JP6562769B2 - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents
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Description
従来、トナーは高温高湿環境下での保管において、トナーの樹脂成分や離型剤が、トナーの内部から表面に染み出す現象(以下、ブリードとも言う)が生じ、トナーの表面性が変化する。これが印刷時の部材汚染、又は帯電不良によるカブリなどの原因となり、多数枚プリントアウト時には、より顕著な課題となる。
そのため、トナーとしては、保管安定性に優れかつ、高温高湿環境下での保管後の長期の使用においても帯電安定性に優れ、高い耐久性を有するトナーが求められている。特に規制ブレードとの摩擦によりトナーを帯電させる非磁性一成分現像装置に用いる場合は、これらの問題が大きな課題となっている。
以上のような背景から、保管安定性に優れ、かつ、高温高湿環境下での保管後の長期の使用においても帯電安定性に優れ、高い耐久性を有するトナーの検討が盛んに行われており、解決手段として、トナーに用いる樹脂成分、帯電制御剤、外添剤などの改良が行われている。
トナーに用いる樹脂成分を改良することでトナーの帯電性を良好にする手法として、イソソルビドユニットを有するポリエステル樹脂を用いたトナーが提案されている(特許文献1)。
また、イソソルビドユニットを有するポリエステル樹脂を用いることで、トナーの定着性、保存性を向上させるトナーが提案されている(特許文献2)。
一方、トナーに用いる帯電制御剤を改良することでトナーの帯電性を良好にする手法として、サリチル酸構造を有する重合体を用いたトナーが提案されている(特許文献3)。
しかし、本発明者らは鋭意検討した結果、高温高湿環境下での保管後の長期の使用時においてトナーの帯電安定性に改善の余地があることがわかった。
特許文献2に記載のトナーは、確かに、定着性や保存性は優れたものであるが、イソソルビドユニット特有の吸湿特性によって、トナーの吸湿特性が高まりトナーの帯電量が低下する傾向にある。
特許文献3に記載のトナーは、高温高湿環境下で保管した場合でも流動性の低下を抑制し、かつ、良好な帯電立ち上がり性を有するものである。しかし、本発明者らが鋭意検討した所、より過酷な高温高湿環境下で保管された場合に、ブリードが生じた際には、長期
使用時の帯電安定性、耐久安定性に改善の余地があることが明らかになった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。
すなわち、本発明は、高温高湿環境下での保管後のブリードを抑え、高温高湿環境下での保管後の多数枚のプリントアウト時における帯電安定性及び耐久安定性に優れたトナーを提供するものである。
モノマーの重合体、ポリエステル樹脂A、帯電制御樹脂B及び着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子が、該ポリエステル樹脂Aで形成されたシェルを有し、
該モノマー中のスチレンの含有量が、60質量%以上であり、
該帯電制御樹脂Bが、下記式(1)で表される構造を有する重合体であり、
[前記式(1)中、R 1 は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、又は、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表し、hは0以上3以下の整数を表す。]
該ポリエステル樹脂Aが、下記式(2)で表されるイソソルビドユニットを含有し、
該ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数が、15.0以上27.0以下であり、
該ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数と該帯電制御樹脂Bのスチレン−ヘキサン溶解度指数の差の絶対値が7.0以下であることを特徴とするトナーである。
ポリエステル樹脂A、帯電制御樹脂B、着色剤及びモノマーを含有するモノマー組成物を水系媒体中に分散し、該水系媒体中で該モノマー組成物の粒子を形成する工程、及び、
該モノマー組成物の該粒子に含まれる該モノマーを重合してトナー粒子を得る工程を含むトナーの製造方法であって、
該モノマー中のスチレンの含有量が、60質量%以上であり、
該帯電制御樹脂Bが、下記式(1)で表される構造を有する重合体であり、
[前記式(1)中、R 1 は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、又は、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表し、hは0以上3以下の整数を表す。]
該ポリエステル樹脂Aが、下記式(2)で表されるイソソルビドユニットを含有し、
該ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数が、15.0以上27.0以下であり、
該ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数と該帯電制御樹脂Bのスチレン−ヘキサン溶解度指数の差の絶対値が7.0以下であることを特徴とするトナーの製造方法である。
本発明のトナーは、
ポリエステル樹脂A、帯電制御樹脂B、着色剤及びモノマーを含有するモノマー組成物の粒子を水系媒体中で形成し、該モノマー組成物の該粒子に含まれる該モノマーを重合させることにより得られたトナーであって、
該モノマー中のスチレンの含有量が、60質量%以上であり、
該帯電制御樹脂Bが、下記式(1)で表される構造を有する重合体であり、
該ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数が、15.0以上27.0以下であり、
該ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数と該帯電制御樹脂Bのスチレン−ヘキサン溶解度指数の差の絶対値が7.0以下であることを特徴とする。
これに対し、本発明のトナーは上記の構成をとることで、高温高湿環境下で保管しても、トナー内部からのブリードを抑えることができ、さらに、帯電制御樹脂Bがポリエステル樹脂Aに対して均一にトナー表層に存在するようになり、多数枚プリントアウト時にも部材汚染を防止し、かつ、カブリの良好なトナーを得ることができる。
上記適正な材料を用いて得られたモノマー組成物の粒子を水系媒体中で形成し、該粒子に含まれるモノマーを重合させることにより、コア−シェル構造を有するトナーが得られる。
コア−シェル構造を有するトナーを得るためには、シェル成分がコア成分の結着樹脂とある程度以上層分離する材料とすることが必要である。例えば、コア成分を構成する結着樹脂がスチレン系重合体であった場合、シェル成分としてはポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂などを用いることが好ましい。その際、耐久安定性や保管安定性に優れるトナーにするためには、シェル成分が耐久安定性や耐熱性に優れ、コア成分の結着樹脂との相分離性に優れることが必要となる。
上記モノマー組成物の粒子に含まれるモノマーの重合反応が進行するに伴い、モノマーは減少していく。つまり、重合が進行するに伴い、ポリエステル樹脂Aに対する溶媒が減少することになる。
従って、ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数が27.0を超える場合、重合反応後期にならないと、ポリエステル樹脂Aが析出してシェル層を形成しない状態になる。これは、ポリエステル樹脂Aのスチレンモノマーへの溶解性が高いため、スチレンの含有量が60質量%以上であるモノマーを重合して得られる結着樹脂との相溶性も高いためである。このような推移をたどる場合は、トナー形成に使用されたポリエステル樹脂Aの一部が結着樹脂に相溶してしまうためにシェル層の厚みが薄くなるので、高温高湿環境下での保管の点、及び保管後の多数枚プリントアウト時における帯電安定性及び部材汚染の点で劣る。
一方、ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数が15.0未満である場合、重合反応初期のモノマーが多く存在している状態においても、ポリエステル樹脂Aが析出してくることになる。このような推移をたどる場合は、ポリエステル樹脂Aの極性が高いために、トナーの吸湿性が高くなり、帯電安定性に劣る。
なお、ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数は、17.0以上25.0以下であることが好ましい。
また、ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数は、ポリエステル樹脂Aのモノマー組成により最も影響を受ける。
また、ポリエステル樹脂Aの酸価や分子量にも影響されるが、かなり大きく変動させなければ、モノマー組成と比較して影響は小さい。
ポリエステル樹脂Aのモノマー組成によりスチレン−ヘキサン溶解度指数を調整する場合の具体例としては、例えば、イソソルビドなどの極性の高いモノマーを用い、その含有割合を調整することでポリエステル樹脂Aの極性を変えることや、エチレングリコールなど分子量の低いモノマーを用い、その含有割合を調整することでポリエステル樹脂Aのエステル濃度を変えることが挙げられる。
該スチレンの含有量が60質量%未満の場合、ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサ
ン溶解度指数と本発明の効果の発現との相関性が低下し、トナーにおけるシェル形成が最適状態から外れる。
上記モノマー中のスチレンの含有量は、70質量%以上100質量%であることが好ましい。
帯電制御樹脂B中の、式(1)で示される構造のモル含有量は、帯電制御樹脂Bの質量を基準として、250μmol/g以上650μmol/g以下であることが好ましく、い。
帯電制御樹脂B中の、式(1)で表される構造のモル含有量は、帯電制御樹脂Bの質量を基準として、250μmol/g以上であれば、トナーに安定した電荷を付与することができる。
一方、該モル含有量が650μmol/g以下であれば、式(1)で示される構造の持つ吸湿性の影響をより小さく抑えることができるため、本発明の効果をより得ることができる。
該スチレン−ヘキサン溶解度指数の差の絶対値が7.0以下であることにより、帯電制御樹脂Bがポリエステル樹脂Aに対して均一にトナー表層に存在するようになり、トナーが良好な帯電安定性を示す。
ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解性指数と帯電制御樹脂Bのスチレン−ヘキサン溶解性指数の差の絶対値が7.0を超える場合、トナー表層の帯電制御樹脂Bの存在状態に偏りが生じ、特に高温高湿環境下での保管後において、ブリード成分などでトナー表層の帯電に偏りが生じやすくカブリが発生する。
また、ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数と帯電制御樹脂Bのスチレン−ヘキサン溶解度指数の差の絶対値は、4.0未満であることが好ましい。
なお、ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数と帯電制御樹脂Bのスチレン−ヘキサン溶解度指数の差の絶対値を上記範囲に調整する方策としては、ポリエステル樹脂Aと帯電制御樹脂Bのスチレン−ヘキサン溶解度指数をそれぞれ調整することが挙げられる。ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数を調整する方法としては、上述の通りである。また、帯電制御樹脂Bのスチレン−ヘキサン溶解度指数を調整する方策としては、帯電制御樹脂B中の式(1)で表される構造の違い、及び該構造のモル含有量、又は、帯電制御樹脂Bの重量平均分子量によって調整可能である。
また、ポリエステル樹脂A中の、下記式(2)で表されるイソソルビドユニットの含有割合が、ポリエステル樹脂Aを構成する全モノマーユニットを基準として、0.10mol%以上20.00mol%以下であることが好ましく、0.50mol%以上10.00mol%以下であることがより好ましい。
これは、イソソルビドユニット同士の配向性が非常に高く、得られるポリエステル樹脂Aの剛直性が向上するためである。
ポリエステル樹脂A中の、下記式(2)で表されるイソソルビドユニットの含有割合が、ポリエステル樹脂Aを構成する全モノマーユニットを基準として、0.10mol%未満である場合、ポリエステル樹脂Aの剛直性が低下する傾向にある。一方、20.00mol%を超える場合、トナーの吸水性が高くなりやすく、帯電安定性が低下する傾向にある。
なお、本発明において、モノマーユニットとは、重合体中のモノマー物質の反応した形態をいう。
テレフタル酸は、フタル酸やイソフタル酸、又は脂肪族系ジカルボン酸と比較して、分子構造として、対称性及び直線性が高い。該テレフタル酸を高い比率で用いることで、得られるポリエステル樹脂Aの配向性が高まり、剛直な分子となるためである。
特に、テレフタル酸由来のモノマーユニットの含有割合が、ポリエステル樹脂Aを構成する全ジカルボン酸モノマーユニットを基準として、100.00mol%である場合、ポリエステル樹脂Aの組成ムラが小さくなるため、さらに強固なシェルを形成できる。
また、テレフタル酸由来のモノマーユニットの含有割合が、100.00mol%である場合、テレフタル酸の配向性の高さから、ベンゼン環由来のπ電子相互作用が強く発現し、分子の配向性がより高くなり、耐久安定性がより向上し、帯電安定性にもより優れる。
エチレングリコール由来のモノマーユニットの含有割合が上記範囲である場合、得られるポリエステル樹脂Aが、エチレングリコール由来のモノマーユニットによる柔軟性を有することになり、耐久安定性により優れる。
さらには、エチレングリコール由来のモノマーユニットの極性の強さから水系媒体中でトナーを製造した場合、ポリエステル樹脂Aがシェル層を形成し易くなる。その結果、耐久安定性に優れ、かつシェル層を形成するポリエステル樹脂Aの極性が適度になることからトナーの帯電安定性により優れる。
また、本発明において、ポリエステル樹脂Aの製造に用いられる脂肪族系ジオール化合物として、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールやネオペンチルグリコールなどを用いてもよい。ただし、これらの脂肪族系ジオール化合物のように、水酸基が結合する炭素原子又はその隣の炭素原子にメチル基などのアルキル基が結合した分岐構造を有するものは分岐の
アルキル基による立体障害が生じやすい。また、炭素数が3以上の直鎖構造のジオール化合物ではポリエステル樹脂Aの柔軟性が過剰となり易い。そのため、ポリエステル樹脂Aに用いられる脂肪族系ジオール化合物としては、ポリエステル樹脂Aの柔軟性の観点でエチレングリコールが好ましい。
該式(2)で表されるイソソルビドユニット及びエチレングリコール由来のモノマーユニットを合計した含有割合が、ポリエステル樹脂Aを構成する全アルコールモノマーユニットを基準として、20.00mol%以上65.00mol%以下であることが好ましい。該構成を採用することで、高温高湿環境下での保管後の多数枚のプリントアウト時において、カブリや部材汚染のさらなる抑制が可能となる。
その理由は、ポリエステル樹脂Aを構成するモノマーユニットのうち、イソソルビドユニット及びエチレングリコール由来のモノマーユニットの極性が特に強く、シェル層形成に大きく影響を与え、ポリエステル樹脂Aが強固なシェル層を形成するからである。
ポリエステル樹脂Aの含有量が、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上である場合、トナーの表面においてシェル層を形成するのに十分であり、耐久安定性及び保管安定性の点で好ましい。一方、25.0質量部以下である場合、トナーの吸湿性を抑えることができ、良好な帯電安定性を示し、且つ定着性の点でも好ましい。
ポリエステル樹脂Aの酸価が、1.0mgKOH/g以上である場合、ポリエステル樹脂Aは水相側に分布するためトナーの製造過程において、シェル層の形成がより一層ムラの小さいものになるため、保管安定性などの点で好ましい。
一方、ポリエステル樹脂Aの酸価が、30.0mgKOH/g以下である場合、シェル層を形成するポリエステル樹脂Aの吸湿性が過剰とはならないため、帯電安定性の点で好ましい。
ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量(Mw)が、5000以上である場合、ポリエステル樹脂Aが分子として強靭であるため、耐久安定性の点で好ましい。
一方、ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量(Mw)が、25000以下である場合、ポリエステル樹脂Aの溶解性の点でも、分子サイズの点でも大きすぎないため、好ましい。
また、ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量(Mw)が8000以上20000以下で、かつ、ポリエステル樹脂Aの酸価が1.0mgKOH/g以上15.0mgKOH/g以下であることがより好ましい。上記範囲を満たすことで、適度に強固なポリエステル樹脂Aが適度な極性を有することで強固なシェルを形成するため、トナーの保管安定性と帯電安定性により優れる。
以下であることが好ましく、68℃以上80℃以下であることがより好ましい。
ポリエステル樹脂Aのガラス転移温度(Tg)が65℃以上である場合、耐熱性が高く保管安定性の点で好ましい。一方、ポリエステル樹脂Aのガラス転移温度(Tg)が85℃以下である場合、トナーの定着性の点で好ましい。
好ましい製造方法としては、原料の多様性、反応のしやすさからカルボン酸化合物とアルコール化合物を用いた脱水縮合反応である。
具体的には、ジカルボン酸又はその無水物(モノマー)と、下記式(A)で示されるイソソルビド及び二価のアルコール(モノマー)とを、窒素雰囲気中、180〜260℃の反応温度で脱水縮合する方法が挙げられる。また、本発明の効果を阻害しない限り、必要に応じて三官能以上の多塩基酸又はその無水物、一塩基酸、三価以上のアルコール、一価のアルコールなどを用いることも可能である。
また、全モノマー成分中、43〜57mol%がアルコールモノマーであり、43〜57mol%が酸モノマーであることが好ましい。
本発明において、ポリエステル樹脂Aは、ジカルボン酸及びジオールから合成することにより得ることが可能であるが、場合により、3価以上のポリカルボン酸又はポリオールを、本発明の効果を阻害しない範囲で少量使用してもよい。
3価以上のポリカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸類、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチレンカルボキシプロパン、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸及びそれらの無水物が挙げられる。
3価以上のポリオールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−ブタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
本発明において、ポリエステル樹脂Aの効果の発現を効率良く行うという観点から、3価以上のポリカルボン酸の含有割合は、ポリエステル樹脂Aを構成する全酸モノマーユニットを基準として、10.00mol%以下であることが好ましい。また、同様に、3価以上のポリオールの含有割合は、ポリエステル樹脂Aを構成する全アルコールモノマーユニットを基準として、10.00mol%以下であることが好ましい。
また、帯電制御樹脂Bは、式(4)で示されるモノマーユニット、及び、ビニル系のモノマーユニットを有するビニル系共重合体であってもよい。
これは、帯電制御樹脂Bがビニル系共重合体であることにより、ビニル系樹脂を主成分とするトナー中では、相溶されやすくなる。相溶化により最適な分子配置を取ることが可能となり、本発明の効果がより顕著になるものと考えている。
また、帯電制御樹脂Bをビニル系共重合体とすることにより、帯電制御樹脂Bのガラス
転移温度(Tg)を容易に制御できることから、トナーの定着性を維持しつつ、本発明の効果を発現でき、好ましい態様となる。
この場合、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分とを重縮合させて生成されるポリエステル構造を主鎖とし、上記式(1)で表される構造を含有させればよい。また、ポリエステル構造を有する重合体として、ポリエステル構造をビニル系モノマーで変性させたハイブリッド樹脂を用いることも可能である。
ハイブリッド樹脂を用いる場合、ハイブリッド樹脂中のビニル変性比の調整には公知の方法が使用可能である。具体的には使用するポリエステル構造成分とビニル系モノマー成分の仕込み量比を変えることで任意の変性比が調整可能である。
該ポリエステル構造を有する重合体を構成する多価アルコール成分としては、以下が例示できる。
二価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA。
三価以上のアルコール成分としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンなどが挙げられる。
また、多価カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸のような芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸のようなアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6以上12以下のアルキル基で置換されたコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸のような不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;などが挙げられる。
それらの中でも、特に、ビスフェノール誘導体を多価アルコール成分とし、二価以上のカルボン酸、その酸無水物、又はその低級アルキルエステルからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など)を多価カルボン酸成分として、これらを縮重合したポリエステルが好ましく例示できる。
帯電制御樹脂Bが、ビニル系(共)重合体の場合には、一例として、式(1)で表される構造を含有するモノマー(下記式(5))を、重合開始剤を用いて重合させればよい。
[前記式(5)中、R7は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、又は、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表し、R8は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、又は、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表し、R9は、水素原子又はメチル基を表し、nは1以上3以下の整数を表し、mは0以上3以下の整数を表す。]
該ビニル系モノマーの具体例として、以下のような化合物を挙げることができる。
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレンのようなスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンのような不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニルのようなハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル酸;アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ルのようなアクリル酸エステル類;前記アクリル酸エステル類のアクリル酸をメタクリル酸に変えたメタクリル酸エステル類;メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルのようなメタクリル酸アミノエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルのようなビニルエーテル類;ビニルメチルケトンのようなビニルケトン類;N−ビニルピロールのようなN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド;アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
該過酸化物系重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。
有機系として、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド。
無機系としては、過硫酸塩、過酸化水素などが挙げられる。
具体的には、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネートなどのパーオキシエステル;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;1,1−ジ−t−ヘキシルパーオキシシクロヘキサンなどのパーオキシケタール;ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド;その他、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネートなどが挙げられる。
該アゾ系重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが例示される。
なお、これら重合開始剤は、単独で、又は2種以上同時に用いることもできる。
該重合開始剤の使用量は、モノマー100質量部に対して、0.1質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。また、その重合法としては、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、分散重合、沈殿重合、塊状重合などいずれの方法を用いることも可能であり、特に限定するものではない。
(A)ポリエステル構造に含まれるカルボキシ基や水酸基の反応残基を利用して、有機反応により、式(1)で表される構造を置換基として有する構造に変換する方法;
(B)式(1)で表される構造を有する多価アルコール又は多価カルボン酸を用いてポリエステルを作製する方法;
また、ハイブリッド樹脂である場合には、
(C)式(1)で表される構造を含有する不飽和基含有ポリエステルを、ビニルモノマーを用いてハイブリッド化する方法;
(D)式(1)で表される構造を有するビニル系モノマーを用いて不飽和基含有ポリエステルをハイブリッド化する方法;
などが挙げられる。
用いてアミド化する方法を挙げることができる。
[前記式(6)中、COOHとOHは隣り合う位置に結合し、R10は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、又は、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表し、pは0以上3以下の整数を表す。]
帯電制御樹脂Bの重量平均分子量(Mw)が1000以上であれば、帯電制御樹脂B中の式(1)で表される構造の、樹脂間での偏在が抑制される傾向にある。一方、100000以下であれば、帯電制御樹脂Bのトナー間での偏在が抑制される傾向にある。そのことで、トナーとして安定した帯電安定性が得られ、本発明の効果をより発揮することができる。
本発明において、帯電制御樹脂Bの重量平均分子量(Mw)の調整方法としては公知の方法が使用可能である。例えば、以下の通りである。
帯電制御樹脂Bがビニル系(共)重合体である場合、ビニル系モノマーと重合開始剤の仕込み比、重合温度などにより任意に調整可能である。
一方、帯電制御樹脂Bがポリエステル構造を有する重合体である場合、酸成分とアルコール成分の仕込み比や重合時間により任意に調整可能である。また、ハイブリッド樹脂である場合は、ポリエステル構造の分子量調整に加えて、ビニル変性ユニットの分子量の調整でも可能となる。
具体的には、ビニル変性の反応工程において重合開始剤量や重合温度などにより任意に調整可能である。本発明において、ポリエステル構造のハイブリッド化に用いることのできるビニルモノマーとしては、前述したビニル系モノマーを用いることができる。
また、帯電制御樹脂Bの含有量は、スチレンを含むモノマーから形成される樹脂(すなわち、結着樹脂)100質量部に対して、0.010質量部以上20.000質量部以下であることが好ましく、0.025質量部以上10.000質量部以下であることがより
好ましい。
また、帯電制御樹脂Bのスチレン−ヘキサン溶解度指数は、15.0以上27.0以下であることが好ましく、17.0以上25.0以下であることがより好ましい。
なお、帯電制御樹脂Bのスチレン−ヘキサン溶解度指数は、上述の方法で上記範囲に調整することができる。
該磁性材料としては、以下の、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトのような酸化鉄、又は他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe、Co、Niのような金属、又は、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Ca、Mn、Se、Tiのような金属との合金、及びこれらの混合物が挙げられる。
具体的には、四三酸化鉄(Fe3O4)、三二酸化鉄(γ−Fe2O3)、酸化鉄亜鉛(ZnFe2O4)、酸化鉄銅(CuFe2O4)、酸化鉄ネオジウム(NdFe2O3)、酸化鉄バリウム(BaFe12O19)、酸化鉄マグネシウム(MgFe2O4)、酸化鉄マンガン(MnFe2O4)が挙げられる。
該磁性材料は、単独で、又は2種類以上を組合せて使用できる。
特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄、又は三二酸化鉄の微粉末である。
これらの磁性材料は、個数平均粒径が0.1μm以上2μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.3μm以下であることがより好ましい。
また、795.8kA/m(10kエルステッド)印加での磁気特性は、抗磁力(Hc)が、1.6kA/m以上12kA/m以下(20エルステッド以上150エルステッド以下)であることが好ましい。また、飽和磁化(σs)が、5Am2/kg以上200Am2/kg以下であることが好ましく、より好ましくは50Am2/kg以上100Am2/kg以下である。一方、残留磁化(σr)が、2Am2/kg以上20Am2/kg以下であることが好ましい。
トナー中における該磁性材料の含有量は、スチレンを含むモノマーから形成される樹脂(すなわち、結着樹脂)100質量部に対して、10.0質量部以上200質量部以下であることが好ましく、より好ましくは20.0質量部以上150質量部以下である。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、チタンブラック及び以下に示すイエロー、マゼンタ、及びシアン着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
顔料系のイエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。具体的には、C.I.Pigment Yellow3、7、10、12、13、14、15、17、23、24、60、62、74、75、83、93、94、95、99、100、101、104、108、109、110、111、117、123、128、129、138、139、147、148、150、155、166、168、169、177、179、180、181、183、185、191:1、191、192、193、199が挙げられる。
染料系のイエロー着色剤としては、C.I.solvent Yellow33、56、79、82、93、112、162、163、C.I.disperse Yellow42、64、201、211が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、5
7:1、81:1、122、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.ピグメントバイオレッド19が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し、さらには固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐侯性、OHT透明性、トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の含有量は、スチレンを含むモノマーから形成される樹脂(すなわち、結着樹脂)100質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスのような脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスのような脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水素系ワックスのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス;脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステルの一部又は全部を脱酸化したもの;ベヘニン酸モノグリセリドのような脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物。
該離型剤の分子量分布としては、メインピークが分子量400以上2400以下の領域にあることが好ましく、430以上2000以下の領域にあることがより好ましい。これによって、トナーに好ましい熱特性を付与することができる。
該離型剤の含有量は、スチレンを含むモノマーから形成される樹脂(すなわち、結着樹脂)100質量部に対して、2.5質量部以上40.0質量部以下であることが好ましく、3.0質量部以上15.0質量部以下であることがより好ましい。
ポリエステル樹脂A、帯電制御樹脂B、着色剤及びモノマーを含有するモノマー組成物を水系媒体中に分散し、該水系媒体中で該モノマー組成物の粒子を形成する工程、及び、
該モノマー組成物の該粒子に含まれる該モノマーを重合する工程を含むトナーの製造方法であって、
該モノマー中のスチレンの含有量が、60質量%以上であり、
該帯電制御樹脂Bが、上記式(1)で表される構造を有する重合体であり、
該ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数が、15.0以上27.0以下であり、
該ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数と該帯電制御樹脂Bのスチレン−ヘキサン溶解度指数の差の絶対値が7.0以下であることを特徴とするトナーの製造方法である。
具体的な手順を以下に説明するが、これに限定されるものではない。
まず、スチレンを含有するモノマー、ポリエステル樹脂A、帯電制御樹脂B及び着色剤、並びに、必要に応じて、離型剤及び他の添加剤を混合し、撹拌機などによって均一に溶解又は分散して、モノマー組成物を作製する。
得られたモノマー組成物を、分散剤を含有する水系分散体中に添加し、高速撹拌機又は超音波分散機のような高速分散機を使用して分散し、モノマー組成物の粒子を形成する。
そして、該粒子に含まれるモノマーを光や熱により重合する。重合によって得られた粒
子は、ろ過、洗浄、乾燥工程などを経てトナーとするとよい。
該懸濁重合法で製造する場合には、重合開始剤を用いてもよく、モノマー中に他の添加剤を添加するときに同時に加えてもよいし、水系媒体中でモノマー組成物の粒子を形成する直前に混合してもよい。また、粒子の形成直後、重合反応を開始する前にモノマー又は溶媒に溶解した重合開始剤を加えてもよい。
該水系媒体としては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、などのアルコール類;メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテルアルコール類が挙げられる。その他にも水溶性のものとして、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類;エチルエーテル、エチレングリコールなどのエーテル類;メチラール、ジエチルアセタールなどのアセタール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの酸類などから選ばれるが、水又はアルコール類であることが好ましい。
また、これらの水系媒体は2種類以上混合して用いることもできる。
水系媒体に対するモノマー組成物の濃度は、水系媒体に対して、1質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上65質量%以下である。
無機化合物としては、以下のものが挙げられる。
リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ。
一方、有機化合物としては、以下のものが挙げられる。
ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプン。
分散剤の使用量は、モノマー組成物100質量部に対して、0.2質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
上記重合開始剤としては、帯電制御樹脂Bにおいて例示した重合開始剤を同様に用いることができる。
具体的には、2官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び上記のジアクリレートをジメタクリレートに代えたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルトリメリテートが挙げられる。これらの架橋剤の添加量は、モノマー100.00質量部に対して、0.10質量部以上5.00質量部以下であることが好ましい。
該無機微粒子としては、湿式製法によるシリカ微粒子、及び乾式製法によるシリカ微粒子のようなシリカ微粒子、並びに、それらシリカ微粒子をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、及びシリコーンオイルのような処理剤により表面処理を施した処理シリカ微粒子が挙げられる。
該無機微粒子は、窒素吸着によるBET法で測定した比表面積が30.0m2/g以上
であることが好ましく、より好ましくは50.0m2/g以上である。
該無機微粒子の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.01質量部以上8.0質量部以下が好ましく、より好ましくは0.10質量部以上4.0質量部以下である。
<スチレン−ヘキサン溶解度指数の測定>
本発明で規定するスチレン−ヘキサン溶解度指数とは、ポリエステル樹脂Aを良溶媒であるスチレンに溶解させたものに貧溶媒であるヘキサンを添加していったときにポリエステル樹脂A成分が析出し始めるヘキサンの添加量で規定する。
本発明のトナーの製造方法においては、モノマーに含有されるスチレンの割合が60質量%以上とスチレンが多く含まれている。そのため、スチレンを多く含むモノマー中にポリエステル樹脂Aが溶解している状態から重合反応が進行し、重合反応の進行とともにスチレンを含むモノマーが減少していく。
ポリエステル樹脂Aのスチレン溶液にヘキサンを添加していくことは、ポリエステル樹脂Aのスチレン溶液におけるスチレンの割合が減少していくことを意味する。すなわち、該スチレン−ヘキサン溶解度指数の測定方法は、実際に重合反応が進行した場合に生じるスチレンを含むモノマーの減少を再現したものである。
従って、スチレン−ヘキサン溶解度指数が小さいほど、重合反応初期にポリエステル樹脂Aが析出してくることを表す。
また、この測定において無極性溶媒であるヘキサンを用いることで、極性が高いポリエステル樹脂Aほどヘキサンの添加量が少ない段階で析出することになる。従って、スチレン−ヘキサン溶解度指数が小さいほど、水相側のトナー表層側に重合反応の進行に伴い析出したポリエステル樹脂Aが存在することを示す。
4.0質量部のポリエステル樹脂Aをスチレン100.0質量部に溶解したスチレン溶液(液温25℃)を調製する。樹脂を溶解して12時間以上24時間未満放置したものをサンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45μm)で濾過してスチレン不溶分を濾別し、濾液を測定用試料とする。
(測定方法)
測定装置として、(株)レスカ社製の粉体濡れ性試験機(WET−101P)を用いる。
スチレン−ヘキサン溶解度指数は、作製した測定試料をトールビーカー容器中に入れ、滴下試薬としてはn−ヘキサンとし、得られたn−ヘキサン滴下透過率曲線から決定する。
なお、該トールビーカーは、直径5cmの円形で、厚さ1.75mmのガラス製のものを用い、スターラーとして、長さ25mm、最大径8mmの紡錘形でありフッ素樹脂コーティングを施されたマグネティックスターラーを用いた。
具体的な測定操作は以下の通りである。
測定用試料を280〜300rpmの速度で撹拌しながら、n−ヘキサンを0.8ml/minの滴下速度で連続的に添加し、波長780nmの光で透過率を測定し、n−ヘキサン滴下透過率曲線を作成する。
得られたn−ヘキサン滴下透過率曲線から光の透過率が50%の時点におけるn−ヘキサン濃度(体積%)をポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数とする。
n−ヘキサン滴下透過率曲線の一例を図1に示す。
ポリエステル樹脂A、帯電制御樹脂B及びモノマーの構造は、核磁気共鳴装置(1H−NMR)を用いて決定し、組成比を算出することができる。
以下に用いる装置について記す。
測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数 :64回
測定温度 :30℃
試料50mgを内径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl3)を添加する。該サンプルチューブを40℃の恒温槽にいれ、試料を溶解して測定試料を調製する。当該測定試料を用いて上記条件にて測定する。
なお、帯電制御樹脂Bにおける式(1)で表される構造のモル含有量は、上述の核磁気共鳴装置に加え、上述の酸価測定により算出することができる。
具体的には、核磁気共鳴装置を用い、帯電制御樹脂Bに含まれるモノマーの構造を分析し、構成モノマーを同定する。次に上述の酸価測定から、帯電制御樹脂Bに含まれる式(1)で表される構造と酸価との関係から定量し、モル含有量として算出する。
ポリエステル樹脂A、帯電制御樹脂B及びその他樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算で算出する。
酸基を有する樹脂の分子量を測定する場合は、カラム溶出速度が酸基の量にも依存してしまうため、予め酸基をキャッピングした試料を用意する。
キャッピングにはメチルエステル化が好ましく、市販のメチルエステル化剤が使用できる。具体的には、トリメチルシリルジアゾメタンで処理する方法を用いる。
GPCによる分子量の測定は、以下の様にして行う。
樹脂をTHF(テトラヒドロフラン)に加え、室温で24時間静置した溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。
なお、サンプル溶液は、樹脂の濃度が0.8質量%になるようにTHFの量を調製する。また、樹脂がTHFに溶解しにくい場合には、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などの塩基性溶媒を用いることも可能である。
該サンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置 :HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速 :1.0mL/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
試料の分子量の算出にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料は、東ソ−社製の商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」である。
酸価は、試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明における酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
0.1モル/L水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を用いて滴定を行う。水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターは、電位差滴定装置(京都電子工業株式会社製 電位差滴定測定装置AT−510)を用いて求める。
具体的には、0.100モル/L塩酸100mLを250mLトールビーカーに取り、水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、中和に要した水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量から求める。0.100モル/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作製されたものを用いる。
以下に、酸価測定の際の測定条件を示す。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業株式会社製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業株式会社製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメータ並びに制御パラメータは下記のように行う。
<滴定パラメータ>
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20mL
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
<制御パラメータ>
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1mL
<本試験>
測定サンプル0.100gを250mLのトールビーカーに精秤し、トルエンとエタノール(3:1)の混合溶液150mLを加え、1時間かけて溶解する。電位差滴定装置を用い、水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
<空試験>
試料を用いない(すなわち、トルエンとエタノール(3:1)の混合溶液のみとする)こと以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.611]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター、S:試料(g)である。
水酸基価は、試料1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。本発明における水酸基価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
特級無水酢酸25.0gをメスフラスコ100mLに入れ、ピリジンを加えて全量を100mLにし、十分に振りまぜてアセチル化試薬を得る。得られたアセチル化試薬は、湿気、炭酸ガスなどに触れないように、褐色びんにて保存する。
1.0モル/L水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を用いて滴定を行う。水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターは、電位差滴定装置(京都電子株式会社製 電位差滴定測定装置AT−510)を用いて求める。具体的には、1.00mol/L塩酸100mLを250mLトールビーカーに取り、水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、中和に要した水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量から求める。1.00mol/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作製されたものを用いる。
以下に、水酸基価測定の際の測定条件を示す。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業株式会社製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業株式会社製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメータ並びに制御パラメータは下記のように行う。
<滴定パラメータ>
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:80mL
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
<制御パラメータ>
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.5mL
<本試験>
測定サンプル2.00gを200mL丸底フラスコに精秤し、これに上記アセチル化試薬5.00mLを、ホールピペットを用いて正確に加える。この際、試料がアセチル化試薬に溶解しにくいときは、特級トルエンを少量加えて溶解する。
フラスコの口に小さな漏斗をのせ、97℃のグリセリン浴中にフラスコ底部1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首の温度が浴の熱を受けて上昇するのを防ぐため、丸い穴をあけた厚紙をフラスコの首の付根にかぶせることが好ましい。
1時間後、グリセリン浴からフラスコを取り出して放冷する。放冷後、漏斗から水1.00mLを加えて振り動かして無水酢酸を加水分解する。さらに完全に加水分解するため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱する。放冷後、エチルアルコール5.00mLで漏斗及びフラスコの壁を洗う。
得られたサンプルを250mLのトールビーカーに移し、トルエンとエタノール(3:
1)の混合溶液100mLを加え、1時間かけて溶解する。電位差滴定装置を用い、水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
<空試験>
試料を用いない(すなわち、トルエンとエタノール(3:1)の混合溶液のみとする)こと以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
得られた結果を下記式に代入して、水酸基価を算出する。
A=[{(B−C)×28.05×f}/S]+D
ここで、A:水酸基価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター、S:試料(g)、D:樹脂の酸価(mgKOH/g)である。
トナー及び各樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用い、ASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、測定サンプル3mgを精秤し、アルミニウム製のパン中に入れ、対照用に空のアルミパンを用い、20℃で5分間平衡を保った後、測定範囲20℃以上140℃以下の間で、1.0℃/minのモジュレーションをかけて、昇温速度1℃/minで測定を行う。ガラス転移温度は、測定時の各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点の温度である。
トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。
測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。
測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター
Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)を使用する。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解水溶液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液30mLを入れる。この中に
分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)を算出する。なお、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
テレフタル酸: 29.9質量部
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物: 48.5質量部
イソソルビド: 1.2質量部
エチレングリコール: 4.5質量部
テトラブトキシチタネート: 0.125質量部
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、及び撹拌装置を備えたオートクレープ中に上記材料を仕込み、窒素雰囲気下、常圧、200℃で5時間反応を行った。
その後、トリメリット酸2.1質量部及びテトラブトキシチタネート0.120質量部を追加し、220℃で3時間反応し、さらに10〜20mmHgの減圧下で2時間反応してポリエステル樹脂A1を得た。得られたポリエステル樹脂Aの物性は表3に示す。
得られたポリエステル樹脂Aの組成は、表2に記載の仕込み量通りの組成であった。
表2の原材料モノマー仕込み量にて、ポリエステル樹脂A1と同様の操作を行い、ポリエステル樹脂A2〜18を製造した。得られたポリエステル樹脂Aの物性を表3に示す。
得られたポリエステル樹脂Aの組成は、表2に記載の仕込み量通りの組成であった。
表中の略号の意味は以下の通り。
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
TMA:トリメリット酸
BPA(PO):ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物
EG:エチレングリコール
A:ポリエステル樹脂Aを構成する全ジカルボン酸モノマー中のTPAのmol%
B:ポリエステル樹脂Aを構成する全モノマー中のイソソルビドのmol%
C:ポリエステル樹脂Aを構成する全アルコールモノマー中の(EG+イソソルビド)のmol%
<モノマーC−1の合成例>
2,4−ジヒドロキシ安息香酸18gをメタノール150mLに溶解した。この溶解液に炭酸カリウム36.9gを加えて65℃に加熱した。4−(クロロメチル)スチレン18.7gとメタノール100mLを混合溶解させた溶解液を作製し、これをサリチル酸中間体が入った溶解液に滴下し、65℃にて3時間反応させた。得られた反応液を冷却してから、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。析出物をpH=2の水1.50Lに分散させ、酢酸エチルを加えて抽出した。その後、水洗してから、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去することにより析出物を得た。析出物をヘキサン洗浄してから、トルエン/酢酸エチルにて再結晶し、下記式(7)で示される構造を有するモノマーC−1を20.1g得た。
(工程1)
2,5−ジヒドロキシ安息香酸100gと80%硫酸1441gとを50℃に加熱しながら混合し、この混合液にtert−ブチルアルコール144gを加えて50℃で30分間撹拌した。次に、混合液にtert−ブチルアルコール144gを加え50℃で30分間撹拌する操作を3回行った。反応液を室温まで冷却してから、氷水1.00kgに徐々に注ぎ、析出物を濾過した。析出物を水洗し、さらにヘキサンにより洗浄した。ここで得られた析出物をメタノール200mLに溶解させ、水3.60Lに再沈殿させた。濾過後、80℃にて乾燥させることで下記式(8)に示すサリチル酸中間体を74.9g得た。
上記サリチル酸中間体 25.0gをメタノール150mLに溶解した。この溶解液に炭酸カリウム36.9gを加えて65℃に加熱した。4−(クロロメチル)スチレン18.7gとメタノール100mLに混合溶解させた溶解液を作製し、これをサリチル酸中間体が入った溶解液に滴下し、65℃にて3時間反応させた。得られた反応液を冷却してから、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。析出物をpH=2の水1.50Lに分散させ、酢酸エチルを加えて抽出した。その後、水洗してから、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去することにより析出物を得た。析出物をヘキサン洗浄してから、トルエン/酢酸エチルにて再結晶し、下記式(9)で示される構造を有するモノマーC−2を20.1g得た。
2,5−ジヒドロキシ安息香酸100.0gをメタノール2Lに溶解させ、炭酸カリウム88.3gを加えて67℃に加熱した。この溶解液に4−(クロロメチル)スチレン102.0gを22分間かけて滴下し、67℃にて12時間反応させた。得られた反応液を冷却し、メタノールを減圧留去し、ヘキサンで洗浄した。残渣をメタノールに溶解させ水に滴下し、再沈澱させ、析出物をろ過した。この再沈澱操作を2回繰り返し、残渣を80
℃で乾燥させ、下記式(10)で示される構造を有するモノマーC−3を得た。
tert−ブチルアルコール144gを2−オクタノール253gに変更すること以外は、モノマーC−2の合成(工程1)と同じ方法で、サリチル酸中間体を得た。ここで得られたサリチル酸中間体32gを用いること以外は、モノマーC−2の合成(工程2)と同じ方法で、下記式(11)で示される構造を有するモノマーC−4を得た。
式(8)のサリチル酸中間体を2,5−ジヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸22gに変更すること以外は、モノマーC−2の合成(工程2)と同じ方法で、下記式(12)で示される構造を有するモノマーC−5を得た。
式(8)のサリチル酸中間体を2,3−ジヒドロキシ安息香酸18gに変更すること以外は、モノマーC−2の合成(工程2)と同じ方法で、下記式(13)で示される構造を有する化合物C−6を得た。
4−(クロロメチル)スチレンを、3−(クロロメチル)メチルスチレンと4−(クロロメチル)スチレンの混合物(AGCセイケミカル社製、商品名「CMS−P」)に変更すること以外は、モノマーC−2の合成(工程2)と同じ方法で、下記式(14)で示される構造を有するモノマーC−7を得た。
<帯電制御樹脂B−1の合成>
式(7)に示すモノマーC−1 12.00gとスチレン88.00gをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)40.00mlに溶解させ、1時間撹拌した後110℃まで加熱した。この反応液に、tert−ブチルパーオキシイソプピルモノカルボネート(日本油脂株式会社製、商品名パーブチルI)3.50gをトルエン40.00mlに仕込んだ溶液を1時間撹拌して得られた溶解液を滴下した。窒素導入下、さらに110℃にて4時間反応した。その後、冷却しメタノール1.00Lに滴下し、析出物を得た。得られた析出物をTHF120mlに溶解後、メタノール1.80Lに滴下し、白色析出物を析出させ、濾過し、減圧下90℃にて乾燥させることで、モノマーC−1とスチレンとから得られた帯電制御樹脂B−1を得た。
得られた帯電制御樹脂B−1の組成分析は、前述の1H−NMRを用いて行い、モノマーC−1が重合されていることを確認した。また、帯電制御樹脂B−1の酸価は24.8mgKOH/gであり、酸価からモノマーC−1に由来する式(1)で表される構造を442μmol/g含有していることが確認された。帯電制御樹脂Bの仕込み量と組成分析
を行った結果を表4に示す。また、得られた樹脂の酸価及び式(1)で表される構造のモル含有量も表4に示す。
式(1)で表される構造を含むモノマーの種類及び仕込み量、ビニル系モノマーの種類及び仕込み量、重合開始剤の添加量、並びに、反応条件を表4に示すように変更すること以外は、帯電制御樹脂B−1の合成と同様の操作を行い、帯電制御樹脂B−2〜B−12を製造した。得られた樹脂の物性を表4に示す。
攪拌機、コンデンサー、温度計、及び窒素導入管の付いた2Lフラスコに、トルエン100部、メタノール350部、スチレン470部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸40部、アクリル酸−2−エチルヘキシル70部、メタクリル酸ベンジル20部、及びラウリルパーオキサイド10部を仕込み、攪拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合した。得られた内容物をフラスコから取り出し、イソプロピルアルコールで洗浄後、40℃で96時間減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕し、粗砕物をさらに40℃で48時間減圧乾燥し、帯電制御樹脂Dを製造した。得られた帯電制御樹脂Dの物性は、Mw=24000、Tg=67℃、残存モノマー=350ppmであった。なお、得られた帯電制御樹脂Dの酸価は、20mgKOH/gで、スチレン−ヘキサン溶解性指数の値は40.0であった。
下記の手順によってトナー1を製造した。
高速撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック社製)を備えた容器中に0.1mol/L−Na3PO4水溶液850質量部を添加し、回転数を15000rpmに調整し、60℃に加温した。ここに1.0mol/L−CaCl2水溶液68質量部を添加し、微小な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を含む水系媒体を調製した。また、下記の材料をプロペラ式攪拌装置にて100r/minで溶解して溶解液を調製した。
・スチレン 75.00質量部
・n−ブチルアクリレート 25.00質量部
・ポリエステル樹脂A−1 4.00質量部
・帯電制御樹脂B−1 1.000質量部
次に上記溶解液に下記の材料を添加した。
・C.I.ピグメントブルー15:3 6.50質量部
・炭化水素ワックス 9.00質量部
(最大吸熱ピークのピーク温度が77℃、HNP−51、日本精蝋社製)
その後、混合液を温度60℃に加温した後にTK式ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)にて、9000r/minにて攪拌し、溶解、分散した。
これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10.00質量部を溶解し、モノマー組成物を調製した。上記水系媒体中に該モノマー組成物を投入し、温度60℃にてクレアミックスを15000rpmで回転させながら15分間造粒した。
その後、プロペラ式攪拌装置に移して100r/minで攪拌しつつ、温度70℃で5時間反応させた後、温度80℃まで昇温し、さらに5時間反応を行い、トナー粒子を製造した。重合反応終了後、前記粒子を含むスラリーを冷却し、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してトナー粒子を得た。
上記トナー粒子100.0質量部に対して、流動性向上剤として、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)で処理され、トナー粒子と同極性(負極性)に摩擦帯電する疎水性シリカ微粒子(1次粒子の個数平均粒径:10nm、BET比表面積:170m2/g)1.5質量部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機株式会社製)で3000r/minで15分間混合してトナー1を得た。
表5に示すように、ポリエステル樹脂A及び帯電制御樹脂Bの種類を変更することを除いて、トナーの製造例1と同様にして製造し、トナー2〜27を得た。
トナーの製造例1において、C.I.ピグメントブルー15:3をC.I.Pigment Violet 19に変更する以外は同様に製造し、トナー28を得た。
トナーの製造例1において、C.I.ピグメントブルー15:3をC.I.Pigment Yellow155に変更する以外は同様に製造し、トナー29を得た。
トナーの製造例1において、C.I.ピグメントブルー15:3をカーボンブラックに変更する以外は同様に製造し、トナー30を得た。
トナーの製造例1において、スチレンを65.00質量部、n−ブチルアクリレートを35.00質量部に変更する以外は同様に製造し、トナー31を得た。
トナーの製造例1において、スチレンを80.00質量部、n−ブチルアクリレートを20.00質量部に変更する以外は同様に製造し、トナー32を得た。
表5に示すように、ポリエステル樹脂A及び帯電制御樹脂Bの種類を変更することを除いて、トナーの製造例1と同様にして製造し、トナー33及び34を得た。
トナーの製造例1において、帯電制御樹脂B−1を帯電制御樹脂Dに変更する以外は同様に製造し、トナー35を得た。
トナーの製造例1において、スチレンを57.00質量部、n−ブチルアクリレートを43.00質量部に変更し、表5に示すように帯電制御樹脂Bを変更する以外は同様に製造し、トナー36を得た。
表5に示すように、ポリエステル樹脂A及び帯電制御樹脂Bの種類を変更することを除いて、トナーの製造例1と同様にして製造し、トナー37を得た。
トナー1〜37について、以下の評価を実施した。
約10gのトナーを100mlガラス瓶にいれ、温度45℃、湿度95%RHで20日間放置した後に目視で判定した。
A:変化なし
B:凝集体があるが、すぐにほぐれる
C:ほぐれにくい凝集体が発生
D:流動性なし
E:明白なケーキング
画像形成装置としては、図2のような構成を有する市販のレーザープリンターであるLBP−7700C(キヤノン製)のトナーカートリッジからトナーを抜き取り、エアブローによって清掃した後、トナーを160g充填した。そして、該トナーカートリッジを温度45℃、湿度95%RHの環境下で20日間放置した。その後、温度32.5℃、湿度90%RHの環境下で24時間放置し、該レーザープリンターのシアンステーションに装着し、その他は、ダミーカートリッジを装着し、画像出力試験を実施した。
画像評価は印字率が1%の画像を2枚印刷するごとに1分間休止する動作を繰り返し、20000枚の画像出力を行い、以下の方法で評価を行った。
カブリは、リフレクトメーター(東京電色社製)で測定した。上記の画像出力試験において、初期、18000枚後、20000枚後に印字率0%の画像を出力し、印刷画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出した。そのカブリ濃度の結果を下記の基準に基づいてカブリを評価した。
A:1.0%未満
B:1.0%以上1.5%未満
C:1.5%以上2.0%未満
D:2.0%以上3.0%未満
E:3.0%以上
部材汚染は、初期、18000枚後、20000枚後に印刷の前半部分がハーフトーン画像(トナー載り量0.25mg/cm2)で印刷の後半部分がベタ画像(トナー載り量0.40mg/cm2)である画像を印刷し、下記基準に従い評価した。
A:現像ローラ上にも、ハーフトーン部、ベタ部の画像上にも排紙方向の縦スジは見られない。
B:現像ローラの両端に周方向の細いスジが1〜2本あるものの、ハーフトーン部、ベタ部の画像上に排紙方向の縦スジは見られない。
C:現像ローラの両端に周方向の細いスジが3〜5本あるものの、ハーフトーン部、ベタ部の画像上に排紙方向の縦スジがほんの少し見られる。しかし、画像処理で消せるレベル。
D:現像ローラの両端に周方向の細いスジが6〜20本あり、ハーフトーン部、ベタ部の画像上にも細かいスジが数本見られる。画像処理でも消せない。
E:現像ローラ上とハーフトーン部の画像上に21本以上のスジが見られ、画像処理でも消せない。
Claims (10)
- モノマーの重合体、ポリエステル樹脂A、帯電制御樹脂B及び着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該モノマー中のスチレンの含有量が、60質量%以上であり、
該トナー粒子が、該ポリエステル樹脂Aで形成されたシェルを有し、
該帯電制御樹脂Bが、下記式(1)で表される構造を有する重合体であり、
[前記式(1)中、R 1 は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、又は、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表し、hは0以上3以下の整数を表す。]
該ポリエステル樹脂Aが、下記式(2)で表されるイソソルビドユニットを含有し、
該ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数が、15.0以上27.0以下であり、
該ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数と該帯電制御樹脂Bのスチレン−ヘキサン溶解度指数の差の絶対値が7.0以下であることを特徴とするトナー。 - 前記式(2)で表されるイソソルビドユニットの含有割合が、該ポリエステル樹脂Aを構成する全モノマーユニットを基準として、0.10mol%以上20.00mol%以下である、請求項1に記載のトナー。
- 前記ポリエステル樹脂Aが、テレフタル酸由来のモノマーユニットを含有し、
該テレフタル酸由来のモノマーユニットの含有割合が、該ポリエステル樹脂Aを構成する全ジカルボン酸モノマーユニットを基準として、85.00mol%以上である、請求項1又は2に記載のトナー。 - ポリエステル樹脂A、帯電制御樹脂B、着色剤及びモノマーを含有するモノマー組成物を水系媒体中に分散し、該水系媒体中で該モノマー組成物の粒子を形成する工程、及び、
該モノマー組成物の該粒子に含まれる該モノマーを重合してトナー粒子を得る工程を含むトナーの製造方法であって、
該モノマー中のスチレンの含有量が、60質量%以上であり、
該帯電制御樹脂Bが、下記式(1)で表される構造を有する重合体であり、
[前記式(1)中、R 1 は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、又は、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表し、hは0以上3以下の整数を表す。]
該ポリエステル樹脂Aが、下記式(2)で表されるイソソルビドユニットを含有し、
該ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数が、15.0以上27.0以下であり、
該ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数と該帯電制御樹脂Bのスチレン−ヘキサン溶解度指数の差の絶対値が7.0以下であることを特徴とするトナーの製造方法。 - 前記式(2)で表されるイソソルビドユニットの含有割合が、該ポリエステル樹脂Aを構成する全モノマーユニットを基準として、0.10mol%以上20.00mol%以下である、請求項6に記載のトナーの製造方法。
- 前記ポリエステル樹脂Aが、テレフタル酸由来のモノマーユニットを含有し、
該テレフタル酸由来のモノマーユニットの含有割合が、該ポリエステル樹脂Aを構成する全ジカルボン酸モノマーユニットを基準として、85.00mol%以上である、請求項6又は7に記載のトナーの製造方法。
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