モジュレータシステムが1-ドデカノールおよびBSAから構成される脱マスキング手法を記述している。脱マスキング手法Cは、モジュレータシステムが1-ドデカノール、BSAおよびSDSから構成され、CaCl2の存在下で行われる脱マスキング手法を記述している。
マスキングされたサンプル1 mlに脱マスキング成分ストック溶液100 μlを添加する。1つの成分の添加後、サンプルを2分間ボルテックスすることにより完全に混合する。その後、次の成分を添加し、混合する。全ての成分の添加およびその後の混合の後、サンプルを室温で30分超の間インキュベートする。その後、適切な内毒素試験法、例えばHyglos GmbHのEndoLISA(登録商標)キットを用い内毒素含量についてサンプルを分析する。
この実験では、CaCl2、BSA、SDSおよびドデカノールを含む多成分モジュレータを用いた内毒素の脱マスキングの効果を調べる。マスキングされたサンプルおよび脱マスキングされたサンプルの内毒素含量を、Hyglos GmbHのEndoZyme(登録商標)キットを用いて判定した。この実験は、脱マスキングされた内毒素の検出が、異なる検出アッセイ法を用いて達成されうることを示すために行われた。
内毒素(大腸菌O55:B5, Sigma L2637-5MG)を、1×PBS緩衝0.05重量%ポリソルベート80または1×PBS緩衝0.05重量%ポリソルベート20を含有する溶液中で室温にて3日間マスキングした。
表17 (下記)は、本実施例において上記で特定された2つのマスキングシステムから回収された内毒素の、組み換えC因子アッセイ法(EndoZyme(登録商標))を用いて測定された、回収率を示す。
この実験では、組み換えC因子アッセイ法(EndoZyme(登録商標))とは異なる検出アッセイ法、すなわちカブトガニ変形細胞溶解物(LAL)アッセイ法を用いた脱マスキング内毒素の検出を調べる。この実験は、内毒素脱マスキングの検出が、検出アッセイ法に依らないことをさらに裏付けるために行われた。
内毒素(大腸菌055:B5, Sigma L2637-5MG)を、1×PBS緩衝0.05重量%ポリソルベート80または1×PBS緩衝0.05重量%ポリソルベート20を含有する溶液中で室温にて3日間マスキングした。
表18 (下記)は、本実施例において上記で特定された2つのマスキングシステムから回収された内毒素の、LALアッセイ法(kinetic QCL(登録商標), Lonza)を用いて測定された、回収率を示す。
この実験では、さまざまなアルカノールを用いてさまざまな内毒素の脱マスキングを調べる。本実験は、多成分モジュレータにおけるさまざまなアルカノール化合物の脱マスキング効率を調べるために行われた。
大腸菌O55:B5由来内毒素(Sigma L2637-5MG)、ウマ流産菌由来内毒素(Acila 1220302)および肺炎かん菌(K. pneumoniae)由来内毒素(LMU)を、10 mMクエン酸ナトリウムおよび0.05重量%ポリソルベート20を含有する溶液中で室温にて3日間マスキングした。
表19b (下記)は、表19aにおいて上記で特定されたさまざまなアルカノール(脂肪族アルコール)またはアルカノール混合物(脂肪族アルコール混合物)を利用するさまざまなマスキング手法による上記マスキングシステムからのマスキング後(マスキング対照)およびEndoLISA(登録商標)アッセイ法(Hyglos)を用いた脱マスキング後の回収率を示す。
*肺炎かん菌の脱マスキングの場合、CaCl2 150 μLを添加した。
この実験は、付加的なモジュレータ成分の非存在下での脱マスキングに及ぼすさまざまなアルカノール(脂肪族アルコール)の効果を調べるために行われた。本実験ではかくして、単一成分モジュレータとしてさまざまなアルカノール(脂肪族アルコール)を用いた内毒素脱マスキングの効率を調べる。
大腸菌O55:B5内毒素(Sigma L2637-5MG)を、10 mMクエン酸ナトリウムおよび0.05重量%ポリソルベート20を含有する溶液中で室温にて3日間マスキングした。
表20b (下記)は、表20aにおいて上記で特定された単一モジュレータシステムを用いるさまざまな脱マスキング手法においてさまざまなアルカノール(脂肪族アルコール)を利用するさまざまな脱マスキング手法により上記マスキングシステムから回収された内毒素の、EndoLISA(登録商標)アッセイ法(Hyglos)を用いて測定された、回収率を示す。
Claims (81)
- 内毒素マスカを含み、かつ、内毒素を含むことが疑われる組成物中の該内毒素を脱マスキングする方法であって、該方法が、該内毒素を脱マスキングできるモジュレータを該組成物に添加する段階を含み、該モジュレータが、第1のヘテロ原子置換脂肪族化合物を含み、該第1のヘテロ原子置換脂肪族化合物が、8〜16個の炭素原子を含む脂肪族アルコールである、該方法。
- 内毒素マスカを含み、かつ、内毒素を含むことが疑われる組成物中の該内毒素を検出する方法であって、
・ 該内毒素を脱マスキングできるモジュレータを該組成物に添加する段階; および
・ 検出方法によって該内毒素を検出する段階
を含み、該モジュレータが、第1のヘテロ原子置換脂肪族化合物を含み、該第1のヘテロ原子置換脂肪族化合物が、8〜16個の炭素原子を含む脂肪族アルコールである、該方法。 - 溶液中での水素結合の安定性に影響を与える作用物質を前記組成物に添加する段階をさらに含む、請求項1または2記載の方法。
- 前記溶液中での水素結合の安定性に影響を与える作用物質が、前記モジュレータの添加前に該溶液に添加される、請求項3記載の方法。
- 内毒素マスカを含み、かつ、内毒素を含むことが疑われる組成物中の該内毒素を脱マスキングするためのキットであって、
a) 該内毒素を脱マスキングできるモジュレータ; および
b) 溶液中での水素結合の安定性に影響を与える作用物質
を含み、
構成要素(a)および(b)が同じまたは異なる包装中に存在し、該モジュレータが、第1のヘテロ原子置換脂肪族化合物を含み、該第1のヘテロ原子置換脂肪族化合物が、8〜16個の炭素原子を含む脂肪族アルコールである、
該キット。 - 組成物中の内毒素を脱マスキングするための使用説明書; 組成物中の内毒素を検出するための使用説明書; 該内毒素を検出するための構成要素; および該内毒素を検出するための使用説明書の1つまたは複数を追加で含む、請求項5記載のキット。
- 前記溶液中での水素結合の安定性に影響を与える作用物質が、カオトロピック剤、陽イオンまたはそれらの組み合わせである、請求項3または4記載の方法。
- 前記カオトロピック剤が、尿素; 塩化グアニジン; ブタノール; エタノール; 過塩素酸リチウム; 酢酸リチウム; 塩化マグネシウム; フェノール; プロパノール; およびチオ尿素からなる群より選択される、請求項7記載の方法。
- 前記陽イオンが二価陽イオンである、請求項7または8記載の方法。
- 前記二価陽イオンがCa2+、Mg2+、Sr2+およびZn2+より選択される、請求項9記載の方法。
- 前記溶液中での水素結合の安定性に影響を与える作用物質が、カオトロピック剤、陽イオンまたはそれらの組み合わせである、請求項5または6記載のキット。
- 前記カオトロピック剤が、尿素; 塩化グアニジン; ブタノール; エタノール; 過塩素酸リチウム; 酢酸リチウム; 塩化マグネシウム; フェノール; プロパノール; およびチオ尿素からなる群より選択される、請求項11記載のキット。
- 前記陽イオンが二価陽イオンである、請求項11または12記載のキット。
- 前記二価陽イオンがCa2+、Mg2+、Sr2+およびZn2+より選択される、請求項13記載のキット。
- 内毒素および内毒素マスカを含むことが疑われる組成物中での内毒素を脱マスクするための内毒素を脱マスキングできるモジュレータの使用であって、該モジュレータが、第1のヘテロ原子置換脂肪族化合物を含み、該第1のヘテロ原子置換脂肪族化合物が、8〜16個の炭素原子を含む脂肪族アルコールである、該使用。
- 前記脂肪族アルコールが1-ドデカノールである、請求項1〜4または7〜10のいずれか一項記載の方法。
- 前記モジュレータが第2のヘテロ原子置換脂肪族化合物をさらに含み、該第2のヘテロ原子置換脂肪族化合物の主鎖が8〜16個の炭素原子を含む、請求項16記載の方法。
- 前記第2のヘテロ原子置換脂肪族化合物が酸素置換脂肪族化合物である、請求項17記載の方法。
- 前記酸素置換脂肪族化合物が脂肪族硫酸塩である、請求項18記載の方法。
- 前記脂肪族硫酸塩がドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である、請求項19記載の方法。
- 前記モジュレータが、界面活性剤によって形成されたミセルを分解するように該界面活性剤を結合できるタンパク質をさらに含む、請求項1〜4、7〜10または16〜20のいずれか一項記載の方法。
- 前記タンパク質がアルブミンである、請求項21記載の方法。
- 前記アルブミンがヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミンおよび/またはオボアルブミンである、請求項22記載の方法。
- 前記内毒素マスカが界面活性剤および/または薬理活性成分(API)である、請求項1〜4、7〜10または16〜23のいずれか一項記載の方法。
- 前記界面活性剤が、陰イオン性界面活性剤; 陽イオン性界面活性剤; 非イオン性界面活性剤; 両性界面活性剤; およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項24記載の方法。
- 前記陰イオン性界面活性剤が、アルキル硫酸塩; アルキル-エーテル硫酸塩; コレステロール硫酸; スルホネート; アルキルスルホコハク酸塩; スルホキシド; リン酸塩; およびカルボン酸塩からなる群より選択される、請求項25記載の方法。
- 前記アルキル硫酸塩が、ラウリル硫酸アンモニウムまたはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)であり; 前記アルキル-エーテル硫酸塩が、ラウレス硫酸ナトリウムまたはミレス硫酸ナトリウムであり; 前記スルホネートが、ドデシルベンゼンスルホネート、ラウリルスルホ酢酸ナトリウムまたはキシレンスルホネートであり; 前記アルキルスルホコハク酸塩が、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウムであり; 前記スルホキシドが、ドデシルメチルスルホキシド(dodecyl methyl sulfoxide)であり; 前記リン酸塩が、トリラウレス-4リン酸塩であり; および前記カルボン酸塩が、ステアリン酸ナトリウムまたはラウロイルサルコシン酸ナトリウムである、請求項26記載の方法。
- 前記陽イオン性界面活性剤が、第一級アミン; 第二級アミン; 第三級アミン; およびアルキルトリメチルアンモニウム塩のような第四アンモニウム陽イオン; 塩化セチルピリジニウム(CPC); 第四級アンモニウム界面活性剤; ならびに四級化ヒドロキシエチルセルロースエトキシレート(ポリクオタニウム-10)からなる群より選択される、請求項25記載の方法。
- 前記アルキルトリメチルアンモニウム塩が、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)またはセチルトリメチルアンモニウムクロライド(CTAC)であり; 前記第四級アンモニウム界面活性剤が、トリス[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]-オクタデシル-アンモニウムホスフェート(クオタニウム52)である、請求項28記載の方法。
- 前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル(ポリソルベート); ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル; ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル; グルコシドアルキルエーテル; ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル; ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル; グリセロールアルキルエステル; ソルビタンアルキルエステル; ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのブロック共重合体; コカミドMEA; ステロール; シクロデキストリン; ポロキサマー; ならびにコカミドDEAからなる群より選択される、請求項25記載の方法。
- 前記ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル(ポリソルベート)が、ポリソルベート20 (Tween-20)、ポリソルベート40、ポリソルベート60またはポリソルベート80 (Tween-80)であり; 前記ステロールが、コレステロールであり; 前記ポロキサマーが、プルロニックブロック重合体である、請求項30記載の方法。
- 前記両性界面活性剤が、CHAPS (3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート); スルタイン; ベタイン; アミノオキシドおよびレシチンからなる群より選択される、請求項25記載の方法。
- 前記スルタインが、コカミドプロピルヒドロキシスルタインであり; 前記ベタインが、コカミドプロピルベタインであり; 前記アミノオキシドが、パルミタミンオキシド、ラウリルアミンオキシドまたは式中R3がC8〜C18アルキル、C8〜C18アルケニルまたはC8〜C18アルキニルである、一般式R3N+O-のアミンオキシドである、請求項32記載の方法。
- 前記APIがタンパク質APIである、請求項24記載の方法。
- 前記タンパク質が、抗体; 抗体断片; ホルモン; 酵素; 融合タンパク質; タンパク質結合体; およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項34記載の方法。
- 前記抗体断片が、Fab; Fab'; F(ab')2; Fv; 一本鎖抗体; およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項35記載の方法。
- 前記抗体が、完全ヒト抗体; 抗イディオタイプ抗体; ヒト化抗体; 二重特異性抗体; キメラ抗体; CDR移植抗体; モノクローナル抗体; ポリクローナル抗体; およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項35記載の方法。
- 前記脂肪族アルコールが1-ドデカノールである、請求項5〜6または11〜14のいずれか一項記載のキット。
- 前記モジュレータが第2のヘテロ原子置換脂肪族化合物をさらに含み、該第2のヘテロ原子置換脂肪族化合物の主鎖が8〜16個の炭素原子を含む、請求項38記載のキット。
- 前記第2のヘテロ原子置換脂肪族化合物が酸素置換脂肪族化合物である、請求項39記載のキット。
- 前記酸素置換脂肪族化合物が脂肪族硫酸塩である、請求項40記載のキット。
- 前記脂肪族硫酸塩がドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である、請求項41記載のキット。
- 前記モジュレータが、界面活性剤によって形成されたミセルを分解するように該界面活性剤を結合できるタンパク質をさらに含む、請求項5〜6、11〜14、38〜42のいずれか一項記載のキット。
- 前記タンパク質がアルブミンである、請求項43記載のキット。
- 前記アルブミンがヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミンおよび/またはオボアルブミンである、請求項44記載のキット。
- 前記内毒素マスカが界面活性剤および/または薬理活性成分(API)である、請求項5〜6、11〜14、38〜45のいずれか一項記載のキット。
- 前記界面活性剤が、陰イオン性界面活性剤; 陽イオン性界面活性剤; 非イオン性界面活性剤; 両性界面活性剤; およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項46記載のキット。
- 前記陰イオン性界面活性剤が、アルキル硫酸塩; アルキル-エーテル硫酸塩; コレステロール硫酸; スルホネート; アルキルスルホコハク酸塩; スルホキシド; リン酸塩; およびカルボン酸塩からなる群より選択される、請求項47記載のキット。
- 前記アルキル硫酸塩が、ラウリル硫酸アンモニウムまたはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)であり; 前記アルキル-エーテル硫酸塩が、ラウレス硫酸ナトリウムまたはミレス硫酸ナトリウムであり; 前記スルホネートが、ドデシルベンゼンスルホネート、ラウリルスルホ酢酸ナトリウムまたはキシレンスルホネートであり; 前記アルキルスルホコハク酸塩が、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウムであり; 前記スルホキシドが、ドデシルメチルスルホキシド(dodecyl methyl sulfoxide)であり; 前記リン酸塩が、トリラウレス-4リン酸塩であり; および前記カルボン酸塩が、ステアリン酸ナトリウムまたはラウロイルサルコシン酸ナトリウムである、請求項48記載のキット。
- 前記陽イオン性界面活性剤が、第一級アミン; 第二級アミン; 第三級アミン; およびアルキルトリメチルアンモニウム塩のような第四アンモニウム陽イオン; 塩化セチルピリジニウム(CPC); 第四級アンモニウム界面活性剤; ならびに四級化ヒドロキシエチルセルロースエトキシレート(ポリクオタニウム-10)からなる群より選択される、請求項47記載のキット。
- 前記アルキルトリメチルアンモニウム塩が、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)またはセチルトリメチルアンモニウムクロライド(CTAC)であり; 前記第四級アンモニウム界面活性剤が、トリス[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]-オクタデシル-アンモニウムホスフェート(クオタニウム52)である、請求項50記載のキット。
- 前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル(ポリソルベート); ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル; ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル; グルコシドアルキルエーテル; ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル; ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル; グリセロールアルキルエステル; ソルビタンアルキルエステル; ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのブロック共重合体; コカミドMEA; ステロール; シクロデキストリン; ポロキサマー; ならびにコカミドDEAからなる群より選択される、請求項47記載のキット。
- 前記ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル(ポリソルベート)が、ポリソルベート20 (Tween-20)、ポリソルベート40、ポリソルベート60またはポリソルベート80 (Tween-80)であり; 前記ステロールが、コレステロールであり; 前記ポロキサマーが、プルロニックブロック重合体である、請求項52記載のキット。
- 前記両性界面活性剤が、CHAPS (3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート); スルタイン; ベタイン; アミノオキシドおよびレシチンからなる群より選択される、請求項47記載のキット。
- 前記スルタインが、コカミドプロピルヒドロキシスルタインであり; 前記ベタインが、コカミドプロピルベタインであり; 前記アミノオキシドが、パルミタミンオキシド、ラウリルアミンオキシドまたは式中R3がC8〜C18アルキル、C8〜C18アルケニルまたはC8〜C18アルキニルである、一般式R3N+O-のアミンオキシドである、請求項54記載のキット。
- 前記APIがタンパク質APIである、請求項46記載のキット。
- 前記タンパク質が、抗体; 抗体断片; ホルモン; 酵素; 融合タンパク質; タンパク質結合体; およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項56記載のキット。
- 前記抗体断片が、Fab; Fab'; F(ab')2; Fv; 一本鎖抗体; およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項57記載のキット。
- 前記抗体が、完全ヒト抗体; 抗イディオタイプ抗体; ヒト化抗体; 二重特異性抗体; キメラ抗体; CDR移植抗体; モノクローナル抗体; ポリクローナル抗体; およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項57記載のキット。
- 前記脂肪族アルコールが1-ドデカノールである、請求項15記載の使用。
- 前記モジュレータが第2のヘテロ原子置換脂肪族化合物をさらに含み、該第2のヘテロ原子置換脂肪族化合物の主鎖が8〜16個の炭素原子を含む、請求項60記載の使用。
- 前記第2のヘテロ原子置換脂肪族化合物が酸素置換脂肪族化合物である、請求項61記載の使用。
- 前記酸素置換脂肪族化合物が脂肪族硫酸塩である、請求項62記載の使用。
- 前記脂肪族硫酸塩がドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である、請求項63記載の使用。
- 前記モジュレータが、界面活性剤によって形成されたミセルを分解するように該界面活性剤を結合できるタンパク質をさらに含む、請求項15または60〜64のいずれか一項記載の使用。
- 前記タンパク質がアルブミンである、請求項65記載の使用。
- 前記アルブミンがヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミンおよび/またはオボアルブミンである、請求項66記載の使用。
- 前記内毒素マスカが界面活性剤および/または薬理活性成分(API)である、請求項15または60〜67のいずれか一項記載の使用。
- 前記界面活性剤が、陰イオン性界面活性剤; 陽イオン性界面活性剤; 非イオン性界面活性剤; 両性界面活性剤; およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項68記載の使用。
- 前記陰イオン性界面活性剤が、アルキル硫酸塩; アルキル-エーテル硫酸塩; コレステロール硫酸; スルホネート; アルキルスルホコハク酸塩; スルホキシド; リン酸塩; およびカルボン酸塩からなる群より選択される、請求項69記載の使用。
- 前記アルキル硫酸塩が、ラウリル硫酸アンモニウムまたはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)であり; 前記アルキル-エーテル硫酸塩が、ラウレス硫酸ナトリウムまたはミレス硫酸ナトリウムであり; 前記スルホネートが、ドデシルベンゼンスルホネート、ラウリルスルホ酢酸ナトリウムまたはキシレンスルホネートであり; 前記アルキルスルホコハク酸塩が、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウムであり; 前記スルホキシドが、ドデシルメチルスルホキシド(dodecyl methyl sulfoxide)であり; 前記リン酸塩が、トリラウレス-4リン酸塩であり; および前記カルボン酸塩が、ステアリン酸ナトリウムまたはラウロイルサルコシン酸ナトリウムである、請求項70記載の使用。
- 前記陽イオン性界面活性剤が、第一級アミン; 第二級アミン; 第三級アミン; およびアルキルトリメチルアンモニウム塩のような第四アンモニウム陽イオン; 塩化セチルピリジニウム(CPC); 第四級アンモニウム界面活性剤; ならびに四級化ヒドロキシエチルセルロースエトキシレート(ポリクオタニウム-10)からなる群より選択される、請求項69記載の使用。
- 前記アルキルトリメチルアンモニウム塩が、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)またはセチルトリメチルアンモニウムクロライド(CTAC)であり; 前記第四級アンモニウム界面活性剤が、トリス[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]-オクタデシル-アンモニウムホスフェート(クオタニウム52)である、請求項72記載の使用。
- 前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル(ポリソルベート); ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル; ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル; グルコシドアルキルエーテル; ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル; ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル; グリセロールアルキルエステル; ソルビタンアルキルエステル; ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのブロック共重合体; コカミドMEA; ステロール; シクロデキストリン; ポロキサマー; ならびにコカミドDEAからなる群より選択される、請求項69記載の使用。
- 前記ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル(ポリソルベート)が、ポリソルベート20 (Tween-20)、ポリソルベート40、ポリソルベート60またはポリソルベート80 (Tween-80)であり; 前記ステロールが、コレステロールであり; 前記ポロキサマーが、プルロニックブロック重合体である、請求項74記載の使用。
- 前記両性界面活性剤が、CHAPS (3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート); スルタイン; ベタイン; アミノオキシドおよびレシチンからなる群より選択される、請求項69記載の使用。
- 前記スルタインが、コカミドプロピルヒドロキシスルタインであり; 前記ベタインが、コカミドプロピルベタインであり; 前記アミノオキシドが、パルミタミンオキシド、ラウリルアミンオキシドまたは式中R3がC8〜C18アルキル、C8〜C18アルケニルまたはC8〜C18アルキニルである、一般式R3N+O-のアミンオキシドである、請求項76記載の使用。
- 前記APIがタンパク質APIである、請求項68記載の使用。
- 前記タンパク質が、抗体; 抗体断片; ホルモン; 酵素; 融合タンパク質; タンパク質結合体; およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項78記載の使用。
- 前記抗体断片が、Fab; Fab'; F(ab')2; Fv; 一本鎖抗体; およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項79記載の使用。
- 前記抗体が、完全ヒト抗体; 抗イディオタイプ抗体; ヒト化抗体; 二重特異性抗体; キメラ抗体; CDR移植抗体; モノクローナル抗体; ポリクローナル抗体; およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項79記載の使用。
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