JP6566861B2

JP6566861B2 - 携帯作業機用エンジンのエアクリーナ

Info

Publication number: JP6566861B2
Application number: JP2015252957A
Authority: JP
Inventors: 武士前野
Original assignee: Yamabiko Corp
Current assignee: Yamabiko Corp
Priority date: 2015-12-25
Filing date: 2015-12-25
Publication date: 2019-08-28
Anticipated expiration: 2035-12-25
Also published as: US20170184063A1; US10167824B2; JP2017115740A

Description

本発明は、携帯作業機用エンジンのエアクリーナに関するものである。

刈り払い機、チェーンソー、ヘッジトリマー、ブロアーなどの携帯作業機用エンジンは、粉塵などが気化器の吸気口からエンジン内に進入しないように、気化器の吸気口外側にエアクリーナが着脱自在に装着されている（下記特許文献１参照）。

エアクリーナは、一般的に、気化器の吸気口に向かう空気の流入経路を形成するために、気化器の吸気口前面を覆う蓋部材（エアクリーナリッド）を設け、この蓋部材と気化器の吸気口との間にフィルターを配置する構造を備えている。

特開平９−７２２２０号公報

携帯作業機用エンジンのエアクリーナは、作業中の粉塵でフィルタが目詰まりし易いことから、比較的頻繁にフィルタ交換が必要になる。このため、エアクリーナの蓋部材は、気化器吸気口の支持体にねじ結合によって着脱自在に取り付けられている。従来技術では、マイナス頭のボルトねじで蓋部材を支持体に固定しているが、ボルトねじの頭を蓋部材の凹部に沈み込ませているので、ボルトねじを回すための工具が必要になり、着脱作業を簡易化するために工具不要の固定方法が求められていた。

これに対しては、ノブ付きねじを用いることが提案されているが、これによると、ノブがエアクリーナの蓋部材外側に突出した状態になり、エンジンの落下や運搬時の衝撃などで突出したねじのノブ部に大きな外力が加わることがあり、これによってエアクリーナが破損し易くなる問題があった。

また、従来技術では、エアクリーナにおける蓋部材の中央部にねじを貫通させる固定構造を採用していたので、フィルタなどの中央部がねじ結合のための固定構造に占有されることになり、エアクリーナ内部の空間を除塵機能として有効に確保できないという問題もあった。

本発明は、このような問題を解決することを課題としており、携帯作業機用エンジンのエアクリーナを工具不要で簡易に着脱できるようにすること、ノブ付き結合具を用いるに際して、エンジンの落下時などにノブ部に大きな外力が加わるのを防ぎ、エアクリーナの破損を抑止すること、エアクリーナ内部の空間を有効に確保して、エアクリーナの性能向上を図ること、などが本発明の課題である。

このような課題を解決するために、本発明による携帯作業機用エンジンのエアクリーナは、以下の構成を具備するものである。
エンジンにおける気化器の吸気口に装着され、前記吸気口に連通する空気流入口を有する枠部材と、前記枠部材が備える保持部に保持されるフィルタと、前記フィルタの前面を覆う蓋部材と、前記枠部材と前記蓋部材とを結合するノブ付き結合具とを備え、前記枠部材は、前記保持部の外側に前記ノブ付き結合具を挿通する挿通孔を備え、前記蓋部材は、前記気化器側から前記挿通孔に挿通された前記ノブ付き結合具が結合する被結合部を備え、前記ノブ付き結合具のノブ部は、前記蓋部材と前記エンジンの外接線の内側に配置されていることを特徴とする携帯作業機用エンジンのエアクリーナ。

このような特徴を有する携帯作業機用エンジンのエアクリーナは、ノブ付き結合具のノブ部を操作して工具不要で簡易に着脱することができる。ノブ付き結合具のノブ部を蓋部材とエンジンの外接線の内側に配置しているので、エンジンの落下時などにノブ部に大きな外力が加わるのを防ぎ、エアクリーナの破損を抑止することができる。枠部材の保持部外側にノブ付き結合具を通して枠部材と蓋部材とを結合しているので、エアクリーナ内部の空間を有効に確保して、エアクリーナの性能を向上させることができる。

本発明の実施形態に係るエアクリーナを備えた携帯作業機用エンジンの外観構成を示した平面図である。本発明の実施形態に係るエアクリーナを備えた携帯作業機用エンジンの外観構成を示した斜視図である。本発明の実施形態に係るエアクリーナの分解斜視図である。本発明の実施形態に係るエアクリーナの装着状態部分断面図（斜視図）である。本発明の実施形態に係るエアクリーナの装着状態部分断面図である。

以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図１及び図２にエンジンＥの外観構成を示す。エンジンＥは、携帯作業機用エンジンであって、携帯作業機としては、刈り払い機、チェーンソー、ヘッジトリマー、トップハンドル型ブロアーなどを例示することができる。エンジンＥは、エンジン本体を覆うエンジンカバー１０、マフラーを覆うマフラーカバー１１、燃料タンク１２を収容するタンク収容枠１３、リコイルケース１４、リコイルグリップ１５などを備えている。

エンジンＥには、インシュレータプレート（断熱板）１６を介して気化器１７が設けられており、この気化器１７における吸気口の外側にエアクリーナ２０が装着されている。

エアクリーナ２０は、図３の分解斜視図に示されるように、エンジンＥにおける気化器１７の吸気口に装着される枠部材２１と、枠部材２１が備える保持部２１Ａに保持されるフィルタ２２と、フィルタ２２の前面を覆う蓋部材（エアクリーナリッド）２３と、ノブ付き結合具とを備えている。以下の説明では、ノブ付き結合具の一例として、ノブ付きねじ２４を用いる例について説明するが、ノブ付き結合具はこれに限定されない。ノブ付き結合具のノブ部とは、手動で操作できる握り、レバー（取っ手）、つまみなどを含んでいる。

枠部材２１は、保持部２１Ａの中央に仕切り板２１Ｂが取り付けられており、仕切り板２１Ｂの両脇に気化器１７の吸気口に連通する空気流入口を有している。また、枠部材２１における保持部２１Ａの上下外側には、ノブ付きねじ２４を挿通する挿通孔２１Ｃが設けられている。枠部材２１は、連結具２１Ｄによって気化器１７の吸気口に取り付けられる。

フィルタ２２は、枠部材２１の保持部２１Ａに取り外し自在に保持されており、粉塵が溜まって目詰まりが生じる前に交換或いは清掃すべきものである。フィルタ２２は、メインフィルタ２２Ａ、サブフィルタ２２Ｂ、プレフィルタ２２Ｃを重ねて配置している。

蓋部材２３は、フィルタ２２の前面を覆う正面部２３Ａと、フィルタ２２の側方を覆う側面部２３Ｂと、気化器１７の上方に延設されるカバー部２３Ｃを備えている。側面部２３Ｂには空気流入孔２３Ｄが設けられており、カバー部２３Ｃには窓２３Ｅを設けている。図示の例では、蓋部材２３の内側には、横方向に沿って複数のリブ２３Ｆが延設されている（図４参照）。ここでは、カバー部２３Ｃを気化器１７の上方に延設した例を示しているが、カバー部２３Ｃの延設部分を省いて窓２３Ｅの外枠を無したものであってもよい。

枠部材２１と蓋部材２３とは、ノブ付きねじ２４によって結合されている。ここでは、一対のノブ付きねじ２４が上下にそれぞれ離間して配置されており、これに対応して、枠部材２１の挿通孔２１Ｃは、保持部２１Ａ外側の上下に一対設けられている。気化器１７側から枠部材２１の挿通孔２１Ｃに挿通されたノブ付きねじ２４が蓋部材２３に設けた図示省略の被結合部（固定ナット）にねじ結合されることで、枠部材２１に蓋部材２３が結合し、枠部材２１と蓋部材２３との間にフィルタ２２が挟持される。なお、図示の例では、ノブ付きねじ２４を枠部材２１の上下に配置する例を示したが、これに限らず、ノブ付きねじ２４は枠部材２１の左右に配置しても良い。また、枠部材２１の上下（又は左右）の一方側のみにノブ付きねじ２４を配置して、他方をヒンジ結合などにすることもできる。

ノブ付きねじ２４は、基端側にノブ部２４Ａが設けられ、先端側にねじ部２４Ｂが設けられており、ノブ部２４Ａを手で回転して、ねじ部２４Ｂを蓋部材２３の被結合部（固定ナット）に螺合することで、工具を用いることなく、枠部材２１と蓋部材２３とを結合することができる。

図４及び図５は、エアクリーナ２０の装着状態を示している。枠部材２１と蓋部材２３を結合しているノブ付きねじ２４のノブ部２４Ａは、蓋部材２３とエンジンＥの外接線の内側に配置されている。このようにノブ部２４Ａを蓋部材２３とエンジンＥの外接線の内側に配置することで、エンジンＥの転倒時などにノブ部２４Ａに直接外力が加わり難い構造になっている。

図示の例では、ノブ部２４Ａは、蓋部材２３のカバー部２３Ｃに設けられる窓２３Ｅ内にほぼ収容されている。カバー部２３Ｃは、ノブ部２４Ａを囲むことで、より一層ノブ部２４Ａに外力が直接加わり難い構造になっている。また、ノブ部２４Ａは窓２３Ｅにほぼ収容される（一部突出する）ように配置されることで、ノブ部２４Ａの回転操作をし易くしている。なお、窓２３Ｅに収容されたノブ部２４Ａは、蓋部材２３の上端部とエンジンＥの上端部を結ぶ仮想線Ｌ（図５参照）より下方に配置されていることで、蓋部材２３とエンジンＥの外接線の内側に配置されている。これによって、窓２３Ｅからノブ部２４Ａの一部が突出していても、エンジンＥの転倒時にノブ部２４Ａに直接外力が加わり難い構造になっている。

このようなエアクリーナ２０によると、蓋部材２３の空気流入孔２３Ｄから蓋部材２３の内部に流入した空気が、フィルタ２２に送られ、フィルタ２２を経由した空気が枠部材２１の空気流入口から気化器１７の吸気口に送られる。ここで、枠部材２１の保持部２１Ａ、フィルタ２２の内側には、枠部材２１と蓋部材２３とを結合する結合構造を設けていないので、フィルタ２２などの有効面積が確保され、清浄な空気を気化器１７の吸気口に送ることができ、高い除塵性能のエアクリーナ２０を得ることができる。

エアクリーナ２０のフィルタ２２を交換する際には、上側のノブ付きねじ２４のノブ部２４Ａを手で回転すると共に、下側のノブ付きねじ２４のノブ部２４Ａを手で回転することで、工具を用いることなく、蓋部材２３を枠部材２１から分離することができる。この際、ノブ部２４は上下とも蓋部材２３から一部突出しているので、手での回転操作を容易に行うことができる。そして、上側のノブ部２４が、蓋部材２３のカバー部２３Ｃに囲まれていることで、エンジンＥが転倒した場合などでもノブ部２４Ｅに直接外力が加わってエアクリーナ２０の結合構造が破損する不具合を抑止している。

図示の例では、蓋部材２３のカバー部２３Ｃは、気化器１７の上方に延設されており、窓２３Ｅから覗ける位置に気化器１７の調整部１７Ａが配置されている。これによると、カバー部２３Ｃによってノブ部２４Ａを保護する構造を採用しながら、カバー部２３Ｃの窓２３Ｅを介して気化器１７の調整を簡易に行うことができる。

このような特徴を有するエアクリーナ２０を備えたエンジンＥは、エアクリーナ２０のフィルタ２２を簡易に交換できる良好なメンテナンス性を有すると共に、エアクリーナ２０の高い除塵性能によって安定した出力を発揮することができる。また、エアクリーナ２０やそのノブ部２４Ａの破損リスクを低減することができる。そして、このようなエンジンＥを搭載した刈り払い機などの携帯作業機は、良好なメンテナンス性を有し、壊れにくく、安定した動作性能を発揮することができる。

以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。

１０：エンジンカバー，１１：マフラーカバー，１２：燃料タンク，
１３：タンク収容枠，１４：リコイルケース，１５：リコイルグリップ，
１６：インシュレータプレート（断熱板），１７：気化器，１７Ａ：調整部，
２０：エアクリーナ，２１：枠部材，２１Ａ：保持部，２１Ｂ：仕切り板，
２１Ｃ：挿通孔，２１Ｄ：連結具，２２：フィルタ，
２２Ａ：メインフィルタ，２２Ｂ：サブフィルタ，２２Ｃ：プレフィルタ，
２３：蓋部材（エアクリーナリッド），２３Ａ：正面部，２３Ｂ：側面部，
２３Ｃ：カバー部，２３Ｄ：空気流入孔，２３Ｅ：窓，２３Ｆ：リブ，
２４：ノブ付きねじ（ノブ付き結合具），２４Ａ：ノブ部，２４Ｂ：ねじ部，Ｅ：エンジン

Claims

エンジンにおける気化器の吸気口に装着され、前記吸気口に連通する空気流入口を有する枠部材と、
前記枠部材が備える保持部に保持されるフィルタと、
前記フィルタの前面を覆う蓋部材と、
前記枠部材と前記蓋部材とを結合するノブ付き結合具とを備え、
前記枠部材は、前記保持部の外側に前記ノブ付き結合具を挿通する挿通孔を備え、
前記蓋部材は、前記気化器側から前記挿通孔に挿通された前記ノブ付き結合具が結合する被結合部を備え、
前記ノブ付き結合具のノブ部は、前記蓋部材と前記エンジンの外接線の内側に配置されていることを特徴とする携帯作業機用エンジンのエアクリーナ。
前記ノブ付き結合具のノブ部は、前記蓋部材の上端部と前記エンジンの上端部を結ぶ仮想線より下方に配置されていることを特徴とする請求項１に記載された携帯作業機用エンジンのエアクリーナ。
前記蓋部材は、前記気化器の上方に延設されて前記ノブ付き結合具のノブ部を収容する窓を有するカバー部を備えることを特徴とする請求項１又は２記載の携帯作業機用エンジンのエアクリーナ。
前記窓から覗ける位置に前記気化器の調整部が配置されていることを特徴とする請求項３に記載された携帯作業機用エンジンのエアクリーナ。
請求項１〜４のいずれか１項に記載されたエアクリーナを備えるエンジン。
請求項５に記載のエンジンを備える携帯作業機。